JP5430646B2 - 注射針および薬剤注射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、針先を皮膚の表面より穿刺し、皮膚上層部に薬剤を注入するために用いる注射針および薬剤注射装置に関する。
近年、鳥インフルエンザのヒトへの感染が報告されており、ヒトからヒトへの感染の大流行(パンデミック)による多くの被害が懸念されている。そこで、鳥インフルエンザに有効である可能性が高いプレパンデミックワクチンの備蓄が世界中で行なわれている。また、プレパンデミックワクチンを多くのヒトに投与するために、ワクチンの製造量を拡大させる検討が行なわれている。
皮膚は、表皮と、真皮と、皮下組織の一部の3部分から構成される。表皮は、皮膚表面から50〜200μm程度の層であり、真皮は、表皮から続く1.5〜3.5mm程度の層である。インフルエンザワクチンは、一般的に皮下投与もしくは筋肉内投与であるため、皮膚の下層部もしくはそれよりも深い部分に投与されている。
一方、免疫担当細胞が多く存在する皮膚上層部を標的部位として、インフルエンザワクチンを投与することにより、投与量を少なくしても、皮下投与や筋肉投与と同等の免疫獲得能が得られることが報告されている(非特許文献1)。したがって、プレパンデミックワクチンを皮膚上層部に投与することによって、投与量を減らすことができるので、鳥インフルエンザワクチンをより多くのヒトに投与できる可能性がある。なお、皮膚上層部とは、皮膚のうちの表皮及び真皮を指すものである。
皮膚上層部への薬剤の投与方法としては、単針、多針、パッチ、ガス等を用いた方法が報告されている。そして、投与の安定性、信頼性、製造コストを考慮すると、皮膚上層部への投与方法としては、単針を用いた方法が最も適している。この単針を用いて皮膚上層部にワクチンを投与する方法として、古くからマントー法が知られている。マントー法は、一般的に26〜27Gのサイズで短ベベルの針先を有する針を皮膚に対して10〜15°程度の斜め方向から2〜5mm程度挿入して、100μL程度の薬剤を投与する方法である。
ところが、マントー法は、手技が難しく、注射を行う医者の技量に委ねられる。特に小児は投与時に動く可能性があるため、マントー法によってインフルエンザワクチンを投与することは難しい。したがって、簡便に皮膚上層部にワクチンを投与することのできるデバイスの開発が求められている。
特許文献1には、針管に皮膚接触面を有するリミッタを接続した皮膚上層部への注射装置が記載されている。この特許文献1に記載されたリミッタは、直径が1〜15mm程度の針管の周囲に設けられており、針管との間に間隙を有するものである。このリミッタの皮膚に接触する面から突出する針管の長さ(突出長)を0.5〜3.0mmに規定することにより、薬剤を皮膚内に投与するようになっている。
また、特許文献2には、目標とする深さより深く穿刺することを防ぐ注射針用穿刺調整具に関するものが記載されている。この特許文献2に開示された注射針用穿刺調整具の中には、針管の周囲に密着するものもある。
特開2001−137343号公報 特開2000−037456号公報
R.T.Kenney et al. New England Journal of Medicine, 351, 2295−2301 (2004).
しかしながら、特許文献1に記載された注射装置は、針管の周囲に皮膚接触面を持ったリミッタを有しており、このリミッタと針管の周囲との間には、所定の大きさの空間が設けられていた。そのため、リミッタを皮膚に押し付けると、リミッタと針管の周囲との間の空間内で皮膚が盛り上がってしまう。
皮膚上層部(表皮と真皮)の厚みは、投与部位、性別、人種、年齢によって異なるが、皮膚の表面からの深さが約0.5〜3.0mmの範囲である。そして、特許文献1には、針の最も好ましい突出長(リミッタの皮膚接触面から突出する長さ)は1.5mmであると記載されている。一方、一般的なワクチンの投与部位である三角筋の皮膚上層部は、薄いヒトで1.5mm程度であることが報告されている。そのため、リミッタと針管の周囲との間の空間内で皮膚が盛り上がると、針管の先端が皮下組織に到達してしまうという心配がある。
表皮や真皮は密な繊維性結合組織から構成され皮下組織よりも硬いため、針管の先端が皮下組織に到達してしまうと、投与されたワクチン等の薬剤が真皮組織から皮下組織に移動し、期待される効果が得られないという問題が生じる。
また、特許文献2に記載された注射針用穿刺調整具は、注射針用穿刺調整具の皮膚に接触する面積と、針管の断面積との関係が不適切であると、注入した薬剤が体外に漏れるという問題が生じる。皮膚上層部に薬剤を注入すると、皮膚に水疱が生じる。その際、注射針用穿刺調整具が皮膚を押すことによって水泡に所定の圧力が加わり、注入した薬剤が針管の周囲から体外に漏れてしまう。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、皮膚に穿刺した針管の針先を皮膚上層部に確実に位置させるとともに、注入した薬剤が体外に漏れないようにすることを目的とする。
本発明の注射針は、生体に穿刺可能な針先を有する26〜33Gの針管と、該針管を保持するハブと、該針管の周囲に設けられ、針管の針先が突出する針突出面を有し、針管の針先が針突出面から突出する長さは、0.5〜3.0mmの範囲で形成される調整部と、を備えている。そして、調整部の針突出面は、針突出面の周縁から針管の周面までの距離が0.3〜1.4mmの範囲となるように形成されることを特徴とする。さらに、調整部から所定の間隔を開けて針管の周囲に設けられ、針管を生体に穿刺する場合に皮膚と接触する端面を有し、針管及び調整部の周囲を覆う筒形に形成され、その内壁面から調整部の外周面までの距離が4〜6mmの範囲となるように設定され、その内径が9〜13mmの範囲となるように設定されている安定部を備えたことを特徴とする。
本発明の薬剤注射装置は、生体に穿刺可能な針先を有する26〜33Gの針管と、該針管を保持するハブと、針管の周囲に設けられ、該針管の針先が突出する針突出面を有し、針管の針先が針突出面から突出する長さは、0.5〜3.0mmの範囲で形成される調整部と、ハブに接続されるシリンジと、を備えている。そして、調整部の針突出面は、針突出面の周縁から針管の周面までの距離が0.3〜1.4mmの範囲となるように形成されることを特徴とする。さらに、調整部から所定の間隔を開けて針管の周囲に設けられ、針管を生体に穿刺する場合に皮膚と接触する端面を有し、針管及び調整部の周囲を覆う筒形に形成され、その内壁面から調整部の外周面までの距離が4〜6mmの範囲となるように設定され、その内径が9〜13mmの範囲となるように設定されている安定部を備えたことを特徴とする。
本発明の注射針および薬剤注射装置によれば、調整部の針突出面に接触する皮膚を平らに変形させ、その平らに変形した皮膚の表面に針管を穿刺するため、針管の針先を皮膚上層部内に確実に位置させることができる。また、皮膚に接触する調整部の針突出面を適正な大きさに設定することにより、注入した薬剤が体外に漏れないようにすることができ、薬剤を皮膚上層部内に確実に投与することができる。
本発明の注射針の第1の実施の形態を示す構成図である。 本発明の注射針の第1の実施の形態に係る調整部及び針管を示す斜視図である。 本発明の注射針の第1の実施の形態を用いた薬剤注射装置にかかる針管を皮膚に穿刺した状態を示す説明図である。 本発明の注射針の第2の実施の形態を示す構成図である。 本発明の注射針の第2の実施の形態を示す斜視図である。 本発明の注射針の第2の実施の形態を用いた薬剤注射装置にかかる針管を皮膚に穿刺した状態を示す説明図である。 本発明の注射針の第3の実施の形態を示す斜視図である。
以下、本発明の薬剤注射装置の実施形態例について、図1〜図7を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。また、本発明は、以下の形態に限定されるものではない。
1.第1の実施の形態
[注射針および薬剤注射装置の構成例]
まず、本発明の注射針の第1の実施の形態の外観構成について、図1及び図2を参照して説明する。
図1は、本発明の注射針の第1の実施の形態を示す構成図である。図2は、本発明の注射針の第1の実施の形態に係る調整部及び針管を示す斜視図である。
注射針1は、中空の針管2と、針管2を保持するハブ3と、針管2に固定された調整部4とを備えている。さらに、ハブ3にシリンジ9(図6参照)を接続することによって、本発明の薬剤注射装置をなすものである。
針管2は、ISOの医療用針管の基準(ISO9626:1991/Amd.1:2001(E))で26〜33Gのサイズのものを使用し、好ましくは30〜33Gのものを使用する。針管2の先端部には、針先を鋭角にするための刃面2aが形成されている。この刃面2aの針管2が延びる方向の長さ(以下、「ベベル長B」という)は、後述する皮膚上層部の最薄の厚さである1.4mm(成人)以下であればよく、また、33Gの針管に短ベベルを形成したときのベベル長である約0.5mm以上であればよい。すなわち、ベベル長Bは、0.5〜1.4mmの範囲に設定されるのが好ましい。
さらに、ベベル長Bは、皮膚上層部の最薄の厚さである0.9mm(小児)以下、すなわち、ベベル長Bが0.5〜0.9mmの範囲であればなおよい。なお、短ベベルとは、注射用針に一般的に用いられる、針の長手方向に対して18〜25°をなす刃面を指す。
針管2の材料としては、例えば、ステンレス鋼を挙げることができるが、これに限定されるものではなく、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金その他の金属を用いることができる。また、針管2は、ストレート針や、少なくとも一部がテーパー構造となっているテーパー針を適用することができる。
テーパー針としては、針先を含む先端部分に比べ、ハブに固定される基端部分をより太い外径とし、その中間部分をテーパー構造とすればよい。さらに、調整部をテーパー部分に設けることによって、テーパー部分の傾斜の存在により、調整部が基端方向へ移動することが規制される。これにより、針突出面を強く皮膚に押し付けても、針先が針突出面から突出する長さが変化することがなく、皮膚の所定の深さに確実に穿刺することができる。
針管2の筒孔は、ハブ3に連通している。ハブ3は、針管2の末端部を保持している。このハブ3は、シリンジ9に接続することができればどのような形態でもよい。
シリンジ9は、薬剤注射装置を使用するときに薬剤を充填させるものでもよく、予め薬剤が充填されたプレフィルドシリンジであってもよい。また、シリンジ9に充填される薬剤としては、ワクチンを挙げることができるが、サイトカインなどの高分子物質を用いたものや、ホルモンであってもよい。
調整部4は、円柱状に形成されている。針管2は、調整部4を貫通しており、針管2の軸心と調整部4の軸心が一致している。調整部4は、針管2の周面に密着して固定されている。調整部4の一方の端面は、ハブ3に対向するハブ対向面4aとなっており、他方の端面は、針管2の針先が突出する平らな針突出面4bとなっている。
調整部4のハブ対向面4aには、針管2の周囲を囲うような接着剤用凹部4cが設けられている。調整部4は、針管2が貫通した状態で接着剤用凹部4cに接着剤5を塗布することにより、針管2の周面に密着して固定されている。接着剤5としては、シアノアクリレートやエポキシ樹脂、光硬化性樹脂等を挙げることができるが、その他の樹脂によって生成されたものであってもよい。
調整部4の針突出面4bは、針管2を皮膚上層部に穿刺するときに、皮膚の表面に接触して針管2を穿刺する深さを規定する。つまり、針管2が皮膚内に穿刺される深さは、針管2の針突出面4bから突出する長さ(以下、「突出長L」という)によって決定される。
皮膚上層部の厚みは、皮膚の表面から真皮層までの深さに相当し、概ね、0.5〜3.0mmの範囲内にある。そのため、針管2の突出長Lは、0.5〜3.0mmの範囲に設定することができる。
また、インフルエンザワクチンの投与部位である三角筋の皮膚上層部の厚みを小児19人と大人31人で測定した。測定は、超音波測定装置(NP60R−UBM 小動物用高解像度用エコー、ネッパジーン(株))を用いて、超音波反射率の高い皮膚上層部を造影し、その厚みを測定した。ここで、測定値が対数正規分布となっていたので、幾何平均によってMEAN±2SDの範囲を求めた。その結果、小児で0.9〜1.6mm、成人では、遠位部で1.4〜2.6mm、中央部で1.4〜2.5mm、近位部で1.5〜2.5mmであった。以上のことから、三角筋における皮膚上層部の厚みは、小児の場合で0.9mm以上、成人の場合で1.4mm以上であることが確認された。そのため、三角筋の皮膚上層部における注射において、好ましい針管2の突出長Lは、0.9〜1.4mmの範囲に設定することができる。
また、この様に針管2を設定することで、刃面2aを皮膚上層部内に確実に位置させることが可能となる。その結果、刃面2aに開口する薬液排出口は、刃面2a内のいかなる位置にあっても、皮膚上層部内に位置することが可能である。なお、薬液排出口が皮膚上層部内に位置しても、針先が皮膚上層部より深く刺されば、針先端部の側面と切開された皮膚との間から薬液が皮膚上層部の外に逃げてしまう。そのため、針管2の針先及び薬液排出口が確実に皮膚上層部内に位置することが重要である。
なお、26Gよりも太い針管では、ベベル長Bを1.0mm以下にすることは難しい。したがって、針管2の突出長Lを好ましい範囲(0.9〜1.4mm)に設定するには、26Gよりも細い針管を使用することが好ましい。
調整部4の針突出面4bは、周縁から針管2の周面までの距離Sが1.4mm以下となるように形成し、好ましくは0.3〜1.4mmの範囲で形成する。この範囲は、後述する実験例の結果に基づいて決定した。これにより、針突出面4bが、針管2の周囲の皮膚を押圧して、投与された薬剤が漏れることを防止することができる。
調整部4の材質としては、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂(プラスチック)を用いてもよく、また、ステンレス、アルミニウム等の金属を用いてもよい。
本実施形態では、接着剤5を用いて調整部4を針管2に固定したが、本発明の注射針としては、その他の方法で調整部4に針管2を固定するようにしてもよい。
例えば、調整部4を金属によって形成して針管2に固定する場合のその他の方法としては、かしめや溶接等を挙げることができる。また、調整部4を合成樹脂で形成して針管2に固定する場合のその他の方法としては、溶着や一体成形(特に、インサート成形)を挙げることができる。この場合は、調整部4を基端方向に延長してハブ3と一体化してもよい。これにより、調整部4の位置決めをより容易に行うことができる。
[薬剤注射装置の使用方法]
次に、注射針1を適用した薬剤注射装置の使用方法について、図3を参照して説明する。
図3は、薬剤注射装置における注射針1の針管2を皮膚に穿刺した状態を示す説明図である。
まず、針管2の針先を穿刺する皮膚に対向させる。次に、注射針1を皮膚に対しほぼ垂直に移動させ、針管2を皮膚に穿刺する。このとき、調整部4の針突出面4bが皮膚に当接するまで針管2を皮膚に穿刺する。これにより、調整部4の針突出面4bに接触する皮膚を平らに変形させることができ、針管2を突出長Lだけ皮膚に穿刺することができる。
突出長Lが0.5〜3.0mmの範囲に設定されているため、針管2の針先は、確実に皮膚上層部内に位置する。その後、ハブ3に接続されたシリンジ(図示せず)により皮膚上層部内に薬剤を注入する。
注射針1の調整部4は、針管2の周囲に密着して固定されており、針管2の調整部4を貫通する部分と調整部4との間には間隙が生じないようになっている。そのため、調整部4の針突出面4bを皮膚に当接させると、針管2の周囲の皮膚を平らに変形させることができる。その結果、針管2を突出長Lだけ皮膚に穿刺させることができ、針管2の針先を皮膚上層部内に確実に位置させることができる。
また、調整部4の針突出面4bを適正な大きさに設定したため、注入した薬剤が体外に漏れないようにすることができ、薬剤を皮膚上層部内に確実に投与することができる。
[実験例]
次に、調整部4の針突出面4bの大きさを変化させて薬剤を投与した実験例について説明する。
実験に使用する薬剤注射装置では、30G(外径=約0.3mm)の中空針を針管として用いた。調整部は、樹脂を成形して中心に孔を有する円柱状に形成し、孔に挿入された針管の突出長を1.5mmに設定して、調整部と針管の間のすきまに針管の基端部側から接着剤を注入して調整部を針管に固定した。そして、調整部の直径は、15mm、12mm、9.0mm、6.0mm、5.5mm、5.0mm、4.5mm、4.0mm、3.0mm、2.0mm、0.9mmとした。
投与する薬剤は、X線造影剤オイパロミン370(100mL、富士製薬工業株式会社)を生理食塩水で25%程度まで希釈し、投与量は約100μLとした。薬剤の投与対象は、体重約30kgのミニブタの表皮から筋肉層までを摘出した新鮮な肉片を用いた。投与時の調整部の表皮に対する押し付け力は、投与者がミニブタの肉片を重量量りに乗せ、投与直前に肉片を押し、その押し付け力を測定した。重量量りによって測定された押し付け力は、3〜15Nの範囲であった。
実験の評価は、薬剤の漏れと、薬剤の分布について行った。薬剤の漏れに関しては、目視によって評価した。また、薬剤分布に関しては、X線造影装置(島津製作所、島津DIGITEX α plus)を用いて確認することで評価した。薬剤を投与する皮膚上層部は、その下にある皮下組織よりも透過率が低いため、X線で造影すると、皮下組織よりも黒く造影される。また、投与する薬剤は、皮膚上層部よりも黒く造影される。したがって、X線造影を行うことにより、薬剤が皮膚上層部内に分布しているかどうかを確認することができる。
実験結果を表1に示す。
Figure 0005430646
表1は、針突出面4bの大きさを変化させた場合の薬剤の漏れに関する評価を示すものである。表1に示すように、針突出面の周縁から針管の周面までの距離が2.9〜7.4mm(調整部の直径が6.0〜15mm)の範囲では、薬剤が体外に漏れたことを目視で確認した。また、X線造影画像を確認すると、皮膚上層部に造影剤が分布していなかった。したがって、針突出面の周縁から針管の周面までの距離が2.9〜7.4mmの範囲では、針管が皮膚に刺さらないため、薬剤が漏れたと考えられる。
針突出面の周縁から針管の周面までの距離が1.9〜2.6mm(調整部の直径が4.0〜5.5mm)の範囲では、薬剤の漏れ量が低減したことを目視で確認した。また、X線造影画像を確認すると、皮膚上層部に薬剤が分布していた。これにより、針管が皮膚に刺さって皮膚上層部に薬剤が投与されていることが分かる。
しかしながら、調整部の針突出面が針管の周囲の皮膚を押圧することにより、皮膚上層部へ薬剤を投与することで形成される水疱に圧力が加わって投与された薬剤が漏れたと考えられる。
針突出面の周縁から針管の周面までの距離が0.3〜1.4mm(調整部の直径が0.9〜3.0mm)の範囲では、薬剤の漏れを目視で確認できなかった。また、X線造影画像を確認すると、皮膚上層部に薬剤が分布していた。これは、調整部の針突出面が、皮膚上層部へ薬剤を投与することで形成される水疱よりも十分に小さく、水疱の形成を妨げないためであると考えられる。
つまり、針突出面の周縁から針管の周面までの距離が0.3〜1.4mmの範囲の調整部は、針管が皮膚に挿入される深さを制御するが、水疱の形成を妨げないと考えられる。したがって、針突出面の周縁から針管の周面までの距離が0.3〜1.4mmの範囲の調整部を有する注射針を用いた薬剤注射装置は、薬剤を体外に漏らすことなく、皮膚上層部内に確実に分布させることができる。なお、針突出面が皮膚に当接して止まり、針管が皮膚に挿入される深さを規定することができれば、針突出面の周縁から針管の周面までの距離を0.3mm未満に設定することもできる。
針突出面の周縁から針管の周面までの距離が1.4mm(調整部の直径が3.0mm)である場合、針突出面の面積は、π(1.5)となる。一方、30G(外径=約0.3mm)の中空針からなる針管の断面の面積は、π(0.3)となる。つまり、薬剤注射装置における針突出面の面積が針管の断面の約25倍以下であれば、薬剤が体外に漏れず、薬剤を皮膚上層部内に確実に分布させることができるという実験結果が得られた。
また、針突出面の周縁から針管の周面までの距離が1.9〜2.6mm(調整部の直径が4.0〜5.5mm)の範囲においても、皮膚上層部に薬剤を分布させることができる。針突出面の周縁から針管の周面までの距離が2.6mm(調整部の直径が5.5mm)である場合、針突出面の面積は、π(2.75)となる。つまり、薬剤注射装置における針突出面の面積が針管の断面の約84倍以下であれば、皮膚上層部内に薬剤を分布させることができるという実験結果が得られた。
2.第2の実施の形態
[注射針および薬剤注射装置の構成例]
次に、本発明の注射針の第2の実施の形態の外観構成について、図4及び図5を参照して説明する。
図4は、第2の実施の形態の注射針を示す構成図である。図5は、第2の実施の形態の注射針を示す斜視図である。
ところで、特許文献2に記載された技術では、針管の周囲に密着させた注射針用穿刺調整具の大きさが小さすぎると、針管がブレ易くなり、皮膚に対して針管を真っ直ぐ穿刺することが難しかった。そのため、特許文献2に記載された技術では、針管がブレることで、薬剤の安定した投与を行うことができずに、薬剤の漏れが生じたり、皮膚に穿刺した針管の針先を皮膚上層部に確実に位置させることができない、という問題があった。
なお、針管を安定させるために注射針用穿刺調整具の大きさを大きくすることが考えられる。しかしながら、注射針用穿刺調整具の大きさを大きくすると、注射針用穿刺調整具が皮膚を押すことによって水疱形成が阻害され、注入した薬剤が針管の周囲から体外に漏れる、という不具合が生じる。
そこで、第2の実施の形態の注射針21及び薬剤注射装置では、上記の問題点を考慮し、針管のブレを防止して薬剤の安定した投与を行うことができると共に注入した薬剤が体外に漏れることを防止することができるようにした。
注射針21は、中空の針管2と、針管2を保持するハブ3と、針管2に固定された調整部4と、安定部6を備えている。なお、ハブ3に破線で示すシリンジ9を接続することによって、本発明の薬剤注射装置をなすものである(図6参照)。針管2、ハブ3及び調整部4は、第1の実施の形態の注射針1と共通の部材であるため、説明を省略する。
安定部6は、直径の異なる2つの円筒が軸方向に連なった形状を有している。この安定部6の筒孔には、針管2,ハブ3及び調整部4が配置されている。また、安定部6は、ハブ3に固定される固定部6aと、針管2及び調整部4の周囲を覆う接触部6bとを有している。固定部6aは、ハブ3に接着剤等の固定方法によって固定されている。この固定部6aの軸方向の一側には、接触部6bが連続して設けられている。
接触部6bは、固定部6aをハブ3に固定することで、針管2及び調整部4の周囲を覆うように配置される。この接触部6bの内径は、固定部6aの内径よりも大きくなるように設定されている。また、接触部6bの軸方向の一端側の端面6cは、調整部4の針突出面4bと略同一平面上に位置している。そして、安定部6の端面6cと調整部4の針突出面4bで形成される平面に対して針管2が直交している。
よって、針管2を生体に穿刺した場合(図6参照)に、調整部4の針突出面4bが皮膚の表面に接触すると共に安定部6の端面6cも皮膚の表面に接触する。これにより、安定部6によって針管2を皮膚に対して略垂直に支持することができる。その結果、針管2がブレることを防止することができ、皮膚に対して針管2を真っ直ぐ穿刺することを可能としている。
また、安定部6における接触部6bの内径は、内壁面から調整部4の外周面までの距離Tが4〜15mmの範囲となるように設定されている。この範囲は、後述する実験例の結果に基づいて決定した。
安定部6の材質としては、調整部4と同様に、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂(プラスチック)を用いてもよく、また、ステンレス、アルミニウム等の金属を用いてもよい。
なお、安定部6の形状は、円筒形に限定されるものではなく、例えば、中心に筒孔を有する四角柱や六角柱等の角筒状に形成してもよい。また、接触部6bに切り込みを設けてもよく、さらに固定部6aと接触部6bの直径が同一になるように安定部を形成してもよい。
更に、安定部6をハブ3に固定した例を説明したが、安定部6は薬剤注射装置を構成するシリンジに固定してもよい。また、本実施の形態では、接着剤を用いて安定部6をハブ3に固定したが、本発明の注射針としては、その他の方法でハブ3に安定部6を固定するようにしてもよい。例えば、安定部6を金属によって形成してハブ3に固定する場合のその他の方法としては、かしめや溶接等を挙げることができる。また、安定部6を合成樹脂で形成してハブ3に固定する場合のその他の方法としては、溶着や一体成形(特に、インサート成形)を挙げることができる。
[薬剤注射装置の使用方法]
次に、注射針21を適用した薬剤注射装置の使用方法について、図6を参照して説明する。
図6は、薬剤注射装置における注射針21の針管2を皮膚に穿刺した状態を示す説明図である。
まず、針管2の針先を穿刺する皮膚に対向させる。次に、注射針21を皮膚に対しほぼ垂直に移動させ、針管2を皮膚に穿刺する。このとき、調整部4の針突出面4bと安定部6の端面6cが皮膚に当接するまで針管2を皮膚に穿刺する。これにより、調整部4の針突出面4bに接触する皮膚を平らに変形させることができ、針管2を突出長Lだけ皮膚に穿刺することができる。また、安定部6が皮膚と当接することで、針管2を安定させて、針管2を皮膚に対して真っ直ぐに穿刺することができる。さらに、針管2に生じるブレを防止することができるので、薬剤の安定した投与を行うことができる。
例えば0.5mm程度のごく短い突出長の針では、針先を皮膚に当接させても皮膚に刺さらない場合がある。しかし、安定部6が皮膚に押し付けられて垂直方向に皮膚が押し下げられると、安定部6の内側の皮膚が引っ張られて皮膚に張力が加わった状態となる。そのため、針管2の針先に対して皮膚が逃げ難くなるので、安定部6は、皮膚に針先をより刺さり易くさせるという効果も有している。
その後、ハブ3に接続されたシリンジ(図示せず)により皮膚上層部内に薬剤を注入する。このとき、調整部4の針突出面4bと安定部6の内径を適正な大きさに設定したため、注入した薬剤が体外に漏れないようにすることができ、薬剤を皮膚上層部内に確実に投与することができる。その結果、安定部6における接触部6bの内壁面と調整部4の外周面の間に、破線で示す水疱Pが形成される。
このように、第2の実施の形態の注射針21及びこれを用いた薬剤注射装置によれば、針管2を生体に穿刺する際に安定部6が皮膚と接触するため、針管2のブレを防止することができ、皮膚に対して針管2を真っ直ぐ穿刺することができる。これにより、針管2の針先を皮膚上層部に確実に位置させることができ、薬剤の安定した投与を行うことができる。また、皮膚に接触する調整部4の針突出面4bを適正な大きさに設定することにより、注入した薬剤が体外へ漏れないようにすることができる。
[実験例]
次に、安定部の内径の大きさを変化させて薬剤を投与した実験例について説明する。
実験に使用する薬剤注射装置では、30G(外径=約0.3mm)の中空針を針管として用いた。調整部は、樹脂を成形して中心に孔を有する円柱状に形成し、孔に挿入された針管の突出長を1.5mmに設定して、調整部と針管の間のすきまに針管の基端部側から接着剤を注入して調整部を針管に固定した。なお、調整部4の直径は、0.9mmに設定している。そして、安定部6における接触部6bの内径は、13mm、11mm、9mm、7mm、5mm、3mmとした。
投与する薬剤は、X線造影剤オイパロミン370(100mL、富士製薬株式会社)を生理食塩水で25%程度まで希釈し、投与量は約100μLとした。薬剤の投与対象は、人の皮膚組織の性状に比較的近いブタを対象とし、体重約30kgのミニブタの表皮から筋肉層までを摘出した新鮮な肉片を用いた。投与時の調整部の表皮に対する押し付け力は、投与者がミニブタの肉片を重量量りに乗せ、投与直前に肉片を押し、その押し付け力を測定した。重量量りによって測定された押し付け力は、3〜15Nの範囲であった。
実験の評価は、薬剤の漏れと、薬剤の分布について行った。薬剤の漏れに関しては、目視によって評価した。また、薬剤分布に関しては、X線造影装置(島津製作所、島津DIGITEX α plus)を用いて確認することで評価した。薬剤を投与する皮膚上層部は、その下にある皮下組織よりも透過率が低いため、X線で造影すると、皮下組織よりも黒く造影される。また、投与する薬剤は、皮膚上層部よりも黒く造影される。したがって、X線造影を行うことにより、薬剤が皮膚上層部内に分布しているかどうかを確認することができる。
実験結果を表2に示す。
Figure 0005430646
表2は、安定部6の内径の大きさを変化させた場合の薬剤の漏れと水疱形成に関する評価を示すものである。表2に示すように、安定部6における接触部6bの内壁面から調整部4の外周面までの距離が1.0〜3.0mm(安定部6の内径が3.0〜7.0mm)の範囲では、薬剤が体外に漏れたことを目視で確認した。また、X線造影画像を確認すると、皮膚上層部に造影剤が分布していなかった。したがって、安定部6の内壁面から調整部4の外周面までの距離が1〜3mmの範囲では、安定部6の内径が水疱Pの直径よりも小さいために、安定部6の接触部6bが水疱形成を阻害したため、薬剤が漏れたと考えられる。
これに対し、安定部6の接触部6bの内壁面から調整部4の外周面までの距離が4〜6mm(安定部6の接触部6bの内径が9〜13mm)の範囲では、薬剤の漏れを目視で確認できなかった。また、X線造影画像を確認すると、皮膚上層部に薬剤が分布していた。これにより、針管2が皮膚に刺さって皮膚上層部に薬剤が投与されていることが分かる。これは、安定部6の内径が水疱Pの直径と同等であるか、それよりも大きいために、安定部6が水疱形成を阻害しなかったからであると考えられる。
したがって、安定部6(接触部6b)の内壁面から調整部4の外周面までの距離Tが4〜6mmの範囲では、調整部4によって針穿刺長を確実に規定できる。更に、漏れ防止のために、調整部4の外径を小さくし、それによって発生する針管のブレを安定部6によって解消することができる。なお、安定部6の内壁面から調整部4の外周面までの距離Tは、4mm以上であれば、特に上限はない。しかしながら、あまり大きすぎると、小児のように細い腕に投与する場合では、かえって安定に投与できなくなる。そのため、小児の腕の細さを考慮した際に、安定部6(接触部6b)の内壁面から調整部4の外周面までの距離Tは、15mmを最大と規定することができる。
3.第3の実施の形態
[注射針及び薬剤注射装置の構成例]
次に、図7を参照して本発明の注射針の第3の実施の形態例について説明する。
図7は、注射針の第3の実施の形態を示す斜視図である。
この第3の実施の形態の注射針21Aは、第2の実施の形態の注射針21の安定部6の形状を変更したものである。
図7に示すように、注射針21Aは、中空の針管2と、針管2を保持する図に現れないハブと、針管2に固定された調整部4と、安定部6Aを備えている。針管2、ハブ及び調整部4は、第1の実施の形態の注射針1と共通の部材であるため、説明を省略する。
安定部6Aは、略円筒形の固定部6aAと、3つの接触部6bA,6bA,6bAから構成されている。3つの接触部6bA,6bA,6bAは、固定部6aAの側面から安定部6Aの軸方向の一側へ突出する脚状の部材である。この3つの接触部6bA,6bA,6bAは、略等角度間隔(例えば、120°間隔)に配設されている。また、3つの接触部6bA,6bA,6bAにおける軸方向の一端側の端面6cA,6cA,6cAで形成される面は、調整部4の針突出面4bと略同一平面上に位置している。
また、針管2を生体に穿刺する場合に、安定部6Aの3つの端面6cA,6cA,6cAが皮膚の表面と接触する。このように、安定部6Aの3つの接触部6bA,6bA,6bAでバランス良く注射針21Aを支持することで、針管2に生じるブレを防止することを可能としている。
なお、この第3の実施の形態では、接触部の数を3つ設けた例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、接触部の数を4つ以上設けてもよいことは、言うまでもない。
このような構成を有する注射針21Aによっても、上述した第2の実施の形態例にかかる注射針21と同様の作用及び効果を得ることができる。
なお、この第3の実施の形態に係る安定部6Aの場合、3つの接触部6bA,6bA,6bAの間隔を大きくすることで、安定部6Aの3つの接触部6bA,6bA,6bAから水疱にかかる圧力を低減することができる。その結果、第3の実施の形態に係る安定部6Aによれば、筒形の安定部6よりも、内壁面から調整部4の外周面までの距離を短くすることができると考えられる。
以上、本発明の注射針および薬剤注射装置の実施の形態について、その作用効果も含めて説明した。しかしながら、本発明の注射針および薬剤注射装置は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
1,21,21A…注射針
2…針管
2a…刃面
3…ハブ
4…調整部
4a…ハブ対向面
4b…針突出面
4c…接着剤用凹部
5…接着剤
6,6A…安定部
6a,6aA…固定部
6b,6bA…接触部
6c,6cA…端面
9…シリンジ
B…ベベル長
L…突出長
S…針突出面の周縁から針管の周面までの距離
T…安定部の内壁面から調整部4の外周面までの距離
P…水疱

Claims (11)

  1. 生体に穿刺可能な針先を有する26〜33Gの針管と、
    前記針管を保持するハブと、
    前記針管の周囲に設けられ、前記針管の針先が突出する針突出面を有し、前記針管の針先が前記針突出面から突出する長さは、0.5〜3.0mmの範囲で形成されると共に該針突出面の周縁から前記針管の周面までの最短距離が0.3〜1.4mmの範囲となるように形成された調整部と、
    前記調整部から所定の間隔を開けて前記針管の周囲に設けられ、前記針管を生体に穿刺する場合に皮膚と接触する端面を有し、前記針管及び前記調整部の周囲を覆う筒形に形成され、その内壁面から前記調整部の外周面までの距離が4〜6mmの範囲となるように設定され、その内径が9〜13mmの範囲となるように設定されている安定部と、
    を備えたことを特徴とする注射針。
  2. 前記安定部における皮膚と接触する端面と前記調整部の前記針突出面が同一平面上に位置することを特徴とする請求項に記載の注射針。
  3. 前記安定部は、前記ハブと一体成形されていることを特徴とする請求項1に記載の注射針。
  4. 前記針管の針先が前記針突出面から突出する長さは、0.9〜1.4mmであることを特徴とする請求項に記載の注射針。
  5. 前記針管は、30〜33Gであることを特徴とする請求項1に記載の注射針。
  6. 前記針管のベベルの長さは、0.5mm〜1.4mmであることを特徴とする請求項1に記載の注射針。
  7. 前記針管は、少なくとも一部がテーパー構造であることを特徴とする請求項1に記載の注射針。
  8. 前記調整部は、前記針管とは別体に形成され、前記針管の周面に密着して固定されることを特徴とする請求項1に記載の注射針。
  9. 生体に穿刺可能な針先を有する26〜33Gの針管と
    前記針管を保持するハブと、
    前記ハブに接続されるシリンジと、
    前記針管の周囲に設けられ、前記針管の針先が突出する針突出面を有し、前記針管の針先が前記針突出面から突出する長さは、0.5〜3.0mmの範囲で形成されると共に該針突出面の周縁から前記針管の周面までの最短距離が0.3〜1.4mmの範囲となるように形成された調整部と、
    前記調整部から所定の間隔を開けて前記針管の周囲に設けられ、前記針管を生体に穿刺する場合に皮膚と接触する端面を有し、前記針管及び前記調整部の周囲を覆う筒形に形成され、その内壁面から前記調整部の外周面までの距離が4〜6mmの範囲となるように設定され、その内径が9〜13mmの範囲となるように設定されている安定部と、
    を備えたことを特徴とする薬剤注射装置。
  10. 前記安定部は、前記シリンジに固定されることを特徴とする請求項に記載の薬剤注射装置。
  11. 前記安定部は、前記ハブに固定されることを特徴とする請求項に記載の薬剤注射装置。
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