JP5426065B2 - レドックスフロー電池 - Google Patents

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Description

本発明は、炭素含有材料からなる電極を具える二次電池に利用される二次電池用電解液、及び上記電極と、この電極に接触させる電解液とを具える二次電池に関するものである。特に、電池出力の低下や電池容量の低下を低減することが可能な二次電池に関するものである。
近年、比較的容量が小さい電池のみならず大容量の電池が開発されてきており、これらの電池は、負荷平準用途や瞬低・停電対策用などの種々の分野で使用されている。負荷平準用途などで利用される電池として、例えば、亜鉛-臭素電池、亜鉛-塩素電池に代表される亜鉛-ハロゲン電池や、バナジウムレドックスフロー電池に代表されるレドックスフロー電池がある。これらの電池は、正極電極と、負極電極と、両電極の間に介在される隔膜(セパレータ)とを積層して構成され、両電極に電解液を循環供給させて利用されることが一般的である。亜鉛-臭素電池やバナジウムレドックスフロー電池などで利用される電極は、カーボンプラスチック板やカーボンフェルトなどといった炭素含有材料からなるものがよく利用される。また、バナジウムレドックスフロー電池で利用される電解液として、特許文献1には、バナジウムイオンの沈殿を防止するべく有機物からなる安定化剤を含有させることが開示されている。
電池は、電極上の電気化学反応(電極反応)により充放電を行っているため、電極が設計時の仕様通りに機能しないと、電池出力や電池容量の低下につながる。例えば、電極に不純物が付着して電極上の反応活性点が覆われると、実質的に電極の表面積が低減されるため電池抵抗が増大し、電池出力や電池容量の低下を招く。また、電極反応を阻害するような不純物が電極に付着することで、電池抵抗が増大することも考えられる。このような不純物の一つとして、有機物が考えられており、上記カーボンプラスチック板やカーボンフェルトといった炭素含有材料からなる炭素系の電極は、この有機物を吸着し易い。
電極に吸着される有機物としては、電極の製造時や電池本体の製造時などの電池製造時に用いる材料に含まれる有機物や、特許文献1に記載される電解液のように電解液に元来含まれる有機物などが挙げられる。また、有機物を含む電池構成部材から有機物が電解液中に分解・溶出し、電池運転時にこの電解液を循環供給させることでも、電極に有機物が吸着される。そこで、特許文献2には、電解液中に分解・溶出された有機物を除去するべく、電解液の輸送路にフィルタを設ける技術が開示されている。
特表平9-507950号公報 特開2004-119311号公報
上述のように、電極に有機物が付着されると、電池出力や電池容量の低下を招く。従って、過度に有機物を含む電解液を用いることは、好ましくない。特許文献2に記載されるように電解液輸送路にフィルタを設けることで、電解液中の有機物の除去は可能であるが、過度に有機物を含む電解液を用いると、フィルタにて有機物を完全に除去する前に電極に吸着されてしまう。従って、運転時において電池構成部材から分解・溶出して電解液中に含有された有機物を除去するだけでなく、電池に使用される前の状態にある電解液においても有機物の含有量を制限する必要がある。特に、本発明者らが調べたところ、特許文献2に記載される電解液のように有機物を意図的に含有させなくても、電解液の製造時や電解液の搬送時に大気中から有機物が電解液に混入することがあるとの知見を得た。また、本発明者らが検討した結果、特定の有機物は、含有量が微量であっても電極反応を阻害し、電池出力や電池容量を低下させるとの知見も得た。
そこで、本発明の主目的は、炭素含有材料からなる電極を具える二次電池に用いられる電解液において、電池出力や電池容量の低下を抑制することができる二次電池用電解液を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、電池出力や電池容量の低下を抑制可能な二次電池を提供することにある。
上述のように特許文献2には、運転時において、電池構成部材から分解・溶出した電解液中の有機物をフィルタにより除去することが記載されている。しかし、運転時のみならず、運転前(電池として使用される前)において、電解液中にどの程度有機物が含有量されていれば、電池出力や電池容量の低下を招くかについては詳しく検討されていない。また、電極にどの程度有機物が吸着したら電池出力や電池容量といった電池性能が低下するかについても詳しく検討されていない。そこで、本発明者らは、電解液中における有機物の含有量と電池抵抗の関係を明らかにするべく、有機物の含有量がどの程度であれば電池抵抗が増大するかについて検討した。その結果、本発明者らは、電池の種類や出力・容量によって用いる電極の質量や電解液の量(体積)は異なるが、1時間程度の停電を補償する1時間放電容量電池や瞬停対策用電池といった比較的容量が小さい電池(換言すれば、使用する電解液量が少ない電池)に利用される電解液では、電解液中における有機物の含有量(mg/リットル)が10mg/リットルを超える場合、10時間放電容量電池といった比較的容量が大きい電池(換言すれば、使用する電解液量が大きい電池)に利用される電解液では、電解液中における有機物の含有量(mg/リットル)が1mg/リットルを超える場合、電池抵抗が増大することを明らかにした。即ち、有機物の含有量(mg/リットル)が10mg/リットル以下、特に、1mg/リットル以下を満たすような電解液であれば、有機物が含まれていても電池抵抗の増大を抑制することができる。この知見に基づき、本発明電解液を規定する。本発明は、炭素含有材料からなる電極を具える二次電池に用いられる二次電池用電解液において、液中にCの数が3以上の有機物が含有されており、この有機物の含有量(mg/リットル)が10mg/リットル以下であることを特徴とする。
また、本発明者らは、電極と有機物と電池抵抗との関係を明らかにするべく、電極が有機物をどの程度吸着すると電池抵抗が増大するかについて検討した結果、電池の種類や出力・容量によって用いる電極の質量及び電解液の量(体積)は異なるが、電極の質量に対して1000ppmを超える量(質量)有機物が付着すると電池抵抗が増大することを明らかにした。即ち、電池に使用する電極の質量をw(g)、電解液量(体積)をV(リットル)とするとき、有機物量m(g/リットル)がm≦0.001×w(g)÷V(リットル)を満たすような電解液とすれば、有機物が含まれた電解液であっても電池抵抗の増大を抑制することができる。この知見に基づき、本発明二次電池を規定する。本発明は、炭素含有材料からなる電極と、この電極に接触される電解液とを具える二次電池において、電解液にCの数が3以上の有機物が含有されており、この有機物の含有量(g/リットル)が0.001×電極の質量(g)÷電解液の体積(リットル)以下であることを特徴とする。
本発明電解液は、炭素含有材料からなる電極を具える二次電池に利用されるものとする。特に、本発明電解液は、主成分として有機物を含まないものとする。また、本発明二次電池は、炭素含有材料からなる電極と、この電極に接触される電解液とを具えるものを対象とし、上記本発明電解液と同様に電解液は、主成分として有機物を含まないものとする。このような二次電池として、例えば、亜鉛を負極活物質とし、塩素や臭素といったハロゲン元素を正極活物質とし、ハロゲン化亜鉛とハロゲン錯化物との混合溶液を電解液とした亜鉛-ハロゲン電池や、鉄イオンを正極活物質、クロムイオンを負極活物質とし、各イオンを含む溶液を電解液とした鉄クロムレドックスフロー電池、価数の異なるバナジウムイオンを正負極活物質とし、各極活物質を含むバナジウム溶液を電解液としたバナジウムレドックスフロー電池が挙げられる。
本発明において電極は、炭素の含有量が比較的高い炭素含有材料にて製造されたものを利用する。このような電極材料として、例えば、ポリエチレンなどのプラスチックをバインダーとし、導電性を与えるために、カーボンブラック、グラファイトを配合したカーボンプラスチックが挙げられる。例えば、亜鉛-臭素電池では、プラスチック:カーボンブラック:グラファイトの配合比が6:3:1であるカーボンプラスチックが電極材料として好適に利用できる。その他、電極材料として、例えば、炭素繊維からなる不織布(フェルト)が挙げられる。この炭素繊維製のフェルトは、ポリアクリロニトリル繊維を耐炎化した耐炎化繊維や、等方位ピッチやメゾフェースピッチのプリカーサ繊維、セルロース繊維、硬化ノボラック繊維などの炭素化可能な繊維をカードによって解繊し、多層化されたウェブをニードルパンチによって不織布化するといった公知の方法により得られるものが挙げられる。この炭素繊維製のフェルトは、レドックスフロー電池の電極として好適に利用できる。このフェルトには、電解液が浸透、流通し易いように流通溝を設けてもよい。流通溝は、プレス、切削、ラインエンボス、ラインのステッチボンドなどといった公知の方法により設けることができる。
本発明電解液、及び本発明電池に具える電解液は、電池の種類により適宜選択するとよく、例えば、亜鉛-臭素電池の場合、臭化亜鉛と臭素錯化物との混合水溶液が挙げられ、バナジウムレドックスフロー電池の場合、バナジウムイオンを含む硫酸溶液が挙げられる。特に、本発明電解液及び本発明電池に具える電解液は、電解液中の有機物の含有による不具合を低減するべく、電池使用前(運転前)の状態において、即ち、電極と接触させる前の状態において、有機物の含有量が特定の範囲(後述)を満たすものとする。
上述のように電極に接触させる前の状態の電解液において、有機物の含有量を特定の範囲とするだけでなく、電池使用時においても、この特定範囲を満たすように有機物の含有量を調整することが好ましい。電池構成部材が有機物を含む場合、電極接触前の状態において有機物の含有量が特定の範囲を満たしていたとしても、電池構成部材から有機物が分解・溶出されることで、電解液中の有機物の含有量が増加し、この電解液が循環供給されると電極に有機物が付着し、電池性能の低下を招く。このように電池使用時において、電解液中の有機物の量は、使用初期に特定の範囲内であっても、経時的に変動する、具体的には増加する傾向にある。従って、電池使用時においても、有機物の含有量が特定の範囲を満たすように有機物の含有量を調整すると、長期に亘り安定した電池性能を維持することができる。
炭素材料は、有機物を吸着させる性質をもつことがよく知られている。特に、上述した電極材料として用いられる炭素含有材料は、分析用活性炭などの有機物の吸着に利用されるような有機物の吸着能力が高いものであり、C(炭素)が3以上、特に、Cが5以上の有機物を吸着し易い。そこで、本発明では、電解液中に含まれる有機物において、まず、Cが3以上の有機物の含有量を規定する。本発明者らが調べたところ、特に、Cが3以上の有機物の電解液中における含有量が10mg/リットル以下であれば、電池抵抗の増加が少ないことがわかった。そこで、本発明電解液では、Cが3以上の有機物の含有量(mg/リットル)を10mg/リットル以下と規定する。Cが3以上の有機物の含有量(mg/リットル)が10mg/リットル超であれば、後述する試験例に示すように電池抵抗の上昇が大きく、電池性能の低下を招く。ここで、本発明電解液が利用される二次電池は、用途や時間容量などによって、使用する電解液量(体積)が異なり、一般に、時間容量が大きいほど、電解液量も多くなる。従って、有機物の含有量も電解液の使用量に応じて規定することが望まれる。本発明者らが調べたところ、1時間停電補償用や瞬低対策用といった比較的容量が小さい電池に用いられる電解液の場合、上述のように有機物の含有量は10mg/リットル以下が好ましく、10時間放電容量電池といった比較的容量が大きい電池に用いられる電解液の場合、有機物の含有量は1mg/リットル以下とすることが好ましい。いずれにしても有機物の含有量は、少ないほど好ましく、上記比較的容量が小さい電池に用いられる電解液の場合、1mg/リットル以下、特に、100μg/リットル以下とすることがより好ましく、比較的容量が大きい電池に用いられる電解液の場合、100μg/リットル以下とすることがより好ましい。もちろん、Cが5以上の有機物の場合も同様に10mg/リットル以下、特に、1mg/リットル以下、更に100μg/リットル以下とすることが好ましい。有機物は、上述のように電解液中に存在しないこと、即ち、理論上O(ゼロ)となることが望まれるが、現実にはOとすることは難しい。そこで、有機物の含有量は、検出限界以下を現実の理想とする。
また、本発明者らが調べたところ、Cが3以上の有機物が電極に吸着される量は、電極の質量(g)に対して1000ppm(質量割合)以下であれば、電池抵抗の増加が少ないことがわかった。そこで、本発明電池においてCが3以上の有機物が電解液中に含まれる量(g/リットル)を、0.001×電極の質量(g)÷電解液体積(リットル)以下と規定する。Cが3以上の有機物の含有量(g/リットル)が0.001×電極の質量(g)÷電解液体積(リットル)超であれば、後述する試験例に示すように電池抵抗の上昇が大きく、電池性能の低下を招く。上記有機物の量は、少ないほど好ましく、0.0001×電極の質量(g)÷電解液体積(リットル)以下とすることがより好ましい。もちろん、Cが5以上の有機物の量も0.001×電極の質量(g)÷電解液体積(リットル)以下、更に、0.0001×電極の質量(g)÷電解液体積(リットル)以下とすることが好ましい。
更に、発明者らは、特定の有機物の場合、微量でも電極反応を阻害し、電池出力や電池容量の低下を起こすことを明らかにした。具体的には、エステル類、特に、フタル酸エステル類、安息香酸エステル類、アジピン酸エステル類は、電極に吸着されると、微量であっても電池抵抗を増加させ、電池出力や電池容量の低下を引き起こし易い。この作用は、有機物の分子量が大きいほど顕著であり、Cの数が3以上、更にCの数が5以上のエステル類で顕著である。そのため、これらの有機物は、電解液中に存在しないことが理想であるが、上記有機物のうち、いくつかは大気中や電解液製造時などに使用する設備や治具などに含有されている可能性が高く、同製造時や搬送時に混入する可能性がある。そこで、これらのエステル類は、上記容量が比較的小さい電池に使用される電解液の場合、合計で100μg/リットル以下、より好ましくは、10μg/リットル以下、更に1μg/リットル以下とすることが好ましく、上記容量が比較的大きい電池に使用される電解液の場合、10μg/リットル以下、より好ましくは、1μg/リットル以下とすることが好ましい。また、本発明電池に具える電解液において、上記エステル類の含有量は、合計で電極の質量(g)に対して10ppm(質量割合)以下とすることが好ましく、より好ましくは、1ppm以下、更に0.1ppm以下とすることが好ましい。即ち、電解液中におけるエステル類の含有量(g/リットル)は、0.00001×電極の質量(g)÷電解液体積(リットル)以下、より好ましくは0.000001×電極の質量(g)÷電解液体積(リットル)以下、更に0.0000001×電極の質量(g)÷電解液体積(リットル)以下とすることが好ましい。
なお、電解液中に意図的に有機物を含有させる場合は、上記範囲を満たすように有機物の量を調整するとよい。このような有機物の含有量を調整した電解液を用いることで、電解液中に有機物が過度に存在せず、電極に有機物が付着して電池性能を低下させるといった不具合を低減することができる。また、電池使用時において、有機物の含有量が上記範囲を満たすように制御することで、長期に亘り、電池性能の低下を低減することができる。
本発明において電解液中の有機物の含有量を測定するには、ガスクロマトグラフ質量分析法、ガスクロマトグラフ分析法などのクロマトグラフによることが好適である。その他、高速液体クロマトグラフィー、滴定法、吸光度法などの種々の方法が適用できる。本発明において測定する有機物の量は、微量であるため、このような微量な有機物の測定を行うことができる測定手段を用いたり、予め前処理を施してから測定手段を用いて測定するとよい。前処理を施して測定する場合、例えば、電解液の一部を取り出してフィルタなどのろ過手段でろ過し、このろ過手段を溶剤に通液してろ過手段に吸着された有機物を溶出し、この溶剤を濃縮した後、この有機成分を試料に用いてクロマトグラフにより分析することが挙げられる。ろ過手段は、有機物を付着させることができるものであれば特に問わないが、電極の有機物に対する吸着能よりも大きな吸着能を有するものが好ましい。例えば、種々の有機物に対して吸着力に優れると共に、安価で手に入り易い活性炭フィルタが挙げられる。活性炭フィルタは、ろ材に粉末活性炭を用いたもの、粉状活性炭を固形成形したカートリッジタイプのもの、繊維状活性炭で構成されたカートリッジタイプのものなど市販されているものを用いるとよい。
電解液中の有機物の含有量を測定した際、含有量が上述した特定の範囲を超える場合或いは超えそうな場合、例えば、電解液を上述のろ過手段にてろ過し、有機物を除去するとよい。電池使用中において電解液のろ過を行うには、例えば、電解液の輸送路を分岐させ、この分岐路にろ過手段を具えるろ過部を設けておき、電解液を適宜ろ過部に通過させることが挙げられる。そして、ろ過された電解液中の有機物の含有量が特定範囲内となったら、ろ過部の通過を停止し、通常の輸送路を流通させるように構成することが挙げられる。電解液は、常時ろ過部を通過させてもよいが、連続的にろ過部を通過させる場合、輸送圧力が増大する恐れがある。従って、上記のように電解液が断続的にろ過部を通過る構成とすると、輸送圧力の増大を低減することができる。
以上説明したように、本発明電解液を利用した二次電池、及び本発明二次電池によれば、電解液中の有機物の含有量を特定範囲内とすることで、電池抵抗の増大を抑制したり、電極反応が阻害されることを低減することができる。従って、本発明電解液を具える二次電池、及び本発明二次電池は、電池出力の低減や電池容量の低減を低下させることができる。特に、本発明電解液及び本発明二次電池では、電極反応を阻害させ易い有機物の含有量を特定することで、電池出力の低減や電池容量の低減を効果的に抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
<試験例1>
複数の種類が異なる有機物を用意し、これら有機物をそれぞれ炭素含有材料からなる電極に吸着させ、この電極を具えるバナジウムレドックスフロー電池を作製し、得られた電池で充放電を行い、電池抵抗を測定した。
まず、本例で使用したレドックスフロー電池を説明する。図1(A)は、レドックスフロー電池システムの動作原理を説明する説明図、(B)は、セルフレームを具える電池セルの概略構成図である。この電池は、電池本体を構成する電池セルに電池反応を起こす電解液を循環供給して充放電を行う二次電池である。電池セル10は、隔膜11により分離された正極セル12と負極セル13とを具え、各極セル12,13はそれぞれ、正極電極14,負極電極15を内蔵する。この電池本体と、電池本体に供給する正極電解液,負極電解液を貯留するタンク16,17と、電池本体とタンク16間及び電池本体とタンク17間にそれぞれ配置されて電解液の輸送を行う輸送路(供給側輸送路18a,19a,排出側輸送路18b,19b)とを具えて電池システムが構築される。供給側輸送路18a,19aにはそれぞれ、ポンプ20,21が配置され、ポンプ20,21を用いて、タンク→供給側輸送路→セル→排出側輸送路→タンクという経路で電解液の循環を行う。電池本体は、通常、交流/直流変換器を介して発電所や需要家などの外部電力系統に接続され、発電所などを充電電力源として充電を行い、需要家などを放電対象として放電を行う。本例では、電池本体に交流/直流変換器を接続し、更に、交流/直流変換器を介して試験用の充電電源及び放電対象を接続させた。
上記電池セル10は、セルフレーム100を具える構成とした。セルフレーム100は、一面に正極電極14が接するように配置され、他面に負極電極15が接するように配置される双極板101と、その外周に形成されるフレーム枠102とを具える。フレーム枠102には、各極電極14,15に各極電解液を供給する給液用マニホールド103,104と、各極電極14,15からの電解液を排出する排液用マニホールド105,106とが形成され、これらマニホールド103〜106は、供給側輸送路18a,19a、排出側輸送路18b,19bに接続される。また、フレーム枠102においてマニホールド103〜106と双極板101との間にはそれぞれ、電解液が流通されるスリット107,108が設けられている。本例において双極板は、カーボンプラスチックからなるもの、フレーム枠は、塩化ビニルからなるものを用いた。
次に、試験方法を説明する。本例では、正負極の電極として、東洋紡製の炭素フェルト(3×3cm,0.3g)を用意し、この電極を、表1に示す所定の濃度に調整した種々の有機物のエタノール溶液3mlに浸し、エタノールを乾燥させて、有機物を電極に吸着させ、有機物を含有した電極を作製した。これらの電極を用いて上記構成のレドックスフロー電池システムを構築した。また、本例では、正極電解液としてV4+の硫酸溶液、負極電解液としてV3+の硫酸溶液を用いた。これら電解液は、有機物が予め含有されていない(意図的に含有させていない、検出限界以下)ものを用いた。この電解液中における有機物の含有量の測定は、前処理を施してガスクロマトグラフ分析装置により行った。
有機物の吸着量が異なる電極を具えるレドックスフロー電池システムを以下の充放電条件で充放電を行った後、電池抵抗を測定した。その結果を表1に示す。また、本例で用いた電池を10時間放電容量の電池とした場合、1時間放電容量の電池とした場合において、それぞれ電解液中の有機物の含有量(濃度,mg/リットル)を表1に示す。
(充放電条件)
充放電方法:定電流
電流密度 :70(mA/cm2)
充電終了電圧:1.55(V)
放電終了電圧:1.00(V)
温度 :25℃
Figure 0005426065
表1に示すように、電解液中に含有される有機物の含有量が少ないほど電池抵抗の上昇が少ないことがわかる。特に、10時間容量電池の場合、有機物の含有量が1mg/リットル以下、1時間容量の電池の場合、10mg/リットル以下であれば、電池抵抗の上昇が少ないことがわかる。また、表1に示すように電極に吸着された有機物の含有量が少ないほど電池抵抗の上昇が小さいことがわかる。特に、有機物の含有量が電極質量に対して1000ppm以下であれば、電池抵抗の上昇が小さいことがわかる。これらのことから、電解液中における有機物の含有量を10mg/リットル以下とする、或いは、有機物の含有量を電極の質量に対して1000ppm以下とすれば、電池出力の低下や電池容量の低下を低減することができると推測される。
なお、本例では、有機物を吸着させておらず、予め有機物を含まない電解液を利用した試料No.7では、電池抵抗が最も小さかったが、このような電池であっても、有機物を含有する電池構成部材から有機物が分解・溶出して電解液中の有機物の含有量が10mg/リットル超、或いは電極の質量に対して1000ppm超となることが考えられる。従って、電池使用時において、適宜有機物の含有量を測定し、有機物の含有量が10mg/リットル以下、或いは電極の質量に対して1000ppm以下となるように適宜ろ過するなどの操作を行うとよい。
<試験例2>
電極に吸着させる有機物を表2に示すエステル類に変更し、有機物を変更する以外は、試験例1と同様のレドックスフロー電池システムを作製し、試験例1と同様の充放電条件で充放電を行った後、電池抵抗を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 0005426065
有機物がエステル類の場合も、表2に示すように、電解液中に含有される有機物の含有量が少ないほど電池抵抗の上昇が少ないことがわかる。特に、10時間容量電池の場合、エステル類の含有量が10μg/リットル以下、1時間容量の電池の場合、100μg/リットル以下であれば、電池抵抗の上昇が少ないことがわかる。また、表2に示すように電極に吸着された有機物(エステル類)の含有量が少ないほど電池抵抗の増大が小さいことがわかる。特に、有機物がエステル類の場合、含有量が10ppm以下であれば、電池抵抗の増大が小さいことがわかる。これらのことから、電解液中におけるエステル類の含有量を100μg/リットル以下とする、或いは、エステル類の含有量を電極の質量に対して10ppm以下となるようにすればよいことが確認された。
(試験例3)
試験例1と同様のレドックスフロー電池システムを作製し、電解液として、有機物を含有させたものを用いて充放電を行い、初期の電池抵抗と、10サイクル後の電池抵抗を測定した。その結果を表3に示す。本例で用いた電解液は、試験例1で用いた電解液と同様に、有機物の含有量が検出限界以下であるV4+の硫酸溶液(正極電解液)、V3+の硫酸溶液(負極電解液)を用意し、これらの溶液にフタル酸ジオクチルを1μg/リットル(試料No.21)、100μg/リットル(試料No.22)となるように混入させたものとした。充放電条件は、放電時間容量を10時間とした以外は、試験例1と同様の条件とした。
Figure 0005426065
表3に示すように、10時間放電容量電池の場合、電解液中におけるエステル類の含有量が1μg/リットル以下であると、電池抵抗の増加が抑えられることが確認された。
本発明電解液は、レドックスフロー電池といった二次電池の電解液として好適に利用することができる。また、本発明二次電池は、負荷平準用途や瞬低・停電対策用の電池として好適に利用することができる。
(A)は、レドックスフロー電池システムの動作原理を説明する説明図、(B)は、セルフレームを具える電池セルの概略構成図である。
符号の説明
10 電池セル 11 隔膜 12 正極セル 13 負極セル 14 正極電極
15 負極電極 16 正極電解液タンク 17 負極電解液タンク
18a 正極電解液供給側輸送路 18b 正極電解液排出側輸送路
19a 負極電解液供給側輸送路 19b 負極電解液排出側輸送路
20 正極側ポンプ 21 負極側ポンプ
100 セルフレーム 101 双極板 102 フレーム枠
103 正極電解液給液用マニホールド 104 負極電解液給液用マニホールド
105 正極電解液排液用マニホールド 106 負極電解液排液用マニホールド
107,108 スリット

Claims (5)

  1. 炭素繊維からなる電極と、この電極に接触される電解液とを具えるレドックスフロー電池において、
    前記電解液には、Cの数が8〜24の有機物が含有されており、
    前記有機物の含有量(g/リットル)が0.001×電極の質量(g)÷電解液の体積(リットル)以下であり、
    前記有機物のうち、エステル類の含有量(g/リットル)が0.00001×電極の質量(g)÷電解液の体積(リットル)以下であるレドックスフロー電池。
  2. 前記エステル類は、フタル酸エステル類、安息香酸エステル類、アジピン酸エステル類から選択される1種以上である請求項1に記載のレドックスフロー電池。
  3. 前記エステル類の含有量(g/リットル)が0.000001×電極の質量(g)÷電解液の体積(リットル)以下である請求項1又は請求項2に記載のレドックスフロー電池。
  4. 前記有機物の含有量(g/リットル)が0.0001×電極の質量(g)÷電解液の体積(リットル)以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のレドックスフロー電池。
  5. 前記エステル類以外の前記有機物は、1−テトラデセン、ジフェニルアミン、1−オクタンチオールから選択される1種以上である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のレドックスフロー電池。
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