JP5417970B2 - 歩数計及び歩数計数方法 - Google Patents
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Description
この技術のひとつに、鉛直線方向の振動を検出するセンサの検出結果に基づいて歩数を計数するというものがある。この技術では、歩行体へ取り付けるセンサの向きを、様々な手法を用いて制限することで、センサが検出する振動が鉛直線方向のものとなるようにしている。
ここで、加速度ベクトル取得手段は、歩行体の加速度ベクトルを取得する。加速度ベクトル分離手段は、この加速度ベクトルを、重力加速度ベクトルと当該歩行体の歩行により生じている歩行加速度ベクトルとに分離する。内積値算出手段は、加速度ベクトル分解手段が分解した重力加速度ベクトルと歩行加速度ベクトルとの内積値を算出する。そして、歩数計数手段は、この内積値の符号が反転してから該符号が該反転前の符号へ反転するまでの各期間における該内積値の積分値に基づいて歩数の計数を行う。
以下、加速度ベクトル取得部10が取得した歩行体の加速度ベクトルを、単に「加速度ベクトル」と称することとする。
ノイズ除去フィルタ23は、加速度ベクトルの周波数成分のうち、前述した歩行振動の周波数成分よりも高い成分を、ノイズ成分とみなして減衰させるローパスフィルタである。例えば、歩行体が人間である場合における歩行振動は前述した周波数成分を有しているので、この場合、ノイズ除去フィルタ23であるローパスフィルタの遮断周波数は3ヘルツ程度に設定される。
積分計算部42は、反転検出部41が内積値の符号の反転を一旦検出してから当該反転検出部41が当該内積値の当該反転前の符号への反転を次に検出するまでの期間における当該内積値の積分値を、当該該期間毎に算出する。つまり、積分計算部42は、歩行振動における鉛直線方向の加速度の符号の反転を反転検出部41が一旦検出してから、当該加速度の当該反転前の符号への反転を次に検出するまでの期間における当該加速度の積分値を、当該該期間毎に算出する。
一般に、物体の運動エネルギーは、速度の二乗に比例定数(物体の質量×1/2)を乗じたものである。従って、物体の質量が不変であれば、その運動エネルギーは、速度の二乗値により表すことができる。ここで、速度は、加速度を時間積分したものであるので、運動エネルギーは、加速度の二乗を、所定時間積分したものにより表すこともできる。更に、運動エネルギーと所定のエネルギー値との大小判定を行うのみであれば、加速度が余り大きく変化しないのであれば、加速度を所定時間積分したものと所定値との比較によって近似的に当該判定を下すことが可能である。
ROM(Read Only Memory)52は、所定の制御プログラムが予め記録されている読み出し専用半導体メモリである。この制御プログラムは、後述する制御処理の処理内容をMPU51に行わせるためのものである。MPU51は、この制御プログラムを歩数計1の起動時に読み出して実行することにより、この歩数計1の各構成要素の動作制御が可能になる。その結果、加速度ベクトル取得部10、加速度ベクトル分離部20、内積計算部30、及び歩数計数部40が有している各機能を、MPU51が提供できるようになる。
インタフェース部56は、例えばアナログ−デジタル変換器(AD変換器)であり、三軸加速度センサ11により検出された各加速度成分の検出結果を示すアナログ電気信号を、当該検出結果を示すデジタルデータに変換してMPU51に送付する。なお、MPU51自身がAD変換機能を備えている場合には、三軸加速度センサ11が出力する上記のアナログ電気信号を、MPU51が直接受け取ってデジタルデータに変換するようにしてもよい。
図3において、まず、S101において、MPU51は、インタフェース部56を制御して、三軸加速度センサ11の検出結果である3方向の加速度成分データを、歩行体の加速度ベクトルとして取得する処理を行う。このS101の処理を行うことで、MPU51は、加速度ベクトル取得部10の機能を提供する。
S102の処理では、MPU51は、S101の処理で取得した加速度ベクトルのベクトル成分に対し、歩行振動の周波数成分よりも低い成分を通過させるローパスフィルタ21の特性を有するデジタルフィルタ演算を実行する。また、S103の処理では、MPU51は、S101の処理で取得した加速度ベクトルのベクトル成分に対し、歩行振動の周波数成分よりも低い成分を減衰させるハイパスフィルタ22の特性を有するデジタルフィルタ演算を実行する。このS102及びS103のデジタルフィルタ演算では、例えば、下記の式の値を、ベクトル成分毎に算出するようにする。
MPU51は、以上のS107からS110にかけての処理を行うことで、歩数算出部43の機能を提供する。従って、反転検出部41、積分計算部42、及び歩数算出部43の各機能をこのように提供することで、MPU51は、重力加速度ベクトルと歩行加速度ベクトル内積値の時間変化に基づいて歩数の計数を行う歩数計数部40の機能を提供する。
なお、本発明は、これまでに説明した実施の形態に限定されるものではなく、実施段階では、その要旨を変更しない範囲で種々変形することが可能である。
(付記1)
歩行体の加速度ベクトルを取得する加速度ベクトル取得手段と、
該加速度ベクトルを、重力加速度ベクトルと該歩行体の歩行により生じている歩行加速度ベクトルとに分離する加速度ベクトル分離手段と、
該重力加速度ベクトルと該歩行加速度ベクトルとの内積値を算出する内積計算手段と、
該内積値の時間変化に基づいて歩数の計数を行う歩数計数手段と、
を有することを特徴とする歩数計。
(付記2)
該加速度ベクトル分離手段は、該加速度ベクトルの周波数成分のうち、歩行による該歩行体の鉛直線方向の振動である歩行振動の周波数成分よりも低い成分を通過させるローパスフィルタを含み、該ローパスフィルタを通過した成分を該重力加速度ベクトルとすることを特徴とする請求項1に記載の歩数計。
(付記3)
該ローパスフィルタは、該加速度ベクトルの成分毎に、直近の複数個の成分値の加算平均値を算出して出力するデジタルフィルタであることを特徴とする請求項2に記載の歩数計。
(付記4)
該加速度ベクトル分離手段は、該加速度ベクトルの周波数成分のうち、歩行による該歩行体の鉛直線方向の振動である歩行振動の周波数成分よりも低い成分を減衰させるハイパスフィルタを含み、該ハイパスフィルタを通過した成分を該歩行加速度ベクトルとすることを特徴とする請求項1に記載の歩数計。
(付記5)
該ハイパスフィルタは、該加速度ベクトルの成分毎に、直近の複数個の成分値の加算平均値を、最直近の成分値から減算した結果を出力するデジタルフィルタであることを特徴とする請求項4に記載の歩数計。
(付記6)
該加速度ベクトル分離手段は、更に、該加速度ベクトルの周波数成分のうち、歩行による該歩行体の鉛直線方向の振動である歩行振動の周波数成分よりも高い成分を、ノイズ成分とみなして減衰させるローパスフィルタであるノイズ除去フィルタを含み、該ハイパスフィルタ及び該ノイズ除去フィルタの両者を通過した成分を、該歩行加速度ベクトルとすることを特徴とする請求項4に記載の歩数計。
(付記7)
該ノイズ除去フィルタは、該加速度ベクトルの成分毎に、直近の複数個の成分値の加算平均値を算出して出力するデジタルフィルタであることを特徴とする請求項6に記載の歩数計。
(付記8)
該歩数計数手段は、
該内積値の符号の反転を検出する反転検出手段と、
該反転検出手段が該内積値の符号の反転を一旦検出してから該反転検出手段が該内積値の該反転前の符号への反転を次に検出するまでの期間における該内積値の積分値を、該期間毎に算出する積分計算手段と、
該期間毎の積分値のうち所定の閾値以上であるものの数から、該歩数を算出する歩数算出手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の歩数計。
(付記9)
該歩数算出手段は、該期間毎の積分値のうち所定の閾値以上であるものの数の1/2を該歩数の算出結果とすることを特徴とする請求項8に記載の歩数計。
(付記10)
該加速度ベクトル取得手段は、互いに異なる方向を向く3つの軸の各々の加速度成分を検出する三軸加速度センサを含み、該三軸加速度センサによる該歩行体についての検出結果を該加速度ベクトルとして取得することを特徴とする請求項1に記載の歩数計。
(付記11)
歩数計の有する加速度ベクトル取得手段が、歩行体の加速度ベクトルを取得し、
該歩数計の有する加速度ベクトル分離手段が、該加速度ベクトルを、重力加速度ベクトルと該歩行体の歩行により生じている歩行加速度ベクトルとに分離し、
該歩数計の有する内積計算手段が、該重力加速度ベクトルと該歩行加速度ベクトルとの内積値を算出し、
該歩数計の有する歩数計数手段が、該内積値の時間変化に基づいて歩数の計数を行う、
ことを特徴とする歩数計数方法。
(付記12)
互いに異なる方向を向く3つの軸の各々の加速度成分を検出する三軸加速度センサの検出結果を、歩行体の加速度ベクトルとして取得する加速度ベクトル取得処理と、
該加速度ベクトルを、重力加速度ベクトルと該歩行体の歩行により生じている歩行加速度ベクトルとに分離する加速度ベクトル分離処理と、
該重力加速度ベクトルと該歩行加速度ベクトルとの内積値を算出する内積計算処理と、
該内積値の時間変化に基づいて歩数の計数を行う歩数計数処理と、
を演算処理装置に行わせるためのプログラム。
10 加速度ベクトル取得部
11 三軸加速度センサ
20 加速度ベクトル分離部
21 ローパスフィルタ
22 ハイパスフィルタ
23 ノイズ除去フィルタ
30 内積計算部
40 歩数計数部
41 反転検出部
42 積分計算部
43 歩数算出部
51 MPU
52 ROM
53 RAM
54 入力部
55 表示部
56 インタフェース部
57 バス
Claims (10)
- 歩行体の加速度ベクトルを取得する加速度ベクトル取得手段と、
該加速度ベクトルを、重力加速度ベクトルと該歩行体の歩行により生じている歩行加速度ベクトルとに分離する加速度ベクトル分離手段と、
該重力加速度ベクトルと該歩行加速度ベクトルとの内積値を算出する内積計算手段と、
該内積値の符号が反転してから該符号が該反転前の符号へ反転するまでの各期間における該内積値の積分値に基づいて歩数の計数を行う歩数計数手段と、
を有することを特徴とする歩数計。 - 該加速度ベクトル分離手段は、該加速度ベクトルの周波数成分のうち、歩行による該歩行体の鉛直線方向の振動である歩行振動の周波数成分よりも低い成分を通過させるローパスフィルタを含み、該ローパスフィルタを通過した成分を該重力加速度ベクトルとすることを特徴とする請求項1に記載の歩数計。
- 該ローパスフィルタは、該加速度ベクトルの成分毎に、直近の複数個の成分値の加算平均値を算出して出力するデジタルフィルタであることを特徴とする請求項2に記載の歩数計。
- 該加速度ベクトル分離手段は、該加速度ベクトルの周波数成分のうち、歩行による該歩行体の鉛直線方向の振動である歩行振動の周波数成分よりも低い成分を減衰させるハイパスフィルタを含み、該ハイパスフィルタを通過した成分を該歩行加速度ベクトルとすることを特徴とする請求項1に記載の歩数計。
- 該ハイパスフィルタは、該加速度ベクトルの成分毎に、直近の複数個の成分値の加算平均値を、最直近の成分値から減算した結果を出力するデジタルフィルタであることを特徴とする請求項4に記載の歩数計。
- 該加速度ベクトル分離手段は、更に、該加速度ベクトルの周波数成分のうち、歩行による該歩行体の鉛直線方向の振動である歩行振動の周波数成分よりも高い成分を、ノイズ成分とみなして減衰させるローパスフィルタであるノイズ除去フィルタを含み、該ハイパスフィルタ及び該ノイズ除去フィルタの両者を通過した成分を、該歩行加速度ベクトルとすることを特徴とする請求項4に記載の歩数計。
- 該ノイズ除去フィルタは、該加速度ベクトルの成分毎に、直近の複数個の成分値の加算平均値を算出して出力するデジタルフィルタであることを特徴とする請求項6に記載の歩数計。
- 該歩数計数手段は、
該内積値の符号の反転を検出する反転検出手段と、
該反転検出手段が該内積値の符号の反転を一旦検出してから該反転検出手段が該内積値の該反転前の符号への反転を次に検出するまでの期間における該内積値の積分値を、該期間毎に算出する積分計算手段と、
該期間毎の積分値のうち所定の閾値以上であるものの数から、該歩数を算出する歩数算出手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の歩数計。 - 該歩数算出手段は、該期間毎の積分値のうち所定の閾値以上であるものの数の1/2を該歩数の算出結果とすることを特徴とする請求項8に記載の歩数計。
- 歩数計の有する加速度ベクトル取得手段が、歩行体の加速度ベクトルを取得し、
該歩数計の有する加速度ベクトル分離手段が、該加速度ベクトルを、重力加速度ベクトルと該歩行体の歩行により生じている歩行加速度ベクトルとに分離し、
該歩数計の有する内積計算手段が、該重力加速度ベクトルと該歩行加速度ベクトルとの内積値を算出し、
該歩数計の有する歩数計数手段が、該内積値の符号が反転してから該符号が該反転前の符号へ反転するまでの各期間における該内積値の積分値に基づいて歩数の計数を行う、
ことを特徴とする歩数計数方法。
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