JP5422112B2 - 移動体通信装置、アンテナ切替方法及びアンテナ切替プログラム - Google Patents
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Description
なお、高速ハンドオーバとは、以下のようにして接続先の基地局の切り替えを行うハンドオーバのことである。
これによれば、一の基地局との通信は当該一の基地局との通信に係る通信品質レベルが最も良かったアンテナ素子により継続して行われることになる。
上記の移動体通信装置において、前記アンテナ選定手段は、前記他のアンテナ素子の全てに関して、前記中止レベル判定手段による判定結果が否定的である場合に、前記一のアンテナ素子を前記一の基地局との通信に用いるアンテナ素子に選定するようにしてもよい。
上記の移動体通信装置において、前記判定手段は、前記中止レベル判定手段による判定結果が肯定的であったアンテナ素子のうち前記一の基地局との通信に係る通信品質レベルが最も良いアンテナ素子を、前記一の基地局との通信に用いるアンテナ素子に選定するようにしてもよい。
≪無線通信システムのシステム構成≫
本実施の形態の無線通信システムのシステム構成について図1を参照しつつ説明する。図1は本実施の形態の無線通信システムのシステム構成図である。但し、本実施の形態の無線通信システムは、PHSを対象としたシステムである。
PHSにおける端末機(以下、「PHS端末」と言う。)3は、2本のアンテナを有し、通信に用いるアンテナを2本のアンテナ間で切り替えるダイバーシチ制御を行うとともに、通信を行う基地局を切り替える高速ハンドオーバを行う。
≪PHS端末の構成≫
図1のPHS端末3の構成について図2を参照しつつ説明する。図2は図1のPHS端末3の装置構成図である。
PHS端末3は、アンテナ11a,11bと、アンテナ切替部12と、RF(Radio Frequency)部13と、モデム部14と、TDMA(Time Division Multiple Access)部15と、通話部16と、マイク17と、スピーカ18と、CPU(Central Processing Unit)19と、メモリ20とを備える。
RF部13は、CPU19によって電源のオン、オフなどの各種制御が行われる。
RF部13は、スイッチ部13aと、発振部13bと、送信部13cと、受信部13dと、電界測定部13eとを有する。
発振部13bは、CPU19に制御され、無線チャネル周波数に対応する周波数の局部発振信号を発振し、発振した局部発振信号を送信部13cと受信部13dとへ出力する。
受信部13dは、アンテナ11a,11bによって受信され、アンテナ切替部12及びスイッチ13aを介して入力される無線周波数帯の信号を局部発振信号とミキシングしてIF帯又はベースバンド帯の信号へダウンコンバージョンし、IF帯又はベースバンド帯の信号をモデム部14の後述する復調部14bと電界測定部13eとへ出力する。
モデム部14は、CPU19によって電源のオン、オフなどの各種制御が行われる。
モデム部14は、変調部14aと復調部14bとを有する。
復調部14bは、RF部13の受信部13dから入力される信号を例えばπ/4シフトQPSKに基づく復調処理などを行い、復調処理などにより得られた信号をTDMA部15の後述するTDMAデコード部15bへ出力する。
TDMA部15は、TDMAエンコード部15aとTDMAデコード部15bとを有する。
TDMAエンコード部15aは、音声デジタル信号として通話部16の後述するADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)トランスコーダ部16aから入力される例えば32kbpsのADPCM信号やCPU19から入力される発呼や着呼などに必要な制御信号などの信号を送信タイムスロットに挿入して多重化し、多重化により得られた信号をモデム部14の変調部14aへ出力する。
通話部16は、ADPCMトランスコーダ部16aとPCM(Pulse Code Modulation)コーデック部16bとを有する。
マイク17は、周辺の音を集め、集めた音を音声信号に変換して通話部16のPCMコーデック部16bへ出力する。PCMコーデック部16bは、マイク17から入力される音声信号を例えば64kbpsのPCM信号に変換する。ADPCMトランスコーダ部16aはPCMコーデック部16bから入力される例えば64kbpsのPCM信号を例えば32kbpsのADPCM信号に変換し、ADPCM信号をTDMA部15のTDMAエンコード部15aへ出力する。
メモリ20は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの半導体メモリである。
メモリ20には、PHS端末3の制御を行うための各種制御プログラムや各種アプリケーションプログラムが記憶されている。また、メモリ20には、図3に示す動作フロー及び図4に示す動作シーケンスの夫々をPHS端末3に行わせるためのプログラムが記憶されている。
ここで、PHS端末3の送信時の動作の概略について示す。
マイク17で集められた音に基づく音声信号が通話部16に入力される。そして、通話部16において、音声信号はPCMコーデック部16bによってPCM信号に変換され、PCM信号はADPCMトランスコーダ部16aによってADPCM信号に変換され、ADPCM信号はTDMA部15に入力される。また、CPU19から制御信号などがTDMA部15に入力される。
アンテナ切替部12によってRF部13に接続されたアンテナ11a,11bによって受信された電波(無線周波数帯の信号)はRF部13に入力され、無線周波数帯の信号はRF部13の受信部13dによってIF帯又はベースバンド帯の信号にダウンコンバージョンされる。IF帯又はベースバンド帯の信号は、モデム部14に入力され、モデム部14の復調部14bにより復調処理などが行われる。復調処理などにより得られた信号は、TDMA部15に入力され、TDMA部15のTDMAデコード部15bによって各受信タイムスロットに分離される。
≪PHS端末のアンテナ切替動作≫
図2のPHS端末3のアンテナ切替動作について図3を参照しつつ説明する。図3はPHS端末3が行うアンテナ切替動作を示すフローチャートである。
但し、電界測定部13eによって電界強度が測定される受信電波は、アンテナ11a,11bのうち測定時点で基地局との通信に用いられているアンテナによって受信された電波である。
強度情報が示す電界強度の値が閾値になっていなければ(S2:NO)、ステップS1及びステップS2の処理が継続して行われる。
RF部13の電界測定部13eは、信号の受信タイミングで受信電波の電界強度の測定を行い、測定した電界強度の値を示す強度情報をCPU19へ出力する(ステップS4)。
なお、例えば、ステップS1で電界強度が測定された電波を受信したアンテナがアンテナ11aであったとすると、ステップS4において電界強度を測定する電波を受信したアンテナはアンテナ11bである。
強度情報が示す電界強度の値が閾値を上回っていれば(S5:YES)、ステップS6の処理が行われる。
ステップS5の判定結果において、強度情報が示す電界強度の値が閾値を上回っていなければ(S5:NO)、全てのアンテナにおいて受信電波の電界強度の値が閾値(高速ハンドオーバを実行する電界強度レベル)以下になっているので、高速ハンドオーバの処理を実行すべく、ステップS7以降の処理が行われる。
《PHS端末の高速ハンドオーバ実行動作》
図3の高速ハンドオーバ処理(ステップS8)について図4を参照しつつ説明する。図4は図3の高速ハンドオーバ処理(ステップS8)時のPHS端末3が行う動作シーケンス例である。但し、図4において、通信中の基地局を基地局2a、切り替えられる基地局を基地局2bとし、ここでは、旧基地局2a、新基地局2bと記載する。なお、高速ハンドオーバの詳細な手順は、「RCRSTD−28」に規定されており、本件明細書では概略を記載するにとどめる。
PHS端末3は、他の基地局から到来するCCH(Control Channel)上の信号をモニタすることによって周辺の基地局を検索する(ステップS51)。なお、ステップS51の周辺の基地局の検索は、アイドルスロット期間を使用して行われる。
PHS端末3は、新基地局2bに対してTCHアイドル信号を連続して送信し(ステップS57)、新基地局2bはPHS端末3に対してTCHアイドル信号を連続して送信する(ステップS58)。
PHS端末3と旧基地局2aとは呼切断のための各種メッセージの送受信を行う(ステップS60)。
≪PHS端末のアンテナ切替及び高速ハンドオーバ実行タイミングの概要≫
図2のPHS端末3のアンテナ切替及び高速ハンドオーバの実行タイミングの概要について図5を参照しつつ説明する。図5はPHS端末3のアンテナ切替タイミング及び高速ハンドオーバの実行タイミングの概要を説明するための図である。但し、図5において、横軸は時間、縦軸は電界強度である。また、図5において、実線はアンテナ11aによる受信電波の電界強度を示し、破線はアンテナ11bによる受信電波の電界強度を示す。なお、PHS端末3は同時刻ではアンテナ11aとアンテナ11bとのうち何れか一方のアンテナによる受信電波の電界強度を測定するが、図5では便宜上同時刻での双方による受信電波の電界強度を示している。
PHS端末3がアンテナ11aを用いて基地局との通信を行っている時間T1において、アンテナ11aによる受信電波の電界強度の値が閾値(予め定められた高速ハンドオーバの実行を開始する基準の受信電波の電界強度レベル)になると、アンテナ切替部12はCPU19に制御されてRF部13に接続するアンテナをアンテナ11aからアンテナ11bへ切り替える。
PHS端末3がアンテナ11bを用いて基地局との通信を行っている時間T2において、アンテナ11bによる受信電波の電界強度の値が閾値になると、アンテナ切替部12はCPU19によって制御されてRF部13に接続するアンテナをアンテナ11bからアンテナ11aへ切り替える。
PHS端末3は、アンテナ11bへ切り替えた後、高速ハンドオーバの処理を実行する。
≪補足≫
本発明は上記の実施の形態で説明した内容に限定されず、本発明の目的とそれに関連又は付随する目的を達成するためのいかなる形態においても実施可能であり、例えば、以下であってもよい。
(2)上記の実施の形態では、移動体通信装置がPHS端末を対象としたが、これに限られるものではなく、移動体通信装置は、ダイバーシチ制御及び高速ハンドオーバの双方を行う移動体通信装置であればよい。
この場合、例えば、次のようにして、ダイバーシチ制御と高速ハンドオーバを実行するようにしてもよい。
(5)上記の実施の形態で説明した、図4の動作フローをPHS端末3に実行させるためのプログラムをリムーバブル記録媒体などに記録するようにしてもよく、図5の動作シーケンス例をPHS端末3に実行させるためのプログラムをリムーバブル記録媒体に記録するようにしてもよい。
2a,2b,2c 基地局
3 PHS端末
11a,11b アンテナ
12 アンテナ切替部
13 RF部
13e 電界測定部
14 モデム部
15 TDMA部
16 通話部
17 マイク
18 スピーカ
19 CPU
20 メモリ
Claims (7)
- 複数のアンテナ素子を有し、通信に用いられている一のアンテナ素子による通信中の一の基地局との通信に係る通信品質レベルがダイバーシチ基準レベル以下となったときにアンテナ素子を切り替え、基地局と通信を行うダイバーシチ制御を行うとともに、前記通信品質レベルが実行基準レベルになったときに通信を行う基地局を切り替えるハンドオーバを実行し、前記ダイバーシチ基準レベルは前記実行基準レベルよりも低く設定されている移動体通信装置であって、
前記複数のアンテナ素子の何れかを介して基地局との通信を行う通信処理手段と、
前記通信品質レベルが前記実行基準レベルになったかを判定する実行レベル判定手段と、
前記実行レベル判定手段による判定結果が肯定的である場合に、前記一の基地局との通信に用いるアンテナ素子を切り替え、各前記アンテナ素子による前記一の基地局との通信に係る通信品質レベルに基づいて前記一の基地局との通信に用いるアンテナ素子の選定を行うアンテナ選定手段と、
を備えることを特徴とする移動体通信装置。 - 前記アンテナ選定手段は、前記複数のアンテナ素子のうち前記一の基地局との通信に係る通信品質レベルが最も良いアンテナ素子を、前記一の基地局との通信に用いるアンテナ素子に選定する
ことを特徴とする請求項1記載の移動体通信装置。 - 前記一のアンテナ素子以外の他のアンテナ素子の各々について、当該他のアンテナ素子による前記一の基地局との通信に係る通信品質レベルが前記実行基準レベルを超えているかを判定する中止レベル判定手段と、
前記他のアンテナ素子の全てに関して前記中止レベル判定手段による判定結果が否定的である場合にハンドオーバを実行し、前記他のアンテナ素子の何れかに関して前記中止レベル判定手段による判定結果が肯定的である場合にハンドオーバを実行しないハンドオーバ実行手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項1記載の移動体通信装置。 - 前記アンテナ選定手段は、前記他のアンテナ素子の全てに関して、前記中止レベル判定手段による判定結果が否定的である場合に、前記一のアンテナ素子を前記一の基地局との通信に用いるアンテナ素子に選定する
ことを特徴とする請求項3記載の移動体通信装置。 - 前記判定手段は、前記中止レベル判定手段による判定結果が肯定的であったアンテナ素子のうち前記一の基地局との通信に係る通信品質レベルが最も良いアンテナ素子を、前記一の基地局との通信に用いるアンテナ素子に選定する
ことを特徴とする請求項3記載の移動体通信装置。 - 複数のアンテナ素子を有し、通信に用いられている一のアンテナ素子による通信中の一の基地局との通信に係る通信品質レベルがダイバーシチ基準レベル以下となったときにアンテナ素子を切り替え、基地局と通信を行うダイバーシチ制御を行うとともに、前記通信品質レベルが実行基準レベルになったときに通信を行う基地局を切り替えるハンドオーバを実行し、前記ダイバーシチ基準レベルは前記実行基準レベルよりも低く設定されている移動体通信装置において行われるアンテナ切替方法であって、
前記複数のアンテナ素子の何れかを介して基地局との通信を行う通信処理ステップと、
前記通信品質レベルが前記実行基準レベルになったかを判定する実行レベル判定ステップと、
前記実行レベル判定ステップによる判定結果が肯定的である場合に、前記一の基地局との通信に用いるアンテナ素子を切り替え、各前記アンテナ素子による前記一の基地局との通信に係る通信品質レベルに基づいて前記一の基地局との通信に用いるアンテナ素子の選定を行うアンテナ選定ステップと、
を有することを特徴とするアンテナ切替方法。 - 複数のアンテナ素子を有し、通信に用いられている一のアンテナ素子による通信中の一の基地局との通信に係る通信品質レベルがダイバーシチ基準レベル以下となったときにアンテナ素子を切り替え、基地局と通信を行うダイバーシチ制御を行うとともに、前記通信品質レベルが実行基準レベルになったときに通信を行う基地局を切り替えるハンドオーバを実行し、前記ダイバーシチ基準レベルは前記実行基準レベルよりも低く設定されている移動体通信装置において実行されるアンテナ切替プログラムであって、
移動体通信装置に、
前記複数のアンテナ素子の何れかを介して基地局との通信を行う通信処理ステップと、
前記通信品質レベルが前記実行基準レベルになったかを判定する実行レベル判定ステップと、
前記実行レベル判定ステップによる判定結果が肯定的である場合に、前記一の基地局との通信に用いるアンテナ素子を切り替え、各前記アンテナ素子による前記一の基地局との通信に係る通信品質レベルに基づいて前記一の基地局との通信に用いるアンテナ素子の選定を行うアンテナ選定ステップと、
を実行させることを特徴とするアンテナ切替プログラム。
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