JP5427731B2 - 燃料油の粘度調整装置、燃料供給装置及び燃料油の粘度調整方法 - Google Patents

燃料油の粘度調整装置、燃料供給装置及び燃料油の粘度調整方法 Download PDF

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Description

本発明は、燃料油に水を付加して燃料油をエマルジョン化する際に、付加する水の量を調整することによって、所望の粘度の水エマルジョン燃料を作ることができるようにする燃料油の粘度調整装置、燃料供給装置及び燃料油の粘度調整方法に関する。
燃料油の粘度調整装置として、燃料油を冷却することによって粘度を大きくすることができる冷却式粘度調整装置が考えられる。
しかし、燃料油を冷却することによって粘度を大きくするためには、冷却式粘度調整装置が必要であり、この装置の費用が掛かり、設置スペースも必要となり、その他にも、燃料油を冷却するために、多量のエネルギを消費する。
従って、燃料油を冷却しないで燃料油の粘度を大きくすることが求められている。
また、従来において、C重油に水を混ぜて水エマルジョン燃料を作り、この水エマルジョン燃料を使用することによって、煤塵や窒素酸化物の発生量を低減することができるエマルジョン燃料燃焼装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
特開平9−250736号公報
内燃機関やボイラ等の機器に燃料油を供給する場合、その燃料油の粘度がその機器に対して規定されている粘度よりも小さいときに、その粘度を規定の大きさに調整する必要があるが、現状では、前述の燃料油を冷却することによって粘度を大きくする手段しかなく、それ以外の手段は存在しない。
そのために、粘度の小さい軽質燃料油の例えばガスオイルを、内燃機関やボイラ等の機器で燃焼させる場合には、粘度が小さいことが原因して、燃料供給ポンプによって所定の圧力に加圧して所定の流量で内燃機関やボイラ等の機器に供給することができないことがある。これによって、これらの各機器で燃料油を良好に燃焼させることができないことがある。
また、粘度の小さい燃料油を燃料供給ポンプを使用して内燃機関等の機器に供給しようとすると、このような粘度の小さい燃料油には、潤滑剤として機能する炭素成分が含まれていないものがあり、このまま燃料油として使用すると、機器が損傷することがある。そのために、潤滑剤を燃料油に添加する必要があり、潤滑剤及びそれを添加するための装置の分だけコストが嵩むし、メンテナンスが必要となる。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、燃料油に水を付加して燃料油をエマルジョン化する際に、付加する水の量を調整することによって、所望の目標粘度の水エマルジョン燃料を作ることができるようにする燃料油の粘度調整装置、燃料供給装置及び燃料油の粘度調整方法を提供することを目的としている。
本発明に係る燃料油の粘度調整装置は、粘度が小さいために内燃機関又はボイラに所定の圧力に加圧して所定の流量で供給できないガスオイル又はナフサである燃料油に対して、水を付加して当該燃料油よりも粘度を高めた水エマルジョン燃料を作る際に、当該燃料油に付加する水の量を調整することができる燃料油の粘度調整装置であって、燃料油に付加される水の量を調整することができる粘度調整部と、前記燃料油に付加される水の量が前記粘度調整部によって調整して作られた水エマルジョン燃料の粘度を計測する粘度計と、水エマルジョン燃料を加圧して前記内燃機関又はボイラに供給するための燃料供給ポンプとを備え、前記粘度調整部は、前記粘度計によって計測して得られた計測粘度に基づいて、所定の圧力に加圧して所定の流量で供給することができる前記燃料油よりも粘度を高めた水エマルジョン燃料を作ることができるように、燃料油に付加される水の量を調整することができることを特徴とするものである。
本発明に係る燃料油の粘度調整装置によると、燃料油に水を付加して燃料油をエマルジョン化させることによって、その燃料油よりも大きい粘度の水エマルジョン燃料を作る際に、燃料油に付加される水の量を調整することで、この水エマルジョン燃料が燃料として使用される内燃機関やボイラ等の機器に対して、適正とされる所望の目標粘度の水エマルジョン燃料を作ることができる。これによって、粘度が小さいために適正とされない燃料油を使用して、適正とされる所望の目標粘度の水エマルジョン燃料に作り変えて、上記各機器に使用できるようにすることができる。
この発明に係る燃料油の粘度調整装置において、燃料油に水を付加して作られた水エマルジョン燃料の質量流量を計測することができる流量計と、前記流量計によって計測して得られた計測質量流量に基づいて、所望の目標粘度の水エマルジョン燃料を作ることができるように、燃料油に付加される水の量を調整することができる粘度調整部とを備えることを特徴とするものとすることができる。
このように、流量計によって計測して得られた水エマルジョン燃料の計測質量流量に基づいて、燃料油に付加される水の量を粘度調整部によって調整すると、実際に作られる水エマルジョン燃料の粘度を所望の目標粘度に近づけることができるし、一致させることができる。これによって、粘度が小さいために適正とされない燃料油を、内燃機関等の機器に対して適正とされる所望の目標粘度の水エマルジョン燃料に確実に作り変えることができる。
なお、水エマルジョン燃料の計測質量流量CKに基づいて、所望の目標粘度の水エマルジョン燃料を作ることができるように、燃料油に付加される水の量を粘度調整部によって調整する方法として、例えば水エマルジョン燃料の目標質量流量CTと、計測質量流量CKとの差CD(=CT―CK)分が適切な比率で混合された水エマルジョン燃料で補正されて、この差CDが略零となるように、水の付加調整量BDを調整する方法があり、これによって、目標粘度νTの水エマルジョン燃料を作ることができる。ここで、水エマルジョン燃料の目標質量流量CTと、計測質量流量CKとの差分質量流量CDを零にするための水の付加調整量BDは、既知の水エマルジョン燃料の動粘度と水エマルジョン燃料の質量流量との関係から、例えば演算によって又は予め記憶されているデータから求めることができる。
この発明に係る燃料油の粘度調整装置において、前記燃料油に付加される水の量が前記粘度調整部によって調整して作られた水エマルジョン燃料の粘度を計測する粘度計を更に備え、前記粘度調整部は、前記粘度計によって計測して得られた計測粘度に基づいて、所望の目標粘度の水エマルジョン燃料を作ることができるように、燃料油に付加される水の量を調整することを特徴とするものとすることができる。
このように、粘度計によって計測して得られた水エマルジョン燃料の計測粘度に基づいて、燃料油に付加される水の量を粘度調整部によって調整すると、計測粘度と目標粘度とが同一の単位であるので、水エマルジョン燃料の計測質量流量に基づいて、燃料油に付加される水の量を調整する場合(計測質量流量と目標粘度とが同一の単位でない場合)と比較して、実際に作られる水エマルジョン燃料の粘度を目標粘度により一層近づけることができるし、一致させることができる。これによって、粘度が小さいために適正とされない燃料油を、内燃機関等の機器に対して適正とされる目標粘度の水エマルジョン燃料に確実に作り変えることができる。
なお、水エマルジョン燃料の計測粘度νKに基づいて、燃料油に付加される水の量を粘度調整部によって調整する方法として、目標粘度νTと、計測粘度νKとの差νD(=νT―νK)が略零となるように、水の付加調整量BDで調整する方法があり、これによって、目標粘度νTの水エマルジョン燃料を作ることができる。ここで、目標粘度νTと計測粘度νKとの差分粘度νDを零にするための水の付加調整量BDは、既知の水エマルジョン燃料の動粘度と水付加率(水エマルジョン燃料に含まれている水の含水率(%))との関係から、例えば演算によって又は予め記憶されているデータから求めることができる。
そして、粘度調整部は、水エマルジョン燃料の計測質量流量CK、及び水エマルジョン燃料の計測粘度νKのいずれに基づいてでも、所望の目標粘度νTの水エマルジョン燃料を作ることができるように、燃料油に付加される水の量を調整することができるようになっているのは、水エマルジョン燃料の計測粘度νKが許容粘度であった場合でも、第1燃料油に付加されている水の水付加率(%)が、内燃機関等の機器での燃焼に不適切な値とならないようにするためである。よって、粘度調整部には、水付加率(%)の上限値を予め記憶させて設定することができる。
また、水エマルジョン燃料の計測粘度νKに基づいて、燃料油に付加される水の量を調整することができるようになっているのは、内燃機関等の機器に実際に供給される水エマルジョン燃料の粘度が、許容範囲内の粘度となるようにするためである。
この発明に係る燃料油の粘度調整装置において、燃料油に水を付加して作られた水エマルジョン燃料の粘度を計測することができる粘度計と、前記粘度計によって計測して得られた計測粘度に基づいて、所望の目標粘度の水エマルジョン燃料を作ることができるように、燃料油に付加される水の量を調整することができる粘度調整部とを備えることを特徴とするものとすることができる。
このようにすると、粘度計によって計測して得られた水エマルジョン燃料の計測粘度に基づいて、燃料油に付加される水の量を粘度調整部によって調整すると、実際に作られる水エマルジョン燃料の粘度を所望の目標粘度に近づけることができるし、一致させることができる。これによって、粘度が小さいために適正とされない燃料油を、内燃機関等の機器に対して適正とされる所望の目標粘度の水エマルジョン燃料に確実に作り変えることができる。これ以外は、上記発明と同様に作用する。
この発明に係る燃料油の粘度調整装置において、燃料油及び水のうちのいずれか一方、若しくはその両方を加熱することによって、又は水エマルジョン燃料を加熱することによって、燃料油に水が付加されて作られる水エマルジョン燃料の粘度を調整する加熱式粘度調整装置を備えることを特徴とするものとすることができる。
この燃料油の粘度調整装置が備える加熱式粘度調整装置によると、燃料油及び水のうちのいずれか一方、若しくはその両方を加熱することによって、又は水エマルジョン燃料を加熱することによって、水エマルジョン燃料の粘度を小さくするための調整をすることができる。
そして、水エマルジョン燃料の水の付加率と、温度とを制御することによって、水エマルジョン燃料の粘度をあまり大きくせずに、水の付加率を大きくすることが可能である。これによって、燃料消費量の低減を図ることができる。
この発明に係る燃料油の粘度調整装置において、前記燃料油が、ガスオイル又はナフサであることを特徴とするものとすることができる。
このように、燃料油としてガスオイル又はナフサを使用すると、ガスオイル等は、その粘度が小さいので、そのままでは、燃料供給ポンプを使用して所望の圧力に加圧し、所望の流量で内燃機関等の機器に供給することが困難であるが、燃料油の粘度調整装置を使用することによって、ガスオイル等をエマルジョン化して粘度を大きくすることができ、これによって、このエマルジョン化されて作られた水エマルジョン燃料を、燃料供給ポンプを使用して所望の圧力に加圧し、所望の流量で内燃機関等の機器に供給することができる。
この発明に係る燃料供給装置は、本発明に係る燃料油の粘度調整装置を備え、この燃料油の粘度調整装置で粘度が調整されて作られた水エマルジョン燃料を、燃料供給ポンプを使用して内燃機関又はボイラに供給することができるものである。
本発明に係る燃料供給装置によると、本発明に係る燃料油の粘度調整装置を備えているので、この燃料油の粘度調整装置によって粘度が調整されて作られた水エマルジョン燃料を、燃料供給ポンプを使用して所望の圧力に加圧し、所望の流量で内燃機関やボイラ等の機器に供給することができる。
本発明に係る燃料油の粘度調整方法は、粘度が小さいために内燃機関又はボイラに所定の圧力に加圧して所定の流量で供給できないガスオイル又はナフサである燃料油に対して、水を付加して燃料油をエマルジョン化する際に、当該燃料油に付加する水の量を調整して、前記燃料油よりも粘度を高めた所望の粘度の水エマルジョン燃料を作り、当該水エマルジョン燃料を燃料供給ポンプによって所定の圧力に加圧して所定の流量で前記機器に供給できるようにすることを特徴とするものである。

本発明に係る燃料油の粘度調整装置、燃料供給装置及び燃料油の粘度調整方法によると、例えば内燃機関やボイラ等の機器に対して使用するには、粘度が小さいために適正とされない燃料油であっても、そのような機器に対して適正とされる所望の目標粘度の水エマルジョン燃料に作り変えて、それらの機器に使用できるようにすることができる構成である。
従って、粘度の小さい燃料油(基油)を、それよりも粘度の大きい水エマルジョン燃料に作り変えることができ、この作り変えた水エマルジョン燃料は、例えば燃料供給ポンプによって所定の圧力に加圧して内燃機関やボイラ等の機器に供給することができる。これによって、必要な流量で水エマルジョン燃料をこれらの各機器に供給することができる。その結果、これらの各機器で燃料油を良好に燃焼させることができる。また、粘度が小さい燃料油を第2燃料供給ポンプを使用して機器に供給しようとすると、潤滑剤を添加する必要があるが、粘度の小さい第1燃料油を水エマルジョン燃料に作り変える際に、界面活性剤を付加することによって、この界面活性剤が潤滑剤としての機能を果たすことができる。よって、潤滑剤を使用しないで第2燃料供給ポンプの焼付き等の損傷を防止することができる。
この発明の第1実施形態に係る燃料油の粘度調整装置を備える燃料供給装置を示す回路図である。 同第1実施形態に係る同粘度調整装置によって粘度調整されるガスオイルの動粘度と温度との関係を示す図である。 同第1実施形態に係る同粘度調整装置によって粘度調整される水エマルジョン燃料の動粘度と、水付加率との関係を示す図である。 同第1実施形態に係る同粘度調整装置によって粘度調整される水エマルジョン燃料の動粘度と、水エマルジョン燃料の質量流量との関係を示す図である。 同発明の第2実施形態に係る燃料油の粘度調整装置を備える燃料供給装置を示す回路図である。
以下、本発明に係る燃料油の粘度調整装置を備える燃料供給装置(以下、単に「燃料供給装置」と言うこともある。)の第1実施形態を、図1〜図3を参照して説明する。この燃料供給装置12は、図1に示すように、第1燃料タンク13に貯留されている第1燃料油(例えばガスオイル)に対して、水タンク14に貯留されている水を付加して水エマルジョン燃料を作り、この水エマルジョン燃料をこの燃料供給装置12に接続されているディーゼル機関15に供給することができるものである。
そして、この燃料供給装置12が備えている燃料油の粘度調整装置(以下、単に「粘度調整装置」と言うこともある。)11は、第1燃料油に付加する水の量を調整することによって、所望の目標粘度の水エマルジョン燃料を作ることができるようにするものである。
図1に示すように、燃料供給装置12は、第1燃料タンク13、第1燃料供給ポンプ16、エマルジョン発生装置17、第2燃料供給ポンプ18、水タンク14、水付加装置19、添加剤タンク20、及び添加剤供給ポンプ21を備えている。
そして、粘度調整装置11は、粘度調整部22、第1流量計23、第1粘度計24、第2質量流量計25、及び第2粘度計26を備えている。
第1燃料タンク13は、第1燃料油を貯留することができるものである。この第1燃料油は、例えば粘度の小さいガスオイルである。このガスオイルは、例えばISOの留出油に分類されるDMA又はDMBである。
第1燃料供給ポンプ16は、第1燃料タンク13内の第1燃料油をエマルジョン発生装置17に供給することができるものである。そして、この第1燃料供給ポンプ16は、第1燃料タンク13の出口と、エマルジョン発生装置17の入口とを接続する燃料供給ライン27(配管)の途中に設けられている。また、この第1燃料供給ポンプ16は、図示しない電気式モータで駆動される構成と成っている。
水タンク14は、水を貯留することができるものであり、この水タンク14の出口に水付加装置19が接続されている。
水付加装置19は、水供給ポンプを備えており、水タンク14内の水をエマルジョン発生装置17に供給することができるものであり、水タンク14の出口と、エマルジョン発生装置17の入口とを接続する水供給ライン28(配管)の途中に設けられている。そして、この水供給ポンプは、図示しない電気式モータで駆動される構成と成っている。
添加剤タンク20は、例えば界面活性剤等の添加剤を貯留することができるものであり、この添加剤タンク20の出口に添加剤供給ポンプ21が接続されている。
添加剤供給ポンプ21は、添加剤タンク20内の添加剤(界面活性剤)をエマルジョン発生装置17に供給することができるものであり、添加剤タンク20の出口と、水供給ライン28の途中部とを接続する添加剤供給ライン29(配管)の途中に設けられている。そして、この添加剤供給ポンプ21は、図示しない電気式モータで駆動される構成と成っている。
なお、図1に示すように、燃料供給ライン27と水供給ライン28との合流部31は、燃料供給ライン27の途中であって、第1粘度計24とエマルジョン発生装置17との間に設けられている。
そして、水供給ライン28と添加剤供給ライン29との合流部32は、水供給ライン28の途中であって、水付加装置19と合流部31との間に設けられている。
エマルジョン発生装置17は、ミキサであり、第1燃料供給ポンプ16によって供給されてくる第1燃料油と、水付加装置19によって供給されてくる水とを混合して撹拌することによって、水エマルジョン燃料を作ることができるものである。このエマルジョン発生装置17で作られた水エマルジョン燃料は、エマルジョン発生装置17の下流に設けられている第2燃料供給ポンプ18に供給される。
第2燃料供給ポンプ18は、燃料加圧供給ライン30(配管)内の水エマルジョン燃料等の燃料を所定の圧力に昇圧して、この昇圧した燃料をディーゼル機関15に供給することができるものであり、この第2燃料供給ポンプ18は、図示しない電気式モータで駆動される構成と成っている。
そして、図1に示すように、燃料加圧供給ライン30は、燃料を所定方向に流して循環させることができる循環ラインとなっている。つまり、ディーゼル機関15で水エマルジョン燃料等の燃料が消費されると、この循環ラインを循環する水エマルジョン燃料等の燃料がディーゼル機関15に供給されるようになっている。そして、ディーゼル機関15で消費された燃料を補うように、この循環ラインに第1燃料油が第1燃料供給ポンプ16によって、そして水が水付加装置19によって、それぞれエマルジョン発生装置17を介してこの循環ラインに供給される。
ディーゼル機関15(内燃機関)は、固定用又は移動用のディーゼル機関であり、この実施形態では、舶用のディーゼル機関である。
次に、燃料油の粘度調整装置11について、図1を参照して説明する。この粘度調整装置11は、第1流量計23、第1粘度計24、第2質量流量計25、第2粘度計26、及び粘度調整部22を備えている。
第1流量計23は、例えば体積流量計であり、燃料供給ライン27の途中であって、第1燃料供給ポンプ16の下流側に設けられている。この第1流量計23は、第1燃料供給ポンプ16から吐出されて燃料供給ライン27を流れる第1燃料油の体積流量を計測することができるものである。そして、計測して得られた計測体積流量は、粘度調整部22に入力される。
第1粘度計24は、図1に示すように、燃料供給ライン27の途中であって、第1流量計23の下流側に設けられている。この第1粘度計24は、燃料供給ライン27を流れる第1燃料油を含む各種燃料油の粘度(例えば動粘度)を計測することができるものであり、計測して得られた計測粘度は、粘度調整部22に入力される。粘度調整部22は、この計測粘度に基づいて、この燃料供給ライン27を流れる燃料油がガスオイルであるか、それ以外の例えばC重油であるか、又はそれらが混合している状態であるかを判定することができるし、計測粘度を図示しない表示部に表示させることができる。
第2質量流量計25は、例えばコリオリ式質量流量計であり、燃料加圧供給ライン30の途中であって、エマルジョン発生装置17の下流側に設けられている。この第2質量流量計25は、エマルジョン発生装置17から流出して燃料加圧供給ライン30を流れる水エマルジョン燃料等の燃料の質量流量を計測することができるものである。そして、計測して得られた計測質量流量は、粘度調整部22に入力される。粘度調整部22は、第2質量流量計25によって計測して得られた計測質量流量に基づいて、所望の目標粘度の水エマルジョン燃料を作ることができるように、所定の指令信号を水付加装置19に出力して第1燃料油に付加される水の量を調整することができる。
第2粘度計26は、図1に示すように、燃料加圧供給ライン30の途中であって、第2燃料供給ポンプ18の下流側に設けられている。この第2粘度計26は、燃料加圧供給ライン30を流れる水エマルジョン燃料等の燃料の粘度を計測することができるものであり、計測して得られた計測粘度は、粘度調整部22に入力される。粘度調整部22は、第2粘度計26によって計測して得られた計測粘度に基づいて、所望の目標粘度の水エマルジョン燃料を作ることができるように、所定の指令信号を水付加装置19に出力して燃料油に付加される水の量を調整することができる。
粘度調整部22は、中央演算処理装置(CPU)を備える制御部33に含まれている。この粘度調整部22は、第2質量流量計25によって計測して得られた水エマルジョン燃料の計測質量流量に基づいて、所望の目標粘度の水エマルジョン燃料をエマルジョン発生装置17で作ることができるように、水付加装置19を制御して燃料油に付加される水の量を調整することができる機能を有している。
また、この粘度調整部22は、第2粘度計26によって計測して得られた水エマルジョン燃料の計測粘度に基づいて、所望の目標粘度の水エマルジョン燃料をエマルジョン発生装置17で作ることができるように、水付加装置19を制御して燃料油に付加される水の量を調整することができる機能も有している。
次に、上記のように構成された燃料油の粘度調整装置11を備える燃料供給装置12の作用を、図1〜図3を参照して説明する。この図1に示す燃料供給装置12によると、第1燃料タンク13内の燃料油(例えばガスオイル)と、水タンク14内の水とをエマルジョン発生装置17で混合及び撹拌して得られた水エマルジョン燃料を、燃料加圧供給ライン30を介してディーゼル機関15に供給することができる。
そして、図1に示す燃料油の粘度調整装置11によると、第1燃料油(ガスオイル)に水を付加して燃料油をエマルジョン化させることによって、その第1燃料油よりも大きい粘度の水エマルジョン燃料を作る際に、第1燃料油に付加される水の量を粘度調整部22によって調整することで、この水エマルジョン燃料が燃料として使用されるディーゼル機関15に対して、適正とされる所望の目標粘度の水エマルジョン燃料を作ることができる。これによって、粘度が小さいために適正とされない第1燃料油を使用して、適正とされる所望の目標粘度の水エマルジョン燃料に作り変えて、ディーゼル機関15に使用できるようにすることができる。
そして、上記のように、粘度の小さい第1燃料油(基油)を、それよりも粘度の大きい水エマルジョン燃料に作り変えることができるので、この作り変えた水エマルジョン燃料は、図1に示す第2燃料供給ポンプ18によって所定の圧力に加圧してディーゼル機関15に供給することができる。これによって、必要な流量で水エマルジョン燃料をディーゼル機関15に供給することができる。その結果、ディーゼル機関15で第1燃料油を良好に燃焼させることができる。
つまり、燃料油としてガスオイルを使用すると、ガスオイルは、その粘度が小さいので、第2燃料供給ポンプ18を使用して所望の圧力に加圧し、所望の流量でディーゼル機関15等の機器に供給することが困難であるが、この粘度調整装置11を使用することによって、ガスオイルをエマルジョン化して粘度を大きくすることができ、これによって、このエマルジョン化されて作られた水エマルジョン燃料を、第2燃料供給ポンプ18を使用して所望の圧力に加圧し、所望の流量でディーゼル機関15等の機器に供給することができる。
また、粘度が小さい第1燃料油を第2燃料供給ポンプ18でディーゼル機関15に供給しようとすると、潤滑剤を付加する必要があるが、粘度の小さい第1燃料油を水エマルジョン燃料に作り変える際に、界面活性剤(添加剤)を添加することによって、この界面活性剤が潤滑剤としての機能を果たすことができる。よって、潤滑剤を使用しないで第2燃料供給ポンプ18の焼付き等の損傷を防止することができる。
また、図1に示すように、第2質量流量計25によって計測して得られた水エマルジョン燃料の計測質量流量に基づいて、第1燃料油に付加される水の量を粘度調整部22によって調整すると、実際に作られる水エマルジョン燃料の粘度を所望の目標粘度に近づけることができるし、一致させることができる。これによって、粘度が小さいために適正とされない第1燃料油を、ディーゼル機関15に対して適正とされる所望の目標粘度の水エマルジョン燃料に確実に作り変えることができる。
なお、水エマルジョン燃料の計測質量流量CKに基づいて、所望の目標粘度の水エマルジョン燃料を作ることができるように、第1燃料油に付加される水の量を粘度調整部22によって調整する方法として、例えば水エマルジョン燃料の目標質量流量CTと、計測質量流量CKとの差CD(=CT―CK)分が適切な比率で混合された水エマルジョン燃料で補正されて、この差CDが略零となるように、又は比が略1となるように、水の付加調整量BDを調整する方法があり、これによって、目標粘度νTの水エマルジョン燃料を作ることができる。ここで、水エマルジョン燃料の目標質量流量CTと、計測質量流量CKとの差分質量流量CDを零にするための水の付加調整量BDは、後述する図3に示す水エマルジョン燃料の動粘度と水エマルジョン燃料の質量流量との関係から、例えば自動的に演算によって又は予め記憶されているデータから求めることができる。
更に詳しく説明すると、水の付加調整量BDを決定するときは、例えば第1燃料油を含む水エマルジョン燃料の質量流量(第2質量流量計25によって測定して得られた質量流量)と、この水エマルジョン燃料の体積流量(この体積流量は、燃料加圧供給ライン30に設けられている体積流量計(図示せず)によって計測して得ることができる。)とに基づいて、この水エマルジョン燃料の比重や密度を制御部33が算出し、この算出して得られた水エマルジョン燃料の比重や密度、並びに、必要に応じて例えば既知の第1燃料油や水の比重や密度を使用して、燃料加圧供給ライン30を循環する水エマルジョン燃料の比重や密度が目標値に近づくように水付加調整量を演算によって求めるようになっている。
また、水エマルジョン燃料の目標質量流量CTと、計測質量流量CKとの差CD(=CT―CK)が略零となるように、又は差CDを基に水の付加調整量BDを調整するときは、計測質量流量CKに対して温度補正等の各種補正を行なっており、目標質量流量CTとの間で温度等に基づく誤差が生じないようにしている。
更に、図1に示すように、第2粘度計26によって計測して得られた水エマルジョン燃料の計測粘度に基づいて、第1燃料油に付加される水の量を粘度調整部22によって調整すると、計測粘度と目標粘度とが同一の単位であるので、水エマルジョン燃料の計測質量流量に基づいて、第1燃料油に付加される水の量を調整する場合(計測質量流量と目標粘度とが同一の単位でない場合)と比較して、実際に作られる水エマルジョン燃料の粘度を目標粘度により近づけることができるし、一致させることができる。これによって、粘度が小さいために適正とされない第1燃料油を、ディーゼル機関15に対して適正とされる目標粘度の水エマルジョン燃料に確実に作り変えることができる。
なお、水エマルジョン燃料の計測粘度νKに基づいて、第1燃料油に付加される水の量を粘度調整部22によって調整する方法として、目標粘度νTと、計測粘度νKとの差νD(=νT―νK)が略零となるように、又は比が略1となるように、水の付加調整量BDで調整する方法があり、これによって、目標粘度νTの水エマルジョン燃料を作ることができる。ここで、目標粘度νTと計測粘度νKとの差分粘度νDを零にするための水の付加調整量BDは、後述する図4に示す水エマルジョン燃料の動粘度と水付加率との関係から自動的に、例えば演算によって又は予め記憶されているデータから求めることができる。
そして、目標粘度νTと、計測粘度νKとの差νD(=νT―νK)が略零となるように、水の付加調整量BDで調整するときは、計測粘度νKに対して温度補正等の各種補正を行なっており、目標粘度νTとの間で温度等に基づく誤差が生じないようにしている。
そして、図1に示す粘度調整部22は、水エマルジョン燃料の計測質量流量CKに基づいて、所望の目標粘度νTの水エマルジョン燃料を作ることができるように、第1燃料油に付加される水の量を調整するようになっているし、水エマルジョン燃料の計測粘度νKに基づいて、所望の目標粘度νTの水エマルジョン燃料を作ることができるように、第1燃料油に付加される水の量を調整するようにもなっているのは、水エマルジョン燃料の計測粘度νKが許容粘度であった場合でも、第1燃料油に付加されている水の水付加率(水エマルジョン燃料に含まれる水の含有率)(%)が、ディーゼル機関15での燃焼に不適切な値とならないようにするためである。
よって、粘度調整部22には、水付加率(%)の上限値が予め記憶されて設定されている。そして、第1燃料油に付加されている水の水付加率(%)が、所定の上限値となったときに、アラームを出力したり、図示しない表示部に表示するようにもなっている。
また、水エマルジョン燃料の計測粘度νKに基づいて、第1燃料油に付加される水の量を調整することができるようになっているのは、ディーゼル機関15に供給される実際の水エマルジョン燃料の粘度が、目標粘度νTに対して規定されている許容範囲内の粘度となるようにするためである。
なお、図2は、この実施形態で使用されている第1燃料油の動粘度(ストークスSt)と温度(℃)との関係を示す図である。このように、第1燃料油(例えばガスオイル(DMA又はDMB))は、その温度を下げることによって、動粘度を大きくすることができるものである。
例えば温度t1で動粘度ν1のガスオイルを目標動粘度νTにするには、ガスオイルの温度をtTまで下げる必要がある。
図3は、第1燃料油に水を付加して作られた水エマルジョン燃料の動粘度(ストークスSt)と、水エマルジョン燃料の質量流量(g/秒)(或る一定の流速で、水付加率を変化させたときの水エマルジョン燃料の質量流量)との関係を示す図である。このように、第1燃料油(例えばガスオイル)は、所定の範囲で水の水付加率(%)を大きくするほど、水エマルジョン燃料の動粘度が大きくなる。
例えば所定の温度のガスオイルに水を付加して目標動粘度νTのエマルジョンを作るには、水エマルジョン燃料の質量流量(第2質量流量計25の計測質量流量CK)がCTとなるように、ガスオイルに水を付加する必要がある。そして、この図3に示す水エマルジョン燃料の動粘度(ストークスSt)と水エマルジョン燃料の質量流量との関係は、制御部33が自動的に演算で求めることができるようにしてもよいし、データを予め記憶部に記憶しておいてもよい。
図4は、第1燃料油に水を付加して作られた水エマルジョン燃料の動粘度(ストークスSt)と水付加率(%)との関係を示す図である。この水付加率とは、水エマルジョン燃料中に含まれる水の含有率である。このように、第1燃料油(例えばガスオイル)は、水を付加してエマルジョン化することによって、動粘度を大きくすることができるものである。
例えば所定の温度のガスオイルに水を付加して目標動粘度νTのエマルジョンを作るには、水付加率がwTとなるように、ガスオイルに水を付加する必要がある。そして、この図4に示す水エマルジョン燃料の動粘度(ストークスSt)と水付加率(%)との関係は、制御部33が自動的に演算で求めることができるようにしてもよいし、データを予め記憶部に記憶しておいてもよい。
このように、図1に示す燃料油の粘度調整装置11は、動粘度の小さい第1燃料油に水を付加してエマルジョン化することによって、この第1燃料油を動粘度の大きい水エマルジョン燃料として使用できるようにすることができる。
従って、この燃料油の粘度調整装置11は、第1燃料油を冷却することによって粘度を大きくするものではないので、冷却装置を必要とせず、このような冷却装置の費用が掛からないし、冷却装置の設置スペースも必要としない。そして、冷却水も必要としないので、これによってもこの粘度調整装置11の費用が少なくて済み、設置スペースも小さくて済む。
また、第1燃料油(ガスオイル)を水エマルジョン燃料に作り変えてディーゼル機関15等の内燃機関の燃料として使用することによって、排気中のNO成分を低減することができる。これによって、水エマルジョン燃料を使用する例えば舶用ディーゼル機関15の普及に貢献することができ、自然環境の保護を図ることができる。
次に、本発明に係る燃料油の粘度調整装置を備える燃料供給装置(以下、単に「燃料供給装置」と言うこともある。)の第2実施形態を、図5を参照して説明する。この図5に示す第2実施形態の燃料供給装置41は、図1に示す第1実施形態の燃料供給装置12において、第2燃料タンク43を設けてあり、この第2燃料タンク43に貯留されている第2燃料油(例えばC重油)に水を混合して水エマルジョン燃料を作り、この水エマルジョン燃料をディーゼル機関15に供給することができるようになっている。そして、第2燃料タンク43に貯留されている第2燃料油(例えばC重油)を、水を付加しないでディーゼル機関15に供給することができるようにもなっている。
更に、この図5に示す第2実施形態の燃料油の粘度調整装置42は、加熱式粘度調整装置44を備えている。
図5に示すように、第1燃料タンク13及び第2燃料タンク43のそれぞれの出口は、配管45、46を介して供給路切換部47(三方切換え弁)と接続している。この供給路切換部47は、第1燃料タンク13に貯留されている第1燃料油(ガスオイル)、及び第2燃料タンク43に貯留されている第2燃料油(C重油)のうち、所望の燃料油をこの供給路切換部47の下流側に接続されている第1燃料供給ポンプ16の吸込み口に導くように燃料供給路を切換えることができるものである。
この供給路切換部47は、制御部33からの操作信号によって操作されるようになっている。
第1燃料供給ポンプ16は、第1燃料タンク13内のガスオイル、及び第2燃料タンク43内のC重油のうち、供給路切換部47を通って導かれてくる燃料油をエマルジョン発生装置17に供給することができるようになっている。なお、第2燃料タンク43内のC重油が、水が付加されない状態でエマルジョン発生装置17に供給されると、このC重油は、エマルジョン化されないでディーゼル機関15に供給される。
加熱式粘度調整装置44は、第2燃料タンク43に貯留されている第2燃料油(C重油)、及び水タンク14に貯留されている水のうちのいずれか一方、又はその両方を加熱することによって、第2燃料油(C重油)に水が付加されて作られる水エマルジョン燃料の粘度を調整することができるものである。
この加熱式粘度調整装置44は、図5に示すように、第2燃料タンク43に設けられているヒータ48、水タンク14に設けられているヒータ49、及び制御部33に設けられている加熱式粘度調整部50を備えている。
この第2燃料タンク43に設けられているヒータ48は、第2燃料タンク43に貯留されている第2燃料油(C重油)を設定温度に加熱することができるものであり、第2燃料油を加熱する温度制御は、加熱式粘度調整部50によって行なわれる。
水タンク14に設けられているヒータ49は、水タンク14に貯留されている水を設定温度に加熱することができるものであり、水を加熱する温度制御は、加熱式粘度調整部50によって行なわれる。
この加熱式粘度調整装置44によると、第1燃料油及び水のうちのいずれか一方、又はその両方をヒータ48、49で加熱することによって、第2燃料油(C重油)を使用する水エマルジョン燃料の粘度を小さくするための調整をすることができる。そして、上記のように、この粘度調整装置42が備える粘度調整部22によって、第1燃料油(ガスオイル)の粘度を大きくするための調整をすることもできる。従って、この加熱式粘度調整装置44を備える粘度調整装置42によると、ディーゼル機関15に使用される様々な粘度の燃料油(この実施形態では、ガスオイルとC重油。)を、そのディーゼル機関15に適切とされる所望の目標粘度の水エマルジョン燃料に作り変えたり、当該第2燃料油(C重油)自体を所望の目標粘度に調整することができ、これによって、粘度の違うガスオイル及びC重油を、ディーゼル機関15に使用できるようにすることができる。
なお、第2燃料油及び水のうちのいずれか一方、又はその両方をヒータで加熱して、水エマルジョン燃料の粘度を小さくする目的は、第2燃料油(C重油)と水とを混合して作られる水エマルジョン燃料の燃焼性を良好にして、燃焼の際に許容以上の煤塵が発生することを防止するためである。
つまり、第2燃料油(C重油)及び水の温度が低いために水エマルジョン燃料の粘度が高過ぎる場合は、水エマルジョン燃料が燃焼して水エマルジョン燃料中の水が水蒸気爆発したときに、C重油が細かい粒子にならないので、燃料の燃焼性が低下して、燃焼の際に許容以上の煤塵が発生することがあるからである。
更に、図5に示す燃料供給装置41では、第1燃料油(ガスオイル)及び第2燃料油(C重油)のいずれを使用しても、水エマルジョン燃料を作ることができるようにしているのは、例えば排気中のNO成分を所定の許容範囲内に収めるように規制されているが、SO成分の規制がされていない海域では、第2燃料油(C重油)を含む水エマルジョン燃料を使用し、排気中のNO成分及びSO成分の両方を所定の許容範囲内に収めるように規制されている港や海域では、第1燃料油(ガスオイル)を含む水エマルジョン燃料を使用することができるようにするためである。
つまり、第1燃料油(ガスオイル)を含む水エマルジョン燃料を使用すると、排気中のNO成分及びSO成分の両方を所定の許容範囲内に低減することができる。そして、第2燃料油(C重油)を含む水エマルジョン燃料を使用すると、排気中のNO成分を所定の許容範囲内に低減できるが、SO成分を所定の許容範囲内に低減することができない。
ただし、図1及び図5に示す上記各実施形態では、ディーゼル機関15用の燃料供給装置に対して本発明に係る燃料油の粘度調整装置を適用した例を示したが、これに代えて、ディーゼル機関15以外の機器、例えばボイラ用の燃料供給装置に対して本発明に係る燃料油の粘度調整装置を適用することができる。
そして、上記各実施形態では、図1及び図5に示す回路で形成された燃料供給装置に対して本発明に係る燃料油の粘度調整装置を適用した例を示したが、これ以外の形式で構成された回路の燃料供給装置に対して本発明に係る燃料油の粘度調整装置を適用することができる。
また、上記各実施形態では、舶用のディーゼル機関に対して本発明に係る燃料油の粘度調整装置を適用した例を示したが、これに代えて、例えば陸上で使用されるディーゼル機関や、ボイラ用の燃料供給装置等に対して本発明に係る燃料油の粘度調整装置を適用することができる。この場合、燃料油として例えばナフサを使用することができる。
更に、上記各実施形態では、図1及び図5に示すように、第2質量流量計25及び第2粘度計26で得られたそれぞれの計測質量流量及び計測粘度を使用して、水エマルジョン燃料を所望の粘度に調整するようにしたが、これに代えて、第2質量流量計25及び第2粘度計26のいずれか一方のみを使用して得られた計測質量流量又は計測粘度を使用して、水エマルジョン燃料を所望の粘度に調整するようにしてもよい。
そして、上記図5に示す第2実施形態では、加熱式粘度調整装置44は、第2燃料タンク43に貯留されている第2燃料油(C重油)、及び水タンク14に貯留されている水のうちのいずれか一方、又はその両方を加熱することによって、第2燃料油(C重油)に水が付加されて作られる水エマルジョン燃料の粘度を調整するようにしたが、これに代えて、図には示さないが、燃料供給ライン27の終端部を通る水エマルジョン燃料、又は燃料加圧供給ライン30を通る水エマルジョン燃料を加熱することによって、この水エマルジョン燃料の粘度を調整するようにしてもよい。
以上のように、本発明に係る燃料油の粘度調整装置、燃料供給装置及び燃料油の粘度調整方法は、燃料油に水を付加して燃料油をエマルジョン化する際に、付加する水の量を調整することによって、所望の目標粘度の水エマルジョン燃料を作ることができるようにする優れた効果を有し、このような燃料油の粘度調整装置、燃料供給装置及び燃料油の粘度調整方法に適用するのに適している。
11、42 燃料油の粘度調整装置
12、41 燃料供給装置
13 第1燃料タンク
14 水タンク
15 ディーゼル機関
16 第1燃料供給ポンプ
17 エマルジョン発生装置
18 第2燃料供給ポンプ
19 水付加装置
20 添加剤タンク
21 添加剤供給ポンプ
22 粘度調整部
23 第1流量計
24 第1粘度計
25 第2質量流量計
26 第2粘度計
27 燃料供給ライン
28 水供給ライン
29 添加剤供給ライン
30 燃料加圧供給ライン
31、32 合流部
33 制御部
43 第2燃料タンク
44 加熱式粘度調整装置
45、46 配管
47 供給路切換部
48、49 ヒータ
50 加熱式粘度調整部

Claims (4)

  1. 粘度が小さいために内燃機関又はボイラに所定の圧力に加圧して所定の流量で供給できないガスオイル又はナフサである燃料油に対して、水を付加して当該燃料油よりも粘度を高めた水エマルジョン燃料を作る際に、当該燃料油に付加する水の量を調整することができる燃料油の粘度調整装置であって、
    燃料油に付加される水の量を調整することができる粘度調整部と、
    前記燃料油に付加される水の量が前記粘度調整部によって調整して作られた水エマルジョン燃料の粘度を計測する粘度計と、
    水エマルジョン燃料を加圧して前記内燃機関又はボイラに供給するための燃料供給ポンプとを備え、
    前記粘度調整部は、前記粘度計によって計測して得られた計測粘度に基づいて、所定の圧力に加圧して所定の流量で供給することができる前記燃料油よりも粘度を高めた水エマルジョン燃料を作ることができるように、燃料油に付加される水の量を調整することができることを特徴とする燃料油の粘度調整装置。
  2. 燃料油及び水のうちのいずれか一方、若しくはその両方を加熱することによって、又は水エマルジョン燃料を加熱することによって、燃料油に水が付加されて作られる水エマルジョン燃料の粘度を調整する加熱式粘度調整装置を備えることを特徴とする請求項1記載の燃料油の粘度調整装置。
  3. 請求項1又は2に記載の燃料油の粘度調整装置を備え、この燃料油の粘度調整装置で粘度が調整されて作られた水エマルジョン燃料を、前記燃料供給ポンプを使用して内燃機関又はボイラに供給することができる燃料供給装置。
  4. 粘度が小さいために内燃機関又はボイラに所定の圧力に加圧して所定の流量で供給できないガスオイル又はナフサである燃料油に対して、水を付加して燃料油をエマルジョン化する際に、当該燃料油に付加する水の量を調整して、前記燃料油よりも粘度を高めた所望の粘度の水エマルジョン燃料を作り、当該水エマルジョン燃料を燃料供給ポンプによって所定の圧力に加圧して所定の流量で前記機器に供給できるようにすることを特徴とする燃料油の粘度調整方法。
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