JP2014210354A - 画像形成装置 - Google Patents

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鈴木 亮太
Ryota Suzuki
亮太 鈴木
学 瀬尾
Manabu Seo
学 瀬尾
祐馬 臼井
Yuma Usui
祐馬 臼井
大島久慶
Hisayoshi Oshima
久慶 大島
愛乃 長谷川
Yoshino Hasegawa
愛乃 長谷川
英臣 佐久間
Hideomi Sakuma
英臣 佐久間
宏之 山下
Hiroyuki Yamashita
宏之 山下
貴彦 松本
Takahiko Matsumoto
貴彦 松本
健 日原
Takeshi Hihara
健 日原
瑞樹 小田切
Mizuki Odagiri
瑞樹 小田切
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Abstract

【課題】記録液中の水の電気分解を利用することで滲みを抑制する画像形成装置であって、かかる電気分解を担保しながらも、ヘッド内の記録液がかかる電気分解によって滲みの抑制の妨げとなるpH変化を生じた状態で吐出されることを防止することを可能とした画像形成装置の提供。
【解決手段】溶液収容部86Y、86M、86C、86BKに収容され電極65Y、65M、65C、65BKに接触した導電性溶液と、記録液収容部85Y、85M、85C、85BKに収容されノズルから吐出される導電性記録液とを仕切りつつ、水の電気分解によって電極65Y、65M、65C、65BK側で生じるイオンと逆極性のイオンを透過することで導電性溶液と導電性記録液とを電気的に接続するイオン交換膜87Y、87M、87C、87BKを用いる。
【選択図】図5

Description

本発明は、ヘッドによりインク等の記録液を中間転写体に付与して画像形成を行うインクジェット方式の画像形成装置に関する。
従来より、複数の微小ノズルからインク等の記録液を液滴化して吐出するヘッドを備え、インクジェット記録を行うインクジェットプリンタ等のインクジェット方式の画像形成装置が知られている(たとえば、〔特許文献1〕〜〔特許文献4〕参照)。かかるヘッドは、ピエゾ方式に代表される可動アクチュエータ方式、サーマル方式に代表される加熱膜沸騰方式等により、複数の微小ノズルから記録液を液滴化して吐出するようになっている。
インクジェット方式において、ヘッドから記録紙等の被記録材に記録液を直接吐出する構成では、ヘッドと被記録材とが近接するため、被記録材に付着している紙粉、埃等がノズルに付着しやすい。紙粉等がノズルに付着すると、ノズルから吐出される液滴の飛翔方向が乱れたり、ノズルが閉塞したりして、画像品質や信頼性が低下する。このような問題を回避するための方策としては、ノズルからの吐出安定性を優先し、粘度が小さい記録液を使用するのが一般的であるが、粘度が小さい記録液は、被記録材に着弾する際に滲みが発生しやすい。
そこで、ヘッドから吐出された記録液を担持する中間転写体を備え、中間転写体に画像を形成した後、被記録材に転写する画像形成装置が提案されている(たとえば、〔特許文献1〕〜〔特許文献4〕参照)。
具体的には、かかる画像形成装置として、次の要素を備えた画像形成装置が提案されている。
・水を含む導電性のインクを吐出するヘッド
・このヘッドにより吐出されたインクを付与される、表面が導電性の中間転写体
・ヘッドと中間転写体との間を一時的にブリッジした液柱状態のインク中の水を電気分解可能な電位の印加を行う電位印加手段
・中間転写体上に担持されたインク画像を被転写材に転写する転写手段
そして、この画像形成装置は、電位印加手段によってヘッド内の電極と中間転写体の表面との間に電位を印加し、液柱状態のインク中の水の電気分解に起因するpH変化を利用してインクを増粘させる。
これにより、この画像形成装置は、インクの滲み防止性、ノズルからのインクの吐出安定性を向上しようとする技術を提案する画像形成装置となっている(たとえば、〔特許文献1〕〜〔特許文献4〕参照)。
しかし、この技術を用いると、インク中の水の電気分解を行うための電極がヘッド内に設けられていることにより、次のような問題が生じ得ることが、発明者の検証によってわかってきた。すなわち、電極がたとえばヘッド内に設けられていると、ヘッド内においてインクのpHが増粘を妨げる方向に変化してしまい、このようにpHが変化したインクが吐出されることで中間転写体上におけるインクの増粘が阻害されるという問題である。
この問題については、電極が、ヘッドに備えられインクが接触したノズル板であれば、次の条件のもとで、インクの増粘が阻害されないことが示唆されている(たとえば、〔特許文献1〕、〔特許文献2〕参照)。すなわち、ノズル板のインクへの接触面積と、中間転写体表面に接触した液柱の面積とを比べた場合に、前者の面積が後者の面積よりも十分に大きいという条件である。前者の面積が後者の面積よりも十分に大きければ、ノズル板とインクとの界面での電気分解が起こらないためである。また、かかる示唆が正しければ、ノズル板とインクとの接触面積を増加させる技術(たとえば、〔特許文献3〕、〔特許文献4〕参照)を用いることで、かかる問題がより生じ難いこととなる。
ところが、発明者のより詳細な検証によると、前者の面積が後者の面積よりも大きい場合には、中間転写体側で電気二重層が十分に形成されていても、電極側で電気二重層が十分に形成されない場合があることが分かった。よって、電極とインクとの接触面積が中間転写体とインクとの接触面積よりも大きい場合には、両極で電気分解反応が起こらなくなる可能性がある。
そうすると、上述した、ノズル板のインクへの接触面積を増加させる技術は、中間転写体側のインクについての増粘の阻害という問題の根本的な解決になっているとはいえない。両極で電気分解反応が起こらなくなると、ノズル板側のインクについては、増粘を妨げる方向へのpHの変化の抑制にある程度有効ではあるものの、中間転写体側のインクを増粘させる方向へのpHの変化も生じなくなるためである。
その他、ノズル板等の電極とインクとの界面での電気分解が起こることに起因して発生し得る問題として、中間転写体上におけるインクの増粘が阻害されるという問題の他に、ヘッド内において気泡が発生して、インクの吐出性能が低下し得るという問題もある。
本発明は、ヘッドによりインク等の記録液を中間転写体に付与して画像形成を行い、記録液以外の処理液や粉末等を付与せずとも、記録液中の水の電気分解を利用することで滲みを抑制する画像形成装置であって、かかる電気分解を担保しながらも、ヘッド内の記録液がかかる電気分解によって滲みの抑制の妨げとなるpH変化を生じた状態で吐出されることを防止することを可能とした画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、水を含む導電性記録液を吐出するノズルを備えたヘッドと、このヘッドにより吐出された導電性記録液を付与される、少なくとも表面が導電性の中間転写体と、前記ノズルから吐出される導電性記録液を収容する記録液収容部と、この記録液収容部に収容された導電性記録液に接触するように設けられたイオン交換膜と、このイオン交換膜を介して前記記録液収容部に収容された導電性記録液と電気的に接続される導電性溶液を、同イオン交換膜によって前記記録液収容部に収容された導電性記録液と仕切られるように収容する溶液収容部と、前記ヘッドから吐出され同ヘッドと前記中間転写体との間を一時的にブリッジした状態の導電性記録液中の水を電気分解可能な電位の印加を行うための電位印加手段とを有し、前記電位印加手段は、前記溶液収容部に収容された導電性溶液に接触するように設けられ、前記中間転写体の表面との間に前記電位の印加を行う電極を有し、前記イオン交換膜は、前記電位の印加による水の電気分解によって前記電極側で生じるイオンと逆極性のイオンを透過することで前記溶液収容部に収容された導電性溶液を前記記録液収容部に収容された導電性記録液と電気的に接続する画像形成装置にある。
本発明は、水を含む導電性記録液を吐出するノズルを備えたヘッドと、このヘッドにより吐出された導電性記録液を付与される、少なくとも表面が導電性の中間転写体と、前記ノズルから吐出される導電性記録液を収容する記録液収容部と、この記録液収容部に収容された導電性記録液に接触するように設けられたイオン交換膜と、このイオン交換膜を介して前記記録液収容部に収容された導電性記録液と電気的に接続される導電性溶液を、同イオン交換膜によって前記記録液収容部に収容された導電性記録液と仕切られるように収容する溶液収容部と、前記ヘッドから吐出され同ヘッドと前記中間転写体との間を一時的にブリッジした状態の導電性記録液中の水を電気分解可能な電位の印加を行うための電位印加手段とを有し、前記電位印加手段は、前記溶液収容部に収容された導電性溶液に接触するように設けられ、前記中間転写体の表面との間に前記電位の印加を行う電極を有し、前記イオン交換膜は、前記電位の印加による水の電気分解によって前記電極側で生じるイオンと逆極性のイオンを透過することで前記溶液収容部に収容された導電性溶液を前記記録液収容部に収容された導電性記録液と電気的に接続する画像形成装置にあるので、記録液中の水の電気分解を担保しつつ、ヘッド内の記録液がかかる電気分解によって滲みの抑制の妨げとなるpH変化を生じた状態で吐出されることを防止することを可能とし、かかる電気分解を利用することで、記録液以外の処理液や粉末等の付与を必須とすることなく滲みを抑制することが可能な画像形成装置を提供することができる。
本発明を適用した画像形成装置の一例の概略正面図である。 図1に示した画像形成装置に備えられたイオン交換膜を示すとともに、同画像形成装置においてヘッドから中間転写体に導電性記録液が付与される様子を示す概略図である。 図1に示した画像形成装置においてヘッドから吐出された導電性記録液中の顔料がプロトンを介して凝集した状態を示す概念図である。 図1に示した画像形成装置においてカソードとアノードとの間に形成される導電性記録液による液柱の状態を示す概念図である。 図2に示したイオン交換膜の機能を示した概念図である。 イオン交換膜の別の配設態様を示した概略斜視図である。
図1に本発明を適用した画像形成装置の一例の概略を示す。画像形成装置100は、インクジェットプリンタとしてのプリンタであってフルカラーの画像形成を行うことが可能になっている。画像形成装置100は、外部から受信した画像情報に対応する画像信号に基づき画像形成処理を行なう。
画像形成装置100は、一般にコピー等に用いられる普通紙の他、OHPシートや、カード、ハガキ等の厚紙や、封筒等の何れをもシート状の記録媒体としてこれに画像形成を行なうことが可能である。画像形成装置100は、記録媒体である被記録材たる用紙としての記録体である転写紙Sの片面に画像形成可能な片面画像形成装置であるが、転写紙Sの両面に画像形成可能な両面画像形成装置であってもよい。
画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成可能な、当該色のインクとしての導電性記録液である記録液を吐出するヘッド61Y、61M、61C、61BKを有している。
このような記録液吐出体としてのインクヘッドである記録ヘッドたるヘッド61Y、61M、61C、61BKは、画像形成装置100の本体99の略中央部に配設された中間転写ドラムである中間転写体37の外周面に対向する位置に配設されている。ヘッド61Y、61M、61C、61BKは、中間転写体37の移動方向であって図1において時計回り方向であるA1方向の上流側からこの順で並んでいる。同図において各符号の数字の後に付されたY、M、C、BKは、イエロー、マゼンタ、シアン、黒用の部材であることを示している。
ヘッド61Y、61M、61C、61BKはそれぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の画像を形成するための記録液吐出装置であるインク吐出装置60Y、60M、60C、60BKに備えられている。なお、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKは、図1の紙面に垂直な方向に複数が並設された態様で、インク吐出装置60Y、60M、60C、60BKに備えられている。
中間転写体37は、A1方向に回転している状態で、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKに対向する領域で、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKからイエロー、マゼンタ、シアン、黒の記録液が順次重ね合わされる態様で吐出されて付与される。このようにして、中間転写体37は、その表面上に記録液による画像が形成されるようになっている。このように、画像形成装置100は、ヘッド61Y、61M、61C、61BKを中間転写体37に対向させA1方向に並設したタンデム構造となっている。
ヘッド61Y、61M、61C、61BKによる中間転写体37に対する記録液の吐出は、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色の画像領域が中間転写体37上の同じ位置に重なるよう、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして行われる。
画像形成装置100は、ヘッド61Y、61M、61C、61BKをそれぞれ備えたインク吐出装置60Y、60M、60C、60BKを有している。
画像形成装置100はまた、中間転写体37を備え中間転写体37のA1方向への回転に伴って転写紙Sを搬送する用紙搬送ユニットとしての搬送ユニット10を有している。
画像形成装置100はまた、転写紙Sを多数枚積載可能であり積載した転写紙Sのうち最上位の転写紙Sのみを搬送ユニット10に向けて給送する給紙ユニット20を有し手いる。
画像形成装置100はまた、搬送ユニット10によって搬送されてきた画像形成済み言い換えるとプリント済みの転写紙Sを多数積載可能な排紙台25を有している。
画像形成装置100はまた、図2(b)に示すようにヘッド61Y、61M、61C、61BKから吐出された直後の記録液の液柱の内部に通電を行い、記録液の増粘を促進する電圧印加手段である電位印加手段としての通電手段33を有している。
画像形成装置100はまた、図1に示すように、記録液等が転写紙Sに転写された後の中間転写体37から、中間転写体37上に残留している記録液等を除去してクリーニングするためのクリーニング手段としての清掃手段34を有している。
画像形成装置100はまた、ヘッド61Y、61M、61C、61BKを一体に支持したヘッド支持体としてのキャリッジ50と、画像形成装置100の動作全般を制御するCPU、メモリ等を含む制御手段としての制御部40を有している。
搬送ユニット10は、中間転写体37の他に、中間転写体37に対向して配置され中間転写体37との間の領域である転写部31を転写紙Sが通過するときに中間転写体37上に担持された記録液による画像をその転写紙Sに転写する転写手段64を有している。
搬送ユニット10はまた、給紙ユニット20から給送されてきた転写紙Sを転写部31に案内するとともに、転写部31を通過した転写紙Sを排紙台25に案内するガイド板39を有している。
搬送ユニット10はまた、中間転写体37をA1方向に回転駆動する図示しない駆動手段としてのモータ等を有している。
このように、画像形成装置100は、転写紙Sへの画像形成を中間転写体37を用いて間接的に行う間接方式の画像形成装置となっている。
転写手段64は、中間転写体37に従動回転する転写ローラ38を備えている。なお、転写ローラ38は転写紙Sに転写される画像を転写紙Sに定着させるためのヒータを内蔵していても良い。また、搬送ユニット10は、転写ローラ38によって中間転写体37から転写紙Sに転写された画像を転写紙Sに定着させるための定着手段としての定着ローラを備えていてもよい。
図2に示すように、中間転写体37は、導電性基体であるアルミニウム製の支持体37aと、支持体37a上に形成されたシリコーンゴム製の表面層37bとを有している。支持体37aの材質はアルミニウムに限られるものではなく、機械的強度があれば、たとえばアルミ合金、銅、ステンレス等の金属によって形成しても良い。表面層37bの材質はシリコーンゴムに限られるものではなく、記録液の剥離性が高いという利点のためには表面エネルギーが低く転写紙Sへの追随性が高い弾性材料であればよい。よって、表面層37bは、たとえばウレタンゴム、フッ素ゴム、ニトリルブタジエンゴムなどによって形成しても良い。
表面層37bは、中間転写体37に導電性を付与するために、かかるゴム材料に導電剤としてのカーボン、白金、金などの金属微粒子を分散して混入させた導電性ゴムとされ、導電層となっている。ただし、導電性微粒子を増やすと導電性は向上するが、離型性が低下するトレードオフの関係にあるので、適宜、調整が必要である。後述するように、ヘッド61Y、61M、61C、61BKと中間転写体37とを一時的にブリッジした液柱の状態の記録液に所望の電位差を形成するには、導電性ゴムの体積抵抗率は10Ω・cm未満であることが好ましい。また、かかる電位差を形成するには、導電性ゴムの体積抵抗率は、記録液の体積抵抗率よりも小さいことが望ましい。
表面層37bの厚みは0.1〜1mm程度がよく、0.2〜0.6mmが好適である。ただし、表面層37bは必須の構成でなく、支持体37aのみを中間転写体37としても良い。また、中間転写体37は、少なくとも表面が導電性であれば、ドラム状でなく、無端ベルト状であっても良いし、その他可能であればシート状であっても良い。
図1に示すように、給紙ユニット20は、転写紙Sを多数枚積載可能な給紙トレイ21と、給紙トレイ21に積載された転写紙Sのうち最上位の転写紙Sのみを搬送ユニット10に向けて給送する給紙ローラ22とを有している。
給紙ユニット20はまた、給紙トレイ21及び給紙ローラ22を支持した筐体23を有している。
給紙ユニット20はまた、給紙ローラ22を、ヘッド61Y、61M、61C、61BKにおける記録液の吐出タイミングに合わせるように回転駆動し転写紙Sを給送させる図示しない駆動手段としてのモータ等を有している。
キャリッジ50は、ヘッド61Y、61M、61C、61BKに劣化等が生じたときにこれらが新規のものに交換可能であるように、またメンテナンスを容易にするために、ヘッド61Y、61M、61C、61BKと一体で、本体99に対し着脱可能となっている。ヘッド61Y、61M、61C、61BKもそれぞれ、劣化等が生じたときに新規のものに交換可能であるように、またメンテナンスを容易にするために、独立して本体99に対して着脱可能となっている。これによって、交換作業、メンテナンス作業が容易化されている。
インク吐出装置60Y、60M、60C、60BKは、用いる記録液の色が異なるものの、その余の点では互いに略同様の構成となっている。インク吐出装置60Y、60M、60C、60BKはそれぞれヘッド61Y、61M、61C、61BKをそれぞれ複数、主走査方向に並設され、インク吐出装置60Y、60M、60C、60BK、画像形成装置100はヘッド固定式のフルライン型となっている。
インク吐出装置60Y、60M、60C、60BKは、複数のヘッド61Y、61M、61C、61BKと、ヘッド61Y、61M、61C、61BKのそれぞれに当該色の記録液を供給する記録液供給手段62Y、62M、62C、62BKとを有している。
記録液供給手段62Y、62M、62C、62BKはそれぞれ、ヘッド61Y、61M、61C、61BKのそれぞれに供給するための当該色の記録液を収容したメインタンクとしてのインクタンクであるタンク81Y、81M、81C、81BKを有している。
また、記録液供給手段62Y、62M、62C、62BKはそれぞれ、タンク81Y、81M、81C、81BK内の記録液を各ヘッド61Y、61M、61C、61BKに向けて圧送し給送するためのポンプ82Y、82M、82C、82BKを有している。
また、記録液供給手段62Y、62M、62C、62BKはそれぞれ、タンク81Y、81M、81C、81BKからヘッド61Y、61M、61C、61BKまでの記録液の給送路を形成しているパイプ83Y、83M、83C、83BKを有している。
また、記録液供給手段62Y、62M、62C、62BKはそれぞれ、タンク81Y、81M、81C、81BK側から供給されてきた記録液を各ヘッド61Y、61M、61C、61BKに分配して供給する図示しないディストリビュータタンクを有している。
また、記録液供給手段62Y、62M、62C、62BKはそれぞれ、ディストリビュータタンク内の記録液量の不足を検出するために同記録液量を検知する記録液量検知手段であるインク量検知手段としての図示しないインク量検知センサを有している。
なお、記録液供給手段62Y、62M、62C、62BKはそれぞれ、タンク81Y、81M、81C、81BKをそれぞれヘッド61Y、61M、61C、61BKと一体型のものとして備えていても良い。
図2に示すように、タンク81Y、81M、81C、81BKはそれぞれ、パイプ83Y、83M、83C、83BKによってヘッド61Y、61M、61C、61BKに供給される記録液を収容する記録液収容部85Y、85M、85C、85BKを有している。
また、タンク81Y、81M、81C、81BKはそれぞれ、ヘッド61Y、61M、61C、61BKに供給されることのない導電性溶液としての記録液を収容する溶液収容部86Y、86M、86C、86BKを有している。
また、液体収容部としてのタンク81Y、81M、81C、81BKはそれぞれ、記録液収容部85Y、85M、85C、85BKと溶液収容部86Y、86M、86C、86BKとの間を仕切ったイオン交換膜87Y、87M、87C、87BKを有している。
タンク81Y、81M、81C、81BK内の、記録液に接触する部分、具体的に内壁には、通電手段33の一部をなす電極65Y、65M、65C、65BKが設けられている。
イオン交換膜87Y、87M、87C、87BKは、タンク81Y、81M、81C、81BKの内部の空間を2つに区分けすることで、記録液収容部85Y、85M、85C、85BKと溶液収容部86Y、86M、86C、86BKとを形成している。このように、イオン交換膜87Y、87M、87C、87BKは、タンク81Y、81M、81C、81BKの内部の空間が、独立した記録液収容部85Y、85M、85C、85BK、溶液収容部86Y、86M、86C、86BKとなるように設けられている。電極65Y、65M、65C、65BKは、溶液収容部86Y、86M、86C、86BK内に収容された記録液に接触し、浸漬するように、溶液収容部86Y、86M、86C、86BK内に設けられている。
イオン交換膜87Y、87M、87C、87BKは、一方の面、すなわち図2において右側の面が記録液収容部85Y、85M、85C、85BK内に収容された記録液に接触し、この接触した部分がかかる記録液に浸漬されている。イオン交換膜87Y、87M、87C、87BKは、他方の面、すなわち図2において左側の面が溶液収容部86Y、86M、86C、86BK内に収容された記録液に接触し、この接触した部分が浸漬されている。
よって、イオン交換膜87Y、87M、87C、87BKは、タンク81Y、81M、81C、81BK内の記録液を、ヘッド61Y、61M、61C、61BKに供給される記録液と、電極65Y、65M、65C、65BKを浸漬した記録液とに隔離している。このように、電極65Y、65M、65C、65BKの周りの記録液は、イオン交換膜87Y、87M、87C、87BKによって、ヘッド61Y、61M、61C、61BKに供給される記録液から遮断されている。
よって、記録液収容部85Y、85M、85C、85BK内の記録液はヘッド61Y、61M、61C、61BKから吐出されるが、溶液収容部86Y、86M、86C、86BK内の記録液はヘッド61Y、61M、61C、61BKから吐出されることはない。
ただし、イオン交換膜87Y、87M、87C、87BKは、陽イオン交換膜であるため、陽イオンについては透過する。よって、イオン交換膜87Y、87M、87C、87BKは、陽イオンを透過することにより、記録液収容部85Y、85M、85C、85BKに収容された記録液と溶液収容部86Y、86M、86C、86BKに収容された記録液とを電気的に接続する。したがって、溶液収容部86Y、86M、86C、86BKに収容された記録液は、イオン交換膜87Y、87M、87C、87BKを介して、記録液収容部85Y、85M、85C、85BKに収容された記録液と電気的に接続されている。
なお、溶液収容部86Y、86M、86C、86BK内の記録液の量は、少なくとも電極65Y、65M、65C、65BKを浸漬する量となるように調整されている。
イオン交換膜87Y、87M、87C、87BKは、電極65Y、65M、65C、65BKの周りの記録液を、ヘッド61Y、61M、61C、61BKに供給される記録液から隔離し遮断するように配設されていればよい。よって、イオン交換膜87Y、87M、87C、87BKは、記録液収容部85Y、85M、85C、85BKと溶液収容部86Y、86M、86C、86BKとが一部において連通する状態で、これらの内部の記録液を仕切るように設けられていても良い。
タンク81Y、81M、81C、81BKは、本体99に対して着脱可能となっている。タンク81Y、81M、81C、81BK内部、たとえば記録液収容部85Y、85M、85C、85BK内の記録液が消費されて残り少なくなったときあるいはなくなったとき等に新規のものに交換可能であるように、またメンテナンスを容易にするためである。この点、タンク81Y、81M、81C、81BKは、記録液カートリッジであるインクカートリッジによって構成されているが、これに限るものではなく固定式であっても良い。
供給ポンプとしてのポンプ82Y、82M、82C、82BKは、制御部40によって作動を制御される。具体的には、インク量検知センサによってディストリビュータタンク内の記録液量の不足が検出されたことを条件として、この不足が検出されなくなるまで駆動され、タンク81Y、81M、81C、81BK内の記録液をディストリビュータタンクに供給する。ディストリビュータタンクに供給される記録液は、記録液収容部85Y、85M、85C、85BK内の記録液である。この点、制御部40は記録液供給制御手段であるインク供給制御手段として機能する。制御部40は、画像形成装置100において駆動される構成については、特に説明しない場合であっても、その駆動を制御するようになっている。
パイプ83Y、83M、83C、83BKは、タンク81Y、81M、81C、81BKと記録液供給部であるインク供給部としてのディストリビュータタンクとの間の記録液の給送路をポンプ82Y、82M、82C、82BKとともに形成している。パイプ83Y、83M、83C、83BKは、記録液収容部85Y、85M、85C、85BK内の記録液をディストリビュータタンクに供給するため、一端側が記録液収容部85Y、85M、85C、85BKに連結されている。
パイプ83Y、83M、83C、83BKはまた、ディストリビュータであるディストリビュータタンクと各ヘッド61Y、61M、61C、61BKとの間の記録液の給送路を形成している。パイプ83Y、83M、83C、83BKは、ディストリビュータタンク内の記録液をヘッド61Y、61M、61C、61BKに供給するため、他端側がヘッド61Y、61M、61C、61BKに連結されている。
記録液は、イエロー、マゼンタ、シアン、黒に対応した色剤と、この色剤の分散剤であるアニオン性分散剤と、溶媒とを少なくとも含んでいる。かかる色剤とかかる分散剤とにより、記録液のインク成分はアニオン性基を有している。溶媒は安全性の観点及び後述する電気分解を生じせしめるための導電性の観点から水を含んでおり、記録液は導電性インクであり水溶性インクである水溶性記録液となっている。なお、記録液は、保存安定性の観点から、アルカリ性であることが望ましい。
記録液に用いられる色剤である顔料としては、特に限定されないが、オレンジ又はイエロー用の顔料として、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185等が挙げられる。
また、レッド又はマゼンタ用の顔料として、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
また、グリーン又はシアン用の顔料として、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
また、ブラック用の顔料として、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
記録液中の顔料の含有量は、通常、0.1〜40質量%であり、1〜30質量%が好ましく、2〜20質量%がさらに好ましい。
色剤は染料でもよく、一般的に多く知られるところの直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建染染料、可溶性建染染料、反応分散染料、油性染料などが挙げられ、いずれも使用できるが、中でも水溶性染料は記録液の性能上好ましく使用される。
染料として好ましいものとしては、C.I.ダイレクトレッド2,4,9,23,26,31,39,62,63,72,75,76,79,80,81,83,84,89,92,95,111,173,184,207,211,212,214,218,221,223,224,225,226,227,232,233,240,241,243,247,C.I.ダイレクトバイオレット7,9,47,48,51,66,90,93,94,95,98,100,101,C.I.ダイレクトイエロー8,9,11,12,27,28,29,33,35,39,41,44,50,53,58,59,68,86,87,93,95,96,98,100,106,108,109,110,130,132,142,144,161,163,C.I.ダイレクトブルー1,10,15,22,25,55,67,68,71,76,77,78,80,84,86,87,90,98,16,108,109,151,156,158,159,160,168,189,192,193,194,199,200,201,202,203,207,211,213,214,218,225,229,236,237,244,248,249,251,252,264,270,280,288,291,C.I.ダイレクトブラック9,17,19,22,32,51,56,62,69,77,80,91,94,97,108,112,113,114,117,118,121,122,125,132,146,154,166,168,173,199,C.I.アシッドレッド35,42,52,57,62,80,82,111,114,118,119,127,128,131,143,151,154,158,249,254,257,261,263,266,289,299,301,305,336,337,361,396,397,C.I.アシッドバイオレット5,34,43,47,48,90,103,126,C.I.アシッドイエロー17,19,23,25,39,40,42,44,49,50,61,64,76,110,127,135,143,151,159,169,174,190,195,196,197,199,218、219,222,227,C.I.アシッドブルー9,25,40,41,62,72,76,78,80,82,92,106,112,113,120,127:1,129,138,143,175,181,205,207,220,221,230,232,247,258,260,264,271,278,279,280,288,290,326,C.I.アシッドブラック7,24,29,48,52:1,172,C.I.リアクティブレッド3,13,17,19,21,22,23,24,29,35,37,40,41,43,45,49,55,C.I.リアクティブバイオレット1,3,4,5,6,7,8,9,16,17,22,23,24,26,27,33,34,C.I.リアクティブイエロー2,13,14,15,17,18,23,24,25,26,27,29,35,37,41,42,C.I.リアクティブブルー2,3,5,8,10,13,14,15,17,18,19,21,25,26,27,28,29,38,C.I.リアクティブブラック4,5,8,14,21,23,26,31,32,34,C.I.ベーシックレッド12,13,14,15,18,22,23,24,25,27,29,35,36,38,39,45,46,C.I.ベーシックバイオレット1,2,3,7,10,15,16,20,21,25,27,28,35,37,39,40,48,C.I.ベーシックイエロー1,2,4,11,13,14,15,19,21,23,24,25,29,32,36,39,40,C.I.ベーシックブルー1,3,5,7,9,22,26,41,45,46,47,54,57,60,62,65,66,69,71,C.I.ベーシックブラックB、等が挙げられるが、前述した通りアニオン性であることが望ましい。
これら染料の添加量は、染料の種類、溶媒成分の種類、インクジェット記録液に対し要求されている特性等に依存して決定されるが、一般にはインク全重量に対し0.2から15重量%、特に0.5〜10重量%の範囲が好適である。
アニオン性分散剤としては、高分子分散剤のような高分子タイプあるいは界面活性剤のような低分子タイプの分散剤を含むことが好ましい。
アニオン性基を有する高分子タイプの分散剤の例として、ポリアクリル酸およびその塩、ポリメタクリル酸およびその塩、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体およびその塩、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体およびその塩、スチレン−アクリル酸共重合体およびその塩、スチレン−メタクリル酸共重合体およびその塩、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体およびその塩、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体およびその塩、スチレン−αメチルスチレン−アクリル酸共重合体およびその塩、スチレン−αメチルスチレン−アクリル酸共重合体−アクリル酸アルキルエステル共重合体およびその塩、スチレン−マレイン酸共重合体およびその塩、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体およびその塩、酢酸ビニル−エチレン共重合体およびその塩、酢酸ビニル−クロトン酸共重合およびその塩、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体およびその塩、βナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、等が挙げられる。
これらのアニオン性高分子は、水の電気分解で発生する水素イオンと反応して凝集するため自己分散顔料単体よりも凝集性において好ましい。また、これらのアニオン性高分子は着色剤の接着機能を有するため、転写工程における中間転写体37から転写紙Sへの転写率を向上させる利点がある。
アニオン性基を有する低分子タイプの分散剤としては、具体的には、オレイン酸およびその塩、ラウリン酸およびその塩、ベヘン酸およびその塩、ステアリン酸およびその塩、またそのような脂肪酸およびその塩、ドデシルスルホン酸およびその塩、デシルスルホン酸およびその塩、またそのようなアルキルスルホン酸およびその塩、ラウリル硫酸塩、オレイル硫酸塩などのアルキル硫酸エルテル類、ドデシルベンゼンスルホン酸およびその塩、ラウリルベンゼンスルホン酸およびその塩、またそのようなアルキルベンゼンスルホン酸とその塩、ジオクチルスルホ琥珀酸およびその塩、ジヘキシルスルホ琥珀酸およびその塩、またそのようなジアルキルスルホ琥珀酸およびその塩、ナフチルスルホン酸およびその塩、ナフチルカルボン酸およびその塩、またそのような芳香族アニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸塩、フッ素化アルキルカルボン酸およびその塩、フッ素化アルキルスルホン酸およびその塩等のフッ素系アニオン性界面活性剤などを用いた分散剤が挙げられる。
記録液は水を主な液媒体として使用するが、記録液を所望の物性にするため、あるいは記録液の乾燥による後述のノズル61cの詰まりを防止するため、次に述べる水溶性有機溶媒を保湿剤成分として使用することが好ましい。
水溶性有機溶媒の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、グリセリン、1,2,6−へキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトン等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
また、その他の保湿成分として、ソルビトール等の糖アルコール、ヒアルロン酸等の多糖類、ポリエチレングリコール等の高分子、また、尿素、乳酸、クエン酸塩、アミノ酸系といった天然保湿成分も用いることが可能である。これらの溶媒は、水とともに単独もしくは複数混合して用いられる。これらの水溶性有機溶媒の含有量は特に制限はないが、好ましくはインク全体の1〜60重量%、更に好ましくは10〜40重量%の範囲で用いる。
記録液は、疎水性Aセグメントと親水性BセグメントとからなるABA型両親媒性高分子と、このABA型両親媒性高分子を前記水性溶媒に溶解または分散せしめるカルボン酸系界面活性剤とを含んでいることが望ましい。
ABA型両親媒性高分子の疎水性Aセグメントすなわち疎水性Aブロックは、以下のいずれのものでも適用可能である。たとえば炭素数12以上の直鎖アルキル基であるドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシルなどである。また、分岐アルキル基として、2−デシルドデシル、2−ドデシルドデシル、2−デシルヘキサデシルなどの組み合わせが上げられる。また、芳香族含有アルキル基として、フェニルアルキル、ジフェニルアルキル、トリフェニルアルキル、ナフチルアルキル、ジナフチルアルキル、トリナフチルアルキル、アントラセニルアルキル、ベンゼン環が分岐点の分岐アルキル基であるフェニル基を含んだジアルキルフェニルアルキル、トリアルキルフェニルアルキル、また、環状アルキル基含有として、シクロヘキシルアルキル、ジアルキルシクロヘキシルアルキル、トリアルキルシクロヘキシルアルキル、シクロペンチルアルキル、ジアルキルシクロペンチルアルキル、トリアルキルシクロペンチルアルキルなどがある。このように、疎水性Aブロックは、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、環状アルキル基、フェニル基の何れかを少なくとも含むことが望ましい。
また、疎水性Aブロックは、疎水性モノマーによるブロック重合体であっても構わない。たとえば、スチレン重合体、アクリル酸アルキル重合体、メタクリル酸アルキル重合体、アクリルアミドアルキル重合体、メタクリルアミドアルキル重合体などが挙げられる。
ABA型両親媒性高分子の親水性Bセグメントすなわち親水性Bブロックは水性溶媒に対して親和性があるものであればいずれのものでも適用可能である。水性溶媒中で疎水会合による物理架橋でインク組成物の粘度を増加させるためには、親水性Bブロックは疎水性Aブロックに対して十分鎖長が長い(大きい)必要があり、そのようなものとして直鎖ポリエチレンオキサイドを含むエチレンオキサイド重合体やプロピレンオキサイド重合体などの100量体以上のものが挙げられる。親水性Bブロックは、親水部分が分岐した多分岐ポリエチレンオキサイドを含む4−Arms構造や6−Arms構造であっても構わない。Armsは、疎水性Aブロックを意味している。このように、親水性Bブロックは、直鎖ポリエチレンオキサイド、多分岐ポリエチレンオキサイドの何れかを少なくとも含むことが望ましい。
またこのように、ABA型両親媒性高分子は、疎水性Aブロックを3つ以上備えたAB型両親媒性高分子であることが望ましい。これは、疎水性Aセグメント同士の疎水会合が起こりやすくなり、pH変化に対する粘度応答性が向上するためである。なお、ABA型両親媒性高分子における「ABA型」とは、親水性Bブロックを中心として親水性Bブロックと複数の疎水性Aブロックとが結合した構造であることを意味している。
親水性Bブロックとしては、そのほかにはビニルアルコール重合体、ビニルエーテル重合体、ビニルピロリドン重合体、アクリルアミド重合体、メタクリルアミド重合体、及びそれらの誘導体など挙げられる。また、イオン性の場合でもよく、アクリル酸塩重合体、メタクリル酸塩重合体、アクリル酸アルキル四級アンモニウム塩重合体、メタクリル酸アルキル四級アンモニウム塩重合体、アクリルアミドアルキル四級アンモニウム塩重合体、スチレンスルホン酸塩重合体などが挙げられる。また、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、メチルデンプン、エチルデンプン、ヒドロキシエチルデンプン、カルボキシメチルデンプンなどのデンプン誘導体、アルギン酸プロピレングリコールなどのアルギン酸誘導体、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲンなどの動物系ポリマーの誘導体、グアーガム、ローカストビーンガム、クインスシードガム、カラギーナンなどの植物系ポリマーの誘導体、キサンタンガム、デキストラン、ヒアルロン酸、プルラン、カードランなどの微生物系ポリマーの誘導体等も挙げられる。
疎水性Aブロックと親水性Bブロックの化学結合は安定であればいずれでもよく、たとえばエーテル結合、ウレタン結合、アミド結合、エステル結合などが挙げられる。
ABA型両親媒性高分子を水性溶媒に溶解または分散せしめるカルボン酸系界面活性剤は、疎水性アルキル部分とカルボン酸塩で構成されるものであれば何れでもよい。そのようなものとして、カプロン酸ナトリウム、カプロン酸カリウム、カプリル酸ナトリウム、カプリル酸カリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリン酸カリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸カリウム、パルミチン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウムなどの脂肪酸塩が挙げられる。また、上述のようなモノカルボン酸以外に、ジカルボン酸塩、トリカルボン酸塩であっても構わない。
記録液を構成している水性インク組成物は、後述するpHの変化によって粘度変化するものとなっているが、本形態における記録液のpH変化は、プロトンをインク組成物に供給することを意味する。弱酸塩であるカルボキシルイオンのプロトン化するpHの目安としてpKaがある。脂肪酸塩のpKaは概ねpKa:7〜9くらいでより高いもののほうが好ましい。
ABA型両親媒性高分子の平均重量分子量としては特に制限がないが、カルボン酸系界面活性剤等で完全に溶解または分散した状態でのインクジェット吐出性を考慮すると分子量は小さいほうが好ましく、着弾後の増粘状態の強度を考慮するとポリマーの分子量は大きいほうが好ましい。そのため、1万以上10万以下の範囲のものが好ましい。また、2万以上5万以下のものがより好ましい。重合体部分の繰り返し数としては、100量体以上1000量体以下が好ましい。インク組成物中のポリマーの濃度としては、0.1重量%以上10重量%以下の範囲が好ましく、0.5重量%以上5重量%以下がより好ましい。
記録液中の水を後述のように電気分解させるには、記録液、すなわち溶液収容部86Y、86M、86C、86BK内の記録液及びヘッド61Y、61M、61C、61BKから吐出される記録液のイオン伝導性を上げるための電解質成分を添加する必要がある。記録液に添加する電解質成分として、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化ルビジウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硝酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、などの無機アルカリ金属塩、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、シュウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸水素ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸水素カリウムなどの有機アルカリ金属塩、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、硝酸テトラメチルアンモニウム、塩化コリンなどの有機アンモニウム塩などが挙げられる。後述するが、電解質成分のうち陽イオンとなるものは要イオン交換膜を通過する必要があり、分子の大きさが大きいと膜を分子が通りづらくなることが考えられ、そういった観点から、陽イオンが単原子イオンであることが望ましい。
2価以上の多価金属塩は着色剤やABA型両親媒性高分子等の溶解または分散性を損ねるので、1価の金属塩であることが好ましい。特に電解質成分として第四級アンモニウム塩を添加するのが好ましい。第四級アンモニウムイオンは中心元素に結合したアルキル基によって電荷分散しており、着色剤やABA型両親媒性高分子等との相互作用が小さく安定に存在するためである。また、第四級アンモニウムイオンは水とのクラスターを形成しにくく、着色剤やABA型両親媒性高分子等の溶解または分散に必要な水和水を奪うことも少ない。単位分子量あたりの導電率(モルイオン伝導率)は分子量の小さい化合物が高く、四級アンモニウム塩のなかで特にテトラメチルアンモニウム塩が好ましい。また、カウンターイオンとして塩化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン等があるが、塩化物イオンはアノードで電極反応を起こして塩素を発生するおそれがある。そのため、不活性な硝酸イオンや硫酸イオンが好ましい。
本形態において、記録液には、電解質として塩化ナトリウムが含まれている。
吐出時の記録液の粘度は、1〜20mPa・s、好ましく2〜8mPa・sである。記録液は、後述する着弾後のpH変化による増粘により、吐出時の少なくとも10倍、好ましくは100倍、より好ましくは1000倍以上の粘度増加を生じ、ゲル状態になる。その他、記録液の物性の好適な範囲は、表面張力が10〜60mN/m、好ましくは20〜50mN/m、導電率が0.01〜3S/m、好ましくは0.02〜1S/mである。
図2に示すように、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKは、同図において下方を向く記録液吐出側に配設された絶縁性のノズル板61aと、ノズル板61aに形成されたノズル61bとを有している。
各ヘッド61Y、61M、61C、61BKはまた、ディストリビュータタンクから記録液を供給され記録液を充填されたインク室61cと、インク室61c内の記録液をノズル61bから吐出させる図示しないインク吐出手段とを有している。
ノズル板61a、ノズル61b、インク室61c、インク吐出手段はこれらが1組となって、それぞれ各ヘッド61Y、61M、61C、61BKに多数備えられているが、同図においてはそのうちの1組のみを図示している。
ノズル板61aは、詳細な図示を省略するが、絶縁性の基板と、この基板の、中間転写体37に対向する側の面に形成された撥水膜とを有している。撥水膜は、フッ素系撥水剤やシリコン系撥水剤などを塗布して形成しても良いし、フッ素系高分子やフッ素―金属化合物共析などをメッキして形成しても良く、撥水性がある膜なら特に限定されない。
ノズル板61aは、中間転写体37とのギャップが50〜200μmの間で設定される。かかるギャップが50μm未満であると、回転体である中間転写体37とノズル板61aとのギャップを維持することが困難になることがあり、またかかるギャップが200μmを超えると、後述する液注のブリッジが形成されにくくなることがあるためである。ただし、ギャップの維持さえ可能なら50μm未満でも特に問題はなく、200μm以上であっても、安定した液柱のブリッジが形成されれば問題ない。
インク吐出手段は、各ノズル61bから記録液を液滴化して吐出させ転写紙Sに着弾させるためのアクチュエータとして圧電素子を有し、制御部40による制御によって圧電素子に印加される電圧パルスに応じてノズル61bから記録液を吐出するようになっている。この点、制御部40は、インク吐出制御手段として機能する。インク吐出制御手段として機能する制御部40は、かかる圧電素子を駆動するための電圧パルスを所定の信号波形でかかる圧電素子のそれぞれに入力する。
インク吐出手段のアクチュエータはピエゾ方式等の、形状変形素子方式である他の方式の可動アクチュエータであってもよいし、サーマル方式等の加熱ヒータ方式によってノズル61bから記録液を吐出させるものであっても良い。
通電手段33は、ヘッド61Y、61M、61C、61BKから吐出された直後の記録液の液柱の内部に電極酸化反応もしくは電極還元反応に起因する電流成分を含んだ通電を行い、記録液の増粘を促進するために、次の構成を有している。
すなわち、通電手段33は、電極65Y、65M、65C、65BKと、正負の極性を切り換え可能な電源33aと、電源33aを支持体37aと電極65Y、65M、65C、65BKとに接続した特に図示しない電気回路とを有している。
通電手段33はまた、制御部40の機能の一部として実現され電源33aによる電圧、電位の印加タイミング、印加時間、極性の切り替えを制御する電圧印加制御手段、電位印加制御手段を有している。電圧印加制御手段、電位印加制御手段としての制御部40は、電源33aの電圧、電位を変更する電圧変更手段、電位変更手段としても機能する。
電源33aは、通常は、陽極を支持体37aに接続され、陰極を電極65Y、65M、65C、65BKに接続されている。よって、通電手段33は通常、中間転写体37をアノードとして備え、電極65Y、65M、65C、65BKをカソードとして備えている。
電極65Y、65M、65C、65BKはカソードとして機能するため、その少なくとも表面は金や白金などの金属、あるいは、カーボンによって形成されていることが望ましい。
なお、図1に示されているように、電極65Y、65M、65C、65BKは電気的に導通しており等電位となるように構成されているが、次のように構成しても良い。すなわち、電極65Y、65M、65C、65BKを互いに独立させ、中間転写体37に対する電位を制御部40によってそれぞれ独立に制御するようにしても良い。
清掃手段34は、A1方向において転写部31の下流側かつヘッド61Y、61M、61C、61BKから記録液を付与される位置の上流側の位置において、中間転写体37をクリーニングする。転写手段64によって記録液による画像を転写紙Sに転写された後の中間転写体37のクリーニングを行うことで、クリーニングが行われ清浄な状態となった中間転写体37に、ヘッド61Y、61M、61C、61BKによって記録液を付与するためである。
清掃手段34は、転写部31において記録液等が転写紙Sに転写された後の中間転写体37のクリーニングを行うための、無色透明でアルカリ性のクリーニング液Lを蓄えた貯留部34aを有している。
清掃手段34はまた、中間転写体37に連れ回りして貯留部34aに蓄えられているクリーニング液Lを中間転写体37に塗布の態様で付与する付与部材としての塗布部材であるローラ34bを有している。
清掃手段34はまた、A1方向においてローラ34bによってクリーニング液Lが塗布される位置よりも下流側で中間転写体37に対していわゆるカウンター当接の態様で当接した清掃部材としてのクリーニングブレード34cを有している。
清掃手段34はまた、図2に示すように、溶液収容部86Y、86M、86C、86BK内の記録液を貯留部34aに導く供給手段34dを有している。
清掃手段34はまた、クリーニングブレード34cによって中間転写体37から掻き取られ、除去された記録液等を蓄える図示しない廃液収納部を有している。
クリーニング液Lは、転写部31にて記録液等が転写紙Sに転写された後の中間転写体37に残留している記録液あるいは記録液に起因する成分を低粘度化あるいは溶解してクリーニング性能を向上するために、pHがアルカリ性に調整されている。
塗布部材は、ローラ34bでなく、ノズル等の、噴射によってクリーニング液Lを中間転写体37に付与する部材であっても良い。
クリーニングブレード34cは、弾性体としてのゴムによって形成されている。クリーニングブレード34cは、転写部31にて記録液等が転写紙Sに転写された後の中間転写体37に残留している記録液或いは記録液に起因する成分と共に、クリーニング液L或いはクリーニング液Lに起因する成分を中間転写体37から掻き取って除去する。
供給手段34dは、図示を省略するが、溶液収容部86Y、86M、86C、86BKと貯留部34aとを連結したパイプと、このパイプに連結され溶液収容部86Y、86M、86C、86BK内の記録液を貯留部34aに向けて送り込むポンプとを有している。よって、供給手段34dは、ローラ34bによって中間転写体37に付与されるクリーニング液Lに、溶液収容部86Y、86M、86C、86BKに収容されている、後述するようにアルカリ性を呈することとなる導電性溶液としての記録液を供給する。
ポンプの駆動は、制御部40によって行われる。この点、制御部40は、クリーニング液供給制御手段として機能する。クリーニング液供給制御手段として機能する制御部40は、貯留部34a内のクリーニング液が尽きることのないように、中間転写体37の駆動時間が所定時間に達するたびに、ポンプを所定時間駆動する。
貯留部34aと、ローラ34bと、供給手段34dとは、クリーニング液Lを中間転写体37に付与するクリーニング液付与手段として機能する。
このような構成の画像形成装置100においては、画像形成開始の旨の所定の信号の入力により、中間転写体37が各ヘッド61Y、61M、61C、61BKに対向しながらA1方向に回転する。この過程で、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKから、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の記録液が、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして順次重ね合わされる態様で吐出される。この吐出は、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色の画像領域が中間転写体37の同じ位置に重なるように行われる。このようにして、中間転写体37上に一時的に画像が担持される。
このとき、電圧印加制御手段、電位印加制御手段としての制御部40により、通電手段33が駆動され、電源33aから支持体37aと電極65Y、65M、65C、65BKとの間に電圧、電位が印加されている。
この状態で、記録液が、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKから中間転写体37上に付与される。このときには、まず、ヘッド61Y、61M、61C、61BKから、図2(a)に示すように、ノズル61bにおいてメニスカスを形成している記録液が、図2(b)に示すように、中間転写体37に向けて移動する。これにより、ノズル61bと中間転写体37との間に、記録液からなる液柱のブリッジが一時的に形成される。次いで、図2(c)に示すように、記録液からなる液柱のブリッジが分断されることによって、記録液は中間転写体37に担持され、中間転写体37上に記録液による画像が形成される。
そして、図2(b)に示した、記録液からなる液注のブリッジが形成された状態では、通電手段33が、記録液を増粘させる。具体的には、通電手段33の電圧印加、電位印加により、カソードである電極65Y、65M、65C、65BKとアノードである中間転写体37とにはそれぞれ次の電極反応が生じ、記録液の液柱のブリッジに含まれる水が電気分解される。
カソード:4HO+4e→2H+4OH・・・反応式(1)
アノード:2HO→4H+O+4e・・・反応式(2)
これにより、アノードとして機能する中間転写体37の表面で、記録液の液柱のブリッジに含まれる水が酸化してプロトン(H+)が生成するため、図3に示すように、アニオン性分散剤Dにより分散されている顔料Pが、プロトンを介して凝集する。あるいはABA型両親媒性高分子とカルボン酸系界面活性剤とを含んでいる場合、カルボン酸系界面活性剤がプロトン化することによってABA型両親媒性高分子の疎水基同士が結合し、記録液の増粘が起こる。これにより、隣接するドット間の滲みの発生が抑制され、高精細な画像が形成される。なお、かかるブリッジを形成する時間は、圧電素子に印加される電磁パルスのピーク電圧とパルス幅等により制御可能である。
ここで、図4を用いて、カソード及びアノードの間で起こる現象について説明する。液柱のブリッジが形成されている間、カソードとアノードとの間は記録液を通してつながり、その間にある記録液Bの内部では、カチオン及びアニオンは、それぞれカソードC及びアノードAの近傍に移動する。その結果、カソードC及びアノードAの表面に、それぞれ電気二重層E及びEが形成されるが、電気二重層E及びEの充電速度は、カソードCとアノードAと間にある記録液Bの導電率、記録液に含まれるイオンの濃度でほぼ決定される。
このとき、電気二重層E及びEの電圧が数Vに達すると、水が電気分解してファラデー電流が流れる。その結果、アノードAの表面では、水が酸化してプロトンが生成する。すなわち、かかるブリッジが形成された瞬間に、ブリッジ内に、プロトンが効率よく生成する。これにより、記録液の中間転写体37への着液と同時に記録液が増粘する。その結果、隣接する記録液ドット間における顔料の滲みが発生せず、非常に高精細な溶質画像が形成される。
このように、通電手段33は、液柱がブリッジを形成している間、電極界面において記録液を電気分解するための、中間転写体37と電極65Y、65M、65C、65BKとの間の電圧印加、電位印加を行なう。このように、通電手段33は、中間転写体37表面と電極65Y、65M、65C、65BKとの間に電位差を形成するための構成となっている。ここで、電極界面とは、電極65Y、65M、65C、65BKの表面と記録液との界面をいう。
この電圧印加、電位印加は、この電圧印加、電位印加によって記録液に印加される電圧、電位に起因する放電を制御するために、電圧印加制御手段、電位印加制御手段、電圧変更手段として機能する制御部40により制御される。
なお、本形態において、カソードである電極65Y、65M、65C、65BKとアノードである中間転写体37との間の記録液は、イオン交換膜87Y、87M、87C、87BKによって仕切られている。しかし、イオン交換膜87Y、87M、87C、87BKは、すでに述べたように陽イオン透過膜であって、後述のように陽イオンを透過するため、以上述べた水の電気分解、記録液のブリッジにおける通電、記録液の増粘等を妨げることはない。
液柱のブリッジが形成されてから分断されるまでの時間は、通常、数マイクロ秒〜数十マイクロ秒であり、記録液の導電率は、通常、数十mS/m〜数S/mである。このため、中間転写体37に記録液による画像を形成するためには、通電手段33による印加電圧は、水の理論分解電圧である1.23Vや一般的な水の電気分解の条件である数V〜十数Vでは不十分であり、数十V〜数百Vであることが好ましい。
中間転写体37上に担持された画像の先端が転写部31に到達するタイミングに合わせて、給紙ユニット20から給送された一枚の転写紙Sが転写部31に供給される。このとき、転写ローラ38が中間転写体37に連れ回りしながら、転写部31を通過する転写紙Sに、中間転写体37上に担持されている画像を転写し、これによって転写紙Sの表面に画像が形成される。画像が形成された転写紙Sは、排紙台25に案内され排紙台25上に積載される。
このようにして画像が転写紙Sに転写されるときには、増粘した記録液が転写紙Sに転写される。増粘した記録液によって画像が形成されることにより、転写紙Sが普通紙である場合であっても、フェザリングやブリーディングを防止ないし抑制しつつ、高速で高画像濃度、高画質の画像形成が可能である。
また、高速の画像形成を行うには、記録液を速乾性とすることを要するため、記録液は転写紙Sへの吸収性が一般に高いが、この場合には記録液が転写紙Sの奥深くまで浸透し、いわゆる裏移りを生じ、両面画像形成に不向きとなる。しかし、かかる増粘作用により記録液の転写紙Sへの吸収性が低減されるためかかる裏移りが防止ないし抑制され、両面画像形成にも適している。さらにまた、増粘により、記録液の転写紙Sへの吸収性が低減されることにより、転写紙Sのコックリングやカールなどの変形も抑制ないし防止される。したがって、画像を担持した転写紙Sの搬送性が向上し、ジャムが防止ないし抑制されるなど、転写紙Sの取り扱いが容易化する。
転写部31における転写により、転写部31を通過した中間転写体37上には、記録液に起因する成分はほとんど残っていないが、中間転写体37は清掃手段34によるクリーニングを受ける。このとき、中間転写体37には、ローラ34bにより、クリーニング液Lが供給される。このクリーニング液Lはアルカリ性であるため、中間転写体37上に残留している、プロトンによって増粘した記録液や記録液に起因する成分は、クリーニング液Lによる低粘度化、溶解が行われる。よって、中間転写体37上に残留している、増粘した記録液や記録液に起因する成分は、クリーニングブレード34cによって中間転写体37から良好に掻き取られ、廃液収納部に収納される。このようにして、中間転写体37は、クリーニングによって清浄な状態に復帰する。
したがって、記録液のオフセットが高度に防止ないし抑制され、繰り返し画像形成を行っても、オフセットによる地肌汚れが防止ないし抑制され、画像劣化、中間転写体37の劣化が抑制ないし防止されて、経時的に良好な画像形成を行うことが可能である。
以上のような画像形成装置100において、上述した増粘作用によって滲みを抑制ないし防止した良好な画像形成を行うには、この増粘作用が良好に行われる必要がある。そのため、反応式(1)によってOHが生ずることで、酸性度が低下し、pHの値が大きくなる側の変化、言い換えるとアルカリ側に変化した記録液がヘッド61Y、61M、61C、61BKから吐出されるのを防止するのが好ましい。このようにpHが変化した記録液がヘッド61Y、61M、61C、61BKから吐出され中間転写体37に担持されると、増粘の度合いが不足する可能性があるためである。すなわち、pHがアルカリ側に変化した記録液が吐出されると、反応式(2)で表される電気分解によってプロトンが生成されても、このプロトンの量が、滲みを抑制ないし防止するのに十分な増粘作用を起こすのに不足する場合があるためである。
この点、画像形成装置100においては、図2、図5に示すように、イオン交換膜87Y、87M、87C、87BKが電極65Y、65M、65C、65BKの周りの記録液を、ヘッド61Y、61M、61C、61BKから吐出される記録液から隔離している。図5に示すように、イオン交換膜87Y、87M、87C、87BKは、反応式(1)によって電極65Y、65M、65C、65BKの周りで発生したOHを透過することがないため、かかるOHは溶液収容部86Y、86M、86C、86BK内に留まる。よって、記録液収容部85Y、85M、85C、85BK内の記録液は、電極65Y、65M、65C、65BKの周りで発生したOHによるpH変化を生じることなくヘッド61Y、61M、61C、61BKに供給され、吐出される。
一方、イオン交換膜87Y、87M、87C、87BKは、反応式(1)、反応式(2)による水の電気分解を妨げることはない。すなわち、イオン交換膜87Y、87M、87C、87BKは、反応式(1)によって電極65Y、65M、65C、65BKの周りでOHが発生するときに、記録液収容部85Y、85M、85C、85BK内の記録液に含まれる陽イオンを透過する。この陽イオンの透過により、電極65Y、65M、65C、65BKと中間転写体37との間に電流が流れることが可能となっている。よって、反応式(1)、反応式(2)による水の電気分解は妨げられず、電極65Y、65M、65C、65BKの周りでOHが発生しても、溶液収容部86Y、86M、86C、86BK内の記録液は電気的に中和される。
このように、イオン交換膜87Y、87M、87C、87BKは、水の電気分解を担保しながらも、記録液が増粘の妨げとなるpH変化を生じた状態でヘッド61Y、61M、61C、61BKから吐出されることを防止することで、記録液の増粘を担保する。このような利点が得られるのは、イオン交換膜87Y、87M、87C、87BKが、水の電気分解によって電極65Y、65M、65C、65BK側で生じるイオンと逆極性のイオンを透過することで、次の電気的な接続を行う機能を有するためである。つまり、イオン交換膜87Y、87M、87C、87BKは、その逆極性イオンを透過することで、溶液収容部86Y、86M、86C、86BK内の記録液を記録液収容部85Y、85M、85C、85BK内の記録液と電気的に接続する機能を有するためである。
また、イオン交換膜87Y、87M、87C、87BKは、反応式(1)による電気分解によって電極界面で気泡が発生したとしても、これがノズル61bに至ることを防止し、記録液の吐出性能が低下することを防止ないし抑制している。
本形態において、かかる逆極性イオンは陽イオンであるため、イオン交換膜87Y、87M、87C、87BKは、陽イオン透過膜によって形成されている。
かりに、電極65Y、65M、65C、65BKがアノード、中間転写体37がカソードとして機能し、中間転写体37側で発生するOHに反応する記録液を用いる場合には、電極65Y、65M、65C、65BK側で発生するイオンは陽イオンである。よって、かかる逆極性イオンは陰イオンとなるため、この場合には、イオン交換膜87Y、87M、87C、87BKは、陰イオン透過膜によって形成することとなる。
本形態において、記録液に含まれている電解質は塩化ナトリウムであるため、記録液は、陽イオンとして、図5に示されているように、一価のナトリウムイオンを含んでいる。よって、水の電気分解の際には、このNaがイオン交換膜87Y、87M、87C、87BKを透過することとなる。このように、かかる逆極性イオンは、単原子イオンであって、電気分解の際にイオン交換膜87Y、87M、87C、87BKを透過し易いため、イオン交換膜87Y、87M、87C、87BKの劣化が抑制ないし防止される。よって、イオン交換膜87Y、87M、87C、87BKの耐久性が向上し、安定して高画質の画像を形成することが可能となる。
このように、イオン交換膜87Y、87M、87C、87BKを用いた場合に水の電気分解が妨げられることのないよう記録液に含ませイオン交換膜87Y、87M、87C、87BKを透過させるための電解質は、電離した際に単原子イオンとなることが望ましい。そのため、かかる電解質としては、電離した際に単原子イオンとなる電解質のみを記録液に含ませることが望ましい。
本形態では、記録液収容部85Y、85M、85C、85BKに収容される記録液に含まれている色剤またはこの色剤を分散させている分散剤が、電極65Y、65M、65C、65BK側で生じるイオンであるOHと逆極性のアニオン性である。よって、かかる色剤、分散剤は、イオン交換膜87Y、87M、87C、87BKと電気的に反発し、イオン交換膜87Y、87M、87C、87BKの目詰まりや付着を発生させにくい。そのため、イオン交換膜87Y、87M、87C、87BKの劣化が抑制ないし防止され、耐久性が向上し、安定して高画質の画像を形成することが可能となる。
なお、記録液に含まれる色剤が、分散剤を必要としない自己分散タイプである場合、溶媒に溶解している場合には、色を呈する構造を持つ分子やその集合体がアニオン性を有していることが望ましい。
他方、上述のように、電極65Y、65M、65C、65BKがアノード、中間転写体37がカソードとして機能し、中間転写体37側で発生するOHに反応する記録液を用いる場合には、かかる色剤、分散剤はカチオン性とすることが望ましい。
すでに述べたように、イオン交換膜87Y、87M、87C、87BKは、反応式(1)によって電極65Y、65M、65C、65BKの周りで発生したOHを透過することがないため、かかるOHは溶液収容部86Y、86M、86C、86BK内に留まる。また、すでに述べたように、水の電気分解の際には、Naがイオン交換膜87Y、87M、87C、87BKを透過して溶液収容部86Y、86M、86C、86BK内に進入する。そのため、OHが溶液収容部86Y、86M、86C、86BK内に留まっても、溶液収容部86Y、86M、86C、86BK内の記録液は、電気的にはNaによって中和されるが、pHとしては、アルカリ性を呈することとなる。よって、供給手段34dは、このようにアルカリ性を呈する記録液を貯留部34aに蓄えられているクリーニング液Lに供給する。
このように、貯留部34aに記録液が溶液収容部86Y、86M、86C、86BKから供給され、クリーニング液Lとして用いられるため、貯留部34aにおけるクリーニング液Lの収納量は小さくて済む。
ただし、貯留部34aにおけるクリーニング液Lの収納量が十分に大きい場合には、供給手段34dは省略してもよい。
その他、供給手段34dを、ローラ34dに記録液を供給するように構成するなどして、記録液の一部でなく、記録液そのものをクリーニング液Lとして用いるようにしてもよい。
本形態では、溶液収容部86Y、86M、86C、86BKに収容される導電性溶液として、記録液収容部85Y、85M、85C、85BKに収容されている記録液と同じ組成の溶液である記録液を用いているが、この導電性溶液は、このような組成に限られない。すなわち、導電性溶液は、電極65Y、65M、65C、65BKをカソードとして機能させればよいため、少なくとも水を含んでいれば良く、かかる機能を良好に発揮させるために、さらに電解質を含んでいることが望ましい。よって、溶液収容部86Y、86M、86C、86BKに収容される導電性溶液は、水と電解質とを主成分とすることが望ましい。
導電性溶液の成分としては、とくに、色剤等を非含有で、とくに無色透明であることが、導電性溶液をクリーニング液Lとして用いる場合に好ましい。導電性溶液がクリーニングブレード34cをすり抜け、再度転写部31に至って転写紙Sに転写されることがあれば、画像品質を低下させる原因となりうるためである。同様の理由で、分散剤等も非含有であることが好ましい。色剤、分散剤等を非含有であれば、イオン交換膜87Y、87M、87C、87BKに陽イオンの透過の妨げとなる成分が付着することを抑制ないし防止することが可能となる。よって、イオン交換膜87Y、87M、87C、87BKの耐久性が向上し、安定して高画質の画像形成が可能となる。その他、色剤、分散剤等を非含有であれば、導電性溶液のコストの低減にも有効である。
また、たとえば、導電性溶液が界面活性剤、高分子ポリマー等を含んでいる場合には、これらがイオン交換膜87Y、87M、87C、87BKの目詰まりを生じる原因となり得る。このため、かかる目詰まりを抑制ないし防止する観点からも、記録液は水と電解質とを主成分とすることが好ましい。
以上のような観点から、記録液は、水と電解質とを主成分とすることからさらに進んで、水及び電解質のみを成分とすることが好ましい。ただし、本件においては、記録液が水及び電解質のみを成分とすることも、記録液が水と電解質とを主成分とすることに含まれるものとする。
このように、記録液が水と電解質とを主成分とする場合、図6に示すように、溶液収容部86Y、86M、86C、86BKを、複数の記録液収容部85Y、85M、85C、85BKに共通化した単一の溶液収容部86として構成することが可能である。この場合、同図に示されているように、イオン交換膜87Y、87M、87C、87BKも共通化してイオン交換膜87とすることが可能である。同様に、同図の例では、電極65Y、65M、65C、65BKも共通化して電極65とされている。このような共通化により、製造、構造の簡易化、装置の小型化、コストの低減という利点を得ることが可能となる。なお、この共通化は、かかる利点を得るためには、全ての記録液収容部について行われる方が好ましいが、複数の記録液収容部について行われるのであれば、一部の記録液収容部に行われても良く、一部の記録液収容部についての共有化でも、かかる利点が得られる。
なお、同図においては、溶液収容部86がタンク81Y、81M、81C、81BKと一体であるが別の構成として図示され、記録液収容部85Y、85M、85C、85BKがタンク81Y、81M、81C、81BKとして図示されている。しかし、このような場合であっても、溶液収容部86もタンク81Y、81M、81C、81BKの一部として把握することが可能である。
以上の構成例では、電極65Y、65M、65C、65BKをタンク81Y、81M、81C、81BK内に設けている。しかし、電極65Y、65M、65C、65BKは記録液供給手段62Y、62M、62C、62BKにおいて記録液に接触するどの部位に設けても良い。
たとえば、電極65Y、65M、65C、65BKを記録液の固定式のタンクとして機能するディストリビュータタンクに設けても良いし、ヘッド61Y、61M、61C、61BK内、パイプ83Y、83M、83C、83BK内に設けても良い。ただし、電極65Y、65M、65C、65BKと、ヘッド61Y、61M、61C、61BKから吐出される記録液とは、イオン交換膜87Y、87M、87C、87BKによって仕切られている必要がある。
電極65Y、65M、65C、65BKをディストリビュータタンクに設ける場合、イオン交換膜87Y、87M、87C、87BKは、ディストリビュータタンクの、次の位置に設けられる必要がある。この位置は、ディストリビュータタンク内の、タンク81Y、81M、81C、81BKから流入した記録液を収容する第1の空間と、電極65Y、65M、65C、65BKの周囲の第2の空間とを仕切る位置である。第1の空間は記録液収容部85Y、85M、85C、85BKであり、第2の空間は溶液収容部86Y、86M、86C、86BKである。
このように構成すれば、タンク81Y、81M、81C、81BKが記録液の消費などによって交換され廃棄される場合に、コスト抑制の面で有利となる。
ただし、タンク81Y、81M、81C、81BKをユーザから回収し、リユースあるいはリサイクルする場合には、本形態あるいは図6に示したように電極65Y、65M、65C、65BK、イオン交換膜87Y、87M、87C、87BKを設けるのが良い。
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
たとえば、導電性記録液中の顔料は、カチオン性分散剤により分散し、カソードとして機能する中間転写体の表面で生成した水酸化物イオンを介して、凝集させ、記録液を増粘させるようにしてもよい。
中間転写体は、全体が導電性である必要はなく、少なくとも記録液が着弾する位置における表面が導電性であればよい。
本発明を適用する画像形成装置は、上述のタイプの画像形成装置に限らず、他のタイプの画像形成装置であってもよい。
すなわち、本発明を適用する画像形成装置は、ヘッドに関してシャトル型であってもよいし、また、複写機、ファクシミリの単体、あるいはこれらの複合機、これらに関するモノクロ機等の複合機であってもよい。
また、本発明を適用する画像形成装置は、その他、電気回路形成に用いられる画像形成装置、バイオテクノロジー分野において所定の画像を形成するのに用いられる画像形成装置であっても良い。
ヘッドの数は画像形成装置の用途に応じて増減されるものであり、1つであっても、複数であってもよい。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
33 電位印加手段
34 クリーニング手段
34a 付与部材
34d 供給手段
37 中間転写体
61b ノズル
61Y、61M、61C、61BK ヘッド
64 転写手段
65Y、65M、65C、65BK、65 電極
85Y、85M、85C、85BK 記録液収容部
86Y、86M、86C、86BK、86 溶液収容部
87Y、87M、87C、87BK、87 イオン交換膜
100 画像形成装置
L クリーニング液
S 被記録材
特開2010−188665号公報 特許第5089629号公報 特開2010−264717号公報 特開2011−62890号公報

Claims (7)

  1. 水を含む導電性記録液を吐出するノズルを備えたヘッドと、
    このヘッドにより吐出された導電性記録液を付与される、少なくとも表面が導電性の中間転写体と、
    前記ノズルから吐出される導電性記録液を収容する記録液収容部と、
    この記録液収容部に収容された導電性記録液に接触するように設けられたイオン交換膜と、
    このイオン交換膜を介して前記記録液収容部に収容された導電性記録液と電気的に接続される導電性溶液を、同イオン交換膜によって前記記録液収容部に収容された導電性記録液と仕切られるように収容する溶液収容部と、
    前記ヘッドから吐出され同ヘッドと前記中間転写体との間を一時的にブリッジした状態の導電性記録液中の水を電気分解可能な電位の印加を行うための電位印加手段とを有し、
    前記電位印加手段は、前記溶液収容部に収容された導電性溶液に接触するように設けられ、前記中間転写体の表面との間に前記電位の印加を行う電極を有し、
    前記イオン交換膜は、前記電位の印加による水の電気分解によって前記電極側で生じるイオンと逆極性のイオンを透過することで前記溶液収容部に収容された導電性溶液を前記記録液収容部に収容された導電性記録液と電気的に接続する画像形成装置。
  2. 請求項1記載の画像形成装置において、
    前記溶液収容部に収容される導電性溶液は、前記記録液収容部に収容される導電性記録液と同じ組成であることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1記載の画像形成装置において、
    前記溶液収容部に収容される導電性溶液は、水と電解質とを主成分とすることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項3記載の画像形成装置において、
    前記記録液収容部を複数有し、
    前記溶液収容部は、複数の前記記録液収容部に共通化されていることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1ないし4の何れか1つに記載の画像形成装置において、
    導電性記録液によって前記中間転写体上に担持された画像を被記録材に転写する転写手段と、
    前記中間転写体のクリーニングを行うクリーニング手段とを有し、
    このクリーニング手段は、前記転写手段によって前記画像を被記録材に転写された前記中間転写体のクリーニングを行うためのクリーニング液を同中間転写体に付与する付与部材と、この付与部材によって同中間転写体に付与される前記クリーニング液に、前記溶液収容部に収容されている前記導電性溶液を供給する供給手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1ないし5の何れか1つに記載の画像形成装置において、
    前記記録液収容部に収容される導電性記録液に含まれる色剤またはこの色剤を分散させる分散剤は、前記電気分解によって前記電極側で生じるイオンと同極性であることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1ないし6の何れか1つに記載の画像形成装置において、
    前記溶液収容部に収容される導電性溶液に含まれる、前記逆極性のイオンは、単原子イオンであることを特徴とする画像形成装置。
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