JP5415747B2 - 樹脂注入用モールドケース - Google Patents

樹脂注入用モールドケース Download PDF

Info

Publication number
JP5415747B2
JP5415747B2 JP2008297109A JP2008297109A JP5415747B2 JP 5415747 B2 JP5415747 B2 JP 5415747B2 JP 2008297109 A JP2008297109 A JP 2008297109A JP 2008297109 A JP2008297109 A JP 2008297109A JP 5415747 B2 JP5415747 B2 JP 5415747B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
locking
locking piece
cover
mold case
fitted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008297109A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010124632A (ja
Inventor
均 竹田
広幸 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
3M Innovative Properties Co
Original Assignee
3M Innovative Properties Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 3M Innovative Properties Co filed Critical 3M Innovative Properties Co
Priority to JP2008297109A priority Critical patent/JP5415747B2/ja
Publication of JP2010124632A publication Critical patent/JP2010124632A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5415747B2 publication Critical patent/JP5415747B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、芯線の接続部等の被覆が除去されたケーブルの部分を覆い、内部空間に硬化性樹脂を注入して当該部分を保護するために使用される樹脂注入用モールドケースに関する。
通信ケーブルや電力ケーブルなどのケーブルでは、ケーブルに内蔵された芯線の接続等のために、ケーブルの被覆が除去されることがある。ケーブル被覆が除去された部位を外部環境から保護し機械的強度を保つ等の目的で、当該部位にモールドケースを取り付け、ケース内部に硬化性の樹脂を注入する方法が知られている。
例えば、特許文献1には、CVケーブルの接続部に設置された分割タイプのプラスチックモールドケースの内部に、硬化性樹脂を注入したケーブル接続構造が記載されている。また特許文献2には、多心信号ケーブルの心線同士を圧着コネクタで接続した接続部に保護ケースを被せ、保護ケース内部にレジンを注入することで接続部を形成することが記載されている。
モールドケースは、クロージャーと一般的に呼ばれている樹脂を内部に注入せずに開閉可能に構成された収容箱とは異なり、一般に一度組み立てたモールドケースの開閉を行うことは予定されていない。
特公平6−101895号公報 特開平11−27820号公報
ケーブルへのモールドケースの取り付けは、トラフと呼ばれるU字型側溝やハンドホールと呼ばれる地中に埋設された桝の中で行われることがある。この場合、トラフやハンドホールの側壁に視線が遮られるため、作業者は取り付けるモールドケースをケーブルの上方からしか見ることができない。上下のカバーに分割されたモールドケースを使用する場合、このような作業環境下でも上下のカバーの位置合わせが容易にできることが求められている。また、硬化性樹脂の注入に先立ち、上下のカバーが確実に嵌合しているか、容易にかつ確実に確認できることも求められている。
さらに、一度嵌合させたカバーを、硬化性樹脂の注入前に何らかの理由により再度取り外す必要が生じる場合がある。上下のカバーを複数の嵌合部で嵌合させている場合、1つの嵌合部を解除する作業中に既に解除させた他の嵌合部が再度嵌合してしまうと、作業効率を低下させてしまう。
本発明はその一態様において、上下のカバーの組立てや取り外し作業が容易に行えるモールドケースを提供する。
本発明はその一態様において、分割面で互いを嵌合させたときに内部に空間を構成する一対のカバーを有する、ケーブルを保護するための樹脂注入用モールドケースであって、前記一対のカバーのうち一方のカバーは、該カバーの外表面側に設けられ、他方のカバー側に突出する係止片を含む第1の嵌合部を有し、前記他方のカバーは、樹脂を注入するための注入口と、該カバーの外表面側に設けられ、前記係止片と嵌合する係止枠を含む第2の嵌合部とを有し、該第2の嵌合部は上面と底面とに開口する開口部を有し、前記一対のカバーを嵌合させたときに、前記第1の嵌合部と前記第2の嵌合部との間に、側方に開口する解除スリットが形成される、樹脂注入用モールドケースを提供するものである。
本発明の一態様による樹脂注入用モールドケースによれば、上下のカバーの嵌合や取り外し作業を容易に行うことができる。
本発明は、電力ケーブル等のケーブルにおいて、ケーブル被覆が除去された部分をモールドケースで覆い、その内部に硬化性の樹脂を注入して当該部分を保護するために使用される樹脂注入用モールドケースに関する。モールドケースは分割面によって上カバーと下カバーとに分割され、これらカバーは、カバーの外表面側に配置された嵌合部によって嵌合されてモールドケースを構成する。上カバーの嵌合部は、内部に受容開口を有する枠状の係止枠を有する。下カバーは、分割面を超えて上カバーの方向に延出する係止片を有する。
モールドケースを組み立てるには、下カバーに備えた係止片を上カバーの受容開口の内部に挿入して、係止枠と係合させる。上カバーに開口を有する係止枠が配置されているので、上下のカバーの位置あわせ時にその開口を通して下カバーの嵌合部を視認することができ、特に視線が上方からに限定されているような作業環境においてモールドケースの組立性が向上する。
上カバーと下カバーとが嵌合されると、嵌合している嵌合部の間に、外部に開放した解除スリットが形成される。解除スリットは上カバーと下カバーとを分割面に垂直な方向に分断するように、分割面と略並行に形成される。この解除スリットにマイナスドライバの先端を差込んで捻ると、係止片と係止枠との係合が解除されるとともに、上カバーと下カバーとが相互に離間する方向に移動する。そのため、一度解除された嵌合部が他の嵌合部の解除作業中に誤って再嵌合することが防止され、モールドケースの取り外し作業性が高まる。
以下図面を参照しながら、本発明の一実施形態の樹脂注入用モールドケース1(以下、単にモールドケースとも称する)を説明する。図1は本発明の一実施形態によるモールドケース1を示す斜視分解図である。モールドケース1は、両端部分で外径が漸減し、先細に形成された略円筒形を有する。モールドケース1をケーブルの所望の位置に装着した後、その内部空間に硬化性樹脂を注入し、ケーブル被覆を除去したケーブルの部位を保護する。
モールドケース1は、その中心軸を含む分割面12、22で、上カバー10と下カバー20とに分割されている。上カバー10と下カバー20とは、分割面12、22に隣接して周縁部13、23に複数配置された嵌合部30、40によって、相互に緊結されてモールドケース1を構成する。
上カバー10には、分割面12に隣接し、上カバー10の周縁部13に沿って第1の嵌合部30が複数配置されている。下カバー20の周縁部23には、分割面22と隣接して第2の嵌合部40が、第1の嵌合部30と対応する位置に複数配置されている。上カバー10と下カバー20の端部には、モールドケース形成時にケーブルを通すための略円形の開口が形成できるように略半円形のケーブル導入部14、24が設けられている。下カバー20の分割面22には、モールドケース1の一端から他端まで延在するリブ26が配置されている。リブ26の位置と対応した上カバー10の分割面12には、リブ26を受容できる寸法に構成された溝16が形成されている。
上カバー10はさらに、長手方向およそ中央に、モールドケース1内に樹脂を注入するための注入口18を有する。上カバー10は、注入口18と端部との間に、外側に突出した空気抜き部19を有する。
図2に上カバー10と下カバー20それぞれの嵌合部30、40の拡大図を示す。また、図3に、上カバー10と下カバー20とを嵌合させた状態における、嵌合部30、40の断面図を示す。以下、これらの図面を適宜参照して、説明する。
第1の嵌合部30は、周縁部13と略並行に、周縁部13から離間して配置された枠部32aと、枠部32aの長手方向両端で周縁部13に連続して形成された連結部32bとを有する、係止枠32を構成している。係止枠32は、枠部32aと周縁部13との間に後述する下カバー20の係止片44を受容する受容開口32cを有する。
受容開口32cは、上カバー10の分割面12と同一の方向を向いて当該分割面12と略同一平面を構成する係止枠32の底面34aと、底面34aとは反対の方向を向いて底面34aから所定の距離離れた係止枠32の上面34bとの間を貫通している。つまり、受容開口32cは、第1の嵌合部30の底面34aと上面34bの両面で開口している。
図3に示すように、枠部32aの内面32dには、枠部32aの延在方向に沿って断面が略台形の係止突条36が設けられている。この係止突条36が、係止片44の係止突起46(後述)と係合して、上カバー10と下カバー20とが嵌合する。係止枠32を上カバー10に配置すると、受容開口32cを通して下カバー20の嵌合部40および係止片44を視認することができるので、下カバー20への上カバー10の装着作業性がよくなる。さらに、嵌合部30、40同士の嵌合状態をも受容開口32cを通して視認できるという利点を生じる。なお、この点については、後述する。
第2の嵌合部40は、分割面22に隣接して下カバー20の周縁部23に、第1の嵌合部30と対応する位置に配置されている。第2の嵌合部40は、周縁部23から突出するベース42と、ベース42から分割面22と略垂直な方向に、分割面22を超えて上カバー10側に延出する係止片44とを有する。
ベース42は周縁部23から外側に略台形状に突出した部分であり、下カバー20の分割面22と略同一の平面を構成する上面42aを有する。係止片44は、周縁部23の延在方向と略並行に延在し、ベース42の上面42aから分割面22から離れる方向に突出している板状の部分である。係止片44の外表面44aは、ベース42の外表面42bと略同一の平面を構成している。
係止片44の自由端側である先端には、下カバー20の外側に突出する断面形状が略半円形の係止突起46が形成される。係止片44の延在方向の長さは、上カバー10の受容開口32cの当該方向の長さとほぼ同じか、若干短くなっている。また、係止突起46が配置された部分の係止片44は、受容開口32cの当該方向における最も幅の狭い部分と略同じか、それよりも小さい厚さを有している。したがって、係止片44は係止枠32の受容開口32cに挿入することができる。
ベース42は、その外表面42bに隣接して、係止片44の外表面44aよりもカバー20の外側に突出した突出部42cを有する。突出部42cの上面42dは、分割面22よりも上ケース10から離れる方向に後退している。図示されるように、本実施形態では突出部42cはベース42の延在方向の略中心部分のみに配置され、突出部42cの長さはベース42の長さの約1/3となっている。また、突出部42cの上方に位置する部分では、係止突起46が切り欠かれている。このように構成すると、成型用金型において、スライドと呼ばれる金型の分割方向と交差する方向に金型の部分が摺動する複雑な機構を用いることなしに、係止突起46と突出部42cとを形成することができる。
図3に示すように、上カバー10と下カバー20とは、係止枠32と係止片44とが係合することにより、それぞれの分割面12、22で当接している。係止片44は係止枠32の受容開口32cに受容され、係止突起46の略半円形の表面が係止突状36の凹面状の側面と当接して、係止片44と係止枠32とが係合している。
本実施形態では突出部42cの上面42dと係止枠32の底面34aとの間に、解除スリット50が形成されている。通常は、内部に注入した樹脂が硬化した後にモールドケース1をケーブルから取り外すことはない。しかし、芯線の接続に不具合を見つけた場合など、樹脂注入前にモールドケース1を開く必要が生じる場合があるが、この解除スリット50によって容易に嵌合を解除することができる。例えばマイナスドライバの先端のような扁平な部材を解除スリット50に挿入する。次いで、マイナスドライバを捻ると、係止突起46と係止突条36との係合を解除しながら、上カバー10と下カバー20とが相互に離れる方向に移動し、最終的に係止片44と係止枠32との係合が解除される。このため、マイナスドライバを解除スリット50から抜き取っても、係止突起46と係止突条36との係合が解除された状態を維持することができる。残りの嵌合部30,40についても同様の作業を繰り返していけば、一度解除した嵌合部30、40が再度嵌合されることなく上カバー10と下カバー20との嵌合を解除でき、容易にモールドケース1を開くことができる。
係止片44の分割面22からの高さと係止枠32の上面34bの分割面12からの高さは、係止片44と係止枠32とが嵌合できる限り任意である。嵌合状態で、係止片44の先端が係止枠32の上面34bから突出するか略同一平面を構成すると、作業者が上方向(上カバー10側)から嵌合した嵌合部30、40を見たときに、分割面12、22をモールドケース1の側面から視認することなく、係止片44の先端が見えるかどうかによって、カバー10、20が適切に嵌合しているか容易に判断できる。
一方で、嵌合状態で係止片44が係止枠32から大きく突出しないように設定されることが好ましい。係止片44が係止枠32の上面から大きく突出していると、作業者の指先や工具等が不意に係止片44に触れて嵌合を解除する恐れがある。しかし、係止片44の係止枠32からの突出が小さい、もしくはほとんどない場合には、そのような恐れを低減することができる。さらに薄暗い環境で目視での確認が困難な状況においても、指先で係止片44の先端に触れることで、カバー10、20の嵌合が適切に行われていることが確認できる。
さらに、本実施形態のように係止片44の突出高さが係止枠32の厚さ(上面34bと底面34aとの間の距離)と略同じに構成されていることが好ましい。このように構成すると、上下のカバー10、20が嵌合した状態で係止片44の先端が係止枠32の上面34bと略同一の平面を形成する。一方、嵌合部30、40の嵌合が不完全な場合は、係止片44先端が係止突条36よりも下カバー20側に位置する。そのため係止片44先端を係止枠32の上方から視認することが困難になり、作業者が適切な嵌合状態と不完全な嵌合状態とを見分けるのが容易になる。また、指先で係止片44の先端と係止枠32の上面34bとに触れて嵌合状態を確認するときにも、係止枠32の上面34bと係止枠44先端との段差が少ないため、係止片44先端のみを単独に触ることが困難になる。これによって、不意に係止片44と係止枠32との係合が解除される恐れを低減できる。なお、係止片44の先端が係止枠32の上面34bと略同一の平面を形成している状態は、係止片44が不意に解除されない程度に係止枠32の上面34bから突出している状態を含み、嵌合している係止片44の先端を係止枠32の上面34bから指先で触れることが可能な程度に係止片44の先端が係止枠32の上面34bよりも後退している状態をも含む。
係止突条36は、図3に示すように、内面32dの係止枠32底面34aから所定の距離離れた場所に配置されており、枠部32aの高さ方向(図3の上下方向)に関して略中央に配置されている。嵌合部30、40を構成する上で、係止突条36または係止突起46の少なくとも一方は、それぞれ係止枠32の底面34aまたは係止片44の先端から所定の距離だけ離れた位置に配置することが好ましい。本実施形態では係止突起46が係止片44の先端に位置し、係止突条36が係止枠32の下面34aから上方に離れた位置にある。そのように構成すると、上カバー10と下カバー20とを嵌合させるときに、係止突起46と係止突条36とが係合していない状態においても、係止片44が係止枠32の受容開口内32cに受容される。この状態では係止片44の先端は係止枠32に受容されているが、係止片44は殆ど撓んでいない状態にある。したがって、下カバー20上に上カバー10を位置あわせして載置したときに、上カバー10を手で支えずとも安定して下カバー20に載置することができ、位置決め作業が容易に行える。特に本実施形態のようなモールドケース1では、大きいものではその長手方向の寸法が700mmにも及ぶことがある。そのため、一括して全ての嵌合部30、40を嵌合させるのは困難であり、最初に上カバー10と下カバー20とを位置合わせした後に、複数の嵌合部30、40を順次嵌合させて上下のカバー10、20を嵌合させる。このとき、嵌合部30、40が上述のように構成されていると、嵌合作業中に上カバー10が下カバー20から外れることがなく、作業性がよくなる。一方、例えば係止突起46が係止片44の先端に配置され、係止突条36が係止枠32の下面34aに隣接して配置されている場合には、係止片44を係止枠32に受容させるには係止片44をある程度撓ませる必要がある。そのため、上カバー10を下カバー20に対して位置決めするときには、係止片44の撓みによる弾性反発力に抗して上カバー10に力を加えるか、一部の嵌合部30、40を嵌合させる必要があり、組立て作業の作業性が低下する。さらには、上述の通り一度組み合わせたモールドケース1を開くときにも、嵌合部30、40を解除しても係止片44の先端が係止枠32内に受容されるので、上カバー10が下カバー20から外れて落下することを防止できる。
また、本実施形態では係止片44の分割面22(ベース42の上面42a)からの突出高さは、リブ26の分割面22からの高さよりも高く構成されている。上下のカバー10、20を嵌合させるには、リブ26と溝16とが正確に位置決めされる必要がある。モールドケース1内部に注入された樹脂が漏出しないように、リブ26の厚さと溝16の幅とは略同一の寸法に構成されている。そのため、リブ26と溝16とを正確に位置決めしないとリブ26を溝16に挿入できず、上カバー10と下カバー20とを嵌合できない。
係止片44のベース42上面42aからの突出高さをリブ26の分割面22からの高さよりも高く構成しておくと、係止片44と係止枠32とによって上カバー10と下カバー20とが位置決めされ、それによってリブ26と溝16とも正確に位置決めされる。受容開口32cの大きさは係止片44が係止突条36を乗り越えて挿入できるように設定されるので、図3に示すように係止枠32と係止片44との間には、リブ26と溝16との間の隙間よりも大きな隙間が形成されることとなる。したがって、リブ26と溝16とを直接に位置決めするよりも、係止片44を係止枠32に受容させる方が要求される位置決め精度が低くなり、上下カバー10、20の嵌合作業が容易となる。
特に本実施形態のようにモールドケース1の両端でリブ26および溝16がモールドケース1の長手方向に対して傾斜していると、リブ26と溝16との位置決めにはさらに高い正確性が必要とされる。したがって、係止片44の分割面22からの突出高さをリブ26の分割面22からの高さよりも高く構成することは、リブ26や溝16がモールドケース1の長手方向に対して傾斜している本実施形態のようなモールドケース1にとって特に好適である。
なお、本実施形態ではリブ26および係止片16が分割面22と同じ高さの面から延出しているため、係止片44とリブ26の高さを分割面22を基準として表したが、本発明はこの形態に限定されるものではない。上カバー10と下カバー20とを位置決めするときに、リブ26が溝16に挿入されるのに先立ち係止片44が係止枠32に挿入されるようにそれぞれの高さが設定されればよい。
モールドケースに注入する硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂やポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂が挙げられる。モールドケース1は任意の材料から作製することができ、例えばポリカーボネート樹脂やポリメチルメタクリレート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、ポリエチレン樹脂等の樹脂材料を挙げることができる。モールドケース内への硬化性樹脂の注入状態を視認できるように、モールドケース1は透明樹脂から構成することが好ましい。本モールドケースが適用できるケーブルは、電力ケーブルや通信用ケーブル、制御用ケーブル等を含む各種のケーブルであり、ケーブル内部には銅線や光ファイバを含む芯線を1または複数有するものである。
次に、本発明のモールドケース1を使用して、2本のケーブルを接続する接続部を形成する方法を説明する。
直線状に配置された2本のケーブルの端部からそれぞれ被覆を所定長だけ除去し、内部の芯線を任意の方法で接続する。
硬化性樹脂とケーブル被覆との接着性を高めるため、ケーブル被覆表面をアルコール等の任意の溶剤で清掃する。必要に応じて、ケーブル被覆表面を研磨紙等で研磨して、表面を粗化してもよい。
下カバー20をケーブルの下に配置する。このとき、下カバー20のケーブル導入部24にケーブルの被覆された部分が位置するように、下カバー20の位置を調整する。ここで、ケーブル被覆外径に対応させてケーブル導入部14、24が構成する開口寸法を大きくするために、必要に応じて下カバー20のケーブル導入部24の端部をモールドケース1の軸方向に略直角な平面に沿って切除してもよい。
上カバー10を下カバー20の上方に位置させ、双方の嵌合部30、40を位置合わせする。カバー同士の位置決めができたら、それぞれの嵌合部30、40をペンチや指で圧縮し、係止片44と係止枠32とを係合させる。ここで下カバー20同様に、必要に応じて上カバー10のケーブル導入部14の端部をモールドケース1の軸方向に略直角な平面に沿って切除してもよい。
必要に応じ、モールドケース1のケーブル導入部14、24とケーブル被覆の上にビニルテープ等を巻きつけ、ケーブル導入部14、24とケーブル被覆との間の隙間を塞ぐ。
硬化性樹脂を上カバー10の注入口18からモールドケース1内部に注入する。モールドケース1内が硬化性樹脂でおおよそ満たされたら、注入口18に蓋を取り付ける。硬化性樹脂が室温硬化性の樹脂の場合、そのまま放置することで硬化性樹脂が硬化する。
最後に、必要に応じてモールドケース1全体をビニルテープや収縮性のチューブで覆い、接続部を完成する。
本発明を一実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、以下のものに限定する意図ではないが、この様な変形を行うことができる。
上記実施形態では上カバーに溝を配置し、下カバーにリブを配置していたが、その他公知の構造によって硬化性樹脂の漏出を防止することができる。例えば、リブを上カバーに配置してもよいし、上カバーと下カバーとがそれぞれリブと溝とを有するようにしてもよい。
嵌合部は上カバーおよび下カバーの周縁部に複数配置しているが、嵌合部の数は任意とすることができる。例えば、上カバーおよび下カバーにそれぞれ1つの嵌合部を配置することも可能である。嵌合部は周縁部以外にも配置可能であり、上カバーと下カバーとを嵌合できるかぎり任意の位置に配置できる。また、嵌合部の大きさも適宜設定することができる。
突出部はベースの外表面から部分的に突出する代わりに、ベースの外表面が係止片の外表面を越えて全体的に突出するように構成してもよい。また、突出面が分割面よりも一段下がる代わりに、係止枠の下面が分割面よりも一段下がって(図3で上の方向)いてもよい。
本実施形態では解除スリットは分割面と略並行に配置され、モールドケースの側面で開口して形成されているが、これに限られるものではない。解除スリットは、モールドケースの外部からアクセス可能に設けられ、上カバーと下カバーとの間に構成されていればよい。例えば、解除スリットは、ベースの上面と係止枠の底面との間に部分的もしくは全面的に設けられてもよいし、突出部の上面と係止枠の底面との間に部分的に設けられていてもよい。
図示したモールドケースは2本のケーブルを直線的に接続するものであるが、例えば1本のケーブルを複数のケーブルにY分岐やT分岐できるように、モールドケースは3以上のケーブル導入部を有していてもよい。
さらに、注入口や空気抜き部の形状や数、配置は図示のものに限られるものではない。
本発明の一実施形態のモールドケースの分解斜視図である。 本発明の一実施形態のモールドケースの嵌合部を示した拡大図である。 本発明の一実施形態のモールドケースの嵌合部を示した断面図である。
符号の説明
1 モールドケース
10 上カバー
20 下カバー
12、22 分割面
30、40 嵌合部
32 係止枠
36 係止突条
42 ベース
44 係止片
46 係止突起

Claims (4)

  1. 分割面で互いを嵌合させたときに内部に空間を構成する一対のカバーを有する、ケーブルを保護するための樹脂注入用モールドケースであって、
    前記一対のカバーのうち一方のカバーは、該カバーの外表面側に設けられ、他方のカバー側に突出する係止片を含む第1の嵌合部を有し、
    前記他方のカバーは、樹脂を注入するための注入口と、該カバーの外表面側に設けられ、前記係止片と嵌合する係止枠を含む第2の嵌合部とを有し、
    該第2の嵌合部は上面と底面とに開口する開口部を有し、
    前記第1の嵌合部の前記係止片の自由端側に係止突起が形成され、前記第2の嵌合部の前記係止枠の内面に、該係止枠の延在方向に沿って係止突条が設けられ、該係止突起が該係止突条に係合することにより前記一対のカバーが嵌合し、
    前記一対のカバーを嵌合させたときに、前記第1の嵌合部と前記第2の嵌合部との間に、側方に開口する解除スリットが形成される、樹脂注入用モールドケース。
  2. 前記一方のカバーは、さらに、外面に突設されたベースを有し、前記係止片は前記ベースから延出し、
    前記解除スリットは、前記ベースの上面と前記係止枠の底面との間に設けられている請求項1に記載の樹脂注入用モールドケース。
  3. 前記一対のカバーの少なくとも一方は、前記分割面に延在するリブを有し、前記係止片の突出高さが、該リブの突出高さよりも大きい請求項1または2に記載の樹脂注入用モールドケース。
  4. 前記一対のカバーを互いに嵌合させたときに、前記係止片の先端が前記係止枠の上面と略同一平面内にある請求項1から3のいずれか1項に記載の樹脂注入用モールドケース。
JP2008297109A 2008-11-20 2008-11-20 樹脂注入用モールドケース Active JP5415747B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008297109A JP5415747B2 (ja) 2008-11-20 2008-11-20 樹脂注入用モールドケース

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008297109A JP5415747B2 (ja) 2008-11-20 2008-11-20 樹脂注入用モールドケース

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010124632A JP2010124632A (ja) 2010-06-03
JP5415747B2 true JP5415747B2 (ja) 2014-02-12

Family

ID=42325463

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008297109A Active JP5415747B2 (ja) 2008-11-20 2008-11-20 樹脂注入用モールドケース

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5415747B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA1157540A (en) * 1981-04-15 1983-11-22 Charles F. C. Jackson Telephone cable splices
JP2535729Y2 (ja) * 1989-06-19 1997-05-14 三菱電線工業株式会社 ケーブル接続部モールド用ケース
JPH06508258A (ja) * 1991-06-07 1994-09-14 レイケム・コーポレイション ヒンジ付きゲル充填安全および環境的保護用デバイス

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010124632A (ja) 2010-06-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2686724B1 (en) Fiber optic connector and cable assembly
US8746987B2 (en) Field assembled optical connector
US7744290B2 (en) Optical fiber connector
CN103185930B (zh) 光纤线缆组件
EP1793250A1 (en) Optical connector and method of assembling optical connector
TWI442122B (zh) 現場組裝型光連接器
US9632258B2 (en) Optical connector ferrule
US20160240961A1 (en) Dual material strain-relief members for cables and methods for making the same
JP2010266830A (ja) 光コネクタ用ストップリング及びそれを用いた光コネクタ付き光ファイバコード並びに光コネクタ付き光ファイバコードの製造方法。
JP4191168B2 (ja) メカニカル接続型光コネクタ
JP5415747B2 (ja) 樹脂注入用モールドケース
US20100272396A1 (en) Lc-type optical connector
KR101933127B1 (ko) 광 커넥터
JP2007065248A (ja) 光コネクタのコード固定構造
CN109873383A (zh) 电缆与盒体的结合结构
JP4163204B2 (ja) 光コネクタ
JP4305490B2 (ja) 光コンセント
JP6082599B2 (ja) 光コネクタ、光コネクタの製造方法
US20110217007A1 (en) Optical connector kit
JP6877432B2 (ja) 光コネクタプラグ
JP4260601B2 (ja) 光コネクタ
JP2008293859A (ja) プロテクタ付きコネクタ
JP4255444B2 (ja) 光ケーブル接続部収納ボックス
US20230333324A1 (en) Optical connector
US9071010B2 (en) Tight bend-radius cable structures and methods for making the same

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111121

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130131

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130326

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20130626

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20130701

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130926

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131015

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131114

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5415747

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250