JP5415874B2 - メカニカルシール装置および回転環の固定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、回転環を回転軸に対してコンパクトに固定することができるメカニカルシール装置およびメカニカルシールに用いられる回転環の固定方法に関する。
メカニカルシール装置において、回転環を回転軸へ固定する構造としては、種々の形態が提案されている。その中で、回転環を回転軸に対してコンパクトに固定するための従来技術としては、例えば回転環およびリテーナの両方に溝部が形成されており、両方の溝部の間にストッパーを挿入することによって、回転環を固定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、回転環およびリテーナの両方に形成された溝にストッパーを挿入する従来技術は、挿入時にストッパーを構成するワイヤーが曲がったり、ワイヤーが溝に引っ掛かったりするために、組み立てに手間がかかるという問題を有している。
特開2001−141076号公報
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、回転環を回転軸に対してコンパクトかつ容易に固定することができるメカニカルシール装置およびメカニカルシールに用いられる回転環の固定方法を提供することである。
前記課題を解決するために、請求項1に係る本発明のメカニカルシール装置は、
回転軸の軸方向の少なくとも一方の面に形成されている回転環側シール面と、前記回転軸に対向する面であってストッパー係合溝が形成されている内周面と、を含み、前記回転軸と一体に回転するように前記回転軸に設置される回転環と、
前記回転環側シール面に密接摺動する固定環側シール面を含む固定環と、
前記回転軸に固定されており、前記軸方向における機外側又は機内側から前記回転環を係止する回転環係止面と、前記ストッパー係合溝に対向するように配置されるストッパー収納溝が形成されている外周面と、を含み、前記ストッパー収納溝に連通する径方向の貫通穴が形成されているスリーブと、
前記スリーブの前記ストッパー収納溝に係合されている第1部分と、前記回転環の前記ストッパー係合溝に係合されている第2部分と、を含み、略C字状の外形状を有するストッパー部材と、
前記貫通穴に挿入されている一方の端部と、前記ストッパー収納溝に配置されており前記ストッパー部材に接触する他方の端部と、を含み、前記ストッパー部材の前記第2部分を径方向の外側に向かって支持するノックピンと、を含むことを特徴とする。
このような構成の本発明のメカニカルシール装置は、回転環の固定構造において軸方向及び径方向に広いスペースを必要とせず、コンパクトである。また、スリーブには貫通穴が形成されており、貫通穴にノックピンを挿入することによって、ストッパー部材の第2部分を径方向の外側に向かって移動させ、当該第2部分を回転環のストッパー係合溝に係合させることができる。すなわち、本発明に係るメカニカルシール装置は、回転環をスリーブに取り付ける前に、あらかじめストッパー部材をスリーブのストッパー収納溝に配置しておき、回転環をスリーブに取り付けた後に、ストッパー部材の一部を回転環のストッパー係合溝に係合させることができる。したがって、本発明に係るメカニカルシール装置は、従来技術とは異なり、回転環をスリーブに取り付けた後にストッパー部材を溝に挿入する必要が無く、組立が容易である。
また、例えば、本発明に係るメカニカルシール装置において、前記回転環の前記ストッパー係合溝は、縦断面形状が略L字状であるL型溝であってもよい。ストッパー係合溝をL型溝とすることによって、回転環にストッパー係合溝を形成するための加工が容易になる。また、前記ストッパー係合溝がL型溝であれば、ストッパー係合溝に治具を差し込み、ストッパー部材の第2部分をスリーブのストッパー収納溝に押し戻すことによって、回転環の固定を容易に解除することができる。
また、例えば、本発明に係るメカニカルシール装置において、前記回転環の前記ストッパー係合溝は、横断面において直線で表されるストレート部を含んでもよい。ストッパー係合溝のストレート部は、ストッパー部材の第2部分を回転方向に係止することによって、回転環がスリーブに対して回転することを防止する回転止めの役割を果たすことができる。したがって、このようなメカニカルシール装置は、回転環の回転止めのための構造を別途設ける必要がないため、回転環の固定構造をよりシンプルにすることができ、また、小型化に適している。
また、例えば、本発明に係るメカニカルシール装置において、前記ストッパー部材は、前記ノックピンと接触して塑性変形する軟性材料からなるものであってもよい。ストッパー部材として、軟性材料からなるストッパー部材を用いることによって、ストッパー部材を径方向に支持するためにノックピンに作用する負荷が低減される。また、ノックピンを貫通孔に挿入してから、スリーブを回転軸に挿入するまでの間、ノックピンを貫通孔に仮固定するために必要な力が小さくなるため、このようなメカニカルシールは、さらに組み立てが容易である。
本発明に係る固定方法は、
メカニカルシール装置に用いられる回転環の固定方法であって、
回転軸に固定可能であり、前記回転軸の軸方向における機外側又は機内側から前記回転環を係止する回転環係止面と、前記回転環に向き合う面であってストッパー収納溝が形成されている外周面と、を含み、前記ストッパー収納溝に連通する径方向の貫通穴が形成されているスリーブを準備する手順と、
略C字状の外形状を有するストッパー部材を、前記スリーブの前記ストッパー収納溝に設置する手順と、
前記回転軸の前記軸方向の少なくとも一方の面に形成されている回転環側シール面と、前記回転軸に対向する面であって前記ストッパー収納溝に対向するように配置されるストッパー係合溝が形成されている内周面と、を含む前記回転環を、前記スリーブの前記回転環係止面に係止する手順と、
前記スリーブの前記貫通孔に径方向の内側からノックピンを挿入し、当該ノックピンの先端が前記貫通孔から前記ストッパー収納溝に突出して前記ストッパー部材を径方向の外側に押し広げることによって、前記ストッパー部材の一部を前記回転環の前記ストッパー係合溝に係合させる手順と、を含む。
本発明に係る固定方法は、回転環をスリーブに取り付ける前に、あらかじめストッパー部材をスリーブのストッパー収納溝に配置しておき、回転環をスリーブに取り付けた後に、ストッパー部材の一部を回転環のストッパー係合溝に係合させることができる。したがって、本発明に係る固定方法は、従来技術とは異なり、回転環をスリーブに取り付けた後にストッパー部材を溝に挿入する必要がなく、挿入時にワイヤーが曲がったり、ワイヤーが溝に引っ掛かったりする問題を回避することができるため、回転環を容易に固定できる。
図1は、本発明の一実施形態のメカニカルシール装置の構成を示す縦断面図である。 図2は、回転環を固定する組み立て手順における第1〜3の段階を模式的に示す縦断面図である。 図3は、回転環を固定する組み立て手順における第4の段階を模式的に示す縦断面図である。 図4は、図3に示す模式断面図における回転環の周辺を拡大した拡大図である。 図5は、回転環を固定する組み立て手順における第5の段階を模式的に示す縦断面図である。 図6は、回転環を固定する組み立て手順における第3の段階を模式的に示す横断面図である。 図7は、回転環を固定する組み立て手順における第4の段階を模式的に示す横断面図である。 図8は、回転環を固定する際の組み立て手順における第5の段階を模式的に示す横断面図である。 図9は、図1に示すメカニカルシール装置におけるスリーブに形成されている回転環係止面の形状を表す平面図および縦断面図である。 図10は、図1に示すメカニカルシール装置の回転環に含まれる面のうち、図9に示す回転環係止面に係合される面の形状を表す縦断面図および平面図である。 図11は、本発明の第2実施形態に係るメカニカルシール装置に含まれる回転環の形状を表す平面図および縦断面図である。
第1実施形態
本発明の一実施形態に係るメカニカルシール装置について、図1〜図10を参照して説明する。本実施形態においては、回転軸が貫通する装置のハウジングに対して、カートリッジ形式で装着されるメカニカルシール装置を例示して本発明を説明する。本実施形態では、1つの摺動面を有するシングルシール構成のメカニカルシールを用いて説明を行うが、本発明に係るメカニカルシール装置としてはこれに限定されず、例えば2つの摺動面を背面合わせに配置したダブルシール構成のメカニカルシール装置であってもよい。
図1は、本実施形態のメカニカルシール装置10の構成を示す断面図であり、メカニカルシール装置10をハウジング72に装着した状態を示す図である。図1に示すように、ハウジング72には軸孔73が形成されており、回転軸70が、軸孔73を貫通している。メカニカルシール装置10は、軸孔73を貫通する回転軸70と、ハウジング72との隙間を封止するように、ハウジング72および回転軸70に対して設置される。なお、図1に示すように、メカニカルシール装置10に対して軸孔73側(図示左側)が機内側空間Aであり、その軸方向反対側(図示右側)が機外側空間B(例えば大気側)である。
メカニカルシール装置10は、主な構成部として、回転環50と、固定環30と、スリーブ34と、ストッパー部材60と、ノックピン62と、シールカバー12とを有する。さらに、メカニカルシール装置10は、その他の構成部として、スリーブカラー24、セットスクリュー26、固定環回転止めピン22、スプリング20、Oリング等を有する。
メカニカルシール装置10においては、回転環50の回転環側シール面52と固定環30の固定環側シール面32とが密接摺動することによって、機内側空間Aと機外側空間Bとの間をシールし、メカニカルシールを構成する。
シールカバー12は、装置本体のハウジング72に設置される。シールカバー12は、ハウジング72に形成されたボルト穴(不図示)に各ボルト16を締め付けることにより、ハウジング72に固定される。すなわち、図1においてボルト16は、ナット14を介して、シールカバー12を、ハウジング72に固定している。図1に示すように、シールカバー12の機内側端面12aとハウジング72の外面72aとの間には、Oリング18が介在される。これにより、シールカバー12の機内側端面12aと、ハウジング72の外面72aとの間が、確実に密封される。
シールカバー12は、回転環50および固定環30を収容する。シールカバー12には、シールカバー12がハウジング72に固定された状態において軸孔73と連通する内部孔13が形成されている。内部孔13は回転軸70によって貫通されるとともに、内部孔13の内部には、固定環30、回転環50およびスリーブ34の一部等が配置される。
シールカバー12の機外側端部には、内周側(回転軸70側)に向かって段差状に突出している固定環設置部15が形成されている。すなわち、シールカバー12の内部孔13は、固定環設置部15より機内側の部分である大径部13aと、固定環設置部15によって大径部13aより内径が小さくなっている小径部13bとによって構成される。
固定環30は、固定環設置部15に、嵌合設置されている。固定環設置部15の設置部内周面15dには、回転軸74に直交する平面に略平行であって機内側を向く内周段差面15aが形成されている。それに対して、固定環30の固定環外周面30eには、回転軸74に直交する平面に略平行であって機外側を向く外周段差面30aが形成されている。固定環30は、固定環30の外周段差面30aが、固定環設置部15の内周段差面15aと対向するように配置される。外周段差面30aと内周段差面15aの間に形成される断面矩形の環状空間には、Oリング28が配置される。このように、Oリング28を介在させて、固定環30を固定環設置部15に嵌合させることにより、固定環30の固定環外周面30eと固定環設置部15の設置部内周面15dの間が密封される。
また、固定環設置部15の機内側端面15bには、軸方向機内側に突出する固定環回転止めピン22が設置されている。また、固定環30は、径方向の外側に向かって突出しており、固定環回転止めピン22を嵌入させるための案内溝が形成されているフランジ部30bを有する。固定環回転止めピン22の端部は、固定環30のフランジ部30bに形成された案内溝に嵌入され、固定環30がシールカバー12に対して相対的に回転することを防止する。
固定環設置部15には、固定環30を回転環50に向かって押圧するスプリング20が設置されている。すなわち、固定環設置部15の機内側端面15bには、周方向へ複数のバネ座15cが設けられており、バネ座15cにはスプリング20が設置されている。スプリング20は、固定環設置部15のバネ座15cと、固定環30におけるフランジ部30bのフランジ部機外側端面30cとの間に保持される。このようにして、シールカバー12は、スプリング20を介して、固定環30を軸方向に沿って移動自在に支持する。
固定環30は、メカニカルシールにおける一方のシール面である固定環側シール面32を含む。すなわち、固定環30の機内側の端部には、固定環30に対して機内側に配置された回転環50に向かって突出する突起部30dが形成されている。突起部30dの機内側端面には、回転環50に含まれる回転環側シール面52に密接摺動する固定環側シール面32が形成されている。固定環30は、スプリング20によって回転環50側に押圧されるため、回転軸70が回転を開始すると、固定環側シール面32は、回転環50の回転環側シール面52に対して密接摺動する。
回転環(メイティングリング)50は、メカニカルシールにおける他方のシール面である回転環側シール面52を含む。回転環側シール面52は、回転環50の軸方向機外側の端面50a(回転環機外側端面)に形成されており、固定環側シール面32と密接摺動する。また、回転環50は、スリーブ34を介して、回転軸70に嵌合設置されており、回転軸70と一体に回転する。
回転環50は、スリーブ34の回転環係止面36に係止される。スリーブ34は、回転軸70に直交する平面に略平行であって機内側を向く回転環係止面36を含む。すなわち、回転環係止面36は、軸方向の機外側から回転環50の回転環機外側端面50aを係止する。
回転環50の周辺を拡大した図4に示すように、回転環50の回転環機外側端面50aには、スリーブ係合溝54が形成されている。
スリーブ係合溝54は、回転環50の回転環機外側端面50aにおける回転環内周面50b側に形成されており、回転環50回転環機外側端面50aと回転環内周面50bの両方に開口を有する。すなわち、本実施形態におけるスリーブ係合溝54は、縦断面形状が略L字状であるL型溝である。
また、スリーブ34には、スリーブ係合溝54と係合される係合突起37が形成されている。係合突起37は、スリーブ34の回転環係止面36から、軸方向の機内側に突出している。さらに、図10に示すように、スリーブ係合溝54は、横断面において直線で表されるストレート部54aを含む。また、図9に示すように、スリーブ34に形成された係合突起37も、横断面において直線で表されるストレート部37aを含む。回転環50のスリーブ係合溝54と、スリーブ34の係合突起37とは、互いのストレート部54a,37aが係合した状態になるように、配置される。これにより、回転環50がスリーブ34に対して相対的に回転することが防止される。
回転環50の周辺を拡大した図4に示すように、回転環50の面のうち、回転軸70に対向する面である回転環内周面50bには、ストッパー係合溝56が形成されている。
図4に示すように、ストッパー係合溝56は、回転環50の回転環内周面50bにおける機内側の端部に形成されており、回転環50の回転環機内側端面50cと、回転環50の回転環内周面50bの両方に開口を有する。すなわち、本実施形態におけるストッパー係合溝56は、縦断面形状が略L字状であるL型溝である。
図1に示すように、ストッパー係合溝56には、ストッパー部材60の一部が係合されている。ストッパー部材60は、図6(b)に示すように略C字状の外形状を有しており、ワイヤー等の線材によって構成される。また、図1および図8に示すように、スリーブ外周面38には、ストッパー係合溝56に対向するように配置されるストッパー収納溝40が形成されており、ストッパー部材60の他の一部は、ストッパー収納溝40に係合されている。すなわち、ストッパー部材60は、スリーブ34のストッパー収納溝40に係合されている第1の部分60aと、回転環50のストッパー係合溝56に係合されている第2の部分60bとを含む(図8参照)。
ストッパー部材60は、第1の部分60aがストッパー収納溝40に係合されているため、軸方向に移動することができない。また、回転環50は、ストッパー部材60の第2の部分60bがストッパー係合溝56に係合していることによって、軸方向機内側への移動を防止されている。また、回転環50は、スリーブ34の回転環係止面36によって軸方向機外側への移動を防止されているため、スリーブ34に対して、軸方向に沿う何れの側への相対移動も防止されている。
なお、回転環50に形成されるストッパー係合溝56の径方向の長さ(深さ)は、ストッパー部材60を構成する線材の直径より小さいことが好ましい。ストッパー部材60の全てがストッパー係合溝56に収納され、回転環50が、ストッパー部材60とともに、スリーブ34から軸方向機内側に抜け落ちてしまうことを防止するためである。
スリーブ34には、径方向の貫通孔42が、周方向に複数形成されている。貫通孔42は、スリーブ34のスリーブ内周面39から、ストッパー収納溝40に連通している。
貫通孔42には、ノックピン62が挿入されている。図8(b)に示すように、ノックピン62の内周側の端部62aは貫通孔42に挿入されており、ノックピン62の外周側の端部62bは、スリーブ34のストッパー収納溝40に配置される。ノックピン62の外周側の端部62bは、ストッパー部材60に内周側から接触している。
ストッパー部材60のうち、ノックピン62に内周側から接触されている部分は、図8(a)に示すように、径方向の外側に向かってふくらむ。したがって、ストッパー部材60のうち、ノックピン62に内周側から接触されている部分は、周方向で考えて、回転環50のストッパー係合溝56に係合される第2の部分62bに対応する(図8)。ここで、図1に示すように、スリーブ34の内周側は、回転軸70によって貫通されているため、ノックピン62がスリーブ34のスリーブ内周面39側から抜け落ちることはない。したがって、ノックピン62は、ストッパー部材60の第2の部分62bを、径方向の外側に向かって支持することができる。
図1に示すように、スリーブ34は、中空円筒状の外形状を有しており、回転軸70を抱き込んだ状態で、回転軸70に対して固定される。スリーブ34のスリーブ内周面39には、Oリング44を収納するためのU型溝が形成されており、Oリング44はスリーブ34のスリーブ内周面39と、回転軸70の回転軸外周面70aの間をシールする。スリーブ34は、セットスクリュー26によって回転軸70に固定され、回転軸70と一体的に回転することができる。すなわち、スリーブ34の機外側端部のスリーブ外周面38には、スリーブカラー24が嵌合される。セットスクリュー26は、スリーブカラー24の外周側から挿入され、スリーブカラー24とスリーブ34とを、回転軸70に対して一体的に螺旋止めし、固定する。セットスクリュー26を回転軸70に螺旋止めすることによって、回転環50がスリーブ34に取り付けられた組み立て構造体が、回転軸70に固定設置される。
なお、スリーブ34のスリーブ内周面39のうち、スリーブ34に形成される貫通孔42の内周側開口付近は、スリーブ内周面39を構成する他の部分より僅かに内径の広い逃げ部39aが形成されている(図4)。逃げ部39aは、回転軸70と嵌合される加工精度の要求される面をできるだけ小さくするとともに、スリーブ34に孔加工やネジ加工をする際の歪等が嵌合面に影響しないようにするために形成される。または、逃げ部39aは、ノックピン62の仮止め剤が開口付近に付着して、回転軸70の挿通を妨げることがないようにするために形成される。
以下に、図1に示すメカニカルシール装置10に含まれる回転環50を、スリーブ34を介して回転軸70に固定する固定方法を、図1〜図10を用いて説明する。図2は、回転環50を固定する組み立て手順における第1〜第3の段階を模式的に示す縦断面図(回転軸70の軸中心74を含む断面による断面図)である。
図1に示すメカニカルシール装置10において回転環50を回転軸74に固定する場合、まず、回転環50をスリーブ34に設置する。回転環50を固定する組み立て手順における第1の段階では、図2に示すスリーブ34を準備する。
図2に示すように、スリーブ34は、回転軸70の軸方向における機外側から回転環50を係止する回転環係止面36を有する。また、スリーブ34のスリーブ外周面38には、ストッパー収納溝40と、Oリング収納溝48が形成されている。
さらに、スリーブ34には、ストッパー収納溝40に連通する径方向の貫通孔42が形成されている。図6(a)は、スリーブ34の横断面図(回転軸70の軸中心74に直交する断面による断面図)であり、ストッパー収納溝40を通過する断面を示す図である。図6(a)に示すように、スリーブ34には、4カ所の貫通孔42が形成されている。各貫通孔42は、周方向に略等間隔に形成されている。
図2に示すように、回転環係止面36は、スリーブ34に対して機内側から挿入された回転環50を機外側から係止するため、ストッパー収納溝40およびOリング収納溝48は、回転環係止面36に対して機内側に形成されている。しかし、他の実施形態においては、回転環係止面は、機外側から挿入された回転環を機内側から係止してもよい。その場合は、ストッパー収納溝およびOリング収納溝は、回転環係止面に対して機外側に形成されていてもよい。
次に、手順2では、手順1で準備したスリーブ34に対して、図2に示すOリング46を取り付ける。Oリング46は、スリーブ34のスリーブ外周面38に形成されているOリング収納溝48に収納される。
さらに、手順3では、手順1で準備したスリーブ34に対して、図2に示すストッパー部材60を取り付ける。図6(b)は、ストッパー部材60の横断面図である。ストッパー部材60は、図6(b)に示すように、円周方向に延びるとともにその一部が切断された略C字状の外形状を有しており、ワイヤー等の線材によって構成される。ストッパー部材60を構成する材料としては、特に限定されないが、適度な弾性および延性・展性を有する材料を用いることができる。ストッパー部材60は、例えばSUS等の鋼材を用いて作製することができる。
ストッパー部材60は、図3に示すように、スリーブ34のスリーブ外周面38に形成されているストッパー収納溝40に収納される。ここで、ストッパー部材60は、回転環50をスリーブ34に取り付ける前に、スリーブ34に対して取り付けることができるため、スリーブ34への取り付けが容易である。例えば、図6(b)に示すようなストッパー部材60を、ストッパー部材60が弾性変形可能な範囲で径方向に押し広げ、ストッパー部材60の一部をストッパー収納溝40に係合させる。その後、ストッパー部材60の弾性変形により、ストッパー部材60を径方向に収縮させることによって、ストッパー部材60をストッパー収納溝40に容易に取り付けることができる。
図4に示すように、ストッパー部材60をスリーブ34に取り付けてから、ノックピン62が貫通孔42に挿入されるまでの間、ストッパー部材60の全部は、ストッパー収納溝40に収納されている。すなわち、スリーブ34に形成されているストッパー収納溝40の径方向の長さ(深さ)は、ストッパー部材60を構成する線材の直径より大きい。また、ストッパー部材60は、自らの弾性力により、ストッパー収納溝40の収納溝内周面40aに密着することができる。
手順4では、Oリング46およびストッパー部材60を取り付けたスリーブ34に対して、図2に示す回転環50を取り付ける。図3は、手順4において、回転環50をスリーブ34に取り付けた直後の状態を表す縦断面図である。また、図4は、図3に示す模式断面図における回転環50の周辺を拡大した拡大図である。
図3に示すように、回転環50は、スリーブ34に対して機内側から挿入され、スリーブ34の回転環係止面36に係止される。手順4において、回転環50をスリーブ34に挿入する際、回転環50の回転環内周面50bは、ストッパー部材60の外径側(径方向の外側)を通過することができる。なぜなら、図4に示すように、ストッパー収納溝40の深さはストッパー部材60の直径より大きく設計されており、回転環50を挿入する際には、ストッパー部材60の全部がストッパー収納溝40に収納されているからである。
図4に示すように、回転環50は、回転環50のスリーブ係合溝54と、スリーブ34の係合突起37とが係合するように、スリーブ34に対して取り付けられる。これにより、回転環50の中心と、スリーブ34の中心とを一致させ、回転環50の中心とスリーブ34が取り付けられる回転軸70の軸中心74とを、容易に一致させることができる。また、図9および図10に示すように、スリーブ係合溝54および係合突起37は、互いに係合するストレート部54a,37aを有する。したがって、回転環50は、スリーブ34に対して相対的に回転することが防止され、スリーブ34が回転軸70に固定されると、回転軸70と一体に回転することができる。
なお、手順4が終了した直後の状態では、図3および図4に示すように、回転環50は、軸方向機内側への移動を規制されておらず、軸方向機内側へ抜け落ちることができる状態にある。これは、図7に示すように、手順4が終了した直後の状態では、ストッパー部材60の全部がストッパー収納溝40に収納されており、ストッパー部材60が回転環50のストッパー係合溝56に係合されていないからである。
手順5では、図3において矢印61で示すように、スリーブ34の貫通孔42の内径側(径方向の内側)からノックピン62を挿入し、ストッパー部材60の一部を回転環50のストッパー係合溝56に係合させることによって、回転環50を固定する。本実施形態では、図7に示すように、スリーブ34に形成されている4つの貫通孔42に対して、ノックピン62を挿入する。
図5は、ノックピン62を挿入した後の状態を表す模式断面図である。ノックピン62は、少なくともノックピン62の後端面が、スリーブ34のスリーブ内周面39と略一致する位置まで挿入される。ノックピン62の長さは、少なくとも貫通孔42の長さより長く設計されているため、ノックピン62の先端は、貫通孔42からはみ出し、貫通孔42と連通するストッパー収納溝40に突出する。
したがって、ストッパー収納溝40に収納されていたストッパー部材60は、ノックピン62によって外径側に押し広げられる。その結果、ノックピン62の一部は、ストッパー収納溝40に対向する位置に配置されている回転環50のストッパー係合溝56に移動させられ、ストッパー係合溝56に係合される。
図8(a)は、ノックピン62を挿入した後におけるストッパー部材60の状態を表した横断面図である。図8(a)に示すように、ストッパー部材60のうち、ノックピン62に内周側から接触されている部分に近接する外周側部分は、ストッパー係合溝56に移動させられ、ストッパー係合溝56に係合される。
図8(a)の部分拡大図である図8(b)に示すように、スリーブ34に径方向の内側から挿入されたノックピン62は、貫通孔42に挿入されている第1の端部62aと、ストッパー収納溝40に配置されておりストッパー部材60に接触する第2の端部62bとを含む。すなわち、スリーブ34に挿入されたノックピン62は、第2の部分60bが径方向の内側に向かって移動しようとした場合でも、第2の部分60bを径方向の外側に向かって支持し、ストッパー部材60とストッパー係合溝56との係合を維持させることができる。
しかし、ストッパー部材60のうち、ノックピン62から周方向に離れている部分や、内周側の部分は、ノックピン62を挿入した後においても、スリーブ34のストッパー収納溝40に留まる。このように、ストッパー部材60は、ノックピン62が挿入されることによって、スリーブ34のストッパー収納溝40に係合されている第1の部分60aと、回転環50のストッパー係合溝に係合されている第2の部分60bとを含むように、変形させられる。
ノックピン62が挿入された後も、ストッパー部材60は、第1の部分60aがストッパー係合溝に係合されているため、軸方向に移動することができない。また、回転環50は、ストッパー部材60の第2の部分60bがストッパー係合溝56に係合されることによって、軸方向機内側への移動を阻止される。また、回転環50は、スリーブ34の回転環係止面36によって軸方向機外側への移動を阻止されているため、スリーブ34に対して、軸方向に沿う何れの方向へも移動しないように固定される。
なお、ストッパー部材60は、手順5においてノックピン62と接触して塑性変形する軟性材料で構成されていることが好ましい。ストッパー部材60の材料として軟性材料を用いることによって、ストッパー部材60を径方向の外側に向かって支持するためにノックピン62に作用する負荷が低減される。また、ノックピン62を貫通孔42に挿入してから、スリーブ34を回転軸70に挿入するまでの間、ノックピン62を貫通孔42に仮固定するために必要な力が小さくなるため、このようなメカニカルシール装置10は、さらに組み立てが容易である。
なお、ノックピン62の外周側の端部62bは、ノックピン62がスリーブ34のスリーブ内周面39側から抜け落ちることを防止するために、貫通孔42に対して接着剤等によって仮止めされてもよい。また、本実施形態に係るノックピン62は、図1に示すように、スリーブ34が回転軸70を抱き込んだ状態で回転軸70に固定された後は、特別な固定手段を用いなくても、貫通孔42から抜け落ちることはない。なぜなら、ノックピン62は、ストッパー部材60の内周面と回転軸70の回転軸外周面70aとによって、貫通孔42に保持されるからである。
手順6では、回転環50が固定されたスリーブ34(図5)と、メカニカルシール10を構成する他の部品を組み合わせ、カートリッジ型のメカニカルシール装置10を組み立てる。具体的には、例えば回転環50が固定されたスリーブ34や固定環30等を、シールカバー12に対して取り付ける。
なお、メカニカルシール装置10において、回転環50および固定環30は、各々、炭化ケイ素(シリコンカーバイト、SiC)、カーボン、超硬合金等の材質で製作される。好適には、固定環30と回転環50との組み合わせは、各々、炭化ケイ素(SiC)と炭化ケイ素(SiC)の組み合わせ、カーボンと炭化ケイ素(SiC)の組み合わせ、超硬合金と超硬合金の組み合わせ、あるいは、カーボンと超硬合金の組み合わせが好適である。
また、メカニカルシール装置10の各Oリング18,28,44,46の材質は、フッ素ゴム、ニトリルゴム、EPDM、パーフロロエラストマなどが用いられる。
このように、本実施形態に係るメカニカルシール装置10は、回転環50の固定構造において、軸方向及び径方向に広いスペースを必要とせず、コンパクトである。また、本実施形態に係るメカニカルシール装置10は、機内側空間Aが機外側空間Bに対して正圧であっても、負圧であっても、回転環50が軸方向に動かないため、安定したシール特性を得ることができる。また、C字状のストッパー部材60と回転環50が接触するため、ピン等で回転環を支持する技術に比べて、回転環50とストッパー部材60との接触領域が大きく、シール面52が歪み難い。
さらに、スリーブ34には貫通孔42が形成されており、貫通孔42にノックピン62を挿入することによって、ストッパー部材60の第2の部分60bを径方向の外側に向かって移動させ、第2の部分62bを回転環50のストッパー係合溝56に係合させることができる。すなわち、本実施形態に係るメカニカルシール装置10は、回転環50をスリーブ34に取り付ける前に、あらかじめストッパー部材60をスリーブ34のストッパー収納溝40に配置しておき、回転環50をスリーブ34に取り付けた後に、ストッパー部材60の一部を回転環50のストッパー係合溝56に係合させることができる。したがって、本実施形態に係るメカニカルシール装置10は、従来技術とは異なり、回転環50をスリーブ34に取り付けた後にストッパー部材60を溝に挿入する必要が無く、組立が容易である。
また、本実施形態に係るメカニカルシール装置10は、回転環50をスリーブ34に取り付けた後にストッパー部材60を溝に挿入する必要が無いため、ストッパー部材60として、軟性材料を用いて構成される塑性変形しやすいワイヤー等を用いることができる。なぜなら、溝にワイヤーを挿入しなければならない従来技術では、腰のある(塑性変形し難い)ワイヤーを用いなければならないが、本実施形態に係るメカニカルシール装置10ではその必要がないためである。さらに、本実施形態に係るメカニカルシール装置10は、ストッパー部材60として安価なものを使用することができるため、コスト的に有利である。なぜなら、本実施形態に係るメカニカルシール装置10は、溝にワイヤーを挿入しなければならない従来技術に比べて、ストッパー部材60の機械的特性を厳密に要求しないためである。
ただし、ストッパー部材60は、ノックピン62と接触して塑性変形する軟性材料で構成されていることが好ましい。ストッパー部材60の材料として軟性材料を用いることによって、ストッパー部材60を径方向の外側に向かって支持するためにノックピン62に作用する負荷が低減される。また、ノックピン62を貫通孔42に挿入してから、スリーブ34を回転軸70に挿入するまでの間、ノックピン62を貫通孔42に仮固定するために必要な力が小さくなるため、このようなメカニカルシール装置10は、さらに組み立てが容易である。
また、図1および図5に示すように、回転環50のストッパー係合溝56は、縦断面形状が略L字状であるL型溝であることが好ましい。ストッパー係合溝56をL型溝とすることによって、回転環50にストッパー係合溝56を形成するための加工が、U型溝等にくらべて容易になる。また、ストッパー係合溝56がL型溝であれば、ストッパー係合溝56に、軸方向機内側から治具を差し込み、ストッパー部材60の第2の部分60bを、スリーブ34のストッパー収納溝40に押し戻すことによって、回転環50の固定を解除して、回転環50を容易に分解することができる。このため、本実施形態に係るメカニカルシール装置10は分解が容易であり、メンテナンス性に優れている。
第2実施形態
図11は、本発明の第2実施形態に係るメカニカルシール装置に含まれる回転環80の形状を表す平面図(図11(a))および縦断面図(図11(b))である。第2実施形態に係るメカニカルシールは、回転環80の回転止めに関する構造が異なる他は、第1実施形態に係るメカニカルシールと同様であるため、回転環80以外の部分については説明を省略する。
図11に示すように、回転環80の回転環内周面80bには、第2実施形態に係る回転環内周面50bと同様に、ストッパー係合溝82が形成されている。しかし、第2実施形態に係るストッパー係合溝82は、図11(a)に示すように、横断面において直線で表されるストレート部82aを含んでいる。
回転環80のストッパー係合溝82におけるL型溝部82bには、第1実施形態に係るストッパー係合溝56と同様に、ストッパー部材60の第2の部分60b(図8(a))が係合される。また、第2実施形態に係る回転環80におけるストレート部82aも、第2の部分60bに接触し、回転環82がスリーブ34および回転軸70(図1)に対して、回転方向に移動することを防止する。
このように、ストッパー係合溝82のストレート部82aは、ストッパー部材60の第2の部分60bを回転方向に係止することによって、回転環80がスリーブ34に対して回転することを防止する回転止めの役割を果たすことができる。したがって、第2実施形態に係るメカニカルシール装置は、第1実施形態に係る回転環50の回転止めのための構造であるスリーブ係合溝54等を別途設ける必要がない。そのため、第2実施形態に係るメカニカルシール装置は、回転環82の固定構造をよりシンプルにすることができ、また、小型化に適している。また、第2実施形態に係るメカニカルシール装置は、第1実施形態に係るメカニカルシールと同様の効果を有する。
なお、前述した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって本発明を何ら限定するものではない。実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含み、また任意好適な種々の改変が可能である。
本発明は、回転軸を有する任意の装置に回転軸の軸封装置として適用可能である。例えば、遠心ポンプ、攪拌機等の軸シール等に利用することができる。
10…メカニカルシール装置
30…固定環
32…固定環側シール面
34…スリーブ
36…回転環係止面
38…スリーブ外周面
39…スリーブ内周面
40…ストッパー収納溝
42…貫通孔
50,80…回転環
50b…回転環内周面
52…回転環側シール面
56…ストッパー係合溝
60…ストッパー部材
60a…第1の部分
60b…第2の部分
62…ノックピン
62a…第1の端部
62b…第2の端部
70…回転軸
82a…ストッパー係合溝ストレート部

Claims (5)

  1. スリーブを介して回転軸に嵌合設置され該回転軸と一体に回転し軸方向一端面に回転環側シール面を有する回転環と、前記回転環の前記回転環側シール面に密接摺動する固定環側シール面を有する固定環と、前記回転環を前記スリーブに係止するストッパー部材と、前記ストッパー部材を支持するノックピンと、を有するメカニカルシール装置であって、
    前記回転環の内周面には、前記ストッパー部材を係合するストッパー係合溝が形成されており、
    前記スリーブは、前記回転環の前記軸方向一端面又は軸方向他端面側から前記回転環を係止する回転環係止面と、前記ストッパー係合溝に対向するように配置されるストッパー収納溝が形成されている外周面と、を含み、前記スリーブには、前記ストッパー収納溝に連通する径方向の貫通孔が形成されており、
    前記ストッパー部材は、前記スリーブの前記ストッパー収納溝に係合されている第1部分と前記回転環の前記ストッパー係合溝に係合されている第2部分と、を含み、径方向に弾性的に伸縮可能であるとともに円周方向にその一部が切断されたリング形状を有し、
    前記ノックピンは、前記スリーブの前記貫通孔に挿入されている一方の端部と、前記ストッパー収納溝に配置されており前記ストッパー部材に接触する他方の端部と、を含み、前記ストッパー部材の前記第2部分を径方向の外側に向かって支持する、
    ことを特徴とするメカニカルシール装置。
  2. 前記回転環の前記軸方向一端面には、前記スリーブに係合するスリーブ係合溝が形成されており、
    前記スリーブの前記回転環係止面は、前記回転環の前記軸方向一端面側から前記回転環を係止しており、
    前記回転環の前記ストッパー係合溝は、前記回転環の前記内周面と前記回転環の前記軸方向他端面の両方に開口を有するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のメカニカルシール装置。
  3. 前記回転環の前記ストッパー係合溝は、横断面において直線で表されるストレート部を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のメカニカルシール装置。
  4. 前記ストッパー部材は、前記ノックピンと接触して塑性変形する軟性材料からなることを特徴とする請求項1〜請求項3までのいずれかに記載のメカニカルシール装置。
  5. スリーブを介して回転軸に嵌合設置され該回転軸と一体に回転し軸方向一端面に回転環側シール面を有する回転環と、前記回転環の前記回転環側シール面に密接摺動する固定環側シール面を有する固定環と、前記回転環を前記スリーブに係止するストッパー部材と、前記ストッパー部材を支持するノックピンと、を有するメカニカルシール装置の回転環の固定方法であって、
    前記回転環の前記軸方向一端面又は軸方向他端面側から前記回転環を係止する回転環係止面と、ストッパー収納溝が形成されている外周面と、を含み、前記ストッパー収納溝に連通する径方向の貫通孔が形成されている前記スリーブを準備する手順と、
    径方向に弾性的に伸縮可能であるとともに円周方向にその一部が切断されたリング形状を有する前記ストッパー部材を、前記スリーブの前記ストッパー収納溝に設置する手順と
    前記ストッパー収納溝に対向するように配置されており前記ストッパー部材を係合するストッパー係合溝が形成された内周面を含む前記回転環を、前記スリーブの前記回転環係止面に係止する手順と、
    前記スリーブの前記貫通孔に径方向の内側から前記ノックピンを挿入し、当該ノックピンの先端が前記貫通孔から前記ストッパー収納溝に突出して前記ストッパー部材を径方向の外側に押し広げることによって、前記ストッパー部材の一部を前記回転環の前記ストッパー係合溝に係合させる手順と、
    を含む固定方法。
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