JP3628648B2 - 光学系制御装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルカメラに関し、特にデジタルカメラにおける自動合焦(以下、「オートフォーカス」または「AF」ともいう。)の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、デジタルカメラ等において用いられているオートフォーカス装置としては、撮影レンズを光軸方向に駆動させつつ、各レンズ位置で取得された画像の特定の評価領域について撮影レンズの合焦状態に関する評価値を求め、その評価値をもとに撮影レンズの合焦動作を行うコントラスト方式によるオートフォーカス動作を実施するものが一般的である。また、ここでいう評価値は、各画素の画素値を隣接画素の画素値と比較したコントラスト値を算出し、このコントラスト値を所定の領域内の複数の画素について合算することにより求められる。すなわち、評価値は、評価領域内の各隣接画素間に関するコントラスト値の総和として求められる。
【0003】
図17には、評価値と撮影レンズの光軸方向の位置xとの関係を表す曲線CLが示されている。図17に示すように、撮影レンズが合焦状態の位置に存在する場合(x=xv)に、上記評価値が最も大きくなる。そして、コントラスト方式のオートフォーカス動作は、撮影レンズの光軸方向の位置xを相違させて撮像した少なくとも2枚の撮像画像の評価値を比較することにより行われる。具体的には、2枚の画像のそれぞれについての評価値を比較し、評価値がより大きくなる方向に撮影レンズを駆動する。そして、このような動作を繰り返して撮影レンズを駆動させることにより、撮影レンズを合焦状態の位置へと駆動させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、評価領域内の画像に近景の被写体(近景被写体)と遠景の被写体(遠景被写体)とが混在しているような場合は、図18に示すように、実線で示される曲線CLが評価値として算出される。ここでは、評価値は、一点鎖線の曲線CLn,CLfによってそれぞれ示される近景被写体についての評価値(近景評価値)および遠景被写体についての評価値(遠景評価値)が合成されたような値として算出される。したがって、このような場合は、上記評価値が最も大きくなる撮影レンズの位置(x=xv)においては近景被写体または遠景被写体のどちらに対しても合焦させることができない。
【0005】
さらに、近景被写体のコントラストが低い場合、具体的には、図19に示すように、近景被写体NPはコントラストが低い旗およびポールであり、遠景被写体FPはコントラストが高いビルであるような場合は、評価領域FAについての評価値は、図20に示すように、実線の曲線CLで示される評価値として算出される。ここでも、評価値は、一点鎖線の曲線CLn,CLfによってそれぞれ示される近景評価値および遠景評価値が合成されたような値として算出される。そして、ここでは、近景評価値に比べて、遠景評価値の方が著しく大きなピークを持つため、評価値が最大となる撮影レンズの位置(x=xv)は、遠景評価値が最大となる撮影レンズの位置(x=xvf)と近くなるため、評価値が最大となる撮影レンズの位置(x=xv)に撮影レンズの位置を駆動させても近景被写体には合焦させることができない。また、ここで、仮に近景被写体のみに評価領域を設定すると、近景被写体のコントラストは低いため、▲1▼評価値に一定以上のピークがない。▲2▼評価値の変化量が小さい。▲3▼評価値の全体のレベルが低い。といった3条件すべてを満たし、評価領域FAにおいては一定以上のコントラストがないとデジタルカメラによって判断され、近景被写体に合焦させる撮影レンズの位置を求めることはできない。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、近景被写体のコントラストが低い場合でも、近景被写体にも遠景被写体にも容易に合焦可能な技術を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、複数の画素で構成される画像を入力して、撮影レンズの合焦制御を行う光学系制御装置であって、前記画像に所定の境界検出領域を設定する検出領域設定手段と、前記境界検出領域からエッジを検出するエッジ検出手段と、前記エッジの一部を含み、かつ、当該エッジの両側の領域である第1と第2の画像領域について、前記第2の画像領域よりも前記第1の画像領域を多く含む第1の評価領域と、前記第1の画像領域よりも前記第2の画像領域を多く含む第2の評価領域とを設定する評価領域設定手段と、前記第1と第2の評価領域について前記撮影レンズの合焦状態に関する評価値を別々に算出する評価値算出手段と、前記評価値算出手段によって算出された第1と第2の評価領域に係る評価値が所定の関係を満たすときに、前記第1と第2の画像領域の境界が近景被写体と遠景被写体との遠近境界であると特定する特定手段と、
前記特定手段によって特定された遠近境界に対して設定された第1と第2の評価領域に係る評価値のうちいずれか一方の評価値に基づいて求められた前記撮影レンズの合焦位置への前記撮影レンズの駆動を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の光学系制御装置であって、前記合焦状態に関する評価値が、各前記評価領域内の各隣接画素間に関するコントラスト値の総和を少なくとも含むことを特徴とする。
【0009】
また、請求項3の発明は、請求項1に記載の光学系制御装置であって、上記評価値の所定の関係とは、前記第1の評価領域に係る評価値が最大となる前記撮影レンズのレンズ位置と前記第2の評価領域に係る評価値が最大となる前記撮影レンズのレンズ位置とが、所定値以上異なる関係であることを特徴とする。
【0010】
また、請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の光学系制御装置であって、前記検出領域設定手段が、前記画像の全体を境界検出領域として設定することを特徴とする。
【0011】
また、請求項5の発明は、請求項1から請求項のいずれかに記載の光学系制御装置であって、前記検出領域設定手段が、前記画像に対して水平方向に一定幅の境界検出領域を設定することを特徴とする。
また、請求項6の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の光学系制御装置であって、前記検出領域設定手段が、前記画像に対して垂直方向に一定幅の境界検出領域を設定することを特徴とする。
また、請求項7の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の光学系制御装置であって、前記第1と第2の評価領域は、それぞれ前記エッジによって区切られる一方の領域の面積が他方の領域の面積の2倍以上であることを特徴とする。
また、請求項8の発明は、請求項1から請求項7のいずれかに記載の光学系制御装置であって、前記エッジ検出手段が、前記境界検出領域から複数のエッジを検出し、前記特定手段が、前記複数のエッジの中から前記遠近境界に相当するエッジを特定することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
<デジタルカメラの要部構成>
図1は本発明の一実施形態であるデジタルカメラ1を示す斜視図である。また、図2はデジタルカメラ1の背面図である。
【0014】
図1に示すように、デジタルカメラ1の前面側には、撮影レンズ11とファインダ窓2とが設けられている。撮影レンズ11の内側には撮影レンズ11を介して入射する被写体像を光電変換して画像信号(画素ごとの画素データの配列からなる信号)を生成するための画像生成手段としてCCD撮像素子30が設けられている。
【0015】
撮影レンズ11には光軸方向に沿って駆動可能なレンズ系が含まれており、当該レンズ系を光軸方向に駆動することにより、CCD撮像素子30に結像される被写体像の合焦状態を実現することができるように構成されている。また、撮影レンズ11には、被写界深度を変更することができる絞りが備えられており、絞りを絞ることによって、被写界深度を大きくすることができる。
【0016】
また、デジタルカメラ1の上面側には、シャッターボタン8と、ズームキー10と、カメラ状態表示部13と、撮影モード設定ボタン14とが配置されている。シャッターボタン8は被写体の撮影を行うときにユーザーが押下操作を行ってデジタルカメラ1に撮影指示を与えるボタンである。ここでは、シャッターボタン8を半押し状態(S1)とすることによって後述するオートフォーカス動作が実施され、全押し状態(S2)とすることによって後述する本撮影が実施される。ズームキー10はユーザーの押下操作によって、撮影レンズ11を駆動させてズーミングを行う。カメラ状態表示部13は例えばセグメント表示タイプの液晶モニタによって構成され、デジタルカメラ1における現在の設定内容等をユーザーに示すために設けられている。また、撮影モード設定ボタン14は、デジタルカメラ1による撮影動作時の撮影モード、例えばポートレートモード、風景モード、後述する近景モードおよび遠景モード等の複数の撮影モードのうちから被写体に応じた一の撮影モードを手動操作で選択設定するためのボタンである。
【0017】
また、デジタルカメラ1の側面部には、ユーザーによるシャッターボタン8の押下操作に伴う本撮影動作で得られる画像データを記録するためのメモリカード9を着装する着装部15が形成されており、交換可能なメモリカード9を着装することができる。さらに、着装部15からメモリカード9を取り出す際に押下するカード取り出しボタン7が配置されており、着装部15からメモリカード9を取り出すことができる。
【0018】
また、図2に示すように、デジタルカメラ1の背面図にはライブビュー画像や撮影画像等を表示するための液晶表示部16と、デジタルカメラ1の各種設定状態を変更するための操作ボタン17と、ファインダ窓2とが設けられている。さらに、4連スイッチ25が設けられ、4連スイッチ25を種々押下操作することによって、後述する検出領域の変更等が可能である。なお、図2には、方向関係を明確にするために直交座標系を付しており、また、以下の図において同様の直交座標系を付している場合は、同様の方向関係を示しているものとする。
【0019】
<デジタルカメラの機能ブロック>
図3はデジタルカメラ1の内部構成を示すブロック図である。図3に示すように、デジタルカメラ1は、画像信号を処理するための撮影機能部3、オートフォーカス制御を実現するための光学系制御部150およびレンズ駆動部110、デジタルカメラ1に設けられた各部を統括的に制御するカメラ制御部100とを備えて構成される。
【0020】
撮影レンズ11を介してCCD撮像素子30に結像される被写体像は、CCD撮像素子30において複数の画素を有する電気的な画像、すなわち画像信号に変換され、A/D変換器40へと導かれる。
【0021】
A/D変換器40はCCD撮像素子30から出力される画像信号を例えば1画素あたり10ビットのデジタル信号に変換する。A/D変換器40から出力される画像信号は、画像処理部50へと導かれる。
【0022】
画像処理部50は画像信号に対してホワイトバランスの調整、γ補正、色補正等の画像処理を施す。ライブビュー画像の表示時には、画像処理部50は画像処理を施した画像信号をライブビュー画像作成部60に与える。また、オートフォーカス制御を行うときには、画像処理部50は画像信号を画像メモリ70に与える。さらに、シャッターボタン8の押下操作に伴って行われる撮影動作(本撮影)ときには、画像処理部50は画像処理を施した画像信号を画像圧縮部80に与える。
【0023】
そして、ライブビュー画像の表示時等には、ライブビュー画像作成部60が液晶表示部16に適合した画像信号を生成し、それを液晶表示部16に与えるように構成されている。そのため、ライブビュー画像の表示時には、CCD撮像素子30において逐次光電変換して得られる画像信号に基づいて液晶表示部16に画像表示が行われる。
【0024】
画像メモリ70は、オートフォーカス制御を行うために画像信号を一時的に記憶するためのものである。この画像メモリ70には、光学系制御部150が撮影レンズ11のレンズ位置を段階的に駆動させ、カメラ制御部100の制御によって撮影レンズ11の各レンズ位置で撮影された画像信号が格納される。
【0025】
画像処理部50から画像メモリ70に画像信号が格納されるタイミングは、オートフォーカス制御が行われるタイミングである。このため、ライブビュー画像表示時に液晶表示部16に対して合焦状態のライブビュー画像を表示させたい場合にはそのライブビュー画像表示時にも画像メモリ70に画像信号を格納するように構成すれば良い。
【0026】
また、シャッターボタン8の押下操作が行われた場合、本撮影の撮影動作を行う前にオートフォーカス制御を行う必要がある。そのため、本撮影動作を行う前に、撮影レンズ11のレンズ位置を段階的に駆動させつつ、各レンズ位置で撮影された画像信号が画像メモリ70に格納される。光学系制御部150は、画像メモリ70に格納される画像信号を取得して、コントラスト方式のオートフォーカス動作を行うように構成される。そして、光学系制御部150によるオートフォーカス制御が行われて撮影レンズ11が合焦位置に駆動された後に本撮影の撮影動作が行われ、本撮影によって得られる画像信号が画像圧縮部80に与えられる。
【0027】
画像圧縮部80は本撮影によって得られる画像信号に対して所定の圧縮方法による画像圧縮処理を施すように構成されており、画像圧縮の施された画像信号が画像圧縮部80から出力され、メモリカード9に記憶される。
【0028】
カメラ制御部100はCPUが所定のプログラムを実行することによって実現され、シャッターボタン8、ユーザーが撮影モード設定ボタン14、操作ボタン17、および4連スイッチ25を含む各種ボタンを押下操作した場合に、その操作内容に応じて撮影機能部3の各部や光学系制御部150を制御するように構成される。また、カメラ制御部100は、光学系制御部150と連繋し、オートフォーカス制御時には光学系制御部150が撮影レンズ11のレンズ位置を段階的に駆動させた場合に、各レンズ位置でCCD撮像素子30の撮影動作を制御し、かつ、その撮影された画像信号を画像メモリ70に格納するように制御する。
【0029】
レンズ駆動部110は、光学系制御部150からの指令に応じて撮影レンズ11を光軸に沿って駆動させるための駆動手段であり、CCD撮像素子30に結像される被写体像の合焦状態を変化させるものである。また、レンズ駆動部110は、光学系制御部150およびカメラ制御部100の制御のもとで撮影レンズ11に備えられた絞りを駆動させる。
【0030】
<光学系制御部150について>
図4は光学系制御部150の内部構成を示すブロック図である。図4に示すように、光学系制御部150は、画像取得部151、検出領域設定部152、エッジ検出部153、評価領域設定部154、評価値算出部155、境界検出部156、評価領域選択部157、駆動制御部158を備えて構成され、画像メモリ70に格納された画像信号を取得して、コントラスト方式によるオートフォーカス制御を行う。つまり、撮影レンズ11によってCCD撮像素子30に結像される被写体像を合焦位置に導くように動作する。
【0031】
また、光学系制御部150は、撮影モード設定ボタン14の操作によって設定される撮影モードによって、オートフォーカス制御において果たす機能が異なるが、ここでは、本発明にかかるデジタルカメラ1の特徴である近景被写体のコントラストが低い場合等に選択される近景モードおよび遠景モードにおける光学系制御部150の各部の機能について説明し、その他のポートレートモードおよび風景モード等が設定された場合については、一般的なコントラスト方式によるオートフォーカス制御と同様となるため、説明を省略する。
【0032】
画像取得部151は、画像メモリ70に入力した画像信号を画像メモリ70から取得する。
【0033】
エッジ検出部153は、画像メモリ70から取得される画像に設定される所定の境界検出領域から、近景被写体と遠景被写体との境界(遠近境界)を含むエッジを検出する。具体的には、まず、画像メモリ70に格納された画像信号より、隣接画素の輝度差が所定値以上であるような隣接画素群が所定の閾値長さ以上に連続している部分をエッジとして認識する。なお、エッジ検出部153によってエッジを認識する際には、被写体の遠近を問わずエッジを認識し易いようにデジタルカメラ1の絞りを最も絞った状態とすることが好ましい。
【0034】
エッジ検出部153では、上述したように、エッジを認識することができるが、遠景被写体に輝度差が激しい部分が多いと、エッジが多数認識されてしまう。そこで、ここでは、遠景被写体におけるエッジの多くは比較的細かいことを利用して、比較的細かいエッジを遠景被写体の輝度差が激しい部分として排除する。たとえば、上記のエッジ検出153における閾値長さを比較的大きくとることによってこれを実現することができる。このようにして、遠景被写体における比較的大きなエッジと、遠近境界とからなる大エッジを検出することができる。
【0035】
境界検出領域は、画像から遠近境界を含むエッジを検出するための単位領域であり、検出領域設定部152によって画像メモリ70に格納される画像に対して設定される。図5は、境界検出領域の一例を示す図である。図示するように、検出領域設定部152によって、画像メモリ70に格納される画像G10に対して水平方向に一定幅を持つ3つの領域からなる境界検出領域EA1を設定する。また、エッジ検出部153により境界検出領域EA1において大エッジを検出することができないとき、または、後述する境界検出部156により境界検出領域EA1において遠近境界を選択的に検出することができないときには、検出領域設定部152は、境界検出領域を切り替える。具体的には、図6に示すように、画像メモリ70に格納される画像G10に対して垂直方向に一定幅を持つ3つの領域からなる境界検出領域EA2として設定する。なお、これらにおける「水平方向」および「垂直方向」は、デジタルカメラ1の画角のうちCCD走査線が走る方向(図2のDX方向)と、それに垂直な方向(図2のDY方向)としてそれぞれ定義される。遠景と近景との区別という本来の趣旨からすれば、地平線(水平線)方向と鉛直方向とにそれぞれ対応させることが好ましいが、デジタルカメラ1はその底面を下側に向けて使用することが多いため、CCD走査線方向を基準として定義しても多くの場合をカバーできる。また、デジタルカメラ1を傾けて撮影するような場合であっても、この実施形態のエッジ検出や境界検出が不可能になるわけではないため、上記のように水平方向と垂直方向とを規定しても実用上の問題は生じない。
【0036】
図7は、画像メモリ70に格納される、近景被写体のコントラストが低く、背景である遠景被写体のコントラストが高い画像G10に対して境界検出領域EA1が設定されている一例を示す模式図である。ここでは、近景被写体NPはコントラストが低い旗およびポールであり、遠景被写体FPはコントラストが高いビルである。なお、ここでは、説明のため、便宜上画像メモリ70に格納されている画像G10と境界検出領域EA1を示す枠とを併せて図示しているが、実際には境界検出領域EA1を示す枠は画像G10に含まれるものではない。図7に示すように、境界検出領域EA1内に近景被写体NPと遠景被写体FPとの境界が存在するため、エッジ検出部153は大エッジを検出し、境界検出部156は遠近境界を選択的に検出可能となる。
【0037】
図8は、近景被写体のコントラストが低く、背景の遠景被写体のコントラストが高い画像G10に対して境界検出領域EA1が設定されている一例を示す模式図である。ここでも、図7と同様に、近景被写体NPはコントラストが低い旗およびポールであり、遠景被写体FPはコントラストが高いビルである。なお、ここでも、図7と同様に、説明のため、便宜上画像メモリ70に格納されている画像G10と境界検出領域EA1を示す枠とを併せて図示しているが、実際には境界検出領域EA1を示す枠は画像G10に含まれるものではない。図8に示すように、境界検出領域EA1においては、隣接画素間の輝度差が大きな場所はないため、エッジ検出部153は、大エッジを検出することができない。このような場合、検出領域設定部152によって、境界検出領域を、境界検出領域EA1から図6に示すような境界検出領域EA2に切り替える。
【0038】
図9は、境界検出領域を切り替えた後に、画像G10に対して境界検出領域EA2が設定されている一例を示す模式図である。ここでの画像は、図8と同様に、近景被写体NPはコントラストが低い旗およびポールであり、遠景被写体FPはコントラストが高いビルである。なお、ここでは、説明のため、便宜上画像メモリ70に格納されている画像G10と境界検出領域EA2を示す枠とを併せて図示しているが、実際には境界検出領域EA2を示す枠は画像G10に含まれるものではない。図9に示すように、境界検出領域EA2内に近景被写体NPと遠景被写体FPとの境界が存在するため、エッジ検出部153は大エッジを検出し、境界検出部156は遠近境界を選択的に検出可能となる。
【0039】
評価領域設定部154は、エッジ検出部153によって検出された大エッジをもとに、画像メモリ70に格納される画像に対して、撮影レンズ11の合焦状態に関する評価値を求めるための評価領域を設定する。図10および図11は、評価領域の設定について説明する模式図である。図10は、エッジ検出部153によって境界検出領域EA1内で後述する縦エッジが検出された場合における評価領域の設定を説明する図であり、図11は、エッジ検出部153によって境界検出領域EA1内で後述する横エッジが検出された場合、または、エッジ検出部153によって境界検出領域EA2において横エッジが検出された場合における評価領域の設定を説明する図である。
【0040】
エッジ検出部153によって境界検出領域EA1内で大エッジが検出された場合、評価領域設定部154は、ハフ変換等の手法によって、大エッジの線分が縦方向に向いた部分(縦エッジ)を見つけ、図10に示すように、縦エッジAの位置において大エッジLEの一部を含み、かつ、大エッジLEの両側の領域である第1の画像領域P1と第2の画像領域P2について、第2の画像領域P2よりも第1の画像領域P1を多く含む第1の評価領域F1と、大エッジLEの一部を含み、かつ、第1の画像領域P1よりも第2の画像領域P2を多く含む第2の評価領域F2とを設定する。なお、図10では、縦エッジは、A,Bの2カ所存在するが、このような場合には、例えば、ハフ変換等の手法によって求まる大エッジLEの線分の方向の変化から、第1の画像領域P1の左側の縦エッジ(Aの部分)を自動的に選択する。
【0041】
ここで、第1の評価領域F1および第2の評価領域F2がそれぞれ大エッジLEで区切られる面積については、後述するオートフォーカス動作による合焦の精度を考慮すると、大エッジLEによって区切られる一方の領域の面積が他方の領域の面積の2倍以上であることが好ましい。具体的には、図10を例に挙げて説明すれば、第1の評価領域F1について、第1の画像領域P1の占める面積が第2の画像領域P2の占める領域の2倍以上であるような状態である。また、オートフォーカス動作による合焦をさらに高精度に行うためには、大エッジLEによって区切られる一方の領域の面積が他方の領域の面積の4倍以上であることが好ましい。なお、ここで、縦エッジを見つけることができない場合は、図11において後述するように、横エッジを見つけて、その位置において大エッジLEの一部を含み、かつ、第2の画像領域P2よりも第1の画像領域P1を多く含む第1の評価領域F1と、第1の画像領域P1よりも第2の画像領域P2を多く含む第2の評価領域F2とを設定する。
【0042】
また、エッジ検出部153によって境界検出領域EA1内で後述する横エッジが検出された場合、または、エッジ検出部153によって境界検出領域EA2において大エッジが検出された場合、評価領域設定部154は、ハフ変換等の手法によって、第1の画像領域P1と第2の画像領域P2との境界である大エッジLEの線分が横方向に向いた部分(横エッジ)を見つけ、図11に示すように、その位置において大エッジLEの一部を含み、かつ、第2の画像領域P2よりも第1の画像領域P1を多く含む第1の評価領域F1と、第1の画像領域P1よりも第2の画像領域P2を多く含む第2の評価領域F2とを設定する。なお、図11では、横エッジは、C,Dの2カ所存在するが、このような場合には、例えば、ハフ変換等の手法によって求まる大エッジLEの線分の方向の変化から、第1の画像領域P1の上側の横エッジ(Cの部分)を自動的に選択する。
【0043】
ここで、第1の評価領域F1および第2の評価領域F2が大エッジLEで区切られる面積については、図10において説明したように、後述するオートフォーカス動作による合焦の精度を考慮すると、大エッジによって区切られる一方の領域の面積が他方の領域の面積の2倍以上であるであることが好ましい。また、オートフォーカス動作による合焦をさらに高精度に行うためには、大エッジによって区切られる一方の領域の面積が他方の領域の面積の4倍以上であることが好ましい。なお、境界検出領域EA2において検出された大エッジに対して評価領域を設定する際には、はじめから横エッジを見つけて、評価領域を設定しているが、これは境界検出領域EA1において大エッジが検出されず、境界検出領域EA2において大エッジが検出される場合は、検出される大エッジの線分の方向が横方向に向いていることが一般的であるからである。
【0044】
評価値算出部155は、評価領域設定部154によって設定された第1の評価領域F1および第2の評価領域F2について、撮影レンズ11の合焦状態に関する評価値を求める。この評価値は、通常、コントラスト方式のオートフォーカス動作において実施されているものと同様に、評価領域内の各隣接画素間に関するコントラスト値の総和として求められる。
【0045】
上述したように、大エッジは、遠景被写体の比較的大きなエッジと、遠近境界とから構成されており、図12および図13は、第1および第2の評価領域F1,F2においてそれぞれ求まる評価値(第1および第2の評価値)と撮影レンズ11の光軸方向の位置xとの関係を表す曲線CL1,CL2の一例を示す模式図である。図12は遠近境界に対して設定された第1および第2の評価領域についての評価値を示し、図13は遠景被写体の比較的大きなエッジに対して設定された第1および第2の評価領域についての評価値を示している。
【0046】
図12に示すように、曲線CL1が第1の評価値で、曲線CL2が第2の評価値であり、撮影レンズ11が第1の評価領域に対して合焦状態の位置にある場合(x=x1)および撮影レンズ11が第2の評価領域に対して合焦状態の位置にある場合(x=x2)に、それぞれ上記評価値が最も大きくなる。ここでは、第1の評価領域F1はその領域の多くをコントラストの低い近景被写体によって占められていても、第1の評価領域F1は遠近境界を含んでいるため、第1の評価値は主として遠近境界のコントラストに基づいた一定以上のピークを持つ。そして、ここでは、第1および第2の画像領域はそれぞれ主に近景被写体および遠景被写体によって占められるため、レンズ位置x=x1とx=x2とは一定以上の異なる値をとる。また、図13に示すように、第1および第2の画像領域がともに遠景被写体であるときは、レンズ位置x=x1とx=x2とはほぼ等しい値をとる。
【0047】
境界検出部156は、評価値算出部155によって算出された評価値に基づいて、遠近境界に対して設定された第1および第2の評価領域を特定することによって、遠近境界を検出する。具体的には、第1および第2の評価領域それぞれについての評価値の最大値をとるレンズ位置x=x1とx=x2とが一定以上の異なる値を示す場合は、遠近境界に対して設定された第1および第2の評価領域であると特定することができる。
【0048】
合焦領域選択部は、撮影前にユーザーによって操作ボタン17を種々押下操作されて近景モードまたは遠景モードが選択設定されることによって、近景または遠景の被写体のいずれの被写体に対して合焦するのかについて選択された結果に基づいて、検出された遠近境界に対して設定された第1の評価領域F1および第2の評価領域F2のうちから一方の評価領域を撮影レンズ11を合焦状態とするための合焦領域として選択する。なお、ここでは、2つの評価領域のうちいずれの領域が近景被写体を多く含む評価領域(近景評価領域)または遠景被写体を多く含む評価領域(遠景評価領域)であるのかについては、2つの評価領域についての評価値が最大となるレンズ位置(x=x1,x2)から判別することができる。
【0049】
駆動制御手段は、合焦領域選択部によって選択された合焦領域について算出された評価値に基づいて撮影レンズ11の合焦位置を求め、合焦位置への撮影レンズ11の駆動を制御する。具体的には、近景モードが選択されているときには、近景評価領域についての評価値に基づいて撮影レンズ11の合焦位置を求め、合焦位置への撮影レンズ11の駆動を制御する。また、遠景モードが選択されているときには、遠景評価領域についての評価値に基づいて撮影レンズ11の合焦位置を求め、合焦位置への撮影レンズ11の駆動を制御する。
【0050】
<デジタルカメラ1の動作>
次に、デジタルカメラ1の動作について説明する。図14から図16はデジタルカメラ1における合焦動作を示すフローチャートであり、一例として、ユーザーによってあらかじめ近景モードまたは遠景モードが選択された場合のオートフォーカス制御を行う場合を示している。
【0051】
まず、図14に示すように、ユーザーによって、撮影モード設定ボタン14の操作によって近景モードまたは遠景モードが設定された後に、デジタルカメラ1が撮影待機状態となると、ステップS1に進む。
【0052】
ステップS1では、デジタルカメラ1のカメラ制御部100は、ユーザーがシャッターボタン8を半押し状態(S1)としてオートフォーカス動作開始の指示の入力を行ったか否かを判断する。そして、ユーザーからのオートフォーカス動作の指示の入力があった場合に、デジタルカメラ1においてCCD撮像素子30に結像される被写体像を合焦状態とするためのオートフォーカス制御が開始され、ステップS2に進む。
【0053】
ステップS2では、検出領域設定部152によって、画像メモリ70に格納される画像に対して境界検出領域が設定され、ステップS3に進む。具体的には、図5に示す境界検出領域EA1が設定される。
【0054】
ステップS3では、エッジ検出部153によって、境界検出領域EA1内のエッジを認識し、ステップS4に進む。
【0055】
ステップS4では、エッジ検出部153によって、ステップS3において認識されたエッジのうち、比較的細かいエッジは遠景被写体の輝度差が激しい部分として除外し、ステップS5に進む。ここでは、比較的細かいエッジを除外することによって、遠景被写体における比較的大きなエッジと、遠近境界とからなる大エッジのみを検出することができる。
【0056】
続くステップS5からステップS9におけるデータ処理は、評価領域設定部154によって実行される。以下ステップS5からステップS9について説明する。
【0057】
ステップS5では、ステップS4において検出された大エッジについて、ハフ変換等の手法によって大エッジの線分の方向の変化より縦エッジを見つけ、ステップS6に進む。
【0058】
ステップS6では、ステップS5において縦エッジを検出することができたか否か判断する。ここでは、縦エッジを検出することができた場合はステップS9に進み、縦エッジを検出することができなかった場合はステップS7に進む。
【0059】
ステップS7では、ステップS4において検出された大エッジについて、ハフ変換等の手法によって大エッジの線分の方向の変化より横エッジを見つけ、ステップS8に進む。
【0060】
ステップS8では、ステップS7において横エッジを検出することができたか否か判断する。ここでは、横エッジを検出することができた場合はステップS9に進み、横エッジを検出することができなかった場合はステップS1に戻る。
【0061】
ステップS9では、撮影レンズ11の合焦状態に関する評価値を求めるための第1および第2の評価領域F1,F2を設定し、ステップS10に進む。具体的には、ステップS6からステップS9に進んだ場合は、図10で示したように、縦エッジAの位置で、大エッジLEの一部を含み、かつ、第2の画像領域P2よりも第1の画像領域P1を多く含む第1の評価領域F1と、縦エッジAの位置で、大エッジLEの一部を含み、かつ、第1の画像領域P1よりも第2の画像領域P2を多く含む第2の評価領域F2とを設定する。また、ステップS8からステップS9に進んだ場合は、図11で示したように、横エッジCの位置で、大エッジLEの一部を含み、かつ、第2の画像領域P2よりも第1の画像領域P1を多く含む第1の評価領域F1と、大エッジLEの一部を含み、かつ、第1の画像領域P1よりも第2の画像領域P2を多く含む第2の評価領域F2とを設定する。
【0062】
ステップS10では、第1および第2の評価領域F1,F2について、評価値算出部155が、撮影レンズ11の合焦状態に関する評価値を求め、ステップS11に進む。
【0063】
ステップS11では、境界検出部156が、ステップS10において求めた評価値より、遠近境界を検出し、ステップS12に進む。具体的には、図12に示したように、第1および第2の評価領域F1,F2についての評価値が最大値を示すレンズ位置が一定以上異なる場合に、その第1および第2の評価領域F1,F2の設定の対象となった大エッジを遠近境界として検出する。
【0064】
ステップS12では、ステップS11において遠近境界を検出した結果に基づいて、境界検出部156によって遠近境界を検出することができたか否かについて判別する。そして、遠近境界を検出することができたときはステップS20に進み、遠近境界を検出することができなかったときはステップS13に進む。
【0065】
ステップS13では、検出領域設定部152によって、画像メモリ70に格納される画像に対する境界検出領域が切り替えられ、ステップS14に進む。具体的には、図5に示した境界検出領域EA1から図6に示す境界検出領域EA2に切り替えられる。
【0066】
ステップS14では、ステップS3と同様に、エッジ検出部153によって、境界検出領域EA2内のエッジを認識し、ステップS15に進む。
【0067】
ステップS15では、ステップS4と同様に、ステップS14において認識されたエッジのうち、比較的細かいエッジは遠景被写体の輝度差が激しい部分として除外し、ステップS15に進む。ここでは、比較的細かいエッジを除外することによって、遠景被写体における比較的大きなエッジと、遠近境界とからなる大エッジを検出することができる。
【0068】
ステップS16では、評価領域設定部154によって、撮影レンズ11の合焦状態に関する評価値を求めるための第1の評価領域F1および第2の評価領域F2を設定し、ステップS17に進む。具体的には、図11で示したように、ステップS15において検出された大エッジLEについて、ハフ変換等の手法によって求まる大エッジLEの線分の方向の変化より横エッジを見つけ、横エッジの位置において大エッジLEの一部を含み、かつ、第2の画像領域P2よりも第1の画像領域P1を多く含む第1の評価領域F1と、大エッジLEの一部を含み、かつ、第1の画像領域P1よりも第2の画像領域P2を多く含む第2の評価領域F2とを設定する。
【0069】
ステップS17では、第1および第2の評価領域F1,F2について、評価値算出部155が、撮影レンズ11の合焦状態に関する評価値を求め、ステップS18に進む。
【0070】
ステップS18では、ステップS11と同様に、境界検出部156が、ステップS17において求めた評価値に基づいて、遠近境界を検出し、ステップS19に進む。
【0071】
ステップS19では、ステップS18において遠近境界を検出した結果に基づいて、境界検出部156によって遠近境界を検出することができたか否かについて判別する。そして、遠近境界を検出することができたときはステップS20に進み、遠近境界を検出することができなかったときはステップS1に戻る。
【0072】
ステップS20では、撮影前にユーザーによって設定された撮影モードにしたがって、合焦領域選択部により、遠近境界に対して設定された第1の評価領域F1または第2の評価領域F2のうちから一方の評価領域を撮影レンズ11を合焦状態とするための合焦領域として選択する。ここでは、近景モードが選択されている場合は、近景評価領域を合焦領域として選択して、ステップS21に進み、近景モードが選択されていない場合、つまり、遠景モードが選択されている場合は、遠景評価領域を合焦領域として選択して、ステップS22に進む。
【0073】
ステップS21では、ステップS12からステップS20に進んだ場合は、ステップS10において評価値算出部155が近景評価領域について算出した評価値をもとに撮影レンズ11を合焦状態とするレンズ位置を算出し、また、ステップS19からステップS20に進んだ場合は、ステップS17において評価値算出部155が近景評価領域について算出した評価値をもとに撮影レンズ11を合焦状態とするレンズ位置を算出し、ステップS23に進む。
【0074】
ステップS22では、ステップS12からステップS20に進んだ場合は、ステップS10において評価値算出部155が遠景評価領域について算出した評価値をもとに撮影レンズ11を合焦状態とするレンズ位置を算出し、また、ステップS19からステップS20に進んだ場合は、ステップS17において評価値算出部155が遠景評価領域について算出した評価値をもとに撮影レンズ11を合焦状態とするレンズ位置を算出し、ステップS23に進む。
【0075】
ステップS23では、ステップS21またはステップS22において算出された撮影レンズ11のレンズ位置に基づいて、被写体に対して撮影レンズ11を合焦状態とするように撮影レンズ11を駆動制御部158の制御の下で駆動させ、ステップS24に進む。
【0076】
ステップS24では、シャッターボタン8が押下されることによって、全押し状態(S2)とされて本撮影の実施の指示があったか否かをカメラ制御部100が判断する。ここでは、本撮影の実施の指示があった場合は、ステップS25に進み、本撮影の実施の指示がない場合は、ステップS24の判断を繰り返す。なお、ここでは、図示を省略しているが、本撮影の実施の指示が一定時間ない場合は、ステップS1に戻る。
【0077】
ステップS25では、本撮影が実施されて、画像処理部50から画像信号が画像圧縮部80に送信され、画像圧縮部80において、本撮影によって得られる画像に対して所定の圧縮方法による画像圧縮処理を施し、画像圧縮の施された画像信号が画像圧縮部80から出力され、メモリカード9に記憶される。その後、ステップS1に戻る。
【0078】
以上、画像に設定される所定の境界検出領域から遠近境界を含むエッジを検出し、そのエッジの一部を含み、かつ、当該エッジの両側である第1と第2の画像領域について、第2の画像領域よりも第1の画像領域を多く含む第1の評価領域と、第1の画像領域よりも第2の画像領域を多く含む第2の評価領域とについて撮影レンズの合焦状態に関する評価値を算出し、算出された評価値に基づいて撮影レンズの合焦位置を求め、合焦位置に撮影レンズを駆動することによって、近景被写体のコントラストが低い場合であっても、近景被写体にも遠景被写体にも合焦させることができる。
【0079】
<変形例>
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0080】
例えば、上述したオートフォーカス制御については、上述した光学系制御部150の機能は、CPUが所定のソフトウェアを実行することによって実現することも可能であるため、必ずしも光学系制御部150における各部が区別されて構成される必要はない。
【0081】
また、上述した実施形態においては、境界検出領域は、図5に示すように、オートフォーカス動作の開始時には、画像メモリ70に格納される画像G10に対してあらかじめ設定されている所定の境界検出領域EA1であったが、これに限られるものではなく、撮影前にユーザーによる操作ボタン17および4連スイッチ25の操作等によって境界検出領域の位置や大きさ等を種々変更できるようなものであっても良い。
【0082】
また、上述した実施形態においては、境界検出領域は、水平方向または垂直方向に一定の幅を持つ3つの領域から構成されていたが、これに限られるものではなく、境界検出領域が、水平方向または垂直方向に一定の幅を持つ1つの領域、または2つの領域、若しくは4つ以上の領域から構成されるものであっても良い。
【0083】
また、上述した実施形態においては、境界検出領域は、図5および図6に示すように、画像メモリ70に格納される画像G10の全体の領域に対して一部の領域であったが、これに限られるものではなく、境界検出領域が、画像メモリ70に格納される画像G10の全体の領域であるようなものであっても良い。
【0084】
また、上述した実施形態においては、境界検出部156によって、遠近境界を選択的に検出した後に、近景評価領域または遠景評価領域のうち一方を合焦領域として設定したが、これに限られるものではなく、近景モードの場合は、評価値が最大値となるレンズ位置をすべての大エッジに対して設定された評価領域について算出し、このうち最も近景の被写体に合焦するレンズ位置を自動選択しても良い。また、遠景モードの場合は、評価値が最大値となるレンズ位置をすべての大エッジに対して設定された評価領域について算出し、このうち最も遠景の被写体に合焦するレンズ位置を自動選択しても良い。
【0085】
また、上述した実施形態においては、近景モードまたは遠景モードを選択することができるが、これに限られるものではなく、近景モードのみとして、合焦領域選択部が、近景評価領域または遠景評価領域のうち近景評価領域を合焦領域として自動的に選択するようなものであっても良い。
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が含まれている。
【0086】
(1) 請求項4に記載の光学系制御装置であって、前記水平方向に一定幅の境界検出領域において前記遠近境界を検出することができないときに、前記検出領域設定手段が、前記境界検出領域を垂直方向に一定幅の領域に切り替える領域切替手段を含むことを特徴とする光学系制御装置。
【0087】
この構成によって、画像中の遠近境界の線分の方向が水平方向である場合等、水平方向に一定幅の境界検出領域においては遠近境界を検出することができないときに、境界検出領域を垂直方向に一定幅の領域に切り替えることによって、線分の方向があらゆる方向を向いた場合も遠近境界を検出する確率を向上させることができる。
【0088】
(2) 請求項1から請求項5、または(1)のいずれかに記載の光学系制御装置であって、前記制御手段が、自動的に、前記第1と第2の評価領域のうち近景被写体を多く含む評価領域についての評価値に基づいて前記撮影レンズの合焦位置を求め、前記合焦位置への前記撮影レンズの駆動を制御することを特徴とする光学系制御装置。
【0089】
この構成によって、自動的に近景被写体に対して合焦動作を行うため、ユーザーは、コントラストの低い近景被写体に対して容易に合焦させることができる。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明においては、画像に設定される所定の境界検出領域から遠近境界を含むエッジを検出し、そのエッジの一部を含み、かつ、当該エッジの両側である第1と第2の画像領域について、第2の画像領域よりも第1の画像領域を多く含む第1の評価領域と、第1の画像領域よりも第2の画像領域を多く含む第2の評価領域とについて撮影レンズの合焦状態に関する評価値を算出し、算出された評価値に基づいて撮影レンズの合焦位置を求め、合焦位置に撮影レンズを駆動することによって、近景被写体のコントラストが低い場合であっても、近景被写体にも遠景被写体にも合焦させることができる。
【0092】
また、請求項の発明においては、画像全体においてエッジを検出することによって、画像中における近景被写体の位置に拘わらず、遠近境界を含むエッジを検出することができる。
【0093】
また、請求項の発明においては、水平方向に一定幅の境界検出領域においてエッジを検出することによって、画像の全体においてエッジを検出する場合よりも少ない領域においてエッジの検出を行うため、遠近境界を含むエッジを検出する処理速度の向上を図ることができる。
【0094】
また、請求項の発明においては、第1と第2の評価領域について、それぞれエッジによって区切られる一方の領域の面積を他方の領域の面積の2倍以上とすることによって、近景被写体のコントラストが低い場合であっても、近景被写体にも遠景被写体にも精度良く合焦することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるデジタルカメラを示す斜視図である。
【図2】図1に示すデジタルカメラの背面図である。
【図3】デジタルカメラの内部構成を示すブロック図である。
【図4】光学系制御部の内部構成を示すブロック図である。
【図5】画像に対して設定される境界検出領域の一例を示す図である。
【図6】切り替えられた後の境界検出領域を示す図である。
【図7】画像に対して境界検出領域が設定される一例を示す模式図である。
【図8】画像に対して境界検出領域が設定される一例を示す模式図である。
【図9】画像に対して切り替え後の境界検出領域が設定される一例を示す模式図である。
【図10】画像に対する評価領域の設定について説明する模式図である。
【図11】画像に対する評価領域の設定について説明する模式図である。
【図12】評価値と撮影レンズのレンズ位置との関係の一例を示す模式図である。
【図13】評価値と撮影レンズのレンズ位置との関係の一例を示す模式図である。
【図14】合焦動作を示すフローチャートである。
【図15】合焦動作を示すフローチャートである。
【図16】合焦動作を示すフローチャートである。
【図17】評価値と撮影レンズのレンズ位置との関係の一例を示す模式図である。
【図18】近景被写体と遠景被写体とが混在している画像についての評価値と撮影レンズのレンズ位置との関係の一例を示す模式図である。
【図19】近景被写体のコントラストが低く、遠景被写体のコントラストが高い画像に対して評価領域が設定される一例を示す模式図である。
【図20】近景被写体のコントラストが低く、遠景被写体のコントラストが高い画像についての評価値と撮影レンズのレンズ位置との関係の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 デジタルカメラ
8 シャッターボタン
11 撮影レンズ
70 画像メモリ
100 カメラ制御部
110 レンズ駆動部
150 光学系制御部
152 検出領域設定部
153 エッジ検出部
154 評価領域設定部
155 評価値算出部
158 駆動制御部
A,B 縦エッジ
C,D 横エッジ
LE 大エッジ
EA1,EA2 境界検出領域
F1 第1の評価領域
F2 第2の評価領域
P1 第1の画像領域
P2 第2の画像領域

Claims (8)

  1. 複数の画素で構成される画像を入力して、撮影レンズの合焦制御を行う光学系制御装置であって、
    前記画像に所定の境界検出領域を設定する検出領域設定手段と、
    前記境界検出領域からエッジを検出するエッジ検出手段と、
    前記エッジの一部を含み、かつ、当該エッジの両側の領域である第1と第2の画像領域について、前記第2の画像領域よりも前記第1の画像領域を多く含む第1の評価領域と、前記第1の画像領域よりも前記第2の画像領域を多く含む第2の評価領域とを設定する評価領域設定手段と、
    前記第1と第2の評価領域について前記撮影レンズの合焦状態に関する評価値を別々に算出する評価値算出手段と、
    前記評価値算出手段によって算出された第1と第2の評価領域に係る評価値が所定の関係を満たすときに、前記第1と第2の画像領域の境界が近景被写体と遠景被写体との遠近境界であると特定する特定手段と、
    前記特定手段によって特定された遠近境界に対して設定された第1と第2の評価領域に係る評価値のうちいずれか一方の評価値に基づいて求められた前記撮影レンズの合焦位置への前記撮影レンズの駆動を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする光学系制御装置。
  2. 請求項1に記載の光学系制御装置であって、
    前記合焦状態に関する評価値が、各前記評価領域内の各隣接画素間に関するコントラスト値の総和を少なくとも含むことを特徴とする光学系制御装置。
  3. 請求項1に記載の光学系制御装置であって、
    上記評価値の所定の関係とは、前記第1の評価領域に係る評価値が最大となる前記撮影レンズのレンズ位置と前記第2の評価領域に係る評価値が最大となる前記撮影レンズのレンズ位置とが、所定値以上異なる関係であることを特徴とする光学系制御装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の光学系制御装置であって、前記検出領域設定手段が、前記画像の全体を境界検出領域として設定することを特徴とする光学系制御装置。
  5. 請求項1から請求項のいずれかに記載の光学系制御装置であって、前記検出領域設定手段が、前記画像に対して水平方向に一定幅の境界検出領域を設定することを特徴とする光学系制御装置。
  6. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の光学系制御装置であって、前記検出領域設定手段が、前記画像に対して垂直方向に一定幅の境界検出領域を設定することを特徴とする光学系制御装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の光学系制御装置であって、
    前記第1と第2の評価領域は、
    それぞれ前記エッジによって区切られる一方の領域の面積が他方の領域の面積の2倍以上であることを特徴とする光学系制御装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の光学系制御装置であって、
    前記エッジ検出手段が、前記境界検出領域から複数のエッジを検出し、
    前記特定手段が、前記複数のエッジの中から前記遠近境界に相当するエッジを特定することを特徴とする光学系制御装置。
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