JP5420921B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式のプリンタや複写装置などの画像形成装置に関する。
従来の画像形成装置は、感光ドラムに対して帯電、露光、現像、転写、クリーニング、除電を1サイクルとした印字プロセスを施して画像を形成し、特に感光ドラム表面の電位差に起因する残像と呼ばれる画像欠陥を生じさせることなく、また過度の光量による感光ドラムの光疲労を抑制するため、感光ドラムの周面の近傍に除電光を感光ドラムに照射する除電装置と温度センサを配置し、その温度センサが検出する温度に応じて除電光の光量を変え、周辺温度に適した光量の除電光を感光ドラムに照射して除電を行うようにしているものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−208223号公報(段落「0033」〜段落「0035」、図1)
しかしながら、上述した従来の技術では、感光ドラムの残像の発生を抑えることはできるが、トナーから遊離したシリカ、チタニア、メラミン等の外添剤が感光ドラムの表面に固着する感光ドラムフィルミングによる画像欠陥を発生させてしまうという問題がある。
本発明は、このような問題を解決することを課題とし、感光ドラムフィルミングによる画像欠陥の発生を抑制しつつ感光ドラムの除電を行うことを目的とする。
そのため、本発明は、回転可能な静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体の表面を帯電する帯電手段と、前記帯電手段で帯電された静電潜像担持体の表面を露光して静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像に現像剤を供給して現像剤画像を形成する現像手段と、該現像剤画像を披転写体に転写する転写手段と、転写後の前記静電潜像担持体表面に残存する現像剤を除去する除去手段と、転写後の前記静電潜像担持体表面に残存する電位を除去する除電手段とからなる画像形成装置において、前記除電手段は、受信した印刷データにより求められた1枚の用紙の実画像の印刷領域に対応する前記静電潜像担持体の露光領域となる領域予め除電し、前記1枚の用紙の実画像が形成されない領域に対応する前記静電潜像担持体の非露光領域となる領域予め除電しないことを特徴とする。
このようにした本発明は、感光ドラムフィルミングによる画像欠陥の発生を抑制しつつ感光ドラムの除電を行うことができるという効果が得られる。
第1の実施例における除電装置の動作シーケンスを示す説明図 第1の実施例における画像形成装置および現像装置の構成を示す概略説明図 第1の実施例における画像形成装置の制御系を示すブロック図 第1の実施例における除電装置の構成を示す概略説明図 連続印刷パターンの説明図 トナーモデルを示す説明図 感光ドラムのフィルミングの説明図 感光ドラムにフィルミングが形成されるプロセスの説明図 第2の実施例における除電装置の構成を示す概略説明図 第2の実施例における除電装置の動作シーケンスを示す説明図
以下、図面を参照して本発明による画像形成装置の実施例を説明する。
図2は第1の実施例における画像形成装置および現像装置の構成を示す概略説明図である。
図2において、11は電子写真方式を用いたプリンタ等の画像形成装置であり、12は画像を形成する現像装置である。
現像装置12は、その内部にトナーカートリッジ7から補給された現像剤としてのトナー8が収容され、回転可能な静電潜像担持体としての感光ドラム1、その感光ドラム1に対向して回転可能に配置され、その感光ドラム1にトナー8を供給して現像剤画像を形成する現像手段(現像剤担持体)としての現像ローラ2、その現像ローラ2にトナー8を供給する現像剤供給部材としてのトナー供給ローラ3、感光ドラム1表面を帯電させる帯電手段としての帯電ローラ4、帯電された感光ドラム1の表面を露光して静電潜像を形成する潜像形成手段としてのLEDヘッド等の印刷ヘッド30、現像ローラ2上に供給されたトナー8を薄層形成するトナー層厚規制ブレードとしての現像ブレード9、感光ドラム1の現像剤画像を披転写体としての記録媒体44に転写する転写手段としての転写ローラ27、感光ドラム1表面に残存するかぶりトナーや転写残トナーを回収するための除去手段としてのクリーニングブレード5、感光ドラム1上に残留した電位を除去するための除電手段としての除電装置100、クリーニングブレード5により掻き落とされたトナー(廃トナー)8を回収容器に搬送するためのスクリュー等の部材が収められるスペース6で構成されている。この感光ドラム1、現像ローラ2、トナー供給ローラ3、および帯電ローラ4は、それぞれ図中矢印が示す方向に回転する。
次に、画像形成装置11の構成を図3の第1の実施例における画像形成装置の制御系を示すブロック図および図2に基づいて説明する。
図3において、19はマイクロプロセッサ、ROMおよびRAM等の記憶部、入出力ポート、タイマ等によって構成される主制御部であり、図示しない上位装置からインターフェイス(I/F)制御部14を介して印刷データおよび制御コマンドデータを受信して画像形成装置11全体のシーケンスを制御して印刷動作を行う。
15は上位装置からインターフェイス制御部14を介して入力された印刷データを一時的に記憶する受信メモリ、16はその受信メモリ15に記憶された印刷データを受け取るとともに、その印刷データを編集処理することにより形成した画像データ、すなわちイメージデータを記憶する画像データ編集メモリである。
17は画像形成装置11の状態を表示するためのLEDおよび画像形成装置11に操作者からの指示を与えるためのスイッチや表示部を備えた操作部、18はセンサ群であり、そのセンサ群18は画像形成装置11の動作状態を監視するための各種センサ、例えば用紙位置検出センサ、温湿度センサ、濃度センサ等からなる。
また、帯電ローラ用電源22は、主制御部19の指示により帯電ローラ4に電圧を印加して感光ドラム1の表面を帯電させる。
24は静電潜像にトナー8を付着させるために現像ローラ2に所定の電圧を印加する現像ローラ用電源、25は現像ローラ2にトナー8を供給するためにトナー供給ローラ3に所定の電圧を印加する供給ローラ用電源、26は感光ドラム1に形成されたトナー像を記録媒体44に転写するために転写ローラ27に所定の電圧を印加する転写ローラ用電源である。
なお、上記の帯電ローラ用電源22、現像ローラ用電源24、および供給ローラ用電源25は主制御部19の指示により電圧を変更することができるようになっている。
28は現像装置12が使用品か否かを判別する速断ヒューズとしての現像装置新旧判別ヒューズ43に電流を流すヒューズ用電源である。
29は画像データ編集メモリ16に記憶されたイメージデータを印刷ヘッド30に送り、その印刷ヘッド30を駆動するヘッド駆動制御部である。
ここで、印刷ヘッド30の図示しない光源が並んでいる方向を主走査方向、その主走査方向に略直交する方向を副走査方向というものとする。
31は転写されたトナー像を記録媒体に定着するために定着手段としての定着器32に電圧を印加する定着制御部である。定着器32は、記録媒体上のトナー像を構成するトナー8を融解させるための図示しないヒータ、および温度を検出する図示しない温度センサ等を備え、定着制御部31は、その温度センサのセンサ出力を読込み、センサ出力に基づいてヒータを通電させ、定着器32が一定の温度になるように制御を行う。
33は記録媒体44を搬送するための用紙搬送モータ34の制御を行う搬送モータ制御部であり、その搬送モータ制御部33は主制御部19の指示にしたがって所定のタイミングで用紙搬送ローラ45a、45b、45cを駆動して記録媒体44を図2の矢印46a、46b、46c、46dが示す方向へ搬送し、またその搬送を停止する。
103は除電装置100の発光制御を行う光源制御部であり、感光ドラム1表面へ除電光を照射する。
35は感光ドラム1を回転動作させるための駆動モータ36を駆動する駆動制御部である。この駆動制御部35により、駆動モータ36が駆動されると感光ドラム1が図2の矢印が示す方向に回転させられるとともに現像ローラ2、供給ローラ3がそれぞれ図2の矢印が示す方向に回転させられる。
20は感光ドラム1の回転数をカウントするドラムカウンタ、21は印刷ドット数をカウントするドットカウンタであり、主制御部19の記憶部に記憶されるものである。
次に、除電装置100の構成を図4の第1の実施例における除電装置の構成を示す概略説明図に基づいて説明する。
図4において、除電装置100は、基板のX軸方向に沿って一直線上に略等間隔に複数個数配置されたLED素子101と、これらの複数のLED素子101を所定のタイミングおよび発光量で発光駆動する光源制御部103と、その光源制御部103とLED素子101とを電気的に接続する電圧供給ライン102とを備えている。
ここで、Xは主走査方向であり、Y2は副走査方向であり、LED素子101は、Z軸プラス方向(感光ドラム1表面の方向)に発光するものとする。
LED素子101の発光面は感光ドラム1の周面に対向し、かつその長手方向が感光ドラム1の軸方向の潜像が形成される所定の領域をカバーし、この所定の領域を除電できるように配置されている。
光源制御部103は、光源制御104および除電電源105から構成され、主制御部19から受信した印刷データに基づき、光源制御104がLED素子101の発光シーケンスを作製し、除電電源105のON/OFFを制御する。
このように構成された除電装置100は、図2に示すようにクリーニングブレード5と帯電ローラ4との間に、すなわち感光ドラム1が回転する方向のクリーニングブレード5の下流に配置されている。これは、除電装置100の除電効果を高めるために、記録用紙44にトナー像を転写した感光ドラム1の表面に残留したトナーをクリーニングブレード5で清掃した後、除電装置100で感光ドラム1の除電を行うことが好ましいからである。
上述した構成の作用を図1、図2および図3に基づいて説明する。
まず、画像形成装置11および現像装置12の動作を図2および図3に基づいて説明する。
主制御部19が、I/F制御部14および印刷データ編集メモリ16を介して上位装置から印刷データを受信し、画像形成装置11全体のシーケンスを制御して印刷動作を行う。
印刷データを受信した後、搬送モータ制御部33から信号を受信した用紙搬送モータ34が、所定のタイミングで記録媒体44を搬送する。用紙搬送ローラ45aによりロールアップされた記録媒体44は、図2に示す矢印46aの方向へ搬送されて用紙搬送ローラ45bを通過する。
用紙搬送ローラ45bを通過した記録媒体44は、現像装置12の下を図2に示す矢印46bの方向に搬送され、感光ドラム1と転写ローラ27の圧接部で物理的な圧力と電気的な静電力とで記録媒体44にトナー8が転写される。
トナー8が転写されるまでの現像装置12のプロセスは、主制御部19から駆動制御部35へ制御データが渡され、駆動モータ36により感光ドラム1が回転することから始まる。
回転された感光ドラム1の表面上に、帯電ローラ4が連れ周り、主制御部19から制御データを受信した帯電用ローラ電源22が帯電ローラ4へ負電圧を印加することにより、感光ドラム1は負帯電される。
負帯電された感光ドラム1は、ヘッド駆動制御部29で制御された印刷ヘッド30により露光され、露光された感光ドラム1の表面に現像ローラ2によりトナー8が与えられて潜像を形成する。
現像ローラ2は、供給ローラ3からトナー8が供給され、このとき、現像ローラ2バイアスと供給ローラ3バイアスは、主制御部19から指示された電圧で現像ローラ用電源24および供給ローラ用電源25により印加されている。
現像ローラ2上に供給されたトナー8は、現像ブレード9を通過することにより、薄層形成される。また現像装置12内のトナー8はトナーカートリッジにより供給されている。
記録媒体44にトナー8が転写された後、感光ドラム1に残留したトナー8は、クリーニングブレード5により除去され、廃トナースペース6中のスパイラルによって図示しない廃トナーボックスへ廃棄される。
トナー像が転写された記録媒体44は、定着制御部31により制御された定着器32を通過することにより、トナー像は記録媒体44に定着する。定着後、記録媒体44は、図2の矢印46cが示す方向へ搬送され、搬送ローラ45cを通過することにより、矢印46dが示す方向の画像形成装置11外へ搬送される。
次に、除電装置100の動作を図1の第1の実施例における除電装置の動作シーケンスを示す説明図に基づいて説明する。
図1において、200および201は、感光ドラム1上に形成される静電潜像のテストパターンの一例としての静電潜像形成パターンである。感光ドラム1の静電潜像形成パターン200、201の印刷方向は、図中矢印Y1が示す方向であり、図中の外枠202、203は被記録媒体の領域を示す。なお、図中矢印Xは主走査方向を示し、矢印Y1は副走査方向を示している。
露光は、主制御部19の信号により印刷動作が開始されると印刷ヘッド30が画像データに基づいて発光することにより行われ、感光ドラム1上へ静電潜像を形成する。したがって、感光ドラム1の静電潜像が形成される箇所で露光される。
ここで、従来の除電装置の動作について説明する。
従来の除電装置は、現像装置12の感光ドラムギアが駆動され、バイアスが印加されるT1においてLED素子101を発光させる。その後、現像装置12の印刷動作中は発光を続け、印刷動作が終了するT12で発光を終了させる。したがって、従来の除電装置は印刷されるパターンに関係なく、また連続印刷中は被記録媒体間においてもLED素子101は常に発光している。
次に、本実施例の除電装置100の動作について説明する。
本実施例の除電装置100は、現像装置12が動作するT1では未だLED素子101は発光せず、静電潜像が形成されるto秒前のT2において発光し、静電潜像の形成が終了するto秒前のT3において発光を終了する。その後、静電潜像が形成されない静電潜像未形成部のto秒前のT3から静電潜像が形成されるto秒前のT4までの間はLED素子101を発光せず、静電潜像が形成されるto秒前のT4において発光し、静電潜像の形成が終了するto秒前のT5において発光を終了する。
以降同様に、静電潜像が形成されるto秒前の領域に対してLED素子101を発光する。なお、to(秒)は、感光ドラム1の周面が除電されてから露光されるまでの時間を表しており、感光ドラム1の外径や印刷速度によって異なるものである。
以上のように、本実施例では、印刷データに基づき感光ドラム1上の静電潜像が形成される領域のみを予め除電する。
表1に、除電装置100の動作と感光ドラムフィルミングの関係を示す。
Figure 0005420921
表1において、除電装置100の動作は、A4判記録媒体の縦方向の全区間(296mm)発光したときを、A4判媒体1ページにおける除電発光割合100%とする。例えば、除電発光割合50%は、記録媒体の148mm相当の区間を発光したことになる。
連続印刷は、図5に示すようにA4判の媒体において印刷ドット数が30%、非印刷ドット数が70%となる30%デューティ(duty)、かつ1ジョブあたり1ページを印刷する1P/J(Page per Job)で行い、温度25℃、湿度50%の環境RT、温度28℃、湿度80%の環境HH、温度10℃、湿度20%の環境LLでそれぞれ4K(キロ:K=1,000)枚印刷し、最後に環境RTで2K枚連続印刷を行った。
表1中のフィルミングレベルは、「○」、「△」、「×」で表記し、「○」はフィルミングが全く存在しない状態を表し、「△」は感光ドラム1上にフィルミングが発生し、「×」は印字上にフィルミングパターンが確認されたことを表している。印字品質の観点より、「○」および「△」は合格とするが、「×」は印字品質上問題となり不合格となる。
従来の除電装置の発光状態、すなわち静電潜像の有無に関わらず常にLED素子101を発光し、除電を行っている発光割合100%では、印刷枚数4K枚で感光ドラム1にフィルミングが発生し始め、印刷枚数6K枚では被記録媒体上にフィルミングパターンが確認された。
本実施例の除電装置100を用いて静電潜像が形成される領域に対応してLED素子101の発光を行うようにすると除電発光割合の減少とともに感光ドラムフィルミングのレベルが良化していくことが分かる。除電発光割合が50%以下の条件の下では製品寿命である印字枚数14K枚を満足する結果となった。
次に、感光ドラムフィルミングについて、図6のトナーモデルを示す説明図、図7の感光ドラムのフィルミングの説明図、および図8の感光ドラムにフィルミングが形成されるプロセスの説明図に基づいて説明する。
図6において、トナー8は通常、ベースとなる熱で融解する結着樹脂81(ポリエステル、スチレン−アクリル樹脂、ビニル系樹脂等)に、被記録媒体上に色を付ける顔料84(カーボンブラック、ピグメントイエロー等)、融解したトナー8を定着ローラから剥離するための離型剤85(パラフィンファックス、エステルワックス等)、所定の帯電量を付加するための帯電制御剤86(金属錯体、アミン塩等)が含まれている。
さらに、トナー8の表面を覆うように小さい外添剤82や大きい外添剤83(シリカ、チタニア、メラミン等)が外添されている。この外添剤82、83は、主にトナー8の保存性、流動性、帯電量の調整を目的とする。
フレッシュな新品のトナー8であれば図6(a)が示すように上述した外添剤82、83は樹脂81の表面に均一に存在している。しかしながら、連続印刷を行っているうちにトナー8は劣化し、図6(b)が示すように外添剤82、83の多くは脱落して遊離した状態もしくは樹脂81に埋没してしまう。
図7において、感光ドラムフィルミング110は、この遊離した外添剤82、83が感光ドラム1表面に固着することにより発生する。感光ドラムフィルミング110が発生すると感光ドラム1表面のフィルミングが発生した箇所で潜像が形成できなくなるため、感光ドラムフィルミング110と同じパターン111が被記録媒体上に発生する。
図8において、感光ドラムフィルミング110が形成されるプロセスは、遊離したマイナス帯電の小さい外添剤82が感光ドラム1表面に付着して固着することから始まる(図8(a))。
小さい外添剤82の粒径は数nm(ナノメートル)であるため、小さい外添剤82が固着した程度では画像上問題にならず感光ドラム1でも目視では確認できない。その後印刷を継続していくと固着した小さい外添剤82上に、さらに小さい外添剤82が凝集し、凝集した外添剤は数十〜数百nm程度まで成長する(図8(b))。
このように凝集した外添剤は数十〜数百nm程度まで成長すると感光ドラム1にフィルミングが発生しているのが目視で確認することができる。さらに印刷を続けていくと今度は遊離したプラス帯電の大きい外添剤83が固着する(図8(c))。
大きい外添剤83は数百nmの外添剤であり、これらが固着することにより被記録媒体上でのフィルミングが確認されることとなる。
感光ドラム1表面はマイナス帯電されている。除電装置100の発光をなくすと感光ドラム1表面の電位は除去されず、発光した場合と比較してマイナス帯電されていることになる。つまり、遊離したマイナス帯電の小さい外添剤82は、除電装置100の発光時より同極性電界が大きくなるため、感光ドラム1に付着しにくくなる。
しかしながら、除電装置100の発光がないと感光ドラム1の残留電位が除去できず、感光ドラム1に残像が発生してしまうため、除電装置100の発光をなくすことは困難である。
そこで、本実施例では、静電潜像が形成される領域のみに除電装置100を発光させることとした。
なお、大きい外添剤83はプラス帯電であるから電界の影響により感光ドラム1表面に付着するが、単体での固着性は弱く、かつ粒径が大きいため、クリーニングブレード5によって除去される(図8(a))。また、大きい外添剤83は、小さい外添剤82と凝集することで感光ドラム1表面に固着していく。
本実施例においては、感光ドラム1上の静電潜像が形成される領域のみを予め除電したが、該領域よりもある程度オフセットした領域、例えば静電潜像が形成される領域よりも大きい領域を定めて予め除電するようにしてもよい。
また、本実施例においては、図1に示すように静電潜像が形成される領域の除電の制御を印刷ヘッド30の副走査方向に対して行うようにしたが、主走査方向に対して除電の制御を行うようにしてもよい。
以上説明したように、第1の実施例では、除電装置100が感光ドラム1上の静電潜像が形成される領域のみを予め除電するようにしたことにより、感光ドラムフィルミングの発生を抑制しつつ感光ドラム1の除電を行うことができるという効果が得られる。
第2の実施例の構成は、指定された箇所を選択的に除電する除電装置100を備えた構成としたことが第1の実施例の構成と異なり、その異なる構成である除電装置100を図9の第2の実施例における除電装置の構成を示す概略説明図に基づいて説明する。なお、第1の実施例の構成と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
図9において、除電装置100は、基板上をX軸方向に沿って一直線上にLED素子101が略等間隔に複数個(a〜n)配置されている。これらの複数個のLED素子101は、各々が独立した電圧供給ライン102によって光源制御部103に電気的に接続されており、光源制御部103により各々が独立した所定のタイミングおよび発光量で発光駆動する。
ここで、Xは主走査方向であり、Y3は副走査方向であり、LED素子101は、Z軸プラス方向(感光ドラム1表面の方向)に発光するものとする。
また、LED素子101の発光面は感光ドラム1の周面に対向し、かつその長手方向が感光ドラム1の軸方向の潜像が形成される所定の領域をカバーし、この所定の領域を除電できるように配置されている。
光源制御部103は、光源制御104および除電電源105から構成され、主制御部19から受信した印刷データに基づき、光源制御104がLED素子101の発光シーケンスを作製し、除電電源105のON/OFFを制御する。
上述した構成の作用について説明する。
画像形成装置11および現像装置12の動作は第1の実施例と同様なのでその説明を省略するものとし、除電装置100の動作を図10の第2の実施例における除電装置の動作シーケンスを示す説明図に基づいて説明する。
図10において、210および211は、感光ドラム1上に形成される静電潜像のテストパターンの一例としての静電潜像形成パターンである。感光ドラム1の静電潜像形成パターン210、211の印刷方向は、図中矢印Y1が示す方向であり、図中の外枠212、213は被記録媒体の領域を示す。なお、図中矢印Xは主走査方向を示し、矢印Y1は副走査方向を示している。
露光は、主制御部19の信号により印刷動作が開始されると印刷ヘッド30が画像データに基づいて発光することにより行われ、感光ドラム1上へ静電潜像を形成する。したがって、静電潜像形成パターン210、211中の感光ドラム1の静電潜像が形成される箇所で露光される。
第2の実施例で用いたテストパターンは、X軸方向には断続的あるいは局所的な静電潜像を形成するが、Y1軸方向には断続することなく連続した静電潜像を形成するパターンとした。
第1の実施例では、静電潜像を形成する領域(図10で示すX軸方向)をすべて除電発光するため、このようなX軸方向に断続することのない静電潜像形成パターンの場合、全領域を除電してしまう。その結果、感光ドラムフィルミングがいずれ発生してしまうことになる。
第2の実施例において、除電装置100は、LED素子101が各々独立して発光制御することができるように構成されており、静電潜像形成パターンが図10の210、211で示される場合の除電装置100の発光シーケンスをLED素子101のa〜nに対応した区分に分画化して説明する。
位置bでのLED素子101の発光シーケンスは、静電潜像が形成されるto秒前のT3において発光し、静電潜像が形成されなくなるto秒前のT4でその発光を終了する。その後、静電潜像が形成されるto秒前のT6において発光し、静電潜像が形成されなくなるto秒前のT7でその発光を終了する。
同様に、位置mでのLED素子101の発光シーケンスは、静電潜像が形成されるto秒前のT2において発光し、静電潜像が形成されなくなるto秒前のT3でその発光を終了する。その後、静電潜像が形成されるto秒前のT4において発光し、静電潜像が形成されなくなるto秒前のT5でその発光を終了し、またT8とT9の間で発光する。
一方、第1の実施例では、LED素子101が各々独立して発光制御することができるように構成されていないため、T2〜T5、T6〜T9の間で発光する。
このように第2の実施例では、LED素子101が各々独立して発光制御することができるように構成されているため、LED素子101a〜nの発光時間を減らすことができる。
上述したように、除電装置100を分画化した各々独立したLED素子101の発光を制御することにより、静電潜像の形成に必要とされる領域のみを選択的に予め除電することができるようになる。
その結果、静電潜像を形成しない領域での過剰な除電を防止することができ、感光ドラムフィルミングの発生をさらに抑制することができる。
除電装置100の分画化は区画が小さければ小さいほどよく、印刷ヘッド30の解像度と同等の区画を有する除電装置100であれば、1ドット単位で除電することも可能である。
以上説明したように、第2の実施例では、除電装置100が感光ドラム1上の静電潜像が形成される箇所を選択的に予め除電し、非静電潜像形成部での過剰な除電をなくすようにしたことにより、さらに感光ドラムフィルミングの発生を抑制しつつ感光ドラム1の除電を行うことができるという効果が得られる。
第3の実施例の構成は、第1の実施例および第2の実施例の構成と同様であるため、同一の符号を付してその説明を省略する。
第3の実施例は、除電が必要とされる環境条件下で第1の実施例または第2の実施例の除電装置100で除電を行うものである。
第1の実施例および第2の実施例では、温度および湿度の環境条件に関係なく除電を行う、つまり除電動作が不要な環境においても除電光を発光するようにしていたが、第3の実施例では、除電動作が必要な低温環境でのみ除電光を発光するようにして過剰な除電をなくし、感光ドラムフィルミングの発生をさらに抑制する。
表2に印字環境と感光ドラム残像との関係を示す。なお、表2中の残像レベルは、「○」、「△」、「×」で表記し、「○」は残像が全く存在しない状態を表し、「△」は感光ドラム1上に残像が発生し、「×」は印字上に残像パターンが確認されたことを表している。
Figure 0005420921
除電光を発光しているときは、温度10℃〜30℃のいずれかの環境下においても感光ドラム残像レベルは良好である。しかしながら、除電光を発光していないときは温度20℃未満の環境下では感光ドラム残像レベルが悪化し、印字品質を満足することができなくなり、温度20℃以上の環境では除電光の発光がなくても感光ドラム残像レベルは印字品質を満足することができる結果となった。
したがって、第3の実施例では、温度20℃未満の環境下において第1の実施例および第2の実施例の除電動作を行い、温度20℃以上の環境下では除電動作を行わないようにした。
なお、画像形成装置11の感光ドラム1の近傍には図示しない温度測定手段としての温度センサが備えられ、主制御部19はその温度センサが測定した温度を入力し、入力された温度が20℃未満のとき、除電動作を行い、20℃以上のとき除電動作を行わないように制御するものとする。
以上説明したように、第3の実施例では、除電が必要な環境下において、除電装置100が感光ドラム1の除電を行うようにしたことにより、さらに過剰な除電をなくすことができ、さらに感光ドラムフィルミングの発生を抑制することができるという効果が得られる。
なお、第1の実施例から第3の実施例において、画像形成装置をプリンタとして説明したが、それに限られることなく、画像形成装置を複合機(MFP)、ファクシミリ、複写装置等としてもよい。
1 感光ドラム
2 現像ローラ
3 トナー供給ローラ
4 帯電ローラ
5 クリーニングブレード
7 トナーカートリッジ
8 トナー
9 現像ブレード
11 画像形成装置
12 現像装置
14 I/F制御部
15 受信メモリ
16 画像データ編集メモリ
17 操作部
18 センサ群
19 主制御部
20 ドラムカウンタ
21 ドットカウンタ
22 帯電ローラ用電源
24 現像ローラ用電源
25 供給ローラ用電源
26 転写ローラ用電源
27 転写ローラ
28 ヒューズ用電源
29 ヘッド駆動制御部
30 印刷ヘッド
31 定着制御部
32 定着器
33 搬送モータ制御部
34 用紙搬送モータ
35 駆動制御部
36 駆動モータ
100 除電装置
103 光源制御部

Claims (5)

  1. 回転可能な静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体の表面を帯電する帯電手段と、前記帯電手段で帯電された静電潜像担持体の表面を露光して静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像に現像剤を供給して現像剤画像を形成する現像手段と、該現像剤画像を披転写体に転写する転写手段と、転写後の前記静電潜像担持体表面に残存する現像剤を除去する除去手段と、転写後の前記静電潜像担持体表面に残存する電位を除去する除電手段とからなる画像形成装置において、
    前記除電手段は、受信した印刷データにより求められた1枚の用紙の実画像の印刷領域に対応する前記静電潜像担持体の露光領域となる領域予め除電し、前記1枚の用紙の実画像が形成されない領域に対応する前記静電潜像担持体の非露光領域となる領域予め除電しないことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1の画像形成装置において、
    前記除電手段は、前記静電潜像担持体表面に形成される前記露光領域における前記潜像形成手段の副走査方向または/および主走査方向に対して除電することを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1の画像形成装置において、
    前記除電手段は、前記潜像形成手段の主走査方向に複数の区画に分画され、該区画毎に独立して前記静電潜像担持体表面を除電することを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1、請求項2または請求項3の画像形成装置において、
    前記静電潜像担持体の近傍に温度を測定する温度計測手段を設け、
    前記除電手段は、前記温度計測手段で測定した温度に基づいて前記静電潜像担持体表面を除電することを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項の画像形成装置において、
    前記除電手段は、前記除去手段が現像剤を除去した前記静電潜像担持体表面を除電することを特徴とする画像形成装置。
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