JP5425467B2 - ホスホン酸で表面修飾されたシリカ - Google Patents

ホスホン酸で表面修飾されたシリカ Download PDF

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Description

本発明は、ホスホン酸の性質を有する分子により表面修飾されたシリカであり、例えば、電気ケーブルのコーティングなどに使用するシリカをベースとした材料中のフィラーとして特に適しているシリカに関する。前記修飾シリカは、今後「表面疎水性化シリカ」、又は、より簡単に「疎水性シリカ」と示す。更に、本発明は、表面が疎水化されたこのタイプのシリカの製造方法に関する。
シリカの表面を疎水性とするいくつかの異なる方法のうち、特に、ポリマー又はシリコーン材料などの疎水性を有する材料に取り込みやすいようなシリカを提供するための方法は、すでに既知である。
ここで、シリカと疎水性有機鎖を有する有機シラン化合物で処理し、前記有機鎖が[シリカ]−Si−O−[有機鎖]タイプの結合でシリカの表面と共有結合でグラフト(graft)できる方法による表面が疎水性鎖で修飾されたシリカが提案されてきた。グラフト化反応は一般に効果的であり、大部分は、その結果、疎水性媒体に組み込むことができるフィラーとして使用するに適したシリカが得られる。このような利点に飛行して、しかしながら、有機シランは有機溶剤中で使用しなければならず、好ましくは無水であれば効果的であることが知られている。実際、水性媒体中で有機シランを使用すると、均質な結果が得られず、また溶媒中でグラフトを制御できない。実際、水の存在により有機シランのホモ縮合反応が生じ、シリカ表面の疎水性鎖のグラフトに障害となる。
シリカ表面を疎水化するための別の溶液はシリコーンオイルで処理するが、これは、例えば、欧州特許第1559744号明細書に開示されている。このタイプの処理によれば、シリコーンをベースとした材料中でシリカとして好適に使用できる。
欧州特許第1559744号明細書
本発明の目的の一つは、水性媒体中で実施でき得るシリカ表面の修飾方法を提供することにあり、すなわち、水の存在下、及び、さらに好ましくは水以外の溶液を使用することなくシリカ表面上で疎水性鎖を効果的にグラフトできる方法である。
ここで、さらに本発明の目的としては、疎水性マトリックス中でフィラー、特に補強充填材として使用することができる表面修飾されたシリカを提供することであり、好ましくは、既存の非水性媒体で製造された疎水性シリカと同等の性質を有しているシリカを提供することである。
本発明は、この目的を達成するためのものであり、シリカ表面を修飾する方法であって、以下の連続するステップを含む方法である:
(A)水性媒体中で、シリカを、少なくとも2価以上でシリカ表面に固定できる金属カチオンと処理し;
そして、次に、
(B)ステップ(A)で処理したシリカを含む得られた水性媒体に、少なくとも一種以上のホスホン酸を導入し、
ホスホン酸分子をステップ(A)で得られた処理されたシリカと反応させる。
本発明の方法によると、シリカ表面の性質を修飾するためにステップ(A)の金属カチオンをシリカと反応させるが、それにより、金属により修飾された(表面ドープされた)シリカを得る。続いて、ステップ(B)では、導入されたホスホン酸分子がステップ(A)で得られた表面修飾されたシリカと反応し、最終的にはシリカ表面にグラフトする。
一般には、本発明の方法は、使用するホスホン酸の性質が適したものであれば、様々な官能基により修飾されたシリカを製造するために使用することができる。例えば、一種又は二種以上の官能基を有するホスホン酸を使用することができ、それによれば、例えば触媒機能などの機能を有した表面を有した疎水性シリカが得られ、又は、分子認識、特に、生体分子の検出に使用できる機能を有したシリカを得ることができる。
好ましい実施形態例によれば、本発明の表面修飾方法は疎水性鎖によりグラフトされた表面を有するシリカを製造するのに使用できる。この場合、特にステップ(B)で導入されるホスホン酸分子により疎水性鎖を導入できる。本発明の方法によれば、シリカ表面にグラフトしている疎水性鎖Rを得ることができ、それにより所望の疎水性を有した表面とすることができる。本実施形態によれば、ステップ(B)で導入されるホスホン酸分子は以下の化学式(I)で示され、式中Rは疎水性鎖である。
R−PO(−OH)2 (I)
本願において、「疎水性鎖」とは、水に不溶であり、処理した表面を処理の前よりもより疎水性にできる疎水性鎖である。化学式(I)において、R基は、直鎖または分岐した炭化水素基であり、任意に環状炭化水素又は一つか二つ以上の環を有した環状炭化水素であり、典型的には、3〜30個の炭素原子を有し、例えば、6〜20個の炭化水素を有する。R基は、又、任意に、一つか二つ以上のヘテロ原子(例えば、O、S又はN)を含み、それにより疎水性の性質を保持している。
ステップ(B)で導入されるホスホン酸分子は、疎水性鎖Rの存在にも関わらず、水溶性であることが好ましい。
ある実施形態例によれば、本発明により製造される疎水性シリカ上に完全にグラフトしている化学式(I)の疎水性鎖R基としては、アルキル、アルケニル、アリールまたはアラルキルであり、好ましくは3〜18個の炭素原子、例えば、6〜15個の炭素原子、特に、8〜12個の炭素原子を含んでいれば良い。典型的には、アルキル鎖であり、従って化合物(I)はアルキルホスホン酸となる。本発明を実施するのに特に適したアルキルホスホン酸の例としては、化学式C817PO(OH)2のオクチルホスホン酸、又はプロピルホスホン酸C37PO(OH)2である。
R基の性質がどのようなものであれ、本発明の方法のステップ(A)及び(B)によれば、疎水性鎖をシリカ表面に特に効果的にグラフトさせることができる。ここで、特定の理論に縛られることなく、発明者の発見が示唆するところは、多くの場合、本発明の範囲内で得られる疎水性シリカはシリカ表面と共有結合により結合する疎水性鎖Rを以下の式のように有する。
[シリカ]−Si−O−M−O−P−R
式中、Mはステップ(A)で使用するカチオン由来の金属である。
さらに、本発明によれば、一般に迅速かつ簡便に実施できる方法によりR鎖を効果的にグラフトさせることができる。従って、一般的に、ステップ(A)及び(B)は単一の水性媒体中で実施される。水性媒体中でステップ(A)にて最初にシリカを金属カチオンと反応させ、その後、ステップ(B)にて水性媒体にホスホン酸分子を添加する。一般的には、ステップ(A)及び(B)の間の中間ステップなしで行う。ここで、ステップ(A)及び(B)は典型的には単一の反応器で行い、異なる試薬を継続的に導入する(「ワンポット」プロセス)。特記すべき事項としては、シリカ修飾方法において、ステップ(A)からステップ(B)の間にシリカを乾燥させる必要はないということである。その代わりに驚くべきことに、シリカ表面の疎水性鎖Rのグラフトを最適に行うには、ステップ(A)及び(B)の間の中間ステージで乾燥させるべきでないことを見出した。
さらに異なる利点としては、本発明の方法によれば、特にコストの面で好ましい効果を発揮することが証明され、結果として特にラージスケールの実施に適していることである。
さらに、ステップ(A)及び(B)は水性媒体中で行うことができるが、これはさらなる利点、特にそれ自身の環境への効果に関連して利点を有している。用語「水性媒体」は、本明細書中においては、シリカを分散させることができ、かつ、ステップ(A)の金属カチオン及びステップ(B)のホスホン酸を実行できる水をベースとした液体媒体を意味する。ステップ(A)及び(B)の水性媒体は溶媒及び分散剤として水を含有する。それにも関わらず、特定の実施例においては、特に水単独には容易に溶解しないホスホン酸を使用する時は、水性媒体には、一般に水に可溶な、例えばエタノールなどのアルコールなどの付加的な溶媒又は分散剤を含む。しかしながら、この場合であっても、水が、水性媒体中で中心となる溶媒/分散剤であり、水は少なくとも溶媒/分散剤の総質量に対して50質量%以上含み、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上含まれている。しかしながら、多くの場合、付加的な溶媒又は分散剤は必要がない。従って、本発明の方法によれば、特に有機溶媒を使用することなしに、実施することが可能であり、それにより、従来技術である有機シラン又はシリコーンオイルを使用する方法において問題となった有機廃棄物の問題を避けることができる。
本発明の方法においては、ステップ(A)のシリカの前処理が特に重要である。実際、水性媒体中で、金属カチオンで前処理していないシリカ上に化学式(I)のホスホン酸を直接グラフトすると形成されるであろうSi−O−P−O−R結合が水性媒体中で不安定となり、シリカにグラフトされていない鎖Rが得られる。
ステップ(A)においてシリカを安定に修飾するためには、金属カチオンとしては、例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、カルシウム(Ca)、ジルコニウム(Zr)とセリウム(Ce)から選択される少なくとも一種以上の金属Mである。これらは、典型的には、Al3+、Zn2+、Ti4+、Ca2+、Zr4+又はCe4+カチオンであり、またこれらのカチオンの2種以上の混合物であっても良い。本発明の特に迅速かつ効果的に鎖Rのグラフトを達成できる特に好ましい実施形態によれば、ステップ(A)において使用する金属カチオンとしては、アルミニウムカチオンであり、典型的にはAl3+アルミニウムカチオンである。
ステップ(A)において使用する金属カチオンがアルミニウムカチオン、特にAl3+アルミニウムカチオンである場合、ステップ(B)を初期pH6〜10好ましくは6.5〜8.5で実行することで特に有利な結果が得られることを見出した。このpHの範囲であれば、鎖Rをシリカ表面に好適にグラフトできる。pHが6である時、又は6よりも大きい時、結晶性のアルミニウムホスホン酸の発生を抑制し、低いpHで生じるシリカ上の鎖Rのグラフト反応と競合する副次的な反応を抑制することができる。また、pHが6.5よりも大きいときは結晶性のアルミニウムホスホン酸の発生をさらに抑制する。さらに、ステップ(A)で得られたシリカ表面の安定性のレベルを良好に保つためには、ステップ(B)においては、pHが10又は10よりも小さい事が好ましく、さらにpHが8.5よりも小さい事がより好ましい。
従って、ステップ(A)の金属カチオンがAl3+アルミニウムカチオンなどのアルミニウムカチオンである場合、ステップ(A)及び(B)は、以下の条件で実施することが好ましい:
(A)水性媒体中でシリカをアルミニウムカチオンで処理し、
そして、
(B)ステップ(A)で処理したシリカを含有する得られた水性媒体に、少なくとも一種以上の化学式(I)に対応するホスホン酸分子を導入し、そして、反応溶媒の初期のpHが6〜10、好ましくは6.5〜8.5とし、これらのホスホン酸分子を処理済のシリカと反応させる。
方法の変形例としては、ステップ(A)の処理を、ステップ(B)と同じ範囲のpH、すなわち、pH6〜10好ましくは6.5〜8.5で行うことがより有効である。より有効な実施形態例によれば、ステップ(A)及び(B)は実質的に同一のpHで行うことが好ましく、典型的にはpH6.5〜8.5、例えば、pH6.5〜7.5で行えば良い。このためには、ステップ(B)のホスホン酸は、例えば、ステップ(A)で得られる溶媒と同じ形態で導入することができる。
より一般的には、この方法のステップ(A)及び(B)は、近似するpHで実施されることが多い。しかしながら、可能な実施形態例によれば、特定の場合には、先立つステップの溶媒条件(例えば、pH、温度、イオン強度)を変化させてステップ(A)の後に、ステップ(B)を行うことができる。特定の実施形態例においては、適切な形式で実施するためには、ステップ(A)の表面修飾及びステップ(B)の反応で異なる反応条件が必要となる場合がある。従って、特定の金属カチオンを使用する場合、例えば、ステップ(B)に求められるpHとステップ(A)の処理に必要となるpHの範囲がときに異なることを意味する。この場合、ステップ(A)と(B)の間に、pHを改変するためのステップを含めることが好ましい。
その性質がどのようなものであっても、ステップ(A)の金属カチオンは水に可溶な塩の形で水性媒体中に導入される。これらの塩は無機塩(塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩など)又は有機塩(アセテート、クエン酸塩など)などでよい。前記塩の中では、溶解性塩化物が特に安定であることが見出された。ステップ(A)で金属カチオンとしてアルミニウムカチオンを使用する場合は、前記カチオンは、好ましくは、塩化アルミニウム、フッ化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、クエン酸アルミニウム、アルミニウムアセテート、及びこれらの塩の混合物から選択される水溶性アルミニウム塩の形で溶媒に導入することが好ましい。ステップ(A)を実施するにあたって特に好ましいアルミニウム塩は、塩化アルミニウムAlCl3である。
もっとも一般的なケースでは、本発明の方法のステップ(A)は1種か2種以上の金属カチオンを使用した水性媒体中で処理したシリカを分散させることで、多くは実施される。この典型的な実施形態例によれば、金属カチオンの少なくとも1つ以上の塩を使用した水溶液で処理したシリカの水分散を混合することによって実施する。
本発明の方法は、当初は親水性でありシリカ表面がSiOHタイプのシラノールを含む多くのシリカを好適に修飾することができる。ステップ(A)で最初に導入されるシリカは未処理シリカ、未ドープシリカでも良く;シリカとしては沈降シリカ、ヒュームドシリカ又は焼成シリカで良い。本発明の方法は、特に沈降シリカの処理に適している。
本発明の方法は大部分のシリカの表面修飾に適しているが、十分に高い交換表面積を可能とするシリカの処理のために好ましい形式により本発明を使用すれば良い。この場合、ステップ(A)で処理したシリカは最初に少なくとも50m2/g以上のBET比表面積を有しており、好ましくは50〜400m2/g、特に50〜300m2/g典型的には100〜250m2/g、例えば、100〜200m2/gであれば良い。本明細書中では、用語「比表面積」(specific surface)は刊行物“The Journal of the American Chemical Society, 60, 309 (1938)”に記載されているBrunauer-Emmett-Teller法によるシリカの比表面積とし、国際標準化機構ISO5794/1(付記D)に対応するものである。
さらに、ステップ(A)で処理されるシリカは1μM未満、好ましくは500nm未満、より好ましくは200nm未満のサイズの分散物質(粒子、集合体又は凝集体)の形で水性媒体に導入することが一般的に好ましい。特定の実施形態例によれば、シリカは菜飲めーターサイズ、典型的には100nm未満のサイズの物質の形でステップ(A)の溶媒中で分散している。
使用するシリカの性質に関わらず、このシリカは、20〜500g/L、例えば、30〜200g/L、典型的には、50〜150g/Lの濃度でステップ(A)の溶媒に分散させることが好ましい。
ステップ(A)においては、一般的に、コントロールすべき重要なパラメーターは、シリカ上のシリノールタイプの結合サイトに対する導入するカチオンの量の割合である。実際、ステップ(B)で導入されたホスホン酸は金属カチオンで修飾されたシラノールサイトにのみ結合するので、この割合はこの方法による疎水性鎖Rによるシリカの表面被覆率に直接に関係する。ここで、シリカの理論的な表面被覆率は導入される金属カチオンによって定義され、シリカの反応可能な表面に対する導入された金属カチオンの量の割合に反映される。この表面被覆率Tcatは以下の式で計算され、1nm2当たりのカチオンの数で表される:
cat=(Ccat.Na)/(SBET.Mcat.Csil
ここで、
・Ccatは金属カチオンの初期濃度(g/L)であり;
・Naはアボガドロ定数(mol-1)であり;
・SBETはシリカの比表面積(nm2/gに変換)であり;
・Mcatは金属カチオンのモル質量(g/mol)であり;
・Csilはシリカの濃度(g/L)である。
疎水性鎖Rがシリカの全ての反応可能な表面で、または、少なくともシリカの大部分の反応可能な表面でグラフトするそのような方法で本発明の方法を実施することがより有利であり、それにより、表面を最適に疎水性化することができる。この目的を達成するために、ステップ(A)で導入した金属カチオンによる金属によるシリカの理論的な表面被覆率が1nm2あたり少なくとも4つ以上のカチオン、より好ましくは、1nm2あたり少なくとも5つ以上のカチオン、例えば、1nm2あたり5〜10つのカチオンであることが好ましい。ここで、ステップ(A)で導入したカチオンがアルミニウムカチオン、特にAl3+アルミニウムカチオンであるとき、ステップ(A)で導入したアルミニウムカチオンによるシリカの理論的な表面被覆率が1nm2あたり少なくとも6つ以上のアルミニウムカチオン、典型的には、1nm2あたり6〜8つのアルミニウムカチオンである。
本発明の方法の別の実施可能な形態としては、逆に、シリカの反応可能な表面のうちの一部分のみに疎水性鎖Rをグラフトすることもできる。この目的のために、シリカ表面のシラノールサイトの量に対して半化学量論的な量の金属カチオンを導入することが好ましい。この場合、ステップ(A)で導入したカチオンによるシリカの理論的な表面被覆率は、前記段落の記載において、与えられるシリカの被覆率未満であることが好ましい。特に、Al3+アルミニウムカチオンを使用する場合、アルミニウムカチオンによるシリカの理論的な表面被覆率は5Al(アルミニウムカチオン)/nm2未満であり、例えば、3Al/nm2未満、又は、2Al/nm2未満であり、例えば1Al/nm2未満であり、典型的には0.5Al/nm2未満である。本発明の特定の実施例であれば、有利なことに、遊離シラノール基を保持しつつも、疎水性鎖Rをグラフトするシリカを準備するために使用することができる。部分的にグラフトされたこのタイプのシリカの場合、遊離シラノール基を、特に有機シランとの反応に利用可能であり、これによりグラフト化されたシリカは2つの機能を有したものが製造される。例えば、シリカに、ステップ(B)で導入される疎水性鎖R及び有機シランで提供される他の官能基の両方をグラフトすることができる。
多くの場合、ステップ(A)は直接的に、迅速に実施され、一般的には、溶媒を加熱することなく最小限の撹拌のみでステップ(A)を実施することができる。従って、ステップ(A)の処理時間は通常2又は3分〜2又は3時間であり、典型的には、5分から2時間であり、例えば20〜40分である。さらに、更に、ステップ(A)は典型的には10〜50℃で実施され、最も典型的には室温(例えば15〜25℃)で実施される。
その正確な実施形態例においても、ステップ(A)においては、ステップ(A)の水性媒体に金属カチオンを最初に導入することで処理されたシリカを含有する水性媒体を形成する。なお、前記修飾シリカは、その表面がステップ(A)の金属カチオンをベースとした酸化シリカであり、また全体としてその酸化物として働くシリカだけではないということに留意すべきである。それとは逆に、発明者の試験結果によると、ステップ(A)の表面の修飾においては、極めて特定の部分のシリカが修飾されていることが示された。特に、今回発明者が示したところは、ステップ(A)でAl3+アルミニウムカチオンで処理されたシリカ粒子は、ステップ(B)のアルミニウム粒子とは異なる動態を示すことである。ステップ(A)で実施された表面修飾は脆いものであり、少なくとも一部分は、加水分解しやすい修飾シリカを与えるAl−O(H)−Siブリッジの存在により説明できることが、これらの試験により示された。
ステップ(A)から得られた処理済みシリカの特異性を考慮に入れると、ステップ(B)で得られる表面処理に悪い影響を与えないようなpHでステップ(B)を実施することが好ましいことを見出した。そのため、一般的にはステップ(A)及び(B)を類似の、又は同一のpH条件で実施することが好ましい。従って、ステップ(A)のアルミニウムカチオン処理の場合、特に、ステップ(A)及び(B)をpH6.5〜8.5で行うことが好ましく、それによれば、ステップ(A)においては適切な表面処理を行うことができ、そして、ステップ(B)においてはその表面処理の安定性に影響を与えることはない。
さらに、ステップ(B)の溶媒のイオン強度は好ましくは0でない。ここで、ステップ(B)は反応溶媒がイオン強度0.1〜2、好ましくは0.9〜2.00で行うことが一般的である。例えば、このイオン強度は、添加するNaClの濃度であれば6g/L〜120g/L、好ましくは50g/L〜120g/Lに対応する。
ステップ(B)において重要な他のパラメーターは、温度である。ステップ(B)は50℃未満、好ましくは40℃未満で行うことが一般的である。典型的には、ステップ(B)は室温(例えば15〜25℃)で行う。従って、好ましい実施形態例においては、ステップ(A)及び(B)は室温(例えば15〜25℃)で行う。水性媒体中で反応を実施できることと合わせて、これらの条件で行うことができるので、本発明の方法は産業スケールで実施するのに適している。
より一般的には、ステップ(B)は下記の好ましい条件で実施すれば良い。
一般的には、ステップ(B)に、ステップ(A)のシリカ分散濃度よりも低い濃度で修飾シリカが分散している水性媒体中で修飾シリカとホスホン酸分子と反応させることが好ましい。そのため、溶媒に水を添加して希釈すると良い。この希釈は、一般に、水に溶液のホスホン酸分子を導入することで行われ、任意に、水を導入することで行っても良い。ステップ(B)の水性媒体のシリカ濃度は典型的には10g/L〜200g/Lであり、例えば、20g/L〜100g/Lであり、好ましくは40g/L〜60g/Lである。
ステップ(B)の水性媒体に導入するホスホン酸の初期濃度は、1g/L〜50g/Lであり、例えば、5g/L〜20g/Lであり、好ましくは約10g/Lである。ステップ(A)の金属カチオンとして、ステップ(B)で導入したホスホン酸によるシリカの理論的な表面被覆率は反応可能なシリカ表面に対する溶媒に挿入したホスホン酸部位の量を反映して特定することができる。この理論的な表面被覆率Tphosは、P/nm2(1nm2当たりのリン原子の数)で表され、以下の式で計算される;
phos=(Cphos.nphos.Na)/(SBET.Mphos.Csil
ここで、
・Cphosは金属カチオンの初期濃度(g/L)であり;
・nphosは酸分子に導入されたホスホン酸部分の数であり、この数は一般的に1である(化学式(I)のホスホン酸がジホスホン酸又はマルチホスホン酸である場合、すなわち、疎水性鎖Rが官能基として1又は2以上のホスホン酸基を含む場合は、2又は3以上となる)
・Naはアボガドロ定数(mol-1)であり;
・SBETはシリカの比表面積(nm2/gに変換)であり;
・Mphosは金属カチオンのモル質量(g/mol)であり;
・Csilはシリカの濃度(g/L)である。
疎水性鎖Rにより被覆されるシリカ表面が最大となるように本発明の方法を実施する場合、ステップ(B)で導入するホスホン酸の量は、シリカの反応可能な表面を形成するホスホン酸モノレイヤーを形成できるだけのおおよその量とすれば良い。このため、ステップ(B)で導入されたホスホン酸による上記のシリカの理論的な表面被覆率Tphosは、好ましくは約4.7P/nm2であり、典型的には、4〜5P/nm2である。この実施形態例によれば、ステップ(A)で処理できるシリカ表面の量、すなわち、ステップ(A)で導入された金属カチオンによるシリカの理論的な表面被覆率Tcatは、好ましくは少なくとも1nm2当たり4カチオン以上である(アルミニウムカチオンが関わっている場合、少なくとも1nm2当たり6カチオン以上であることがより好ましい)。
逆に、一部のシリカだけをグラフトしたい時は、ステップ(B)で導入されたホスホン酸によるシリカの理論的な表面被覆率Tphosは、一般に4P/nm2未満である。この場合、ステップ(B)の理論的な表面被覆率Tphosは、好ましくはステップ(A)の理論的な表面被覆率Tcatと実質的に同一であることが好ましい。このように特定の実施例によれば、理論的な表面被覆率Tphosは、典型的には、3P/nm2未満であり、例えば、2P/nm2未満であり、また1P/nm2未満でさえある。
より一般的には、ステップ(A)の修飾シリカの反応サイトに対応した化学量論量または半化学量論量の化学式(I)のホスホン酸分子を導入することでステップ(B)を実施することがより好ましいことがわかった。この場合、「反応サイト」の意味するところは、ステップ(A)で導入された金属カチオンにより修飾されたシリノールサイトである。これを基礎として、驚くべきことに、実際に、過剰なホスホン酸はグラフトの効果に悪影響を及ぼすことを見出した。更に具体的には、過剰に導入した場合、ホスホン酸の存在により、シリカのグラフト反応が通常不安定になる。この不安定化現象はステップ(A)でAl3+アルミニウムカチオンを使用した場合、より顕著になる。これは特にSi−O−Al結合の明確な極性によるものと説明できると思われる。これらを考慮すると、シリカ表面に最大数の疎水性鎖Rをグラフトする場合でさえ、ステップ(B)では、シリカの理論的な表面被覆率Tphosは、好ましくは4.7P/nm2未満であることが通常好ましい。被覆率が4.5P/nm2より小さく、さらに、4.3P/nm2未満である場合、特に、ステップ(A)のカチオンがアルミニウムカチオン、特にAl3+アルミニウムカチオンである場合は特に有効である。
本発明のより有利な実施形態例によれば、その方法は、鎖Rがシリカの反応可能表面に実質的に全体にグラフトされているシリカの製造に使用される、この場合、ステップ(A)及び(B)は以下の条件で行うことが好ましい:
−ステップ(A):水性媒体に導入するカチオンの量は、導入された金属カチオンによるシリカの理論的な表面被覆率Tcatが、1nm2あたり少なくとも4カチオン以上であり、例えば1nm2あたり5〜10カチオンとなるように導入する。カチオンがアルミニウムカチオンである場合、特にAl3+アルミニウムカチオンである場合、導入されたアルミニウムカチオンによるシリカの理論的な表面被覆率Tcatが、少なくとも6Al(アルミニウムカチオン)/nm2以上であり、例えば6〜8Al/nm2である。
−ステップ(B):特に、ステップ(A)のカチオンがアルミニウムカチオン、特にAl3+アルミニウムカチオンである場合は、ホスホン酸によるシリカの理論的な表面被覆率Tphosは、4〜5P/nm2であり、好ましくは4.7P/nm2より小さく、さらに、4.5P/nm2より小さく、さらに4.2P/nm2未満であることが好ましい。
他の実施例においては、シリカの反応可能表面の一部のみに鎖Rをグラフトさせたシリカを製造するためにも、本発明は使用できる。方法の変形によれば、ステップ(A)及び(B)は、以下の条件で行うと良い:
−ステップ(A):シリカ表面のシラノールサイトの量に対応する半化学量論的な量の金属カチオンを導入する。カチオンがアルミニウムカチオンである場合、特にAl3+アルミニウムカチオンである場合、導入されたアルミニウムカチオンによるシリカの理論的な表面被覆率Tcatが、0.5〜4Al(アルミニウムカチオン)/nm2であり、例えば1〜3Al/nm2である。
−ステップ(B):ホスホン酸によるシリカの理論的な表面被覆率Tphosは、4P/nm2より小さく、一般的には、ステップ(A)の理論的な表面被覆率Tcatと実質的に同一である。
より一般的には、水性媒体にホスホン酸を単に添加するのみであるので、ステップ(B)の反応はより簡便に実施できる。しかしながら、ステップ(B)の反応は一般的にステップ(A)の反応よりもわずかに長い。それにも関わらず、効果的なグラフト反応は、トータルで2時間、典型的には15分〜2時間、例えば約30分で、通常、行うことができる。
前記ステップ(A)及び(B)により、水だけでなく任意にステップ(B)で得られた残留カチオンを含有した水性媒体中に分散した所望の疎水化されたシリカが得られる。一般的には、前記水性媒体から疎水性シリカを得ることが好ましい。そのため、本発明は、ステップ(B)で得られた疎水性シリカを単離するステップ(C)も、通常、含む。
前記ステップ(C)は、固体と液体の分離を含めば良く、例えば、得られた水性媒体を濾過すれば良い、又、遠心分離しても良い。固体/液体分離により得られた固体は、1回又は2回以上洗浄すれば良く、一般的には、水又は水性洗浄溶液(例えば、水とエタノールの混合物)で洗浄すれば良い。それにより、残留の塩又はホスホン酸を除去することができる。この洗浄プロセスは、フィルター処理、または遠心分離の前の固体の水中若しくは洗浄溶液への再分散により特に実施される。これら分離と洗浄のステップの後、特に水の存在を避ける必要のある用途に使用する場合は、疎水性シリカを乾燥させるステップを入れる必要がある。
これらの異なるステップにより、特異的な性質をもって、本発明の別の目的を構成する特異的な疎水性シリカを得ることができる。
本発明の方法によってこのような形で得られた疎水性シリカは、特徴的なことに、その表面に疎水性鎖Rを有している。前記鎖の存在は、特に赤外線分光測定法によって、たとえば赤外線拡散反射率分光測定法によって、検知することができ、それにより、前記疎水性鎖に特有な吸収帯を検知することができる(例えば、アルキル鎖の2800〜3000cm-1の範囲のバンドなど)。
疎水性鎖Rによるシリカの被覆率は、シリカ中の炭素の含有量を見積もることのできるシリカの元素分析により、特に決定できる。本発明の方法によれば、十分な疎水性鎖Rによるシリカの被覆率を有した疎水性シリカを得ることができ、前記被覆率は1nm2あたりグラフト化鎖Rが2個、3個、及び3.5個、並びにそれ以上である。合成条件を制御すること、特に上記の記載で定義した異なる実施形態例を実施することで、約4の被覆率、すなわち、鎖Rの単層によるシリカの反応可能な表面の殆ど総てを被覆する被覆率を得ることが可能である。
一方、本発明により得られた疎水性シリカはその表面に特徴的なR−P−O−M−O−Si結合を含んでおり、その存在はリンの磁気共鳴分光測定法(NMR)によって、そして、特に、31P固相NMRによって測定される。Mがアルミニウムの場合、得られるNMRスペクトルは、R−P−O−Al−O−Siの結合の存在を示す0〜30ppmの領域にピークを含む。
更に、本発明の方法により得られた疎水性シリカは、一般に、非疎水性シリカの形態と比較的類似した形態を示す。この類似性は、特に、透過電子顕微鏡法で解明することができる。本発明の方法により得られた疎水性シリカは、また、一般にそのBET比表面積が出発材料のシリカのそれに近い(疎水性シリカ、一般には、元のシリカより僅かに小さい比表面積を有している)。ここで、本発明の方法であれば、特定の比表面積を有した疎水性化された表面を有したシリカを、一般に得ることができる。そのため、出発材料のシリカとしては、最終的に得られるシリカの好ましい比表面積よりも僅かに大きいBET比表面積を有するシリカであれば良い。
更に、本発明の方法であれば、通常、表面処理が良好な均一性を有した高い割合で疎水性化されたシリカを得ることができる。シリカの疎水性の度合いは、下記の実施例7で述べる「メタノール数」試験を利用して、決定することができ、シリカ表面の疎水性は、水とメタノールの湿潤性の差により計量できる。本発明のシリカのこの試験で決定された「メタノール数」(MN)は、40であり、また時に60でもあり、高いレベルの疎水性を有している。
これらの性質の違いを考慮に入れると、本発明の疎水性シリカは、疎水性組成物のフィラーとして、特に補強充填材として使用できる。また、本発明の疎水性シリカは、シリコーンベースのマットリックスのフィラーとして、特に補強充填材として使用できる。
加熱(例えばHTVシリコーン)若しくは冷却で加流できる有機シラン組成物(マトリックス)の粒子又はエラストマーを補強するのにも使用でき、例えば、電気ケーブルのコーティングなどのコーティングとして使用することができる。前記シリコーンベースの組成物は、特に絶縁用に使用される時、架橋する前に押出し成形により成形すれば良い。これらのシリアの使用においては、特に押出し成形時の泡の形成を避けるか制限した方が良い。これらのシリカからは非常に良好な性質を有したシリコーンマトリックスを作製できる。
このタイプのマトリックスに含まれる加硫可能な有機ポリシロキサンの性質は、加硫試薬及び他の任意の添加剤、加硫の条件と同様に当業者であれば周知である。例えば、国際公開第03/055801号パンフレットに記載されている。
前記シリコーンベースのマトリックスの補強に使用されるシリカの量は、例えば、パルプシリコーンの場合、3〜20%、また、エラストマー組成物の場合5〜50%、好ましくは10〜40%であれば良い。
本発明の疎水性シリカは、又、以下のような用途にも使用できる:
−エラストマーベースのマトリックス中の補強充填材として、特に、靴底の透明又は半透明のエラストマー
−熱可塑性マトリックスのフィラーとして
−液体支持剤として(例えば、ビタミンE、コリン塩化物などを食品中に)
−歯みがき粉中のフィラーとして
−ペンキ、紙または具体的な添加物として
−電池セパレータの製造。
本発明の疎水性シリカは官能基Rを有していても良い。官能基Rにより機能を有する表面をベースとして特異性を有したこれらの特定のシリカは、例えば触媒分野で利用される。これに関しては、より有効な方法としては、表面の一部のみが官能基Rとなっており、また、反応可能なシリノール基を有している本発明のシリカを使用することが重要である。上記疎水性鎖R、及び、有機シランタイプの化合物と表面の遊離シラノールの反応で導入される他の官能基の両方を有するシリカ合成のための中間体として一部が疎水性化されたこのようなシリカを使用することができる。
本発明の更なる特徴と利点をより明確にするために以下に実施例について記載する。
実施例1:疎水性シリカS1の製造
ステップA1:水性媒体中のアルミニウムによるシリカの処理
150g/lのSiO2のシリカ水性媒体を有したシリカの水性懸濁液を3gの沈降シリカS(沈降シリカ Zeosil 1165 MP、Rhodia社より利用可能)を撹拌しながら20mlの脱イオン水に導入して製造した。
0.78gの無水塩化アルミニウムAlCl3を160g/Lの濃度で脱イオン水に溶解し、撹拌しながら、シリカ懸濁液に添加した。アルミニウムによるシリカの理論的な表面被覆率7.4Al/nm2(BET比表面積に対応する比表面積と仮定して計算した)に対応するアルミニウムの量を導入した。
得られた媒体のpHは、1.0Mの水酸化ナトリウムを添加して7.5に調整した。媒体は、それから、1時間撹拌した。
ステップB1:アルキルホスホン酸による処理
30g/Lの濃度で、pH6.5で、0.58gのオクチルホスホン酸C817PO32(Rhodia)の水性溶液を脱イオン水に溶解し、ステップA1からの水性媒体に撹拌しながら添加した。シリカ表面が3.8P/nm2となるリンの量に対応したホスホン酸を添加した。
シリカの濃度が50g/Lとなるまで水で溶媒を希釈した。溶媒は、それから、室温(20℃)で24時間撹拌した。
ステップC1:洗浄及び乾燥
ステップB1の後、得られたシリカ懸濁液を遠心分離し、上澄みを除去した。得られた濃縮物を60mlの水に再分散させて3回洗浄し、遠心分離した。得られた最終濃縮物を低圧下で80℃で一晩(12時間)乾燥させた。
それにより粉末の疎水性シリカS1が得られた。
実施例2:疎水性シリカS2の製造
ステップA2:水性媒体中のアルミニウムによるシリカの処理
150g/lのSiO2のシリカ水性媒体を有したシリカの水性懸濁液を3gの沈殿シリカSを、実施例A1のように、撹拌しながら20mlの脱イオン水に導入して製造した。
0.62gの無水塩化アルミニウムAlCl3を210g/Lの濃度で脱イオン水に溶解し、撹拌しながら、シリカ懸濁液に添加した。アルミニウムによるシリカの理論的な表面被覆率6Al/nm2に対応するアルミニウムの量を導入した。
得られた媒体のpHは、1.0Mの水酸化ナトリウムを添加して6.5に調整した。媒体は、それから、30分撹拌した。
ステップB2:アルキルホスホン酸による処理
30g/Lの濃度で、pH6.5で、0.62gオクチルホスホン酸C817PO32(Rhodia)の水性溶液を脱イオン水に溶解し、ステップA2からの水性媒体に撹拌しながら添加した。シリカ表面が4P/nm2となるリンの量に対応したホスホン酸を添加した。
シリカの濃度が50g/Lとなるまで水で溶媒を希釈した。溶媒は、それから、室温(20℃)で30分撹拌した。
ステップC2:洗浄及び乾燥
ステップB2の後、得られたシリカ懸濁液を遠心分離し、上澄みを除去した。得られた濃縮物を60mlの水に再分散させて3回洗浄し、遠心分離した。得られた最終濃縮物を低圧下で80℃で一晩(12時間)乾燥させた。
それにより粉末の疎水性シリカS2が得られた。
実施例3:疎水性シリカS3の製造
ステップA3:水性媒体中のアルミニウムによるシリカの処理
0.15gの無水塩化アルミニウムAlCl3を210g/Lの濃度で脱イオン水に溶解し、撹拌しながら、シリカ懸濁液に添加し、アルミニウムによるシリカの理論的な表面被覆率1.5Al/nm2に対応するアルミニウムの量を導入したこと以外は、実施例2のステップA2と同様に処理を実施した。
ステップB3:アルキルホスホン酸による処理
この処理は実施例2のステップB2と同様の条件で行った。
30g/Lの濃度で、pH6.5で、0.62gオクチルホスホン酸の水性溶液を脱イオン水に溶解し、ステップA3からの水性媒体に撹拌しながら添加した。シリカ表面が4P/nm2となるリンの量に対応したホスホン酸を添加した。シリカの濃度が50g/Lとなるまで水で溶媒を希釈した。溶媒は、それから、室温(20℃)で30分撹拌した。
ステップC3:洗浄及び乾燥
ステップB3の後、得られたシリカ懸濁液を遠心分離し、上澄みを除去した。得られた濃縮物を60mlの水に再分散させて3回洗浄し、遠心分離した。得られた最終濃縮物を低圧下で80℃で一晩(12時間)乾燥させた。
それにより粉末の疎水性シリカS3が得られた。
実施例4:疎水性シリカS4の製造
ステップA4:水性媒体中のアルミニウムによるシリカの処理
0.38gの無水塩化アルミニウムAlCl3を210g/Lの濃度で脱イオン水に溶解し、撹拌しながら、シリカ懸濁液に添加し、アルミニウムによるシリカの理論的な表面被覆率3.7Al/nm2に対応するアルミニウムの量を導入したこと以外は、実施例2のステップA2と同様に処理を実施した。
ステップB4:アルキルホスホン酸による処理
この処理は実施例2のステップB2と同様の条件で行った。
30g/Lの濃度で、pH6.5で、0.62gオクチルホスホン酸の水性溶液を脱イオン水に溶解し、ステップA4からの水性媒体に撹拌しながら添加した。シリカ表面が4P/nm2となるリンの量に対応したホスホン酸を添加した。シリカの濃度が50g/Lとなるまで水で溶媒を希釈した。溶媒は、それから、室温(20℃)で30分撹拌した。
ステップC4:洗浄及び乾燥
ステップB4の後、得られたシリカ懸濁液を遠心分離し、上澄みを除去した。得られた濃縮物を60mlの水に再分散させて3回洗浄し、遠心分離した。得られた最終濃縮物を低圧下で80℃で一晩(12時間)乾燥させた。
それにより粉末の疎水性シリカS4が得られた。
実施例5:疎水性シリカS5の製造
ステップA5:水性媒体中のアルミニウムによるシリカの処理
実施例2のステップA2と同様に処理を実施した、すなわち、アルミニウムによるシリカの理論的な表面被覆率6Al/nm2に対応するアルミニウムの量を導入した。
ステップB5:アルキルホスホン酸による処理
この処理は、30g/Lの濃度で、pH6.5で、0.15gオクチルホスホン酸の水性溶液を脱イオン水に溶解し、シリカ表面が1P/nm2となるリンの量に対応したホスホン酸を添加したことが異なるが、その他は実施例2のステップB2と同様の条件で行った。
ステップC5:洗浄及び乾燥
ステップB5の後、得られたシリカ懸濁液を遠心分離し、上澄みを除去した。得られた濃縮物を60mlの水に再分散させて3回洗浄し、遠心分離した。得られた最終濃縮物を低圧下で80℃で一晩(12時間)乾燥させた。
それにより粉末の疎水性シリカS5が得られた。
実施例6:疎水性シリカS6の製造
ステップA6:水性媒体中のアルミニウムによるシリカの処理
実施例2のステップA2と同様に処理を実施した、すなわち、アルミニウムによるシリカの理論的な表面被覆率6Al/nm2に対応するアルミニウムの量を導入した。
ステップB6:アルキルホスホン酸による処理
この処理は、30g/Lの濃度で、pH6.5で、0.30gオクチルホスホン酸の水性溶液を脱イオン水に溶解し、シリカ表面が2P/nm2となるリンの量に対応したホスホン酸を添加したことが異なるが、その他は実施例2のステップB2と同様の条件で行った。
ステップC6:洗浄及び乾燥
ステップB6の後、得られたシリカ懸濁液を遠心分離し、上澄みを除去した。得られた濃縮物を60mlの水に再分散させて3回洗浄し、遠心分離した。得られた最終濃縮物を低圧下で80℃で一晩(12時間)乾燥させた。
それにより粉末の疎水性シリカS6が得られた。
実施例7:疎水性シリカS7の製造
ステップA7:水性媒体中のアルミニウムによるシリカの処理
実施例2のステップA2と同様に処理を実施した、すなわち、アルミニウムによるシリカの理論的な表面被覆率6Al/nm2に対応するアルミニウムの量を導入した。
ステップB7:アルキルホスホン酸による処理
この処理は、30g/Lの濃度で、pH6.5で、0.91gオクチルホスホン酸の水性溶液を脱イオン水に溶解し、シリカ表面が6P/nm2となるリンの量に対応したホスホン酸を添加したことが異なるが、その他は実施例2のステップB2と同様の条件で行った。
ステップC7:洗浄及び乾燥
ステップB7の後、得られたシリカ懸濁液を遠心分離し、上澄みを除去した。得られた濃縮物を60mlの水に再分散させて3回洗浄し、遠心分離した。得られた最終濃縮物を低圧下で80℃で一晩(12時間)乾燥させた。
それにより粉末の疎水性シリカS7が得られた。
実施例8:実施例1〜7の疎水性シリカの分析
実施例1〜7で得られた粉末のシリカS1〜S7に以下の試験を行った:
赤外線拡散反射率分光測定法(Infrared diffuse reflectance spectroscopy):各々のシリカにおいて、ホスホン酸により導入された疎水性アルキル鎖のC−Hを示す特有な2800〜3000cm-1の範囲のバンドを検出した。
31 P固相NMR:得られたスペクトルは、シリカ上にグラフトされたアルキルリン酸基のP−O−Al結合の存在を示す0〜30ppmの領域にピークを含んでいた。
透過電子顕微鏡法:得られた結果によれば、シリカの形態は処理により変化はなく、最終サンプルも均質であった。
元素分析:元素分析によって、テストしたシリカに含有している炭素の量(質量%)を決定することができ、それを基礎としてC817によるシリカの表面被覆率Dを見積もることができる。被覆率Dは以下の式により計算される:
Figure 0005425467
ここで、
%Cはシリカ中の炭素含有量(質量%)であり、
aはアボガドロ定数(mol-1)であり、
cは実施例8のオクテルホスホン酸の炭素原子数であり、
acは酸のモル質量(g/mol)であり、
cは炭素のモル質量(g/mol)であり、
Sは元のシリカのBET比表面積である。
シリカS1〜S7の元素分析による質量%(%C)による炭素のレベルと、それを基礎として計算された被覆率(D)を下記の表1に示した。
窒素の吸着:これにより、修飾シリカのBET比表面積、及び、係数C(これ以後CBETと示す)を決定することができる。この係数CBETは窒素の吸収率及び元の座標軸をベースとして計算され、シリカ表面の極性を反映している。特に、米国特許6193142号明細書にこの係数と計算方法が記載されている。シリカS1〜S7のシリカのBET比表面積(SBET)及び係数CBETを下記の表1に示した。これによれば、元のシリカSよりもかなり低い係数CBETを有し、シリカ表面の極性が低いことが示された。
「メタノール数」の測定:この試験により、シリカの疎水性について示すことができる。より正確には、「メタノール数」は以下のプロトコールに従い測定する:
テストするシリカ0.2gを250mlビーカー中の50mlの水の表面に置いた。疎水性シリカは、最初は水により湿ることもなく、表面に残っていた。メタノールを、ビュレットにより、溶媒に連続的に添加し、シリカが液体によって湿った時点で添加を終了した。「メタノール数」は以下の式で計算される:
MN(メタノール数)=vmethanol/(vwater+vmethanol)x100
ここで:
waterは、水の最初の体積(この場合50ml)であり、
methanolはシリカが完全に湿った時点の、導入したメタノールの体積(ml)である。
シリカS1〜S7のMN(メタノール数)の値を下記の表1に示した。これによれば、得られたシリカが、そのMNが最高60程度であり、疎水性表面の特性を有していることが示された。
Figure 0005425467
実施例1、3及び4のデータの比較により、C817によるシリカの表面被覆率D及びMNの値が導入されたアルミニウムの量に依存していることがわかった(これらの実施例においては、ホスホン酸による理論的な表面被覆率4P/nm2となるように導入されており、導入されたホスホン酸の量は一定である)。
実施例2、5、6及び7のデータの比較により、表面被覆率D及びMNの値が導入されたホスホン酸の量に依存していることがわかった(これらの実施例においては、アルミニウムによる理論的な表面被覆率6Al/nm2となるように導入されており、導入されたアルミニウムの量は一定である)。

Claims (29)

  1. シリカ表面を修飾する方法であって、以下の連続するステップを含む方法:
    (A)水性媒体中で、シリカを、少なくとも2価以上でシリカ表面に固定できる金属カチオンにより処理し;
    そして、次に、
    (B)ステップ(A)で処理したシリカを含む得られた水性媒体に、少なくとも一種以上のホスホン酸分子を導入し、
    ホスホン酸分子をステップ(A)で得られた処理されたシリカと反応させる。
    (ここで、前記金属カチオンはアルミニウムカチオンである)
  2. 表面が疎水性鎖でグラフトされたシリカを製造するための請求項1に記載の方法であって、以下の連続するステップを含む方法:
    (A)水性媒体中で、シリカを、少なくとも2価以上でシリカ表面に固定できる金属カチオンにより処理し;
    そして、次に、
    (B)ステップ(A)で処理したシリカを含む得られた水性媒体に、少なくとも一種以上の化学式(I)で表されるホスホン酸分子を導入し、
    R−PO(−OH)2 (I)
    (ここで、Rは疎水性鎖である)
    これらのホスホン酸分子をステップ(A)で得られた処理されたシリカと反応させる。
  3. ステップ(A)において使用する金属カチオンが、Al3+カチオンである請求項1又は2に記載の方法。
  4. ステップ(A)及び(B)を下記の条件で行う請求項に記載の方法:
    (A)水性媒体中でシリカをアルミニウムカチオンで処理し、
    そして、次に、
    (B)ステップ(A)で処理したシリカを含有する得られた水性媒体に、少なくとも一種以上の請求項2に記載の化学式(I)で表されるホスホン酸分子を導入し、そして、これらのホスホン酸分子を処理済のシリカと反応させ、反応媒体の初期のpHを6〜10とする。
  5. ステップ(A)をpH6〜10で行う請求項に記載の方法。
  6. ステップ(A)のアルミニウムカチオンが、AlCl3の形でステップ(A)の水性媒体に導入されるAl3+カチオンである請求項又はに記載の方法。
  7. 唯一の溶媒及び分散剤として、ステップ(A)及び(B)の水性媒体が水を含有する請求項1〜の何れか一項に記載の方法。
  8. ステップ(A)及び(B)を単一の水性媒体中で単一の反応器で行い、水性媒体中でステップ(A)にて最初にシリカを金属カチオンと反応させ、その後、ステップ(B)にて水性媒体にホスホン酸分子を添加する請求項1〜の何れか一項に記載の方法。
  9. ステップ(A)で処理されるシリカが沈降シリカである請求項1〜の何れか一項に記載の方法。
  10. ステップ(A)で処理されるシリカは、最初のBET比表面積が少なくとも50m2/g以上である請求項1〜の何れか一項に記載の方法。
  11. ステップ(A)で処理されるシリカを、1μm未満のサイズの分散物質の形で水性媒体に導入する請求項1〜10の何れか一項に記載の方法。
  12. 反応溶媒中のイオン強度を0.1〜2としてステップ(B)を行う請求項1〜11の何れか一項に記載の方法。
  13. ステップ(B)を50℃未満の温度で行う請求項1〜12の何れか一項に記載の方法。
  14. ステップ(A)及び(B)を室温で行う請求項1〜13の何れか一項に記載の方法。
  15. ステップ(B)の水性媒体におけるシリカの濃度が10〜200g/Lである請求項1〜14の何れか一項に記載の方法。
  16. ステップ(B)において、ステップ(A)の修飾シリカの反応サイトに対して化学量論量または半化学量論量のホスホン酸分子を導入する請求項1〜15の何れか一項に記載の方法。
  17. ステップ(B)において、導入されたホスホン酸分子によるシリカの理論的な表面被覆率が4.7P/nm2未満である請求項16に記載の方法。
  18. ステップ(B)後に、改変シリカを単離するステップ(C)を更に含む請求項1〜17の何れか一項に記載の方法。
  19. シリカを製造するための請求項1〜18の何れか一項に記載の方法であって、前記シリカの反応可能な表面の実質的に全体に分子をグラフトする方法:
    ここで、
    −ステップ(A)において:水性媒体に導入するカチオンの量は、導入された金属カチオンによるシリカの理論的な表面被覆率が、1nm2あたり少なくとも4カチオン以上となるように導入し、そして、
    −ステップ(B)において:導入されたホスホン酸分子によるシリカの理論的な表面被覆率が、4〜5P/nm2である。
  20. 使用する金属カチオンがアルミニウムカチオンである請求項19に記載の方法:
    ここで、
    −ステップ(A)において:導入されたアルミニウムカチオンによるシリカの理論的な表面被覆率が、少なくとも6Al/nm2以上であり、;そして、
    −ステップ(B)において:導入されたホスホン酸分子によるシリカの理論的な表面被覆率が、4〜5P/nm2である。
  21. シリカを製造するための請求項1〜18の何れか一項に記載の方法であって、前記シリカの反応可能な表面の一部分に分子をグラフトする方法:
    ここで、
    −ステップ(A)において:シリカ表面のシラノールサイトの量に対応する半化学量論的な量の金属カチオンを導入し;そして、
    −ステップ(B)において:導入されたホスホン酸分子によるシリカの理論的な表面被覆率が、4P/nm2未満である。
  22. 使用する金属カチオンがアルミニウムカチオンであるシリカを製造するための請求項21に記載の方法:
    ここで、
    −ステップ(A)において:導入されたアルミニウムカチオンによるシリカの理論的な表面被覆率が、0.5〜4Al/nm2であり、;そして、
    −ステップ(B)において:導入されたホスホン酸分子によるシリカの理論的な表面被覆率が、4P/nm2未満である。
  23. 請求項2〜22の何れか一項に記載の方法により得られる疎水性化されたシリカ。
  24. 鎖Rが前記シリカの反応可能表面の実質的に全体にグラフトされている請求項19又は20に記載の方法により得られる疎水性化されたシリカ。
  25. 鎖Rが、遊離のシラノール基を有したシリカ表面のうち一部分、すなわち前記シリカの反応可能表面の一部分にグラフトされている請求項21又は22に記載の方法により得られる疎水性化されたシリカ。
  26. 疎水性組成物中でのフィラーとしての請求項23又は24に記載の疎水性化されたシリカの使用。
  27. シリコーンベースのマトリックス中での補強充填材としての請求項23又は24に記載の疎水性化されたシリカの使用。
  28. エラストマーベースのマトリックス中のフィラーとして、熱可塑性マトリックスのフィラーとして、液体支持剤として又は歯みがき粉中のフィラーとしての請求項23又は24に記載の疎水性化されたシリカの使用。
  29. 上記疎水性鎖Rと、有機シランタイプの化合物と表面の遊離シラノールの反応で導入される他の官能基との両方を有するシリカ合成のための中間体としての請求項25に記載の疎水性化されたシリカの使用。
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