JP5413186B2 - 高周波プラズマ点火装置 - Google Patents
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Description
一般に、希薄燃焼機関や、高過給気混合燃焼機関は難着火性であるため、より着火性に優れた点火装置が望まれている。
特に、燃料噴霧と空気との混合気の混合比が理論空燃比に近い可燃層を点火プラグの近傍のみに配置して、混合気のさらなる希薄化を図ろうとする、いわゆるスプレーガイド式エンジンにおいて、従来の点火プラグの比較的小さな火花放電では可燃層が必ずしもプラグの放電位置に配置できるとは限らず着火が困難となったり、比較的大きな接地電極が火炎核の近くに存在するので、消炎効果が大きく、燃焼速度が遅くなったりする虞がある。
また、マイクロ波アンテナが燃焼室内に長く突き出ているので、ピストンの可動範囲に制約を受け、高圧縮化ができなくなる虞もある。
一方、非特許文献1にあるようなマイクロ波共振管を用いた点火装置では、筒内圧力が1MPa以上となる場合には、マイクロ波共振管の先端側開放端にプラズマを発生可能となるマイクロ波電源の出力として600w程度のものが必要となり、マイクロ波電源の大型化を招く虞がある。
一方、従来、電子レンジ等に代表されるマイクロ波加熱装置にマイクロ波電源として広く用いられているマグネトロンは、高出力であるが、周波数変動が大きく、例えば2.45GHzに対して±0.05GHzの変動幅がある。
僅かな周波数の変動によってもプラズマの発生が困難となるマイクロ波共振管を用いた点火装置のマイクロ波電源としてマグネトロンは試験的には利用できても実用上は不向きであると考えられる。
例えば、半導体マイクロ波電源では、2.45GHzに対して±0.00002GHzの変動幅に制御可能であり、マイクロ波共振管を用いた内燃機関お点火には、このような半導体マイクロ波電源を用いるのが望ましいことが判明した。
しかし、被特許文献1にあるような従来のマイクロ波共振管の先端側開放端にプラズマを発生させるためには、600wというような高い出力が必要であり、このような場合には、半導体マイクロ波電源の高出力化、マイクロ波の増幅や、マイクロ波の供給を制御する開閉手段として用いられる半導体スイッチング素子の大容量化が必要となり、実現は容易ではない。
上記内側導体の先端部と上記外側導体の先端部とのいずれか一方の一部に、又は、両方の一部に、両導体間の距離を部分的に短くする導体突部を設けると共に、高電圧を印加する高電圧電源と、該高電圧電源からの高電圧の印加により、上記導体突部の近傍で、上記内側導体と上記外側導体とのいずれかとの間で、アーク放電を行う放電電極とを具備する(請求項1)。
このとき、高周波電気エネルギの局所的な集中と、高電圧の印加による放電エネルギとが上記導体突部の近傍に重畳的に加えられるため、より高エネルギのプラズマを発生させて、より希薄化の進んだ内燃機関の点火を可能としたり、より少ないエネルギの投入でプラズマを発生させて、高周波発振電源のさらなる小型化を可能としたりできる。
また、より高い圧力のときでも小さな高周波電気エネルギの投入によりプラズマを発生させることができる。
このため、上記内燃機関の点火に必要な上記高周波電源の要求出力が低減され、限られた容量の電源から供給されるエネルギを有効に活用し、難着火性の内燃機関においても良好な着火性を発揮できる高周波プラズマ点火装置が実現できる。
本発明の範囲を外れ、突部導体間距離が0.5mmより短いと、短絡傾向となり、共振しなくなり、プラズマ化による混合気への点火ができなくなり、1.2mmを超えると、プラズマを発生するための要求電力が車両搭載限界である300wを超え、車両等の電源容量の限られた内燃機関への搭載が困難となることが判明した。
また、上記高周波発振電源を複数の回路に分割することにより、搭載性の自由度が増し、ノイズの発生を小さくするよう一部の回路を上記共振管と一体化したり、複数の気筒からなる内燃機関の点火装置として用いる場合に、上記高周波発振回路を複数の気筒に対して兼用する構成としたりできる。
搭載性のみならず、電源のさらなる小型化を図ることも可能となり、上記高周波半導体の容量をさらに小さくし、点火装置としての信頼性を向上できる。
したがって、難着火性の内燃機関においても良好な着火性を発揮できる高周波プラズマ点火装置の搭載空間の限られた車両等のエンジンへの搭載が可能となる。
高周波プラズマ点火装置1は、内燃機関40に設けられ、内側導体100と、内側導体100と同軸に配設した有底筒状の外側導体110と、外側導体110の底部111に結合された内側導体100の基端部101に高周波電気エネルギRFを供給する高周波発振電源2とを具備し、内側導体100に高周波電気エネルギRFを供給したときに、外側導体110を共振管11として、内側導体100と外側導体110との間に高周波電界からなる定在波を発生させ、共振管11の先端側開放端112の周囲に存在する気体に高い電界エネルギを与えてプラズマ化し、内燃機関40の燃焼室400内に導入された空気と燃料との混合気の点火を行うに際して内側導体100の先端部102と外側導体110の先端部112とのいずれか一方の一部に、又は、両方の一部に、両導体間の距離dを部分的に短くする導体突部12を設けてある。
このため、内燃機関40の点火に必要な高周波電源2の要求出力が低減され、限られた容量の電源から供給されるエネルギを有効に活用し、難着火性の内燃機関においても良好な着火性を発揮できるのである。
高周波電源2は、車両に搭載したバッテリ等の図略の電源に接続され、ECU3からの点火信号IGtに従って、所定の周波数の高周波RF(例えば、2.45GHzのマイクロ波)を発振する高周波発振回路20と、高周波発振回路20から発振された高周波RFを増幅する高周波予備増幅回路(プリアンプ)21と、プリアンプ21によって増幅された高周波RFを高周波出力増幅回路(パワーアンプ)22によってさらに増幅して高周波プラグ10に供給する。
本発明において、高周波としてマイクロ波帯を使用する場合のパワーアンプ22に高周波パワー半導体素子220として使われる高周波帯用トランジスタとして、従来のGaAs半導体を用いた高周波帯用トランジスタでは、プラスとマイナスの電源が必要となり、トランジスタの駆動電源が煩雑となる。
近年、プラス電源のみで動作するSi系半導体(MOSFET)が作られている。
また、いわゆるワイドバンドギャップ半導体を用いたパワーデバイスでは、高出力、高速、高周波、低損失、オン抵抗の低減が期待されており、SiC系半導体や、GaN系半導体(MESFET、HFET、MODFET、HEMT)や、ダイヤモンド系半導体(MISFET)も作られはじめた。
そこで、本発明の高周波帯用トランジスタとして、SiC半導体、GaN半導体、ダイヤモンド半導体のいずれかを使えば、電力損失がSi半導体を用いたトランジスタに比べ遥かに低くできることから、発熱が少なくなり、信頼性の向上と、さらなる小型化が可能となり、車両等の搭載空間の限られたエンジン上への搭載も可能となる。
高周波プラグ10は、内側導体100と、共振管11として内側導体100の外側に同軸に設けた有底筒状の外側導体101と、内側導体100の先端部102と外側導体先端部112との距離dを部分的に短くする導体突部12によって構成されている。
本実施形態においては、導体突部12は、外側電極110の先端部112の端面に設けられ、内側電極先端部101に向かって突出するように、幅H、厚さtで、略角柱状に形成されている。
導体突部12の幅H、厚さtはそれぞれ0.5mm以上1.5mm以下の範囲で設けられ、内側導体先端部101と導体突部12との最短距離dは、0.5mm以上1.2mm以下の範囲に形成されている。
内側導体100の先端部102は外側導体110の開口端112から1mm(Δl)程度先端側に露出している。
なお、本実施形態においては、高周波RFとして2.45GHzのマイクロ波を発振する高周波発振電源2が用いられているが、利用可能な高周波は、10mmから1000mmの波長と300MHzから30GHzの周波数とを有するマイクロ波であり、2〜4GHzのISMバンド帯域とするのが望ましい。
同軸ケーブル23は、公知のものが使用され、略柱状の内部導体と、その周囲を覆う絶縁体と、さらにその周囲を覆う外部導体と、さらにその周囲を覆う保護被覆とによって構成されている。一般に、内部導体には、銅線が使用され、絶縁体にはポリエチレン等の可撓性材料が用いられ、外部導体は、編組線と呼ばれる細い銅線を編んだものが用いられている。また外部導体は、金属箔を用いたものでも良い。外部導体はグランドに接続され0電位となっている。
高周波電源2から、内側導体100に高周波RFが入力されると、外側導体110を共振管11として、高周波RFの定在波が形成され、導体突部12の形成位置が該定在波の腹となるので電界強度の振幅が最大となり、さらに低いエネルギで導体突部12の周辺の気体をプラズマ化できる。
本発明の実施例1として示す導体突部12と内側導体100との最短距離dを0.5mmに設定した高周波プラグ10の場合、図2(a)に示すように、導体突部12の先端と内側導体先端部102の端縁との間の最大電界強度は、0.9kV/mmとなった。
本発明の実施例2として示す導体突部12aと内側導体100aとの最短距離dを1.0mmに設定した高周波プラグ10aの場合、図2(b)に示すように、導体突部12aの先端と内側導体先端部102aの端縁との間の最大電界強度は、0.58kV/mmとなった。
一方、比較例1として示す導体突部を設けていない従来の高周波プラグ10zの場合、図2(c)に示すように、外側導体先端部112zと内側導体先端部102zとの間の最大電界強度は、0.27kV/mmであった。
また、図3に比較例2として示す導体筒部12xを電界強度の低い外側導体110xの底部111xに近い位置に設けた高周波プラグ10xの場合、内側導体100xと外側導体110xとの間に形成される電界に影響はなく、最大電界強度は比較例1と同様0.27kV/mmであった。
このことから、本発明の高周波点火プラグ10を用いれば、従来に比べて最大電界強度を約3.3倍に高めることができることが判明した。
図4は、比較例1として示した導体突部12を有していない従来の高周波プラグ10zを用いた場合、内側導体100zと外側導体110zとの距離は2mmに設定されており、このときの電界強度の最大値(0.27kV/mm)を1として、突部導体間距離dを変化させた場合の相対的な電界強度の最大値の変化を示し、実線は、導体突部12の幅wを1.0mmに設定した場合、一点鎖線は、導体突部12の幅wを2.0mmに設定した場合を示す。
導体突部12を設けた導体間の最短距離dを徐々に短くしていくと電界強度が徐々に上昇し、導体突部の幅wを1.0mmとしたときには、突部導体間距離dが0.5mmで相対電界強度が比較例1の約3.3倍で最大となり、より短くなるように0.5mmより短くなるように近づけると、内側導体100と外側導体110とが短絡傾向となり、共振しなくなることから、電界が消滅し、導体突部の幅wを2.0mmとしたときには、より短くなるように0.7mmで相対電界強度が比較例1の約2.2倍で最大となり、突部導体間距離dが0.7mmより短くなるように近づけると、内側導体100と外側導体110とが短絡傾向となり、共振しなくなることから、電界が消滅した。
なお、導体突部12の幅、あるいは、径を大きくすると電界集中が緩和することから、中心導体11の外径と同等か、それより小さい寸法にすることが好ましい。
燃焼室400を模した圧力容器内の圧力PCYLを大気圧(0.1MPa)から、内燃機関の点火時における圧力である1MPaまで上昇させ、高周波電気エネルギを入力したときに共振管11の先端付近にプラズマ火炎核PKFが発生するときの要求電力の変化を示す。
実線で示す実施例1は、突部導体間距離dを0.5mmに設定した場合であり、二点鎖線で示す実施例2は、突部導体間距離dを1.0mmに設定した場合であり、一点鎖線で示す比較例は、導体突部12を設けていない従来の高周波プラグ10zを用いた場合である。
本図に示すように、実施例1では、点火時期の筒内圧力PCYLを1MPaに設定した場合でも、180wの出力でプラズマ火炎核PFKを発生させることが可能となり、実施例2では、車載搭載限界以下の250wから300wの出力でプラズマ火炎核PFKaを発生させることが可能となった。
一方、比較例では、筒内圧PCYLを0.5MPa以上にすると、車載限界の300wを超え、点火時の1MPaでは、600w程度の高周波エネルギを入力しなければプラズマ火炎核PFLzを形成することができず、高周波発振電源として、高出力のマグネトロンを使用する必要があり、高周波半導体を用いた高周波電源では、出力不足でプラズマ火炎核を発生させることが困難であった。
本比較試験におけるプラズマ火炎核PFKの形成の様子を図6に模式図で示す。図6(a)は、実施例1におけるプラズマ火炎核PFKの発生状態を示し、図6(b)は、実施例2におけるプラズマ火炎核PFKaの発生状態を示し、図6(c)は、比較例におけるプラズマ火炎核PFKzの発生状態を示す。
本図に示すように、突部導体間距離dを0.5mm以上1.2mm以下の範囲に設定すれば、筒内圧力PCYLが1MPaに上昇したときでも、車載が可能な、180wから300wの要求電力の範囲でプラズマ火炎核PFKを発生させることができることが判明した。
突部導体間距離dを0.5mmより小さくしていくと、エネルギ効率が急激に低下する共振しない状態が発生しはじめる。
突部導体間距離dを1.2mmより大きくしていくと、要求電力P(w)が車両搭載限界である300wを超える。
そこで、突部導体間距離dは、0.5mm以上1.2mm以下が、小さな電力でもプラズマを発生できる限界の距離となる。
図8(a)に示すように、導体突部12aを外側導体先端部112に設け、内側導体先端部102の対向する位置に導体突部13aを設けても良い。
本実施例においては、導体突部12aは、外側導体先端部112の一部を先端側に向かって略角柱状に引き延ばすように形成してあり、導体突部13aは、内側導体先端部102の側面に略棒状に形成した突部材をレーザ溶接等により貼り付けてある。
導体突部12c、13c周辺の気体がプラズマ化されたときに導体突部12c、13cが徐々に摩耗するが、本実施形態のような構成とすれば、導体突部12c、13cが複数設けられているので、導体突部12c、13cの消耗によって突部導体間距離dが変化しても、複数の突部導体間距離dの内、最短となる位置において電界集中がおこり、一つの導体突部が消耗しても他の導体突部によって、常に電界集中領域が維持されるので、確実に上記燃焼室内の混合気に点火でき、より信頼性の高い高周波プラズマ点火装置が実現できる。
図9(a)に示す実施例では、棒針状に形成した導体突部12dを外側導体先端部112に貼り付け、その先端を内側導体先端部102の端縁に向かう方向に望ませてある。また、本実施例の導体突部12dを先端に向かって細くなる先細り状に形成しても良い。導体突部12d近傍における電界強度のさらなる強化が期待できる。
また、棒針状の先部の面積は小さいことから、内側導体11との間で形成される電磁界結合が小さくなり、共振状態を維持しやすくできるので、さらに、プラズマの発生熱を逃げにくくでき、エネルギ効率の向上につながる。
図9(b)に示す実施例では、導体突部12e、13eを外側導体先端部112と内側導体先端部102との両方に設けてある。
図9(c)に示す実施例では、導体部12fの内周側を軸方向基端側に向かって延設するように肉厚に形成してある。このような形状とすることによって、導体と粒12fの消耗を抑制し、耐久性を増し、信頼性を向上することもできる。
本実施形態においては上記実施形態と同様の構成を基本とし、これに加えて高電圧を印加する高電圧電源24と、高電圧電源24からの高電圧の印加により、導体突部12の近傍で、内側導体先端部102と外側導体先端部112とのいずれかとの間で、アーク放電を行う放電電極14とを具備する。
放電電極14は、絶縁体13によって保持された長軸状の導体の先端側を導体突部12の近傍に向かって屈曲するように放電電極先端部140が形成され、さらに、放電位置には耐久性の高い耐熱材料を用いた放電チップ141が設けられている。
本実施形態では、ECU3gからの点火信号IGtに従って、高周波電源20、21、22からは、内側導体基端部101に高周波の電気エネルギが入力され、高電圧電源24からは、放電電極14に高電圧が印加される。
高周波電気エネルギの局所的な集中と、高電圧の印加による放電エネルギとが導体突部12の近傍の気体に重畳的に加えられるため、より高エネルギのプラズマを発生させて、より希薄化の進んだ内燃機関40の点火を可能としたり、より少ないエネルギの投入でプラズマを発生させて、高周波発振電源20、21、22のさらなる小型化を可能としたりできる。
また、高周波の発振に伴う外部へのノイズの放出を防止すべく、高周波発振回路20とプリアンプ21とがケーシング2h1に収納され、パワーアンプ22は、電磁シールドとして機能するケーシング2h2内に収納されている。
ECU3は、燃料噴射信号INJと点火信号IGtを発信し、燃料噴射弁5からの燃料噴射と高周波プラグ10からの高周波プラズマの発生を制御している。
また、本実施形態において、成層燃焼を行うべく、燃料噴射弁5から噴射された燃料噴霧と燃焼室400内の空気との混合比が可燃性となる層が近づくように導体突部12の位置を設定するのが望ましい。
本実施形態においては、第1の実施形態と同様の構成を基本とし、一つの高周波発振回路20iから発振される高周波を複数の気筒からなる内燃機関の各気筒に装着された高周波プラグ10に分配するようにプリアンプ21iとパワーアンプ22iとを一体的にケーシング2i内に設けてある。
このような構成とすることにより、高周波発振電源のさらなる小型化を図ることも可能となり、高周波半導体220の容量をさらに小さくし、点火装置としての信頼性を向上できる。
図13に示すように、高周波プラグ10を用いた場合、入力される高周波の発信周波数にバラツキが生じると、共振管内での共振状態が保てず、共振管内に定在波が形成されなくなるので、エネルギ効率の急激な低下を招く。
従来の高周波プラズマを利用した点火装置や、電子レンジ等に広く用いられているマグネトロンを用いた高周波発振電源では、2.45GHzの場合、周波数の変動が、±0.05GHz程度あり、本発明の高周波プラズマ点火装置の高周波発振電源として用いた場合著しいエネルギ効率の低下を招く虞がある。
一方、高周波半導体を用いた高周波電源の場合、発振出力は小さいものの、2.54GHzに対して、±0.00002GHzと周波数変動が極めて小さい。したがって、本発明の高周波プラズマ点火装置に用いた場合、導体突部によって、電界集中を起こし、プラズマ発生の要求出力が低減されているので、出力の小さい点に対して増幅回路を用いて補うことが可能となり、高周波半導体を用いた周波数変動の少ない高周波発振電源を用いて、点火を行うことが可能となるのである。
本発明の導体突部12を設けた構造の高周波共振プラズマ点火プラグ10を用いる場合には、半導体を用いた周波数変動の少ない高周波発振電源2と組み合わせることが必要となる。
10 高周波共振プラズマ点火プラグ
100 内側導体
101 内側導体基端部
102 内側導体先端部
11 共振管
110 外側導体
111 外側導体底部
112 外側導体先端部
12 導体突部
2 高周波発振電源
20 高周波発振回路
21 高周波予備増幅回路(プリアンプ)
22 高周波出力増幅回路(パワーアンプ)
220 高周波半導体
3 電子制御装置(ECU)
L 高周波入力部導体突部間距離(1/4λ)
d 導体間距離
RF 高周波
D 外側導体内径
40 内燃機関
400 燃焼室
Claims (10)
- 内燃機関に設けられ、内側導体と、該内側導体と同軸に配設した有底筒状の外側導体と、該外側導体の底部に結合された上記内側導体の基端部に高周波電気エネルギを供給する高周波発振電源とを具備し、上記内側導体に上記高周波電気エネルギを供給したときに、上記外側導体を共振管として、上記内側導体と上記外側導体との間に高周波電界からなる定在波を発生させ、上記共振管の先端側開放端の周囲に存在する気体に高い電界エネルギを与えてプラズマ化し、上記内燃機関の燃焼室内に導入された空気と燃料との混合気の点火を行う点火装置において、
上記内側導体の先端部と上記外側導体の先端部とのいずれか一方の一部に、又は、両方の一部に、両導体間の距離を部分的に短くする導体突部を設けると共に、
高電圧を印加する高電圧電源と、該高電圧電源からの高電圧の印加により、上記導体突部の近傍で、上記内側導体と上記外側導体とのいずれかとの間で、アーク放電を行う放電電極とを具備することを特徴とする高周波プラズマ点火装置。 - 上記高周波の導入される上記内側導体基端部と上記導体突部を形成した位置までの軸方向の距離を、上記高周波の波長の4分の1又はその奇数倍に設定した請求項1に記載の高周波プラズマ点火装置。
- 上記導体突部を設けた位置における上記外側導体と上記内側導体との最短距離を0.5mm以上、1.2mm以下に設定した請求項1又は2に記載の高周波プラズマ点火装置。
- 上記導体突部の幅及び高さ若しくは直径は、0.5mm以上、1.5mm以下に設定した請求項1ないし3のいずれか1項に記載の高周波プラズマ点火装置。
- 上記導体突部を先端に向かって細くなる先細り状に形成した請求項1ないし4のいずれか1項に記載の高周波プラズマ点火装置。
- 上記導体突部を上記内側導体と上記外側導体とのいずれか又は両方に複数設けた請求項1ないし5のいずれか1項に記載の高周波プラズマ点火装置。
- 上記高周波発振電源は、高周波を発振する高周波発振回路と、該高周波発振回路から発振した高周波を増幅する高周波予備増幅回路と、少なくとも高周波半導体を含み、上記高周波予備増幅回路によって増幅された高周波をさらに増幅して上記内側導体に供給する高周波出力増幅回路とによって構成した請求項1ないし6のいずれか1項に記載の高周波プラズマ点火装置。
- 上記高周波は、10mmから1000mmの波長と300MHzから30GHzの周波数とを有するマイクロ波であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の高周波プラズマ点火装置。
- 上記マイクロ波は、2〜4GHzのISMバンド帯域とすることを特徴とする請求項8に記載の高周波プラズマ点火装置。
- 上記高周波発振電源は、上記高周波半導体として、Si系半導体、SiC系半導体、GaN系半導体、ダイヤモンド系半導体のいずれかからなるワイドバンドギャップ半導体を含む請求項7ないし9のいずれか1項に記載の高周波プラズマ点火装置。
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