JP5416560B2 - スチレン−フマル酸エステル共重合体の精製方法 - Google Patents
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Description
(1)中和:まず、水酸化ナトリウム(NaOH)や炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)などの安価な塩基性水溶液にて反応混合物中に含まれる酸を中和する。この段階で、未反応の有機酸は、有機酸ナトリウム塩となり、触媒である硫酸は硫酸ナトリウム(Na2SO4)になり、水相中に溶解分離される。
(2)水洗:水相と有機相を分離後、有機相を水にて洗浄し、痕跡量の塩基性水溶液や塩を除去する。
(3)蒸留:中和および水洗された有機相は、通常、蒸留操作にて目的物の有機酸エステルと、アルコールおよびエーテルに分離される。
(1)中和処理は問題無く実施できるが、水洗工程において泡立ちが激しく、またエマルジョン化し、安定な静置分離に時間を要する。
(2)中和処理および水洗に使用する水の使用量が多くなり、排水処理に大きな負担がかかる。
(3)アルコールとしてオクタノールを用いた場合、オクタノールの沸点は常圧101kPaにて195℃、真空20kPaにて約145℃であり、蒸留するために大きなエネルギーを要する。また、副生成物であるジオクチルエーテルの沸点は、オクタノールよりも高く、除去されにくい。
硫酸を触媒として、スチレン−フマル酸共重合体と、このスチレン−フマル酸共重合体の約4倍量のオクタノールとの直接エステル化反応(175℃、20時間)により反応混合物A(SFC−C8:25重量%、オクタノール:16重量%、DOE:37重量%、硫酸:0.1重量%を含む)を得た。この反応混合物A80gに対して、1.5倍重量のメタノールを加えて、単抽出した。その結果、SFC−C8濃度49重量%の抽残液を得た。表1にその結果を示す。また、SFC−C8以外の抽残液中の成分の濃度についても表1に示す。単抽出は図1の抽出装置を用いた。抽残液中の各成分の濃度は、以下の方法によって求めた。
(1) 使用するビーカー(50〜100cc)の空重量を測定する。
オクタノール濃度およびDOE濃度
(1) 上記操作で得られた上澄液(メタノール溶液)を、シリンジフィルターを介し、約2mL採取し、ガスクロオートサンプラー用バイアルへ仕込む。
(3) 検量線からメタノール溶液中のオクタノール濃度およびDOE濃度を算出する。
メタノール濃度は、抽残液採取量から乾燥重量(SFC−C8)、オクタノール重量、およびDOE重量を差し引くことにより算出した。
硫酸濃度は、JIS K 2501およびJIS K 0070に準じて、滴定により、酸価を測定し、硫酸換算することにより算出した。
<実施例2>
前記反応混合物A40gに対して、4.5倍重量のメタノールを加えて、単抽出した。その結果、SFC−C8濃度62重量%の抽残液を得た。表1にその結果を示す。また、SFC−C8以外の抽残液中の成分の濃度についても表1に示す。単抽出は図1の抽出装置を用いた。
<実施例3>
前記反応混合物A50gに対して、2倍量(100g)のメタノールを加え、抽出を行い、上澄みの抽出液を除去した後、抽残液に対して、新たなメタノールを2倍量(100g)添加して抽出を行った。このような操作を図4の槽型の並流多回抽出装置を用いて4回繰り返して行った(2倍量×4回)結果、オクタノール濃度0.1重量%以下、DOE濃度1重量%以下、SFC−C8濃度88重量%の抽残液を得た。残りの約10重量%はメタノールであることを確認した。メタノールの沸点は65℃であるため、加熱することによって、抽残液から容易にメタノールを分離回収できた。
<実施例4>
前記反応混合物A50gに対して、3倍量(150g)のエタノールを加え、抽出を行い、上澄みの抽出液を除去した。次いで、抽残液に対して、新たなエタノールを1倍量(50g)添加し、抽出する操作を5回繰り返した。このような操作(3倍量×1回+1倍量×5回)を図4の槽型の並流多回抽出装置を用いて行った結果、オクタノール濃度0.1重量%以下、DOE濃度0.1重量%以下、SFC−C8濃度61重量%の抽残液を得た。残りの約40重量%はエタノールであり、加熱することによって、抽残液から容易にエタノールを分離回収できた。
<実施例5>
硫酸を触媒として、スチレン−フマル酸共重合体と、このスチレン−フマル酸共重合体の約2倍量のオクタノールとの直接エステル化反応(175℃、8時間)により反応混合物B(SFC−C8:54重量%、オクタノール:22重量%、DOE:13重量%、硫酸:0.03重量%を含む)を得た。この反応混合物B50gに対して、1倍量(50g)の新たなメタノールを加え、抽出を行い、上澄みの抽出液を除去する操作を3回繰り返した。次いで、抽残液に対して、新たなメタノールを1.5倍量添加して抽出を行った。このような操作(1倍量×3回+1.5倍量×1回)を図4の槽型の並流多回抽出装置を用いて行った結果、オクタノール濃度1重量%以下、DOE濃度2重量%以下、SFC−C8濃度83重量%の抽残液を得た。残りの約15%はメタノールであり、加熱することによって、抽残液から容易にメタノールを分離回収できた。
<実施例6>
硫酸を触媒として、スチレン−フマル酸共重合体と、このスチレン−フマル酸共重合体の約2倍量の2−エチルヘキサノール(オクタノールの異性体)との直接エステル化反応(175℃、5時間)により反応混合物Cを得た。この反応混合物Cは、スチレン−フマル酸2−エチルヘキシルエステル共重合体(以下、SFC−C2C6という):56重量%、2−エチルヘキサノール:27重量%、硫酸:0.1重量%を含む。この反応混合物C50gに対して、1倍量(50g)の新たなメタノールを加え、抽出を行い、上澄みの抽出液を除去する操作を3回繰り返した。次いで、抽残液に対して、新たなメタノールを1.5倍量添加して抽出を行った。このような操作(1倍量×3回+1.5倍量×1回)を図4の槽型の並流多回抽出装置を用いて行った結果、2−エチルヘキサノール濃度1重量%以下のSFC−C2C6濃度82重量%の抽残液を得た。残りの約15重量%はメタノールであり、加熱することによって、抽残液から容易にメタノールを分離回収できた。
<比較例>
前記反応混合物A(SFC−C8:25重量%、オクタノール:16重量%、DOE:37重量%、硫酸:0.1重量%を含む)50gに対して、3倍量(150g)のプロパノールを加えたところ、軽液と重液に分離できなかった。
2 メタノール
Claims (2)
- 前記炭素数8の1価のアルコールが、オクタノール又は2−エチルヘキサノールであることを特徴とする請求項1に記載のスチレン−フマル酸エステル共重合体の精製方法。
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