JP5413451B2 - 2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製法 - Google Patents

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Description

本発明は、2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法に関する。
2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CFCF=CH,HFO−1234yf)は、毒性が少なく、地球温暖化係数が小さい化合物であり、フロンガスの代替溶媒として有望視されている。このため、安価な原料を用いて、しかも高い選択性で、工業的に有利な条件でHFO−1234yfを製造できる方法が求められている。
下記特許文献1には、850℃の気相中でCF=CF(TFE)とCHClを反応させてHFO−1234yfを製造する方法が記載されている。しかしながら、この方法では、HFO−1234yfの収率は5%程度であり、満足のいく値でない。
また、下記特許文献2には、活性炭に担持させたSbFの存在下、TFEとCHFとを反応させることによって、CFCFCHとHFO−1234yfが得られることが記載されている。この反応では、原料として用いるCHFが高価であるためにコスト高になる。また、腐食性を有するSbFを使用するため、工業的実施には多くの問題点がある。
その他の製造方法として、CFCFCHX(X=Cl又はI)をエタノール中で亜鉛と反応させて一段階でHFO−1234yfを製造する方法が下記非特許文献1に記載されている。しかしながら、亜鉛は高価であり、しかも多量の廃棄物が生じるので、この方法は工業的な実施には適していない。
さらに、下記特許文献3には、CFCFCHClの脱フッ酸反応によってCFCF=CClとした後、アルミナ、フッ素化されたアルミナ等を担体とするパラジウム触媒を用いて、CFCF=CClを気相で水素還元することによって、50%のHFO−1234yfを含む混合物が得られることが記載されている。しかしながら、この方法は収率が低く、更なる改善が望まれる。しかも、原料であるCFCFCHClは、TFEとCFClとを付加反応した後、反応生成物を還元することで合成されるが、CFClはCClから誘導される物質であるため、この方法はかなりコスト高となる。
その他、HFO−1234yfの製造方法としては、テトラフルオロプロパン酸クロロメチルとアミンを反応させる方法(特許文献4);1−トリフロオロメチル−1,2,2−トリフルオロシクロブタンの熱分解による方法(特許文献5)等が報告されている。
しかしながら、これらの方法については、原料の製造が難しく入手が困難であることや、反応条件が過酷であること、反応試薬が高価であること、収率が低いことなどの問題点があり、工業的に有効な製法とは言い難い。このため、経済性に適合するように、簡便にHFO−1234yfを製造できる方法が求められている。
一方、TFEは、工業スケールで大量に製造されている物質である。TFEをC化合物と反応させて炭素数を増加させる方法として、多くの方法が報告されている。例えば、TFEを(CHO)と反応させる方法(非特許文献2);TFEをCHCl、CCl等と反応させる方法(特許文献6);TFEをCHClFと反応させる方法(特許文献7)等が報告されている。特にC化合物としてCCl、CHCl等を用い、これをTFEと反応させて、CFClCFCCl(CFC−214cb)、CFClCFCHCl(HCFC−224ca)等を得る方法は、収率が良好であり、低コストの原料を用いる点において、有利な方法と言える。
しかしながら、この方法で得られる化合物について、ジフルオロメチレン基に隣接するポリクロロメチル基を選択性良く還元させる方法は報告されていない。例えば、下記特許文献8及び特許文献9には、ジフルオロメチレン基に隣接するポリクロロメチル基の還元について記載されているが、これらの方法では、CFC−214cbやHCFC−224caの還元反応におけるCFClCFCHの選択率は60%未満であり、工業的規模でのHFO−1234yf製造への利用は困難である。
米国特許2931840号 米国特許公報2006/0258891号 国際公開 WO2008/060614号 特開昭63−211245号公報 米国特許3996299号 米国特許2462402号 国際公開 WO2008/054778号 特開平2−204445号 特開平2−131437号
J.Chem.Soc.1957,2193 J.Org.Chem.1963,28,492
本発明は、上記した従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、安価な原料を用いて高収率で2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)を製造することができる、新規なHFO−1234yfの製造プロセスを提供することである。
本発明者は、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、クロロホルム、四塩化炭素などの比較的安価なハロゲン化メタンとテトラフルオロエチレンから得ることができる特定のハロゲン化フルオロプロパンを原料として用い、これを特定の反応プロセスに従って処理することによって、高い選択率で、収率良く目的とする2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)を製造できることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものである。
即ち、本発明は、下記の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法を提供するものである。
1. 下記工程を含む2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法:
(i)一般式(1):ACFCFCH(式中、AはCl、BrまたはIであり、xは0〜2の整数、y及びzは、それぞれ0〜3の整数であって、x、y及びzの合計は3である。)で表されるハロゲン化フルオロプロパンを還元して、一般式(2):ACFCFCHで表される1−ハロゲン化−1,1,2,2−テトラフルオロプロパンとする工程、
(ii) 上記(i)工程で得られた1−ハロゲン化−1,1,2,2−テトラフルオロプロパンを気相において触媒に接触させて2,3,3,3−テトラフルオロプロペンとする工程。
2. 一般式(1):ACFCFCHで表されるハロゲン化フルオロプロパンが、一般式(1’):ClCFCFCHCl3−n(式中、nは0〜2の整数である)で表されるクロロフルオロプロパンである上記項1に記載の方法。
3. 工程(i)が、触媒の存在下に、一般式(1):ACFCFCHで表されるハロゲン化フルオロプロパンを水素で還元することを含む方法で行われる上記項1又は2に記載の方法。
4. 工程(i)が、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、ニッケル、レニウム、モリブデン及びジルコニウムからなる群から選ばれた少なくとも一種の触媒の存在下に、一般式(1):ACFCFCHで表されるハロゲン化フルオロプロパンを80〜200℃で水素還元することを含む方法で行われる上記項3に記載の方法。
5. 工程(ii)が、気相中において、1−ハロゲン化−1,1,2,2−テトラフルオロプロパンを、酸化クロム、フッ素化された酸化クロム及びフッ化鉄からなる群から選ばれた少なくとも一種の触媒に接触させることを含む方法で行われる上記項1〜4のいずれかに記載の方法。
6. 工程(ii)が、フッ化水素及び酸素の存在下において1−ハロゲン化−1,1,2,2−テトラフルオロプロパンを触媒に接触させることを含む方法で行われ、フッ化水素の量が1−ハロゲン化−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン1モルに対して0.1〜2モルであり、酸素の量が、1−ハロゲン化−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン、フッ化水素及び酸素の合計量を基準として0.1〜21mol%である、上記項1〜5のいずれかに記載の方法。
7. 一般式(1):ACFCFCHで表されるハロゲン化フルオロプロパンが、テトラフルオロエチレンと、一般式(3):CHz+1(式中、AはCl、BrまたはIであり、xは0〜2の整数、y及びzは、それぞれ0〜3の整数であって、x、y及びzの合計は3である。)で表されるハロゲン化メタンとの付加方法によって得られるものである上記項1〜6のいずれかに記載の方法。
8. 上記付加反応が、ルイス酸触媒の存在下、該付加反応に不活性な溶媒中又は無溶媒で、テトラフルオロエチレンと一般式(3)で表されるハロゲン化メタンを接触させることを含む方法で行われる上記項7に記載の方法。
9. 一般式(3)で表されるハロゲン化メタンが、一般式:CHCl4−n(nは0〜2の整数である)で表されるクロロメタンである上記項8に記載の方法。
10. 一般式:CHCl4−n(nは0〜2の整数である)で表されるクロロメタンが、四塩化炭素及びクロロホルムからなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物である上記項9に記載の方法。
11. 白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、ニッケル、レニウム、モリブデン及びジルコニウムからなる群から選ばれた少なくとも一種の触媒の存在下に、一般式(1):ACFCFCH(式中、AはCl、BrまたはIであり、xは0〜2の整数、y及びzは、それぞれ0〜3の整数であって、x、y及びzの合計は3である。)で表されるハロゲン化フルオロプロパンを80〜200℃で水素還元すること特徴とする1−ハロゲン化−1,1,2,2−テトラフルオロプロパンの製造方法。
本発明方法は、一般式(1):ACFCFCH(式中、AはCl、BrまたはIであり、xは0〜2の整数、y及びzは、それぞれ0〜3の整数であって、x、y及びzの合計は3である。)で表されるハロゲン化フルオロプロパンを原料として用い、下記の二段階の反応工程に従って、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)を製造する方法である。
(i)還元工程
一般式(1):ACFCFCH(式中、A、x、y及びzは上記に同じ)で示されるハロゲン化フルオロプロパンを還元して、一般式(2):ACFCFCH(式中、Aは上記に同じ)で表される1−ハロゲン化−1,1,2,2−テトラフルオロプロパンとする工程、
(ii)脱フッ化水素及びフッ素化工程
上記(i)工程で得られた1−ハロゲン化−1,1,2,2−テトラフルオロプロパンを脱フッ化水素及びフッ素化して2,3,3,3−テトラフルオロプロペンとする工程。
上記した二工程からなる方法によれば、各工程において、高い選択率で目的物を得ることが可能であり、最終的に目的とする2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを高い選択率で、収率良く製造することができる。
以下、本発明方法について具体的に説明する。
(1)原料化合物
本発明では、原料化合物としては、一般式(1):ACFCFCH(式中、AはCl、BrまたはIであり、xは0〜2の整数、y及びzは、それぞれ0〜3の整数であって、x、y及びzの合計は3である。)で表されるハロゲン化フルオロプロパンを用いる。
該ハロゲン化フルオロプロパンは、例えば、テトラフルオロエチレンと、一般式(3):CHz+1(式中、A、x、y及びzは上記に同じ)で表されるハロゲン化メタンとの付加反応を含む方法によって得ることができる。この場合、一般式(3)で表されるハロゲン化メタンの内で、特に一般式:CHCl4−n(式中、nは0〜2の整数である)で表されるクロロメタンは、安価である点において有利な原料である。この様なハロゲン化メタンの具体例としては、四塩化炭素(CCl)、クロロホルム(CHCl)等を例示できる。従って、テトラフルオロエチレンに一般式:CHCl4−n(式中、nは0〜2の整数である)で表されるクロロメタンを付加して得られるハロゲン化フルオロプロパン、即ち、一般式(1’):ClCFCFCHCl3−n(式中、nは0〜2の整数である)で表される化合物は、安価な原料として工業的に非常に有利である。
テトラフルオロエチレンに対するハロゲン化メタンの付加反応は、例えば、ルイス酸触媒の存在下、反応に不活性な溶媒中又は無溶媒で、テトラフルオロエチレンと一般式(3)で表されるハロゲン化メタンを接触させることによって行うことができる。
これにより、テトラフルオロエチレンに一般式(3)で表されるハロゲン化メタンが付加して、一般式(1):ACFCFCH(式中、A、x、y及びzは上記に同じ)で示されるハロゲン化フルオロプロパンが得られる。例えば、一般式(1)で表されるハロゲン化メタンとして、四塩化炭素又はクロロホルムを用いる場合には、下記式に示すように1,1,1,3−テトラクロロ−2,2,3,3−テトラフルオロプロパン(CFC−214cb)又は1,1,3−トリクロロ−2,2,3,3−テトラフルオロプロパン(HCFC−224ca)が高収率で得られる。
CF=CF + CCl (ルイス酸触媒)→ CFClCFCCl
CF=CF + CHCl (ルイス酸触媒)→ CFClCFCHCl

この反応工程で用いるルイス酸触媒については特に限定的ではないが、B,Al,Ga,In,Fe,Ni,Co,Sb,Nb,Sn,Ti,Zr,WおよびTaからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含むハロゲン化物を例示できる。有用なハロゲン化物の例としては、BF,BCl,BBr,AlF,AlCl,AlBr,GaCl,InCl,FeCl,NiCl,CoCl,SbF,SbCl,NbCl,SnCl,TiCl,ZrCl,WCl,TaCl等を挙げることができる。
これらのルイス酸触媒の内で、特に、AlZ(式中、3個のZは、同一又は異なって、それぞれ、F、Cl又はBrである。但し、全てのZがFであることはない)で表されるハロゲン化アルミニウムが好ましい。特に、 平均組成が、AlCl(式中、xは約0.05〜2.95、yは約0.05〜2.95であって、xとyの和は3である。)で表される塩化フッ化アルミニウムが好ましい。この塩化フッ化アルミニウムは、通常、異なる組成の化合物の混合物であり、特に好ましい触媒は、yが約1.00〜2.95の範囲となる混合物である。この様な塩化フッ化アルミニウム触媒の製造の詳細は米国特許第5,162,594号に記載されている。反応系内において、AlZ(式中、3個のZは、同一又は異なって、それぞれ、F、Cl又はBrである。但し、全てがFであることはない)で表される触媒を付加反応に用いれば、このような特に好ましい触媒に変化するが、活性化を促進させるために、塩化アルミニウムとフッ素化合物の存在下に、テトラフルオロエチレンとハロゲン化メタンとの反応を行っても良い。活性化に用いるフッ素化合物としては、フッ素原子を有するアルカン又はアルケンであれば特に限定されないが、具体例としては、CFC−214cb、フルオロトリクロロメタン、ジクロロジフルオロメタン、クロロトリフルオロメタン、クロロジフルオロメタン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロペンなどを挙げることができる。フッ素化合物の添加量については特に限定的ではないが、大量に添加すると、1バッチ当りの得量が少なくなり効率的でないことから、一般式(3)で表されるハロゲン化メタン100重量部に対してフッ素化合物の添加量を50重量部程度までとすることが好ましく、特に、フッ素化合物の添加による効果を奏させるためには、フッ素化合物の添加量を一般式(3)で表されるハロゲン化メタン100重量部に対して1〜30重量部程度とすることがより好ましい。
テトラフルオロエチレンと一般式(3)で表されるハロゲン化メタンとの付加反応は、パーフルオロオクタン、パーフルオロブチルテトラヒドロフランなどの付加反応に不活性な溶媒中で行うことができるが、精製を容易にするためには、無溶媒で行うことが好ましい。
ルイス酸触媒の使用量は、テトラフルオロエチレンと一般式(3)で表されるハロゲン化メタンの合計量100重量部に対して、通常0.1〜50重量部程度とすることが好ましく、0.5〜10重量部程度とすることがより好ましい。
反応温度は、通常、−40〜200℃程度とすればよく、10〜150℃程度とすることが好ましい。反応圧は、常圧〜2MPa程度とすればよく、特に、常圧〜1MPa程度が好ましい。
反応時間は、通常、0.5〜12時間程度とすればよい。
上記した方法によれば、高い転化率で、選択性良く、目的とする一般式(1):ACFCFCHで示されるハロゲン化フルオロプロパンを得ることができる。
(2)2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法
(i)還元工程
本発明方法では、まず、一般式(1):ACFCFCHで表されるハロゲン化フルオロプロパンを還元して、一般式(2):ACFCFCHで表される1−ハロゲン化−1,1,2,2−テトラフルオロプロパンとする。
例えば、上記したトラフルオロエチレンとハロゲン化メタンの付加反応によって得られた一般式(1):ACFCFCHで表されるハロゲン化フルオロプロパンを、還元工程の原料として用いる前に、必要に応じて、常法に従って分離、精製してもよい。
還元工程では、触媒の存在下に、一般式(1):ACFCFCHで表されるハロゲン化フルオロプロパンを水素で還元することによって、一般式(2)で表される1−ハロゲン化−1,1,2,2−テトラフルオロプロパンとすることができる。
例えば、1,1,1,3−テトラクロロ−2,2,3,3−テトラフルオロプロパン(CFC−214cb)又は1,1,3−トリクロロ−2,2,3,3−テトラフルオロプロパン(HCFC−224ca)を原料とする場合には、下記の反応式に従って、1−クロロ−1,1,2,2−テトラフルオロプロパンを得ることができる。
CFClCFCCl + H (水素化触媒) → CFClCFCH
CFClCFCHCl + H (水素化触媒) → CFClCFCH
還元反応に用いる触媒としては、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウムなどの貴金属触媒、及びニッケル、レニウム、モリブデン、ジルコニウムなどの金属触媒が使用可能であり、特に、貴金属触媒が好ましい。これらの触媒の形態については、特に限定的ではないが、担体に担持させて用いることが好ましい。適切な担体の例は、アルミナ、活性炭、ゼオライト等である。従来の貴金属触媒の調製法が、この様な担持触媒の製造に適用可能である。なお、使用に当たってはあらかじめ触媒を水素で還元処理を施しておくことが安定した特性を得る上で好ましい。
還元工程(i)における還元反応は、液相又は気相で行うことができる。
気相で反応を行う場合には、例えば、上記した触媒を充填した反応器に、一般式(1):ACFCFCHで表されるハロゲン化フルオロプロパンと水素を気相状態で供給することによって反応を行うことができる。
水素と原料の割合は大幅に変動させることができるが、原料と1,3−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン(HCFC−234cb)等の中間物を完全に反応させるために、化学量論量よりかなり多い量、例えば、一般式(1)で表されるハロゲン化フルオロプロパン1モルに対して2モル以上の水素を使用することが好ましい。特に、一般式(1)で表されるハロゲン化フルオロプロパンの1モルに対して2〜10モル程度の水素を用いることが好ましい。
気相反応における反応温度は、70〜350℃程度とすればよく、特に、原料同士が結合したC化合物が副生しないため、80〜200℃程度の温度とすることが好ましい。
還元工程では、特に、水素の供給量を一般式(1)で表されるハロゲン化フルオロプロパンの1モルに対して2〜10モル程度とし、反応温度を80〜200℃とすることによって、副反応を抑制して高い転化率及び選択率で一般式(2)で表される1−ハロゲン化−1,1,2,2−テトラフルオロプロパンを得ることができる。
気相反応では、通常、反応系に流す原料ガス(即ち、ハロゲン化フルオロプロパンと水素)の全流量F(0℃、1気圧での流量:cc/sec)に対する触媒の充填量W(g)の比率、即ち、W/Fで表される接触時間を0.1〜30g・sec/cc程度とすることが好ましい。接触時間が短すぎると原料を十分に転化させることができず、また、接触時間が長すぎるとC化合物の副生やC又はC化合物への分解反応が起こるので、1〜20g・sec/cc程度とすることがより好ましい。
液相で反応を行う場合には、反応は、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、酢酸、酢酸エチル、ピリジン等の溶媒を用いて行うことができ、また、無溶媒で行うこともできる。液相反応での反応温度は、室温〜150℃程度が好ましく、反応圧力は常圧〜5MPa程度が好ましい。反応時間は、使用する一般式(1)で表されるハロゲン化フルオロプロパンの反応性により適宜選定すれば良いが、通常4〜72時間程度とすればよい。
(ii)脱フッ化水素及びフッ素化工程
次いで、上記還元工程で得られた一般式(2)で表される1−ハロゲン化−1,1,2,2−テトラフルオロプロパンを気相において触媒に接触させることによって、目的とする2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを得ることができる。
通常、上記した還元工程で得られた生成物は、本工程の原料として用いる前に、必要に応じて、常法に従って分離、精製してもよい。
この工程は、下記の反応式に従って、一旦HFが脱離し、この脱離したHFを利用して、目的とする化学式:CFCF=CHで表される2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)が形成されると考えられる。
CFACFCH → CFACF=CH + HF
CFACF=CH + HF → CFCF=CH + HA

この反応で使用できる触媒としては、Al、Cr、Mg、Ca、Sr、Ba、Fe、Ni、Co、Mn、Sb、Nb、及びTaからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を含むハロゲン化物、酸化物等を例示できる。
触媒は、上記元素から選ばれる少なくとも1種の元素を含むハロゲン化物または酸化物を均質に分散できる方法であればいずれの方法によっても調製できる。例えば、共沈法、混練法、イオン交換法、蒸着法が挙げられる。上記の金属元素の塩の水溶液から水酸化物を沈殿させる方法、あるいは水酸化物のケーキを、ボールミル、ホモジナイザーなどで混練、摩砕する方法等が好ましい。
上記した触媒は、活性化処理としてフッ素化処理を行ってもよい。フッ素化処理は、上記した触媒をフッ素水素に接触させることによって行うことができ、例えば、特開平5−146680号公報に記載された方法で行うことができる。フッ素化処理の反応温度は、生成する水が凝縮しない温度(例えば、1気圧において150℃程度)とすればよい。フッ素化の温度は100〜460℃程度が適当である。フッ素化時の圧力には制限はないが、触媒反応に供される時の圧力下で行えば良い。
特に、酸化クロム、フッ素化された酸化クロム及びフッ化鉄からなる群から選ばれた少なくとも一種の触媒を用いることが好ましい。この触媒を用いて、後述する反応条件を採用することによって、選択性良く高収率で、目的とするHFO−1234yfを得ることができる。
上記した触媒の内で、酸化クロムとしては、例えば、組成式:CrOにおいて、mが1.5<m<3の範囲にあるもの、好ましくは2<m<2.75の範囲にあるもの、より好ましくは2<m<2.3の範囲にあるものを用いることができる。この様な酸化クロムの調製方法の一例を挙げると次の通りである。
まず、クロム塩の水溶液(硝酸クロム、塩化クロム、クロムみょうばん、硫酸クロム等)とアンモニア水を混合して水酸化クロムの沈殿を得る。そして次にこの沈殿を濾過洗浄後、乾燥する。乾燥は、例えば空気中、70〜200℃程度、特に120℃程度で、1〜100時間程度、特に12時間程度行えばよい。この段階の生成物を水酸化クロムの状態と呼ぶ。
次いで、この生成物を解砕する。この解砕した水酸化クロムの粉体に、要すればグラファイトを3重量%程度以下混合し、打錠機によりペレットを形成する。ペレットは、例えば、直径3.0mm程度、高さ3.0mm程度とすればよい。
最後に、成形されたペレットを不活性雰囲気中、例えば窒素気流中で焼成して、非晶質の酸化クロムにする。
焼成された酸化クロムの比表面積は、170m2/g程度以上、好ましくは180m2/g程度以上、より好ましくは200m2/g程度以上である。比表面積の上限は240m2/g程度、好ましくは220m2/g程度である。240m2/g以上の比表面積では活性は高いが劣化速度が増加し、比表面積が170m2/gよりも小さい場合には、触媒の活性が低くなるので好ましくない。尚、本願明細書において、比表面積はBET法で測定した値である。
また、フッ素化された酸化クロムについては、特開平5−146680号公報に記載された方法によって調製することができる。例えば、上記した方法で得られる酸化クロムをフッ化水素によりフッ素化(HF処理)することによって得ることができる。フッ素化時の圧力には制限はないが、触媒反応に供される時の圧力で行なうことが好ましい。フッ素化の温度は、例えば100〜460℃程度である。
フッ素化処理により触媒の表面積は低下するが、一般に高比表面積である程活性が高くなる。フッ素化された段階での比表面積は、25〜130m2/g程度であることが好ましく、40〜100m2/g程度であることがより好ましいが、この範囲に限定されるものではない。
酸化クロムのフッ素化反応は、後述する本発明方法の実施に先立って、酸化クロムを充填した反応器にフッ化水素を供給することによって行ってもよい。
フッ素化の程度については、特に限定的ではないが、例えば、フッ素含有量が10〜30重量%程度までのものを好適に用いることができる。
更に、特開平11−171806号公報に記載されているクロム系触媒についても、本発明において、酸化クロム触媒又はフッ素化された酸化クロム触媒として用いることができる。該クロム系触媒は、インジウム、ガリウム、コバルト、ニッケル、亜鉛及びアルミニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素が添加されたクロム化合物を主成分とし、前記クロム化合物におけるクロムの平均原子価数が+3.5以上、+5.0以下であり、かつ、非晶質状態にあるものである。
触媒として用いるフッ化鉄の種類については特に限定はないが、特に、組成式:FeFx(式中、xは2〜3の数である)で表されるフッ化鉄を用いることが好ましい。この様なフッ化鉄としては、例えば、ペレット状の市販品、粉末状の市販品を圧力成型器などでペレット化したもの等を使用できる。
上記した酸化クロム、フッ素化された酸化クロム及びフッ化鉄からなる群から選ばれた少なくとも一種の触媒は、アルミナ、活性炭等の担体に担持されていてもよい。
脱フッ化水素及びフッ素化工程では、通常、上記した触媒を充填した反応器に、一般式(2)で表される1−ハロゲン化−1,1,2,2−テトラフルオロプロパンを気相状態で供給する方法によって反応を行うことができる。この方法によれば、1−ハロゲン化−1,1,2,2−テトラフルオロプロパンからフッ化水素が脱離して、一般式:CFACF=CHで表される3−ハロゲン化−2,3,3−トリフルオロプロペンが生じた後、脱離したフッ化水素を利用して、目的とするHFO−1234yfが形成されると考えられる。よって、フッ化水素を添加することなく反応を進行させることができるため、フッ化水素の利用効率が非常に良い方法といえる。
この様に、本工程では、1−ハロゲン化−1,1,2,2−テトラフルオロプロパンを単独で原料として用いることができるが、更に、これに加えて、フッ化水素を供給してもよい。フッ化水素を供給する場合には、1−ハロゲン化−1,1,2,2−テトラフルオロプロパンの転化率が多少低下するものの、HFO−1234yfの選択率を向上させることができる。
フッ化水素を用いる場合には、通常、1−ハロゲン化−1,1,2,2−テトラフルオロプロパンと共に、気相状態で反応器に供給すればよい。フッ化水素の供給量については、通常、一般式(2)で表される1−ハロゲン化−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン1モルに対して、2モル程度以下とすることが好ましく、1.5モル程度以下とすることがより好ましい。フッ化水素の供給量が1−ハロゲン化−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン1モルに対して2モルを上回っても、HFO−1234yfの選択率の顕著な向上はなく、1−ハロゲン化−1,1,2,2−テトラフルオロプロパンの転化率が低下する場合があるため好ましくない。
また、フッ化水素の使用量が少ない場合には、2−ハロゲン化−3、3,3−トリフルオロプロペンの生成量の増加や触媒の劣化が起こることがあることから、一般式(2)で表される1−ハロゲン化−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン1モルに対してフッ化水素を0.1モル以上用いることが好ましい。
従って、フッ化水素の使用量を一般式(2)で表される1−ハロゲン化−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン1モルに対して0.1〜2モルの範囲とすることによって、1−ハロゲン化−1,1,2,2−テトラフルオロプロパンの転化率とHFO−1234yfの選択率の両方を良好な範囲内に維持することができる。
尚、上記した原料は、反応器にそのまま供給してもよく、あるいは、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスで希釈して供給しても良い。
また、長時間の触媒活性を維持するために、上記原料に酸素を同伴させて反応器に供給してもよい。この場合、酸素の供給量は、一般式(2)で表される1−ハロゲン化−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン、フッ化水素及び酸素の合計供給量を基準として、0.1mol%程度以上とすることが好ましく、0.1〜21mol%程度とすることがより好ましい。酸素供給量が少なすぎる場合には酸素添加による効果が低く、一方、多すぎると酸素の浪費となる上、単位触媒量あたりのHFO−1234yfの生産速度が低下するので好ましくない。
本工程では、特に、1−ハロゲン化−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン1モルに対して、フッ化水素を0.1モル程度以上、好ましくは0.1〜2モル程度供給し、1−ハロゲン化−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン、フッ化水素及び酸素の合計供給モル数を基準として、酸素を0.1〜21mol%程度、好ましくは5〜21mol%程度供給することによって、1−ハロゲン化−1,1,2,2−テトラフルオロプロパンの転化率を大きく向上させ、更に、触媒の劣化を抑制して、優れた触媒活性を長期間維持することが可能となる。
本工程で用いる反応器の形態は特に限定されるものではなく、例えば、触媒を充填した断熱反応器、熱媒体を用いて加熱した多管型反応器等を用いることができる。尚、反応器としては、ハステロイ(HASTALLOY)、インコネル(INCONEL)、モネル(MONEL)等のフッ化水素の腐食作用に抵抗性がある材料によって構成されるものを用いることが好ましい。
本工程では、反応器の中の反応温度は、200〜450℃程度が好ましく、250〜400℃程度がより好ましい。この温度範囲より高温になると触媒の活性が低下し、逆に低温になると原料転化率が低下するので好ましくない。
反応は、常圧又は加圧下等の任意の圧力下に行うことができる。具体的には、本発明における反応は、大気圧(0.1MPa)下で実施することが可能であるが、1.0MPa程度までの加圧下で行ってもよい。
反応時間については特に限定的ではないが、反応系に流す原料ガス(1−ハロゲン化−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン、フッ化水素及び酸素)の全流量F(0℃、1気圧での流量:cc/sec)に対する触媒充填量W(g)の比率、即ち、W/Fで表される接触時間を5〜100g・sec/cc、好ましくは10〜40g・sec/cc程度の範囲とすればよい。
反応器出口では、HFO−1234yfを含む反応生成物を得ることができる。
反応生成物は、蒸留などによって精製して回収することが出来る。また、未反応の原料は分離・精製後に再び反応器に戻してリサイクルして用いることができる。この様に未反応の原料をリサイクルできることによって、原料転化率が低い場合であっても、高い生産性を維持することができる。
上記した2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法によれば、選択性良く、高収率で2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを製造することができる。
特に、安価な物質である一般式:CHCl4−nで表されるクロロメタンとテトラフルオロメチレンを原料として得られるハロゲン化フルオロプロパンを原料として用いる場合には、安価な原料を用いて、選択性良く、高収率で2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを得ることができる。
このため、本発明方法は、工業的規模における2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法として非常に有利な方法である。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
実施例1
(1)原料化合物(CFC−214cb)の製造
下記反応式に従って、1,1,1,3−テトラクロロ−2,2,3,3−テトラフルオロプロパン(CFC−214cb)を製造した。
CCl + TFE → CFC−214cb
まず、1Lステンレス製オートクレーブに、無水塩化アルミニウム(50g,0.37mol)、CCl(1.0kg,6.50mol)、及びCFC−214cb(200g,0.79mol)を入れて撹拌しながら減圧脱気した後、テトラフルオロエチレン(TFE)を0.05MPaまで供給して60℃に昇温した。その後、0.4MPaを維持しながら、テトラフルオロエチレン(計0.33kg,3.30mol)を供給した。さらに1時間撹拌した後、室温まで冷却して、反応液をガスクロマトグラフで分析したところ、CClの転化率は50%であり、CFC−214cbの選択率は91%であった。反応液を濾別した後に、粗生成物を蒸留精製することによりCFC−214cb(0.96kg,3.78mol)を得た。
(2)HFO−1234yfの製造
(i)還元工程
上記した方法で得られたCFC−214cbを原料として、下記方法で1−クロロ−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン(HCFC−244cc)を得た。
まず、電気炉を備えた円筒形反応管からなる気相反応装置(ハステロイ製,直径13mm,長さ30cm)に0.5重量%の割合でパラジウムを担持した活性炭ペレット(10g)を充填した。水素(83mL/min、0℃、1気圧での流量;以下の実施例及び参考例においても同様)を供給しながら反応管を150℃に加熱した後、CFC−214cb(0.19g/min,ガス体積換算17mL/min)を供給した。
反応管からの出口ガスは、水洗塔と塩化カルシウム塔を通して水洗および乾燥して酸分と水分とを除去した後、コールドトラップに捕集した。捕集した液体をガスクロマトグラフで分析したところ、CFC−214cbの転化率は100%であり、生成物の選択率は、HCFC−244ccが82%、1,3−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン(HCFC−234cb)が4%、1,1,3−トリクロロ−2,2,3,3−テトラフルオロプロパン(HCFC−224ca)が5%であった。計500g(1.97mol)のCFC−214cbを反応させて、278gの粗生成物を得た。
得られた粗生成物を常圧精留して、HCFC−244cc(233g,1.55mol)を得た。なお、蒸留で分離したHCFC−234cb及びHCFC−224caは、再度、水素を用いて還元することでHCFC−244ccに変換することが可能である。
(ii)脱フッ化水素・フッ素化工程
上記工程(i)で得られたHCFC−244ccを用いて、下記方法で2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)を得た。
まず、電気炉を備えた円筒形反応管からなる気相反応装置(ハステロイ製、直径13mm、長さ30cm)に、組成式:CrOで表される酸化クロムにフッ素化処理を施して得られた触媒(円柱型,直径3mm,高さ3mm,フッ素含有量約15重量%)を8.2g充填した。この反応管を300℃に維持し、無水フッ化水素を60mL/minで供給して1時間維持した。窒素(100mL/min)を供給しながら、反応管を400℃に加熱し1時間その温度を保った。窒素ガスの導入を停止した後、HCFC−244cc(100mL/min)、無水フッ化水素(15mL/min)、及び酸素(3.9mL/min,全ガス流量の8vol%)を供給した。反応管の出口ガスを、水洗処理して塩化カルシウムで乾燥した後、コールドトラップに捕集した。
HCFC−244cc導入開始10時間後、反応器出口から出るガスをガスクロマトグラフで分析したところ、GC組成はHCFC−244cc:55%、HFO−1234yf:40%、3−クロロー2,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233yf):2%、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン(HFC−245cb):1%、その他:2%であり、HCFC−244cc転化率45%で、HFO−1234yfが92%の生成物選択率で得られた。計255gのHCFC−244cc(1.70mol)を反応させて、粗生成物235gを得た。
粗生成物をステンレス製の20段精留塔で加圧下精留することによりHFO−1234yf(68g,0.60mol)を得た。なお精留で分離した原料HCFC−244cc、HCFO−1233yf、及びHFC−245cbは、再度、本工程の条件で反応させ、HFO−1234yfに変換することが可能である。
実施例2
(1)原料化合物(CFC−224ca)の製造
下記反応式に従って、1,1,3−トリクロロ−2,2,3,3−テトラフルオロプロパン(HCFC−224ca)を製造した。
CHCl + TFE → HCFC−224ca
まず、1Lステンレス製オートクレーブに、無水塩化アルミニウム(50g,0.37mol)、CHCl(1.0kg,8.38mol)、及びHCFC−224ca(200g,0.91mol)を入れて撹拌しながら減圧脱気した後、TFEを0.05MPaまで供給して80℃に昇温した。その後、0.8MPaを維持しながら、TFE(計0.33kg,3.30mol)を供給した。さらに1時間撹拌した後、室温まで冷却して、反応液をガスクロマトグラフで分析したところ、CHClの転化率は36%であり、HCFC−224caの選択率は88%であった。反応液を濾別した後に、粗生成物を蒸留精製することによりHCFC−224ca(0.79kg,3.60mol)を得た。
(2)HFO−1234yfの製造
(i)還元工程
上記した方法で得られたHCFC−224caを原料として、下記方法で1−クロロ−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン(HCFC−244cc)を得た。
まず、電気炉を備えた円筒形反応管からなる気相反応装置(ハステロイ製,直径25mm,長さ30cm)に3.0重量%の割合でパラジウムを担持した活性炭ペレット(15g)を充填した。水素(180mL/min)を供給しながら反応管を200℃に加熱した後、HCFC−224ca(0.44g/min,ガス体積換算45mL/min)を供給した。
反応管からの出口ガスは水洗塔と塩化カルシウム塔を通して水洗および乾燥して酸分と水分とを除去した後、コールドトラップに捕集した。捕集した液体をガスクロマトグラフで分析したところ、HCFC−224caの転化率は100%であり、HCFC−244ccが79%、HCFC−234cbが15%の選択率で得られた。計500g(2.27mol)のHCFC−224caを反応させて、303gの粗生成物を得た。
得られた粗生成物を20段精留塔で常圧精留して、HCFC−244cc(255g,1.70mol)を得た。なお、蒸留で分離したHCFC−234cbは、再度、水素を用いて還元することでHCFC−244ccに変換することが可能である。
(ii)脱フッ化水素・フッ素化工程
上記工程(i)で得られたHCFC−244ccを用いて、下記方法で2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)を得た。
まず、電気炉を備えた円筒形反応管からなる気相反応装置(ハステロイ製、直径13mm、長さ30cm)に、組成式:CrOで表される酸化クロムにフッ素化処理を施して得られた触媒(円柱型,直径3mm,高さ3mm,フッ素含有量約15重量%)を8.2g充填した。この反応管を300℃に維持し、無水フッ化水素を60mL/minで供給して1時間維持した。窒素(100mL/min)を供給しながら、反応管を400℃に加熱し1時間その温度を保った。窒素ガスの導入を停止した後、HCFC−244cc(100mL/min)、無水フッ化水素(15mL/min)、及び酸素(3.9mL/min,全ガス流量の8vol%)を供給した。反応管の出口ガスを、水洗処理して塩化カルシウムで乾燥した後、コールドトラップに捕集した。
HCFC−244cc導入開始10時間後、反応器出口から出るガスをガスクロマトグラフで分析したところ、GC組成はHCFC−244cc:55%、HFO−1234yf:40%、HCFO−1233yf:2%、HFC−245cb:1%、その他:2%であり、HCFC−244cc転化率45%で、HFO−1234yfが92%の生成物選択率で得られた。計255gのHCFC−244cc(1.70mol)を反応させて、粗生成物235gを得た。
得られた粗生成物をステンレス製の20段精留塔で加圧下精留することによりHFO−1234yf(68g、0.60mol)を得た。なお精留で分離した原料HCFC−244cc、HCFO−1233yf、及びHFC−245cbは再度本工程の条件で反応させ、HFO−1234yfに変換することが可能である。
以下、本発明の第一工程の還元反応について、実施例を示す。
実施例3
電気炉を備えた円筒形反応管からなる気相反応装置(ハステロイ製,直径13mm,長さ30cm)に0.5重量%の割合でパラジウムを担持した活性炭ペレット(10g)を充填して反応管とした。Hガス(85mL/min)を供給しながら反応管を150℃に加熱した後、1,1,1,3−テトラクロロ−2,2,3,3−テトラフルオロプロパン(CFC−214cb)(ガス体積換算17mL/min)を供給した。CFC−214cbに対するHのモル比は5であり、接触時間(W/F)は6.0g・sec/ccであった。
反応管からの出口ガスは加温した水洗塔と塩化カルシウム塔を通して水洗および乾燥して、酸分と水分とを除去した後、コールドトラップに捕集した。得られた生成物をガスクロマトグラフで分析したところ、CFC−214cbの転化率は99%であり、生成物としてHCFC−244ccが84%、HCFC−234cbが3.4%、HCFC−224caが4.0%、その他の副生物が8.3%の選択率で得られた。
実施例4
ガスを88mL/min、CFC−214cbを12mL/min(ガス体積換算)で供給する以外は、実施例3と同様に反応を行った。CFC−214cbに対するHのモル比は7であり、W/Fは6.0g・sec/ccであった。
生成物をガスクロマトグラフで分析したところ、CFC−214cbの転化率は100%であり、生成物としてHCFC−244ccが84%、HCFC−234cbが2.6%、HCFC−224caが2.4%、その他の副生物が11%の選択率で得られた。
実施例5
反応管を100℃に加熱する以外は、実施例3と同様に反応を行った。
生成物をガスクロマトグラフで分析したところ、CFC−214cbの転化率は99%であり、生成物としてHCFC−244ccが83%、HCFC−234cbが1.6%、HCFC−224caが8.4%、その他の副生物が6.9%の選択率で得られた。
実施例6
反応管を100℃に加熱する以外は、実施例4と同様に反応を行った。CFC−214cbに対するHのモル比は7であり、W/Fは6.0g・sec/ccであった。
生成物をガスクロマトグラフで分析したところ、CFC−214cbの転化率は99%であり、生成物としてHCFC−244ccが84%、HCFC−234cbが0.9%、HCFC−224caが5.1%、その他の副生物が9.6%の選択率で得られた。
比較例1
反応管を250℃に加熱する以外は、実施例4と同様に反応を行った。CFC−214cbに対するHのモル比は7であり、W/Fは6.0g・sec/ccであった。
生成物をガスクロマトグラフで分析したところ、CFC−214cbの転化率は100%であり、生成物としてHCFC−244ccの選択率が71%であり、HCFC−234cbが4.0%、その他の副生物が25%の選択率で得られた。
以下、本発明の第二工程の脱フッ化水素及びフッ素化反応について、参考例を示す。
参考例1
組成式:CrO2で表される酸化クロムにフッ素化処理を施して得られた触媒30 g (フッ素含有量約15重量%)を、内径15mm、長さ1mの管状ハステロイ製反応器に充填した。この反応管を大気圧(1気圧)および300℃に維持し、無水フッ化水素(HF)ガスを60 cc/minで反応器に供給して1時間維持した。その後、CF2ClCF2CH3(HCFC-244cc)ガスを30cc/minの速度で供給し、反応器の温度を320℃に変更した。HCFC-244ccに対するHFのモル比は2であり、接触時間(W/F0)は20 g・sec/ccであった。目的の反応温度になってから1時間後の反応器の出口ガスをガスクロマトグラフを使用して分析した。結果を表1に示す。
各生成物の構造は以下の通りである;
CF3CF=CH2(HFO-1234yf)
CF3CF2CH3(HFC-245cb)
CF2ClCF=CH2 (HCFO-1233yf)
CF3CCl=CH2 (HCFO-1233xf)
参考例2
触媒量を25gに、無水フッ化水素(HF)ガスの流量を45 cc/minに変更した以外は参考例1と同様の条件で実験を行った。HCFC-244ccに対するHFのモル比は1.5であり、接触時間(W/F0)は20 g・sec/ccであった。分析結果を表1に示す。
参考例3
触媒量を20gに、無水フッ化水素(HF)ガスの流量を30 cc/minに変更した以外は参考例1と同様の条件で実験を行った。HCFC-244ccに対するHFのモル比は1であり、接触時間(W/F0)は20 g・sec/ccであった。分析結果を表1に示す。
参考例4
反応温度を280℃に変更した以外は参考例3と同様の条件で実験を行った。HCFC-244ccに対するHFのモル比は1であり、接触時間(W/F0)は20 g・sec/ccであった。分析結果を表1に示す。
参考例5
触媒量を15gに、無水フッ化水素(HF)ガスの流量を15 cc/minに変更した以外は参考例1と同様の条件で実験を行った。HCFC-244ccに対するHFのモル比は0.5であり、接触時間(W/F0)は20 g・sec/ccであった。分析結果を表1に示す。
参考例6
参考例1で使用したものと同じ触媒20 g (フッ素含有量約15重量t%)を、内径15mm、長さ1mの管状ハステロイ製反応器に充填した。この反応管を大気圧(1気圧)および300℃に維持し、無水フッ化水素(HF)ガスを60 cc/minで反応器に供給して1時間維持した。その後、HFの供給を止めて窒素(N2)ガスとCF2ClCF2CH3(HCFC-244cc)ガスをそれぞれ30 cc/minの速度で供給し、反応器の温度を350℃に変更した。HCFC-244ccに対するHFのモル比は0であり、接触時間(W/F0)は20 g・sec/ccであった。目的の反応温度になってから1時間後の反応器の出口ガスをガスクロマトグラフを使用して分析した。結果を表2に示す。
参考例7
参考例1で使用したものと同じ触媒16 g (フッ素含有量約15重量%)を、内径15mm、長さ1mの管状ハステロイ製反応器に充填した。この反応管を大気圧(1気圧)および300℃に維持し、無水フッ化水素(HF)ガスを60 cc/minで反応器に供給して1時間維持した。その後、HFの供給を止めて窒素(N2)ガスを60cc/minの速度で供給し、さらに1時間維持した。次に窒素(N2)ガスの供給を止めてCF2ClCF2CH3(HCFC-244cc)ガスを48 cc/minの速度で供給し、反応器の温度を350℃に変更した。HCFC-244ccに対するHFのモル比は0であり、接触時間(W/F0)は20 g・sec/ccであった。目的の反応温度になってから1時間後の反応器の出口ガスをガスクロマトグラフを使用して分析した。結果を表2に示す。
参考例8
電気炉を備えたハステロイ製の直管(直径2.54cm)に、参考例1と同様のフッ素化した酸化クロム触媒を82g充填した。これに触媒の乾燥のため窒素(N2)ガスを流しながら400℃に加熱し1時間その温度を保った。窒素ガスの導入を止め,酸素(O2)ガスを2.2 cc/min(全ガス流量の8vol%)、CF2ClCF2CH3(HCFC-244cc)ガスを25 cc/minの流速で反応管入口より導入した。
HCFC-244cc導入開始1時間後、反応器出口から出るガスをガスクロマトグラフで分析した。結果を表2に示す。
参考例9
電気炉を備えたハステロイ製の直管(直径2.54cm)に、参考例1と同様のフッ素化した酸化クロム触媒を8.2g充填した。これに触媒の乾燥のため窒素(N2)ガスを流しながら400℃に加熱し1時間その温度を保った。窒素ガス導入を止め、無水フッ化水素(HF)ガスを15cc/min(244cc 1モルに対し0.5モル)、酸素(O2)ガスを3.9cc/min(全ガス流量の8vol%)、CF2ClCF2CH3(HCFC-244cc)ガスを30cc/minの流速で反応管入口より導入した。
HCFC-244cc導入開始4時間後、反応器出口から出るガスをガスクロマトグラフで分析した。結果を表2の「参考例9-1」の項に示す。さらに、HCFC-244cc導入開始10時間後、同様に反応管出口ガスを分析したところ、ガス組成は表2の「参考例9-2」の項に示す通りであり、触媒の劣化による転化率の低下は見られなかった。
参考例10
組成式FeF2で表される、市販品のフッ化鉄粉末を圧力成型器で直径約2mm、高さ約5mmの円柱状ペレットとした。直径2.54cmハステロイ製直管に、このフッ化鉄触媒ペレットを10g充填して反応管とした。触媒の乾燥のため窒素(N2)ガスを流しながら反応管を400℃に加熱しその温度を保った。次に窒素ガス導入を止め、CF2ClCF2CH3(HCFC-244cc)ガス18cc/minおよび酸素1.6cc/minの混合ガスを反応管入口より導入した。
導入開始1時間後、反応管出口から出るガスをガスクロマトグラフで分析したところ、244cc転化率1.8%で反応が進行し、生成物中HFO-1234yfが93%の選択率で得られていることがわかった。
Figure 0005413451
Figure 0005413451

Claims (10)

  1. 下記反応工程を含む2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法:
    (i)一般式(1):ACFCFCH(式中、AはCl、BrまたはIであり、xは0〜2の整数、y及びzは、それぞれ0〜3の整数であって、x、y及びzの合計は3である。)で表されるハロゲン化フルオロプロパンを還元して、一般式(2):ACFCFCHで表される1−ハロゲン化−1,1,2,2−テトラフルオロプロパンとする工程、
    (ii) 上記(i)工程で得られた1−ハロゲン化−1,1,2,2−テトラフルオロプロパンを気相において、酸化クロム、フッ素化された酸化クロム及びフッ化鉄からなる群から選ばれた少なくとも一種の触媒に接触させて2,3,3,3−テトラフルオロプロペンとする工程。
  2. 一般式(1):ACFCFCHで表されるハロゲン化フルオロプロパンが、一般式(1’):ClCFCFCHCl3−n(式中、nは0〜2の整数である)で表されるクロロフルオロプロパンである請求項1に記載の方法。
  3. 工程(i)が、触媒の存在下に、一般式(1):ACFCFCHで表されるハロゲン化フルオロプロパンを水素で還元することを含む方法で行われる、請求項1に記載の方法。
  4. 工程(i)が、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、ニッケル、レニウム、モリブデン及びジルコニウムからなる群から選ばれた少なくとも一種の触媒の存在下に、一般式(1):ACFCFCHで表されるハロゲン化フルオロプロパンを80〜200℃で水素還元することを含む方法で行われる請求項3に記載の方法。
  5. 工程(ii)が、フッ化水素及び酸素の存在下において1−ハロゲン化−1,1,2,2−テトラフルオロプロパンを触媒に接触させることを含む方法で行われ、フッ化水素の量が1−ハロゲン化−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン1モルに対して0.1〜2モルであり、酸素の量が、1−ハロゲン化−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン、フッ化水素及び酸素の合計量を基準として0.1〜21mol%である、請求項に記載の方法。
  6. 一般式(1):ACFCFCHで表されるハロゲン化フルオロプロパンが、テトラフルオロエチレンと、一般式(3):CHz+1(式中、AはCl、BrまたはIであり、xは0〜2の整数、y及びzは、それぞれ0〜3の整数であって、x、y及びzの合計は3である。)で表されるハロゲン化メタンとの付加方法によって得られるものである請求項1に記載の方法。
  7. テトラフルオロエチレンと一般式(3):CHz+1で表されるハロゲン化メタンとの付加反応が、ルイス酸触媒の存在下、該付加反応に不活性な溶媒中又は無溶媒で、テトラフルオロエチレンと一般式(3)で表されるハロゲン化メタンを接触させることを含む方法で行われる請求項に記載の方法。
  8. 一般式(3)で表されるハロゲン化メタンが、一般式:CHCl4−n(nは0〜2の整数である)で表されるクロロメタンである請求項に記載の方法。
  9. 一般式:CHCl4−n(nは0〜2の整数である)で表されるクロロメタンが、四塩化炭素及びクロロホルムからなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物である請求項に記載の方法。
  10. 白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、ニッケル、レニウム、モリブデン及びジルコニウムからなる群から選ばれた少なくとも一種の触媒の存在下に、1,1,1,3−テトラクロロ−2,2,3,3−テトラフルオロプロパンを80〜200℃で水素還元することを特徴とする1−クロロ−1,1,2,2−テトラフルオロプロパンの製造方法。
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