JP5418294B2 - 積層体 - Google Patents
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Description
(A)JIS K6760に準拠して密度勾配管法により測定した密度(d)が935kg/m3以上970kg/m3以下である。
(B)190℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(MFR)が1g/10分以上20g/10分以下である。
(C)160℃で測定した溶融張力(MS160(mN))が20以上300以下である。
(D)190℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(MFR)が3g/10分以上25g/10分以下である。
(E)160℃で測定した溶融張力(MS190(mN))が3以上80以下である。
MS160>110−130×log(MFR) (3)
なお、本発明におけるMS160は、長さが8mm,直径が2.095mmであるダイスを用い、流入角90°で、せん断速度10.8s−1、延伸比47、測定温度160℃の条件下で測定した値であり、最大延伸比が47未満の場合は、破断しない最高の延伸比で測定した値をMS160とした。また、本発明におけるMS190は測定温度が190℃以外はMS160と同条件で測定した。
MS160/MS190<1.7 (4)
なお、本発明におけるMS190は、長さが8mm,直径が2.095mmであるダイスを用い、流入角90°で、せん断速度10.8s−1、延伸比47、測定温度190℃の条件下で測定した値であり、最大延伸比が47未満の場合は、破断しない最高の延伸比で測定した値をMS190とした。
20≦MS190≦80
さらに好ましくは、
25≦MS190≦60
MFRが10g/10分以上15g/10分未満の場合、
6≦MS190≦60
さらに好ましくは、
10≦MS190≦50
MFRが15g/10分以上25g/10分以下の場合、
3≦MS190≦55
さらに好ましくは、
5≦MS190≦45
エチレン系樹脂組成物のMFRに対する溶融張力が大きいほどネックインが小さくなるが、MFRに対する溶融張力が大きすぎるとドローダウン性に劣る場合がある。
直鎖状エチレン系重合体の数平均分子量(Mn)、およびポリエチレン系樹脂の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)および重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって測定した。GPC装置としては東ソー(株)製 HLC−8121GPC/HTを用い、カラムとしては東ソー(株)製 TSKgel GMHhr−H(20)HTを用い、カラム温度を140℃に設定し、溶離液として1,2,4−トリクロロベンゼンを用いて測定した。測定試料は1.0mg/mlの濃度で調製し、0.3ml注入して測定した。分子量の検量線は、分子量既知のポリスチレン試料を用いて校正されている。なお、MwおよびMnは直鎖状ポリエチレン換算の値として求めた。
直鎖状エチレン系重合体およびポリエチレン系樹脂の密度(d)は、JIS K6760(1995)に準拠して密度勾配管法で測定した。
ポリエチレン系樹脂の流動の活性化エネルギー(Ea)は、円板−円板レオメーター((株)アントンパール製、商品名:MCR−300)を用い、150℃、170℃、190℃の各温度で角速度0.1〜100rad/sの範囲のせん断貯蔵弾性率G’、せん断損失弾性率G”を求め、基準温度150℃での横軸のシフトファクターを求め、アレニウス型の式により計算した。
ポリエチレン系樹脂およびエチレン系樹脂組成物の溶融張力は、バレル直径9.55mmの毛管粘度計(東洋精機製作所、商品名:キャピログラフ)に、長さが8mm,直径が2.095mm、流入角が90°のダイスを装着し測定した。MS160は、温度を160℃に設定し、ピストン降下速度を10mm/分、延伸比を47に設定し、引き取りに必要な荷重(mN)をMS160とした。最大延伸比が47未満の場合、破断しない最高の延伸比での引き取りに必要な荷重(mN)をMS160とした。また、温度を190℃に設定し同様の方法で測定した荷重(mN)をMS190とした。
90mmΦのスクリューを有する押出ラミネーター(ムサシノキカイ(株)製)を用いた。ネックインは引き取り速度100m/分におけるエチレン系樹脂組成物フィルムの巾を測定し、ダイ開口巾(600mm)の差を計算することで求めた。樹脂温度は320℃とした。
積層体50gを500ccのガラス製試料ビンに充填し、密封した後、室温で24時間放置した後開封し、10名のパネラーにより、臭いの強さを判定した。パネラーにおける判定基準は、0:全く臭わない1:わずかに臭う2:はっきり臭う3:激しく臭うとし、10名の平均値で評価した。
〜耐熱ピンホール〜
積層体を135℃に設定した小型オーブン(Werner Mathis AG社製)中へ30秒間放置した後、取り出した。熱処理した積層体にメチレンブルー液を塗布し、これをふき取った後の状態を目視にて観察し、発生したピンホール数を数えた。
[変性ヘクトライトの調製]
水3リットルにエタノール3リットルと37%濃塩酸100ミリリットルを加えた後、得られた溶液にN−メチルジオレイルアミン585g(1.1mol:ライオン株式会社製・商品名:アーミンM2O)を添加し、60℃に加熱することによって、塩酸塩溶液を調製した。この溶液にヘクトライト1kgを加えた。この懸濁液を60℃で、3時間撹拌し、上澄み液を除去した後、60℃の水50Lで洗浄した。その後、60℃、10−3torrで24時間乾燥し、ジェットミルで粉砕することによって、平均粒径10.5μmの変性ヘクトライトを得た。
[ポリエチレン系樹脂の製造触媒の調製]
上記変性ヘクトライト500gをヘキサン1.7リットルに懸濁させ、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド6.97g(20.0mmol)、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−tert−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド2.33g(3.53mmol)およびトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)2.8リットル(2mol)を添加して室温で6時間撹拌した。静置して上澄み液を除去、ヘキサンで触媒固体を2回洗浄し、ヘキサンを添加して最終的に100g/Lの触媒スラリーを得た。
[ポリエチレン系樹脂の製造]
内容積540Lの重合器に、ヘキサンを145kg/時、エチレンを33.0kg/時、ブテン−1を1.0kg/時、水素を19NL/時およびポリマー生産量が30kg/時になるように上記[ポリエチレン系樹脂の製造触媒の調製]で調製した触媒スラリーを連続的に供給し、全圧を3,000kPa、重合器内温を85℃に保ちながら連続的に重合反応を行った。重合器から連続的にスラリー抜き出し、未反応の水素、エチレン、ブテン−1を除去した後、分離、乾燥の工程を経てポリエチレン系樹脂粉末を得た。ポリエチレン系樹脂粉末を200℃に設定した50mm径の単軸押出機を使用して溶融混練し、ペレタイズすることでポリエチレン系樹脂ペレットを得た。得られたポリエチレン系樹脂ペレットの密度は950kg/m3、MFRは4.0g/10分であった。
製造例1[ポリエチレン系樹脂の製造]において、水素供給量を19NL/時から12NL/時に変えたこと以外は、製造例1と同様に行なった。得られたポリエチレン系樹脂の密度は950kg/m3、MFRは2.0g/10分であった。
[変性ヘクトライトの調製]
水3リットルにエタノール3リットルと37%濃塩酸100ミリリットルを加えた後、得られた溶液にN,N−ジメチル−オクタデシルアミン330g(1.1mol:ライオン株式会社製・商品名:アーミンDM18D)を添加し、60℃に加熱することによって、塩酸塩溶液を調製した。この溶液にヘクトライト1.0kgを加えた。この懸濁液を60℃で、3時間撹拌し、上澄液を除去した後、60℃の水5Lで洗浄した。その後、60℃、10−3torrで24時間乾燥し、ジェットミルで粉砕することによって、平均粒径10.5μmの変性ヘクトライトを得た。
[マクロモノマー合成触媒の調製]
上記変性ヘクトライト500gをヘキサン1.7リットルに懸濁させ、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド6.97g(20.0mmol)およびトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)2.8リットル(2mol)を添加して室温で6時間撹拌した。静置して上澄み液を除去、ヘキサンで触媒固体を2回洗浄し、ヘキサンを添加して最終的に100g/Lの触媒スラリーを得た。
[マクロモノマーの合成]
内容積370Lの重合器に、ヘキサンを80kg/時で、エチレンを33kg/時で、ブテン−1を0.6kg/時で、トリイソブチルアルミニウムを液中の濃度が0.19mmol/kgヘキサンとなるように連続的に供給しながら、上記[マクロモノマー合成触媒の調製]で調製したマクロモノマー合成触媒を、マクロマー合成量が30kg/時になるように連続的に供給した。重合温度は85℃に制御した。重合器から連続的に抜き出したマクロモノマースラリーは、未反応の水素、エチレン、ブテン−1を除去した後、内容積540Lの2段目の重合器に移送した。重合器から抜き出したマクロモノマーのMn=9,200であり、Mw/Mn=2.5であった。また、NMRによりマクロモノマーの末端構造を解析したところ、マクロモノマー1mol当たりの末端ビニル量は0.37molであった。
[ポリエチレン系樹脂の製造触媒の調製]
ヘキサン21.2リットルに、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)2.8リットル(2.0mol)およびジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−tert−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド670g(1.0mol)を添加し、室温で1時間攪拌することによって触媒溶液を調製した。
[ポリエチレン系樹脂の製造]
前記[マクロモノマーの合成]で合成したマクロモノマーが移送された内容積540Lの2段目の重合器に、エチレンを2.5kg/時で、水素を20NL/時で連続的に供給しながら、前記[ポリエチレン系樹脂の製造触媒の調製]で調製した触媒溶液を、ポリエチレン系樹脂の製造量が32kg/時になるように連続的に供給した。重合温度は85℃に制御した。得られたポリエチレン系樹脂を含むスラリーを重合器から連続的に抜き出し、未反応の水素、エチレンを除去した後、分離、乾燥の工程を経てポリエチレン系樹脂粉末を得た。ポリエチレン系樹脂粉末を200℃に設定した50mm径の単軸押出機を使用して溶融混練し、ペレタイズすることでポリエチレン系樹脂ペレットを得た。得られたポリエチレン系樹脂ペレットの密度は950kg/m3、MFRは8.0g/10分であった。
直鎖状エチレン系重合体として高密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名ニポロンハード1000、MFR=20g/10分、密度=963kg/m3、数平均分子量=11,000)を60重量%、製造例1により合成されたポリエチレン系樹脂を40重量%になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径50mm)にて溶融混練しエチレン系樹脂組成物のペレットを得た。
直鎖状エチレン系重合体として高密度ポリエチレンを60重量%、製造例1により合成されたポリエチレン系樹脂を40重量%の代わりに、高密度ポリエチレンを80重量%、製造例1により合成されたポリエチレン系樹脂を20重量%になるよう配合した以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。評価結果を表1に示す。
直鎖状エチレン系重合体として高密度ポリエチレンの代わりに、エチレン・α−オレフィン共重合体(東ソー(株)製、商品名ニポロンL M65、MFR=20g/10分、密度=920kg/m3、数平均分子量=13,000)を配合した以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。評価結果を表1に示す。
製造例1により合成されたポリエチレン系樹脂の代わりに、製造例2により合成されたポリエチレン系樹脂を配合した以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。評価結果を表1に示す。
直鎖状エチレン系重合体として高密度ポリエチレンを60重量%、製造例1により合成されたポリエチレン系樹脂を40重量%の代わりに、高密度ポリエチレンを80重量%、製造例2により合成されたポリエチレン系樹脂を20重量%になるよう配合した以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。評価結果を表1に示す。
直鎖状エチレン系重合体として高密度ポリエチレンを60重量%、製造例1により合成されたポリエチレン系樹脂を40重量%の代わりに、エチレン・1−ブテン共重合体(東ソー(株)製、商品名ニポロンL M60、MFR=8g/10分、密度=925kg/m3、数平均分子量=19,000)を60重量%、製造例1により合成されたポリエチレン系樹脂を40重量%になるよう配合した以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。評価結果を表1に示す。
製造例1により合成されたポリエチレン系樹脂の代わりに製造例3により合成されたポリエチレン系樹脂を配合した以外は実施例1と同様にして積層体を得た。評価結果を表1に示す。
直鎖状エチレン系重合体として高密度ポリエチレンを60重量%、製造例1により合成されたポリエチレン系樹脂を40重量%の代わりに、高密度ポリエチレンを100重量%とした以外は、実施例1と同様にして積層体の製造を試みたが、ネックインが大きすぎ積層体を得ることはできなかった。
直鎖状エチレン系重合体として高密度ポリエチレンを60重量%、製造例1により合成されたポリエチレン系樹脂を40重量%の代わりに、高密度ポリエチレンを10重量%、製造例2により合成されたポリエチレン系樹脂を90重量%になるよう配合した以外は、実施例1と同様にして積層体の製造を試みたが、ドローダウン性が劣り(加工速度100m/分まで到達せず)積層体を得ることはできなかった。
製造例1により合成されたポリエチレン系樹脂の代わりに、メタロセン触媒で合成された直鎖状低密度ポリエチレン(商品名:ユメリット4540F、宇部興産製、MFR=3.9g/10分、密度=944kg/m3)を配合した以外は、実施例1と同様にして積層体の製造を試みたが、ネックインが大きすぎ積層体を得ることはできなかった。
製造例1により合成されたポリエチレン系樹脂の代わりに、低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名ペトロセン203、MFR=8g/10分、密度=919kg/m3)を配合した以外は実施例1と同様にして積層体を得た。評価結果を表1に示すが、低臭性に劣っていた。
Claims (7)
- 直鎖状エチレン系重合体20〜99重量%、下記(A)〜(C)を満足するポリエチレン系樹脂1〜80重量%からなり、下記(D)、(E)を満たすエチレン系樹脂組成物層を少なくとも一層有することを特徴とする積層体。
(A)JIS K6760に準拠して密度勾配管法により測定した密度(d)が935kg/m3以上970kg/m3以下である。
(B)190℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(MFR)が1g/10分以上20g/10分以下である。
(C)160℃で測定した溶融張力(MS160(mN))が20以上300以下である。
(D)190℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(MFR)が3g/10分以上25g/10分以下である。
(E)190℃で測定した溶融張力(MS190(mN))が3以上80以下である。 - ポリエチレン系樹脂が、さらに下記(H)を満足することを特徴とする請求項1に記載の積層体。
(H)流動の活性化エネルギー(Ea(kJ/mol))は40(kJ/mol)以下である。 - ポリエチレン系樹脂がさらに下記(G)を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の積層体。
(G)190℃で測定した溶融張力(MS190(mN))とMS160の関係が、下記式(2)を満足する。
MS160/MS190<1.8 (2) - ポリエチレン系樹脂が、さらに下記(F)を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。
(F)160℃で測定した溶融張力(MS160(mN))とMFRの関係が、下記式(1)を満足する。
MS160>90−130×log(MFR) (1) - ポリエチレン系樹脂が、さらに下記(I)も満足することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層体。
(I)重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)が3以上10以下である。 - エチレン系樹脂組成物が190℃で測定した溶融張力(MS190)とMFRの関係が
MFRが3g/10分以上10g/10分未満の場合、20≦MS190≦80
MFRが10g/10分以上15g/10分未満の場合、6≦MS190≦60
MFRが15g/10分以上25g/10分以下の場合、3≦MS190≦55
を満足することを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の積層体。 - 直鎖状エチレン系重合体が下記(J)〜(L)を満たすエチレン・α−オレフィン共重合体であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の積層体。
(J)190℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(MFR)が1g/10分以上30g/10分以下である。
(K)JIS K6760に準拠して密度勾配管法により測定した密度(d)が880kg/m3以上970kg/m3以下である。
(L)数平均分子量(Mn)が10,000以上である。
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