以下、図面に基づいて、本発明の空気調和装置および冷媒量判定方法の一実施形態が採用された例について、実施形態毎に分けつつ説明する。
<1>第1実施形態
<1.1>空気調和装置の構成
図1は、本発明の第1実施形態にかかる空気調和装置1の概略構成図である。
空気調和装置1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクル運転を行うことによって、ビル等の室内の冷暖房に使用される装置である。
空気調和装置1は、主として、1台の熱源ユニットとしての室外ユニット2と、それに接続された2台の利用ユニットとしての室内ユニット4と、室外ユニット2と室内ユニット4とを接続する冷媒連絡管としての液冷媒連絡管6およびガス冷媒連絡管7とを備えている。すなわち、本実施形態の空気調和装置1の蒸気圧縮式の冷媒回路10は、室外ユニット2、室内ユニット4、液冷媒連絡管6、および、ガス冷媒連絡管7が接続されることによって構成されている。
(室内ユニット)
室内ユニット4は、ビル等の室内の天井に埋め込みや吊り下げ等により、または、室内の壁面に壁掛け等により設置されている。室内ユニット4は、冷媒回路10の一部を構成しており、液冷媒連絡管6およびガス冷媒連絡管7を介して室外ユニット2に接続されている。
次に、室内ユニット4の構成について説明する。
室内ユニット4は、主として、冷媒回路10の一部を構成する室内側冷媒回路10aを有している。この室内側冷媒回路10aは、主として、利用側膨張機構としての室内膨張弁41、利用側熱交換器としての室内熱交換器42、および、室内膨張弁41と室内熱交換器42とを接続する室内機内接続配管4bを有している。
本実施形態において、室内膨張弁41は、室内側冷媒回路10a内を流れる冷媒の流量の調節等を行うために、室内熱交換器42の液側に接続された電動膨張弁であり、冷媒の通過を遮断することも可能である。
本実施形態において、室内熱交換器42は、伝熱管と多数のフィンとにより構成されたクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であり、冷房運転時には、冷媒の蒸発器として機能して室内空気を冷却し、暖房運転時には、冷媒の凝縮器として機能して室内空気を加熱する熱交換器である。
本実施形態において、室内ユニット4は、ユニット内に室内空気を吸入して、室内熱交換器42において冷媒と熱交換させた後に、供給空気として室内に供給するための送風ファンとしての室内ファン43を有している。室内ファン43は、室内熱交換器42に供給する空気の風量を可変することが可能なファンである。この室内ファン43は、DCファンモータ等からなるモータ43mによって駆動される遠心ファンや多翼ファン等である。
また、室内ユニット4には、各種のセンサが設けられている。室内熱交換器42の液側には、冷媒の温度(すなわち、暖房運転時における凝縮温度または冷房運転時における蒸発温度に対応する冷媒温度)を検出する液側温度センサ44が設けられている。室内熱交換器42のガス側には、冷媒の温度を検出するガス側温度センサ45が設けられている。室内ユニット4の室内空気の吸入口側には、ユニット内に流入する室内空気の温度(すなわち、室内温度)を検出する室内温度センサ46が設けられている。液側温度センサ44、ガス側温度センサ45、および、室内温度センサ46は、サーミスタからなる。
また、室内ユニット4は、図2に示すように、室内ユニット4を構成する各部の動作を制御する室内側制御部47を有している。そして、室内側制御部47は、室内ユニット4の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリ19等を有している。これらのマイクロコンピュータやメモリ19等は、室内ユニット4を個別に操作するためのリモコン(図示せず)との間で制御信号等のやりとりを行ったり、室外ユニット2との間で伝送線(図示せず)を介して制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
(室外ユニット)
室外ユニット2は、ビル等の室外に設置され、室内ユニット4の間で冷媒回路10を構成しており、液冷媒連絡管6およびガス冷媒連絡管7を介して室内ユニット4に接続されている。
次に、室外ユニット2の構成について説明する。
室外ユニット2は、主として、冷媒回路10の一部を構成する室外側冷媒回路10cを有している。この室外側冷媒回路10cは、主として、圧縮機21、四路切換弁22、四路切換弁22と圧縮機21とを接続する室外機内接続配管8と、熱源側熱交換器としての室外熱交換器23、液面検知センサ39、各種のセンサ、および、室外側制御部37を有している。
圧縮機21は、運転容量を可変することが可能な圧縮機である。この圧縮機21は、モータ21mによって駆動される容積式圧縮機である。このモータ21mの回転数は、インバータにより制御される。
四路切換弁22は、冷房運転時と暖房運転時とで、冷媒の流れの方向を切り換えるための弁である。冷房運転時には、四路切換弁22は、圧縮機21の吐出側と室外熱交換器23のガス側とを接続するとともに圧縮機21の吸入側とガス冷媒連絡管7側とを接続する(図1の四路切換弁22の実線を参照)。これにより、冷房運転時には、室外熱交換器23を圧縮機21によって圧縮される冷媒の凝縮器として機能させ、かつ、室内熱交換器42を室外熱交換器23において凝縮される冷媒の蒸発器として機能させることができる。また、暖房運転時には、四路切換弁22は、圧縮機21の吐出側とガス冷媒連絡管7側とを接続するとともに圧縮機21の吸入側と室外熱交換器23のガス側とを接続する(図1の四路切換弁22の破線を参照)。これにより、暖房運転時には、室内熱交換器42を圧縮機21によって圧縮される冷媒の凝縮器として、かつ、室外熱交換器23を室内熱交換器42において凝縮される冷媒の蒸発器として機能させることができる。
室外熱交換器23は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であり、室外熱交換器23の概略図である図3に示されるように、主として、伝熱管と多数のフィンとから構成される熱交換器本体23a、熱交換器本体23aのガス側に接続されるヘッダ23b、および、熱交換器本体23aの液側に接続される分流器23cを有している。室外熱交換器23は、冷房運転時には、冷媒の凝縮器として機能し、暖房運転時には、冷媒の蒸発器として機能する熱交換器である。室外熱交換器23は、そのガス側が四路切換弁22に接続され、その液側が室外膨張弁38に接続されている。この室外熱交換器23は、図3に示すように、熱交換器本体23aおよびヘッダ23bを有している。この熱交換器本体23aは、圧縮機21によって加圧された高温で高圧のガス冷媒を複数の異なる高さから受け入れ、外気温度との間で熱交換させることにより、ガス冷媒を凝縮させる。また、ヘッダ23bは、圧縮機21によって加圧された高温で高圧のガス冷媒を、上述の熱交換器本体23aの複数の異なる高さ毎に供給させるために、それぞれの高さにガス冷媒を分割させる。
液面検知センサ39は、図3に示されるように、室外熱交換器23の側面であって、具体的には、室外熱交換器23内における冷媒の気相領域と液相領域との境界である液面高さを検知することができる。この液面検知センサ39は、室外熱交換器23のヘッダ23bの高さ方向に沿って配置された電気抵抗検出部材によって構成されている。ここで、冷房運転の場合において、圧縮機21から吐出される高温で高圧のガス冷媒は、室外熱交換器23内において、室外ファン28により供給される空気によって冷却されて凝縮し、高圧の液冷媒となる。この状態で、この液面検知センサ39は、室内膨張弁41の上流側に存在する冷媒量に関する状態量を検知する冷媒検知機構として機能する。具体的には、液面検知センサ39は、室外熱交換器23のヘッダ23bの高さ方向に沿って配置された電気抵抗検出部材が、液状態の冷媒によって覆われている部分と、気体状態の冷媒によって覆われている部分との電気的抵抗の差を検出することで、冷媒が気体状態で存在する領域と、冷媒が液体状態で存在する領域との境界である液面高さを検出する。後述するように、制御部9に接続され、読み出し可能に設けられているメモリ19には、予め室内膨張弁41から室外熱交換器23の液冷媒配管6側端部までの間の体積、および、室外熱交換器23の底面積(もしくはこれに相当する値)が格納されている。そして、室外熱交換器23に液冷媒が溜まった状態では、室内膨張弁41から室外熱交換器23の液冷媒配管6側端部までが液冷媒で満たされた場合の冷媒量と、室外熱交換器23の底面積に対して液面検知センサ39によって検出された液面高さを乗じて得られる冷媒量と、を加えることによって液冷媒の量を算出する。なお、室外熱交換器23の底面積ではなく、室外熱交換器23の高さに応じて定まる室外熱交換器23内の液冷媒量の対応データを予め格納しておくようにしてもよい。
室外ユニット2は、送風ファンとしての室外ファン28を有している。この室外ファン28は、室外ユニット2内に室外空気を吸入して、室外熱交換器23において冷媒と熱交換を行わせ、熱交換後の空気を再度室外に排出させる。この室外ファン28は、室外熱交換器23に供給する空気の風量を可変することが可能なファンである。室外ファン28は、プロペラファン等であって、DCファンモータ等からなるモータ28mによって駆動される。
室外ユニット2には、上述の液面検知センサ39以外にも、各種のセンサが設けられている。具体的には、室外ユニット2には、圧縮機21の吸入圧力を検出する吸入圧力センサ29、圧縮機21の吐出圧力を検出する吐出圧力センサ30、圧縮機21の吸入温度を検出する吸入温度センサ31、および、圧縮機21の吐出温度を検出する吐出温度センサ32が設けられている。室外ユニット2の室外空気の吸入口側には、ユニット内に流入する室外空気の温度(すなわち室外温度)を検出する室外温度センサ36が設けられている。吸入温度センサ31、吐出温度センサ32、液管温度センサ35、および、室外温度センサ36は、サーミスタによって構成されている。
室外側制御部37は、室外ユニット2に設けられており、室外ユニット2を構成する各部の動作の制御を行う。そして、室外側制御部37は、室外ユニット2の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータ、メモリ19、および、モータ21mを制御するインバータ回路等を有している。
室内側制御部47は、室内ユニット4に設けられており、室内ユニット4を構成する各部の動作の制御を行う。
ここで、室外側制御部37は、室内ユニット4の室内側制御部47との間で伝送線(図示せず)を介して制御信号等のやりとりを行うことができる。
そして、室内側制御部47、室外側制御部37、および、これらを接続する伝送線(図示せず)によって、空気調和装置1全体の運転制御を行う制御部9が構成されている。
制御部9は、空気調和装置1の制御ブロックである図2に示されるように、各種センサ29〜32、35、36、39、44〜46の検出信号を受けることができるように接続されている。制御部9は、これらの検出信号等に基づいて各種機器および弁21、22、28、28m、41、43、43mを制御することができる。また、制御部9にはメモリ19が接続されている。このメモリ19には、各種データが格納されている。各種データとしては、液面検知センサ39が検知する液面高さhから室外熱交換器23内に溜まっている冷媒量を算出するための関係式、冷媒回路10のうち室内膨張弁41の上流側でかつ室外熱交換器23までの部分(室外熱交換器23自体を除く)の体積、温度状況に応じた液冷媒の密度データ、および、建物に施工された後の配管長さ等が考慮された物件毎における空気調和装置1の冷媒回路10の適正冷媒量が格納されている。そして、制御部9は、後述の適正冷媒量充填運転や冷媒漏洩検知運転を行う際に、これらのデータを読み出して、冷媒回路10に適正な量だけの冷媒を充填したり、この適正冷媒量データとの比較によって冷媒漏洩の有無を判断する。
(冷媒連絡管)
冷媒連絡管6、7は、空気調和装置1をビル等の設置場所に設置する際に、現地にて施工される冷媒管である。この冷媒連絡管は、設置場所や室外ユニットと室内ユニットとの組み合わせ等の設置条件に応じて種々の長さや管径を有するものが使用される。このため、例えば、新規に空気調和装置を設置する場合には、空気調和装置1に対して、冷媒連絡管6、7の長さや管径等の設置条件に応じた適正な量の冷媒を充填する必要がある。
以上のように、室内側冷媒回路10a、室外側冷媒回路10c、および、冷媒連絡管6、7が接続されることにより、空気調和装置1の冷媒回路10が構成されている。そして、本実施形態の空気調和装置1は、室内側制御部47と室外側制御部37とから構成される制御部9によって、四路切換弁22により冷房運転および暖房運転を切り換えて運転を行うとともに、各室内ユニット4の運転負荷に応じて、室外ユニット2および室内ユニット4の各機器の制御を行うようになっている。
<1.2>空気調和装置の動作
次に、本実施形態の空気調和装置1の動作について説明する。
本実施形態の空気調和装置1の運転モードとしては、通常運転モード、適正冷媒量充填運転モード、および、冷媒漏洩検知運転モードがある。
通常運転モードでは、各室内ユニット4の運転負荷に応じて室外ユニット2および室内ユニット4の構成機器の制御を行う。適正冷媒量充填運転モードでは、空気調和装置1の構成機器の設置後等に試運転を行う際において冷媒回路10に対して適正量の冷媒の充填を行う。冷媒漏洩検知運転モードでは、適正冷媒量充填運転を含む試運転を終了して通常運転を開始した後において、冷媒回路10からの冷媒の漏洩の有無の判定を行う。
以下、空気調和装置1の各運転モードにおける動作について説明する。
(通常運転モード)
まず、通常運転モードの冷房運転について、図1を用いて説明する。
−冷房運転−
冷房運転時は、四路切換弁22が、図1の実線で示される状態、すなわち、圧縮機21の吐出側が室外熱交換器23のガス側に接続され、かつ、圧縮機21の吸入側がガス冷媒連絡管7を介して室内熱交換器42のガス側に接続された状態となっている。各室内膨張弁41は、開度調節されることにより、室内熱交換器42の出口(すなわち、室内熱交換器42のガス側)における冷媒の過熱度が、過熱度目標値で一定になるように、制御部9が制御している。
ここで、各室内熱交換器42の出口における冷媒の過熱度は、ガス側温度センサ45により検出される冷媒温度値から液側温度センサ44により検出される冷媒温度値(蒸発温度に対応)を差し引くことによって検出される。
この冷媒回路10の状態で、圧縮機21、室外ファン28および室内ファン43を運転すると、低圧のガス冷媒は、圧縮機21に吸入されて圧縮されて高圧のガス冷媒となる。その後、高圧のガス冷媒は、四路切換弁22を経由して室外機内接続配管8を介して室外熱交換器23に送られる。この室外熱交換器23では、高圧のガス冷媒は、室外ファン28によって供給される室外空気と熱交換を行って凝縮して高圧の液冷媒となる。
室外熱交換器23で凝縮された高圧の液冷媒は、液冷媒連絡管6を経由して、室内ユニット4に送られる。
この室内ユニット4に送られた高圧の液冷媒は、室内膨張弁41によって圧縮機21の吸入圧力近くまで減圧されて低圧の気液二相状態の冷媒となる。この低圧の気液二相状態の冷媒は室内機内接続配管4bを通過して室内熱交換器42に送られ、室内熱交換器42において室内空気と熱交換を行って蒸発して低圧のガス冷媒となる。
この低圧のガス冷媒は、ガス冷媒連絡管7を経由して室外ユニット2に送られる。室外ユニット2に送られた低圧のガス冷媒は、四路切換弁22を経由して、再び、圧縮機21に吸入される。
このように、空気調和装置1では、運転モードの一態様として、室外熱交換器23を圧縮機21において圧縮される冷媒の凝縮器として、かつ、室内熱交換器42を冷媒の蒸発器として機能させる冷房運転を行うことが可能である。
ここで、通常運転モードの冷房運転を行っている際における冷媒回路10の冷媒の分布状態は、冷房運転時の冷媒回路10内を流れる冷媒の状態を示す模式図である図4に示されるように、冷媒が、液状態(図4における塗りつぶしのハッチング部分)、気液二相状態(図4における格子状のハッチング部分)、ガス状態(図4における斜線のハッチング部分)の各状態をとって分布している。
具体的には、冷媒回路10のうち、液冷媒で満たされている箇所は、室外熱交換器23の内部および室外熱交換器23の出口付近の部分から液冷媒連絡管6を介して室内膨張弁41に至るまでの部分である。
そして、冷媒回路10のうち、気液二相状態の冷媒で満たされている箇所は、室外熱交換器23の中間の部分、および、室内熱交換器42の入口付近の部分である。
また、冷媒回路10のうち、ガス状態の冷媒で満たされている箇所は、室内熱交換器42の中間の部分から、ガス冷媒連絡管7および圧縮機21を介して、室外熱交換器23の入口に至るまでの部分、および、室外熱交換器23の入口付近の部分である。
なお、通常運転モードの冷房運転においては、冷媒はこのような分布で冷媒回路10内に分布しているが、後述する適正冷媒量充填運転モードおよび冷媒漏洩検知運転モードの冷媒量判定運転においては、液冷媒連絡管6と室外熱交換器23に液冷媒が集められた分布となる(図6参照)。
−暖房運転−
次に、通常運転モードの暖房運転について説明する。
暖房運転時は、四路切換弁22が、図1の破線で示される状態、すなわち、圧縮機21の吐出側がガス冷媒連絡管7を介して室内熱交換器42のガス側に接続され、かつ、圧縮機21の吸入側が室外熱交換器23のガス側に接続された状態となっている。室内膨張弁41は、制御部9によって開度調節されることで、室内熱交換器42の出口における冷媒の過冷却度が、過冷却度目標値で一定になるように制御されている。
ここでは、室内熱交換器42の出口における冷媒の過冷却度は、吐出圧力センサ30により検出される圧縮機21の吐出圧力を凝縮温度に対応する飽和温度値に換算し、この冷媒の飽和温度値から液側温度センサ44により検出される冷媒温度値を差し引くことによって検出される。
この冷媒回路10の状態で、圧縮機21、室外ファン28および室内ファン43を運転すると、低圧のガス冷媒は、圧縮機21に吸入されて圧縮されて高圧のガス冷媒となり、四路切換弁22およびガス冷媒連絡管7を経由して、室内ユニット4に送られる。
そして、室内ユニット4に送られた高圧のガス冷媒は、室内熱交換器42において、室内空気と熱交換を行って凝縮して高圧の液冷媒となった後、室内機内接続配管4bを通じて室内膨張弁41まで送られる。そして、高圧の液冷媒は、室内膨張弁41を通過する際に、室内膨張弁41の弁開度に応じて減圧される。
この室内膨張弁41を通過した冷媒は、液冷媒連絡管6を経由して室外ユニット2に送られる。その後、この液冷媒は、室外熱交換器23に流入する。そして、室外熱交換器23に流入した低圧の気液二相状態の冷媒は、室外ファン28によって供給される室外空気と熱交換を行って蒸発し、低圧のガス冷媒となる。この低圧のガス冷媒は、室外機内接続配管8および四路切換弁22を経由して、再び、圧縮機21に吸入される。
以上のような通常運転モードにおける運転制御は、冷房運転および暖房運転を含む通常運転を行う運転制御手段として機能する制御部9(より具体的には、室内側制御部47、室外側制御部37、および、これらを通信可能に接続している図示しない伝送線)によって行われる。
(適正冷媒量充填運転モード)
次に、試運転の際に行われる適正冷媒量充填運転モードについて、図5〜図7を用いて説明する。
図5は、適正冷媒量自動充填運転のフローチャートである。
図6は、冷媒量判定運転における冷媒回路10内を流れる冷媒の状態を示す模式図である。
図7は、図2の熱交換器本体23aおよびヘッダ23bの内部を模式的に示した図である。この図7では、適正冷媒量自動充填運転において室外熱交換器23に冷媒が溜まる様子を示している。
適正冷媒量充填運転モードは、空気調和装置1の構成機器の設置後等における試運転の際に行われる運転モードである。この適正冷媒量充填運転モードは、液冷媒連絡管6およびガス冷媒連絡管7の容積に応じた適正な冷媒量を冷媒回路10に対して自動で充填させる運転モードである。
ここで、設置時等においては、冷媒回路10で用いられる冷媒は、室外ユニット2の内に予め充填された状態となっている。そして、室外ユニット2に予め充填されている冷媒を冷媒回路10内に充満させる。
次に、適正冷媒量充填運転を行う作業者が、追加充填用の冷媒ボンベを冷媒回路10に接続して充填を開始する。ここでは、追加充填用の冷媒ボンベは、例えば、冷媒回路10の圧縮機21の吸入側等に接続されることで追加充填される。
そして、作業者が、制御部9に対して直接にまたは、リモコン(図示せず)等によって適正冷媒量充填運転を開始する指令を出す。これにより、制御部9は、図5に示されるステップS1〜ステップS10の順序で行われる処理を伴う冷媒量判定運転、および、冷媒量の適否の判定を行う。
ステップS1では、制御部9は、冷媒ボンベの接続の完了を検出しつつ、冷媒ボンベから延びる配管に設けられた弁(図示せず)を、冷媒の供給を許容する状態とし、冷媒の追加充填を開始させる。
ステップS2では、制御部9は、上述の通常運転モードの冷房運転の欄で述べた制御と同様の運転が行われるように、機器を制御する。これにより、追加充填用の冷媒ボンベから冷媒回路10内に冷媒が追加充填されていく。なお、ステップS2の終了時点は、室内膨張弁41から室外熱交換器23に至までの間を液状態の冷媒で満たすことができる程度に追加充填が行われたか否かを、サービスエンジニア等が経験的に判断する。そして、サービスエンジニアは、ひとまず、追加充填を終了させる。
ステップS3では、制御部9は、室内膨張弁41を全閉状態にしつつ、圧縮機21および室外ファン28の運転を継続させる液化制御を行う。このように制御することで、図6に示されるように、室内膨張弁41の冷媒の通過を遮断することができ、冷媒回路10内における冷媒の循環を途絶えさせることができる。そして、制御部9は圧縮機21および室外ファン28の運転を継続させているために、冷媒は、凝縮器として機能する室外熱交換器23において、室外ファン28によって供給される室外空気との間で熱交換を行い、冷却されることで凝縮していく。このように、冷媒回路10内での冷媒の循環が途絶えている場合には、室外熱交換器23において凝縮した冷媒は、冷媒回路10のうち室外熱交換器23を含む室内膨張弁41の上流側であって、かつ、圧縮機21の下流側の部分に徐々に溜まっていくことになる。
さらに、ここでは、室内膨張弁41が制御部9によって全閉状態に制御された状態で、圧縮機21による吸入が続けられている。このため、冷媒回路10のうち室内熱交換器42やガス冷媒連絡管7等のような室内膨張弁41の下流側で、かつ、圧縮機21の上流側の部分に存在する冷媒は、圧縮機21によって吸引され続ける。これにより、室内膨張弁41の下流側で、かつ、圧縮機21の上流側の部分は、減圧されていき、冷媒がほとんど存在しない状態となる。
これにより、冷媒回路10内の冷媒は、液状態となって、冷媒回路10のうち室内膨張弁41の上流側で、かつ、圧縮機21の下流側の部分に集中的に集められることになる。より具体的には、図7に示されるように、凝縮されて液状態になった冷媒が、室内膨張弁41の上流側から室外熱交換器23内にかけて溜まっていくことになる。
ステップS4では、制御部9は、液面検知センサ39によって検知される室外熱交換器23の冷媒の液面が、所定変動範囲内で維持された状態が所定持続時間以上続いているか否か判断する。ここでの液面高さの所定変動範囲内は、例えば、プラスマイナス5cmの範囲内とすることができる。また、所定時間としては、例えば、液面高さがプラスマイナス5cmの所定変動範囲内で維持された状態のまま経過する時間として、5分とすることができる。
ここで、制御部9が、所定変動範囲内で維持された状態が所定時間以上続いていると判断した場合には、ステップS5に移行する。なお、制御部9が、所定変動範囲内で維持された状態が所定時間以上続いていないと判断した場合には、ステップS3の液化制御を継続させる。
ステップS5では、制御部9は、冷媒回路10のうち室内膨張弁41の上流側で、かつ、圧縮機21の下流側の部分に集中的に集められた液冷媒の温度を一定化させる温度一定化制御を行う。具体的には、制御部9は、室内膨張弁41を全閉状態にしつつ、圧縮機21および室外ファン28の運転を継続させることで、冷媒回路10のうち室内膨張弁41の上流側で、かつ、圧縮機21の下流側の部分に存在している液冷媒の温度を、周囲温度に近づけて一定化させる制御を行う。ここでは、室内膨張弁41から圧縮機21までの間に集められた液冷媒は、特に、室内膨張弁41において流通が遮断されていることから、移動することなく、その場で周囲の温度の影響を受けることになる。このようにして、制御部9は、液管温度センサ35によって検知される温度が、所定温度範囲内で維持された状態が所定安定時間以上続いているか否か判断する。ここでの液管温度センサ35の検知温度の所定温度範囲内は、例えば、プラスマイナス3℃の範囲内とすることができる。また、所定安定時間としては、例えば、液管温度センサ35の検知温度が所定温度範囲内で維持された状態のまま経過する時間として、10分とすることができる。
ここで、制御部9が、所定温度範囲内で維持された状態が所定安定時間以上続いていると判断した場合には、ステップS6に移行する。なお、制御部9が、所定温度範囲内で維持された状態が所定安定時間以上続いていないと判断した場合には、ステップS5を繰り返す。
ステップS6では、液面検知センサ39によって室外熱交換器23に溜まっている液冷媒の液面高さhを検知する。ここで、液面検知センサ39は、冷媒が気体状態で存在する領域と、液体状態で存在する領域との境界を液面として検出する。液面検知センサ39が検知を行うタイミングは、ステップS5の温度一定化制御によって液冷媒の温度が一定となった時である。これにより、制御部9は、液面検知センサ39によって得られる液面の高さhを(図7参照)、メモリ19に格納されている室外熱交換器23に関する液面高さと冷媒量との関係式に代入する。さらに、制御部9は、メモリ19に格納されている、冷媒回路10のうち室内膨張弁41の上流側で、かつ、圧縮機21の下流側の部分の体積を読み出す。そして、制御部9は、室外熱交換器23の関係式から求まる室外熱交換器23内部の液冷媒の体積と、冷媒回路10のうち室内膨張弁41の上流側で、かつ、圧縮機21の下流側の部分の体積との和に対して、液管温度センサ35によって検知した値による液冷媒密度変化の影響を加味して、液冷媒量を求める。ここでの、液管温度センサ35の検知温度に応じた液冷媒密度の補正としては、液管温度センサ35の検知温度状況下における液冷媒の密度を乗じることである。この温度状況に応じた液冷媒の密度データは、予めメモリ19に格納されている。
これにより、制御部9は、室内膨張弁41から室外熱交換器23の内部にかけて溜まった液冷媒の量を演算することができる。
ステップS7では、制御部9は、上述のステップS5において演算された冷媒量と、メモリ19に格納されている適正冷媒量と、の差を算出する。
ステップS8では、制御部9は、ステップS7で算出された冷媒量の差が、所定誤差範囲内か否か判断する。ここで、所定誤差範囲内であると制御部9が判断した場合には、適正冷媒量充填運転モードを終える。この際、制御部9は、速やかに圧縮機21の運転を停止する。このように、圧縮機21の運転を検出後速やかに停止させることで、室内熱交換器42やガス冷媒連絡管7等が極端に減圧されることを回避して、機器の信頼性を維持させることができる。また、圧縮機21の出力側のポート温度の過剰な上昇を抑えることができ、圧縮機21についての信頼性も維持させることができる。なお、制御部9は、所定誤差範囲外であると判断した場合には、ステップS9に移行する。
ステップS9では、制御部9は、不足冷媒量もしくは過剰冷媒量を出力する。これにより、出力された内容に基づいて、サービスエンジニアが、適正冷媒量に対する不足分の冷媒を追加充填するか、もしくは、適正冷媒量に対する過剰分の冷媒を冷媒回路10から回収する。そして、再度ステップS2に戻って、制御部9によって所定誤差範囲内であるとの判断が出されるまで、同様の処理を繰り返す。
ステップS10では、制御部9は、冷媒ボンベから延びる配管に設けられた弁(図示せず)を、冷媒の追加充填を許容しない状態にし、冷媒の追加充填を終える。
(冷媒漏洩検知運転モード)
次に、冷媒漏洩検知運転モードについて説明する。
冷媒漏洩検知運転モードは、冷媒充填作業を伴う点を除いては、適正冷媒量充填運転モードとほぼ同様である。
冷媒漏洩検知運転モードは、例えば、定期的(休日や深夜等で空調を行う必要がない時間帯等)に、冷媒回路10から冷媒が外部に漏洩していないかどうかを検知する場合に行われる運転である。
冷媒漏洩検知運転では、図8に示されるように、ステップS11〜ステップS16の順序で行われる処理を行う。
ステップS11では、制御部9は、上述の通常運転モードの冷房運転の欄で述べた制御と同様の運転が行われるように、機器を制御する。なお、ステップS11の冷房運転の終了時点は、開始からの所定時間の経過によって判断してもよいし、サービスエンジニアが手動によって終了させるようにしてもよい。いずれにしても、ここでは、冷房運転によって冷媒回路10内の冷媒分布状態が、図4に示したような状態で安定するのを待って、ステップS12に移行する。
ステップS12では、制御部9は、室内膨張弁41を全閉状態にしつつ、圧縮機21および室外ファン28の運転を継続させる液化制御を行う。このように制御することで、図6に示されるように、室内膨張弁41の冷媒の通過を遮断することができ、冷媒回路10内における冷媒の循環を途絶えさせることができる。そして、制御部9は圧縮機21および室外ファン28の運転を継続させているために、冷媒は、凝縮器として機能する室外熱交換器23において、室外ファン28によって供給される室外空気との間で熱交換が行われ、冷却されることで凝縮していく。このように、冷媒回路10内での冷媒の循環が途絶えている場合には、室外熱交換器23において凝縮した冷媒は、冷媒回路10のうち室外熱交換器23を含む室内膨張弁41の上流側であって、かつ、圧縮機21の下流側の部分に徐々に溜まっていくことになる。
さらに、ここでは、室内膨張弁41が制御部9によって全閉状態に制御された状態で、圧縮機21による吸入が続けられている。このため、冷媒回路10のうち室内熱交換器42やガス冷媒連絡管7等のような室内膨張弁41の下流側で、かつ、圧縮機21の上流側の部分に存在する冷媒は、圧縮機21によって吸引され続ける。これにより、室内膨張弁41の下流側で、かつ、圧縮機21の上流側の部分は、減圧されていき、冷媒がほとんど存在しない状態となる。
これにより、冷媒回路10内の冷媒は、液状態となって、冷媒回路10のうち室内膨張弁41の上流側で、かつ、圧縮機21の下流側の部分に集中的に集められることになる。より具体的には、図7に示されるように、凝縮されて液状態になった冷媒が、室内膨張弁41の上流側から室外熱交換器23内にかけて溜まっていくことになる。
ステップS13では、制御部9は、液面検知センサ39によって検知される室外熱交換器23の冷媒の液面が、所定変動範囲内で維持された状態が所定持続時間以上続いているか否か判断する。ここでの液面高さの所定変動範囲内は、例えば、プラスマイナス5cmの範囲内とすることができる。また、所定時間としては、例えば、液面高さがプラスマイナス5cmの所定変動範囲内で維持された状態のまま経過する時間として、5分とすることができる。
ここで、制御部9が、所定変動範囲内で維持された状態が所定時間以上続いていると判断した場合には、ステップS14に移行する。なお、制御部9が、所定変動範囲内で維持された状態が所定時間以上続いていないと判断した場合には、ステップS12の液化制御を継続させる。
ステップS14では、制御部9は、冷媒回路10のうち室内膨張弁41の上流側で、かつ、圧縮機21の下流側の部分に集中的に集められた液冷媒の温度を一定化させる温度一定化制御を行う。具体的には、制御部9は、室内膨張弁41を全閉状態にしつつ、圧縮機21および室外ファン28の運転を継続させることで、冷媒回路10のうち室内膨張弁41の上流側で、かつ、圧縮機21の下流側の部分に存在している液冷媒の温度を、周囲温度に近づけて一定化させる制御を行う。ここでは、室内膨張弁41から圧縮機21までの間に集められた液冷媒は、特に、室内膨張弁41において流通が遮断されていることから、移動することなく、その場で周囲の温度の影響を受けることになる。このようにして、制御部9は、液管温度センサ35によって検知される温度が、所定温度範囲内で維持された状態が所定安定時間以上続いているか否か判断する。ここでの液管温度センサ35の検知温度の所定温度範囲内は、例えば、プラスマイナス3℃の範囲内とすることができる。また、所定安定時間としては、例えば、液管温度センサ35の検知温度が所定温度範囲内で維持された状態のまま経過する時間として、10分とすることができる。
ここで、制御部9が、所定温度範囲内で維持された状態が所定安定時間以上続いていると判断した場合には、ステップS15に移行する。なお、制御部9が、所定温度範囲内で維持された状態が所定安定時間以上続いていないと判断した場合には、ステップS14を繰り返す。
ステップS15では、液面検知センサ39によって室外熱交換器23に溜まっている液冷媒の液面高さhを検知する。ここで、液面検知センサ39は、冷媒が気体状態で存在する領域と、液体状態で存在する領域との境界を液面として検出する。液面検知センサ39が検知を行うタイミングは、ステップS14の温度一定化制御によって液冷媒の温度が一定となった時である。これにより、制御部9は、液面検知センサ39によって得られる液面の高さhを(図7参照)、メモリ19に格納されている室外熱交換器23に関する液面高さと冷媒量との関係式に代入する。さらに、制御部9は、メモリ19に格納されている、冷媒回路10のうち室内膨張弁41の上流側で、かつ、圧縮機21の下流側の部分の体積を読み出す。そして、制御部9は、室外熱交換器23の関係式から求まる室外熱交換器23内部の液冷媒の体積と、冷媒回路10のうち室内膨張弁41の上流側で、かつ、圧縮機21の下流側の部分の体積との和に対して、液管温度センサ35によって検知した値による液冷媒密度変化の影響を加味して、液冷媒量を求める。ここでの、液管温度センサ35の検知温度に応じた液冷媒密度の補正としては、液管温度センサ35の検知温度状況下における液冷媒の密度を乗じることである。この温度状況に応じた液冷媒の密度データは、予めメモリ19に格納されている。
これにより、制御部9は、室内膨張弁41から室外熱交換器23の内部にかけて溜まった液冷媒の量を演算することができる。
ステップS16では、制御部9は、上述のステップS15において演算された冷媒量が、メモリ19に格納されている適正冷媒量となっているか否かを判断することで、冷媒回路10における冷媒の漏洩の有無を判断する。
なお、液面高さhのデータを検出した後は、制御部9は、速やかに圧縮機21の運転を停止する。このように、圧縮機21の運転を検出後速やかに停止させることで、室内熱交換器42やガス冷媒連絡管7等が極端に減圧されることを回避して、機器の信頼性を維持させることができる。また、圧縮機21の出力側のポート温度の過剰な上昇を抑えることができ、圧縮機21についての信頼性も維持させることができる。以上により、冷媒漏洩検知運転を終了する。
<1.3>第1実施形態の空気調和装置および冷媒量判定方法の特徴
(1)
一般に、既設の空気調和装置の配管内の冷媒量等は、配管容積が分かっている場合には、配管の長さを測る等することにより判定することができる。しかし、熱交換器のように熱交換のために表面積を多く確保する形状に作られている構造体の内部の冷媒量を判定することは困難である。特に、このような熱交換器内全部が液冷媒で満たされた状態での検出を行う場合であれば予め内容量を把握しておいて判定することも可能であるが、熱交換器内の一部が液冷媒で満たされている状態での判定は困難である。
これに対して、第1実施形態の空気調和装置および冷媒量判定方法では、既設の空気調和装置1の配管内の冷媒量を判定するだけでなく、室外熱交換器23内に溜まっている液冷媒量を判定することができる。すなわち、液面検知センサ39が、室外熱交換器23内の液面高さhを検出することにより、メモリ19に格納されている液面検知センサ39が検知する液面高さhから室外熱交換器23内に溜まっている冷媒量を算出するための関係式を参照することで、室外熱交換器23内の液冷媒量を容易に算出することができる。これにより、熱交換器内に液冷媒が一部存在している状態であっても、冷媒量を精度良く簡単に判定することができる。
(2)
また、第1実施形態では、ガス状態の冷媒よりも密度が高い液化された液冷媒の体積を検出する。このため、検出に要する体積を小さく抑えることができている。
<1.4>第1実施形態の変形例
(A)
上記実施形態では、適正冷媒量充填運転および冷媒漏洩検知運転において、冷媒回路10の四路切換弁22を冷房運転の接続状態として、液冷媒を溜める運転を行う場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、適正冷媒量充填運転および冷媒漏洩検知運転において、冷媒回路10の四路切換弁22を暖房運転の接続状態として、液冷媒を溜めるようにしてもよい。具体的には、液面検知センサ39は、室内熱交換器42にもうけられており、暖房運転の回路において、室内膨張弁41と室内機内接続配管4bと室内熱交換器42内に液冷媒を溜める運転を行う。この場合であっても、上記実施形態と同様に、簡単な制御によって、正確な冷媒量の判定および冷媒漏洩の有無の判定を行うことができる。
なお、上記第1実施形態とは異なり、室内膨張弁41がもうけられておらず、室外膨張弁38が室外熱交換器23と室内熱交換器42との間にもうけられている冷媒回路では、暖房運転によって液冷媒を溜めることで、室外ユニット2と室内ユニット4とが遠く離れて配置されていても、精度のよい充填および漏洩検知を行うことができる。
(B)
上記実施形態では、検知対象となる液冷媒について、液冷媒の温度に応じた密度で冷媒量を算出できるように、把握された液冷媒の体積に、液管温度センサ35の検知温度に応じた液冷媒密度を乗じる場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、冷媒の性質上、周囲温度に非常に近くなって落ち着く場合には、液管温度センサ35ではなく、室外温度センサ36によって検知された温度を用いてもよい。
(C)
上記実施形態では、冷媒回路10内に存在する冷媒のすべてを対象として、液状態にして一カ所に集める場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、冷媒回路10内の冷媒を一カ所に集めることなく、複数箇所に分割させて集めてもよい。
例えば、図9に示すように、空気調和装置1に採用される冷媒の種類によっては、必ずしも、室内膨張弁41から室外熱交換器23自体を含む室外熱交換器23の上流側端部までの間に冷媒回路10内の冷媒の全てを集めきれないおそれがある。この場合には、圧縮機21から室外熱交換器23にかけて、比較的密度の濃いガス冷媒が残ったままとなり、検知対象に含めることができない。
このような場合であっても、図10に示すように、冷媒回路10内の全冷媒の中の一部を、冷媒回路10に一部冷媒回収タンク13を接続させて、回収してもよい。このように、室内膨張弁41から室外熱交換器23自体を含む室外熱交換器23の上流側端部までの間に冷媒回路10内の冷媒の全てを集めきれない場合であっても、一部冷媒回収タンク13を用いることによって、液面検知センサ39による検知が可能な位置に判定時の液面を位置させることが可能になる。これにより、空気調和装置1の冷媒の種類や構成に制限されることなく上記適正冷媒量充填運転、冷媒漏洩検知運転および各判定を行うことができるようになる。
(D)
第1実施形態において、室外熱交換器23や室内熱交換器42の例としてクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器を挙げたが、これに限定されず、他の型式の熱交換器であってもよい。
第1実施形態において、圧縮機21の例として1台のみが設けられている場合を挙げたが、これに限定されず、室内ユニットの接続台数等に応じて、2台以上の圧縮機が、並列に接続されていてもよい。
第1実施形態において、過冷却冷媒管61の例として、室外膨張弁38と過冷却器25との間の位置から過冷却膨張管6dが分岐されている場合を挙げたが、これに限定されず、室外膨張弁38と液側閉鎖弁26との間の位置から過冷却膨張管6dが分岐させられていてもよい。
第1実施形態において、ヘッダ23bと分流器23cの例として熱交換器本体23aに対して互いに逆側の端部に設けられている形式を挙げたが、ヘッダ23bおよび分流器23cが熱交換器本体23aの同じ端部側に設けられていてもよい。
(E)
第1実施形態では、冷房運転時等における各室内熱交換器42の出口における冷媒の過熱度は、ガス側温度センサ45により検出される冷媒温度値から液側温度センサ44により検出される冷媒温度値(蒸発温度に対応)を差し引くことによって検出する場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、吸入圧力センサ29により検出される圧縮機21の吸入圧力を蒸発温度に対応する飽和温度値に換算し、ガス側温度センサ45により検出される冷媒温度値からこの冷媒の飽和温度値を差し引くことによって検出するようにしてもよい。
さらに、別の検出方法としては、各室内熱交換器42内を流れる冷媒の温度を検出する温度センサを新たに設けて、この温度センサにより検出される蒸発温度に対応する冷媒温度値を、ガス側温度センサ45により検出される冷媒温度値から差し引くことによって検出するようにしてもよい。
また、第1実施形態では、暖房運転時等における室内熱交換器42の出口における冷媒の過冷却度は、吐出圧力センサ30により検出される圧縮機21の吐出圧力を凝縮温度に対応する飽和温度値に換算し、この冷媒の飽和温度値から液側温度センサ44により検出される冷媒温度値を差し引くことによって検出する場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、各室内熱交換器42内を流れる冷媒の温度を検出する温度センサを設けて、この温度センサにより検出される凝縮温度に対応する冷媒温度値を、液側温度センサ44により検出される冷媒温度値から差し引くことによって検出するようにしてもよい。
(F)
第1実施形態では、冷媒漏洩検知の判定として、液冷媒の量を算出する方法を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、液冷媒の温度に応じた最適冷媒量に対応する基準液面高さHを予め求めて、メモリ19に格納しておくようにしてもよい。これにより、上記実施形態における冷媒量の演算を行う必要がなくなり、検知される検知液面高さhを指標となる基準液面高さHと直接比較することで、冷媒漏洩検知を行うことができるようになる。
(G)
上記実施形態では、液冷媒を周囲温度近傍で安定させて冷媒体積を検出する場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、図11に示すように、冷媒回路110が採用された空気調和装置1aのような構成を採用してもよい。この空気調和装置1aによると、周囲温度とは異なる温度条件において上記適正冷媒量充填運転、冷媒漏洩検知運転および各判定を行うことができる。
以下、冷媒回路110について、上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。
(冷媒回路110)
この冷媒回路110では、図11に示すように、上記第1実施形態の冷媒回路10の構成以外に、室外膨張弁38、温度調節機構としての過冷却器25、過冷却冷媒回路60、液側閉鎖弁26、ガス側閉鎖弁27、室外熱交膨張接続配管6e、室外膨張過冷却接続配管6c、および、室外過冷却液側閉鎖接続配管6bが設けられている。
室外膨張弁38は、冷房運転を行う際の冷媒回路110における冷媒の流れ方向において室外熱交換器23の下流側に配置された電動膨張弁である。この室外膨張弁38は、本変形例においては、室外熱交換器23の液側に接続されている。これにより、室外膨張弁38は、室外側冷媒回路10c内を流れる冷媒の圧力や流量等の調節することができる。そして、この室外膨張弁38は、当該位置における冷媒の通過を遮断することも可能である。
過冷却器25は、室外膨張弁38と液側閉鎖弁26との間に設けられている。この過冷却器25は、2重管式の熱交換器や、熱源側熱交換器としての室外熱交換器23において凝縮された冷媒が流れる冷媒管と後述の過冷却冷媒管61とを接触させることによって構成された配管熱交換器である。このように、熱源側熱交換器としての室外熱交換器23において凝縮された冷媒と後述の過冷却冷媒回路60を流れる冷媒との間で冷媒が混ざらないようにしつつ熱交換させることで、室外熱交換器23において凝縮されて室内膨張弁41に送られる冷媒をさらに冷却させることができる。
過冷却冷媒回路60は、過冷却器25において、室外熱交換器23から室内膨張弁41へ送られる冷媒を冷却させる冷却源として機能する。この過冷却冷媒回路60は、過冷却冷媒管61、および、過冷却膨張弁62を有している。過冷却冷媒管61は、室外熱交換器23から室内膨張弁41へ送られる冷媒の一部を分岐させて、上述の過冷却器25を通過させつつ、圧縮機21の吸入側に戻すように接続された配管である。この過冷却冷媒管61は、過冷却膨張管6d、過冷却分岐管64および過冷却合流管65を含んでいる。この過冷却膨張管6dは、室外膨張弁38から室内膨張弁41に送られる冷媒の一部を、室外熱交換器23と過冷却器25との間の位置から分岐させて、過冷却膨張弁62に接続させるように延びている。過冷却分岐管64は、過冷却膨張弁62と過冷却器25とを接続させる。過冷却合流管65は、過冷却器25の過冷却冷媒回路60側の出口から圧縮機21の吸入側に戻すように圧縮機21の吸入側に接続されている。過冷却膨張弁62は、過冷却膨張管6dと過冷却分岐管64との間に介在して両者を接続させており、通過する冷媒の流量を調節するための連通管膨張機構として機能する電動膨張弁である。
ここで、過冷却冷媒管61は、室外熱交換器23から室内膨張弁41へ送られる冷媒の一部を過冷却膨張管6dで分岐させ、過冷却膨張弁62によって減圧された冷媒を過冷却分岐管64によって過冷却器25まで導く。これにより、過冷却器25では、過冷却膨張弁62を通過することにより減圧された冷媒と、室外熱交換器23から液冷媒連絡管6を通じて室内膨張弁41に送られる冷媒と、の間で熱交換を行わせることができる。これにより、室外熱交換器23から室内膨張弁41に送られる冷媒は、過冷却器25において、過冷却膨張弁62によって減圧された後の過冷却冷媒管61を流れる冷媒によって冷却される。すなわち、過冷却器25における能力制御を、過冷却膨張弁62の開度調節によって行うことができることになる。
また、過冷却冷媒管61は、後述のように、冷媒回路110のうち液側閉鎖弁26と室外膨張弁38との間の部分と圧縮機21の吸入側の部分とを接続する連通管としても機能するようになっている。
液側閉鎖弁26は、外部の機器である液冷媒連絡管6と室外ユニット2との接続口に設けられた弁である。液側閉鎖弁26は、冷房運転を行う際の冷媒回路10における冷媒の流れ方向において過冷却器25の下流側であって液冷媒連絡管6の上流側に配置されており、冷媒の通過を遮断することが可能である。
ガス側閉鎖弁27は、外部の機器であるガス冷媒連絡管7と室外ユニット2との接続口に設けられた弁である。このガス側閉鎖弁27は、四路切換弁22に接続されている。
室外熱交膨張接続配管6eは、室外熱交換器23と室外膨張弁38とを接続している。室外膨張過冷却接続配管6cは、室外膨張弁38と過冷却器25とを接続している。室外過冷却液側閉鎖接続配管6bは、過冷却器25と液側閉鎖弁26とを接続している。
室外ユニット2には、上述の液面検知センサ39以外にも、各種のセンサが設けられている。具体的には、室外ユニット2には、過冷却器25から室内熱交換器42に向かう冷媒の温度(すなわち、液管温度)を検出する液管温度センサ35が設けられている。過冷却冷媒管61の過冷却合流管65には、過冷却器25のバイパス冷媒管側の出口を流れる冷媒の温度を検出するための過冷却温度センサ63が設けられている。液管温度センサ35、および、過冷却温度センサ63は、サーミスタによって構成されている。そして、これらは、制御部9によって制御される。
また、制御部9に対して読み出し可能に接続されたメモリ19には、各種データが格納されている。各種データとしては、室外膨張弁38から室外熱交換器23までの間の室外熱交膨張接続配管6e内の体積、液面検知センサ39が検知する液面高さhから室外熱交換器23内に溜まっている冷媒量を算出するための関係式、冷媒回路10のうち室内膨張弁41の上流側でかつ液側閉鎖弁26までの間の配管内の体積、温度状況に応じた液冷媒の密度データ、および、建物に施工された後の配管長さ等が考慮された物件毎における空気調和装置1aの冷媒回路110の適正冷媒量が格納されている。
(冷房運転)
冷房運転時は、上記の冷媒回路110は、四路切換弁22が、図11の実線で示される状態、すなわち、圧縮機21の吐出側が室外熱交換器23のガス側に接続され、かつ、圧縮機21の吸入側がガス側閉鎖弁27およびガス冷媒連絡管7を介して室内熱交換器42のガス側に接続された状態となっている。ここで、室外膨張弁38は、全開状態にされている。液側閉鎖弁26およびガス側閉鎖弁27は、開状態にされている。各室内膨張弁41は、開度調節されることにより、室内熱交換器42の出口(すなわち、室内熱交換器42のガス側)における冷媒の過熱度が、過熱度目標値で一定になるように、制御部9が制御している。ここで、各室内熱交換器42の出口における冷媒の過熱度は、ガス側温度センサ45により検出される冷媒温度値から液側温度センサ44により検出される冷媒温度値(蒸発温度に対応)を差し引くことによって検出される。また、過冷却膨張弁62は、過冷却器25の過冷却冷媒管61側の出口における冷媒の過熱度が、過熱度目標値になるように開度調節されるようになっている(以下、過熱度制御とする)。ここで、過冷却冷媒管61のうち過冷却器25を通過した後の圧縮機21吸入側における冷媒の過熱度は、吸入圧力センサ29により検出される圧縮機21の吸入圧力を蒸発温度に対応する飽和温度値に換算し、過冷却温度センサ63により検出される冷媒温度値からこの冷媒の飽和温度値を差し引くことによって検出される。
この冷媒回路10の状態で、圧縮機21、室外ファン28および室内ファン43を運転すると、低圧のガス冷媒は、圧縮機21に吸入されて圧縮されて高圧のガス冷媒となる。その後、高圧のガス冷媒は、四路切換弁22を経由して室外熱交換器23に送られる。この室外熱交換器23では、高圧のガス冷媒は、室外ファン28によって供給される室外空気と熱交換を行って凝縮して高圧の液冷媒となる。そして、この高圧の液冷媒は、室外膨張弁38を通過して、過冷却器25に流入し、過冷却冷媒管61を流れる冷媒と熱交換を行ってさらに冷却されて過冷却状態になる。このとき、室外熱交換器23において凝縮した高圧の液冷媒の一部は、過冷却冷媒管61に分岐され、過冷却膨張弁62によって減圧された後に、圧縮機21の吸入側に戻される。ここで、過冷却膨張弁62を通過する冷媒は、圧縮機21の吸入圧力近くまで減圧されることで、その一部が蒸発する。そして、過冷却冷媒管61の過冷却膨張弁62から圧縮機21の吸入側に向かって流れる冷媒は、過冷却器25を通過して、室外熱交換器23から室内ユニット4へ送られる高圧の液冷媒と熱交換を行う。
そして、過冷却器25を通過で過冷却状態になった高圧の液冷媒は、液側閉鎖弁26および液冷媒連絡管6を経由して、室内ユニット4に送られる。
この室内ユニット4に送られた高圧の液冷媒は、室内膨張弁411によって圧縮機21の吸入圧力近くまで減圧されて低圧の気液二相状態の冷媒となって室内熱交換器42に送られ、室内熱交換器42において室内空気と熱交換を行って蒸発して低圧のガス冷媒となる。
この低圧のガス冷媒は、ガス冷媒連絡管7を経由して室外ユニット2に送られる。室外ユニット2に送られた低圧のガス冷媒は、ガス側閉鎖弁27および四路切換弁22を経由して、再び、圧縮機21に吸入される。
このように、空気調和装置1aでは、運転モードの一態様として、室外熱交換器23を圧縮機21において圧縮される冷媒の凝縮器として、かつ、室内熱交換器42を冷媒の蒸発器として機能させる冷房運転を行うことが可能である。
ここで、通常運転モードの冷房運転を行っている際における冷媒回路110の冷媒の分布状態は、冷房運転時の冷媒回路110内を流れる冷媒の状態を示す模式図である図12に示されるように、冷媒が、液状態(図12における塗りつぶしのハッチング部分)、気液二相状態(図12における格子状のハッチング部分)、ガス状態(図12における斜線のハッチング部分)の各状態をとって分布している。具体的には、冷媒回路10のうち、液冷媒で満たされている箇所は、室外膨張弁38を介して室外熱交換器23の出口付近の部分から過冷却器25の液側閉鎖弁26の部分および液冷媒連絡管6を介して室内膨張弁41に至るまでの部分、および、過冷却冷媒管61の過冷却膨張弁62上流側の部分である。そして、冷媒回路10のうち、気液二相状態の冷媒で満たされている箇所は、室外熱交換器23の中間の部分、過冷却冷媒管61の過冷却膨張弁62上流側の部分、過冷却器25の過冷却冷媒回路60側の部分であって入口付近の部分、および、室内熱交換器42の入口付近の部分である。また、冷媒回路10のうち、ガス状態の冷媒で満たされている箇所は、ガス冷媒連絡管7および圧縮機21を介して室内熱交換器42の中間の部分から室外熱交換器23の入口に至るまでの部分、室外熱交換器23の入口付近の部分、および、過冷却器25のバイパス冷媒管側の部分であって中間の部分から過冷却冷媒管61の圧縮機21の吸入側に合流するまでの部分である。
(適正冷媒量自動充填運転モードおよび冷媒漏洩検知運転モード)
本変形例では、自動で冷媒の充填終了を見極める適正冷媒量自動充填運転モード、および、冷媒の漏洩の有無を見極める冷媒漏洩検知運転モードが行われる。
上記本変形例の適正冷媒量自動充填運転モードおよび冷媒漏洩検知運転モードは、冷房運転および上記第1実施形態の適正冷媒量充填運転モードのステップS4の冷媒回路10による温度一定化制御と近似しているが、以下のような点で異なっている。
この冷媒回路110による液温一定化制御では、凝縮圧力制御と液管温度制御とが行われる。
凝縮圧力制御では、制御部9は、室外熱交換器23における冷媒の凝縮圧力が一定になるように、室外ファン28によって室外熱交換器23に供給される室外空気の風量を制御する。凝縮器における冷媒の凝縮圧力は室外温度の影響より大きく変化するため、制御部9が室外温度センサ36が検知する温度に応じてモータ28mの出力制御を行うことによって、室外ファン28から室外熱交換器23に供給される室内空気の風量を制御する。これにより、室外熱交換器23における冷媒の凝縮圧力を一定化させることが可能になり、凝縮器内を流れる冷媒の状態を安定化させることができる。そして、冷媒回路110のうち、室外熱交換器23から室内膨張弁41までの間、すなわち、室外熱交膨張接続配管6e、室外膨張過冷却接続配管6c、過冷却膨張管6d、室外過冷却液側閉鎖接続配管6b、および、液冷媒連絡管6をそれぞれ高圧の液冷媒が流れた状態に制御することができる。これにより、室外熱交換器23から室内膨張弁41および過冷却膨張弁62までの部分における冷媒の圧力についても、安定化させることができる。なお、ここでの凝縮圧力制御では、制御部9は、吐出圧力センサ30によって検出される圧縮機21の吐出圧力を凝縮圧力として用いることで制御を行う。
液管温度制御では、上述の通常運転モードの冷房運転における過熱度制御とは異なり、過冷却器25から室内膨張弁41に送られる冷媒の温度が一定になるように過冷却器25の能力を制御する。より具体的には、液管温度制御では、過冷却器25の室外過冷却液側閉鎖接続配管6b側の出口に設けられた液管温度センサ35によって検出される冷媒の温度が、液管温度目標値で一定になるように、制御部9は、過冷却冷媒管61における過冷却膨張弁62の開度を調節する制御を行う。これにより、過冷却器25の室外過冷却液側閉鎖接続配管6b側の出口から室内膨張弁41に至る液冷媒連絡管6を含む冷媒管内における冷媒密度を、ある一定の値で安定化させることができる。
そして、制御部9は、液管温度センサ35が検知する温度の変化が、5分間プラスマイナス2℃の範囲で維持されるまで、すなわち、安定化するまで、この液温一定化制御を続ける。
制御部9は、液温一定化制御によって安定化した状態となったと判断した場合には、室内膨張弁41を全閉状態とした後に液側閉鎖弁26を全閉状態とする封鎖制御を行う。これにより、図13に示すように、室内膨張弁41から液側閉鎖弁26までの間における液冷媒は、液温一定化制御によってある温度に制御された、室内膨張弁41から液側閉鎖弁26までの間の配管内の体積を有する冷媒として特定することができる。具体的には、制御部9は、メモリ19に格納されている冷媒回路10のうち室内膨張弁41の上流側でかつ液側閉鎖弁26までの間の配管内の体積データおよび温度状況に応じた液冷媒の密度データを読み出して、室内膨張弁41の上流側でかつ液側閉鎖弁26までの間の配管内の体積に液管温度センサ35が検知した温度に対応する液冷媒密度を乗じて、室内膨張弁41から液側閉鎖弁26までの間の配管内の液冷媒の量である液管確定冷媒量Yについて精度の高い値を算出することができる。このように、冷媒回路110中の冷媒量が室外熱交換器23内容積を超えて存在する場合であっても、少なくとも閉鎖制御された冷媒については、正確な体積であって正確な液冷媒密度により定量化した精度の良い冷媒量を判定することができている。
そして、制御部9は、封鎖制御を行った後で、室外膨張弁38を全閉状態とする遮断制御を行う。これにより、図13に示すように、冷媒回路110内の冷媒のうち、室内膨張弁41の室内機内接続配管4b側から圧縮機21の吸入側に至まで、室外熱交膨張接続配管6e、室外膨張過冷却接続配管6c、過冷却器25、室外過冷却液側閉鎖接続配管6b、および、過冷却冷媒回路60から圧縮機21の吸入側に至まで、のそれぞれの場所に存在している冷媒を、圧縮機21に吸入させることができる。これにより、これらの部分の冷媒を圧縮機21によって高温高圧のガス冷媒として室外熱交換器23にまで供給することができる。これにより、室外熱交換器23まで供給された高温高圧のガス冷媒は、室外熱交換器23における熱交換によって凝縮され、液冷媒となっていく。ここで、遮断制御によって冷媒の循環が途絶えさせられているため、室外熱交換器23内で凝縮した液冷媒は、室外膨張弁38の室外熱交膨張接続配管6e側に溜まっていく。そして、液状態となった冷媒は、室外熱交換器23内部では、自重により未凝縮の高温高圧のガス冷媒よりも下方であって、室外熱交換器23の底から徐々に溜まっていくことになる。
このように遮断制御が開始された後、制御部9は、室外熱交換器23に溜まった液冷媒の量が安定するまで待つために、液面検知センサ39の検知する液面高さhが5分程度プラスマイナス2cmの範囲内で維持されて安定化したか否かの判断を行う検知制御を行う。
ここで、液面高さhが安定化したと判断した場合には、制御部9は、液面検知センサ39によって室外熱交換器23に溜まっている液冷媒の液面高さhを検知する。ここで、液面検知センサ39は、冷媒が気体状態で存在する領域と、液体状態で存在する領域との境界を液面として検出する。これにより、制御部9は、液面検知センサ39によって得られる液面の高さhを(図7参照)、メモリ19に格納されている室外膨張弁38から室外熱交換器23までの間の室外熱交膨張接続配管6e内の体積、室外熱交換器23に関する液面高さと冷媒量との関係式、および、室外温度センサ36が検知する温度に基づいて算出する。具体的には、室外膨張弁38から室外熱交換器23までの間の室外熱交膨張接続配管6e内の体積に室外温度センサ36の検知温度に応じた冷媒密度を乗じて得られる冷媒量と、室外熱交換器23に関する液面高さと冷媒量との関係式に液面検知センサ39が検知した液面高さhを代入して得られる冷媒体積に対して室外温度センサ36の検知温度に応じた冷媒密度を乗じて得られる冷媒量と、を合計することで、熱交冷媒量Xについて精度の高い値を算出することができる。
そして、制御部9は、熱交冷媒量Xに対して液管確定冷媒量Yを加算させることで、冷媒回路110内の冷媒量を正確に算出することができる。
このようにして、制御部9は、適正冷媒量自動充填運転モードにおいては、遮断制御を行った後に、熱交冷媒量Xが、メモリ19に格納されている建物に施工された後の配管長さ等が考慮された物件毎における空気調和装置1aの冷媒回路110の適正冷媒量から液管確定冷媒量Yを減算して得られる値と同じになるという条件を満たすまで、圧縮機21および室外ファン28の運転を継続させる。ここで、熱交冷媒量Xが条件を満たした場合に、制御部9は、自動充填運転モードを終了させる。
また、制御部9は、冷媒漏洩検知運転モードにおいては、熱交冷媒量Xと液管確定冷媒量Yとの合計と、メモリ19に格納されている建物に施工された後の配管長さ等が考慮された物件毎における空気調和装置1aの冷媒回路110の適正冷媒量と、を比較し、熱交冷媒量Xと液管確定冷媒量Yとの合計が適正冷媒量に満たなかった場合に冷媒の漏洩が生じていると判断する。
(変形例Gの変形について)
なお、上記閉鎖制御では、室内膨張弁41から液側閉鎖弁26までの間の配管内に液冷媒を閉鎖している。しかし、これに限られず、図14に示すように、室内膨張弁41から室外膨張弁38までの間の配管内、および、分岐して過冷却膨張弁62まで延びている過冷却膨張管6dの配管内に液冷媒を閉鎖させるようにしてもよい。この場合には、過冷却冷媒回路60の全てではなく、過冷却分岐管64および過冷却合流管65の内部の冷媒を圧縮機21に吸入させることになる。
なお、このような冷媒回路110の冷媒量を判定する際に、室内膨張弁41から液側閉鎖弁26までの間の配管内の体積と、室外膨張弁38から室外熱交換器23自体を含む体積との合計体積内に冷媒回路110の冷媒の全てを収めることができない場合には、図15に示すように、上記変形例(C)と同様に、一部冷媒回収タンク13を用いてもよい。
上記変形例(G)では、過冷却冷媒管61のうち過冷却器25を通過した後の圧縮機21吸入側における冷媒の過熱度は、吸入圧力センサ29により検出される圧縮機21の吸入圧力を蒸発温度に対応する飽和温度値に換算し、過冷却温度センサ63により検出される冷媒温度値からこの冷媒の飽和温度値を差し引くことによって検出する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限られるものではなく、過冷却冷媒管61のうち過冷却器25を通過した後の圧縮機21吸入側における冷媒の過熱度は、例えば、過冷却器25のバイパス冷媒管側の入口に温度センサを新たに設けて、この温度センサにより検出される冷媒温度値を過冷却温度センサ63により検出される冷媒温度値から差し引くことによって検出するようにしてもよい。
上記変形例(G)では、液温一定化制御を行う際の凝縮圧力制御および液管温度制御のうちの凝縮圧力制御において、制御部9が、吐出圧力センサ30によって検出される圧縮機21の吐出圧力を凝縮圧力として用いる場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、室外熱交換器23内を流れる冷媒の温度を検出する温度センサを新たに設けて、この温度センサにより検出される凝縮温度に対応する冷媒温度値を凝縮圧力に換算して凝縮圧力制御に用いるようにしてもよい。
上述変形例(G)では、液側閉鎖弁26は、手動の弁であっても、制御部9によって開閉操作可能な電磁弁等の自動弁であってもよい。また、変形例(G)の冷媒量判定運転の際に、液側閉鎖弁26の代わりに操作する開閉弁として、制御部9によって開閉操作可能な液側閉鎖弁26と過冷却器25との間に配置された電磁弁等の自動弁を採用した構成としてもよい。
上記変形例(G)において、過冷却器25と室外膨張弁38との間にレシーバを設けた構成としてもよい。
<2>第2実施形態
<2.1>空気調和装置の構成
図16は、本発明の第2実施形態の空気調和装置201の概略構成図である。
空気調和装置201は、蒸気圧縮式の冷凍サイクル運転を行うことによって、ビル等の室内の冷暖房に使用される装置である。
空気調和装置201は、主として、1台の熱源ユニットとしての室外ユニット2と、それに並列に接続された複数台(本実施形態では2台)の利用ユニットとしての室内ユニット4、5と、室外ユニット2と室内ユニット4、5とを接続する冷媒連絡管としての液冷媒連絡管6およびガス冷媒連絡管7とを備えている。すなわち、本実施形態の空気調和装置201の蒸気圧縮式の冷媒回路210は、室外ユニット2、室内ユニット4、5、液冷媒連絡管6、および、ガス冷媒連絡管7が接続されることによって構成されている。
(室内ユニット)
室内ユニット4、5は、ビル等の室内の天井に埋め込みや吊り下げ等により、または、室内の壁面に壁掛け等により設置されている。室内ユニット4、5は、冷媒回路210の一部を構成しており、液冷媒連絡管6およびガス冷媒連絡管7を介して室外ユニット2に接続されている。
次に、室内ユニット4、5の構成について説明する。
なお、室内ユニット4と室内ユニット5とは、同様の構成であるため、ここでは、室内ユニット4の構成のみ説明し、室内ユニット5の構成については、それぞれ、室内ユニット4の各部を示す40番台の符号の代わりに50番台の符号を付して、各部の説明を省略する。
室内ユニット4は、主として、冷媒回路210の一部を構成する室内側冷媒回路210a(室内ユニット5では室内側冷媒回路210b)を有している。この室内側冷媒回路210aは、主として、利用側膨張機構としての室内膨張弁41と、利用側熱交換器としての室内熱交換器42と、室内膨張弁41と室内熱交換器42とを接続する室内機内接続配管4b(室内ユニット5では室内機内接続配管5b)、を有している。
本実施形態において、室内膨張弁41は、室内側冷媒回路210a内を流れる冷媒の流量の調節等を行うために、室内熱交換器42の液側に接続された電動膨張弁であり、冷媒の通過を遮断することも可能である。
本実施形態において、室内熱交換器42は、伝熱管と多数のフィンとにより構成されたクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であり、冷房運転時には、冷媒の蒸発器として機能して室内空気を冷却し、暖房運転時には、冷媒の凝縮器として機能して室内空気を加熱する熱交換器である。
本実施形態において、室内ユニット4は、ユニット内に室内空気を吸入して、室内熱交換器42において冷媒と熱交換させた後に、供給空気として室内に供給するための送風ファンとしての室内ファン43を有している。室内ファン43は、室内熱交換器42に供給する空気の風量を可変することが可能なファンである。この室内ファン43は、DCファンモータ等からなるモータ43mによって駆動される遠心ファンや多翼ファン等である。
また、室内ユニット4には、各種のセンサが設けられている。
室内熱交換器42の液側には、冷媒の温度(すなわち、暖房運転時における凝縮温度または冷房運転時における蒸発温度に対応する冷媒温度)を検出する液側温度センサ44が、設けられている。室内熱交換器42のガス側には、冷媒の温度を検出するガス側温度センサ45が設けられている。室内ユニット4の室内空気の吸入口側には、ユニット内に流入する室内空気の温度(すなわち、室内温度)を検出する室内温度センサ46が設けられている。
本実施形態において、液側温度センサ44、ガス側温度センサ45、および、室内温度センサ46は、サーミスタからなる。
また、室内ユニット4は、室内ユニット4を構成する各部の動作を制御する室内側制御部47を有している。そして、室内側制御部47は、室内ユニット4の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリ19等に接続されている。これらのマイクロコンピュータやメモリ19等は、室内ユニット4を個別に操作するためのリモコン(図示せず)との間で制御信号等のやりとりを行ったり、室外ユニット2との間で伝送線(図示せず)を介して制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
ここで、室内ユニット5は、室内ユニット4よりも能力が低い構成となっている。ここでいう能力とは、室内ユニット4の室内ファン43の出力を上げて最大風量とした状態で、室内熱交換器42において冷媒を蒸発させることができる能力、もしくは、これに等価な熱量や仕事量等のことをいう。室内ユニット5についても同様であり、室内ファン53の出力を上げて最大風量とした状態で、室内熱交換器52において冷媒を蒸発させることができる能力、もしくは、これに等価な熱量や仕事量等のことをいう。
(室外ユニット)
室外ユニット2は、ビル等の室外に設置され、室内ユニット4、5の間で冷媒回路210を構成しており、液冷媒連絡管6およびガス冷媒連絡管7を介して室内ユニット4、5に接続されている。
次に、室外ユニット2の構成について説明する。
室外ユニット2は、主として、冷媒回路210の一部を構成する室外側冷媒回路210cを有している。この室外側冷媒回路210cは、主として、圧縮機21、四路切換弁22、室外熱交換器23、液面検知センサ239、室外膨張弁38、過冷却器25、室外熱交膨張接続配管6e、室外膨張過冷却接続配管6c、室外過冷却液側閉鎖接続配管6b、ガス閉鎖四路接続配管7b、四路圧縮接続配管7c、過冷却冷媒回路60、液側閉鎖弁26、ガス側閉鎖弁27、各種のセンサ、室外側制御部37を有している。
圧縮機21は、運転容量を可変することが可能な圧縮機である。この圧縮機21は、モータ21mによって駆動される容積式圧縮機である。このモータ21mの回転数は、インバータにより制御される。
四路切換弁22は、冷房運転時と暖房運転時とで、冷媒の流れの方向を切り換えるための弁である。冷房運転時には、四路切換弁22は、圧縮機21の吐出側と室外熱交換器23のガス側とを接続するとともに圧縮機21の吸入側とガス冷媒連絡管7側とを接続する(図16の四路切換弁22の実線を参照)。これにより、冷房運転時には、室外熱交換器23を圧縮機21によって圧縮される冷媒の凝縮器として機能させ、かつ、室内熱交換器42、52を室外熱交換器23において凝縮される冷媒の蒸発器として機能させることができる。また、暖房運転時には、四路切換弁22は、圧縮機21の吐出側とガス冷媒連絡管7側とを接続するとともに圧縮機21の吸入側と室外熱交換器23のガス側とを接続する(図16の四路切換弁22の破線を参照)。これにより、暖房運転時には、室内熱交換器42、52を圧縮機21によって圧縮される冷媒の凝縮器として、かつ、室外熱交換器23を室内熱交換器42、52において凝縮される冷媒の蒸発器として機能させることができる。
室外熱交換器23は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であり、室外熱交換器23の概略図である図18に示されるように、主として、伝熱管と多数のフィンとから構成される熱交換器本体23a、熱交換器本体23aのガス側に接続されるヘッダ23b、および、熱交換器本体23aの液側に接続される分流器23cを有している。室外熱交換器23は、冷房運転時には、冷媒の凝縮器として機能し、暖房運転時には、冷媒の蒸発器として機能する熱交換器である。室外熱交換器23は、そのガス側が四路切換弁22に接続され、その液側が室外膨張弁38に接続されている。この室外熱交換器23は、図18に示すように、熱交換器本体23aおよびヘッダ23bを有している。この熱交換器本体23aは、圧縮機21によって加圧された高温で高圧のガス冷媒を複数の異なる高さから受け入れ、外気温度との間で熱交換させることにより、ガス冷媒を凝縮させる。また、ヘッダ23bは、圧縮機21によって加圧された高温で高圧のガス冷媒を、上述の熱交換器本体23aの複数の異なる高さ毎に供給させるために、それぞれの高さにガス冷媒を分割させる。
液面検知センサ239は、図18に示されるように、室外熱交換器23の側面であって、冷房運転を行う際の冷媒回路210における冷媒の流れ方向において液側閉鎖弁26の上流側に配置されている。この液面検知センサ239は、室外熱交換器23のヘッダ23bの高さ方向に沿ってそれぞれ異なる高さ位置に配置されたサーミスタT1〜T5を有しており、室外膨張弁38の上流側に存在する冷媒量に関する状態量を検知する冷媒検知機構として機能する。この液面検知センサ239では、室外膨張弁38の上流側に存在する冷媒量に関する状態量としての室外熱交換器23に溜まっている液冷媒の量を検出する。ここで、冷房運転の場合において、圧縮機21から吐出される高温で高圧のガス冷媒は、室外熱交換器23内において、室外ファン28により供給される空気によって冷却されて凝縮し、高圧の液冷媒となる。また、後述する適正冷媒量自動充填運転モードおよび冷媒漏洩検知運転モードを実行すると、冷媒の循環を途絶えさせた状態で、圧縮機21、凝縮器として機能させる室外熱交換器23、および、室外ファン28とを稼働させ続けるため、室外熱交換器23には凝縮した液冷媒が溜まっていく。ここで、液冷媒はガス冷媒よりも密度が高く重いため、自重によって室外熱交換器23の下方に溜まっていく。この場合に、液冷媒は下方に集合しているため、液冷媒の液面高さ位置を検出できれば、液冷媒の体積を把握することができる。そして、具体的には、液面検知センサ239は、これらのサーミスタT1〜T5のそれぞれの温度の相違に基づいて、冷媒が気体状態で存在する領域と、冷媒が液体状態で存在する領域との境界を液面高さとして検出する。ここでは、サーミスタT1〜T5の検出温度のうち、飽和温度以下の温度を検出しているものについては、当該サーミスタが配置されている高さにおいては冷媒が液状態で存在していると、制御部9が判定することになる。また、サーミスタT1〜T5の検出温度のうち、飽和温度を超える温度を検出しているものについては、当該サーミスタが配置されている高さにおいては冷媒がガス状態で存在していると、制御部9が判定することになる。これにより、液面検知センサ239のサーミスタT1〜T5が複数の異なる高さ位置での液冷媒の有無を検知するために、制御部9は、液冷媒の温度として検出される高さのうち最も高い位置を超えた位置に液面が存在することを把握できる。
室外膨張弁38は、冷房運転を行う際の冷媒回路210における冷媒の流れ方向において室外熱交換器23の過冷却器25の上流側に配置された電動膨張弁である。この室外膨張弁38は、室外熱交換器23の液側に接続されている。これにより、室外膨張弁38は、室外側冷媒回路210c内を流れる冷媒の圧力や流量等の調節することができる。そして、この室外膨張弁38は、当該位置における冷媒の通過を遮断することも可能である。
室外ユニット2は、送風ファンとしての室外ファン28を有している。この室外ファン28は、室外ユニット2内に室外空気を吸入して、室外熱交換器23において冷媒と熱交換を行わせ、熱交換後の空気を再度室外に排出させる。この室外ファン28は、室外熱交換器23に供給する空気の風量を可変することが可能なファンである。室外ファン28は、プロペラファン等であって、DCファンモータ等からなるモータ28mによって駆動される。
過冷却器25は、室外熱交換器23と液冷媒連絡管6との間に設けられている。より具体的には、過冷却器25は、室外膨張弁38と液側閉鎖弁26との間に接続されている。この過冷却器25は、2重管式の熱交換器や、熱源側熱交換器において凝縮された冷媒が流れる冷媒管と後述の過冷却冷媒管61とを接触させることによって構成された配管熱交換器である。このように、熱源側熱交換器において凝縮された冷媒と後述の過冷却冷媒管61を流れる冷媒との間で冷媒が混ざらないようにしつつ熱交換させることで、室外熱交換器23において凝縮されて室内膨張弁41、51に送られる冷媒をさらに冷却させることができる。
室外熱交膨張接続配管6eは、室外熱交換器23と室外膨張弁38とを接続している。室外膨張過冷却接続配管6cは、室外膨張弁38と過冷却器25とを接続している。室外過冷却液側閉鎖接続配管6bは、過冷却器25と液側閉鎖弁26とを接続している。
ガス閉鎖四路接続配管7bは、ガス側閉鎖弁27と四路切換弁22とを接続している。四路圧縮接続配管7cは、四路切換弁と圧縮機21の吸入側とを接続している。
過冷却冷媒回路60は、過冷却器25において、室外熱交換器23から室内膨張弁41、51へ送られる冷媒を冷却させる冷却源として機能する。この過冷却冷媒回路60は、過冷却冷媒管61、および、過冷却膨張弁62を有している。
過冷却冷媒管61は、室外熱交換器23から室内膨張弁41、51へ送られる冷媒の一部を分岐させて、上述の過冷却器25を通過させつつ、圧縮機21の吸入側に戻すように接続された配管である。この過冷却冷媒管61は、過冷却膨張管6d、過冷却分岐管64および過冷却合流管65を含んでいる。この過冷却膨張管6dは、室外膨張弁38から室内膨張弁41、51に送られる冷媒の一部を、室外膨張弁38と過冷却器25との間の位置から分岐させ、後述する過冷却膨張弁62に至まで延びている。過冷却分岐管64は、過冷却膨張弁62と過冷却器25とを接続している。過冷却合流管65は、過冷却器25の過冷却冷媒回路60側の出口から圧縮機21の吸入側に戻すように圧縮機21の吸入側に接続されている。
過冷却膨張弁62は、過冷却膨張管6dと過冷却分岐管64との間に介在して両者を接続させており、通過する冷媒の流量を調節するための連通管膨張機構として機能する電動膨張弁である。
ここで、室外熱交換器23から室内膨張弁41、51へ送られる冷媒の一部は、過冷却膨張管6dによって分岐し、過冷却膨張弁62によって減圧され、過冷却分岐管64によってこの減圧された冷媒が過冷却器25に導かれる。これにより、過冷却器25では、過冷却膨張弁62を通過することにより減圧された冷媒と、室外熱交換器23から液冷媒連絡管6を通じて室内膨張弁41、51に送られる冷媒と、の間で熱交換を行わせることができる。これにより、室外熱交換器23から室内膨張弁41、51に送られる冷媒は、過冷却器25において、過冷却膨張弁62によって減圧された後の過冷却冷媒管61を流れる冷媒によって冷却される。すなわち、過冷却器25における能力制御を、過冷却膨張弁62の開度調節によって行うことができることになる。
また、過冷却冷媒管61は、後述のように、冷媒回路210のうち液側閉鎖弁26と室外膨張弁38との間の部分と圧縮機21の吸入側の部分とを接続する連通管としても機能するようになっている。
液側閉鎖弁26は、外部の機器である液冷媒連絡管6と室外ユニット2との接続口に設けられた弁である。液側閉鎖弁26は、冷房運転を行う際の冷媒回路210における冷媒の流れ方向において過冷却器25の下流側であって液冷媒連絡管6の上流側に配置されており、冷媒の通過を遮断することが可能である。なお、第2実施形態の液側閉鎖弁26は、室外過冷却液側閉鎖接続配管6bを介して過冷却器25に接続されている。
ガス側閉鎖弁27は、外部の機器であるガス冷媒連絡管7と室外ユニット2との接続口に設けられた弁である。このガス側閉鎖弁27は、ガス閉鎖四路接続配管7bを介して四路切換弁22に接続されている。
室外ユニット2には、上述の液面検知センサ239以外にも、各種のセンサが設けられている。具体的には、室外ユニット2には、圧縮機21の吸入圧力を検出する吸入圧力センサ29、圧縮機21の吐出圧力を検出する吐出圧力センサ30、圧縮機21の吸入温度を検出する吸入温度センサ31、および、圧縮機21の吐出温度を検出する吐出温度センサ32が設けられている。さらに、過冷却器25の室外熱交膨張接続配管6e側の出口には、冷媒の温度(すなわち、液管温度)を検出する液管温度センサ35が設けられている。過冷却冷媒管61の過冷却合流管65には、過冷却器25のバイパス冷媒管側の出口を流れる冷媒の温度を検出するための過冷却温度センサ63が設けられている。室外ユニット2の室外空気の吸入口側には、ユニット内に流入する室外空気の温度(すなわち室外温度)を検出する室外温度センサ36が設けられている。吸入温度センサ31、吐出温度センサ32、液管温度センサ35、室外温度センサ36および過冷却温度センサ63は、第2実施形態においては、サーミスタによって構成されている。
室外側制御部37は、室外ユニット2に設けられており、室外ユニット2を構成する各部の動作の制御を行う。そして、室外側制御部37は、室外ユニット2の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータを有しており、モータ21mを制御するインバータ回路等を有しており、メモリ19と接続されている。
室内側制御部47、57は、室内ユニット4,5に設けられており、室内ユニット4,5を構成する各部の動作の制御を行う。
ここで、室外側制御部37は、室内ユニット4、5の室内側制御部47、57との間で伝送線(図示せず)を介して制御信号等のやりとりを行うことができる。
そして、室内側制御部47、57、室外側制御部37、および、これらを接続する伝送線(図示せず)によって、空気調和装置201全体の運転制御を行う制御部9が構成されている。
制御部9は、空気調和装置201の制御ブロックである図17に示されるように、各種センサ29〜32、35、36、239、44〜46、54〜56、63の検出信号を受けることができるように接続されている。制御部9は、これらの検出信号等に基づいて各種機器および弁21、22、28、38、41、43、51、53、62を制御することができる。また、制御部9を構成するメモリ19には、各種データが格納されている。各種データとしては、例えば、室外膨張弁38から室外熱交換器23までの間の室外熱交膨張接続配管6e内の体積、液面検知センサ239が検知する液面高さhから室外熱交換器23内に溜まっている冷媒量を算出するための関係式、室内膨張弁41から液冷媒室内側分岐点D1まで、室内膨張弁51から液冷媒室内側分岐点D1まで、および、液冷媒室内側分岐点D1から液側閉鎖弁26までの配管内の体積の合計である閉鎖配管体積、温度状況に応じた液冷媒の密度データ、および、建物に施工された後の配管長さ等が考慮された物件毎における空気調和装置201の冷媒回路210の適正冷媒量が格納されている。そして、制御部9は、後述の適正冷媒量自動充填運転や冷媒漏洩検知運転を行う際に、これらのデータを読み出して、冷媒回路210に適正な量だけの冷媒を充填したり、この適正冷媒量データとの比較によって冷媒漏洩の有無を判断する。
また、ここで、室内ユニット4、5に対応する室外ユニット2の能力とは、室外ユニット2の室外ファン28の出力を上げて最大風量とした状態で、かつ、圧縮機21の吐出冷媒量を最大量とした状態で、室外熱交換器23において冷媒を凝縮させることができる能力、もしくは、これに等価な熱量や仕事量等のことをいう。
(冷媒連絡管)
冷媒連絡管6、7は、空気調和装置201をビル等の設置場所に設置する際に、現地にて施工される冷媒管である。この冷媒連絡管は、設置場所や室外ユニットと室内ユニットとの組み合わせ等の設置条件に応じて種々の長さや管径を有するものが使用される。このため、例えば、新規に空気調和装置を設置する場合には、空気調和装置201に対して、冷媒連絡管6、7の長さや管径等の設置条件に応じた適正な量の冷媒を充填する必要がある。
液冷媒連絡管6は、室内側液分岐配管4a、5a、室外側液配管6a、および、液冷媒室内側分岐点D1を有している。室内側液分岐配管4aは、室内膨張弁41から延びる配管である。室内側液分岐配管5aは、室内膨張弁51から延びる配管である。室内側液分岐配管4aと、室内側液分岐配管5aと、室外側液配管6aとは、液冷媒室内側分岐点D1において合流している。
ガス冷媒連絡管7は、室内側ガス分岐配管4c、5c、室外側ガス配管7a、および、ガス冷媒室内側分岐点E1を有している。室内側ガス分岐配管4cは、室内熱交換器42から延びる配管である。室内側ガス分岐配管5cは、室内熱交換器52から延びる配管である。室内側ガス分岐配管4cと、室内側ガス分岐配管5cと、室外側ガス配管7aとは、ガス冷媒室内側分岐点E1において合流している。
以上のように、室内側冷媒回路210a、210b、室外側冷媒回路210c、および、冷媒連絡管6、7が接続されることにより、空気調和装置201の冷媒回路210が構成されている。そして、本実施形態の空気調和装置201は、室内側制御部47、57と室外側制御部37とから構成される制御部9によって、四路切換弁22により冷房運転および暖房運転を切り換えて運転を行うとともに、各室内ユニット4、5の運転負荷に応じて、室外ユニット2および室内ユニット4、5の各機器の制御を行うようになっている。
<2.2>空気調和装置の動作
次に、本実施形態の空気調和装置201の動作について説明する。
本実施形態の空気調和装置201の運転モードとしては、通常運転モード、適正冷媒量自動充填運転モード、および、冷媒漏洩検知運転モードがある。
通常運転モードでは、各室内ユニット4、5の運転負荷に応じて室外ユニット2および室内ユニット4、5の構成機器の制御を行う。適正冷媒量自動充填運転モードでは、空気調和装置201の構成機器の設置後等に試運転を行う際において冷媒回路210に対して適正量の冷媒の充填を行う。冷媒漏洩検知運転モードでは、適正冷媒量自動充填運転を含む試運転を終了して通常運転を開始した後において、冷媒回路210からの冷媒の漏洩の有無の判定を行う。
以下、空気調和装置201の各運転モードにおける動作について説明する。
(通常運転モード)
まず、通常運転モードの冷房運転について、図19を用いて説明する。
−冷房運転−
冷房運転時は、四路切換弁22が、図19の実線で示される状態、すなわち、圧縮機21の吐出側が室外熱交換器23のガス側に接続され、かつ、圧縮機21の吸入側がガス側閉鎖弁27およびガス冷媒連絡管7を介して室内熱交換器42、52のガス側に接続された状態となっている。ここで、室外膨張弁38は、全開状態にされている。液側閉鎖弁26およびガス側閉鎖弁27は、開状態にされている。各室内膨張弁41、51は、開度調節されることにより、室内熱交換器42、52の出口(すなわち、室内熱交換器42、52のガス側)における冷媒の過熱度が、過熱度目標値で一定になるように、制御部9が制御している。
ここで、各室内熱交換器42、52の出口における冷媒の過熱度は、ガス側温度センサ45、55により検出される冷媒温度値から液側温度センサ44、54により検出される冷媒温度値(蒸発温度に対応)を差し引くことによって検出される。また、過冷却膨張弁62は、過冷却器25の過冷却冷媒管61側の出口における冷媒の過熱度が、過熱度目標値になるように開度調節されるようになっている(以下、過熱度制御とする)。
ここで、過冷却冷媒管61のうち過冷却器25を通過した後の圧縮機21吸入側における冷媒の過熱度は、吸入圧力センサ29により検出される圧縮機21の吸入圧力を蒸発温度に対応する飽和温度値に換算し、過冷却温度センサ63により検出される冷媒温度値からこの冷媒の飽和温度値を差し引くことによって検出される。
この冷媒回路210の状態で、圧縮機21、室外ファン28および室内ファン43、53を運転すると、低圧のガス冷媒は、圧縮機21に吸入されて圧縮されて高圧のガス冷媒となる。その後、高圧のガス冷媒は、四路切換弁22を経由して室外熱交換器23に送られる。この室外熱交換器23では、高圧のガス冷媒は、室外ファン28によって供給される室外空気と熱交換を行って凝縮して高圧の液冷媒となる。そして、この高圧の液冷媒は、室外膨張弁38を通過して、過冷却器25に流入し、過冷却冷媒管61を流れる冷媒と熱交換を行ってさらに冷却されて過冷却状態になる。このとき、室外熱交換器23において凝縮した高圧の液冷媒の一部は、過冷却冷媒管61に分岐され、過冷却膨張弁62によって減圧された後に、圧縮機21の吸入側に戻される。ここで、過冷却膨張弁62を通過する冷媒は、圧縮機21の吸入圧力近くまで減圧されることで、その一部が蒸発する。そして、過冷却冷媒管61の過冷却膨張弁62から圧縮機21の吸入側に向かって流れる冷媒は、過冷却器25を通過して、室外熱交換器23から室内ユニット4、5へ送られる高圧の液冷媒と熱交換を行う。そして、過冷却器25を通過で過冷却状態になった高圧の液冷媒は、液側閉鎖弁26および液冷媒連絡管6を経由して、室内ユニット4、5に送られる。
この室内ユニット4、5に送られた高圧の液冷媒は、室内膨張弁41、51によって圧縮機21の吸入圧力近くまで減圧されて低圧の気液二相状態の冷媒となって室内熱交換器42、52に送られ、室内熱交換器42、52において室内空気と熱交換を行って蒸発して低圧のガス冷媒となる。
この低圧のガス冷媒は、ガス冷媒連絡管7を経由して室外ユニット2に送られる。室外ユニット2に送られた低圧のガス冷媒は、ガス側閉鎖弁27および四路切換弁22を経由して、再び、圧縮機21に吸入される。
このように、空気調和装置201では、運転モードの一態様として、室外熱交換器23を圧縮機21において圧縮される冷媒の凝縮器として、かつ、室内熱交換器42、52を冷媒の蒸発器として機能させる冷房運転を行うことが可能である。
ここで、通常運転モードの冷房運転を行っている際における冷媒回路210の冷媒の分布状態は、冷房運転時の冷媒回路210内を流れる冷媒の状態を示す模式図である図19に示されるように、冷媒が、液状態(図19における塗りつぶしのハッチング部分)、気液二相状態(図19における格子状のハッチング部分)、ガス状態(図19における斜線のハッチング部分)の各状態をとって分布している。具体的には、冷媒回路210のうち、液冷媒で満たされている箇所は、室外熱交換器23の出口付近の部分から室外熱交膨張接続配管6e、室外膨張弁38、室外膨張過冷却接続配管6c、過冷却器25、室外過冷却液側閉鎖接続配管6b、液側閉鎖弁26、および、液冷媒連絡管6を介して室内膨張弁41、51に至るまでの部分、および、過冷却冷媒管61の過冷却膨張弁62上流側である過冷却膨張管6dの部分である。そして、冷媒回路210のうち、気液二相状態の冷媒で満たされている箇所は、過冷却分岐管64の部分、過冷却器25の過冷却冷媒回路60側の部分であって入口付近の部分、および、室内熱交換器42、52の入口付近の部分である。また、冷媒回路210のうち、ガス状態の冷媒で満たされている箇所は、ガス冷媒連絡管7および圧縮機21を介して室内熱交換器42、52の中間の部分から室外熱交換器23の入口に至るまでの部分、室外熱交換器23の入口付近の部分、および、過冷却器25の過冷却冷媒回路60側の部分であって過冷却器25の中間の部分から過冷却合流管65および圧縮機21の吸入側に合流するまでの部分である。
なお、通常運転モードの冷房運転においては、冷媒はこのような分布で冷媒回路210内に分布しているが、後述する適正冷媒量自動充填運転モードおよび冷媒漏洩検知運転モードの冷媒量判定運転においては、液冷媒連絡管6と室外熱交換器23に液冷媒が集められた分布となる(図23参照)。
−暖房運転−
次に、通常運転モードの暖房運転について説明する。
暖房運転時は、四路切換弁22が、図16の破線で示される状態、すなわち、圧縮機21の吐出側がガス側閉鎖弁27およびガス冷媒連絡管7を介して室内熱交換器42、52のガス側に接続され、かつ、圧縮機21の吸入側が室外熱交換器23のガス側に接続された状態となっている。室外膨張弁38は、室外熱交換器23に流入する冷媒を室外熱交換器23において蒸発させることが可能な圧力(すなわち、蒸発圧力)まで減圧するために、制御部9によって開度調節がなされる。また、液側閉鎖弁26およびガス側閉鎖弁27は、開状態にされている。室内膨張弁41、51は、制御部9によって開度調節されることで、室内熱交換器42、52の出口における冷媒の過冷却度が、過冷却度目標値で一定になるように制御されている。
ここでは、室内熱交換器42、52の出口における冷媒の過冷却度は、吐出圧力センサ30により検出される圧縮機21の吐出圧力を凝縮温度に対応する飽和温度値に換算し、この冷媒の飽和温度値から液側温度センサ44、54により検出される冷媒温度値を差し引くことによって検出される。また、暖房運転時には、過冷却膨張弁62は、閉止されている。
この冷媒回路210の状態で、圧縮機21、室外ファン28および室内ファン43、53を運転すると、低圧のガス冷媒は、圧縮機21に吸入されて圧縮されて高圧のガス冷媒となり、四路切換弁22、ガス側閉鎖弁27およびガス冷媒連絡管7を経由して、室内ユニット4、5に送られる。
そして、室内ユニット4、5に送られた高圧のガス冷媒は、室内熱交換器42、52において、室内空気と熱交換を行って凝縮して高圧の液冷媒となった後、室内膨張弁41、51を通過する際に、室内膨張弁41、51の弁開度に応じて減圧される。
この室内膨張弁41、51を通過した冷媒は、液冷媒連絡管6を経由して室外ユニット2に送られ、液側閉鎖弁26、過冷却器25、および、室外膨張弁38を経由してさらに減圧され、室外熱交換器23に流入する。そして、室外熱交換器23に流入した低圧の気液二相状態の冷媒は、室外ファン28によって供給される室外空気と熱交換を行って蒸発し、低圧のガス冷媒となる。この低圧のガス冷媒は、四路切換弁22を経由して、再び、圧縮機21に吸入される。
以上のような通常運転モードにおける運転制御は、冷房運転および暖房運転を含む通常運転を行う運転制御手段として機能する制御部9(より具体的には、室内側制御部47、57、室外側制御部37、および、これらを通信可能に接続している図示しない伝送線)によって行われる。
(適正冷媒量自動充填運転モード)
次に、試運転の際に行われる適正冷媒量自動充填運転モードについて、図20〜図23を用いて説明する。
図20は、適正冷媒量自動充填運転のフローチャートである。
図21は、図2の熱交換器本体23aおよびヘッダ23bの内部を模式的に示した図である。
図22は、適正冷媒量自動充填運転における能力比率制御を行っている際の冷媒回路210内を流れる冷媒の状態を示す模式図である。
図23は、適正冷媒量自動充填運転における検知前の冷媒回路210内を流れる冷媒の状態を示す模式図である。この図23では、適正冷媒量自動充填運転において室外熱交換器23に冷媒が溜まる様子を示している。
適正冷媒量自動充填運転モードは、空気調和装置201の構成機器の設置後等における試運転の際に行われる運転モードであり、液冷媒連絡管6およびガス冷媒連絡管7の容積に応じた適正な冷媒量を冷媒回路210に対して自動で充填させる運転モードである。
まず、冷媒量の判定を行う液面検知センサ239による液面高さhの検知精度を担保させるために、校正処理を行う。
そして、室外ユニット2の液側閉鎖弁26およびガス側閉鎖弁27を開けて、室外ユニット2に予め充填されている冷媒を冷媒回路210内に充満させる。
次に、適正冷媒量自動充填運転を行う作業者が、追加充填用の冷媒ボンベを冷媒回路210(例えば、圧縮機21の吸入側等)に接続して充填を開始する。
そして、作業者が、制御部9に対して直接にまたは、リモコン(図示せず)等によって適正冷媒量自動充填運転を開始する指令を出す。
このようにして、制御部9は、図20に示されるステップS21〜ステップS34の処理を伴う冷媒量判定運転および冷媒量の適否の判定を行う。
ステップS21では、制御部9は、冷媒回路210における室外熱交換器23のヘッダ23bの温度が安定しているか否かを判定する。具体的には、室外ユニット2が所定時間(例えば、24時間)以上の間、運転状態とされることが無かったか否か判断する。ここで、制御部9が、所定時間以上の間運転されていないと判断した場合には、ステップS22に移行する。なお、所定時間以内の間に室外ユニット2が運転されている場合には、所定時間の経過を待つ。
ステップS22では、制御部9は、液面検知センサ239の各サーミスタT1〜T5の検知値を同時に取得する。そして、制御部9は、検出した各サーミスタT1〜T5の検出温度が同じ温度を検出しているものとして、サーミスタT1〜T5の校正を行う。ここでは、サーミスタT1〜T5の検出温度のうち最も平均値に近い温度を検出しているサーミスタTが検出している温度を、他のサーミスタTも検出しているものとして、他のサーミスタTの校正を行う。例えば、サーミスタT3の検出温度が25.5℃で平均値に最も近かったとする。そうすると、制御部9は、他のサーミスタT1、T2、T4、T5について、実際には、サーミスタT1の検出温度が25.9℃、サーミスタT2の検出温度が25.1℃、サーミスタT4の検出温度が25.3℃、サーミスタT5の検出温度が25.7℃となっていたとしても、サーミスタT3の検出温度に合わせるように、他のサーミスタT1、T2、T4、T5についても25.5℃を検出していたものとして、校正する。この例では、例えば、サーミスタT1の検出温度について−0.4℃、サーミスタT2の検出温度について+0.4℃、サーミスタT4の検出温度について+0.2℃、サーミスタT5の検出温度について−0.2℃として、それぞれ調節して制御部9が把握することになる。なお、ここで、制御部9は、液面検知センサ239の各サーミスタT1〜T5が実際に検知する温度と、ヘッダ23bの内圧における飽和温度と、ヘッダ23bの外部の周囲温度と、がそれぞれ等しいものとして検出できるようにしてもよい。
ステップS23では、制御部9は、冷媒ボンベの接続の完了を検出しつつ、冷媒ボンベから延びる配管に設けられた弁(図示せず)を、冷媒の供給を許容する状態とし、冷媒の追加充填を開始させる。
ステップS24では、制御部9は、上述の通常運転モードの冷房運転の欄で述べた制御と同様の運転が行われるように、機器を制御する。これにより、追加充填用の冷媒ボンベから冷媒回路210内に冷媒が追加充填されていく。
ステップS25では、温度一定化制御と能力比率制御とが同時に制御部9によって実行される。
液温一定化制御では、制御部9は、凝縮圧力制御と液管温度制御とを行う。凝縮圧力制御では、制御部9は、室外熱交換器23における冷媒の凝縮圧力が一定になるように、室外ファン28によって室外熱交換器23に供給される室外空気の風量を制御する。凝縮器における冷媒の凝縮圧力は室外温度の影響より大きく変化するため、室外温度センサ36が検知する温度に応じて制御部9がモータ28mの出力制御を行うことによって、室外ファン28から室外熱交換器23に供給される室内空気の風量を制御する。これにより、室外熱交換器23における冷媒の凝縮圧力を一定化させることが可能になり、凝縮器内を流れる冷媒の状態を安定化させることができる。そして、冷媒回路210のうち、室外熱交換器23から室内膨張弁41、51までの間、すなわち、室外熱交膨張接続配管6e、室外膨張過冷却接続配管6c、過冷却膨張管6d、室外過冷却液側閉鎖接続配管6b、および、室外側液配管6a、液冷媒室内側分岐点D1、室内側液分岐配管4a、5aの各内部を、高圧の液冷媒が流れた状態に制御することができる。これにより、室外熱交換器23から室内膨張弁41、51および過冷却膨張弁62までの部分における冷媒の圧力についても、安定化させることができる。なお、ここでの凝縮圧力制御では、制御部9は、吐出圧力センサ30によって検出される圧縮機21の吐出圧力を凝縮圧力として用いることで制御を行う。さらに、液温一定化制御のもう一つの制御である液管温度制御では、上述の通常運転モードの冷房運転における過熱度制御とは異なり、過冷却器25から室内膨張弁41、51に送られる冷媒の温度が一定になるように過冷却器25の能力を制御する。より具体的には、液管温度制御では、過冷却器25の室外過冷却液側閉鎖接続配管6b側の出口に設けられた液管温度センサ35によって検出される冷媒の温度が、液管温度目標値で一定になるように、制御部9は、過冷却冷媒管61における過冷却膨張弁62の開度を調節する制御を行う。これにより、過冷却器25の室外過冷却液側閉鎖接続配管6b側の出口から室内膨張弁41、51に至る液冷媒連絡管6を含む冷媒管内における冷媒密度を、ある一定の値で安定化させることができる。
能力比率制御では、制御部9は、室外ユニット2による冷凍能力と、室内ユニット4、5の合計による冷凍能力との比率が、稼働台数が少ない状態で所定の比率となるように制御を行う。すなわち、少なくとも圧縮機21、室外熱交換器23、および、室外ファン28、モータ28mのうち稼働中のものの能力に基づいて定まる室外ユニット側冷凍能力と、少なくとも室内膨張弁41、室内熱交換器42、室内ファン43、モータ43m、室内膨張弁51、室内熱交換器52、および、室内ファン53、モータ53mのうち稼働中のものの能力に基づいて定まる室内ユニット側冷凍能力と、の関係が予め定めた所定比率となるように、各構成機器の稼働状況を調節する制御を行う。ここでは、室内ユニット4、5の2台が設けられているため、いずれか一台の運転能力を制限させた状態で、能力の比率が所定の比率となるように制御する。具体的には、制御部9は、上述したように、室内ユニット4、5のうちで冷媒を蒸発させる能力が低い方である室内ユニット5の能力を優先的に制限させる。ここでは、室内ユニット5の室内膨張弁51の開度を、室内ユニット4の室内膨張弁41の開度の1/20以下となるように絞り込み、室内ファン53を回転駆動させるファンモータ53mの駆動を停止させる。これにより、誤差の生じる要因となる室内ユニットの高出力稼働台数を少なくできるとともに、能力の大きい側の室内ユニットを稼働したままの状態にできるため、その大きな能力の範囲内の間で出力を調節することができ、調節幅を広く確保することができる。これにより、より確実に冷媒分布状態を安定化させることができるようになる。この能力比率制御によって、図22に示すように、室内膨張弁51を通過する冷媒量は、室内膨張弁41を通過する冷媒量よりも少なく制御することができる。これにより、室内熱交換器52の周囲の環境変化に伴う液温一定化の難化を回避することができる。すなわち、室内熱交換器52が設置されている室内の室内温度等の室内環境の変化が大きく、室内熱交換器52から室内側ガス分岐配管5cに向けて流れるガス冷媒の過熱度が不安定となることに起因して、冷媒回路210内の冷媒分布が不安定になることがある。しかし、このように能力比率制御を行うことで、室内膨張弁51をほとんど閉じた状態として室内ファン53も停止させ、室内熱交換器52の能力を低く抑えることで、このような冷媒回路210内の冷媒分布の不安定化を回避することができる。これにより、液管温度センサ35が検知する温度の一定化(液温一定化の実現)を迅速に達成させることができるようになる。
なお、このように、能力比率制御を行うことで室内膨張弁51をほとんど閉じた状態にしているため、液冷媒室内側分岐点D1から室内膨張弁51までの間の室内側液分岐配管5a内の冷媒が停滞しがちになっている。このため、室内側液分岐配管5a内の流通が途絶えがちになっている液冷媒は、室内温度センサ56が検知している周囲温度の影響を受けていき、液温一定化制御によって過冷却器25で制御された液温のままで維持することが困難になっている。
ステップS26では、制御部9は、室内側液分岐配管5a内の上述した流通が途絶えがちになっている液冷媒の温度が、液温一定化制御によって制御された温度から離れていくことを防ぐ制御である能力制限機分岐配管温度一定化制御を行う。具体的には、制御部9は、室内熱交換器52の能力を出し過ぎて冷媒回路210の冷媒分布の安定が崩れない程度に、室内膨張弁51の開度を開けて室内側液分岐配管5a内で停滞している液冷媒を流通させ、液温一定化制御されたばかりの液冷媒を液冷媒室内側分岐点D1の上流側から室内側液分岐配管5a内に新たに導き入れる。なお、この能力制限機分岐配管温度一定化制御では、制御部9は、液温一定化制御によって一定化される温度と、ガス側温度センサ55との乖離度合いが大きいほど、室内膨張弁51の開度を上げる制御を行う。これにより、液温一定化制御によって制御された温度状態となっている液冷媒を室内側液分岐配管5aに流通させ、室内側液分岐配管5a内の温度を、液温一定化制御によって制御された液温に近づけることができる。
ステップS27では、制御部9は、液管温度センサ35が検知する温度の変化が、5分間プラスマイナス2℃の範囲で維持されたか否か、すなわち、安定化したか否か判断する。制御部9が安定していないと判断すれば、この液温一定化制御および能力比率制御を続ける。制御部9が安定化していると判断すれば、ステップS28に移行する。
ステップS28では、制御部9は、能力比率制御によって冷凍能力が制限されている室内ユニット5側のガス側温度センサ55が検知する検知温度が5分間プラスマイナス2℃の範囲で維持されたか否か、すなわち、安定化したか否か判断する。制御部9が安定化していないと判断すれば、安定化するまで待つ。制御部9が安定化していると判断すれば、ステップS29に移行する。
ステップS29では、制御部9は、室内膨張弁41、51を全閉状態とした後に液側閉鎖弁26を全閉状態とする封鎖制御を行う。これにより、図23に示すように、室内膨張弁41、51から液側閉鎖弁26までの間における液冷媒は、液温一定化制御によってある温度に制御された、室内膨張弁41、51から液側閉鎖弁26までの間の配管内の体積を有する冷媒として特定することができる。
ステップS30では、制御部9は、メモリ19に格納されている冷媒回路10のうち、室内膨張弁41から液冷媒室内側分岐点D1まで、室内膨張弁51から液冷媒室内側分岐点D1まで、および、液冷媒室内側分岐点D1から液側閉鎖弁26までの配管内の体積の合計である閉鎖配管体積のデータ、および、温度状況に応じた液冷媒の密度データを読み出す。そして、制御部9は、室内膨張弁41から液冷媒室内側分岐点D1まで、室内膨張弁51から液冷媒室内側分岐点D1まで、および、液冷媒室内側分岐点D1から液側閉鎖弁26までの配管内の体積の合計である閉鎖配管体積に、液管温度センサ35が検知した温度に対応する液冷媒密度を乗じて、室内膨張弁41、51から液側閉鎖弁26までの間の配管内の液冷媒の量である液管確定冷媒量Yを算出する。この液管確定冷媒量Yは、温度に応じた液冷媒の密度も考慮された精度の高い値を得ることができる。このように、冷媒回路210中の冷媒量が室外熱交換器23内容積を超えて存在する場合であっても、少なくとも閉鎖制御された冷媒については、正確な体積であって正確な液冷媒密度により定量化した精度の良い冷媒量を判定することができている。
ステップS31では、制御部9は、メモリ19に格納されている冷媒回路210における適正冷媒量を読み出す。そして、制御部9は、この適正冷媒量Zから、正確な量として求めた液管確定冷媒量Yを差し引いて、室外膨張弁38から室外熱交換器23にかけて溜める必要がある熱交冷媒量Xを算出する。さらに、制御部9は、メモリ19に格納された室外膨張弁38から室外熱交換器23までの間の室外熱交膨張接続配管6e内の体積、液面検知センサ239が検知する液面高さhから室外熱交換器23内に溜まっている冷媒量を算出するための関係式、および、温度状況に応じた液冷媒の密度データを読み出す。そして、制御部9は、算出した熱交冷媒量Xに対応する室外熱交換器23の液面高さhを算出する。具体的には、制御部9は、熱交冷媒量Xから、室外膨張弁38から室外熱交換器23までの間の室外熱交膨張接続配管6e内の体積に温度状況に応じた液冷媒の密度を乗じた値を減算する。そして、減算で得られた量と、液面検知センサ239が検知する液面高さhから室外熱交換器23内に溜まっている冷媒量を算出するための関係式と、によって、液面高さhを算出する。なお、ここでの液面高さhは、後述する液面検知センサ239による検知が行われる時点での周囲温度に対応する液冷媒の密度を用いて算出する。すなわち、ここでは、室外熱交換器23のヘッダ23b部分の液冷媒の温度が高いときは液冷媒体積が大きく、低い時には液冷媒体積が小さくなる。よって、制御部9は、室外熱交換器23のヘッダ23b部分の温度が高いほど適正冷媒量が充填されたか否かを判定する高さ位置を高く設定し、温度が低いほど適正冷媒量が充填されたか否かを判定する高さ位置を低く設定する。
ステップS32では、制御部9は、室外膨張弁38を全閉状態とする遮断制御を行う。これにより、図23に示すように、冷媒回路210内の冷媒のうち、室内膨張弁41に対する圧縮機21吸入側の室内機内接続配管4b、室内熱交換器42、室内側ガス分岐配管4c、室内膨張弁51に対する圧縮機21吸入側の室内機内接続配管5b、室内熱交換器52、室内側ガス分岐配管5c、ガス冷媒室内側分岐点E1、室外側ガス配管7a、室外熱交膨張接続配管6e、室外膨張過冷却接続配管6c、過冷却器25、室外過冷却液側閉鎖接続配管6b、および、過冷却冷媒回路60、ガス閉鎖四路接続配管7b、および四路圧縮接続配管7cに存在している冷媒を、圧縮機21に吸入させることができる。これにより、これらの部分の冷媒を圧縮機21によって高温高圧のガス冷媒として室外熱交換器23にまで供給することができる。これにより、室外熱交換器23まで供給された高温高圧のガス冷媒は、室外熱交換器23における熱交換によって凝縮され、液冷媒となっていく。ここで、遮断制御によって冷媒の循環が途絶えさせられているため、室外熱交換器23内で凝縮した液冷媒は、室外膨張弁38の室外熱交膨張接続配管6e側に溜まっていく。そして、液状態となった冷媒は、室外熱交換器23内部では、自重により未凝縮の高温高圧のガス冷媒よりも下方であって、室外熱交換器23の底から徐々に溜まっていくことになる。
ステップS33では、制御部9は、図21に示すように、液面検知センサ239の検知値が、ステップS31で算出した熱交冷媒量Xに対応する液面高さhを、上述したように現時点での室外温度センサ36による検知温度条件での液冷媒密度に対応するように補正し、この補正した液面高さhに至るまで冷媒が充填されたか否かを判断する。ここで制御部9が液面高さhに達していないと判断した場合には、さらなる充填を続ける。また、制御部9は、液面高さhに達していると判断した場合には、ステップS34に移行する。
ステップS34では、制御部9は、冷媒ボンベからの追加充填を終える。具体的には、冷媒ボンベから延びている配管に設けられた弁(図示せず)を冷媒の通過を許容しない状態にする。
(冷媒漏洩検知運転モード)
次に、冷媒漏洩検知運転モードについて説明する。
冷媒漏洩検知運転モードは、冷媒充填作業を伴う点を除いては、適正冷媒量充填運転モードとほぼ同様である。
冷媒漏洩検知運転モードは、例えば、定期的(休日や深夜等で空調を行う必要がない時間帯等)に、冷媒回路210から冷媒が外部に漏洩していないかどうかを検知する場合に行われる運転である。
冷媒漏洩検知運転では、図24に示されるように、ステップS41〜ステップS54の順序で行われる処理を行う。
ステップS41では、制御部9は、冷媒回路210における室外熱交換器23のヘッダ23bの温度が安定しているか否かを判定する。具体的には、室外ユニット2が所定時間(例えば、24時間)以上の間、運転状態とされることが無かったか否か判断する。ここで、制御部9が、所定時間以上の間運転されていないと判断した場合には、ステップS42に移行する。なお、所定時間以内の間に室外ユニット2が運転されている場合には、所定時間の経過を待つ。
ステップS42では、制御部9は、液面検知センサ239の各サーミスタT1〜T5の検知値を同時に取得する。そして、制御部9は、検出した各サーミスタT1〜T5の検出温度が同じ温度を検出しているものとして、サーミスタT1〜T5の校正を行う。ここでは、サーミスタT1〜T5の検出温度のうち最も平均値に近い温度を検出しているサーミスタTが検出している温度を、他のサーミスタTも検出しているものとして、他のサーミスタTの校正を行う。例えば、サーミスタT3の検出温度が25.5℃で平均値に最も近かったとする。そうすると、制御部9は、他のサーミスタT1、T2、T4、T5について、実際には、サーミスタT1の検出温度が25.9℃、サーミスタT2の検出温度が25.1℃、サーミスタT4の検出温度が25.3℃、サーミスタT5の検出温度が25.7℃となっていたとしても、サーミスタT3の検出温度に合わせるように、他のサーミスタT1、T2、T4、T5についても25.5℃を検出していたものとして、校正する。この例では、例えば、サーミスタT1の検出温度について−0.4℃、サーミスタT2の検出温度について+0.4℃、サーミスタT4の検出温度について+0.2℃、サーミスタT5の検出温度について−0.2℃として、それぞれ調節して制御部9が把握することになる。なお、ここで、制御部9は、液面検知センサ239の各サーミスタT1〜T5が実際に検知する温度と、ヘッダ23bの内圧における飽和温度と、ヘッダ23bの外部の周囲温度と、がそれぞれ等しいものとして検出できるようにしてもよい。
ステップS43では、制御部9は、上述の通常運転モードの冷房運転の欄で述べた制御と同様の運転が行われるように、機器を制御する。
ステップS44では、温度一定化制御と能力比率制御とが同時に制御部9によって実行される。
液温一定化制御では、制御部9は、凝縮圧力制御と液管温度制御とを行う。凝縮圧力制御では、制御部9は、室外熱交換器23における冷媒の凝縮圧力が一定になるように、室外ファン28によって室外熱交換器23に供給される室外空気の風量を制御する。凝縮器における冷媒の凝縮圧力は室外温度の影響より大きく変化するため、室外温度センサ36が検知する温度に応じて制御部9がモータ28mの出力制御を行うことによって、室外ファン28から室外熱交換器23に供給される室内空気の風量を制御する。これにより、室外熱交換器23における冷媒の凝縮圧力を一定化させることが可能になり、凝縮器内を流れる冷媒の状態を安定化させることができる。そして、冷媒回路210のうち、室外熱交換器23から室内膨張弁41、51までの間、すなわち、室外熱交膨張接続配管6e、室外膨張過冷却接続配管6c、過冷却膨張管6d、室外過冷却液側閉鎖接続配管6b、および、室外側液配管6a、液冷媒室内側分岐点D1、室内側液分岐配管4a、5aの各内部を、高圧の液冷媒が流れた状態に制御することができる。これにより、室外熱交換器23から室内膨張弁41、51および過冷却膨張弁62までの部分における冷媒の圧力についても、安定化させることができる。なお、ここでの凝縮圧力制御では、制御部9は、吐出圧力センサ30によって検出される圧縮機21の吐出圧力を凝縮圧力として用いることで制御を行う。さらに、液温一定化制御のもう一つの制御である液管温度制御では、上述の通常運転モードの冷房運転における過熱度制御とは異なり、過冷却器25から室内膨張弁41、51に送られる冷媒の温度が一定になるように過冷却器25の能力を制御する。より具体的には、液管温度制御では、過冷却器25の室外過冷却液側閉鎖接続配管6b側の出口に設けられた液管温度センサ35によって検出される冷媒の温度が、液管温度目標値で一定になるように、制御部9は、過冷却冷媒管61における過冷却膨張弁62の開度を調節する制御を行う。これにより、過冷却器25の室外過冷却液側閉鎖接続配管6b側の出口から室内膨張弁41、51に至る液冷媒連絡管6を含む冷媒管内における冷媒密度を、ある一定の値で安定化させることができる。
能力比率制御では、制御部9は、室外ユニット2による冷凍能力と、室内ユニット4、5の合計による冷凍能力との比率が、稼働台数が少ない状態で所定の比率となるように制御を行う。すなわち、少なくとも圧縮機21、室外熱交換器23、および、室外ファン28、モータ28mのうち稼働中のものの能力に基づいて定まる室外ユニット側冷凍能力と、少なくとも室内膨張弁41、室内熱交換器42、室内ファン43、モータ43m、室内膨張弁51、室内熱交換器52、および、室内ファン53、モータ53mのうち稼働中のものの能力に基づいて定まる室内ユニット側冷凍能力と、の関係が予め定めた所定比率となるように、各構成機器の稼働状況を調節する制御を行う。ここでは、室内ユニット4、5の2台が設けられているため、いずれか一台の運転能力を制限させた状態で、能力の比率が所定の比率となるように制御する。具体的には、制御部9は、上述したように、室内ユニット4、5のうちで冷媒を蒸発させる能力が低い方である室内ユニット5の能力を優先的に制限させる。ここでは、室内ユニット5の室内膨張弁51の開度を、室内ユニット4の室内膨張弁41の開度の1/20以下となるように絞り込み、室内ファン53を回転駆動させるファンモータ53mの駆動を停止させる。これにより、誤差の生じる要因となる室内ユニットの高出力稼働台数を少なくできるとともに、能力の大きい側の室内ユニットを稼働したままの状態にできるため、その大きな能力の範囲内の間で出力を調節することができ、調節幅を広く確保することができる。これにより、より確実に冷媒分布状態を安定化させることができるようになる。この能力比率制御によって、図22に示すように、室内膨張弁51を通過する冷媒量は、室内膨張弁41を通過する冷媒量よりも少なく制御することができる。これにより、室内熱交換器52の周囲の環境変化に伴う液温一定化の難化を回避することができる。すなわち、室内熱交換器52が設置されている室内の室内温度等の室内環境の変化が大きく、室内熱交換器52から室内側ガス分岐配管5cに向けて流れるガス冷媒の過熱度が不安定となることに起因して、冷媒回路210内の冷媒分布が不安定になることがある。しかし、このように能力比率制御を行うことで、室内膨張弁51をほとんど閉じた状態として室内ファン53も停止させ、室内熱交換器52の能力を低く抑えることで、このような冷媒回路210内の冷媒分布の不安定化を回避することができる。これにより、液管温度センサ35が検知する温度の一定化(液温一定化の実現)を迅速に達成させることができるようになる。
なお、このように、能力比率制御を行うことで室内膨張弁51をほとんど閉じた状態にしているため、液冷媒室内側分岐点D1から室内膨張弁51までの間の室内側液分岐配管5a内の冷媒が停滞しがちになっている。このため、室内側液分岐配管5a内の流通が途絶えがちになっている液冷媒は、室内温度センサ56が検知している周囲温度の影響を受けていき、液温一定化制御によって過冷却器25で制御された液温のままで維持することが困難になっている。
ステップS45では、制御部9は、室内側液分岐配管5a内の上述した流通が途絶えがちになっている液冷媒の温度が、液温一定化制御によって制御された温度から離れていくことを防ぐ制御である能力制限機分岐配管温度一定化制御を行う。具体的には、制御部9は、室内熱交換器52の能力を出し過ぎて冷媒回路210の冷媒分布の安定が崩れない程度に、室内膨張弁51の開度を開けて室内側液分岐配管5a内で停滞している液冷媒を流通させ、液温一定化制御されたばかりの液冷媒を液冷媒室内側分岐点D1の上流側から室内側液分岐配管5a内に新たに導き入れる。なお、この能力制限機分岐配管温度一定化制御では、制御部9は、液温一定化制御によって一定化される温度と、ガス側温度センサ55との乖離度合いが大きいほど、室内膨張弁51の開度を上げる制御を行う。これにより、液温一定化制御によって制御された温度状態となっている液冷媒を室内側液分岐配管5aに流通させ、室内側液分岐配管5a内の温度を、液温一定化制御によって制御された液温に近づけることができる。
ステップS46では、制御部9は、液管温度センサ35が検知する温度の変化が、5分間プラスマイナス2℃の範囲で維持されたか否か、すなわち、安定化したか否か判断する。制御部9が安定していないと判断すれば、この液温一定化制御および能力比率制御を続ける。制御部9が安定化していると判断すれば、ステップS47に移行する。
ステップS47では、制御部9は、能力比率制御によって冷凍能力が制限されている室内ユニット5側のガス側温度センサ55が検知する検知温度が5分間プラスマイナス2℃の範囲で維持されたか否か、すなわち、安定化したか否か判断する。制御部9が安定化していないと判断すれば、安定化するまで待つ。制御部9が安定化していると判断すれば、ステップS48に移行する。
ステップS48では、制御部9は、室内膨張弁41、51を全閉状態とした後に液側閉鎖弁26を全閉状態とする封鎖制御を行う。これにより、図23に示すように、室内膨張弁41、51から液側閉鎖弁26までの間における液冷媒は、液温一定化制御によってある温度に制御された、室内膨張弁41、51から液側閉鎖弁26までの間の配管内の体積を有する冷媒として特定することができる。
ステップS49では、制御部9は、メモリ19に格納されている冷媒回路10のうち、室内膨張弁41から液冷媒室内側分岐点D1まで、室内膨張弁51から液冷媒室内側分岐点D1まで、および、液冷媒室内側分岐点D1から液側閉鎖弁26までの配管内の体積の合計である閉鎖配管体積のデータ、および、温度状況に応じた液冷媒の密度データを読み出す。そして、制御部9は、室内膨張弁41から液冷媒室内側分岐点D1まで、室内膨張弁51から液冷媒室内側分岐点D1まで、および、液冷媒室内側分岐点D1から液側閉鎖弁26までの配管内の体積の合計である閉鎖配管体積に、液管温度センサ35が検知した温度に対応する液冷媒密度を乗じて、室内膨張弁41、51から液側閉鎖弁26までの間の配管内の液冷媒の量である液管確定冷媒量Yを算出する。この液管確定冷媒量Yは、温度に応じた液冷媒の密度も考慮された精度の高い値を得ることができる。このように、冷媒回路210中の冷媒量が室外熱交換器23内容積を超えて存在する場合であっても、少なくとも閉鎖制御された冷媒については、正確な体積であって正確な液冷媒密度により定量化した精度の良い冷媒量を判定することができている。
ステップS50では、制御部9は、室外膨張弁38を全閉状態とする遮断制御を行う。これにより、図23に示すように、冷媒回路210内の冷媒のうち、室内膨張弁41に対する圧縮機21吸入側の室内機内接続配管4b、室内熱交換器42、室内側ガス分岐配管4c、室内膨張弁51に対する圧縮機21吸入側の室内機内接続配管5b、室内熱交換器52、室内側ガス分岐配管5c、ガス冷媒室内側分岐点E1、室外側ガス配管7a、室外熱交膨張接続配管6e、室外膨張過冷却接続配管6c、過冷却器25、室外過冷却液側閉鎖接続配管6b、および、過冷却冷媒回路60、ガス閉鎖四路接続配管7b、および四路圧縮接続配管7cに存在している冷媒を、圧縮機21に吸入させることができる。これにより、これらの部分の冷媒を圧縮機21によって高温高圧のガス冷媒として室外熱交換器23にまで供給することができる。これにより、室外熱交換器23まで供給された高温高圧のガス冷媒は、室外熱交換器23における熱交換によって凝縮され、液冷媒となっていく。ここで、遮断制御によって冷媒の循環が途絶えさせられているため、室外熱交換器23内で凝縮した液冷媒は、室外膨張弁38の室外熱交膨張接続配管6e側に溜まっていく。そして、液状態となった冷媒は、室外熱交換器23内部では、自重により未凝縮の高温高圧のガス冷媒よりも下方であって、室外熱交換器23の底から徐々に溜まっていくことになる。
ステップS51では、制御部9は、液面検知センサ239によって検知される室外熱交換器23の冷媒の液面が、所定変動範囲内で維持された状態が所定持続時間以上続いているか否か判断する。ここでの液面高さの所定変動範囲内は、例えば、プラスマイナス5cmの範囲内とすることができる。また、所定時間としては、例えば、液面高さがプラスマイナス5cmの所定変動範囲内で維持された状態のまま経過する時間として、5分とすることができる。
ここで、制御部9が、所定変動範囲内で維持された状態が所定時間以上続いていると判断した場合には、ステップS52に移行する。なお、制御部9が、所定変動範囲内で維持された状態が所定時間以上続いていないと判断した場合には、ステップS51を繰り返す。
ステップS52では、制御部9は、メモリ19に格納された室外膨張弁38から室外熱交換器23までの間の室外熱交膨張接続配管6e内の体積、室外温度センサ36が検出する温度に対応して液冷媒密度、液面検知センサ239が検知する液面高さhから室外熱交換器23内に溜まっている冷媒量を算出するための関係式、および、温度状況に応じた液冷媒の密度データを読み出す。さらに、液面検知センサ239によって検知される液面高さhを検出し、読み出した関係式により、室外熱交換器23内の液冷媒の体積を算出する。そして、室外膨張弁38から室外熱交換器23までの間の室外熱交膨張接続配管6e内の体積と、室外熱交換器23内の液冷媒の体積とを合計する。そして、制御部9は、合計体積に対して、温度状況に応じた液冷媒の密度を乗じて、熱交冷媒量Xを算出する。
ステップS53では、制御部9は、ステップS49で算出した液管確定冷媒量Yと、ステップS52で算出した熱交冷媒量Xと、を合計し、冷媒回路210内の現在の全冷媒量を算出する。
ステップS54では、制御部9は、メモリ19に格納されている適正冷媒量と、ステップS53で算出された冷媒回路210内の現在の全冷媒量と、を比較する。ここで、メモリ19に格納されている適正冷媒量は、このステップS54の判定を行う時点で室外温度センサ36が検知している温度に対応する液冷媒の密度で補正し、補正によって得られた量を基準として、冷媒回路210内の現在の全冷媒量と、比較する。ここで、現在の全冷媒量が適正冷媒量に満たなくなっていた場合には、冷媒の漏洩が生じていたと判定する。また、現在の全冷媒量が適正冷媒量と実質的に等しかった場合には、漏洩は生じていないと判定する。
なお、液面高さhのデータを検出した後は、制御部9は、速やかに圧縮機21の運転を停止する。このように、圧縮機21の運転を検出後速やかに停止させることで、室内熱交換器42、52やガス冷媒連絡管7等が極端に減圧されることを回避して、機器の信頼性を維持させることができる。また、圧縮機21の出力側のポート温度の過剰な上昇を抑えることができ、圧縮機21についての信頼性も維持させることができる。以上により、冷媒漏洩検知運転を終了する。
<2.3>第2実施形態の空気調和装置および冷媒量判定方法の特徴
第2実施形態の空気調和装置201および冷媒量判定方法には、以下のような特徴がある。
(1)
一般に、未だ凝縮されていない過熱度が付いているガス状態の冷媒と、凝縮されて過冷却度が付いている液状態の冷媒と、の温度差を検出して液面高さを検知しようとすると、液面付近は、凝縮しようとする直前の過熱度が小さいガス状態の冷媒と、凝縮したばかりで過冷却度があまりついていない液状態の冷媒と、が近接していることになる。そして、液面高さを検出するためには、このような、液面付近における、凝縮しようとする直前の過熱度が小さいガス状態の冷媒と、凝縮したばかりで過冷却度があまりついていない液状態の冷媒と、の温度差を検出することができるという程度の精度が要求される。
これに対して、第2実施形態の空気調和装置201では、室外熱交換器23のヘッダ23bの温度が安定しているか否かを判定している状況で、液面検知センサ239の各サーミスタT1〜T5の温度を校正している。これにより、同一環境下における温度検知誤差を低減させることができ、室外熱交換器23内の液冷媒の量について、検知精度を向上させることができる。すなわち、各サーミスタT1〜T5による液面高さ検知精度を、あたかも1つのセンサを用いて各高さにおける温度を検知したかのような高い精度とすることができる。
(2)
冷媒の循環を途絶えさせて、室外熱交換器23において液冷媒を溜める運転をする場合には、室外ファン28からの風によりガス冷媒が冷却され、凝縮した液冷媒さらに周囲温度によって冷却されていき密度が変化している。
これに対して、第2実施形態の空気調和装置201では、適正冷媒量自動充填運転モードおよび冷媒漏洩検知運転モードにおける液面高さhの判定において、適正冷媒量自動充填運転による判定時の周囲温度によって充填運転の終了を判断する液面高さhを修正したり、冷媒漏洩検知運転による判定時の周囲温度によって判定基準となる適正冷媒量を修正したりしている。このようにして、判定を行う際に、周囲温度の影響を加味した判定を行うことができているため、検知精度を向上させることができている。
(3)
また、第1実施形態では、ガス状態の冷媒よりも密度が高い液化された液冷媒の体積を検出する。このため、検出に要する体積を小さく抑えることができている。
(4)
また、能力比率制御において室内膨張弁51を絞り気味に制御する場合であっても、完全に閉めきってしまうのではなく、少しずつ液冷媒を通過させることができている。このため、液冷媒室内側分岐点D1から室内膨張弁51までの間の室内側液分岐配管5a内で液冷媒が停滞してしまって周囲温度の影響を受けやすくなることで液温一定化制御で一定化しようとする温度から乖離してしまう程度を、小さく抑えることができる。
<2.4>第2実施形態の変形例
(A)
上記第2実施形態の閉鎖制御では、室内膨張弁41、51から液側閉鎖弁26までの間の配管内に液冷媒を閉鎖している。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、閉鎖制御では、例えば、図25に示すように、室内膨張弁41、51から室外膨張弁38までの間の配管内、および、分岐して過冷却膨張弁62まで延びている過冷却膨張管6dの配管内に液冷媒を閉鎖させるようにしてもよい。
この場合には、過冷却冷媒回路60の全てではなく、過冷却分岐管64および過冷却合流管65の内部の冷媒を圧縮機21に吸入させることになる。
(B)
上記第2実施形態では、冷媒回路210内に存在する冷媒のすべてを対象として、液状態にして一カ所に集める場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、冷媒回路210内の冷媒を一カ所に集めることなく、複数箇所に分割させて集めてもよい。
例えば、空気調和装置201に採用される冷媒の種類によっては、必ずしも、室内膨張弁41、51から液側閉鎖弁26の間および室外膨張弁38から室外熱交換器23自体を含む室外熱交換器23の上流側端部までの間に冷媒回路210内に存在する冷媒の全てを集めきれないおそれがある。この場合には、圧縮機21から室外熱交換器23にかけて、比較的密度の濃いガス冷媒が残ったままとなり、検知対象に含めることができない。
このような場合であっても、図26に示すように、冷媒回路210内の全冷媒の中の一部を、冷媒回路210に一部冷媒回収タンク13を接続させて、回収してもよい。このように、室内膨張弁41、51から液側閉鎖弁26の間および室外膨張弁38から室外熱交換器23自体を含む室外熱交換器23の上流側端部までの間に冷媒回路210内の冷媒の全てを集めきれない場合であっても、一部冷媒回収タンク13を用いることによって、液面検知センサ239による検知が可能な位置に判定時の液面を位置させることが可能になる。これにより、空気調和装置201の冷媒の種類や構成に制限されることなく上記適正冷媒量充填運転、冷媒漏洩検知運転および各判定を行うことができるようになる。
(C)
上記第2実施形態において、室外熱交換器23や室内熱交換器42の例としてクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器を挙げたが、これに限定されず、他の型式の熱交換器であってもよい。
上記第2実施形態において、圧縮機21の例として1台のみが設けられている場合を挙げたが、これに限定されず、室内ユニットの接続台数等に応じて、2台以上の圧縮機が、並列に接続されていてもよい。
上記第2実施形態において、過冷却冷媒管61の例として、室外膨張弁38と過冷却器25との間の位置から過冷却膨張管6dが分岐されている場合を挙げたが、これに限定されず、室外膨張弁38と液側閉鎖弁26との間の位置から過冷却膨張管6dが分岐させられていてもよい。
上記第2実施形態において、ヘッダ23bと分流器23cの例として熱交換器本体23aに対して互いに逆側の端部に設けられている形式を挙げたが、ヘッダ23bおよび分流器23cが熱交換器本体23aの同じ端部側に設けられていてもよい。
(D)
上記第2実施形態では、冷房運転時等における各室内熱交換器42、52の出口における冷媒の過熱度は、ガス側温度センサ45、55により検出される冷媒温度値から液側温度センサ44、54により検出される冷媒温度値(蒸発温度に対応)を差し引くことによって検出する場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、吸入圧力センサ29により検出される圧縮機21の吸入圧力を蒸発温度に対応する飽和温度値に換算し、ガス側温度センサ45、55により検出される冷媒温度値からこの冷媒の飽和温度値を差し引くことによって検出するようにしてもよい。
さらに、別の検出方法としては、各室内熱交換器42、52内を流れる冷媒の温度を検出する温度センサを新たに設けて、この温度センサにより検出される蒸発温度に対応する冷媒温度値を、ガス側温度センサ45により検出される冷媒温度値から差し引くことによって検出するようにしてもよい。
また、上記第2実施形態では、暖房運転時等における室内熱交換器42、52の出口における冷媒の過冷却度は、吐出圧力センサ30により検出される圧縮機21の吐出圧力を凝縮温度に対応する飽和温度値に換算し、この冷媒の飽和温度値から液側温度センサ44、54により検出される冷媒温度値を差し引くことによって検出する場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、各室内熱交換器42、52内を流れる冷媒の温度を検出する温度センサを設けて、この温度センサにより検出される凝縮温度に対応する冷媒温度値を、液側温度センサ44、54により検出される冷媒温度値から差し引くことによって検出するようにしてもよい。
(E)
上記第2実施形態では、冷媒漏洩検知の判定として、液冷媒の量を算出する方法を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、液冷媒の温度に応じた最適冷媒量に対応する基準液面高さHを予め求めて、メモリ19に格納しておくようにしてもよい。これにより、上記実施形態における冷媒量の演算を行う必要がなくなり、検知される検知液面高さhを指標となる基準液面高さHと直接比較することで、冷媒漏洩検知を行うことができるようになる。
(F)
上記第2実施形態では、過冷却冷媒管61のうち過冷却器25を通過した後の圧縮機21吸入側における冷媒の過熱度は、吸入圧力センサ29により検出される圧縮機21の吸入圧力を蒸発温度に対応する飽和温度値に換算し、過冷却温度センサ63により検出される冷媒温度値からこの冷媒の飽和温度値を差し引くことによって検出する場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、過冷却冷媒管61のうち過冷却器25を通過した後の圧縮機21吸入側における冷媒の過熱度は、例えば、過冷却器25のバイパス冷媒管側の入口に温度センサを新たに設けて、この温度センサにより検出される冷媒温度値を過冷却温度センサ63により検出される冷媒温度値から差し引くことによって検出するようにしてもよい。
(G)
上記第2実施形態では、液温一定化制御を行う際の凝縮圧力制御および液管温度制御のうちの凝縮圧力制御において、制御部9が、吐出圧力センサ30によって検出される圧縮機21の吐出圧力を凝縮圧力として用いる場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、室外熱交換器23内を流れる冷媒の温度を検出する温度センサを新たに設けて、この温度センサにより検出される凝縮温度に対応する冷媒温度値を凝縮圧力に換算して凝縮圧力制御に用いるようにしてもよい。
(H)
上記第2実施形態における冷媒量判定運転を行う冷媒回路の他の例としては、液側閉鎖弁26の代わりに操作する開閉弁として、制御部9によって開閉操作可能な液側閉鎖弁26と過冷却器25との間に配置された電磁弁等の自動弁(室外膨張弁38でもよい)を採用した冷媒回路であってもよい。
(I)
上記第2実施形態の能力制限機分岐配管温度一定化制御では、制御部9が、室内熱交換器52の能力を出し過ぎて冷媒回路210の冷媒分布の安定が崩れない程度に、室内膨張弁51の開度を開けて室内側液分岐配管5a内で停滞している液冷媒を流通させ、液温一定化制御されたばかりの液冷媒を液冷媒室内側分岐点D1の上流側から室内側液分岐配管5a内に新たに導き入れる場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、制御部9は、室内熱交換器52の能力を出し過ぎることで冷媒回路210の冷媒分布の安定が崩れることのない程度で、室内膨張弁51の開度をあげる制御を所定時間間隔で行うようにしてもよい。
また、制御部9は、最終的に室外熱交換器23に液冷媒が溜まった状態にならなければ検知がむずかしく、そのための時間によって室内側液分岐配管5a内の液冷媒の温度が変化する問題があるため、室外熱交換器23内に溜まっている液冷媒の量が減少しない限度に制御しつつ、室内膨張弁51の開度をあげる制御を行うようにしてもよい。ここでは、冷媒回路210中のうち最終的に判定を行う前に液冷媒を溜めている箇所以下の部分を真空化させる必要があるが、室外熱交換器23内に液冷媒が減らないようにある程度溜まっている状態を維持しているので、この真空化に要する時間を短くすることができ、判定精度が向上する。
(J)
上記第2実施形態では室外ユニット2が一台のみの冷媒回路210を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、図27に示すように、室外ユニット202xおよび室外ユニット202yの複数の室外ユニットが設けられた冷媒回路210Mを有する空気調和装置201aとしてもよい。
冷媒回路210Mは、室外ユニットが複数設けられている点を除いて、上記第2実施形態の空気調和装置201の冷媒回路210と同様であるため、以下、相違点を中心に説明する。
ここで、室外ユニット202xについては、関連構成について添え字xを付して示しており、室外ユニット202yについては、関連構成について添え字yを付して示している。
上記第2実施形態で説明した部材番号と同一であるか、もしくは、添え字x、yが付いている点のみ相違しているという部材番号の構成については、上述した第2実施形態の冷媒回路210と同様である。ただし、ここでは、添え字yが付された構成を有している室外ユニット202yについては、添え字xが付されている構成を有している室外ユニット202xよりも冷凍能力が劣るものとなっている。例えば、室外熱交換器23yは、室外熱交換器23xよりも熱交換に有効な比表面積が小さい。また、室外ファン28yは、室外ファン28xよりも大きさが小さい。また、モータ28myは、モータ28mxよりも出力が弱いものとなっている。さらに、圧縮機21yは、圧縮機21xよりも周波数等によって定まる容量が小さい。
この冷媒回路210Mでは、室内側冷媒回路210M、210b、室外側冷媒回路210c、210dが、冷媒連絡管6、7によって接続されることで構成されている。
冷媒回路210Mでは、液冷媒連絡管6およびガス冷媒連絡管7の構成が、上記第2実施形態の冷媒回路210と大きく異なる。
液冷媒連絡管6は、室内側液分岐配管4a、5a、液冷媒室内側分岐点D1だけでなく、さらに、室外側液分岐配管6ax、6ay、液冷媒室外側分岐点D2、および、液分岐点接続管6Pを有している。ここで、室内側液分岐配管4aは、室内膨張弁41から延びる配管である。室内側液分岐配管5aは、室内膨張弁51から延びる配管である。室内側液分岐配管4aと、室内側液分岐配管5aとは、液冷媒室内側分岐点D1において合流している。室外側液分岐配管6axは、液側閉鎖弁26xから延びる配管である。室外側液分岐配管6ayは、液側閉鎖弁26yから延びる配管である。室外側液分岐配管6axと、室外側液分岐配管6ayとは、液冷媒室外側分岐点D2において合流している。そして、液冷媒室内側分岐点D1と液冷媒室外側分岐点D2とは、液分岐点接続管6Pによって接続されている。
ガス冷媒連絡管7は、室内側ガス分岐配管4c、5c、ガス冷媒室内側分岐点E1だけでなく、さらに、室外側ガス分岐配管7ax,7ay、ガス冷媒室外側分岐点E2、および、ガス分岐点接続管7Pを有している。ここで、室内側ガス分岐配管4cは、室内熱交換器42から延びる配管である。室内側ガス分岐配管5cは、室内熱交換器52から延びる配管である。室内側ガス分岐配管4cと、室内側ガス分岐配管5cとは、ガス冷媒室内側分岐点E1において合流している。
室外側ガス分岐配管7axは、ガス側閉鎖弁27xから延びる配管である。室外側ガス分岐配管7ayは、ガス側閉鎖弁27yから延びる配管である。この室外側ガス分岐配管7axと、室外側ガス分岐配管7ayとは、ガス冷媒室外側分岐点E2において合流している。そして、ガス冷媒室内側分岐点E1とガス冷媒室外側分岐点E2とは、ガス分岐点接続管7Pによって接続されている。
ここで、液面検知センサは室外ユニット毎に設けられており、室外ユニット202xには239xが、室外ユニット202yには液面検知センサ239yが、それぞれ設けられている。
なお、冷媒回路210Mの他の形態については、部材番号が同じ場合は同様の構成を示しており、添え字x、yが付されているだけの相違の場合についても同様である。
ただ、ここでは、上述したように、室外ユニット202yは、室外ユニット202xよりも容量が小さいものが採用されている。
(温度一定化制御と能力比率制御)
上述した冷媒回路210Mによって温度一定化制御、能力比率制御、および、後述する低容量機優先停止制御、事前稼働制御、飽和液制御を行うと、冷媒回路210M内の冷媒分布は、図28に示すような分布をとる。
このように、室外ユニットについても複数接続されている冷媒回路210Mでの能力比率制御では、制御部9は、室内ユニット205の運転を抑制させて室内ユニット204を中心とした稼働を行うだけでなく、室外ユニット側の能力も調整して、室外ユニット202yの能力を制限させつつ室外ユニット202xを中心とした制御を行う。これにより、制御部9は、室内ユニットだけでなく、室外ユニットについても複数設けられている構成においても、不安定要素となる稼働ユニットの影響をできるだけ低く抑えて、主として、室内ユニット204の1台と、室外ユニット202xの1台とを中心とした、液温一定化を迅速かつ簡単に実現しつつ、冷媒回路内210M内の冷媒分布を安定させやすい制御を行う。
低容量機優先停止制御では、制御部9は、能力比率制御を行う場合に、容量の小さい室外ユニット202yの圧縮機21y、室外熱交換器23y、および、室外ファン28y、モータ28myの稼働による冷凍能力の抑制化を、容量の大きい室外ユニット202xの圧縮機21x、室外熱交換器23x、および、室外ファン28x、モータ28mxの稼働による冷凍能力の抑制化よりも優先させる。これにより、冷媒回路210M内の冷媒分布は、図28で示すように、室外熱交換器23x内に溜まっている液冷媒のほうが、室外熱交換器23y内に溜まっている液冷媒の量よりも多い状態となる。ここでは、複数の室外ユニットの稼働をそれぞれ同様に行うのではなく、不安定要素を減らすために、容量の小さい室外ユニットから優先させて冷凍能力を制限させる制御を行う。これにより、温度一定化制御を実現させるための不安定要素を少なくしつつ、室外ユニット202xを中心とした能力の大きなものが主として稼働し続けている状態となるため、液温一定化制御中の冷媒回路210Mを安定化させるための出力制御の幅をより大きく確保することができている。
飽和液制御では、制御部9は、上記低容量機優先停止制御を行う際に、室外熱交換器23xの室外熱交膨張接続配管6exおよび室外熱交換器23yの室外熱交膨張接続配管6eyのいずれについても冷媒に過冷却度が付いた状態となるように制御する。ここでは、制御部9は、過冷却度が0℃以上5℃以下となるように室外ファン28x、28yおよびモータ28mx、28myの出力をそれぞれ制御する。なお、上記低容量機優先停止制御を行う際に、室外ユニット202yの能力を制限することで、室外熱交換器23yの凝縮能力が低下しており、室外熱交換器23yの室外熱交膨張接続配管6eyを通過する冷媒に過冷却度が付きにくくなっている。しかし、制御部9は、低容量機優先停止制御のみを行うだけでなく、飽和液制御も同時に行うため、室外熱交膨張接続配管6eyを通過する冷媒に0℃以上5℃以下の過冷却度が付くようにすることができる。これにより、液冷媒連絡管6の全体、すなわち、室内側液分岐配管4a、5a、液冷媒室内側分岐点D1、室外側液分岐配管6ax、6ay、液冷媒室外側分岐点D2、および、液分岐点接続管6Pを、温度一定化制御された液冷媒で満たす状態を確保することができる。これにより、液温一定化制御を実現させるための不安定要素を少なくして温度一定化を確実に実現させるだけでなく、液冷媒連絡管6内を温度一定化された液冷媒で満たすことが可能になる。
事前稼働制御では、制御部9は、室外ユニット202xおよび室外ユニット202yのいずれについても、液面検知センサ239x、239yによる検知を行う前に、一端通常運転の冷房運転を実行することで、いずれについても能力が制限されていない状況で稼働させる制御を行う。ここでは、上記第2実施形態のステップS22やステップS41において行われる冷房運転時に、同時にこの事前稼働制御を行う。これにより、低容量機優先停止制御によって能力が制限される室外ユニット202y内に冷媒が多く寝込んでしまうことを回避することができ、室外ユニット202y内に存在する液冷媒の量を低減させることができる。この点は、圧縮機21yが稼働されることにより、冷凍機油が暖められるため、冷凍機油に溶け込んでいた冷媒を冷凍機油から分離して、液面検知センサ239x、239yによる検知対象に含めることができるようになる。このため、検知精度が向上している。
(適正冷媒量自動充填運転モードおよび冷媒漏洩検知運転モード)
図29に、適正冷媒量自動充填運転モードおよび冷媒漏洩検知運転モードの液面検知センサ239x、239yによって検知を行うタイミングでの冷媒回路210M内の冷媒分布を示す。
具体的には、制御部9は、上記第2実施形態のステップS25、S26、S44、S45と同様に、液温一定化制御によって、液管温度センサ35x、35yのいずれについても検知温度が安定し、さらに、ガス側温度センサ45、55のいずれについても温度が安定した場合に、閉鎖制御を行う。ここでの閉鎖制御では、室内膨張弁41、51のいずれについても閉じた状態として液側閉鎖弁26x、26yのいずれについても閉じた状態とする。そして、第2実施形態のステップS30、S48と同様に遮断制御を行う。なお、ここでは、冷媒回路210M内の冷媒は、液冷媒連絡管6以外には、室外熱交換器23xと室外熱交換器23yとに分けて溜められる。したがって、熱交冷媒量Xは、これら室外熱交換器23xに溜まった液冷媒と室外熱交換器23yに溜まった液冷媒とを合計して算出することとなる。ここでの室外熱交換器23xに溜まった液冷媒量の検出は、液面検知センサ239xにより、室外熱交換器23yに溜まった液冷媒量の検出は、液面検知センサ239yにより、それぞれ行う。他のフローは、上記第2実施形態と同様である。
このようにして、図27に示すような、室外ユニット202xおよび室外ユニット202yの複数の室外ユニットが設けられた冷媒回路210Mについても、簡単でかつ精度よく冷媒量の判定を行うことができる。
(変形例Jの変形について)
上記変形例(J)では、冷媒回路210M内の冷媒を図29に示すように集めるのではなく、複数箇所に分割させて集めてもよい。例えば、空気調和装置201に採用される冷媒の種類によっては、必ずしも、室内膨張弁41、51から室外熱交換器23x、23y自体を含む室外熱交換器23x、23yの上流側端部までの間に冷媒回路210M内の冷媒の全てを集めきれないおそれがある。この場合には、圧縮機21x、21yから室外熱交換器23x、23yにかけて、比較的密度の濃いガス冷媒が残ったままとなり、検知対象に含めることができない。このような場合であっても、図30に示すように、冷媒回路210M内の全冷媒の中の一部を、冷媒回路210Mに一部冷媒回収タンク13を接続させて、回収してもよい。このように、室内膨張弁41、51から室外熱交換器23x、23y自体を含む室外熱交換器23x、23yの上流側端部までの間に冷媒回路210M内の冷媒の全てを集めきれない場合であっても、一部冷媒回収タンク13を用いることによって、液面検知センサ239x、239yによる検知が可能な位置に判定時の液面を位置させることが可能になる。これにより、空気調和装置201aの冷媒の種類や構成に制限されることなく上記適正冷媒量充填運転、冷媒漏洩検知運転および各判定を行うことができるようになる。
また、上記変形例(J)のように、室内ユニット204と室内ユニット205とによる複数の室内ユニットが設けられた構成でなくてもよい。例えば、図31に示すように、室内ユニット204のみを有する冷媒回路201bが採用された冷媒回路210Nであってもよい。この場合でも、能力比率制御においては、室外ユニット202x、202yのうち、低容量機が優先的に抑制される制御を行い、上記変形例(J)と同様の効果を奏することができる。
なお、上記変形例(J)の冷媒回路210Mでは、室外ユニット202yの構成がいずれも室外ユニット202xの構成よりも容量が小さい場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限られるものではなく、室外ユニット202yの構成のうち一部の構成は室外ユニット202xの構成と同程度の容量であってもよい。
なお、上記変形例(J)では、能力比率制御において低容量機優先停止制御が行われることにより圧縮機21yの出力が制限されたとしても、圧縮機21yの稼働状態が確保されることにより、冷凍機油が暖められ、冷凍機油に溶け込んでいた冷媒を冷凍機油から分離して、液面検知センサ239x、239yによる検知対象に含めることができるようになり、検知精度が向上する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、クランクケースヒータ(図示せず)を設けて、これによって冷凍機油に溶け込んでいる冷媒を冷凍機油から分離させるようにしてもよい。
(K)
なお、上記第2実施形態および各変形例において、過冷却器25と室外膨張弁38との間にレシーバを設けた構成としてもよい。
(L)
上記第2実施形態およびその変形例(A)〜(K)では、適正冷媒量自動充填運転モードおよび冷媒漏洩検知運転モードを実行する際の液温度一定化制御において、凝縮圧力制御と液管温度制御とを行う場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、上記第2実施形態およびその変形例(A)〜(K)のいずれにおいても、室外熱交換器23内に液冷媒を溜めた状態にしたままで、しばらく圧縮機21や室外熱交換器23や室外ファン28等の運転を持続させて、液化された冷媒を周囲温度になるまで待つことで液温の一定化を実現させるようにしてもよい。この場合には、制御部9は、液管温度センサ35が検知する温度と、室外温度センサ36が検知する温度との差異が所定値未満となった状態での液面高さhを検出する。これにより、しばらく待機する等するだけで、他の積極的な処理を行うことなく、液温度を一定化することができる。そして、この一定化された段階での液管温度センサ35の検知値に対応する液冷媒の密度によって冷媒量を算出するようにしてもよい。
さらに、ここで、液冷媒の温度に応じた密度補正をするための周囲温度の検出には、室外温度センサ36を用いてもよいが、周囲温度の検出に液面検出のためのサーミスタT1〜T5のいずれか1つの検知温度を流用してもよい。この場合には、サーミスタの個数を低減させることができる。
(M)
上記第2実施形態およびその変形例(A)〜(K)では、液面検知センサ239のサーミスタT1〜T5が、ヘッダ23bの上端近傍から下端近傍にかけて配置されている場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、上記第2実施形態およびその変形例(A)〜(K)のいずれにおいても、液面検知センサ239のサーミスタT1〜T5は、ヘッダ23bの上端近傍から下端近傍の間のある範囲だけに設けていてもよい。また、熱交換器本体23aに対して、もしくは、熱交換器本体23aの上端近傍から下端近傍の間のある範囲だけに設けていてもよい。この場合には、同じ数だけサーミスタT1〜T5を用いる場合であっても、各サーミスタT1〜T5の間の高さ方向の距離が短くなるため、検知精度が向上する。また、熱交換器本体23aの下端近傍から上端近傍にかけてサーミスタT1〜T5が配置されている場合には、その幅の分だけ、液面を測定できる幅を広げることができるが、ユーザの好みや、用いられる空気調和装置201の種類、もしくは、冷媒の種類等によれば、例えば、冷媒回路210内に適正な量の冷媒が入っている場合に検知されるはずの液面高さの近傍の高さ位置に集中してサーミスタT1〜T5が設けられていてもよい。これにより、必要とされる場所にのみサーミスタT1〜T5を設けることで、液面検知センサ239のコンパクト化、もしくは、低コスト化を図ることができる。
(N)
上記第2実施形態およびその変形例(A)〜(K)では、判定時の周囲温度に応じて判定の基準となる高さを調節する場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、上記第2実施形態およびその変形例(A)〜(K)のいずれにおいても、予めメモリ19等に格納されている所定の判定基準となる高さについては、補正等せず、実際に液面検知センサ239によって検出された液面高さhを、判定時の周囲温度に基づいて補正してもよい。この場合には、所定の判定基準となる高さに対して、実測液面高さhの補正値が比較されることになる。
さらに、ここで、本変形例において検出される液面高さhを温度に応じた液冷媒の密度に対応するように補正をするために周囲温度の検出を行う場合、もしくは、上記第2実施形態等において基準高さを液冷媒の温度に応じて補正するために周囲温度の検出を行う場合には、室外温度センサ36を用いてもよいが、周囲温度の検出に液面検出のためのサーミスタT1〜T5のいずれか1つの検知温度を流用してもよい。この場合には、サーミスタの個数を低減させることができる。
(O)
上記第2実施形態およびその変形例(A)〜(K)では、温度校正は、室外ユニット2が稼働していない状態がしばらく続いた状態で行われる場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、液面検知センサ239のサーミスタT1〜T5のいずれも加熱/冷却させることが可能なヒータ/クーラを設けておく等して、制御部9が、積極的にサーミスタT1〜T5の周囲温度が同じになる状況を作り出せるようにしてもよい。この場合には、制御部9が、周囲の温度が同じ状況を作り出した状態で、温度校正を行うことができる。
また、ここでの同一温度状況の積極的な作り方としては、例えば、制御部9による冷媒回路210内の冷媒分布状況の制御によって、各サーミスタT1〜T5の周囲温度が同一となる状況を作りだすようにしてもよい。
このようにして、制御部9は、いずれのサーミスタT1〜T5が設けられている位置においても同じ温度を検出するはずの状況を作り出している。そして、この同じ温度を検出するはずの状況において、異なる高さ位置における各サーミスタT1〜T5が実際に検出する値に仮に差異があったとしても、制御部9による校正処理が行われることで、各サーミスタT1〜T5が同一の温度を示していることを担保でき、異なる高さ位置に配置されている各サーミスタT1〜T5による液面高さ検知精度を、あたかも1つのセンサを用いて各高さにおける温度を検知したかのような高い精度とすることができる。
(P)
上記第2実施形態およびその変形例(A)〜(K)では、冷媒漏洩検知運転の判定は、適正冷媒量を基準として判定を行う場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものものではなく、例えば、適正冷媒量を満たす液面高さであって、判定時の温度の液冷媒密度に対応した液面高さを算出し、この適正液面高さに対して、液面検知センサ239が検出する液面高さhを比較してもよい。
(Q)
なお、例えば、圧縮機21の吐出冷媒温度を検知する吐出冷媒温度センサ32の検知温度に基づいて、制御部9が、過冷却膨張弁62の開度を調節するようにしてもよい。この場合には、吐出冷媒温度センサ32の検知温度が高くなってきた場合に、制御部9が、過冷却膨張弁62の開度を上げて、より多くの液冷媒を圧縮機21の吸入側に供給する制御を行ってもよい。また、吐出冷媒温度センサ32の検知温度が低くなってきた場合に、制御部9が、過冷却膨張弁62の開度を下げて、圧縮機21の吸入側に供給する冷媒量を少なく抑える制御を行ってもよい。
<3>第3実施形態
上述の第1、2実施形態およびその変形例における空気調和装置1、201では、冷房運転および暖房運転が切り換え可能な構成に対して本発明を適用した場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、図32に示される本実施形態の空気調和装置301のように、ある空調空間については冷房運転を行いつつ他の空調空間については暖房運転を行う等のように、室内ユニット4、5が設置される屋内の各空調空間の要求に応じて、冷暖同時運転が可能な構成に対して本発明を適用してもよい。
<3.1>第3実施形態の構成
本実施形態の空気調和装置201は、主として、複数台(ここでは2台)の利用ユニットとしての室内ユニット4、5、熱源ユニットとしての室外ユニット302、および、冷媒連絡管306、307a、307bを備えている。
室内ユニット4、5は、液冷媒連絡管6、ガス冷媒連絡管としての吸入ガス冷媒連絡管307aおよび吐出ガス冷媒連絡管307b、および、接続ユニット204、205を介して、室外ユニット202に接続されており、室外ユニット202との間で冷媒回路210を構成している。なお、室内ユニット4、5は、上述の第1、2実施形態における室内ユニット4、5と同じ構成であるため、ここでは説明を省略する。
室外ユニット302は、主として、冷媒回路310の一部を構成しており、室外側冷媒回路310cを備えている。
室外側冷媒回路310cは、主として、圧縮機21、三方切換弁322、室外熱交換器23、冷媒検知機構としての液面検知センサ339、室外膨張弁38、過冷却器25、過冷却冷媒回路60、液側閉鎖弁26、吸入ガス側閉鎖弁27a、吐出ガス側閉鎖弁27b、高低圧連通管333、高圧遮断弁334、および、室外ファン28を有している。
ここで、三方切換弁322、吸入ガス側閉鎖弁27a、吐出ガス側閉鎖弁27b、高低圧連通管333、および、高圧遮断弁334を除く他の機器・弁類は、上述の第1,2実施形態における室外ユニット2の機器・弁類と同様の構成であるため、説明を省略する。
三方切換弁322は、室外熱交換器23を凝縮器として機能させる際には、圧縮機21の吐出側と室外熱交換器23のガス側とを接続させる。三方切換弁322の室外熱交換器23を凝縮器として機能させる接続状態を、凝縮運転状態という。また、三方切換弁322は、室外熱交換器23を蒸発器として機能させる際には、圧縮機21の吸入側と室外熱交換器23のガス側とを接続させる。三方切換弁322の室外熱交換器23を蒸発器として機能させる接続状態を、蒸発運転状態という。三方切換弁322では、室外側冷媒回路210c内における冷媒の流路を切り換えることで、凝縮運転状態と蒸発運転状態とを切り換えるための弁である。
また、圧縮機21の吐出側と三方切換弁322との間には、吐出ガス側閉鎖弁27bを介して吐出ガス冷媒連絡管307bが接続されている。これにより、圧縮機21において圧縮・吐出された高圧のガス冷媒を三方切換弁322の切り換え動作に関係なく、室内ユニット4、5に供給できるようになっている。
また、圧縮機21の吸入側には、吸入ガス側閉鎖弁27aを介して吸入ガス冷媒連絡管307aが接続されている。これにより、室内ユニット4、5から戻る低圧のガス冷媒を三方切換弁322の切り換え動作に関係なく、圧縮機21の吸入側に戻すことができるようになっている。
また、高低圧連通管333は、圧縮機21の吐出側と三方切換弁322との間の位置に対して吐出ガス冷媒連絡管307bを接続させる冷媒管と、圧縮機21の吸入側に対して吸入ガス冷媒連絡管307aを接続させる冷媒管と、を互いに連通させる冷媒管であり、冷媒の通過を遮断することが可能な高低圧連通弁333aを有している。これにより、必要に応じて、吸入ガス冷媒連絡管307aと吐出ガス冷媒連絡管307bとを互いに連通させた状態にすることができるようになっている。
また、高圧遮断弁334は、圧縮機21の吐出側と三方切換弁322との間の位置に対して吐出ガス冷媒連絡管307bを接続させる冷媒管に設けられており、必要に応じて、圧縮機21から吐出された高圧のガス冷媒を吐出ガス冷媒連絡管307bに送るのを遮断することを可能にしている。この高圧遮断弁334は、圧縮機21の吐出側と三方切換弁322との間の位置に対して吐出ガス冷媒連絡管307bを接続させる冷媒管の途中であって、高低圧連通管333が接続された位置よりも圧縮機21の吐出側に配置されている。この高低圧連通弁333aおよび高圧遮断弁334は、電磁弁である。
また、室外ユニット302には、各種のセンサと室外側制御部37が設けられている。これらの各種のセンサと室外側制御部37等についても、上述の第1,2実施形態における室外ユニット2の各種のセンサと室外側制御部37の構成と同様であるため、説明を省略する。
また、室内ユニット4、5は、室内熱交換器42、52のガス側が接続ユニット304、305を介して吸入ガス冷媒連絡管307aおよび吐出ガス冷媒連絡管307bに接続されている。なお、この接続ユニット304および305と、吸入ガス冷媒連絡管307aおよび吐出ガス冷媒連絡管307bとの接続状態はそれぞれ自由に切り換えることができる。
接続ユニット304、305は、主として、冷暖切換弁304a、305aを備えている。室内ユニット4、5が冷房運転を行う場合には、室内ユニット4、5の室内熱交換器42、52のガス側と吸入ガス冷媒連絡管307aとを接続する状態とされる。この室内ユニット4、5が冷房運転を行う場合の接続状態を、冷房運転状態という。また、室内ユニット4、5が暖房運転を行う場合には、室内ユニット4、5の室内熱交換器42、52のガス側と吐出ガス冷媒連絡管307bとを接続する状態とされる。この室内ユニット4、5が暖房運転を行う場合の接続状態を、暖房運転状態という。そして、冷暖切換弁204a、205aは、この冷房運転状態と暖房運転状態との切り換えを行う切換機構として機能する弁である。
このような空気調和装置301の構成により、室内ユニット4、5は、例えば、室内ユニット4を冷房運転しつつ、室内ユニット5を暖房運転する等の、いわゆる、冷暖同時運転を行うことが可能になっている。
そして、この冷暖同時運転可能な空気調和装置301においては、三方切換弁322を凝縮運転状態にして室外熱交換器23を冷媒の凝縮器として機能させ、冷暖切換弁304a、305aを冷房運転状態にして室内熱交換器42、52を冷媒の蒸発器として機能させることにより、上述の第1,2実施形態における空気調和装置1と同様の冷媒量判定運転および冷媒量の適否の判定を行うことができる。
ただし、本実施形態の空気調和装置301では、ガス冷媒連絡管7として吸入ガス冷媒連絡管307aおよび吐出ガス冷媒連絡管307bを有している。したがって、通常運転モードにおける冷房運転のように、高低圧連通弁333aを全閉状態にしかつ高圧遮断弁334を全開状態にすることによって吸入ガス冷媒連絡管307aと吐出ガス冷媒連絡管307bとが連通しておらずかつ圧縮機21から吐出された高圧のガス冷媒を吐出ガス冷媒連絡管307bに送ることが可能な状態にしていると、判定精度に悪影響を及ぼすおそれがある。具体的には、吐出ガス冷媒連絡管307bに溜まった高圧のガス冷媒を室外熱交換器23において凝縮させて室外熱交換器23を含む室外膨張弁38の上流側の部分に溜めることができなくなるため、冷媒回路310内の冷媒量の適否の判定精度に悪影響を及ぼすおそれがある。
このため、冷媒量判定運転においては、高低圧連通弁333aを全閉状態にし、かつ、高圧遮断弁334を全開状態にすることによって、吸入ガス冷媒連絡管307aと吐出ガス冷媒連絡管307bとを連通させる。さらに、圧縮機21から吐出された高圧のガス冷媒を吐出ガス冷媒連絡管307bに送るのを遮断させるようにする。
これにより、吐出ガス冷媒連絡管307b内の冷媒の圧力を吸入ガス冷媒連絡管307a内の冷媒の圧力と同じになり、吐出ガス冷媒連絡管307bに冷媒が溜まらない状態になる。このため、吐出ガス冷媒連絡管307bに溜まった高圧のガス冷媒を室外熱交換器23において凝縮させて室外熱交換器23を含む室外膨張弁38の上流側の部分に溜めることができるようになる。これにより、冷媒回路310内の冷媒量の適否の判定精度に対する悪影響を低減させることができる。
このように、本実施形態の空気調和装置301では、以下の点で上述の第1,2実施形態における空気調和装置1、201と異なる。すなわち、本実施形態の空気調和装置301では、冷媒量判定運転において、高低圧連通弁333aを全閉状態にし、かつ、高圧遮断弁334を全開状態にすることによって、吸入ガス冷媒連絡管307aと吐出ガス冷媒連絡管307bとを連通させるとともに、圧縮機21から吐出された高圧のガス冷媒を吐出ガス冷媒連絡管307bに送るのを遮断する操作を行っており、第1,2実施形態ではこのような操作を行っていない。しかし、それ以外の基本的な操作は、上述の第1,2実施形態における冷媒回路10内の冷媒量の適否の判定と同様である。
このようにして、冷媒回路310について適正冷媒量自動充填運転モードおよび冷媒漏洩検知運転モードを実行し、液面検知センサ339によって検知を行う状況では、図33に示すような冷媒分布となる。
<3.2>第3実施形態の変形例
(A)
上記第3実施形態では、凝縮運転状態と蒸発運転状態とを切り換えるための機構として、三方切換弁222を使用した場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、四路切換弁や複数の電磁弁等で構成したものを使用した構成としてもよい。
(B)
上記第3実施形態では、冷房運転状態と暖房運転状態とを切り換えるための機構として、三方切換弁からなる冷暖切換弁204a、205aを使用している場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、四路切換弁や複数の電磁弁等で構成したものを使用した構成としてもよい。
(C)
上記第3実施形態では、冷媒回路310内に存在する冷媒のすべてを対象として、液状態にして一カ所に集める場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、冷媒回路310内の冷媒を一カ所に集めることなく、複数箇所に分割させて集めてもよい。
例えば、空気調和装置301に採用される冷媒の種類によっては、必ずしも図33で示す部分において冷媒回路310内に存在する冷媒の全てを集めきれないおそれがある。この場合には、圧縮機21から室外熱交換器23にかけて、比較的密度の濃いガス冷媒が残ったままとなり、検知対象に含めることができない。
このような場合であっても、図34に示すように、冷媒回路310内の全冷媒の中の一部を、冷媒回路310に一部冷媒回収タンク13を接続させて、回収してもよい。このように、一部冷媒回収タンク13を用いることによって、液面検知センサ339による検知が可能な位置に判定時の液面を位置させることが可能になる。これにより、空気調和装置301の冷媒の種類や構成に制限されることなく上記適正冷媒量充填運転、冷媒漏洩検知運転および各判定を行うことができるようになる。
(D)
なお、第3実施形態の空気調和装置301においても、上述の第1,2実施形態の変形例と同様の構成を適用してもよいし、また、第2実施形態の空気調和装置201の変形例(J)のように、室外ユニット202x、202yが複数台接続された構成にしてもよい。