JP5424093B2 - 工作機械の主軸装置 - Google Patents

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この発明は、工具ホルダへ主軸を通してクーラントを供給可能な、工作機械の主軸装置に関する。
近年、工作機械、特にマシニングセンタの主軸装置は、工具ホルダへ主軸を通してクーラントを供給可能な、いわゆるスピンドルスルークーラント(軸芯給油)方式が一般化し、より高い工具刃先の冷却効果と切粉排出効果を得るためにクーラント吐出圧力の高圧化が進んでいる。また、機械剛性の向上と主軸回転速度の高速化および高速切削用工具の開発により、高い切削速度、切削送りでの加工が可能となった。
こうした高能率加工を行う為には、主軸装置における工具ホルダの高い支持剛性が必要である。工具ホルダの支持剛性が低いと高速で切削した時に刃具のびびりが発生し、加工面の面粗度の悪化や工具寿命の低下を招くからである。
スピンドルスルークーラント方式の主軸装置は、前端部に工具ホルダが取付けられる中空状の主軸内に、工具ホルダをクランプする保持手段と、保持手段の後方に連結され軸芯に通孔が穿設されたドローバーと、ドローバーを工具ホルダのクランプ方向に付勢する付勢手段とを内蔵して構成され、工具ホルダへのクーラント供給は、ドローバー後方の通孔に挿通されたクーラント導入部材より行なわれ、工具ホルダとクーラント導入部材間にクーラント流路が形成される。そして、クーラント流路からクーラントが漏出しないようにシール部材が適宜配設され、これらシール部材は、できるだけ長期に亘って確実に機能することが求められている。
スピンドルスルークーラント方式の主軸装置は、クーラントの液圧がドローバーの軸芯に穿設されたクーラント流路の前方側壁面などにかかると、クーラントの液圧により、ドローバーに工具ホルダのアンクランプ方向力が生じ、その結果、付勢手段によって生じさせているドローバーのクランプ方向力が減ぜられ、工具ホルダの支持剛性が低下する。
従来、スピンドルスルークーラント方式の主軸装置において、工具ホルダの支持剛性の向上を図った工作機械の主軸装置として、特許文献1記載のものが知られている。
一方、シール部材としては、特許文献2記載のパッキンや、非特許文献1記載のリップパッキンが知られている。
特開2002−28806号公報 実開平5−14737号公報
「エコノモス シール製品案内」、エコノモス・ジャパン株式会社、P6〜7,P10,P16
特許文献1に記載の主軸装置は、ドローバーと主軸との間に形成したシリンダ室にクーラントの一部を供給して、アンクランプ方向力をクーラントの液圧により打消す方向の力を生じさせる打消力発生機構によって工具ホルダのクランプ力低下を抑制し、工具ホルダの支持剛性を高めるという、本願と同一出願人により出願された発明である。
この打消力発生機構のシリンダ室やドローバーなどの摺動箇所には、シール部材として弾性部材のOリングが使用されており、作動流体のクーラントがクーラント流路から漏れないようになっている。一般に、シリンダ室のような内圧を受ける摺動部にOリングを使用する場合は、Oリング線径の3倍以上のストロークが望ましいとされる。ところが、通常、主軸装置におけるドローバーのストロークは5mm程度と短く、クーラントの主成分が水のため、これらによりOリングと摺動部の潤滑性を悪下させている。また、クーラントは使用により劣化・腐敗するので、より潤滑性が低下する問題があり、さらにクーラント吐出圧の高圧化(7MPa以上)により、Oリングにかかる負荷が増加し、これらによりOリングの寿命が早まり、交換(メンテナンス)回数が増加するといった問題があった。
さらにクーラント中には、クーラントタンク内の濾過装置で除去しきれない微小な切粉やスラッジが含まれており、特許文献1記載の主軸装置では、これらによりOリングが傷つく問題があった。このようなコンタミ対策としては、一般的にOリングとバックアップリングの併用が考えられるが、上記のようにOリングと摺動部の潤滑性が悪いので、Oリングが捩れてバックアップリングで傷つけられるおそれがあった。これらの問題によりOリングの耐久性が低下し、主軸内からクーラント漏れを起こすおそれがあった。
一方、特許文献2記載のパッキンは、断面略T字状なので、上記Oリングの捩れは防止できるが、弾性部材(シール本体)が一般的なニトリルゴム(NBR)や樹脂であり、上記条件での使用には耐久性の面で問題があった。
本発明の課題は、従来技術における上記問題点を解決するもので、高能率加工が可能で、メンテナンス間隔が長い工作機の主軸装置を提供することにある。
本発明は上記課題を解決するために、前端部に工具ホルダのテーパ部が嵌合するテーパ孔を設けた中空状の主軸内に、軸方向後方へ摺動して工具ホルダを引込んでクランプする工具ホルダ引込機構を備え、その工具ホルダ引込機構は、クーラント供給路となる通孔を設けたドローバーの前端部に、クーラント供給路となる通孔を設けたコレットを連結し、そのコレットを工具ホルダのクランプ方向に付勢するドローバー付勢手段を備え、ドローバー後端部の通孔に挿通したクーラント導入部材を介して主軸駆動用モータの中空軸を連結し、その中空軸後端にクーラント供給手段を連結し、クーラント供給路を通して工具ホルダにクーラントを供給可能に構成すると共に、ドローバーの通孔を直交方向貫通するピン部材を嵌め込み、そのピン部材を介してドローバーをアンクランプ方向に押出すことで、ドローバー付勢手段に抗して工具ホルダのクランプを解除するクランプ解除機構を備える一方、前記ドローバー付勢手段と前記ピン部材との間にシリンダ室を形成し、そのシリンダ室にドローバーの通孔から工具ホルダに供給されるクーラントの一部を供給するように構成し、ドローバー付勢手段によって工具ホルダのクランプ方向に引き込まれている状態のドローバーに対して、クーラント供給路及び前記クランプ解除機構のピン部材にかかるクーラントの液圧により生じる工具ホルダのクランプ解除方向の力を、クーラントの液圧により打消す方向の力を生じさせる打消力発生機構を備えた工作機械の主軸装置において、前記工具ホルダ引込機構のコレットと、前記打消力発生機構のシリンダ室前後および前記ドローバー後端部の通孔に、リング状の基部の外周面に半円形の突部を突設させて成る弾性部材と2つのバックアップリングとから構成され、前記突部には常にバックアップリングを当接させているシール部材を配置し、ドローバーの移動によって突部に生じる捩れがバックアップリングにより防止され、主軸内からのクーラントの漏出を防ぐようにした。
これにより、主軸装置による工具ホルダの支持剛性が向上し、主軸内からクーラントの漏出を確実に防ぐことができるという作用効果を発揮する。
以上のように本発明によれば、主軸装置による工具ホルダの支持剛性が向上し、クーラント流路からクーラントの漏出を確実に防ぐことができるので、高能率加工が可能になる。
本発明の工作機の主軸装置を示した断面図である。(実施例1) 図1のA部拡大図である。 本発明の工作機の主軸装置に使用するシール部材の断面図である。 図3のB部およびC部拡大図である。 本発明の工作機の主軸装置に使用するシール部材(弾性部材)の断面図である。 工具ホルダ引込機構の断面図である。
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照して説明する。以下長手方向(主軸軸線方向)を前後方向とし、図1における左側を前方、右側を後方として説明する。尚、当該形態は、下記の例に限定されない。
図1に示す主軸装置S1は、前端部に工具ホルダ4のテーパ部が嵌合するテーパ孔8を設けた中空状の主軸5内に、軸方向後方へ摺動して工具ホルダ4を引込んでクランプする工具ホルダ引込機構1を備えている。
まず主軸5について説明する。主軸5は、主軸ヘッド6内に設けた複数の軸受7a,7bによって回動自在に支持され、主軸ヘッド6前方は主軸ヘッドカバー6aで塞がれている。主軸5は、テーパ孔8に連続するように前方に小径孔9aを備えた貫通孔9が穿設されており、貫通孔9の後方には、貫通孔9よりやや大きな中径孔9bと主軸5後方に開口した大径孔10,10aが連設されている。
テーパ孔8には工具ホルダ4が取付けられる。工具ホルダ4には、工具ホルダ4が保持する例えばドリルのような切削用工具にクーラントを供給可能なようにクーラント流路4aが穿設されている。
主軸5の前端部には、上記テーパ孔8に装着された工具ホルダ4のクーラント流路4aにクーラントを供給するための通孔11が穿設してある。その通孔11の主軸5後端側は、軸芯の貫通孔9の小径孔9a内側に向けて開口した主軸軸線CLと直交する方向の通孔12に連通しており、通孔11の主軸5前端側には、付勢部材として例示するバネ部材13により主軸5前端方向に付勢される連通部材14が主軸軸線CL方向に移動可能に嵌め込まれ、主軸5前端面に固定された固定部材14aによって先端方向へ抜け出さないようになっている。
そして、バネ部材13のバネ力で連通部材14の前端面を工具ホルダ4のフランジ部後面4bに圧着させて、工具ホルダ4のクーラント流路4aと主軸5の通孔11とを連通部材14を介して連通している。
主軸5内の貫通孔9には、主軸前端部の工具ホルダ4にクーラントを供給すると共に、主軸軸線CL方向後方に摺動して工具ホルダ4を引込んでクランプする工具ホルダ引込機構1が挿通されている。
次に工具ホルダ引込機構1の構成について説明する。
工具ホルダ引込機構1は、図6に示すように、クーラント供給路となる通孔16を設けたドローバー15の前端部に、クーラント供給路となる通孔20を設けたコレット18が連結されている。そして、そのコレット18を工具ホルダ4のクランプ方向(主軸軸線CL方向後方)に付勢するドローバー付勢手段として例示する多数の皿バネ22が備えられている。
主軸軸線CL方向前後に摺動自在なドローバー15の軸芯に穿設されている通孔16は、直径の異なる孔16a,16b,16cを連設して形成されている。通孔16bと通孔16cの間にはドローバー15を半径方向に貫通する通孔17が穿設され、通孔17の後方でドローバー15の後方に開口した通孔16cは、後方に向かって階段状に大径化しており、前後に雌ネジが設けられている。通孔16cには、後述するクーラント導入部材19が挿通されている。
ドローバー15の前部に形成された雄ネジ部15aには、主軸5内径に挿通されてドローバー15の移動により、工具ホルダ4の後端部に備えられたプルスタッド4cと係合するコレット18が連結されている。コレット18には半径方向に向けて開口したT字形状の通孔20が設けられており、通孔20の軸方向孔部20bがドローバー15の通孔16と連通している。
一方、ドローバー15の後部には、後述する付勢手段の皿バネ22が当接する当接部15bと、その当接部15bに連続して当接部15bより大径の大径部15cとが形成されている。そして、当接部15bの前端面とコレット18の後端面との間に、多数の皿バネ22が挿通されいる。この皿バネ22のバネ力により、主軸5に取付けられた工具ホルダ4が引き込まれてクランプされた状態となる。この時、通孔20の半径方向孔部20cが主軸5に穿設した通孔12と連通する前後位置にコレット18を配設することで、主軸5に穿設した通孔11とドローバー15に穿設した通孔16が連通し、主軸5前端部と工具ホルダ引込機構1との間にクーラント供給路Rが形成される。
また主軸装置S1は、ドローバー15後端部の通孔16cに挿通したクーラント導入部材19を介して主軸駆動用モータ2の中空軸2aが連結され、その中空軸2a後端にクーラント供給手段3が連結されている。そして、クーラント供給路Rを通して工具ホルダ4にクーラントを供給可能に構成されている。
そして、クーラント導入部材19の前方に、ドローバー15の通孔16を直交方向貫通するピン部材24が嵌め込まれている。そして、そのピン部材24を介してドローバー15をアンクランプ方向(主軸軸線CL方向前方)に押出すことで、皿バネ22に抗して工具ホルダ14のクランプを解除するクランプ解除機構23が備えられている。
クランプ解除機構23について説明する。
クランプ解除機構23は、ドローバー15に穿設された通孔17にピン部材24を挿通し、両端が主軸5の外周面から外方に突出したピン部材24を、主軸5外周面に沿って主軸軸線CL方向前後に摺動自在に取付けられた移動部材25に係合させ、その移動部材25を図示しない駆動装置により前方に揺動される揺動アーム26によって主軸軸線CL方向前方に移動させることで、ピン部材24を介してドローバー15を主軸軸線CL方向前方に押出すように構成されたもので、工具ホルダ4の交換を行う際に、ドローバー15を前方に押出す、すなわち工具ホルダ引込機構1を押出すことで、工具ホルダ4の後端部に備えられたプルスタッド4cとコレット18の係合を解除し、主軸5前端部に取付けられた工具ホルダ4のクランプ状態を解除するためのものである。
ドローバー15を貫通するピン部材24は、長手方向中央部に半径方向に貫通した通孔24aを備え、外径に開口する一方には通孔24aと同心の座ぐり孔24bが設けてある。ピン部材24は、ドローバー15の通孔16cの前部に螺合された、軸芯にピン部材24の通孔24aと同径寸法の通孔27aを備えた抜止部材27が、座ぐり孔24bに嵌着されることにより、ドローバー15から抜け止めされると共に、通孔24aをドローバー15の通孔16bと同位相に位置決めして、ドローバー15と抜止部材27との間にクーラント供給路Rが形成される。
クーラント供給手段3から供給されたクーラントは、モータ軸2aを通り、クーラント導入部材19に送られる。クーラント導入部材19は、工具ホルダ引込解除機構23によりドローバー15が主軸軸線CL方向前方に移動しても、クーラント導入部材19の先端側がドローバー15の通孔16c内から外れないようになっており、クーラント導入部材19の軸芯に穿設された通孔19aを介して、モータ軸2aと抜止部材27との間にクーラント供給路Rが形成され、結果クーラント供給手段3と主軸5前端部との間において、工具ホルダ4へのクーラント供給路Rが形成される。
主軸装置S1は図2に示すように、皿バネ22とピン部材24との間にシリンダ室35が形成されている。そして、そのシリンダ室35に、ドローバー15の通孔16からクーラント供給路Rを通して工具ホルダ4に供給されるクーラントの一部を供給するように構成されている。これにより、皿バネ22によって工具ホルダ4のクランプ方向に引き込まれている状態のドローバー15に対して、クーラント供給路及びクランプ解除機構23のピン部材24にかかるクーラントの液圧により生じる工具ホルダ4のクランプ解除方向の力を、クーラントの液圧により打消す方向の力を生じさせる打消力発生機構34が備えられている。
打消力発生機構34について説明する。
このクランプ力増力機構34は、主軸5後方に開口した大径孔10の内側を摺動するように、ドローバー15に設けた大径部15cをピストンとし、ドローバー15の当接部15bの外径と大径部15c前端面と主軸5の大径孔10の前端面との間に空間35を形成し、その空間35の前後に、当該形態ではドローバー4にシール部材32,33を設けることでシリンダ室35が形成され、そのシリンダ室35にクーラント供給路Rから工具ホルダ4に供給されるクーラントの一部を供給するように、ドローバー15に設けた連通路16dを連通させて構成されたものである。
従って、クーラント供給手段3から工具ホルダ4に供給されるクーラントの一部をシリンダ室35に供給すると、主軸ヘッド6に回動自在に支持された主軸5に対してドローバー15の大径部15c前端面が、クランプ方向(主軸軸線CL方向後方)に付勢されるようになっている。ピストンである大径部15c前端面の受圧面積は、クーラント供給路R内を通過するクーラントの液圧によって、クーラント供給路R内の各所(ここでは、流れが急速に変化する前方側壁面20aや工具ホルダ4を前方へ押出す作用をしている連通部材14、あるいは流れの邪魔になるクーラント導入部材19や抜止部材27の段差部、更には通孔16bから通孔16aに狭まる時の段差部)で発生するドローバー15に対する工具ホルダ4のアンクランプ方向(主軸軸線CL方向前方)への推力と拮抗して、それを打消す方向に、それより大きいクランプ方向への推力を生じるように設定されている。
次にシール部材30〜33について説明する。主軸装置S1はクーラント供給路R内のクーラントが漏出しないよう各部に断面非円形のシール部材30〜33が配設されている。
シール部材30〜33は、工具ホルダ引込機構1のコレット18と、クランプ力増力機構34のシリンダ室35の前後、および前記クーラント導入部材19がドローバー15後端部の通孔16c内に夫々配設されている。
ドローバー15の当接部15bの前端面と、コレット18の後端面と、主軸5の貫通孔9で形成される空間は、皿バネ22の収納部21になっており、コレット18には、通孔20の半径方向孔部20cの前後に、シール部材31が配設され、前方のテーパ孔8へのクーラントの漏出と、皿バネ22の収納部21へのクーラントの浸入を防止している。そして、クーラント導入部材19との摺動部のドローバー15の後方に開口した孔16cには、クーラント導入部材19に摺接するシール部材30が内装され、ドローバー15に螺合された蓋部材29により後方から塞がれている。また、シリンダ室35を形成するドローバー15の当接部15bの外径と大径部15cにもシール部材32,33が設けられ、シリンダ室35からクーラントの漏出を防止している。
シール部材31〜33は、図3,4に示すように、断面矩形の基部36aとその基部36aから突設される突部36bを備え、突部36bが断面半円形で全体がリング状に形成され、材質が水素化ニトリルゴム(HNBR)から成る弾性部材36と、突部36bの側部に設けたフッ素樹脂(PTFE)から成る断面矩形のバックアップリング37で構成され、軸の外径に装着して使用する軸用である。
図3,4の(a)に示すものは、弾性部材36と2本のバックアップリング37で構成されている。また、図3,4の(b)に示すものは、断面略L字状の弾性部材36と、径方向の厚みが異なるバックアップリング37とバックアップリング38で構成され、挿着を容易にしている。
一方、シール部材30は、内径に装着して使用する穴用で、突部36bが内側に突出している以外、構成はシール部材31〜33と同一であり、どちらを使用するかは、設置スペース等を考慮して適宜判断されるでき事項である。
シール部材30〜33は、上記のものの他に、図5に示すように、断面略C字状の弾性部材36で全体がリング状に形成され、材質がポリウレタンゴム(自己潤滑ポリウレタン)であるものでもよい。このシール部材は、上記のものより耐久性が高く、メンテナンス間隔をより長くできて好適である。また、旋削加工で製作可能なので、少量生産の時に好適である。尚、図5の(a)に示すものは穴用で、(b)に示すものは軸用である。
上記の構成により主軸装置S1は、ドローバー15の主軸軸線CL方向の前後移動により、主軸5前端部に取付けられた工具ホルダ4のクランプ・アンクランプを行なうと共に、工具ホルダ4が主軸5にクランプされた状態において、クーラント供給手段3から供給されたーラントが、主軸駆動用モータ2のモータ軸2aからドローバー15、コレット18、主軸5に至るクーラント供給路Rを通った後、工具ホルダ4に供給されるように構成されている。そして、工具ホルダ4にクーラントが供給されると、クーラントの液圧がクーラント供給路Rの前記各所に作用することで、ドローバー15に対して発生するアンクランプ方向(主軸軸線CL方向前方)に押出す力(工具ホルダ4のアンクランプ方向への推力)が、クーラントの一部をクランプ力増力機構34のシリンダ室35に供給することで生じるドローバー15のクランプ方向(主軸軸線CL方向後方)への推力で打消されるようになっている。
したがって主軸装置S1は、クーラント供給手段3から工具ホルダ4にクーラントが供給されても、工具ホルダ引込機構1のコレット18は皿バネ22のバネ力で工具ホルダ4を確実にクランプした状態を維持し、工具ホルダ4のクランプ力低下を抑制し、工具ホルダ4の支持剛性を高めることが可能である。
また、主軸装置の摺動部のシール部材に、従来のOリングに替えて断面非円形の弾性部材を使用することで、従来のOリングのように、水溶性のクーラントにおける潤滑性の悪状況下であっても摺動時の捩れが生じないため、バックアップリングによって傷つけられて起こる弾性部材の破損が防止できる。さらに弾性部材とバックアップリングを上記の材質のものにすることによって、クーラント吐出圧の高圧化や切粉・スラッジによってシール部材の耐久性が低下することを抑制することができるので、主軸内からのクーラントの漏出や、クーラントの侵入による皿バネの劣化を長期に亘って防ぐことができる。この結果、主軸装置の耐久性が向上し、メンテナンス間隔を拡大することができる。
S1 主軸装置(実施例1)
工具ホルダ引込機構
2 主軸駆動用モータ
3 クーラント供給手段
4 工具ホルダ
5 主軸
8 テーパ孔
15 ドローバー
16 通孔
16c 通孔
18 コレット
19 クーラント導入部材
20 通孔
22 皿バネ(ドローバー付勢手段)
23 クランプ解除機構
24 ピン部材
30 シール部材
31 シール部材
32 シール部材
33 シール部材
34 打消力発生機構
35 シリンダ室
36 弾性部材(シール部材)
36a 基部
36b 突部
37 バックアップリング
38 バックアップリング
R クーラント供給路

Claims (1)

  1. 前端部に工具ホルダのテーパ部が嵌合するテーパ孔を設けた中空状の主軸内に、軸方向後方へ摺動して工具ホルダを引込んでクランプする工具ホルダ引込機構を備え、その工具ホルダ引込機構は、クーラント供給路となる通孔を設けたドローバーの前端部に、クーラント供給路となる通孔を設けたコレットを連結し、そのコレットを工具ホルダのクランプ方向に付勢するドローバー付勢手段を備え、ドローバー後端部の通孔に挿通したクーラント導入部材を介して主軸駆動用モータの中空軸を連結し、その中空軸後端にクーラント供給手段を連結し、クーラント供給路を通して工具ホルダにクーラントを供給可能に構成すると共に、ドローバーの通孔を直交方向貫通するピン部材を嵌め込み、そのピン部材を介してドローバーをアンクランプ方向に押出すことで、ドローバー付勢手段に抗して工具ホルダのクランプを解除するクランプ解除機構を備える一方、
    前記ドローバー付勢手段と前記ピン部材との間にシリンダ室を形成し、そのシリンダ室にドローバーの通孔から工具ホルダに供給されるクーラントの一部を供給するように構成し、ドローバー付勢手段によって工具ホルダのクランプ方向に引き込まれている状態のドローバーに対して、クーラント供給路及び前記クランプ解除機構のピン部材にかかるクーラントの液圧により生じる工具ホルダのクランプ解除方向の力を、クーラントの液圧により打消す方向の力を生じさせる打消力発生機構を備えた工作機械の主軸装置において、
    前記工具ホルダ引込機構のコレットと、前記打消力発生機構のシリンダ室前後および前記ドローバー後端部の通孔に、リング状の基部の外周面に半円形の突部を突設させて成る弾性部材と2つのバックアップリングとから構成され、前記突部には常にバックアップリングを当接させているシール部材を配置し、ドローバーの移動によって突部に生じる捩れがバックアップリングにより防止され、主軸内からのクーラントの漏出を防ぐようにしたことを特徴とする工作機械の主軸装置。
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