JP3007089B1 - メカニカルシ―ル - Google Patents
メカニカルシ―ルInfo
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Abstract
する部品の形状をシンプルなものとでき且つ当該手段の
部品点数を低減できるメカニカルシールを提供する。 【解決手段】 静止密封環5の端部外周に環状凹部58
を形成し、この環状凹部58に一部を切離した環状板か
らなるスプリング受け体53をその素材の弾性を利用し
て係合固定させ、スプリング部材6をスプリング受け体
53とこれに対向する取付ケース部分42との間に装填
し、静止密封環5の端部に軸線方向に延びる係合溝56
を形成して、この係合溝56に取付ケース4に取り付け
たドライブピン55を係合させてある。静止密封環5の
端部外周面は、環状凹部58から漸次縮径するテーパ面
に構成されている。
Description
方向移動可能に保持された静止密封環と、回転軸に静止
密封環の一端部に対向して固定された回転密封環と、静
止密封環を回転密封環へと押圧するスプリング部材とを
具備するメカニカルシールに関するものである。
に示す如く、回転機器の軸封部ケーシング111に取り
付けられた取付ケース104と、取付ケース104に軸
線方向移動可能に保持された静止密封環105と、回転
軸112にストッパーリング109により挿通固定され
たスリーブ107と、スリーブ107に静止密封環10
5に対向して固定された回転密封環108と、静止密封
環105に相対回転不能に係合されたスプリング受け体
153と、スプリング受け体153に対向して、取付ケ
ース104に取り付けられたスプリング保持体142
と、取付ケース104の内周部に保持されており、取付
ケース104と回転軸112との間を二次シールするシ
ール部材148と、スプリング受け体153とスプリン
グ保持体142との間に装填されて、静止密封環105
を回転密封環108に押圧附勢する複数のコイルスプリ
ング161…と、スプリング受け体153とスプリング
保持体142との間に介装されて、静止密封環105の
取付ケース104に対する相対回転を軸線方向移動を許
容しつつ阻止するドライブピン155とを具備して、両
密封環105,108の相対回転摺接作用により、当該
回転機器の内部領域たる被密封流体領域Aと外部領域た
る大気領域Bとを遮蔽シールするように構成されたもの
(以下「従来シール」という)が公知である。
グ受け体153は、静止密封環105の端部に嵌合され
ており、その嵌合部分における相対回転が、スプリング
受け体153に設けたピン153aを静止密封環105
に形成した係合溝105aに係合させることによって、
阻止されている。また、スプリング保持体142の一端
部には周方向に所定間隔を隔てて環状に並列する複数の
第1凹部142a…が形成されており、他端部には、第
1凹部142aに干渉しない第2凹部142bが形成さ
れている。各第1凹部142aには、各コイルスプリン
グ161の一端部が係合保持されている。また、ドライ
ブピン155はスプリング受け体153に螺合固着され
ていて、その先端部がスプリング保持体142を貫通し
て第2凹部142bへと突出されている。そして、ドラ
イブピン155の先端部には、第2凹部142b内にお
いて軸線方向移動を許容される大径の抜け止め部155
aが形成されている。したがって、静止密封環105
は、スプリング受け体153及びドライブピン155を
介してスプリング保持体142に相対回転不能に係止さ
れ、且つドライブピン155の抜け止め部155aが第
2凹部142b内を移動しうる範囲において軸線方向移
動を許容されるようになっている。また、スプリング保
持体142は、これに突設したピン142cを取付ケー
ス104の外端部を構成する蓋体104aに係合させる
ことにより、取付ケース104に対する相対回転を阻止
されている。また、シール部材148は、蓋体104a
の内周部に係合保持されている。
シールは、回転機器の機能を左右する重要な役割(軸
封)を果たすものではあるが、回転機器の主要部をなす
ものではないことから、構造的にもコスト的にも可及的
にコンパクトなものとしておくことが要請される。つま
り、回転機器の主要部品と附属部品であるメカニカルシ
ール等とは、構造的,経済的な許容度は大きく異なり、
メカニカルシールのような附属部品に許容される構造
的,経済的負担は極力低減しておくことが要請される。
一方、メカニカルシールの構成部品は、シール機能に直
結するために形状変更や構成変更が殆ど許容されない密
封環等の主要部品と、かかる主要部品の機能に悪影響を
及ぼさない範囲であれば、形状変更や部品点数の削除を
含む構成変更をある程度自由に行うことができる附属部
品とに大別することができる。したがって、上記した要
請を満足するためには、このような附属部品(静止密封
環の附勢手段や回転阻止手段を構成する部品等)の形状
を可及的にシンプルなものとする等の工夫をしておくこ
とが好ましい。
てみると、例えば、スプリング受け体153は、コイル
スプリング161…を受け止めるためのものであるか
ら、コイルスプリング161…を受け止めるに十分な径
を有するものであればよく、形状シンプルにして製作コ
ストの安価な環状板で構成しておくことが可能である。
しかし、スプリング受け体153には、静止密封環10
5の端部への嵌合部分とドライブピン155を螺合固着
するための螺子孔部分が必要である。したがって、スプ
リング受け体153は、かかる嵌合部分及び螺子孔部分
を確保するために必要且つ十分な大きさのものとしてお
く必要があり、上記した環状板のようなシンプル形状と
することができず、製作コストも低減することができな
い。
スプリング161…を保持するために設けられるもので
あるから、取付ケース104の一部を構成する蓋体10
4aで兼用させることが可能であり、そのようにすれば
部品点数を低減できる。しかし、スプリング受け体14
2には、ドライブピン155の抜け止め部155aが移
動するための第2凹部142bを形成しておく必要があ
ることから、蓋体104aで兼用させた場合、シール部
材148を保持させるスペースを確保することができな
い。勿論、シール部材148の保持部の外周側に第2凹
部142bを配置するようにすれば、蓋体104aで兼
用させることも可能であるが、このようにすると、ドラ
イブピン155を螺合固着するために、スプリング受け
体153の径が必要以上に大きくなり、スプリング受け
体153ひいてはメカニカルシール全体の大型化を招く
ことになる。
プル化や部品点数の低減を図りうる余地のある構成部分
が存在するものの、かかる構成部分を上記した要請を満
足しうるように改良することができないものであった。
品について形状のシンプル化と部品点数の削除を可及的
に図ることにより、上記した要請を満足しうるメカニカ
ルシールを提供することを目的とするものである。
軸線方向移動可能に保持された静止密封環と、回転軸側
に静止密封環の一端部に対向して固定された回転密封環
と、静止密封環を回転密封環へと押圧するスプリング部
材とを具備するメカニカルシールにおいて、上記の目的
を達成すべく、特に、静止密封環の他端部外周に環状凹
部を形成し、この環状凹部に一部を切離した環状板から
なるスプリング受け体をその素材の弾性を利用して係合
固定させ、スプリング部材をスプリング受け体とこれに
対向する取付ケース部分との間に装填し、静止密封環の
他端部に軸線方向に延びる係合溝を形成して、この係合
溝に取付ケースに取り付けたドライブピンを係合させて
おくことを提案するものである。かかるメカニカルシー
ルにあっては、スプリング受け体の環状凹部への係合を
容易ならしめるために、静止密封環の他端部外周面を、
環状凹部から漸次縮径するテーパ面に構成しておくこと
が好ましい。
〜図4に基づいて具体的に説明する。
回転機器の軸封部ケーシング11とこれを貫通して機器
外に突出する回転軸12との間に介装されて、当該回転
機器の内部領域たる被密封流体領域Aと外部領域たる大
気領域Bとを遮蔽シールするものであり、静止側密封要
素1と回転側密封要素2と両密封要素1,2を軸封部ケ
ーシング11及び回転軸12への着脱時に一体連結させ
ておくための複数のセット爪3…とからなるカートリッ
ジ形のものに構成されている。なお、以下の説明におい
て、前後とは図1における左右を意味するものとする。
如く、軸封部ケーシング11に取付けられる筒状の取付
ケース4と、取付ケース4の内部に設けられた静止密封
環5と、静止密封環5に取り付けられたスプリング受け
体53と、取付ケース4と静止密封環5との間に配設さ
れたスプリング部材6と、取付ケース4の前端部(後述
するスプリング保持体42の前端部)44に静止密封環
5と同心状をなして形成された円形の位置決め面46と
を具備する。
く、円筒状のケース本体41と、ケース本体41の前端
内周部に嵌合固定された円環状のスプリング保持体42
とからなる。ケース本体41は、これを回転軸12が同
心状に洞貫する状態で、ボルト・ナット43…(一組の
み図示)により軸封部ケーシング11の前端部に取付け
られている。スプリング保持体42は、その前端部44
をケース本体41の前端面から前方に突出させると共に
回転軸12が同心状に洞貫する状態で、適当数のビス4
5…(一本のみ図示)によりケース本体41の前端部に
取付けられている。スプリング保持体42の前端面は、
ケース本体41の軸線に直交する環状平面に形成されて
いる。取付ケース4の前端部の外周面つまりスプリング
保持体42の前端部44の外周面は、ケース本体41及
び後述する静止密封環5と同心状をなす円形の位置決め
面46に構成されている。また、スプリング保持体42
の内周部に形成した環状凹部47には、図3に示す如
く、環状のシール部材48が装填されていて、スプリン
グ保持体42と回転軸12との間を二次シールするよう
に工夫されている。この例では、シール部材48とし
て、複数のPTFE製スパイラルリング(スパイラル状
をなす帯状体)48a…が使用されており、これらのス
パイラルリング48a…を軸線方向に重ねた状態で環状
凹部47に装填させている。また、ケース本体41に
は、図1に示す如く、フラッシング通路41a及びクエ
ンチング通路41bが設けられている。
の保持体51とこれに固着した環状の密封環本体52と
からなり、Oリング54及びドライブピン55を介して
ケース本体41の内周部に軸線方向(前後方向)に移動
可能に且つ相対回転不能に保持されている。
1円筒部51aとその後端に一体形成した厚肉の第2円
筒部51bとからなる。第1円筒部51aには、図3に
示す如く、軸線方向に延びる前方開口状の切欠溝56が
形成されている。密封環本体52は、第2円筒部51b
に同心状に嵌合固着されている。
く、保持体51の第1円筒部51aに、その前端から後
方へと軸線方向へと延びる係合溝56を形成して、この
係合溝56にケース本体41の内周部に植設したドライ
ブピン55を係合させることにより、係合溝56の範囲
での軸線方向移動を許容された状態で、ケース本体41
に相対回転不能に保持されている。ドライブピン55
は、ケース本体41の内周部に形成された小径の環状段
部49に植設されている。この環状段部49の内径は、
当該環状段部49を保持体51の第1円筒部51aが若
干の隙間を隔てて挿通しうる程度に設定されている。な
お、この例では、ドライブピン55及び係合溝56は、
図2に示す如く、直径方向に対向する2箇所に設けられ
ている。
く、環状段部49の後位において、保持体51の第1円
筒部51aの外周部とケース本体41の内周部との間に
介装したOリング54を介して、ケース本体41に二次
シールされた同心状態で軸線方向移動自在に保持されて
いる。この静止密封環5は、ケース本体41に形成され
た位置決め面46と同心状をなしている。
す如く、その一部53aを切離した環状板で構成されて
おり、環状段部49の前位において、保持体51の第1
円筒部51aの前端部外周に形成した環状凹部58に係
合固定されている。スプリング受け体53は、その一部
53aが切離されていることにより、素材の弾性を利用
して環状凹部58に係脱しうるものであり、その構成材
及び板厚は、かかる環状凹部58への係脱を可能とする
弾性変形とスプリング部材6によるスプリング圧を受け
止め得る強度とを確保できることを条件として、適宜に
選定される。この例では、スプリング受け体53はSU
S316製の薄肉環状板の一部53aを切離してなるも
のである。また、保持体51の第1円筒部51aの前端
外周面は、図3に示す如く、スプリング受け体53の環
状凹部58への係脱を容易ならしめるべく、環状凹部5
8から前方へと漸次縮径するテーパ面59に構成されて
いる。なお、スプリング受け体53の後方への一定量以
上の移動は、環状段部49の前端部への衝合により阻止
されており、静止密封環5が後述するスプリング部材6
により押圧されたときにも取付ケース4から後方へ抜け
出すことがないように工夫されている。
如く、スプリング保持体42とスプリング受け体53と
の間に介装された複数のコイルスプリング61…で構成
されており、静止密封環5を後方へと押圧附勢してい
る。コイルスプリング61…は、図2に示す如く、周方
向に等間隔を隔てて配置されている。なお、スプリング
保持体42の後端部には、周方向に所定間隔を隔てて環
状に並列する複数の凹部42a…が形成されており、各
凹部42aには各コイルスプリング61の前端部が係合
保持されている。
転軸12に挿通されたスリーブ7と、スリーブ7に固定
保持された回転密封環8と、スリーブ7を回転軸12に
固定するためのストッパーリング9及び複数のセットス
クリュー91…,92…とを具備する。
端部71,72を取付ケース4から突出させた状態で回
転軸12に挿通されている。スリーブ7は後端部72を
除いて薄肉の円筒形状をなすものであり、前端部71に
は複数(この例では2つ)のセット孔73…が穿設され
ている。また、スリーブ7の後端部72の内周部には、
回転軸12との間を二次シールするOリング74が保持
されている。
ブ7の後端部72に、Oリング75及びドライブピン7
6を介して同心状に嵌合固定されている。回転密封環8
には、静止密封環5つまり密封環本体52がコイルスプ
リング61…により押圧接触されている。静止密封環5
と回転密封環8との対向端面は、軸線に直交する環状平
滑面をなす密封端面5a,8aに形成されている。
す如く、スリーブ7の前端部71にこれと同心状に嵌合
された円環状体である。ストッパーリング9のスリーブ
7への適正な嵌合状態は、ストッパーリング9の前端内
周部に形成した環状段部94がスリーブ7の前端面に衝
合することによって確保される。ストッパーリング9の
後端面は、当該適正な嵌合状態においてスリーブ7の軸
線に直交する、環状平面に形成されている。ストッパー
リング9には、周方向に適当間隔を隔てて径方向に貫通
する複数(この例では4つ)のネジ孔93…が穿設され
ている。これらネジ孔93…のうち2つは、上記した適
正な嵌合状態において、スリーブ4に穿設したセット孔
73,73に合致する。而して、セット孔73に合致し
ない各ネジ孔93には第1セットスクリュー91が螺合
されていて、図1に示す如く、各第1セットスクリュー
91をスリーブ7の外周面へと締め付けることにより、
ストッパーリング9がスリーブ7に固定される。一方、
セット孔73に合致する各ネジ孔93には第2セットス
クリュー92が螺合されていて、図1に示す如く、各第
2セットスクリュー92をセット孔73を通して回転軸
12の外周面へと締め付けることにより、ストッパーリ
ング9が回転軸12に固定される。したがって、ストッ
パーリング9に設けた各第1及び第2セットスクリュー
91,92を締め付けることにより、スリーブ7を回転
軸12に固定させることができ(図1に示す状態)、各
第1及び第2セットスクリュー91,92を緩めること
により、スリーブ7を回転軸12に挿脱自在となすこと
ができる(図3及び図4に示す状態)。ところで、スリ
ーブ7の全長は、両密封要素1,2の軸線方向における
位置関係が適正となる状態において、つまり両密封環
4,5のスプリング部材6による接触圧が適正となる状
態において、スリーブ7に取り付けられたストッパーリ
ング9の後端面とスプリング保持体42の前端面とが軸
線方向に所定の間隔(以下「適正間隔」という)Hを隔
てて対向するように、設定されている。
く、ストッパーリング9の外周部にビス31で取付けら
れる円弧板状の取付部32と、取付ケース4に形成され
た位置決め面46に接触係合する円弧板状の径方向位置
決め部33と、スプリング保持体42の前端部44とス
トッパーリング9との間に嵌入してスリーブ7に形成し
た係合孔77に突入係合する扇板状の軸線方向位置決め
部34とからなる。セット爪3の数は任意であるが、こ
の例では、一対のセット爪3,3を、図4に示す如く、
ストッパーリング9の径方向に対向する位置に取付ける
ようにしている。位置決め面46に接触係合する径方向
位置決め部33の内側面33aは、位置決め面46と同
一径をなす円弧面であって、取付部32をストッパーリ
ング9に取り付けたときにおいてストッパーリング9と
同心をなす円弧面に形成されている。したがって、取付
部32をストッパーリング9に取り付けると共に、径方
向位置決め部33の内側面33aを位置決め面46に密
に接触させると、ストッパーリング9とスプリング保持
体42とが径方向に芯ずれを生じない同心状態に位置決
めされ、その結果、スプリング保持体42及びこれと同
心状をなすケース本体41等で構成される静止側密封要
素1とストッパーリング9及びこれと同心関係に保持さ
れたスリーブ7等で構成される回転側密封要素2との径
方向位置関係を適正(同心)に保持させることができ
る。軸線方向位置決め部34は、取付部32をストッパ
ーリング9に取り付けたときにおいてストッパーリング
9の後端面に接触するように、取付部32に直交してお
り、その前後方向における板厚hは、前記した適正間隔
Hに一致する寸法に設定されている。また、係合孔77
のスリーブ7における形成位置は、スリーブ7に対して
上記した適正な嵌合状態にあるストッパーリング9とス
プリング保持体42との軸線方向間隔が適正間隔Hとな
っているときにおいて、ストッパーリング9に取り付け
られたセット爪3の軸線方向位置決め部34の先端が突
入係合しうるように、設定されている。したがって、各
セットスクリュー91,92を緩めた状態、つまりスト
ッパーリング9がスリーブ7に固定されておらず且つス
リーブ7が回転軸12に固定されていない状態において
も、取付部32をストッパーリング9に取り付けると共
に軸線方向位置決め部34を係合孔77に係合させてお
くと、密封環5,8を相互押圧させているコイルスプリ
ング61…の附勢力により、スリーブ7が取付ケース4
に対して前方へと押圧されることから、軸線方向位置決
め部34がストッパーリング9とスプリング保持体42
との間に挟圧されると共に、ストッパーリング9がその
スリーブ7からの離脱を軸線方向位置決め部34の係合
孔77への係合により阻止されて適正な嵌合状態に保持
され、前記した適正間隔Hを保持した状態で両密封要素
1,2が軸線方向に相対変位不能に連結される。なお、
両密封要素1,2の連結,位置決めを行うためには、少
なくとも一対のセット爪3,3が必要である。
Mは、次のように、所定のシール機能を発揮する使用形
態と同一形態をなすカートリッジ構造に組み立てられ
る。
ら、Oリング54を嵌合させた静止密封環5を挿入す
る。そして、静止密封環5の係合溝56,56にドライ
ブピン55,55を係合させた上、スプリング受け体5
3を静止密封環5の環状凹部58に係合させて静止密封
環5に固定する。かかるスプリング受け体53の環状凹
部58への係合は、静止密封環5の前端外周面がテーパ
面59に形成されていることとも相俟って、一部53a
を切離した環状板であるスプリング受け体53自体の弾
性変形により容易に行うことができる。
封環8を固着したスリーブ7を挿通させて、静止密封環
5に回転密封環8を対向させる。そして、ケース本体4
1から前方に突出させたスリーブ7の前端部分に、コイ
ルスプリング61…及びシール部材48を保持させたス
プリング保持体42を挿通させると共に、ストッパーリ
ング9を嵌合させる。
5…によりケース本体41に取り付けて取付ケース4を
組み立てると共に、各セット爪3の取付部32を、径方
向位置決め部33をスプリング保持体42の位置決め面
46に接触係合させ且つ軸線方向位置決め部34をスト
ッパーリング9とスプリング保持体42との間に挟圧さ
せた状態でスリーブ7の係合孔77に突入係合させた状
態で、ストッパーリング9にビス31により取り付ける
ことにより、両密封要素1,2の軸線方向及び径方向に
おける位置関係が使用形態と同一となるように位置決め
されたカートリッジ構造のメカニカルシールMが組み立
てられる(図3,図4参照)。
た各セット爪77の軸線方向位置決め部34がスリーブ
7の係合孔77に係合していることから、ストッパーリ
ング9の各セットスクリュー91,92を締め付けてお
かずとも、ストッパーリング9がコイルスプリング61
…の押圧力によってスリーブ7から抜脱されることな
く、スリーブ7に対して適正な嵌合状態(第2セットス
クリュー92,92がスリーブ7の軸線方向においてセ
ット孔73,73に一致する状態)に保持されることに
なる。そして、ストッパーリング9とスプリング保持体
42との軸線方向における対向間隔は、各セット爪3の
軸線方向位置決め部34の介在によって、その板厚hに
一致する寸法に保持され、前記した適正間隔Hに保持さ
れる。すなわち、コイルスプリング61…による押圧作
用と各セット爪3の軸線方向位置決め部34の各係合孔
77への係合作用とによって、静止側密封要素1と回転
側密封要素2とが、コイルスプリング61…による両密
封環5,8の接触圧が適正となる状態で、つまり両密封
要素1,2の軸線方向における相対位置が適正となるよ
うに位置決めされた状態で、連結されることになる。
る場合、両密封要素1,2を連結しておくためにストッ
パーリング9をスリーブ7に固定しておく必要がある
が、かかるストッパーリング9のスリーブ7への固定
は、セットスクリュー、特に第1セットスクリュー9
1,91を締め付けておくことによっても行うことがで
きる。しかし、スリーブ7が回転軸12に嵌合されてい
ない状態で、第1セットスクリュー91,91を締め付
けると、薄肉のスリーブ9が変形する虞れがある。一
方、スリーブ7を厚肉のものとしておくと、このような
虞れはないが、スリーブ7が貫通する静止密封環5やス
リーブ7に嵌合固定させる回転密封環8の径が必要以上
に大きくなり、これに伴ってケース本体41等も必然的
に大型化し、メカニカルシールMが徒に大型化すること
になる。しかも、スリーブ7は長尺なものであるから、
これを厚肉のものとすると、密封環5,8等が大型化す
ることとも相俟って、メカニカルシールM全体が徒に重
量化することになる。
線方向位置決め部34を各係合孔77に係合させるよう
にすると、各セットスクリュー91,92を締め付けて
おかずとも、ストッパーリング9をスリーブ7に固定さ
せておくことができるから、上記した問題を生じること
なく、スリーブ7を薄肉のものとし得て、メカニカルシ
ールMの可及的な小型化,軽量化を図ることができる。
持体42との径方向における位置関係は、ストッパーリ
ング9に径方向に対向して取り付けられた両セット爪
3,3の径方向位置決め部33,33がスプリング保持
体42の位置決め面46に接触係合することから、同心
状態となる。したがって、両密封要素1,2は、径方向
における相対位置が適正となる状態に一体連結されるこ
とになり、その結果、位置決め面46と同心状態をなし
て取付ケース4に保持された静止密封環5とスリーブ7
に同心状に嵌合固定された回転密封環8との径方向位置
も同心に保持されることになり、両密封環5,8の対向
端面である密封端面5a,8aの平行度,同心度が確保
されることになる。
ット爪3,3により軸線方向及び径方向に適正に位置決
めされた状態で一体連結されたメカニカルシールMは、
そのまま回転機器に組み込むことができ、爾後、両セッ
ト爪3,3を取り外すことにより、良好なシール機能を
発揮することができる。
させると共に、取付ケース4をボルト・ナット43によ
り軸封部ケーシング11に取り付けて、静止側密封要素
2を軸封部ケーシング11に取り付ける。そして、各第
1セットスクリュー91をスリーブ7へと締め付けて、
ストッパーリング9をスリーブ7に固定すると共に、各
第2セットスクリュー92をセット孔73を介して回転
軸12に締め付けて、回転側密封要素2を回転軸12に
取り付ける。しかる後、各セット爪3をストッパーリン
グ9から取り外すことにより、メカニカルシールMの回
転機器への組み込みを完了する(図1参照)。
の組み込み作業は、当該メカニカルシールMが上記した
如く予め使用形態と同一形態に組み立てられていること
から、両密封要素1,2の各構成部材を各別に組み込む
場合に比して、極めて容易であり、未熟練者であって
も、組み込み不良を生じることなく、適正に行うことが
できる。
メカニカルシールMによれば、回転軸12の回転に伴っ
て、静止密封環5つまり密封環本体52と回転密封環8
との対向端面である密封端面5a,8aが適正圧で接触
された平行,同心状態で相対回転することになり、かか
る密封端面5a,8aの相対回転摺接作用により被密封
流体領域Aと大気領域Bとを良好にシールすることがで
きる。しかも、かかるシール機能は、取付ケース4内に
おける密封端面5a,8aの内周側領域と取付ケース4
外の大気領域Bとの連通部分がスプリング保持体42の
内周凹部に装填したシール部材48により二次シールさ
れていることによって、より良好に発揮される。
如く、ドライブピン155の抜け止め部155aをスプ
リング保持体42に形成した第2凹部142bへと突入
させているため、かかる第2凹部142の存在により、
スプリング保持体142の内周部にシール部材148を
保持させる環状凹部47に相当するスペースを確保する
ことができない。
は、スプリング受け体53を一部53aを切離した環状
板で構成すると共に、ドライブピン55をケース本体4
1に設けて、これを静止密封環5の外周部に係合させる
ようにしたから、メカニカルシールMを徒に大型化する
ことなく、シール部材48を設けておくためのスペース
(環状凹部47)を確保することができる。しかも、ス
プリング受け体53を薄い環状板で構成すると共に、こ
れを静止密封環5の外周部に係合させるようにしたか
ら、メカニカルシールMの小型化と部品点数の低減によ
る構造の簡略化を図ることができ、且つその組み立ても
容易となる。
の取り外しは、上記した回転機器への組み込みと逆の手
順により行うことができ、当該組み込みと同様に容易に
行うことができる。すなわち、各セット爪3,3を上記
した状態となるようにストッパーリング9に取り付けた
上、各セットスクリュー91,92を緩めると共に、取
付ケース4を軸封部ケーシング11から取り外すことに
より、メカニカルシールMを組み立てた状態のまま回転
機器から取り外すことができる。このように、メカニカ
ルシールMを使用形態と同一形態に組み立て状態で回転
機器に脱着することにより、メカニカルシールMの組み
立て,分解を含めたメンテナンス作業も極めて容易に行
うことができる。また、上記したメカニカルシールM
は、回転機器への脱着を使用形態と同一形態に組み立て
たカートリッジ構造物として行うことができるものであ
るから、メカニカルシールの装着を予定しない回転機器
の軸封部(例えば、グランドパッキングを使用するよう
に構成されたスタフィングボックス等)にも、その構造
を変更することなく、そのまま装着することができ、ス
タフィングボックス等の既存の軸封部をメカニカルシー
ルによるものに容易に改造することができる。
されるものではなく、本発明の基本原理を逸脱しない範
囲において、適宜に改良,変更することができる。例え
ば、本発明は、上記したカートリッジ形のメカニカルシ
ールMの他、各構成部材を各別に一定の手順で回転機器
の軸封部に組み込むようにしたメカニカルシールにも適
用することができる。また、本発明が適用されるメカニ
カルシールは、密封端面5a,8aが相対回転摺接する
端面接触形のものの他、密封端面間を動圧や静圧により
非接触状態に保持させる非接触形のものにも適用するこ
とができる。
に、本発明のメカニカルシールは、静止密封環の附勢手
段ないし回転阻止手段を構成する部品の形状を可及的に
シンプルなものとし、且つ当該手段の部品点数を低減し
たものであるから、構造簡単にして安価に製作すること
ができ且つ組み立ても容易であり、極めて実用的価値の
高いものである。
もので、シール機能を発揮する使用形態を示す縦断側面
図である。
部の縦断側面図である(断面は図4のIII−III線に沿
う)。
側密封要素、3…セット爪、4…取付ケース、5…静止
密封環、5a,8a…密封端面、6…スプリング部材、
7…スリーブ、8…回転密封環、9…ストッパーリン
グ、11…軸封部ケーシング、12…回転軸、32…取
付部、33…径方向位置決め部、34…軸線方向位置決
め部、41…ケース本体、42…スプリング保持体(ス
プリング受け体に対向する取付ケース部分)、44…ス
プリング保持体の前端部、46…位置決め面、48…シ
ール部材、49…環状段部、51…保持体、51a…第
1円筒部(静止密封環の他端部)、52…密封環本体
(静止密封環の一端部)、53…スプリング受け体、5
3a…(スプリング受け体の切離部)、55…ドライブ
ピン、56…係合溝、58…環状凹部、59…テーパ
面、61…コイルスプリング、71…スリーブの前端
部、72…スリーブの後端部、73…セット孔、77…
係合孔、91,92…セットスクリュー、93…ネジ
孔。
Claims (2)
- 【請求項1】 取付ケースに軸線方向移動可能に保持さ
れた静止密封環と、回転軸側に静止密封環の一端部に対
向して固定された回転密封環と、静止密封環を回転密封
環へと押圧するスプリング部材とを具備するメカニカル
シールにおいて、静止密封環の他端部外周に環状凹部を
形成し、この環状凹部に一部を切離した環状板からなる
スプリング受け体をその素材の弾性を利用して係合固定
させ、スプリング部材をスプリング受け体とこれに対向
する取付ケース部分との間に装填し、静止密封環の他端
部に軸線方向に延びる係合溝を形成して、この係合溝に
取付ケースに取り付けたドライブピンを係合させてある
ことを特徴とするメカニカルシール。 - 【請求項2】 静止密封環の他端部外周面が、環状凹部
から漸次縮径するテーパ面に構成されていることを特徴
とする、請求項1に記載するメカニカルシール。
Priority Applications (1)
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Applications Claiming Priority (1)
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JP3007089B1 true JP3007089B1 (ja) | 2000-02-07 |
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JP7098399A Expired - Fee Related JP3007089B1 (ja) | 1999-03-16 | 1999-03-16 | メカニカルシ―ル |
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Cited By (1)
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CN114802327A (zh) * | 2022-05-17 | 2022-07-29 | 中车青岛四方机车车辆股份有限公司 | 一种活盖安装结构及轨道车辆 |
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-
1999
- 1999-03-16 JP JP7098399A patent/JP3007089B1/ja not_active Expired - Fee Related
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CN114802327A (zh) * | 2022-05-17 | 2022-07-29 | 中车青岛四方机车车辆股份有限公司 | 一种活盖安装结构及轨道车辆 |
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