JPH05188171A - 高速増殖炉の炉心 - Google Patents

高速増殖炉の炉心

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JPH05188171A
JPH05188171A JP4005561A JP556192A JPH05188171A JP H05188171 A JPH05188171 A JP H05188171A JP 4005561 A JP4005561 A JP 4005561A JP 556192 A JP556192 A JP 556192A JP H05188171 A JPH05188171 A JP H05188171A
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core
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reflector element
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JP4005561A
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English (en)
Inventor
Koji Fujimura
幸治 藤村
Katsuyuki Kawashima
克之 川島
Kunitoshi Kurihara
国寿 栗原
Hiroko Akagi
弘子 赤木
Masayoshi Ishida
政義 石田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Structure Of Emergency Protection For Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 炉の通常運転時には、中性子経済を悪化させ
ずに、1次冷却材の温度が上昇する異常時には、受動的
な炉停止を実現する高速増殖炉を提供する。 【構成】 径方向ブランケット領域5における径方向ブ
ランケット集合体17の、ほぼ半数を置換した中性子反
射体集合体7において、通常運転時、低融点合金15を
用いたストッパー14により、ラッパ管10に吊設して
ある可動式中性子反射体要素11の中性子反射材領域1
2が、炉心領域1に隣接して位置し、1次冷却材温度が
上昇する異常時には、低融点合金15が溶融して可動式
中性子反射体要素11が落下し、可動式中性子反射体要
素11の不活性ガス領域13が炉心領域1に隣接して位
置するようにしてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高速増殖炉の炉心に係
り、特に炉の異常時に自動停止する高速増殖炉の炉心に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、高速増殖炉には、1次系ポンプ
の電源喪失、配管破断などよる1次冷却材流量喪失、及
び制御棒誤引き抜きなどによる、過出力発生の過渡事象
発生時において、中性子束や炉心の出口温度の異常をス
クラム信号として検知し、制御棒を緊急挿入して炉心の
核分裂連鎖反応を停止する、スクラム機構が備付けられ
ている。
【0003】しかし、上記のスクラム機構が作動しない
場合は、何らかの手段により、炉を停止させる必要があ
る。この場合に備えて、従来例として、炉心に負の反応
度を加えて炉心を停止させる装置が開示されている。
【0004】その1例として、アメリカン・ニュークリ
アー・ソサイエティーのトランザクション〔53巻、p
p.312〜313(1986)〕に記載されている、
「Application of the GEM s
hutdownDevice to the FFTF
Reactor」の場合について、図9を用いて説明
する。
【0005】図9は、上端を閉じたラッパ管内にイナー
トガスを封入したGEM(asxpansion
odule)の説明図であり、25は炉心、26はガ
ス封入用ラッパ管、27はイナートガス、28は液体ナ
トリウムを示している。
【0006】通常運転時、GEM内部の液体ナトリウム
28の液面は、炉心25の上端より高い位置にあるが、
ポンプの電源喪失などに伴う炉心25の流量の喪失時に
は、イナートガス27の圧力とGEM内部の液体ナトリ
ウム28の自重とを加算した圧力が、液体ナトリウム2
8の流動に伴う動圧よりも大きくなる。
【0007】したがって、液体ナトリウム28の液面
が、炉心25の下端よりも低い位置まで低下し、炉心2
5からの中性子漏洩量が増加し、炉心25の反応度が下
がり、液体ナトリウム28の沸騰が防止されるようにな
っている。
【0008】また、他の従来例として、特開昭56−1
37271号公報には、スクラム用の制御棒のチャック
機構を、磁石と、キュリー点を持つ磁性体とを組合せて
構成し、異常時において、制御棒が自重で炉心部に落下
して炉心を停止する装置、いわゆるSASS(elf
ctuated hutdownystem)
が開示されている。
【0009】更に、その他の従来例として、炉心の圧力
容器の外側に駆動式の中性子反射体を設置し、中性子反
射体による燃焼反応度補償を行い、制御棒誤引き抜きに
よる過度過出力事象を制限する炉心が、日本原子力学会
「1990年会」予稿集、D38、p.196(199
0)に記載されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来例の場合
は、1次系ポンプの電源喪失や配管破断などによる、1
次冷却材の流量喪失事象に対しては作動するが、制御棒
誤引き抜きに伴って正の反応度が投入されるTOP(
ransient ver ower、過渡過出
力)型事象の場合には、作動しないという問題がある。
【0011】また、他の従来例の場合、SASSは、
i)炉心の中央部に設置するために、SASSを設置し
ない場合と比べて炉心径が増大する、ii)少数体で炉停
止を図るためには機器の信頼性を高める必要があり、S
ASS一体の製造コストが高くなる、iii)通常運転時
には、制御棒集合体と同様に、SASS内は冷却材チャ
ンネルとなっており、このチャンネルにおける中性子漏
洩によって中性子経済が悪化する、iv)炉心上部に中
性子吸収材を設置するので中性子経済が悪化する、など
の問題がある。
【0012】更に、その他の従来例の場合は、異常時に
中性子反射体を落下させて炉停止を図る際、冷却材出口
温度の上昇や流量の低下をスクラム信号として、炉心の
圧力容器外側の中性子反射体駆動装置に伝達する必要が
ある。すなわち、この例の場合は、上記の2つの事例の
場合とは異なり、異常時において、外部から何らかの操
作を加えずに、自動的に炉を停止させることができる、
いわゆる受動的炉停止機能を有していない。
【0013】本発明の目的は、通常運転時に中性子経済
を悪化させずに、炉の異常時に受動的な炉停止を実現す
る高速増殖炉の炉心を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的は、次のように
して達成することができる。
【0015】(1)円柱状の炉心領域と、炉心領域の外
周を取り囲む、径方向ブランケット領域と、径方向ブラ
ンケット領域の外周を取り囲む、径方向中性子反射体領
域とから構成される高速増殖炉の炉心において、径方向
ブランケット領域における径方向ブランケット集合体の
一部が、ラッパ管とラッパ管の内部を上下移動可能な可
動式中性子反射体要素とから構成され、可動式中性子反
射体要素の内部が中性子反射材領域と不活性ガス領域と
から構成される中性子反射体集合体よりなること。
【0016】(2)(1)において、ラッパ管の内部の
有効長さが、炉心領域の有効長さの約3倍であり、可動
式中性子反射体要素の有効長さが、ラッパ管の内部の高
さの約3分の2であり、可動式中性子反射体要素内を上
下方向で2分し、2分した一方には不活性ガス領域を、
他方には中性子反射材領域を構成し、可動式中性子反射
体要素がラッパ管の内部を上下し、不活性ガス領域又は
中性子反射材領域が、炉心領域と同じ高さの位置へ移動
できる構造からなること。
【0017】(3)(1)において、可動式中性子反射
体要素の上端がラッパ管の内部の上端部に位置している
ときに、中性子反射材領域が炉心領域と同じ高さの位置
にあり、可動式中性子反射体要素の下端がラッパ管の内
部の下端部に位置しているときに、不活性ガス領域が炉
心領域と同じ高さに位置する構造からなること。
【0018】(4)(1)、(2)又は(3)におい
て、通常運転時、可動式中性子反射体要素上端を、ラッ
パ管の上部に固定してある低融点合金からなるストッパ
ーに連結して、可動式中性子反射体要素を吊設してある
こと。
【0019】(5)(1)、(2)又は(3)におい
て、可動式中性子反射体要素が、ラッパ管の内部を流通
する冷却材の流体力によって、ラッパ管の内部を上下に
移動すること。
【0020】(6)(1)、(2)又は(3)におい
て、可動式中性子反射体要素の上端に磁石を、前記ラッ
パ管の上部にキュリー点を持つ磁性体を、それぞれ装着
し、通常運転時、磁石と磁性体とを係結し、可動式中性
子反射体要素を吊設してあること。
【0021】(7)(4)において、低融点合金がアル
ミニウム合金であること。
【0022】(8)(1)、(2)又は(3)におい
て、中性子反射材領域を、鉛で構成してあること。
【0023】(9)(1)、(2)又は(3)におい
て、不活性ガス領域を、中性子吸収物質を主成分とする
中性子吸収材で構成してあること。
【0024】
【作用】本発明によれば、炉の通常運転時には、径方向
ブランケット領域における径方向ブランケット集合体の
一部と置換している、中性子反射体集合体に内蔵されて
いる可動式中性子反射体要素の上端を、ラッパ管の上部
に設けてある低融点合金を用いたストッパーに連結し
て、可動式中性子反射体要素をラッパ管の内部において
吊設しており、可動式中性子反射体要素の中性子反射材
領域が炉心領域の外周部に隣接して位置している。
【0025】したがって、この場合は、炉心からの中性
子漏洩が低減するので、上記位置に径方向ブランケット
集合体を装荷した場合よりも、炉心の反応度が大きくな
る。一方、1次系ポンプの電源喪失、配管破断などによ
る1次冷却材流量喪失、及び制御棒誤引き抜きなどによ
り、過出力発生に伴う1次冷却材温度が上昇する異常時
には、ストッパーの低融点合金が溶けて、可動式中性子
反射体要素が自重によってラッパ管内を落下し、可動式
中性子反射体要素の不活性ガス領域が炉心領域の外周部
に隣接して位置するようになる。
【0026】したがって、この場合は、炉心からの中性
子漏洩量が増加して、炉心に負の反応度が投入され、炉
が停止する。
【0027】また、可動式中性子反射体要素をラッパ管
によって保持することなしに、可動式中性子反射体要素
の自重と、ラッパ管の内部を上方に向かって流通する1
次冷却材の流体力とがバランスして、炉の通常運転時に
は、可動式中性子反射体要素の中性子反射材領域が炉心
領域の外周部に隣接して位置し、1次冷却材流量喪失な
どの異常時には、上記のバランスを失い、可動式中性子
反射体要素が自重によってラッパ管の内部を落下し、可
動式中性子反射体要素の不活性ガス領域が炉心領域の外
周部に隣接して位置するようにしてある。
【0028】したがって、炉の異常時において、炉心か
らの中性子漏洩量が増加して、炉心に負の反応度が投入
され、炉が停止する。
【0029】更に、炉の通常運転時において、可動式中
性子反射体要素の上部に、低融点合金の代わりに、ラッ
パ管に磁性体を、可動式中性子反射体要素の上端の磁石
を、それぞれ装着し、磁性体と磁石とを係結して、可動
式中性子反射体要素をラッパ管の内部に吊設し、可動式
中性子反射体要素の中性子反射材領域が炉心領域の外周
部に隣接して位置するようにしてある。
【0030】したがって、1次冷却材流量喪失などの異
常時には、磁性体は高温となり、キュリー点を超えて磁
力を失い、可動式中性子反射体要素が落下し、不活性ガ
ス領域が炉心領域の外周部に隣接して位置するので、炉
心からの中性子漏洩量が増加して、炉心に負の反応度が
投入され、炉が停止する。
【0031】
【実施例】本発明の実施例を、図1〜図8を用いて説明
する。
【0032】図1、3は第1実施例の模式縦断面図、図
2は第1実施例の模式横断面図、図4、5は第2実施例
の模式縦断面図、図6は第3実施例の模式縦断面図、図
7は第4実施例の模式縦断面図、図8は第5実施例の要
部の説明図であり、1は炉心領域、2は軸方向ブランケ
ット領域、3はガスプレナム領域、4は下部反射体領
域、5は径方向ブランケット領域、6は径方向中性子反
射体領域、7は中性子反射体集合体、8は入口冷却材、
9は出口冷却材、10はラッパ管、11は可動式中性子
反射体要素、12は中性子反射材領域、13は不活性ガ
ス領域、14はストッパー、15は低融点合金、16は
冷却材流入口、17は径方向ブランケット集合体、18
は突起、19、20はシールド、21はボイド領域、2
2は中性子吸収材領域、23は磁石、24は磁性体を示
している。
【0033】第1実施例を図1〜図3を用いて説明す
る。炉心の電気出力は100万kWであり、炉心領域の
等価直径は約3.3m、炉心燃料の有効長は1mであ
る。
【0034】図1において、可動式中性子反射体要素1
1は、ラッパ管10に取り囲まれ、ラッパ管10の内部
を上下移動が可能であり、可動式中性子反射体要素11
内は、中性子反射材領域12と不活性ガス領域13とに
2分され、中性子反射材領域12と不活性ガス領域13
の各長さを、炉心領域1の有効長と等しくなるように構
成してある。
【0035】炉の通常運転時には、図1に示すように、
可動式中性子反射体要素11の上端を、ラッパ管10の
上部に設けてあるストッパー14内の低融点合金15と
連結して、可動式中性子反射体要素11をラッパ管10
内に吊設してある。この状態では、中性子反射材領域1
2が、丁度、炉心領域1の外周部に隣接して位置してお
り、この位置に、後述の径方向ブランケット集合体を装
荷した場合よりも、炉心の反応度が大きくなる。
【0036】この実施例では、不活性ガス領域13には
アルゴンガス(Ar)、中性子反射材領域12には鉛
(Pb)を、それぞれ封入してある。また、低融点合金
15には、アルミ合金3003(融点649℃)、アル
ミ合金380(融点566℃)及びマグネシウム合金A
Z3113(融点627℃)などがあげられ、この実施
例ではアルミ合金3003を用いてある。
【0037】炉心領域1の外周に径方向ブランケット領
域5、径方向ブランケット領域5の外周に径方向中性子
反射体領域6を、設置してあるのは従来通りであるが、
図2に示すように、径方向ブランケット領域5に設けて
ある径方向ブランケット集合体17のほぼ半数を、中性
子反射体集合体7と置換してある。すなわち、中性子反
射体集合体7と径方向ブランケット集合体17とは、ほ
ぼ同数体ずつ装荷してある。
【0038】炉の異常時において、1次冷却材の出口温
度が炉の通常運転時の出口温度よりも高くなった場合
は、図1における、ストッパー14の低融点合金15が
溶けて、可動式中性子反射体要素11が自重によってラ
ッパ管10の内部を落下する。この場合は、図3に示す
ように、不活性ガス領域13が炉心領域1の外周部に隣
接して位置し、炉心領域1からの中性子の漏洩量が増大
し、炉心に負の反応度が投入されて、核分裂の連鎖反応
が停止する。
【0039】なお、この実施例と同程度の安全性を、前
述の従来例のGEMを用いて確保するためには、図2で
示した径方向ブランケット集合体17と中性子反射体集
合体7との全ての装荷位置に、GEMを装荷する必要が
ある。また、炉心の電気出力や圧力容器径を同一とした
場合では、径方向ブランケット集合体17を装荷するス
ペース上の余裕はなく、この実施例に比べて、GEMを
用いる場合は、増殖比が3%程度小さくなる。
【0040】また、この実施例は、他の技術例のSAS
Sを用いる場合と比べると、下記の利点がある。すなわ
ち、i)SASSを設置する中性子インポータンスの高
い炉心領域1に、炉心燃料を装荷できるので、中性子経
済が向上し、プルトニウムのインベントリーが減らせ
る。ii)炉心領域1に少数体設置するSASSの1体と
比較して、中性子反射体集合体7の1体が持つ反応度が
小さく、万一、中性子反射体集合体7数体が作動しない
場合でも、炉を停止できる。したがって、SASSほ
ど、機器の信頼性を高める必要がなく、製造コストを低
くできる。iii)通常運転時には、中性子反射体集合体
7は、反射体として機能しており、冷却材チャンネルと
なっているSASSと比べて、中性子漏洩量は小さい。
iv)炉心領域1の上部に中性子吸収材を設置するSA
SSと比べて、中性子経済が向上する。
【0041】なお、この実施例では、中性子反射材領域
12の中性子反射材として、鉛(Pb)を用いている
が、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)及びクロム(Cr)
などの構造材や、ビスマス(Bi)のように、質量数が
大きくて中性子吸収断面積の小さな核種、及びそれらの
合金を用いても同様の効果が得られる。
【0042】次に、第2実施例を、図4及び図5を用い
て説明する。図4が図1、図5が図3と比べて、異なる
点は、図4及び図5では、ラッパ管10内に可動式中性
子反射体要素11を吊設することなく、炉の通常運転
時、冷却材流入口16から流入し、ラッパ管10内を上
方に向かって流通する1次冷却材の流体力によって、可
動式中性子反射体要素11を、ラッパ管10の内壁に設
けてある突起18の下の位置まで押し上げ、炉心領域1
に対して、吊設した場合と同様な位置関係を持つように
してあることである。
【0043】上記のように、可動式中性子反射体要素1
1を押し上げるために、可動式中性子反射体要素11の
下端と、中性子反射材領域12と不活性ガス領域13と
の境界部にシールド19を設けており、また中性子反射
材領域12内に、断面積が中性子反射材領域12に対し
て10%程度の1次冷却材の流通路を設けてある。
【0044】すなわち、この場合、シールド19はラッ
パ管10内を上方に向かって流通してくる1次冷却材の
流体力を受けて、可動式中性子反射体要素11を押し上
げるることになる。
【0045】ただし、図示していないが、シールド19
には、外周部に等間隔で18個の細い軸方向の溝を設け
てあり、可動式中性子反射体要素11を押し上げた状態
を保持しながら、1次冷却材をラッパ管10内を流通さ
せて、中性子反射体集合体7の冷却を図っている。
【0046】上記の状態において、1冷却材流量喪失の
異常時には、ラッパ管10内の1次冷却材の流体力が、
可動式中性子反射体要素11の自重を下回り、可動式中
性子反射体要素11はラッパ管10内を落下し、図5に
示すように、不活性ガス領域13が炉心領域1の外周部
に隣接して位置するようになる。
【0047】したがって、炉心領域からの中性子の漏洩
量が増大し、炉心に負の反応度が投入され、核分裂の連
鎖反応が停止する。
【0048】また、第3実施例を、図6を用いて説明す
る。図6が図1と異なる点は、可動式中性子反射体要素
10の下端に、1次冷却材の下方への漏れを防止するシ
ールド20を設けてあり、中性子反射体集合体7内部
に、負の圧力状態にあるボイド領域21を形成させてい
ることである。
【0049】すなわち、中性子反射体集合体7内への1
次冷却材の流入は、中性子反射体集合体7の下端部から
ではなく、炉の通常運転時において、中性子反射材領域
12の上部に位置するラッパ管10の側面に設けた孔か
ら行われるようにしてある。この実施例では、ラッパ管
10内における可動式中性子反射体要素11よりも下の
部分が、負の圧力状態のボイド領域21であるので、こ
の領域に1次冷却材がある場合よりも、炉の異常時にお
いて、可動式中性子反射体要素11の落下速度が大きく
なり、速やかに核分裂連鎖反応を停止することができ
る。
【0050】第4実施例を、図7を用いて説明する。図
7が図1と異なる点は、不活性ガス領域13を中性子吸
収材領域22で置換したことである。この実施例では、
異常時において、中性子吸収材領域22が炉心領域1の
外周部に隣接して位置することになるので、上記の他の
実施例と比べて、中性子反射体集合体7の体数を低減す
ることができる。
【0051】なお、この実施例では、中性子吸収材に炭
化硼素B4Cを用いている。また、この場合、中性子反
射体集合体7を、径ブランケット集合体17を2層設置
したときの、外層の径ブランケット集合体17の位置に
装荷しても同様の効果が得られる。
【0052】更に、第5実施例を、図8を用いて説明す
る。この場合は、炉の通常運転時における、可動式中性
子反射体要素11の吊設を、可動式中性子反射体要素1
1の上端に装着してある磁石23と、ラッパ管10に固
定してある円板上に装着してあるキュリー点を持つ磁性
体24とを係結させて行っている。
【0053】炉の異常時においては、1次冷却材の出口
温度上昇に伴って、磁性体24が磁性を喪失し、磁石2
3と磁性体24との係結が解けて、可動式中性子反射体
要素11が自重により落下するようにしてある。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、高速増殖炉において、
通常運転時には、中性子経済を悪化させずに、1次冷却
材の温度が上昇する炉の異常時には、受動的な炉停止を
実現できる炉心を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の模式縦断面図である。
【図2】第1実施例の模式横断面図である。
【図3】第1実施例の模式縦断面図である。
【図4】第2実施例の模式縦断面図である。
【図5】第2実施例の模式縦断面図である。
【図6】第3実施例の模式縦断面図である。
【図7】第4実施例の模式縦断面図である。
【図8】第5実施例の要部の説明図である。
【図9】従来例の説明図である。
【符号の説明】
1…炉心領域、5…径方向ブランケット領域、6…径方
向中性子反射体領域、7…中性子反射体集合体、10…
ラッパ管、11…可動式中性子反射体要素、12…中性
子反射材領域、13…不活性ガス領域、14…ストッパ
ー、15…低融点合金、17…径方向ブランケット集合
体、22…中性子吸収材領域、23…磁石、24…磁性
体。
フロントページの続き (72)発明者 赤木 弘子 東京都小平市上水本町五丁目20番1号 株 式会社日立製作所武蔵工場内 (72)発明者 石田 政義 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社日 立製作所エネルギー研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円柱状の炉心領域と、前記炉心領域の外
    周を取り囲む、径方向ブランケット領域と、前記径方向
    ブランケット領域の外周を取り囲む、径方向中性子反射
    体領域とから構成される高速増殖炉の炉心において、前
    記径方向ブランケット領域における径方向ブランケット
    集合体の一部が、ラッパ管と該ラッパ管の内部を上下移
    動可能な可動式中性子反射体要素とから構成され、該可
    動式中性子反射体要素の内部が中性子反射材領域と不活
    性ガス領域とから構成される中性子反射体集合体よりな
    ることを特徴とする高速増殖炉の炉心。
  2. 【請求項2】 前記ラッパ管の内部の有効長さが、前記
    炉心領域の有効長さの約3倍であり、前記可動式中性子
    反射体要素の有効長さが、前記ラッパ管の内部の高さの
    約3分の2であり、前記可動式中性子反射体要素内を上
    下方向で2分し、該2分した一方には前記不活性ガス領
    域を、他方には前記中性子反射材領域を構成し、前記可
    動式中性子反射体要素が前記ラッパ管の内部を上下し、
    前記不活性ガス領域又は前記中性子反射材領域が、前記
    炉心領域と同じ高さの位置へ移動できる構造からなる請
    求項1記載の高速増殖炉の炉心。
  3. 【請求項3】 前記可動式中性子反射体要素の上端が前
    記ラッパ管の内部の上端部に位置しているときに、前記
    中性子反射材領域が前記炉心領域と同じ高さの位置にあ
    り、前記可動式中性子反射体要素の下端が前記ラッパ管
    の内部の下端部に位置しているときに、前記不活性ガス
    領域が前記炉心領域と同じ高さに位置する構造からなる
    請求項1記載の高速増殖炉の炉心。
  4. 【請求項4】 通常運転時、前記可動式中性子反射体要
    素の上端を、前記ラッパ管の上部に固定してある低融点
    合金からなるストッパーに連結して、前記可動式中性子
    反射体要素を吊設してある請求項1、2又は3記載の高
    速増殖炉の炉心。
  5. 【請求項5】 前記可動式中性子反射体要素が、前記ラ
    ッパ管の内部を流通する冷却材の流体力によって前記ラ
    ッパ管の内部を上下に移動する請求項1、2又は3記載
    の高速増殖炉の炉心。
  6. 【請求項6】 前記可動式中性子反射体要素の上端に磁
    石を、前記ラッパ管の上部にキュリー点を持つ磁性体
    を、それぞれ装着し、通常運転時、前記磁石と前記磁性
    体とを係結し、前記可動式中性子反射体要素を吊設して
    ある請求項1、2又は3記載の高速増殖炉の炉心。
  7. 【請求項7】 前記低融点合金がアルミニウム合金であ
    る請求項4記載の高速増殖炉の炉心。
  8. 【請求項8】 前記中性子反射材領域を、鉛で構成して
    ある請求項1、2又は3記載の高速増殖炉の炉心。
  9. 【請求項9】 前記不活性ガス領域を、中性子吸収物質
    を主成分とする中性子吸収材で構成してある請求項1、
    2又は3記載の高速増殖炉の炉心。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005337898A (ja) * 2004-05-27 2005-12-08 Toshiba Corp 反射体制御方式の高速炉
JP2008309780A (ja) * 2007-05-17 2008-12-25 Toshiba Corp 反射体制御方式の高速炉
ES2449166A1 (es) * 2013-05-10 2014-03-18 Universidad Politécnica de Madrid Reactor nuclear de reflector fundido
JP2016535858A (ja) * 2013-10-31 2016-11-17 ジョイント ストック カンパニー“アクメ−エンジニアリング” 高速反応炉炉心の中性子物理的特性に関する不確定性条件下、炉心の未臨界度を保証する方法

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