JP5413423B2 - 擬似溶銑の製造方法 - Google Patents
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Description
この転炉での脱炭精錬では、吹錬を終了する吹き止め時の温度および炭素濃度が、予め設定した目標値となるように、過去の吹錬実績等を参照しながら、例えば、溶銑、屑鉄、または酸化鉄の配合量を決定している。
また、溶銑に施される予備処理は、トピードカーまたは溶銑鍋等の搬送手段の処理単位ごとに、溶銑中の燐と硫黄の各量が、目標値以下となるように過剰に実施されているため、処理コストの上昇と溶銑温度の低下を招いている。
そして、前記した搬送手段の容量と転炉の容量とが釣り合わないため、例えば、待機中の搬送手段が保持している溶銑、あるいは搬送手段中に残った溶銑(残銑)等には、急激な温度低下が生じている。このため、搬送手段から転炉への溶銑の供給量が不足する場合には、例えば、転炉の吹錬精度が低下し、使用する炭材量が多量に必要となる。
この溶銑保持工程では、例えば、貯銑炉と称されるものを使用しており、この貯銑炉は、トピードカーまたは溶銑鍋等の複数の搬送手段で搬送される溶銑を受銑可能な容積を備えており、単に作業工程の調整を行うだけでなく、例えば、各搬送手段からそれぞれ受銑した溶銑の成分と温度の均一化(平均化)を行うこともできる。
従って、溶銑保持工程において、溶銑の貯留量を増減させることにより、高炉の出銑量と転炉への出鋼量との差を吸収でき、転炉における生産効率を高めることができる。
例えば、特許文献1、2には、脱硫処理工程の後に溶銑保持工程を設け、この溶銑保持工程では電気加熱装置を備える加熱式貯銑炉を用いる技術が開示されている。
また、特許文献3には、高炉から出銑された溶銑を、溶銑保持工程で一旦貯留した後、脱硫処理工程で脱硫処理を行う技術が開示されている。なお、この溶銑保持工程では、高炉からの溶銑を、電気加熱装置のない貯銑炉に貯留している。
そして、特許文献4には、電気炉で金属を溶解(加熱)し、酸化、還元、および除滓の各種処理を行った後に、脱硫処理を実施する技術が開示されている。詳細には、金属を溶解させた後、1500〜1700℃の温度範囲に調整された溶鋼に、脱硫剤が供給されている。
特許文献5は、溶銑保持工程で使用する電気加熱装置を備えた加熱式貯銑炉で炭材を吹き込み、鉄系スクラップを溶解して溶銑を増量する技術が開示されている。
特許文献1では、脱硫処理後の溶銑の温度低下を、加熱式貯銑炉で補完できる利点はあるものの、以下のような不都合が生じる。
一般に、高炉においては、例えば、高炉へ装入する原料の種類または高炉の操業条件の変動によって、溶銑中の硫黄量と溶銑温度にかなりの変動が認められ、溶銑の脱硫効率のばらつき、即ち、脱硫処理による精錬精度の低下を招く問題がある。
以上の理由から、特許文献1では、トピードカーまたは溶銑鍋の処理単位ごとに、溶銑中の硫黄量が目標値以下となるように、過剰の脱硫処理が実施されている。このため、処理コストの上昇と溶銑温度の低下を招いており、加熱式貯銑炉の投入電力量も増加して経済的でない。
なお、特許文献2についても、特許文献1と同様に、溶銑中の硫黄量が目標値以下となるように、過剰実施される課題を持つ。
特許文献4では、1500〜1700℃の高温で脱硫処理を行うため、脱硫効率はよいが、単一炉で加熱と脱硫の双方を行う、即ちバッチ処理であるため、高炉の出銑量と転炉への出鋼量との差を吸収することができない。なお、仮に、転炉の出鋼量に合わせて脱硫処理した溶湯の一部を転炉へ払い出し、残部溶湯に高炉からの溶銑を受け入れる場合には、以下の問題点がある。
(1)脱硫処理前の溶銑中の硫黄量が大きく変動するため、脱硫処理後の硫黄量を所定の値とするための脱硫作業がその都度変わり、しかも脱硫剤が過剰に必要となる点。
(2)スラグが存在する浴の撹拌混合と、溶銑の受け入れおよび払い出しの繰り返しにより、耐火物の損耗が進行し易くなる点。
(3)処理温度が1500〜1700℃と高温であることから、耐火物の損耗が極めて顕著となる点。
溶銑に吹込む炭材には、一般に精錬上無視できない量の硫黄が含まれており、またスクラップには、一般に油が付着しており、油由来の硫黄分が含まれている。このため、溶銑へ炭材とスクラップを添加することにより、硫黄ピックアップ(硫黄量増加)の問題は避けられない。
また、この方法では、添加した炭材のうち溶銑へ溶解しないもの、即ち未溶解分の炭材が浮上して、溶銑表面のスラグ中に残留するため、添加した炭材の無駄が生じる。
以上のことから、仮に、引用文献5に示す処理済み溶銑を転炉で処理する場合には、添加した炭材の量のわりには、転炉での昇熱量が得られない課題がある。
また、溶銑保持工程では、温度制御を行う電気加熱装置が設けられた処理炉を使用するので、処理炉に一旦貯留した溶銑の温度を上昇させ、かつ温度コントロールを行うことができる。これにより、電気加熱装置が設けられていない処理炉を使用した場合と比べて、溶銑の脱硫効率を高位に安定させることができる。
以上のことから、製造する各種製品に適した脱硫処理を行うことができるとともに、従来と比較して、脱硫剤の使用量を削減でき、経済的である。
従って、電気加熱装置が設けられていない処理炉を使用する場合と比べて、炭材を溶銑に安定して溶解できる。
また、電気加熱装置により、炭材溶解に伴う溶銑温度の低下がなく、温度上昇も可能で、しかも温度範囲をコントロールできるため、電気加熱装置がない場合と比べて、脱硫処理工程での脱硫効率を高位に安定させることができる。例えば、溶銑に炭材を添加しても、若干の電気コストの増加を招くだけで、処理炉内の溶銑温度は炭材を添加しない場合と同様に、目標とする温度に自由にコントロール可能である。
なお、次工程の脱硫処理工程は、一般に、脱硫剤の吹き込みと脱硫剤投入後の撹拌とを実施するため、未溶解の炭材を溶解することができ、添加する炭材を全て有効に利用できる。
溶銑保持工程で使用する加熱式貯銑炉(以下、単に貯銑炉ともいう)10は、複数の搬送手段から供給される溶銑、例えば、転炉11で処理する5〜10回分の溶銑量(例えば、700〜2000トン程度の溶銑)を貯留可能な容量を備えたものである。この貯銑炉10には、例えば、誘導加熱またはアークプラズマのように、温度制御機能(加熱機能も含む)を備える電気加熱装置(図示しない)が設けられている。
ここで、冷鉄源とは、鉄を主成分(例えば、95質量%以上)とするものであればよく、例えば、鉄のスクラップ、屑鉄、または酸化鉄であり、その装入量は、例えば、溶銑1トン当たり50kg以上300kg以下程度である。
そして、加熱式貯銑炉10内に貯留された溶銑を貯銑炉10内に保持した状態で、貯銑炉10内に更に炭材を吹込み、冷鉄源を溶解させる。なお、炭材の装入量は、例えば、溶銑1トン当たり2kg以上20kg以下程度である。
本実施の形態では、炭材は、硫黄成分を含むコークスであるが、他の炭材、例えば、石炭またはゴムを使用してもよい。ここで、硫黄分の濃度上昇を抑制しながら炭材を溶銑または溶鋼に吹き込む場合、一般に硫黄が0.15質量%以下の高級石炭を使用するが、本実施の形態では、硫黄の制約が緩和されるため、0.15質量%を超え2.0質量%以下の硫黄を含む炭材を使用できる。この種の炭材としては、例えば、低級炭素、硫黄を含むコークス粉またはゴム等が挙げられる。
このとき、加熱式貯銑炉10に貯留された溶銑は、その温度が、電気加熱装置により一定(例えば、1340℃以上1410℃以下程度の温度範囲)にコントロールされる。これにより、冷鉄源の表面側から炭材のC(カーボン)成分が浸入(浸炭)し、冷鉄源の融点が低下して、冷鉄源をCが浸入しない場合よりも低い温度で溶解できる。
スラグ中の鉄分濃度が低くなるに伴い、酸化鉄に起因する酸素源を低減できるため、引き続き行われる脱硫処理工程での脱硫反応を安定に進行させ、脱硫効率を高めることができる。
従って、スラグ中の鉄分濃度範囲を、0.5質量%以上2質量%以下としたが、炭材を過剰に添加することなく、しかも炭材の効果を得るには、下限値を0.8質量%とすることが好ましく、また上限値を1.7質量%とすることが好ましい。
ここで、溶銑の温度が、1340℃より低い場合、後工程の脱硫処理工程での脱硫時に添加する石灰の滓化が悪化(低融点のスラグ、即ちAl2O3、SiO2が生成)し、溶銑中の硫黄と石灰との反応効率が著しく低下して、石灰原単位の増加を招く。一方、溶銑の温度が、1410℃より高い場合、反応効率の更なる上昇効果は望めず、また脱硫処理の際に使用する脱硫装置の耐火物の寿命低下を招き、脱硫に要するコストの増加と、メンテナンス等に伴う擬似溶銑の生産性の悪化を招く。
以上のことから、溶銑の温度を1340℃以上1410℃以下としたが、好ましくは、下限値を1350℃とし、上限値を1400℃とする。
この脱硫処理は、従来公知の処理であり、溶銑中に脱硫剤を装入して行う。この脱硫剤としては、例えば、生石灰粉のみを使用できるが、これにAl(アルミ)ドロスおよび蛍石のいずれか1または2を混合したものを使用してもよい。
また、脱硫反応と未溶解炭材の溶解を促進させるため、インペラーを使用した機械的撹拌(KR法)を行うが、この方法と、インジェクション法(脱硫剤の吹き込み)とを組み合わせてもよい。これにより、脱硫反応と未溶解炭材の溶解を更に促進させることができる。
以上の方法により、冷鉄源と炭材が添加され、最終的に硫黄成分の量が調整された溶銑、即ち擬似溶銑を製造できる。
そして、擬似溶銑が装入された転炉11内へ向けて、上吹きランスから酸素を吹き付け、擬似溶銑の脱炭処理を行うことにより、溶鋼を製造する。
以上に示したように、溶銑を一旦貯留する溶銑保持工程と、脱炭処理を行う脱炭精錬工程との間に、溶銑の脱硫処理を行う脱硫処理工程を設けることにより、脱硫効率を高位に安定させることができ、しかも製造する各種製品に適した脱硫処理を行って擬似溶銑を製造できる。
ここでは、高炉から出銑された溶銑(例えば、炭素量:4.3〜4.7質量%程度、硫黄量:0.012〜0.035質量%程度)を、以下に示す方法で処理して溶鋼を製造した。
従来例1:高炉 → 脱硫処理 → 溶銑保持(電気加熱あり) → 転炉
従来例2:高炉 → 溶銑保持(電気加熱なし) → 脱硫処理 → 転炉
実施例 :高炉 → 溶銑保持(電気加熱あり) → 脱硫処理 → 転炉
なお、従来例1、従来例2、および実施例の各脱硫処理は、KR法、もしくはKR法とインジェクション法との組み合わせにより行っている。なお、脱硫剤としては、生石灰粉とAlドロスを混合したものを使用し、この生石灰粉量を90質量%以上100質量%以下とした。
溶銑の装入速度 :10〜180トン/時間
貯銑量 :700〜2000トン(操業条件により変動)
冷鉄源投入速度 :10〜60トン/時間
スクラップ比 :0または0を超え100%、残りは型銑(通常、10〜50kg/個程度の小塊状となるように、溶銑を鋳型にて冷却し凝固させたもの)を使用
カーボン添加速度:0.5〜4トン/時間
貯銑炉内[C] :カーボン補填、[C]=3.9〜4.6%の範囲となるように、添加量を調整
図2に示すように、従来例1は、従来例2および実施例と比較して、溶銑温度のばらつきが大きかった。これは、従来例1が、溶銑保持工程を介することなく、高炉から出銑された溶銑を、直接脱硫処理しているためであり、前記した各搬送手段ごとに生じる溶銑温度のばらつきを平均化できないことによる。
また、従来例2は、高炉からの溶銑を溶銑保持工程を介して脱硫処理工程へ送っているため、溶銑のブレンド効果が溶銑温度のばらつきを減らす効果はあるが、冷鉄源の投入により溶銑温度の平均温度が大きく低下している。なお、溶銑へ投入する冷鉄源の速度変動により、溶銑温度のばらつきは、ブレンド効果と相殺され、従来法1に比べると若干減少する程度にとどまった。
更に、脱硫処理工程前の溶銑保持工程で溶銑の温度制御が可能な加熱式貯銑炉を使用しているため、従来例2と比較して、溶銑温度を大幅に高めることができるのみならず、そのばらつきも大幅に小さくできる。
脱硫率(%)={[S]i−[S]e}/[S]i×100
ここで、[S]iは脱硫開始前の溶銑中の硫黄濃度、[S]eは脱硫終了後の溶銑中の硫黄濃度である。
図3から明らかなように、従来例1(■)と従来例2(△)は、実施例(●)と比較して、いずれも脱硫率が低く、しかもその脱硫率が大きくばらついていることがわかる。これは、前記した図2で示したように、従来例1、2の溶銑温度が、実施例と比較して低いことによる。
一方、実施例は、加熱式貯銑炉により、脱硫処理工程前に溶銑温度をコントロールしているため、脱硫効率が高く(85%以上)、しかも安定している。
Δ[%C]=(炭材添加後の[%C])−(炭材添加前の[%C])
また、図4に示す直線は、添加した炭材がすべて溶銑中に溶解した場合の理論線(歩留100%)を示している。
なお、従来例1、2、および実施例の炭材の添加は、いずれも貯銑炉で溶銑が保持されている状態で行った。また、炭材添加後の[%C]については、従来例1(◆)が転炉での脱炭処理を行う前の炭素濃度を用いた場合での変化量を示し、従来例2(△)が脱硫処理を行った後の炭素濃度での変化量を示し、実施例が、脱硫処理を行う前(■)と行った後(□)の両方の炭素濃度での変化量を示している。
一方、実施例は、従来例1、2と比較して、炭素濃度の上昇率が大きい。このことは、溶銑へ添加した炭材が、高い歩留まりで溶銑中へ溶解していることを意味している。
また、更に、脱硫処理を行った後では、脱硫処理を行う前と比較して、炭素濃度が更に上昇していることがわかる。これは、脱硫時の撹拌により、未溶解で浴面上へ浮上していた炭材が、溶銑中へ巻き込まれ溶解したためである。即ち、溶銑の撹拌処理には、炭材の溶解歩留まり向上効果があることがわかる。なお、未溶解炭材は、従来、脱硫スラグ(滓)分離のための排滓工程で、スラグとともに廃棄されていたため、転炉の熱源として活用できていなかった。
この図5では、貯銑炉内へ装入した炭材が、転炉で燃焼し熱源として利用されれば、転炉内へ装入する炭材量は減少することを意味している。
図5から明らかなように、実施例(□)は、従来例1(◆)および従来例2(△)と比較して、転炉で装入する炭材量が少なかったことがわかる。これは、貯銑炉で装入した炭材が、有効に利用、即ち歩留りよく使用されていることに起因する。
このため、転炉で装入する炭材量が増加すれば、高価な炭材の使用量が増加して不経済となる。
また、転炉で装入する炭材量が増加すると、例えば、吹錬時間が伸びたり、また炭材を燃やすため溶銑中にO2を余計に吹き込む必要が生じ、溶鋼の生産性の低下と耐火物の寿命短縮に繋がる問題がある。
従来法1は、脱硫後の溶銑を貯銑炉へ装入する方法である。このため、既に、脱硫処理した5〜10回分の溶銑を貯銑炉に蓄えておく必要があるため、転炉で要求される硫黄量のうち、レベルの緩い70ppm以下のものについても、最も厳しい20ppm以下に合わせる必要があり、過剰に脱硫処理することとなっていた。
一方、従来法2では、溶銑を貯銑炉から鍋へ出銑した後に脱硫処理するため、転炉で要求される硫黄量に応じてバッチ処理可能であり、従来例1のように過剰に脱硫処理する問題はない。しかしながら、溶銑温度の低下とそのばらつきの問題により、脱硫効率を高位に安定させることができないため、硫黄量が20ppm以下の基準を外れるものがあった。
また、70ppm以下のものについても、ばらつきの上限を70ppm以下とする必要があり、結果として目標とする平均硫黄量を、70ppmよりも大幅に低い値とする必要があり、過剰な脱硫処理を行う必要があった。
続いて、貯銑炉へCを添加した場合の溶銑のS濃度のばらつきを、図7を参照しながら説明図する。なお、従来例1は、貯銑炉の前後における溶銑中の硫黄量を示し、従来例2と実施例は、脱硫処理後の溶銑中の硫黄量を示している。
従来法1では、脱硫処理後に貯銑炉にて炭材を添加するので、転炉の手前で脱硫処理する機会がなくなり、脱硫の限界まで硫黄量を低下させていても、炭材のSピックアップにより、要求される硫黄量以下の濃度の溶銑を製造することはできなかった。
一方、実施例では、C添加を実施しても、貯銑炉内の溶銑温度を、目標とする温度に自由にコントロール可能であり、脱硫処理後の硫黄濃度の精度は、C添加をしない場合とほとんど同様であった。
図8から明らかなように、実施例は、従来例1、2と比較して、C添加の有無に関わらず、石灰原単位を大幅に低減できた。
また、図8に示す実施例における貯銑炉のスラグ中の鉄分濃度と脱硫効率との関係について、図9を参照しながら説明する。なお、図9の縦軸は図8の縦軸と同様である。
図9から明らかなように、溶銑にC添加を行うことで、スラグ中の鉄分濃度を低減できることがわかる。このように、スラグ中の鉄分濃度が低くなるに伴い、酸化鉄に起因する酸素源を低減できるため、引き続き行われる脱硫処理工程での脱硫反応を安定に進行させ、脱硫効率を高めることができる。
以上に示した結果から、本発明を適用することで、脱硫効率を高位に安定させることができ、しかも製造する各種製品に適した脱硫処理を行って擬似溶銑を製造できることを確認できた。
Claims (1)
- 電気加熱装置が設けられた処理炉に装入され一旦貯留された溶銑の温度制御を行う溶銑保持工程と、最終的に硫黄成分の量が調整された溶銑を精錬炉に装入して脱炭処理を行う脱炭精錬工程との間に、溶銑の脱硫処理を行う脱硫処理工程を設け、前記溶銑保持工程と該脱硫処理工程により溶銑から前記硫黄成分の量が調整された溶銑を製造する擬似溶銑の製造方法であって、
前記溶銑保持工程では、前記処理炉内に冷鉄源を装入し、該処理炉内に貯留された溶銑を該処理炉内に保持した状態で、該処理炉内に更に炭材を吹込み前記冷鉄源を溶解させ、該冷鉄源を溶解させた後の溶銑の温度を1340℃以上1410℃以下の温度範囲に調整することを特徴とする擬似溶銑の製造方法。
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