JP5411492B2 - 光発電装置 - Google Patents
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Description
光により充電反応を起こす成分を含む流体を収容する内部空間を有し、一側が透光材で画成された光曝露部と、
前記光曝露部の外部に配置され、前記成分の放電反応を起こさせ、電力を取り出す電力取り出し部と、
前記流体を光曝露部から出して電力取り出し部へ送る第1移送路と、
前記流体を電力取り出し部から出して光曝露部へ送る第2移送路と、
を備えたことを特徴とする。
前記充電反応が、前記粒子が帯電し、前記電解質溶液のカチオン及びアニオンの何れか一方と前記帯電した粒子とが静電的に結合する反応であることが好ましい。
前記粒子がマイナスに帯電すれば、該粒子と電解質カチオンとが静電的に結合する。前記粒子がプラスに帯電すれば、該粒子と電解質アニオンとが静電的に結合する。静電結合によって電荷を保持でき、充電状態にすることができる。
流体を第2移送路によって光曝露部から電力取り出し部へ移送する期間中、前記粒子と電解質とが静電結合状態を維持することが好ましい。
電力取り出し部では、前記静電結合状態を解除することにより、放電を起こさせることができ、電力を取り出すことができる。
前記電力取り出し部は、一対の電極を備えていることが好ましい。前記充電反応終了後の流体が、前記一対の電極の各々に非対称に供給され、電極と接触することにより、電力が取り出されることが好ましい。具体的には、上記一対の電極の一方に前記粒子を含む流体が供給され、前記粒子が隔膜などで濾過され、他方の電極には前記粒子を含まない流体が供給されることが好ましい。
前記半導体が、酸化チタン又は酸化亜鉛であることが好ましい。
有機色素として、例えばクマリンが挙げられる。金属錯体色素として、例えばルテニウム錯体色素が挙げられる。
これにより、帯電した粒子が第1電極と第2電極のうち第1電極にのみ接触するようにでき、第1室内で放電反応を確実に起こすことができる。帯電した粒子が第2電極に接触するのを防止でき、電力を確実に取り出すことができる。第2室内では、電解質の還元反応又は酸化反応を起こすことができる。
これにより、第1電極又は第2電極の表面積を大きくでき、放電反応を十分に起こさせることができ、ひいては電力の取り出し効率を向上できる。
これにより、電力取り出しのための電気化学反応を促進させることができる。前記電気化学反応は、前記放電反応、還元反応、酸化反応等を含む。触媒として、白金等が挙げられる。
図1は、本発明の第1実施形態を示したものである。光発電装置1は、光曝露部10と、電力取り出し部20を備えている。光曝露部10は、好ましくは、例えば建物の屋根又は屋上等の高所に配置される。光曝露部10は、内部空間11を有する容器状になっている。光曝露部10の一側部(表側部)は、透光材からなる光入射板12で構成されている。内部空間11の一側部が光入射板12で画成されている。太陽光等の光Lが、光入射板12を透過して内部空間11内に入射する。
流体Lqは、電解質溶液に粒子が多数分散されたものである。粒子が、上記充電反応、放電反応を起こす成分になる。粒子は、半導体で構成されている。粒子を構成する半導体として、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)が挙げられる。ここでは、粒子として酸化チタン粒子が用いられている。粒子の粒径は、好ましくは0.1〜100μm程度である。粒子は、球状をしていてもよい。表面積を大きくする観点からは、粒子が、多孔体や、1nm〜100nm程度の微粒子の集合体であることが好ましい。
なお、溶媒として、水に代えて、アセトニトリル等の有機溶媒を用いてもよい。電解質として、ヨウ化リチウムに代えて、ヨウ化カリウム、希硫酸等を用いてもよい。
太陽光等の光Lが、光曝露部10の光入射板12を透過して内部空間11に入射する。増感色素がこの光Lを吸収して励起し、ヨウ素イオンの電子が増感色素を経由して酸化チタン粒子に移り、ヨウ素が酸化され(3I−→I3 −+2e−)、酸化チタン粒子がマイナスに帯電する。
x(3I−+3Li+)+TiO2 → TiO2Li2x+xI3 −+xLi+ (1)
ここで、xは任意の正数である。右辺第1項(TiO2Li2x)は、マイナス帯電した酸化チタン粒子とリチウムイオンとの静電結合体を便宜的に表記したものである。酸化チタン粒子の負電荷とリチウムイオンの正電荷とは、これらの間に介在された増感色素によって電気的短絡が阻止される。
TiO2Li2x → TiO2+2xe−+2xLi+ (2)
すなわち、酸化チタン粒子の負電荷(電子)が第1電極24に放出される。なお、電子は、酸化チタン粒子からホッピングして増感色素を越えて第1電極24に移る。これによって、酸化チタン粒子とリチウムイオンとの静電結合が解除され、リチウムイオンが酸化チタン粒子から離れる。第1電極24は、メッシュ状であり表面積が大きい。したがって、第1電極24と酸化チタン粒子の接触を促進でき、放電反応を促進できる。放電反応により第1電極24に移動した電子(式(2)の右辺第2項(2xe−))は、端子2aを経て負荷2に供給される。
xI3 −+2xe−→3xI− (3)
図2に示すように、第2実施形態の光発電装置1には、電力取り出し部20が複数(図では3つ)設けられている。光曝露部10からの第1移送路31が複数の分岐路31aに分岐している。分岐路31aは、電力取り出し部20に一対一に対応している。各分岐路31aが、対応する電力取り出し部20の第1室21に連なっている。分岐路31aは、異なる電力取り出し部20の同一極24どうしを電気的に絶縁する程度の電気抵抗を有するよう細く、又は長いことが好ましい。
例えば、流体Lqに分散させる半導体粒子として、酸化チタンの粒子に代えて、酸化亜鉛の粒子を用いてもよい。粒子の少なくとも表層が酸化チタン又は酸化亜鉛等の半導体であればよく、粒子の中央部は絶縁体であってもよい。
流体Lq中の粒子(成分)が、光によりプラスに帯電するようになっていてもよく、上記プラス帯電した粒子と電解質アニオンとが静電的に結合することにより充電反応が行なわれるようになっていてもよい。
第1電極24に触媒を担持させてもよい。
光曝露部10は、太陽光等の光を十分に受けることのできる場所であれば、高所に限られず、地上などの低所に設置してもよい。
電力取り出し部20は、光暴露部10の外部に配置されていればよく、光暴露部10の近くに配置されていてもよく、光暴露部10の筐体と接していてもよく、メンテナンス等に支障がなければ建物の屋上等の高所に配置されていてもよい。
移送ポンプ33を、第2移送路32に代えて第1移送路31に設けてもよい。なお、上述したように、光曝露部10にて充電された不安定な粒子(エネルギーの高い状態の粒子)がポンプ33の外力により内部放電を起こすのを防ぐためには、移送ポンプ33を第2移送路32に設けるのが好ましい。また、通常高所にある光暴露部10への液の移送のためには、ポンプ33は低所に配置されているほうが好ましい。移送ポンプ33を第1移送路31に設けた場合、光曝露部10の内部空間11の圧力が低いと10m以上の吸い上げが容易でない。
第2実施形態の電力取り出し部20の数は、3つに限られず、2つでもよく、4つ以上でもよい。
第2実施形態でも、光発電装置1の出力を負荷2に直接供給することにしてもよい。
Lq 流体
1 光発電装置
2 負荷
3 コンバータ
4 商用電源
10 光曝露部
11 内部空間
12 光入射板(透光材)
20 電力取り出し部
21 第1室
22 第2室
23 隔膜
24 第1電極
25 第2電極
31 第1移送路
32 第2移送路
33 移送ポンプ(移送手段)
Claims (9)
- 光により充電反応を起こす成分を含む流体を収容する内部空間を有し、少なくとも一側が透光材で画成された光曝露部と、
前記光曝露部の外部に配置され、前記成分の放電反応を起こさせ、電力を取り出す電力取り出し部と、
前記流体を光曝露部から出して電力取り出し部へ送る第1移送路と、
前記流体を電力取り出し部から出して光曝露部へ送る第2移送路と、
を備えたことを特徴とする光発電装置。 - 前記流体が、電解質溶液に前記成分となる粒子が分散されたものであり、
前記充電反応が、前記粒子が帯電し、前記電解質溶液のカチオン及びアニオンの何れか一方と前記帯電した粒子とが静電的に結合する反応であることを特徴とする請求項1に記載の光発電装置。 - 前記粒子が、半導体を含み、かつ表面が増感色素で覆われていることを特徴とする請求項2に記載の光発電装置。
- 前記半導体が、酸化チタン又は酸化亜鉛であることを特徴とする請求項3に記載の光発電装置。
- 前記増感色素が、有機色素または金属錯体色素であることを特徴とする請求項3又は4に記載の光発電装置。
- 前記電解質溶液のカチオンが、リチウムであり、前記電解質溶液のアニオンが、ヨウ素であることを特徴とする請求項2〜5の何れか1項に記載の光発電装置。
- 前記電力取り出し部が、前記粒子の透過を阻止し前記電解質溶液の透過を許容する隔膜で隔てられた第1室及び第2室と、第1室に設けられた第1電極と、第2室に設けられた第2電極とを有し、前記第1移送路の下流端が前記第1室に連なり、前記第2移送路の上流端が前記第1室及び第2室に連なっていることを特徴とする請求項2〜6の何れか1項に記載の光発電装置。
- 前記第1電極又は第2電極が、メッシュ状であることを特徴とする請求項7に記載の光発電装置。
- 前記第1電極又は第2電極に触媒が担持されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の光発電装置。
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