JP6062532B2 - 失神の診断、予後診断、評価、および治療の層別化のためのバイオマーカー - Google Patents

失神の診断、予後診断、評価、および治療の層別化のためのバイオマーカー Download PDF

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Description

本発明は、臨床診断法の分野に関する。特に、本発明は、失神の診断および/または予後診断および/または評価および/または治療の層別化に関する。
明白かつ明確な病因が存在しない状況下で一過性意識障害(TLOC)を判断することは、複雑な課題である。TLOCは、外傷性形態および非外傷性形態に分けられ、非外傷性TLOCは、てんかん発作、心因性偽性失神、稀なその他の原因、および失神に分類される。診断が確定されない大半の症例の基礎をなす原因は、脳潅流低下をもたらす一時的な循環機能障害であり、従来は失神エピソードとして分類されている(Blancら、2002年、Eur Heart J、23巻:815〜820頁;Bartolettiら、2006年、Eur Heart J、27巻:83〜88頁)。
失神とは、急速な発症、短い持続、および、前兆を伴わずに生じることが多い、自発的で完全な回復を特徴とするTLOCである。特に、失神は、神経調節反射性失神(NMS)、起立性低血圧症(OH)、および心原性失神(不整脈性または構造的)に分けることができるが、それほど頻回には生じない状態も発生しうる(Moyaら、2009年、Heart J、30巻:2631〜2671頁)。
NMSは通例、最も関与する遠心経路、すなわち、交換神経遠心経路または副交感神経遠心経路に基づき分類される、すなわち、直立状態における血管収縮性緊張の喪失に起因する低血圧が優勢である場合は、血管抑制型失神という用語が用いられ、徐脈または収縮不全が優勢である場合は、心臓抑制型失神という用語が用いられ、両方の機構が存在する場合は、混合型と診断される。さらに、NMSはまた、その誘因(すなわち、求心経路)に基づいて、血管迷走神経性失神(VVS)、状況失神(ある特殊な状況と関連するNMS)、頸動脈洞反射過敏(CSH)、および不定型(NMSが不確定の誘因で生じるか、または、むしろ見かけ上誘因なしで生じる)に分類される。
NMSとは対照的に、起立性低血圧症では、交換神経の遠心性の活動が慢性的に損なわれることから、血管収縮が不完全となる。起立すると、血圧(BP)が降下し、失神または失神性のめまいを生じる。OHは、起立時におけるBPの異常な低下と定義される。病態生理的観点から厳密に述べれば、NMSとOHとの間には重複は存在しないが、2つの状態の臨床徴候は高頻度で重複し、場合により、鑑別診断を困難とする(Moyaら、2009年、Heart J、30巻:2631〜2671頁)。OHは、古典的OH(起立後3分以内の収縮期BPの低下≧20mmHgおよび拡張期BPの低下≧10mmHgと定義される(J Neurol Sci、1996年、144巻:218〜219頁))、初期OH(短時間の低血圧および症状を結果としてもたらす、起立直後におけるBPの低下>40mmHgおよびBPの自発的かつ急速な正常状態への回復を特徴とする(Wielingら、2007年、Clin Sci(Lond)、112巻:157〜165頁))、遅延性(進行性)OH(直立姿勢を取るときの収縮期BPが、緩徐かつ進行性で低下することを特徴とする(GibbonsおよびFreeman、2006年、Neurology、67巻:28〜32頁))、および体位性起立性頻脈症候群(POTS)(毎分>30拍の増大または毎分>120拍への増大という極めて著しい心拍数およびBPの不安定性を特徴とする(Grubbら、1997年、Pacing Clin Electrophysiol、20巻:2205〜2212貢))に分けることができる。
心原性失神は、不整脈(徐脈、頻脈)または構造的疾患(例えば、心弁疾患、急性心筋梗塞/虚血、冠動脈の先天性異常、肺高血圧症など)により引き起こされうる。
失神の分類についての概観を、図1に示す。
現行の失神ガイドラインによれば、2つの主要な調査ラインである、長期にわたるECGモニタリングに基づく先端的な心臓評価と、ヘッドアップティルト試験(HUTT)が中心的な役割を果たす自律神経検査とが推奨される(Moyaら、2009年、Heart J、30巻:2631〜2671頁)。調査ラインの選び出しは、患者の病歴および失神情況に依存することが多い。
ECGモニタリングは、間欠性の徐脈性不整脈および頻脈性不整脈を診断するための手順である。失神を診断するためのゴールドスタンダードは、症状と報告された不整脈との間の相関が記録される場合である。一般原則として、ECGモニタリングは、検査前に失神と関連する不整脈を同定する可能性が高い場合に限り要される。
自律神経検査では、起立負荷(背臥位から直立位への変化)により、静脈還流および心拍出量の低下をもたらす、胸部から下肢への血液の移動がひき起こされる。補償的機構が存在しない状況下でBPが降下することにより、失神がもたらされうる。現在のところ、背臥から直立への姿勢の変化に対する応答を評価するための2つの異なる方法が存在しており、すなわち、患者が背臥から直立へと能動的に起立する能動起立試験と、他の方法は、60または70°のヘッドアップティルトである。能動起立試験は、血圧計を用いて、異なる種類の起立不耐症を診断するのに用いられる。ティルト試験は、実験室環境における神経調節性反射の再現を可能とする。起立性ストレスおよび不動に起因する血液の滞留および静脈還流の低下は、反射を誘発する。しかし、診断プロセスは、時間がかかり、常に成功するとは限らない(Crociら、2002年、Europace、4巻:351〜355頁)。
結果が不均一な異なる種類の失神を伴う患者において、血管作用性ホルモンの循環レベルが研究されている。VVSを伴う患者では、アルギニンバソプレッシン(AVP)について、ベースライン(HUT試験の前)における差違は見出されなかった(Kaufmannら、1991年、Lancet、338巻:8782〜8783頁;Kaufmannら、1992年、Neurology、42巻:590〜593頁;Jardineら、1997年、Am J Cardiol、79巻:1302〜1306頁;Roulら、1999年、Pacing Clin Electrophysiol、22巻:1020〜1030頁;Theopistouら、2001年、Am J Cardiol、88巻:376〜381頁)。HUT試験の結果が陽性の群(VVSを伴う患者として分類される)では、陰性のHUT試験群と比較して、成熟AVPの増大がより顕著なことが示された(Jardineら、1997年、Am J Cardiol、79巻:1302〜1306頁;Roulら、1999年、Pacing Clin Electrophysiol、22巻:1020〜1030頁;Kaufmannら、1991年、Lancet、338巻:8782〜8783頁;Kaufmannら、1992年、Neurology、42巻:590〜593頁;Theopistouら、2001年、Am J Cardiol、88巻:376〜381頁)。さらに、心臓抑制型反射性失神を伴う患者と血管抑制型反射性失神を伴う患者との間では、C末端プロAVP(CT−プロAVP)としてもまた公知のプロAVP前駆体の安定的断片である、コペプチンのレベルは異なっていなかった(Holmegardら、2012年、Scand J Clin Lab Invest、印刷中)。同様に、VVSを伴う患者でも、心房性ナトリウム利尿ペプチドまたは脳性ナトリウム利尿ペプチド(ANPまたはBNP)についての差違は見出されなかった(Jardineら、1997年、Am J Cardiol、79巻:1302〜1306頁;Roulら、1999年、Pacing Clin Electrophysiol、22巻:1020〜1030頁;Magerkurthら、2005年、Clin Autonom Res、15巻:299〜301頁)。これに対し、Holmegardらは、心臓抑制型失神を伴う患者では、血管抑制型反射性失神を伴う患者と比較して、プロANP前駆体の安定的な断片である、中間領域プロ心房性ナトリウム利尿ペプチド(MR−プロANP)のレベルは高いが、BNPのレベルは群間で異ならないことについて報告した(Holmegardら、2012年、Scand J Clin Lab Invest、印刷中)。同様に、Jardineらは、正常対象およびVVSのティルトの間にANPが低下し、これは正常集団においてより顕著であることを実証した(Jardineら、1997年、Am J Cardiol、79巻:1302〜1306頁)。これらの結果とは対照的に、Freitasらは、神経調節性失神を伴う患者の間では、神経原性OHを伴う患者と比較して、BNPの背臥レベルが際立って低いが、ANPのレベルは変化しないことについて報告した(Freitasら、2007年、Int J Cardiol、116巻:242〜248頁)。さらに、神経調節性失神を伴う患者の間では、神経原性OHを伴う患者と比較して、ANPおよびBNPの両方の(Δティルト/基礎)の差は、異なっていなかった。Gajekらは、心臓抑制型反射を伴う患者におけるベースラインのアドレノメジュリン濃度には、自然発症性の失神を伴うそれらの患者と、薬物誘導性失神を伴う患者との間で差違が見られないことについて報告した(Gajekら、2004年、Pol Merkur Lekarski、17巻:267〜270頁)。
CSHを伴う患者では、健常対照または性状不明の失神を伴う患者と比較して、ベースラインのAVPレベルに差違が見出されなかったが、CSHを伴う患者および性状不明の失神を伴う患者におけるAVPは、ティルトの間に著明な増大を示し、これは、健常対象では明らかでなかった(Kennyら、1987年、Cardiovasc Res、21巻:545〜550頁)。
VVSの病歴を有していないが、多少の起立不耐症は有する健常ボランティアにおいて、HUTTの間に失神を経た対象では、失神を伴わなかった対象と比較して、ベースラインにおける血清エンドセリンレベルが著明に高かった(Magerkurthら、2005年、Clin Autonom Res、15巻:299〜301頁)。なおさらに、その著者らは、これらの結果が、血管迷走神経性失神への傾向を伴う対象におけるエンドセリン放出の恒常的な増進を指し示すこと、並びに、今後の研究では、血清エンドセリンレベルが、血管迷走神経性失神を診断するための特異度および感度を増大させうるのかどうかについて調査しなければならないことを言明した。VVSを伴う患者および正常対象のいずれにおいても、HUT試験の間にET−1が増大したが、この増大は、VVSを伴う患者においてより顕著であった(Kaufmannら、1991年、Lancet、338巻:8782〜8783頁)。これに対し、Mehtaらは、失神の病歴および陰性のHUTT結果を伴う患者では、陽性のHUTT結果を伴う患者と比較して、ベースラインのエンドセリンレベルが著明に高いことについて報告した(Mehtaら、1995年、Am J Cardiol、76巻:86〜88頁)。しかし、心臓抑制型、血管抑制型、および混合型の失神亜型の間では差違が見られず、時間を適合させた試料の間でも差違が見られなかった。
アドレノメジュリン(ADM)が、健常ボランティアにおいて研究され、対象は、下半身陰圧試験(LBNP)に従い、起立負荷に対する耐性が高い(失神を伴わない)対象と、低い(失神性症状)対象へと分けられた(Gasiorowskaら、2005年、J Physiol Pharmacol、56巻:179〜193頁)。起立負荷に対する耐性が低い対象では、耐性が高い対象と比較して、ADMのベースライン値が著明に高かったが、試験の間、ADMは、いずれの群でも同様に増大した。
しかし、これらの研究にもかかわらず、ESCガイドラインが2009年に公開される(Moyaら、2009年、Heart J、30巻:2631〜2671頁)前には、失神を伴う患者のための診断のゴールドスタンダードは存在せず、結果として、異なる形態の起立性の不安定性およびそれらの失神発作との関係に関する合意は得られなかったことに注意することが重要である。さらに、上記で記載したバイオマーカー研究は、選択された小さな患者系列に対して、大半は健常な個体と比較して実施されたものであり、根本的機構の全スペクトルを包摂したわけではなかった。したがって、失神の具体的な種類の診断は難題であり、それほど信頼できるものではなかった。
さらに、信頼できる診断は、適切な治療を選択するのに重要な前提条件である。治療の目標は主に、再発および関連する傷害の防止ならびに生活の質の改善である。神経調節性失神のための治療の選択肢は、例えば、身体的抵抗圧力法(physical counterpressure manoeuvres:PCM)(例えば、脚部を交叉させること、または手掌部を握って腕部を引っ張り合うことなど、脚部または腕部の等尺性PCM)およびティルトトレーニング、ならびに薬理学的治療(例えば、α−アンタゴニストであるミドドリン)および心臓ペーシングである。Brignoleにより、とりわけ、心臓抑制を伴うCSHにおける重度の神経調節性失神を伴う患者では、能動的なペースメーカー治療により、失神再発が著明に低減されることが報告されている(口頭発表、American College of Cardiology、Chicago USA、2012年3月24〜27日)。実のところ、重度の心臓抑制の非存在下では、ペーシングは、禁忌である。したがって、失神の重症度についての正確な診断および評価が必須である。
失神と関連する予後診断(すなわち、危険性の層別化)に関しては、2つの重要な要素である(i)死亡および致死性事象の危険性ならびに(ii)失神の再発および身体傷害の危険性について考慮すべきである。
したがって、本発明の目的は、失神の診断および/または予後診断および/または評価および/または治療の層別化を可能とする方法を提供することである。
本発明の主題は、患者における失神の診断および/または予後診断および/または評価および/または治療の層別化のための方法であって、
・ 前記患者の体液試料中の、プロADM、プロANP、プロBNP、プロAVP、プロET−1、およびPCTからなる群から選択される、少なくとも1つのバイオマーカー、または少なくとも12アミノ酸のその断片のレベルを決定するステップと、
・ 少なくとも1つのバイオマーカーの前記レベルを、失神の診断および/または予後診断および/または評価および/または治療の層別化と相関させるステップと
を含む方法である。
好ましい方法の変化形は、従属請求項において記載される。
失神亜型の分類を示す図である。 失神を診断するための、MR−プロANP値についての箱ひげ図である。 失神を診断するための、MR−プロADM値についての箱ひげ図である。 失神を診断するための、CT−プロET−1値についての箱ひげ図である。 失神を診断するための、CT−プロAVP値についての箱ひげ図である。 失神を診断するための、PCT値についての箱ひげ図である。 MR−プロANPとVVSとの間の直線関係を示す図である。 CT−プロET−1とVVSとの間の直線関係を示す図である。 CT−プロET−1とOHとの間の直線関係を示す図である。 MR−プロANPとCSHとの間の直線関係および閾値様効果を示す図である。 CT−プロET−1と心臓抑制型反射との間の直線関係を示す図である。 CT−プロAVPと初期OHとの間の閾値効果を示す図である。
本発明の主題は、患者における失神の診断および/または予後診断および/または評価および/または治療の層別化のための方法であって、
前記患者の体液試料中の、プロADM、プロANP、プロBNP、プロAVP、プロET−1、およびPCTからなる群から選択される、少なくとも1つのバイオマーカーまたは少なくとも12アミノ酸のその断片のレベルを決定するステップと、
少なくとも1つのバイオマーカーの前記レベルを、失神の診断および/または予後診断および/または評価および/または治療の層別化と相関させるステップと
を含む方法である。
失神は、急速な発症、短い持続、および自発的で完全な回復を特徴とする、一過性の全脳潅流低下に起因する一過性意識障害と定義される(Moyaら、2009年、Heart J、30巻:2631〜2671頁)。
VVSは、顕著な低血圧および/または徐脈/収縮不全の特徴的パターンと関連する失神の再現と定義される。
CSHは、≧50mmHgのSBPの降下および/または>3秒間の収縮不全と定義される。
OHは、持続的な収縮期BP(SBP)の低下が≧20mmHgおよび/もしくは拡張期BP(DBP)の低下が≧10mmHg、または収縮期BPが<90mmHg(ティルト相から3分間以内を古典的OH;および3〜20分間の間を遅延性OH)と定義されるが、POTSは、起立位において、>30/分の心拍数の増大または>120/分の頻脈を伴う、起立不耐症の特徴的症状を有する。初期OHは、起立後15秒以内に、SBPでは>40mmHgかつ/またはDBPでは>20mmHgの脳潅流低下の症状を伴う一過性のBPの低下が生じる場合に出現し、そして典型的な失神情況は患者によって報告される(Wielingら、2007年、Clin Sci(Lond)、112巻:157〜165頁)。
心臓抑制型失神は、10秒間超にわたる、40bpm未満の心室レートまでの心拍数の降下、または>3秒間の収縮不全と定義されるが、血管抑制型反射は、失神時におけるそのピークからの心拍数の≦10%の下降と定義される(Brignoleら、2000年、Europace、2巻:66〜76頁)。
本明細書で言及される「アッセイ」または「診断アッセイ」は、診断法の分野において適用される任意の種類でありうる。このようなアッセイは、検出される分析物の、1つまたは複数の捕捉プローブへの、一定のアフィニティーでの結合に基づきうる。捕捉分子と標的分子または目的の分子との間の相互作用に関して、アフィニティー定数は、好ましくは、10−1を超える。
本発明の文脈では、「捕捉分子」は、試料に由来する標的分子または目的の分子、すなわち、分析物(すなわち、本発明の文脈では、(1つまたは複数の)ペプチド)に結合させるのに用いうる分子である。したがって、捕捉分子は、空間的に、かつ、表面電荷、疎水性、親水性、ルイス供与体および/またはルイス受容体の存在または非存在などの表面特徴の点で、標的分子または目的の分子に特異的に結合するのに適正な形状でなければならない。本明細書では、結合は、例えば、イオン性相互作用、ファンデルワールス相互作用、パイ−パイ相互作用、シグマ−パイ相互作用、疎水性相互作用、もしくは水素結合による相互作用、または捕捉分子と標的分子または目的の分子との間の前述の相互作用のうちの2つ以上の組合せを媒介しうる。本発明の文脈では、捕捉分子は、例えば、核酸分子、炭水化物分子、PNA分子、タンパク質、抗体、ペプチド、または糖タンパク質を含む群から選択することができる。好ましくは、捕捉分子は、標的または目的の分子に対する十分なアフィニティーを伴うその断片を含めた抗体であり、組換え抗体または組換え抗体断片のほか、長さが少なくとも12アミノ酸のその変異体鎖に由来する前記抗体または断片の、化学的および/または生化学的に修飾された誘導体を含めた抗体である。
好ましい検出法は、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)、化学発光イムノアッセイおよび蛍光イムノアッセイ、酵素免疫測定アッセイ(ELISA)、Luminexベースのビーズアレイ、タンパク質マイクロアレイアッセイなどの多様なフォーマットにおけるイムノアッセイを含み、例えば、免疫クロマトグラフィーストリップ検査などの迅速検査フォーマットを含む。
アッセイは、均一系アッセイの場合もあり、不均一系アッセイの場合もあり、競合的アッセイおよび非競合的アッセイの場合もある。特に好ましい実施形態では、アッセイは、非競合的イムノアッセイであるサンドイッチアッセイの形態であり、検出および/または定量化される分子を第1の抗体および第2の抗体へと結合させる。第1の抗体は、固相、例えば、ビーズ、ウェルまたは他の容器の表面、チップまたはストリップへと結合させることができ、第2の抗体は、例えば、色素、放射性同位元素、または反応性部分もしくは触媒性の活性部分で標識された抗体である。次いで、分析物と結合した標識抗体の量を適切な方法で測定する。当業者には、「サンドイッチアッセイ」に関与する一般的な組成物および手順が十分に確立されており、公知である(参照により本明細書に組み込まれる、The Immunoassay Handbook、David Wild編、Elsevier LTD、Oxford;3版(2005年5月)、ISBN−13:978−0080445267;Hultschig Cら、Curr Opin Chem Biol.、2006年2月、10巻(1号):4〜10頁;PMID:16376134)。
特に好ましい実施形態では、アッセイは、いずれも液体の反応混合物中の懸濁物として存在する2つの捕捉分子、好ましくは抗体を含むアッセイであり、第1の標識成分が、第1の捕捉分子へと付着され、前記第1の標識成分が、蛍光発光−消光もしくは蛍光増幅または化学発光−消光もしくは化学発光増幅に基づく標識系の部分であり、前記マーキング系の第2の標識成分が、両方の捕捉分子が分析物へと結合すると、測定可能なシグナルを発生させ、これにより、試料を含む溶液中で形成されたサンドイッチ複合体の検出を可能とするように、第2の捕捉分子へと付着される。
なおより好ましくは、前記標識系は、蛍光色素または化学発光色素、特に、シアニン型の色素と組み合わせた、希土類クリプテートまたは希土類キレートを含む。
なおより好ましくは、前記標識系は、蛍光色素または化学発光色素、特に、シアニン型の色素と組み合わせた、希土類クリプテートまたは希土類キレートを含む。本発明の文脈では、蛍光ベースのアッセイは、例えば、FAM(5−カルボキシフルオレセインまたは6−カルボキシフルオレセイン)、VIC、NED、フルオレセイン、イソチオシアン酸フルオレセイン(FITC)、IRD−700/800、CY3、CY5、CY3.5、CY5.5、CY7などのシアニン色素、キサンテン、6−カルボキシ−2’,4’,7’,4,7−ヘキサクロロフルオレセイン(HEX)、TET、6−カルボキシ−4’,5’−ジクロロ−2’,7’−ジメトキシフルオレセイン(JOE)、N,N,N’,N’−テトラメチル−6−カルボキシローダミン(TAMRA)、6−カルボキシ−X−ローダミン(ROX)、5−カルボキシローダミン−6G(R6G5)、6−カルボキシローダミン−6G(RG6)、ローダミン、ローダミングリーン、ローダミンレッド、ローダミン110、BODIPY TMRなどのBODIPY色素、Oregon Green、Umbelliferoneなどのクマリン、Hoechst 33258などのベンズイミド;Texas Redなどのフェナントリジン、Yakima Yellow、Alexa Fluor、PET、臭化エチジウム、アクリジニウム色素、カルバゾール色素、フェノキサジン色素、ポルフィリン色素、ポリメチン色素などを含む群から選択しうる、色素の使用を含む。
本発明の文脈では、化学発光ベースのアッセイは、551〜562頁における引用文献を含め、参照により本明細書に組み込まれる、Kirk−Othmer、Encyclopedia of chemical technology、4版、J.I.Kroschwitz責任編集;M.Howe−Grant編、John Wiley & Sons、1993年、15巻、518〜562頁において、化学発光材料について記載される、物理的原理に基づく色素の使用を含む。好ましい化学発光色素は、アクリジニウムエステルである。
本発明の文脈では、「診断」は、対象における疾患または臨床状態の認識および(早期の)検出に関し、また、鑑別診断も含みうる。
「評価」という用語は、患者における疾患の重症度の査定に関する。
本発明では、「予後診断」という用語は、対象の(例えば、患者の)医学的状態が、どのようにして進行するのかについての予測を表す。これは、前記対象について、回復の見込みまたは有害な転帰(例えば、失神発作の再発または死亡)の見込みについての推定を包含しうる。
本明細書で用いられる「患者」という用語は、疾患のために医療ケアを施されているか、または医療ケアを施されるべき生存しているヒトまたは非ヒト生物を指す。これは、規定された疾病は伴わないが、病態の徴候について調査されつつある者を包含する。したがって、本明細書で記載される方法およびアッセイは、ヒト疾患および獣医学的疾患のいずれにも適用可能である。
本明細書で用いられる「試料」という用語は、患者など、目的の対象の診断、予後診断、または査定を目的として得られる体液試料を指す。好ましい被験試料には、血液、血清、血漿、脳脊髄液、尿、唾液、痰、および胸水が含まれる。加えて、当業者であれば、被験試料によっては、画分化手順または精製手順、例えば、全血液の、血清成分または血漿成分への分離に従い、より容易に解析されることについて認識するであろう。
したがって、本発明の好ましい実施形態では、試料は、血液試料、血清試料、血漿試料、脳脊髄液試料、唾液試料、および尿試料、または前述の試料のうちのいずれかの抽出物を含む群から選択される。好ましくは、試料は、血液試料、最も好ましくは、血清試料または血漿試料である。
(1つまたは複数の)診断的マーカーおよび予後診断的マーカーの使用に言及して本明細書で用いられる「〜を相関させること」という用語は、患者における(1つまたは複数の)マーカーの存在またはレベルを、所与の状態を患うことが知られているか、または所与の状態の危険性があることが知られている患者におけるその存在または量と比較することを指す。患者試料中のマーカーレベルは、具体的な診断と関連することが公知のレベルと比較することができる。試料のマーカーレベルは、診断と相関していたという、すなわち、当業者は、マーカーレベルを用いて、患者が疾患の具体的な種類を患い、これに応じて応答するのかどうかを決定することができる。代替的に、試料のマーカーレベルは、良好な転帰(例えば、疾患の非存在など)と関連することが公知のマーカーレベルと比較することもできる。好ましい実施形態では、マーカーレベルのパネルは、全般的可能性または特定の転帰と相関する。
診断的検査および/または予後診断的検査の感度および特異度は、検査の解析的「品質」だけを超えたものに依存し、また、何が異常な結果を構成するのかについての規定にも依存する。実際、ROC(Receiver Operating Characteristic)曲線は、典型的には、変数の値を、「正常」(すなわち、見かけ上健常な)集団および「疾患」集団(すなわち、糖尿病、インスリン抵抗性、および/またはメタボリック症候群を患う患者)におけるその相対度数と対比してプロットすることにより計算する。任意の特定のマーカーについて、疾患を伴う対象のマーカーレベルの分布と、疾患を伴わない対象のマーカーレベルの分布とは、重複する可能性が高い。このような条件下では、検査は、正常を疾患から、100%の精度で絶対的に識別するとは限らず、重複領域は、検査が正常を疾患から識別できないのはどこかを指し示す。それを上回れば(または、疾患によりマーカーがどのように変化するのかに応じて、それを下回れば)検査は異常であると考えられ、それを下回れば検査は正常であると考えられる閾値が選択される。ROC曲線下面積は、認知された測定値が、状態の適正な同定を可能とする可能性の尺度である。ROC曲線は、検査結果が、必ずしも正確な数を示さない場合もなお用いることができる。結果をランク付けしうる限りにおいて、ROC曲線を作成することができる。例えば、「疾患」試料についての検査結果であれば、程度(例えば、1=低度、2=正常、および3=高度)に従いランク付けしうるであろう。このランク付けは、「正常」集団における結果と相関する場合もあり、ROC曲線を作成することができる。当技術分野では、これらの方法が周知である(例えば、Hanleyら、1982年、Radiology、143巻:29〜36頁を参照されたい)。好ましくは、ROC曲線は、約0.5を超える、より好ましくは約0.7を超える、さらにより好ましくは約0.8を超える、なおより好ましくは約0.85を超える、および最も好ましくは約0.9を超えるAUCを結果としてもたらす。この文脈における「約」という用語は、所与の測定値の±5%を指す。
ROC曲線の水平方向の軸は、(1−特異度)を表し、これは、偽陽性率と共に増大する。曲線の垂直方向の軸は、感度を表し、真陽性率と共に増大する。したがって、選択された特定のカットオフについて、(1−特異度)の値を決定することができ、対応する感度を得ることができる。ROC曲線下面積は、測定されたマーカーレベルが、疾患または状態の適正な同定を可能とする可能性の尺度である。したがって、ROC曲線下面積を用いて、検査の有効性を決定することができる。
ある種の実施形態では、マーカーおよび/またはマーカーパネルを、少なくとも約70%の特異度、より好ましくは少なくとも約80%の特異度、なおより好ましくは少なくとも約85%の特異度、さらにより好ましくは少なくとも約90%の特異度、最も好ましくは少なくとも約95%の特異度と組み合せた、少なくとも約70%の感度、より好ましくは少なくとも約80%の感度、なおより好ましくは少なくとも約85%の感度、さらにより好ましくは少なくとも約90%の感度、最も好ましくは少なくとも約95%の感度を呈示するように選択する。特に好ましい実施形態では、感度および特異度のいずれもが、少なくとも約75%、より好ましくは少なくとも約80%、なおより好ましくは少なくとも約85%、さらにより好ましくは少なくとも約90%、最も好ましくは少なくとも約95%である。この文脈における「約」という用語は、所与の測定値の±5%を指す。
疾患の発生が、集団内の心血管マーカーの四分位数と相関している場合、閾値レベルは、例えば、カプラン−マイヤー解析から得ることができる。本発明によれば、この解析に従い、第3四分位数を上回る心血管マーカーレベルを伴う対象は、疾患に罹患する危険性が著明に大きい。この結果は、古典的危険性因子についての完全な補正を伴うコックス回帰分析によりさらに裏付けられる。本発明によれば、他の全ての対象と対比して最高の四分位数は、疾患に罹患する危険性の増大と極めて著明に関連する。
他の好ましいカットオフ値は、例えば、正常集団の第90、第95、または第99百分位数である。第3四分位数より上位の百分位数を用いることにより、同定される偽陽性対象の数は低減されるが、中程度ではあってもやはり危険性が大きな対象を同定し損ないうるであろう。したがって、「偽陽性」もまた同定することを代償に、対象の大半を危険性があると同定することがより適切であると考えられるのか、または中程度の危険性がある複数の対象を見落とす代償に、主に危険性が大きな対象を同定することがより適切であると考えられるかに応じて、カットオフ値を採用しうるであろう。
個体の心血管マーカーレベル値および他の予後診断のための検査および臨床パラメータを用いることにより個体の危険性を計算する他の数学的可能性は、例えば、NRI(純再分類指標)またはIDI(統合識別指標)である。指標は、Pencina(Pencina MJら、Evaluating the added predictive ability of a new marker:from area under the ROC curve to reclassification and beyond、Stat Med.、2008年、27巻:157〜172頁)に従い計算することができる。
本発明の文脈における「レベル」という用語は、患者試料から採取されるマーカーペプチドの濃度(好ましくは重量/容量(w/v)として表される)に関する。
タンパク質および他のペプチドの文脈において本明細書で言及される「断片」という用語は、より大きなタンパク質またはより大きなペプチドから誘導可能であり、よって、より大きなタンパク質またはより大きなペプチドの部分配列を含む、より小さなタンパク質またはより小さなペプチドを指す。前記断片は、そのペプチド結合のうちの1つまたは複数を鹸化させることにより、より大きなタンパク質またはより大きなペプチドから誘導可能である。マーカーであるPCT、プロANP、プロBNP、プロET−1、プロADM、およびプロAVPの「断片」は、好ましくは、少なくとも6アミノ酸の長さ、最も好ましくは少なくとも12アミノ酸残基の長さの断片に関する。このような断片は、好ましくは、本明細書で記載される免疫学的アッセイにより検出可能である。
プロナトリウム利尿ペプチドは、プロ心房性ナトリウム利尿ペプチド(プロANP)およびプロ脳性ナトリウム利尿ペプチド(プロBNP)または少なくとも12アミノ酸の長さのその断片からなる群から選択される。
153アミノ酸のプレプロANPの配列を、配列番号1に示す。N末端のシグナルペプチド(25アミノ酸)および2つのC末端アミノ酸が切断されると、プロANP(配列番号2)が放出される。このプロホルモンは、ANP(1〜28)またはα−ANPとしてもまた公知の、28アミノ酸の成熟ペプチドであるANP、およびアミノ末端プロANP断片(1〜98)(NT−プロANP、配列番号3)へと切断される。中間領域プロANP(MR−プロANP)は、プロANPのうちの少なくともアミノ酸残基53〜90(配列番号4)を含むNT−プロANPまたはその任意の断片と定義される。
本発明による方法の好ましい実施形態では、プロANPの前駆体断片であるMR−プロANPのレベルが決定される。
アドレノメジュリンの前駆体ペプチド(プレプロアドレノメジュリン)のアミノ酸配列を、配列番号5に示す。プロアドレノメジュリンは、プレプロアドレノメジュリンのアミノ酸残基22〜185の配列に関する。プロアドレノメジュリン(プロADM)のアミノ酸配列を、配列番号6に示す。MR−プロアドレノメジュリン(MR−プロADM)は、プレプロADMのアミノ酸残基45〜92に関する。MR−プロADMのアミノ酸配列を、配列番号7に提示する。
本発明による方法の別の好ましい実施形態では、プロADMの前駆体断片であるMR−プロADMのレベルが決定される。
バソプレッシンの前駆体ペプチド(プレプロバソプレッシン)の164アミノ酸の配列を、配列番号8に示す。プロバソプレッシンは、プレプロバソプレッシンのアミノ酸残基19〜164の配列に関する。プロバソプレッシンのアミノ酸配列を、配列番号9に示す。プロバソプレッシンは、成熟バソプレッシン、ニューロフィシンII、およびC末端プロバソプレッシン(CT−プロAVPまたはコペプチン)へと切断される。コペプチンは、プレプロバソプレッシンのアミノ酸残基126〜164に関する。コペプチンのアミノ酸配列を、配列番号10に提示する。ニューロフィシンIIは、プレプロバソプレッシンのアミノ酸残基32〜124を含み、その配列を、配列番号11に示す。
本発明による方法の別の好ましい実施形態では、プロAVPの前駆体断片であるコペプチンのレベルが決定される。
プロカルシトニンとは、カルシトニンおよびカタカルシンの前駆体である。PCTの1〜116のアミノ酸配列を、配列番号12に示す。
脳性ナトリウム利尿ペプチドの前駆体ペプチド(プレプロBNP)の134アミノ酸の配列を、配列番号13に示す。プロBNPは、プレプロBNPのアミノ酸残基27〜134に関する。プロBNPの配列を、配列番号14に示す。プロBNPは、N末端プロBNP(NT−プロBNP)および成熟BNPへと切断される。NT−プロBNPは、アミノ酸残基27〜102を含み、その配列を、配列番号15に示す。配列番号16は、プレプロBNPペプチドのアミノ酸残基103〜134を含むBNPの配列を示す。
エンドセリン−1の前駆体ペプチド(プレプロエンドセリン−1)の212アミノ酸の配列を、配列番号17に示す。プロET−1は、プレプロET−1の配列のアミノ酸残基18〜212に関する。プロET−1のアミノ酸配列を、配列番号18に示す。プロET−1は、成熟ET−1、big−ET−1、およびC末端プロET−1(CT−プロET−1)へと切断される。ET−1は、プレプロET−1のアミノ酸残基53〜73に関する。ET−1のアミノ酸配列を、配列番号19に示す。CT−プロET−1は、プレプロET−1のアミノ酸残基168〜212に関する。CT−プロET−1のアミノ酸配列を、配列番号20に提示する。big−ET−1は、プレプロET−1のアミノ酸残基53〜90を含み、その配列を、配列番号21に示す。
本発明による方法の好ましい実施形態では、プロBNPの前駆体断片であるNT−プロBNPまたはBNPのレベルが決定される。
本発明による方法の別の好ましい実施形態では、アミノ酸1〜116または2〜116または3〜116からなるPCTのレベルが決定される。
本発明の好ましい実施形態では、前記ベースラインにおいて決定されるCT−プロET−1レベルが、所定の閾値レベルより高い場合、患者は、起立性低血圧症(全て)を有すると診断される。好ましくは、所定の閾値レベルは、30〜70pmol/Lの間、より好ましくは45〜70pmol/Lの間、なおより好ましくは55〜70pmol/Lの間、最も好ましくは60〜70(を上回る)pmol/Lの間である。好ましい実施形態では、前記ベースラインにおいて決定されるCT−プロET−1レベルが、30pmol/Lより高い、好ましくは40pmol/Lより高い、より好ましくは45pmol/Lより高い、なおより好ましくは55pmol/Lより高い、なおより好ましくは60pmol/Lより高い、最も好ましくは70pmol/Lより高い場合に、患者は、OHを有すると診断される。
前記ベースラインにおいて決定されるCT−プロET−1レベルが、所定の閾値レベルより低い場合、患者は、起立性低血圧症(全て)を有しないと診断されることがなおより好ましい。好ましくは、所定の閾値レベルは、30〜70pmol/Lの間、より好ましくは30〜60pmol/Lの間、なおより好ましくは30〜55pmol/Lの間、最も好ましくは30〜45pmol/Lの間である。好ましい実施形態では、前記ベースラインにおいて決定されるCT−プロET−1レベルが、70pmol/Lより低い、好ましくは60pmol/Lより低い、より好ましくは55pmol/Lより低い、なおより好ましくは45pmol/Lより低い、最も好ましくは30pmol/Lより低い場合、患者は、OHを有しないと診断される。
本発明の別の好ましい実施形態では、前記ベースラインにおいて決定されるMR−プロANPレベルが、所定の閾値レベルより低い場合、患者は、CSHを有すると診断される。好ましくは、所定の閾値レベルは、50〜200pmol/Lの間、より好ましくは50〜150pmol/Lの間、なおより好ましくは50〜100pmol/Lの間、最も好ましくは50〜85pmol/Lの間である。好ましい実施形態では、前記ベースラインにおいて決定されるMR−プロANPレベルが、200pmol/Lより低い、好ましくは150pmol/Lより低い、より好ましくは100pmol/Lより低い、なおより好ましくは85pmol/Lより低い、最も好ましくは50pmol/Lより低い場合、患者は、CSHを有すると診断される。
前記ベースラインにおいて決定されるMR−プロANPレベルが、所定の閾値レベルより高い場合、患者は、CSHを有しないと診断されることがなおより好ましい。好ましくは、所定の閾値レベルは、50〜200pmol/Lの間、より好ましくは85〜200pmol/Lの間、なおより好ましくは100〜200pmol/Lの間、最も好ましくは150〜200pmol/Lの間であることが好ましい。好ましい実施形態では、前記ベースラインにおいて決定されるMR−プロANPレベルが、50pmol/Lより高い、好ましくは85pmol/Lより高い、より好ましくは100pmol/Lより高い、なおより好ましくは150pmol/Lより高い、最も好ましくは200pmol/Lより高い場合、患者は、CSHを有しないと診断される。
本発明の別の好ましい実施形態では、前記ベースラインにおいて決定されるCT−プロET−1レベルが、所定の閾値レベルより低い場合、患者は、心臓抑制型反射を有すると診断される。好ましくは、所定の閾値レベルは、30〜70pmol/Lの間、より好ましくは30〜60pmol/Lの間、なおより好ましくは30〜55pmol/Lの間、最も好ましくは30〜45pmol/Lの間である。好ましい実施形態では、前記ベースラインにおいて決定されるCT−プロET−1レベルが、70pmol/Lより低い、好ましくは60pmol/Lより低い、より好ましくは55pmol/Lより低い、なおより好ましくは45pmol/Lより低い、最も好ましくは30pmol/Lより低い場合、患者は、心臓抑制型反射を有すると診断される。
前記ベースラインにおいて決定されるCT−プロET−1レベルが、所定の閾値レベルより高い場合、患者は、心臓抑制型反射を有しないと診断されることがなおより好ましい。好ましくは、所定の閾値レベルは、30〜70pmol/Lの間、より好ましくは45〜70pmol/Lの間、なおより好ましくは55〜70pmol/Lの間、最も好ましくは60〜70pmol/Lの間である。好ましい実施形態では、前記ベースラインにおいて決定されるCT−プロET−1レベルが、30pmol/Lより高い、好ましくは45pmol/Lより高い、より好ましくは55pmol/Lより高い、なおより好ましくは60pmol/Lより高い、最も好ましくは70pmol/Lより高い場合、患者は、心臓抑制型反射を有しないと診断される。
本発明の別の好ましい実施形態では、前記ベースラインにおいて決定されるCT−プロAVPレベルが、所定の閾値レベルより低い場合、患者は、初期OHを有すると診断される。好ましくは、所定の閾値レベルは、2.5〜20pmol/Lの間、より好ましくは2.5〜10pmol/Lの間、なおより好ましくは2.5〜8pmol/Lの間、なおより好ましくは2.5〜6pmol/Lの間、最も好ましくは2.5〜4pmol/Lの間である。好ましい実施形態では、前記ベースラインにおいて決定されるCT−プロAVPレベルが、20pmol/Lより低い、好ましくは10pmol/Lより低い、より好ましくは8pmol/Lより低い、なおより好ましくは6pmol/Lより低い、より好ましくは4pmol/Lより低い、最も好ましくは2.5pmol/Lより低い場合、患者は、初期OHを有すると診断される。
前記ベースラインにおいて決定されるCT−プロAVPレベルが、所定の閾値レベルより高い場合、患者は、初期OHを有しないと診断されることがなおより好ましい。好ましくは、所定の閾値レベルは、2.5〜20pmol/Lの間、より好ましくは4〜20pmol/Lの間、なおより好ましくは6〜20pmol/Lの間、なおより好ましくは8〜20pmol/Lの間、最も好ましくは10〜20pmol/Lの間である。好ましい実施形態では、前記ベースラインにおいて決定されるCT−プロAVPレベルが、2.5pmol/Lより高い、好ましくは4pmol/Lより高い、より好ましくは6pmol/Lより高い、なおより好ましくは8pmol/Lより高い、より好ましくは10pmol/Lより高い、最も好ましくは20pmol/Lより高い場合、患者は、初期OHを有しないと診断される。
本発明の別の好ましい実施形態では、前記ベースラインにおいて決定されるMR−プロANPレベルが、所定の閾値レベルより低い場合、患者は、血管迷走神経性失神を有すると診断される。好ましくは、所定の閾値レベルは、50〜200pmol/Lの間、より好ましくは50〜150pmol/Lの間、なおより好ましくは50〜100pmol/Lの間、最も好ましくは50〜85pmol/Lの間である。好ましい実施形態では、前記ベースラインにおいて決定されるMR−プロANPレベルが、200pmol/Lより低い、好ましくは150pmol/Lより低い、より好ましくは100pmol/Lより低い、なおより好ましくは85pmol/Lより低い、最も好ましくは50pmol/Lより低い場合、患者は、血管迷走神経性失神を有すると診断される。
前記ベースラインにおいて決定されるMR−プロANPレベルが、所定の閾値レベルより高い場合、患者は、血管迷走神経性失神を有しないと診断されることがなおより好ましい。好ましくは、所定の閾値レベルは、50〜200pmol/Lの間、より好ましくは85〜200pmol/Lの間、なおより好ましくは100〜200pmol/Lの間、最も好ましくは150〜200pmol/Lの間である。好ましい実施形態では、前記ベースラインにおいて決定されるMR−プロANPレベルが、50pmol/Lより高い、好ましくは85pmol/Lより高い、より好ましくは100pmol/Lより高い、なおより好ましくは150pmol/Lより高い、最も好ましくは250pmol/Lより高い場合、患者は、血管迷走神経性失神を有しないと診断される。
他のアッセイにおいて、これらが本発明で用いられるアッセイ系と異なる形で較正されていれば、上記で言及したカットオフ値は、異なりうるであろう。したがって、上記で言及したカットオフ値は、このような異なる形で較正されたアッセイにも、較正の差違を考慮に入れれば、これらに応じて当てはまるものとする。較正の差違を定量化する1つの可能性は、両方の方法を用いて、試料中のそれぞれのバイオマーカー(例えば、PCT)を測定することによる、問題となるアッセイ(例えば、PCTアッセイ)についての、本発明で用いられるそれぞれのバイオマーカーアッセイ(例えば、BRAHMS KRYPTOR PCT感受性アッセイ)との比較(相関)解析の方法である。別の可能性は、問題となるアッセイにより、この試験が十分な解析的感度を有すると仮定して、代表的な正常集団の中央値バイオマーカーレベルを決定し、結果を、文献において記載されている(例えば、PCTについては、EP09011073.5、「プロcalcitonin for the プロgnosis of adverse events in the asymptomatic population」において記載されている)中央値バイオマーカーレベルと比較し、この比較により得られる差違に基づき、較正を再計算することである。本発明で用いられる較正により、正常(健常)対象に由来する試料が測定されている。血漿プロカルシトニンの中央値(四分位間の範囲)は、男性において0.018(0.015〜0.022)ng/mlであり、女性において0.014(0.012〜0.017)ng/mlであり(Abbasiら、2010年、JCEM、95巻:E26〜E31頁)、血漿MR−プロADMの中央値(範囲)は、0.41(0.23〜0.64)nmol/L(Smithら、2009年、Clin Chem、55巻:1593〜1595頁)であり、コペプチン濃度の中央値(四分位間の範囲)は、4.7(2.9〜7.5)pmol/Lであり、男性では、女性(3.6(2.4〜5.5)pmol/l)(Meijerら、2010年、Kidney Int、77巻:29〜36頁)におけるより著明に高濃度であり(6.2(4.1〜9.5)pmol/L)、MR−プロANP濃度の中央値(四分位間の範囲)は、66(51〜86)pmol/Lであり(Melanderら、2009年、JAMA、302巻:49〜57頁)、血漿CT−プロET−1濃度の平均(範囲)は、44.3(10.5〜77.4)pmol/Lであった(Papassotiriouら、2006年、Clin Chem、52巻:1144〜1151頁)。
MR−プロADMを検出するための自動式サンドイッチ蛍光アッセイでは、ヒトプレプロADM配列(配列番号5)のアミノ酸68〜86を含むペプチドに対するヒツジポリクローナル抗体と、ヒトプレプロADM配列(配列番号5)のアミノ酸83〜94を含むペプチドに対するヒツジポリクローナル抗体とを用いる(Caruhelら、2009年、Clin Biochem、42巻:725〜8頁)。
CT−プロET−1を検出するための自動式サンドイッチ蛍光アッセイでは、ヒトプロET−1配列(配列番号18)のアミノ酸167〜183を含むペプチドに対するマウスモノクローナル抗体と、ヒトプロET−1配列(配列番号18)のアミノ酸183〜195を含むペプチドに対するヒツジポリクローナル抗体とを用いる(Caruhelら、2008年、Clin Chem、54巻:A119頁)。
本発明の好ましい実施形態では、少なくとも2つのバイオマーカーのレベルを組み合せることができる。
本発明の一実施形態では、例えば、ベースライン(起立耐性試験[例えば、HUT試験または能動起立試験]の開始前)およびこのような試験の期間中またはその後におけるバイオマーカーの経時的測定を実行する。言い換えれば、少なくとも1つのバイオマーカーのレベルが、起立耐性試験の開始前のベースラインおよびその期間中またはその後において採取される前記患者の少なくとも2つの体液試料中で決定される。
本発明の別の好ましい実施形態では、少なくとも1つのバイオマーカーの少なくとも2つのレベルを、数学的アルゴリズムに組み合せることができる。
さらに好ましい実施形態では、ベースラインから起立までのコペプチンの増大は、心臓抑制型反射と関連する。
さらに別の好ましい実施形態では、ベースラインから起立までのCT−プロET−1の増大は、起立性低血圧症を除外する。
さらに別の好ましい実施形態では、ベースラインから起立までのPCTの増大は、POTSと関連する。
さらに好ましい実施形態では、少なくとも1つのバイオマーカーの少なくとも1つのレベルが、年齢、性別、体格指数(BMI)、収縮期血圧、拡張期血圧、心拍数、糸球体濾過率(GFR)、総コレステロール、HDL−コレステロール、失神発作の回数、および失神発作の最初の発症からの時間からなる群から選択される、1つまたは複数の臨床パラメータと組み合わされる。
「組合せ」または「〜を組み合わせること」という用語は、一定数のパラメータの可能な選択および、数学的アルゴリズム(例えば、偏差または比)を用いて、これらのパラメータを、指定された群へと編成することと定義される。例えば、比は、起立耐性試験の期間中またはその後において患者から採取される試料中のバイオマーカーのレベルと、ベースライン(起立耐性試験の開始前)において患者から採取される試料中の同じバイオマーカーのレベルとの間で計算することができる。さらに、偏差も、起立耐性試験の期間中またはその後において患者から採取される試料中のバイオマーカーのレベルと、ベースライン(起立耐性試験の開始前)において患者から採取される試料中の同じバイオマーカーのレベルとの間で計算することができる。本明細書にはまた、異なるバイオマーカーの間の比を計算しうることも包摂される。例えば、比は、患者から採取される試料中で同じ時点に測定されたバイオマーカーレベルの間で計算する(例えば、ベースライン[起立耐性試験の開始前]において患者から採取される試料中のMR−プロADMとCT−プロET−1との間の比)こともでき、異なる時点に測定されたバイオマーカーレベルの間で計算する(例えば、ベースラインにおいて患者から採取される試料中のMR−プロADMと、起立耐性試験の期間中またはその後において患者から採取される試料中のCT−プロET−1との間の比)こともできる。
別の好ましい実施形態では、連続変数またはカテゴリー変数としての少なくとも1つのバイオマーカーのレベルを組み合せることができる。
好ましい実施形態では、バイオマーカーであるMR−プロADMのレベルとCT−プロET−1のレベルとが組み合わされる。
別の好ましい実施形態では、バイオマーカーであるMR−プロADMのレベルとMR−プロANPのレベルとが組み合わされる。
別の好ましい実施形態では、バイオマーカーであるMR−プロADMのレベルとコペプチンのレベルとが組み合わされる。
別の好ましい実施形態では、バイオマーカーであるCT−プロET−1のレベルとMR−プロANPのレベルとが組み合わされる。
別の好ましい実施形態では、バイオマーカーであるCT−プロET−1のレベルとコペプチンのレベルとが組み合わされる。
さらに別の好ましい実施形態では、バイオマーカーであるMR−プロADMのレベルと、CT−プロET−1のレベルと、MR−プロANPのレベルとが組み合わされる。
さらに別の好ましい実施形態では、バイオマーカーであるMR−プロADMのレベルと、CT−プロET−1のレベルと、コペプチンのレベルとが組み合わされる。
さらに別の好ましい実施形態では、バイオマーカーであるMR−プロADMのレベルと、MR−プロANPのレベルと、コペプチンのレベルとが組み合わされる。
さらに別の好ましい実施形態では、バイオマーカーであるCT−プロET−1のレベルと、MR−プロANPのレベルと、コペプチンのレベルとが組み合わされる。
さらに別の好ましい実施形態では、バイオマーカーであるMR−プロADMのレベルと、CT−プロET−1のレベルと、MR−プロANPのレベルと、コペプチンのレベルとが組み合わされる。
本発明の文脈における「スコア」という用語は、具体的な達成または前記患者において特定の質または状態(例えば、バイオマーカーのレベル)が存在する程度に基づき、数字で表された評点を指す。
本発明の文脈における「治療の層別化」という用語は、前記患者に対する治療的処置の選び出しおよび/または補正を指す。本発明の好ましい実施形態では、患者は、治療的処置について層別化される、例えば、患者は、PCM(例えば、脚部または腕部の等尺性PCM、脚部を交叉させること、または手掌部を握って腕部を引っ張り合うことなど)、ティルトトレーニング、ならびに薬理学的治療(例えば、α−アンタゴニストであるミドドリン)、および心臓ペーシングのために層別化され、層別化のための方法は、前記患者の体液試料中の、プロADM、プロANP、プロBNP、プロAVP、プロET−1、およびPCTからなる群から選択される、少なくとも1つのバイオマーカー、または少なくとも12アミノ酸のその断片のレベルを決定するステップと、前記レベルを治療的処置へと相関させるステップとを含む。
とりわけ好ましい実施形態では、患者は、それら患者の心臓ペースメーカーに対する必要性に従い層別化される。患者は、少なくともCT−プロET−1のレベルを決定することにより、それら患者の心臓ペースメーカーに対する必要性に従い層別化されることが最も好ましく、所定の閾値レベルを回るレベルにより、心臓ペースメーカーを必要としない起立性低血圧症を患う患者が示され、所定の閾値レベルを回るレベルにより、心臓ペースメーカーを必要とする心臓抑制型反射を患う患者が示される。
心臓ペーシングは、心筋に接触する電極により送達される電気的インパルスを用いて、心臓の拍動を調節する医療機器である、心臓ペースメーカーにより実行される。ペースメーカーの主要な目的は、心臓の天然のペースメーカーが十分に早くないか、または心臓の電気伝導系にブロックが存在する場合に、適正な心拍数を維持することである。現今のペースメーカーは、外部からプログラム可能で、心臓専門医が個別の患者に最適のペーシングモードを選択することを可能とする。心臓ペーシングは、一時的に実施することもでき、恒久的に実施することもできる。植え込み式ペースメーカーによる恒久的ペーシングは、1つまたは複数の心室への、1つまたは複数のペーシング電極の経静脈設置を伴う。罹患した心室の数およびそれらの基本的な作動機構に従い分類される、3種類の恒久的ペースメーカーである、シングルチャンバーペースメーカー、デュアルチャンバーペースメーカー、および心拍応答型ペースメーカーが存在する。
<研究環境、検査プロトコール、および診断基準>
2008年9月〜2011年4月の間に、地域の三次医療施設であるSkane University Hospital、MalmoeのSyncope Unitにおいて、未知の病因による失神エピソードが疑われる患者計255例(男性119例、平均年齢:60±21歳、範囲:15〜93歳)を調査した。最初の患者101例は、既に記載されている通り、導入相において、Emergency Departmentから直接募集された(Fedorowskiら、2010年、Europace、12巻:1322〜1328頁)。Syncope Unitが正式に設立された際に、患者の募集は、Malmoe地域におけるかかりつけ医、救急科および外来科、または医院からの紹介により確保された。通例、ホルターECG、脳の造影、心エコー法、および身体運動ECG、または、場合によって、身体運動EEGなど、一連のさらなる検査を、調査の前に実施した。これらの検査の結果が、陰性であるか、または決定的ではなかったので、患者は、Syncope Unitへとさらに照会された。TLOCの心臓性の病因(すなわち、不整脈または構造的心疾患および血管疾患)、神経性の病因、代謝性の病因、毒性学的病因、および他の明確な病因を確認する臨床徴候および試験結果を伴う患者は、進行性の認知障害および身体機能障害を伴う患者と同様にあらかじめ除外した。研究参加者は、規則的な服薬および試験前2時間の絶食(ただし水は自由に飲むことが許可された)を求められた。研究参加者はまた、失神関連症状の持続期間および頻度のほか、現行の薬理学的処置を含めた、患者の治療歴について尋ねる問診票への記入も求められた。実務上の理由で、試験は、午前(午前8〜10時)および午後(午後13〜15時)の両方において実施した。
検査は、末梢静脈挿管、15分間にわたる背臥休息、血液サンプリング、ニューカッスルプロトコール(Parryら、2009年、Heart、95巻:416〜420頁)に従う頸動脈洞マッサージ(CSM)、3分後における、血液サンプリングの反復を伴うヘッドアップティルト、およびイタリアプロトコール(Bartolettiら、2000年、Europace、2巻:339〜342頁)に従う、任意選択のニトログリセリンによる誘発、Goldstein(GoldsteinおよびSharabi、2009年、Circulation、119巻:139〜146頁)により提起されているバルサルバ効果および、最後に、Wieling(Wielingら、2007年、Clin Sci(Lond)、112巻:157〜165頁)に従う能動起立試験を包含する拡張ヘッドアップティルト試験(HUTT)プロトコールに基づいた。血圧(BP)および他の血行動態パラメータのほかECGを、妥当性が確認されているNexfinモニター(BMEYE、The Netherlands)(Eeftinckら、2009年、Hypertens、22巻:378〜383頁)を用いて、連続的に追跡した。万一、試験の特定の部分における血行動態応答が診断的である場合でも、本発明者らは、次の部分へと進み、診断間の潜在的な重複を調査した。結果が診断的でないかまたは決定的ではない場合は、治験責任医師が、ECGモニタリングの延長およびさらなる心臓検査について決定しうる心臓不整脈の専門家と共に、手順についてさらに論じた。
試験では、a)患者が、典型的な前駆症状(めまい、立ちくらみ、失神性めまい)および/または失神の再現を顕示した場合、ならびにb)血行動態応答が、血管迷走神経反射性(神経調節性)失神(VVS、NMS)、頸動脈洞反射過敏(CSH)、体位性起立性頻脈症候群(POTS)、および起立性低血圧症(OH)の診断基準(Moyaら、2009年、Eur Heart J、30巻:2631〜2671頁;Parryら、2009年、Heart、95巻:416〜420頁)を満たした場合に、診断を行った。略述すると、VVSは、顕著な低血圧および/または徐脈/収縮不全の特徴的パターンと関連する失神の再現と定義され、CSHは、SBPの降下が≧50mmHgおよび/または収縮不全が>3秒間と定義され、OHは、持続的な収縮期BP(SBP)の低下が≧20mmHgおよび/もしくは拡張期BP(DBP)の低下が≧10mmHg、または収縮期BPが<90mmHg(ティルト相から3分間以内を古典的OH;および3〜20分間の間を遅延性OH)と定義されたが、POTSは、起立位において、>30/分の心拍数の増大または>120/分の頻脈を伴う、起立不耐症の特徴的症状を有する。心臓抑制型失神は、10秒間超にわたる、40bpm未満の心室レートまでの心拍数の降下、または収縮不全>3秒間と定義されたが、血管抑制型反射は、失神時におけるそのピークからの心拍数の≦10%の下降と定義された(Brignoleら、2000年、Europace、2巻:66〜76頁)。初期OHは、起立後15秒以内に、SBPでは>40mmHgかつ/またはDBPでは>20mmHgの脳潅流低下の症状を伴う一過性のBPの低下が生じる場合に出現し、そして典型的な失神情況は患者によって報告される(Wielingら、2007年、Clin Sci(Lond)、112巻:157〜165頁)。
ティルト相における起立負荷が従来のOH基準に照らして陽性(持続性のSBP降下が≧20mmHg)であるが、患者は症状を再現させないか、または結果が決定的ではない場合も、起立時SBPが>90mmHgである場合は、本発明者らは通例、ニトログリセリン投与に進んだ。患者が、特徴的な血行動態血管迷走神経パターンおよび付随症状(Moyaら、2009年、Eur Heart J、30巻:2631〜2671頁)を伴わずに、低血圧および頻脈を発症した場合は、ニトログリセリン投与を診断しなかった。診断の精度を確保するために、デジタル式の試験記録を、その後、Nexfinシステムにより提示される試験測定値(ECGを含めた)を画像化、再生、および再解析するために開発されたソフトウェアツールであるNexfin@PC(BMEYE、The Netherlands)を用いて、オフラインで精査した。
<バイオマーカーの測定>
血液試料は、試験開始前の背臥位で15分間にわたる休息後に回収した。血漿バイオマーカーは、回収の後−80℃で凍結させておいた血液試料(プラスチック製のThermoTube内に250μlずつ16のアリコートのEDTA血漿)により測定した。製造元の指示書に従い、Thermo Scientific B・R・A・H・M・S CT−プロAVP LIA;Thermo Scientific B・R・A・H・M・S CT−プロET−1 KRYPTOR;Thermo Scientific B・R・A・H・M・S MR−プロANP KRYPTOR;Thermo Scientific B・R・A・H・M・S MR−プロADM KRYPTOR;Thermo Scientific B・R・A・H・M・S PCT sensitive LIA(BRAHMS GmbH、Hennigsdorf、Germany)のアッセイを用いて、コペプチン(C末端プロアルギニンバソプレッシン;CT−プロAVP)、アルギニンバソプレッシン前駆体の安定的ペプチド(Fenskeら、2009年、J Clin Endocrinol Metab、94巻:123〜129頁)、C末端エンドセリン−1前駆体断片(CT−プロET−1)(Papassotiriouら、2006年、Clin Chem、52巻:1144〜1151頁)、プロ心房性ナトリウム利尿ペプチドの中間領域断片(MR−プロANP)(Morgenthalerら、2004年、Clin Chem、50巻:234〜236頁)、プロアドレノメジュリン(MR−プロADM)(Caruhelら、2008年、Clin Chem、54巻:A119頁)およびプロカルシトニン(Morgenthalerら、2002年、Clin Chem、48巻:788〜790頁)を測定した。
<統計学的解析>
本発明者らは、ロジスティック回帰モデルを適用して、具体的な診断と解析されるバイオマーカーとの間の関係を評価した。本発明者らは、VVS、CSH、OH、POTS、初期OH、心臓抑制型反射、および血管抑制型反射を従属変数として入力して多変量補正ロジスティック回帰分析を実施し、一方バイオマーカーの各々を、それぞれ、共変量として追加した。モデル1を、年齢、性別、およびBMIについて補正したが、より包括的なモデル2をSBP、DBP、心拍数、および推定GFRについて追加的に補正した。次の段階で、本発明者らは、具体的な診断と有意に関連するバイオマーカーを、モデル2で同時に入力し、共変量のバックワードエリミネーションを実施して、具体的な失神診断の独立予測因子を同定した。次いで、本発明者らは、有意に関連する対応するバイオマーカーの血漿濃度の四分位数にわたる失神診断の分布を評価した。本発明者らは、具体的な診断の最低頻度を伴う四分位数(第1四分位数または第4四分位数)を基準として入力して、ロジスティック回帰モデル1および2を適用した。CSHの分布は、若齢の個体ではこの状態は極めて稀なので、年齢が>60歳の者に限定された。POTSの診断を伴う個体は11例だけであったので、POTSの分布は評価しなかった。全ての計算は、IBM SPSS Statisticsソフトウェアversion 19.0(SPSS Inc.、Chicago、IL)を用いて実施した。全ての検定は、両側であり、p<0.05を統計学的に有意であると考えた。
<結果>
表1で見られる通り、組み入れられた患者は、8年間にわたり平均で7回の失神発作を報告した。さらに、10例中4例の患者は、高血圧症のために、大半はベータ遮断剤、RAAS阻害剤、およびカルシウムチャネル遮断剤により処置されていることを報告した。評価されたバイオマーカーの休息時血漿濃度を、表2に提示する。拡張HUTTの結果に基づき、計142例(56%)の患者をVVSを伴うと診断し、85例(33%)をOHを伴うと診断し、47例(18%)をCSHを伴うと診断し、11例(4%)をPOTSを伴うと診断した。起立性低血圧症は、古典的(n=42)形態と遅延性形態(n=43)との間で同等に分布した。30例の患者(12%)は、明確な失神病因を見出されなかったが、これらのうちの2例において、長期にわたるECGモニタリングは、失神時における徐脈性不整脈を実証し、これらの2例は、その後ペースメーカーで処置された。OHおよびPOTSは、高頻度でVVSに該当した(それぞれ、31例および6例の患者)ので、診断間には重複が見られ、VVSを伴う患者18例はまた、CSH基準も満たしていた。計35例の患者(13.7%)は、試験時において、心臓抑制型失神を有し、これらのうちの29例は、血管迷走神経反射に起因し、6例は、頸動脈洞反射に起因した。これと並行して、32例の患者(12.5%)は、失神時における血管抑制パターンを顕示した。初期OHを示唆する病歴を伴う患者179例において能動起立試験を実施したところ、これらのうちの40例(22.3%)は、初期起立性低血圧症の診断基準を満たした。
異なる失神診断のための単一のマーカー値の箱ひげ図を、図2〜6に示す。
単一マーカーについての多変量補正モデルでは、VVSは、低値のMR−プロANP、MR−プロADM、CT−プロET−1、CT−プロAVP、およびプロカルシトニンと有意に関連したが、OHは、高値のレニンおよびCT−プロET−1と関連した(表3)。さらに、CSHは、心臓抑制型反射もまたそうである通り、低値のMR−プロANP、MR−プロADM、およびCT−プロET−1と関連した。血管抑制型反射は、低値のプロカルシトニンおよびMR−プロADMと弱く相関した(p<0.10)。最後に、POTSは、低値のプロカルシトニンと有意に関連し、初期OHは、低値のCT−プロAVPと有意に関連した(表3)。多重マーカー補正モデル2では、共変量のバックワードエリミネーション後に、VVSは、低値のMR−プロANP(1標準偏差[SD]当たりのオッズ比[OR]:0.51、0.34〜0.77;p=0.001)およびCT−プロET−1(OR:0.38、0.23〜0.62;p<0.001)、高値の休息時SBP(10mmHg当たりのOR:1.17、95%の信頼区間:1.03〜1.32、p=0.015)および低値の休息時心拍数(10bpm当たりのOR:0.76、0.61〜0.95、p=0.020)と関連した。これと並行して、高値のCT−プロET−1およびレニン(1SD当たりのOR:それぞれ、1.94、1.27〜2.96;p=0.002、および1.34、1.01〜1.78;p=0.041)、ならびに高齢(10歳当たりのOR:1.23、1.04〜1.42、p=0.015)により、OHが予測された。さらに、CSHは、低値のMR−プロANP(1SD当たりのOR:0.40、0.24〜0.66;p<0.001)および高齢(10歳当たりのOR:2.38、1.86〜2.92;p<0.001)と関連したが、POTSは、低値のプロカルシトニン(1SD当たりのOR:0.21、0.06〜080;p=0.023)および年齢(10歳当たりのOR:0.46、0.44〜0.63;p=0.001)、女性の性別(OR:10.0、1.1〜90.9;p=0.043)、ならびに高値の休息時心拍数(10bpm当たりのOR:1.94、1.0〜2.19;p=0.037)と関連した。初期OHは、低値のCT−プロAVP(1SD当たりのOR:0.57、0.36〜0.89、p=0.013)、高値の休息時DBP(10mmHg当たりのOR:1.11、1.03〜1.18、p=0.003)と関連し、対照的に、低値の休息時SBP(10mmHg当たりのOR:0.68、0.56〜0.85;p=0.002)および推定糸球体濾過率(eGFR)(10ml/分当たりのOR:0.86、0.78〜0.96;p=0.012)と関連した。さらに、低値のCT−プロET−1により、低値の休息時心拍数(10bpmの低下当たりのOR:1.45、1.04〜1.89;p=0.037)および男性の性別(OR:2.70、1.17〜6.32;p=0.021)によってもまたそうである通り、試験時における心臓抑制型失神(1SD当たりのOR:0.34、0.22〜0.53;p<0.001)が予測された。血管抑制型反射は、プロカルシトニンと逆相関した(1SD当たりのOR:0.59、0.35〜1.00;p=0.050)。
図7〜12において示される通り、失神診断と同定された予測バイオマーカーの四分位数との間の関係は、直線パターンおよび閾値様パターンの2つの異なるパターンに従った。直線パターンは、MR−プロANPとVVSとの間の関係(図7)のほか、CT−プロET−1とVVS(図8)、OH(図9)、および心臓抑制型反射(図11)との間の関係を特徴付けたが、閾値効果は、CT−プロAVPと初期OHとの間で観察された(図12)。MR−プロANPとCSHとの間の関係(図10)は、直線効果および閾値様効果の両方を組み合わせた。最も大きな陽性予測率は、MR−プロANP(<51pmol/L)およびCT−プロET−1(<46pmol/L)の最低の四分位数について、血管迷走神経反射との関係で観察され、CT−プロAVPの最低の四分位数(<3.1pmol/L)について、初期OHとの関係で観察された。これと並行して、CT−プロET−1の最低の四分位数がOHについて陰性予測的であるのに対し、CT−プロET−1の最高の四分位数(>69pmol/L)は一般に、心臓抑制型反射を除外した。失神の診断と対応するバイオマーカーの四分位数との各対についての、完全補正モデル2におけるロジスティック回帰分析についての概要を、表4に提示する。
単一のマーカーおよび異なる失神診断についてのROC(receiver operating characteristic)の曲線下面積(AUC)を、表5にまとめた。異なるカットオフ値を用いて、各マーカーの対応する感度および特異度を決定して、失神のそれぞれの形態を診断した(表6〜12)。
マーカーの組合せについて、対数変換されたバイオマーカー値のロジスティック回帰を実施した。MR−プロANP、MR−プロADM、CT−プロET−1、およびコペプチンの組合せは、初期OHを診断するための効能が、単一のマーカーであるMR−プロANP(OR:0.70[95%のCI:0.48〜1.00])、MR−プロADM(OR:0.72[95%のCI:0.50〜1.02])、CT−プロET−1(OR:0.70[95%のCI:0.51〜0.98])、またはコペプチン(OR:0.65[95%のCI:0.44〜0.96])より良好であった(OR:0.62[95%のCI:0.41〜0.91])。さらに、MR−プロANP、MR−プロADM、CT−プロET−1、およびコペプチンの組合せは、血管迷走神経性失神を診断するための効能が、単一のマーカーであるMR−プロANP(OR:0.38[95%のCI:0.28〜0.52])、MR−プロADM(OR:0.35[95%のCI:0.25〜0.49])、CT−プロET−1(OR:0.36[95%のCI:0.24〜0.52])、またはコペプチン(OR:0.51[95%のCI:0.38〜0.68])より良好であった(OR:0.29[95%のCI:0.20〜0.42])。
経時的測定のために、デルタ対数変換されたバイオマーカー値を用いて、ロジスティック回帰を適用した。ベースラインから起立までのコペプチンの増大は、心臓抑制型反射との強い関連を示した(OR:1.48[95%のCI:1.11〜1.98])。ベースラインから起立までのCT−プロET−1の増大は、起立性低血圧症(OR:0.84[95%のCI:0.65〜1.08])を除外したが、ベースラインから起立までのPCTの増大は、POTS(OR:2.42[95%のCI:1.04〜5.62])と有意に関連する。
さらに、ベースラインから起立までのコペプチンの増大は、自発的なVVS(ニトログリセリンの適用により誘発されたのではない)と強く関連した(OR:2.54[95%のCI:1.47〜4.39])が、ベースラインから起立までのMR−プロANPの増大は、自発的なVVS(OR:0.79[95%のCI:0.57〜1.10])と関連しなかったことを本発明者らの結果は示す。

Claims (16)

  1. 患者における失神の治療の層別化のためのデータ解析方法であって、
    前記患者の体液試料中のCT−プロET−1のレベルを決定するステップと、
    CT−プロET−1の前記レベルを、失神の前記治療の層別化と相関させるステップと、ここで、前記患者が、CT−プロET−1の前記レベルを決定することにより、患者の心臓ペースメーカーに対する必要性に従い層別化され、所定の閾値レベルを上回るレベルにより、心臓ペースメーカーを必要としない起立性低血圧症を患う患者が示され、所定の閾値レベルを下回るレベルにより、心臓ペースメーカーを必要とする心臓抑制型反射を患う患者が示される、
    を含む方法。
  2. 前記試料が、起立耐性試験の開始前のベースラインにおいて採取されたものである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記患者の少なくとも1つの体液試料が、起立耐性試験の期間中またはその後に採取されたものである、請求項1および2に記載の方法。
  4. CT−プロET−1の前記レベルが、起立耐性試験の開始前のベースラインと、その期間中またはその後とに採取された、前記患者の少なくとも2つの体液試料中で決定される、請求項1〜3に記載の方法。
  5. CT−プロET−1の前記レベルが、偏差または比に基づいて組み合わされる、請求項1〜4に記載の方法。
  6. CT−プロET−1の前記レベルが、年齢、性別、体格指数(BMI)、収縮期血圧、拡張期血圧、心拍数、糸球体濾過率(GFR)、総コレステロール、HDL−コレステロール、年齢、性別、失神発作の回数、および失神発作の最初の発症からの時間からなる群から選択される少なくとも1つの臨床パラメータと組み合わされる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記失神が、神経調節性失神(NMS)、起立性低血圧症、および心原性失神からなる群から選択される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記NMSが、VVS、CSH、血管抑制型反射、心臓抑制型反射、および混合型反射からなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記起立性低血圧症が、初期OH、古典的OH、遅延性OH、およびPOTSからなる群から選択される、請求項7または8に記載の方法。
  10. 前記心原性失神が、不整脈に起因する心原性失神、および、心弁疾患、急性心筋梗塞/虚血、冠動脈の先天性異常または肺高血圧症に起因する心原性失神から選択される、請求項7〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記試料が、血液試料、血清試料、血漿試料、脳脊髄液試料、唾液試料、および尿試料、または前述の試料のうちのいずれかの抽出物を含む群から選択される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記ベースラインにおいて決定されるCT−プロET−1レベルが、所定の閾値レベルより低い場合、前記患者が、起立性低血圧症を有しない患者として層別化される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記ベースラインにおいて決定されるCT−プロET−1レベルが、所定の閾値レベルより高い場合、前記患者が、心臓抑制型反射を有しない患者として層別化される、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. CT−プロET−1が、ヒトプロET−1配列(配列番号18)のアミノ酸167〜183を含むペプチドに対する第1の抗体、および前記ヒトプロET−1配列(配列番号18)のアミノ酸183〜195を含むペプチドに対する第2の抗体を用いるサンドイッチイムノアッセイにより検出される、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記治療が、身体的抵抗圧力法(PCM)、ティルトトレーニング、薬理学的治療および心臓ペーシングからなる群から選択されるものである、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 失神の前記治療の層別化のためのデータ解析のためのCT−プロET−1の使用であって、CT−プロET−1の前記レベルを決定することにより、患者が、心臓ペースメーカーに対する必要性に従い層別化され、所定の閾値レベルを上回るレベルにより、心臓ペースメーカーを必要としない起立性低血圧症を患う患者が示され、所定の閾値レベルを下回るレベルにより、心臓ペースメーカーを必要とする心臓抑制型反射を患う患者が示される、使用。
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