以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る撮像装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
図1に示す撮像装置100は、レンズ群101、撮像素子102、A/D変換回路部103、画像信号処理部110、領域積分回路部120、AE評価部130、覆い焼き処理部140、画像圧縮処理部150、システム制御部170を有して構成されている。さらに、撮像装置100は、表示部160、記録部161、操作部162、ストロボ部180を有して構成されている。
また、画像信号処理部110は、測距情報取得部111及び顔検知処理部112を含み構成されている。また、覆い焼き処理部140は、LPF141、補正係数算出部142及び補正処理部143を含み構成されている。
レンズ群101は、被写体の光学像(被写体像)を撮像装置100の内部に導くための光学手段である。具体的に、レンズ群101は、被写体像を撮像素子(光電変換素子)101へ投影するために、複数枚のレンズで構成されている。また、レンズ群101は、システム制御部170からの制御に基づいて駆動する。
撮像素子102は、レンズ群101によって投影された被写体の光学像(被写体像)を電気信号(画像信号)に変換し、被写体に係る画像の撮像を行う撮像手段である。この際、撮像素子102で得られる画像は、アナログ信号からなるものである。また、撮像素子102は、システム制御部170からの制御に基づいて駆動する。
A/D変換回路部103は、撮像素子102から出力されるアナログ信号からなる画像に対して相関二重サンプリングによるノイズ除去処理を行って、アナログ信号からなる画像をデジタル信号からなる画像に変換する。また、A/D変換回路部103は、システム制御部170からの制御に基づいて駆動する。
画像信号処理部110は、システム制御部170からの制御に基づいて、A/D変換回路部103から出力されたデジタル信号からなる画像の画像信号を処理する。具体的に、画像信号処理部110は、デジタル信号からなる画像に対して、色空間変換処理や、ホワイトバランス処理等の画像信号処理を行い、YUVフォーマットでデジタル信号からなる画像の出力を行う。
さらに、画像信号処理部110は、測距情報取得部111において、A/D変換回路部103から出力された画像に基づいて、被写体との距離マップ(測距情報)を取得する処理を行う。この際、測距情報取得部111は、A/D変換回路部103から出力された画像を少なくとも2つ以上の小ブロックに分割し、当該小ブロックごとに被写体との距離に係る測距情報を取得する。さらに、画像信号処理部110は、顔検知処理部112において、A/D変換回路部103から出力された画像から被写体の顔を検知して、当該画像から顔領域を抽出する処理を行う。この測距情報取得部111及び顔検知処理部112の詳細については、後述する。
領域積分回路部120は、システム制御部170からの制御に基づいて、A/D変換回路部103から出力されたデジタル信号からなる画像を格子状の複数の領域に分割して、各々の分割領域の輝度値を積算(積分)する処理を行う。
覆い焼き処理部140のLPF141は、領域積分回路部120の輝度値の積算値に基づいて画像の低周波成分を抽出して、画像の特徴量を抽出する特徴量抽出手段である。また、覆い焼き処理部140の補正係数算出部142は、LPF141で抽出された画像の特徴量に基づいて、画像の覆い焼き処理に係る補正パラメータである補正係数を算出する処理を行う。また、覆い焼き処理部140の補正処理部143は、補正係数算出部142で算出された補正係数を用いて、画像信号処理部110から出力された画像の輝度値を補正する処理を行う。
ここで、本実施形態では、領域積分回路部120、LPF141及び補正係数算出部142は、画像の輝度レベルおよびストロボ部180の発光状態等に基づいて、画像の覆い焼き処理に係る補正パラメータを設定する補正パラメータ設定手段を構成する。
図2は、本発明の実施形態に係る撮像装置による画像の処理例を示す図である。
図2(a)は、撮像素子102で取得され、A/D変換回路部103を経由して出力された画像の一例を示すものである。図2(b)は、図2(a)に示す画像に対して、領域積分回路部120で処理した処理結果のイメージを示す画像である。
覆い焼き処理部140は、まず、例えば図2(b)に示す領域積分回路部120の出力画像から、LPF141において低周波成分を抽出して特徴量を抽出し、例えば図2(c)に示す覆い焼き判定画像を生成する。次に、補正係数算出部142において、覆い焼き判定画像の輝度レベルに係る判定値に対応する補正係数を算出する。この際、覆い焼き処理部140は、システム制御部170からの制御に基づいて、これらの処理を行う。なお、画像信号処理部110の処理と、覆い焼き処理部140の処理の順序は、覆い焼き処理部140の処理が先となるよう構成することも可能である。
図3は、図1に示す補正係数算出部142で算出される補正係数の一例を示す図である。図3において、横軸に判定値である入力輝度レベルを示し、縦軸に補正係数の値を示す。
図3の横軸に示す境界値Lthは、覆い焼きの境界値である。覆い焼き判定画像の輝度レベルに係る判定値が境界値Lthよりも大きい場合には、補正係数は1、つまり補正を行わずにそのまま出力されることになる。また、覆い焼き判定画像の輝度レベルに係る判定値が境界値Lthよりも小さい場合には、図3に示すように、その判定値が小さい程、補正係数が大きく算出されることになる。そして、補正係数算出部142で算出された補正係数の値は、補正処理部143に入力される。補正処理部143では、画像信号処理部110から入力された画像(画像データ)に対して、補正係数算出部142から入力された補正係数の値を掛け合わせて、画像を補正する処理を行う。
図3に示す例では、補正係数算出部142で算出された補正係数の値を303、その補正効果を制限した補正係数の値を302、さらに、その補正効果を制限した補正係数の値を301として示している。ここで、図3に示す補正係数曲線の補正量の大きさは、301<302<303となり、301が最も補正量の小さい場合の補正係数曲線である。
そして、覆い焼き処理部140で処理された画像は、画像圧縮処理部150に出力される。画像圧縮処理部150は、システム制御部170からの制御に基づいて、覆い焼き処理部140から出力された画像に対して圧縮処理を行い、圧縮処理した画像(画像データ)を記録部161に記録(記憶)する。
AE評価部130は、システム制御部170からの制御に基づいて、領域積分回路部120の出力画像(図2(b))における輝度レベルを検出して、露出(AE)の評価を行う。
システム制御部170は、撮像装置100全体の動作を統括的に制御するものであり、必要に応じて、図1に示す撮像装置100の各構成部の駆動を制御する。例えば、システム制御部170は、領域積分回路部120や画像信号処理部110での演算結果を用いて、AE評価部130で露出(AE)が適正と判断されるまで、撮像素子102を用いてAE制御を行う。そして、システム制御部170は、AE制御で得られた測定データを用いて、ストロボ部180の発光制御、及び、覆い焼き処理の制御等を行う。これらの処理の詳細については後述する。
表示部160は、システム制御部170からの制御に基づいて、例えば記録部161に記録されている撮影画像データに基づく撮影画像を液晶ディスプレイに表示するとともに、撮影に関する各種の設定や各種の条件等の情報を当該液晶ディスプレイに表示する。
操作部162は、例えば、各種のスイッチ、各種のボタン、キーボード、タッチパネル等で構成される情報入力手段であり、操作者(ユーザ)からの入力情報をシステム制御部170に対して入力する。そして、システム制御部170は、操作部162から入力された入力情報に基づいて、撮像装置100の各構成部の制御を行う。
ストロボ部180は、システム制御部170からの制御に基づいて、被写体に対して閃光を発光する閃光手段である。具体的に、ストロボ部180は、ストロボ、ストロボ放電回路部及び発光量制御回路部等から構成されている。そして、ストロボ部180は、システム制御部170からの制御に応じて、操作部162にあるシャッターボタンのONと同期して閃光を発光するように構成されている。
操作部162には、ストロボ使用時の撮影モードを設定するための撮影モード瀬定スイッチが設けられている。具体的に、本実施形態では、ストロボ部180に関連する撮影モードとして、「自動発光モード」、「強制発光モード」、及び、「発光オフモード」の3つの撮影モードが設定可能とされている。ここで、「自動発光モード」は、画像信号処理部110からの画像信号レベル情報等の明るさ情報に基づいて、被写体の明るさが不十分な場合に限ってストロボを発光させるモードである。「強制発光モード」は、被写体の明るさとは無関係にストロボを発光させるモードである。「発光オフモード」は、ストロボを発光させないモードである。
以下、第1の実施形態の撮像装置100における通常撮影及びストロボ撮影における覆い焼き処理を含む各種の処理について、図1、図4及び図5〜図7を用いて説明する。
図4は、被写体の明るさと時間との関係を示す露出特性の一例を示す模式図である。
また、図5〜図7は、本発明の第1の実施形態に係る撮像装置の制御方法における処理手順の一例を示すフローチャートである。具体的に、図5には、ストロボ部180に関連する撮影モードとして「自動発光モード」の場合のフローチャートが示されている。また、図6には、ストロボ部180に関連する撮影モードとして「強制発光モード」の場合のフローチャートが示されている。また、図7には、ストロボ部180に関連する撮影モードとして「発光オフモード」の場合のフローチャートが示されている。
まず、図5に示す、ストロボ部180に関連する撮影モードが「自動発光モード」の場合の処理手順について説明する。
図5に示すフローチャートでは、撮像装置100の操作部162にある電源スイッチが投入され、その後、ストロボ部180の使用時の撮影モードが「自動発光モード」に設定されているものとする。
この状態で、操作者(ユーザ)が操作部162にあるシャッターボタンを半押しにすると、ステップS501において、システム制御部170は、これを検知する。その後、ステップS502に進む。なお、シャッターボタンが半押しされたことを検知できでいない場合には、シャッターボタンが半押しされたことを検知するまで、ステップS501で待機する。
ステップS502に進むと、システム制御部170は、AE評価部130から被写体の測光値を取り入れる測光処理を行う。
続いて、ステップS503において、システム制御部170は、ステップS502でAE評価部130から取得した被写体の測光値に基づいて、ストロボ部180によるストロボの発光を行うか否かを判断する。このステップS503の具体的な判断処理について、以下に説明する。
具体的に、ステップS503では、まず、図4に示すような被写体の明るさと時間との関係を示す露出特性を参照して、例えば、ストロボ撮影時の基準の明るさLv=8のときのシャッター時間t1より長い時間露出するのか、短い時間露出するのかを判断する。この場合、図4に示すように、システム制御部170は、シャッター時間t1よりも短い時間の露出の場合には、ストロボ部180によるストロボの発光は行わない通常撮影であると判断する。一方、図4に示すように、システム制御部170は、シャッター時間t1よりも長い時間の露出の場合には、ストロボ部180によるストロボの発光を行うストロボ発光撮影と判断する。なお、図4に示す露出特性のテーブルは、例えば、システム制御部170の内部メモリに記録(記憶)されている。この際、例えば、図4に示す露出特性のテーブルは、記録部161に記録(記憶)されている形態であっても良い。
ステップS503の判断の結果、ストロボ部180によるストロボの発光を行うストロボ発光撮影である場合には、ステップS504に進む。
ステップS504に進むと、システム制御部170は、操作者(ユーザ)により操作部162にあるシャッターボタンがさらに押されてシャッターボタンがオンとなったか否かを判断する。この判断の結果、シャッターボタンがさらに押されずシャッターボタンがオンになっていない場合には、シャッターボタンがオンになるまで、ステップS504で待機する。
一方、ステップS504の判断の結果、シャッターボタンがさらに押されてシャッターボタンがオンとなった場合には、ステップS505に進む。ステップS505に進むと、システム制御部170は、ストロボ部180によるストロボのプリ発光を行って、AE評価部130から被写体の測光値を取り入れる測光処理を行う。具体的に、AE評価部130は、当該プリ発光に基づく領域積分回路部120の出力画像の輝度を測光し、当該測光値データから発光量を計算する。即ち、ステップS505では、ステップS506の本撮影におけるストロボ部180の本発光量を決定するための測光処理を行う。
続いて、ステップS506において、システム制御部170は、ストロボ発光撮影の制御を行う。具体的に、システム制御部170は、ステップS505で取得した測光値に応じてストロボ部180を所定量発光させる処理を行うと共に、不図示のドライブ回路等によって、撮像素子102に対して被写体の画像信号(画像データ)の取り込みを開始させる。
続いて、ステップS507において、システム制御部170は、例えば、撮像装置100の操作部162にある選択スイッチにより操作者(ユーザ)が覆い焼き処理の実施の設定をONにしているか否かを検知して、覆い焼き処理を行うか否かを判断する。
ステップS507の判断の結果、覆い焼き処理を行う場合には、ステップS508に進む。ステップS508に進むと、システム制御部170は、ステップS502で取得した被写体の測光値と、ステップS506の撮影時に取得した被写体の測光値とを比較して、照射されたストロボ光が被写体に届いたか否かを判断する。即ち、ステップS508では、ストロボ部180によるストロボの発光が有効であったか否かを判断する。
ステップS508の判断の結果、ストロボ部180によるストロボの発光が有効であった場合には、ステップS509に進む。ステップS509に進むと、覆い焼き処理部140は、システム制御部170からの制御に基づいて、最も補正効果の小さい図3の補正係数301に設定し、当該補正係数301に基づいて画像信号処理部110からの画像に対して覆い焼き処理を行う。このステップS509では、まず、補正係数算出部142において、図3に示すように、設定された補正係数301と、LPF141から出力された覆い焼き判定画像の入力輝度レベル(判定値)に基づいて、補正係数301における補正係数の値を算出する。そして、補正処理部143において、画像信号処理部110から入力された画像(画像データ)に対して、補正係数算出部142から入力された補正係数の値を掛け合わせて、覆い焼き処理を行う。その後、補正処理部143は、覆い焼き処理後の画像(画像データ)を画像圧縮処理部150に出力する。
一方、ステップS508の判断の結果、ストロボ部180によるストロボの発光が有効でなかった場合には、ステップS510に進む。ステップS510に進むと、覆い焼き処理部140は、通常の補正係数303よりも補正効果が小さく且つ補正係数301よりも補正効果の大きい図3の補正係数302に設定して、画像信号処理部110からの画像に対して覆い焼き処理を行う。このステップS510では、まず、補正係数算出部142において、図3に示すように、設定された補正係数302と、LPF141から出力された覆い焼き判定画像の入力輝度レベル(判定値)に基づいて、補正係数302における補正係数の値を算出する。そして、補正処理部143において、画像信号処理部110から入力された画像(画像データ)に対して、補正係数算出部142から入力された補正係数の値を掛け合わせて、覆い焼き処理を行う。その後、補正処理部143は、覆い焼き処理後の画像(画像データ)を画像圧縮処理部150に出力する。
一方、ステップS507の判断の結果、覆い焼き処理を行わない場合には、ステップS511に進む。ステップS511に進むと、覆い焼き処理部140は、システム制御部170からの制御に基づいて、覆い焼き処理を行わずに、画像信号処理部110から入力された画像(画像データ)を画像圧縮処理部150に出力する。
また、ステップS503の判断の結果、ストロボ部180によるストロボの発光を行うストロボ発光撮影でない場合(即ち、ストロボ部180によるストロボの発光は行わない通常撮影である場合)には、ステップS512に進む。
ステップS512に進むと、システム制御部170は、操作者(ユーザ)により操作部162にあるシャッターボタンがさらに押されてシャッターボタンがオンとなったか否かを判断する。この判断の結果、シャッターボタンがさらに押されずシャッターボタンがオンになっていない場合には、シャッターボタンがオンになるまで、ステップS512で待機する。
一方、ステップS512の判断の結果、シャッターボタンがさらに押されてシャッターボタンがオンとなった場合には、ステップS513に進む。ステップS513に進むと、システム制御部170は、通常撮影の制御を行う。具体的に、システム制御部170は、例えば不図示のドライブ回路等によって、撮像素子102に対して被写体の画像信号(画像データ)の取り込みを開始させる。
続いて、ステップS514において、システム制御部170は、例えば、撮像装置100の操作部162にある選択スイッチにより操作者(ユーザ)が覆い焼き処理の実施の設定をONにしているか否かを検知して、覆い焼き処理を行うか否かを判断する。
ステップS514の判断の結果、覆い焼き処理を行う場合には、ステップS515に進む。ステップS515に進むと、覆い焼き処理部140は、システム制御部170からの制御に基づいて、図3に示す最も補正効果が大きい通常の補正係数303に設定し、当該補正係数303に基づいて画像信号処理部110からの画像に対して覆い焼き処理を行う。このステップS515では、まず、補正係数算出部142において、図3に示すように、設定された補正係数303と、LPF141から出力された覆い焼き判定画像の入力輝度レベル(判定値)に基づいて、補正係数303における補正係数の値を算出する。そして、補正処理部143において、画像信号処理部110から入力された画像(画像データ)に対して、補正係数算出部142から入力された補正係数の値を掛け合わせて、覆い焼き処理を行う。その後、補正処理部143は、覆い焼き処理後の画像(画像データ)を画像圧縮処理部150に出力する。
一方、ステップS514の判断の結果、覆い焼き処理を行わない場合には、ステップS511に進む。ステップS511に進むと、覆い焼き処理部140は、システム制御部170からの制御に基づいて、覆い焼き処理を行わずに、画像信号処理部110から入力された画像(画像データ)を画像圧縮処理部150に出力する。
ステップS509、S510、S511、或いは、S515の処理が終了すると、ステップS516に進む。ステップS516に進むと、画像圧縮処理部150は、システム制御部170からの制御に基づいて、覆い焼き処理部140から出力された画像(画像データ)に対して圧縮処理を行い、圧縮処理した画像(画像データ)を記録部161に記録する処理を行う。その後、図5に示すフローチャートにおける処理が終了する。
次に、図6に示す、ストロボ部180に関連する撮影モードが「強制発光モード」の場合の処理手順について説明する。
図6に示すフローチャートでは、撮像装置100の操作部162にある電源スイッチが投入され、その後、ストロボ部180の使用時の撮影モードが「強制発光モード」に設定されているものとする。
この状態で、操作者(ユーザ)が操作部162にあるシャッターボタンを半押しにすると、ステップS601において、システム制御部170は、これを検知する。その後、ステップS602に進む。なお、シャッターボタンが半押しされたことを検知できでいない場合には、シャッターボタンが半押しされたことを検知するまで、ステップS601で待機する。
ステップS602に進むと、システム制御部170は、AE評価部130から被写体の測光値を取り入れる測光処理を行う。
続いて、ステップS603において、システム制御部170は、予め設定されている目標の評価値Ytと、ステップS602の測光により得られた測光値の評価値Ynとを比較し、評価値Ytが評価値Ynよりも大きいか否かを判断する。
ステップS603の判断の結果、評価値Ytが評価値Ynよりも大きい場合には、シャッタスピードを最低速値にしても輝度評価値Ynが目標評価値Ytには達しないため、ストロボ発光が不可欠であると判断し、ステップS604に進む。
ステップS604に進むと、システム制御部170は、操作者(ユーザ)により操作部162にあるシャッターボタンがさらに押されてシャッターボタンがオンとなったか否かを判断する。この判断の結果、シャッターボタンがさらに押されずシャッターボタンがオンになっていない場合には、シャッターボタンがオンになるまで、ステップS604で待機する。
一方、ステップS604の判断の結果、シャッターボタンがさらに押されてシャッターボタンがオンとなった場合には、ステップS605に進む。ステップS605に進むと、システム制御部170は、ストロボ部180によるストロボのプリ発光を行って、AE評価部130から被写体の測光値を取り入れる測光処理を行う。このステップS605では、図6のステップS505の場合と同様に、本撮影におけるストロボ部180の本発光量を決定するための測光処理が行われる。
続いて、ステップS606において、システム制御部170は、ストロボ発光撮影の制御を行う。具体的に、システム制御部170は、ステップS605で取得した測光値に応じてストロボ部180を所定量発光させる処理を行うと共に、不図示のドライブ回路等によって、撮像素子102に対して被写体の画像信号(画像データ)の取り込みを開始させる。
続いて、ステップS607において、システム制御部170は、例えば、撮像装置100の操作部162にある選択スイッチにより操作者(ユーザ)が覆い焼き処理の実施の設定をONにしているか否かを検知して、覆い焼き処理を行うか否かを判断する。
ステップS607の判断の結果、覆い焼き処理を行う場合には、ステップS608に進む。ステップS608に進むと、システム制御部170は、ステップS508の場合と同様に、ステップS602で取得した被写体の測光値と、ステップS606の撮影時に取得した被写体の測光値とを比較して、照射されたストロボ光が被写体に届いたか否かを判断する。即ち、ステップS608では、ストロボ部180によるストロボの発光が有効であったか否かを判断する。
ステップS608の判断の結果、ストロボ部180によるストロボの発光が有効であった場合には、ステップS609に進む。ステップS609に進むと、覆い焼き処理部140は、システム制御部170からの制御に基づいて、最も補正効果の小さい図3の補正係数301に設定し、当該補正係数301に基づいて画像信号処理部110からの画像に対して覆い焼き処理を行う。ここで、ステップS609の詳細な処理については、図5のステップS509と同様であるため、その説明は省略する。その後、覆い焼き処理部140は、覆い焼き処理後の画像(画像データ)を画像圧縮処理部150に出力する。
一方、ステップS608の判断の結果、ストロボ部180によるストロボの発光が有効でなかった場合には、ステップS610に進む。ステップS610に進むと、覆い焼き処理部140は、通常の補正係数303よりも補正効果が小さく且つ補正係数301よりも補正効果の大きい図3の補正係数302に設定して、画像信号処理部110からの画像に対して覆い焼き処理を行う。ここで、ステップS610の詳細な処理については、図5のステップS510と同様であるため、その説明は省略する。その後、覆い焼き処理部140は、覆い焼き処理後の画像(画像データ)を画像圧縮処理部150に出力する。
一方、ステップS607の判断の結果、覆い焼き処理を行わない場合には、ステップS611に進む。ステップS611に進むと、覆い焼き処理部140は、システム制御部170からの制御に基づいて、覆い焼き処理を行わずに、画像信号処理部110から入力された画像(画像データ)を画像圧縮処理部150に出力する。
また、ステップS603の判断の結果、評価値Ytが評価値Ynよりも大きくない場合(即ち、Yt≦Ynの場合)には、ステップS612に進む。この場合、十分な露出はあるが、日中のシンクロモードなどのように、撮影する主被写体の明るさが背景の明るさに比較して暗いような、いわゆる逆光シーンの場合もあるため、プリ発光を行う必要があると判断し、ステップS612に進む。
ステップS612に進むと、システム制御部170は、操作者(ユーザ)により操作部162にあるシャッターボタンがさらに押されてシャッターボタンがオンとなったか否かを判断する。この判断の結果、シャッターボタンがさらに押されずシャッターボタンがオンになっていない場合には、シャッターボタンがオンになるまで、ステップS612で待機する。
一方、ステップS612の判断の結果、シャッターボタンがさらに押されてシャッターボタンがオンとなった場合には、ステップS613に進む。ステップS613に進むと、システム制御部170は、ストロボ部180によるストロボのプリ発光を行って、AE評価部130から被写体の測光値を取り入れる測光処理を行う。このステップS613では、ステップS605の場合と同様に、本撮影におけるストロボ部180の本発光量を決定するための測光処理が行われる。
続いて、ステップS614において、システム制御部170は、ストロボ発光撮影の制御を行う。具体的に、システム制御部170は、ステップS613で取得した測光値に応じてストロボ部180を所定量発光させる処理を行うと共に、不図示のドライブ回路等によって、撮像素子102に対して被写体の画像信号(画像データ)の取り込みを開始させる。
続いて、ステップS615において、システム制御部170は、例えば、撮像装置100の操作部162にある選択スイッチにより操作者(ユーザ)が覆い焼き処理の実施の設定をONにしているか否かを検知して、覆い焼き処理を行うか否かを判断する。
ステップS615の判断の結果、覆い焼き処理を行う場合には、ステップS616に進む。ステップS616に進むと、覆い焼き処理部140は、システム制御部170からの制御に基づいて、図3に示す最も補正効果が大きい通常の補正係数303に設定し、当該補正係数303に基づいて画像信号処理部110からの画像に対して覆い焼き処理を行う。ここで、ステップS616の詳細な処理については、図5のステップS515と同様であるため、その説明は省略する。その後、覆い焼き処理部140は、覆い焼き処理後の画像(画像データ)を画像圧縮処理部150に出力する。
一方、ステップS615の判断の結果、覆い焼き処理を行わない場合には、ステップS611に進む。ステップS611に進むと、覆い焼き処理部140は、システム制御部170からの制御に基づいて、覆い焼き処理を行わずに、画像信号処理部110から入力された画像(画像データ)を画像圧縮処理部150に出力する。
ステップS609、S610、S611、或いは、S616の処理が終了すると、ステップS617に進む。ステップS617に進むと、画像圧縮処理部150は、システム制御部170からの制御に基づいて、覆い焼き処理部140から出力された画像(画像データ)に対して圧縮処理を行い、圧縮処理した画像(画像データ)を記録部161に記録する処理を行う。その後、図6に示すフローチャートにおける処理が終了する。
次に、図7に示す、ストロボ部180に関連する撮影モードが「発光オフモード」の場合の処理手順について説明する。
図7に示すフローチャートでは、撮像装置100の操作部162にある電源スイッチが投入され、その後、ストロボ部180の使用時の撮影モードが「発光オフモード」に設定されているものとする。
この状態で、まず、ステップS701において、システム制御部170は、例えば、撮像装置100の操作部162にある選択スイッチにより、覆い焼き処理の実施を行うかの確認処理を行う。なお、図7に示すフローチャートでは、ステップS701で覆い焼き処理の実施確認処理を行っているが、図5及び図6の場合と同様に、後述するステップS706の処理で一括して確認処理を行う形態であっても良い。
続いて、操作者(ユーザ)が操作部162にあるシャッターボタンを半押しにすると、ステップS702において、システム制御部170は、これを検知する。その後、ステップS703に進む。なお、シャッターボタンが半押しされたことを検知できでいない場合には、シャッターボタンが半押しされたことを検知するまで、ステップS702で待機する。
ステップS703に進むと、システム制御部170は、AE評価部130から被写体の測光値を取り入れる測光処理を行い、露出調整を行う。
続いて、ステップS704において、システム制御部170は、操作者(ユーザ)により操作部162にあるシャッターボタンがさらに押されてシャッターボタンがオンとなったか否かを判断する。この判断の結果、シャッターボタンがさらに押されずシャッターボタンがオンになっていない場合には、シャッターボタンがオンになるまで、ステップS704で待機する。
一方、ステップS704の判断の結果、シャッターボタンがさらに押されてシャッターボタンがオンとなった場合には、ステップS705に進む。ステップS705に進むと、システム制御部170は、通常撮影の制御を行う。具体的に、システム制御部170は、例えば不図示のドライブ回路等によって、撮像素子102に対して被写体の画像信号(画像データ)の取り込みを開始させる。
続いて、ステップS706において、システム制御部170は、例えば、ステップS701の覆い焼き処理の実施確認処理の結果に基づいて、覆い焼き処理を行うか否かを判断する。即ち、ステップS706では、例えば、撮像装置100の操作部162にある選択スイッチにより操作者(ユーザ)が覆い焼き処理の実施の設定をONにしているか否かに基づいて、覆い焼き処理を行うか否かを判断する。
ステップS706の判断の結果、覆い焼き処理を行う場合には、ステップS707に進む。ステップS707に進むと、覆い焼き処理部140は、システム制御部170からの制御に基づいて、図3に示す最も補正効果が大きい通常の補正係数303に設定し、当該補正係数303に基づいて画像信号処理部110からの画像に対して覆い焼き処理を行う。ここで、ステップS707の詳細な処理については、図5のステップS515と同様であるため、その説明は省略する。その後、覆い焼き処理部140は、覆い焼き処理後の画像(画像データ)を画像圧縮処理部150に出力する。
一方、ステップS706の判断の結果、覆い焼き処理を行わない場合には、ステップS708に進む。ステップS708に進むと、覆い焼き処理部140は、システム制御部170からの制御に基づいて、覆い焼き処理を行わずに、画像信号処理部110から入力された画像(画像データ)を画像圧縮処理部150に出力する。
ステップS707、或いは、S708の処理が終了すると、ステップS709に進む。ステップS709に進むと、画像圧縮処理部150は、システム制御部170からの制御に基づいて、覆い焼き処理部140から出力された画像(画像データ)に対して圧縮処理を行い、圧縮処理した画像(画像データ)を記録部161に記録する処理を行う。その後、図7に示すフローチャートにおける処理が終了する。
なお、ストロボ部180に関連する各撮影モードにおける覆い焼き処理の実施の有無の切り換えは、上述したものに限定されるものではない。
例えば、以下の表1に示すように、全ての撮影モードにおいて、撮影前に操作者が操作部162の選択スイッチにより覆い焼き処理の実施の有無を選択できるようにしておき、操作者の指示に従って撮影時に覆い焼き処理の実施の有無を決定することも可能である。
また、以下の表2に示すように、撮影後、ストロボ発光時のみ表示部160に覆い焼き処理の実施の有無を選択するための画面を表示すると共に、操作部162の選択スイッチにより覆い焼き処理の実施の有無を決定することも可能である。一方、ストロボ非発光時の場合には、自動的に処理を行うようにすることも可能である。
さらに、以下の表3に示すように、「強制発光モード」の場合は、操作者がストロボの効果を意図していると考えられるため、この場合には処理を実施せず、その他の撮影モードの場合には自動的に処理を行うようにすることも可能である。
本実施形態の撮像装置100は、撮影モードの自動設定機能や、操作者(ユーザ)による覆い焼き処理の実施の有無の選択等の機能を有し、これらの設定や選択により、それぞれに応じた処理が実行可能に構成されている。
なお、本実施形態では、ストロボ部180の発光の有無等に応じて補正係数を設定するようにしているが、「自動発光モード」、「強制発光モード」及び「発光オフモード」の各発光モードに応じて補正係数を設定する形態も適用可能である。この場合、例えば、発光モードが「強制発光モード」である場合とそれ以外の発光モードの場合とで補正係数による補正量を変えるようにする形態を適用できる。また、ストロボ撮影時のストロボ光の反射量に応じて、補正係数による補正量を変えるようにする形態も適用可能である。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
ここで、第2の実施形態に係る撮像装置の概略構成は、図1に示す撮像装置の概略構成と同様である。
以下、第2の実施形態の撮像装置100における通常撮影及びストロボ撮影における覆い焼き処理を含む各種の処理について、図1、図4及び図8〜図10を用いて説明する。
図8及び図9は、本発明の第2の実施形態に係る撮像装置の制御方法における処理手順の一例を示すフローチャートである。具体的に、図8には、ストロボ部180に関連する撮影モードとして「自動発光モード」の場合のフローチャートが示されている。また、図9には、ストロボ部180に関連する撮影モードとして「強制発光モード」の場合のフローチャートが示されている。
また、図10は、図1に示す顔検知処理部112で行われる顔検知処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。第2の実施形態は、顔検知処理部112による顔検知処理とその情報を利用した覆い焼き処理の制御を行う点で、第1の実施形態とは異なる。即ち、第2の実施形態では、画像の輝度レベルおよびストロボ部180の発光状態等に加えて、顔検知処理部112による顔の検知状態も考慮して、補正係数を設定するものである。
まず、図8に示す、ストロボ部180に関連する撮影モードが「自動発光モード」の場合の処理手順について説明する。
図8に示すフローチャートでは、撮像装置100の操作部162にある電源スイッチが投入され、その後、ストロボ部180の使用時の撮影モードが「自動発光モード」に設定されているものとする。
この状態で、操作者(ユーザ)が操作部162にあるシャッターボタンを半押しにすると、ステップS801において、システム制御部170は、これを検知する。その後、ステップS802に進む。なお、シャッターボタンが半押しされたことを検知できでいない場合には、シャッターボタンが半押しされたことを検知するまで、ステップS801で待機する。
ステップS802に進むと、システム制御部170は、AE評価部130から被写体の測光値を取り入れる測光処理を行う。
続いて、ステップS803において、システム制御部170は、ステップS802でAE評価部130から取得した被写体の測光値に基づいて、ストロボ部180によるストロボの発光を行うか否かを判断する。このステップS803の具体的な判断処理について、以下に説明する。
具体的に、ステップS803では、まず、図4に示すような被写体の明るさと時間との関係を示す露出特性を参照して、例えば、ストロボ撮影時の基準の明るさLv=8のときのシャッター時間t1より長い時間露出するのか、短い時間露出するのかを判断する。この場合、図4に示すように、システム制御部170は、シャッター時間t1よりも短い時間の露出の場合には、ストロボ部180によるストロボの発光は行わない通常撮影であると判断する。一方、図4に示すように、システム制御部170は、シャッター時間t1よりも長い時間の露出の場合には、ストロボ部180によるストロボの発光を行うストロボ発光撮影と判断する。
ステップS803の判断の結果、ストロボ部180によるストロボの発光を行うストロボ発光撮影である場合には、ステップS804に進む。
ステップS804に進むと、システム制御部170は、操作者(ユーザ)により操作部162にあるシャッターボタンがさらに押されてシャッターボタンがオンとなったか否かを判断する。この判断の結果、シャッターボタンがさらに押されずシャッターボタンがオンになっていない場合には、シャッターボタンがオンになるまで、ステップS804で待機する。
一方、ステップS804の判断の結果、シャッターボタンがさらに押されてシャッターボタンがオンとなった場合には、ステップS805に進む。ステップS805に進むと、システム制御部170は、ストロボ部180によるストロボのプリ発光を行って、AE評価部130から被写体の測光値を取り入れる測光処理を行う。具体的に、AE評価部130は、当該プリ発光に基づく領域積分回路部120の出力画像の輝度を測光し、当該測光値データから発光量を計算する。即ち、ステップS805では、ステップS806の本撮影におけるストロボ部180の本発光量を決定するための測光処理を行う。
続いて、ステップS806において、システム制御部170は、ストロボ発光撮影の制御を行う。具体的に、システム制御部170は、ステップS805で取得した測光値に応じてストロボ部180を所定量発光させる処理を行うと共に、不図示のドライブ回路等によって、撮像素子102に対して被写体の画像信号(画像データ)の取り込みを開始させる。
続いて、ステップS807において、顔検知処理部112は、システム制御部170からの制御に基づいて、A/D変換回路部103から出力された画像から被写体の顔の検知処理を行い、顔が検出できたか否かを判断する。
以下、ステップS807において行われる顔の検知処理について、図10を用いて詳細に説明する。図8のステップS807の処理が開始されると、図10のステップS1001に移行する。
まず、ステップS1001において、顔検知処理部112は、A/D変換回路部103から出力された画像(画像データ)のうちの色データの中から、肌色データが含まれる肌色領域を検知する処理を行う。
続いて、ステップS1002において、顔検知処理部112は、顔の特徴を示すパターン目や口の形状の画像パターンと、A/D変換回路部103から出力された対象画像とのパターンマッチング処理を実行する。
続いて、ステップS1003において、顔検知処理部112は、ステップ1001及びステップ1002の処理結果に基づいて、対象画像内に顔領域が存在する否かを判断する。この判断の結果、対象画像内に顔領域が存在しない場合には、顔の検知処理は行わず、図10のフローチャートにおける処理を終了する。そして、この場合、図8のステップS807では、顔が検出できなかったと判断される。
一方、ステップS1003の判断の結果、対象画像内に顔領域が存在する場合には、ステップS1004に進む。ステップS1004に進むと、顔検知処理部112は、ステップS1003で判断された対象画像内の顔検知処理を行って、当該対象画像から顔領域を抽出する処理を行う。その後、顔検知処理部112は、抽出した顔領域に係る情報を覆い焼き処理部140へ送る。そして、この場合、図8のステップS807では、顔が検出できたと判断される。
ここで、再び、図8の説明に戻る。
ステップS807の判断の結果、顔が検出できた場合には、ステップS808に進む。
ステップS808に進むと、まず、例えば覆い焼き処理部140は、顔検知処理部112からの顔領域サイズの情報と、操作部162による撮像装置100のズーム倍率の情報から、顔を検出した全ての被写体までのおおよその距離Dnを算出する。さらに、例えば覆い焼き処理部140は、ステップS806の撮影時のストロボの発光量の情報から、ストロボ光の到達距離Dtを算出する。
そして、ステップS808において、例えば覆い焼き処理部140は、各被写体について、ストロボ光の到達距離Dtと各被写体までの距離Dnを比較し、ストロボ光の到達距離Dtが被写体までの距離Dn未満であるか否かを判断する。なお、本例では、ステップS808の処理は、覆い焼き処理部140がシステム制御部170からの制御に基づいて行う場合を示しているが、例えば、システム制御部170において行う形態であっても良い。
ステップS808の判断の結果、ストロボ光の到達距離Dtが被写体までの距離Dn未満である場合には、ステップS809に進む。ステップS809に進むと、覆い焼き処理部140は、システム制御部170からの制御に基づいて、最も補正効果の小さい図3の補正係数301に設定し、当該補正係数301に基づいて画像信号処理部110からの画像に対して覆い焼き処理を行う。ここで、ステップS809の詳細な処理については、第1の実施形態における図5のステップS509と同様であるため、その説明は省略する。その後、覆い焼き処理部140は、覆い焼き処理後の画像(画像データ)を画像圧縮処理部150に出力する。
一方、ステップS808の判断の結果、ストロボ光の到達距離Dtが被写体までの距離Dn未満でない場合(即ち、Dt≧Dnである場合)には、ステップS810に進む。ステップS810に進むと、覆い焼き処理部140は、この場合はストロボ部180からのストロボ光が被写体に届いたと考えられるため、通常の補正係数303よりも補正効果が小さく且つ補正係数301よりも補正効果の大きい図3の補正係数302に設定する。そして、覆い焼き処理部140は、補正係数302に基づいて、画像信号処理部110からの画像に対して覆い焼き処理を行う。ここで、ステップS810の詳細な処理については、第1の実施形態における図5のステップS510と同様であるため、その説明は省略する。その後、覆い焼き処理部140は、覆い焼き処理後の画像(画像データ)を画像圧縮処理部150に出力する。
一方、ステップS807の判断の結果、顔が検出できなかった場合には、ステップS811に進む。ステップS811に進むと、システム制御部170は、ステップS802で取得した被写体の測光値と、ステップS806の撮影時に取得した被写体の測光値とを比較して、照射されたストロボ光が被写体に届いたか否かを判断する。即ち、ステップS811では、ストロボ部180によるストロボの発光が有効であったか否かを判断する。
ステップS811の判断の結果、ストロボ部180によるストロボの発光が有効であった場合には、ステップS812に進む。ステップS812に進むと、覆い焼き処理部140は、システム制御部170からの制御に基づいて、最も補正効果の小さい図3の補正係数301に設定し、当該補正係数301に基づいて画像信号処理部110からの画像に対して覆い焼き処理を行う。ここで、ステップS812の詳細な処理については、ステップS809と同様に、第1の実施形態における図5のステップS509と同様であるため、その説明は省略する。その後、覆い焼き処理部140は、覆い焼き処理後の画像(画像データ)を画像圧縮処理部150に出力する。
一方、ステップS811の判断の結果、ストロボ部180によるストロボの発光が有効でなかった場合には、ステップS813に進む。ステップS813に進むと、覆い焼き処理部140は、通常の補正係数303よりも補正効果が小さく且つ補正係数301よりも補正効果の大きい図3の補正係数302に設定して、画像信号処理部110からの画像に対して覆い焼き処理を行う。ここで、ステップS813の詳細な処理については、ステップS810と同様に、第1の実施形態における図5のステップS510と同様であるため、その説明は省略する。その後、覆い焼き処理部140は、覆い焼き処理後の画像(画像データ)を画像圧縮処理部150に出力する。
また、ステップS803の判断の結果、ストロボ部180によるストロボの発光を行うストロボ発光撮影でない場合(即ち、ストロボ部180によるストロボの発光は行わない通常撮影である場合)には、ステップS814に進む。
ステップS814に進むと、システム制御部170は、操作者(ユーザ)により操作部162にあるシャッターボタンがさらに押されてシャッターボタンがオンとなったか否かを判断する。この判断の結果、シャッターボタンがさらに押されずシャッターボタンがオンになっていない場合には、シャッターボタンがオンになるまで、ステップS814で待機する。
一方、ステップS814の判断の結果、シャッターボタンがさらに押されてシャッターボタンがオンとなった場合には、ステップS815に進む。ステップS815に進むと、システム制御部170は、通常撮影の制御を行う。具体的に、システム制御部170は、例えば不図示のドライブ回路等によって、撮像素子102に対して被写体の画像信号(画像データ)の取り込みを開始させる。
続いて、ステップS816において、覆い焼き処理部140は、図3に示す最も補正効果が大きい通常の補正係数303に設定し、当該補正係数303に基づいて画像信号処理部110からの画像に対して覆い焼き処理を行う。ここで、ステップS816の詳細な処理については、第1の実施形態における図5のステップS515と同様であるため、その説明は省略する。その後、覆い焼き処理部140は、覆い焼き処理後の画像(画像データ)を画像圧縮処理部150に出力する。
ステップS809、S810、S812、S813、或いは、S816の処理が終了すると、ステップS817に進む。ステップS817に進むと、画像圧縮処理部150は、システム制御部170からの制御に基づいて、覆い焼き処理部140から出力された画像(画像データ)に対して圧縮処理を行い、圧縮処理した画像(画像データ)を記録部161に記録する処理を行う。その後、図8に示すフローチャートにおける処理が終了する。
次に、図9に示す、ストロボ部180に関連する撮影モードが「強制発光モード」の場合の処理手順について説明する。
図9に示すフローチャートでは、撮像装置100の操作部162にある電源スイッチが投入され、その後、ストロボ部180の使用時の撮影モードが「強制発光モード」に設定されているものとする。
この状態で、操作者(ユーザ)が操作部162にあるシャッターボタンを半押しにすると、ステップS901において、システム制御部170は、これを検知する。その後、ステップS902に進む。なお、シャッターボタンが半押しされたことを検知できでいない場合には、シャッターボタンが半押しされたことを検知するまで、ステップS901で待機する。
ステップS902に進むと、システム制御部170は、AE評価部130から被写体の測光値を取り入れる測光処理を行う。
続いて、ステップS903において、システム制御部170は、予め設定されている目標の評価値Ytと、ステップS902の測光により得られた測光値の評価値Ynとを比較し、評価値Ytが評価値Ynよりも大きいか否かを判断する。
ステップS903の判断の結果、評価値Ytが評価値Ynよりも大きい場合には、シャッタスピードを最低速値にしても輝度評価値Ynが目標評価値Ytには達しないため、ストロボ発光が不可欠であると判断し、ステップS904に進む。
ステップS904に進むと、システム制御部170は、操作者(ユーザ)により操作部162にあるシャッターボタンがさらに押されてシャッターボタンがオンとなったか否かを判断する。この判断の結果、シャッターボタンがさらに押されずシャッターボタンがオンになっていない場合には、シャッターボタンがオンになるまで、ステップS904で待機する。
一方、ステップS904の判断の結果、シャッターボタンがさらに押されてシャッターボタンがオンとなった場合には、ステップS905に進む。ステップS905に進むと、システム制御部170は、ストロボ部180によるストロボのプリ発光を行って、AE評価部130から被写体の測光値を取り入れる測光処理を行う。このステップS905では、第1の実施形態における図6のステップS605の場合と同様に、本撮影におけるストロボ部180の本発光量を決定するための測光処理が行われる。
続いて、ステップS906において、システム制御部170は、ストロボ発光撮影の制御を行う。具体的に、システム制御部170は、ステップS905で取得した測光値に応じてストロボ部180を所定量発光させる処理を行うと共に、不図示のドライブ回路等によって、撮像素子102に対して被写体の画像信号(画像データ)の取り込みを開始させる。
続いて、ステップS907において、顔検知処理部112は、システム制御部170からの制御に基づいて、A/D変換回路部103から出力された画像から被写体の顔の検知処理を行い、顔が検出できたか否かを判断する。ここで、ステップS907の詳細な処理については、図8のステップS807における処理と同様であるため、その説明は省略する。
ステップS907の判断の結果、顔が検出できた場合には、ステップS908に進む。ステップS908に進むと、例えば覆い焼き処理部140は、各被写体について、ストロボ光の到達距離Dtと各被写体までの距離Dnを比較し、ストロボ光の到達距離Dtが被写体までの距離Dn未満であるか否かを判断する。ここで、ステップS908の詳細な処理については、図8のステップS808における処理と同様であるため、その説明は省略する。
ステップS908の判断の結果、ストロボ光の到達距離Dtが被写体までの距離Dn未満である場合には、ステップS909に進む。ステップS909に進むと、覆い焼き処理部140は、システム制御部170からの制御に基づいて、最も補正効果の小さい図3の補正係数301に設定し、当該補正係数301に基づいて画像信号処理部110からの画像に対して覆い焼き処理を行う。ここで、ステップS909の詳細な処理については、第1の実施形態における図5のステップS509と同様であるため、その説明は省略する。その後、覆い焼き処理部140は、覆い焼き処理後の画像(画像データ)を画像圧縮処理部150に出力する。
一方、ステップS908の判断の結果、ストロボ光の到達距離Dtが被写体までの距離Dn未満でない場合(即ち、Dt≧Dnである場合)には、ステップS910に進む。ステップS910に進むと、覆い焼き処理部140は、この場合はストロボ部180からのストロボ光が被写体に届いたと考えられるため、通常の補正係数303よりも補正効果が小さく且つ補正係数301よりも補正効果の大きい図3の補正係数302に設定する。そして、覆い焼き処理部140は、補正係数302に基づいて、画像信号処理部110からの画像に対して覆い焼き処理を行う。ここで、ステップS910の詳細な処理については、第1の実施形態における図5のステップS510と同様であるため、その説明は省略する。その後、覆い焼き処理部140は、覆い焼き処理後の画像(画像データ)を画像圧縮処理部150に出力する。
一方、ステップS907の判断の結果、顔が検出できなかった場合には、ステップS911に進む。ステップS911に進むと、システム制御部170は、ステップS902で取得した被写体の測光値と、ステップS906の撮影時に取得した被写体の測光値とを比較して、照射されたストロボ光が被写体に届いたか否かを判断する。即ち、ステップS911では、ストロボ部180によるストロボの発光が有効であったか否かを判断する。
ステップS911の判断の結果、ストロボ部180によるストロボの発光が有効であった場合には、ステップS912に進む。ステップS912に進むと、覆い焼き処理部140は、システム制御部170からの制御に基づいて、最も補正効果の小さい図3の補正係数301に設定し、当該補正係数301に基づいて画像信号処理部110からの画像に対して覆い焼き処理を行う。ここで、ステップS912の詳細な処理については、ステップS909と同様に、第1の実施形態における図5のステップS509と同様であるため、その説明は省略する。その後、覆い焼き処理部140は、覆い焼き処理後の画像(画像データ)を画像圧縮処理部150に出力する。
一方、ステップS911の判断の結果、ストロボ部180によるストロボの発光が有効でなかった場合には、ステップS913に進む。ステップS913に進むと、覆い焼き処理部140は、通常の補正係数303よりも補正効果が小さく且つ補正係数301よりも補正効果の大きい図3の補正係数302に設定して、画像信号処理部110からの画像に対して覆い焼き処理を行う。ここで、ステップS913の詳細な処理については、ステップS910と同様に、第1の実施形態における図5のステップS510と同様であるため、その説明は省略する。その後、覆い焼き処理部140は、覆い焼き処理後の画像(画像データ)を画像圧縮処理部150に出力する。
また、ステップS903の判断の結果、評価値Ytが評価値Ynよりも大きくない場合(即ち、Yt≦Ynの場合)には、ステップS914に進む。この場合、十分な露出はあるが、日中のシンクロモードなどのように、撮影する主被写体の明るさが背景の明るさに比較して暗いような、いわゆる逆光シーンの場合もあるため、プリ発光を行う必要があると判断し、ステップS914に進む。
ステップS914に進むと、システム制御部170は、操作者(ユーザ)により操作部162にあるシャッターボタンがさらに押されてシャッターボタンがオンとなったか否かを判断する。この判断の結果、シャッターボタンがさらに押されずシャッターボタンがオンになっていない場合には、シャッターボタンがオンになるまで、ステップS914で待機する。
一方、ステップS914の判断の結果、シャッターボタンがさらに押されてシャッターボタンがオンとなった場合には、ステップS915に進む。ステップS915に進むと、システム制御部170は、ストロボ部180によるストロボのプリ発光を行って、AE評価部130から被写体の測光値を取り入れる測光処理を行う。このステップS915では、ステップS905の場合と同様に、本撮影におけるストロボ部180の本発光量を決定するための測光処理が行われる。
続いて、ステップS916において、システム制御部170は、ストロボ発光撮影の制御を行う。具体的に、システム制御部170は、ステップS915で取得した測光値に応じてストロボ部180を所定量発光させる処理を行うと共に、不図示のドライブ回路等によって、撮像素子102に対して被写体の画像信号(画像データ)の取り込みを開始させる。
続いて、ステップS917において、覆い焼き処理部140は、図3に示す最も補正効果が大きい通常の補正係数303に設定し、当該補正係数303に基づいて画像信号処理部110からの画像に対して覆い焼き処理を行う。ここで、ステップS917の詳細な処理については、図5のステップS515と同様であるため、その説明は省略する。その後、覆い焼き処理部140は、覆い焼き処理後の画像(画像データ)を画像圧縮処理部150に出力する。
ステップS909、S910、S912、S913、或いは、S917の処理が終了すると、ステップS918に進む。ステップS918に進むと、画像圧縮処理部150は、システム制御部170からの制御に基づいて、覆い焼き処理部140から出力された画像(画像データ)に対して圧縮処理を行い、圧縮処理した画像(画像データ)を記録部161に記録する処理を行う。その後、図9に示すフローチャートにおける処理が終了する。
なお、第2の実施形態の撮像装置100において、ストロボ部180に関連する撮影モードが「発光オフモード」の場合の処理手順については、第1の実施形態における図7に示すフローチャートと同様であるため、その説明は省略する。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
ここで、第3の実施形態に係る撮像装置の概略構成は、図1に示す撮像装置の概略構成と同様である。
以下、第3の実施形態の撮像装置100における通常撮影及びストロボ撮影における覆い焼き処理を含む各種の処理について、図1、図4、図11〜図18を用いて説明する。
図11及び図12は、本発明の第3の実施形態に係る撮像装置の制御方法における処理手順の一例を示すフローチャートである。具体的に、図11には、ストロボ部180に関連する撮影モードとして「自動発光モード」の場合のフローチャートが示されている。また、図12には、ストロボ部180に関連する撮影モードとして「強制発光モード」の場合のフローチャートが示されている。
第3の実施形態は、測距情報取得部111による測距処理とその情報を利用した覆い焼き処理の制御を行う点で、第1の実施形態とは異なる。即ち、第3の実施形態では、画像の輝度レベルおよびストロボ部180の発光状態等に加えて、測距情報取得部111で取得した測距情報も考慮して、補正係数を設定するものである。
まず、図11に示す、ストロボ部180に関連する撮影モードが「自動発光モード」の場合の処理手順について説明する。
図11に示すフローチャートでは、撮像装置100の操作部162にある電源スイッチが投入され、その後、ストロボ部180の使用時の撮影モードが「自動発光モード」に設定されているものとする。
この状態で、操作者(ユーザ)が操作部162にあるシャッターボタンを半押しにすると、ステップS1101において、システム制御部170は、これを検知する。その後、ステップS1102に進む。なお、シャッターボタンが半押しされたことを検知できでいない場合には、シャッターボタンが半押しされたことを検知するまで、ステップS1101で待機する。
ステップS1102に進むと、システム制御部170は、AE評価部130から被写体の測光値を取り入れる測光処理を行う。さらに、ステップS1102において、システム制御部170は、測光処理時と共にAF処理を行う制御をする。
以下に、ステップS1102のAF処理について説明する。
AF処理における焦点検出方式には、いくつかの方法があり、例えば、以下に示す方法が挙げられる。まず、撮像素子102の光電変換部群の一部が撮影レンズ(レンズ群101)の瞳の特定領域を透過する光束を受光するように構成する。そして、光電変換部群の一部である特定の光電変換部の出力から得られるA像信号とB像信号との位相差に基づいて、撮影レンズ(レンズ群101)の焦点状態を検出する方法がある。
ここで、位相差とは、2つの像信号の相対的な位置関係のことである。また、通常の撮影画像を撮像する場合は、撮影レンズ(レンズ群101)の特定領域を透過する光束を受光する特定の光電変換部の出力を除いた他の光電変換部群の出力に基づき撮影画像を生成する。即ち、この場合、撮像素子102は、特定の光電変換部を備える測距用画素と、他の光電変換部を備える色画素を有して構成されることになる。そして、この場合、撮像素子102の測距用画素の画素値をその周辺の色画素の画素値を用いて補間した後、信号処理、画像圧縮処理を行って、例えば、JPEG形式やTIFF形式の画像データを生成し、記録部161に記録することになる。
AF処理について、図13及び図14を用いて説明する。
図13は、図1に示す撮像素子102の画素配列の一例を示す模式図である。この際、撮像素子102は、例えば、CCD或いはCMOS等で構成される。
図13に示す基本画素配列は、緑画素、赤画素及び青画素のベイヤ配列となっている。各画素には、光電変換部で受光する光束が通過する開口部が構成されている。図13では、緑画素における開口部をG、赤画素における開口部をR、青画素における開口部をBとしている。
緑画素の開口部Gには、緑色光束を通過させる色フィルターが配設され、赤画素の開口部Rには赤色光束を通過させる色フィルター配設され、青画素の開口部Bには青色光束を通過させる色フィルターが配設されている。そして、各開口部の下方には、光電変換部が形成されている。1つの画素は、1つの光電変換部と、その上方に配置される色フィルターと、さらにその上方に配置されるマイクロレンズとを有して構成されている。
図13のa及びbに示すように、斜め一列に並ぶ緑画素(G)のうち少なくとも一列が、測距用画素(焦点検出用画素ともいう)の列となっており、この測距用画素には、色フィルターが配設されずに構成されている。そして、隣接して一列に並ぶ測距用画素(焦点検出用画素)の開口部の一部に遮光層を設けて、光電変換部の射出瞳が撮影レンズ(レンズ群101)の光軸に対して偏りを持つように構成されている。この際、この偏りの向きは、隣り合う測距用画素同士で逆向きとなっている。
測距用画素a及び測距用画素bを通過した光束を受光して得られる信号が、それぞれ、A像信号とB像信号となる。このA像信号−B像信号を受光する測距用画素a及び測距用画素bは、図13に示すように同一ラインに並んでいる。A像信号−B像信号は、被写体の同一ラインから発せられた光による像信号である。そのため、焦点検出状態を検出する際に、A像信号−B像信号は、ほぼ一致した形状が得られる。焦点検出を行うには、このA像信号−B像信号に対して相関演算を行い、2つの像信号のずれ量から撮影レンズ(レンズ群101)のデフォーカス量を算出する。そして、算出したデフォーカス量に基づいて、撮影レンズ(レンズ群101)を駆動し、ピント合わせを行う。
ここで、デフォーカス量の算出における相関演算処理について説明する。
図14は、デフォーカス量の算出における相関演算処理を説明するための図である。
図14(a)に示すようなA像信号、B像信号が得られたとすると、生成した2つの像信号の位相差は、撮影レンズの結像状態(合焦状態、前ピン状態、後ピン状態)により変化する。撮影レンズが合焦状態の場合に2つの像信号の位相差は無くなり、前ピン状態と後ピン状態では異なる方向の位相差が生じる。さらにこの2つの像信号の位相差は、撮影レンズのデフォーカス量と一定の関係がある。ここで、デフォーカス量とは、撮影レンズにより被写体像が結像している位置とマイクロレンズ上面との距離である。この2つの像信号の位相差から撮影レンズのデフォーカス量を求め、撮影レンズが合焦状態になるようなレンズ駆動量を算出することで焦点検出を行う。
2つの像信号の位相差は、2つの像信号の相関を取ることで求める。
この際、相関の取り方は"MINアルゴリズム"と呼ばれるもので、A像信号の出力データをA[1]〜A[n]とし、B像信号の出力データをB[1]〜B[n]とすると、図14(a)に示す相関量U0は、以下の(1)式で算出される。
ここで、min(a,b)は、a,bの小さい方の値のことである。まず、この相関量U0を計算する。次に、図14(b)に示すように、A像信号を信号電圧の1ビットシフトしたデータとB像信号のデータの相関量U1を計算する。この相関量U1は、以下の(2)式で算出される。
このように1ビットずつシフトした相関量を次々に計算する。また、図14(c)に示すように、2つの像信号が一致していれば、この相関量は最大値をとるので、その最大値をとるシフト量を求め、その前後のデータから相関量の真の最大値を補間して求め、そのシフト量を2つの像信号の位相差とする。そして、この2つの像信号の位相差から撮影レンズのデフォーカス量を求め、撮影レンズが合焦状態になるようなレンズ駆動量を算出することで焦点検出を行う。
ここで、再び、図11の説明に戻る。
ステップS1102で測光処理及びAF処理が終了すると、被写体にピントがあっている状態となり、その後、ステップS1103に進む。ステップS1103に進むと、システム制御部170は、ステップS1102でAE評価部130から取得した被写体の測光値に基づいて、ストロボ部180によるストロボの発光を行うか否かを判断する。このステップS1103の具体的な判断処理について、以下に説明する。
具体的に、ステップS1103では、まず、図4に示すような被写体の明るさと時間との関係を示す露出特性を参照して、例えば、ストロボ撮影時の基準の明るさLv=8のときのシャッター時間t1より長い時間露出するのか、短い時間露出するのかを判断する。この場合、図4に示すように、システム制御部170は、シャッター時間t1よりも短い時間の露出の場合には、ストロボ部180によるストロボの発光は行わない通常撮影であると判断する。一方、図4に示すように、システム制御部170は、シャッター時間t1よりも長い時間の露出の場合には、ストロボ部180によるストロボの発光を行うストロボ発光撮影と判断する。
ステップS1103の判断の結果、ストロボ部180によるストロボの発光を行うストロボ発光撮影である場合には、ステップS1104に進む。
ステップS1104に進むと、システム制御部170は、操作者(ユーザ)により操作部162にあるシャッターボタンがさらに押されてシャッターボタンがオンとなったか否かを判断する。この判断の結果、シャッターボタンがさらに押されずシャッターボタンがオンになっていない場合には、シャッターボタンがオンになるまで、ステップS1104で待機する。
一方、ステップS1104の判断の結果、シャッターボタンがさらに押されてシャッターボタンがオンとなった場合には、ステップS1105に進む。ステップS1105に進むと、システム制御部170は、ストロボ部180によるストロボのプリ発光を行って、AE評価部130から被写体の測光値を取り入れる測光処理を行う。具体的に、AE評価部130は、当該プリ発光に基づく領域積分回路部120の出力画像の輝度を測光し、当該測光値データから発光量を計算する。即ち、ステップS1105では、ステップS1106の本撮影におけるストロボ部180の本発光量を決定するための測光処理を行う。
続いて、ステップS1106において、システム制御部170は、ストロボ発光撮影の制御を行う。具体的に、システム制御部170は、ステップS1105で取得した測光値に応じてストロボ部180を所定量発光させる処理を行うと共に、不図示のドライブ回路等によって、撮像素子102に対して被写体の画像信号(画像データ)の取り込みを開始させる。
続いて、ステップS1107において、測距情報取得部111は、システム制御部170からの制御に基づいて、測距情報を取得する測距情報取得処理を行う。以下、ステップS1107の詳細について説明する。
図15は、図1に示す撮像素子102の各画素に基づき取得される画像データの概念図である。図15に示す画像データは、通常のベイヤ配列の画素であるG、R、Bと測距用画素(焦点検出用画素)a、bを複数もつラインで得られた画像データである。図15に示すGは緑画素の画素データ、Rは緑画素の画素データ、Bは緑画素の画素データを示し、a1〜a4及びb1〜b4は測距用画素(焦点検出用画素)の画素データを示している。
ここで、測距情報取得部111は、測距情報取得処理として、測距用画素(焦点検出用画素)の分離処理を行う。
図16は、図1に示す測距情報取得部111で行われる測距用画素(焦点検出用画素)の分離処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS1601において、測距情報取得部111は、例えば、不図示のEEPROM(電気的消去可能プログラマブルROM)に調整工程等によって予め格納されている撮像素子102の測距用画素(焦点検出用画素)の位置情報を読み込む処理を行う。
続いて、ステップS1602において、測距情報取得部111は、ステップS1602で読み込んだ位置情報に基づいて、撮像素子102の測距用画素(焦点検出用画素)における画素情報を読み込む処理を行う。
続いて、ステップS1603において、測距情報取得部111は、撮像素子102からA/D変換回路部103を介して入力された撮影画像における被写体距離を演算して算出する。
具体的に、ステップS1063では、まず、ステップS1602で読み込んだ画素情報をX(行)方向に8画素、Y(列)方向に6画素の小ブロックに分け、デフォーカス量と方向を算出し、撮影レンズ(レンズ群101)のレンズ繰り出し量を決定する。そして、当該小ブロックにおける被写体距離をD、撮影レンズの繰り出し量をp、焦点距離をfとすると、以下に示す近似式である(3)式を用いて、当該小ブロックに対応する撮影画像の被写体距離を算出する。
D≒f2/P ・・・(3)
上述した被写体距離の算出方法は一例であり、他の算出方法を用いても良い。
続いて、ステップS1604において、測距情報取得部111は、ステップS1603における小ブロックの演算結果と小ブロックのMAPアドレスを、例えば、不図示のRAMへ格納する。
続いて、ステップS1605において、測距情報取得部111は、撮影画像データの最終行(位置情報の最終行)まで読み込み、当該撮影画像データの処理が終了したか否かを判断する。この判断の結果、当該撮影画像データの処理が終了していない場合には、ステップS1601に戻る。
一方、ステップS1605の判断の結果、当該撮影画像データの処理が終了した場合には、図16に示すフローチャートの処理を終了する。
図17は、図16に示す測距用画素(焦点検出用画素)の分離処理により得られた測距情報のフィルフォーマットの一例を示す模式図である。
この図17は、図15に示す測距用画素(焦点検出用画素)の画素データa1〜a4及びb1〜b4からの測距情報(MAP情報)を示したものである。
図18は、撮影シーンとそれに対応して作成される測距情報(MAP情報)の概念を示す模式図である。ここで、図18(a)に撮影シーンの一例を示し、図18(b)に、図18(a)に示す撮影シーンにおける測距情報(MAP情報)を示す。
図18(b)に示す測距情報(MAP情報)1801は、上述した小ブロックの測距情報(MAP情報)の一例を示すものである。図18(b)の各小ブロックに表示された値は、便宜上簡略化した被写体までの距離(単位はメートル)である。ただし、図18(b)において、値が表示されていない小ブロックは、被写体までの距離が無限大を意味するものとする。
ここで、再び、図11の説明に戻る。
ステップS1107の測距情報取得処理が終了すると、ステップS1108に進む。ステップS1108に進むと、まず、例えば覆い焼き処理部140は、上述した測距情報(MAP情報)から小ブロック単位の被写体距離Dnを算出する。さらに、例えば覆い焼き処理部140は、ステップS1106の撮影時のストロボの発光量の情報から、ストロボ光の到達距離Ltを算出する。
そして、ステップS1108において、例えば覆い焼き処理部140は、各小ブロック単位について、ストロボ光の到達距離Ltと各小ブロック単位の被写体距離Lnを比較し、ストロボ光の到達距離Ltが被写体距離Ln未満であるか否かを判断する。なお、本例では、ステップS1108の処理は、覆い焼き処理部140がシステム制御部170からの制御に基づいて行う場合を示しているが、例えば、システム制御部170において行う形態であっても良い。
ステップS1108の判断の結果、ストロボ光の到達距離Ltが被写体距離Ln未満である場合には、ステップS1109に進む。ステップS1109に進むと、覆い焼き処理部140は、この場合にはストロボ光が被写体に届いていないため、最も補正効果の小さい図3の補正係数301に設定し、当該補正係数301に基づいて画像信号処理部110からの画像に対して覆い焼き処理を行う。ここで、ステップS1109の詳細な処理については、第1の実施形態における図5のステップS509と同様であるため、その説明は省略する。その後、覆い焼き処理部140は、覆い焼き処理後の画像(画像データ)を画像圧縮処理部150に出力する。
一方、ステップS1108の判断の結果、ストロボ光の到達距離Ltが被写体距離Ln未満である場合(即ち、Lt≧Lnである場合)には、ストロボ部180からのストロボ光が被写体に届いたと判断し、ステップS1110に進む。
ステップS1110に進むと、例えば覆い焼き処理部140は、小ブロック単位の輝度Y'nと基準輝度Y'tを比較し、小ブロック単位の輝度Y'nが基準輝度Y't未満であるか否かを判断する。なお、本例では、ステップS1110の処理は、覆い焼き処理部140がシステム制御部170からの制御に基づいて行う場合を示しているが、例えば、システム制御部170において行う形態であっても良い。
ステップS1110の判断の結果、小ブロック単位の輝度Y'nが基準輝度Y't未満である場合には、ステップS1111に進む。ステップS1111に進むと、覆い焼き処理部140は、この場合にはストロボ光は被写体に届いているが輝度値の低い領域であるため、通常の補正係数303よりも補正効果が小さく且つ補正係数301よりも補正効果の大きい図3の補正係数302に設定する。そして、覆い焼き処理部140は、補正係数302に基づいて、画像信号処理部110からの画像に対して覆い焼き処理を行う。ここで、ステップS1111の詳細な処理については、第1の実施形態における図5のステップS510と同様であるため、その説明は省略する。その後、覆い焼き処理部140は、覆い焼き処理後の画像(画像データ)を画像圧縮処理部150に出力する。
一方、ステップS1110の判断の結果、小ブロック単位の輝度Y'nが基準輝度Y't未満でない場合(即ち、Y't≦Y'nである場合)には、ステップS1112に進む。ステップS1112に進むと、覆い焼き処理部140は、この場合にはストロボ光が有効で輝度値の高い領域であるため、図3に示す最も補正効果が大きい通常の補正係数303に設定する。そして、覆い焼き処理部140は、補正係数303に基づいて、画像信号処理部110からの画像に対して覆い焼き処理を行う。ここで、ステップS1112の詳細な処理については、第1の実施形態における図5のステップS515と同様であるため、その説明は省略する。その後、覆い焼き処理部140は、覆い焼き処理後の画像(画像データ)を画像圧縮処理部150に出力する。
また、ステップS1103の判断の結果、ストロボ部180によるストロボの発光を行うストロボ発光撮影でない場合(即ち、ストロボ部180によるストロボの発光は行わない通常撮影である場合)には、ステップS1113に進む。
ステップS1113に進むと、システム制御部170は、操作者(ユーザ)により操作部162にあるシャッターボタンがさらに押されてシャッターボタンがオンとなったか否かを判断する。この判断の結果、シャッターボタンがさらに押されずシャッターボタンがオンになっていない場合には、シャッターボタンがオンになるまで、ステップS1113で待機する。
一方、ステップS1113の判断の結果、シャッターボタンがさらに押されてシャッターボタンがオンとなった場合には、ステップS1114に進む。ステップS1114に進むと、システム制御部170は、通常撮影の制御を行う。具体的に、システム制御部170は、例えば不図示のドライブ回路等によって、撮像素子102に対して被写体の画像信号(画像データ)の取り込みを開始させる。
続いて、ステップS1115において、覆い焼き処理部140は、図3に示す最も補正効果が大きい通常の補正係数303に設定し、当該補正係数303に基づいて画像信号処理部110からの画像に対して覆い焼き処理を行う。ここで、ステップS1115の詳細な処理については、ステップS1112と同様に、第1の実施形態における図5のステップS515と同様であるため、その説明は省略する。その後、覆い焼き処理部140は、覆い焼き処理後の画像(画像データ)を画像圧縮処理部150に出力する。
ステップS1109、S1111、S1112、或いは、S1115の処理が終了すると、ステップS1116に進む。ステップS1116に進むと、画像圧縮処理部150は、システム制御部170からの制御に基づいて、覆い焼き処理部140から出力された画像(画像データ)に対して圧縮処理を行い、圧縮処理した画像(画像データ)を記録部161に記録する処理を行う。その後、図11に示すフローチャートにおける処理が終了する。
次に、図12に示す、ストロボ部180に関連する撮影モードが「強制発光モード」の場合の処理手順について説明する。
図12に示すフローチャートでは、撮像装置100の操作部162にある電源スイッチが投入され、その後、ストロボ部180の使用時の撮影モードが「強制発光モード」に設定されているものとする。
この状態で、操作者(ユーザ)が操作部162にあるシャッターボタンを半押しにすると、ステップS1201において、システム制御部170は、これを検知する。その後、ステップS1202に進む。なお、シャッターボタンが半押しされたことを検知できでいない場合には、シャッターボタンが半押しされたことを検知するまで、ステップS1201で待機する。
ステップS1202に進むと、システム制御部170は、AE評価部130から被写体の測光値を取り入れる測光処理を行うと共に、AF処理を行う制御をする。ここで、ステップS1202の詳細な処理については、図11のステップS1102と同様であるため、その説明は省略する。
続いて、ステップS1203において、システム制御部170は、予め設定されている目標の評価値Ytと、ステップS1202の測光により得られた測光値の評価値Ynとを比較し、評価値Ytが評価値Ynよりも大きいか否かを判断する。
ステップS1203の判断の結果、評価値Ytが評価値Ynよりも大きい場合には、シャッタスピードを最低速値にしても輝度評価値Ynが目標評価値Ytには達しないため、ストロボ発光が不可欠であると判断し、ステップS1204に進む。
ステップS1204に進むと、システム制御部170は、操作者(ユーザ)により操作部162にあるシャッターボタンがさらに押されてシャッターボタンがオンとなったか否かを判断する。この判断の結果、シャッターボタンがさらに押されずシャッターボタンがオンになっていない場合には、シャッターボタンがオンになるまで、ステップS1204で待機する。
一方、ステップS1204の判断の結果、シャッターボタンがさらに押されてシャッターボタンがオンとなった場合には、ステップS1205に進む。ステップS1205に進むと、システム制御部170は、ストロボ部180によるストロボのプリ発光を行って、AE評価部130から被写体の測光値を取り入れる測光処理を行う。具体的に、AE評価部130は、当該プリ発光に基づく領域積分回路部120の出力画像の輝度を測光し、当該測光値データから発光量を計算する。即ち、ステップS1205では、ステップS1206の本撮影におけるストロボ部180の本発光量を決定するための測光処理を行う。
続いて、ステップS1206において、システム制御部170は、ストロボ発光撮影の制御を行う。具体的に、システム制御部170は、ステップS1205で取得した測光値に応じてストロボ部180を所定量発光させる処理を行うと共に、不図示のドライブ回路等によって、撮像素子102に対して被写体の画像信号(画像データ)の取り込みを開始させる。
続いて、ステップS1207において、測距情報取得部111は、システム制御部170からの制御に基づいて、測距情報を取得する測距情報取得処理を行う。ここで、ステップS1207の詳細な処理については、図11のステップS1107と同様であるため、その説明は省略する。
続いて、ステップS1208において、例えば覆い焼き処理部140は、各小ブロック単位について、ストロボ光の到達距離Ltと各小ブロック単位の被写体距離Lnを比較し、ストロボ光の到達距離Ltが被写体距離Ln未満であるか否かを判断する。ここで、ステップS1208の詳細な処理については、図11のステップS1108と同様であるため、その説明は省略する。
ステップS1208の判断の結果、ストロボ光の到達距離Ltが被写体距離Ln未満である場合には、ステップS1209に進む。ステップS1209に進むと、覆い焼き処理部140は、この場合にはストロボ光が被写体に届いていないため、最も補正効果の小さい図3の補正係数301に設定し、当該補正係数301に基づいて画像信号処理部110からの画像に対して覆い焼き処理を行う。ここで、ステップS1209の詳細な処理については、第1の実施形態における図5のステップS509と同様であるため、その説明は省略する。その後、覆い焼き処理部140は、覆い焼き処理後の画像(画像データ)を画像圧縮処理部150に出力する。
一方、ステップS1208の判断の結果、ストロボ光の到達距離Ltが被写体距離Ln未満である場合(即ち、Lt≧Lnである場合)には、ストロボ部180からのストロボ光が被写体に届いたと判断し、ステップS1210に進む。
ステップS1210に進むと、例えば覆い焼き処理部140は、小ブロック単位の輝度Y'nと基準輝度Y'tを比較し、小ブロック単位の輝度Y'nが基準輝度Y't未満であるか否かを判断する。なお、本例では、ステップS1110の処理は、覆い焼き処理部140がシステム制御部170からの制御に基づいて行う場合を示しているが、例えば、システム制御部170において行う形態であっても良い。
ステップS1210の判断の結果、小ブロック単位の輝度Y'nが基準輝度Y't未満である場合には、ステップS1211に進む。ステップS1211に進むと、覆い焼き処理部140は、この場合にはストロボ光は被写体に届いているが輝度値の低い領域であるため、通常の補正係数303よりも補正効果が小さく且つ補正係数301よりも補正効果の大きい図3の補正係数302に設定する。そして、覆い焼き処理部140は、補正係数302に基づいて、画像信号処理部110からの画像に対して覆い焼き処理を行う。ここで、ステップS1211の詳細な処理については、第1の実施形態における図5のステップS510と同様であるため、その説明は省略する。その後、覆い焼き処理部140は、覆い焼き処理後の画像(画像データ)を画像圧縮処理部150に出力する。
一方、ステップS1210の判断の結果、小ブロック単位の輝度Y'nが基準輝度Y't未満でない場合(即ち、Y't≦Y'nである場合)には、ステップS1212に進む。ステップS1212に進むと、覆い焼き処理部140は、この場合にはストロボ光が有効で輝度値の高い領域であるため、図3に示す最も補正効果が大きい通常の補正係数303に設定する。そして、覆い焼き処理部140は、補正係数303に基づいて、画像信号処理部110からの画像に対して覆い焼き処理を行う。ここで、ステップS1212の詳細な処理については、第1の実施形態における図5のステップS515と同様であるため、その説明は省略する。その後、覆い焼き処理部140は、覆い焼き処理後の画像(画像データ)を画像圧縮処理部150に出力する。
また、ステップS1203の判断の結果、評価値Ytが評価値Ynよりも大きくない場合(即ち、Yt≦Ynの場合)には、ステップS1213に進む。この場合、十分な露出はあるが、日中のシンクロモードなどのように、撮影する主被写体の明るさが背景の明るさに比較して暗いような、いわゆる逆光シーンの場合もあるため、プリ発光を行う必要があると判断し、ステップS1213に進む。
ステップS1213に進むと、システム制御部170は、操作者(ユーザ)により操作部162にあるシャッターボタンがさらに押されてシャッターボタンがオンとなったか否かを判断する。この判断の結果、シャッターボタンがさらに押されずシャッターボタンがオンになっていない場合には、シャッターボタンがオンになるまで、ステップS1213で待機する。
一方、ステップS1213の判断の結果、シャッターボタンがさらに押されてシャッターボタンがオンとなった場合には、ステップS1214に進む。ステップS1214に進むと、システム制御部170は、ストロボ部180によるストロボのプリ発光を行って、AE評価部130から被写体の測光値を取り入れる測光処理を行う。このステップS1214では、ステップS1215の本撮影におけるストロボ部180の本発光量を決定するための測光処理が行われる。
続いて、ステップS1215において、システム制御部170は、ストロボ発光撮影の制御を行う。具体的に、システム制御部170は、ステップS1214で取得した測光値に応じてストロボ部180を所定量発光させる処理を行うと共に、不図示のドライブ回路等によって、撮像素子102に対して被写体の画像信号(画像データ)の取り込みを開始させる。
続いて、ステップS1216において、覆い焼き処理部140は、図3に示す最も補正効果が大きい通常の補正係数303に設定し、当該補正係数303に基づいて画像信号処理部110からの画像に対して覆い焼き処理を行う。ここで、ステップS1216の詳細な処理については、図5のステップS515と同様であるため、その説明は省略する。その後、覆い焼き処理部140は、覆い焼き処理後の画像(画像データ)を画像圧縮処理部150に出力する。
ステップS1209、S1211、S1212、或いは、S1216の処理が終了すると、ステップS1217に進む。ステップS1217に進むと、画像圧縮処理部150は、システム制御部170からの制御に基づいて、覆い焼き処理部140から出力された画像(画像データ)に対して圧縮処理を行い、圧縮処理した画像(画像データ)を記録部161に記録する処理を行う。その後、図12に示すフローチャートにおける処理が終了する。
なお、第3の実施形態の撮像装置100において、ストロボ部180に関連する撮影モードが「発光オフモード」の場合の処理手順については、第1の実施形態における図7に示すフローチャートと同様であるため、その説明は省略する。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
ここで、第4の実施形態に係る撮像装置の概略構成は、図1に示す撮像装置の概略構成と同様である。
図19は、本発明の第4の実施形態に係る撮像装置の制御方法における処理手順の一例を示すフローチャートである。第4の実施形態は、実際の覆い焼き処理は実施せず、撮影した撮影画像の記録と画像の覆い焼き処理に係る補正パラメータの算出・記録を行う点で、第1の実施形態〜第3の実施形態とは異なる。
以下に、図19のフローチャートについて説明する。
なお、第4の実施形態において、各撮影モードについては、それぞれ、撮影までの処理は、第1の実施形態〜第3の実施形態と同様である。
そして、ステップS1901において、システム制御部170は、各撮影モードに応じた撮影の制御を行う。具体的に、システム制御部170は、不図示のドライブ回路等によって、撮像素子102に対して被写体の画像信号(画像データ)の取り込みを開始させる。また、システム制御部170は、各撮影モードに基づき必要に応じて、ストロボ部180を所定量発光させる処理を行う。
続いて、ステップS1902において、例えば覆い焼き処理部140は、覆い焼き処理に係る補正パラメータ(補正係数)を算出する処理を行い、算出した覆い焼き処理に係る補正パラメータを例えば不図示のRAMに格納する。具体的に、第1の実施形態〜第3の実施形態で示したように、撮影された画像データにより、輝度レベルの情報や顔検知処理部112からの情報、測距情報取得部111からの情報等に基づいて、覆い焼き処理の覆い焼き処理に係る補正パラメータを算出する。
続いて、ステップS1903において、画像圧縮処理部150は、システム制御部170からの制御に基づいて、ステップS1901で撮影された画像(画像データ)に対して、JPEGなどの圧縮方式に従って圧縮を行って例えば不図示のRAMに格納する。
続いて、ステップS1904において、システム制御部170は、不図示のRAMに格納されている画像データ、及び、覆い焼き処理に係る補正パラメータを読み出して、これらを、例えば図20に示す画像ファイル2000として記録部161に記録する。
図20は、画像ファイル2000のフォーマットの一例を示す模式図である。
図20に示すように、画像ファイル2000は、ヘッダ2010と、画像データ2020から構成されている。ヘッダ2010としては、撮影時の情報である画像パラメータ機種情報2011と、覆い焼き処理パラメータ2012から構成されている。また、画像データ2020は、JPEGデータから構成されている。
第4の実施形態では、記録部161に記録された画像ファイル2000を撮像装置100やコンピュータで読み出すことにより、上述した各実施形態における覆い焼き処理を実施することができる。
本発明の各実施形態によれば、画像の輝度レベルおよびストロボ部180の発光状態等に基づいて、画像の覆い焼き処理における補正量を変えることができ、覆い焼き処理後の画像の高画質化を実現することが可能となる。
前述した各実施形態に係る撮像装置100の制御方法を示す図5〜図12、図16及び図19の各ステップは、コンピュータのCPUがRAMやROMなどに記憶されたプログラムを実行することによって実現できる。このプログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は本発明に含まれる。
具体的に、前記プログラムは、例えばCD−ROMのような記憶媒体に記録し、或いは各種伝送媒体を介し、コンピュータに提供される。前記プログラムを記録する記憶媒体としては、CD−ROM以外に、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、不揮発性メモリカード等を用いることができる。他方、前記プログラムの伝送媒体としては、プログラム情報を搬送波として伝搬させて供給するためのコンピュータネットワーク(LAN、インターネットの等のWAN、無線通信ネットワーク等)システムにおける通信媒体を用いることができる。また、この際の通信媒体としては、光ファイバ等の有線回線や無線回線などが挙げられる。
また、本発明は、コンピュータが供給されたプログラムを実行することにより各実施形態に係る撮像装置100の機能が実現される態様に限られない。そのプログラムがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)或いは他のアプリケーションソフト等と共同して各実施形態に係る撮像装置100の機能が実現される場合も、かかるプログラムは本発明に含まれる。また、供給されたプログラムの処理の全て、或いは一部がコンピュータの機能拡張ボードや機能拡張ユニットにより行われて各実施形態に係る撮像装置100の機能が実現される場合も、かかるプログラムは本発明に含まれる。
また、前述した本実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術的思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。