JP5429056B2 - 塩基性固形廃棄物の無害化処理方法 - Google Patents

塩基性固形廃棄物の無害化処理方法 Download PDF

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本発明は、塩基性固形廃棄物の無害化処理方法に関し、より具体的には、例えば製鋼スラグに代表されるフッ素および重金属を含有する塩基性固形廃棄物に、高炉セメントおよび高炉水砕スラグ粗粉末を添加することによって、フッ素および、例えば鉛に代表される重金属の溶出を防止して塩基性固形廃棄物を無害化処理する方法に関する。
フッ素や重金属を含有する塩基性固形廃棄物を土木材料として路盤材や土木工事資材へリサイクルする場合、フッ素や重金属が埋設された塩基性固形廃棄物から雨水や地下水によって徐々に溶出し、周辺の土壌や地下水を汚染する危険性が指摘されている。そのため、これまでにも、塩基性固形廃棄物からのフッ素や重金属の溶出を抑制して無害化する技術が多数提案されている。
最も一般的な技術は、セメント固化またはコンクリート固化である。しかし、セメントまたはコンクリートは重金属やフッ素を固定できる量が少ないため、セメント固化またはコンクリート固化は十分な処理方法であるとは言い難い。このため、セメント固化またはコンクリート固化の欠点を補うための発明が幾つか開示されている。
例えば、特許文献1には、焼却集塵灰に、CaO:Alの混合モル比が0.5〜3.0であるアルミナセメント5〜20質量部、あるいは、このアルミナセメント及びポゾランからなる混合セメント8〜10質量部と、硫酸アルミニウム等の無機塩類と、水とを混合して固化することによって、重金属を固定化する発明(以下、「特許文献1開示発明」という)が開示されている。
特許文献2には、焼却灰および焼却飛灰のうちの少なくとも一方を溶融炉により溶融処理する場合に、溶融炉で発生する溶融スラグ100質量部に対して、ブレーン比表面積値が4000cm/g以上の高炉水砕スラグの微粉末5〜50質量部、セメントまたは消石灰あるいはこれらの混合物2〜30質量部、及び水10〜50質量部を混合することにより、溶融スラグに含まれる重金属を固定化する発明(以下、「特許文献2開示発明」という)が開示されている。
特許文献3には、フッ素および重金属を含む飛灰100質量部に、平均粒径が250μm以下の高炉徐冷スラグの粉末、高炉水砕スラグの粉末または高炉風砕スラグの粉末の1種又は2種以上を組合わせた粉末100〜400質量部を混合した後に造粒物を形成することによって、フッ素および重金属をいずれも固定化する発明(以下、「特許文献3開示発明」という)が開示されている。
また、特許文献4には、フッ素および重金属を含有する廃棄物に、平均粒径が200μm以下の固化剤として、高炉セメント、高炉水砕スラグ粉末、高炉徐冷スラグ粉末およびポルトランドセメントから選んだ1種または2種以上の水硬性物質を添加するとともに、平均粒径が200μm以下の安定化剤として、焼成ドロマイト粉末と石膏粉末とを混合し、水を加え混練し、反応させて凝結固化させることによって、フッ素および重金属の溶出を抑制する発明(以下、「特許文献4開示発明」という)が開示されている。
特開平9−10727号公報 特開平9−227181号公報 特開2005−279521号公報 特開2006−289306号公報
特許文献1開示発明は、焼却灰に固化剤としてのアルミナセメントおよび混合セメントに安定化剤の硫酸アルミニウム等の無機塩類の2種を用いることによって重金属を固定するとしている。しかし、特許文献1開示発明は、重金属の固定化能が低く、例えば、溶出量を廃棄物判定基準以下にすることは可能であっても、土壌環境基準をクリアすることができないので、重金属を含む廃棄物を、土木資材として路盤材や土木工事資材へリサイクルできない。
特許文献2開示発明は、廃棄物を焼却炉で焼却する際に発生した溶融スラグ中の重金属、例えば鉛を固定化するために、高炉スラグ微粉末およびセメントを使用しており、十分な溶出防止効果は期待できる。しかし、高炉スラグ微粉末は、その製造過程に高炉スラグの粉砕工程を必要とするために高価であることから、特許文献2開示発明は処理コストが嵩む。
特許文献3開示発明は、高炉スラグを使用することによって十分な効果が期待できるものの、高炉スラグの添加量が100〜400質量部と多く、かつ高炉スラグを平均粒径250μm以下の微粉末にする粉砕工程が必要であるため、特許文献2開示発明と同様に処理コストが嵩むとともに、多量の高炉スラグを添加するために無害化後の製品の質量が増加して、減容化の要請に反する。
さらに、特許文献4開示発明は、固化剤と安定化剤を使用することによって十分な溶出防止効果を期待できるものの、安定化剤として焼成ドロマイト粉末または石膏粉末が必要であるとともに、固化剤及び安定化剤の平均粒径が200μm以下の粉末であることが必要であるため、特許文献2開示発明および特許文献3開示発明と同様に、微細に粉砕する必要があるとともに安定化剤を混合する必要があるため、副資材の増加および副資材混合工程の追加が必要になって、処理コストが嵩む。
本発明は、鉄鋼精錬工程より発生する製鋼スラグを粒度30mm以下に破砕したものであるとともにフッ素およびを含有する塩基性固形廃棄物100質量部に、高炉セメント40〜50質量部および高炉水砕スラグを粒度1mm以下に粉砕したものである高炉水砕スラグ粗粉末40〜50質量部のみを添加するとともに水を加えて混錬し、化学反応させて凝結固化させることによって、フッ素およびの溶出を抑制することを特徴とする塩基性固形廃棄物の無害化処理方法である。
本発明により、塩基性固形廃棄物からのフッ素および重金属の溶出量、例えば、鉄鋼精錬工程において発生する製鋼スラグに含まれるフッ素および鉛の溶出量を、安定化剤を使用することなく高炉水砕スラグ粗粉末と高炉セメントといった固化剤のみを添加することによって、固化剤として使用する高炉水砕スラグ粗粉末は破砕又は篩い分けにより低コストで製造が可能であるとともに高炉セメントはポルトランドセメントに比べて安価であることから、低コストで、土壌環境基準以下に抑制して塩基性固形廃棄物を無害化処理することができる。
図1は、未処理の製鋼スラグの固化物、および本発明により無害化処理された製鋼スラグの固化物それぞれのフッ素の含有量と溶出量との関係を示すグラフである。 図2は、未処理の製鋼スラグの固化物、および本発明により無害化処理された製鋼スラグの固化物それぞれの鉛の含有量と溶出量との関係を示すグラフである。
本発明を実施するための形態を、説明する。
本発明では、フッ素および重金属(例えば鉛)を含有する塩基性固形廃棄物100質量部に対して、高炉セメント40〜50質量部および高炉水砕スラグ粗粉末40〜50質量部を添加するとともに水を加えて混錬し、これにより、化学反応させて凝結固化させることによって、フッ素および重金属の溶出を抑制して、塩基性固形廃棄物を無害化処理する。そこで、本発明の構成要素を順次説明する。
[塩基性固形廃棄物]
塩基性固形廃棄物は、フッ素と、例えば鉛に代表される重金属とを含有する塩基性の固形廃棄物である。
塩基性固形廃棄物として、鉄鋼精錬工程より発生する製鋼スラグを粒度30mm以下に予め破砕したものを用いることが、後述する固化剤(高炉セメントおよび高炉水砕スラグ粗粉末)との混練を短時間で均一に行うことを可能とするために、好ましい。
なお、粒度30mm以下とは、道路用鉄鋼スラグに関するJIS A 5015に定めるクラッシャラン鉄鋼スラグCS−30下層路盤材の粒度を想定しており、一般的に汎用な粒度である。過粉砕を避ける観点からは、粒径10mm以上が30〜70質量%であることが好ましい。
[高炉セメント]
高炉セメントは、ポルトランドセメントクリンカー、高炉水砕スラグおよびセッコウを混合したセメントであって、JISに規定されるA種(高炉水砕スラグ30質量%以下)、B種(同30質量%超60質量%以下)、C種(同60質量%超70質量%以下)を包含する。
高炉セメントの代表的な化学成分は、CaO:55〜60質量%、Al:8〜9質量%、SiO:25〜27質量%である。
高炉セメントの粒度は、特に限定を要するものではなく、JIS R 5211に規定される比表面積3000cm/g以上が例示される。
[高炉水砕スラグ粗粉末]
高炉水砕スラグ粗粉末として、高炉水砕スラグを粒度1mm以下に粉砕したものを用いることが、フッ素や重金属の固定を確実に行うためには好ましい。また、粒度を高炉スラグ微粉末と同程度の比表面積3000cm/g以上にするためには、高炉スラグの粉砕工程を必要とするために高炉水砕スラグの処理コストが嵩むので、粒径0.5mm以上が40〜60質量%であることが好ましい。
[フッ素および重金属の固定化]
本発明では、塩基性固形廃棄物に、高炉セメントおよび1mm以下に粉砕した高炉水砕スラグ粗粉末を添加するとともに、水を加えて混錬し、これにより、化学反応させて凝結固化させることによって、フッ素および重金属を固定化することができ、フッ素及び重金属の溶出値を土壌環境基準以下に抑制することができる。
高炉水砕スラグ粗粉末および高炉セメントを固化剤として用いることによって塩基性固形廃棄物からのフッ素および重金属の溶出を防止できる技術は、以下の原理にも基づく。
高炉スラグは、CaO、AlおよびSiOを含有し、水の存在下では、Caイオン、Alイオン、Siイオンが同時に溶出し、水和反応によってCaO−Al−SiO−HO系化合物を生成する。塩基性固形廃棄物に含まれるフッ素および重金属は、以下に列記する水和物を形成することによって、固定化される。
CaO−Al−SiO−HO−F
CaO−Al−SiO−HO−XO(X:重金属)
固化剤として使用する高炉セメントおよび高炉水砕スラグ粗粉末の使用量が、それぞれ40質量部未満であると、フッ素および重金属の充分な固定化を図ることができず、一方、それぞれ50質量部超であると、処理後の製品量が多くなり、減容化の要請に反するので、塩基性固形廃棄物100質量部に対して、それぞれ40〜50質量部の範囲であることが好ましい。
塩基性固形廃棄物は、高炉セメントおよび高炉水砕スラグ粗粉末を添加し、水を加えて混練し、その後に成形して固化物とすることが、その後のハンドリングが容易になるために好ましい。
本発明の効果を、特許文献1開示発明〜特許文献4開示発明と対比しながら、以下に順次説明する。
特許文献1開示発明では、重金属およびフッ素の溶出を防止するCaO、Al及びSiOの化合物をアルミナセメントより生成するが、アルミナセメント中のこれらの化合物の含有量は十分でないため、処理しようとする塩基性固形廃棄物との混合接触が十分に行われないことから、塩基性固形廃棄物に含まれる重金属およびフッ素の溶出を十分に防止できない。
これに対し、本発明では、高炉セメントと高炉水砕スラグとを混合して用いることによって、反応に十分な量のCaO、Al及びSiOの化合物を確保できるので、重金属およびフッ素の充分な溶出防止効果を得ることができる。
また、特許文献2開示発明では、高炉スラグ微粉末(CaO:41〜44質量%、Al:12〜15質量%、SiO:31〜34質量%)の使用によって処理コストが高価になる。
これに対し、本発明では、高炉水砕スラグ粗粉末と高炉セメントとを組合わせて混合することによって、高価な高炉スラグ微粉末を用いる必要がなくなるため、塩基性固形廃棄物の無害化処理を低コストで実現することが可能になるとともに、特許文献2開示発明と同程度の溶出防止効果を確保することができる。
また、特許文献3開示発明では、高炉スラグの添加量が多くなるための処理後の製品量が多くなるとともに、高価な微粉末スラグを使用することにより処理費用が嵩む。
これに対し、本発明では、高炉水砕スラグ粗粉末に加え高炉セメントを同時に混合することにより、高炉スラグの添加量を削減することができる。すなわち、本発明によれば、フッ素および重金属を含有する塩基性固形廃棄物100質量部に対し、高炉水砕スラグ粗粉末40〜50質量部と、高炉セメント40〜50質量部とを同時に混合するため、高炉スラグに比べてCaO含有量が多い高炉セメント(CaO:約60質量%)から固定化に必要なCaイオンを十分に供給できるため、固化剤としての高炉スラグの使用量を大幅に削減することができる。
さらに、本発明では、混合する高炉水砕スラグの粒度を、特許文献3開示発明に比べて粗粒度の1mm以下とすることによって微粉末に粉砕する必要を省略することができ、高炉水砕スラグ粗粉末を、粗い破砕作業又は篩い分け作業を行うことによって製造することができるため、この高炉水砕スラグ粗粉末の製造コストを低下することができる。
以上の理由により、塩基性固形廃棄物からのフッ素および重金属の溶出を低コストで防止することができ、かつ、処理後の製品量を少なくすることができ、リサイクル量の低減または最終処分量の低減とともに、輸送コストや保管コストの低減を図ることができる。
さらに、特許文献4開示発明では、安定化剤から供給するMgOと固化剤からのCaO及びSiOによってCaO−MgO−SiO−HO系の水和物を生成させ固定化させるために、安定化剤としての焼成ドロマイト粉末または石膏粉末の使用が必要になってしまう。
これに対し、本発明では、高炉水砕スラグ粗粉末および高炉セメントによりAlを供給し、CaO−Al−SiO−HO系の水和物を生成させ、特許文献4開示発明におけるMgOの代替としてAlを使用することによって、塩基性固形廃棄物からのフッ素および重金属の溶出を防止することが可能である。ここで、Alは固化剤である高炉水砕スラグおよび高炉セメントの双方に十分な量が含有されているので、MgOを含む焼成ドロマイト粉末または石膏粉末といった安定化材を必要とせず、これにより、副資材及び処理工程の低減を図ることができる。
このように、本発明によると、
(a)高炉水砕スラグ粗粉末および高炉セメントを併用することによって固化剤の添加量を低減でき、(b)高炉水砕スラグ粗粉末を比較的粗粒度の1mm以下とすることによって高炉水砕スラグ粗粉末の製造コストを抑制でき、無害化処理コストを抑制することができるとともに、(c)ドロマイトや、ドロマイトおよび石膏の組み合わせといった安定化剤を用いることなく、高炉水砕スラグ粗粉末および高炉セメントからなる固化剤のみにより、塩基性固形廃棄物からの有害物質(フッ素および重金属)の溶出を防止でき、フッ素および重金属を含む塩基性固形廃棄物を無害化することができる。
このため、塩基性固形廃棄物からのフッ素および重金属の溶出量、例えば、鉄鋼精錬工程において発生する製鋼スラグに含まれるフッ素および鉛の溶出量を、安定化剤を使用することなく、高炉水砕スラグ粗粉末と高炉セメントといった固化剤のみを添加することによって、固化剤として使用する高炉水砕スラグ粗粉末は破砕又は篩い分けにより低コストで製造が可能であるとともに高炉セメントはポルトランドセメントに比べて安価であることから、低コストで、土壌環境基準以下に抑制して塩基性固形廃棄物を無害化処理することができる。
したがって、フッ素および重金属を含む塩基性固形廃棄物を、土木資材として例えば路盤材や土木工事資材へリサイクルすることができるようになる。
本発明を、実施例を参照しながら、以下に詳細に説明する。
鉄鋼精錬工程より発生した、フッ素および重金属を含有する製鋼スラグと、高炉セメントおよび高炉水砕スラグ粗粉末とを混合し、水を加えて混練し凝結固化させて得られた固化物のフッ素および鉛の溶出防止効果を示す。
表1には、鉛を添加した鉄鋼製品の精錬工程より発生した製鋼スラグのフッ素および鉛の含有量及び溶出量と、本発明の実施例のフッ素および鉛の含有量および溶出量とをまとめて示す。なお、表1におけるフッ素溶出量および鉛溶出量は、いずれも、環境庁告示46号に規定された分析方法により求めた。
Figure 0005429056
表1における本発明の実施例は、フッ素および鉛が溶出する製鋼スラグ100質量部と、高炉セメント40質量部と、1mm以下に粉砕した高炉水砕スラグ粗粉末40質量部とを混合し、水を加えて混練し凝結固化させて得られた固化物のフッ素溶出量および鉛溶出量を示す。
本発明の実施例のフッ素溶出量は、平均5.8mg/Lから1.2mg/Lと約80%低減され、また鉛溶出量は、平均0.09mg/Lから0.005mg/Lと約94.5%低減され、フッ素および鉛を含有する製鋼スラグが無害化処理されたことがわかる。
図1(a)及び図1(b)は、いずれも、未処理の製鋼スラグの固化物、および本発明により無害化処理された製鋼スラグの固化物それぞれのフッ素の含有量と溶出量との関係を示すグラフである。
図1(a)および図1(b)にグラフで示すように、未処理の製鋼スラグ、および本発明により無害化処理した製鋼スラグの固化物のいずれもが、フッ素溶出量は正の相関を示し、一般的には最小二乗法による一次近似直線がよく合致するが、製鋼スラグの場合は指数近似曲線がよく合致する。
このとき、本発明により無害化処理された製鋼スラグの固化物は、固化剤の混合によりフッ素の溶出量が製鋼スラグの0.88〜1.20質量%に比べて0.48〜0.69質量%と低く、従って正の相関により、フッ素の溶出量は製鋼スラグ2.3〜15.0mg/Lに比べ、本発明により無害化処理した製鋼スラグ固化物は0.7〜1.6mg/Lと低い値を示す。
本発明により無害化処理された製鋼スラグ固化物の一次近似直線をフッ素含有量1.20質量%まで外挿しても、フッ素の溶出量は高々6mg/Lと推定され、本発明の無害化処理の効果が充分であることがわかる。このことは、図1のグラフにおいてフッ素溶出量を対数表示した場合によりよく表現される。
図2は、未処理の製鋼スラグの固化物、および本発明により無害化処理された製鋼スラグの固化物それぞれの鉛の含有量と溶出量との関係を示すグラフである。
図2にグラフで示すように、未処理の製鋼スラグ、および本発明により無害化処理された製鋼スラグの固化物のいずれもが、鉛溶出量は正の相関を示し、一般的には最小二乗法による一次近似直線がよく合致する。
このとき本発明により無害化処理された製鋼スラグの固化物は、固化剤の混合により鉛の溶出量が製鋼スラグの80〜180ppmに比べて32〜56ppmと低く、従って正の相関により、鉛の溶出量は製鋼スラグ0.012〜0.390mg/Lに比べ、本発明により無害化処理した製鋼スラグ固化物は<0.005〜0.016mg/Lと低い値を示す。
本発明により無害化処理された製鋼スラグの固化物の一次近似直線を鉛含有量100ppmまで外挿しても、鉛溶出量は高々0.010mg/Lと推定され、本発明の無害化処理の効果が充分であることがわかる。

Claims (1)

  1. 鉄鋼精錬工程より発生する製鋼スラグを粒度30mm以下に破砕したものであるとともにフッ素およびを含有する塩基性固形廃棄物100質量部に、高炉セメント40〜50質量部および高炉水砕スラグを粒度1mm以下に粉砕したものである高炉水砕スラグ粗粉末40〜50質量部のみを添加するとともに水を加えて混錬し、化学反応させて凝結固化させることによって、前記フッ素およびの溶出を抑制することを特徴とする塩基性固形廃棄物の無害化処理方法。
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