JP5424693B2 - ゴム組成物およびそれを用いたタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物及びタイヤに関し、さらに詳しくは、ジメチルスルホキシド(DMSO)抽出物量が3質量%未満の多環芳香族化合物(PCA)成分を含む軟化剤と特定の化合物を配合してなるタイヤ用ゴム組成物、及びこれをトレッドに用いたタイヤに関するものである。
従来、ゴム組成物の軟化剤及び合成ゴム伸展油としては、高ロス特性(高ヒステリシスロス特性)付与やゴムとの親和性などの観点から、高芳香族系油(アロマティックオイル)が、タイヤ用ゴム組成物やその他の領域で好んで用いられてきた。
また近年は、石油を原料として製造される高芳香族系油を処理して得られるTreated Distilled Aromatic Extracts (TDAE)やMild Extracted Solvates (MES)などと称されるDMSO抽出分が3質量%未満の軟化剤が使用され始めている。(例えば、特許文献1参照)
しかし、上記TDAEやMESなどの代替軟化剤を使用したゴム組成物は、従来の高芳香族系油を使用した場合に比べ、軟化剤自身の軟化点及び粘度が低いことから、ゴム組成物の粘弾性特性の温度依存性は低温側にシフトする傾向があり、ガラス転移温度(Tg)及び貯蔵弾性率(E')が低下し、そのため、特に軟化剤配合量の多いゴム組成物をトレッドに用いた高性能タイヤなどにおいては、タイヤのウェットスキッド性や操縦安定性が低下するという不具合が生じる問題があった。
そこで、操縦安定性の低下を補完するため、従来より行なわれている貯蔵弾性率を高くする方法、例えば、カーボンブラックやシリカといった補強性充填剤の増量、あるいは軟化剤の減量を施した場合、未加硫ゴムの粘度が上昇し、工場作業性が大幅に低下する。
特開平11−302459号公報
本発明は、このような状況下で、軟化剤として従来の高芳香族系油に替えて多環芳香族化合物(PCA)成分を3重量%未満含有する高芳香族系油を使用したときの問題点を補完し、優れたロス特性及び剛性を有するタイヤ用ゴム組成物及びその特性を有するタイヤ用ゴム組成物を用いた乾燥路面操縦安定性及び湿潤路面の制動性に優れる空気入りタイヤを提供することを目的とするものである。
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ジエン系ポリマーから選ばれた少なくとも一種のゴム成分100質量部当り、特定の樹脂を特定量及びDMSO抽出物量が3%未満の多環芳香族化合物(PCA)を含む軟化剤を特定量配合することにより、その目的を達成し得ることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち本発明は、
[1] ジエン系ポリマーから選ばれた少なくとも一種のゴム成分100質量部当り、(A)モノマー比でインデンを30〜80質量%有する芳香族系成分を含有する樹脂を0.1〜45質量部、(B)IP346法によるジメチルスルフォキシド(DMSO)抽出物量が3%未満の多環芳香族化合物(PCA)を含有する軟化剤を1〜150質量部配合し、(B)成分の軟化剤が水添ナフテン系オイル及び、120℃の動粘度が300mm 2 /秒以下で、且つアスファルテン5質量%以下のアスファルトを含有することを特徴とするゴム組成物、
[2] 前記(A)成分が石油樹脂である上記[1]のゴム組成物、
[3] 前記(A)成分の軟化点が80〜150℃の範囲である上記[1]又は[2]のゴム組成物、
[4] 前記(A)成分のインデンの割合がモノマー比で50〜70質量%の範囲である上記[1]〜[4]いずれかのゴム組成物、
] 前記水添ナフテン系オイルは、ASTM D2140に準拠して測定されたナフテン系炭化水素の含有量(%CN)が30以上のナフテン系オイルを水素添加することによって得られたものである上記[1]〜[4]いずれかのゴム組成物、
前記(B)成分の軟化剤が、(前記水添ナフテン系オイル/前記アスファルトの質量比として95/55/95の範囲で含有する上記[1]〜[]いずれかのゴム組成物、及び
] 上記[1]〜[]いずれかのゴム組成物をトレッドに用いたことを特徴とする空気入りタイヤ、
を提供するものである。
本発明によれば、軟化剤として従来の高芳香族系油に替えて多環芳香族化合物(PCA)成分を3重量%未満に制御された高芳香族系油を使用したときのタイヤのウェットスキッド性や操縦安定性が低下するという問題点を補完し、優れたロス特性及び剛性を有するタイヤ用ゴム組成物及び該ゴム組成物を用いた乾燥路面操縦安定性及び湿潤路面の制動性に優れるタイヤを提供することができる。
本発明のゴム組成物は、ジエン系ポリマーから選ばれた少なくとも一種のゴム成分100質量部当り、(A)モノマー比でインデンを30〜80質量%有する芳香族系成分を含有する樹脂を0.1〜45質量部、(B)IP346法によるジメチルスルフォキシド(DMSO)抽出物量が3%未満の多環芳香族化合物(PCA)を含有する軟化剤を1〜150質量部配合してなることを要する。
<ゴム成分>
本発明のゴム組成物用いられるゴム成分としては、硫黄、過酸化物、樹脂などによって架橋する物であれば特に制限はなく、天然ゴム(NR)及び合成ゴムが用いられる。合成ゴムとしては、例えば合成ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、溶液重合スチレン−ブタジエンゴム(S−SBR),乳化重合スチレン−ブタジエンゴム(E−SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)などのジエン系ゴムが挙げられる。この中でも、タイヤトレッドにおける各種性能のバランスを考慮すれば、天然ゴム、乳化重合法又は溶液重合法により製造されたスチレン−ブタジエンゴム及びポリブタジエンゴムが好ましい。これらのゴム成分は単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
<インデン含有樹脂>
本発明において、上記ゴム組成物のロス特性および剛性を確保するために、(A)モノマー比としてインデンを30〜80質量%含有する樹脂を0.1〜45質量部配合する必要がある。その配合量が0.1質量部未満では本発明の目的とする所望の効果を得ることができず、一方45質量部を超えるとその増量に見合った効果が得られないばかりでなく、目的とするロス特性が得られず、タイヤ性能としてむしろ湿潤路面制動性が低下する傾向にある。この点から(A)成分の配合量は、1〜30質量部が好ましい。
また、所望の効果を得るためには(A)成分中のインデンの量はモノマー比で50〜70質量%がより好ましい。
さらに、前記(A)成分は、ロス特性と剛性のバランスを考慮すれば該樹脂の軟化点は80℃以上が好ましく、特に100〜150℃の範囲が好ましい。この範囲において、本発明のタイヤ用ゴム組成物はロス特性と剛性の双方に高いレベルでバランスした性能が得られる。
(A)成分のインデンを含む樹脂は、コールタール中に含まれるインデンを用いることもできるが、主にナフサの熱分解によって得られるC9留分、例えば、α−メチルスチレン、スチレン、インデン、ビニルトルエンなどを硫酸、無水塩化アルミニウムなどの触媒を用いて加熱重合によって得られるアルキルスチレンインデン樹脂などの石油樹脂が用いられる。また、上記インデンを含むC9系石油樹脂としては、市販品を好適に使用することができ、例えば、商品名「ネオポリマー」[新日本石油社製]、商品名「トーホーハイレジン」[東邦化学工業社製]などが挙げられる。
<PCA成分(多環芳香族化合物)〕が3質量%未満に制御された軟化剤>
また、本発明のゴム組成物においては、(B)成分としてIP346法によるDMSO抽出物量〔PCA成分(多環芳香族化合物)〕が3質量%未満に制御された軟化剤を、ゴム成分100質量部に対して1〜150質量部配合することが必要とされる。好ましくは2〜100質量部である。DMSO抽出物量が3質量%未満に制御された軟化剤としては、例えば、前出の軽度抽出溶媒和物(MES)、処理留出物芳香族系抽出物(TDAE)や重ナフテン系オイルなどが好ましく用いられる。
<水添ナフテン系オイル>
さらに、この(B)成分の軟化剤においては、水添ナフテン系オイルを配合することが好ましい。この水添ナフテン系オイルは、予め高温高圧水素化精製技術によりナフテン系オイルを水素化精製することにより得ることができる。また、水素化されるナフテン系オイルとしては、ASTM D2140に準拠して測定された(つまり、通称環分析による)ナフテン系炭化水素の含有量(%CN)が30以上のものが好ましい。
この水添ナフテン系オイルの量は、前記DMSO抽出物量が3質量%未満の軟化剤の量に対して20〜70質量%の範囲で添加することが好ましい。このような水添ナフテン系オイルは、具体的には、三共油化工業(株)製のSNH8,SNH46,SNH220,SNH440(いずれも商標)などの市販品として入手可能である。
<アスファルト>
さらに、該軟化剤にはアスファルトを含むことができる。このアスファルトは、使用する合成ゴムとの相溶性や、軟化剤としての効果を考慮すれば、アスファルテン成分が5質量%以下であることが好ましい。なお、アスファルテン成分は、JPI法(日本石油学会法)に準拠して測定した組成分析より定量される。このようなアスファルトは、特にナフテン系ストレートアスファルトであることが好ましく、また、120℃における動粘度が300mm2/秒以下であることが好ましい。
上記アスファルトの配合量は、ナフテン系オイル及び/又は水添ナフテン系オイルとアスファルトとの配合質量比として、95/5から5/95の範囲であることが好ましい。アスファルトが95質量%を超えると使用する合成ゴムとの相溶性に問題が生じ、効果が小さくなる場合がある。
アスファルトの混合方法は特に制限されず、アスファルトを予めナフテン系オイル及び/又は水添ナフテン系軟化剤に混合するか、或いは従来の水添ナフテン系オイルの精製過程において、アスファルトの主要成分をナフテン系オイル及び/又は水添ナフテン系オイル中に適正比率に存在させることにより調製した軟化剤を用いてもよいが、該軟化剤の調製の容易さや経済性の観点からは、アスファルトをナフテン系オイル及び/又は水添ナフテン系オイル(伸展油、配合油を含む)に溶解させて調製する方法が好ましい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物において、この(B)成分の軟化剤は、(1)DMSO抽出物量が3質量%未満の軟化剤、(2)ナフテン系オイル及び/又は水添ナフテン系オイル、及び(3)アスファルトの合計量として、ゴム成分100質量部に対して1〜100質量部を配合することが好ましい。この範囲を満足しない場合は破壊特性と摩耗特性の両方について優れた性能を得ることが困難となる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物においては、補強性充填剤として、カーボンブラック及び/又はシリカを用いることができる。好ましいカーボンブラックの配合量としては、前記ゴム成分100質量部に対して5〜100質量部である。また、カーボンブラック及びシリカの合計配合量は、ゴム成分100質量部に対して、通常30〜120質量部好ましくは40〜100質量部である。上記範囲内でカーボンブラックとシリカを併用配合することで耐摩耗性、操縦安定性、転がり抵抗低減化、及びウェットスキッド性の向上をはかることができる。
前記カーボンブラックとしてはFEF,SRF,HAF,ISAF,SAFなどが挙げられるが、これらの中で、特に耐摩耗性に優れるHAF,ISAF,SAFが好適である。シリカを用いる場合には、シランカップリング剤を併用することが好ましい。
また、本発明のタイヤ用ゴム組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、通常ゴム工業界で用いられる各種配合剤、例えば加硫剤,加硫促進剤,老化防止剤,スコーチ防止剤,軟化剤,亜鉛華,ステアリン酸などを含有させることができる。そして、本発明のタイヤ用ゴム組成物はタイヤのトレッドゴムやトレッドベースゴムに好適に用いられる。なお、本発明のタイヤは、通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて、上記のように各種薬品を含有させた本発明のタイヤ用ゴム組成物が未加硫の段階で、トレッド用部材に押出し加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タイヤが得られる。
タイヤ内に充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を変えた空気、又は窒素などの不活性ガスを用いることができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。なお、各種の測定及び評価法は下記の方法に基づいておこなった。
1.各樹脂中のインデンの定量
a.測定
各樹脂について、熱分解GC−MS測定を以下の条件にておこなった。
装置:GC−MS2010「島津製作所社製」、カラム:HP−5MS(長さ、30m、内径,25mm、膜厚、1μm)、熱分解温度;590℃
カラム温度条件:初期温度50℃(5min)→昇温25℃/min(10min)→最終温度300℃(12min)
b.結果
各樹脂のインデン留分は他成分とのTICピーク面積比(α−メチルスチレン対比)で求めた。
2.ゴム組成物での評価
<ロス特性:0℃tanδの測定>
粘弾性試験機〔東洋精機社製レオグラフソリッドL−1R型〕を用いて、加硫ゴムシート(5mm×45mm×2mm)を試験片として、歪5%、周波数15Hzの条件で0℃におけるtanδ(動的損失特性)を測定した。
比較例1及び比較例11を100として指数で表示した。指数値が大きい程、ロス特性が優れていることを示す。
<30℃貯蔵弾性率(E’)の測定>
スペクトロメーター〔東洋精機社製〕を用い、30℃、動歪1%、周波数15Hzの条件で貯蔵弾性率(E’)を測定した。比較例1及び比較例11を100として指数で表示した。指数値が大きい程、剛性が高いことを示す。
3.タイヤでの評価
<乾燥路面での操縦安定性>
乾燥した路面のテストコースにて実車走行を行い(タイヤサイズ:195/65R15)、駆動性、制動性、ハンドル応答性、操縦時の制動性を総合評価し、1〜10点の評点をつけ、各項目を平均して操縦安定性の評点とした。
数値が大きい程、操縦安定性が良好であることを示す。
<湿潤路面での制動性>
乗用車の4輪に試験タイヤ(タイヤサイズ:195/65R15、内圧:196kPa)を装着し、テストコースで70kmの初速度にて湿潤路面上での制動距離を測定し、比較例1及び比較例11のタイヤの制動距離の逆数を100として指数で表した。指数が大きい程、制動距離が短く、湿潤路面制動性が良好であることを示す。
参考例1〜7、及び比較例1〜5(ゴム成分:スチレン−ブタジエンゴム)
第1表に示す各配合内容に基づいて常法により、各参考例及び比較例のゴム組成物を調製した。
ゴム組成物は常法により加硫し、各試験用サンプルを作成し、それぞれのサンプルについて0℃のtanδ及び30℃の貯蔵弾性率(E’)の測定を行なった。測定結果を第1表に示す。
次に、得られた各ゴム組成物をトレッドに用い常法によって試験用の乗用車用ラジアルタイヤ、タイヤサイズ195/65R15を製造した。得られたタイヤを用いて乾燥路面での操縦安定性及び湿潤路面での制動性の評価を行なった。評価結果を第1表に示す。
Figure 0005424693
[注]
*1.スチレン・ブタジエンゴム:乳化重合SBR#1500、JSR社製
*2.カーボンブラック:N234、商品名「旭#78」、旭カーボン社製
*3.オイルA:T−DAE(Treated Distilled Aromatic Extracts)DMSO抽出物量3%未満の軟化剤 出光興産社製
*4.オイルB:水添ナフテン系オイル(三共油化工業社製)、とアスファルト(アスファルテン分含量5%以下)との質量比50/50ブレンド物、(DMSO抽出物量1.8%)
*5.樹脂A:「エスコレッツ1102B」、エクソン社製、(軟化点100℃、インデン比率0%)
*6.樹脂B:「エスクロンG90」、新日鐵化学社製、(軟化点100℃、インデン比率97%)
*7.樹脂C:「日石ネオポリマーL90」、新日本石油社製、(軟化点100℃、インデン比率38%)]
*8.樹脂D:「日石ネオポリマー140」、新日本石油社製、(軟化点140℃、インデン比率52%)]
*9.樹脂E:「トーホーハイレジン#120」、東邦化学社製、(軟化点120℃、インデン比率60%)]
*10.樹脂F:「トーホーハイレジン#140」、東邦化学社製、(軟化点140℃、インデン比率60%)]
*11.「NOVARES TD100」、ルトガーズ社製、(軟化点100℃、インデン比率40%)]
*12.「NOVARES TT140」、ルトガーズ社製、(軟化点100℃、インデン比率55%)]
*13.「NOVARES TN140」、ルトガーズ社製、(軟化点100℃、インデン比率76%)]
*14.老化防止剤:「ノクラック6C」、大内新興工業社製、N−(1,3−ジメチル−ブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン
*15.加硫促進剤A:「ノクセラーNS−F」、大内新興工業社製、N−t−ブチル−2−ベンゾチアジル−スルフェンアミド
*16.加硫促進剤B:「ノクセラーTOT」、大内新興工業社製、テトラキス−2エチルヘキシルチウラムジスルフィド
参考例8〜19、及び比較例6〜7(ゴム成分:スチレン−ブタジエンゴム)
第2表に示す各配合内容に基づいて常法により、各参考例及び比較例のゴム組成物を調製した。
ゴム組成物常法により加硫し、各試験用サンプルを作成し、それぞれのサンプルについて0℃のtanδ及び30℃の貯蔵弾性率(E’)の測定を行なった。測定結果を第2表に示す。
次に、得られた各ゴム組成物をトレッドに用い常法によって試験用の乗用車用ラジアルタイヤ、タイヤサイズ195/65R15を製造した。得られたタイヤを用いて乾燥路面での操縦安定性及び湿潤路面での制動性の評価を行なった。評価結果を第2表に示す。
Figure 0005424693
[注]
*17.樹脂H:「トーホーハイレジン#90」、東邦化学社製、(軟化点100℃、インデン比率50%)]
*18.樹脂I:「トーホーハイレジン#110T」、東邦化学社製、(軟化点110℃、インデン比率50%)]
実施例1〜3、参考例20〜28、及び比較例8〜10(ゴム成分:スチレン−ブタジエンゴム)
第3表に示す各配合内容に基づいて常法により、各実施例、参考例及び比較例のゴム組成物を調製した。
ゴム組成物常法により加硫し、各試験用サンプルを作成し、それぞれのサンプルについて0℃のtanδ及び30℃の貯蔵弾性率(E’)の測定を行なった。測定結果を第3表に示す。
次に、得られた各ゴム組成物をトレッドに用い常法によって試験用の乗用車用ラジアルタイヤ、タイヤサイズ195/65R15を製造した。得られたタイヤを用いて乾燥路面での操縦安定性及び湿潤路面での制動性の評価を行なった。評価結果を第3表に示す。
Figure 0005424693
[注]
*19.オイルC:ナフテン系オイル「SNH220」(三共油化工業社製)、ナフテン系炭化水素の含有量(%CN)44%(DMSO抽出物量2.2%)
*20.オイルD:ナフテン系オイル「SNH8」、(三共油化工業社製)、ナフテン系炭化水素の含有量(%CN)56%(DMSO抽出物量1.9%)
*21.オイルE:パラフィン系オイル「スーパーオイルY22」、(新日本石油化学社製)(DMSO抽出物量2.1%)
実施例4〜7、参考例29〜30及び比較例11〜14(ゴム成分:天然ゴム及びブタジエンゴムのブレンド系)
表に示す各配合内容に基づいて常法により、各実施例、参考例及び比較例のゴム組成物を調製した。
ゴム組成物常法により加硫し、各試験用サンプルを作成し、それぞれのサンプルについて0℃のtanδ及び30℃の貯蔵弾性率(E’)の測定を行なった。測定結果を第4表に示す。
次に、得られた各ゴム組成物をトレッドに用い常法によって試験用の乗用車用ラジアルタイヤ、タイヤサイズ195/65R15を製造した。得られたタイヤを用いて乾燥路面での操縦安定性及び湿潤路面での制動性の評価を行なった。評価結果を第4表に示す。
Figure 0005424693
[注]
*22.ブタジエンゴム:「BR−01」、JSR社製
*23.カーボンブラック:N220、「シースト6」、東海カーボン社製
*24.加硫促進剤C:「ノクセラーDZ−G」、大内新興工業社製、N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド
*25.加硫促進剤D:「ノクセラーDM」、大内新興工業社製、ジベンゾチアジルジスルファイド
本発明によれば、軟化剤として従来の高芳香族系油に替えて多環芳香族化合物(PCA)成分を3重量%未満に制御された高芳香族系油を用いたときの問題点を補完し、優れたロス特性及び剛性を有するタイヤ用ゴム組成物及び該ゴム組成物を用いた乾燥路面操縦安定性及び湿潤路面の制動性に優れるタイヤを提供することができる。

Claims (7)

  1. ジエン系ポリマーから選ばれた少なくとも一種のゴム成分100質量部当り、(A)モノマー比でインデンを30〜80質量%有する芳香族系成分を含有する樹脂を0.1〜45質量部、(B)IP346法によるジメチルスルフォキシド(DMSO)抽出物量が3%未満の多環芳香族化合物(PCA)を含有する軟化剤を1〜150質量部配合し、(B)成分の軟化剤が水添ナフテン系オイル及び、120℃の動粘度が300mm 2 /秒以下で、且つアスファルテン5質量%以下のアスファルトを含有することを特徴とするゴム組成物。
  2. 前記(A)成分が石油樹脂である請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記(A)成分の軟化点が80〜150℃の範囲である請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. 前記(A)成分のインデンの割合がモノマー比で50〜70質量%の範囲である請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
  5. 前記水添ナフテン系オイルが、ASTM D2140に準拠して測定されたナフテン系炭化水素の含有量(%CN)が30以上のナフテン系オイルを水素添加することによって得られたものである請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
  6. 前記(B)成分の軟化剤が、(前記水添ナフテン系オイル/前記アスファルトの質量比として95/55/95の範囲で含有する請求項1〜のいずれかに記載のゴム組成物。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載のゴム組成物をトレッドに用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
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