JP5422056B2 - 楽曲情報処理装置及び方法、コンピュータプログラム並びに記録媒体 - Google Patents
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Description
本発明は、例えば楽曲データを再生すると共に、該再生されている楽曲データに対応する楽譜データを表示する楽曲情報処理装置及び方法、コンピュータプログラム、並びに該コンピュータプログラムが記録された記録媒体の技術分野に関する。
この種の装置として、例えば、ユーザが再生される音楽を聴きながら、表示された音波形に関して複数の拍位置とこれらの拍位置間の拍数とを入力することにより、入力拍位置間において入力拍数に応じて拍位置が決定され、更に、入力及び決定に係る拍位置毎に拍時刻が音楽データに基づいて決定され、決定に係る拍時刻を示す拍時刻情報が再生制御情報として記録されることにより、ユーザの希望するテンポ変化を反映することができる装置が提案されている(特許文献1参照)。
或いは、楽曲データに対して、ユーザが該楽曲データを聴きながら、小節の頭であると判断した二か所を指定すると共に、該指定された二か所の間に存在する小節数を入力すると、指定された二か所の間の期間を、入力された小節数で等間隔に分割することによって、小節の長さを算出し、そして、該算出された小節の長さに基づいて小節の頭位置を抽出してメタデータを生成する装置が提案されている(特許文献2参照)。
ところで、この種の装置は、例えば演奏の手本とするために、楽曲データの再生位置に対応する楽譜上の位置を示すように構成されることがある。この場合、例えば楽曲データから小節の開始位置(即ち、小節の先頭位置)が自動的に抽出されるように構成されたとしても、小節の開始位置が正しく抽出されるとは限らない。すると、楽曲データの再生位置と、該再生位置に対応する楽譜上の位置とが同期しない可能性があるという技術的問題点がある。
特許文献1に記載の技術では、例えば演奏の手本とすべき楽曲データのテンポが変更されてしまい、上記技術的問題点を解決することは極めて困難である。特許文献2に記載の技術では、楽譜データが表示されないので、例えばテンポが変化する楽曲では小節数が誤認識される可能性があり、上記技術的問題点を解決することは極めて困難である。
本発明は、例えば上記問題点に鑑みてなされたものであり、楽曲データを再生すると共に、該楽曲データに対応する楽譜データを表示し、楽曲データの再生位置に対応する楽譜上の位置を示すように構成された装置において、楽曲データの再生位置と、該再生位置に対応する楽譜上の位置とにずれが生じている場合に、該ずれを比較的容易に解消することができる楽曲情報処理装置及び方法、コンピュータプログラム並びに記録媒体を提案することを課題とする。
本発明の楽曲情報処理装置は、上記課題を解決するために、楽曲データを再生する再生手段と、前記再生されている楽曲データに対応し、且つ小節情報を含む楽譜データにより示される楽譜を表示する表示手段と、前記再生されている楽曲データの再生位置に応じて、前記表示されている楽譜上の一の小節を強調して示す強調表示手段と、ユーザの入力を受付可能な入力手段と、前記入力手段を介して受け付けられた前記ユーザの入力に応じて、前記再生位置に対する、前記一の小節が強調して示されるタイミングを変更する変更手段とを備える。
本発明の楽曲情報処理装置によれば、例えばメモリ、プロセッサ等を備えてなる再生手段は、楽曲データを再生する。ここで、楽曲データは、例えばCD(Compact Disc)やDVD等の記録媒体に記録されるPCM(Pulse Code Modulation)データや、パーソナルコンピュータで用いられるWAVEデータ等である。
例えばメモリ、プロセッサ等を備えてなる表示手段は、再生されている楽曲データに対応し、且つ小節情報を含む楽譜データにより示される楽譜を表示する。ここで、楽譜データは、例えば市販されているpdf形式の楽譜や、スキャナ等によってデータ化された楽譜等が、所定の画像ファイル形式でデータ化されたもの等である。
「小節情報」とは、楽譜を構成する各小節の該楽譜上における位置座標、及び各小節の演奏順序を示す情報である。ある小節についての位置座標は、具体的には例えば、X座標の範囲:x1〜x2;Y座標の範囲:y1〜y2等として表わされる。
楽譜データにより示される楽譜には、音符や演奏記号の他に、例えば歌詞等が含まれていてもよい。尚、楽譜は五線譜に限られない。例えば、五線譜に代えて又は加えて、タブラチュア(所謂、タブ譜)等が表示されてもよい。
例えばメモリ、プロセッサ等を備えてなる強調表示手段は、再生されている楽曲データの再生位置に応じて、表示されている楽譜上の一の小節を強調して示す。一の小節の強調は、例えば、一の小節を太枠で囲ったり、一の小節を構成する音符の色を、他の小節を構成する音符の色と異ならせたり、一の小節を構成する音符のサイズを、他の小節を構成する音符のサイズより大きくしたり、すればよい。
強調表示手段は、具体的には例えば、楽曲データを解析することで得られるサンプル数(即ち、拍情報)のうち一のサンプル数の範囲が、一の小節についての位置座標に対応すると認定して、両者を関連付け、楽曲データの再生位置が一のサンプル数の範囲内にある場合に、一の小節を強調して示す。尚、楽曲データの解析には、公知の各種技術を適用すればよい。
例えばタッチパネル、マウス、キーボード等である入力手段は、ユーザの入力を受付可能である。
ところで、楽曲データの解析が、常に、正しくなされるとは限らない。このため、楽曲データの解析に誤りがあると、楽曲データの再生位置と強調表示される小節との間にずれが生じてしまう。特に、楽曲データの再生位置が、ある小節から次の小節に移るタイミングと、強調表示される小節が、ある小節から次の小節に変わるタイミングと、の間にずれが生じてしまう。すると、例えば、演奏の手本として使用しているユーザが、演奏のしにくさを覚える可能性がある。
そこで本発明では、例えばメモリ、プロセッサ等を備えてなる変更手段により、入力手段を介して受け付けられたユーザの入力に応じて、楽曲データの再生位置に対する、一の小節が強調して示されるタイミングが変更される。
具体的には例えば、変更手段は、ユーザによる1回目の入力のタイミングに対応する楽曲データの再生位置と、ユーザによる2回目の入力のタイミングに対応する楽曲データの再生位置との間の区間を、該区間内に存在する小節数で等分することによって、サンプル数を変更して、一の小節が強調して示されるタイミングを変更する。
或いは、変更手段は、楽曲データの再生が開始されてから、ユーザによる入力のタイミングに対応する楽曲データの再生位置までの間の区間を、該区間内に存在する小節数で等分することによって、サンプル数を変更して、一の小節が強調して示されるタイミングを変更する。
ここで、入力手段がユーザの入力を受け付けたタイミングを、小節の区切りのタイミングとして、変更手段が認識するように構成すれば、該変更手段が、ユーザの入力に応じて一の小節が強調して示されるタイミングを変更することにより、楽曲データの再生位置と強調表示される小節との間のずれを解消又はほぼ解消することができる。
本発明では特に、再生手段により楽曲データが再生されており、且つ、表示手段により該楽曲データに対応する楽譜が表示されているので、ユーザは、楽曲データを聴くと共に、楽譜上における強調表示の遷移を見ながら、入力手段を介して入力を行うことができる。このため、ユーザは、比較的容易にして、楽曲データにおける小節の区切りが再生されるタイミングで、入力手段を介して入力を行うことができる。
以上の結果、本発明の楽曲情報処理装置によれば、楽曲データの再生位置と、該再生位置に対応する楽譜上の位置とにずれが生じている場合に、該ずれを比較的容易に解消することができる。
本発明の楽曲情報処理装置の一態様では、前記変更手段は、前記楽曲データの再生が開始された後、初めて前記ユーザの入力が前記入力手段に受け付けられた際に前記楽曲データが再生されている位置から、2回目に前記ユーザの入力が前記入力手段に受け付けられた際に前記楽曲データが再生されている位置までの区間と、前記小節情報に基づく前記区間内に存在する小節数と、に応じて、前記一の小節が強調して示されるタイミングを変更する。
この態様によれば、例えばテンポが一定の楽曲について、一の小節が強調して表示されるタイミングを変更する場合に、ユーザが入力する回数を比較的少なく抑えることができ、ユーザの負担を軽減することができる。
或いは、本発明の楽曲情報処理装置の他の態様では、前記変更手段は、前記楽曲データの再生が開始された位置から、前記ユーザの入力が前記入力手段に受け付けられた際に前記楽曲データが再生されている位置までの区間と、前記小節情報に基づく前記区間内に存在する小節数と、に応じて、前記一の小節が強調して示されるタイミングを変更する。
この態様によれば、ユーザの負担をより軽減することができ、実用上非常に有利である。
本発明の楽曲情報処理装置の他の態様では、当該楽曲情報処理装置は、複数の楽曲データ及び、前記複数の楽曲データに夫々対応する複数の楽譜データを格納するサーバ装置を含むネットワークに接続されており、当該楽曲情報処理装置は、前記再生手段により再生される楽曲データ及び、前記表示手段により表示される楽譜データを、前記ネットワークを介して、前記サーバ装置から取得する。
この態様によれば、楽曲データ及び楽譜データは、ネットワーク上に存在するサーバ装置に格納されているため、当該楽曲情報処理装置が、例えばハードディスク等の大容量記憶手段を備えている必要がない。従って、当該楽曲情報処理装置の小型化や軽量化を図ることができる。
本発明の楽曲情報処理装置の他の態様では、前記入力手段により受け付けられる前記ユーザの入力には、前記表示されている楽譜上における位置を示す位置情報が含まれる。
この態様によれば、ユーザが比較的容易にして、表示されている楽譜上における所望の小節を指定することができ、実用上非常に有利である。
本発明の楽曲情報処理方法は、上記課題を解決するために、ユーザの入力を受付可能な入力手段を備える楽曲情報処理装置における楽曲情報処理方法であって、楽曲データを再生する再生工程と、前記再生されている楽曲データに対応し、且つ小節情報を含む楽譜データにより示される楽譜を表示する表示工程と、前記再生されている楽曲データの再生位置に応じて、前記表示されている楽譜上の一の小節を強調して示す強調表示工程と、前記入力手段を介して受け付けられた前記ユーザの入力に応じて、前記再生位置に対する、前記一の小節が強調して示されるタイミングを変更する変更工程とを備える。
本発明の楽曲情報処理方法によれば、上述した本発明の楽曲情報処理装置と同様に、楽曲データの再生位置と、該再生位置に対応する楽譜上の位置とにずれが生じている場合に、該ずれを比較的容易に解消することができる。
尚、本発明の楽曲情報処理方法においても、上述した本発明の楽曲情報処理装置における各種態様と同様の各種態様を採ることが可能である。
本発明のコンピュータプログラムは、上記課題を解決するために、コンピュータを、上述した本発明の楽曲情報処理装置(但し、その各種態様を含む)として機能させる。
本発明のコンピュータプログラムによれば、当該コンピュータプログラムを格納するCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD−ROM(DVD Read Only Memory)等の記録媒体から、当該コンピュータプログラムが、コンピュータに読み込まれて実行されれば、或いは、当該コンピュータプログラムが、コンピュータが備える通信手段を介して、該コンピュータにダウンロードされた後に実行されれば、上述した本発明の楽曲情報処理装置を比較的容易にして実現できる。これにより、上述した本発明の楽曲情報処理装置の場合と同様に、楽曲データの再生位置と、該再生位置に対応する楽譜上の位置とにずれが生じている場合に、該ずれを比較的容易に解消することができる。
本発明のコンピュータ読取可能な記録媒体は、上記課題を解決するために、コンピュータを、上述した本発明の楽曲情報処理装置(但し、その各種態様を含む)として機能させるコンピュータプログラムを格納する。
本発明のコンピュータ読取可能な記録媒体によれば、当該記録媒体に格納されているコンピュータプログラムが、コンピュータに読み込まれて実行されれば、上述した本発明の楽曲情報処理装置を比較的容易にして実現できる。これにより、上述した本発明の楽曲情報処理装置の場合と同様に、楽曲データの再生位置と、該再生位置に対応する楽譜上の位置とにずれが生じている場合に、該ずれを比較的容易に解消することができる。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための形態から明らかにされる。
以下、本発明の楽曲情報処理装置に係る実施形態を、図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
本発明の楽曲情報処理装置に係る第1実施形態を、図1乃至図7を参照して説明する。
本発明の楽曲情報処理装置に係る第1実施形態を、図1乃至図7を参照して説明する。
図1を参照して、本実施形態に係る楽曲情報処理装置の構成を、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る楽曲情報処理装置の基本的な構成を示すブロック図である。
図1において、楽曲情報処理装置1は、音楽データ入力部11、楽譜データ入力部12、楽曲情報解析部13、楽譜情報解析部14、出力部15、表示位置制御部16及び座標情報入力部17を備えて構成されている。出力部15は、音声出力部151及び表示部152を備えて構成されている。
音楽データ入力部11は、音楽データを入力するための機能部である。音楽データ入力部11は、例えばCDやDVD等の光ディスクに記録された情報を読み取り可能な装置(図示せず)、或いは、例えばハードディスクや不揮発性メモリ等の記録媒体(図示せず)、に接続されている。音楽データ入力部11は、取得された音楽データを、楽曲情報解析部13及び出力部15の音声出力部151に供給する。
ここで、音楽データは、例えば楽曲の音声情報等をデータ化したものである。該音楽データに対して、例えば公知の音楽再生に係る処理等の所定のデータ処理が施されると、元の楽曲の音声情報等が出力される。
楽曲情報解析部13は、音楽データ入力部11から供給される音楽データの解析を行い、該音楽データに係る楽曲を構成する拍、小節等を示す情報である音楽解析情報を取得する。楽曲情報解析部13は、取得された音楽解析情報を表示位置制御部16に供給する。ここで、音楽解析情報には、音楽データに係る楽曲における各拍のタイミングが、該音楽データにおける時系列に関連付けられた情報(即ち、拍情報)が含まれる。拍情報は、例えば楽曲の始まりから各拍までのサンプル数等により表わされる。
ここで、音楽解析情報について、図2を参照して説明を加える。図2は、音楽データの解析処理の一例を示す図である。
楽曲情報解析部13は、音楽データに対して、先ず、エンベロープ解析を施すことにより、該音楽データに係る楽曲における各拍及び各小節を検出する。続いて、楽曲情報解析部13は、図2(a)に示されるような、音楽データから検出された各拍に便宜上の固有の拍番号(拍#)s1、s2、…を付し、該拍番号と、楽曲の始まりから各拍までのサンプル数とを組み合わせた楽曲情報テーブルを生成する(図2(b)参照)。
図2(b)に示される楽曲情報テーブルでは、拍#s1のサンプル数は50688であり、拍#s2のサンプル数は74880であり、拍#s3のサンプル数は100244であり、拍#s4のサンプル数は125568であり、拍#s5のサンプル数は149760であり、拍#6のサンプル数は175104であり、拍#7のサンプル数は200448であり、拍#8のサンプル数は224640であり、拍#9のサンプル数は249984である。
楽曲情報解析部13は、更に、各拍について、楽曲を構成する小節の先頭であるか否かを判定し、判定結果を楽曲情報テーブルに加える。具体的には例えば図2(b)では、拍#1、拍#5及び拍#9の各々が、小節の先頭であると判定されている(図2(b)における“小節の先頭”を示すパラメータが“1”)。
また、楽曲情報解析部13は、拍#s1乃至拍#s4が第1の小節であり、拍#s5乃至拍#8が第2の小節であり、…と判定する。そして、楽曲情報解析部13は、拍#s1乃至拍#s4に対して、第1の小節であることを示す固有の小節番号(小節#)0を、拍#s5乃至拍#s8に対して、第2の小節であることを示す小節#1を、…付し、楽曲情報テーブルに加える(図2(b)における“小節#”参照)。
上述の如く生成された音楽解析情報は、例えばテキストファイル形式等の所定の形式に変換され、表示位置制御部16に供給される。尚、該表示位置制御部16により音楽解析情報が楽譜上に表示される場合、例えば図2(c)のような態様となる。
音楽データに係る楽曲において、単位時間当たりの拍数を示すBPM(Beats Per Minute)が楽曲全体を通じて一定である場合、楽曲情報解析部13は、楽曲の初めから各拍までのサンプル数に代えて、一拍当たりのサンプル数を取得してもよい。具体的には例えば、楽曲情報解析部13は、楽曲のBPMの逆数より1拍当たりの時間を算出し、それに単位時間当たりのサンプル数を示すサンプリングレートを乗算することにより、1拍当たりのサンプル数を取得してもよい。
再び図1に戻り、楽譜データ入力部12は、楽譜等が所定の画像ファイル形式でデータ化された楽譜データを入力するための機能部である。楽譜データ入力部12は、例えばCDやDVD等の光ディスクに記録された情報を読み取り可能な装置、或いは、例えばカメラ等の撮像手段、に接続されている。楽譜データ入力部12は、取得された楽譜データを、楽譜情報解析部14及び出力部15の表示部152に供給する。
楽譜データに対して、例えば公知の画像再生に係る処理等の所定のデータ処理が施されると、楽譜や該楽譜に付随する歌詞等が、例えば液晶ディスプレイ等の画像表示装置に出力される。
楽譜情報解析部14は、楽譜データ入力部12から供給される楽譜データの解析を行い、該楽譜データに係る楽譜を構成する各小節を示す座標を示す情報(即ち、小節位置情報)、及び各小節の演奏順序を示す情報等を含む楽譜解析情報を取得する。楽譜情報解析部14は、取得された楽譜解析情報を表示位置制御部16に供給する。
ここで、楽譜解析情報について、図3を参照して説明を加える。図3は、楽譜データの解析処理の一例を示す図である。
楽譜情報解析部14は、先ず、楽譜データに係る画像のサイズを検出する。尚、画像のサイズは、画像の横方向(例えば、X軸方向)及び縦方向(例えば、Y軸方向)のサイズを規定する値であり、例えば画像を構成するピクセル数若しくはその他の長さを示す単位を用いて表わされる。
例えば図3(a)に示される画像では、楽譜情報解析部14により、画像のサイズが、X:2214;Y:644として検出される。楽譜情報解析部14は、検出さえた画像のサイズを、楽譜情報テーブル(図3(b)参照)に格納する。
尚、楽譜データに係る画像により示される楽譜が、複数のページから構成されている場合、楽譜情報解析部14は、ページ番号を取得して楽譜情報テーブルに格納する。図3(a)に示される画像が、楽譜の第1ページであるとすると、楽譜情報解析部14は、楽譜情報テーブルの「楽譜ページ」を示すパラメータに「1」を格納する(図3(b)における“楽譜ページ”参照)。
次に、楽譜情報解析部14は、画像認識により、例えば、画像中における五線譜の最上段の線に対応する座標である上部Y座標と、該五線譜の最下段の線に対応する座標である下部Y座標との検出を行う。具体的には例えば、図3(a)に示される画像では、一段目の五線譜の上部Y座標が124、下部Y座標が207、二段目の五線譜の上部Y座標が490、下部Y座標が573として検出される。
続いて、楽譜情報解析部14は、画像認識により、楽譜を構成する小節線の検出を行い、各小節線に対応する座標であるX座標の検出を行う。具体的には例えば、図3(a)に示される画像では、一段目の五線譜における小節線の位置を示すX座標が、左から順番に、38、509、903、1319、1741、2163として検出される。同様に、二段目の五線譜における小節線の位置を示すX座標が、左から順番に、38、518、903、1319、1728、2163として検出される。
続いて、楽譜情報解析部14は、検出された上部Y座標及び下部Y座標、並びにX座標に基づいて、各小節に係る領域を決定する。そして、楽譜情報解析部14は、各小節について、小節が属する段、及び該段における小節の番号(小節#)を決定する。
具体的には例えば、図3(a)に示される画像では、一段目の五線譜の最初の(即ち、左端の)小節については、Y座標:124〜207;X座標38〜509が該小節に係る領域として決定される。そして、「小節の段」を示すパラメータに「1」が、「小節#」を示すパラメータに「0」が割り当てられる(図3(b)における“小節の段”、及び図3(a)における“小節#”参照)。
同様に、二段目の五線譜の最後の(即ち、右端の)小節については、Y座標:490〜573;X座標:1728〜2163が該小節に係る領域として決定される。そして、「小節の段」を示すパラメータに「2」が、「小節」を示すパラメータに「9」が割り当てられる。
尚、「小節が属する段」とは、例えば図3(a)に示される画像のように、楽譜(ここでは、五線譜)が複数の段に段組みされている場合に、対象となる小節が、何段目の五線譜を構成しているのかを示す情報である。また、「段における小節の番号(小節#)」とは、対象とする小節が、該小節が構成する五線譜の先頭から何番目に位置しているのかを示す情報である(尚、五線譜の先頭を示す“小節#”は、任意の値であってよい)。
次に、楽譜情報解析部14は、例えばパターン認識などにより、各小節線に付属する反復記号を検出し、該反復記号が示す内容について楽譜解析情報を生成する。ここで、楽譜情報解析部14は、例えば、検出された反復記号が示す内容について所定のコードを用いて表すように構成されている(図3(b)における“反復記号”参照)。
具体的には例えば、反復記号なしの場合にはコードは「0」が生成される。反復記号がある場合には、(i)対象となる小節線に付随する反復記号の個数を示すコード、及び(ii)反復記号の種類(更に、補足情報)を示すコードが生成される。
反復記号の種類及び補足情報を示すコードの具体例を以下に示す。リピート開始を示すコードは「1」であり、リピート終了を示すコードは「2」である。カッコ開始を示すコードは「3」であり、補足情報として、「3」の後に、カッコの「数」及び「番号」を示す数値が付与される。カッコ終了を示すコードは「4」である。
D.S.(ダル・セーニョ:dal segno)を示すコードは「5」であり、補足情報として、「5」の後に、インデックスの「数」及び「番号」を示す数値が付与される(尚、インデックスがない場合には「0」が付与される)。セーニョマークを示すコードは「6」であり、補足情報として、「6」の後に、インデックスの「数」及び「番号」を示す数値が付与される(尚、インデックスがない場合には「0」が付与される)。
to Coda(トゥー・コーダ)を示すコードは「7」であり、補足情報として、「7」の後に、インデックスの「数」及び「番号」を示す数値が付与される(尚、インデックスがない場合には「0」が付与される)。Coda(コーダ)を示すコードは「8」であり、補足情報として、「8」の後に、インデックスの「数」及び「番号」を示す数値が付与される(尚、インデックスがない場合には「0」が付与される)。D.C.(ダ・カーポ)を示すコードは「9」である。Fine(フィーネ)を示すコードは「10」である。
例えば、図3(b)の「反復記号」に、「1,6,0」と格納されている場合、反復記号の数は1であり、反復記号の種類はセーニョマーク(インデックスなし)である、ことを表わしている。或いは、「2,2,4」と格納されている場合、反復記号の数は2であり、反復記号の種類はリピート終了及びカッコ終了である、ことを表わしている。或いは、「2,5,0,8,0」と格納されている場合、反復記号の数は2であり、反復記号の種類はD.S.(インデックスなし)及びCoda(インデックスなし)であることを表わしている。
楽譜情報解析部14は、更に、上述の如く検出された反復記号と、小節#とに基づいて、小節の演奏順序を算出する。例えば、図3(b)に示すような楽譜情報テーブルが生成されたとすると、算出された演奏順序は、図3(c)に示すように、小節#0、小節#1、小節#2、小節#3、小節#4、小節#3、小節#5、小節#6、小節#7、小節#1、小節#8、小節#9、…となる。
楽譜情報解析部14は、上述した一連の処理により生成された楽譜情報テーブル及び演奏順序を示すデータを楽譜解析情報として、例えばテキストファイル形式等の所定の形式に変換した後に、表示位置制御部16に供給する。
再び図1に戻り、出力部15の音声出力部151は、例えばスピーカ等を備えて構成されており、音楽データ入力部11から供給された音楽データを音声として出力する。他方、出力部15の表示部152は、例えば液晶ディスプレイ等を備えて構成されており、楽譜データ入力部12から供給された楽譜データにより示される画像を出力する。
表示位置制御部16は、楽曲情報解析部13から供給された音楽解析情報に基づいて、音声出力部151により出力される音楽データに係る楽曲の拍及び小節を検出すると共に、楽譜情報解析部14から供給された楽譜解析情報に基づいて、表示部152により出力される楽譜データに係る楽譜の各小節の座標及び各小節の演奏順序を検出する。そして、表示位置制御部16は、音楽データの再生位置に応じて、楽譜データに係る楽譜を構成する一の小節を強調して示す。
座標情報入力部17は、例えばタッチパッド等であり、ユーザからの各種入力を受付可能である。
尚、出力部15は、楽曲情報処理装置1とは別の装置であるスピーカ又はディスプレイに対して、音楽データ及び画像データを出力するための出力信号を供給するように構成されていてもよい。
次に、楽曲情報処理装置1を備える電子機器の一具体例について、図4を参照して説明する。図4は、本実施形態に係る楽曲情報処理装置の一具体例である電子楽譜表示装置の構成を示す図である。
図4において、電子楽譜表示装置2は、上述した情報処理装置1を備える装置の一具体例である。該電子楽譜表示装置2は、楽譜データに係る楽譜等を表示可能であり、且つユーザからの各種入力を受付可能なタッチパネル21と、音楽データに係る音声を出力可能なスピーカ22と、音楽データ及び楽譜データを入力するための入力インターフェース24とを備えて構成されている。
タッチパネル21には、楽譜の他に、例えば音楽データの再生に係る各種ボタン23が表示されている。ユーザは、タッチパネル21上における、各種ボタン23に夫々対応する領域に触れることによって、音楽データを再生、停止又は一時停止等することができる。
本実施形態では特に、表示位置制御部16(図1参照)により、音楽データの再生位置に応じて、タッチパネル21に表示されている楽譜を構成する一の小節の周囲を囲う枠200が表示されることによって、該一の小節が強調表示される。
このため、ユーザは、スピーカから出力される音声を聴きながら、タッチパネル21に表示された楽譜や歌詞等の関連情報を確認することができるので、例えば演奏の手本とすることができる。
ところで、楽曲情報解析部13(図1参照)における音楽データの解析が、正しくなされるとは限らない。このため、生成された音楽解析情報に誤りがあると、表示位置制御部16により強調表示される小節と、音楽データの再生位置との間にずれが生じることとなる。すると、電子楽譜表示装置2を、演奏の手本として使用しているユーザが、演奏のしにくさを覚える可能性がある。
そこで本実施形態では、ユーザが、タッチパネル21を介して、強調表示されるタイミングを変更したい小節を選択すると、表示位置制御部16により、該選択された小節が強調表示されるタイミングが変更される。
具体的には、例えば図5(a)に示すように、音楽の再生位置と、強調表示されている小節の位置(図中の枠で囲まれた小節)との間にずれが生じている場合、ユーザは、スピーカ22から出力される音声を聴きながら強調表示されるべき小節を選択すると(図5(b)参照)、表示位置制御部16に供給された音楽解析情報におけるサンプル数が変更され、結果として、図5(c)に示すように、音楽の再生位置と強調表示されている小節の位置とが一致することとなる。尚、図5は、強調表示のタイミングを変更する際のユーザの動作を示す概念図である。
より具体的には、表示位置制御部16は、音楽データが再生された後、初めて(即ち、1回目の)ユーザの入力がタッチパネル21(即ち、座標情報入力部17)を介して入力された際に音楽データが再生されている位置から、2回目のユーザの入力がタッチパネル21を介して入力された際に音楽データが再生されている位置までの区間を、該区間内に存在する小節数で等分することによって、音楽解析情報におけるサンプル数を変更する。
ここで、表示位置制御部16は、タッチパネル21がユーザの入力を受け付けた時点を、小節の区切りとして認識するように構成されている。また、ユーザは、上述の如く、タッチパネル21に表示されている楽譜の一の小節を選択するので、ユーザの入力には、選択された一の小節の位置を示す位置情報が含まれることとなる。このため、表示位置制御部16は、タッチパネル21により受け付けられたユーザの入力を示す信号からユーザが選択した小節を特定することができる。
例えば、再生されている音楽データの再生位置(即ち、サンプル数)が4410である時点に、ユーザがタッチパネル21に表示されている楽譜の第2小節を選択し、該音楽データの再生位置が21050である時点に、ユーザが表示されている楽譜の第6小節を選択した場合、表示位置制御部16は、図6(a)に示される楽曲情報テーブルにおける「5410」及び「23050」を、夫々、図6(b)に示される楽曲情報テーブルのように「4410」及び「21050」と変更する。
表示位置制御部16は、更に、サンプル数4410〜21050の区間を、該区間に存在する小節数(ここでは、“4”)で等分する。この結果、図6(a)に示される楽曲情報テーブルにおける「9820」(第3小節の先頭)、「14230」(第4小節の先頭)及び「18640」(第5小節の先頭)は、夫々、「8570」、「12730」及び「16890」に変更される(図6(b)参照)。図6は、本実施形態に係るサンプル数変更処理の一例を示す図である。
尚、例えば第2小節内の第2拍以降のサンプル数は、該第2小節の長さ(即ち、第2小節の先頭のサンプル数と第3小節の先頭のサンプル数との差分:ここでは“4160”)を等分して決定すればよい。
尚、本実施形態では、音楽データは、該音楽データの先頭から再生される。具体的には例えば、本実施形態では、図2(a)における拍#s1から音楽データが再生されるのではなく、図2(a)における無音部分も含めて、音楽データの先頭から再生される。このため、仮に、楽曲情報解析部13における解析で、図2(a)における拍#s1のサンプル数が誤検出された場合であっても、比較的容易にサンプル数を変更することができる。
ここで、当該楽曲情報処理装置1(電子楽譜表示装置2)が、拍#s1(即ち、第1小節の第1拍)から音楽データを再生するように構成されている場合には、拍#s1のサンプル数を「0」(即ち、音楽データの先頭)とするように、楽曲情報解析部13を構成すればよい。
本実施形態に係る「音声出力部151」及び「スピーカ22」は、本発明に係る「再生手段」の一例であり、本実施形態に係る「表示部152」及び「タッチパネル21」は、本発明に係る「表示手段」の一例であり、本実施形態に係る「表示位置変更手段」は、本発明に係る「強調表示手段」及び「変更手段」の一例であり、本実施形態に係る「座標情報入力部17」及び「タッチパネル21」は、本発明に係る「入力手段」の一例である。
次に、以上のように構成された楽曲情報処理装置1(電子楽譜表示装置2)の動作について、図7のフローチャートを参照して説明する。
図7において、先ず、音楽データ入力部11により音楽データが取得されると共に、楽譜データ入力部12により楽譜データが取得される(ステップS101)。続いて、音楽データ入力部11から音楽データを取得した楽曲情報解析部13により音楽解析情報が取得されると共に、楽譜データ入力部12から楽譜データを取得した楽譜情報解析部14により楽譜解析情報が取得される(ステップS102)。
次に、ユーザにより再生要求がなされたか否かが判定される(ステップS103)。尚、再生要求があるか否かは、例えばタッチパネル21に表示されている画面(図4参照)における再生ボタンに対応する座標を示す信号が受け付けられたか否かを判定することによって、判定すればよい。
再生要求がないと判定された場合(ステップS103:No)、再びステップS103の処理が実行される(即ち、待機状態となる)。他方、再生要求があると判定された場合(ステップS103:Yes)、出力部15における音声出力部151により音楽データに係る音声がスピーカ22を介して出力され、表示部152により楽譜データに係る楽譜がタッチパネル21に表示される。更に、表示位置制御部16により、音楽解析情報及び楽譜解析情報に基づいて、表示されている楽譜を構成する一の小節が強調表示される(ステップS104)。
次に、ユーザの入力があるか否かが判定される(ステップS105)。ユーザの入力があると判定された場合(ステップS105:Yes)、図6を参照して説明した処理が実行される(ステップS106)。他方、ユーザの入力がないと判定された場合(ステップS105:No)、音楽データの再生が終了した否かが判定される(ステップS107)。
音楽データの再生が終了したと判定された場合(例えば、再生位置が音楽データの最後部に到達した場合、ユーザにより停止ボタンが押下された場合等)(ステップS107:Yes)、処理が終了される。他方、音楽データの再生が終了していないと判定された場合(ステップS107:No)、ステップS105の処理が実行される。
<第1変形例>
第1実施形態に係る楽曲情報処理装置の第1変形例について、図8を参照して説明する。図8は、本変形例に係るサンプル数変更処理の一例を示す図である。尚、本変形例に係る楽曲情報処理装置1では、典型的には、音楽解析情報に含まれる拍情報における拍#s1に対応するサンプル数から、音楽データが再生される。
第1実施形態に係る楽曲情報処理装置の第1変形例について、図8を参照して説明する。図8は、本変形例に係るサンプル数変更処理の一例を示す図である。尚、本変形例に係る楽曲情報処理装置1では、典型的には、音楽解析情報に含まれる拍情報における拍#s1に対応するサンプル数から、音楽データが再生される。
本変形例に係る表示位置制御部16は、音楽データの再生が開始された位置から、ユーザの入力がタッチパネル21を介して入力された際に音楽データが再生されている位置までの区間を、該区間内に存在する小節数で等分することによって、音楽解析情報におけるサンプル数を変更する。
具体的には例えば、再生されている音楽データの再生位置が9420である時点に、ユーザがタッチパネル21に表示されている楽譜の第3小節を選択した場合、表示位置制御部16は、図8(a)に示される楽曲情報テーブルにおける「9820」を、図8(b)に示される楽曲情報テーブルのように「9420」と変更する。
表示位置制御部16は、更に、サンプル数1000〜9420の区間を、該区間に存在する小節数(ここでは、“2”)で等分する。この結果、図8(a)に示される楽曲情報テーブルにおける「5410」(第2小節の先頭)は、「4210」に変更される(図8(b)参照)。
<第2変形例>
第1実施形態に係る楽曲情報処理装置の第2変形例について、図9及び図10を参照して説明する。図9は、本変形例に係るサンプル数変更処理の一例を示す図であり、図10は、本変形例に係るサンプル数変更処理の他の一例を示す図である。
第1実施形態に係る楽曲情報処理装置の第2変形例について、図9及び図10を参照して説明する。図9は、本変形例に係るサンプル数変更処理の一例を示す図であり、図10は、本変形例に係るサンプル数変更処理の他の一例を示す図である。
本変形例に係る表示位置制御部16は、ユーザの入力がタッチパネル21を介して入力された際に音楽データが再生されている位置を、該ユーザの入力に含まれる位置情報により示される小節の先頭のサンプル数とする。
具体的には例えば、再生されている音楽データの再生位置が9420である時点に、ユーザがタッチパネル21に表示されている楽譜の第3小節を選択した場合、表示位置制御部16は、図9(a)に示される楽曲情報テーブルにおける「9820」を、図9(b)に示される楽曲情報テーブルのように「9420」と変更する。つまり、表示位置制御部16は、ユーザにより選択された小節の先頭に対応するサンプル数のみ変更する。
ところで、例えば図10に示すように、再生されている音楽データの再生位置が4420である時点に、ユーザがタッチパネル21に表示されている楽譜の第3小節を選択した場合、表示位置制御部16が、第3小節の先頭に対応するサンプル数のみ変更すると、第2小節との整合性をとることができない。そこで、この場合、表示位置制御部16は、第2小節の先頭に対応するサンプル数を、変更後の第3小節の先頭に対応するサンプル数である4420と、該サンプル数よりも小さく、且つ第3小節よりも前の小節の先頭に対応するサンプル数(ここでは、第1小節の先頭に対応するサンプル数である1000)と、の差分を、小節数(ここでは“2”)で等分する。この結果、第2小節の先頭に対応するサンプル数は、「5410」から「2710」に変更される。
<第2実施形態>
本発明の楽曲情報処理装置に係る第2実施形態を、図11を参照して説明する。第2実施形態では、当該楽曲情報処理装置が、ネットワークを介して、音楽データ等を取得する点が異なっている以外は、第1実施形態の構成と同様である。よって、第2実施形態について、第1実施形態と重複する説明を省略すると共に、図面上における共通箇所には同一符号を付して示し、基本的に異なる点についてのみ、図11を参照して説明する。図11は、第2実施形態に係る楽曲情報処理装置の構成を示すブロック図である。
本発明の楽曲情報処理装置に係る第2実施形態を、図11を参照して説明する。第2実施形態では、当該楽曲情報処理装置が、ネットワークを介して、音楽データ等を取得する点が異なっている以外は、第1実施形態の構成と同様である。よって、第2実施形態について、第1実施形態と重複する説明を省略すると共に、図面上における共通箇所には同一符号を付して示し、基本的に異なる点についてのみ、図11を参照して説明する。図11は、第2実施形態に係る楽曲情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図11において、楽曲情報処理装置1は、複数の音楽データ及び複数の楽譜データ等を格納するサーバ装置3を含む、例えばインターネット、LAN(Local Area Network)等のネットワーク4に接続されている。
楽曲情報処理装置1において、音楽データ入力部11(図1参照)及び楽譜データ入力部12(図1参照)は、外部の装置(ここでは、サーバ装置3)と、ネットワーク4を介して、相互に通信可能な通信部(図示せず)に接続されている。
音楽データ入力部11及び楽譜データ入力部12は、ネットワーク4を介して、サーバ装置3に格納されている複数の音楽データ及び複数の楽譜データのうち、一の音楽データ及び、該一の音楽データに対応する一の楽譜データを取得する。このように構成すれば、楽曲情報処理装置1に、例えばハードディスク等の記録媒体が搭載されなくてよいので、当該楽曲情報処理装置1の小型化や軽量化を図ることができる。
音楽データ入力部11は、取得された一の音楽データを、音声出力部151(図1参照)及び楽曲情報解析部13(図1参照)に供給する。他方、楽譜データ入力部12は、取得された一の楽譜データを、表示部152(図1参照)及び楽譜情報解析部14(図1参照)に供給する。
尚、サーバ装置3に、上記一の音楽データに対応する一の音楽解析情報が、予め格納されている場合、音楽データ入力部11は、一の音楽データに加えて、該一の音楽解析情報も取得してよい。この場合、音楽データ入力部11は、取得された一の音楽データに代えて又は加えて、取得された一の音楽解析情報を楽曲情報解析部14に供給する。
楽曲情報解析部14は、供給された一の音楽解析情報を表示位置制御部16(図1参照)に供給してもよいし、供給された一の音楽データを改めて解析した結果生成された音楽解析情報を表示位置制御部16に供給してもよい。
尚、音楽データ入力部11が、取得された一の音楽解析情報を、直接、表示位置制御部16に供給するように構成してもよい(この場合、楽曲情報解析部14は使用されない)。
例えば図6を参照して説明した処理等の結果、音楽解析情報に含まれるサンプル数等が変更された場合、表示位置制御部16は、変更された音楽解析情報を、楽曲情報処理装置1の通信部及びネットワーク4を介して、サーバ装置3に送信する。このように構成すれば、今回再生された音楽データを、同一のユーザが次回再生する際、又は他のユーザが再生する際に、最適な音楽解析情報を利用することができる。
<変形例>
第2実施形態に係る楽曲情報処理装置の変形例について、図12を参照して説明する。図12は、第2実施形態の変形例に係る楽曲情報処理装置の構成を示すブロック図である。
第2実施形態に係る楽曲情報処理装置の変形例について、図12を参照して説明する。図12は、第2実施形態の変形例に係る楽曲情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図12において、楽曲情報処理装置5は、音楽データ入力部11、楽譜データ入力部12、出力部15、表示位置制御部16、座標情報入力部17及び通信部18を備えて構成されている。
サーバ装置6は、楽曲情報解析部61、楽譜情報解析部62、小節タイミング変更部63、記憶装置64及び通信部65を備えて構成されている。
楽曲情報処理装置5において、音楽データ入力部11は、通信部18を介して取得された音楽データを、音声出力部151に供給する。楽譜データ入力部12は、通信部18を介して取得された楽譜データを、表示部152に供給する。表示位置制御部16は、通信部18を介して、音楽解析情報及び楽譜解析情報を取得する。
座標情報入力部17は、取得された音楽データが再生されている際に、強調表示のタイミングを変更するためのユーザの入力を受け付け、該受け付けられた入力に応じた、ユーザにより選択された小節の位置を示す位置情報を、通信部18及びネットワーク4を介して、サーバ装置6に送信する。尚、座標情報入力部17は、位置情報に加えて、ユーザの入力が受け付けられた際に再生されている音楽データの再生位置(即ち、サンプル数)を示す情報も、サーバ装置6に送信してもよい。
サーバ装置6において、楽曲情報解析部61は、記憶装置64に格納されている複数の音楽データ各々の解析を行い、各音楽データに係る楽曲を構成する拍、小節等を示す情報である音楽解析情報を生成すると共に、該生成された音楽解析情報を記憶装置64に格納する。
楽譜情報解析部62は、記憶装置64に格納されている複数の楽譜データ各々の解析を行い、各楽譜データに係る楽譜を構成する各小節を示す座標を示す情報、及び各小節の演奏順序を示す情報等を含む楽譜解析情報を生成すると共に、該生成された楽譜解析情報を記憶装置64に格納する。
小節タイミング変更部63は、通信部65を介して取得された位置情報に基づいて、楽曲情報処理装置5において再生されている音楽データに対応する音楽解析情報におけるサンプル数を変更する(即ち、音楽解析情報を更新する)。そして、小節タイミング変更部63は、更新された音楽解析情報を、通信部65及びネットワーク4を介して、楽曲情報処理装置5に送信する。
次に、以上のように構成された楽曲情報処理装置5及びサーバ装置6において、楽曲情報処理装置5に表示された楽譜を構成する一の小節が強調表示されるタイミングを変更する処理を、図13のタイミングチャートを参照して説明する。尚、ここでは、タイミングの変更方法として、図6を参照して説明した第1実施形態と同様の方法を例に挙げる。
楽曲情報処理装置5において、ユーザの入力が検出される(即ち、ユーザが座標情報入力部17を介して入力を行う)と(ステップS201)、楽曲情報処理装置5は、ユーザにより選択された小節に対応する位置情報(図6に示される例では、第2小節に対応する位置情報)を、ネットワーク4を介して、サーバ装置6に送信する(ステップS202)。尚、楽曲情報処理装置5は、位置情報に加えて、例えば再生されている音楽データに係る識別情報、当該楽曲情報処理装置5を示す識別情報(更には、ユーザの入力が受け付けられた際の音楽データの再生位置を示す情報)等も、サーバ装置6に送信する。
サーバ装置6は、送信された位置情報等を受信して、例えばメモリ(図示せず)等に一旦格納する(ステップS203)。
次に、楽曲情報処理装置5において、ユーザの入力が再び検出されると(ステップS204)、楽曲情報処理装置5は、ユーザにより選択された小節に対応する位置情報(図6に示される例では、第6小節に対応する位置情報)を、ネットワーク4を介して、サーバ装置6に送信する(ステップS205)。
サーバ装置6は、送信された位置情報等を受信して、例えばメモリ等に一旦格納する(ステップS206)。続いて、サーバ装置6は、格納された二つの位置情報等に基づいて、楽曲情報処理装置5において再生されている音楽データに対応する音楽解析情報におけるサンプル数を変更する(ステップS207)。
次に、サーバ装置6は、更新された音楽解析情報を、ネットワーク4を介して、楽曲情報処理装置5に送信する(ステップS208)。楽曲情報処理装置5は、送信された音楽解析情報を受信して、表示位置制御部17に供給する(ステップS209)。その後、表示位置制御部17により、更新された音楽解析情報に基づいて、楽譜を構成する小節の強調表示が実行される。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う楽曲情報処理装置及び方法、コンピュータプログラム並びに記録媒体もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
1、5…楽曲情報処理装置、2…電子楽譜表示装置、3、6…サーバ装置、4…ネットワーク、11…音楽データ入力部、12…楽譜データ入力部、13…楽曲情報解析部、14…楽譜情報解析部、15…出力部、16…表示位置制御部、17…座標情報入力部、21…タッチパネル、22…スピーカ、24…入力インターフェース、151…音声出力部、152…表示部
Claims (8)
- 楽曲データを再生する再生手段と、
前記再生されている楽曲データに対応し、且つ小節情報を含む楽譜データにより示される楽譜を表示する表示手段と、
前記再生されている楽曲データの再生位置に応じて、前記表示されている楽譜上の一の小節を強調して示す強調表示手段と、
ユーザの入力を受付可能な入力手段と、
前記入力手段を介して受け付けられた前記ユーザの入力により指定された前記楽曲データ上の区間と、前記小節情報に基づく前記区間内に存在する小節数と、に応じて、前記再生位置に対する、前記一の小節が強調して示されるタイミングを変更する変更手段と
を備えることを特徴とする楽曲情報処理装置。 - 前記区間は、前記楽曲データの再生が開始された後、初めて前記ユーザの入力が前記入力手段に受け付けられた際に前記楽曲データが再生されている位置から、2回目に前記ユーザの入力が前記入力手段に受け付けられた際に前記楽曲データが再生されている位置までの区間であることを特徴とする請求項1に記載の楽曲情報処理装置。
- 前記区間は、前記楽曲データの再生が開始された位置から、前記ユーザの入力が前記入力手段に受け付けられた際に前記楽曲データが再生されている位置までの区間であることを特徴とする請求項1に記載の楽曲情報処理装置。
- 当該楽曲情報処理装置は、複数の楽曲データ及び、前記複数の楽曲データに夫々対応する複数の楽譜データを格納するサーバ装置を含むネットワークに接続されており、
当該楽曲情報処理装置は、前記再生手段により再生される楽曲データ及び、前記表示手段により表示される楽譜データを、前記ネットワークを介して、前記サーバ装置から取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の楽曲情報処理装置。 - 前記入力手段により受け付けられる前記ユーザの入力には、前記表示されている楽譜上における位置を示す位置情報が含まれることを特徴とする請求項1に記載の楽曲情報処理装置。
- ユーザの入力を受付可能な入力手段を備える楽曲情報処理装置における楽曲情報処理方法であって、
楽曲データを再生する再生工程と、
前記再生されている楽曲データに対応し、且つ小節情報を含む楽譜データにより示される楽譜を表示する表示工程と、
前記再生されている楽曲データの再生位置に応じて、前記表示されている楽譜上の一の小節を強調して示す強調表示工程と、
前記入力手段を介して受け付けられた前記ユーザの入力により指定された前記楽曲データ上の区間と、前記小節情報に基づく前記区間内に存在する小節数と、に応じて、前記再生位置に対する、前記一の小節が強調して示されるタイミングを変更する変更工程と
を備えることを特徴とする楽曲情報処理方法。 - コンピュータを、
楽曲データを再生する再生手段と、
前記再生されている楽曲データに対応し、且つ小節情報を含む楽譜データにより示される楽譜を表示する表示手段と、
前記再生されている楽曲データの再生位置に応じて、前記表示されている楽譜上の一の小節を強調して示す強調表示手段と、
ユーザの入力を受付可能な入力手段と、
前記入力手段を介して受け付けられた前記ユーザの入力により指定された前記楽曲データ上の区間と、前記小節情報に基づく前記区間内に存在する小節数と、に応じて、前記再生位置に対する、前記一の小節が強調して示されるタイミングを変更する変更手段と
を備える楽曲情報処理装置として機能させる
ことを特徴とするコンピュータプログラム。 - コンピュータを、
楽曲データを再生する再生手段と、
前記再生されている楽曲データに対応し、且つ小節情報を含む楽譜データにより示される楽譜を表示する表示手段と、
前記再生されている楽曲データの再生位置に応じて、前記表示されている楽譜上の一の小節を強調して示す強調表示手段と、
ユーザの入力を受付可能な入力手段と、
前記入力手段を介して受け付けられた前記ユーザの入力により指定された前記楽曲データ上の区間と、前記小節情報に基づく前記区間内に存在する小節数と、に応じて、前記再生位置に対する、前記一の小節が強調して示されるタイミングを変更する変更手段と
を備える楽曲情報処理装置として機能させるコンピュータプログラムが格納されている
ことを特徴とするコンピュータ読取可能な記録媒体。
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