JP5411917B2 - 螺旋体製造装置及び螺旋体製造方法 - Google Patents
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Description
前記特許文献2の技術は、芯金に対してリード角を与えながらばね材料を巻き付けることはできるが、ガイドローラのみでは芯金の支持が困難になり、帯板の螺旋成形には適用できない構成となっている。
本発明は、芯金を回転自在に支持しながら帯板をリード角に沿う方向に案内供給できかつ螺旋体の取り外しも容易にできるようにした螺旋体製造装置を提供することを目的とする。
螺旋体製造装置は第1に、帯板Tの一短面を当接しながら螺旋状に巻き付ける水平姿勢の芯金Sと、この芯金Sの基部側を支持して回転駆動する芯金駆動機構2と、芯金Sの先端を支持するセンタピン機構3と、芯金Sに対して帯板Tを案内供給する供給ヘッド機構4とを備えた螺旋体製造装置であって、
前記供給ヘッド機構4は、帯板Tにリード角βを与えながら芯金Sの下側近傍まで案内する案内ヘッド5と、芯金Sの軸心方向中途部の外周面と当接して芯金Sを支持する芯金支持手段6と、案内ヘッド5及び芯金支持手段6を芯金Sに対して同時に遠近移動させる遠近移動手段9とを有しており、
前記案内ヘッド5には、案内する帯板Tの両側で芯金Sの外周面と下側から摺接して芯金Sを支持する一対の支持面5Bを設けていることを特徴とする。
第3に、前記供給ヘッド機構4は、案内ヘッド5を縦軸11廻りに回動して帯板Tのリード角βを調整する帯板リード角調整手段12と、案内ヘッド5へ至る帯板Tを両短面及び両広面を挟持しながら送るガイド手段13とを有していることを特徴とする。
第5に、芯金Sに巻き付けられる帯板Tの後部側を受持する受持部材16を有し、この受持部材16を芯金Sへの帯板T巻き付けに追従して芯金Sと平行に移動可能にした帯板受持機構17を備えていることを特徴とする。
即ち、請求項1に係る発明は、供給ヘッド機構4の案内ヘッド5で、芯金Sに対して帯板Tをリード角βに沿う方向に案内して、帯板Tにリード角βを与えながらかつ芯金Sの外周面と当接して支持しながら、螺旋状に曲げながら巻き付けて成形することができ、よって、帯板Tの広面に凹凸や無理な応力を生じさせることがなく、理想の螺旋形状に形成することができ、遠近移動手段9で案内ヘッド5及び芯金支持手段6を芯金Sに対して遠移動させることにより、芯金Sからの螺旋体Rの取り外しも容易にできる。
請求項3に係る発明は、帯板リード角調整手段12によって案内ヘッド5を縦軸11廻りに回動して帯板Tのリード角βを調整でき、ガイド手段13で帯板Tを両短面及び両広面を挟持しながら送ることができる。
請求項5に係る発明は、帯板受持機構17によって、芯金Sへの帯板T巻き付けに追従して芯金Sと平行に移動しながら、芯金Sに巻き付けられる帯板Tの後部側を受持することができる。
図1〜10において、帯板Tから螺旋体R(スクリュー、スパイラル体とも称される。)を製造する螺旋体製造装置1は、装置枠1Aに、芯金Sと、芯金駆動機構2と、センタピン機構3と、供給ヘッド機構4と、ヘッド送り機構7と、センタ進退機構8とを備え、装置枠1Aとは別置きの帯板受持機構17を備えている。
支持フレーム30は装置枠1Aの端部の台枠28上にセンタピン29と直交する方向に移動自在に載置され、台枠28に設けられたセンタ進退機構8によって、センタピン機構3のセンタピン29を、芯金Sの先端を芯金Sの軸心と同心で支持するセンタリング位置から芯金Sと直交する方向へ後退移動可能になっている。
センタピン機構3はセンタピン29をピン移動手段31で芯金Sの先端から外し、センタ進退機構8で芯金Sの延長位置から後退させることにより、芯金Sの先端を自由端となし、成形した螺旋体Rを芯金Sから取り外すことを可能にしている。
装置枠1A上面には芯金Sと平行に2本のレール34が設けられ、このレール34に供給ヘッド機構4の基台35の下面に設けた前後左右計4個の摺動体36が載置され、かつ摺動自在に係合されている。
て駆動される送りネジ37と、基台35の下面に設けられていて送りネジ37に螺合する送りナットを有するナットホルダ38とを有する。
送りネジ37は転造ボールネジで形成され、ナットホルダ38は送りナットが送りネジ37に対して螺合解除可能になっており、送りネジ37を回転することによって、芯金Sに帯板Tを巻き付けるそのリード量に対応して、供給ヘッド機構4を自動的に平行移動させる。
手動送り手段33は、装置枠1Aの前縁に芯金Sと平行に固定されたラック41と、このラック41と噛合するピニオン42と、このピニオン42とハンドル43とを設けたハンドル軸44と、このハンドル軸44を支持すべく基台35の下面に設けられた軸受部材45とを有しており、ハンドル43を介してハンドル軸44を回転することにより、装置枠1Aに対して供給ヘッド機構4を芯金Sと平行に移動できる。
図1〜4、6〜8において、前記供給ヘッド機構4は基台35上に大別して、案内ヘッド5と、芯金支持手段6と、案内ヘッド5を先端に取り付けたヘッド台51と、このヘッド台51上に設けた帯板Tの広面案内ローラ手段52及び短面案内ローラ手段53と、ヘッド台51の左右方向水平に対する角度を調整する水平調整手段54と、ヘッド台51の高さを調整する高さ調整手段55と、ヘッド台51を芯金Sに対して遠近(前後)方向に移動する遠近移動手段9と、ヘッド台51の縦軸廻りの角度(リード角)を調整する帯板リード角調整手段12とを備えている。
前記支持部材57は左右方向中央に上方開放状の上方二股形状であり、案内部材58は左右一対あって、支持部材57の二股内に配置されていて、左右対向面で帯板Tの左右広面を摺接自在に案内する帯板案内路58aを形成しており、帯板案内路58aの上下面は支持部材57と受持部材59とで形成されている。この帯板案内路58aによって、帯板Tにリード角βを与えながら摺接案内する案内部5Aを形成している。
なお、帯板Tは通常均一肉厚のものが用いられるので、帯板案内路58aの路幅は上下均一である。しかし、帯板Tは芯金Sに巻き付けられると外周側が薄く変形されるので、素材の帯板Tを芯金Sに巻き付ける側で薄肉にし、螺旋外周側となる側へ次第に厚くなるように圧延しておき、芯金Sに巻き付けられた状態で螺旋体Rの肉厚が全域略均一になるようにしてもよく、そのような素材を使用する場合は、帯板案内路58aの路幅は、上側が狭く、下側が広くなるように形成される。
ラ軸61Aに回転自在に支持され、左右他方(右側)の前後ローラ60はヘッド台51に固定された取付板62付きのローラ軸61Bに回転自在に支持されている。
各取付板62には2本の長孔62aが形成され、この長孔62aにボルトを挿入してヘッド台51に固定されており、前後右ローラ軸61Bは前後左ローラ軸61Aに対して遠近位置調整自在であり、帯板Tの肉厚に対応して遠近位置が調整され、帯板Tを挟持する力を変更できる。
前記短面案内ローラ手段53は帯板Tの下短面を受持する前後一対の溝付き下ローラ64と、前側の溝付き下ローラ64の上方に配置されて帯板Tの上短面を押さえる溝付き上ローラ65とを有する。
前記ヘッド台51の下面には円弧受け板70が固定され、この円弧受け板70は中間台71の上部に設けた円弧台板72に載置されて左右方向中央のボルトで固定されている。前記円弧台板72は芯金Sの軸心と直交する方向でかつ水平な前後軸心を曲率中心とする円弧面72aを有している。
なお、帯板Tは芯金Sの外周面に対して広面を直角姿勢から微少角度だけ傾斜させておいて、曲げ抵抗に対向する姿勢とし、芯金Sに巻き付けた状態で芯金Sの外周面に対して直角になるようにすることもできる。
前記左右ガイド脚体74は移動台75の上面に固定されており、その上面に凹み74aを有し、この凹み74a内に中間台71の脚部71bの下部が上下位置変更可能に挿入案内されており、前記ストリッパボルト73で設定される高さまで移動可能になっている。
前記傾斜動体77にはナット部材78が設けられ、移動台75上に回転自在に支持された押動ネジ79がナット部材78に螺合しており、押動ハンドル80を介して押動ネジ79を回転することにより傾斜動体77を前後移動し、傾斜面体76の傾斜面を介して中間台71を上下移動するようになっている。
移動台75は回動台82に載置され、両者の間にヘッド台51を芯金Sに対して前後移動させる遠近移動手段9が設けられている。
前記移動台75の側部上面には前後方向に長いラックギヤ85が固定され、このラック
ギヤ85に噛合するピニオン軸86が回動台82上に設けた軸受体87に支持されており、このピニオン軸86の端部にラチェットレバー88が設けられており、前記押しボルト84を弛めてラチェットレバー88を回動操作することにより、ラックギヤ85及びピニオン軸86を介して移動台75を手動で前後移動させることができる。
芯金支持板15は先端が二股形状になっており、その二股部の上下対向面間隔は芯金Sの外径に略等しく設定されており、この二股部の下側が下支持体6Aとなり、上側が上支持体6Bとなっており、上下支持体6A、6Bを芯金Sの外周面に直径方向位置で当接させることにより芯金Sを回転自在に支持する。
回動台82は前記基台35上に載置され、両者の間にヘッド台51の縦軸11廻りの角度(リード角)を調整する帯板リード角調整手段12が設けられている。
回動台82の周囲部には円板90の中心(縦軸11)を曲率中心とする円弧孔91が複数(4箇所)形成され、この円弧孔91に挿入された固定ボルト92が基台35に螺合しており、この固定ボルト92を弛めることにより回動台82は縦軸11を中心に回動可能になる。
回動台82による案内ヘッド5へのリード角付与に伴って、受持部材59の支持面5B及び芯金支持手段6の芯金支持板15も芯金Sに対して傾斜するが、支持面5B及び上下支持体6A、6Bは芯金Sの外周面に点接触又は線接触するので、リード角βがあっても芯金Sを確実に支持できるように構成されている。
複数の受持部材16の配列は、走行レール99に対して帯板Tの巻き付けリード角βに相当する角度だけ傾斜しており、帯板Tの巻き付けリード角βが変更される場合は、受持部材16を受持枠96上で左右方向位置を変更する。
上コロ支持体6Cは支持部材57上に縦軸廻り角度調整自在に固定された門型形状のブラケット48aの両脚部にコロ48bを回転自在に設けており、両コロ48bの軸心は芯金Sの軸心と平行でその真上に配置されており、芯金Sの外周面に上側から当接している。
前記芯金支持手段6は、主に下支持体6Aと上コロ支持体6Cの両コロ48bとで芯金Sの中途部を上下から3点支持し、上支持体6Bと側コロ支持体6Dのコロ49bと支持面5Bは支持補助となっている。
供給ヘッド機構4を所要のリード角βに沿わせた状態で巻き付け動作開始位置に配置しかつ芯金支持手段6を芯金Sの外周面に当接させておき、加工する帯板Tを帯板受持機構17の受持部材16上に載せ、帯板Tを長手方向に前進させて供給ヘッド機構4に通す(図3)。
この係止状態で、帯板Tは芯金Sに対してヘッド台51で設定されたリード角が付与された姿勢となっており、係止ブロック20に係止された先端から少し離れた位置で、帯板Tの上側短面(端面)が芯金Sの外周面に当接している(図8)。
帯板Tの巻き付け加工中、芯金支持手段6は芯金Sのブレを防止し、案内ヘッド5、広面案内ローラ手段52及び短面案内ローラ手段53は常に帯板Tにリード角βを与えながら案内する。帯板Tにリード角βが付与されているので、帯板Tは芯金Sに巻き付いている部分も芯金Sに供給される部分も直線状となり、芯金Sの軸心方向に曲げられることがなく、抵抗無くスムーズに供給される。
前記帯板Tの芯金Sへの巻き付けに伴って、供給ヘッド機構4は自動送り手段32によってリード量だけ芯金Sと平行に移動し、受持枠96は走行レール99上を追従移動する(図3)。
取り外した長尺螺旋体Rはそのままの形状でも利用できるが、鋼管杭に利用するには1リード長さのものでよい。長尺螺旋体Rは1体づつでは切断しずらいが、複数体を密着重合することにより鋸切断が容易になる。
なお、本発明は前記実施形態における各部材の形状及びそれぞれの前後・左右・上下の位置関係は、図1〜12に示すように構成することが最良である。しかし、前記実施形態に限定されるものではなく、部材、構成を種々変形したり、組み合わせを変更したりすることもできる。
前記係止ブロック20は側面に帯板Tの先端を挿入する溝を形成しておいて、帯板Tの先端を溝に挿入するだけで、芯金Sに対する周方向及び軸方向の位置決めができるように構成してもよい。
1A 装置枠
2 芯金駆動機構
3 センタピン機構
4 供給ヘッド機構
5 案内ヘッド
6 芯金支持手段
7 ヘッド送り機構
8 センタ進退機構
9 遠近移動手段
11 縦軸
12 帯板リード角調整手段
13 ガイド手段
17 帯板受持機構
20 係止ブロック
29 センタピン
51 ヘッド台
52 広面案内ローラ手段
53 短面案内ローラ手段
H 鋼管杭
R 長尺螺旋体
S 芯金
T 帯板
r 短尺螺旋体
Claims (6)
- 帯板(T)の一短面を当接しながら螺旋状に巻き付ける水平姿勢の芯金(S)と、この芯金(S)の基部側を支持して回転駆動する芯金駆動機構(2)と、芯金(S)の先端を支持するセンタピン機構(3)と、芯金(S)に対して帯板(T)を案内供給する供給ヘッド機構(4)とを備えた螺旋体製造装置であって、
前記供給ヘッド機構(4)は、帯板(T)にリード角(β)を与えながら芯金(S)の下側近傍まで案内する案内ヘッド(5)と、芯金(S)の軸心方向中途部の外周面と当接して芯金(S)を支持する芯金支持手段(6)と、案内ヘッド(5)及び芯金支持手段(6)を芯金(S)に対して同時に遠近移動させる遠近移動手段(9)とを有しており、
前記案内ヘッド(5)には、案内する帯板(T)の両側で芯金(S)の外周面と下側から摺接して芯金(S)を支持する一対の支持面(5B)を設けていることを特徴とする螺旋体製造装置。 - 前記芯金支持手段(6)は案内ヘッド(5)から芯金(S)先端側へ離れた位置で芯金(S)を支持しており、下方から支持する下支持体(6A)と、上方から支持する上支持体(6B)と、上方からコロを介して支持する上コロ支持体(6C)と、側方からコロを介して支持する側コロ支持体(6D)との内、少なくとも下支持体(6A)及び上支持体(6B)を有していることを特徴とする請求項1に記載の螺旋体製造装置。
- 前記供給ヘッド機構(4)は、案内ヘッド(5)を縦軸(11)廻りに回動して帯板(T)のリード角(β)を調整する帯板リード角調整手段(12)と、案内ヘッド(5)へ至る帯板(T)を両短面及び両広面を挟持しながら送るガイド手段(13)とを有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の螺旋体製造装置。
- 前記芯金駆動機構(2)を備えた装置枠(1A)に、供給ヘッド機構(4)を芯金(S)と平行に移動するヘッド送り機構(7)と、センタピン機構(3)をセンタリング位置から芯金(S)と直交する方向へ後退移動させるセンタ進退機構(8)とを備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の螺旋体製造装置。
- 芯金(S)に巻き付けられる帯板(T)の後部側を受持する受持部材(16)を有し、この受持部材(16)を芯金(S)への帯板(T)巻き付けに追従して芯金(S)と平行に移動可能にした帯板受持機構(17)を備えていることを特徴とする請求項1〜4のい
ずれか1項に記載の螺旋体製造装置。 - 帯板(T)の長手方向の一端を水平配置した芯金(S)に係止し、芯金(S)に対して上下方向の少なくとも下側から支持しながら、かつ下側から帯板(T)をリード角(β)を与えながら供給し、芯金(S)を回転しながら帯板(T)の一短面を螺旋状に巻き付けて長尺螺旋体(R)を形成し、この長尺螺旋体(R)を芯金(S)から外して複数体を密着重合し、この重合長尺螺旋体(R)を軸心方向に鋸切断して短尺螺旋体(r)を形成することを特徴とする螺旋体製造方法。
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