次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技を行なうパチンコ機を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠11の開口前面側に、後述する遊技盤17(図2参照)が着脱可能に保持された本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組付けられて、該遊技盤17の裏側に対して、各種図柄を変動表示可能な図柄表示装置13が着脱し得るよう配設されている。前記中枠12の前面側には、前記遊技盤17を透視保護するガラス板を備えた装飾枠としての前枠14が開閉可能に組付けられている。この前枠14の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿15が一体的に組付けられており、前枠14の開閉に合わせて上球受け皿15も一体的に開閉するよう構成される。また前記中枠12には、前記前枠14の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿16が開閉可能に組付けられている。
(遊技盤について)
前記中枠12に配設される前記遊技盤17は、図2に示すように、前面(盤面)にパチンコ球が流下可能な遊技領域17aが画成され、アクリルやポリカーボネート等の光透過性の合成樹脂材からなる平板状の透明板で構成される。遊技盤17の前面には、円弧状に形成した案内レール18が配設されると共に、該案内レール18の右方位置に、左端縁が右方に凹む円弧状に形成した盤面飾り部材19が配設される。そして、案内レール18および盤面飾り部材19により遊技領域17aが略円形状に画成され、該遊技領域17a内に、中枠12に配設された図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球が打ち出され、該遊技領域17a内をパチンコ球が流下して遊技が行なわれる。また、遊技盤17の遊技領域17a内には、多数の遊技釘が植設されており、該遊技釘との接触により遊技領域17aを流下するパチンコ球の流下方向が不規則に変化するよう構成してある。
前記遊技盤17には、図1または図2に示す如く、後述する枠状装飾部材23の下縁より下方位置に、前記遊技領域17aを流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞装置20および特別入賞装置21等が配設される。始動入賞装置20は、遊技領域17aを流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞口が設けられる。そして、始動入賞装置20の始動入賞口へ入賞したパチンコ球が始動入賞センサ(図示せず)で検出されることで、図柄表示装置13の表示部13aで図柄変動が開始されると共に、所定数(例えば5個)のパチンコ球が賞球として前記上下の球受け皿15,16に払い出される。
前記特別入賞装置21は、入賞口が開閉扉で常には閉鎖されており、前記図柄表示装置13での図柄変動の結果、図柄表示装置13の表示部13aに所定の図柄組み合わせ(例えば同一図柄の三つ揃い等)で図柄が停止表示されることで所謂「大当り」が発生し、これにより開閉扉が開放するよう作動制御されて、入賞口への入賞により多数の賞球を獲得し得るようになっている。なお、図2の符号22は、遊技盤17に配設されて、常に入賞口を開放している普通入賞装置を示す。
(装飾部材について)
前記遊技盤17の中央には、図3に示す如く、前後に貫通する大型の貫通孔17bが形成されており、該貫通孔17bに対して前後に開口する枠状の枠状装飾部材(所謂センター役物)23が嵌め込まれるように着脱可能に配設される。そして、後述する設置部材28の開口部28aから臨む前記図柄表示装置13の表示部13aは、枠状装飾部材23における前後に開口する窓口(可視部)23aを介して遊技盤17の前側に露出して、該図柄表示装置13の表示部13aで展開される図柄変動演出を前側から視認し得るようになっている。
前記枠状装飾部材23には、図1〜図3に示す如く、上縁部から左右両縁部に亘り、遊技盤17の前面より前方に突出する円弧状の庇状部23bが設けられており、前記遊技領域17aに打ち出されたパチンコ球を外周部の庇状部23bで案内し得ると共に、該パチンコ球が枠状装飾部材23の窓口23aを横切って流下するのを該庇状部23bで規制している。また枠状装飾部材23には、窓口23aの下側に、ステージ24が配設されると共に、窓口23aの左側に、遊技領域17aに開口して該遊技領域17aを流下するパチンコ球を取込んでステージ24に案内する球導入部25が設けられ、該球導入部25からステージ24に通出されたパチンコ球は、ステージ24上を左右に転動した後に、前記各入賞装置20,21,22が配設されている遊技領域17aに排出される。
前記ステージ24の後端縁には、左右方向の全長に亘って上側に向けて所定高さで立上がる透明壁26が設けられ、ステージ24上を転動するパチンコ球が図柄表示装置13の表示部13a側に移動するのを該透明壁26で防止している。
(設置部材について)
前記遊技盤17の裏面には、図3〜図7に示す如く、前記図柄表示装置13が着脱可能に配設されると共に、後述する可動演出装置M1,M2,M3や複数の発光装置144,145,146等の遊技部品が配設される合成樹脂材で形成された設置部材28が配設され、該設置部材28に形成された前後に開口する開口部28aを介して図柄表示装置13の表示部13aを遊技盤17の前側から視認し得るよう構成されている。実施例では、設置部材28の開口部28aは、上辺、下辺、左辺および右辺で画成される略4角形状に開口しており、図柄表示装置13の表示部13aは開口部28aから視認可能な領域となることから、該開口部28aの縁部が表示部13aの外縁となっている。
前記設置部材28は、図3〜図7に示すように、前方に開口する矩形箱状に形成された箱状本体29と、該箱状本体29の開口前端部に形成されて当該箱状本体29の開口外側へ延出し、前記遊技盤17の裏面に当接する取付部30とから構成される。箱状本体29は、遊技盤17に対向する矩形板状に形成された対向面壁31と、該対向面壁31における上下左右の各縁部から前方に延出する画壁32とから前方に開口するよう形成されて、各画壁32の前端部から箱状本体29の開口外側へ向けて延出するよう取付部30が形成される。そして、取付部30の前面を遊技盤17の裏面に当接した状態で、取付部30を遊技盤17にネジ止めすることによって遊技盤17に設置部材28が固定される。
前記対向面壁31には、図7に示す如く、上下および左右幅の大部分が開口する大型の前記開口部28aが形成されている。以下の説明において、対向面壁31における開口部28aに対する上下左右に位置する部分について、上対向面壁31a、下対向面壁31b、左対向面壁31c、右対向面壁31dと夫々指称するものとする。
前記遊技盤17の裏側に設置部材28を取付けた状態で、該設置部材28の対向面壁31と遊技盤17との間に所要の設置空間Sが画成される。設置部材28の対向面壁31には、図4および図6に示す如く、左対向面壁31cおよび下対向面壁31bに第1可動演出装置M1が配設されると共に、右対向面壁31dおよび下対向面壁31bに第2可動演出装置M2が配設され、これら第1可動演出装置M1および第2可動演出装置M2は、遊技盤17の盤面に沿う方向で左右に離間している。また、上対向面壁31aに、第3可動演出装置M3が配設される。そして、これら3つの可動演出装置M1,M2,M3が、設置部材28と遊技盤17との間に画成される設置空間Sに夫々収容される。
(第1可動演出装置について)
図4〜図9に示すように、前記第1可動演出装置M1は、前記設置部材28に取付けられる第1の本体をなす第1支持部材33と、該第1支持部材33に支持されて遊技盤17の盤面に沿って所要の動作を行ない得る第1の可動体34と、第1支持部材33の前側に配設されて第1の可動体34を駆動する第1の駆動手段としての第1モータ35とを備えている。第1の可動体34は、刀の刀身を模した長尺な形状に形成された第1装飾体部36と、該第1装飾体部36の長手方向の一端に設けられて前記第1支持部材33に揺動可能に支持される第1可動基部37とから構成される。第1支持部材33は、設置部材28の左対向面壁31cと下対向面壁31bとが交差する隅部(箱状本体29の下左隅部)に突設された複数の第1取付突部38の前端にネジ止め固定されて、該第1支持部材33に支持されている第1の可動体34は、通常時には設置部材28の左開口端に沿って上下方向に延在する姿勢(図4参照)となる待機位置に保持されている。前記第1取付突部38の前端位置は、第2可動演出装置M2を設置部材28に固定するための後述する第2取付突部90の前端位置より後方に位置し、該第1取付突部38の前端に第1支持部材33を固定した状態で、図6に示す如く、該第1支持部材33の裏面は対向面壁31に近接し、設置部材28の前側に取付けられる遊技盤17と第1支持部材33との間に、第1モータ35を収容可能な空間を確保し得るよう構成される。
実施例では、図1に示すように、前記第1の可動体34が待機位置にある状態において、該第1の可動体34の前側に前記遊技盤17および枠状装飾部材23が位置するよう構成されており、該枠状装飾部材23で第1の可動体34の右側部分が覆われている。なお、待機位置の第1の可動体34と遊技盤17との間には、後述する左発光装置144が位置して、該左発光装置144により第1の可動体34の左側部分が覆われるようになっている(図6参照)。また第1の可動体34は、後述する作動位置において前記窓口23aの対応する左端縁部から図柄表示装置13における表示部13aの略中央まで延出する大型のものであって(図2,図5参照)、待機位置と作動位置との間を、前記設置空間Sにおける設置部材28の対向面壁31側に偏倚した第1の移動領域を遊技盤17の盤面に沿って移動するよう構成される。実施例では、設置空間Sの前後方向の中間より後側を第1の可動体34が移動するようになっている。
(第1支持部材について)
図6、図9〜図11に示す如く、前記第1支持部材33は、前記設置部材28の対向面壁31(箱状本体29の下左隅部)に取付けられる第1取付ベース体39と、該第1取付ベース体39の前面に取付けられる第1カバー体40とから構成される。第1取付ベース体39は、平板状に形成された後板39aの外周縁部に前方に向けて側壁39bを突設した前方に開口する箱状に形成される。また第1カバー体40は、平板状に形成された前板40aの外周縁部に、後方に向けて側壁40bが突設されている。そして、第1取付ベース体39と第1カバー体40とを、後板39aおよび前板40aを対向して両側壁39b,40bの端部を当接するように組付けることで、第1取付ベース体39と第1カバー体40との間に第1収容空間S1が画成されるようになっている(図6,図11参照)。なお、第1取付ベース体39および第1カバー体40は、何れも合成樹脂材から形成されている。
(第1取付ベース体について)
前記第1取付ベース体39における後板39aの裏面には、図8〜図10に示すように、平板状の第1補強板金41が複数のネジを介してネジ止め固定されると共に、該第1補強板金41に配設されて前方に突出する第1支持軸41aが、後板39aに形成した中心通孔39cに挿通されて前記第1収容空間S1に臨んでいる。そして、前記第1の可動体34の第1可動基部37に形成されて前後に貫通する軸孔53aに第1支持軸41aを挿通することで、該第1の可動体34が第1取付ベース体39(第1支持部材33)に対して前後方向に沿う第1支持軸41a(回転軸)を中心として左右方向に揺動可能に支持される。なお、前記中心通孔39cは、第1支持軸41aの直径より大きな内径に設定されて、前記第1の可動体34の第1可動基部37に形成された後述する支持突部37cの挿入を許容するようになっている。また、第1取付べース体39の側壁39bは、図9に示すように、後板39aの上側において所定長さに亘って切欠かれており、この切欠部39dにおいて前記第1支持部材33の第1収容空間S1は外部に開口し、この切欠部39dから第1の可動体34の後述する固定部55が外部に延出するよう構成される。なお、第1支持部材33には、切欠部39dの左端に対応する位置に、第1の可動体34に配設した後述する磁石58が磁力吸着することで該第1の可動体34を待機位置に保持するべく機能する金属体42が配設されている。
前記第1取付べース体39における後板39aの前面には、図9に示す如く、前記中心通孔39cを中心とする所定直径で環状の補強リブ43が突設されると共に、該補強リブ43には後受部44が周方向に等間隔で設けられている。実施例では、周方向に90°の角度間隔で4つの後受部44が設けられる。各後受部44には、図12(a)に示す如く、前側に開口する凹部44aが形成されて、該凹部44aに前側から後球体(転動体)45が転動自在に遊嵌されて、該後球体45の後受部44から前方に突出する部分が前記第1可動基部37の裏面に転動自在に接触するよう構成される。なお、後球体45としては、該後球体45が接触する第1可動基部37より硬い材質のものが好適に使用され、実施例ではステンレス製の球体が用いられる。また、前記第1取付ベース体39における後板39aには、前記補強リブ43と中心通孔39cとの間に、周方向に離間する一対の片部からなるバネ用係止部46が前方に向けて突設され、該バネ用係止部46に後述する第1捻りコイルバネ57の一方の係合片が係止するよう構成される。
前記第1取付ベース体39の下部には、下側の側壁39bの前端から下方に向けて後板39aと平行に延在するモータ設置部47が形成される。モータ設置部47の前面に、前記第1の可動体34を揺動させる前記第1モータ35が、出力軸を後方に向けて前側から配設され、該モータ35におけるモータ設置部47の裏側に延出する出力軸に、板状の第1駆動歯車48が配設される。なお、モータ設置部47の形成位置に対応する下側の側壁39bの一部が切欠かれ、この切欠き部分から前記第1駆動歯車48の一部が前記第1収容空間S1に臨むよう構成される(図11参照)。図8〜図11において符号49は、モータ設置部47の裏側に配設されて、前記第1駆動歯車48を回転自在に支持する支持板を示す。
前記第1取付ベース体39の下端部における前記第1モータ35の配設位置に隣接する部位には、前記第1の可動体34の揺動位置を検出する第1位置検出センサ50が取付けられている。この第1位置検出センサ50として、実施例では受光素子と発光素子とを備えた光学式センサを採用しているが、これに限らず、磁気センサやマイクロスイッチ、その他従来公知のセンサを第1の可動体34側に設けられる被検出部(後述)に応じて採用することができる。
前記第1取付ベース体39の側壁39bには、前記第1モータ35の配設位置を挟んで周方向に離間する2箇所に、内側(第1収容空間S1側)に突出するストッパ51a,51bが設けられている。これらストッパ51a,51bは、第1支持部材33に対して第1の可動体34が揺動された際に、第1可動基部37に設けた後述する歯車部37dの周方向の端部が各ストッパ51a,51bに当接することで第1の可動体34の揺動範囲を制限するようになっている。なお、以下の説明では、右側に位置するストッパ51aを第1ストッパと指称し、左側に位置するストッパ51bを第2ストッパと指称する。
前記第1取付ベース体39には、図9、図13、図14に示す如く、前記第1モータ35および第1位置検出センサ50の配設位置に近接してベース側配線止め部52が設けられる。そして、前記第1位置検出センサ50から導出する配線、第1モータ35から導出する配線、および前記第1の可動体34の後述する第1LED基板65から導出する第1配線H1が、纏められた状態でベース側配線止め部52に結束具52aを介して係止されて、これらの配線H1が第1支持部材33の前方へ大きく変位するのを防止するよう構成されている(図14参照)。
(第1カバー体について)
前記第1カバー体40の前板40aは、図11に示す如く、前記第1取付ベース体39におけるモータ設置部47の上側の開口部分を覆い得る寸法および形状に形成されており、第1取付ベース体39の前側に第1カバー体40をネジ止め固定した状態で、モータ設置部47に配設した第1モータ35が第1カバー体40より前側に延出するよう構成される。また、第1カバー体40の側壁40bは、前記第1取付ベース体39の側壁39bを切欠くことで形成した前記切欠部39dに対応する部位が切欠かれており、前記第1の可動体34の固定部55が外方に延出するのを許容すると共に、該固定部55(第1の可動体34)の左右方向への移動を許容し得る寸法の隙間を確保し得るようになっている。
前記第1カバー体40における前板40aの裏面(第1収容空間S1側の面)には、図10および図11に示す如く、前記第1の可動体34の軸孔53aに挿通されて前側に突出する前記第1支持軸41aの先端を支持する左第1軸受部40cが形成してある。また前板40aの裏面には、左第1軸受部40cを囲繞する筒状で後方に開口する左第2軸受部40dが所要長さで突設され、該左第2軸受部40dには、第1の可動体34の軸孔53aが形成される後述する軸支部53の前端が回動自在に挿入されるようになっている。
前記第1カバー体40における前板40aの裏面に、図10に示す如く、前記左第1軸受部40cを中心として所要直径で環状の第1の突条部40eが突設され、該突条部40eに、図12(b)に示す如く、前記第1の可動体34における第1可動基部37に設けた後述する前球体61が転動自在に接触するよう構成される。実施例では、第1の突条部40eは、前記第1取付ベース体39の補強リブ43と同一直径で形成されて、第1の突条部40eは、第1可動基部37を挟んで補強リブ43上に設けた前記各後受部44に遊嵌されている後球体45の前方に臨むようになっている。また、第1カバー体40の前板40aには、図10に示す如く、前記第1の突条部40eと左第2軸受部40dとの間に、前後方向に貫通する配線口40fが周方向に所要長さで形成されており、該配線口40fを介して後述する第1配線H1が第1支持部材33の外部に引き出されるようになっている(図14参照)。
(第1の可動体について)
図9または図10に示すように、前記第1の可動体34は、前記第1支持部材33に対して第1取付ベース体39の後板39aおよび第1カバー体40の前板40aとの対向方向と交差する方向に回動自在に枢支される前記第1可動基部37と、該第1可動基部37に第1支持部材33の外部で取付けられた前記第1装飾体部36とから構成される。そして、前記第1支持部材33に配設された前記第1モータ35を正逆方向に駆動することで、第1の可動体34は前記第1支持軸41aを中心として揺動するよう構成されている。なお、第1の可動体34における第1装飾体部36は後述する第1LED基板65を備え、該第1LED基板65に配設したLED72,81の発光により発光演出を行ない得るよう構成されており、第1可動演出装置M1は、発光により演出を行なう演出装置としても機能する。
(第1可動基部について)
前記第1可動基部37は、図9〜図13に示すように、略円盤状に形成された本体部37aにおける外周縁部に、前方および後方に向けて突出する側壁37bが設けられている。本体部37aの略中央には、壁を凹ませることで後方に向けて突出する支持突部37cが設けられると共に、該支持突部37cの中心から前方に向けて筒状の軸支部53が突設され、該軸支部53に穿設された前後に貫通する軸孔53aに、前記第1支持軸41aが回動自在に挿通される。すなわち、第1可動基部37は、軸支部53の軸孔53aに挿通された第1支持軸41aを中心として回動可能に第1支持部材33に支持される。また、図11に示す如く、本体部37aの支持突部37cが、第1取付ベース体39の前記中心通孔39cに回動自在に挿入されると共に、軸支部53の前端が、第1カバー体40の左第2軸受部40dに回動自在に挿入されることで、第1支持部材33に対して第1可動基部37を安定して回動自在に支持するよう構成される。
前記軸支部53は、支持突部37cより小径に設定されて、支持突部37cの前側に画成される凹部の内側と軸支部53との間には略筒状の溝部54が形成されるようになっている。また軸支部53は、前記側壁37bより前方に突出する寸法に設定される。そして、第1取付べース体39に第1カバー体40を組付けた状態で、図11に示す如く、軸支部53の前端が前記左第2軸受部40dに挿入されると共に、該左第2軸受部40dの後端が、前記溝部54内に臨むよう構成される。
前記第1可動基部37の外周縁には、第1の可動体34の待機位置において、前記第1支持軸41aの上方に臨む位置に、径方向に延出する固定部55が設けられ、該固定部55が第1支持部材33の前記切欠部39dから外方に延出している(図8参照)。前記第1可動基部37の本体部37aには、図9に示す如く、軸孔53aを挟んで固定部55とは略反対側(待機位置において下側)に、径方向外方に延出する歯車部37dが所要中心角で設けられている。そして、歯車部37dは、第1可動基部37を第1支持部材33に配設した状態で、前記第1ストッパ51aと第2ストッパ51bとの間に位置すると共に、前記第1駆動歯車48に噛合している(図13参照)。すなわち、前記第1モータ35を駆動して第1駆動歯車48を正転および逆転方向に回転することで、第1可動基部37(第1の可動体34)は、前記第1支持軸41aを中心として左右方向に揺動する。実施例では、歯車部37dを備えた第1可動基部37が、板状の可動ギヤとして機能する。また、第1の可動体34の前記待機位置において歯車部37dにおける周方向の一端が第1ストッパ51aに当接することで第1の可動体34の揺動が規制されており、該待機位置から第1の可動体34が右方向に傾倒するよう揺動して歯車部37dにおける周方向の他端が第2ストッパ51bに当接することで、第1の可動体34の揺動が規制されるようになっている。なお、以下の説明では、歯車部37dが第2ストッパ51bに当接して第1の可動体34の揺動が規制される位置を作動位置(図5,図15(b)参照)と指称する。すなわち、第1の可動体34は待機位置と作動位置との間で揺動される。
前記第1可動基部37における本体部37aには、図13に示す如く、前記軸支部53を囲う溝部54に連通すると共に前後方向に貫通する扇形の通孔37eが形成されており、該通孔37e内に、前記第1取付ベース体39に設けた前記バネ用係止部46が臨んでいる。また、本体部37aの前面には、溝部54および通孔37eの内周縁から前方に突出するように画壁部56が突設されると共に、該画壁部56には、通孔37eの形成位置から周方向に離間する所要位置に、溝部54に連通するバネ用係止部56aが凹設されている。そして、コイル部に軸支部53が挿通されるように配設した第1捻りコイルバネ57の一方の係合片が、第1取付ベース体39のバネ用係止部46に係止されると共に、該第1捻りコイルバネ57の他方の係合片が、画壁部56のバネ用係止部56aに係止されており、第1の可動体34は、第1捻りコイルバネ57によって常には待機位置に向けて付勢されるようになっている。また、第1可動基部37には、前記固定部55の左端部に磁石58が配設され、第1の可動体34の待機位置において、該磁石58が第1取付ベース体39に配設した前記金属体42を磁力吸着するよう構成してある。
なお、前記第1取付ベース体39に第1カバー体40を組付けた状態で、図11に示す如く、前記左第2軸受部40dの後端が画壁部56の内側において溝部54内に臨み、該左第2軸受部40dで第1捻りコイルバネ57の前方への移動を規制し得るようになっている。
前記第1可動基部37の本体部37aにおける裏面(他方の面)に、前記第1取付ベース体39に設けた前記補強リブ43と対向する位置に環状の第2の突条部59が突設され、該突条部59に、前記後受部44に遊嵌されている後球体45が転動自在に接触するよう構成される(図12(a)参照)。また、本体部37aにおける前面(一方の面)には、図9に示す如く、外周縁部近傍に、前側に突出する前受部60が周方向に等間隔で複数設けられている。実施例では、前記軸孔53aを中心として前記後球体45が位置する補強リブ43に前後で整合する仮想円の周上において周方向に90°の角度間隔で4つの前受部60が設けられる。各前受部60には、前側に開口する凹部60aが設けられ、各凹部60aに前側から前球体(転動体)61が転動自在に遊嵌される。そして、前球体61の前受部60から前方に突出する部分が、図12(b)に示す如く、前記第1カバー体40の前記第1の突条部40eに転動自在に接触するよう構成される。すなわち、第1可動基部37の本体部37aは、前後両側で夫々複数の球体45,61により回動自在に支持されて、前記第1支持軸41aを中心に第1可動基部37が揺動する際には、後球体45および前球体61に接触した状態で安定して揺動するよう構成されている。なお、前球体61としては、該前球体61が接触する第1カバー体40より硬い材質のものが好適に使用され、実施例ではステンレス製の球体が用いられる。
前記第1の可動体34の待機位置において第1可動基部37の裏面に接触する各後球体45は、図13に示す如く、該第1可動基部37の前面に配設されて周方向(第1の可動体34の移動方向)に隣り合う前球体61,61の中間に臨むように設定される。すなわち、後球体45および前球体61は、夫々4つ球体が周方向に90°の角度間隔で配置されているから、待機位置における正面視において、前球体61と周方向に隣り合う後球体45とは45°の角度間隔で臨むようになっている。
前記第1可動基部37の前記歯車部37dには、径方向外方に延出する前記被検出部としての位置検出片62が形成されている。位置検出片62は、前記第1位置検出センサ50の発光素子と受光素子との間に臨み得る位置に設けられており、前記第1可動基部37の揺動に伴って該発光素子と受光素子との間を位置検出片62が移動し得るようになっている。そして、位置検出片62を第1位置検出センサ50で検出した際に、前記待機位置に第1の可動体34が位置(図13参照)するよう設定されている。実施例では、第1位置検出センサ50が位置検出片62を検出した位置(待機位置)を基準として、第1の可動体34を右方に所定角度移動するように、図示しない制御手段で第1モータ35を駆動制御することで、該第1の可動体34を作動位置に位置させるよう構成してある。なお、歯車部37dに2つの位置検出片を周方向に離間して形成し、第1位置検出センサ50で一方の位置検出片を検出する位置を待機位置、他方の位置検出片を検出する位置を作動位置として、第1位置検出センサ50による各位置検出片の検出に基づいて制御手段が第1モータ35を駆動制御する構成としてもよい。
前記第1可動基部37における本体部37aの前面には、図13、図14、図15に示す如く、前記固定部55の形成位置から軸孔側に向けて延在する一対の案内壁63,63が、所定間隔離間して平行に突設されている。両案内壁63,63の間の本体部37aは後側に向けて凹設されると共に、両案内壁63,63の径方向外側は開口し、前記第1装飾体部36に設けた後述する第1LED基板65から導出する第1配線H1を第1収容空間S1内において引き回す経路を、両案内壁63,63間に確保するよう構成される。また、前記第1カバー体40に形成された前記配線口40fは、両案内壁63,63における画壁部56側の端部前側に位置し、両案内壁63,63の間を引き回された第1配線H1が配線口40fから外部に引き出されるようになっている。
(第1装飾体部について)
前記第1装飾体部36は、図9、図10に示す如く、第1光透過部材64(第1の光透過部材)と、該第1光透過部材64の裏側に配設された第1LED基板(電気部品)65と、第1光透過部材64および第1LED基板65の間に配設された第2光透過部材(第2の光透過部材)66とから基本的に構成されて、第1光透過部材64の長手方向の一端が前記第1可動基部37の固定部55にネジ止め固定される。
前記第1光透過部材64は、図9、図10に示す如く、光透過性を有する合成樹脂材により刀の刀身を模した形状に形成された装飾本体67と、該装飾本体67の長手方向の一端から外方に延出する被固定部68とを備え、該被固定部68が、前記第1可動基部37の固定部55にネジ止め固定されている。装飾本体67は、図16に示す如く、板状の前面板(別の光透過部)69と、前面板69の外周縁から該前面板69と交差するよう後方に突出する側面板(第1光透過部)70とから後方に開口する箱状に形成されて、該装飾本体67(第1光透過部材64)の内部に前記第2光透過部材66および第1LED基板65が収容された状態で配設される。なお、第2光透過部材66および第1LED基板65は、何れも装飾本体67と略相似形に形成されている。また、装飾本体67における前面板69には、遮光処理により光を透過不能な遮光部で、パチンコ機10のモチーフに応じた模様や文字が形成されると共に、その他の部分には光透過度が異なる光透過部が形成されており、後述するLED72,81の光によって光透過部を裏側から照らすことで、遮光部で形成された模様や文字の周囲が照明されるようになっている。
前記装飾本体67における側面板70は、前面板69における遊技盤17の中央側を向く端縁(刀身における刃先側)から後方に延出する部分は、図16に示す如く、後方に向かうにつれて前面板69から離間する傾斜面70aと、該傾斜面70aの延出端から後方に向けて遊技盤17の盤面に直交するように延出する垂直面70bとから構成されている。
(第2光透過部材について)
図9、図10、図16に示すように、前記第2光透過部材66は、前記装飾本体67における前面板69がなす輪郭形状に略合致する形状に形成された板状の面板部66aと、該面板部66aの外周縁に沿って設けられ、当該面板部66aから後方に突出する突出壁66bとから構成され、全体が光を透過し得る透明に形成される。すなわち、装飾本体67の後方開口を介して該装飾本体67の内側に第2光透過部材66を収容した際に、面板部66aの前面が前記前面板69の裏側に対向当接すると共に、突出壁66bが前記側面板70に対向するよう配設される。そして、前記第1LED基板65は、前面を第2光透過部材66における突出壁66bの後端面に当接した状態で位置決め固定されて、面板部66aの裏面から基板前面が所定間隔離間する位置に位置決めされるようになっている。なお、装飾本体67、第2光透過部材66および第1LED基板65は、位置決め突起と孔とを嵌合する等の位置決め手段により相互に正確に位置決めされると共に、装飾本体67に第1LED基板65をネジ止め固定することで、装飾本体67と第1LED基板65とで第2光透過部材66が挟持固定される。
(第2光透過部材の光拡散部について)
次に、前記第2光透過部材66に設けられる光拡散部の具体的構成について説明する。図16、図17、図18に示すように、該第2光透過部材66には、前記装飾本体67における傾斜面70aが設けられる側面板70に対応する端縁(図4の正面視において遊技盤17の中央側を向く右端縁であって、以後の説明においては発光縁と称する場合もある)に設けられた突出壁(第2光透過部)66bにおいて、面板部66aから立上がる内側の第1面71a側に、前記第1LED基板65に対向する裏面側および内側(図16では右側)に開口するよう形成されて該第1LED基板65の第1LED72が嵌り込む収容凹部73と、該突出壁66bにおける装飾本体67の側面板70(具体的には傾斜面70a)に対向する外側の第2面71bおよび第1面71aとの間で前記収容凹部73と対応する位置に形成され、第2面71bに向けて拡開するV字状の第1光拡散部74と、前記収容凹部73に連続するように第1面71a側に形成され、第2面71bから離間する外方へ突出する三角形状の第2光拡散部75と、前記第2光拡散部75に対応する位置に形成され、前記第1面71aから第2面71bに向かうにつれて第1光拡散部74側に傾斜する傾斜面(第3反射面76a)を備える第3光拡散部76と、前記第1光拡散部74と第2面71bとの間で前記第3光拡散部76と対応する位置に形成され、第1面71aに向けて拡開するV字状の第4光拡散部77とを備えている。そして、第2光透過部材66には、上記4つの光拡散部74,75,76,77(但し、第2光拡散部75については複数が1組となっている)からなる光拡散部組が、前記発光縁に沿って複数連続して設けられる。
前記収容凹部73は、図17に示すように、発光縁の延在方向に長手が位置する矩形状を呈し、該収容凹部73に収容された第1LED72の発光面と対向する第2面71b側の面は、該第1LED72側に凸となる弧状に形成されて、該弧状面73aのレンズ作用によって光を前記第1光拡散部74へ集光し得るよう構成される。
(第1光拡散部について)
前記第1光拡散部74は、図16または図17に示すように、前記収容凹部73の側方位置に対応して、前記突出壁66bを前面側へ凹設することで形成された凹部における収容凹部73に対向する2つの傾斜面から構成される。ここで、前記第1光拡散部74を構成する傾斜面を第1反射面74aと指称する。そして、両第1反射面74a,74aは、収容凹部73における長手方向の中央を通る基準線L1を基準として第2面71bに向けてV字状となるよう接続し、前記収容凹部73に収容された第1LED72からの光が第1光拡散部74の各第1反射面74a,74aに照射されるようになっている。すなわち、前記収容凹部73に収容された第1LED72から側方へ向けて照射された光は、該収容凹部73の弧状面73aを透過して前記第1光拡散部74の第1反射面74aに照射される。そして、前記第1反射面74aに照射される光の一部が前記上方または下方(第2光透過部材66の長手方向)に向けて反射されるようになっている。また、前記第1反射面74aで反射されることなく側方に透過する光は、該第1反射面74aに対する光の入射角に応じた屈折角で屈折されて前記第4光拡散部77に向けて照射される。
なお、実施例における基準線L1と各第1反射面74aとが交差する第2面71b側の角度θ1は、略45°より小さく設定してある。すなわち、基準線L1と各第1反射面74aとが交差する第1面71a側の角度は略135°より大きく設定されて、第1LED72から照射された光の第1反射面74aに対する反射位置が、基準線L1から離間するにつれて第2面71b側へ偏倚するように反射するよう構成される。
(第2光拡散部について)
前記第2光拡散部75は、図17、図18に示すように、前記収容凹部73の上下両側において、該収容凹部73から離間する方向に連続して複数形成されて、鋸刃状を呈するよう構成されている。第2光拡散部75は、対応する光拡散部組を構成する収容凹部73を向く面が第1面71a側から第2面71b側に向かうにつれて該収容凹部73から離間するように傾斜しており、該傾斜面を、第2反射面75aと指称する。ここで、実施例における第2反射面75aと、第2光拡散部75の第1面71a側の頂部を通り、前記基準線L1と平行な基準線L2とが交差する角度θ2は、略45°に設定されている。なお、実施例では、収容凹部73に最も近接する第2光拡散部75と該収容凹部73との間に、光拡散部組を構成する第2光拡散部群の基端となる傾斜面が形成されており、該傾斜面も第2光拡散部75の第2反射面75aと同一の機能を有することから、該基端部側の傾斜面については基端第2反射面75aと指称することとする。
図17に示すように、前記各第2光拡散部75は、各第2光拡散部75における第2反射面75aの第2面71bの側の先端部が前記収容凹部73から離間するにつれて第2面71b側へ変位するよう形成されている。すなわち、隣接する第2光拡散部75の第2反射面75aは、第2面71b側の部位が、前記第1光拡散部74の第1反射面74aと対向するよう構成されている。従って、前記第1反射面74aで反射した光は、第2光拡散部75の第2反射面75aに照射され、該第2反射面75aにおいて側方(第2面71b側)へ反射されるようになっている。実施例では、第2光拡散部群の基端となる基端第2反射面75aの先端部が、最も第1面71a側に位置している。
(第3光拡散部について)
前記第3光拡散部76は、図17、図18に示すように、前記第1光拡散部74の上下両側の第2面71b側に偏倚した位置で第2光拡散部75の側方に対応する位置の夫々に設けられる。第3光拡散部76は、前記突出壁66bを前面側へ凹設することで形成され、該凹状の第3光拡散部76は第1光拡散部74側を向く傾斜面を備える。ここで、前記第3光拡散部76を構成する傾斜面を第3反射面76aと指称する。また実施例では、第2光拡散部群の基端第2反射面75aおよび該基端第2反射面75aに接続する第2光拡散部75の第2反射面75aの側方に第3反射面76aが位置している。
前記第3反射面76aと、該第3反射面76aにおける第1面71a側の頂部を通り、前記基準線L1と平行な基準線L3とが交差する角度θ3は、略45°に設定されている。すなわち、前記基端第2反射面75aおよび第2反射面75aで反射した光の一部は、第3反射面76aで第1光拡散部74側および第4光拡散部77側に向けて反射されるようになっている。また、前記第3反射面76aで反射されることなく側方に透過する光は、該第3反射面76aに対する光の入射角に応じた屈折角で屈折され、第3光拡散部76を構成する他の面(実施例では左右方向または上下方向に平行な面)で乱反射して、拡散効果を高めるようにしている。
(第4光拡散部について)
前記第4光拡散部77は、図17、図18に示す如く、前記第1光拡散部74を形成する凹部における第2面71b側の面に形成されたものであって、前記基準線L1を基準として第1面71aに向けてV字に拡開するよう傾斜する一対の傾斜面を備える。また実施例では、各傾斜面に接続する別の第4光拡散部77が形成され、実施例では第1光拡散部74の側方に3つの第4光拡散部77が形成されている。ここで、中央の第4光拡散部77を構成する傾斜面および上下両側の別の第4光拡散部77の各傾斜面を、何れも第4反射面77aと指称するものとする。
前記中央の第4光拡散部77を構成する各第4反射面77aと、前記基準線L1とが交差する角度θ4および上下両側の別の第4光拡散部77の各第4反射面77aと、該第4反射面77aにおける第2面71b側の端部を通り、前記基準線L1と平行な基準線L4とが交差する角度θ4は、何れも略45°に設定されている。すなわち、第4光拡散部77を構成する一対の第4反射面77a,77aは、略90°で交差するようになっている。また、中央の第4光拡散部77における両第4反射面77a,77aの交点(第2面71b側の頂部)は、上下の各第4光拡散部77における両第4反射面77a,77aの交点(第2面71b側の頂部)より第2面71b側に位置するよう設定されている。すなわち、前記第3光拡散部76の第3反射面76aで反射した光の一部は、複数の第4反射面77aで第2面71b側に向けて反射されるようになっている。また、前記第4反射面77aで反射されることなく凹部内に透過する光は、該第4反射面77aに対する光の入射角に応じた屈折角で屈折され、他の第4反射面77aで乱反射して、拡散効果を高めるようにしている。
(後方傾斜面について)
前記突出壁66bにおける第2面71bには、図16に示す如く、前記第4光拡散部77の側方に対向する位置に、装飾本体67における側面板70に近接するよう側方に突出する突出部78が形成されている。この突出部78における前記装飾本体67の前面板69から離間する後面(第2面71bの一部を構成する面)は、前記側面板70から離間するにつれて前面板69から離間する傾斜面とされている。ここで、突出部78に形成された傾斜面を、後方傾斜面78aと指称するものとする。この後方傾斜面78aは、第2光透過部材66の裏面から前面に向けて略45°の角度で傾斜するよう設定され、前記第4光拡散部77から側方に照射された光の一部は、該後方傾斜面78aで前記前面板69(具体的には前面板69と側面板70との接続部)に向けて反射されるようになっている。
(前側光拡散部について)
前記第2光透過部材66における面板部66aに、複数の前側光拡散部79が形成されている。この前側光拡散部79は、図16または図18に示す如く、面板部66aの裏面に形成された平坦面79aと、面板部66aの前面における平坦面79aの前方に対向する位置に形成されて後方へ円弧状に凹む第5光拡散部80と、面板部66aの裏面において平坦面79aを中心として同心円状に形成された複数の第6光拡散部82とを備える。平坦面79aは、前記第1LED基板65に配設した第2LED81の発光面と対向し、第2LED81から平坦面79aに照射されて該平坦面79aを透過した光が、第5光拡散部80の円弧面に照射されるようになっている。なお、第5光拡散部80を構成する円弧面を、第5反射面80aと指称することとする。
ここで、実施例における第5光拡散部80の第5反射面80aは、当該第5光拡散部80を構成する最も外側の第6光拡散部82に向けて光を反射可能な角度に設定される。従って、第5光拡散部80で反射した光は、複数の第6光拡散部82に照射されるようになっている。
前記各第6光拡散部82は、図16に示す如く、断面形状が前方に向けて凹む略三角形状の溝から構成される。前記前側光拡散部79では、各第6光拡散部82における各前端部が前記平坦面79aから離間するにつれて前側へ変位するよう形成されている。また第6光拡散部82は、平坦面79aを向く面が後側から前側に向かうにつれて平坦面79aから離間するように傾斜しており、該傾斜面を、第6反射面82aと指称する。ここで、実施例における第6反射面82aと、該第6反射面82aの前端部を通る基準線L6とが交差する角度θ6は、略45°に設定されている。すなわち、各第6光拡散部82の各第6反射面82aは、前記第5光拡散部80を向くよう構成されている。従って、前記第5光拡散部80の第5反射面80aで反射した光は、第6光拡散部82の第6反射面82aに照射され、該第6反射面82aにおいて前方へ反射されるようになっている。
(第1LED基板について)
前記第1LED基板65には、前記第2光透過部材66に形成された各収容凹部73に対応する位置に、側方へ向けて光を照射する姿勢で第1LED(発光体)72が設けられている。また第1LED基板65には、第2光透過部材66の面板部66aに形成された各前側光拡散部79における平坦面79aに対応する位置に、前方へ向けて光を照射する姿勢で第2LED81が設けられている。すなわち、第1LED72および第2LED81を発光することで、前記1の可動体34における第1装飾体部36は、前記光拡散部を介して前方および側方(遊技盤17の中央を向く側方)が明輝するよう構成される。なお、実施例では、第1LED基板65における第2光透過部材66の光拡散部が形成されていない位置にもLEDが配設されており、光拡散部を介することなく第1装飾体部36の前側(具体的には装飾本体67の前面板69)を異なる態様で明輝し得るようになっている。前記各LED65,81は、発光色が単色のものであってもよく、また複数色を発光し得るものであってもよい。
前記第1LED基板65の前面には、前記固定部55側の端部(下端部)に、該第1LED基板65に沿って下方側からコネクタを接続可能なコネクタ受け部65aが設けられている。このコネクタ受け部65aには、第1配線H1の一端がコネクタ接続され、該第1配線H1は、第1光透過部材64と固定部55との隙間から第1可動基部37の本体部37a前側に引き込まれるようになっている。そして、前記第1支持部材33の内部から、前記第1カバー体40の前板40aに形成した配線口40fを介して第1配線H1が外部に引き出される。また、第1支持部材33の外部に引き出された第1配線H1は、前記第1モータ35および第1位置検出センサ50から導出された配線と纏められた後、前記設置部材28の裏側に設けた設置部に配設された図示しない中継基板(基板)に接続される。
(第1配線について)
前記第1配線H1は、前記第1光透過部材64と固定部55との隙間から第1可動基部37の本体部37aと第1カバー体40の前板40aとの間の前記案内壁63,63間に引き込まれた後、図14、図15に示す如く、前記左第2軸受部40dの近傍において前記配線口40fから外部に引き出され、第1カバー体40(前板40a)の前側で第1の可動体34の揺動軸線(正面視において左第2軸受部40d)を囲むように環状に巻かれるよう構成されており、該環状に巻かれた部分が第1移動許容部(移動許容部)83として機能するようになっている。また、第1配線H1における第1移動許容部83より基板接続部側の部位が、前記第1カバー体40における前板40aの前面に形成されたカバー側配線止め部(保持部)84に結束具(保持手段)84aを介して結束されて移動しないように保持されている。なお、カバー側配線止め部84による第1配線H1の保持位置は、前記第1の可動体34の待機位置において前記配線口40fを挟んで第1装飾体部36とは反対側(第1配線H1の本体部37aおよび前板40aとの間への引き込み部とは反対側)に設定されて、第1移動許容部83が正面視において環状を保持し得るようになっている。なお、図15では、第1支持部材33の第1カバー体40を省略して示している。
前記環状の第1移動許容部83は、前記第1の可動体34の待機位置において、該第1配線H1が断線しない所要の負荷が加わった初期状態を保持し、図15(b)に示す如く、該第1の可動体34が待機位置から作動位置へ揺動する際に径が大きくなることで、前記負荷が低減する許容状態へと状態変化するよう構成される。すなわち、第1の可動体34は、待機位置から右方へ移動して作動位置に至るように移動することから、第1移動許容部83は、配線口40fから引き出された第1配線H1が、第1の可動体34の揺動軸線(左第2軸受部40d)の回りを右側−下側−左側−上側の順で通る右回りに巻かれる。これにより、第1の可動体34が待機位置から作動位置へ揺動する際には、第1移動許容部83におけるカバー側配線止め部84に固定される側に対して前記第1LED基板65の接続側が右方に移動することで、該第1移動許容部83は径が大きくなる方向に変化する。なお、第1移動許容部83の初期状態において、該移動許容部83の内径は前記左第2軸受部40dの外径より充分に大きく設定される。
前記第1移動許容部83は、第1配線H1を環状に巻いた際の交差部において、第1LED基板65側に引き回される第1部位83aが、前記カバー側配線止め部84に保持される側に引き回される第2部位83bに対して第1可動基部37の本体部37a側である第1の可動体34の揺動領域側で重なっている。すなわち、実施例では第1部位83aに対して第2部位83bが前側で重なるよう構成され、第1の可動体34の揺動に際して第1移動許容部83の状態が変化する際に、第1部位83aが前側へ変位するのを第2部位83bで抑制するようになっている。
(第2可動演出装置について)
図4〜図8、図19および図20に示すように、前記第2可動演出装置M2は、基本的な構成は前記第1可動演出装置M1と同じであって、該第2可動演出装置M2は、前記設置部材28に取付けられる第2の本体をなす第2支持部材85と、該第2支持部材85に支持されて遊技盤17の盤面に沿って所要の動作を行ない得る第2の可動体86と、第2支持部材85の後側に配設されて第2の可動体86を駆動する第2の駆動手段としての第2モータ87とを備えている。第2可動演出装置M2および第1可動演出装置M1とでは、基本的な構成において、支持部材33,85に対するモータ35,87の配設位置を前後に異ならせて、両可動演出装置M1,M2を設置部材28に配設した際の前後寸法の大型化を抑制するようになっている。
前記第2の可動体86は、図19、図20に示すように、槍の穂先部を模した長尺な形状に形成された第2装飾体部88と、該第2装飾体部88の長手方向の一端に設けられて前記第2支持部材85に揺動可能に支持される第2可動基部(可動基部)89とから構成される。第2支持部材85は、設置部材28の右対向面壁31dと下対向面壁31bとが交差する隅部(箱状本体29の下右隅部)に突設された複数の第2取付突部90の前端にネジ止め固定されて、該第2支持部材85に支持されている第2の可動体86は、通常時には設置部材28の右開口端に沿って上下方向に延在する姿勢(図4参照)となる待機位置に保持されている。前記第2取付突部90の前端位置は、前記第1取付突部38の前端位置より前方に位置し、該第2取付突部90の前端に第2支持部材85を固定した状態で、図6に示す如く、該第2支持部材85の裏面と対向面壁31との間に、第2モータ87を収容可能な空間を確保し得るよう構成される。
また、第2の可動体86は、後述する作動位置において前記窓口23aの対応する右端縁部から図柄表示装置13における表示部13aの略中央まで延出する大型のものであり(図2参照)、該第2の可動体86は、作動位置において前記第1の可動体34と相互に干渉しないように、当該第2の可動体86が移動する第2の移動領域が、前記第1の可動体34が移動する第1の移動領域の前側に離間するよう設定される。すなわち、前記第2取付突部90の前端に第2支持部材85を固定した状態で、第2の可動体86は、前記設置空間Sにおいて第1の可動体34が移動する第1の移動領域に対して遊技盤17側に偏倚した第2の移動領域を遊技盤17の盤面に沿って移動するよう構成される。実施例では、設置空間Sの前後方向の中間より前側を第2の可動体86が移動するようになっている。なお、実施例では、図1に示すように、前記第2の可動体86が待機位置にある状態において、該第2の可動体86の前側に前記枠状装飾部材23が位置するよう構成されており、該枠状装飾部材23で第2の可動体86の大部分(右側部)が覆われている。
(第2支持部材について)
図19および図20に示す如く、前記第2支持部材85は、前記設置部材28の対向面壁31(箱状本体29の下右隅部)に取付けられる第2取付ベース体91と、該第2取付ベース体91の前面に取付けられる第2カバー体92とから構成される。第2取付ベース体91の裏面に、前記第2の可動体86を揺動させる前記第2モータ87が、出力軸を第2支持部材85の内部に臨ませるように裏側から配設される。第2取付ベース体91は、平板状に形成された後板(第2対向板)91aの外周縁部に前方に向けて側壁91bを突設した前方に開口する箱状に形成される。また第2カバー体92は、平板状に形成された前板(第1対向板)92aの外周縁部に後方に向けて側壁92bが突設されている。そして、第2取付ベース体91と第2カバー体92とを、後板91aおよび前板92aを対向して両側壁91b,92bの端部を当接するように組付けることで、第2取付ベース体91と第2カバー体92との間に第2収容空間S2が画成されるようになっている(図6,図21参照)。なお、第2取付ベース体91および第2カバー体92は、何れも合成樹脂材から形成されている。
(第2取付ベース体について)
前記第2取付ベース体91における後板91aの裏面には、図8,図19に示すように平板状の第2補強板金93が複数のネジを介してネジ止め固定されると共に、該第2補強板金93に配設されて前方に突出する第2支持軸93aが、後板91aに形成した中心通孔91cに挿通されて前記第2収容空間S2に臨んでいる。そして、前記第2の可動体86の第2可動基部89に形成されて前後に貫通する軸孔107aに第2支持軸93aを挿通することで、該第2の可動体86が第2取付ベース体91(第2支持部材85)に対して前後方向に沿う第2支持軸93a(回転軸)を中心として左右方向に揺動可能に支持される。なお、前記中心通孔91cは、第2支持軸93aの直径より大きな内径に設定されて、前記第2の可動体86の第2可動基部89に形成された後述する支持突部89aの挿入を許容するようになっている。また、第2取付べース体91の側壁91bは、図19および図20に示すように、後板91aの上側において所定長さに亘って切欠かれており、この切欠部91dにおいて前記第2支持部材85の第2収容空間S2は外部に開口し、この切欠部91dから第2の可動体86における第2装飾体部88が外部に延出するよう構成される。
前記第2取付べース体91における後板91aの前面には、図19に示す如く、前記中心通孔91cを中心とする所定直径で円弧状の2つの補強リブ94,95が同心状に突設されている。外側に位置する外補強リブ94および内側に位置する内補強リブ95に、複数の後受部(第1の受部)96,97が設けられる。実施例では、外補強リブ94に、3つの外後受部96が周方向に90°の角度間隔で設けられるのに対し、内補強リブ95には、1つの内後受部97が、外補強リブ94において周方向に180°の角度間隔で隣り合う2つの外後受部96,96の間において、残る1つの外後受部96と中心通孔91cを挟んで対向する位置に設けられる。すなわち、外補強リブ94および内補強リブ95に設けられた合計4つの後受部96,96,96,97は、中心通孔91cの中心から各後受部96,96,96,97を通る放射線が周方向に90°の角度間隔となるように設けられる。
前記各後受部96,97には、前側に開口する凹部96a,97aが形成されて、該凹部96a,97aに前側から後球体(第2転動体)98が転動自在に遊嵌されて、該後球体98の後受部96,97から前方に突出する部分が前記第2可動基部89の裏面(他方の面)に転動自在に接触するよう構成される(図22(a)参照)。前記後球体98としては、該後球体98が接触する第2可動基部89より硬い材質のものが好適に使用され、実施例ではステンレス製の球体が用いられる。なお、前記第2取付ベース体91における後板91aには、前記外補強リブ94と内補強リブ95との間に、周方向に離間する一対の片部からなるバネ用係止部99が前方に向けて突設され、該バネ用係止部99に後述する第2捻りコイルバネ111の一方の係合片が係止するよう構成される。
前記第2取付ベース体91には、前記内後受部97を挟んで中心通孔91cとは反対側に位置する右側の側壁91bに、前記外補強リブ94より内側(中心通孔91c側)まで突出する規制部100が設けられている(図23参照)。この規制部100は、第2支持部材85に対して第2の可動体86が揺動された際に、前記第2可動基部89に設けた後述する規制壁106c,106dが規制部100に当接することで、第2の可動体86の揺動範囲を制限するようになっている(図25参照)。
前記第2取付ベース体91における後板91aの下端部側の裏面に前記第2モータ87が配設され、該モータ87における後板91a前側に延出する出力軸に板状の第2駆動歯車101が前記第2収容空間S2に臨むように配設される。また、後板91aの下端部における第2駆動歯車101の配設位置に隣接する部位には、前記第2の可動体86の揺動位置を検出する第2位置検出センサ102が取付けられている。この第2位置検出センサ102として、実施例では受光素子と発光素子とを備えた光学式センサを採用しているが、これに限らず、磁気センサやマイクロスイッチ、その他従来公知のセンサを第2の可動体側に設けられる被検出部(後述)に応じて採用することができる。なお、第2位置検出センサ102から導出する配線(図示せず)は、後板91aに形成した通孔91eを介して外部に引き出されている。
前記第2取付ベース体91には、前記第2モータ87および第2位置検出センサ102の配設位置に近接する側壁91bの外側に配線フック104が設けられ、前記第2位置検出センサ102から導出する配線および第2モータ87から導出する配線が纏めて該配線フック104に係止された状態で裏側から前側へ側壁91b外面に沿って引き回されている。また、第2取付ベース体91における下側の側壁91bには、該側壁91bの外面とによって前後方向に貫通する通路105aを画成する案内部105が設けられ、前記配線フック104に係止されて一旦前側に引き回された配線は、該通路105aに挿通されて裏側へ引き出されるようになっている。
(第2カバー体について)
前記第2カバー体92の前板92aは、前記第2取付ベース体91における案内部105の上側の開口部分を覆い得る寸法および形状に形成されており、第2取付ベース体91の前側に第2カバー体92をネジ止め固定することで、内部に前記第2収容空間S2が画成される。また第2カバー体92における前板92aの裏面には、前記第2の可動体86の軸孔107aに挿通されて前側に突出する前記第2支持軸93aの先端を支持する右第1軸受部92cが形成してある。また前板92aの裏面には、右第1軸受部92cを囲繞する筒状で後方に開口する右第2軸受部92dが所要長さで突設され、該右第2軸受部92dには、第2の可動体86の軸孔107aが形成される後述する軸支部107の前端が回動自在に挿入されるようになっている(図21参照)。
前記第2カバー体92における前板92aの裏面に、図20に示す如く、前記右第1軸受部92cを中心として所要直径で環状の外突条部92eが突設されると共に、該外突条部92eより内側(右第1軸受部92c側)の前板92a裏面に、外突条部92eと同心で円弧状の内突条部92fが突設されている。内・外の突条部92e,92fには、図22(b)に示す如く、前記第2の可動体86における第2可動基部89に設けた後述する前球体119が転動自在に接触するよう構成される。実施例では、外突条部92eおよび内突条部92fは、前記第2取付ベース体91の対応する外補強リブ94および内補強リブ95と夫々同一直径で形成されて、外突条部92eは、第2可動基部89を挟んで前記各外後受部96に遊嵌されている後球体98の前方に臨み、内突条部92fは、第2可動基部89を挟んで前記内後受部97に遊嵌されている後球体98の前方に臨むようになっている。
(第2の可動体について)
図19または図20に示すように、前記第2の可動体86は、前記第2支持部材85に対して第2取付ベース体91の後板91aおよび第2カバー体92の前板92aとの対向方向と交差する方向に回動自在に枢支される前記第2可動基部89と、該第2可動基部89に取付けられた前記第2装飾体部88とから構成される。そして、前記第2支持部材85に配設された前記第2モータ87を正逆方向に駆動することで、第2の可動体86は前記第2支持軸93aを中心として揺動するよう構成されている。
(第2可動基部について)
前記第2可動基部89は、図19、図23に示すように、略円盤状に形成された本体部109における外周縁部に、前方に向けて側壁106a,106b,106c,106dが突設されている。本体部109の略中央には、壁を凹ませることで後方に向けて突出する支持突部89aが設けられると共に、該支持突部89aの中心から前方に向けて筒状の軸支部107が突設され、該軸支部107に穿設された前後に貫通する軸孔107aに、前記第2支持軸93aが回動自在に挿通される。すなわち、第2可動基部89は、軸支部107の軸孔107aに挿通された第2支持軸93aを中心として回動可能に第2支持部材85に支持される。また、本体部109の支持突部89bが、第2取付ベース体91の前記中心通孔91cに回動自在に挿入されると共に、軸支部107の前端が、第2カバー体92の右第2軸受部92dに回動自在に挿入されることで、第2支持部材85に対して第2可動基部89を安定して回動自在に支持するよう構成される(図21参照)。
前記軸支部107は、図21に示す如く、支持突部89bより小径に設定されて、支持突部89bの前側に画成される凹部の内側と軸支部107との間には略筒状の溝部108が形成されるようになっている。また軸支部107は、前記側壁106a,106b,106c,106dより前方に突出する寸法に設定される。そして、第2取付べース体91に第2カバー体92を組付けた状態で、軸支部107の前端が前記右第2軸受部92dに挿入されると共に、該右第2軸受部92dの後端が、前記溝部108内に臨むよう構成される。
前記第2可動基部89の本体部109は、図23に示す如く、軸孔107aを中心として外径が異なる大径部109aと小径部109bとが設けられており、大径部109aの外周縁部に設けられた側壁を大径側壁106aと指称し、小径部109bの外周縁部に設けられた側壁を小径側壁106bと指称する。また小径側壁106bにおける周方向両端と対応する大径側壁106aの端部とを連設する一方の側壁を第1規制壁106c、他方を第2規制壁106dと夫々指称する。前記小径部109bにおける外周縁をなす円弧の中心角、すなわち小径側壁106bの周方向の長さは、前記第2取付べース体91の規制部100の周方向の長さより大きく設定され、第2可動基部89を第2支持部材85に配設した状態で、両規制壁106c,106dの間に規制部100が位置するよう構成される。そして、第2の可動体86の前記待機位置において規制部100に第1規制壁106cが当接することで第2の可動体86の揺動が規制されており(図25(a)参照)、該待機位置から第2の可動体86が左方向に傾倒するよう揺動して規制部100に第2規制壁106dが当接することで第2の可動体86の揺動が規制されるようになっている。なお、以下の説明では、第2規制壁106dが規制部100に当接して第2の可動体86の揺動が規制される位置を作動位置(図26(b)参照)と指称する。すなわち、第2の可動体86は待機位置と作動位置との間で揺動される。また、小径部109bにおける外周縁をなす円弧の中心角は、第2支持部材85に対して第2可動基部89を揺動自在に支持する周方向に隣り合う2つの前球体119,119間の中心角および後球体98,98間の中心角より大きく設されている。
前記第2可動基部89における本体部109には、前記軸支部107を囲う溝部108に連通すると共に前後方向に貫通する扇形の通孔89bが形成されており、該通孔89b内に、前記第2取付ベース体91に設けたバネ用係止部99が臨んでいる。また、本体部109の前面には、溝部108および通孔89bの内周縁から前方に突出するように画壁部110が突設されると共に、該画壁部110には、通孔89bの形成位置から周方向に離間する所要位置に、溝部108に連通するバネ用係止部110aが凹設されている。そして、コイル部に軸支部107が挿通されるように配設した第2捻りコイルバネ111の一方の係合片が、第2取付ベース体91のバネ用係止部99に係止されると共に、該第2捻りコイルバネ111の他方の係合片が、画壁部110のバネ用係止部110aに係止されており、第2の可動体86は、第2捻りコイルバネ111によって常には待機位置に向けて付勢されるようになっている。
なお、前記第2取付ベース体91に第2カバー体92を組付けた状態で、図21に示す如く、前記右第2軸受部92dの後端が画壁部110の内側において溝部108内に臨み、該右第2軸受部92dで第2捻りコイルバネ111の前方への移動を規制するようになっている。
前記第2の可動体86の待機位置において、前記第2支持軸93aの上方に臨む前記大径側壁106aに、周方向に所要長さの切欠部112が形成されると共に、該切欠部112に対応する本体部109に、径方向外方に延在する固定部103が一体に設けられる。固定部103は、第2取付ベース体91における後板91aの外周縁から外方に突出しない寸法に設定される。また固定部103には、図20に示す如く、突出端側において左右方向に離間して複数(実施例では2つ)の筒受部114が形成されると共に、各筒受部114にはネジ挿通用の通孔114aが形成されている。更に、本体部109には、固定部103と前記画壁部110との間であって、後述する複数の外前受部117を通る第1仮想円T1の内側位置に、ネジ挿通用の通孔109cが形成されている。
前記第2可動基部89の本体部109における裏面(他方の面)に、前記第2取付ベース体91に設けた前記外補強リブ94および内補強リブ95と対向する位置に円弧状の外突条部115および内突条部116が夫々突設される。そして、内・外の突条部115,116には、図22(a)に示す如く、前記第2取付ベース体91の内・外の後受部96,97に遊嵌されている後球体98が転動自在に接触するよう構成される。また、本体部109における前面(一方の面)には、図23に示す如く、前記大径部109aにおける外周縁部近傍に、前側に突出すると共に前側に開口する凹部117aが形成された外前受部(第2の受部)117が周方向に離間して設けられると共に、前記小径部109bにおける外周縁部近傍に、前側に突出すると共に前側に開口する凹部118aが形成された内前受部(第2の受部)118が設けられている。実施例では、大径部109aに、3つの外前受部117が周方向に90°の角度間隔で設けられるのに対し、小径部109bには、1つの内前受部118が、大径部109aにおいて周方向に180°の角度間隔で隣り合う2つの外前受部117,117の間において、残る1つの外前受部117と軸孔107aを挟んで対向する位置に設けられる。すなわち、大径部109aおよび小径部109bに設けられた合計4つの前受部117,117,117,118は、軸孔107aの中心から各前受部117,117,117,118を通る放射線が周方向に90°の角度間隔となるように設けられる。
内・外の各前受部117,118には、凹部117a,118aに前側から前球体(第1転動体)119が転動自在に遊嵌されて、図22(b)に示す如く、該前球体119の各前受部117,118から前方に突出する部分が前記第2カバー体92の対応する前記内・外の突条部92e,92fに転動自在に接触するよう構成される。すなわち、第2可動基部89の本体部109は、前後両側で夫々複数の球体98,119により回動自在に支持されて、前記第2支持軸93aを中心に第2可動基部89が揺動する際には、後球体98および前球体119に接触した状態で安定して揺動するよう構成されている。なお、各前受部117,118の本体部109からの突出寸法は、前記側壁106a,106b,106c,106dより長く設定されて、各側壁106a,106b,106c,106dの前端が第2カバー体92の裏面に接触しないようにしてある。なお、前球体119としては、該前球体119が接触する第2カバー体92より硬い材質のものが好適に使用され、実施例ではステンレス製の球体が用いられる。
前記第2の可動体86の待機位置において第2可動基部89の裏面に接触する各後球体98は、図23に示す如く、該第2可動基部89の前面に配設されて周方向(第2の可動体86の移動方向)に隣り合う前球体119,119の中間に臨むように設定される。すなわち、後球体98および前球体119は、夫々4つ球体が周方向に90°の角度間隔で配置されているから、待機位置における正面視において、前球体119と周方向に隣り合う後球体98とは45°の角度間隔で臨むようになっている。なお、4つの後球体98の内の2つは、第2の可動体86の待機位置および作動位置において、第2可動基部89に配設される第2装飾体部88の長手方向に略整列するように前記第2支持軸93aを挟む両側に位置している。また、前記外前受部117および外後受部96に遊嵌されて第2可動基部89を前後から支持する外側の前球体119および外側の後球体98の夫々は、第2可動基部89の小径部109bの外周(具体的には小径側壁106bの外周)を通り、軸支部107を中心(第2の可動体86の回転中心)とする第2仮想円T2より外側に位置して、該第2可動基部89を安定して支持し得るよう構成されている。
前記第2可動基部89の本体部109における大径側壁106aには、前記切欠部112から周方向に離間した位置に、前記第2駆動歯車101と噛合する歯車部89cが所定角度範囲で形成されている。すなわち、前記第2モータ87を駆動して第2駆動歯車101を正転および逆転方向に回転することで、第2可動基部89(第2の可動体86)は前記第2支持軸93aを中心として左右方向に揺動する。実施例では、歯車部89cを備えた第2可動基部89が、板状の可動ギヤとして機能する。
前記第2可動基部89の歯車部89cには、径方向外方に延出する前記被検出部としての第1位置検出片120aおよび第2位置検出片120bが周方向に離間して形成されている。両位置検出片120a,120bは、前記第2位置検出センサ102の発光素子と受光素子との間に臨み得る位置に設けられており、前記第2可動基部89の揺動に伴って該発光素子と受光素子との間を位置検出片120a,120bが移動し得るようになっている。そして、第1位置検出片120aを第2位置検出センサ102で検出した際には、前記待機位置に第2の可動体86が位置し(図23,図25(a)参照)、第2位置検出片120bを第2位置検出センサ102が検出した際には、前記作動位置に第2の可動体86が位置している(図25(b)の参照)。そして、前記第2位置検出センサ102が検出する第2の可動体86の位置に基づいて、図示しない制御手段により第2モータ87が駆動制御されるよう構成される。なお、歯車部89cに形成する位置検出片を1つとし、前記第1可動演出装置M1と同様に、第2位置検出センサ102で位置検出片を検出した位置を基準として制御手段が第2モータ87を駆動制御する態様としてもよい。
(第2装飾体部について)
前記第2装飾体部88は、図19、図20に示す如く、装飾ベース121と、該装飾ベース121の裏側に配設された第2LED基板(電気部品)122と、装飾ベース121および第2LED基板122の間に配設されたレンズカバー123および装飾ベース121の前側に配設された複数の装飾品124とから基本的に構成されて、装飾ベース121の長手方向の一端が前記第2可動基部89の固定部103および本体部109にネジ止め固定される。
前記装飾ベース121は、光透過性を有する合成樹脂材により槍の穂先部を模した形状に形成されると共に、全体が前方に膨出するよう形成された装飾本体125と、該装飾本体125の長手方向の一端から外方に延出する被固定部126とを備える。装飾本体125における被固定部126側の端部には、前記第2可動基部89の固定部103に設けた前記各筒受部114に対応する固定用ボス127が後側に向けて突設されており、該固定用ボス127を対応する筒受部114に夫々前側から嵌挿することで、第2可動基部89に対して装飾ベース121(第2装飾体部88)が位置決めされる。また各固定用ボス127にネジ孔127aが形成されると共に、前記被固定部126の延出端側にネジ孔126aが形成されており、各筒受部114および本体部109に形成した各通孔114a,109cに後側から挿通したネジを、対応する固定用ボス127のネジ孔127aおよび被固定部126のネジ孔126aに螺挿することで、第2可動基部89に対して装飾ベース121(第2装飾体部88)が位置決め固定される。第2可動基部89に対して装飾ベース121の被固定部126は、前記固定用ボス127を筒受部114に嵌挿した状態で、図23に示す如く、前記複数の外前受部117を通る第1仮想円T1より内側(軸支部側)に延出しており、この延出部分において本体部109に被固定部126がネジ止めされている。また実施例では、前記通孔109cは、被固定部126を挟んで周方に隣り合う一対の外前受部117,117に遊嵌された前球体119,119を結ぶ仮想支持ラインT3より軸支持側に設けられ、第2可動基部89に対して装飾ベース121は、該仮想支持ラインT2の内側と外側とで夫々ネジ止め固定されている。
前記装飾ベース121の前面の一部分には、遮光処理により光を透過不能な遮光部が設けられており、後述するLED122aの光が遮光部で遮られることで、装飾ベース121の前面に所要の模様が明輝表示されるようになっている。すなわち、遮光処理されていない領域が、LED122aからの光を透過可能な光透過部として機能する。なお、遮光処理としては、装飾ベース121に塗装を施したり、アルミ等の金属を蒸着することで実現でき、また光を透過不能な部材を別途取付けることにより実現することも可能である。
前記装飾ベース121には、図19、図20に示す如く、前後方向に貫通する開口部分121aが長手方向に離間して複数箇所に形成され、各開口部分121aには、前記レンズカバー123が裏側から夫々嵌合されている。前記第2LED基板122は、前記装飾ベース121と略相似形で、裏側に隠れる寸法に設定され、該第2LED基板122と装飾ベース121とでレンズカバー123が挟まれる。第2LED基板122の前面には、各レンズカバー123と対応する位置、および装飾ベース121の光透過部に対応する位置の夫々に複数のLED122aが実装されており、該LED122aの光がレンズカバー123および光透過部を介して前側に照射されるよう構成してある。なお、LED122aは、発光色が単色のものであってもよく、また複数色を発光し得るものであってもよい。
前記第2LED基板122の前面には、前記固定部103側の端部に、該第2LED基板122に沿って下方側からコネクタを接続可能なコネクタ受け部122bが設けられている。このコネクタ受け部122bに一端が接続する第2配線H2は、装飾ベース121と固定部103との隙間から第2可動基部89の本体部109前側に引き出されるようになっている。前記第2カバー体92の前板92aには、図20に示す如く、前記外突条部92eの内側位置に、前後方向に貫通する配線口92gが周方向に所要長さで形成されており、該配線口92gを介して前記第2配線H2が第2支持部材85の外部に引き出される。また、第2支持部材85の外部に引き出された第2配線H2は、図24に示す如く、前記案内部105の通路105aから裏側に引き出された後、前記設置部材28の裏側に設けた設置部に配設された図示しない中継基板(基板)に接続される。
(第2配線について)
前記第2配線H2の引き回し形態は、前記第1配線H1の引き回し形態と基本的に同じである。すなわち、第2配線H2は、前記装飾ベース121と固定部103との隙間から第2可動基部89の本体部109と第2カバー体92の前板92aとの間に引き込まれた後、前記右第2軸受部92dの近傍において前記配線口92gから外部に引き出され、第2カバー体92(前板92a)の前側で第2の可動体86の揺動軸線(正面視において右第2軸受部92d)を囲むように環状に巻かれるよう構成されており、該環状に巻かれた部分が第2移動許容部(移動許容部)128として機能するようになっている。また、第2移動許容部128より基板接続部側の部位が、図24に示す如く、前記第2カバー体92における前板(保持部)92aの前面に、粘着テープ等からなる保持手段129によって移動しないように保持されている。なお、保持手段129による第2配線H2の保持位置は、前記第2の可動体86の待機位置において前記配線口92gを挟んで第2装飾体部88とは反対側(第2配線H2の本体部109および前板92aとの間への引き込み部とは反対側)に設定されて、第2移動許容部128が正面視において環状を保持し得るようになっている。また実施例では、第2配線H2は、前記案内部105の通路105aへ引き込まれる直前でも保持手段129で保持されている。なお、図25では、第2支持部材85の第2カバー体92を省略して示している。
前記環状の第2移動許容部128は、図26に示す如く、前記第2の可動体86の待機位置において、該第2配線H2が断線しない所要の負荷が加わった初期状態を保持し、該第2の可動体86が待機位置から作動位置へ揺動する際に径が大きくなることで、前記負荷が低減する許容状態へと状態変化するよう構成される。すなわち、第2の可動体86は、待機位置から左方へ移動して作動位置に至るように移動することから、第2移動許容部128は、配線口92gから引き出された第2配線H2が、第2の可動体86の揺動軸線(右第2軸受部92d)の回りを左側−下側−右側−上側の順で通る左回りに巻かれる。これにより、第2の可動体86が待機位置から作動位置へ揺動する際には、第2移動許容部128における保持手段129により固定される側に対して前記第2LED基板122の接続側が左方に移動することで、該第2移動許容部128は径が大きくなる方向に変化する。なお、第2移動許容部128の初期状態において、該移動許容部128の内径は前記右第2軸受部92dの外径より充分に大きく設定される。
前記第2移動許容部128は、第2配線H2を環状に巻いた際の交差部において、第2LED基板122側に引き回される第1部位128aが、前記配線口92gから引き出されて前記保持手段129で保持される側に引き回される第2部位128bに対して第2可動基部89の本体部109側(第2の可動体86の揺動領域側)で重なっている。すなわち、実施例では第1部位128aに対して第2部位128bが前側で重なるよう構成され、第2の可動体86の揺動に際して第2移動許容部128の状態が変化する際に、第1部位128aが前側へ変位するのを第2部位128bで抑制するようになっている。
(第3可動演出装置について)
前記第3可動演出装置M3は、図1,図2または図4に示す如く、上対向面壁31aに沿って上下方向に移動自在に配設された第3の可動体130と、該第3の可動体130を移動する駆動機構(図示せず)とを備え、駆動機構によって第3の可動体130は、前記図柄表示装置13における表示部13aの前側に臨む作動位置と該表示部13aの前側から退避する待機位置との間を移動するよう構成される。なお、第3の可動体130は、後述する第3LED基板133を備え、該第3LED基板133に配設したLED133a,133bの発光により発光演出を行ない得るよう構成されており、第3可動演出装置M3は、動作による演出のみならず発光により演出を行なう演出装置としても機能するようになっている。
(第3の可動体について)
前記第3の可動体130は、図26〜図28にように、前面をなす光透過性のレンズ体部131と、該レンズ体部131の後側に配設されて前記駆動機構に連結される後カバー体132と、該レンズ体部131および後カバー体132の間に配設される第3LED基板133とから基本的に構成されて、該第3LED基板133のLED133a,133bからの光がレンズ体部131を透過して前方へ照射されるようになっている。前記レンズ体部131は、前面部134aおよび該前面部134aの外周縁から後方に突出する外周壁部134bから形成されて後方に開口する第3光透過部材(第1の光透過部材)134と、該第3光透過部材134の外周壁部134bがなす内側輪郭形状に合致する形状に形成されて該第3光透過部材134の内側に収容される第4光透過部材(第2の光透過部材)135とからなる二重構造とされており、該第3光透過部材134および第4光透過部材135の夫々を透明な合成樹脂材により形成してある。なお、第3光透過部材134、第4光透過部材135、第3LED基板133および後カバー体132は、位置決め突起と孔とを嵌合する等の位置決め手段により相互に正確に位置決めされると共に、第3光透過部材134に後カバー体132をネジ止め固定することで、第3光透過部材134と後カバー体132との間に第4光透過部材135および第3LED基板133が挟持固定される。
(第3光透過部材について)
前記第3光透過部材134における前面部134aの一部および外周壁部134bには、光を遮断する遮光処理がなされており、該前面部134aの一部が光を透過する光透過部として機能するようになっている。なお、実施例では、前記第3光透過部材134の前面部134aの一部および外周壁部134bに金属メッキ処理を施すことで、適宜形態で光透過部を形成してある。実施例では、前面部134aに形成された光透過部は、当該パチンコ機10のモチーフに関連する文字等が表示されるようになっている。前記第3光透過部材134における前面部134aの裏面側には、光拡散加工が全面的に施されており、前記第3LED基板133に設けたLED133a,133bからの光を拡散して前側に照射するようになっている。なお、実施例では、前記第3光透過部材134の裏面に光拡散加工として波形の凸を多数並列に形成しているが、これに限られるものではなく、光を拡散する従来公知の形状に形成してもよい。
(第4光透過部材について)
図26、図28に示すように、前記第4光透過部材135は、前記第3光透過部材134における外周壁部134bがなす内側輪郭形状に合致する形状に形成されると共に光拡散加工がなされた板状の対向面部135aと、該対向面部135aの外周縁に沿って設けられ、当該対向面部135aから後方に突出する当接壁135bとから構成される。第3光透過部材134の後方開口を介して該第3光透過部材134の内側に第4光透過部材135を収容した際に、当接壁135bの前端部が第3光透過部材134の前面部134aの裏面に突設した規制突部に当接することで、対向面部135aが第3光透過部材134の前面部134aから所定間隔離間する位置に位置規制される。すなわち、前記第4光透過部材135の裏側に配設された前記第3LED基板133のLED133a,133bからの光を、該第4光透過部材135で拡散させた後に第3光透過部材134に照射することで、該第3光透過部材134の光透過部を全体的に明輝し得るようになっている。
(第4光透過部材の光拡散部について)
次に、前記第4光透過部材135に設けられる光拡散部の具体的構成について説明する。図31に示すように、該第4光透過部材135の対向面部135aに、光拡散構成部(光拡散部)136が多数形成されている。この光拡散構成部136は、図29に示す如く、対向面部135aの裏面に形成されて後方に突出する弧状凸面137と、対向面部135aの前面における弧状凸面137の中心部の前方に対向する位置に形成されて後方へ略円錐状に凹む第7光拡散部(反射凹部)138と、該弧状凸面137を中心として同心円状に形成された複数の第8光拡散部139とを備える。弧状凸面137は、前記第3LED基板133に配設した第1LED133aの発光面と対向し、第1LED133aから弧状凸面137に照射された光を、該弧状凸面137で集光し得るよう構成される。そして、該弧状凸面137で集光された光が、第7光拡散部138の円錐面に照射されるようになっている。なお、第7光拡散部138を構成する円錐面を、第7反射面138aと指称することとする。
ここで、実施例における第7光拡散部138の第7反射面138aは、後端から前端に向かうにつれて前側に凸となる弧状に形成されており、第7反射面138aと、対向面部135aに垂直な基準線L7とが交差する角度θ7は、後側から前側に向かうにつれて45°から徐々に大きくなるよう設定されている。すなわち、第7光拡散部138の第7反射面138aは、前側に向かうにつれて対向面部135aの裏側に近接するよう構成されて、第7反射面138aに照射された光を、前記第8光拡散部139に向けて反射し得るようになっている。但し、第7反射面138aの前記角度θ7は、当該光拡散構成部136を構成する最も外側の第8光反射部139に向けて光を反射可能な角度に設定される。従って、前記第7光拡散部138で反射した光は、複数の第8光拡散部139に照射されるようになっている。
前記第8光拡散部139は、図29に示す如く、断面形状が前方に向けて傾斜面が収束する略三角形状の凹部から構成される。そして、光拡散構成部136では、各第8光拡散部139における各前端部が前記弧状凸面137から離間するにつれて前側へ変位するよう形成されている。ここで、対向面部135aを前側に凹設して形成された第8光拡散部139は、中心側(弧状凸面137側)の傾斜面と中心から離間する傾斜面から構成されており、第8光拡散部139を構成する中心側に臨む傾斜面を内側第8反射面139aと指称すると共に、中心とは反対側に臨む傾斜面を外側第8反射面139bと指称するものとする。そして、実施例では、内側および外側第8反射面139a,139bと、第8光拡散部139の前端部を通る対向面部135aに垂直な基準線L8とが交差する角度θ8は、夫々略45°に設定されている。すなわち、各第8光拡散部139の各内側第8反射面139aは、前記第7光拡散部138を向くよう構成されている。従って、前記第7光拡散部138で反射した光は、第8光拡散部139の内側第8反射面139aに照射され、該内側第8反射面139aにおいて前方へ反射されるようになっている。なお、内側第8反射面139aで反射されることなく透過する光は、該内側第8反射面139aに対する光の入射角に応じた屈折角で屈折されて外側第8反射面139bで乱反射することで拡散効果を向上するよう構成されている。
(第4光透過部材の異形光拡散部について)
前記対向面部135aの裏面には、前記光拡散構成部136での光の拡散形態(明輝形態)が異なる異形光拡散部(光透過部)140が、光拡散構成部136とは区分けして複数形成されている。この異形光拡散部140は、図30,図31に示す如く、対向面部135aを前側に向けて略十字形状に凹設した凹溝部141から構成される。この凹溝部141は、中央(2本の線部の交差部)から外方に延在する部分が延在端側に向けて幅が小さくなるよう設定される。異形光拡散部140の裏面、すなわち凹溝部141の底となる面には、光拡散加工として複数の第9光拡散部142が形成されている。この第9光拡散部142は、図30に示す如く、断面形状が後方に向けて突出する略三角形状で、凹溝部141の中央から延在端側に並列となるように配置されている。
実施例では、各第9光拡散部142を構成する2つの傾斜面を第9反射面142aと指称する。そして、各第9反射面142aと、該第9反射面142aの前端部を通る対向面部135aに垂直な基準線L9とが交差する角度θ9は、夫々略45°に設定されている。これにより、前記第3LED基板133に配設されて凹溝部141の中央に対応する第2LED133bから照射された光は、各第9光拡散部142の一方の第9反射面142aから、隣接する別の第9光拡散部142の対向する第9反射面142aに向けて反射し、該第9反射面142aから前方へ反射されるようになっている。
前記対向面部135aの前面(表面)には、前記異形光拡散部140を除く部位に、光拡散加工が施されている。実施例では、対向面部135aの前面に施される光拡散加工として、前記第3光透過部材134に施した光拡散加工とは異なる形態の拡散加工が施されて、第3光透過部材134の前面(表面)に面白みのある発光形態を現わせ得るようになっている。なお、実施例では、対向面部135aに施される光拡散加工としてダイヤモンド加工を施してあるが、これに限られるものでなく、第3光透過部材134に施した光拡散加工とは異なる形態であれば、従来公知の各種形態を採用し得る。
前記対向面部135aの前面には、前記異形光拡散部140に対応する部位は平坦に形成され、この平坦面143に現われる発光形態を、前記各光拡散構成部136に対応する対向面部135aの前面に現われる発光形態とは際だって異なるようにしてある。
(第3LED基板について)
前記第3LED基板133には、前記第4光透過部材135の対向面部135aに形成された各光拡散構成部136の中心部に位置する弧状凸面137に対応する位置に、前方向けて光を照射する姿勢で第1LED(第1発光体)133aが設けられている。また第3LED基板133には、第4光透過部材135の対向面部135aに形成された各異形光拡散部140における凹溝部141の中央(交差部)に対応する位置に、前方へ向けて光を照射する姿勢で第2LED(第2発光体)133bが設けられている。すなわち、第1LED133aおよび第2LED133bを発光することで、前記第3の可動体130における第3光透過部材134の前面は、各LED133a,133bの対応箇所において異なる形態で明輝するよう構成される。なお、各LED133a,133bは、発光色が単色のものであってもよく、また複数色を発光し得るものであってもよい。
(その他の発光装置について)
前記設置部材28における左右の対向面壁31c,31dには、対応する第1可動演出装置M1および第2可動演出装置M2の前側に離間して左発光装置144および右発光装置145が配設される。左発光装置144と左対向面壁31cとの間に画成される空間(設置空間S)に、第1可動演出装置M1における第1の可動体34が待機位置において収容され、また右発光装置145と右対向面壁31dとの間に画成される空間(設置空間S)に、第2可動演出装置M2の第2の可動体86が待機位置において収容される。各発光装置144,145は、光透過性の装飾部品の裏側に、複数のLEDを実装した発光基板を備え、LEDから前方に向けて照射した光で装飾部品を照明するよう構成される。なお実施例では、左発光装置144は、透明な前記遊技盤17の裏側に位置し、照明された装飾部品が遊技盤17を透して前側から視認されるようになっているのに対し、右発光装置145は、前記枠状装飾部品23の窓口内に露出して位置し、照明された装飾部品が前側から直接視認(具体的にはガラス板を介して視認)されるようになっている。
前記設置部材28の上対向面壁31aに上発光装置146が配設され、該上発光装置146は、前記第3可動演出装置M3における待機位置に位置する第3の可動体130の裏側に臨んで大部分が隠れるよう構成される(図1参照)。そして、第3の可動体130が作動位置に移動することで、図2に示す如く、上発光装置146が前面側に大きく露出するようになっている。上発光装置146は、光透過性の装飾部品の裏側に、複数のLEDを実装した発光基板を備え、LEDから前方に向けて照射した光で装飾部品を照明するよう構成される。
〔実施例の作用〕
次に、前述した実施例に係るパチンコ機の作用につき説明する。
前記遊技領域17aに打ち出されたパチンコ球は、前記枠状装飾部材23の外周囲を流下し、該パチンコ球が前記球導入部25に通入すると、該パチンコ球は前記ステージ24に通出され、該ステージ24を左右に転動した後に遊技領域17aに排出され、このパチンコ球は始動入賞装置20や普通入賞装置22等に入賞可能となる。そして、始動入賞装置20にパチンコ球が入賞すると、前記図柄表示装置13の図柄が変動開始され、所要の図柄組合わせゲームが展開される。前記図柄表示装置13で展開される図柄変動ゲームの結果、図柄表示装置13の表示部13aに所定の図柄組合わせで図柄が停止表示されたときに大当りが発生する。そして、大当りが発生すると、図柄表示装置13の表示部13aに表示された図柄組み合わせに応じて、前記遊技盤17の下方に設けられた特別入賞装置21の入賞口が開放され、遊技者は多くの賞球が獲得可能となる。
前記図柄表示装置13で展開される図柄変動ゲームの演出に応じて、前記可動演出装置M1,M2,M3の各可動体34,86,130が作動されて動的な演出により遊技の興趣が高められる。また、各発光装置144,145,146および遊技盤17に配設されている他の各種照明装置等も、図柄変動ゲームの演出に応じて発光されて、発光による演出により遊技の興趣が向上される。
特に、前記第1可動演出装置M1における第1の可動体34および第2可動演出装置M2における第2の可動体86は、図2に示す如く、作動位置において前記枠状装飾部材23における窓口23aの左右の縁部から前記図柄表示装置13における表示部13aの中央部まで延出する大型のものであり、演出効果を極めて向上することができる。しかも、第1の可動体34と第2の可動体86とは表示部13aの中央部で前後に重なって交差するから、遊技者に、よりインパクトを与えることができる。
ここで、前記第1可動演出装置M1および第2可動演出装置M2との構成は、設置部材28に配設される支持部材33,85と、支持部材33,85から遊技盤17の盤面に沿って延出する可動体34,86と、支持部材33,85に配設されて可動体34,86を駆動するモータ35,87とを備えるものであって、基本的な構成は同じである。そして、実施例では、図6に示す如く、前記遊技盤17の盤面に沿って第1の移動領域を第1の可動体34が移動する前記第1可動演出装置M1では、第1モータ35を第1支持部材33の前側に配設する一方、第1の移動領域より前側の第2の移動領域を遊技盤17の盤面に沿って第2の可動体86が移動するよう設定された前記第2可動演出装置M2では、第2モータ87を第2支持部材85の後側に配設している。これにより、略同一構成の両可動演出装置M1,M2の一方における前後寸法のスペース内で、両可動演出装置M1,M2を設置することが可能となり、前後方向の設置スペースを小さく抑えることができる。すなわち、2基の可動演出装置において、各モータを支持部材の前または後の同一側に配設する場合は、2基の可動体を前後に交差させる演出を行なうためには、一方の可動演出装置に対して他方の可動演出装置の全体を前後何れかの方向にずらして設置する必要があり、可動演出装置の設置スペースにおける前後方向の寸法が大きくなってしまう。これに対し、実施例では支持部材33,85に対するモータ35,87の配設側を前後逆にするだけの簡単な構成で、可動演出装置M1,M2の設置スペースにおける前後寸法を大きくすることなく、大型で作動位置において前後に重なる演出を行ない得る可動体34,86を採用し得るものである。従って、パチンコ機10自体の前後寸法も小さく抑えることが可能となる。
また、前記両可動演出装置M1,M2では、前後方向に延在する支持軸41a,93aに板状の可動基部37,89を回転自在に配設すると共に、モータ35,87の前後方向に延在する出力軸に板状の駆動歯車48,101を配設し、該駆動歯車48,101と可動基部37,89の歯車部37d,89cとの噛合作用下に、モータ35,87の動力を可動体34,86に伝えて該可動体34,86を移動するよう構成されている(図13,図23参照)。すなわち、モータ35,87の動力を可動体34,86に伝える駆動機構部に、板状の駆動歯車48,101および板状の可動基部37,89を採用したことで、該駆動機構部が収容される支持部材33,85自体の前後寸法も小さく抑えることができ、可動演出装置M1,M2の設置スペースにおける前後寸法をより小さくし得る。
(第1可動演出装置の作用について)
前記第1の可動体34の第1可動基部37は、図12に示す如く、前後の両側から転動自在な前球体61および後球体45で移動自在に支持されている。すなわち、第1の可動体34の揺動時には対応する前後の球体61,45が夫々転動することで、摺動する場合に比べて著しく抵抗を低減することができる。従って、前記第1支持部材33に支持されている第1可動基部37に対して第1装飾体部36が長く設定された大型の第1の可動体34においても、該可動体34を円滑に揺動させることができ、かつ第1の可動体34を揺動する第1モータ35に加わる負荷も低く抑え得る。
前記第1の可動体34の揺動に際しては、第1可動基部37の裏面に接触する後球体45および第1カバー体40の裏面に接触する前球体61の夫々が転動するから、該球体45,61が接触する面の摩耗は抑制され、球体45,61による第1の可動体34の長期に亘る安定した支持が図られ、よって第1の可動体34の円滑な動作は長期に亘って維持される。更に、前記第1の可動体34の揺動に際し、前記第1取付ベース体39に配設した後球体45は、前記第1可動基部37に突設した第2の突条部59に接触して転動し、該可動基部37に配設した前球体61は、前記第1カバー体40に突設した第1の突条部40eに接触して転動する。すなわち、各突条部59,40eは、第1可動基部37の裏面または第1カバー体40の裏面から所要高さで突出しているから、各球体45,61が接触する各突条部59,40eが摩耗したとしても、第1取付ベース体39(具体的には後受部44)が第1可動基部37の裏面に摺接したり、第1可動基部37(具体的には前受部60)が第1カバー体40の裏面に摺接してしまうまでの期間を延ばすことができる。
前記第1可動基部37の前後に配置される前球体61および後球体45は、図13に示す如く、何れも周方向に等間隔で配置されているから、第1可動基部37が前記第1支持軸41aを中心として揺動する際の第1の可動体34の動作が安定する。また、前記第1取付ベース体39の後板39aには裏側に第1補強板金41が配設されているから、該後板39aが変形するのは抑制される。すなわち、第1の可動体34の揺動時における前後方向の偏倚は抑制されるから、前述したように第1の可動体34と第2の可動体86とが動作時に前後の関係で交差可能な構成において、両可動体34,86の移動領域を相互に干渉しない範囲でより近づけることができ、パチンコ機自体の前後寸法の短縮化に寄与し得る。
また、前記第1可動演出装置M1の第1の可動体34の基準となる待機位置において、前記第1可動基部37に対する前球体61および後球体45の各位置は、後側に位置して周方向に隣り合う後球体45と後球体45との中間に、前側に位置する各前球体61が臨んでいる(図13参照)。すなわち、正面視において前記第1支持軸41aを中心とする同一の円周上において8個の球体61,45が等間隔(45°の角度間隔)で位置して第1可動基部37を支持しているから、当該待機位置において第1可動基部37を安定して支持することができ、第1の可動体34を適正な姿勢に保持し得る。また、正面視において前後の球体61,45が周方向に交互に位置することで、正面視において第1可動基部37に対して球体61,45が接触する周方向の間隔は、前球体61のみまたは後球体45のみでの間隔より小さくなる(半分となる)。すなわち、第1可動基部37に配設される前球体61、および第1取付ベース体39に配設される後球体45について、少ない配設数で第1可動基部37を安定して支持することができ、部品点数を低減してコストを抑えることができる。なお、第1の可動体34の待機位置において、前記第1装飾体部36の長手方向が前記第1支持軸41aの上方に略整列した状態で延在しており、該長手方向に沿って2つの前球体61が第1支持軸41aが挟んで位置することで、該第1の可動体34の安定した保持に寄与している。
前記第1の可動体34の待機位置において、図13に示す如く、前記第1支持部材33に配設した金属体42に、第1の可動体34に配設した磁石58が磁力吸着して該第1の可動体34は待機位置に保持されている。すなわち、前記第1装飾体部36を大型化しても、第1の可動体34を待機位置に確実に保持しておくことができ、パチンコ機10が振動等した際に、第1の可動体34が意図しない動きを行なってしまうのを防止し得る。また第1可動演出装置M1では、前記第1可動基部37に配設した第1捻りコイルバネ57によって第1の可動体34は待機位置に向けて付勢されるようなっているから、該第1捻りコイルバネ57によっても第1の可動体34を待機位置に保持し得る。
ここで、実施例の第1の可動体34は、図4および図5に示す如く、待機位置では第1装飾体部36が略上下方向に延在する立った姿勢であるのに対し、作動位置において第1装飾体部36は斜め右向きの傾斜姿勢となる。すなわち、大型で長尺な第1装飾体部36を傾斜姿勢から立った姿勢に引き起こす際には、前記第1モータ35に加わる負荷は大きくなるが、このときには前記第1捻りコイルバネ57の付勢力によって第1の可動体34が待機位置に移動するのを補助するので、第1モータ35に加わる負荷を軽減することができる。従って、第1モータ35として小型のものを使用し得ると共に、耐久寿命を延ばすことができる。なお、第1の可動体34が待機位置から作動位置に移動する際には、第1捻りコイルバネ57の付勢力に抗して第1モータ35が第1の可動体34を駆動することとなるが、このときには第1装飾体部36の重量が作動位置に向かう方向に作用するから、第1捻りコイルバネ57の付勢力が第1モータ35にとって大きな負担となることはない。
前記第1の可動体34に設けた第1LED基板65のコネクタ受け部65aに接続する第1配線H1は、第1光透過部材64と固定部55との隙間から、第1可動基部37の本体部37aと第1カバー体40の前板40aとの間の前記案内壁63,63間に引き込まれている。また第1配線H1は、図14、図15に示す如く、前記配線口40fから外部に引き出された後に、正面視において第1カバー40の前側で前記左第2軸受部40dを囲むように環状に巻かれると共に、第1カバー体40における前板40aの前面に形成されたカバー側配線止め部84に結束具84aを介して結束されて移動しないように保持されている。
前記第1の可動体34が待機位置から作動位置へ揺動する際には、図15(b)に示す如く、前記第1カバー体40の前側で巻かれている第1移動許容部83は、径が大きくなって負荷が低減する許容状態へと状態変化することで、第1配線H1が引っ張られることなく第1の可動体34の移動が許容される。また、第1の可動体34が作動位置から待機位置へ揺動する際には、第1移動許容部83は径が小さくなる状態に変化するものの、第1移動許容部83の初期状態において該第1移動許容部83には配線を破損するような大きな負荷は加わらないように設定されている。すなわち、第1の可動体34が待機位置と作動位置との間を移動するに際し、第1移動許容部83に大きな負荷が加わることはなく、第1配線H1の破損を防止し得る。
前記第1配線H1の第1移動許容部83は環状に形成されて、第1の可動体34の移動時には径が大きくなったり小さくなるよう変化するから、第1配線H1の特定部位が鋭角に屈曲して負荷が集中することはなく、第1配線H1の破損をより防止し得る。また、第1移動許容部83は、第1の可動体34の揺動中心を囲む環状に形成されているから、該第1の可動体34の揺動に際して第1移動許容部83はスムーズに状態変化し、第1配線H1に加わる負荷をより軽減し得る。
ここで、前記第1の可動体34の移動に際して第1移動許容部83では、可動側となる第1LED基板65側に引き回されている前記第1部位83aが、前記カバー側配線止め部84に固定されている側に引き回されている前記第2部位83bより大きく移動する。この場合に、第1部位83aは第2部位83bの後側に位置し、第2部位83bと第1カバー体40の前板40aとで第1部位83aが挟まれているから、大きく移動する第1部位83aが前方へ変位するのを第2部位83bで抑制することができる。すなわち、第1配線H1が意図しない前方へ移動して他の部品に接触するのを確実に防止し得る。また、第1部位83a側の第1配線H1は、図15に示す如く、前記案内壁63,63で案内されて本体部37aの板面に沿った方向への移動は規制されているから、第1LED基板65から第1移動許容部83に至るまでの間の第1配線H1が意図しない方向に変位してしまうことはない。すなわち、第1の可動体34の移動に際しては、第1移動許容部83を変位させることができ、第1配線H1に大きな負荷が加わったり他の部品に引っ掛かったりするのを防止し、第1配線H1が破損したり第1の可動体34の円滑な移動が阻害されるのを防ぐことができる。
前記第1の可動体34における第2光透過部材66は、図16、図17に示す如く、前記第1LED基板65の第1LED72を収容する収容凹部73の側方に第1光拡散部74を位置させて、該第1LED基板65の第1LED72から側方へ向けて照射された光の一部を、第1光拡散部74の第1反射面74aを介して第2光透過部材66の長手方向へ反射し、この反射光を第2光拡散部75の第2反射面75aで側方(第1光透過部材64の側面板70側)へ反射するようになっている。
ここで、前記第2光拡散部75を収容凹部73から離間する方向に連続して複数形成すると共に、各第2反射面75aにおける第2面71b側の先端部が前記収容凹部73から離間するにつれて側方(第2面71b側)へ変位するよう位置させているから、第1反射面74aで反射された反射光を収容凹部73から離間位置する第2反射面75aに対しても効果的に照射することができる。これにより、第1光拡散部74の第1反射面74aを介して反射された反射光を、第2光拡散部75の第2反射面75aで確実に受け止めて側方に反射させることができる。しかも、収容凹部73(すなわち第1LED基板65における第1LED72の配置位置)から離れた位置の第2光拡散部75の第2反射面75aに対しても反射光を確実に行き渡らせることができ、1つの第1LED72の光を照射可能な範囲を格段に広げることができる。従って、広い範囲に光を照射する必要がある場合においても第1LED72の数を低減でき、部品点数の削減により製造工程の簡略化を図り得ると共に、コストの低減を実現できる。そして、第2反射面75aで側方に反射された光によって、前記第1光透過部材64における傾斜面70aが形成された側面板70が明輝する。実施例では、第1光透過部材64の傾斜面70aが、刀身の刃先に対応しているから、該刃先が明輝することで演出効果を向上することができる。
前記収容凹部73における第1LED72からの光が直接照射される面を、該第1LED72側に凸となる弧状面73aとしてあるから、該弧状面73aで光を集光して第1光拡散部74の第1反射面74aに照射することができ、収容凹部73から離れた位置の第2光拡散部75の第2反射面75aに対しても強い光を照射し得る。また、前記第1光拡散部74を挟んで第2光透過部材66の長手方向の両側に第3光拡散部76を形成すると共に、第1光拡散部74の第2面71b側に第4光拡散部77を形成し、収容凹部73に隣り合う基端第2反射面75aおよび近接する第2光拡散部75の第2反射面75aからの反射光の一部を、第3光拡散部76の第3反射面76aを介して第4光拡散部77の第4反射面77aに照射し、該第4反射面77aで側方(第1光透過部材64の側面板70側)へ反射するようにしている。すなわち、第1光拡散部74の第1反射面74aで第2光拡散部75に光が反射されることで、該第1光拡散部74を透過して側方へ照射される光量が少なくなるが、第2反射面75aから側方に反射される光の一部を再び第1光拡散部74の側方に戻すことで、前記第1光透過部材64の側面板70を長手方向に略均一の明るさで明輝させることができる。
また、前記第2光透過部材66における第1光透過部材64の側面板70に対向する端面に突出部78を設け、前記第4光拡散部77から側方に照射された光の一部を、該突出部78の後方傾斜面78aで第1光透過部材64の前面板69に向けて反射するようにしている。すなわち、前記第1LED72から照射された光で、第1光透過部材64における交差する前面板69と側面板70とを明輝させることができ、少ないLEDで効果的な発光演出を行ない得る。
更に、前記第1の可動体34では、図18に示す如く、前記第2光透過部材66の面板部66aに複数の前側光拡散部79を設け、前記第1LED基板65に設けた第2LED81から照射された光を、該前側光拡散部79を介して第1光透過部材64の前面板69に照射するようになっている。前側光拡散部79では、図16に示す如く、第2LED81と対向する平坦面79aを中心として第6光拡散部82を同心円状に連続して複数形成すると共に、各第6光拡散部82の第6反射面82aにおける前端部が前記平坦面79aから離間するにつれて前側へ変位するよう位置させているから、第5反射面80aで反射された反射光を平坦面79aから離間位置する第6反射面82aに対しても効果的に照射することができる。これにより、第5光拡散部80の第5反射面80aを介して反射された反射光を、第6光拡散部82の第6反射面82aで確実に受け止めて前方に反射させることができる。しかも、平坦面79a(すなわち第1LED基板65における第2LED81の配置位置)から離れた位置の第6光拡散部82の第6反射面82aに対しても反射光を確実に行き渡らせることができ、1つの第2LED81の光を照射可能な範囲を格段に広げることができる。従って、第2LED81の数を低減でき、部品点数の削減により製造工程の簡略化を図り得ると共に、コストの低減を実現できる。そして、第6反射面82aで前方に反射された光によって、前記第1光透過部材64における前面板69が明輝する。実施例では、第1LED72の光を拡散する光拡散部による拡散形態と、第2LED81の光を拡散する光拡散部による拡散形態とを異ならせているから、第1光透過部材64の表面において異なる明輝形態が現われ、全体が同じ形態で明輝する場合に比べて演出効果を向上することができる。
次に、ユニット化されている前記第1可動演出装置M1における第1支持部材33に対する第1の可動体34の組付けについて説明する。
前記後板39aの裏側に第1補強板金41を配設して第1支持軸41aが前側に突出されている前記第1取付ベース体39を、作業台等に後板39aの前面が上向きとなる姿勢で載置したもとで、前記各後受部44の凹部44aに上方から後球体45を夫々嵌め込む。次に、第1の可動体34における第1可動基部37を、第1取付ベース体39の上方から接近して前記軸孔53aに第1支持軸41aを挿通すると共に支持突部37cを中心通孔39cに挿入し、該第1可動基部37の裏面に形成されている第2の突条部59を後球体45に接触させる。このように第1取付べース体39に第1可動基部37を取付けた後、該第1可動基部37の前受部60の凹部60aに対し、上方から前球体61を夫々嵌め込む。そして、第1可動基部37に対し、前記固定部55が切欠部39dに臨むと共に前記第1の突条部40eが前球体61に接触するように前記第1カバー体40を被せる。このとき、前記第1支持軸41aの先端を左第1軸受部40cで支持すると共に、軸支部53を左第2軸受部40dに挿入する。最後に、第1カバー体40を第1取付ベース体39にネジ止め固定することで、第1支持部材33に対して第1の可動体34が揺動自在に支持された状態で組付けられる。
前述したように、前記後球体45が転動自在に遊嵌される後受部44を第1取付ベース体39の前側に設けると共に、前記前球体61が転動自在に遊嵌される前受部60を第1可動基部37の前側に設けることで、第1支持部材33に対する第1の可動体34の組付けに際しては、各部品を一方向から順に組付けるだけでよく、組付け作業が容易となる。
(第2可動演出装置の作用について)
次に、前記第2可動演出装置M2の作用を説明する。前記第2の可動体86の第2可動基部89は、図22に示す如く、前後の両側から転動自在な前球体119および後球体98で移動自在に支持されている。すなわち、第2の可動体86の揺動時には対応する前後の球体119,98が夫々転動することで、摺動する場合に比べて著しく抵抗を低減することができる。従って、前記第2支持部材85に支持されている第2可動基部89に対して第2装飾体部88が長く設定された大型の第2の可動体86においても、該可動体86を円滑に揺動させることができ、かつ第2の可動体86を揺動する第2モータ87に加わる負荷も低く抑え得る。
前記第2の可動体86の揺動に際しては、第2可動基部89の裏面に接触する後球体98および第2カバー体92の裏面に接触する前球体119の夫々が転動するから、該球体98,119が接触する面の摩耗は抑制され、球体98,119による第2の可動体86の長期に亘る安定した支持が図られ、よって第2の可動体86の円滑な動作は長期に亘って維持される。更に、前記第2の可動体86の揺動に際し、前記第2取付ベース体91に配設した後球体98は、前記第2可動基部89に突設した対応する外突条部115および内突条部116に接触して転動し、該第2可動基部89に配設した前球体119は、前記第2カバー体92に突設した対応する外突条部92eおよび内突条部92fに接触して転動する。すなわち、各突条部115,116,92e,92fは、第2可動基部89の裏面または第2カバー体92の裏面から所要高さで突出しているから、各球体98,119が接触する各突条部115,116,92e,92fが摩耗したとしても、第2取付ベース体91(具体的には内外の後受部96,97)が第2可動基部89の裏面に摺接したり、第2可動基部89(具体的には内外の前受部117,118)が第2カバー体92の裏面に摺接してしまうまでの期間を延ばすことができる。
前記第2可動基部89の前後に配置される前球体119および後球体98は、何れも周方向に等間隔で配置されているから、第2可動基部89が前記第2支持軸93aを中心として揺動する際の第2の可動体86の動作が安定する。また、前記第2取付ベース体91の後板91aには裏側に第2補強板金93が配設されているから、該後板91aが変形するのは抑制される。すなわち、第2の可動体86の揺動時における前後方向の偏倚は抑制されるから、前述したように第2の可動体86と第1の可動体34とが動作時に前後の関係で交差可能な構成において、両可動体86,34の移動経路を相互に干渉しない範囲でより近づけることができ、パチンコ機自体の前後寸法の短縮化に寄与し得る。
前記第2可動演出装置M2の第2の可動体86の基準となる待機位置において、前記第2可動基部89に対する前球体119および後球体98の各位置は、後側に位置して周方向に隣り合う後球体98と後球体98との周方向における中間に、前側に位置する各前球体119が臨んでいる(図23参照)。また、第2可動基部89の本体部109における大径部109aを支持する前後の球体119,98が、該大径部109aの外周縁に近接した位置を支持すると共に、本体部109における小径部109bを支持する前後の球体119,98が、該小径部109bの外周縁に近接した位置を支持している。すなわち、正面視において周方向に8個の球体119,98が等間隔(45°の角度間隔)で位置し、かつ第2可動基部89の外周縁に近接した位置で該第2可動基部89を夫々支持しているから、当該待機位置において第2可動基部89を安定して支持することができ、第2の可動体86を適正な姿勢に保持し得る。しかも、第2の可動体86の移動時においても、前後の球体119,98は第2可動基部89の外周縁を支持する関係を保っているので、第2可動基部89の軸方向への変位を抑制して第2の可動体86の安定した動作を達成することができる。
また、正面視において前後の球体119,98が周方向に交互に位置することで、正面視において第2可動基部89に対して球体119,98が接触する周方向の間隔は、前球体119のみまたは後球体98のみでの間隔より小さくなる(半分となる)。すなわち、第2可動基部89に配設される前球体119、および第2取付ベース体91に配設される後球体98について、少ない配設数で第2可動基部89を安定して支持することができ、部品点数を低減してコストを抑えることができる。なお、第2の可動体86の待機位置において、前記第2装飾体部88の長手方向が前記第2支持軸93aの上方に整列した状態で延在しており、該長手方向に沿って2つの後球体98が第2支持軸93aを挟んで位置することで、該第2の可動体86の安定した保持に寄与している。
ここで、前記第2可動基部89に対して第2装飾体部88は、第2可動基部89の固定部103に対して第2装飾体部88の被固定部126が、前記複数の固定用ボス127を対応する筒受部114に夫々嵌挿してネジ止め固定しているから、両者88,89は強固に位置決め固定される。しかも、第2装飾体部88の被固定部126は、図23に示す如く、該被固定部126を周方向で挟む両側の外前受部117,117に遊嵌された前球体119,119を結ぶ仮想支持ラインT3より内側に延出すると共に、該延出部分において第2可動基部89の本体部109に対してネジ止め固定されている。すなわち、第2可動基部89に対して第2装飾体部88は、該第2可動基部89を支持する2つの前球体119,119を結ぶ仮想支持ラインT3を挟んで径方向の内側と外側とでネジ止め固定されているから、第2装飾体部88が前後方向へ変位するのを前球体119,119で規制することができ、第2の可動体86のより安定した動作を達成し得る。
前記第2可動演出装置M2では、図25に示す如く、第2支持部材85に収容可能なできるだけ大きな第2可動基部89(大径部109a)を採用することで、前記球体119,98による安定した支持を図り得るようにする一方で、該第2可動基部89の一部に小径部109bを設け、第2支持部材85に設けた規制部100が小径部109b内に位置するようにしている。そして、小径部109bと大径部109aとの間の規制壁106c,106dが規制部100に当接する範囲で、第2の可動体86の移動範囲を規制するよう構成してある。すなわち、第2の可動体86を安定して支持し得ると共に、該第2の可動体86の移動範囲を規制することができる。しかも、大径部109aおよび小径部109bの何れにおいても、前述したように外周縁に近接した位置が前後の球体119,98で支持されるから、第2の可動体86の安定した移動を達成し得る。
前記第2可動演出装置M2では、前記第2可動基部89に配設した第2捻りコイルバネ111によって第2の可動体86は待機位置に向けて付勢されるようなっており、前記第2装飾体部88を大型化しても、第2の可動体86を待機位置に確実に保持しておくことができ、パチンコ機10が振動等した際に、第2の可動体86が意図しない動きを行なってしまうのを防止し得る。
ここで、実施例の第2の可動体86は、図4および図5に示す如く、待機位置では第2装飾体部88が上下方向に延在する立った姿勢であるのに対し、作動位置において第2装飾体部88は斜め左向きの傾斜姿勢となる。すなわち、大型で長尺な第2装飾体部88を傾斜姿勢から立った姿勢に引き起こす際には、前記第2モータ87に加わる負荷は大きくなるが、このときには前記第2捻りコイルバネ111の付勢力によって第2の可動体86が待機位置に移動するのを補助するので、第2モータ87に加わる負荷を軽減することができる。従って、第2モータ87として小型のものを使用し得ると共に、耐久寿命を延ばすことができる。なお、第2の可動体86が待機位置から作動位置に移動する際には、第2捻りコイルバネ111の付勢力に抗して第2モータ87が第2の可動体86を駆動することとなるが、このときには第2装飾体部88の重量が作動位置に向かう方向に作用するから、第2捻りコイルバネ111の付勢力が第2モータ87にとって大きな負担となることはない。
前記第2の可動体86に設けた第2LED基板122のコネクタ受け部122bに接続する第2配線H2は、装飾本体125と固定部103との隙間から、第2可動基部89の本体部109と第2カバー体92の前板92aとの間に引き込まれている。また第2配線H2は、図24、図25に示す如く、前記配線口92gから外部に引き出された後に、正面視において第2カバー体92の前側で前記右第2軸受部92dを囲むように環状に巻かれると共に、第2カバー体92における前板92aの前面に保持手段129によって移動しないように保持されている。
前記第2の可動体86が待機位置から作動位置へ揺動する際には、図25(b)に示す如く、前記第2カバー体92の前側で巻かれている第2移動許容部128は、径が大きくなって負荷が低減する許容状態へと状態変化することで、第2配線H2が引っ張られることなく第2の可動体86の移動が許容される。また、第2の可動体86が作動位置から待機位置へ揺動する際には、第2移動許容部128は径が小さくなる状態に変化するものの、第2移動許容部128の初期状態において該第2移動許容部128には配線を破損するような大きな負荷は加わらないように設定されている。すなわち、第2の可動体86が待機位置と作動位置との間を移動するに際し、第2移動許容部128に大きな負荷が加わることはなく、第2配線H2の破損を防止し得る。
前記第2配線H2の第2移動許容部128は環状に形成されて、第2の可動体86の移動時には径が大きくなったり小さくなるよう変化するから、第2配線H2の特定部位が鋭角に屈曲して負荷が集中することはなく、第2配線H2の破損をより防止し得る。また、第2移動許容部128は、第2の可動体86の揺動中心を囲む環状に形成されているから、該第2の可動体86の揺動に際して第2移動許容部128はスムーズに状態変化し、第2配線H2に加わる負荷をより軽減し得る。
ここで、前記第2の可動体86の移動に際して第2移動許容部128では、可動側となる第2LED基板122側に引き回されている前記第1部位128aが、前記第2カバー体92の前面に保持手段129で固定されている側に引き回されている前記第2部位128bより大きく移動する。この場合に、第1部位128aは第2部位128bの後側に位置し、第2部位128bと第2カバー体92の前板92aとで第1部位128aが挟まれているから、大きく移動する第1部位128aが前方へ変位するのを第2部位128bで抑制することができる。すなわち、第2配線H2が意図しない前方へ移動して他の部品に接触するのを確実に防止し得る。従って、第2の可動体86の移動に際して第2配線H2に大きな負荷が加わったり他の部品に引っ掛かったりするのを防止し、第2配線H2が破損したり第2の可動体86の円滑な移動が阻害されるのを防ぐことができる。
次に、ユニット化されている前記第2可動演出装置M2における第2支持部材85に対する第2の可動体86の組付けについて説明する。
前記後板91aの裏側に第2補強板金93を配設して第2支持軸93aが前側に突出されている前記第2取付ベース体91を、作業台等に後板91aの前面が上向きとなる姿勢で載置したもとで、前記内外の各後受部96,97の凹部96a,97aに上方から後球体98を夫々嵌め込む。次に、第2の可動体96における第2可動基部89を、第2取付ベース体91の上方から接近して前記軸孔107aに第2支持軸93aを挿通すると共に支持突部89aを中心通孔91cに挿入し、該第2可動基部89の裏面に形成されている内外の各突条部115,116を後球体98に接触させる。このように第2取付べース体91に第2可動基部89を取付けた後、該第2可動基部89の内外の117,118の凹部117a,118aに対し、上方から前球体119を夫々嵌め込む。そして、第2可動基部89に対し、前記固定部103が切欠部91dの内側に臨むと共に前記内外の突条部92e,92fが前球体119に接触するように前記第2カバー体92を被せる。このとき、前記第2支持軸93aの先端を右第1軸受部92cで支持すると共に、軸支部107を右第2軸受部92dに挿入する。最後に、第2カバー体92を第2取付ベース体91にネジ止め固定することで、第2支持部材85に対して第2の可動体86が揺動自在に支持された状態で組付けられる。
前述したように、前記後球体98が転動自在に遊嵌される後受部96,97を第2取付ベース体91の前側に設けると共に、前記前球体119が転動自在に遊嵌される前受部117,118を第2可動基部89の前側に設けることで、第2支持部材85に対する第2の可動体86の組付けに際しては、各部品を一方向から順に組付けるだけでよく、組付け作業が容易となる。
(第3可動演出装置の作用について)
次に、前記第3可動演出装置M3の作用を説明する。すなわち、前記駆動機構を作動することで、前記第3の可動体130は、図1および図2に示す如く、前記枠状装飾部材23における窓口23aの上縁部の待機位置と図柄表示装置13の表示部13中央側の作動位置との間を移動する。
前記第3の可動体130では、図31に示す如く、前記第4光透過部材135の対向面部135aに複数の光拡散構成部136を設け、前記第3LED基板133に設けた第1LED133aから照射された光を、該光拡散構成部136を介して第3光透過部材134の前面部134aに照射するようになっている。光拡散構成部136では、図29に示す如く、第1LED133aと対向する弧状凸面137を中心として第8光拡散部139を同心円状に連続して複数形成すると共に、各第8光拡散部139の内側第8反射面139aにおける前端部が前記弧状凸面137から離間するにつれて前側へ変位するよう位置させているから、前記第7反射面138aで反射された反射光を弧状凸面137から離間位置する内側第8反射面139aに対しても効果的に照射することができる。しかも、第1LED133aからの光が直接照射される面を、該第1LED133a側に凸となる弧状凸面137としてあるから、該弧状凸面137で光を集光して第7光拡散部138の第7反射面138aに照射することができ、弧状凸面137から離れた位置の第8光拡散部139の内側第8反射面139aに対しても強い光を照射し得る。これにより、第7光拡散部138の第7反射面138aを介して反射された反射光を、第8光拡散部139の内側第8反射面139aで確実に受け止めて前方に反射させることができる。しかも、弧状凸面137(すなわち第3LED基板133における第1LED133aの配置位置)から離れた位置の第8光拡散部139の内側第8反射面139aに対しても強い反射光を確実に行き渡らせることができる。
前記内側第8反射面139aで前方に反射された光は、第4光透過部材135を透過した後に前記第3光透過部材134の前面部134aに照射され、該前面部134aが照明される。この場合に、第4光透過部材135の前面に光拡散加工が施されると共に、第3光透過部材134の前面部134aにも光拡散加工が施されているから、内側第8反射面139aで前方に反射された光は、第4光透過部材135および第3光透過部材134で夫々乱反射してより広範囲を明輝することができる。すなわち、1つの第1LED133aの光を照射可能な範囲を格段に広げることができ、LEDの数を低減でき、部品点数の削減により製造工程の簡略化を図り得ると共に、コストの低減を実現できる。また、第4光透過部材135および第3光透過部材134に施される光拡散加工の形態を異ならせているから、興趣のある発光演出を行なうことができる。
また前記第3の可動体130では、図31に示す如く、前記第4光透過部材135の対向面部135aには、前記光拡散構成部136とは形態が異なる複数の異形光拡散部140を設け、前記第3LED基板133に設けた第2LED133bから照射された光を、該異形光拡散部140を介して第3光透過部材134の前面部134aに照射するようになっている。異形光拡散部140は、前記光拡散構成部136とは区画された十字状の凹溝からなり、該溝内に複数の第9光拡散部142が形成されており、前記第2LED133bから前側に向けて照射された光は、図30に示す如く、第9光拡散部142の第9反射面142aで乱反射して、当該異形光拡散部140の全体を明輝することができる。
ここで、異形光拡散部140の第9光拡散部142は、溝の幅方向に直線的に延在し、かつ溝の延在方向に並列に配置されるのに対し、前記光拡散構成部136の第8光拡散部139は、前記弧状凸面137を中心に同心円状に配置されている。すなわち、異形光拡散部140の第9光拡散部142で光が乱反射した際に明輝する形態と、光拡散構成部136の第8光拡散部139で光が反射した際に明輝する形態とは明らかに異なり、第3光透過部材134の表面において異なる明輝形態として現われ、全体が同じ形態で明輝する場合に比べて演出効果を向上することができる。
また、前記第4光透過部材135における対向面部135aの前面では、前記異形光拡散部140に対応する位置を除く部位に光拡散加工が施されているのに対し、該異形光拡散部140に対応する位置は平坦面143とされている。これにより、異形光拡散部140の形成部位と光拡散構成部136の形成部位とでの明輝形態が異なることが明確となり、より興趣のある発光演出を行なうことができる。
(変更例)
なお、遊技機の構成としては、実施例のものに限らず、種々の変更が可能である。
(1) 実施例では、可動体を所定角度範囲で回転(揺動)するよう構成したが、これに限らず、可動体を360°回転するよう構成してもよく、また直線運動する構成を採用し得る。
(2) 実施例では、移動する第3の可動体に第3光透過部材(第1の光透過部材)および第4光透過部材(第2の光透過部材)を配設したが、該第3光透過部材(第1の光透過部材)および第4光透過部材(第2の光透過部材)の配設部位は、遊技盤や枠状装飾部材等の固定部位であってもよい。
(3) 第3光透過部材(第1の光透過部材)および第4光透過部材(第2の光透過部材)に対する光拡散加工としては、実施例に示した構成のものに限られるものではなく、シボ加工等のように光を拡散する従来公知の光拡散加工により形成してもよい。また別途設けた光拡散シートを貼付する構成も採用可能である。
(4) 第4光透過部材(第2の光透過部材)に形成される各光拡散部の数や設置位置は、実施例のものに限らず、任意に決定することができる。
(5) 第4光透過部材(第2の光透過部材)に形成される各光拡散部における断面形状や反射面の角度は、実施例のものに限らず、任意に決定することができる。
(6) 実施例では、第4光透過部材(第2の光透過部材)に形成される第8光拡散部を全て同一の断面形状に形成するようにしたが、第8光拡散部毎に断面形状を変更するようにしてもよい。
(7) 実施例では、第4光透過部材(第2の光透過部材)に形成する光拡散構成部(光拡散部)として、対向面部の前面と裏面とに形成した、第7光拡散部、弧状凸面および複数の第8光拡散部(凹部)から構成した場合で説明したが、対向面部の裏面に形成した複数の第8光拡散部(凹部)のみで構成したものであってもよい。すなわち、同心円状に配置した複数の第8光拡散部(凹部)の中心に対応して配置された第1LED(第1発光体)から照射される光を、複数の第8光拡散部(凹部)の夫々で反射して前面側を明輝させる構成であればよい。
(8) 第4光透過部材(第2の光透過部材)に形成される異形光拡散部(光透過部)における形状は、実施例のものに限らず、任意に決定することができる。
(9) 実施例では、遊技盤を透明板から構成するようにしたが、ベニヤ板等の木製の遊技盤を採用することもできる。
(10) 実施例では、遊技機としてパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機、スロットマシン機等の各種遊技機を採用し得る。