JP5415520B2 - 最大酸素消費量低下の予測のためのプロ−エンドセリン−1 - Google Patents

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Description

本発明の対象は、心不全を持たない被験者の最大酸素消費量低下(VO2)の予測のためのインビトロな方法である:
・前記被験者から得られたサンプル中のプロ−エンドセリン−1(ProET-1)又は少なくとも12個のアミノ酸のその断片のレベルの決定;
・最大VOの代理マーカーとしてのプロ−エンドセリン−1(ProET-1)又は少なくとも12個のアミノ酸のその断片の前記レベルの使用。
本発明の他の対象は、非心臓手術前のリスクアセスメントのためのこの方法の使用である。
最大VO2の測定による最大心肺運動負荷試験(CPET)の臨床的使用は十分に確立されている (Cappuccio et al, Eur J Clin Invest 1991;21:40-6; Benzo et al, Respir Med 2007; 101: 1790-7; Bolliger et al, Am J Respir Crit Care Med 1995;151:1472-80; Brutsche et al, Eur Respir J 2000;15:828-32; Butler et al, J Am Coll Cardiol 2004;43:787-93; Isnard et al, Am J Cardiol 2000;86:417-21; Isnard et al, Am Heart J 2003;146;729-35)。しかし、必要な機材、時間及び技術者と医師の高度な知識から、CPETは広く用いられている技術ではない。特に、ガス交換技術なしの標準運動試験中に達成される最大負荷、即ちトレッドミルのスピード及びグレード又は自転車エルゴメーターの抵抗を基準にした最大VOの推定は、特に運動能力の低い患者において著しく不正確である場合があり (Benzo et al, Chest 2007;132; 1500-5, Myers et al, J Am Coll Cardiol 1991;17:1334-42)、またCPETの代わりとしては不十分である。このため、最大VO2のアセスメントの早くて簡単な代替が大いに所望されている。慢性心不全(HF)患者の過去の研究において、B型ナトリウム利尿ペプチド(BNP)が重篤及び中程度に運動能力が低下した患者を区別するための生化学的ツールとして提案されている(Kruger et al, J Am Coll Cardiol 2002;40:718-22)。(BNPはより大きな前駆体ペプチドであるproBNPから誘導されるものであり、proBNPはBNP及びN末端proBNP(NT-proBNP)にタンパク質分解的に開裂できる)。しかし、HF患者の他の研究は、BNPと最大VOとの相関性が最大VO2の信頼できるアセスメントのために十分でないかもしれないことを示した (Brunner-La Rocca et al, Heart 1999;81 :121-7, Maeder et al, Int J Cardiol 2007;120:391-8)。更に、運動能力の推定が必要になるのは、HF患者においてだけではない。あまり選択されない患者群の似た研究及び他のバイオマーカーを用いた研究はない。
このため、本発明の目的はCPETによる最大VO2のアセスメントのために代理として他のマーカーを見つけることであった。本発明による代理マーカーは、CPETによる最大VO2の直接アセスメントの代替である。
本発明において評価されたマーカーは、エンドセリン−1に関する。エンドセリン(ET)−1は強力な内皮由来の内因性血管収縮因子である(13)。ET−1は、細胞内カルシウムの増大を引き起こす平滑筋細胞上のET(A)及びET(B)受容体の活性化によって血管効果を発揮する (Yanagisawa et al, J Hypertens Suppl 1988;6:S188-91)。内因性ET−1は、安静中に血管緊張に顕著に寄与し (Spratt et al, Br J Pharmacol 2001;134:648-54)、ET(A)受容体仲介血管収縮は、高血圧被験者における運動への血管拡張性応答低下の少なくとも部分的な原因である(McEniery et al, Hypertension 2002;40:202-6)。高ET-1レベルが、心筋梗塞後症候群(Omland et al, Circulation 1994;89:1573-9)及びHF(Wei et al, Circulation 1994;89:1580-6)、また慢性閉塞性肺疾患(COPD) (Ferri et al, J Clin Pathol 1995;48:519-24)等の運動能力低下と関連した症状で見つかっている。HF患者において、ET-1と最大VO2との相関性が以前に示唆されている (Kinugawa et al, J Card Fail 2003;9:318-24)。HF患者は既に運動試験なしでのET-1を含む神経ホルモンのアップレギュレーションを呈しているかのうように見える。若い人間における運動強度及び持続運動トレーニングのプラズマエンドセリン−1濃度及び動脈伸展性における効果が発表されている (Otsuki et al., Experimental biology and medicine, 2006, 231, No. 6, 789-793)。
本発明の目的は、非選択性患者、特に心不全を持たない被験者における最大VO2のマーカーの提供にあった。
このため、本発明の対象は、心不全を持たない被験者の最大VO2(<14ml/kg/min)低下の予測のためのインビトロな方法である:
・前記被験者から得られたサンプル中のプローエンドセリンー1(ProET-1)又は少なくとも12個のアミノ酸のその断片のレベルの決定;
・最大VOの代理マーカーとしてのプローエンドセリンー1(ProET-1)又は少なくとも12個のアミノ酸のその断片の前記レベルの使用。
本発明による方法の好ましい実施形態において、安静時の前記被験者からサンプルを採取したため、プロ−エンドセリン−1(ProET−1)又は少なくとも12個のアミノ酸のその断片の安静レベルを決定する。
本発明による方法の他の好ましい実施形態において、プロ−エンドセリン−1(ProET-1)又は少なくとも12個のアミノ酸のその断片のレベルが、更に最大体重指標自転車負荷(WLmax)に対して測定され、ここでプロ−エンドセリン−1(ProET-1)又は少なくとも12個のアミノ酸のその断片の測定は、最大VO2低下(<14 ml/kg/min)の予測のためのWLmaxの精度の向上につながる。WLmaxは、CEPT中になされた最大負荷を個体の体重で割ったものである[Watt/kg]。
VO2 max又は最大VO2とは(最大酸素消費量、最大酸素摂取量又は有酸素容量ともいう)とは、個体の体が漸増運動中に酸素を輸送及び利用する最大能力のことであり、個体の体の健康を反映するものである。VO2 maxはフィック式によって正式に定義されている:VO2 max = Q(CaO2 - CvO2)。ここで、Qは心拍出量、CaO2は動脈酸素量、及びCvO2は静脈酸素量である。一般的な臨床及び運動試験において、VO2 maxの測定には通常、段階的運動試験(トレッドミル上又はサイクルエルゴメーター上)が含まれ、吸入及び呼気した空気の換気並びに酸素及び二酸化炭素濃度を測定している間に運動強度が徐々に上がる。負荷が増えたにも関わらず酸素消費量が一定状態になった時に、VO2 maxが達成される。VO2 maxは、心臓血管の健康及び最大有酸素パワーを測る正しい尺度として広く受け入れられている。
本発明による代理マーカーは、CPETによる最大VO2の直接アセスメントの代替である。
最大VO2(VO2 max)の評価は、個体の性別と年齢を考慮に入れなくてはならない。心臓移植に頻繁に適していることから、14(ml/kg/min) 以下の最大VO2は重篤に低下していると考えることができる (http://www.brianmac.co.uk/vo2max.htm)、図3を参照。
エンドセリン−1は、より大きな前駆体分子であるプロ−エンドセリン−1から由来したものである。発表されているように、プロ−エンドセリン−1はタンパク質分解的に様々な断片にプロセッシングされうる(Struck J, Morgenthaler NG, Bergmann A. Proteolytic processing pattern of the endothelin-1 precursor in vivo. Peptides. 2005 Dec;26(12):2482-6.)。これらの断片は血液循環中にタンパク質分解され、これは断片の種類や循環系中に存在するプロテアーゼの種類及び濃度/活性に依存して、急速に又はゆっくりと起こる。このため、本発明によれば、少なくとも12個のアミノ酸、好ましくは少なくとも20個のアミノ酸の断片、更に好ましくは少なくとも30個のアミノ酸のこれらいずれの断片のレベルを測定してもよい。好ましくは、C末端プロ−ET−1(CT−proET-1)又はその断片を測定してもよい。
本発明の他の好ましい実施形態において、proBNP又はBNPもしくはNT-proBNPを含む少なくとも12個のアミノ酸のその断片のレベルをWLmaxに加えて測定し、ここでproBNP又は少なくとも12個のアミノ酸のその断片の測定は、最大VO2低下の予測のためのWLmaxの精度の向上につながる。このため、本発明によれば、少なくとも12個のアミノ酸、好ましくは少なくとも20個のアミノ酸の断片、より好ましくは少なくとも30個のアミノ酸のこれらいずれの断片のレベルを測定してもよい。
特に好ましい実施形態において、プロ−エンドセリン−1(ProET-1)又は少なくとも12個のアミノ酸のその断片のレベル及びBNP又はNT-proBNPを含むproBNP又は少なくとも12個のアミノ酸のその断片のレベルをWLmaxに加えて測定し、ここでプロ−エンドセリン−1又は少なくとも12個のアミノ酸のその断片のレベル及びproBNP又はBNPあるいはNT-proBNPを含む少なくとも12個のアミノ酸のその断片の測定によって、最大VO2低下の予測のためのWLmaxの精度の向上につながる。CT-proET-1及びBNPがこれら前駆体の断片として用いられた場合、好ましいカットオフ値は、それぞれ、74.4pmol/L及び35.9pg/mLである。このため、重篤に低下した最大VOを予測するために、これら2つのバイオマーカーを標準運動試験と共に用いることは、本発明の対象である。
本発明の対象は更に、例えば非心臓手術前のリスクアセスメントのように、最大VO2の半定量的推定が十分に思われる場合の診療でのプロ−エンドセリン−1、好ましくはCT-proET-1の使用である。狭心症、症候性HF又は糖尿病等の顕著な危険因子のない患者の低又は中リスク手術のために、ガイドラインにおいて4代謝当量の運動能力閾値が更なる非侵襲試験の必要性を決定する診断基準として示唆されている (Eagle et al, Circulation 2002;105:1257-67)。
このため、本発明の対象は、手術前のリスクアセスメントのためのCT-proET-1の使用である。BNP及びCT-proET-1の組み合わせを考慮してもよい。
本発明によれば、心不全を持たない被験者から得られた前記サンプルは血液サンプル、血清サンプル、血漿サンプルを含む群より選ばれるものである。
本発明の好ましい実施形態によれば、CT-proET-1(又はその断片)の前記レベルはサンドイッチ免疫測定法で測定される。このようなサンドイッチ免疫測定法の例が発表されている (Papassotiriou J, Morgenthaler NG, Struck J, Alonso C, Bergmann A. Immunoluminometric assay for measurement of the C-terminal endothelin-1 precursor fragment in human plasma. Clin Chem. 2006 Jun; 52(6): 1144-51)。
プロ−エンドセリン−1 (ProET-1)又はその断片の代わりに、MR-proADM、CT-proADM、アドレノメジュリン及びPAMPを含むプロ−アドレノメジュリン又は少なくとも12個のアミノ酸のその断片を含む群より選択される他の代理マーカーを用いてもよい (DE 103 16 583.5; DE 10 2006 060 11; Beltowski J, Jamroz A. Adrenomedullin-what do we know 10 years since its discovery? Pol J Pharmacol. 2004 Jan-Feb;56(l):5〜27.; Struck J, Tao C, Morgenthaler NG, Bergmann A. Identification of an Adrenomedullin precursor fragment in plasma of sepsis patients. Peptides. 2004 Aug;25(8):1369-72)。
本発明に照らして、マーカーのレベルに言及する用語である「レベル」とは、各文脈で述べた分子的実体の量を意味し、又は酵素の場合には酵素活性を意味することもできる。
ここでタンパク質又はペプチドとの関係で述べたように、用語「断片」とはより大きなタンパク質又はペプチドから由来できるより小さなタンパク質又はペプチドを意味し、このためより大きなタンパク質又はペプチドの部分配列を構成する。前記断片はより大きなタンパク質又はペプチドから、これらの1以上のペプチド結合のけん化により由来できる。
ここで述べたように「測定法」又は「診断測定法」とは、診断の領域で用いられるいかなるものでもよい。このような測定法は検出される検体の特定の親和性での1又は複数の捕捉プローブとの結合に基づいてもよい。捕捉分子と標的分子又は所望の分子の相互作用を考慮すると、親和性定数は10M−1超であることが好ましい。
好ましい検出方法として、例えば、放射性免疫測定法、化学発光及び蛍光発光免疫測定法、酵素結合免疫測定法(ELISA)、ルミネックス系ビーズアレイ(Luminex-based bead array)、タンパク質マイクロアレイ測定法等及び例えば免疫クロマトグラフィーストリップ試験等の迅速試験の様々な免疫測定法が含まれる。
測定法は、均質又は不均質測定法、競争的及び非競争的サンドイッチ測定法でもよい。特に好ましい実施形態において、測定法は非競争的免疫測定法であるサンドイッチ測定法の形であり、ここで検出及び/又は定量化される分子は第1抗体及び第2抗体に結合する。第1抗体は、例えばビーズ、ウェル又は他の容器の表面、チップ又はストリップ等の固相に結合してもよく、第2抗体は、例えば染料、放射性同位体あるいは反応性又は触媒的活性成分で標識された抗体である。そして、検体に結合した標識された抗体の量は、適切な方法で測定される。「サンドイッチ測定法」に関与する一般的な組成物及び方法は、当業者にとって十分に確立され、知られたものであり(The Immunoassay Handbook, Ed. David Wild, Elsevier LTD, Oxford; 3rd ed. (May 2005), ISBN-13: 978-0080445267; Hultschig C et al., Curr Opin Chem Biol. 2006 Feb;10(I):4-10. PMID: 16376134)、その内容を参照によって本願明細書に引用したものとする。
特に好ましい実施形態において、測定法は2つの捕捉分子、好ましくは液体反応混合物に分散系として双方とも存在している抗体を含み、ここで第1のマーキング成分は第1の捕捉分子に結合し、ここで前記第1のマーキング成分は蛍光発光又は化学発光クエンチング又は増幅を基礎とするマーキング系の一部であり、検体に捕捉分子の両方が結合する際に、サンプルを含む溶液中の形成されたサンドイッチ複合体を検出可能にする、測定可能なシグナルが発生するように、前記マーキング系の第2のマーキング成分が第2の捕捉分子に結合する。
更に好ましくは、前記マーキング系は希土類クリプタート又は希土類キレートを、特にシアニン型の染料等の蛍光発光染料又は化学発光染料との組合わせで含む。
本発明との関係において、蛍光発光系測定法は染料の使用を含み、染料は例えば、FAM(5−又は6−カルボキシフルオレスセイン)、VIC、NED、フルオレスセイン、フルオレスセインイソチオシアネート(FITC)、IRD−700/800、CY3、CY5、CY3.5、CY5.5、Cy7等のシアニン染料、キサンテン、6−カルボキシ−2',4',7',4,7−ヘキサクロロフルオロスセイン(HEX)、TET、6−カルボキシ−4',5'−ジクロロ−2',7'−ジメソジフルオレスセイン(JOE)、N,N,N',N'−テトラメチル−6−カルボキシローダミン(TAMRA)、6−カルボキシ−X−ローダミン(ROX)、5−カルボキシローダミン−6G(R6G5)、6−カルボキシローダミン−6G(RG6)、ローダミン、ローダミングリーン、ローダミンレッド、ローダミン110、BODIPY TMR等のBODIPY染料、オレゴングリーン、ウンベリフェロン等のクマリン、ヘキスト33258等のベンズイミド、テキサスレッド等のフェナントリジン、ヤキマイエロー、Alexa Fluor、PET、臭化エチジウム、アクリジニウム染料、カルバゾール染料、フェノキサジン染料、ポルフィリン染料、ポリメチン染料等を含む群より選ばれてもよい。
本発明との関係において、化学蛍光系測定法は染料の使用を含み、引用することで本明細書に組み入れるKirk- Othmer, Encyclopedia of chemical technology, 4th ed., executive editor, J. I. Kroschwitz; editor, M. Howe-Grant, John Wiley & Sons, 1993, vol.15, p. 518-562(551〜562頁の引用部分を含む)化学発光材料のために記載された自然原理を基礎とする。好ましい化学発光染料は、アクリジニウムエステルである。
測定法との関係において、「捕捉プローブ」とはサンプルから標的分子又は所望の分子、すなわち検体に結合するために用いられてもよい分子をいう。このため、標的分子又は所望の分子に特異的に結合するために、捕捉分子は空間的及び表面電荷、疎水性、親水性、ルイス供与体及び/又は受容体の存在又は不存在等の表面特徴的に十分に成形されてなければならない。これによって、結合は、例えば、イオン、ファンデルワールス、pi-pi、シグマ−pi、疎水性又は水素結合相互作用、あるいは捕捉分子及び標的分子又は所望の分子の前記相互作用の2以上の組み合わせによって仲介されてもよい。本発明との関係において、捕捉分子は、例えば、核酸分子、炭水化物分子、PNA分子、タンパク質、抗体、ペプチド又は糖タンパク質を含む群から選ばれてもよい。好ましくは、捕捉分子は抗体であり、標的又は所望の分子に十分な親和性を有するその断片、組換え抗体又は組換え抗体断片、前記抗体の化学的及び/又は生化学的に修飾された誘導体又は少なくとも12個のアミノ酸の長さである可変鎖から由来する断片を含む。
本願明細書の用いられているように、「マーカー」、「予後マーカー、パラメーター又は因子」又は「バイオマーカー」又は「生物学的マーカー」等の用語は同義で用いられており、疫病リスク、精神疾患、環境暴露及びその効果、病気の診断、代謝過程、薬物乱用、妊娠、細胞株開発、疫学的研究等の健康及び生理的に関するアセスメントの指数となる、測定可能及び定量可能な生物学的パラメーターに関連する(例えば、特異的酵素濃度、特異的ホルモン濃度、集団における特異的遺伝子表現型分布、生物学的物質の存在)。更に、バイオマーカーは、標準的な生物学的過程、発病過程、治療的介入への薬理反応の指標として客観的に測定及び評価される特徴として定義される。バイオサンプル上でバイオマーカーを測定してもよく(血液、尿、又は組織試験として)、人から得られた記録物でもよく(血圧、ECG、又はホルター)、又は画像検査でもよい(心エコー図又はCTスキャン)(Vasan et al. 2006, Circulation 113:2335-2362)。
バイオマーカーは、環境因子への暴露のレベル又は種類、遺伝的感受性、暴露への遺伝的反応、無症状又は臨床疾患のバイオマーカー、又は治療への反応の指標を含む様々な健康又は病気の特徴を示すことができる。このため、バイオマーカーを考えるのに単純な方法は、疫病特性(リスク因子又リスクバイオマーカー)、病態(前臨床又は臨床)、又は罹患率(進行)の指標とすることである。よって、バイオマーカーは、先行するバイオマーカー(病気を発症するリスクの同定)、スクリーニングバイオマーカー(無症状病気のスクリーニング)、診断バイオマーカー(発症した病気の認識)、病期バイオマーカー(疫病重症度の分類)、又は予後バイオマーカー(再発及び治療への反応を含む未来の疫病経過の予測及び治療の有効性のモニタリング)に分類できる。バイオマーカーは、代替エンドポイントとして機能してもよい。代替エンドポイントは、治療の安全性及び有効性を評価するために、所望の本当の結果の測定の代わりに、臨床試験の結果として用いることができる。基本原理は、代替エンドポイントの変更は所望の結果の変化の近くをたどることにある。代替エンドポイントの利点は、評価に大規模な臨床試験が必要となる罹患率及び死亡率等のエンドポイントより短い期間でより費用がかからずに収集できることである。代替エンドポイントの更なる有用性は、所望の暴露/介入により近い事実を含み、より遠位の臨床兆候により簡単に因果的に関連づけできうる点にある。代替エンドポイントの重要な欠点は、所望の臨床結果が多数の因子に影響を受けた場合(代替エンドポイントに加えて)、残差交絡が代替エンドポイントの有効性を減らしてしまう場合がある。所望の結果の暴露又は介入の効果の少なくとも50%を説明できれば、代替エンドポイントの有効性がより高いことが示唆されている。例えば、バイオマーカーは、タンパク質、ペプチド又は核酸分子でもよい。
本発明の「被験者」の意味とは、明記されない限り、病理学的変化を呈するか否かに関わらず、全ての人又は動物として理解される。本発明の意味において、細胞、組織、器官、生物等から収集されたいかなるサンプルも診断する患者のサンプルとすることができる。好ましい実施形態において、本発明による被験者はヒトである。
本発明に意味における「サンプル」とは、リンパ、尿、脳脊髄液、血液、唾液、血清又は糞便等の全ての生物学的組織及び全ての流体とすることができる。組織は、例えば、上皮組織、骨又は血液等の結合組織、内臓又は平滑筋及び骨格筋等の筋組織、及び神経組織、骨髄、軟骨、皮膚、粘膜又は毛髪としてもよい。本発明によれば、サンプルは患者から収集され、又は診断される。適切な場合において、例えば固体サンプルの場合、液体サンプルを得るため本発明の使用前に、サンプルを可溶化、均質化又は溶媒と共に抽出する必要がある場合がある。この結果、液体サンプルは溶液又は懸濁液でもよい。本発明での使用前に液体サンプルに1以上の前処理を行ってもよい。このような前処理として、限定されないが、希釈、濾過、遠心分離、濃縮、沈殿、沈降又は透析が挙げられる。前処理として、酸、塩基、バッファー、塩、溶媒、反応染料、界面活性剤、乳化剤又はキレート剤等の化学又は生化学物質を溶液に加えることも挙げられる。
表題:最大酸素消費量、外部負荷及びバイオマーカーの関連性。キャプション:最大酸素消費量(最大VO2)と、B型ナトリウム利尿ペプチド(BNP、パネルA)、C末端−プロ−エンドセリン−1(CT−proET-1、パネルB)及び最大体重指標外部自転車負荷(WLmax、パネルC)との相関性並びにBNPとCT-proET-1の相関性(パネルD)を示す散布図。スピアマン相関係数が与えられている。最大VO2及びBNPの対数目盛に注意する。 表題:最大酸素消費量<14ml/kg/minの予測のためのバイオマーカー単独又は外部負荷と組み合わせた場合の精度。キャプション:パネルA:レシーバー−オペレーター−特徴(Receiver-operator-characteristics、ROC)曲線が安静時のB型ナトリウム利尿ペプチド(BNP)及びC末端−プロ−エンドセリン−1(CT-proET-1)の最大VO2<14ml/kg/minの予測のためのAUC(95%の信頼区間)を示す。パネルB:ROC曲線が安静時及び最大運動時のBNP及びCT-proET-1の最大VO2<14 ml/kg/minの予測のためのAUC(95%の信頼区間)を示す。パネルC:ROC曲線が安静時のBNP及びCT-proET-1並びに最大体重指標外部自転車負荷(WLmax)の最大VO2<14ml/kg/minの予測のためのAUCを示す。より良くBNP及びCT-proET-1を比較するために、l/WLmaxのROC曲線が示されている。更に、WLmaxの最適カットオフ及びCT-proET-1及びBNP最適カットオフの組み合わせの感度及び1−特異性が示されている。最適特異性
Figure 0005415520
又は感度
Figure 0005415520
を達成するために、矢印は最適WLmaxカットオフ(→) 及びWLmax、CT-proET-1、及びBNPの組み合わせの感度及び1−特異性を示す。
女性及び男性におけるVO2 maxの平均範囲。 (a)レシーバー−オペレーター−特徴(ROC)曲線が、最大酸素消費量(最大VO)<14mL kg-1 min-1の予測のためのB型ナトリウム利尿ペプチド(BNP)、BNP系5アイテムスコア及び6アイテムスコア[C末端−プロ−エンドセリン−1(CT-pre-ET-1)の付加]の曲線(AUC)下の領域を示す。 (b)ROC曲線が、最大VO<14mL kg-1 min-1の予測のためのCT-pro-ET-1、CT-pro-ET-1系5アイテムスコア及び6アイテムスコア(BMPの付加)のAUCを示す。
まとめ
CPETについて任意抽出された患者の代表的なサンプルの本研究において、2つの重要な発見が明らかになった。第1に、安静時に測定されたCT-proET-1が最大VO2に関連し、重篤な最大VO2低下を予測するのに高い精度を有したことにより、BNPをしのいだ。第2に、CT-proET-1及びBNPの追加測定により、重篤な最大VO2低下の予測のためのWLmaxの精度が顕著に向上した。
方法
調査対象母集団
2004年5月から2005年6月にかけて、原因不明である運動不耐性の評価のためのCPETについて185人の継続患者が包含に適格であった。インフォームド・コンセントのない患者(n=12)及びCT-pro-ET-1及び/又はBNP決定のない患者(n=11)を除外した。これにより、本分析には合計で162人が残った。本研究は地域倫理委員会より承認を受けた。参加する全ての患者から書面によるインフォームド・コンセントを得た。
CPET方法
患者は、運動の各分を記録する12誘導心電図及び試験を通して心電図の継続的モニタリングを行うルーチンプロトコルを用いた症状限界直立自転車運動を行った。次の試験エンドポイントが用いられた:肉体疲労、重症狭心症、持続性心室性不整脈、又は運動性低血圧。連続的に呼気を確保し、酸素摂取量(VO)及び二酸化炭素排出量(VCO2)を平均して30秒ごとに記録した。各試験の前に3リットル注射器を用いて、このシステムの較正を行った。VCO2割るVO2で定義される呼吸商(RER)を試験を通して決定した。次の基準のうち少なくとも1以上満たした場合において、最大の努力が推定された:1.最大心拍数>80%予測、2.RER>1.2、3.最大運動における乳酸塩>4.5 mmol/1、又は4.塩基過剰>-2.5 mmol/1 (Schmid et al, Respirology 2007;12:916-23)。これらの基準はCPET研究所において長年に渡って使用されており、American Thorax Society/Amercian College of Chest Physiciansのガイドラインに要約された原理を反映するものである(ATS/ACCP Statement on cardiopulmonary exercise testing, Am J Respir Crit Care Med 2003;167:211-77)。運動能力は直接測定された最大VO2及び最大体重指標外部自転車負荷(WLmax)として表された。
血液サンプリング及び実験室方式
静脈血の検体は、肘正中静脈に前もって挿入されたカテーテルから座位で最大運動前及びその1分後に引き込まれた。これらのサンプルはエチレン−ジアミン−テトラ−アセテートを含有するプラスチックチューブの中に収集された。これらは氷上に置かれ、そして3000gで遠心分離機にかけ、血漿を−80℃で冷凍した。全ての血漿サンプルを収集してから約1年後に分析した。測定法を行った検査技師は他の場所におり、患者の特徴及びCPET結果を知らなかった。以前に発表されているように化学発光/被膜チューブフォーマットの新規に市販されている測定法(BRAHMS AG, Hennigsdorf/Berlin, Germany)を用いてCT-proET-1を検出した(Papassotiriou et al, Clin Chem 2006;52:l144-51; Khan et al, Am Heart J 2007;154:736-42)。BNP濃度を市販されているAxSYM BNP測定法を用いて決定した (Abbott Laboratories, Zug, Switzerland) (Mueller et al, Clin Chem 2004;50:1104-6)。この完全自動化微小粒子酵素免疫測定法において、2段階形式で2つのモノクローナルマウス抗体が用いられている。Biosite BNP測定法に適合するように、1〜4000pg/mlのダイナミックレンジを有する。
統計分析
他に示されていない限り、データは数字及びパーセンテージ、平均値±標準偏差及び中央値(四分位数間領域)で表される。データの正規分布はコルモゴルフ・スミルノフ検定を用いて検定された。必要に応じて、カイ2乗又はフィッシャーの直接確率検定、非対応t-検定又はノンパラメトリック検定を用いて比較を行った。安静時及び最大運動時のBNP(傾斜分布のため対数変換されている)及びCT-proET-1レベルを比較するために、反復測定の分散分析を行った。スピアマン相関係数を用いて、所望のパラメータの相関を行った。濃度及びWLmaxを通してCT-proET-1及びBNPの感度及び特異性を評価するために、ROC曲線を構築し、そして最大VO<14 ml/kg/minを検出した。このカットオフは、HFを有する患者の確立された予後値(Cappuccio et al, Eur J Clin Invest 1991;21:40-6)及び手術前重症度分類のための重篤及び中程度の運動能力低下の判別によく用いられるカットオフである4代謝当量に対応する事実を基に選ばれた(Eagle et al, Circulation 2002; 105; 1257-67)。バイオマーカー及びWLmax並びにそれらの組み合わせの最適カットオフの感度、特異性、正予測値、負予測値を計算した。ROC曲線を特化したソフトウェア(Analyse-it V2.04, Leeds, UK)を用いたDeLongらの方法を用いて比較した(DeLong et al, Biometrics 1988;44:837-45)。他の全ての統計分析はSPSS/PC (version 15.0, SPSS Inc, Chicago, IL)を用いて行った。全ての仮説検証は両側であった。p値<0.05は統計的に有意であると見なされた。
結果
患者
最大VO2<14 ml/kg/min (n=39)対14ml/kg/min (n=123)を達成した患者の特徴を表1に示す。最大VO<14ml/kg/minを有する患者は、より高齢で、より太り気味で、より冠動脈疾患、末梢動脈閉塞性疾患、慢性閉塞性肺疾患、肺高血圧症を有する傾向があり、よりベータ遮断薬、レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系の阻害薬、利尿薬、硝酸塩、アスピリン及びスタチンで治療される傾向があり、最大VO 14ml/kg/minを有する患者より症状を示した。
CPET
CPETの結果を表2に示す。最大心拍数、最大収縮期血圧、定義における運動能力の測定値は、最大VO2<14ml/kg/minを有する患者の方が、最大VO2 14 ml/kg/minを有する患者よりも低かった。最大VO<14ml/kg/minを有する患者において、最初の2つの努力呼気肺活量及び最初の2つの努力呼気肺活量と努力肺活量の比は低く、安静時の呼吸速度は速かった。最大VO 14ml/kg/minを有する患者と比べると、最大VO<14ml/kg/minを有する患者において、安静時ではなく最大運動時の酸素動脈圧及び最大運動時ではなく安静時の二酸化炭素動脈圧は低く、安静時及び最大運動時の肺胞動脈勾配は高かった。
CT-proET-1及びBNP動態
表3において、最大VO<14ml/kg/min対14ml/kg/minを有する患者の安静時及び最大運動時のバイオマーカーレベル並びに安静時から最大運動時への絶対及び相対変化を示す。最大VO 14ml/kg/minを有する患者と比べると、最大VO<14ml/kg/minを有する患者において、安静時(双方においてp<0.001)及び最大運動時(双方においてp<0.001)のCT-proET-1及びBNPレベルが高かった。最大VO<14ml/kg/min及び14ml/kg/minを有する患者の双方において、安静時から最大運動時にかけてCT-pro-ET-1及びBNPが顕著に増大した。両方のグループにおいて、CT-proET-1及びBNPの絶対及び相対変化が似ていた。
CT-proET-1、BNP及びWL max 及び最大VO 2 の関連性
図1に示すように、CT-proET-1とBNPと最大VO2間に、統計的には有意であるが中程度の相関があった(パネルA及びB)。対照的に、WLmaxとVO2は密接に関連していた(パネルC)。CT-proET-1とBNP間にも中程度の相関があった(パネルD)。
最大VO <14ml/kg/minの予測のための安静時のCT-proET-1及びBNP
図2Aにおいて、最大VO2<14ml/kg/minの予測のための安静時CT-proET-1及びBNPレベルのROC曲線を示す。CT-proET-1の曲線(AUC)下の領域は0.76[95%信頼区間(95%CI)0.68-0.84; p<O.OOl]、BNPのAUCは0.65 (95%CI 0.54-0.75; p=0.006)であった。曲線の比較により、CT-proET-1 (p=0.03)を優先して有意差が明らかになった。74.4pmol/1の最適CT-proET-1カットオフは74%の感度及び74%の特異性を有し、最大VO2<14ml/kg/minのための35.9pg/mlの最適BNPカットオフは80%の感度及び51%の特異性を有していた。
最大VO <14ml/kg/minの予測のための最大運動時のCT-proET及びBNP
図2Bにおいて、安静時だけでなく最大運動時のCT-proET-1及びBNPのROC曲線を示す。最大運動時に測定したCT-proET-1及びBNPのAUCは、それぞれ、0.76 (95%CI 0.65-0.83; p<O.OOl)及び0.65 (95%CI 0.54-0.75; p<O.OOl)であった。74.0pmol/1の最適最大運動CT-proET-1カットオフは80%の感度及び67%の特異性を有し、128.2pg/mlの最適最大運動BNPカットオフは44%の感度及び82%の特異性を有していた。このため、安静レベルで得られた情報に、最大運動時に測定された値が追加されることはなかった。
最大VO <14ml/kg/minの予測のためのバイオマーカーと組み合わせたWL max
予想したように、WLmaxは最大VO<14ml/kg/minの予測のための精度が完璧ではなかったものの高かった[AUC 0.92 (95%CI 0.88-0.96); p<0.001]。1.22Watts/kgの最適カットオフは、87%の感度及び85%の特異性を有していた。図2Cに示すように、WLmaxのAUC(体重1キログラム当たりI/Wattとしてプロットされている)は、BNP(p<0.001)及びCT-proET-1(p<0.001)のものよりも良かった。ここで留意すべき点は、100%の感度(特異性67%)を達成するために1.50Watt/kgのカットオフが必要であったこと、及び0.72Watt/kg(感度15%)のWLmaxカットオフが選ばれた場合において100%の特異性を達成できたことである。
表4において、WLmax及びバイオマーカー並びにその組み合わせの最適カットオフの試験特性を示す。CT-proET-1又は/及びBNPの更なる使用により、最大VO2<14ml/kg/minの予測のためのWLmaxの特異性及び正予測値がそれぞれ85%及び65%からそれぞれ97%及び85%まで向上した。一方、いかなる病理試験値(すなわち、BNP<35.9pg/ml、CT-pro-ET<74.4pmol/1, WLmax>1.22Watt/kg)も持たない最大VO2<14ml/kg/minを有する患者はいなかった。すなわち、この組み合わせの感度及び負予測値は100%であったが、最適WLmaxカットオフ単独での感度及び負予測値はそれぞれ85%及び95%であった。
図2Cにおいて、最大VO2<14ml/kg/minの予測のためのWLmaxに加えたCT-proET-1及びBNPの影響が視覚化されている。特に、CT-proET-1又はCT-proET-1及びBNPの組み合わせが、WLmaxの最適カットオフの感度と特異性を向上できることが明らかになる。最大VO2<14mL kg−1 min−1の予測のための他のパラメーターとBNP及びCT-proET-1を組み合わせた。
FEV, D(A-a)O2のAUC及び最大VO2<14mL kg−1 min−1の予測のためのBMIは、それぞれ、0.77 [95%信頼区間l (95%CI) 0.68-0.87; P<0.001],0.76 (95%CI 0.66-0.85; P<0.001)及び0.65 (95%CI 0.53-0.78; P=0.01)であった。表4において、最適カットオフ及び試験特性を示す。PaCO2のAUCは統計的に有意な結果を明らかにしなかった(P=0.07)。FEV1<1.88L、D(A-a)O2>28mmHg、BMI>28kg m−2、糖尿病の存在及びBNP>37.2pg mL−1の1スコアポイントを有する5アイテムスコアは、0.88のAUCを有していた(図4a)。このスコアがCT-proET-1>74.4pmol L−1の他のスコアポイントを有する6アイテムスコアまで拡張された場合、この6アイテムスコアのAUCは0.92まで増大した(図4a)。ゼロのスコアは100%の感度及び負予測値を有し、6のスコアは100%の特異性及び正予測値を有した(表4)。FEV1、D(A-a)O2、BMI、糖尿及びCT-proET-1の>74.4pmol L)1で似たような5アイテムスコアが構築された場合、このスコアのAUCは0.91(図4b)であった。
CT-proET-1及びBNPの更なる最大VO2カットオフ
Weber分類(Weber et al., Circulation 1987; 76: VI40-5.)によると運動能力低下のカットオフである最大VO2<20mL kg-1 min-1 (n = 90)の予測のための2つのバイオマーカーの精度も決定した。BNP及びCT-proET-1のAUCは、それぞれ、0.76 (95%CI 0.68-0.84; P<0.001)及び0.75(95%CI 0.67-0.84; P<0.001)であった。対照的に、CPETガイドライン(ATS/ACCP statement on cardiopulmonary exercise testing, Am J Respir Crit Care Med 2003; 167: 211-77.)によると運動能力低下のカットオフである、予測値(n=103)の最大VO2 84%の予測のためのBNP及びCT-proET-lのAUCは、それぞれ、0.63(95%CI 0.53-0.73; P=0.02)及び0.58(95%CI 0.47-0.68; P=0.17)であった。
Figure 0005415520
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Claims (12)

  1. 心不全を持たない被験者の最大VOの測定の代理としてのインビトロな方法であって、
    ・前記被験者から得られたサンプル中のプロ−エンドセリン−1(ProET-1)又は少なくとも12個のアミノ酸のその断片のレベル決定するステップと、
    ・最大VO2の代理マーカーとして、プロ−エンドセリン−1(ProET-1)又は少なくとも12個のアミノ酸のその断片の前記レベルを使用するステップと
    を含むインビトロな方法。
  2. 前記サンプルが安静時の前記被験者から得られたものであり、これによりプロ−エンドセリン−1(ProET-1)又は少なくとも12個のアミノ酸のその断片の安静時のレベルが決定される請求項1記載の方法。
  3. 重篤な最大酸素消費量低下の評価のための請求項1又は2記載の方法。
  4. プロ−エンドセリン−1(ProET-1)又は少なくとも12個のアミノ酸のその断片のレベルをWLmaxに加えて測定し、プロ−エンドセリン−1(ProET-1)又は少なくとも12個のアミノ酸のその断片の測定が、最大VO2低下の予測のためのWLmaxの精度を向上する請求項1から3のいずれか1項記載の方法。
  5. proBNP又はBNPあるいはNT-proBNPを含む12個のアミノ酸のその断片のレベルを更に測定する請求項1から4のいずれか1項記載の方法。
  6. CT-proET-1が測定され、74.4(+/-20%)pmol/Lの閾値が用いられる請求項1から5のいずれか1項記載の方法。
  7. BNPが測定され、35.9(+/-20%)pg/mLの閾値が用いられる請求項5記載の方法。
  8. 前記サンプルが血液サンプル、血清サンプル、及び血漿サンプルを含む群より選択される請求項1から7のいずれか1項記載の方法。
  9. サンドイッチ免疫測定法でプロ−エンドセリン−1(ProET-1)又は少なくとも12個のアミノ酸のその断片の前記レベルが測定される請求項1から8のいずれか1項記載の方法。
  10. プロ−エンドセリン−1(ProET-1)又は少なくとも12個のアミノ酸のその断片のレベルを決定することに加えて、最大VOと相関性を有する多数のn追加マーカーを測定し、ここで前記マーカーの得られた結果が前記被験者の重篤な最大酸素消費量低下の増大した確率を示すか否かによって各マーカーに1又は0の値を割り当て、全ての前記マーカーに割り当てた値の合計からスコアを計算し、かくして0からn+1の間のスコアが得られ、そして高いスコアが前記被験者の重篤な最大酸素消費量低下の高めの確率に割り当てられる請求項3から9のいずれか1項記載の方法。
  11. 前記追加マーカーがFEV、肥満度指数、肺胞動脈勾配、糖尿病の存在及びproBNP又はBNPあるいはNT-proBNPを含む少なくとも12個のアミノ酸のその断片である請求項10記載の方法。
  12. 非心臓出術の候補であると考えられる患者のリスクアセスメントのための請求項1から11のいずれか1項記載の方法の使用。
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