JP5427091B2 - 他物固定具 - Google Patents
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Description
前記底板部5aには、複数の第一ボルト挿通孔(第一固定部K1の一例)K1aが形成してあり、コンクリート床2に埋設されたアンカーボルト2bが、このボルト挿通孔K1aを貫通するように固定具本体5を設置した後、ナットNを螺合させて締め付けることで固定具本体5をコンクリート床2に固定できるように構成してある。
前記蓋部材20には、複数の第二ボルト挿通孔(第二固定部K2の一例)K2aが形成してあり、蓋部材20上に配置する固定対象部材3をボルト固定できるように構成してある。また、蓋部材20は、固定具本体5の上縁部の筒外方に形成したフランジ部21にボルト固定できるように構成してある。蓋部材20を固定具本体5に固定した状態においては、蓋部材20の外周部は、固定具本体5の外周面より突出しているから、水切りの役目を担うことができる。
前記固定具本体5の一つの周面には、上下方向での中央部に丸穴(開口部の一例)22が形成してあり、この丸穴22から筒内に腕を入れて、第一ボルト挿通孔K1aや第二ボルト挿通孔K2aでのネジ固定操作を実施できるように構成してある。
また、当該他物固定具をコンクリート床2上に固定した後、コンクリート床2面に設置した防水シート2aを、固定具本体5の周面まで立ち上げて施工し、固定箇所の防水を図っている。
その結果、固定具本体内に浸入した水を排除する必要があり、他物固定具の設置作業に手間が掛かる問題点がある。
一方、手間を掛けずに設置作業を実施する為には、降雨を避けて設置作業を実施する必要があり、他物固定具の設置工程の自由性に欠けると共に、設置工程が長引き易い問題点がある。
一方、第一開口部は、操作対象の第一固定部に近い位置に設けられているから、第一固定部に対する固定操作を、より効率的に実施することができ、当該他物固定具の設置工程の短縮化を図ることができる。
複数箇所の第一開口部を使用して、効率的に第一固定部の操作を実施できるから、他物固定作業の工程短縮を図ることができる。
また、第一固定部を操作する際には、スライド筒部材を上方側にスライドさせておくことで第一開口部を開状態にしておくことができる一方、固定操作が終わった後は、前記スライド筒部材を下方側にスライドさせることで、全ての第一開口部を一度に閉塞することができ、繁雑な操作が必要ない。
尚、第一開口部を閉塞状態にした後は、スライド筒部材の外周部に、取付下地からの防水シートを立ち上げて設置することができ、第一固定部の防水性をより向上させて、安定した他物固定状態を長期間にわたって維持することができる。
また、水切りフランジの設置部分では筒体としての断面二次モーメントが増加することにより、筒体の補強効果を期待できるものであるが、固定具本体の上下中間部に、水切りフランジを一体に設けてあるから、当該他物固定具に作用する荷重に対する筒体の膨らみを、より効率よく抑制することができ、支持強度の向上を図ることができる。
更には、前記水切りフランジによる筒体の膨らみ抑制効果と同様に、前記隔壁部によっても固定具本体の筒の変形を抑制することができ、他物固定具としての支持強度の向上を図ることができる。
前記固定具本体の筒周面部に、前記第二固定部の固定操作を筒外方から実施可能な状態に第二開口部が設けてあり、
前記第二開口部は、その下端部が、前記隔壁部に接する状態に配置してあり、
前記隔壁部の上面は、前記第二開口部に向けて下り勾配に形成してあるところにある。
一方、第二開口部は、操作対象の第二固定部に近い位置に設けられているから、第二固定部に対する固定操作を、より効率的に実施することができ、当該他物固定具への他物の設置工程の短縮化を図ることができる。
また、第二開口部は、その下端部が、前記隔壁部に接する状態に配置してあるから、仮に、隔壁部より上方の筒内空部に水が浸入しても、隔壁部の上から第二開口部を通して簡単に筒外に排除することができる。特に、前記隔壁部の上面は、前記第二開口部に向けて下り勾配に形成してあるから、隔壁部の上の水は、前記下り勾配に沿って確実に筒外に排除される。
従って、当該他物固定具への他物の設置段階で降雨等があって水が固定具本体に進入しても、簡単に排除され、隔壁部に水溜まりが残ることを防止できる。
よって、隔壁部の腐食を抑制でき、安定した他物固定状態を長期間にわたって維持することができる。
当該実施形態においては、コンクリート床2の全域に防水シート2aが敷設してある状態で、その上に、当該固定台1を設置して、固定対象部材3を固定台1に固定してある例を示している。従って、固定台1を設置した後、その周囲に、防水シート2aと固定台1の外周部にわたる状態に増貼り防水シート4を設置して、固定台設置部分から下方への漏水防止を図っている。
コンクリート床2における固定台設置箇所には、予め、アンカーボルト2bが設置してあり、このアンカーボルト2bに固定台1が固定されている(図2〜4参照)。
前記固定枠3bは、ソーラーパネル3aを傾斜姿勢に支持する構造に形成してあり、ソーラーパネル3aが効率よく太陽光を受光できるように構成してある。
前記第一固定部K1は、複数の第一ボルト挿通孔K1aで構成してあり、前記第二固定部K2は、複数の第二ボルト挿通孔K2aで構成してある(図3参照)。
前記第一ボルト挿通孔K1aには、前記コンクリート床2に埋設されたアンカーボルト2bが下方から挿通され、そのボルト上端部にナットNを螺合して締め付けることで固定具本体5がコンクリート床2に固定される。
前記第二ボルト挿通孔K2aには、前記固定枠3bを固定するためのボルト10が下方から挿通され、そのボルト上端部にナットNを螺合して締め付けることで固定枠3bが固定台1に固定される。
尚、前記スライド筒部材6は、下方側にスライドさせることで前記各第一開口部H1を閉塞できるように寸法設定してある(図6参照)。この閉塞状態においては、前記増貼り防水シート4の立上部分をこのスライド筒部材6の外周面に固定することで、固定台1周囲の防水を行える(図4参照)。
また、前記第一固定部K1に対する固定操作の際には、このスライド筒部材6を上方側にスライドさせることで、各第一開口部H1を全開状態にでき、第一開口部H1を通した固定操作を効率よく実施することができる。
因みに、スライド筒部材6を、上方側の停止位置で固定具本体5に仮止めする仮止めビス7が、スライド筒部材6と固定具本体5とにわたって着脱自在に設けてある。
また、前記第二開口部H2の下端部に接する状態に、固定具本体5の内空部を上下に遮断する隔壁部5dが設けてある。
前記隔壁部5dの上面は、前記第二開口部H2に向けて下り勾配に形成してある(図4、図5参照)。
従って、第二開口部H2を通して固定具本体5の内空部に水が浸入しても、隔壁部5dによって水を遮断して下方の内空部への漏水を防止できると共に、浸入水を、下り勾配の上面に沿わせて第二開口部H2から外部に速やかに排出することができる。
固定具本体5の周りの防水は、前述のように前記スライド筒部材6によって第一開口部H1を閉塞した状態で増貼り防水シート4を設置するだけの簡単な防水施工によって、高い防水効果が得られることに加えて、この水切りフランジ5eによる前記水切り効果が相乗的に作用して、より高い防水性能が得られる。
更には、この水切りフランジ5e、及び、前記隔壁部5dによって、固定具本体5の筒体としての断面二次モーメントが増加し、筒体の補強効果を期待できる。従って、固定台1への荷重作用に伴う筒体の膨らみをより効率よく抑制でき、支持強度の向上を図ることができる。
また、第一固定部K1に対する固定操作を、第一開口部H1を通してより効率的に実施することができ、当該固定台1の設置工程の短縮化を図ることができる。
また、仮に、固定台1の設置作業中に固定具本体5内に水が浸入しても、第一開口部H1を通して簡単に筒外に排除することができる。
以上の結果、設置段階に内空部へ水が浸入しても悪影響を受け難くでき、降雨時の設置作業でも手間を掛けずに効率よく実施でき、しかも、第一固定部K1からコンクリート床2への漏水の危険もないから、安定した設置状態を長期間にわたって維持することができる。
以下に他の実施の形態を説明する。
また、防水シート2aによる防水層を形成したものに限らず、他の形態によって構成した防水層を形成したものであってもよい。
〈2〉 前記他物3は、先の実施形態で説明したソーラーパネル3aやその固定枠3bに限るものではなく、例えば、広告等やキュービクル等の屋外設備であってもよく、それらを含めて他物と総称する。
〈3〉 前記固定具本体5は、先の実施形態で説明した四角筒形状に限るものではなく、例えば、五角形以上の多角形筒形状や、図7に示すように、円筒形状のものであってもよい。また、外周部に、図に示すようなブレース取付部8を設けたものであってもよく、この場合、間隔をあけて隣接設置された別の固定台1のブレース取付部8にわたってブレース9を取り付けることができ、より強度の高い支持構造を構築することができる。
また、固定具本体5が円筒形状の場合、前記スライド筒部材6も円筒形状となる。円筒形状のスライド筒部材6は、図7に示すように上下移動自在に設けられるものの他、例えば、固定具本体5の縦軸芯周りに回転自在に設けることも可能である。その場合、固定具本体5の第一開口部H1に対応する開口部をスライド筒部材6にも設けておき、両開口部どうしが重なる姿勢となるようにスライド筒部材6を縦軸芯周りに回転すると、それらの開口部を通して第一固定部K1に対する固定操作が可能となる。一方、固定具本体5の第一開口部H1にスライド筒部材6の開口部が重ならない姿勢となるようにスライド筒部材6を縦軸芯周りに回転すると、前記第一開口部H1を閉塞することができる。
〈4〉 前記第二固定部K2は、先の実施形態で説明した筒内の天板部5bに形成するもの限るものではなく、例えば、筒外に鍔状にフランジ部を設けて、そのフランジ部に形成してあってもよい。
また、ボルト挿通孔で構成することに限らず、ネジ部材や他の固定手段を採用することも可能である。更には、ボルト挿通孔を、当初から設けておくことに限らず、例えば、天板部5b上に他物3を載置した状態で、それらを貫通する状態にボルト挿通孔を形成するものであってもよい。
〈5〉 前記隔壁部5dは、その上面に、第二開口部H2に向けた下り勾配が形成されたものを説明したが、勾配のない平板で構成するものであってもよい。また、下り勾配を設ける場合でも、先の実施形態で説明した構造に限るものではなく、要するに、上面に水が溜まり難くできる勾配であればよい。
3 固定対象部材(他物の一例)
5 固定具本体
5a 底板部
5c 筒周面部
5d 隔壁部
5e 水切りフランジ
6 スライド筒部材
H1 第一開口部
H2 第二開口部
K1 第一固定部
K2 第二固定部
Claims (4)
- 縦筒形状の固定具本体が設けられ、
前記固定具本体の下端面を構成する底板部に、取付下地への第一固定部が設けられ、
前記固定具本体の上端部に、固定対象の他物を固定する第二固定部が設けられている他物固定具であって、
前記第一固定部は、前記固定具本体の筒内に配置してあり、
前記固定具本体の筒周面部に、前記第一固定部の固定操作を筒外方から実施可能な状態に第一開口部が設けてあり、
前記第一開口部は、前記固定具本体の周方向の複数箇所に形成してあり、
前記固定具本体の外周面に沿って上下スライド自在な状態にスライド筒部材が外嵌させてあり、
前記スライド筒部材は、下方側にスライドさせることで前記各第一開口部を閉塞できるように構成してある他物固定具。 - 前記固定具本体の外周面の上下中間部に、筒周方向に沿って水切りフランジが一体に設けてある請求項1に記載の他物固定具。
- 前記固定具本体の内空部を上下に遮断する隔壁部が、前記固定具本体に一体に設けてある請求項1又は2に記載の他物固定具。
- 前記第二固定部は、前記固定具本体の筒内に配置してあり、
前記固定具本体の筒周面部に、前記第二固定部の固定操作を筒外方から実施可能な状態に第二開口部が設けてあり、
前記第二開口部は、その下端部が、前記隔壁部に接する状態に配置してあり、
前記隔壁部の上面は、前記第二開口部に向けて下り勾配に形成してある請求項3に記載の他物固定具。
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