以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについて重複する説明は省略する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明における遊技機1の外観構成の一例を示す正面図である。この遊技機1は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が各種入賞口に入球すると賞球を払い出すように構成された弾球式の遊技機である。遊技機1は、遊技機本体1aの正面側に開閉可能に取り付けられた前枠部材3を備えている。
前枠部材3は、その中央に透明ガラス板2aが嵌め込まれた窓部2を有している。遊技者は、この透明ガラス板2aを介して遊技機1の正面側から遊技機本体1aに取り付けられる遊技盤10を視認可能である。前枠部材3は、窓部2の下部右側に、遊技者が操作するハンドルレバー4を備えており、遊技者がこのハンドルレバー4を右回り方向(時計回り方向)に回転操作すると、その操作角度に応じた打球力で遊技球が遊技盤10の盤面に所定の時間間隔で打ち出されるようになっている。
また前枠部材3は、窓部2の上部左右両側に設けられた一対のスピーカ5と、窓部2の上部および下部のそれぞれ中央に設けられた枠ランプ6とを備えている。スピーカ5は楽曲や音声、効果音などを発することで各種の演出を行い、枠ランプ6は点灯点滅のパターンや発光色の違いなどで各種の演出を行うように構成されている。
図2は、遊技機1の前枠部材3を開放した状態を示す斜視図である。図2に示すように前枠部材3は、遊技機本体1aの左側に設けられた支持部1bで回動可能に軸支されている。遊技者が遊技を行うときには、図1に示すように前枠部材3は遊技機本体1aに閉じられ、施錠された状態となる。遊技中、例えば遊技盤10の遊技領域11において球詰まりなどが生じると、店員が前枠部材3を解錠して図2に示すように前枠部材3を開放することにより、球詰まりなどを解消することができる。
図2に示すように遊技機本体1aには、遊技盤10が取り付けられている。この遊技盤10の正面側には、遊技球が打ち出される略円形の遊技領域11が形成されている。遊技領域11のほぼ中央にはセンター役物などとも称される飾り枠体12が設けられている。さらに飾り枠体12の中央の背面側には画像表示器13が配置されている。画像表示器13は、例えばカラー液晶ディスプレイなどで構成され、遊技の進行状況に応じて各種の演出画像を表示する。
また図示を省略しているが、遊技領域11の内側には、多数の釘、スルーゲート、風車、普通入賞口、始動口、電動チューリップ、大入賞口等の公知の部材が配置される。そして遊技機1は、始動口に遊技球が入球すると、それに伴って乱数を取得し、その取得した乱数が所定値であるか否かを判定することにより大当たり抽選を行う。遊技機1において大当たり抽選が行われると、画像表示器13は、例えば1〜9までの数字が付された3つの装飾図柄画像の変動表示を個別に行い、変動表示を開始してから所定時間が経過したタイミングで3つの装飾図柄画像を停止させる。このとき、3つの装飾図柄画像が揃った状態で停止すれば大当たりとなり、遊技機1は大入賞口を開放させる大入賞口開放遊技へと移行し、遊技者に有利な遊技価値が付与される。すなわち、大入賞口開放遊技では、大入賞口に多数の遊技球が入球するので、遊技者は多くの賞球を獲得することができるようになる。
次に図3は、遊技機1における遊技盤10の構成を示す分解斜視図である。図3に示すように、遊技盤10のほぼ中央には開口部10aが形成されている。遊技盤10の背面側に配置される画像表示器13の表示画面は、この開口部10aを通して遊技盤10の正面側から視認可能である。この開口部10aの周縁部には、遊技盤10の正面側から飾り枠体12が取り付けられる。これにより、飾り枠体12は、画像表示器13の画面枠を構成する。
一方、画像表示器13は、遊技盤10の背面側に役物保持枠体14を介して取り付けられる。つまり、遊技盤10の背面側には役物保持枠体14が取り付けられ、その役物保持枠体14のさらに背面側に画像表示器13が取り付けられる。
役物保持枠体14は、一定の厚みを有する箱形の枠体であり、正面側が全面開放されており、背面側に画像表示器13の表示画面サイズに対応した窓部16が形成された構造である。役物保持枠体14の正面側縁部には、その上下に一対のフランジ部14a,14bが設けられている。これらフランジ部14a,14bが遊技盤10の背面側の所定位置にビス止めされることにより、役物保持枠体14は遊技盤10の背面側に固定される。そして画像表示器13は、表示画面の周縁部が役物保持枠体14における窓部16の周囲に取り付けられることにより役物保持枠体14の背面側に固定される。
遊技盤10と画像表示器13との間に設けられる役物保持枠体14の内側には、役物動作機構20が設けられる。この役物動作機構20は、可動アーム30と、駆動機構40と、回収レール50と、搬送機構60とを備えている。通常、可動アーム30は、図3に示すように窓部16の上方で略水平な状態に保持されている。遊技機1において特別な演出を行うタイミングになると、可動アーム30は、駆動機構40によって駆動され、窓部16の前方位置、すなわち画像表示器13の前方に進出し、後述する装飾可動物21〜25を画像表示器13の前方で移動させるように構成される。以下、このような役物動作機構20について詳しく説明する。
図4は、役物保持枠体14に設けられる役物動作機構20の詳細を示す分解斜視図である。可動アーム30は、例えば無色透明な合成樹脂で形成された長尺状の部材である。可動アーム30は、その正面側に、基端部30aから先端部30bに向かってスリット状に形成される案内路31を有している。この可動アーム30は、長手方向中央よりも基端部30a側の所定位置に、回動軸32が設けられる。この回動軸32は、駆動機構40を支持する支持プレート42の左上部の所定箇所に取り付けられる。また支持プレート42は、役物保持枠体14における窓部16の右上部の所定箇所に固定される。したがって、可動アーム30は、役物保持枠体14の右上部において回動軸32を中心に回動し、画像表示器13の前方側であって、遊技盤10の正面側から開口部10aを通して視認可能な領域に対して進退するように構成される。
上述したように可動アーム30は、通常、画像表示器13の前方側から退出し、略水平な状態で保持される。この状態が、可動アーム30の待機状態である。支持プレート42と可動アーム30の間には可動アーム30を待機状態に向けて付勢するためのバネ44が設けられている。可動アーム30が待機状態にあるとき、遊技盤10の正面側から開口部10aを通して可動アーム30を視認することができないようになっている。これに対し、遊技機1において特別な演出を行うタイミングで、可動アーム30が駆動されると、可動アーム30はバネ44の付勢力に抗して回動軸32を中心に回動しながら先端部30bを下降させていき、画像表示器13の前方側に進出して傾斜した状態となる。
可動アーム30に形成される案内路31は、可動アーム30が画像表示器13の前方側に進出したとき、複数の装飾可動物21〜25のいずれか一つを画像表示器13の前方側で上部から下部に向かって移動させるための案内路である。つまり、後述する各装飾可動物21〜25は、可動アーム30が画像表示器13の前方に進出したとき、その可動アーム30に形成される案内路31の傾斜に沿って画像表示器13の前方を移動する。
回収レール50は、可動アーム30が画像表示器13の前方で傾斜状態のとき、案内路31に沿って移動してくる装飾可動物21〜25を遊技盤10の背面側で回収するためのものである。この回収レール50には、案内路31と同様に、スリット状の回収路51が形成されている。回収レール50は、回収路51の右端部が下降傾斜するように役物保持枠体14に取り付けられる。
可動アーム30を駆動する駆動機構40は、駆動源としてモータ41を備えている。モータ41は支持プレート42の背面側に取り付けられ、その回転軸を支持プレート42の正面側に突き出している。また役物保持枠体14には、モータ41の本体部を背面側に露出させるための開口部14cが設けられており、モータ41はこの開口部14cに対応する位置に取り付けられる。
モータ41の回転軸先端には、円盤状の第1回転部材45が取り付けられる。モータ41は、この第1回転部材45を所定の方向(例えば正面視反時計回り方向)に回転駆動する。また第1回転部材45の上部には、支持プレート42によって回動可能に軸支される第2回転部材46が設けられる。第2回転部材46は、第1回転部材45が所定の領域を回転することに伴い、その第1回転部材45に連動して所定の方向(例えば正面視時計回り方向)へ一定量回転するようになっている。この第2回転部材46が回転する際、可動アーム30の基端部30aの下面を上方へ押し上げる。そのため、可動アーム30は、第2回転部材46が回転することにより、待機状態から画像表示器13の前方に進出した傾斜状態となる。そして第2回転部材46がさらに回転すると、可動アーム30の基端部30aが下がり、可動アーム30が待機状態に戻る。尚、このような動作の詳細については後述する。
搬送機構60は、役物保持枠体14において窓部16の右側に設けられ、回収レール50によって回収された装飾可動物21〜25を遊技盤10の背面側で画像表示器13の上方へ搬送することにより、待機状態となっている可動アーム30へと供給するものである。この搬送機構60は、モータ41の駆動力によって無端ベルト66を動作させることにより装飾可動物21〜25を画像表示器13の上方へと搬送する。無端ベルト66は、プーリ63,65によって上下方向に掛架されている。また無端ベルト66の内側の所定位置には、無端ベルト66と干渉しないように、モータ41の駆動力によって回転する回転体61が設けられている。この回転体61は、役物保持枠体14に取り付けられるブラケット60aによって回動可能に支持される。またプーリ63は役物保持枠体14に取り付けられるブラケット60bによって回動可能に支持されており、さらにプーリ65は役物保持枠体14に取り付けられるブラケット60cによって回動可能に支持されている。回転体61と、プーリ63とはリンク部材62によって接続されており、回転体61が所定方向へ回転すると、リンク部材62を介してプーリ63が回転体61と同一方向へ回転するようになっている。つまり、プーリ63が回転体61によって一定の回転方向へ回転することにより、無端ベルト66が循環移動するようになっている。
無端ベルト66の表面には、所定間隔ごとに複数の支持部67が設けられており、この支持部67が装飾可動物21〜25を支持した状態で上方への搬送を行う。また無端ベルト66の左側には、ベルト表面から所定間隔を隔てて上下方向に設けられたガイド部材90が配置される。このガイド部材90は、支持部67が装飾可動物21〜25を支持して上方へ搬送する際に、装飾可動物21〜25の落下を防止するためのものである。このガイド部材90の上部には、可動アーム30の基端部30aの下面を支持するために突出したストッパ91が設けられている。
図5は、装飾可動物21,22,23,24,25の一構成例を示す拡大図である。本実施形態では、役物保持枠体14に対してこれら5つの装飾可動物21〜25が設けられており、可動アーム30が画像表示器13の前方に進出したとき、これら5つの装飾可動物21〜25のうちのいずれか一つが、その可動アーム30に形成された案内路31に沿って移動していくように構成される。
図5(a),(b),(c),(d)および(e)に示すように、装飾可動物21,22,23,24,25のそれぞれは、その正面側に星形などの所定の形状に造形された装飾部70を有し、その装飾部70の背面側に円柱状の軸部71が設けられ、その軸部71の先端に拡径部72が設けられた構成である。複数の装飾可動物21〜25においては、それぞれの装飾部70の形状が異なっているが、それ以外の構造は共通している。軸部71の直径は、可動アーム30に形成された案内路31のスリット幅よりも小さくなっている。これに対し、各装飾可動物21〜25の装飾部70の外形寸法は案内路31のスリット幅よりも大きく、また拡径部72の直径も案内路31のスリット幅よりも大きくなっている。これにより、各装飾可動物21,22,23,24,25は案内路31から離脱することなく、案内路31に沿って転動可能となる。
また各装飾可動物21,22,23,24,25は、装飾部70の内部に、LEDや電球などの発光体73を備えており、この発光体73が所定の明るさで発光することにより装飾部70の前面全体が明るく点灯させるようになっている。軸部71の周表面には、発光体73に対して電力を供給するための接点となる導線パターン74,75が環状に形成されており、これら導線パターン74,75は例えば軸部71の内部配線を経由して発光体73に電力を供給するように構成されている。
次に図6は、可動アーム30の拡大図である。可動アーム30に形成される案内路31は、可動アーム30の先端部30bの端面に繋がって開放された状態に形成されている。また案内路31は、可動アーム30の基端部80a側において、回動軸32を避けるように上部へと迂回した山型の経路となっており、その更に基端部30a側で上向きの経路となり、斜め上方へ向けて開放された状態に形成されている。つまり、スリット状の案内路31はその両端部が開放された状態となっている。そして基端部30a側において案内路31が開放された部分が、装飾可動物21〜25を案内路31へ供給するための供給口33となっている。また先端部30b側において案内路31が開放された部分が、装飾可動物21〜25を案内路31から排出するための排出口34となっている。
上述した装飾可動物21〜25は、可動アーム30が待機状態にあるとき、可動アーム30の基端部30a側の供給口33から案内路31に供給される。また可動アーム30に形成される案内路31は、供給口33から下方に湾曲した初期位置31aを有している。この初期位置31aは、可動アーム30が待機状態にあるとき、供給口33から供給される装飾可動物21〜25を保持しておくためのものである。すなわち、装飾可動物21〜25は、案内路31を転動可能であり、供給口33から供給されると、案内路31の傾斜に従って転動していき、最下点となる初期位置31aで留まった状態で保持される。
また図6において破線部分に拡大して示すように、案内路31の下面側には、各装飾可動物21〜25の軸部71に形成された導線パターン74,75のそれぞれと接触する導線パターン78,79が形成されている。これら導線パターン78,79は、装飾可動物21〜25の発光体73に対して給電するためのパターンである。これら導線パターン78,79は、図示しないスイッチ手段により、電源に接続された通電状態と、電源に接続されていない非通電状態とに切り替えられる。例えば、可動アーム30が駆動され、画像表示器13の前方での可動アーム30の傾斜角度が所定角度を超えると、導線パターン78,79は通電状態となり、それ以外の状態では非通電状態となる。尚、導線パターン78,79を通電状態にする可動アーム30の傾斜角度は、装飾可動物21〜25が案内路31における山型の経路を越えて排出口34へ向かって移動を開始する前の角度に設定しておくことが好ましい。
これにより、可動アーム30が画像表示器13の前方に進出して傾斜した状態となり、装飾可動物21〜25が案内路31に沿って移動していくとき、軸部71に形成された導線パターン74,75と、案内路31に形成された導線パターン78,79とが互いに接触した状態で転動しながら移動していくため、発光体73が発光して装飾部70の前面全体を明るく点灯させながら画像表示器13の前方を移動していくようになる。
ここで、可動アーム30は、無色透明であるため、画像表示器13の前方側に進出した状態に駆動されても、遊技者は画像表示器13で表示される画像を視認することができる。つまり、可動アーム30が画像表示器13の前方に対して進退する動作は、画像表示器13の視認性に何ら影響を与えるものではない。そして可動アーム30が画像表示器13の前方側に進出した後、装飾可動物21〜25が明るく点灯しながら画像表示器13の前方側を移動していくようになる。
このような可動アーム30は回動軸32を中心に回動可能であり、その背面側に設けられるバネ44により図中矢印R1で示す方向(すなわち時計回り方向)へ付勢されている。バネ44は、例えばコイル状のバネで構成され、その巻き回し方向へ弾性力を作用させるようになっている。例えばバネ44は、その中央に回動軸32が挿通された状態で取り付けられ、その一端が支持プレート42の上部で正面側に突出する係止棒43に係止され、他端が可動アーム30の背面側に設けられる平板部35に係止される。これにより、バネ44は、可動アーム30の基端部30aを矢印R1方向へ付勢し、可動アーム30が略水平な待機状態となるように付勢する。
ところで、バネ44の付勢力が強い場合は、可動アーム30が矢印R1方向へ過剰回転し、基端部30aが先端部30bよりも下降した状態となってしまう。これを防止するため、本実施形態では図7に示すように、可動アーム30が略水平となったときに、ガイド部材90の上部に設けたストッパ91が可動アーム30の基端部30aの下面と接触することにより、可動アーム30の過剰回転を防止し、可動アーム30を略水平な待機状態で支持するようになっている。尚、ガイド部材90の上端部92はその上面が供給口33へ向けて下降傾斜しており、ガイド部材90に沿って上方へ搬送されてくる装飾可動物21〜25が上端部92を超えると、この下降傾斜により装飾可動物21〜25を供給口33へ向けて転動させることができる。
次に図8は、可動アーム30の駆動機構40の詳細を示す図である。尚、図8では可動アーム30の図示を省略している。支持プレート42の背面側に設けられたモータ41は、第1回転部材45を回転軸41aの回りに図中矢印R2で示す方向(すなわち反時計回り方向)へ回転させる。
第1回転部材45は、円盤状の部材であり、その正面側における表面の一部が円弧状に切り取られた凹部45aを有している。また第1回転部材45は、この凹部45aの外縁を半径方向外側に向けて張り出させており、その張出部45bに対して正面側に突出させた係合突起47を備えている。つまり、この係合突起47は、回転軸41aから所定半径の位置にあり、第1回転部材45が矢印R2方向へ回転することに伴い、所定半径の円軌道上を移動する。また第1回転部材45はその正面側に、搬送機構60を動作させる回転体61と歯合する円形歯車81を備えている。
第2回転部材46の回転軸46aは、第1回転部材45の回転軸41aの上方に配置され、第1回転部材45の回転軸41aと所定間隔を隔てている。第2回転部材46は、円盤状部材の正面側に対して所定角度間隔で配置された複数の支持部材49a,49b,49cが設けられ、背面側に対して回転中心から放射状に複数の凹溝48が所定角度間隔で形成された構成である。凹溝48の数は支持部材の数と一致する。本実施形態では、第2回転部材46の正面側に3つの支持部材49a,49b,49cが設けられており、背面側に3つの凹溝48が設けられる。そのため、支持部材49a,49b,49cは第2回転部材46の正面側に対して120度間隔で配置されると共に、凹溝48もまた第2回転部材46の背面側に対して120度間隔で配置される。ただし、凹溝48の数および支持部材の数は、これに限られるものではない。
このような第2回転部材46はその下部が、第1回転部材45の正面側上部に対して覆い被さるように配置されており、各凹溝48が係合突起47の円軌道に対して接線方向を向くことができるように配置されている。そして第1回転部材45が矢印R2方向へ回転することにより、係合突起47が凹溝48に進入して第2回転部材46を図中矢印R3で示す方向(すなわち時計回り方向)へ回転させるように構成される。
図9は、第2回転部材46の構成および動作を示す図である。まず図9(a)は、第2回転部材46の正面図である。第2回転部材46の正面側に配置される複数の支持部材49a,49b,49cはそれぞれ第2回転部材46の回転中心から異なる距離に設けられている。すなわち、支持部材49aはその最も外側の部分が回転中心から距離L1となるように設けられ、支持部材49bはその最も外側の部分が回転中心から距離L2となるように設けられる。また支持部材49cはその最も外側の部分が回転中心から距離L3となるように設けられる。これらの距離L1,L2およびL3の関係は、L1>L2>L3となっている。つまり、支持部材49aは回転中心から最も離れた位置にあり、支持部材49cは回転中心に最も近い位置にあり、支持部材49bはそれらの中間位置にある。これら支持部材49a,49b,49cは、第2回転部材46が回転することに伴い、可動アーム30の基端部30aの下面に当接して押し上げるように作用する。そして各支持部材49a,49b,49cが回転中心から異なる距離に位置することにより、各支持部材49a,49b,49cが可動アーム30の基端部30aを押し上げるとき、その押し上げ量が異なったものとなる。
図9(b)は、第2回転部材46の背面図である。図9(b)に示すように、各凹溝48は、回転軸46aから半径方向に直線状に形成される。このような複数の凹溝48のうちの一の凹溝48が係合突起47の円軌道の接線方向に位置し、且つ、一の凹溝48の端部がその円軌道上に位置している場合、係合突起47はその一の凹溝48に進入する。例えば、図9(c)に示すように、係合突起47が矢印R2方向へ移動してくる場合、係合突起47は、その円軌道上の位置48aで凹溝48に進入する。そして係合突起47が矢印R2方向へ回転していくことに伴い、その凹溝48は回転軸46aを中心に矢印R3方向へ回転していく。そして凹溝48が、1/3回転した位置48bまで回転すると、係合突起47はその凹溝48から抜け出す。このような凹溝48の回転により、正面側の支持部材49a,49b,49cは回転軸46aを中心に回転する。
図10は、第1回転部材45と第2回転部材46とを背面側からみた斜視図である。図10(a),(b),(c)の順に示すように、第1回転部材45の係合突起47が凹溝48に進入すると、第1回転部材45が回転することに伴い、係合突起47は凹溝48と係合した状態で第2回転部材46を回転させていく。そして係合突起47が凹溝48から抜け出すと第2回転部材46の回転は停止する。したがって、第1回転部材45が矢印R2方向へ1回転するとき、第1回転部材45が所定の範囲を回転する間に係合突起47と凹溝48とが係合した状態となり、第2回転部材46が矢印R3方向へ1/3回転する。
図11乃至図15は、第1回転部材45および第2回転部材46による可動アーム30の動作を示す図である。まず図11に示すように、可動アーム30が待機状態にあるとき、第2回転部材46の各支持部材49a,49b,49cは逆三角形を構成する位置にあり、略水平な可動アーム30の基端部30aの下面には接触していない。また図11に示す状態では、第1回転部材45の係合突起47は、一の凹溝48の端部に位置している。駆動機構40は、この図11に示す状態で、可動アーム30を動作させるタイミングとなるまで待機する。そして可動アーム30を動作させるタイミングになると、モータ41が第1回転部材45を矢印R2方向へ回転させる。
図12は、図11の状態から第1回転部材45が一定量回転した状態を示している。図12に示すように、第1回転部材45が矢印R2方向へ回転すると、係合突起47は凹溝48に係合した状態で所定の円軌道に沿って回転していくため、凹溝48の奥方向へ進入しながら第2回転部材46を矢印R3方向へ回転させる。このとき、支持部材49aも矢印R3方向へ回転するので、支持部材49aが可動アーム30の基端部30aを押し上げる。このとき、支持部材49aは、上述したバネ44の付勢力に抗して基端部30aを持ち上げる。これにより、可動アーム30は回動軸32を中心に回動する。図12は、支持部材49aが可動アーム30の基端部30aを最も押し上げた状態となっている。モータ41は、支持部材49aが可動アーム30の基端部30aを最も押し上げた状態で一時停止する。例えばモータ41は、図11に示す状態から第1回転部材45を矢印R2方向へ所定角度回転させた時点で第1回転部材45の回転駆動を一時停止することにより、可動アーム30の基端部30aを最も押し上げた状態で一時停止する。これにより、可動アーム30は、支持部材49aによる最大角度で傾斜している状態で保持される。
尚、図12では、支持部材49aによって可動アーム30の基端部30aが押し上げられる場合を示しているが、支持部材49b,49cによる場合もこれと同様である。
ただし、支持部材49bは、支持部材49aよりも第2回転部材46の回転中心に近い位置にある。そのため、支持部材49bが基端部30aを押し上げることによって可動アーム30を傾斜させた場合の傾斜角度は、支持部材49aによる傾斜角度よりも小さくなる。また、支持部材49cは、支持部材49bよりも更に第2回転部材46の回転中心に近い位置にある。そのため、支持部材49cが基端部30aを押し上げることによって可動アーム30を傾斜させた場合の傾斜角度は、支持部材49bによる傾斜角度よりも更に小さくなる。したがって、本実施形態では、複数の支持部材49a,49b,49cのうちのいずれで基端部30aを押し上げるかにより、可動アーム30が傾斜した状態で保持されるときの傾斜角度が異なる角度になる。
そして可動アーム30が傾斜状態で保持されてから一定時間が経過すると、モータ41は、第1回転部材45の矢印R2方向への回転駆動を再開する。これにより、第2回転部材46は更に矢印R3方向へ回転していき、支持部材49aも回転していくので、基端部30aは次第にバネ44の付勢力によって押し下げられていく。そして第2回転部材46が一定量回転すると、可動アーム30は略水平な状態に戻る。図13は、この状態を示している。図13に示す状態から、第1回転部材45が更に矢印R2方向へ回転していくと、係合突起47は第2回転部材46を1/3回転させた状態で凹溝48から抜け出す。これにより、第2回転部材46は回転しなくなり、各支持部材49a,49b,49cが可動アーム30の基端部30aの下面に接触しない元の状態へと戻る。そして可動アーム30は略水平な待機状態で保持される。
そして図14に示すように、第1回転部材45は、係合突起47が凹溝48に係合しない状態で矢印R2方向へ更に回転していく。そして図15に示すように、第1回転部材45の係合突起47が、第2回転部材46の一の凹溝48の端部に位置する状態となったとき、モータ41が停止する。駆動機構40は、この図15に示す状態で、次に可動アーム30を動作させるタイミングとなるまで待機する。そして次のタイミングで上記と同様の動作を行うことにより、再び可動アーム30を傾斜させた状態へと駆動する。
このように本実施形態では、モータ41が第1回転部材45を矢印R2方向へ1回転させることにより、可動アーム30を1回駆動する。すなわち、モータ41は、第1回転部材45を1回転させる間に、可動アーム30を待機状態から画像表示器13の前方へ進出させて所定角度で傾斜させた傾斜状態とし、その傾斜状態で一定時間保持し、その後、傾斜状態の可動アーム30を画像表示器13の前方から退避させて再び待機状態へと戻すことができるように構成される。また、モータ41が第1回転部材45を矢印R2方向へ1回転させる度に、可動アーム30は画像表示器13の前方において異なる傾斜角度での傾斜状態に保持される。そのとき案内路31に沿って移動する装飾可動物21〜25は、画像表示器13の前方を可動アーム30の傾斜角度に応じた方向へと自重で移動していくことになる。そして可動アーム30の案内路31に沿って移動した装飾可動物21〜25は、可動アーム30の先端部30bに形成された排出口34から排出される。つまり、装飾可動物21〜25は、可動アーム30が傾斜状態である間に案内路31を移動し、可動アーム30の先端部30bで案内路31から離脱する。案内路31から離脱した装飾可動物21〜25は、遊技盤10の背面側で回収レール50によって回収される。
次に回収レール50について説明する。図16は回収レール50の拡大図である。図16に示すように回収レール50は、可動アーム30から離脱する装飾可動物21〜25を受け入れるための円弧状の受入部52と、その受入部52から繋がった回収路51と、回収路51の右側先端に設けられる受渡部53とを備えており、役物保持枠体14の窓部16の下方に取り付けられる。円弧状の受入部52は、回収路51の上部が開放された構造となっており、その右端部で回収路51に連通している。この受入部52は、円弧中心が可動アーム30の回動軸32となっている。また受入部52の円弧長は、可動アーム30が複数の傾斜角度で保持されている状態で可動アーム30の先端部30bから離脱する装飾可動物21〜25を受け入れることができるように、可動アーム30の揺動範囲に対応した長さとなっている。このような受入部52で回収された装飾可動物21〜25は受入部52に沿って自重で右側へと移動し、回収路51へ導かれる。回収路51は右側へ下降傾斜しているので、装飾可動物21〜25はその回収路51を更に右側へと自重で移動していき、回収レール50の右端部の受渡部53に留まるように構成されている。尚、このような回収レール50は、遊技盤10の正面側からは視認することができないように配置されている。
次に図17は、搬送機構60の構成を示す拡大図である。回転体61は、モータ41によって回転駆動される第1回転部材45の正面側に設けられた円形歯車81と歯合している。そのためモータ41が第1回転部材45を回転させることにより、回転体61が回転する。プーリ63は、リンク部材62によって回転体61に連動して回転するように構成される。したがって、モータ41が可動アーム30を1回駆動するために第1回転部材45を上記矢印R2方向へ1回転させると、プーリ63は図中矢印R4方向へ所定量回転する。これにより、無端ベルト66は時計回り方向(右回り方向)へと一定量駆動される。
上述したように無端ベルト66には、装飾可動物21〜25を支持するための複数の支持部67が所定間隔で設けられている。本実施形態では、支持部67を設ける間隔は、モータ41が第1回転部材45を上記矢印R2方向へ1回転させる間に無端ベルト66が移動する移動量とほぼ一致するように設定される。
回収レール50によって回収された装飾可動物21〜25は、回収レール50の受渡部53において無端ベルト66に設けられた支持部67に支持される。そして無端ベルト66が駆動されることにより、無端ベルト66の表面とガイド部材90と間を上方へと搬送されていく。図例では、装飾可動物21〜25のそれぞれが支持部67によって順次支持された状態で搬送されている状態を示している。
モータ41が第1回転部材45を上記矢印R2方向へ1回転させるとき、可動アーム30はモータ41が駆動開始から所定角度するまでの間に待機状態から画像表示器13の前方に進出した傾斜状態へと駆動され、再び待機状態へと戻る。そして可動アーム30が待機状態へと戻った後も、モータ41は更に第1回転部材45を回転させるので、無端ベルト66は装飾可動物21〜25を搬送する。そしてモータ41が停止する直前に、装飾可動物21を支持する支持部67がガイド部材90の上端部を超えるようになっている。
図18は、ガイド部材90の上端部近傍を拡大して示す正面図である。一の支持部67によって搬送されてきた装飾可動物21は、その支持部67がガイド部材90の上端部を超えると、可動アーム30の案内路31に向かって転動し、案内路31へ進入する。そして案内路31の初期位置31aで保持された状態となる。この後、モータ41が停止し、無端ベルト66も停止する。以後、モータ41により可動アーム30が駆動される都度、同様の動作が行われる。このように本実施形態では、可動アーム30が傾斜状態から待機状態へと戻った後、搬送機構60によって搬送される装飾可動物21〜25が案内路31の初期位置31aにセットされる。そのため、遊技機1において可動アーム30を駆動して装飾可動物21〜25を画像表示器13の前方で移動させる演出を行うタイミングとなったとき、既に装飾可動物21〜25が初期位置31aにセットされているので、速やかに演出を開始することができる。
上記のように案内路31の初期位置31aにセットされる装飾可動物21〜25は、可動アーム30が回動して先端部30bを下降させていく場合でも、回動開始直後から案内路31に沿って移動していくのではなく、可動アーム30の傾斜角度が所定角度以上となった後に移動を開始する。図19は、装飾可動物21が案内路31に沿って移動を開始する可動アーム30の傾斜状態を示す図である。初期位置31aに隣接する案内路31が山型になっているため、装飾可動物21は、可動アーム30が所定角度以上回動して山型の経路が初期位置31aから見て下降勾配となった後に、初期位置31aから案内路31に沿って移動を開始し、可動アーム30の先端部30bに向かって自重で転動していくようになる。
次に図20乃至図23を参照して上記のような役物動作機構20による可動アーム30の傾斜状態について説明する。まず図20は、可動アーム30が待機状態であるときの役物保持枠体14を正面側からみた図である。図20に示すように、可動アーム30が画像表示器13の前方から退避した待機状態にあるとき、装飾可動物21が可動アーム30の初期位置31aに保持されている。この状態で可動アーム30が駆動されると、可動アーム30は、図21,図22および図23に示すように複数の傾斜角度に傾斜した状態に保持される。
図21は、第2回転部材46の第1の支持部材49aによって可動アーム30が駆動された状態を示している。支持部材49aによって可動アーム30が傾斜状態へと駆動されると、可動アーム30は画像表示器13の前方において最大の傾斜角度で傾斜した状態に保持される。このとき、例えば装飾可動物21は、画像表示器13の前方を自重で案内路31に沿って移動する。このとき、上述した案内路31の導線パターン78,79は、電源に接続された通電状態となっているため、装飾可動物21に設けられた発光体73が発光し、装飾可動物21は、その表面を明るく点灯させながら画像表示器13の前方を移動していく。そして案内路31を移動する装飾可動物21は、画像表示器13の下方へと移動していき、遊技盤10に設けられた開口部10aの下縁部よりも更に下方へ移動すると、再び遊技盤10の背面側に隠れた状態となる。そして装飾可動物21は可動アーム30の先端部30bで案内路31から離脱し、回収レール50によって回収される。
図22は、第2回転部材46の第2の支持部材49bによって可動アーム30が駆動された状態を示している。支持部材49bによって可動アーム30が傾斜状態へと駆動されると、可動アーム30は画像表示器13の前方において最大の傾斜角度よりも小さな傾斜角度で傾斜した状態に保持される。このとき、例えば装飾可動物22は、画像表示器13の前方を自重で案内路31に沿って移動する。このとき、上述した案内路31の導線パターン78,79は、電源に接続された通電状態となっているため、装飾可動物22に設けられた発光体73が発光し、装飾可動物22は、その表面を明るく点灯させながら画像表示器13の前方を移動していく。そして案内路31を移動する装飾可動物22は、画像表示器13の下方へと移動していき、遊技盤10に設けられた開口部10aの左下縁部よりも更に下方へ移動すると、再び遊技盤10の背面側に隠れた状態となる。そして装飾可動物22は可動アーム30の先端部30bで案内路31から離脱し、回収レール50によって回収される。
図23は、第2回転部材46の第3の支持部材49cによって可動アーム30が駆動された状態を示している。支持部材49cによって可動アーム30が傾斜状態へと駆動されると、可動アーム30は画像表示器13の前方において最小の傾斜角度で傾斜した状態に保持される。このとき、例えば装飾可動物23は、画像表示器13の前方を自重で案内路31に沿って移動する。このとき、上述した案内路31の導線パターン78,79は、電源に接続された通電状態となっているため、装飾可動物23に設けられた発光体73が発光し、装飾可動物23は、その表面を明るく点灯させながら画像表示器13の前方を移動していく。そして案内路31を移動する装飾可動物23は、画像表示器13の下方へと移動していき、遊技盤10に設けられた開口部10aの左縁部よりも更に左方へ移動すると、再び遊技盤10の背面側に隠れた状態となる。そして装飾可動物23は可動アーム30の先端部30bで案内路31から離脱し、回収レール50によって回収される。
可動アーム30は、装飾可動物21〜25が案内路31を通過して可動アーム30の先端部30bから離脱するまでに要する所定時間の間、図21,図22又は図23に示す一定の傾斜状態で保持される。そして所定時間が経過すると、可動アーム30はそれぞれの傾斜状態から図20に示す待機状態へと戻る。
図24、図25および図26は、遊技盤10の正面側からみた装飾可動物21,22,23の移動による演出態様の一例を示す図である。まず図24に示すように、可動アーム30が最大の傾斜角度で傾斜した状態で装飾可動物21が案内路31に沿って移動する場合について説明する。可動アーム30が画像表示器13の前方で最大の傾斜角度での傾斜状態になると、遊技盤10の背面側から装飾可動物21が画像表示器13の前方に現れる。このとき、遊技者が注目している画像表示器13の前方側に装飾可動物21が突然進出してくることになり、しかも装飾可動物21は明るく点灯しているので、遊技者を驚かせるようなインパクトのある演出を行うことが可能である。この装飾可動物21は、案内路31に沿って自重で移動するため、画像表示器13の前方を、矢印F1で示すように画像表示器13の前方を右上から左下に向かい、その後、飾り枠体12の下枠に向かっていく。そして画像表示器13の前方を通過すると、再び遊技盤10の背面側に隠れた状態となる。その後、可動アーム30が画像表示器13の前方から遊技盤10の背面側に退避する。そして画像表示器13の前方を移動した装飾可動物21は、遊技盤10の背面側を通って再び可動アーム30の初期位置31aにセットされる。
次に図25に示すように、可動アーム30が最大の傾斜角度と最小の傾斜角度との中間角度で傾斜した状態で装飾可動物22が案内路31に沿って移動する場合について説明する。可動アーム30が画像表示器13の前方で最大の傾斜角度よりも小さな傾斜角度での傾斜状態になると、遊技盤10の背面側から装飾可動物22が画像表示器13の前方に現れる。このとき、遊技者が注目している画像表示器13の前方側に装飾可動物22が突然進出してくることになり、しかも装飾可動物22が明るく点灯しているので、遊技者を驚かせるようなインパクトのある演出を行うことが可能である。この装飾可動物22は、案内路31に沿って自重で移動するため、画像表示器13の前方を、矢印F2で示すように画像表示器13の前方を右上から左下隅に向かっていく。そして画像表示器13の前方を通過すると、再び遊技盤10の背面側に隠れた状態となる。その後、可動アーム30が画像表示器13の前方から遊技盤10の背面側に退避する。そして画像表示器13の前方を移動した装飾可動物22は、遊技盤10の背面側を通って再び可動アーム30の初期位置31aにセットされる。
次に図26に示すように、可動アーム30が最小の傾斜角度で傾斜した状態で装飾可動物23が案内路31に沿って移動する場合について説明する。可動アーム30が画像表示器13の前方で最小の傾斜角度での傾斜状態になると、遊技盤10の背面側から装飾可動物23が画像表示器13の前方に現れる。このとき、遊技者が注目している画像表示器13の前方側に装飾可動物23が突然進出してくることになり、しかも装飾可動物23が明るく点灯しているので、遊技者を驚かせるようなインパクトのある演出を行うことが可能である。この装飾可動物23は、案内路31に沿って自重で移動するため、画像表示器13の前方を、矢印F3で示すように画像表示器13の前方を右上から左側に向かっていく。そして画像表示器13の前方を通過すると、再び遊技盤10の背面側に隠れた状態となる。その後、可動アーム30が画像表示器13の前方から遊技盤10の背面側に退避する。そして画像表示器13の前方を移動した装飾可動物23は、遊技盤10の背面側を通って再び可動アーム30の初期位置31aにセットされる。
尚、上記では装飾可動物21,22,23を例示したが、他の装飾可動物24,25の場合も同様である。
ここで、図24、図25および図26に示すように、可動アーム30が画像表示器13の前方側に進出した場合でも、可動アーム30は無色透明であるので、画像表示器13の視認性を極端に低下させることがない。そのため、遊技者は可動アーム30が画像表示器13の前方側に進出してくるときでも画像表示器13で表示される演出画像に注目しておくことができる。そして装飾可動物21〜25が画像表示器13の前方側に現れると、その装飾可動物21〜25は明るく点灯しているので、遊技者は必然的にその装飾可動物21〜25を注目するようになる。
また可動アーム30は上述したように待機状態から傾斜状態へと駆動される度に、異なる傾斜角度で保持される。すなわち、駆動機構40は、可動アーム30の傾斜状態において可動アーム30を複数の傾斜角度で保持可能であり、可動アーム30を待機状態から傾斜状態へと駆動する際、それら複数の傾斜角度のうちの一の傾斜角度で傾斜させた傾斜状態へと駆動する。そのため、画像表示器13の前方に可動アーム30が進出し、装飾可動物21〜25が画像表示器13の前方を移動していくとき、その移動方向がその都度異なる方向となる。そのため、可動アーム30が画像表示器13の前方に進出してくるときには、装飾可動物21〜25がどのような方向に向かって移動していくかを遊技者は予測することができず、遊技者にとって意外な動作となる。また画像表示器13の前方に現れる装飾可動物についても、複数の装飾可動物21〜25のうちから選択された一の装飾可動物であるため、遊技者に対し、その都度異なる装飾可動物が画像表示器13の前方を移動していく印象を与えることができるようになる。
そして装飾可動物21〜25が画像表示器13の前方側を一方向に移動した後、その装飾可動物21〜25を可動アーム30の初期位置31aに復帰させるための動作は、遊技者が視認することができない遊技盤10の背面側で行うように構成されている。そのため、そのような動作が遊技者に見られることはなく、遊技者にとっては画像表示器13の前方を上方から下方の一方向へ移動していった装飾可動物21〜25が再び画像表示器13の前方を上方から下方の一方向へ移動していくので、意外な装飾可動物21〜25の出現形態を実現することが可能である。
以上のように本実施形態の遊技機1は、画像表示器13の前方側に進退する可動アーム30が複数の傾斜角度のうちの一の傾斜角度で傾斜した傾斜状態へと駆動される。そして可動アーム30がその傾斜状態に保持されている間に装飾可動物21〜25が画像表示器13の前方を案内路31に沿って一方向へと移動していく構成である。このような構成により、遊技者は、装飾可動物21〜25が画像表示器13の前方を上部から下部へ向かって移動していく動作だけを見ることになり、しかも可動アーム30が動作する都度、傾斜角度が異なるので装飾可動物21〜25が画像表示器13の前方を移動していく方向が異なる方向となる。したがって、本実施形態の遊技機1は、遊技者に対して意外な装飾可動物21〜25の出現形態を実現することができ、しかも遊技者を驚かせるようなインパクトのある演出だけを行うことが可能である。
また本実施形態の遊技機1は、装飾可動物21〜25のそれぞれが画像表示器13の前方を案内路31に沿って自重で転動しながら移動するように構成されている。そのため、装飾可動物21〜25を画像表示器13の前方で移動させていくための移動手段などを別途設ける必要がなく、簡単な構造で装飾可動物21〜25を移動させることが可能である。具体的には、画像表示器13の前方に進退する可動アーム30を簡単な構成とすることもできる。それ故、可動アーム30を無色透明に構成することもでき、画像表示器13の前方に進出したときに、画像表示器13で表示される画像を高い透過率で透過させることが可能な可動アーム30を実現することが可能である。これにより、可動アーム30によって画像表示器13の視認性が低下することを防止できる。
また本実施形態では、装飾可動物21〜25が、案内路31に沿って画像表示器13の前方を移動した後、遊技盤10の背面側で、回収レール50と搬送機構60とにより元の初期位置31aに復帰するようになっている。このような初期位置31aへの復帰動作は、遊技盤10の背面側で行われるため、遊技者は視認することができない。それ故、装飾可動物21〜25を元の初期位置31aへと戻すために行われる特別な演出効果を発揮しない動作が、遊技者に視認されることを防止することができる。その結果、本実施形態の遊技機1は、遊技者を驚かせるようなインパクトのある演出だけを効果的に行うことが可能である。
このように遊技機1は、画像表示器13の前方で傾斜状態に駆動された可動アーム30と、遊技盤の背面側に設けられる回収レール50と搬送機構60とによって、複数の装飾可動物21〜25が順次循環移動していくように構成されており、従来のような往復移動と比較すると、遊技者に対して意外な装飾可動物21〜25の出現形態を実現することができ、しかも遊技者を驚かせるようなインパクトのある演出だけを行うことができる構成となっている。
(変形例)
以上、本発明に関するいくつかの実施形態について説明したが、本発明は上述した内容に限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
例えば上記実施形態では、可動アーム30が画像表示器13の前方で所定の傾斜角度となった状態でモータ41が一時停止し、可動アーム30を所定の傾斜角度で保持する場合を例示した。しかし、これに限られるものではなく、例えば可動アーム30が所定の傾斜角度となるモータ41の回転位置を中心にしてモータ41が所定角度範囲内で正逆双方向への回転動作を継続的に繰り返し行うようにしても良い。これにより、可動アーム30は所定の傾斜角度で保持されるのではなく、所定の傾斜角度の近傍で揺動動作を行うようになる。そして装飾可動物21〜25は、可動アーム30が揺動しながら絶えずその傾斜角度を変化させている状態で画像表示器13の前方を案内路31に沿って移動していくようになる。遊技者はこのような装飾可動物21〜25の移動態様と見ると、装飾可動物21〜25が波状の軌跡を描きながら画像表示器13の前方を移動していくように見える。そのため、この場合は遊技者にとって装飾可動物21〜25の動作がより一層意外なものとなり、大きな演出効果を発揮する。
また、例えば上記実施形態では、可動アーム30を駆動する駆動機構40が搬送機構60の駆動源としても機能する形態を例示した。これにより、駆動源となる1つのモータ41で可動アーム30と搬送機構60との双方を駆動することができるので設置スペースを省スペース化することができると共に、部品コストを抑えることができる。しかし、これに限られるものではなく、例えば可動アーム30を駆動する駆動源と、搬送機構60を駆動する駆動源とをそれぞれ別個に設けても良い。これにより、可動アーム30を駆動する駆動源は、可動アーム30を待機状態から画像表示器13の前方に進出した傾斜状態へと駆動する場合、可動アーム30の傾斜状態において可動アーム30を所定の傾斜角度範囲のうちの任意の傾斜角度で保持することも可能となる。この場合、画像表示器13の前方を装飾可動物21が移動していく際の移動方向をより多彩なものとすることができる。またこの場合は、例えば可動アーム30の傾斜角度が大きくなるほど、遊技機1において大当たりが発生する可能性が高くなるような演出態様とすることも可能となり、より一層大きな演出効果を発揮する。
また可動アーム30を駆動するための専用の駆動源を設けることにより、可動アーム30を画像表示器13の前方に進出させた状態で一定の傾斜角度で保持することなく、例えば可動アーム30を画像表示器13の前方に進出させた状態で可動アーム30を比較的簡単に揺動させることができると共に、その揺動範囲を任意に制御することも可動である。したがって、この場合、装飾可動物21〜25は、可動アーム30が画像表示器13の前方に進出して傾斜角度を変化させている状態で案内路31に沿って画像表示器の前方を移動する。この場合もまた、遊技者は、装飾可動物21〜25が波状の軌跡を描きながら画像表示器13の前方を移動していくように見え、その動作が意外な動作となる。またこの場合は、可動アーム30の揺動範囲をその都度異なるように制御できるため、遊技者にとって装飾可動物21〜25の動作がより一層意外なものとなり、大きな演出効果を発揮する。
また、例えば上記実施形態では、可動アームが画像表示器13の前方に進出したとき、装飾可動物21〜25が案内路31に沿って自重で移動する場合を例示した。しかし、装飾可動物21〜25の移動は必ずしも自重のみによるものでなくても良い。例えば、可動アーム30が画像表示器13の前方に進出したとき、装飾可動物21〜25を、その初期位置31aから案内路31に向けて送り出すための送出機構を別途設けたものであっても構わない。