JP5423216B2 - 工作機械におけるワーク支持装置 - Google Patents

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Description

本発明は、工作機械においてワークを支持するワーク支持装置に関する。
従来より、例えば円筒状のワークを研削する工作機械として、回転駆動する主軸を備えた主軸装置と、回転駆動しないが回転自在なセンタを備えた心押装置にてワークを両端から支持し、主軸とワークの端部とを駆動金具にて接続し、駆動金具と主軸とを一体的に回転させてワークを回転させる工作機械が知られている。
また、駆動金具を用いることができないワークを研削する工作機械として、同期回転する一対の支持装置にてワークを両端から加圧して支持し、駆動金具を用いずにワークを回転させる工作機械も知られている。この場合、支持装置のそれぞれは、工作機械の基台に載置された主軸台と、主軸台上でワークの長手方向に往復移動可能な主軸とで構成されている。
例えば特許文献1に記載された従来技術には、工作機械のベッドに載置された同期回転する一対のワーク支持駆動装置にてワークを支持して加工を行う研削盤が開示されている。ワーク支持駆動装置のそれぞれは、ベッドに載置された左主軸台と右主軸台のそれぞれに、ワークの長さに応じてワークの長手方向に往復移動可能な左主軸と右主軸のそれぞれが設けられており、左主軸と右主軸のそれぞれが同期して回転可能となるように構成されている。
また特許文献2及び3に記載された従来技術には、ワークを支持する一対の支持装置の一方が回転駆動する主軸であり、他方は回転駆動しないが回転自在なセンタを備えた心押軸で構成された工作機械において、心押軸の軸心位置を調整可能な構造が開示されている。なお心押軸は、ワークの長さに応じて支持装置の間隔を調整可能な、いわゆるラム式の構造を有している。
特開2004−358589号公報 特開平06−047604号公報 特開平11−019806号公報
特許文献1に記載された従来技術のように、同期回転する一対の支持装置を備えた工作機械は、双方の支持装置に、ワークの長さに応じて主軸の間隔を調整するための駆動モータと駆動機構、及び主軸を同期回転させる駆動モータと駆動機構を備えるので、一対の支持装置が大型化し、工作機械が大型化する。また、主軸の間隔を調整可能とするために主軸台にはリニアガイド(リニアローラガイド)が設けられており、リニアガイドに沿って主軸が移動可能となるように構成されている。しかし、リニアガイドも可動体と固定体との間隙に微細な誤差を有しており、高精度が要求される工作機械では、リニアガイドの誤差を低減させて加工精度を向上させるために、バーガイドやボールスプライン等の誤差低減用の補助機構がリニアガイドに沿って設けられており、更に支持装置が大型化している。
ここで、比較的小型であるが駆動金具を用いることができないワークを加工する場合、上記の同期回転式の工作機械を用いなければならないが、小型のワークに対して大型の工作機械を導入しなければならないため、コストパフォーマンスが良くない。
また、特許文献1に記載された一対の支持装置の双方が回転駆動する主軸では、特許文献2及び3に記載されているような、回転軸の軸心位置を調整する機構が設けられていない。なお、ラム式の構造の場合、ラムの可動範囲の空間を確保するために比較的広いスペースを必要としており、心押装置が大型化し、工作機械が大型化する。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、加工精度を低下させることなく工作機械をより小型化することが可能となる、工作機械におけるワーク支持装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段として、本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりの工作機械のワーク支持装置である。
請求項1に記載の工作機械のワーク支持装置は、ワークの両端または両端近傍のそれぞれを支持手段にて支持するとともに支持個所の中心をとおる基準軸回りにワークを回転可能な、工作機械におけるワーク支持装置である。
前記ワーク支持装置は一対で設けられており、前記ワーク支持装置の少なくとも一方は、複数のガイドに沿って前記基準軸方向に往復移動可能であり、前記複数のガイドは、前記基準軸に平行であるとともに互いに直交するように設けられている2つの面のそれぞれに、前記基準軸方向に沿って設けられている。
そして、ワークを加工する工具とワークとの接触点から前記基準軸に下ろした垂線の延長上に、前記複数のガイドの少なくとも1つが配置されており、前記基準軸から前記接触点の接線方向に向かう先に、前記複数のガイドの少なくとも1つが配置されている。
また、本発明の第2発明は、請求項2に記載されたとおりの工作機械のワーク支持装置である。
請求項2に記載の工作機械のワーク支持装置は、請求項1に記載の工作機械におけるワーク支持装置であって、前記ワーク支持装置の少なくとも一方における前記支持手段は、ワークの一方の端部を支持するための円錐状のセンタ部材であり、前記センタ部材の先端をとおるセンタ回転軸は、前記基準軸に対して偏心した位置に設定されている。
そして、一方の前記ワーク支持装置における前記センタ部材と、他方の前記ワーク支持装置における前記支持手段と、でワークを支持して回転させることが可能であり、前記基準軸に対して偏心した位置となるセンタ回転軸の位置を、前記基準軸の周方向に沿って調整可能な偏心位置調整手段を備えている。
また、本発明の第3発明は、請求項3に記載されたとおりの工作機械のワーク支持装置である。
請求項3に記載の工作機械のワーク支持装置は、請求項2に記載の工作機械におけるワーク支持装置であって、前記センタ回転軸回りに前記センタ部材を回転させる駆動手段を備え、前記駆動手段の回転軸は、前記センタ回転軸に対して偏心した位置に設定されている。
そして、前記駆動手段と前記センタ部材とが、偏心している軸心に回転動力を伝達可能な軸方向変換機構を介して接続されている。
また、本発明の第4発明は、請求項4に記載されたとおりの工作機械のワーク支持装置である。
請求項4に記載の工作機械のワーク支持装置は、任意の形状のワークが固定され、当該ワークを加工する工具に対して相対的に移動可能な、工作機械におけるワーク支持装置である。
前記ワーク支持装置は、複数のガイドに沿って、少なくとも前記工具がワークに切込む方向である工具切込方向に直交する方向に、前記工具に対して相対的に移動可能であり、前記複数のガイドは、前記工作機械において前記工具切込方向に直交する線である切込方向直交線に平行であるとともに互いに直交するように設けられている2つの面のそれぞれに、前記切込方向直交線の方向に沿って設けられている。
そして、ワークを加工する工具とワークとの接触点から、前記接触点を通る前記工具切込方向に直交する前記切込方向直交線に下ろした垂線の延長上に、前記複数のガイドの少なくとも1つが配置されている。
請求項1に記載の工作機械のワーク支持装置によれば、図4(B)に示す従来のワーク支持装置では、垂直面MVのみに主軸LS(またはRS)を案内するリニアガイドLGが設けられているが、図4(A)に示す本願では、直角に設定された2面(この場合、垂直面MVと水平面MH)の双方に主軸LS(またはRS)を案内するリニアガイドLGが設けられている。
なお図4(C)に示すように、例えばリニアガイドLGの単体の誤差は、誤差ΔEaが約5[μm]、誤差ΔEbが約5[μm]である。ここでリニアガイドLGを、図4(B)に示す従来のように取付けた場合、Z軸方向にΔEa分の誤差(この場合、約5[μm])を有する。この誤差を更に小さくするには、水平面MH(または垂直面MV)にボールスプライン等の補助機構ESを追加する必要があり、工作機械が大型化している。
しかし、図4(A)に示す本願のように直交するように設定された2面のそれぞれにリニアガイドLGを取付けた場合、直交する2面(この場合、水平面MHと垂直面MV)が理想状態に対して微細な誤差を有しているため、リニアガイドLGの相互干渉によって誤差が自動的に修正される。このため、実際にはZ軸方向の誤差、及びY軸方向の誤差が低減される。これにより、ボールスプライン等の補助機構ESを追加する必要がないので、加工精度を低下させることなく、支持装置をより小型化することができる。
また、請求項2に記載の工作機械のワーク支持装置によれば、図5(A)及び(B)に示すように基準軸STZに対して偏心しているセンタ回転軸HZの位置を調整できるので便利である。
また、請求項3に記載の工作機械のワーク支持装置によれば、駆動手段の回転軸とセンタ部材の回転軸とが偏心した位置であっても、駆動手段の回転動力を適切にセンタ部材に伝達することができる。
また、請求項1に記載の工作機械のワーク支持装置によれば、砥石等の工具をワークに押付けて加工しても、押付け力をガイドで適切に受け止めることが可能であり、ワーク支持装置の剛性をより向上させることができる。
また、請求項4に記載の工作機械のワーク支持装置によれば、円筒状のワークを回転させながら円筒状の砥石を用いてワークを研削していく研削盤の他にも、エンドミル等を用いてワークテーブルに保持したワークとエンドミルとを相対的に移動させて加工を行う工作機械等(例えばマシニングセンタ)にも適用することができる。
本発明の工作機械におけるワーク支持装置(主軸装置L、R)を備えた工作機械1の一実施の形態の平面図(A)と側面図(B)の例を説明する図である。 (左)主軸装置L(ワーク支持装置)の構成の例を説明する図である。 (右)主軸装置R(ワーク支持装置)の構成の例を説明する図である。 主軸装置L、R(ワーク支持装置)におけるリニアガイドLGの取付け位置を説明する図である。 基準軸STZに対して偏心させたセンタ回転軸HZの位置を調節する方法等を説明する図である。
以下に本発明を実施するための形態を図面を用いて説明する。図1(A)は、本発明の工作機械におけるワーク支持装置(主軸装置L、R)を備えた工作機械1の平面図の例を示しており、図1(B)は前記工作機械1の右側面図の例を示している。なお、図1(B)では(右)主軸装置R(ワーク支持装置)等の記載を省略している。
また、X軸、Y軸、Z軸が記載されている全ての図面において、X軸とY軸とZ軸は互いに直交しており、Y軸は鉛直上方を示している。また、X軸とZ軸は水平方向を示しており、Z軸は工具TがワークWに切込む方向を示している。
●[工作機械1の全体構成(図1)]
図1(A)及び(B)に示すように、工作機械1は、基準軸STZ(この場合、(左)主軸装置Lのセンタ部材LCをとおるX軸方向の軸)回りに回転している略円筒状のワークWに対して、基準軸STZに平行な砥石回転軸TZ回りに回転している略円筒形状の砥石Tを相対的に移動させてワークWを研削する。なお、各可動体の位置等を検出して各駆動モータに制御信号を出力する制御手段(NC制御装置等)については、図示を省略する。
ワークWは、円錐形状のセンタ部材LC(支持手段に相当)を備えた(左)主軸装置L(ワーク支持装置に相当)と、円錐形状のセンタ部材RC(支持手段に相当)を備えた(右)主軸装置R(ワーク支持装置に相当)に両端(または両端近傍)が支持されている。なお本願では一対の支持手段としてセンタ部材を用いた例で説明するが、少なくとも一方の支持手段がチャックであってもよい。またチャックの場合、基準軸STZはチャックによるワークWの支持個所の中心をとおる。
なお、本実施の形態では加工工具として砥石Tの例を示したが、バイト等の刃具を用いてもよく、加工工具は特に限定されるものではない。
(左)主軸装置Lは、基台BSに載置された(左)主軸台LDと、(左)主軸台LDに対してX軸方向に往復移動可能な(左)主軸ハウジングLHと、(左)主軸ハウジングLH内で基準軸STZ回りに回転可能に支持された(左)主軸LSとを備えている。また、(左)主軸LSの一端にはセンタ部材LCが設けられている。
(左)主軸LSには駆動モータMLRが設けられており、制御手段は、センタ部材LCの先端をとおる基準軸STZ回りに(左)主軸LSを、任意の角速度で任意の角度まで回転させることができる。
なお、(右)主軸台RDを備えた(右)主軸装置Rも同様であり、(右)主軸装置Rについては説明を省略する。
制御手段は、(左)主軸LSと(右)主軸RSを同期させて回転させることができる。
また、基台BSには、X軸駆動モータMXにて制御されるボールねじNXの回転角度に応じて、案内手段GXに沿ってX軸方向の任意の位置に位置決めされる砥石スライドテーブル40が載置されている。制御手段はエンコーダ等の位置検出手段EXからの信号を検出しながらX軸駆動モータMXに制御信号を出力する。
砥石スライドテーブル40には、Z軸駆動モータMZにて制御されるボールねじNZの回転角度に応じて、案内手段GZに沿ってZ軸方向の任意の位置に位置決めされる砥石進退テーブル41が載置されている。制御手段はエンコーダ等の位置検出手段EZからの信号を検出しながらZ軸駆動モータMZに制御信号を出力する。
砥石進退テーブル41には、砥石Tへの回転動力を発生させる砥石駆動モータMTが固定されている。
砥石駆動モータMTは駆動プーリ21に接続され、駆動プーリ21はベルト22を介して従動プーリ24に回転動力を伝達する。また従動プーリ24は砥石回転軸TZ回りに回転可能に支持された砥石軸部材12に接続されており、砥石軸部材12には略円筒状の砥石Tが接続されている。またベルト22の近傍には、ベルト22の張力を調整するテンションプーリ23が設けられている。なお、テンションプーリ23は省略してもよい。
なお、図1(B)に示すように、砥石回転軸TZと基準軸STZは平行であり、砥石回転軸TZと基準軸STZは仮想平面MF上に位置している。この状態で砥石TをワークWに対して相対的に近づけていき、ワークWと砥石Tとが接触した位置における砥石Tの側の点を砥石研削点TPとすると、砥石研削点TPも仮想平面MF上に位置している。
●[(左)主軸装置Lと(右)主軸装置Rの構成(図2、図3)]
次に図2(A)及び(B)を用いて(左)主軸装置L(ワーク支持装置に相当)の構成と外観を説明し、図3(A)及び(B)を用いて(右)主軸装置R(ワーク支持装置に相当)の構成と外観を説明する。
図2(A)は(左)主軸装置Lの平面図を示しており、図2(B)は(左)主軸装置Lの左側面図の例を示している。なお、図2(B)では駆動モータMLRの記載を省略している。
(左)主軸台LDは基台BSに固定されており、(左)主軸台LDには(左)主軸ハウジングLHをX軸方向に往復移動させるスライド用モータMLSが固定されている。
スライド用モータMLSは、図示しない制御手段からの制御信号に基づいて送りねじLNを回転させ、送りねじLNに係合されたナットのX軸方向の位置を移動させる。そしてナットに接続された連結部材LAを介して、連結部材LAに接続された(左)主軸ハウジングLHのX軸方向の位置を位置決めする。
(左)主軸ハウジングLHは、基台BSに固定された(左)主軸台LDに設けられたリニアガイドLG(ガイドに相当)に沿ってX軸方向に往復移動可能である。なお、リニアガイドLGの取付け位置については後述する。
また、(左)主軸ハウジングLH内には基準軸STZ回りに回転可能に支持された(左)主軸LSが収容され、(左)主軸LSの先端にはセンタ部材LCが設けられており、基準軸STZはセンタ部材LCの先端を通る。また、(左)主軸ハウジングLHには(左)主軸LSを回転させる駆動モータMLRが設けられている。
次に、図3(A)及び(B)を用いて(右)主軸装置Rについて説明する。図3(A)は(右)主軸装置Rの平面図を示しており、図3(B)は(右)主軸装置Rの右側面図の例を示している。なお、図3(B)では駆動モータMRRの記載を省略している。
(右)主軸装置Rの構成と外観は、すでに説明した(左)主軸装置Lと同様であり、(左)主軸装置Lと対称的な構成及び外観であるが、以下の点において(左)主軸装置Lとは異なる構成を有している。
(右)主軸装置Rのセンタ部材RCの回転軸であるセンタ回転軸HZは、基準軸STZから偏心した位置に設定されている。これにより、センタ部材LCとセンタ部材RCとで挟持したワークWを、X軸方向(基準軸STZに平行な方向)に対して微細な角度で傾斜させて挟持することになり(図5(A)及び(B)参照)、ワークWに微細なテーパ形状を形成することが容易となる。
また(右)主軸装置Rには、基準軸STZに対して偏心した位置に設定されているセンタ回転軸HZの位置を調整可能な、調整ダイヤルATと、ギアAGと、ギアRHGを有する調整部材AB等にて構成される偏心位置調整手段が設けられている。
なお、センタ回転軸HZの偏心位置の調整については後述する。
●[リニアガイドLGの取付け位置(図4)]
次に図4(A)〜(C)を用いて、(左)(または右)主軸ハウジングLH(またはRH)をX軸方向に案内するリニアガイドLGの取付け位置について説明する。
図4(A)は本実施の形態におけるリニアガイドLGの取付け位置を示す図であり、図4(B)は従来のリニアガイドLGの取付け位置を示す図であり、図4(C)は、リニアガイドLGの誤差を説明する図である。
図4(C)に示すようにリニアガイドLGはガイドLG2に沿って可動体LG1が往復移動可能に構成されており、ガイドLG2と可動体LG1の間には微細な隙間がある。この隙間が誤差となり、一般的なリニアガイドLGは、単体で誤差ΔEa、誤差ΔEbを有しており、どちらも約5[μm]程度である。
図4(B)に示す従来の主軸装置では、主軸台LD(またはRD)の垂直面MVにX軸方向に沿って複数のリニアガイドLGが取付けられており、リニアガイドLGに主軸ハウジングLH(またはRH)が取付けられている。またボールスプラインESが垂直面MVに、且つ2つのリニアガイドLGの間の位置にX軸方向に沿って取付けられており、主軸ハウジングLH(またはRH)はボールスプラインESにも取付けられている。
同一の面に複数のリニアガイドLGを理想に近い平行状態で取付けることは比較的容易であり、この場合、リニアガイドLGの単体の誤差がそのまま主軸ハウジングLH(またはRH)に反映され、ボールスプラインESを追加しない場合、主軸ハウジングLH(またはRH)のZ軸方向、及びY軸方向の誤差(がたつき等)は、どちらも約5[μm]程度となる。この誤差を低減するためにはボールスプラインES等の補助機構を追加することで、Z軸方向、Y軸方向の誤差を、どちらも約1〜3[μm]程度に低減することができる。
しかし、ボールスプラインES等の追加により、主軸装置が大型化し、工作機械が大型化している。
これに対して本願では図4(A)に示すように、基台BSに固定された主軸台LD(またはRD)において、基準軸STZに平行であるとともに互いに直交するように設けられている2つの面(この場合、水平面MHと垂直面MV)のそれぞれにリニアガイドLGが取付けられており、リニアガイドLGに主軸ハウジング(またはRH)が取付けられている。
図4(B)に示すように同一面に複数のリニアガイドLG、及びボールスプラインESを平行に取付ける場合は、ほぼ理想に近い平行状態にリニアガイドLG及びボールスプラインESを取付けることができる。
しかし、直交する異なる面のそれぞれにリニアガイドLGを取付ける場合、それぞれの面に、互いに平行となるようにリニアガイドLGを取付けても、直交面そのものが理想状態に対して誤差を有している。本願ではこの誤差を利用し、リニアガイドLGの相互干渉による誤差修正を行っている。リニアガイドLGを従来と同様の方法・手順にて取付けても、直交面そのものが誤差を有しているので、理想に近い平行状態で取付けることはできないが、リニアガイドLGの相互干渉によってリニアガイドLG自体のがたつきが低減される。
発明者は、図4(C)に示す誤差ΔEa、誤差ΔEbがどちらも約5[μm]のリニアガイドLGを、図4(A)に示すように互いに直交する面に取付けた結果、Z軸方向の誤差が約2[μm]程度に低減され、Y軸方向の誤差が約2[μm]程度に低減されたことを確認した。
なお、水平面MHに対する垂直面MVの誤差は、リニアガイドLGの単体の誤差ΔEa、ΔEbよりも小さいことが好ましい。
この構成により、ボールスプラインES等の補助機構を追加する必要がなくなり、主軸装置L(またはR)をより小型化することが可能となり、工作機械1をより小型化することができる。
また図4(A)において、(力)Ftは、加工の際に工具TからワークWに加えられる押付け力であり、(力)Fkは、時計回りと反対方向に回転しているワークWと時計回り方向に回転する砥石を接触させた場合にワークWの接触点に加えられる回転抵抗力である。そして押付け力Ftと回転抵抗力Fkとの合成力が力Fgである。
図4(A)に示すように、工具TでワークWを加工する際のワークWと工具Tとの接触点におけるワークWの側の接触点WPから基準軸STZに下ろした垂線の延長上に少なくとも1つのリニアガイドLGを設けておくと、加工の際に押付けられる工具Tの押付け力Ftを適切に受けることができるので剛性が増加し、より好ましい。また、回転抵抗力Fkを適切に受けるために、基準軸STZから、接触点WPの接線方向に向かう先に少なくとも1つのリニアガイドLGを設けておくことが好ましい。
●[偏心させたセンタ回転軸HZの位置と、センタ回転軸HZの位置の調整(図5)]
次に図5(A)〜(C)を用いて、(右)主軸装置Rにおいて、基準軸STZに対して偏心した位置となるセンタ回転軸HZの位置と、当該センタ回転軸HZの位置の調整について説明する。
図5(A)及び(B)の各々の左図は、図3(B)から(右)主軸ハウジングRHと、偏心位置調整手段(ギアRHGを備えた調整部材ABと、調整ダイヤルATと、ギアAG等)を抽出した図である。また図5(A)及び(B)の各々の右図は、左図の状態における、センタ部材LC、センタ部材RC、センタ部材LCとRCに挟持されたワークW、砥石Tの位置を示す平面図を示している。
ここで、(左)主軸装置Lのセンタ部材LCの先端は基準軸STZをとおり、(右)主軸装置Rのセンタ部材RCの先端はセンタ回転軸HZをとおるように設定されている。
図5(A)に示すように、センタ部材RCはセンタ回転軸HZ回りに回転するように構成されており、センタ回転軸HZは基準軸STZに対して偏心した位置に設定されている。ギアRHGが回転すると、(右)主軸ハウジングRH内の(右)主軸RSの位置が微調整され、基準軸STZに対するセンタ回転軸HZの位置が調整可能となるように構成されている。なお、この構造は従来と同様であるので詳細については省略する。
(右)主軸ハウジングRHに設けられた調整部材ABには、ギアAG(ウォームギア等)と嵌合するギアRHGが周方向に設けられている。作業者が調整ダイヤルATを回すとギアAGが回転し、図5(B)に示すように、ギアAGと嵌合しているギアRHGが回転し、(右)主軸台RDに対する(右)主軸ハウジングRH内の(右)主軸RSの位置が微調整され、センタ回転軸HZの位置が調整される。
この構成により、図5(A)におけるテーパ角(Δθ1)や、図5(B)におけるテーパ角(−Δθ2)に示すように、ワークWに微細な角度のテーパ形状を形成することができる。
ここで、基準軸STZに対するセンタ回転軸HZの位置は偏心しているので、(右)主軸RSに回転動力を伝達する駆動モータMRR(駆動手段に相当)の回転軸が基準軸STZに固定されていると、センタ回転軸HZ回りに回転する(右)主軸RS及びセンタ部材RCに直接的に接続できない(軸心がずれているため)。そこで、図5(C)に示すように、オルダム継手TA〜TC(軸方向変換機構に相当)を用いて、駆動モータMRRの回転動力を(右)主軸RS及びセンタ部材RCに伝達する。なお、オルダム継手TA〜TCの代わりに既存の等速ジョイント等を用いてもよい。
以上、本実施の形態にて説明した(左)主軸装置L、(右)主軸装置Rは、互いに直交する2面のそれぞれにリニアガイドLGを備え、ボールスプライン等の誤差低減用の補助機構を備えることなく、従来と同等の精度を確保することができるので小型化が可能であり、工作機械1を小型化することが可能である。
また、軸方向変換機構を備えることで、回転駆動する主軸を備えた(右)主軸装置Rであっても、センタ回転軸HZを基準軸STZから偏心した位置に設定及び調整することが可能である。
本発明の工作機械におけるワーク支持装置(L、R)は、本実施の形態で説明した外観、構成、構造、形状等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。また工作機械1も、本実施の形態にて説明した外観、構成、構造、形状等に限定されるものではない。
また、本実施の形態の説明に用いた数値は一例であり、この数値に限定されるものではない。
本実施の形態にて説明した工作機械におけるワーク支持装置は、クランクやカムシャフト等、種々のワークの加工に用いることができる。
また、センタ部材には、回転可能ないわゆるライブセンタと、回転不可能に固定されたいわゆるデッドセンタと、が知られているが、どちらのタイプのセンタ部材を用いてもよく、デッドセンタ式の主軸台や心押台に対しても本実施の形態にて説明した工作機械におけるワーク支持装置を適用することが可能である。ただし、図5(C)を用いて説明した軸方向変換機構を接続されたセンタ部材はライブセンタである。
本実施の形態では、円筒研削盤のワーク支持装置を例として説明したが、エンドミル等を用いてワークテーブルに保持したワークとエンドミルとを相対的に移動させて加工を行う工作機械(例えばマシニングセンタ)等にも適用することができる。この場合、ワーク支持装置には任意の形状のワークが固定され、ワーク支持装置は工具に対して相対的に移動可能となるように構成される。そしてワーク支持装置は、複数のガイドに沿って、少なくとも工具がワークに切込む方向である工具切込み方向に直交する方向に移動可能な構成を有する。そして前記複数のガイドは、工具切込み方向に直交する線である切込方向直交線に平行であるとともに互いに直交するように設けられた2つの面のそれぞれに、切込方向直交線の方向に沿って設けられている。
1 工作機械
40 砥石スライドテーブル
41 砥石進退テーブル
AB 調整部材(偏心位置調整手段)
AT 調整ダイヤル(偏心位置調整手段)
BS 基台
HZ センタ回転軸
MLR、MRR 駆動モータ
MX X軸駆動モータ
MZ Z軸駆動モータ
LG リニアガイド(ガイド)
L、R 主軸装置(ワーク支持装置)
LD、RD 主軸台
LH、RH 主軸ハウジング
LS、RS 主軸
LC、RC センタ部材(支持手段)
STZ 基準軸
TA、TB、TC オルダム継手(軸方向変換機構)
T 砥石(工具)
TZ 砥石回転軸
W ワーク

Claims (4)

  1. ワークの両端または両端近傍のそれぞれを支持手段にて支持するとともに支持個所の中心をとおる基準軸回りにワークを回転可能な、工作機械におけるワーク支持装置において、
    前記ワーク支持装置は一対で設けられており、前記ワーク支持装置の少なくとも一方は、複数のガイドに沿って前記基準軸方向に往復移動可能であり、
    前記複数のガイドは、前記基準軸に平行であるとともに互いに直交するように設けられている2つの面のそれぞれに、前記基準軸方向に沿って設けられており、
    ワークを加工する工具とワークとの接触点から前記基準軸に下ろした垂線の延長上に、前記複数のガイドの少なくとも1つが配置されており、
    前記基準軸から前記接触点の接線方向に向かう先に、前記複数のガイドの少なくとも1つが配置されている、
    工作機械におけるワーク支持装置。
  2. 請求項1に記載の工作機械におけるワーク支持装置であって、
    前記ワーク支持装置の少なくとも一方における前記支持手段は、ワークの一方の端部を支持するための円錐状のセンタ部材であり、前記センタ部材の先端をとおるセンタ回転軸は、前記基準軸に対して偏心した位置に設定されており、
    一方の前記ワーク支持装置における前記センタ部材と、他方の前記ワーク支持装置における前記支持手段と、でワークを支持して回転させることが可能であり、
    前記基準軸に対して偏心した位置となるセンタ回転軸の位置を、前記基準軸の周方向に沿って調整可能な偏心位置調整手段を備えている、
    工作機械におけるワーク支持装置。
  3. 請求項2に記載の工作機械におけるワーク支持装置であって、
    前記センタ回転軸回りに前記センタ部材を回転させる駆動手段を備え、
    前記駆動手段の回転軸は、前記センタ回転軸に対して偏心した位置に設定されており、
    前記駆動手段と前記センタ部材とが、偏心している軸心に回転動力を伝達可能な軸方向変換機構を介して接続されている、
    工作機械におけるワーク支持装置。
  4. 任意の形状のワークが固定され、当該ワークを加工する工具に対して相対的に移動可能な、工作機械におけるワーク支持装置において、
    前記ワーク支持装置は、複数のガイドに沿って、少なくとも前記工具がワークに切込む方向である工具切込方向に直交する方向に、前記工具に対して相対的に移動可能であり、
    前記複数のガイドは、前記工作機械において前記工具切込方向に直交する線である切込方向直交線に平行であるとともに互いに直交するように設けられている2つの面のそれぞれに、前記切込方向直交線の方向に沿って設けられており、
    ワークを加工する工具とワークとの接触点から、前記接触点を通る前記工具切込方向に直交する前記切込方向直交線に下ろした垂線の延長上に、前記複数のガイドの少なくとも1つが配置されている、
    工作機械におけるワーク支持装置。
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