JP5418294B2 - 積層体 - Google Patents

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本発明は、低臭性に優れたエチレン系樹脂組成物層を少なくとも一層有する積層体に関するものである。
押出ラミネート加工によって得られる積層体のうち、ポリエチレン系樹脂を少なくとも一層とする積層体は、クラフト包装、軟包装、印画紙支持体、テープ、各種容器など幅広い用途分野で用いられている。従来までこれらの積層体に用いられるポリエチレン系樹脂は、その優れた成形加工性からラジカル重合により合成される分岐状低密度ポリエチレン(LDPE)が主であった。しかしながら、LDPEの密度は一般的に918〜925kg/mであり、密度と共に変化する物性、例えば、柔軟性、耐熱性、剛性、ガスバリア性などを変えることは困難であり、使用に際して制限を生じていた。一方、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)や直鎖状高密度ポリエチレン(HDPE)などの直鎖状ポリエチレンは、その短鎖分岐数に応じて密度を幅広く変化させることが可能であるが、成形加工性に劣るため押出ラミネート加工による積層体を得ることが困難であった。そこで、直鎖状ポリエチレンとLDPEの混合物を押出ラミネート加工し、積層体を得る方法がしばしば用いられている(例えば、特許文献1〜4参照)。しかしながら、LDPEにはラジカル重合時に生じる不飽和炭化水素ガスが僅かに残留するため、LDPEを含む材料は低臭性に劣っていた。また、特に、積層体に、耐熱性、剛性、ガスバリア性が求められる場合、密度の高いポリエチレン、すなわちHDPEの使用が望まれるが、成形加工性を高めるためにLDPEを混合せねばならないため、HDPE単独に比べ密度が低く、その結果、優れた耐熱性、剛性、ガスバリアを示す積層体を得ることは困難であった。
また、エチレンの重合触媒を変更することで、L−LDPEやHDPEに長鎖分岐を導入し、成形加工性を高める技術が報告されているが、これらの技術を用いて得られたポリエチレン系樹脂は、溶融張力の不足によりLDPEの混合を行なう必要がある場合(例えば、特許文献5、非特許文献1参照)や分子量が低く材料強度が不足する(例えば、特許文献6参照)場合などの問題を解決することができなかった。
特開平6−65443号公報 特開平6−322189号公報 特開平7−92610号公報 特開2000−73018号公報 米国特許第5,272,236号明細書 特開2006−43911号公報
J.P.Hogan,et al.,SPE J.,vol.23,p.87(1967).
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、LDPEを混合することなく、押出ラミネート加工が可能なポリエチレン系樹脂層を少なくとも一層として有する積層体を提供するものである。
本発明は、上記の目的に対して鋭意検討した結果見出されたものである。すなわち、本発明は、直鎖状エチレン系重合体20〜99重量%、下記(A)〜(C)を満足するポリエチレン系樹脂1〜80重量%からなり、下記(D)、(E)を満たすエチレン系樹脂組成物層を少なくとも一層有することを特徴とする積層体に関するものである。
(A)JIS K6760に準拠して密度勾配管法により測定した密度(d)が935kg/m以上970kg/m以下である。
(B)190℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(MFR)が1g/10分以上20g/10分以下である。
(C)160℃で測定した溶融張力(MS160(mN))が20以上300以下である。
(D)190℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(MFR)が3g/10分以上25g/10分以下である。
(E)160℃で測定した溶融張力(MS190(mN))が3以上80以下である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明を構成する直鎖状エチレン系重合体は、チーグラー触媒、フィリップス触媒、メタロセン触媒などにより重合されたエチレン単独重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体である。α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテンもしくはビニルシクロアルカン等が例示される。
本発明を構成する直鎖状エチレン系重合体の(K)JIS K6760(1995)に準拠して密度勾配管法で測定した密度は、特に限定されるものではないが、880kg/m以上970kg/m以下であることが好ましい。密度がこの範囲にあると積層体の耐熱性とカールのバランスに優れる。また、本発明の積層体を、耐熱容器、ガスバリア性容器、離型テープおよび離型紙、印画紙支持体、易離解性防湿紙などのように、耐熱性、耐水蒸気透過性、剛性を必要とする用途に用いる場合には、直鎖状エチレン系重合体の密度を950kg/m以上970kg/m以下とすることが望ましい。
本発明を構成する直鎖状エチレン系重合体の(J)190℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(MFR)は、特に限定されるものではないが、1g/10分以上30g/10分以下であることが好ましい。MFRがこの範囲にあるとエチレン系樹脂組成物の押出ラミネート成形性が特に優れる。
本発明を構成する直鎖状エチレン系重合体の(L)数平均分子量(Mn)は、特に限定されるものではないが、10,000以上であると積層体の耐熱性が優れるため好ましい。
本発明のポリエチレン系樹脂は、エチレンから導かれる繰り返し単位からなるエチレン単独重合体、またはエチレンから導かれる繰り返し単位と炭素数3〜8のα−オレフィンから導かれる繰り返し単位からなるエチレン−α−オレフィン共重合体が好ましい。ここで、炭素数3〜8のα−オレフィンから導かれる繰り返し単位とは、単量体である炭素数3〜8のα−オレフィンから誘導され、エチレン−α−オレフィン共重合体に含有される単位であり、炭素数3〜8のα−オレフィンとしては、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン等が挙げられる。これら炭素数3〜8のα−オレフィンの少なくとも2種類を併用してもよい。
本発明の積層体を構成するポリエチレン系樹脂は、(A)JIS K6760に準拠して密度勾配管法により測定した密度(d)が、935kg/m以上970kg/m以下、好ましくは940kg/m以上960kg/m以下、最も好ましくは945kg/m以上960kg/m以下のものである。ここで、密度(d)が935kg/m未満の場合、積層体の耐熱性が劣るため好ましくない。一方、970kg/mを超える場合、ポリエチレン系樹脂の融解温度は高く、耐熱性、剛性に優れるものとなる反面、耐衝撃性が劣るものとなる。
また、本発明の積層体を構成するポリエチレン系樹脂は、(B)190℃で、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(以下、MFRと記す。)が、1g/10分以上20g/10分以下、好ましくは1g/10分以上10g/10分以下、さらに好ましくは1g/10分以上5g/10分以下のものである。ここで、MFRが1g/10分未満である場合、エチレン系樹脂組成物とする際の押出機の負荷が大きくなり、生産性が低下すると共に、押出ラミネート成形性に劣るため好ましくない。一方、20g/10分を超える場合、溶融張力が小さく、押出ラミネート成形性に劣る。
本発明の積層体を構成するポリエチレン系樹脂は、(C)160℃で測定した溶融張力(MS160(mN))が20以上300以下である。MS160(mN)が20未満であると押出ラミネート成形に供した際ネックインが大きくなり好ましくなく、MS160(mN)が300を超えると押出ラミネート成形に供した際ドローダウン性が悪化し好ましくない。
また溶融張力はMFRの対数と比例することが知られている(例えば、A.Ghijsels,et al.,Intern.Polym.Pros.,VII,p44(1992))が、(F)160℃で測定した溶融張力(以下、MS160と記す。)とMFRの関係が下記式(1)を満足すると、ネックインとドローダウン性のバランスに優れるため好ましく、下記式(3)を満足すると特に好ましい。
MS160>90−130×log(MFR) (1)
MS160>110−130×log(MFR) (3)
なお、本発明におけるMS160は、長さが8mm,直径が2.095mmであるダイスを用い、流入角90°で、せん断速度10.8s−1、延伸比47、測定温度160℃の条件下で測定した値であり、最大延伸比が47未満の場合は、破断しない最高の延伸比で測定した値をMS160とした。また、本発明におけるMS190は測定温度が190℃以外はMS160と同条件で測定した。
本発明の積層体を構成するポリエチレン系樹脂は、(G)190℃で測定した溶融張力(以下、MS190と記す。)とMS160の関係が下記式(2)を満足すると、押出温度による溶融張力の変化が小さいことから、このようなポリエチレン系樹脂を配合したエチレン系樹脂組成物を押出ラミネート成形する際の成形加工温度やダイ流路の厳密な調節が不必要となるため好ましく、下記式(4)を満足すると特に好ましい。
MS160/MS190<1.8 (2)
MS160/MS190<1.7 (4)
なお、本発明におけるMS190は、長さが8mm,直径が2.095mmであるダイスを用い、流入角90°で、せん断速度10.8s−1、延伸比47、測定温度190℃の条件下で測定した値であり、最大延伸比が47未満の場合は、破断しない最高の延伸比で測定した値をMS190とした。
本発明の積層体を構成するポリエチレン系樹脂は、(H)流動の活性化エネルギー(kJ/mol)(以下、Eaと記す。)は40(kJ/mol)以下であるとエチレン系樹脂組成物を押出ラミネート成形する際の成形温度の厳密な調整が不必要となるため好ましく、35kJ/mol以下がさらに好ましい。
ここで、Eaは粘度の温度依存性を示す。
なお、本発明におけるEaは、160℃〜230℃の温度範囲における動的粘弾性測定を行い、得られるシフトファクターをアレニウス式に代入することにより求めることができる。
本発明の積層体を構成するポリエチレン系樹脂は、高せん断速度における押出負荷が小さく、ネックインも小さくなるため、(I)重量平均分子量/数平均分子量(以下、Mw/Mnと記す。)が3以上10以下であることが好ましく、より4以上8以下であることが好ましい。なお、Mw/Mnは、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって標準ポリエチレン換算値である重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定することにより算出することが可能である。
本発明の積層体を構成する(A)〜(C)、好ましくは更に(F)〜(I)を満足するポリエチレン系樹脂としては、該ポリエチレン系樹脂の範疇に属するものであれば如何なるものでもよく、如何なる方法により得られたものであってもよく、例えば後述する本願実施例の製造条件そのもの、あるいは条件因子の微調整によって任意に作り分けることが可能である。
具体的には、例えば、特開2004−346304号公報、特開2005−248013号公報、特開2006−321991号公報、特開2007−169341号公報、特開2008−50278号公報に記載の重合触媒の存在下に、エチレンを重合する、またはエチレンと炭素数3〜8のα−オレフィンを共重合する方法を用いることができる。
より具体的には、例えばメタロセン化合物として、2つの置換または非置換シクロペンタジエニル基が架橋基で架橋されている架橋型ビス(置換または非置換シクロペンタジエニル)ジルコニウム錯体(以下、成分(a)と記す。)と、架橋型(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウム錯体および/または架橋型(インデニル)(フルオレニル)ジルコニウム錯体(以下、成分(b)と記す。)を用いたメタロセン触媒の存在下に、エチレンを重合する、またはエチレンと炭素数3〜8のα−オレフィンを共重合する方法を用いることができる。
成分(a)の具体例としては、ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウム、ジクロライド1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン−1,3−ジイル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、1,1−ジメチル−1−シラエタン−1,2−ジイル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、プロパン−1,3−ジイル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ブタン−1,4−ジイル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、シス−2−ブテン−1,4−ジイル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、1,1,2,2−テトラメチルジシラン−1,2−ジイル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド等のジクロライドおよび上記遷移金属化合物のジメチル体、ジエチル体、ジヒドロ体、ジフェニル体、ジベンジル体を例示することができる。また上記遷移金属化合物のシクロペンタジエニル誘導体の水素が炭化水素基で置換されたもの、中心金属のジルコニウム原子をチタン原子またはハフニウム原子に置換した化合物も例示することもできる。
成分(b)の具体例としては、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシランジイル(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−インデニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2−フェニル−1−インデニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2−フェニル−1−インデニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド等のジクロライドおよび上記遷移金属化合物のジメチル体、ジエチル体、ジヒドロ体、ジフェニル体、ジベンジル体を例示することができる。また上記遷移金属化合物のシクロペンタジエニル誘導体の水素が炭化水素基で置換されたもの、中心金属のジルコニウム原子をチタン原子またはハフニウム原子に置換した化合物も例示することもできる。
また、成分(a)に対する成分(b)の量は、特に制限はなく、0.0001〜100倍モルであることが好ましく、特に好ましくは0.001〜10倍モルである。
そして、成分(a)と成分(b)を用いたメタロセン触媒としては、例えば成分(a)と成分(b)と有機アルミニウム化合物(以下、成分(c)と記す。)からなる触媒;成分(a)と成分(b)とアルミノオキサン(以下、成分(d)と記す。)からなる触媒;さらに成分(c)を含んでなる触媒;成分(a)と成分(b)とプロトン酸塩(以下、成分(e)と記す。)、ルイス酸塩(以下、成分(f)と記す。)または金属塩(以下、成分(g)と記す。)から選ばれる少なくとも1種類の塩からなる触媒;さらに成分(c)を含んでなる触媒;、成分(a)と成分(b)と成分(d)と無機酸化物(以下、成分(h)と記す。)からなる触媒;成分(a)と成分(b)と成分(h)と成分(e)、成分(f)、成分(g)から選ばれる少なくとも1種類の塩からなる触媒;さらに成分(c)を含んでなる触媒;成分(a)と成分(b)と粘土鉱物(以下、成分(i)と記す。)と成分(c)からなる触媒;成分(a)と成分(b)と有機化合物で処理された粘土鉱物(以下、成分(j)と記す。)からなる触媒を例示することができ、好ましくは成分(a)と成分(b)と成分(j)からなる触媒を用いることができる。
ここで、成分(i)および成分(j)として用いることが可能な粘土鉱物としては、微結晶状のケイ酸塩を主成分とする微粒子を挙げることができ、粘土鉱物の大部分は、その構造上の特色として層状構造を成しており、層の中に種々の大きさの負電荷を有することが挙げられる。この点で、シリカやアルミナのような三次元構造を持つ金属酸化物と大きく異なる。これらの粘土鉱物は、一般に層電荷の大きさで、パイロフィライト、カオリナイト、ディッカイトおよびタルク群(化学式当たりの負電荷がおよそ0)、スメクタイト群(化学式当たりの負電荷がおよそ0.25から0.6)、バーミキュライト群(化学式当たりの負電荷がおよそ0.6から0.9)、雲母群(化学式当たりの負電荷がおよそ1)、脆雲母群(化学式当たりの負電荷がおよそ2)に分類されている。ここで示した各群には、それぞれ種々の粘土鉱物が含まれるが、スメクタイト群に属する粘土鉱物としては、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト等が挙げられる。また、上記粘土鉱物は複数混合して用いることもできる。
成分(j)における有機化合物処理とは、粘土鉱物層間に有機イオンを導入し、イオン複合体を形成することをいう。有機化合物処理で用いられる有機化合物としては、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−エイコシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−ドコシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルオレイルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルベヘニルアミン塩酸塩、N−メチル−ビス(n−オクタデシル)アミン塩酸塩、N−メチル−ビス(n−エイコシル)アミン塩酸塩、N−メチル−ジオレイルアミン塩酸塩、N−メチル−ジベヘニルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルアニリン塩酸塩を例示することができる。
成分(a)と成分(b)と成分(j)からなる触媒は、有機溶媒中、成分(a)と成分(b)と成分(j)を接触させることによって得ることが可能であり、成分(a)と成分(j)の接触生成物に成分(b)を添加する方法;成分(b)と成分(j)の接触生成物に成分(a)を添加する方法;成分(a)と成分(b)の接触生成物に成分(j)を添加する方法;成分(j)に成分(a)と成分(b)の接触生成物を添加する方法を例示することができる。
接触溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、シクロペンタンもしくはシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエンもしくはキシレン等の芳香族炭化水素類、エチルエーテルもしくはn−ブチルエーテル等のエーテル類;塩化メチレンもしくはクロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、1,4−ジオキサン、アセトニトリルまたはテトラヒドロフランを例示することができる。
接触温度については、0〜200℃の間で選択して処理を行うことが好ましい。
各成分の使用量は、成分(j)1gあたり成分(a)が、0.0001〜100mmol、好ましくは0.001〜10mmolである。
このようにして調製された成分(a)と成分(b)と成分(j)の接触生成物は、洗浄せずに用いても良く、また洗浄した後に用いても良い。また、成分(a)または成分(b)がジハロゲン体の時、さらに成分(c)を添加することが好ましい。また、成分(j)、重合溶媒およびオレフィン中の不純物を除去することを目的に成分(c)を添加することができる。
本発明の積層体を構成するポリエチレン系樹脂を製造する際には、重合温度−100〜120℃で行うことが好ましく、特に生産性を考慮すると20〜120℃が好ましく、さらには60〜120℃の範囲で行うことが好ましい。また、重合時間は10秒〜20時間の範囲が好ましく、重合圧力は常圧〜300MPaの範囲で行うことが好ましい。重合性単量体としては、エチレン単独又はエチレンと炭素数3〜8のα−オレフィンであり、エチレンと炭素数3〜8のα−オレフィンである場合、エチレンと炭素数3〜8のα−オレフィンの供給割合として、エチレン/炭素数3〜8のα−オレフィン(モル比)が、1〜200、好ましくは3〜100、さらに好ましくは5〜50の供給割合を用いることができる。また、重合時に水素などを用いて分子量の調節を行うことも可能である。重合はバッチ式、半連続式、連続式のいずれの方法でも行うことが可能であり、重合条件を変えて2段階以上に分けて行うことも可能である。また、エチレン系共重合体は、重合終了後に従来既知の方法により重合溶媒から分離回収され、乾燥して得ることができる。
重合はスラリー状態、溶液状態または気相状態で実施することができ、特に、重合をスラリー状態で行う場合にはパウダー粒子形状の整ったエチレン系共重合体を効率よく、安定的に生産することができる。また、重合に用いる溶媒は一般に用いられる有機溶媒であればいずれでもよく、具体的には例えばベンゼン、トルエン、キシレン、プロパン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ガソリン等が挙げられ、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のオレフィン自身を溶媒として用いることもできる。
本発明のポリエチレン系樹脂は、直鎖状エチレン系重合体に配合することにより、高溶融張力を有するエチレン系樹脂組成物とすることが可能となり、押出ラミネート成形用として優れた特性を有する積層体を得ることができる。その際の配合割合としては、直鎖状エチレン系重合体20〜99重量%、ポリエチレン系樹脂1〜80重量%であり、好ましくは直鎖状エチレン系重合体40〜95重量%、ポリエチレン系樹脂5〜60重量%、最も好ましくは直鎖状エチレン系重合体50〜90重量%、ポリエチレン系樹脂10〜50重量%である。直鎖状エチレン系重合体が20重量%未満であると積層体のシール強度が悪化するため好ましくなく、99重量%を超えると押出ラミネート成形性が悪化する。
本発明のポリエチレン系樹脂には、低臭性が悪化しない範囲において、高圧法低密度ポリエチレンを含有させることができる。
また、本発明のポリエチレン系樹脂には、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、必要に応じて、安定剤、滑剤、難燃剤、分散剤、充填剤、発泡剤、発泡核剤、架橋剤、紫外線防止剤、酸化防止剤、着色剤などを含有させることができる。
本発明のエチレン系樹脂組成物は、通常樹脂組成物とする際の方法を用いることができ、例えば溶融・混合方法として、単軸押出機やニ軸押出機を用いた押出混練、ロール混練など公知の方法を挙げることができ、該方法で溶融混練することにより得ることができる。
そして、本発明の積層体を構成するエチレン系樹脂組成物は、(D)MFRが3〜25g/10分の範囲にあると押出ラミネート成形性に優れるため好ましく、さらに好ましくは3〜20g/10分、最も好ましくは5〜18g/10分の範囲である。
本発明の積層体を構成するエチレン系樹脂組成物は、(E)190℃で測定した溶融張力(MS190(mN))が3以上80以下の範囲にあるとネックイン、ドローダウン性に優れるため好ましく、さらに好ましくは5以上60以下、最も好ましくは5以上50以下の範囲である。
さらに、特に押出ラミネート成形に供した際のネックインとドローダウン性に優れることからMS190とMFRの関係が下記の範囲を満足することが好ましい。
MFRが3g/10分以上10g/10分未満の場合、
20≦MS190≦80
さらに好ましくは、
25≦MS190≦60
MFRが10g/10分以上15g/10分未満の場合、
6≦MS190≦60
さらに好ましくは、
10≦MS190≦50
MFRが15g/10分以上25g/10分以下の場合、
3≦MS190≦55
さらに好ましくは、
5≦MS190≦45
エチレン系樹脂組成物のMFRに対する溶融張力が大きいほどネックインが小さくなるが、MFRに対する溶融張力が大きすぎるとドローダウン性に劣る場合がある。
なお、ここでいうMS190とMFRは、上記した方法により求めることができる。
本発明の積層体を構成するエチレン系樹脂組成物には、さらに本発明の要旨を逸脱しない範囲において、必要に応じて、安定剤、滑剤、難燃剤、分散剤、充填剤、発泡剤、発泡核剤、架橋剤、紫外線防止剤、酸化防止剤、着色剤などを含有させることができる。
本発明の積層体は、公知の押出ラミネート成形機により、Tダイより押出されたエチレン系樹脂組成物からなる溶融フィルムを直接基材に貼り合せることにより製造することができる。また、予めエチレン系樹脂組成物からなるフィルムをキャストフィルム成形機やインフレーションフィルム成形機などにより製造し、溶剤型ドライラミネート成形機、無溶剤型ドライラミネート成形機、サーマルラミネート成形機、ウェットラミネート成形機などを用いて基材と貼り合わせることにより製造することもできる。
押出ラミネート成形法は、シングルラミネート、タンデムラミネート、共押出ラミネート、サンドイッチラミネートのいずれでもよく、特に制限を受けない。また、押出ラミネート加工を行う際、基材とポリエチレン系樹脂層との接着性が良好な積層体を得るため、250〜350℃の温度でダイより押出すことが好ましい。また、ポリエチレン系樹脂の溶融フィルムが少なくとも基材と接する面は、空気もしくはオゾンガスにより酸化されていてもよい。空気による酸化反応を進行させる場合、270℃以上の温度でダイより押出すことが好ましく、また、オゾンガスによる酸化反応を進行させる場合は、250℃以上で押出すことが好ましい。なお、オゾンガスの処理量としては、ダイより押出されたフィルム1m当たり0.5mg以上であることが好ましい。また、基材との接着性を高めるため、基材の接着面に対してアンカーコート剤処理、コロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理などの公知の表面処理を施してもよい。
基材としては、合成高分子重合体フィルムおよびシート、織布、不織布、金属箔、紙類、セロファン等が挙げられる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成高分子重合体からなるフィルムおよびシート等が挙げられる。さらに、これらの高分子重合体フィルムおよびシートは、さらにアルミ蒸着、アルミナ蒸着、二酸化珪素蒸着されたものでもよい。また、これらの高分子重合体フィルムおよびシートは、さらにウレタン系インキ等を用いて印刷されたものでもよい。金属箔としては、アルミ箔、銅箔などが例示でき、また、紙類としてはクラフト紙、伸張紙、上質紙、グラシン紙、カップ原紙や印画紙原紙等の板紙などが挙げられる。
本発明の積層体は、スナック菓子、インスタントラーメン等の乾燥食品、スープ、味噌、漬物、ソース、飲料等の水物飲食品包装、薬、輸液バッグ等の医薬品包装、シャンプー、化粧品、おむつのバックシートなどのトイレタリー用品、印画紙支持体、紙製容器および蓋、紙皿、離型紙および離型テープ、易解離性フィルム、紙製セミレトルトパックなど広範囲にわたりフィルム、容器、テープ、支持体として用いることができる。特に、密度が945kg/m以上965kg/m以下のポリエチレン系樹脂を押出ラミネート加工して得られた積層体は、耐熱容器、ガスバリア性容器、離型紙および離型テープ、印画紙支持体、易離解性防湿紙に好んで用いられる。。
本願明の積層体は、低臭性に優れたエチレン系樹脂組成物層を少なくとも一層有するため、飲料、食品の包装材料などに特に好適である。
以下、実施例および比較例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〜分子量および分子量分布の測定〜
直鎖状エチレン系重合体の数平均分子量(Mn)、およびポリエチレン系樹脂の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)および重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって測定した。GPC装置としては東ソー(株)製 HLC−8121GPC/HTを用い、カラムとしては東ソー(株)製 TSKgel GMHhr−H(20)HTを用い、カラム温度を140℃に設定し、溶離液として1,2,4−トリクロロベンゼンを用いて測定した。測定試料は1.0mg/mlの濃度で調製し、0.3ml注入して測定した。分子量の検量線は、分子量既知のポリスチレン試料を用いて校正されている。なお、MwおよびMnは直鎖状ポリエチレン換算の値として求めた。
〜密度の測定〜
直鎖状エチレン系重合体およびポリエチレン系樹脂の密度(d)は、JIS K6760(1995)に準拠して密度勾配管法で測定した。
〜流動の活性化エネルギーの算出〜
ポリエチレン系樹脂の流動の活性化エネルギー(Ea)は、円板−円板レオメーター((株)アントンパール製、商品名:MCR−300)を用い、150℃、170℃、190℃の各温度で角速度0.1〜100rad/sの範囲のせん断貯蔵弾性率G’、せん断損失弾性率G”を求め、基準温度150℃での横軸のシフトファクターを求め、アレニウス型の式により計算した。
〜溶融張力の測定〜
ポリエチレン系樹脂およびエチレン系樹脂組成物の溶融張力は、バレル直径9.55mmの毛管粘度計(東洋精機製作所、商品名:キャピログラフ)に、長さが8mm,直径が2.095mm、流入角が90°のダイスを装着し測定した。MS160は、温度を160℃に設定し、ピストン降下速度を10mm/分、延伸比を47に設定し、引き取りに必要な荷重(mN)をMS160とした。最大延伸比が47未満の場合、破断しない最高の延伸比での引き取りに必要な荷重(mN)をMS160とした。また、温度を190℃に設定し同様の方法で測定した荷重(mN)をMS190とした。
〜ネックイン〜
90mmΦのスクリューを有する押出ラミネーター(ムサシノキカイ(株)製)を用いた。ネックインは引き取り速度100m/分におけるエチレン系樹脂組成物フィルムの巾を測定し、ダイ開口巾(600mm)の差を計算することで求めた。樹脂温度は320℃とした。
〜低臭性〜
積層体50gを500ccのガラス製試料ビンに充填し、密封した後、室温で24時間放置した後開封し、10名のパネラーにより、臭いの強さを判定した。パネラーにおける判定基準は、0:全く臭わない1:わずかに臭う2:はっきり臭う3:激しく臭うとし、10名の平均値で評価した。
〜耐熱ピンホール〜
積層体を135℃に設定した小型オーブン(Werner Mathis AG社製)中へ30秒間放置した後、取り出した。熱処理した積層体にメチレンブルー液を塗布し、これをふき取った後の状態を目視にて観察し、発生したピンホール数を数えた。
製造例1
[変性ヘクトライトの調製]
水3リットルにエタノール3リットルと37%濃塩酸100ミリリットルを加えた後、得られた溶液にN−メチルジオレイルアミン585g(1.1mol:ライオン株式会社製・商品名:アーミンM2O)を添加し、60℃に加熱することによって、塩酸塩溶液を調製した。この溶液にヘクトライト1kgを加えた。この懸濁液を60℃で、3時間撹拌し、上澄み液を除去した後、60℃の水50Lで洗浄した。その後、60℃、10−3torrで24時間乾燥し、ジェットミルで粉砕することによって、平均粒径10.5μmの変性ヘクトライトを得た。
[ポリエチレン系樹脂の製造触媒の調製]
上記変性ヘクトライト500gをヘキサン1.7リットルに懸濁させ、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド6.97g(20.0mmol)、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−tert−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド2.33g(3.53mmol)およびトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)2.8リットル(2mol)を添加して室温で6時間撹拌した。静置して上澄み液を除去、ヘキサンで触媒固体を2回洗浄し、ヘキサンを添加して最終的に100g/Lの触媒スラリーを得た。
[ポリエチレン系樹脂の製造]
内容積540Lの重合器に、ヘキサンを145kg/時、エチレンを33.0kg/時、ブテン−1を1.0kg/時、水素を19NL/時およびポリマー生産量が30kg/時になるように上記[ポリエチレン系樹脂の製造触媒の調製]で調製した触媒スラリーを連続的に供給し、全圧を3,000kPa、重合器内温を85℃に保ちながら連続的に重合反応を行った。重合器から連続的にスラリー抜き出し、未反応の水素、エチレン、ブテン−1を除去した後、分離、乾燥の工程を経てポリエチレン系樹脂粉末を得た。ポリエチレン系樹脂粉末を200℃に設定した50mm径の単軸押出機を使用して溶融混練し、ペレタイズすることでポリエチレン系樹脂ペレットを得た。得られたポリエチレン系樹脂ペレットの密度は950kg/m、MFRは4.0g/10分であった。
製造例2
製造例1[ポリエチレン系樹脂の製造]において、水素供給量を19NL/時から12NL/時に変えたこと以外は、製造例1と同様に行なった。得られたポリエチレン系樹脂の密度は950kg/m、MFRは2.0g/10分であった。
製造例3
[変性ヘクトライトの調製]
水3リットルにエタノール3リットルと37%濃塩酸100ミリリットルを加えた後、得られた溶液にN,N−ジメチル−オクタデシルアミン330g(1.1mol:ライオン株式会社製・商品名:アーミンDM18D)を添加し、60℃に加熱することによって、塩酸塩溶液を調製した。この溶液にヘクトライト1.0kgを加えた。この懸濁液を60℃で、3時間撹拌し、上澄液を除去した後、60℃の水5Lで洗浄した。その後、60℃、10−3torrで24時間乾燥し、ジェットミルで粉砕することによって、平均粒径10.5μmの変性ヘクトライトを得た。
[マクロモノマー合成触媒の調製]
上記変性ヘクトライト500gをヘキサン1.7リットルに懸濁させ、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド6.97g(20.0mmol)およびトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)2.8リットル(2mol)を添加して室温で6時間撹拌した。静置して上澄み液を除去、ヘキサンで触媒固体を2回洗浄し、ヘキサンを添加して最終的に100g/Lの触媒スラリーを得た。
[マクロモノマーの合成]
内容積370Lの重合器に、ヘキサンを80kg/時で、エチレンを33kg/時で、ブテン−1を0.6kg/時で、トリイソブチルアルミニウムを液中の濃度が0.19mmol/kgヘキサンとなるように連続的に供給しながら、上記[マクロモノマー合成触媒の調製]で調製したマクロモノマー合成触媒を、マクロマー合成量が30kg/時になるように連続的に供給した。重合温度は85℃に制御した。重合器から連続的に抜き出したマクロモノマースラリーは、未反応の水素、エチレン、ブテン−1を除去した後、内容積540Lの2段目の重合器に移送した。重合器から抜き出したマクロモノマーのMn=9,200であり、Mw/Mn=2.5であった。また、NMRによりマクロモノマーの末端構造を解析したところ、マクロモノマー1mol当たりの末端ビニル量は0.37molであった。
[ポリエチレン系樹脂の製造触媒の調製]
ヘキサン21.2リットルに、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)2.8リットル(2.0mol)およびジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−tert−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド670g(1.0mol)を添加し、室温で1時間攪拌することによって触媒溶液を調製した。
[ポリエチレン系樹脂の製造]
前記[マクロモノマーの合成]で合成したマクロモノマーが移送された内容積540Lの2段目の重合器に、エチレンを2.5kg/時で、水素を20NL/時で連続的に供給しながら、前記[ポリエチレン系樹脂の製造触媒の調製]で調製した触媒溶液を、ポリエチレン系樹脂の製造量が32kg/時になるように連続的に供給した。重合温度は85℃に制御した。得られたポリエチレン系樹脂を含むスラリーを重合器から連続的に抜き出し、未反応の水素、エチレンを除去した後、分離、乾燥の工程を経てポリエチレン系樹脂粉末を得た。ポリエチレン系樹脂粉末を200℃に設定した50mm径の単軸押出機を使用して溶融混練し、ペレタイズすることでポリエチレン系樹脂ペレットを得た。得られたポリエチレン系樹脂ペレットの密度は950kg/m、MFRは8.0g/10分であった。
実施例1
直鎖状エチレン系重合体として高密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名ニポロンハード1000、MFR=20g/10分、密度=963kg/m、数平均分子量=11,000)を60重量%、製造例1により合成されたポリエチレン系樹脂を40重量%になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径50mm)にて溶融混練しエチレン系樹脂組成物のペレットを得た。
得られたエチレン系樹脂組成物ペレットを90mmΦのスクリューを有する押出ラミネート装置(ムラシノキカイ(株)製)の押出機へ供給し、320℃の温度で開口幅600mmのTダイより押出し、クラフト紙(中越パルプ工業製、坪量50g/m)にエチレン系樹脂組成物が20μmの厚さになるよう引取り速度100m/分にて押出ラミネートした。また、ラミネートしたクラフト紙の裏面にも同様の方法で同じエチレン系樹脂組成物を押出ラミネートし、積層体を得た。得られた積層体について、エチレン系樹脂組成物のコーティング幅、低臭性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 0005418294
実施例2
直鎖状エチレン系重合体として高密度ポリエチレンを60重量%、製造例1により合成されたポリエチレン系樹脂を40重量%の代わりに、高密度ポリエチレンを80重量%、製造例1により合成されたポリエチレン系樹脂を20重量%になるよう配合した以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。評価結果を表1に示す。
実施例3
直鎖状エチレン系重合体として高密度ポリエチレンの代わりに、エチレン・α−オレフィン共重合体(東ソー(株)製、商品名ニポロンL M65、MFR=20g/10分、密度=920kg/m3、数平均分子量=13,000)を配合した以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。評価結果を表1に示す。
実施例4
製造例1により合成されたポリエチレン系樹脂の代わりに、製造例2により合成されたポリエチレン系樹脂を配合した以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。評価結果を表1に示す。
実施例5
直鎖状エチレン系重合体として高密度ポリエチレンを60重量%、製造例1により合成されたポリエチレン系樹脂を40重量%の代わりに、高密度ポリエチレンを80重量%、製造例2により合成されたポリエチレン系樹脂を20重量%になるよう配合した以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。評価結果を表1に示す。
実施例6
直鎖状エチレン系重合体として高密度ポリエチレンを60重量%、製造例1により合成されたポリエチレン系樹脂を40重量%の代わりに、エチレン・1−ブテン共重合体(東ソー(株)製、商品名ニポロンL M60、MFR=8g/10分、密度=925kg/m、数平均分子量=19,000)を60重量%、製造例1により合成されたポリエチレン系樹脂を40重量%になるよう配合した以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。評価結果を表1に示す。
実施例7
製造例1により合成されたポリエチレン系樹脂の代わりに製造例3により合成されたポリエチレン系樹脂を配合した以外は実施例1と同様にして積層体を得た。評価結果を表1に示す。
比較例1
直鎖状エチレン系重合体として高密度ポリエチレンを60重量%、製造例1により合成されたポリエチレン系樹脂を40重量%の代わりに、高密度ポリエチレンを100重量%とした以外は、実施例1と同様にして積層体の製造を試みたが、ネックインが大きすぎ積層体を得ることはできなかった。
比較例2
直鎖状エチレン系重合体として高密度ポリエチレンを60重量%、製造例1により合成されたポリエチレン系樹脂を40重量%の代わりに、高密度ポリエチレンを10重量%、製造例2により合成されたポリエチレン系樹脂を90重量%になるよう配合した以外は、実施例1と同様にして積層体の製造を試みたが、ドローダウン性が劣り(加工速度100m/分まで到達せず)積層体を得ることはできなかった。
比較例3
製造例1により合成されたポリエチレン系樹脂の代わりに、メタロセン触媒で合成された直鎖状低密度ポリエチレン(商品名:ユメリット4540F、宇部興産製、MFR=3.9g/10分、密度=944kg/m)を配合した以外は、実施例1と同様にして積層体の製造を試みたが、ネックインが大きすぎ積層体を得ることはできなかった。
比較例4
製造例1により合成されたポリエチレン系樹脂の代わりに、低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名ペトロセン203、MFR=8g/10分、密度=919kg/m)を配合した以外は実施例1と同様にして積層体を得た。評価結果を表1に示すが、低臭性に劣っていた。

Claims (7)

  1. 直鎖状エチレン系重合体20〜99重量%、下記(A)〜(C)を満足するポリエチレン系樹脂1〜80重量%からなり、下記(D)、(E)を満たすエチレン系樹脂組成物層を少なくとも一層有することを特徴とする積層体。
    (A)JIS K6760に準拠して密度勾配管法により測定した密度(d)が935kg/m以上970kg/m以下である。
    (B)190℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(MFR)が1g/10分以上20g/10分以下である。
    (C)160℃で測定した溶融張力(MS160(mN))が20以上300以下である。
    (D)190℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(MFR)が3g/10分以上25g/10分以下である。
    (E)190℃で測定した溶融張力(MS190(mN))が3以上80以下である。
  2. ポリエチレン系樹脂が、さらに下記(H)を満足することを特徴とする請求項1に記載の積層体。
    (H)流動の活性化エネルギー(Ea(kJ/mol))は40(kJ/mol)以下である。
  3. ポリエチレン系樹脂がさらに下記(G)を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の積層体。
    (G)190℃で測定した溶融張力(MS190(mN))とMS160の関係が、下記式(2)を満足する。
    MS160/MS190<1.8 (2)
  4. ポリエチレン系樹脂が、さらに下記(F)を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。
    (F)160℃で測定した溶融張力(MS160(mN))とMFRの関係が、下記式(1)を満足する。
    MS160>90−130×log(MFR) (1)
  5. ポリエチレン系樹脂が、さらに下記(I)も満足することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層体。
    (I)重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)が3以上10以下である。
  6. エチレン系樹脂組成物が190℃で測定した溶融張力(MS190)とMFRの関係が
    MFRが3g/10分以上10g/10分未満の場合、20≦MS190≦80
    MFRが10g/10分以上15g/10分未満の場合、6≦MS190≦60
    MFRが15g/10分以上25g/10分以下の場合、3≦MS190≦55
    を満足することを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の積層体。
  7. 直鎖状エチレン系重合体が下記(J)〜(L)を満たすエチレン・α−オレフィン共重合体であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の積層体。
    (J)190℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(MFR)が1g/10分以上30g/10分以下である。
    (K)JIS K6760に準拠して密度勾配管法により測定した密度(d)が880kg/m以上970kg/m以下である。
    (L)数平均分子量(Mn)が10,000以上である。
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