JP5413246B2 - インクジェット画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット方式にて中間転写体上に形成された画像を記録媒体に転写することにより、記録媒体上に画像を形成する中間転写体方式の画像形成装置に関し、特に、中間転写体上及び記録媒体上に形成される画像のにじみを防止して、高品質の画像を形成可能な画像形成装置に関する。
インクジェット方式の画像形成装置においては、数十μmといった微細なノズルからインクを吐出するため、インクの目詰まり等の問題を起こしやすかった。
そこで、例えば特許文献1に記載されるような中間転写体方式のインクジェット画像形成装置が提案されている。特許文献1の画像形成装置は、インク非浸透性の中間転写体上にインクジェット記録方式によりインク像を形成し、その後インク像を中間転写体から記録媒体に転写する。中間転写方式では、記録ヘッドを記録紙等の記録媒体から離間させて配置することができるので、紙粉の付着による記録ヘッドのノズルの目詰まりを抑制することができる。また、記録ヘッドと中間転写体とのギャップを一定に保つことができ、紙種対応性がよく、信頼性の高い方式といえる。しかしながら、転写率を高めるために離型性の良い中間転写体材料を用いて普通紙に印字した場合、2色が重なった色境界部分におけるにじみ(ブリーディング)や、隣接液滴の集合(ビーディング)が激しく、画像品質が低下するという問題点があった。
そこで、特許文献2には、インク中の成分と反応する多価金属塩やポリアリルアミンを含む反応液を中間転写体上に付着させて記録媒体に転写することにより、記録媒体上に吐出されたインクと反応液とを反応させる画像形成装置が記載されている。この画像形成装置においては、反応液と接触したインク中の着色剤成分が凝集し、色濃度の高い、にじみ、ムラの少ない印字を実現することができる。
また、特許文献3には、カチオン性高分子化合物と、少なくとも界面活性剤と濡れ促進剤の一方を含む処理液を中間転写体上に付与し、インク液滴を中間転写体に吐出する発明が記載されている。インクジェット記録方式においては、インクが普通紙(記録媒体)のセルロース繊維にそって浸透することにより、文字や細線の印字周辺部ににじみ(フェザリング)が発生して画像品質が低下するという問題点がある。特許文献3の発明においては、処理液とインクを反応させることにより、混合液の粘度がインクの粘度より上昇するので、フェザリングを防止することができる。
上述の通り、特許文献2及び3においては、ブリーディングやフェザリング、ビーディングを防止することができるので、記録媒体に転写された画像の品質を向上させることができる。
しかしながら、特許文献2及び3記載の発明においては、インクとは別に反応液又は処理液を用いるため、ランニングコストが上昇するという問題がある。また、反応液や処理液を印刷しようとするページ全面に塗布する場合、非画像部分の反応液と処理液はインクと反応することがないまま消費されるので、非効率的であるという問題がある。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、反応液や処理液といったインク以外の消耗品を使うことなく、中間転写体上及び記録媒体上での画像のにじみを防止することにより、記録媒体として一般に用いられている普通紙に高速で転写が可能となり、画像濃度が高く、フェザリングやブリーディング、ビーディングの少ない高画質な画像を得ることができるインクジェット画像形成装置を提供することである。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、画像信号に応じて記録液を吐出するノズルを備えた記録ヘッドと、該記録ヘッドと所定のギャップを有して対向配置され、該記録ヘッドから吐出された前記記録液によるインク画像が形成される中間転写体と、前記記録ヘッドと前記中間転写体との間に電圧を印加する電圧印加手段と、を備えた画像形成装置であって、前記記録液が、少なくとも着色剤成分、樹脂成分、湿潤剤成分、電解質成分及び水を含んだ水溶性かつ導電性の記録液であり、前記記録ヘッドから吐出された記録液により前記記録ヘッドと前記中間転写体との間に一時的に形成した液柱ブリッジに対して前記電圧印加手段から電圧を印加することにより、前記液柱ブリッジに含まれる水を電気分解するインクジェット画像形成装置を特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記着色剤成分又は前記樹脂成分の少なくとも一方がアニオン性を有し、前記電圧印加手段が前記中間転写体を陽極として前記液柱ブリッジに対して電圧を印加する請求項1に記載のインクジェット画像形成装置を特徴とする。
請求項3に記載の発明は、前記記録液は、多価金属イオンが配位したキレート化合物を含む請求項1又は2に記載のインクジェット画像形成装置を特徴とする。
請求項4に記載の発明は、前記湿潤剤成分に、少なくとも尿素を含有する請求項1乃至3の何れか一項に記載のインクジェット画像形成装置を特徴とする。
請求項5に記載の発明は、前記電解質成分に、少なくとも四級アンモニウム塩を含有する請求項1乃至4の何れか一項に記載のインクジェット画像形成装置を特徴とする。
本発明によれば、ノズルから記録液を吐出した後、記録ヘッドと中間転写体との間に電圧が印加された状態で、液柱が中間転写体の表面層に着弾してブリッジすると水の電気分解に起因したファラデー電流が発生する。ノズル近傍で液柱が分断してブリッジ状態が終わるまでの間に液柱ブリッジに流れる通電電流により、中間転写体表面の記録液が凝集するので、記録液の表面張力によりドットが大きくなったり、記録液が着弾位置からずれたりするといったビーディングの問題を解消できる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例を示した概略図である。 本発明の実施形態に係る印字ユニットの一例を示した概略図である。 記録ヘッドと中間転写体とのギャップ部分の拡大図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について説明する。
本発明は、記録ヘッドから吐出された記録液によって記録ヘッドと中間転写体との間に一時的に形成される液柱ブリッジに対して電圧印加手段から電圧を印加することにより、液柱ブリッジに含まれる水を電気分解して、中間転写体と記録液の付着状態の変化や記録液の部分的な粘度増加させることにより、記録媒体上でのフェザリング、ブリーディング、ビーディングを低減させる点に特徴がある。
〔画像形成装置〕
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示した概略図である。画像形成装置1は、転写紙P(記録媒体)を載置する給紙トレイ11と、給紙トレイ11に載置された転写紙Pを印字ユニット20に向けて1枚ずつ給送する給紙コロ12及び搬送ローラ対13と、転写紙Pに印字する印字ユニット20と、印字された転写紙Pを装置外に向けて搬送する搬送ローラ対14及び排紙ローラ対15と、印字後の転写紙Pを積載する排紙トレイ16とを備える。
〔印字ユニット〕
図2は、本実施形態に係る印字ユニットの一例を示した概略図である。印字ユニット20は、回動自在に軸支されたローラ状の中間転写体21と、中間転写体21表面に記録液i(iy、ic、im、ik)を吐出してインク画像を形成する記録ヘッド26(26Y、26M、26C、26K)と、中間転写体21に形成されたインク画像を転写紙Pに転写するための加圧ローラ31と、インク画像を転写した後の中間転写体21表面をクリーニングするクリーニングユニット36と、を備える。また、記録ヘッド26と中間転写体21に電圧を印可する電圧印加手段41(図3参照)を備えている。
印字ユニット20は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の4色の記録液i(iy、ic、im、ik)を吐出可能に構成されており、イエロー用記録ヘッド26Y、シアン用記録ヘッド26C、マゼンタ用記録ヘッド26M、ブラック用記録ヘッド26Bk、を備えている。また、記録液iを供給する供給手段と供給流路(図示せず)、記録液カートリッジ(図示せず)、及びラインヘッドの制御基板(図示せず)と、備えている。
給紙トレイ11に積載された転写紙Pは、給紙コロ12、搬送ローラ対13、及びレジストローラ対(図示せず)を通り、印字ユニット20にて各色の画像を形成される。中間転写体21に形成された記録液ドットは、加圧ローラ31にて転写紙Pに圧力をかけて転写紙Pと中間転写体21とを密着させることで転写紙P側に転写される。その後、搬送ローラ対14および排紙ローラ対15を通り、排紙トレイ16に排紙される。
〔中間転写体〕
中間転写体21は、アルミニウム製の支持体22と、導電性シリコーンゴムからなる表面層23を備える。支持体22及び表面層23の材質は、一例であり、これに限られるものではない。支持体22は導電性がよく、高い機械的強度を有している必要があり、好適には金属やその合金が用いられる。また、表面層23は、導電性、撥水性が高く平滑な弾性材料であればよい。本発明においては、中間転写体21と記録ヘッド26に電圧を印加して通電させるため、導電性を有している必要がある。撥水性は、水溶性記録液が中間転写体の表面層から紙へ転写される時の転写しやすさの指標となり、撥水性が高いほど転写率が良い。しかしその反面、記録液の保持が困難でビーディングの原因となる。弾性は、転写の際に必要な機能であり、中間転写体21の表面層23が記録紙Pの繊維に沿って変形することで接触面積が向上し高い転写率を達成できる。低い圧力で転写するにはある程度柔らかい表面層材料を選択しなければならない。
これらの機能を満たす材料として、例えば、フルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ニトリルブタジエンゴム、イソプレンゴムなどのゴム材料にカーボンブラックやカーボンナノチューブ、金や銀などの金属微粒子を混入させた導電性ゴムを用いればよい。導電性を上げるためには導電性微粒子を増やすことが考えられるが、表面の導電性微粒子の密度が高いと撥水性低下の要因となる。導電性は、支持体と表面層の膜厚方向に対して有していれば良く、面方向には絶縁の異方導電性であっても良い。導電性微粒子の大きさは、画像を構成する20〜50μm程度のドットより十分小さい必要があり、0.1μm以下であれば問題ない。また、撥水性を上げるためシリコンオイルを含浸させたものでも構わないし、表面層は単層構造、多層構造のどちらでも構わない。
バルク物性と表面物性は以下のものが好ましい。導電性ゴムの体積抵抗率は10Ω・cm以下、好ましくは10Ω・cm以下である。撥水性は水の後退接触角が60°以上、好ましくは80°以上であり、硬度はJIS−Aで60以下、好ましくは40以下である。また、表面層の厚みは0.1〜1mm程度がよく、0.2〜0.6mmが好適である。
〔記録ヘッド〕
図3は、記録ヘッドと中間転写体とのギャップ部分の拡大図である。
記録ヘッド26は、中間転写体21の表面層23と対向する面に配置されたノズル板27に形成されて記録液iを吐出するノズル28を備える。ノズル板27は、少なくとも導電性を有している必要があり、ニッケルなどが用いられる。記録ヘッド26と中間転写体21とのギャップ距離は、50〜300μm、好ましくは100〜200μmである。200μm以上になると、記録液iの種類や吐出方法によっては、液柱51のブリッジが形成される前に記録液iの表面張力により液柱がノズル28近傍で分断して通常の液滴化が起きてしまう。従って、記録ヘッド26と中間転写体21とのブリッジが不可能となる。一方、50μm以下だとそのギャップを保つことが困難となる。
〔着色剤成分〜染料〕
本発明に用いる記録液に含有させる、着色剤成分について説明する。着色剤成分の具体例としては、例えば、カラーインデックスにおいて酸性染料、直接性染料、食用染料に分類される染料を挙げることができる。
より具体的には、酸性染料および食用染料として、
C.I.アシッドイエロー 17、23、42、44、79、142
C.I.アシッドレッド 1、8、13、14、18、26、27、35、37、42、52、82、87、89、92、97、106、111、114、115、134、186、249、254、289
C.I.アシッドブルー 9、29、45、92、249
C.I.アシッドブラック 1、2、7、24、26、94
C.I.フードイエロー 3、4
C.I.フードレッド 7、9、14
C.I.フードブラック 1、2
等を挙げることができる。
直接性染料として、
C.I.ダイレクトイエロー 1、12、24、26、33、44、50、86、120、132、142、144
C.I.ダイレクトレッド 1、4、9、13、17、20、28、31、39、80、81、83、89、225、227
C.I.ダイレクトオレンジ 26、29、62、102
C.I.ダイレクトブルー 1、2、6、15、22、25、71、76、79、86、87、90、98、163、165、199、202
C.I.ダイレクトブラック 19、22、32、38、51、56、71、74、75、77、154、168、171
等を挙げることができる。
反応性染料として
C.I.リアクティブ.ブラック 3、4、7、11、12、17
C.I.リアクティブ.イエロー 1、5、11、13、14、20、21、22、25、40、47、51、55、65、67
C.I.リアクティブ.レッド 1、14、17、25、26、32、37、44、46、55、60、66、74、79、96、97
C.I.リアクティブ.ブルー 1、2、7、14、15、23、32、35、38、41、63、80、95
等を挙げることができる。これらの染料は、溶解性の高さ、色調の良好さ、本発明における方法にて記録した場合の耐水性の良さから、好ましく用いることができる。
染料としては、特に分子中に3個以上のカルボキシル基、スルホン酸基を含むものが、水の電気分解で発生する水素イオンとの反応性が高く、且つ、記録液の保存安定性、耐目詰まり特性を確保できる点で好ましい。
〔着色剤成分〜顔料〕
また、本発明の記録液に用いることのできる着色剤成分として、無機顔料、有機顔料といった顔料を使用することができる。
無機顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウムなどの白色顔料や酸化鉄などの黒色顔料などを用いることができる。
有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用することができる。
また、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
より具体的には、カラー用としては
C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG)、3、12(ジスアゾイエローAAA)、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、81、83(ジスアゾイエローHR)、95、97、98、100、101、104、408、109、110、117、120、138、153、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51
C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22(ブリリアントファーストスカレット)、23、31、38、48:2(パーマネントレッド2B(Ba))、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3(パーマネントレッド2B(Sr))、48:4(パーマネントレッド2B(Mn))、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81(ローダミン6Gレーキ)、83、88、101(ベンガラ)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219
C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルーR)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルーE)、16、17:1、56、60、63
C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36
等を挙げることができる。
本発明において着色剤成分として顔料を含む記録液を用いる場合には、例えば、酸化反応によりカルボキシル基が導入されたカーボンブラック、カルボキシル基やスルホン酸基を含むジアゾニウム塩から生成されるラジカルとカーボンブラック、フタロシアニン、キナクリドンなどの顔料を反応させてなる自己分散性の顔料、カルボキシル基やスルホン酸基を含むラジカル開始剤とカーボンブラック、フタロシアニン、キナクリドンなどの顔料を反応させてなる自己分散性の顔料、顔料の官能基とカルボン酸の無水物を反応させてなる自己分散性顔料など、イオン性の基、特にカルボキシル基が共有結合で結合している顔料を好ましく用いることができる。
これらの顔料は水の電気分解で発生する水素イオンとの反応性が高く、且つ、記録液の保存安定性、耐目詰まり特性を確保できる点で好ましい。
顔料を分散させた記録液を用いる場合に、顔料の粒径に特に制限は無いが、最大個数換算で最大頻度が20〜150nmの粒径の顔料インクを用いることが好ましい。粒径が150nmを超えると、記録液としての顔料分散安定性が悪くなるばかりでなく、記録液の吐出安定性も劣化し、画像濃度などの画像品質も低くなり好ましくない。粒径が20nm未満では、記録液の保存安定性、プリンタでの噴射特性は安定し高い画像品質も得られるが、そのように細かな粒径にまで分散せしめるのは、分散操作や、分級操作が複雑となり、経済的に記録液を製造することが困難となる。
〔樹脂成分〕
本発明の樹脂成分は、顔料の高分子分散剤、樹脂エマルジョン、水溶性高分子などといった形態で添加される。これらは、単独で用いても良いし、場合によっては併用しても良い。
〔樹脂成分〜顔料分散剤〕
本発明において好ましく使用できる記録液は、アニオン性の高分子分散剤で分散された顔料を含む記録液である。
アニオン性基を有する高分子分散剤の例として、ポリアクリル酸およびその塩、ポリメタクリル酸およびその塩、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体およびその塩、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体およびその塩、スチレン−アクリル酸共重合体およびその塩、スチレン−メタクリル酸共重合体およびその塩、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体およびその塩、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体およびその塩、スチレン−αメチルスチレン−アクリル酸共重合体およびその塩、スチレン−αメチルスチレン−アクリル酸共重合体−アクリル酸アルキルエステル共重合体およびその塩、スチレン−マレイン酸共重合体およびその塩、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体およびその塩、酢酸ビニル−エチレン共重合体およびその塩、酢酸ビニル−クロトン酸共重合およびその塩、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体およびその塩、βナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、等を挙げることができる。
これらのアニオン性高分子は水の電気分解で発生する水素イオンと反応して凝集するため自己分散顔料単体よりも効果的で好ましい。また、これらのアニオン性高分子は着色剤の接着機能を有するため、転写工程における中間転写体から紙への転写率を向上させるのに効果的である。
アニオン性の界面活性剤も顔料分散剤として好ましく用いることができる。
具体的には、オレイン酸およびその塩、ラウリン酸およびその塩、ベヘン酸およびその塩、ステアリン酸およびその塩、またそのような脂肪酸およびその塩、ドデシルスルホン酸およびその塩、デシルスルホン酸およびその塩、またそのようなアルキルスルホン酸およびその塩、ラウリル硫酸塩、オレイル硫酸塩などのアルキル硫酸エルテル類、ドデシルベンゼンスルホン酸およびその塩、ラウリルベンゼンスルホン酸およびその塩、またそのようなアルキルベンゼンスルホン酸とその塩、ジオクチルスルホ琥珀酸およびその塩、ジヘキシルスルホ琥珀酸およびその塩、またそのようなジアルキルスルホ琥珀酸およびその塩、ナフチルスルホン酸およびその塩、ナフチルカルボン酸およびその塩、またそのような芳香族アニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸塩、フッ素化アルキルカルボン酸およびその塩、フッ素化アルキルスルホン酸およびその塩等のフッ素系アニオン性界面活性剤などを用いて顔料を分散させて用いることができる。
これらの界面活性剤を顔料の分散剤として用いる場合、本発明においては、アルキルカルボン酸塩、アルキルベンゼンカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩等のカルボキシル基を含む界面活性剤を用いることが、水の電気分解で発生する水素イオンと反応性が高く、ビーディング防止効果が大きい点で、特に好ましい。
〔樹脂成分〜樹脂エマルジョン〕
本発明の記録液に用いる着色剤成分として好ましいものの他の例は、着色樹脂微粒子が懸濁された、所謂、着色エマルジョンを用いた記録液である。
着色樹脂微粒子は、スチレン−アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂などを油性染料、分散染料または顔料などにより着色したものである。微粒子の殻に当たる部分をポリアクリル酸、ポリメタクリル酸などの親水性を有する樹脂で形成したり、反応性の界面活性剤などイオン性を有する界面活性剤で懸濁することにより例えばアニオン性の着色微粒子が水を主体とする液媒体に懸濁された記録液を得ることができる。
着色エマルジョンを用いた記録液を用いる場合にも、前述のアニオン性界面活性剤で乳化し重合したもの、外殻がポリアクリル酸、ポリメタクリル酸などの親水性を有する樹脂で形成したエマルジョンを用いることが、本発明において、水素イオンとの反応性が高く、ビーディング防止効果が大きい点で、特に好ましい。また、これらの着色樹脂微粒子は最低造膜温度にもよるが、転写工程における中間転写体から紙への転写率を向上させるのに効果的である。転写工程で最低造膜温度以上に加熱すれば、高い転写率と良好な光沢性、耐光性、耐水性、耐擦性をもつ印刷物が得られる。
〔樹脂成分〜水溶性高分子〕
本発明の記録液には、水溶性高分子化合物を添加することで、水素イオンとの反応により記録液の増粘作用、凝集作用を強め、画像品位を向上させることができる。
記録液に添加できる水溶性高分子化合物としては、天然系ではアラビアガム、トラガンガム、グーアガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植物性高分子、アルギン酸塩、カラギーナン、寒天等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサンテンガム、デキストラン等の微生物系高分子またはセラック等、半合成系ではメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、力ルボキシメチルセルロース等の繊維素系高分子、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻系高分子、純合成系ではポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、非架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸及びそのアルカリ金属塩、水溶性スチレン−アクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレン−マレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレン−アクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレン−マレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、βナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、等を挙げることができる。
水溶性高分子化合物を記録液に用いる場合にも、カルボン酸をアニオン基として含むものを使用することが、水素イオンとの反応性が高く、ビーディング防止効果が大きい点で、特に好ましい。また、前述のアニオン性高分子分散剤や樹脂エマルジョンと同様に、転写工程における中間転写体から紙への転写率を向上させるのに効果的である。
〔樹脂成分〕
本発明の記録液には、着色剤を含まない樹脂エマルジョン、ラテックスを添加することも好ましい。特に、樹脂エマルジョンは、水素イオンとの反応により記録液の増粘作用、凝集作用を強め、画像品位の向上させることができる。また、樹脂エマルジョンの種類によっては、樹脂エマルジョンが被記録材で皮膜を形成し、印刷物の耐光性、耐水性、耐擦性をも向上させる効果を有する。
特に、着色エマルジョンと同様に、アニオン系界面活性剤で乳化、分散された樹脂を用いることが好ましく、また、外殻がアクリル酸、メタクリル酸などにより構成されたカプセル型の樹脂エマルジョンを用いることも好ましい。
懸濁相の樹脂成分としてはアクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂などを挙げることができる。
これらの樹脂は親水性部分と疎水性部分とを併せ持つ重合体であるのが好ましい。また、これらの樹脂成分の粒子径はエマルジョンを形成する限り特に限定されないが、150nm程度以下が好ましく、より好ましくは5〜100nm程度である。
市販の樹脂エマルジョンの例としては、マイクロジェルE−1002、E−5002(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ペイント株式会社製)、ボンコート4001(アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、ボンコート5454(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、SAE−1014(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ゼオン株式会社製)、サイビノールSK−200(アクリル系樹脂エマルジョン、サイデン化学株式会社製)、などが挙げられる。
記録液中、樹脂エマルジョンは、その樹脂成分が記録液の0.1〜40重量%となるよう添加するのが好ましく、より好ましくは1〜25重量%の範囲である。
〔保湿剤成分(湿潤剤成分)〕
記録液は水を主な液媒体として使用するが、記録液を所望の物性にするため、あるいは記録液の乾燥による記録ヘッドのノズルの詰まりを防止するため、後述の水溶性有機溶媒を保湿剤成分として使用することが好ましい。
水溶性有機溶媒の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、グリセリン、1,2,6−へキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトン等を挙げることができる。
また、その他の保湿成分として、ソルビトール等の糖アルコール、ヒアルロン酸等の多糖類、ポリエチレングリコール等の高分子、また、尿素、乳酸、クエン酸塩、アミノ酸系といった天然保湿成分も用いることができる。
これらの溶媒は、水とともに単独もしくは複数混合して用いられる。これらの水溶性有機溶媒の含有量は特に制限はないが、好ましくは記録液全体の1〜60重量%、更に好ましくは5〜30重量%の範囲で用いる。
記録液中の湿潤剤成分に尿素を含有することで、エチレングリコールやグリセリンといった多価アルコールを使用した場合に見られる記録液の粘度上昇を抑えることができる。粘度が上昇すると同じ電解質重量を含有していても導電率は低下してしまうが、尿素添加によりほとんど粘度上昇しないので導電率低下を抑えることができる。
〔電解質成分〕
本発明の記録液には、電解質を添加することで、記録液の導電率を上げてアニオン性着色剤やアニオン性樹脂の凝集・不溶化に十分量の水素イオンを発生させることができる。よって、記録液の増粘作用、凝集作用を強め、画像品位を向上させることができる。
導電率(イオン伝導率)を上げる電解質として、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化ルビジウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硝酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、などの無機アルカリ金属塩、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、シュウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸水素ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸水素カリウムなどの有機アルカリ金属塩、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、硝酸テトラメチルアンモニウム、塩化コリンなどの有機アンモニウム塩などが挙げられる。2価以上の多価金属塩は塩析効果が高く着色剤や樹脂の分散・溶解性を損ねるので、支持電解質としては1価の金属塩であることが好ましい。理論的に塩析のしやすさは価数の6乗に比例し、2価カチオンでは1価カチオンの64倍、3価カチオンなら1価の729倍となる。また、酸性電解質も同様に着色剤や樹脂の分散・溶解性を損ねるので、中性・アルカリ性電解質、特に中性電解質が好ましい。本発明は記録液中の水の電気分解から発生する水素イオンを利用しており、その水素イオン量は記録ヘッドと中間転写体とのブリッジ(液柱)形成時間、液柱形状、記録液の溶液抵抗(導電率)、印加電圧、電極材料等に依存しており、水素イオン発生量が決まる。凝集・不溶化に十分な水素イオン濃度になれば凝集・不溶化が起こるが、アルカリ性電解質によりpHが上がるとその中和にも水素イオンを要するので、凝集・不溶化に必要な水素イオン量が確保できない恐れがある。そのため、アルカリ性電解質を添加する場合は、別途、酸性化合物によりpH調整が必要となる。
電解質として四級アンモニウム塩を添加するのが好ましい。四級アンモニウムイオンは中心元素に結合したアルキル基によって電荷分散しており、アニオン性着色剤やアニオン性樹脂のカルボキシルイオンとの相互作用が小さく安定に存在する。また、水とのクラスターを形成しにくく、アニオン性着色剤やアニオン性樹脂の分散・溶解に必要な水和水を奪うことも少ない。これらの効果により、四級アンモニウム塩はアニオン性着色剤やアニオン性樹脂の分散・溶解安定性を損ねることなく導電率を上げることが可能となる。単位分子量あたりの導電率(モルイオン伝導率)は分子量の小さい化合物が高く、四級アンモニウム塩のなかで特にテトラメチルアンモニウム塩が好ましい。また、カウンターイオンとして塩化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン等があるが、塩化物イオンはアノードで電極反応を起こして塩素を発生する恐れがある。そのため、不活性な硝酸イオンや硫酸イオンが好ましい。
酸性pH調整剤としては、ホウ酸、炭酸、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、塩化アンモニウム等を用いることができる。アルカリ性pH調整剤としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、四級アンモニウム水酸化物、四級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類を用いることができる。
その他、必要に応じてpH緩衝剤、粘度調整剤、防腐剤、酸化防止剤、防錆剤等の添加剤を用いても構わない。
〔キレート化合物〕
また、記録液に多価金属イオンが配位したキレート化合物を含むと、水の電気分解で発生する水素イオンの影響により配位した多価金属イオンを放出し、凝集・不溶化効果の大きい多価金属イオンによりアニオン性着色剤やアニオン性樹脂の凝集・不溶化が起こる点で添加するのが好ましい。キレート化合物のキレート安定度定数は、アニオン性着色剤やアニオン性樹脂が安定に分散・溶解するpH(7〜9程度)では高い値を示し、それ以下で小さな値を示すもの、つまりキレート安定度定数のpH依存性が高いものが好ましい。キレート安定度定数は以下に示す平衡式の平衡定数logKである。
n++Ym−⇔MY(m−n)−
K=[MY(m−n)−]/[Mn+][Ym−
nは金属イオンの価数、mはキレート化合物の配位子の数を示す。
キレート化合物としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、ジエチレントリアミン−N,N,N´,N´´,N´´−五酢酸(DTPA)、トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N´,N´−四酢酸(CyDTA)、及びそれらのナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。多価金属イオンとしては、Ca2+、Mg2+、Fe2+、Fe3+、Cu2+、Ni2+、Al3+等が挙げられる。これらの多価金属イオンは水酸化物として、酸性のキレート化合物と混合しても良いし、キレートアルカリ金属塩と、金属塩化物、硫酸塩、硝酸塩といった化合物で混合しても良い。適宜pHを調整することで多価金属イオンはキレート安定度定数に従ってキレート化合物に配位する。
キレート化合物と多価金属イオンの組み合わせとして例を挙げると、キレート化合物にNTAを、多価金属イオンとしてMg2+を用いた場合、pH9ではキレート安定度定数は4.6、pH7では2.7、pH6では1.7であり、平衡にしたがって存在するMg2+はpH9をpH6にすることで約30倍に増加する。仕込みMg2+量を40mM、NTAを40mM、NaOHを40mMとした水溶液は、pH9ではMg2+としての存在量は約0.6mM、pH7では約8mM、pH6では約20mMとなる。一方、この水溶液のpHを、pH9からpH7に下げるのに必要な水素イオンは滴定試験から約8mM、pH9からpH6に下げるのに必要な水素イオンは約20mMとなった。このように、組み合わせやpH変化条件によっては、水の電気分解により発生する水素イオンを等量の多価金属イオンに変換が可能である。これによって、水素イオンによる凝集・不溶化が起こりにくいが多価金属イオンで凝集・不溶化するアニオン性着色剤やアニオン性樹脂に対しても効果的となる。
例えば、アニオン性樹脂としてアルギン酸ナトリウムを含む水溶液は、pH9からpH7に変化するように酸を加えただけでは増粘しないが、NTAに配位した多価金属イオンを含む水溶液では、このpH変化により数mM程度の多価金属イオンを放出してこの多価金属イオン濃度でアルギン酸同士の架橋が起きて水溶液の増粘が起きる。
記録液の物性の好適な範囲は、25℃付近でpHが6〜12、好ましくは8〜10、表面張力が10〜60mN/m、好ましくは20〜50mN/m、粘度が1〜20mPa・s、好ましく2〜8mPa・s、導電率が0.1〜10S/m、好ましくは3〜8S/mである。
〔本実施形態の効果〕
本実施形態の効果について、図3に基づいて説明する。本実施形態においては、記録ヘッド26のノズル板27と中間転写体21の表面層23までの距離は100μm、ノズル28の径は25μmに設定されており、記録液ドット52の直径は50μm程度、液柱51の直径は10μm程度である。
ノズル28から記録液iを吐出した後、記録ヘッド26と中間転写体21との間に電圧印加手段41から電圧が印加された状態で、液柱51が中間転写体21の表面層23に着弾してブリッジすると、電極界面での電気二重層形成に相当する非ファラデー電流と、水の電気分解に起因したファラデー電流(通電電流)が発生する。数十〜数百Vでは水の電気分解の反応抵抗はほぼ無視できるほど小さく記録液iの溶液抵抗が支配的となる。
中間転写体21側が陽極、記録ヘッド26側が陰極となるように電圧を印加すると、中間転写体21と記録液iとの界面で(1)式のような反応により水素イオンが発生し局所的にpHが低下する。
中間転写体側:2HO→4H+O+4e
・・・・・・・・・・(1)
記録ヘッド側:4HO+4e→2H+4OH
・・・・・・・・・・(2)
この水素イオンがアニオン性着色剤やアニオン性樹脂に吸着してマイナスの静電反発力が低下して凝集・不溶化作用を引き起こす。水素イオンは中間転写体21の電極界面から発生するので、記録液iが凝集した記録液凝集部53は中間転写体21表面に多く存在することになる。結果、中間転写体21と記録液iの付着状態の変化や記録液iの部分的な粘度増加により、ビーディングや像流れといった記録液の肥大化や着弾位置からのズレは低減し、よって中間転写体21上での画像品質が保たれる。
転写紙Pに転写される記録液iは中間転写体21上で部分的に凝集させているので、紙面上でのフェザリング、ブリーディングは低減する。このように、従来技術に記載したような反応液や処理液といった消耗品を増やすことなく、普通紙にビーディング、フェザリング及びブリーディングの少ない高画質な画像を得ることが可能となる。また、中間転写方式なため、紙粉による記録ヘッドのノズル目詰まりを低減することが可能で、信頼性の高い画像を得ることが可能となる。
しかし、記録ヘッド26−中間転写体21のブリッジ形成時間は非常に短く(数マイクロ秒〜数十マイクロ秒)、導電率が10〜200mS/m程度の一般的な記録液では、凝集・不溶化作用を及ぼすのに十分な水素イオン量は得られない。すなわち、ノズル28近傍では液柱51が分断してブリッジ状態が終わるのは数マイクロ秒〜数十マイクロ秒であり、この時間とファラデー電流の積が通電電荷量であり、この値が大きいほど水素イオン発生量が増える。
導電率が低いと、電極界面での電気二重層を形成する非ファラデー電流が発生するのみで終わってしまう場合もある。そこで、記録液の導電率を上げるために電解質成分を添加することで、水素イオン発生量を増やして、前述のような効果によりビーディング等を抑制することが可能となる。
また本実施形態においては、記録液に多価金属イオンが配位したキレート化合物を含むことで、水の電気分解で発生する水素イオンの影響により配位した多価金属イオンを放出し、凝集・不溶化効果の大きい多価金属イオンによりアニオン性着色剤やアニオン性樹脂の凝集・不溶化が起こる。
また本実施形態においては、記録液中の湿潤剤成分に尿素を含有することで、ジオールやトリオールなどの多価アルコールを使用した場合に見られる記録液の粘度上昇を抑えることができる。粘度が上昇すると同じ電解質重量を含有していても導電率は低下してしまうが、尿素添加によりほとんど粘度上昇しないので導電率低下を抑えることができる。
また本実施形態においては、記録液中の電解質成分に四級アンモニウム塩を含有する。四級アンモニウム塩は無機電解質と比較するとアニオン性着色剤やアニオン性樹脂との塩析による凝集作用が低い。また、水への溶解度も高く、多量に添加することが可能で、導電率をあげることが可能となる。
本発明の実施例1について説明する。実施例1において、記録液に以下のようなものを用意した。
<ブラック記録液>
・カーボンブラック(ケッチェンブラックEC−600JD、ケッチェン・ブラック・インターナショナル製):4.0重量%
・ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸ナトリウム:2.0質量%
・尿素:15.0質量%
・グリセリン:5.0質量%
・2−ピロリドン:0.5質量%
・1,2−オクタンジオール:0.5質量%
・硝酸テトラメチルアンモニウム:15重量%
・ニトリロ三酢酸:0.2重量%
・水酸化カルシウム:0.06重量%
・水酸化ナトリウム:0.04重量%
・アルギン酸ナトリウム(ULV−L3G、キミカ製):3.0重量%
・蒸留水:残量
イエロー記録液、シアン記録液、マゼンタ記録液は、それぞれ、ピグメントイエロー152、ビグメントブルー15、ピグメントレッド83を着色剤としてブラック記録液のカーボンブラックの替わりに用いた。
以上を調整後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターにて加圧濾過をおこなった。
次に、図2のようなライン型記録ヘッド26(26Y、26C、26M、26Bk)、中間転写体21、加圧ローラ31、クリーニングユニット36を1式とした評価装置を用意した。中間転写体21の支持体22は直径20mm、長さ250mmのアルミ素管で、外周に表面層23として体積抵抗率が500Ω・cmの導電性シリコーンゴム層を0.2mmの厚みで形成したものであり、図中、時計回りに200mm/sで回転駆動させている。加圧ローラ31は、荷重20kgf/cmで中間転写体21に押圧されており、中間転写体21の駆動の連れまわりによって、図中、反時計回りに回転している。中間転写体21の表面から約100μm離間させた位置に、ライン型記録ヘッド26(市販インクジェットプリンタGX5000、リコー製)を配置した。ライン型記録ヘッド26のノズル板27は金属で構成されている。また、ライン型記録ヘッド26のノズル板27と中間転写体21の支持体22(ドラム素管)との間に十分な電流を供給可能な電圧印加手段41を接続した。また、圧電素子駆動手段(図示せず)により中間転写体21表面には任意のパターンの記録液ドット52を形成することができる。記録液ドット52は、中間転写体21と加圧ローラ31との間に転写紙P(type6200の普通紙)を通紙することで転写紙P表面に転写される。
ライン型記録ヘッド26により、中間転写体21表面の移動方向と直交する方向(副走査方向)に約1インチ幅の連続した帯状領域に、主走査方向300dpi、副走査方向300dpiのブラック記録液網点を形成した。一点あたり10pLとなるように圧電素子駆動手段を調整した。ここで、吐出時に流れる電流を計測した。また、中間転写体21の駆動を途中で止めて、中間転写体21上のブラック記録液網点をデジタルマイクロスコープで観察してビーディング具合を評価した。また、転写紙Pに転写して紙面上の画像濃度を評価した。
続いて、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ各色の組み合わせを替えて、約1インチ幅の連続した帯状領域に、主走査方向300dpi、副走査方向300dpiの2色記録液網点を形成した。中間転写体21の駆動を途中で止めて、デジタルマイクロスコープでブリーディング具合を評価した。
[比較例]
比較例について説明する。比較例の記録液には、以下のようなものを用意した。
<ブラック記録液>
・カーボンブラック(ケッチェンブラックEC−600JD、ケッチェン・ブラック・インターナショナル製):4.0重量%
・ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸ナトリウム:2.0質量%
・3−メチル−1,3−ブタンジオール:10.0質量%
・グリセリン:10.0質量%
・2−ピロリドン:0.5質量%
・1,2−オクタンジオール:0.5質量%
・2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール:0.5質量%
・蒸留水:残量
イエロー記録液、シアン記録液、マゼンタ記録液は、それぞれ、ピグメントイエロー152、ビグメントブルー15、ピグメントレッド83を着色剤としてブラック記録液のカーボンブラックの替わりに用いた。
以上を調整後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターにて加圧濾過を行った。
実施例1と同様の評価を行った。
本発明の実施例2について説明する。実施例2の記録液には、以下のようなものを用意した。
<ブラック記録液>
・カーボンブラック(ケッチェンブラックEC−600JD、ケッチェン・ブラック・インターナショナル製):4.0重量%
・ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸ナトリウム:2.0質量%
・尿素:15.0質量%
・グリセリン:5.0質量%
・2−ピロリドン:0.5質量%
・1,2−オクタンジオール:0.5質量%
・硝酸テトラメチルアンモニウム:15重量%
・2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール:0.1質量%
・蒸留水:残量
イエロー記録液、シアン記録液、マゼンタ記録液は、それぞれ、ピグメントイエロー152、ビグメントブルー15、ピグメントレッド83を着色剤としてブラック記録液のカーボンブラックの替わりに用いた。
以上を調整後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターにて加圧濾過をおこなった。
実施例1と同様の評価を行った。
〔評価結果〕
実施例1、2と比べ、比較例においては、液柱51の形成時に流れる電流値は百分の1以下であった。ビーディングやブリーディング、紙面上での画像濃度は、比較例<実施例2<実施例1の順に良くなった。
P…転写紙、i…記録液、1…画像形成装置、11…給紙トレイ、12…給紙コロ、13…搬送ローラ対、14…搬送ローラ対、15…排紙ローラ対、16…排紙トレイ、20…印字ユニット、21…中間転写体、22…支持体、23…表面層、26…(ライン型)記録ヘッド、27…ノズル板、28…ノズル、31…加圧ローラ、36…クリーニングユニット、41…電圧印加手段、51…液柱、52…記録液ドット、53…記録液凝集部。
米国特許第4538156号 特許第3658765号 特開2003−246135公報

Claims (5)

  1. 画像信号に応じて記録液を吐出するノズルを備えた記録ヘッドと、該記録ヘッドと所定のギャップを有して対向配置され、該記録ヘッドから吐出された前記記録液によるインク画像が形成される中間転写体と、前記記録ヘッドと前記中間転写体との間に電圧を印加する電圧印加手段と、を備えた画像形成装置であって、
    前記記録液が、少なくとも着色剤成分、樹脂成分、湿潤剤成分、電解質成分及び水を含んだ水溶性かつ導電性の記録液であり、
    前記記録ヘッドから吐出された記録液により前記記録ヘッドと前記中間転写体との間に一時的に形成した液柱ブリッジに対して前記電圧印加手段から電圧を印加することにより、前記液柱ブリッジに含まれる水を電気分解することを特徴とするインクジェット画像形成装置。
  2. 前記着色剤成分又は前記樹脂成分の少なくとも一方がアニオン性を有し、前記電圧印加手段が前記中間転写体を陽極として前記液柱ブリッジに対して電圧を印加することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット画像形成装置。
  3. 前記記録液は、多価金属イオンが配位したキレート化合物を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット画像形成装置。
  4. 前記湿潤剤成分に、少なくとも尿素を含有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のインクジェット画像形成装置。
  5. 前記電解質成分に、少なくとも四級アンモニウム塩を含有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のインクジェット画像形成装置。
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