JP5426110B2 - 反射体制御方式の高速炉 - Google Patents

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Description

本発明は、反射体を上下方向に移動させることにより炉心の反応度を制御する反射体制御方式の高速炉に係り、特に、構造健全性に優れ、信頼性の高い反射体制御方式の高速炉に関する。
従来の高速炉の一例が特許文献1に示されており、これを図21に示す。従来の高速炉1は、原子炉容器2内に収容され、核燃料の燃料集合体が装荷された炉心3を有する。炉心3は、ほぼ円柱状に形成されており、炉心3を保護する炉心槽4によって外周を取り囲まれている。炉心槽4の外側には反射体5が配置されている。反射体5は、反射体駆動装置6に駆動軸7を介して連結され、反射体駆動装置6の駆動により炉心3の周囲を上下に移動し、炉心3の反応度を制御している。
反射体5の外側には、反射体5を取り囲む円筒状の隔壁9が設けられ、この隔壁9と原子炉容器2の間に一次冷却材8の流路が形成される。隔壁9は原子炉容器2内に収容され、一次冷却材8の流路と中性子遮蔽体10が配置される。中性子遮蔽体10は炉心3を取り囲むように設けられる。
炉心3および炉心槽4、隔壁9および中性子遮蔽体10は全て炉心支持板11上に搭載され、支持される。中性子遮蔽体10の上方には、一次冷却材8を循環させる電磁ポンプ12が設けられ、この電磁ポンプ12の上方に中間熱交換器13が設けられる。中間熱交換器13はここで一次冷却材8と二次冷却材とを熱交換し、二次冷却材を加熱している。二次冷却材は入口ノズル14から流入して中間熱交換器13に入り、この中間熱交換器13で熱交換して加熱された後、出口ノズル15から図示しない蒸気発生器に送られる。
また、原子炉容器2の炉心3周りに位置する反射体5は図22に示すように構成される(特許文献2参照)。炉心3の反応度を制御する反射体5は、下部の中性子反射部5aと上部のキャビティ部5bから構成される。キャビティ部5bは、中性子反射部5aの上部に設置され、冷却材8よりも中性子反射能力が劣る真空または気体17を内封した箱体で形成される。このキャビティ部5bによって、炉心槽4の外側が一次冷却材8で覆われている場合と比べて炉心反応度を低く抑えることができる。炉心反応度を低く抑えた分だけ核燃料の濃縮度を高め、炉心3の反応度寿命の長期化を図っている。
特開平6−174882号公報 特開平6−51082号公報
従来の反射体制御方式の高速炉において、一次冷却材8の温度は、300℃〜550℃で、炉心棒4内部の炉心3側では約500℃、隔壁9の外側の中性子遮蔽体10側では約350℃であり、炉心槽4と隔壁9との間には約150℃程度の温度差が付いている。
さらに、一次冷却材8が原子炉容器2の底部で反転して上動し、炉心3を通過する際に約350℃から500℃まで温められるため、炉心槽4内部の冷却材温度は、軸方向に約150℃程度の温度差が付いている。
したがって、反射体5の中性子反射部5aとキャビティ部5bには半径方向及び軸方向に温度差が発生し、温度差に起因する熱膨張差により反射体5が熱変形する。反射体4の変形により、原子炉緊急停止時に反射体5を落下させる場合、炉心槽4側と隔壁9側の間の空間で接触が生じ、所定の落下時間以内に反射体5が落下できない恐れが考えられる。
加えて、反射体5の内部に温度差に起因して発生する熱応力やクリープによる損傷も考えられる。また、反射体5のキャビティ部5bに関しても、箱型のキャビティの場合、炉心槽4と隔壁9との間の温度差による熱膨張差による座屈を防止し、箱体の損傷や破損を防止するには、反射体5のキャビティ部5bを如何に構成したらよいか問題になっていた。
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、反射体の構造健全性に優れ、信頼性の高い反射体制御方式の高速炉を提供することを主な目的とする。
本発明の他の目的は、構造健全性だけでなく、メンテナンス性、製作性に優れた中性子反射体を実現し、信頼性の高い反射体制御方式の高速炉を提供するにある。
本発明の別の目的は、反射体上部のキャビティ部を複数の密封容器で構成して熱膨張や熱応力によって変形しにくい構造とし、構造健全性を向上させ、振動・揺れによる破損を有効的に防止し、信頼性を向上させた反射体制御方式の高速炉を提供するにある。
本発明のさらに別の目的は、反射体上部の中性子吸収部の構造健全性を向上させ、かつ反射体の反応度制御能力を確保し、または増大させて信頼性の高い高性能な反射体制御方式の高速炉を提供するにある。
本発明に係る反射体制御方式の高速炉は、上述した課題を解決するために、冷却材が収容された原子炉容器と、原子炉容器内に配置され、冷却材に浸された炉心と、この炉心の外側に上下方向に移動自在に設けられ、前記炉心の反応度を制御する反射体とを備えた反射体制御方式の高速炉において、前記反射体は、前記冷却材より中性子反射能力が大きい下部の中性子反射部と、この中性子反射部の上方に位置し、前記冷却材より中性子反射能力が低い上部のキャビティ部とを有し、前記キャビティ部は複数の筒形の密閉容器で構成し、前記中性子反射部は積層された複数の金属板からなり、前記金属板は、冷却材が流れる複数の冷却材流路を有することを特徴とするものである。
本発明においては、構造健全性および製作性に優れた中性子反射体を実現し、信頼性の高い反射体制御方式の高速炉を提供することができる。
また、本発明に係る反射体制御方式の高速炉は、熱膨張や熱応力によって変形しにくい中性子反射体を実現し、構造健全性とメンテナンス性だけでなく、製作性にも優れ、キャビティ部の万一の破損時にも炉心反応度への影響が少なく、キャビティ部の機能を維持できる反射体を提供することができる。
さらに、本発明に係る反射体制御方式の高速炉は、反射体の反応度制御能力を増大させるとともに、反射体の中性子吸収部は破損が防止されて構造健全性が向上し、炉心反応度の上昇を回避でき、長寿命で信頼性の高い高速炉を提供できる。
本発明に係る反射体制御方式の高速炉の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明に係る反射体制御方式の高速炉の第1の実施の形態を示す縦断面図である。
高速炉20は、核燃料の交換なしに10数年から数十年、例えば30年程度連続して運転することができる原子炉であり、炉出力が30MW〜百数十MW(電気出力で1万KW〜10数万KW)で、全体的には25m乃至35m、例えば30m程度の全体的な高さを有する。炉心高さは、例えば2.5m程度である。冷却材の温度は液体ナトリウムが凝固しない温度以上、温度的余裕をもたせて200℃以上、好ましくは300℃〜550℃の温度で用いられる。冷却材の温度は、原子炉容器内の冷却材流路で300°〜400℃、一例として350℃、炉心側で500°〜550℃、一例として500℃程度が用いられる。
図1に示す反射体制御方式の高速炉20は、有底円筒状の原子炉容器21が台座22に支持されたガードヘッセル23で覆われ保護される。原子炉容器21の頂部は上部プラグを構成する遮蔽プラグ24で閉塞される。
原子炉容器21内に炉心25が収容される一方、原子炉容器21内は一次冷却材26としての液体ナトリウムで満たされている。炉心25は核燃料の燃料集合体27が装荷されて、全体として円柱形状に構成される。炉心25は、その外側が炉心槽28で取り囲まれて保護される。
炉心槽28の外側には間隔をおいて円筒形状の隔壁29が設けられ、この隔壁29は炉心支持板30上に、炉心25および炉心槽28とともに支持される。炉心支持板30は原子炉容器21の円周壁下部に設けられた炉心支持台31上に支持される。炉心25は下部にエントランスモジュール23が設けられる一方、炉心25に装荷される燃料集合体27の上部は上部支持板34で支持される。
また、炉心槽28と隔壁29との間には、全体としてスリーブ状(円筒状あるいは円環状)の反射体35が構成される。反射体35は、駆動軸36を介して反射体駆動装置37に連結される。反射体駆動装置37は遮蔽プラグ24を構成する上部プラグ上に設置され、反射体駆動装置37の駆動により、炉心25の周囲を上下方向に移動し、炉心25の反応度を制御している。
さらに、炉心25の中心部には炉停止棒38が炉停止棒駆動装置39の駆動により炉心25に出し入れ自在に設けられる。この炉停止棒駆動装置39も反射体駆動装置37とともに上部プラグ上に設置される。これらの反射体駆動装置37および炉停止棒駆動装置39は、格納ドーム40内に格納され、保護される。
一方、隔壁29の外側は、原子炉容器21との間に一次冷却材26の流路を形成しており、この流路に中性子遮蔽体41が配置される。中性子遮蔽体41は、炉心支持板30上に設置され、中性子遮蔽体41の上部は上部支持板34に支持される。中性子遮蔽体41は、炉心25から反射体35を透過または迂回して放射する中性子を遮蔽している。
原子炉容器21内においては、中性子遮蔽体41の上方に円環形状の電磁ポンプ45が配置され、この電磁ポンプ45の上方に中間熱交換器46が設置される。これらの電磁ポンプ45と中間熱交換器46は、例えば一体あるいは一体的に構成される。電磁ポンプ45は、原子炉容器21内の一次冷却材26を、実線矢印の如く循環して、冷却材流路内において上方から下方へ向って流動させる。また、中間熱交換器46のチューブ側とシェル側に、それぞれ一次冷却材26と二次冷却材が熱交換可能に案内される。二次冷却材は入口ノズル47から流入して中間熱交換器46に至り、この中間熱交換器46で一次冷却材26と熱交換して温度上昇した後、出口ノズル48から原子炉容器21外の図示しない蒸気発生器に送られるようになっている。二次冷却材も一次冷却材と同様に液体ナトリウムで構成される。
一方、反射体35は、周方向に整列して複数配置され、全体として略円筒状(スリーブ状)あるいは円環状に構成され、周方向に数分割あるいは10数分割可能な独立したセグメント構造に構成される。反射体35は、図2乃至図4に示すように、その下部あるいは下部領域の中性子反射部35aと上部あるいは上部領域のキャビティ部35bとを有する。図2は反射体35の外観斜視図を示し、図3は反射体35の正面図、図4は反射体35の側面図をそれぞれ示す。
反射体35は自在継手50および継手51を介して反射体駆動装置37の駆動軸36に連結され、支持される一方、反射体35のキャビティ部35bは中性子反射部35aと自在継手52を介して連結され、反射体35は熱膨張や熱変形、さらには振動を吸収する多関節構造に構成される。
また、反射体35の中性子反射部35aは、積層された複数枚の金属板54で構成される。各金属板54は、図5に示すように、平面視扇状あるいは変形台形状に形成される一方、各金属板54の内部に複数の冷却材流路55が形成される。金属板54同士は、冷却材流路55が互いに貫通するように数ヶ所を位置決めピン56で凹凸嵌合させ、位置決めしている。そして、中性子反射部35aの上下端の金属板54を用いて、全ての金属板54が連結棒57を備えた連結手段を用いて一体的に連結され、結合される。各金属板54を積層させることにより、製作性が向上し、さらに、各々発生する熱膨張や熱応力を分散させて吸収し、低く押えることができる。
前記中性子反射部35aは、積層される複数の金属板54あるいは図示しないSiC板からなり、各金属板54は、クロムモリブデン鋼、ニッケル(Ni)鋼、ニッケルを主成分とする金属あるいはインコネルで構成される。インコネルはクロムと鉄を含む耐食耐熱合金である。
さらに、反射体35の中性子反射部35aは、各金属板54あるいはSiC板に互いに連通するように開けられた複数の冷却材流路55により、中性子と中性子反射部35aの間の相互作用により発生したγ発熱を一次冷却材26で冷却し、中性子反射部35aの材料温度を下げることができる。さらに、積層された各金属板54あるいはSiC板に形成される冷却材流路55は原子炉容器20(外周)側より炉心25(内周)側の方が多く、密に開けられている。各冷却材流路55の数は炉心25側が密に、原子炉容器20が粗に構成され、炉心25側で多く発生するγ発熱の冷却能力を高めている。これにより、中性子反射部35aの金属板54全体の温度の均一化を図り、熱膨張差による変形を抑えることができる。
一方、反射体35のキャビティ部35bは、図2乃至図4に示すように構成され、複数の筒状の密閉容器60を備える。ここでは密封容器60を円筒形状とした場合について説明する。円筒状の密閉容器60は例えば2列で各列3個ずつの密閉容器60が積層される。2列3個ずつの密閉容器60の上端部と下端部に端板63が設けられる。上下の端板(金属板)63は四隅部および中央部が支持棒61を用いてボルトナット等の連結手段62で連結され、枠組立体66が構成される。密閉容器60は図6に示すように並設され、各列3段ずつの密閉容器60は積層され、連結手段62と各支持棒61で構成される籠状の枠組立体66内に収容される。枠組立体66は2列各3段の密閉容器60を取り囲んで、一体的に保持している。
他方、キャビティ部35bの円筒状密閉容器60内は、冷却材よりも中性子反射能力が劣る真空またはHe、Arの不活性ガスの気体が封入されている。キャビティ部35bに円筒状の密閉容器60を採用することにより、製作性に優れ、製造が容易でコストの低減が図れる一方、熱変形や外圧による変形、および座屈に強い構造とすることができる。万一、密閉容器60の1つが破損しても、1つの密閉容器60内に冷却材が侵入し、充填されるだけであり、残りの密閉容器60は健全性が保たれ、キャビティの機能を維持することができる。
また、円筒状密閉容器60の採用により、キャビティ部35bと炉心槽28および隔壁29との間の冷却材流路が充分に確保することができ、炉心25側で多く発生するγ発熱の冷却能力を高めることができる。各密閉容器60は、密閉容器60の周囲に籠状に配置された枠組立体66の支持棒61の内側に安定的に収納されている。支持棒61は密閉容器60の水平方向拘束のためのガイドの機能を果たしている。
図2に示す反射体35の場合では、例えば2列3段、計6個の密閉容器60は、支持棒61の枠組立体66の内部に積み重ねられるように並設される。反射体35のキャビティ部35bを独立して複数の密閉容器60に分割することにより、キャビティ部35bに独立した密閉容器を複数、例えば6個形成することができるので、密閉容器を1個で形成する場合よりも、密閉容器60が破損し、一次冷却材26が密閉容器60内部に漏洩し、内部の真空または気体が密閉容器60内部から失われた場合の炉心制御に関わる影響度を低減することができる。ここで、密閉容器60内部に真空や気体を封入するだけでなく、密閉容器60内に一次冷却材26よりも中性子反射能力が劣る物質を封入してもよい。この物質は、ボロン、ハフニウム、タンタル等の金属またはそれらの化合物である。
また、反射体35のキャビティ部35bはその上端および下端の少なくとも一方には弾性部材からなる熱膨張吸収手段64が装着されており、支持棒61の枠組みと密閉容器60との間に生じた上下方向の熱膨張差や、密閉容器60の内部の気体の熱膨張により発生した密閉容器60の上下方向の変位の吸収を図ることができる。
この熱膨張吸収手段64は、図3に示す例ではコイルばねを示しているが、皿ばねまたは板ばねでも良い。ここで、この熱膨張吸収手段64による荷重は小さく、さらに、中性子反射部35aの吊り荷重は支持棒61に作用するため、密閉容器60に作用する荷重は十分小さい。密閉容器60には、一次冷却材26による外圧以外の機械的荷重を低く抑えることができ、密閉容器60の健全性を保つことができる。
さらに、反射体35のキャビティ部35bの上部には、図3および図7に示すように、反射体駆動装置37(図1参照)から吊り降ろされた駆動軸36と遠隔で接続可能な継手51が備えられている。この継手51とキャビティ部35bの間は自在継手50で接続されている。また、キャビティ部35bと中性子反射部35aの間も自在継手52で接続されている。
このように反射体35の各構成要素を自在継手50、52で接続し、多関節にすることにより、原子炉半径方向の温度差や上下方向の温度差で生じる熱膨張による反りを抑えることができ、反射体35を原子炉緊急停止時にスムーズで自由に落下させることができ、所定の落下時間以内に落下させることが可能となる。
また、反射体35の中性子反射部35aの上下端と、キャビティ部35bの上下端には間隔を保持するパッド65が設けられており、反射体35と炉心槽28の間のギャップを一定に保ち、原子炉緊急停止時にスムーズに反射体35を落下させることができ、落下の自由度を大きくして所定の落下時間以内にできる構造としている。なお、バッド65の取付方法は、溶接でもねじ止めでもよい。
中性子反射部35aとキャビティ部35bの間にはすき間Gが設けられており、反射体35の下方から中性子反射部35aに開けられた冷却材流路55に流入し、中性子反射部35aを冷却した一次冷却材26はすき間Gから流出できるようになっている。また、自在継手52はこのすき間Gの中心部分に装着されており、中性子反射部35aとキャビティ部35bが屈折できるようになっている。
図8(A)および(B)は、反射体35のキャビティ部35bを構成する枠組立体66の各支持棒61の上下部の取付部を示す構造図である。支持棒61の先端部分は、ねじ切を施し、支持棒61のねじ部にナットをねじ結合させて連結手段62が構成される。中性子反射部35aの吊り荷重は各支持棒61に作用する構成となっている。
また、反射体35のキャビティ部35bには、円筒状の密閉容器60が複数個が列状に積み重ねられる。キャビティ部35bの密閉容器60は、弾性部材としての熱膨張吸収手段64(図3,図8(A)参照)により上下方向が拘束される。水平方向の拘束は密閉容器60の上下端に凹凸部を形成し、凹凸係合させることで行われる。
密閉容器60同士の接合面に共に凸部を形成した場合には、図9(A)に示すように、開口を設けた枠組み67の中間リブを利用し凸部同士を突き合せて枠組み67に嵌合させることで拘束し、一方の密閉容器60の端面に凸部を形成し、対向する密閉容器60の端面に凹部を形成した場合には、図9(B)に示すように密閉容器60同士を直接凹凸結合69させることで拘束している。
このように、密閉容器60同士の接続部は図9(A)および(B)に示すように密閉容器60と枠組み67の中間リブと嵌め合いあるいは密閉容器60同士の凹凸結合により拘束することができる。反射体35のキャビティ部35bに複数の密閉容器60を組み合せ、支持棒61と連結手段62により上下の端板63間で連結しても、密閉容器60同士の支持構造と、熱膨張吸収手段64および密閉容器60同士の嵌め合い構造とを組み合せることで、すなわち、籠型配置の枠組立体66の支持棒61と、上記密閉容器60同士の嵌め合い構造を組み合せることにより、上下方向の拘束と水平方向の拘束を行い、据付時、運転時、原子炉緊急停止時、地震時等の過度の振動や揺れで密閉容器60が破損することを有効に防ぐことができる。
この実施の形態に示された、反射体制御方式の高速炉20においては、炉心25の反応度を制御する反射体35を周方向に複数に分割(数分割乃至10数分割)して独立して昇降駆動できるように構成した上で、反射体35の中性子反射部35aを複数の金属板54を積層させて一体化し、各々に発生する熱膨張、熱応力を分散させて吸収する構造とする一方、反射体35のキャビティ部35bは、複数の円筒状密閉容器60を組み立てて構成したので、構造健全性とメンテナンス性だけでなく、製作性にも優れた中性子反射体を実現でき、信頼性の高い高速炉を提供できる。
[第1の実施の形態の変形例]
図10は、反射体制御方式の高速炉の第1の実施形態の変形例を示すものである。
この第1変形例に示される反射体制御方式の高速炉の全体的構成は図1乃至図8に示すものと異ならないので、同じ構成には、同一符号を付して説明を省略する。
図10は、反射体35のキャビティ部35bは、複数の円筒状密閉容器60、例えば2列3段6個の密閉容器60で構成されるが、キャビティ部35bの密閉容器60は、隔壁70との溶接により一体構造に構成される。キャビティ部35bの各密閉容器60は、各列毎に隔壁70との溶接により一体構造としても、2列とも隔壁70との溶接により一体構造に構成してもよい。
第1変形例に示された反射体35は、キャビティ部35bの密閉容器60は、破損時の炉心制御に関わる影響を低減するため、複数に例えば2列3段に分割される。密閉容器60の上下端に凹凸部を形成し、嵌め合い構造とした場合、密閉容器60上下端の構造材が重なるため、反応度が高まり、キャビティ部35bの機能が低下する恐れがある。
そのため、密閉容器60同士は嵌め合い構造ではなく、隔壁70と円筒を溶接により一体構造とし、密閉容器60の分割と、分割部の水平方向支持を行うものである。一体構造の採用により、凹凸部の嵌め合い構造の場合よりも、構造材体積を低減することができ、キャビティ部35bの反応度が低下して、キャビティの機能を高めることができる。
この第1変形例の反射体35によれば、構造健全性と機能性に優れた中性子反射体を実現し、信頼性の高い反射体方式の高速炉を提供できる。
[第2の実施の形態]
図11は、反射体制御方式の高速炉の第2の実施の形態を示す反射体の拡大平断面図である。
第2の実施の形態に示す高速炉は、反射体のキャビティ部を改良したもので、他の構成は、図1乃至図8に示す反射体制御方式の高速炉と構成を同じくするので、同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。反射体35のキャビティ部35bは、下部の中性子反射部35aの領域の上方延長線状に形成され、この延長線で囲まれたキャビティ部35bの領域内に納まる最大径の円筒状密閉容器75が2本並設される。
図11に示された反射体35のキャビティ部35bは、キャビティ部35bの領域内に収まる最大径の円筒状密閉容器75の配置形式を変更したものである。キャビティ部35bには、2個の円筒状密閉容器75が並設され、上下の扇状端板63の四隅部に支持棒61を通し、連結手段62で連結して枠組立体66を構成したものである。2個の円筒状密閉容器75は枠組立体66内に収容され、一体化される。密閉容器75の肉厚は3mm〜5mmのものが用いられる。
2本の密閉容器75を並設してキャビティ部35bを構成することにより、密閉容器75の構造材体積を少なくすることができる。密閉容器75の構造材は原子炉径方向の距離が最小となり、かつ中性子反射部35aの領域に収まる最大の大きさの密閉容器75を配置したものである。反射体35のキャビティ部35bに2本の円筒状の密閉容器75を並列に配置することにより、密閉容器75の本数を少なく、しかも円筒形状であるので製作が容易であるとともに、構造健全性とキャビティ性能に優れた中性子反射体を実現することができ、信頼性の高い反射体制御方式の高速炉を提供できる。
[第2の実施の形態の変形例]
図12(A)〜(C)は、反射体制御方式の高速炉の第2の実施の形態の変形例を示すものである。
図12(A)〜(C)は、反射体制御方式の高速炉に備えられる反射体35のキャビティ部35bを、密閉容器の配置形式を設計条件に応じて変更したものであり、高速炉の全体的構成は図1乃至図8に示す第1の実施の形態に示されたものと異ならないので、同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
図12(A)は、反射体35のキャビティ部35bに図11に配置される密閉容器75より小径であるが、中間程度の径の密閉容器76を複数本、例えば9本、列状に配置したものである。各密閉容器76は互に同じ径を有するものが選択される。同じ径の密閉容器76を製作することで、製造が容易となり、コストの低減を図ることができる。
また、図12(B)は、反射体35のキャビティ部35bの真空または不活性ガスの気体が占める体積が最大となるように、異なる複数径の種類の円筒型密閉容器77、78、79、80を配置したものである。
さらに、図12(C)は、反射体35のキャビティ部35bに細径の密閉容器82を多数配置し、密閉容器82の破損時にキャビティ部35bの炉心反応度への影響を最小限にする構造としたものである。密閉容器82の径は、異なってもよく、例えば、外周側に位置する密閉容器から内周側に位置する密閉容器の径が漸次小さくなるように構成しても、あるいはその逆に漸次大径になるように配置してもよい。
図12(A)から図12(C)に示す反射体35のキャビティ部35bにおいても、各密閉容器を円筒形状とすることにより製作が容易となり、また、構造健全性と性能に優れた中性子反射体を実現し、信頼性の高い反射体制御方式の高速炉を提供できる。
図12(A)〜図12(C)は、反射体35のキャビティ部35bにおいて、枠組立体66内に複数の円筒状密閉容器76〜82がそれぞれ配置されるが、各密閉容器76〜82の構造体が占める中実部の体積は、キャビティ部35bの全容積の20%以下、好ましくは15%以下となるように設計される。云い換えれば、各円筒状密閉容器76〜82の空間が占める体積が、キャビティ部35bの全容積の80vol.%となるように設計される。
また、キャビティ部35bに備えられる円筒状の密閉容器75〜82は、大きい管径の肉厚が3〜5mm、小さい管径の肉厚が1〜2mmが適宜選択される。密閉容器75〜82は、中性子吸収能力が低いフェライト鋼で形成しても、中性子吸収能力が長期にわたって低下することが少ないハフニウム管で構成してもよい。ハフニウム管は、ハフニウム同位体数が多く、中性子吸収能力の低下割合が少ないため、長寿命に適したものとなる。
[第3の実施の形態]
次に本発明に係る反射体制御方式の高速炉の第3の実施の形態について、図13乃至図15を参照して説明する。
第3の実施の形態に示された高速炉20Aの全体的な構成は、第1の実施の形態に示された高速炉20の構成と、反射体の構造を除いて異ならないので、同じ構成には同一符号を付して、説明を簡素化する。
この反射体制御方式の高速炉20Aは、図13に示すように、高速炉20Aは、一次冷却材26が収容された原子炉容器21と、原子炉容器21内に配置され、一次冷却材26に浸された炉心25と、炉心25の周縁外方に上下方向移動自在で配置されるとともに、上下方向へ移動することによって炉心25から発生する中性子の漏洩を調整し、炉心25の反応度を制御する反射体85とを備えている。
このうち、反射体85は、図14(A)および(B)に示すように、一次冷却材26よりも中性子反射能力が高い中性子反射部85aと、中性子反射部85aの上方に位置し、一次冷却材26より中性子反射能力が低いキャビティ部85bとを有している。ここで図14(A)は、反射体85を正面から見た正面図であり、図14(B)は、反射体85を側方から見た側方図である。
中性子反射部85aの中性子反射能力は、一次冷却材26の中性子反射能力よりも高いので、炉心25の反応を活性化することができる。具体的には、中性子反射部85aは、炉心25における核燃料の核反応によって放出された中性子を炉心25へ反射することができ、炉心25における核反応を継続させることができる。
他方、キャビティ部35bの中性子反射能力は一次冷却材26の中性子反射能力よりも低いので、炉心25における核反応(核分裂)によって放出された中性子をより透過させることができる。このため、炉心25の核反応を抑制することができる。このため、炉心25の反応度寿命を長くすることもできる。
また、図14(A)、(B)に示すように、中性子反射部85aは、積層された複数の金属板54からなっている。そして、この金属板54は、図15(A)に示すように、一次冷却材26が流れる複数の冷却材流路55を有している。また、この冷却材流路55の数は、原子炉容器21側よりも炉心25側の方が多くなっている。ここで、図15(A)は、中性子反射部85aの金属板54の横断面図である。
また、図13に示すように、炉心25の周縁外方には炉心槽28が設けられている。また、原子炉容器21はガードベッセル23によって覆われている。また、炉心25内には燃料集合体27が装荷されている。
図14(A)、(B)に示すように、キャビティ部85bの上部には、自在継手50および継手51を介して駆動軸36が連結され、この駆動軸36の上端には反射体駆動装置37が連結されている。また、中性子反射部85aは、キャビティ部85bと自在継手52を介して連結されている。また、図13に示すように、駆動軸36の上端の周縁は、上部プラグ24によって閉塞されている。
一方、図13に示すように、反射体85の外側には、反射体85を取り囲み、一次冷却材26の流路の内壁を構成する隔壁29が設けられている。隔壁29の外側に設けられた原子炉容器21は、隔壁29との間に間隔を開けて一次冷却材26の流路の外壁を構成している。一次冷却材26の流路中には、中性子遮蔽体41が炉心25を取り囲むように配置されている。炉心25と炉心槽28、および隔壁29と中性子遮蔽体41は全て、炉心支持板30に搭載され支持されている。この炉心支持板30は、原子炉容器21内周に取り付けられた炉心支持台31上に支持される。
他方、図13に示すように、上部プラグ24の上面には、炉停止棒駆動装置39が設けられる。炉停止棒駆動装置39には、下方に延びた炉停止棒38が連結されている。炉停止棒駆動装置39および反射体駆動装置37は、格納ドーム40によって覆われている。
また、原子炉容器21内には、一次冷却材26を循環させる電磁ポンプ45と、この一次冷却材26と液体ナトリウムの二次冷却材(図示せず)とを熱交換する中間熱交換器46とが設けられている。また、二次冷却材は入口ノズル47から中間熱交換器46に流入され、中間熱交換器46で一次冷却材26と熱交換されて温度上昇した後、出口ノズル48から原子炉容器21外へと導かれる。
また、図14(A)、(B)および図15(B)に示すように、各金属板54は、冷却材流路55が貫通するように、複数の位置決めピン56によって位置決めされている。また、中性子反射部85aの上下端の金属板54を使って全ての金属板は連結棒57で連結されている。このように、金属板54を積層させることによって製作性が向上し、さらに各金属板54に発生する熱応力や熱膨張を分散させて低く抑えることができる。
一方、反射体85のキャビティ部85bは、図15(A)および図16に示すように、梁や板で構成された枠組立体66と、枠組立体66内で保持された複数の箱型の密閉容器88とを有している。密閉容器88の内部は、一次冷却材26よりも中性子反射能力が劣る不活性ガス等の気体で内封されてもよいが、真空に保たれていてもよい。なお、図14(A)、(B)では、2列5段、つまり計10個の密閉容器88が枠組立体66の内部に積み重ねられ、保持されている。なお、図16は、密閉容器88の斜視図であり、図15(A)は、キャビティ部85bの横断面図である。
密閉容器88には、中性子反射能力が一次冷却材26より劣る気体が内封されるだけでなく、中性子反射能力が一次冷却材26より劣るボロン、ハフニウム、タンタル等の金属またはそれらの化合物が内封されていてもよい。
また、図14(A)、(B)に示すように、枠組立体66内の最も上方に配置された密閉容器88の上端と枠組立体66の上端端板90との間に、熱膨張吸収手段89である弾性部材が設けられている。このような熱膨張吸収手段89の弾性部材としては、コイルばね、皿ばね、板ばねなどが用いられる。
この熱膨張吸収手段89は、積層された密閉容器88の上下方向を弾力的に拘束し、熱膨張や熱変形を吸収するものであり、熱膨張吸収手段89から密閉容器88に働く荷重は小さい。また、反射体85の中性子反射部85aを吊す荷重は、枠組立体66の枠組み87に作用するため、密閉容器88に作用する荷重は十分小さい。このため、密閉容器88に加わる一次冷却材26からの外圧以外の機械的荷重を低く抑えることができ、密閉容器88の健全性を保つことができる。
ところで、図14(A)、(B)においては、枠組み87内の最も上方に配置された密閉容器88の上端と枠組み87の端板90との間に熱膨張吸収手段89が設けられている態様を用いて説明したが、これに限ることなく、枠組み87内の最も下方に配置された密閉容器88の下端と枠組み87の下端との間に、熱膨張吸収手段89を設けても良い。
反射体85の、中性子反射部85aとキャビティ部85bとの間には、間隙Gが設けられている。このため、一次冷却材26は、反射体85の中性子反射部55a下方から、中性子反射部85aの冷却材流路55に流入した後、この間隙Gから中性子反射部85aの外方に流出することができる。また、自在継手51は、この間隙Gの中心部分に装着されている。
ところで、反射体85の中性子反射部85aは、炉心25からの中性子の漏洩を防止することによって、炉心25の反応度を制御する機能を有するが、中性子反射部85aが多くの冷却材流路を有し、中性子反射部85aの冷却材流路を除く実質的体積が、中性子反射部85aの占める全体積の80%より小さくなってしまうと、中性子の漏洩を十分に防止することができない。このため、中性子反射部85aのうち冷却材流路を除く部分の体積が、中性子反射部85aの占める全体積の80%から95%であることが好ましい。逆に、中性子反射部85の冷却材流路の体積は、20vol.%以下であることが好ましい。
また、反射体85のキャビティ部85bは一次冷却材26より中性子反射能力が低いため、炉心25が一次冷却材26で覆われている場合に比べて、炉心25の反応度を低く抑えるが、キャビティ部85bを構成する構造材の体積が、キャビティ部85bの占める全体積の10%より大きくなると、中性子反応能力が高くなってしまい、十分な機能を発揮することができない。このため、キャビティ部85bを構成する構造材の体積は、キャビティ部85bの占める体積の10vol.%以下であることが好ましい。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について述べる。
高速炉20Aの運転により、電磁ポンプ45を駆動させると、一次冷却材26はポンプ駆動力によって、原子炉容器21内で循環せしめられる。電磁ポンプ45の駆動により、一次冷却材26は原子炉容器21内を下降し、原子炉容器21の底部で反転して炉心25内へ流入し、炉心25内を上動する。一次冷却材26が炉心25内を上動する間に、一次冷却材26は炉心25内の燃料集合体27の核反応によって発生した熱を吸収し、加熱される。
このとき、反射体駆動装置37によって、反射体85を初期の下降位置から駆動され、この反射体85により、炉心25から発生する中性子の漏洩が調整され、炉心の反応度が制御される(図13参照)。そして、中性子反射部85aでは、炉心25から発生する中性子と相互作用することによって、γ発熱が発生している。
その際、反射体85の中性子反射部85aは、複数の金属板54を積層することによって構成されるので、金属板54の各々に発生する熱膨張や熱応力を分散させることができ、中性子反射部85a全体としてのひずみを低く抑えることができる。
また、図14(A)、(B)に示すように、駆動軸36とキャビティ部85bとは自在継手50で接続され、かつキャビティ部85bと中性子反射部85aとは自在継手52で接続され、多関節になっている。このため、原子炉半径方向の温度差や上下方向の温度差で生じる熱膨張による反りを抑えることができ、中性子反射部85aおよびキャビティ部85bが変形することを、より効率よく防止することができる。
また、図14(A)、(B)に示すように、キャビティ部85bの枠組立体66内の最も上方に配置された密閉容器88の上端と枠組立体66の上端の端板90との間に、熱膨張吸収手段89として弾性部材が設けられている。このため、枠組立体66と密閉容器88との間に生じた上下方向の熱膨張差や、密閉容器88の内部の気体の熱膨張により発生した密閉容器88の上下方向の変位を吸収することができる。
次に、炉心25内で熱せられた一次冷却材26は、隔壁29内を上昇し、中間熱交換器46に達する(図1参照)。中間熱交換器46では一次冷却材26は二次冷却材と熱交換され、二次冷却材を加熱して温度降下する。一次冷却材26は続いて電磁ポンプ45に案内され、この電磁ポンプ45から下方に吐出される。電磁ポンプ45から吐出された一次冷却材は原子炉容器21と隔壁29の間に形成された流路を下降し、原子炉容器21の下部で反転して再び炉心25に案内される。
この一次冷却材26によって、中性子と中性子反射部85aの間の相互作用により発生したγ発熱を冷却し、中性子反射部85bの材料温度を下げることができる。この結果、中性子反射部85aが、熱膨張差によって変形することを防止することができる。
また、図15(B)において、金属板54の冷却材流路55の数は、原子炉容器21側よりも炉心25側の方が多くなっている。このため、炉心25側で多く発生するγ発熱の冷却能力を高め、金属板54全体の温度の均一化を図り、熱膨張差による変形を抑えることができる。
次に、一次冷却材26は、中間熱交換器45内で二次冷却材(図示せず)と熱交換され、冷却される(図1参照)。このように熱交換された二次冷却材は出口ノズル48から図示しない蒸気発生器に送られ、タービン駆動内の蒸気を発生させている。
ところで、反射体85の中性子反射部85aは、図14(A)、(B)に示すように、積層された複数の金属板54から構成され、各金属板54は、互いに、位置決めピン56および連結棒57によって連結されている。このため、中性子反射部85aを使用する環境に応じて、金属板54の枚数を適宜調整することができ、高い制作性を実現することができる。
また、駆動軸36と反射体85のキャビティ部85bとは自在継手50で接続され、かつキャビティ部85bと中性子反射部85aとは自在継手52で接続され、多関節になっている。このため、高速炉20Aを緊急停止する時に、反射体85が炉心槽28や隔壁29と接触しても、自在継手50、52で、中性子反射部85aやキャビティ部85bを自在に傾斜させることができ、追従移動性が良好となる。この結果、反射体85を所定の時間以内に落下させることができる。
また、図14(A)、(B)に示すように、キャビティ部85bは、独立した複数の密閉容器88を有している。このため、例え、密閉容器88のうちの一つが破損し、一次冷却材26が密閉容器88内部に漏洩し、密閉容器88による中性子反射能力を低く抑えることができなくなっても、炉心25の反応制御に及ぼす影響を最小限に食い止めることができる。
なお、第3の実施の形態の説明では、密閉容器88内は、真空あるいは不活性ガス等の気体が封入された例を説明したが、密閉容器88の内部に冷却材よりも中性子反射能力が劣る物質を収容させてもよい。中性子反射能力が劣る物質としては、ボロン、ハフニウム、タンタル等の金属またはそれらの化合物がある。
また、キャビティ部85bの枠組立体66は、密閉容器88を保持するのに十分な強度を有する必要がある。キャビティ部85bの枠組立体66は炉心25近傍に位置しているので、放射線によって、スウェリングや材料の靭性低下が生じる。このため、枠組立体66の材料としては、一般的に、高温強度、耐放射線性に優れるクロム−モリブデン鋼、特に9Cr−1Mo鋼やそれを改良した9Cr−1Mo−V鋼等が用いられている。
さらに、枠組立体66は溶接して製造されているが、このように溶接して枠組立体66の枠組み87を製造すると、クロム−モリブデン鋼が溶接時に割れやすい材料であるため、溶接した枠組み87の強度が下がり、枠組み87が損傷する可能性を否定することができない。
各枠組み87は溶接に代えて、ボルト等を用いてユニット化し、枠組みユニットで製造してもよい。また、各枠組みユニットはボルト等を用いて連結しているので、枠組み87の分解、点検、交換などを容易にすることができる。
[第4の実施の形態]
図17および図18は、本発明に係る反射体制御方式の高速炉の第4の実施の形態を示すものである。
この実施の形態に示された高速炉20Bは、原子炉容器内に備えられる反射体構造に特徴を有し、他の構成は、第1の実施の形態に示される高速炉20と構造を実質的に異ならないので、同じ構成には同一符号を付して、説明を省略乃至簡略化する。
図17は、反射体制御方式の高速炉20Bの縦断面図であり、図18は図17の高速炉20Bに備えられる反射体95を示し、(A)は正面図、(B)は側面図である。
図17に示す反射体制御方式の高速炉20Bでは、原子炉容器21内に炉心25が収容されると共に、一次冷却材としての液体ナトリウムが満たされている。炉心25は、核燃料の燃料集合体27が配列されて成り、全体として円柱形状に構成される。この炉心25は、その外側が炉心槽28に取り囲まれて保護されている。
炉心槽28の外側に、円柱形状の隔壁29が設けられ、この隔壁29および炉心25、炉心槽28は炉心支持板30上に支持されている。この隔壁29と炉心槽28との間に、全体として円筒状あるいは円環形状の反射体95が配置される。また、隔壁29と原子炉容器21との間に、一次冷却材26の冷却材流路が円環形状に形成され、この冷却材流路内に、炉心支持板30にて支持された中性子遮蔽体41が配置される。この中性子遮蔽体41は、炉心25から反射体95を通過または迂回して放射される中性子を遮蔽する。また、原子炉容器21の外側にガードベッセル23が設けられて、原子炉容器21が保護される。
原子炉容器21内においては、中性子遮蔽体41の上方に電磁ポンプ45が配置され、この電磁ポンプ45の上方に中間熱交換器46が配置される。電磁ポンプ45は、原子炉容器21内の一次冷却材を、実線矢印の如く、冷却材流路内において上方から下方へ向って流動させる。また、中間熱交換器46のチューブ側とシェル側に、それぞれ一次冷却材と二次冷却材が熱交換可能に流れる。
反射体95は、駆動軸36を介して反射体駆動装置37により、炉心25の軸方向、つまり高速炉20Bの上下方向に移動可能に駆動される。駆動軸36は、図16及び図17にも示すように、継手51、自在継手50を介して反射体95に連結され、原子炉容器21の上部を閉塞する上部プラグ36を貫通して原子炉容器21の上下方向に延在する。また、反射体駆動装置37は上部プラグ36に設置される。反射体は、高速炉20Bの上下方向に移動することで、炉心25からの中性子の漏洩を調整して、この炉心25の反応度を制御する。
つまり、反射体95は、炉心25から照射される中性子を反射する下部の中性子反射部95aと、一次冷却材よりも中性子反射能力が低い上部の中性子吸収部95bと、を有して構成される。中性子反射部95aが、炉心25から照射される中性子を反射して、炉心25の核燃料の燃焼・増殖を促進する。この反射体95の中性子反射部95aは、高速炉20Bの運転開始当初、炉心25に対して下方に位置し、運転期間の経過に伴い上方へ移動して、炉心25の新しい燃料部分を徐々に燃焼させて、この炉心25の反応度の低下を補う。
高速炉20Bの運転により、原子炉容器21内の一次冷却材26は炉心25を冷却しつつ、この燃料集合体27の核分裂により発生した熱を外部へ取り出す。一次冷却材26は、実線矢印に示すように、電磁ポンプ45によって冷却材流路内を下方へ流動させ、中性子遮蔽体の内部を流れて原子炉容器21の底部に至る。この一次冷却材26は、原子炉容器21の底部で反転して炉心25内へ至り、この炉心25を上方へ移動して温度が上昇し、中間熱交換器46のチューブ側に流入する。この中間熱交換器46内で、一次冷却材は二次冷却材と熱交換を行った後、再び電磁ポンプ45により冷却材流路内を下方へ流動する。
二次冷却材は、入口ノズル47を経て中間熱交換器46のシェル側に流入し、この中間熱交換器46のチューブ側を流れる一次冷却材により加熱された後、出口ノズル48から外部へ流出し、その熱がタービンなどを用いて動力等に変換される。尚、図16中の符号38は炉停止棒であり、この炉停止棒38は、上部プラグ36に設置された炉停止棒駆動装置39により駆動される。
ところで、図18(A)、(B)に示すように、反射体95における上部の中性子吸収部95bは、中性子吸収金属板96としてのハフニウム板96が積層して構成される。ここで、中性子を吸収する中性子吸収金属板96としては、ハフニウム、ボロンまたはタンタルのいずれか一種が好適であるが、本実施の形態ではハフニウムが用いられる。
このハフニウム板96には、図18(B)に示すように、複数の冷却材流路97が形成されると共に、例えば2本の貫通孔が設けられ、更に位置決めピン98が設けられる。各ハフニウム板96は、冷却材流路97がそれぞれ連通するように位置決めピン98により位置決めされる。この状態で、複数枚のハフニウム板91の貫通孔に、図18(A)、(B)に示す連結棒99が貫通され、中性子吸収部95bの上下両端に配置された金属板(端板)100に、上記連結棒99の両端部が固定されることで、複数枚の積層されたハフニウム板96が結合される。
このように、ハフニウム板96が積層されて中性子吸収部95bが構成されることにより、中性子吸収部95bの製作性が向上し、更に、中性子吸収部95bに発生する熱膨張や熱応力を、ハフニウム板96の各々に分散させることで、吸収し、低く抑えることが可能となる。
さらに、各ハフニウム板96の複数の冷却材流路97内を流れる一次冷却材によって、中性子とハフニウム板96の間の相互作用により発生したγ発熱が冷却され、中性子吸収部95bの温度を低下させることが可能となる。
ここで、各ハフニウム板96に複数形成された冷却材流路97の数は、図19に示すように、炉心25側が原子炉容器21側よりも多く形成されている。これにより、各ハフニウム板96の炉心25側において多く発生するγ発熱に対して、冷却材による冷却能力が高められ、ハフニウム板96全体の温度の均一化が図られる。と同時に、ハフニウム板96における炉心25側と原子炉容器21側との熱膨張差による変形が抑制される。
反射体95の中性子吸収部95bがハフニウム板96にて構成されることで、中性子吸収部95bの破損が防止され、この中性子吸収部85bが一次冷却材で置換されることによる炉心反応度の挿入(上昇)が回避されるが、ハフニウム板96が中性子を若干反射することで、中性子反射部45と中性子吸収部95bとの中性子反射能力差が減少して、反射体の反応度制御能力が30%程度低下してしまう。
そこで、本実施の形態では、反射体97の下部の中性子反射部95aにフェライト系ステンレス鋼よりも中性子反射能力が大きく、且つ、中性子の反射時に中性子を減速させることで炉心25の反応度の増大が可能なSiC(炭化珪素)を用いて中性子反射部95aを構成することで、反射体95の反応度制御能力を増大(30〜40%程度増大)させるものである。
つまり、反射体95の中性子反射部95aは、図18(A)、(B)及び図20(A)、(B)に示すように、反射部エレメント101が積層されて構成される。各反射部エレメント101は、フェライト系ステンレス鋼製の収納箱102内に、SiC材からなる複数のブロック103が多数収納されて構成される。各反射部エレメント101には貫通孔105が複数設けられる。これらの貫通孔105に、フェライト系ステンレス鋼製の連結棒106が貫通されて、各反射部エレメント101が位置決めされる。この状態で、下部の中性子反射部95aの上下両端に配置された金属板108に、連結棒109の両端が固定されることで、複数の積層された反射部エレメント107が結合され、連結ユニットが形成される。この金属板108も、フェライト系ステンレス鋼で構成されることが好ましい。
各反射部エレメント101の収納箱102が、一次冷却材を流出入可能とし、且つ熱変形を吸収可能な構造に構成される。即ち、収納箱102の側板110は、互いに結合される端部110a、110bが、U字形状に形成されて嵌合される。この嵌合された両端部110a、110bの間の隙間から、一次冷却材が流出入可能に設けられる。また、両端部110aと110bが嵌合された状態で、側板110が、この側板110の面に平行な方向(図20(C)の矢印A方向)に移動することにより、収納箱102の熱変形が吸収される。尚、収納箱102は、押え板112(図20(B)参照)によりその開口部が閉塞される。
本実施の形態の高速炉20Bにおいては、反射体95の中性子吸収部95bは、中性子を吸収するハフニウム板96にて構成されることから、破損が防止されて構造健全性を向上させることができる。この結果、中性子吸収部95bが破損して一次冷却材に置換されることがなく、炉心反応度の挿入(上昇)を回避できるので、信頼性の高い高速炉20Bを実現できる。
また、反射体95下部の中性子反射部95aは、収納箱102内にSiC材からなる多数のブロック103を備えて構成されたことから、炉心25からの中性子を反射する機能が向上するほか、中性子を減速させて炉心25の反応度を増加させる機能を有する。この結果、反射体95の中性子吸収部95bが、ハフニウム板にて構成されて中性子を若干量反射させることになっても、下部の中性子反射部95aと中性子吸収部95bとにおいて炉心25の反応度を制御する能力差が拡大し、反射体25の反応度制御能力を増大させることができ、高性能な高速炉20Bを実現できる。
反射体95下部の中性子反射部95aにおける各反射部エレメント101の収納箱102が、一次冷却材を流出入可能とし、且つ熱変形を吸収可能な構造に構成されたことから、収納箱102内のSiC製のブロック103を一次冷却材によって良好に冷却することができると共に、収納箱102の熱変形による損傷を防止できる。
また、中性子反射部95aのSiC製のブロック103を収容する収納箱102及び連結棒106がフェライト系ステンレス鋼にて構成される。このフェライト系ステンレス鋼は耐放射線性が高く、スウェリングが低いことから、反射体95の長期間の使用によっても収納箱102の変形や破損を防止することができる。
なお、第4の実施の形態では、反射体95下部の中性子反射部95bの反射体エレメント101をSiC製ブロック103を用いた例を示したが、中性子反射部95aにおけるブロック103がNiを主成分とする、Ni材またはNi系合金材にて構成してもよい。この場合のブロック103は、反射した中性子を減速させる機能はないものの、中性子の反射能力は、SiC材の場合と同様に、フェライト系ステンレス鋼よりも高くなる。このため、反射体95の中性子吸収部95bがハフニウム板96にて構成されて中性子を若干量反射させることになっても、中性子反射部95aと中性子吸収部95bとの中性子反射能力差を良好に設定できる。この結果、反射体95の反応度制御能力を良好に確保でき、高性能な高速炉20Bを実現できる。
第4の実施の形態に示された反射体制御方式の高速炉においては、反射体の中性子反射部は、SiC材あるいはNiを主成分とする材料で構成されたことから、炉心からの中性子を反射する機能を向上させることができるとともに、核反応による高速中性子を減速させて炉心反応度を増加させる機能を有する。この結果、反射体の反応度制御能力を増大させることができ、高性能な高速炉を実現することができる。
また、反射体の上部の中性子吸収部は、中性子を吸収する中性子吸収金属にて構成されたことから、破損が防止されて構造健全性を向上させることができる。この結果、中性子吸収部が仮に破損しても、冷却材に置換されることがなく、炉心反応度の上昇を回避できるので、長寿命で信頼性の高い高速炉を実現することができる。
なお、本発明に係る反射体制御方式の高速炉の各実施の形態においては、炉心の外側に構造健全性に優れた中性子反射体である反射体を昇降自在に配置した例を説明したが、反射体は下部の中性子反射部と、上部のキャビティ部あるいは中性子吸収部との軸方向長さは、設計条件に応じて種々の変形が考えられる。
本発明に係る反射体制御方式の高速炉の第1の実施の形態を示す縦断面図。 図1に示された高速炉の炉心周りに設けられる反射体の外観斜視図。 前記反射体を炉心側から見た正面図。 前記反射体の側面図。 前記反射体の下部に配置される中性子反射部の平断面図。 前記反射体の上部に配置されるキャビティ部の平断面図。 前記反射体を反射体駆動装置の駆動軸に連結する連結構造を示す継手部の平面図。 前記反射体のキャビティ部に設けられる枠組立体の上端部および下端部の取付状態を示すもので、(A)は図3のA部、(B)は図3のB部をそれぞれ示す図。 前記反射体のキャビティ部に備えられる円筒状密閉容器同士の接続部を示すもので、(A)は枠組みを利用した密閉容器同士の嵌め合い状態、(B)は密閉容器同士の凹凸結合状態をそれぞれ示す図。 反射体制御方式の高速炉の変形例を示すもので、反射体のキャビティ部に備えられる円筒状密閉容器同士の一体結合状態を示す図。 本発明に係る反射体制御方式の高速炉の第2の実施の形態を示すもので、反射体の上部を形成するキャビティ部の平断面図。 図11のキャビティ部の変形例を示すもので、(A)、(B)および(C)はそれぞれ異なる態様のキャビティ部を示す平断面図。 本発明に係る反射体制御方式の高速炉の第3の実施の形態を示す縦断面図。 図13に示された高速炉の炉心外側に配置される反射体を示すもので、(A)は炉心側から見た反射体の正面図、(B)は反射体の側面図。 図14に示された反射体を示すもので、(A)は反射体下部の中性子反射部の平断面図、(B)は反射体上部のキャビティ部の平断面図。 図14に示された反射体上部のキャビティ部に備えられる箱状密閉容器の斜視図。 本発明に係る反射体制御方式の高速炉の第3の実施の形態を示す縦断面図。 図17に示された高速炉の炉心外側に設置された反射体を示すもので(A)は炉心側から見た反射体の正面図、(B)は反射体の側面図。 図18に示す反射体上部のキャビティ部を示す平断面図。 図18に示された反射体下部の中性子反射部を示すもので、(A)は中性子反射部の平断面図、(B)は中性子反射部を炉心側から見た反射体エレメントの部分図、(C)は前記反射体エレメントの側板の接続関係を示す部分的な平断面図。 従来の反射体制御方式の高速炉を簡略的に示す縦断面図。 従来の反射体制御方式の高速炉を示すもので、炉心周りの反射体と中性子遮蔽体の配置側の縦断面を示す部分図。
符号の説明
20 高速炉
21 原子炉容器
22 台座
23 ガードベッセル
24 遮蔽プラグ
25 炉心
26 一次冷却材(液体ナトリウム)
27 燃料集合体
28 炉心槽
29 隔壁
30 炉心支持板
31 炉心支持台
33 エントランスモジュール
34 上部支持板
35、35A 反射体
35a 中性子反射部
35b キャビティ部
36 駆動軸
37 反射体駆動装置
38 炉停止部
39 炉停止棒駆動装置
40 格納ドーム
41 中性子遮蔽体
45 電磁ポンプ
46 中間熱交換器
47 入口ノズル
48 出口ノズル
50、52 自在継手
51 継手
54 金属板
55 冷却材流路
56 位置決めピン
57 連結棒
60 密閉容器
61 支持棒
62 連結手段
63 端板(金属板)
64 熱膨張吸収手段
65 パッド
66 枠組立体
70 隔壁
75〜82 密閉容器
85 反射体
85a 中性子反射部
85b キャビティ部
87 枠組み
88 密閉容器
89 熱膨張吸収手段
90 端板(枠組みの上枠)
95 反射体
95a 中性子反射体
95b 中性子吸収部
96 中性子吸収金属板(ハフニウム板)
97 冷却材流路
98 位置決めピン
99 連結棒
100 金属板(端板)
101 反射部エレメント
102 収納箱
103 ブロック
105 貫通孔
106 連結棒
108 金属板
110 側板

Claims (11)

  1. 冷却材が収容された原子炉容器と、
    原子炉容器内に配置され、冷却材に浸された炉心と、
    この炉心の外側に上下方向に移動自在に設けられ、前記炉心の反応度を制御する反射体とを備えた反射体制御方式の高速炉において、
    前記反射体は、前記冷却材より中性子反射能力が大きい下部の中性子反射部と、この中性子反射部の上方に位置し、前記冷却材より中性子反射能力が低い上部のキャビティ部とを有し、
    前記キャビティ部は複数の筒形の密閉容器で構成し、
    前記中性子反射部は積層された複数の金属板からなり、
    前記金属板は、冷却材が流れる複数の冷却材流路を有することを特徴とする反射体制御方式の高速炉。
  2. 前記中性子反射部は、積層される複数の金属板あるいはSiC板からなり、
    前記金属板は、クロムモリブデン鋼、ニッケル鋼、ニッケルを主成分とする金属あるいはインコネルで構成された請求項1記載の反射体制御方式の高速炉。
  3. 前記中性子反射部は、積層された複数の金属板あるいはSiC板に、冷却材が流れる複数の冷却材流路が形成され、これらの冷却材流路が互いに連通して構成された請求項1記載の反射体制御方式の高速炉。
  4. 前記中性子反射部の複数の冷却材流路の数は、炉心側が原子炉容器側より多く設けられた請求項3に記載の反射体制御方式の高速炉。
  5. 前記キャビティ部に設けられる密封容器は円筒形であり、
    前記反射体は、複数の円筒形の密閉容器の周囲を籠状に取り囲むキャビティ部の枠組立体を有し、
    この枠組立体は、下部の前記中性子反射部の支持と前記キャビティ部を水平方向の拘束を兼用した請求項1に記載の反射体制御方式の高速炉。
  6. 前記反射体は、中性子反射部およびキャビティ部の各上下端部の周囲に複数のパッドを設けた請求項1に記載の反射体制御方式の高速炉。
  7. 前記キャビティ部に設けられる複数の密閉容器は、上下端部に凸部または凹部を有し、前記密閉容器同士を凹凸係合または枠組みを介した嵌め合い結合により列状に接続し、前記密閉容器の水平方向の動きを拘束した請求項1に記載の反射体制御方式の高速炉。
  8. 前記反射体のキャビティ部に設けられる複数の円筒状密閉容器に上下端板部を設け、この上下端板部と前記円筒状密閉容器とを溶接一体構造とし、前記キャビティ部を複数の区画に分割した請求項1に記載の反射体制御方式の高速炉。
  9. 前記反射体は、中性子反射部の領域の上方延長上にキャビティ部を形成し、このキャビティ部の領域に収まる最大径の円筒状密閉容器を配置した請求項1に記載の反射体制御方式の高速炉。
  10. 前記反射体は、キャビティ部に配置される円筒状密閉容器内の空間が占める体積がキャビティ部全容積の80%以上となるように、異なる径の複数の円筒状密閉容器を配置した請求項1に記載の反射体制御方式の高速炉。
  11. 前記反射体のキャビティ部は、円筒状の密閉容器を水平方向に数本以上の複数本配置し、前記密閉容器の破損時に炉心反応度の影響度を少なくする構造とした請求項1に記載の反射体制御方式の高速炉。
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