JP5428613B2 - 液体現像用トナー及びその製造方法、液体現像剤、液体現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、並びに、画像形成装置 - Google Patents

液体現像用トナー及びその製造方法、液体現像剤、液体現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、並びに、画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、液体現像用トナー及びその製造方法、液体現像剤、液体現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、並びに、画像形成装置に関する。
電子写真プロセスにおいて、静電潜像を現像する方式としては、大別して乾式現像法と湿式現像法とがある。
乾式現像法は粉末トナーを使用して付着させる方法であり、一方、湿式現像法はトナーを分散させた液体現像剤を使用してトナーを付着させる方法である。
近年、オンデマンド、個別対応の印刷のニーズが高まってきており、版を必要としない電子写真プロセスの適用が検討されてきている。
液体現像剤に使用される従来の液体現像用トナーとしては、顔料を単体で、あるいは、顔料を分散させた樹脂を、液中に分散させた球状あるいは塊状の粒子が知られている。
また、従来の液体現像剤に使用するトナー粒子としては、特許文献1に記載されているものが知られている。
特許文献1には、無極性液体中で電気泳動により移動させるためのトナー粒子であって、複数個のファイバー状突起を形成した熱可塑性重合体を含んで成ることを特徴とするトナー粒子が記載されている。
特公平5−87825号公報
本発明の目的は、本構成を有さない場合に比べて、画質に優れる液体現像用トナーを提供することである。
上記課題は、以下に示す<1>、<2>、又は、<5>〜<8>の手段により解決された。好ましい実施態様である<3>及び<4>と共に以下に示す。
<1>複数の突起を有する粒子であり、前記粒子の表面の少なくとも一部に被膜を有し、前記突起の少なくとも1つを形成している結晶を内包することを特徴とする液体現像用トナー、
<2>被膜により形成された結晶の材料を内部に含む粒子を分散媒中に分散した分散液を作製する分散工程、並びに、前記粒子内において、外部刺激を与えることにより前記粒子の粒径よりも長い最大長を有する結晶を形成する形成工程を含む上記<1>に記載の液体現像用トナーの製造方法、
<3>前記外部刺激が温度変化である上記<2>に記載の液体現像用トナーの製造方法、
<4>前記分散工程及び/又は前記形成工程において、マイクロリアクターを使用する上記<2>又は<3>に記載の液体現像用トナーの製造方法、
<5>上記<1>に記載の液体現像用トナーを含む液体現像剤、
<6>上記<5>に記載の液体現像剤を含む液体現像剤カートリッジ、
<7>上記<5>に記載の液体現像剤を含むプロセスカートリッジ、
<8>像保持体と、前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像を上記<5>に記載の液体現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を前記像保持体から被転写体に転写する転写手段と、前記トナー像を被転写体に定着する定着手段と、を有する画像形成装置。
前記<1>に記載の発明によれば、本構成を有さない場合に比べて、画像形成装置で使用した際に画質に優れる液体現像用トナーを提供することができる。
前記<2>〜<4>に記載の発明によれば、本構成を有さない場合に比べて、画像形成装置で使用した際に画質に優れる液体現像用トナーを製造することができる液体現像用トナーの製造方法を提供することができる。
前記<5>に記載の発明によれば、本構成を有さない液体現像剤用トナーを用いる場合に比べて、画像形成装置で使用した際に画質に優れる液体現像剤を提供することができる。
前記<6>に記載の発明によれば、本構成を有さない液体現像剤を用いる場合に比べて、画像形成装置で使用した際に画質に優れる液体現像剤カートリッジを提供することができる。
前記<7>に記載の発明によれば、本構成を有さない液体現像剤を用いる場合に比べて、画像形成装置で使用した際に画質に優れるプロセスカートリッジを提供することができる。
前記<8>に記載の発明によれば、本構成を有さない液体現像剤を用いる場合に比べて、画質に優れる画像形成装置を提供することができる。
自己組織化膜を使用した場合における本実施形態の液体現像用トナーの製造方法の一例を示す模式概略図である。
以下、本実施形態について詳細に説明する。
なお、本実施形態において、「A〜B」との記載は、AからBの間の範囲だけでなく、その両端であるA及びBも含む範囲を表す。例えば、「A〜B」が数値範囲であり、AよりBが大きい場合は「A以上B以下」を表し、AよりBが小さい場合は「B以上A以下」を表す。
(液体現像用トナー)
本実施形態の液体現像用トナー(「液体現像トナー」、「湿式現像用トナー」又は単に「トナー」ともいう。)は、複数の突起を有する粒子であり、前記粒子の表面の少なくとも一部に被膜を有し、前記突起の少なくとも1つを形成している結晶を内包することを特徴とする。
本実施形態の液体現像用トナーは、複数の突起を有する粒子である。
本実施形態の液体現像用トナーの有する突起の数としては、2個以上であれば、特に制限はないが、3個以上の突起を有していることが好ましい。
本実施形態の液体現像用トナーの有する突起の大きさとしては、トナー粒子における少なくとも1つの突起が粒径の10%以上の長さを有していることが好ましく、粒径の20%以上の長さを有していることがより好ましく、粒径の30%以上の長さを有していることが更に好ましい。
本実施形態の液体現像用トナーは、トナー粒子の表面の少なくとも一部に被膜を有する。
前記被膜の材質としては、自己組織化膜、又は、樹脂などが挙げられる。
本実施形態の液体現像用トナーは、トナー粒子の表面の少なくとも一部に被膜を有していればよく、トナー粒子の表面の全てが被膜で覆われている必要はない。また、トナー粒子の表面の被膜は、穴や裂け目、たわみ等を有していてもよく、例えば、被膜を結晶が貫通していてもよい。
また、前記被膜を、トナー粒子の表面だけでなく、内部に有していてもよい。
本実施形態の液体現像用トナーは、トナー粒子の表面積のうち、20%以上が被膜により覆われていることが好ましく、50%以上が被膜により覆われていることがより好ましく、80%以上が被膜により覆われていることが更に好ましい。
また、本実施形態の液体現像用トナーにおける被膜は、常温において、固体であることが好ましい。
本実施形態に用いられる「自己組織化膜」とは、外からの細かい制御を加えていない状態で、膜形成分子そのものがもつ物性によって形成される一定の秩序をもつ組織をもった単分子膜やLB膜、二重膜などの膜を形成することができる化合物、及び/又は、その集合体のことをいう。
本実施形態の液体現像用トナーの被膜における自己組織化膜は、任意の形状であればよく、単分子膜であっても、二分子膜であっても、これらが2層以上任意に積層した積層体であってもよい。
本実施形態に用いられる自己組織化膜の材質としては、単分子膜や二分子膜等を形成できる材質であれば、特に制限はないが、ベシクルやリポソームを形成することができる材質であることが好ましい。
ベシクルやリポソームを形成することができる材質としては、リン脂質や界面活性剤などの両親媒性の物質が挙げられる、中でも、リン脂質を用いることが特に好ましい。
リン脂質は、分子内に長鎖アルキル基から構成される疎水性基とリン酸基より構成される親水性基のグループを持つ両親媒性物質である。
本実施形態に用いられるリン脂質は、リポソームを形成しうるものであれば、天然または合成のいずれのものでも使用可能であり、例えば、グリセリンを骨格とするグリセロリン脂質、スフィンゴシンを骨格とするスフィンゴリン脂質が挙げられる。
グリセロリン脂質としては、具体的には、ホスファチジン酸、ホスファチジルグリセロール、カルジオリピン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、及び、ホスファチジルイノシトールが好ましく挙げられる。
スフィンゴリン脂質としては、スフィンゴミエリン、スフィンゴエタノールアミン、及びセラミドシリアチンが好ましく挙げられる。
また、前記リン脂質を構成する脂肪酸としては、炭素数10以上25以下の飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸を好適に用いることができる。このような脂肪酸の具体例としては、飽和脂肪酸として、パルミチン酸、及び、ステアリン酸、不飽和脂肪酸として、オレイン酸が挙げられる。
これらの自己組織化膜の材質は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本実施形態の液体現像用トナーの被膜における樹脂としては、特に制限はないが、トナーの結着樹脂が好適に例示できる。
前記被膜として用いられる樹脂としては、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、及び、これらの共重合体などの付加重合型樹脂、ポリエステル樹脂、及び、ポリアミド樹脂などの重縮合樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、付加重合型樹脂であることが好ましい。
付加重合型樹脂の作製に使用する付加重合性単量体としては、公知の単量体を用いることができる。また、重縮合性単量体と付加重合性単量体との両方を使用し、重縮合と付加重合とを同時あるいは別々に行い複合化してもよい。
付加重合性単量体としては、例えば、カチオン重合性単量体及びラジカル重合性単量体が挙げられるが、ラジカル重合性単量体であることが好ましい。
この場合に用いられるラジカル重合性単量体としては、具体的には、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン等のα−置換スチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン等の核置換スチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、ジブロモスチレン等の核置換ハロゲン化スチレン等のビニル芳香族類、(メタ)アクリル酸(なお、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルを意味するものとし、以下も同様とする。)、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸類、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸エステル類、(メタ)アクリルアルデヒド、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド等の不飽和カルボン酸誘導体類、N−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物類、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル化合物類、N−メチロールアクリルアミド、N−エチロールアクリルアミド、N−プロパノールアクリルアミド、N−メチロールマレインアミド酸、N−メチロールマレインアミド酸エステル、N−メチロールマレイミド、N−エチロールマレイミド等のN−置換不飽和アミド類、ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルシクロヘキサン等の多官能ビニル化合物類、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能アクリレート類等が挙げられる。なお、これらの中で、N−置換不飽和アミド類、共役ジエン類、多官能ビニル化合物類、及び、多官能アクリレート類等は、生成された重合体に架橋反応を生起させることもできる。これらを、単独で、あるいは組み合わせて使用できる。
前記付加重合性単量体、特にラジカル重合性単量体は、その重合法としてラジカル重合開始剤を用いる方法、熱による自己重合、紫外線照射を用いる方法、既知の重合方法を用いることができる。この場合、ラジカル開始剤を用いる方法としてラジカル開始剤は、油溶性、水溶性のものがあるがどちらの開始剤を使用しても構わない。
具体的には、例えば、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ヒドロクロリド等のアゾビスニトリル類、アセチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチル−α−クミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、α−クミルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート等のパーオキシエステル、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、ジ−イソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド等のヒドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等のパーオキシカーボネート等の有機過酸化物類;過酸化水素等の無機過酸化物類;過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩類;ベンゾインエーテル類、ベンジルジメチルケタール類、ベンゾイルベンゾエート類、ヒドロキシフェニルケトン類、アミノフェニルケトン類などのカルボニル系重合開始剤等のラジカル重合開始剤が挙げられる。なお、レドックス重合開始剤を併用することもできる。
また、付加重合時に連鎖移動剤を用いてもよい。連鎖移動剤としては、特に制限はなく、具体的には炭素原子と硫黄原子との共有結合を持つものが好ましく、例えば、チオール類が好ましく挙げられる。
本実施形態の液体現像用トナーは、前記突起の少なくとも1つを形成している結晶を内包する。
本実施形態の液体現像用トナーの内部に有する少なくとも1つの結晶は、トナー粒子表面に少なくとも1つの突起を形成しており、トナー粒子表面の少なくとも1つの突起の内部には少なくとも結晶が存在する。
また、「結晶を内包する」とは、結晶の全てが被膜で覆われている必要はなく、複数の突起を含む粒子内に結晶が含まれていればよい。例えば、被膜を結晶の一部が貫通して外部に露出していてもよい。
また、本実施形態の液体現像用トナーは、複数の突起を有していればよく、また、結晶により形成されたものでない1以上の突起を有していてもよいことは言うまでもない。
また、本実施形態の液体現像用トナーは、1つの結晶により形成された2つ以上の突起を少なくとも有する粒子であることが好ましい。
前記結晶は、常温(25℃)で固体であり、トナー表面に突起を形成可能なものであれば、特に制限はないが、針状結晶、板状結晶、柱状結晶、星状結晶、繊維状結晶、及び、多角形状結晶等であることが好ましく、針状結晶、柱状結晶、星状結晶、又は、繊維状結晶であることがより好ましく、針状結晶であることが更に好ましい。
また、前記結晶は、単結晶であることが好ましい。
また、本実施形態の液体現像用トナーにおいて、1つのトナー粒子に内包される結晶のうち、最も長い結晶の最大長は、当該トナー粒子の最大長に対し、20%以上の長さであることが好ましく、50%以上の長さであることがより好ましく、70〜100%の長さであることが更に好ましい。
なお、本実施形態における「結晶の最大長」とは、当該結晶内における2点を直線で結んだ時の最大値をいう。
また、本実施形態の液体現像用トナーにおいて、1つのトナー粒子に内包される結晶のうち、最大長の最も長い結晶のアスペクト比は、5以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましく、また、200以下であることが好ましい。
なお、本実施形態における「結晶のアスペクト比」とは、当該結晶について、X、Y、Z軸のうちの2つの軸における長さの比のことである。
結晶の最大長やアスペクト比の測定方法は、特に制限はなく、公知の方法により測定すればよい。例えば、光学顕微鏡や撮像装置などにより得られた粒子や結晶の撮像や投影像において、実測又は画像処理などにより測定される。
本実施形態の液体現像用トナーに用いられる結晶の材質としては、黄鉛、シアニンブルー、フタロシアニン誘導体、キナクリンレッド誘導体、オキサジンバイオレッド、レーキレッド、カーミン、アンスラキノン誘導体などの着色剤や、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、グルタミン酸、アスパラギン酸、グルタミンなどのアミノ酸、サリチル酸誘導体、チロシン、リゾチーム、メントール、シュウ酸誘導体、酸化亜鉛、シリコン、イオウ、安息香酸、硝酸カリウム、硫酸カリウム、ラウリン酸などが好ましく挙げられる。これらの中でも、黄鉛、レーキレッド、及び、チロシンが特に好ましい。
本実施形態の液体現像用トナーに用いられる結晶は、突起を形成する作用のみを有するものであっても、突起を形成する作用以外に、上述のように、着色剤などの作用を有するものであってもよい。
本実施形態の液体現像用トナーは、被膜、及び、結晶以外に、必要に応じて、結着樹脂、着色剤、離型剤等の公知のトナー成分を含有していてもよい。
本実施形態の液体現像用トナーは、結着樹脂を含んでいてもよい。
結着樹脂としては、液体現像剤の着色樹脂粒子(トナー)に使用されるものであれば、特に制限はなく、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、及び、これらの共重合体などの付加重合型樹脂、ポリエステル樹脂、及び、ポリアミド樹脂などの重縮合樹脂等が例示できる。
本実施形態に用いられるポリエステル樹脂(以下、単に「ポリエステル」ともいう。)は、重縮合性単量体、及び/又は、そのオリゴマー若しくはプレポリマーを重縮合することにより得られるが、多価カルボン酸とポリオールとを重縮合したポリエステル樹脂であることが好ましい。
重縮合性単量体としては、例えば、多価カルボン酸、ポリオール、ヒドロキシカルボン酸、又は、それらの混合物が挙げられ、少なくとも多価カルボン酸とポリオールとを用いることが好ましい。特に、重縮合性単量体としては、多価カルボン酸とポリオールとさらにはこれらのエステル化合物(オリゴマー及び/又はプレポリマー)であることが好ましく、直接エステル反応、又は、エステル交換反応を経て、ポリエステルを得るものがよい。この場合、重合されるポリエステル樹脂としてはアモルファス(無定形)ポリエステル樹脂(非結晶性ポリエステル樹脂)、結晶性ポリエステル樹脂などのいずれかの形態、またはそれらの混合形態をとることができる。
多価カルボン酸は、1分子中にカルボキシル基を2個以上含有する化合物である。このうち、ジカルボン酸は1分子中にカルボキシル基を2個含有する化合物であり、シュウ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、β−メチルアジピン酸、マロン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、ピメリン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、シトラコン酸、シクロヘキサン−3,5−ジエン−1,2−カルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラクロロフタル酸、クロロフタル酸、ニトロフタル酸、p−カルボキシフェニル酢酸、p−フェニレンジプロピオニック酸、m−フェニレンジプロピオニック酸、m−フェニレン二酢酸、p−フェニレン二酢酸、o−フェニレン二酢酸、ジフェニル二酢酸、ジフェニル−p,p’−ジカルボン酸、1,1−シクロペンテンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキセンジカルボン酸、ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、1,3−アダマンタンジカルボン酸、1,3−アダマンタンジ酢酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸等を挙げられる。
また、ジカルボン酸以外の多価カルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ピレントリカルボン酸、ピレンテトラカルボン酸等を挙げることができる。
上記のカルボン酸は、カルボキシル基以外の官能基を有していてもよく、酸無水物、酸エステル等のカルボン酸誘導体を用いることもできる。
これら多価カルボン酸のうち好ましく用いられる単量体は、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、p−フェニレン二酢酸、m−フェニレン二酢酸、p−フェニレンジプロピオニック酸、m−フェニレンジプロピオニック酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸である。
また、ジカルボン酸以外の多価カルボン酸としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ピレントリカルボン酸、ピレンテトラカルボン酸等が挙げられ、さらにまた、これら多価カルボン酸の低級エステルなどが挙げられる。また、これらの酸塩化物も挙げられる。
これらは1種単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
なお、低級エステルとは、エステルのアルコキシ部分の炭素数が1以上8以下であることを示す。具体的には、メチルエステル、エチルエステル、n−プロピルエステル、イソプロピルエステル、n−ブチルエステル及びイソブチルエステル等が挙げられる。
ポリオールとは、1分子中に水酸基を2個以上含有する化合物である。ポリオールとしては、特に限定はされないが、次の単量体を挙げることができる。
ジオールは1分子中に水酸基を2個含有する化合物であり、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、テトラデカンジオール、オクタデカンジオール等を挙げられる。
また、ジオール以外のポリオールとしては、グリコール、ペンタエリスリトール、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサエチロールメラミン、テトラメチロールベンゾグアナミン、テトラエチロールベンゾグアナミン等を挙げられる。
また、環状構造を有するポリオールとしては次の単量体を挙げることができる。例えば、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフェノールC、ビスフェノールE、ビスフェノールF、ビスフェノールP、ビスフェノールS、ビスフェノールZ、水素添加ビスフェノール、ビフェノール、ナフタレンジオール、1,3−アダマンタンジオール、1,3−アダマンタンジメタノール、1,3−アダマンタンジエタノール等を挙げることができる。
本実施形態では、上記ビスフェノール類が少なくとも一つのアルキレンオキサイド基を有することが好ましい。アルキレンオキサイド基としては、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド等を挙げることができる。好適には、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドが挙げられ、その付加モル数は1以上3以下であることが好ましい。この範囲である場合、作製するポリエステルの粘弾性やガラス転移温度が液体現像剤として使用するために適切に制御される。
上述の単量体のうち、好適に使用される単量体としては、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、及び、ビスフェノールA、ビスフェノールC、ビスフェノールE、ビスフェノールS、ビスフェノールZの各アルキレンオキサイド付加物が挙げられる。
重縮合性単量体は、任意の割合で2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらの重縮合性単量体の組み合わせにより非結晶性樹脂や結晶性樹脂を容易に得ることができる。
例えば、結晶性ポリエステルを得るために使用される多価カルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコ酸、イタコン酸、グルタコ酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、これらの酸無水物あるいはこれらの低級エステルなどが挙げられる。さらにまた酸塩化物も挙げられる。
さらにまた、結晶性ポリエステルを得るために用いることができるポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−ブテンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールZ、水素添加ビスフェノールA等も例示できる。
さらにまた、非結晶性のポリエステルを得るために用いることができる多価カルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸等の芳香族ジカルボン酸などや、これらの低級エステルもが例示できる。また三価以上のカルボン酸としては例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、及びこれらの無水物、2−スルホテレフタル酸ナトリウム、5−スルホイソフタル酸ナトリウム、スルホコハク酸ナトリウム塩やこれらの低級エステルなどが例示できる。
このような結晶性のポリエステルとしては、1,9−ノナンジオールと1,10−デカンジカルボン酸、又はシクロヘキサンジオールとアジピン酸とを反応して得られるポリエステル、1,6−ヘキサンジオールとセバシン酸とを反応して得られるポリエステル、エチレングリコールとコハク酸とを反応して得られるポリエステル、エチレングリコールとセバシン酸とを反応して得られるポリエステル、1,4−ブタンジオールとコハク酸とを反応して得られるポリエステルを挙げることができる。これらの中でも特に1,9−ノナンジオールと1,10−デカンジカルボン酸及び1,6−ヘキサンジオールとセバシン酸とを反応させて得られるポリエステルなどがさらに好ましい。
ここで、重縮合樹脂が結晶性樹脂の場合の結晶融点Tmは、50℃以上120℃以下であることが好ましく、55℃以上110℃以下の範囲であることがより好ましい。Tmが50℃以上であると、高温度域での結着樹脂自体の凝集力が良好であるため、定着の際に剥離性やホットオフセット性に優れる。Tmが120℃以下であると、十分な溶融が得られず、最低定着温度が上昇しにくい。
一方、重縮合樹脂が非結晶性の場合、ガラス転移点Tgは50℃以上80℃以下であることが好ましく、50℃以上70℃以下の範囲であることがより好ましい。Tgが50℃以上であると、高温度域での結着樹脂自体の凝集力が良好であるため、定着の際にホットオフセット性に優れる。Tgが80℃以下であると、十分な溶融が得られ、最低定着温度が上昇しにくい。
ここで、結晶性樹脂の融点の測定には、示差走査熱量計(DSC)を用い、室温から150℃まで毎分10℃の昇温速度で測定を行った時のJIS K−7121:87に示す入力補償示差走査熱量測定の融解ピーク温度として求めることができる。なお、結晶性の樹脂には、複数の融解ピークを示す場合があるが、本実施形態においては、最大のピークをもって融点とみなす。
ここで、非結晶性樹脂のガラス転移点は、ASTM D3418−82に規定された方法(DSC法)で測定した値をいう。
なお、前記の「結晶性ポリエステル樹脂」に示すような「結晶性」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱変化ではなく、明確な吸熱ピークを有することを示し、具体的には、昇温速度10℃/minで測定した際の吸熱ピークの半値幅が6℃以内であることを意味する。
一方、吸熱ピークの半値幅が6℃を越える樹脂や、明確な吸熱ピークが認められない樹脂は、非結晶性(非晶質)であることを意味する。
非結晶性のポリエステルを得るために用いることができる多価アルコールとしては、脂肪族、脂環式、芳香環式の多価アルコールが例示でき、具体的には、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールZ、水素添加ビスフェノールA等を好ましく例示できる。
また、一分子中にカルボン酸と水酸基を含有するヒドロキシカルボン酸化合物を用い、重縮合を実施することもできる。例えば、ヒドロキシオクタン酸、ヒドロキシノナン酸、ヒドロキシデカン酸、ヒドロキシウンデカン酸、ヒドロキシドデカン酸、ヒドロキシテトラデカン酸、ヒドロキシトリデカン酸、ヒドロキシヘキサデカン酸、ヒドロキシペンタデカン酸、ヒドロキシステアリン酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、粘液酸等を挙げることができる。
また、ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、1,500以上55,000以下であることが好ましく、3,000以上45,000以下であることがより好ましい。重量平均分子量が1,500以上であると、バインダー樹脂の凝集力が良好であり、ホットオフセット性に優れ、55,000以下であると、ホットオフセット性に優れ、かつ、最低定着温度が優れた値を示す。また、単量体のカルボン酸価数、アルコール価数の選択などによって一部枝分かれや架橋などを有していてもよい。
重縮合樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、公知の方法により作製すればよい。例えば、重縮合触媒存在下重縮合性単量体を重縮合することが好ましい。
重縮合触媒としては、公知のものを用いることができ、ブレンステッド酸やルイス酸等の酸系触媒や、スズ化合物等の金属触媒などが挙げられる。
結着樹脂として使用できる付加重合型樹脂としては、前記被膜に使用される樹脂において述べたものが好適に用いられる。
付加重合型樹脂の重量平均分子量は、5,000〜50,000であることが好ましく、7,000〜35,000であることがより好ましい。重量平均分子量が5,000以上であると、常温での粉体流動性が良好であり、ブロッキングが生じないので好ましい。さらに、結着樹脂としての凝集力が良好であり、ホットオフセット性の低下が生じない。また、重量平均分子量が50,000以下であると、良好なホットオフセット性と、良好な最低定着温度が得られ。また、重縮合に要する時間や温度が適切であり、製造効率が良好である。
なお、結着樹脂の重量平均分子量は、例えばゲル・パーミュエーション・クロマトグラフィ(GPC)等により測定することができる。
本実施形態の液体現像用トナー中の結着樹脂の含有量は、特に制限はないが、トナーの全重量に対して、20〜95重量%であることが好ましく、30〜90重量%であることがより好ましい。
本実施形態の液体現像用トナーは、着色剤を含有することが好ましい。また、着色剤は、前記突起を形成している結晶としてトナーに含有していてもよい。
着色剤としては、特に制限はなく、公知の着色剤を用いられる。
具体的には例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デイポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドCローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレレート、チタンブラックなどの種々の顔料や、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアジン系、チアゾール系、キサンテン系などの各種染料などが挙げられる。前記着色剤として、具体的には、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料(C.I.No.50415B)、アニリンブルー(C.I.No.50405)、カルコオイルブルー(C.I.No.azoic Blue3)、クロムイエロー(C.I.No.14090)、ウルトラマリンブルー(C.I.No.77103)、デュポンオイルレッド(C.I.No.26105)、キノリンイエロー(C.I.No.47005)、メチレンブルークロライド(C.I.No.52015)、フタロシアニンブルー(C.I.No.74160)、マラカイトグリーンオクサレート(C.I.No.42000)、ランプブラック(C.I.No.77266)、ローズベンガル(C.I.No.45435)、これらの混合物などを好ましく用いることができる。
前記結晶以外の着色剤の使用量は、トナーの全重量に対して、0.1〜20重量%であることが好ましく、0.5〜10重量%であることが特に好ましい。また、着色剤として、これらの顔料や染料等を1種単独で、又は、2種以上を併せて使用することができる。
これらの分散方法としては、任意の方法、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的な分散方法を使用することができ、なんら制限されるものではない。また、これらの着色剤粒子は、その他の粒子成分と共に混合溶媒中に一度に添加してもよいし、分割して多段階で添加してもよい。
また、本実施形態の液体現像用トナー、及び/又は、本実施形態の液体現像剤は、分散剤や顔料誘導体を含有していてもよい。
分散剤としては、特に制限はなく、低分子量の分散剤であっても、高分子量の分散剤であってもよいが、高分子分散剤であることが好ましい。
高分子分散剤としては、例えば、ポリエステル酸アミドアミン塩(市販品として、ディスパロンDA−725(楠本化成(株)製))、ポリアミン化合物とヒドロキシ脂肪族自己縮合物との反応物(市販品として、ソルスパース11200、ソルスパース13940、ソルスパース17000、ソルスパース18000(以上、日本ルーブリゾール(株)製))、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリカルボン酸及びその塩、ポリアクリル酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ポリメタクリル酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ポリマレイン酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、アクリル酸−マレイン酸共重合体金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ポリスチレンスルホン酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、アンモニウム塩等が挙げられる。
顔料誘導体としては、公知の顔料を誘導した誘導体であればよく、前記着色剤と構造が異なる顔料誘導体であってもよい。
また、顔料誘導体としては、顔料等と高分子材料とが結合した顔料誘導体であってもよい。
顔料誘導体として具体的には、ソルスパース5000、ソルスパース22000(以上、日本ルーブリゾール(株)製)等が挙げられる。
また、本実施形態の液体現像用トナーは、必要に応じて、帯電制御剤を含有することができ、液体現像剤に通常用いられているものをいずれも使用することができる。
帯電制御剤としては、安息香酸の金属塩、サリチル酸の金属塩、アルキルサリチル酸の金属塩、カテコールの金属塩、含金属ビスアゾ染料、テトラフェニルボレート誘導体、第四級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩よりなる群から選ばれる化合物、及び、これらを2種以上組み合わせたものが好ましく使用できる。
これら帯電制御剤の添加量は、トナーの全重量に対し、0.1〜10重量%であることが好ましく、0.5〜8重量%であることがより好ましい。0.1重量%以下であると、帯電制御効果が十分得られ、また、10重量%以下であると、液体現像剤の電導度の過度の上昇を抑制される。
さらに、前記帯電制御剤と共に、金属石鹸、無機又は有機金属塩を併用することができる。そのような金属石鹸としては、トリステアリン酸アルミニウム、ジステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸亜鉛、リノレン酸コバルト、リノレン酸マンガン、リノレン酸鉛、リノレン酸亜鉛、オクタン酸アルミニウム、オクタン酸カルシウム、オクタン酸コバルト、オレイン酸カルシウム、オレイン酸コバルト、パルミチン酸亜鉛、ナフテン酸カルシウム、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸鉛、ナフテン酸亜鉛、レジン酸カルシウム、レジン酸コバルト、レジン酸マンガン鉛、レジン酸亜鉛等を用いることができる。金属石鹸は帯電制御性も有するが、着色樹脂粒子の分散性の観点から有用である。また、無機及び有機金属塩としては、例えば金属塩中のカチオン性成分は、周期律表(IUPAC無機化学命名法改訂版 1989年)の第1族、第2族、及び、第13族の金属よりなる群から選ばれ、それらのハロゲン化物、炭酸塩、酢酸塩、硫酸塩、ホウ酸塩、硝酸塩、及び、リン酸塩よりなる群から選ばれる塩である。
また、本実施形態の液体現像用トナーは、ワックス等の助剤を配合してもよく、液体現像剤に通常用いられるものをいずれも使用することができる。
ワックスとしては、例えば、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスポリプロピレンワックス、エチレン共重合体、プロピレン共重合体等が挙げられる。
前記帯電制御剤やワックス等のような助剤は、着色剤を含有する前の結着樹脂中に配合して用いることもできる。
本実施形態の液体現像用トナーの体積平均粒径は、0.1〜6μmであることが好ましく、0.5〜4μmであることがより好ましい。
本実施形態の液体現像用トナー等のような粒子の平均粒径の測定には、コールターカウンターTA−II型(コールター社製)を用いることが好ましい。この場合、粒子の粒径レベルにより、最適なアパーチャーを用いて測定する。測定した粒子の粒径は体積平均粒径で表す。
また、粒子の粒径がおよそ5μm以下の場合は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(LA−700、(株)堀場製作所製)を用いて測定することが好ましい。
さらに、粒径がナノメターオーダーの場合は、BET式の比表面積測定装置(Flow SorbII2300、(株)島津製作所製)を用いて測定することが好ましい。
(液体現像用トナーの製造方法)
本実施形態の液体現像用トナーの製造方法は、被膜により形成された結晶の材料を内部に含む粒子を分散媒中に分散した分散液を作製する分散工程、並びに、前記粒子内において、外部刺激を与えることにより前記粒子の粒径よりも長い最大長を有する結晶を形成する形成工程を含むことが好ましい。
<分散工程>
本実施形態の液体現像用トナーの製造方法は、被膜により形成された結晶の材料を内部に含む粒子を分散媒中に分散した分散液を作製する分散工程を含むことが好ましい。
前記分散工程においては、分散媒中に、結晶の材料と、被膜の材料とを溶解し、分散媒中に被膜により形成された粒子を形成することにより、分散媒中に溶解した結晶の材料を内部に取り込まれた状態の前記粒子を形成する。また、前記分散工程における結晶の材料は、分散媒に完全に溶解していても、一部が溶解し、かつ一部が小さな粒子として分散していてもよい。
結晶の材料としては、本実施形態の液体現像用トナーにおいて前記した結晶の材料を好適に使用することができ、また、好ましい態様も同様である。
「結晶の材料」は、分散媒に溶解、又は、溶解及び分散している結晶の材料だけでなく、反応や分解などの化学変化により結晶を形成する1以上の化合物も含む。
また、前記分散工程における分散媒中の結晶の材料は、溶解した状態であるか、又は、被膜により形成された粒子の粒径よりも短い最大長を有する粒子として分散している状態であることが好ましい。
前記分散工程において使用する分散媒は、結晶の材料、及び、被膜の材質を溶解することができる溶媒であれば、特に制限はないが、前記形成工程における温度変化等の外部刺激により前記結晶を形成することが容易である溶媒であることが好ましい。
本実施形態に用いることのできる分散媒は、水やアルコール等の水系溶媒であっても、有機溶媒であってもよい。
本実施形態に用いることのできる水系溶媒としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水や、エタノール、メタノール等のアルコール類などが挙げられる。これらの中でも、エタノールや水であることが好ましく、蒸留水及びイオン交換水等の水が特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、水系溶媒には、水混和性の有機溶媒を含んでいてもよい。水混和性の有機溶媒としては、例えば、アセトンや酢酸等が挙げられる。
本実施形態に用いることができる有機溶媒の具体例としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン等の炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、ジクロロベンゼン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、p−クロロトルエン等のハロゲン系溶媒、3−ヘキサノン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等のケトン系溶媒、ジブチルエーテル、アニソール、フェネトール、o−ジメトキシベンゼン、p−ジメトキシベンゼン、3−メトキシトルエン、ジベンジルエーテル、ベンジルフェニルエーテル、メトキシナフタレン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、フェニルスルフィド、チオアニソール等のチオエーテル溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、安息香酸メチル、フタル酸メチル、フタル酸エチル、酢酸セロソルブ等のエステル系溶媒、ジフェニルエーテル、又は、4−メチルフェニルエーテル、3−メチルフェニルエーテル、3−フェノキシトルエン等のアルキル置換ジフェニルエーテル、又は、4−ブロモフェニルエーテル、4−クロロフェニルエーテル、4−ブロモジフェニルエーテル、4−メチル−4’−ブロモジフェニルエーテル等のハロゲン置換ジフェニルエーテル、又は、4−メトキシジフェニルエーテル、4−メトキシフェニルエーテル、3−メトキシフェニルエーテル、4−メチル−4’−メトキシジフェニルエーテル等のアルコキシ置換ジフェニルエーテル、又は、ジベンゾフラン、キサンテン等の環状ジフェニルエーテル等のジフェニルエーテル系溶媒が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記分散液における結晶の材料の濃度は、特に制限はないが、飽和濃度が80〜100%である溶液又は過飽和の溶液であることが好ましく、飽和濃度が95〜100%である溶液又は過飽和の溶液であることがより好ましい。上記範囲であると、前記形成工程において、容易に前記結晶が形成される。
また、前記分散工程においては、結晶を前記粒子の外部で析出させないため、分散媒の温度を40〜120℃維持することが好ましく、60〜100℃に維持することがより好ましい。また、前記分散工程においては、分散媒の温度をほぼ一定の温度(例えば、±5℃の範囲)で維持することが好ましい。
前記分散工程において、自己組織化膜の材料を使用し、自己組織化膜を形成する場合は、結晶の材料、被膜の材料、及び、分散媒の混合することにより、被膜により形成された結晶の材料を内部に含む粒子を分散媒中に分散した分散液を作製することができる。
また、自己組織化膜を形成する場合における前記分散工程では、結晶の材料、被膜の材料、及び、分散媒の混合した後、被膜により形成された粒子の形成を促進するため、混合した分散媒を静置することが好ましい。
前記分散工程において、樹脂により被膜を形成する場合は、水を内部に含む油滴が水中に分散した分散液(W/O/Wエマルション分散液)を形成する工程、及び、W/O/Wエマルション分散液において油相部分の樹脂成分を硬化させる工程を行うことにより、被膜により形成された結晶の材料を内部に含む粒子を分散媒中に分散した分散液を作製することができる。
W/O/Wエマルション分散液を形成する方法としては、まず、水滴が油中に分散した分散液(W/Oエマルション分散液)を作製し、前記分散液をさらに水中へと分散させることにより形成することができる。また、上記分散に2液混合型のマイクロリアクターを使用することが好ましい。
W/O/Wエマルション分散液の油滴内の水相成分としては、前述した結晶の材料を溶解した水系媒体が挙げられ、好ましい態様も同様である。また、さらに界面活性剤を含有していることが好ましい。
前記界面活性剤としては、広範囲の陰イオン系、陽イオン系及び非イオン系界面活性剤が用いられる。陰イオン系及び非イオン系界面活性剤が一般的には好ましい。陰イオン系及び陽イオン系界面活性剤は、一般にそれらが1以上のイオン性(陰イオン性又は陽イオン性)基と疎水性基を含有することによって特徴付けられる。好ましい陰イオン性基としては、カルボン酸基及びスルホン酸基がある。好ましい陽イオン性基としては、アンモニウム基及びホスホニウム基がある。疎水性基は、好ましくは6以上の炭素原子を有する芳香族基、6以上の炭素原子を有する脂肪族基、又は、合計6〜30の炭素原子を有する芳香族基及び脂肪族基の組合せ、より好ましくは8〜30の炭素原子を有する脂肪族基、又は、合計6〜30の炭素原子を有する芳香族基及び脂肪族基の組合せである。
好ましい陰イオン系及び陽イオン系界面活性剤は、6以上の炭素原子を有する少なくとも1つの非環式アルキル又はアルケニル基を含む。更に、この陰イオン系及び陽イオン系界面活性剤は、オキシエチレン及び/又はオキシプロピレン基を含むオキシアルキレン基のような他の部分を含むことができる。
好ましい陰イオン系及び陽イオン系界面活性剤の例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、直鎖状ドデシルベンジルスルホネート、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ナトリウムドデシルジフェニルオキシドジスルホネート(sodium dodecyl diphenyl oxide disulfonate)、ナトリウムn−デシルジフェニルオキシドジスルホネート(sodium n−decyl diphenyl oxide disulfonate)、ナトリウムヘキシルジフェニルオキシドジスルホネート(sodium hexyl diphenyl oxide disulfonate)、ドデシルベンゼンスルホン酸、ステアリン酸ナトリウム又はアンモニウム、アビエチン酸ナトリウム等が挙げられる。
これらの種類の市販されている界面活性剤の例としては、Stepan ChemicalからのPolystep(商標)A−15及びBisfot(商標)S−100、DeforestからのDesulf(商標)TLS−40、The Dow Chemical CompanyからのDowfax(商標)2A1、3B2及びC6L、EmkayからのEmkapol(商標)PO−18、HerculesからのDresinate(商標)TX、及びUnion CarbideからのTriton(商標) X−100、X−405及びX−165が挙げられる。
W/O/Wエマルション分散液の油相成分としては、付加重合性単量体及び重合開始剤、又は、樹脂及び有機溶媒を含むことが好ましく、付加重合性単量体及び重合開始剤を含むことがより好ましい。
付加重合性単量体及び重合開始剤としては、前記結着樹脂において述べたものが好適に用いられる。
また、樹脂としては、特に制限はないが、トナーの結着樹脂をして使用可能な樹脂であることが好ましく、前述した結着樹脂が好適に用いられる。
有機溶媒としては、前記分散媒において述べたものが好適に用いられる。
W/O/Wエマルション分散液における油滴の外側の水相成分としては、特に制限はなく、前述した水系媒体が挙げられる。また、さらに界面活性剤を含有していることが好ましい。界面活性剤としては、前述したものが好ましく挙げられる。
付加重合性単量体及び重合開始剤を含む油相成分をした場合、油相部分の樹脂成分を硬化は、光や熱などにより油相成分における付加重合性単量体の重合を行い、硬化させる。硬化を行うために付与する光や熱としては、重合が行われれば特に制限はないが、光であることが好ましい。光としては、その照射により重合開始剤が重合開始種を発生させうるエネルギーを付与することができる活性放射線であれば、特に制限はなく、広くα線、γ線、X線、紫外線(UV)、可視光線、電子線などを包含するものである。これらの中でも、紫外線を使用することが好ましい。
樹脂及び有機溶媒を含む油相成分をした場合、油相から有機溶媒を除去することにより、樹脂溶液から固体状の樹脂に硬化させる。
油相成分から有機溶媒を除去する具体的方法としては、空気、あるいは窒素等の不活性ガスを送り込み、気液界面での有機溶媒の乾燥を行う方法(排風乾燥法)、又は、減圧下に保持し必要に応じて不活性ガスをバブリングしながら乾燥を行う方法(減圧トッピング法)、更には、W/O/Wエマルション分散液の油滴外側の水相成分に、樹脂を溶解せずかつ有機溶媒を溶解する水系溶媒を使用する方法、W/O/Wエマルション分散液の油相成分の有機溶媒として油滴外側の水相成分に溶解する有機溶媒を使用する方法などが好ましく例示できる。使用する有機溶媒の蒸発速度、水への溶解度などからこれら方式を適時選択、あるいは組み合わせて脱溶媒を行うのが好ましい。
W/O/Wエマルション分散液の作製方法としては、前述した他、例えば、特開2004−18671号公報に記載された方法等を参照することができる。
また、前記分散工程における結晶の材料、被膜の材料、及び、分散媒の混合には、マイクロリアクターを用いることもできる。
前記分散工程に使用することができるマイクロリアクターとしては、混合可能なものであれば、特に制限はなく、公知のものを用いることができる。
例えば、インスティテュート・フュール・マイクロテクニック・マインツ社(Institut fur Mikrotechnik Mainz GmbH,Germany,IMM社)製のマイクロミキサー(IMMミキサー)や、特開2005−288254号公報記載の衝突型マイクロリアクター、特開2005−37780号公報に記載されたマイクロリアクターなどが挙げられる。
また、前記W/O/Wエマルション分散液の作製には、2液混合型マイクロリアクターを使用することが好ましい。2液混合型マイクロリアクターとしては、上記のマイクロリアクターが好適に用いられる。
マイクロリアクターは、マイクロスケールの複数の流路(チャンネル)、例えば、数μm以上数千μm以下の幅の流路を有する装置である。
マイクロリアクターの流路は、マイクロスケールであるので、寸法及び流速がいずれも小さく、レイノルズ数は2,300以下である。したがって、マイクロスケールの流路を有する反応装置は、通常の反応装置のような乱流支配ではなく層流支配の装置である。
ここで、レイノルズ数(Re)は、以下の式にて定義される。
Re=uL/ν
(u:流速、L:代表長さ、ν:動粘性係数)
レイノルズ数(Re)がおおよそ2,300以下である時、層流支配となる。
また、マイクロチャネルとは、マイクロスケールの流路のことを示すが、それらを含む装置のことを示す場合もある。また、総称としてマイクロリアクターという場合もある。
マイクロリアクターは、従来の装置のように乱流を反応などの場とするのではなく、層流を反応などの場とすることを可能とするものである。
層流支配のもとにおいて、2種類以上の異なる液体を層流とした場合には、2種類以上の異なる液体よりなる層流の界面領域において、液体中の物質の濃度差による拡散が生じ、その結果、濃度差に基づく物質の移動が生じる。また、拡散速度は分子量の大きい分子ほど遅い。
層流を反応の場とすると、例えば、2液を混合する場合には、2液の界面領域の相互拡散により混合することができ、また、液体と気体との層流を形成する場合には、液体と気体との界面を通して気相及び/又は液相への拡散を行うことができる。また、マイクロスケールの空間では比界面積が大きいため、このような界面での拡散混合を行う場合に有利である。
<希釈工程>
本実施形態の液体現像用トナーの製造方法は、前記分散工程と前記形成工程との間に、結晶の材料を内部に含む被膜により形成された粒子を分散した分散液を希釈する希釈工程を含むことが好ましい。
前記希釈工程においては、前記分散工程において作製した結晶の材料を内部に含む被膜により形成された粒子をそのまま維持しながら、希釈することが重要である。
すなわち、希釈工程後の分散液は、被膜により形成された粒子内部は、結晶の材料の高濃度溶液であり、前記粒子外部は結晶の材料の低濃度溶液となっている。
分散液の希釈に使用する希釈溶媒としては、特に制限はないが、前記分散工程において使用した分散媒と同じ溶媒であることが好ましい。
また、前記希釈工程においては、前記粒子に外部刺激を与えないようにすることが好ましく、例えば、前記分散液とほぼ同じ温度に調整した希釈溶媒を使用することがより好ましい。
<形成工程>
本実施形態の液体現像用トナーの製造方法は、前記粒子内において、外部刺激を与えることにより前記粒子の粒径よりも長い最大長を有する結晶を形成する形成工程を含むことが好ましい。
前記形成工程における外部刺激としては、結晶の形成を促進する刺激であれば、特に制限はなく、例えば、冷却や加熱などの温度変化、撹拌や振とうなどの機械的刺激、光照射、反応開始剤の添加、電場変化、磁場変化等が挙げられる。これらの中でも、外部刺激としては、温度変化が好ましく、冷却による温度変化がより好ましい。
前記温度変化としては、40〜120℃の前記分散液を、室温以下(25℃以下)まで冷却することが好ましく挙げられ、60〜100℃の前記分散液を、室温以下(25℃以下)まで冷却することがより好ましく挙げられる。また、温度変化は、徐々に変化させることが好ましく、20℃以下の変化を行うのに1時間以上かけることがより好ましい。
前記形成工程においては、少なくとも1つの結晶が、前記粒子の粒径よりも長い最大長を有していればよい。また、前記形成工程において、前記粒子中に形成された結晶は、前記粒子の粒径よりも長い最大長を有する結晶が2個以上であってもよく、前記粒子の粒径以下の最大長を有する結晶が1個以上あってもよい。
また、前記形成工程において、前記粒子の外部において、結晶が形成されてもよいが、本実施形態の液体現像用トナーの単離を容易にする点から、前記粒子の外部では結晶が形成されてないようにすることが好ましい。
また、本実施形態の液体現像用トナーの製造方法は、前記形成工程を、マイクロリアクターを用いて行うことが好ましい。
前記形成工程に使用することができるマイクロリアクターとしては、原料や溶剤などに侵されない材料で構成されていればよく、ガラス、樹脂、金属などが好適である。また、流路に温度制御システムを組み込んだものが好ましい。
本実施形態の液体現像用トナーの製造方法は、前記形成工程後、得られた本実施形態の液体現像用トナーは、公知の方法により、分散媒等より単離すればよい。
また、必要に応じて、本実施形態の液体現像用トナーの製造方法は、得られた本実施形態の液体現像用トナーから分散媒を除去するため、乾燥を行うことが好ましい。
以下に、本実施形態の液体現像用トナーの製造方法の一例を、図面を参照しながら、説明する。
図1は、自己組織化膜を使用した場合における本実施形態の液体現像用トナーの製造方法の一例を示す模式概略図である。
図1中の(A)は、前記分散工程において形成された結晶の材料を内部に含む自己組織化膜により形成された粒子の一例を示す図である。
(A)における粒子10は、自己組織化膜12により形成された粒子であり、粒子の内部に結晶の材料が溶解した溶液14を含んでいる。溶液14は、飽和濃度が90〜100%の溶液又は過飽和の溶液であることが好ましい。また、粒子外部の液16は、溶液14と同じ組成であっても、溶液14より濃度の薄い結晶の材料の溶液であっても、結晶の材料を含まない液であってもよいが、溶液14より濃度の薄い結晶の材料の溶液であっても、結晶の材料を含まない液であることが好ましい。
図1中の(B)は、前記形成工程途中の結晶の材料を内部に含む自己組織化膜により形成された粒子の一例を示す図である。
(B)における粒子10は、自己組織化膜12により形成された粒子であり、粒子の内部に結晶の材料が溶解した溶液18、及び、前記粒子の粒径よりも短い最大長を有する結晶20を含んでいる。溶液18は、前記(A)における溶液14の濃度よりも結晶20が析出した分、その濃度が薄くなっている。また、粒子外部の液16は、前記(A)における液16と同じであるが、前記(A)において溶液14と同じ組成であった場合は、粒子外部においても、結晶が析出すると考えられる。
図1中の(C)は、前記形成工程後の結晶の材料を内部に含む自己組織化膜により形成された粒子の一例を示す図である。
(C)における粒子10は、自己組織化膜12により形成された粒子であり、粒子の内部に結晶の材料が溶解した溶液22、及び、前記粒子の粒径よりも長い最大長を有する結晶24を含んでいる。また、粒子10の内部には、前記粒子の粒径よりも短い最大長を有する結晶20も含まれている。溶液22は、前記(B)における溶液18の濃度よりも結晶24が形成された分、その濃度が薄くなっている。また、粒子外部の液16は、前記(A)における液16と同じであるが、前記(B)おける溶液18の濃度以上の濃度であった場合は、粒子外部においても、結晶が析出すると考えられる。
図1中の(D)は、前記(C)で得られた結晶の材料を内部に含む自己組織化膜により形成された粒子を乾燥した粒子の一例を示す図である。
(D)における粒子26は、自己組織化膜12を表面に有する粒子であり、粒子の内部に前記粒子の粒径よりも長い最大長を有する結晶24を含んでいる。また、粒子26の内部には、前記粒子の粒径よりも短い最大長を有する結晶20も含まれている。前記(C)における溶液22が除去された分、自己組織化膜12は粒子内部の空間を潰している。また、溶液22に結着樹脂やワックス等の成分を含んでいた場合は、その少なくとも一部が粒子26の内部に残留する。
(液体現像剤)
本実施形態の液体現像剤は、本実施形態の液体現像用トナーを含有する。
本実施形態の液体現像剤におけるトナーの含有量は、液体現像剤の全重量に対し、0.1〜15重量%であることが好ましい。
また、本実施形態の液体現像剤は、本実施形態の液体現像用トナー以外のトナーと共にトナーとして使用してもよい。例えば、突起が0個又は1個である粒子や従来のトナーとともに使用してもよいが、トナー粒子の50%以上が本実施形態の液体現像用トナーであることが好ましく、トナー粒子の80%以上が本実施形態の液体現像用トナーであることがより好ましく、本実施形態の液体現像用トナーの90%以上が本実施形態の液体現像用トナーであることが更に好ましい。
また、本実施形態の液体現像剤は、本実施形態の液体現像用トナー以外に、必要に応じて、キャリア、帯電制御剤等の公知の液体現像剤成分を含有していてもよい。
<キャリア>
本実施形態の液体現像剤は、キャリアを含有することが好ましい。
前記キャリアとしては、一般に液体現像剤の分散媒として用いられるものであれば特に限定されるものではないが、体積固有抵抗値が1010Ω・cm以上のものが好ましく用いられる。また、誘電率は3.5以上のものが好ましく用いられる。
このようなキャリアとしては、例えば、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ポリシロキサン類等が挙げられ、揮発性や安全性、毒性、臭気等の点からは、イソパラフィン系石油溶剤が適している。
このようなイソパラフィン系石油溶剤としては、アイソパーM、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーK(いずれもエッソ社製)、シェルゾール71(シェル石油社製)等を挙げることができる。
キャリアの沸点としては、常圧(1気圧)において、140〜320℃であることが好ましく、160〜260℃であることがより好ましい。
本実施形態の液体現像剤は、キャリア中に含有される帯電制御剤を含有していてもよい。
キャリア中に含有される帯電制御剤としては、キャリア液中に存在し、ミセル形成能を有するイオン性、又は、非イオン性の帯電制御剤が挙げられ、リン脂質、油溶性石油スルフォネート、イオン性、非イオン性の界面活性剤、親油性部と親水性部とからなるブロック又はグラフト共重合体類、さらにまた環状、星状、樹状高分子(デンドリマー)等の高分子鎖骨格をもつ化合物も挙げられる。中でも特に好ましいものは、液体現像剤の加熱条件や各種の熱履歴に対して化合物自体が熱的に安定であり、塩構造の帯電制御剤を用いた場合には、カチオンの安定化機能を有し、安定した分散性が得られるリン脂質、及び、油溶性石油スルフォネートや、不純物の排除が比較的容易な合成高分子化合物、例えば親油性部と親水性部からなるブロック又はグラフト共重合体類が好都合に用いられる。
より具体的には、レシチン、セハリン等のリン脂質、ウイトコケミカル社(Witoco Chemical Corp.)製のベーシックバリウムペトロネート、ベーシックナトリウムペトロネート、ベーシックカルシウムペトロネート等の油溶性石油スルフォネート、シェブロン社より販売されているOLOA−1200等のポリブチレン/サクイシンイミド等が好ましく用いられる。
親油性部と親水性部からなるブロック又はグラフト共重合体類としては、親油性部として、ブタジエン、イソプレン、及び、アクリル酸、メタクリル酸を代表例とするα,β−エチレン不飽和酸のアルキルエステル等を単量体とするポリマーが好ましく用いられる。親水性部としては、四級化されたトリアルキルアミノポリマー、四級化されたピリジニウムポリマー等が好都合に用いられる。さらにまたポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロック共重合体も好ましく使用できる。これら親油性部と親水性部からなるブロックもしくはグラフト共重合体は、全体で1,000以上50,000以下の数平均分子量を持ち、ブロック共重合体の場合は、その構造がAB型、ABA型、BAB型のいずれでもよく、また、グラフト共重合体の場合は、櫛形のグラフト構造であってもよい。さらにまた、クラウンエーテル、大環状アミン、ポリノルボルネン等の環状高分子、スチレン星状高分子、ポリアルキルアミド−アルポロール等の樹状高分子(デンドリマー)等の高分子鎖骨格をもった化合物であってもよい。
イオン性及び非イオン性の界面活性剤類としては、より具体的には以下が挙げられる。
ノニオン活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド等が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタリンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸等がある。
カチオン界面活性剤としては、第一級ないし第三級のアミン塩、第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
これら帯電制御剤の使用量は、前記着色樹脂粒子に対して、0.01重量%以上20重量%以下が好ましく、0.05重量%以上10重量%以下が特に好ましい。上記範囲であると、帯電制御効果が充分得られ、また、液体現像剤の電導度が適度である。また、帯電制御剤のキャリアに対する含有量としては、キャリアの重量あたり、0.01重量%以上10重量%以下であることが好ましく、0.05重量%以上1重量%以下であることがより好ましい。上記範囲であると、帯電制御効果が充分得られ、また、液体現像剤の電導度が適度である。
また、少量の添加で十分な帯電制御効果を発揮するため、これら帯電制御剤が前述したトナー粒子中の帯電制御剤と組み合わせて用いることも好ましい。
また、本実施形態の液体現像剤には、液体現像剤の物性制御のために、ポリマー粒子、無機粒子等をさらに分散させたり、さらにまた、キャリアや帯電制御剤の熱劣化や光、湿度等による酸化あるいはラジカル連鎖による増粘防止の目的で、各種添加剤を液体現像液中に分散あるいは溶解させてもよい。
酸化防止剤としてはより具体的に、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、ジラウリルチオジプロピオネート、トリフェニルフォスファイト等を挙げられる。
ラジカル重合禁止剤としてはより具体的に、1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,4−ナフトキノン、ジフェニルピクリルヒドラジル、N−(3−N−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシド等を挙げられる。
(画像形成方法)
本実施形態の画像形成方法は、本実施形態の液体現像剤を使用した画像形成方法であればよいが、像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、前記像保持体表面に形成された静電潜像を液体現像剤により現像して現像像(トナー像、着色樹脂粒子像)を形成する現像工程と、前記像保持体表面に形成された現像像を被転写体表面に転写する転写工程と、前記被転写体表面に転写された現像像を定着する定着工程とを含み、前記液体現像剤として本実施形態の液体現像剤を用いることが好ましい。
本実施形態の画像形成方法としては、上記のような特定のトナーを用いて現像剤を調製し、それを用いて常用の電子写真複写機により静電荷像の形成及び現像を行い、得られた現像像を転写紙上に静電転写した上加熱ローラの温度を一定温度に設定した加熱ローラ定着器により定着して複写画像を形成することが好ましい。
また、本実施形態の画像形成方法は、前記現像工程と前記転写工程との間に、現像像中のキャリアの少なくとも一部を除去する除去工程を含むことが好ましい。
現像像中のキャリアの除去手段としては、特に制限はなく、公知の手段を使用でき、具体的には、例えば、加熱してキャリアを蒸発させる手段、像保持体の移動方向と逆向きに回転するリバースローラを用いて現像像を圧縮する手段、エアナイフを現像像に当ててキャリアを絞る手段、コロナ放電によりキャリアを絞る手段などが挙げられる。
また、本実施形態の静電荷像現像剤(静電荷像現像トナー)は、通常の静電荷像現像方式(電子写真方式)の画像形成方法に使用することができる。本実施形態の画像形成方法は、具体的には、例えば、静電潜像形成工程、画像形成工程、転写工程、及び、クリーニング工程を含む。前記各工程は、それ自体一般的な工程であり、例えば、特開昭56−40868号公報、特開昭49−91231号公報等に記載されている。なお、本実施形態の画像形成方法は、それ自体公知のコピー機、ファクシミリ機等の画像形成装置を用いて実施することができる。
前記静電潜像形成工程は、像保持体上に静電潜像を形成する工程である。前記画像形成工程は、現像剤担体上の現像剤層により前記静電潜像を現像して現像像を形成する工程である。前記現像剤層としては、前記本実施形態の液体現像剤を含んでいれば特に制限はない。前記転写工程は、前記現像像を転写体上に転写する工程である。前記クリーニング工程は、像保持体上に残留する液体現像剤を除去する工程である。
本実施形態の画像形成方法においては、さらにリサイクル工程をも含む態様が好ましい。前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程において、回収した液体現像剤を現像剤層に移す工程、又は、回収した液体現像剤を再調整した後、現像剤層に移す工程である。また、クリーニング工程を省略し、現像と同時に液体現像剤を回収する態様のリサイクルシステムにも適用することができる。
また、本実施形態の画像形成方法における像保持体上に潜像を形成する工程は、電子写真あるいは静電記録方法において採用される周知の方法が採用できる。
像保持体は、電子写真感光体のみならず、誘電体であってもよい。
上記工程で形成された潜像を現像する工程についても、液体現像剤を使用する周知の方法が採用されるが、液体現像剤として、常温で固体のキャリア媒体を用いた場合は、液体現像剤を加熱しながら現像することが好ましい。
(画像形成装置)
本発明の画像形成装置は、像保持体と、前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像を本実施形態の液体現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を前記像保持体から被転写体に転写する転写手段と、前記トナー像を被転写体に定着する定着手段と、を有することが好ましい。
また、本実施形態の画像形成装置は、前記潜像形成手段として、前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、該帯電手段により帯電させられた前記潜像保持体の表面に、画像情報に応じて露光することにより静電潜像を形成する露光手段とを有することが好ましい。前記転写手段では、中間転写体を用いて2回以上の転写を行ってもよい。
前記像保持体、及び、前記の各手段は、前記の画像形成方法の各工程で述べた構成を好ましく用いることができる。
前記の各手段は、いずれも画像形成装置において公知の手段が利用できる。また、本実施形態で用いる画像形成装置は、上記した構成以外の手段や装置等を含むものであってもよい。また、本実施形態で用いる画像形成装置は上記した手段のうちの複数を同時に行ってもよい。
また、本実施形態の画像形成装置は、現像像中のキャリアの少なくとも一部を除去する除去手段をさらに有することが好ましい。
現像像中のキャリアの除去手段としては、前述した手段が挙げられる。
(液体現像剤カートリッジ及びプロセスカートリッジ)
本実施形態の液体現像剤カートリッジは、本発明の液体現像剤を含む液体現像剤カートリッジである。
また、本実施形態のプロセスカートリッジは、本実施形態の液体現像剤を含むプロセスカートリッジであり、像保持体、像保持体表面を帯電させる帯電手段、本実施形態の液体現像剤により静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像手段、及び、潜像保持体表面に残存したトナーを除去するためのクリーニング手段よりなる群から選ばれた少なくとも1種と、を備えるプロセスカートリッジであることが好ましい。
本発明の液体現像剤カートリッジは、画像形成装置に着脱可能であることが好ましい。すなわち、液体現像剤カートリッジが着脱可能な構成を有する画像形成装置において、本実施形態の液体現像剤を収納した本実施形態の液体現像剤カートリッジが好適に使用される。
本実施形態のプロセスカートリッジは、画像形成装置に脱着されることが好ましい。
また、本実施形態のプロセスカートリッジは、その他必要に応じて、除電手段等、その他の部材を含んでもよい。
本実施形態の液体現像剤カートリッジ及び本実施形態のプロセスカートリッジは、必要に応じ、公知の構成を任意に採用してもよい。
以下、本実施形態の実施例について詳細に説明するがこれらの実施例に本実施形態が限定されるものではない。実施例中「部」とあるのは、特に断りがない限り重量部を表す。
(実施例1)
ジパルミトイルホスファチジルコリン5gとホスファチジルグリセロール5μgとをクロロホルム:メタノール=98:2の混合溶媒に溶解した後に、窒素ガスフローにより溶媒を揮発させ、乾固させ、フィルムAを作製した。
70℃にした黄鉛7G(クロムイエロー7G、BASF社製)の飽和水溶液中5mlにフィルムAを投入した。10分間静置した後、70℃の水で5倍に希釈した。ここで光学顕微鏡の暗視野にて観察を行うと自己組織化膜でカプセル形成された直径約3μmの球状粒子が確認できた。
各所にペルチェ式温度制御装置を有する流路長1,000mm、流路径0.8mmのマイクロリアクターAを作製した。この粒子の分散溶液をマイクロリアクターAによって70℃から室温まで5時間かけて徐冷した。ここで光学顕微鏡の暗視野にて観察を行うと、自己組織化膜でカプセル形成された直径約2μmの粒子に黄鉛7Gの結晶成長による突起が形成されていることが確認できた。その後遠心分離(1,000rpm、10分)により分離し、固形分が15重量%になるようにアイソパーG(エッソ社製)中に分散させ液体現像剤Bを調製した。
(実施例2)
スチレン1g、酢酸ビニル0.5g、818SX(縮合リシノレイン酸デカグリセリン、太陽化学(株)製)1g、メチルベンゾイルベンゾエート0.02gを100mlのトルエンに溶解させた。この溶液を70℃に保ち、30mlのレーキレッドバリウム塩の飽和溶液(70℃)を添加し、回転式ホモジナイザー(5,000rpm)で乳化させW/Oエマルションを作製した。
このエマルションを70℃に加熱した2液混合型のマイクロリアクターの供給口1から流し、もう一方の供給口から0.2%モノラウリン酸デカグリセリン、2%ポリビニルアルコール溶液を流した。これらの操作により2液の混合部でW/O/Wエマルションが生成した。混合部の下流で高圧水銀ランプにより紫外線照射を行い重合反応させマイクロカプセルを作製した。ここで光学顕微鏡にて観察を行うと、直径約3μmの球状粒子のマイクロカプセルが確認できた。
この粒子の分散溶液をマイクロリアクターAによって70℃から室温まで5時間かけて徐冷した。ここで光学顕微鏡にて観察を行うと、直径約2μmのマイクロカプセルにレーキレッドバリウム塩の結晶成長による突起が形成されていることが確認できた。その後、マイクロリアクター(IMM社製、気液混合タイプ)にドライエアーを流し粒子内のトルエンを除去した。遠心分離(1,000rpm、10分)によりマイクロカプセルを分離し、固形分が15重量%になるようにアイソパーG(エッソ社製)中に分散させ液体現像剤Cを調製した。
(実施例3)
70℃に加熱した着色剤としてキナクリンを含有するチロシン飽和トルエン溶液5mlにフィルムAを投入した。10分間静置した後、70℃のトルエンで5倍に希釈した。ここで光学顕微鏡の暗視野にて観察を行うと自己組織化膜でカプセル形成された直径約3μmの球状粒子が確認できた。
この粒子の分散溶液をマイクロリアクターAによって70℃から室温まで5時間かけて徐冷した。ここで光学顕微鏡にて観察を行うと、直径約2μmのマイクロカプセルにキナクリンの結晶成長による突起が形成されていることが確認できた。その後、マイクロリアクター(IMM社製、気液混合タイプ)による濃縮処理にて粒子内のトルエンを除去した。遠心分離(1,000rpm、10分)によりマイクロカプセルを分離し、固形分が15重量%になるようにアイソパーG(エッソ社製)中に分散させ液体現像剤Dを調製した。
(比較例1)
70℃に加熱したキナクリン飽和トルエン溶液5mlにフィルムAを投入した。10分間静置した後、70℃のトルエンで5倍に希釈した。ここで光学顕微鏡の暗視野にて観察を行うと自己組織化膜でカプセル形成された直径約3μmの球状粒子が確認できた。
この粒子の分散溶液をマイクロリアクターAによって70℃から室温まで5時間かけて徐冷した。ここで光学顕微鏡の暗視野にて観察を行うと自己組織化膜でカプセル形成された直径約3μmの球状粒子が確認できた。その後遠心分離(1,000rpm、10分)により分離し、固形分が15重量%になるようにアイソパーG(エッソ社製)中に分散させ液体現像剤Eを調製した。
(比較例2)
特公平5−87825号公報に記載の例1と同様の方法により、液体現像剤Fを作製した。
<液体現像剤の評価方法>
〔保存安定性評価〕
得られた液体現像剤を一ヶ月静置後、液体現像剤の状態を観察した。
全ての液体現像剤はサンプル瓶底部に沈降した状態であった。この状態から軽く振とうした。
Figure 0005428613
〔画質評価〕
それぞれの液体現像剤を静電プロッター(VERSATEC社製CE−3436)の改造機に適用し市販のコート紙に、太さ0.5mmの線を印刷した。画像をマイクロスコープ((株)キーエンス製VHX−1000)により2値化した後、色抜け部分を算出した。
◎:色抜けが1%未満
○:1%〜10%未満
△:10〜20%未満
×:20%以上
Figure 0005428613
比較例1の液体現像用トナーではトナー分散液の長期保管中にトナーが沈降・凝集する結果、再分散性が低下し保管安定性が低下していた。これに対し、比較例2の液体現像用トナーはトナー表面に触手状の突起を有しており、これがトナー粒子同士の凝集を防いでいる。しかしながら、比較例2の液体現像用トナーは、発泡状のトナー前駆体材料を粉砕する製法により製造されたものであり、粒度分布が広く、粒径もまばらであることから画質が低下したものと考えられる。
10:粒子
12:自己組織化膜
14:溶液
16:粒子外部の液
18:溶液
20:結晶
22:溶液
24:粒子(トナー粒子)の粒径よりも長い最大長を有する結晶
26:粒子(トナー粒子)

Claims (8)

  1. 複数の突起を有する粒子であり、
    前記粒子の表面の少なくとも一部に被膜を有し、
    前記突起の少なくとも1つを形成している結晶を内包することを特徴とする
    液体現像用トナー。
  2. 被膜により形成された結晶の材料を内部に含む粒子を分散媒中に分散した分散液を作製する分散工程、並びに、
    前記粒子内において、外部刺激を与えることにより前記粒子の粒径よりも長い最大長を有する結晶を形成する形成工程を含む
    請求項1に記載の液体現像用トナーの製造方法。
  3. 前記外部刺激が温度変化である請求項2に記載の液体現像用トナーの製造方法。
  4. 前記分散工程及び/又は前記形成工程において、マイクロリアクターを使用する請求項2又は3に記載の液体現像用トナーの製造方法。
  5. 請求項1に記載の液体現像用トナーを含む液体現像剤。
  6. 請求項5に記載の液体現像剤を含む液体現像剤カートリッジ。
  7. 請求項5に記載の液体現像剤を含むプロセスカートリッジ。
  8. 像保持体と、
    前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
    前記潜像を請求項5に記載の液体現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記トナー像を前記像保持体から被転写体に転写する転写手段と、
    前記トナー像を被転写体に定着する定着手段と、を有する
    画像形成装置。
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