JP5410979B2 - 乳酸菌によるビタミンk2の産生に有利な培養方法および食品の製造におけるその適用 - Google Patents

乳酸菌によるビタミンk2の産生に有利な培養方法および食品の製造におけるその適用 Download PDF

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Description

本発明は、人における栄養素摂取の質的および量的バランスならびに内容を改善するための栄養素、ビタミンおよび/または微量元素に富む食品の分野に関する。
本発明は、より特には、ビタミンKで食物を強化する手段に関する。
より正確には、本発明は、ビタミンK2を産生する乳酸菌の少なくとも1つの株を培養することによって得られるビタミンK2の量を増加させる方法であって、ここで、休止細胞培養によって産生されるビタミンK2の量が、標準的発酵条件下で該株を培養することによって得られるビタミンK2の量に対して少なくとも約1.2倍高くなるように、該株を「休止細胞」条件下で培養する方法に関する。
さらに、本発明は、上記の方法に従ってビタミンK2を産生する乳酸菌の培養物から得られるバイオマスに関する。
本発明はまた、ビタミンK2を産生する方法、ビタミンK2強化食品、特に、発酵製品および/またはフレッシュな乳製品を製造する方法、ならびにこのようにして得られる食品に関する。
ビタミンKは、2つの天然形態で存在する脂溶性ビタミンである:ビタミンK1(即ち、フィロキノン)およびビタミンK2(即ち、メナキノン)。
ビタミンK1は植物によって合成される。それは、主として緑色野菜(葉野菜)および大豆油において見られる。
ビタミンK1は、血液凝固プロセスにおいてより直接作用する。
ビタミンK2は、腸内細菌叢の細菌によって産生される。ビタミンK2はまた、発酵後の特定の食物中に少量存在する(チーズ、発酵大豆を含有する典型的なアジアの製品、例えば、日本の味噌および納豆など)。多くの細菌がビタミンK2を合成することができる。従って、腸内細菌叢の細菌ならびに、特に、大腸菌種(Escherichia coli)、枯草菌種(Bacillus subtilis)およびバクテロイデス種(Bacteroides spp.)に加えて、例えば、乳酸菌の特定の種または亜種、例えば、ラクトコッカス・ラクティス種・ラクティス(Lactococcus lactis spp. lactis)、ラクトコッカス・ラクティス種・クレモリス(Lactococcus lactis spp. cremoris)、ロイコノストック・ラクティス(Leuconostoc lactis)、ロイコノストック・メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)およびプロピオニバクテリウム種(Propionibacterium sp.)が含まれる。これらの細菌によって合成されるビタミンK2の量は、一般的に、発酵乳1リットル当たり約29μgから約90μgまで異なる(Morishitaら、1999年)。ビタミンK2産生の測定は、一般的に細胞ペレット凍結乾燥物から得られ、これらの測定結果は、試験される株によって産生レベルが大きく異なることを示し、ある株は他の株よりも3倍より多く産生することを強調することが、重要である(Morishitaら、1999年;Parkerら、2003年)。生物活性の点で、ビタミンK2は、特に軟組織の石灰化に対するその作用について公知である。
ビタミンKは、血液凝固のプロセスにおけるその必須の役割について最初は記載された。従って、ビタミンKの大きな欠乏は、凝固時間の異常な延長を伴って、出血、および斑状出血へ至る。ビタミンKの大きな欠乏は、成人においてかなり稀であり、不足は、種々のバランスのとれた食事および腸内細菌による該ビタミンの内因性産生によって原則として十分に補われ得ると長い間考えられてきた。この点で、危険性のある人は、典型的に以下である:
− 出生時に腸がビタミンKを産生する細菌を有さない新生児;
− 肝機能、胆管機能または腸機能に支障がある人(肝疾患、嚢胞性線維症、大腸炎、赤痢など);および、
− 抗生物質を長期間摂取している人。
より最近、ヒトの健康に対するビタミンKの効果は、血液凝固機構におけるその役割に限定されないことが発見された。実際に、1980年代以来、ビタミンKはまた、骨代謝におけるその役割について認識されている(Hartら、1984年;Hartら、1985年)。
このビタミンは、骨形成の調節の文脈においてオステオカルシンの活性を調整する酵素反応において補因子の役割を果たしている(Hauschka PVら、1989年;Ducy Pら、1996年)。その役割は、より正確には、骨形成のプロセスを調節する重要なタンパク質である、オステオカルシンのカルボキシル化を調整することである。ビタミンK欠乏の場合、この反応は起こらず、血中のカルボキシル化オステオカルシンに対する脱カルボキシル化オステオカルシンの比率が増加する(Vaananenら、1999年)。
西洋諸国における人口統計学的傾向は、変性病理、特に骨粗鬆症の有病率の増加と結果として関連する、集団の漸進的な高齢化を生じている。このため、骨粗鬆症は、現在、大きな公衆衛生問題として認識されている。
1990年代に行われた人口統計学的予測は、特に高齢者の中で、今後50年間にこの病変の発生率の相当な増加を予見し、警鐘を鳴らした。従って、それまではめったに検査もされず治療も遅れていたこの病変を予防するために行動を起こす必要性および緊急性が、早急に確立された。
骨粗鬆症の予防は、最適な骨成長を通じて、小児期に開始し、かつ、骨量を維持することによって一生にわたって継続しなければならないことが、現在、認識されている。栄養因子が健康な骨の発育および維持において重要な役割を果たすことが公知である。今まで、骨粗鬆症を予防するために予想または提案された栄養戦略は、主に2つの重要な因子、即ち、カルシウムおよびビタミンDに基づいている。しかし、今日、他の栄養因子が特に重要であり得ることが公知である。
骨形成におけるその主要な役割に起因して、ビタミンKは、一生にわたって人における骨の健康を保つ有望な手段のように文献にますます記載されている。
人におけるビタミンKの推奨栄養摂取量(1.5μg/j/kg体重)は、凝固におけるその役割のみを考慮することによって確立された。しかし、最近の研究は、骨代謝におけるビタミンKの働きも考慮すると、この推奨栄養摂取量は少なく見積もられていると示唆している(Rondenら、1998年)。
ビタミンKの必要性の理解が未だ不十分であるとしても、低摂取量は低骨量および成人における骨折の高い危険性と関連することは依然として真実である(Hartら、1985年;Knapenら、1989年;Szulcら、1993年;Boothら、2000年)。さらに、閉経期の女性における介入研究によって、ビタミンKはこの標的グループにおいて骨の減少を低下させたことが示された(Shirakiら、2000年;Braamら、2003年)。最後に、動物実験は、ビタミンKが最大骨量を高めることにおいて好都合な役割を果たし得ること、およびビタミンKがビタミンDと相乗的に関連する場合、この効果がなおより高くなることを示唆している。しかし、ビタミンKと骨成長とを明確に関連付ける今までの研究は、動物においてしか行われていない。
さらに、最近の研究によって、骨代謝に対する、特に骨量の構成および保持に対する、ビタミンKの効果を支持するさらなる議論が提供された(Boothら、2000年;Shirakiら、2000年;Braamら、2003年;HiranoおよびIshi、2002年)。
成人に対する効果とは対照的に、小児における骨代謝に対するビタミンKの有利な効果に関してほとんどデータは入手可能でない。最大骨蓄積を構成し、かつ、骨粗鬆症が発症する危険性から成人を保護するためには、成長期の間、骨量を最適化することが必須であることのみが公知である。
いずれにしても、食品のビタミンK含有量を改善することは、個人が良好な骨構成を構築しかつ維持することを可能にするための特に重要かつ有望な手段であることが、今まで入手可能なデータの全てから理解される。
この文脈において、顕著な量のビタミンKを含有する工業製品が食品市場に既に存在する。顕著な例としては、乳酸菌を含有する特定の乳製品、例えば、本出願人によってフランスで販売されている「Petits Gervais aux Fruits」が挙げられる。それにもかかわらず、一方で、これらの製品のビタミンK含有量は、一般的に、使用される発酵素の種類に依存し、他方で、乳製品において典型的に使用されるラクトコッカス・ラクティスの株は、集団の要求を適切に満たしたり、または潜在的なビタミンK欠乏の緩和の一助となるだけに十分な量のビタミンKを産生しないことは、注意されるべきである。
従って、小児および若者ならびに成人および高齢者の、要求を満たすに一助となり、かつ必要ならば欠乏を補うに十分な量でビタミンKを含有する食品、特に発酵製品および/またはフレッシュな乳製品についての必要性が当技術分野の水準において存在する。
本発明は、ビタミンK2を産生する乳酸菌の少なくとも1つの株を培養することによって得られるビタミンK2の量を増加させる方法であって、ここで、該株を休止細胞条件下で培養し、少なくとも以下の工程を含む方法である:
a)約108 CFU/ml〜約1011 CFU/mlの範囲の量の生存細菌細胞を好適な培養培地に接種する工程;および
b)休止細胞培養によって産生されるビタミンK2の量が、工程b)の終わりに、標準的発酵条件下で該株を培養することによって得られるビタミンK2の量よりも、少なくとも約1.2倍高くなるように、このように接種された該培地を、約4時間〜約48時間の範囲の時間の間、約4℃〜約50℃の範囲の温度で発酵させる工程。
[本発明101]
ビタミンK2を産生する乳酸菌の少なくとも1つの株を培養することによって得られるビタミンK2の量を増加させる方法であって、ここで、該株を休止細胞条件下で培養し、少なくとも以下の工程を含む方法:
a)約108 CFU/ml〜約1011 CFU/mlの範囲の量の生存細菌細胞を好適な培養培地に接種する工程;および
b)休止細胞培養によって産生されるビタミンK2の量が、工程b)の終わりに、標準的発酵条件下で該株を培養することによって得られるビタミンK2の量よりも、少なくとも約1.2倍高くなるように、このように接種された該培地を、約4時間〜約48時間の範囲の時間の間、約4℃〜約50℃の範囲の温度で発酵させる工程。
[本発明102]
工程a)における前記好適な培養培地が脂肪を含有することを特徴とする、本発明101記載の方法。
[本発明103]
少なくとも約0.5μg/mlの最終濃度で少なくとも1つのポルフィリンを含有する好適な前培養培地中において、呼吸条件において前記株を前培養することを含む、少なくとも1つの工程を工程a)の前にさらに含む、本発明101または102記載の方法。
[本発明104]
ビタミンK2を産生する乳酸菌の少なくとも1つの株を培養することによって得られるビタミンK2の量を増加させる方法であって、ここで、該株を休止細胞条件において培養し、少なくとも以下の工程を含む方法:
a)少なくとも約0.5μg/mlの最終濃度で少なくとも1つのポルフィリンを含有する好適な前培養培地中において、呼吸条件下で前記株を前培養する工程;
b)約108 CFU/ml〜約1011 CFU/mlの範囲の量の生存細菌細胞を、脂肪を含有する好適な培養培地に接種する工程;および
c)休止細胞培養によって産生されるビタミンK2の量が、工程c)の終わりに、標準的発酵条件下で該株を培養することによって得られるビタミンK2の量より少なくとも約1.2倍高くなるように、このように接種された該培地を、約4時間〜約48時間の範囲の時間の間、約4℃〜約50℃の範囲の温度で発酵させる工程。
[本発明105]
前記好適な培養培地が少なくとも約0.5%の脂肪を含有することを特徴とする、本発明102〜104のいずれか一項記載の方法。
[本発明106]
前記好適な培養培地が、プレーンミルクまたはその緩衝能が増加されているミルクであることを特徴とする、本発明101〜105のいずれか一項記載の方法。
[本発明107]
前記前培養物を約4℃〜約40℃の範囲の温度でインキュベートすることを特徴とする、本発明103〜106のいずれか一項記載の方法。
[本発明108]
前記前培養物の酸素化を撹拌または曝気によって行うことを特徴とする、本発明103〜107のいずれか一項記載の方法。
[本発明109]
前記前培養を少なくとも約8時間維持することを特徴とする、本発明103〜108のいずれか一項記載の方法。
[本発明110]
ビタミンK2を産生する乳酸菌の前記株が、ラクトコッカス属(Lactococcus)、ロイコノストック属(Leuconostoc)、エンテロコッカス属(Enterococcus)およびプロピオニバクテリウム属(Propionibacterium)より選択されることを特徴とする、本発明101〜109のいずれか一項記載の方法。
[本発明111]
乳酸菌の前記株が、ラクトコッカス・ラクティス種(Lactococcus lactis)、ロイコノストック・ラクティス種(Leuconostoc lactis)、ロイコノストック・シュードメセンテロイデス種(Leuconostoc pseudomesenteroides)、ロイコノストック・メセンテロイデス種(Leuconostoc mesenteroides)、ロイコノストック・デキストラニカム種(Leuconostoc dextranicum)、エンテロコッカス・フェシウム種(Enterococcus faecium)、およびプロピオニバクテリウム種(Propionibacterium sp)より選択されることを特徴とする、本発明110記載の方法。
[本発明112]
乳酸菌の前記株が、ビタミンK2を産生するラクトコッカス・ラクティス亜種・クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)の天然変異体:
- 2006年1月20日にフランスのCollection Nationale de Culture des Microorganismes(CNCM, Pasteur Institute, 25, rue du Docteur Roux, 75724 Paris cedex 15, France)へ提出したI-3557、
- 2006年1月20日にCNCM(Pasteur Institute, 25, rue du Docteur Roux, 75724 Paris cedex 15, France)へ提出したI-3558、および
- 2006年6月19日にCNCM(Pasteur Institute, 25, rue du Docteur Roux, 75724 Paris cedex 15, France)へ提出したI-3626
より選択されることを特徴とする、本発明111記載の方法。
[本発明113]
本発明101〜112のいずれか一項記載の方法に従って休止細胞条件下でビタミンK2を産生する乳酸菌の少なくとも1つの株を培養することによって得られ得る、強化バイオマス。
[本発明114]
ビタミンK2強化食品を製造するための本発明113記載のバイオマスの使用。
[本発明115]
少なくとも以下の工程を含む、ビタミンK2を産生するための方法:
a本発明101〜112のいずれか一項記載の方法を実施する工程;および
b)このようにして産生されたビタミンK2を回収する工程。
[本発明116]
少なくとも以下の工程を含む、ビタミンK2強化食品を製造するための方法:
a)本発明115記載の方法に従ってビタミンK2を産生する工程;
b)このようにして産生されたビタミンK2を食品または食品の中間調製物へ添加する工程;および、
c)ビタミンK2強化食品を得る工程。
[本発明117]
少なくとも以下の工程を含む、ビタミンK2強化食品を製造するための方法:
a)本発明101〜112のいずれか一項記載の方法に従って休止細胞条件下でビタミンK2を産生する乳酸菌の少なくとも1つの株を培養する工程;
b)工程a)における培養から得られたバイオマスを食品または食品の中間調製物へ添加する工程;および
c)ビタミンK2強化食品を得る工程。
[本発明118]
少なくとも以下の工程を含む、ビタミンK2で食品を強化するための方法:
a)本発明113記載のバイオマスを食品または食品の中間調製物へ添加する工程;および、
b)ビタミンK2強化食品を得る工程。
[本発明119]
本発明116〜118のいずれか一項記載の方法の実施によって得られ得るビタミンK2強化食品。
[本発明120]
本発明113記載のバイオマスを含有するビタミンK2強化食品。
[本発明121]
発酵製品および/またはフレッシュな乳製品であることを特徴とする、本発明119または120記載の食品。
[本発明122]
消費者の骨の強度を高めるための、本発明119〜121のいずれか一項記載の食品の非治療的使用。
以下の図は本発明を例示し、しかしそれらはその目的または範囲を決して限定しない。
乳酸菌によるビタミンK2産生に対する乳脂肪濃度の影響を示すヒストグラム。株1および2:ラクトコッカス・ラクティス亜種・クレモリスの天然株の例。 乳酸菌の天然株(株番号1)についての全乳中におけるビタミンK2産生動態および酸性化動態(左上部の挿入図)の例。 種々の温度での休止細胞培養によるビタミンK2産生を示すヒストグラム。コントロール:標準的増殖条件下での培養。 株に応じたビタミンK2産生に対する前培養条件の影響を示すヒストグラム。 従来のミルクまたは緩衝化ミルクを使用して行われた、休止細胞段階の間のビタミンK2産生に対する天然変異体I-3558の初期細菌個体数の影響を示すグラフ。「呼吸無し」:従来の前培養、次いで、全乳中での休止細胞条件における培養。「実験室呼吸」:試験管中において行われた呼吸条件下での前培養、次いで、全乳中での休止細胞条件における培養。「緩衝化ミルク中における実験室呼吸」:呼吸条件下での前培養、次いで、β-グリセロホスフェートで緩衝化されたミルク中での休止細胞条件における培養。「発酵槽中における呼吸」:発酵槽中で行われる呼吸条件下での前培養、続いて、従来のミルク中での休止細胞条件における培養。 休止細胞段階の間のビタミンK2産生に対する天然変異体I-3558の細菌生存力の影響を示すヒストグラム。VitK STZ:ストレプトゾトシンで処理した呼吸条件における前培養、次いでエリスロマイシンが補充された全乳中での休止細胞条件における培養。VitK R+:試験管中において行われた呼吸条件下での前培養、次いで、全乳中での休止細胞条件における培養。
以下において、用語「ビタミンK2」および「ビタミンK」は、ビタミンK2を示すために同様に使用される。
従って、本発明は、ビタミンKを産生することができる発酵素を、従来の産生条件と比べてビタミンKの産生に非常にかなり有利である条件下で実施する食品、例えば発酵製品および/またはフレッシュな乳製品を製造することを初めて提案することによって、この要求に答えることを目的とする。
さらに、研究の過程において本発明者らは、天然株によって産生されるビタミンKの量より顕著に高い量のビタミンKを産生する乳酸菌の天然株の新規の天然変異体を得た(下記の「実施例」セクションを参照のこと)。従って、ビタミンKを有利に、過剰産生するこれらの変異体は、本発明のビタミンK産生に特に好都合な実施条件下で使用され得る。
第1局面によれば、本発明は、ビタミンK2を産生する乳酸菌の少なくとも1つの株を培養することによって得られるビタミンK2の量を増加させる方法であって、ここで、該株を休止細胞条件下で培養し、該方法が、少なくとも以下の工程を含む方法に関する:
a)約108 CFU/ml〜約1011 CFU/mlの範囲の量の生存細菌細胞を好適な培養培地に接種する工程;および
b)休止細胞培養によって産生されるビタミンK2の量が、工程b)の終わりに、標準的発酵条件下で該株を培養することによって得られるビタミンK2の量と比べて少なくとも約1.2倍高くなるように、このように接種された該培地を、約4時間〜約48時間の範囲、好ましくは約8時間〜約48時間の範囲の時間の間、約4℃〜約50℃の範囲、好ましくは約4℃〜約40℃の範囲の温度で発酵させる工程。
表現「休止細胞培養」および「休止細胞条件下での培養」は、本発明の技術分野の共通語の一部である。従って、休止細胞の概念は、当業者に完全に明瞭である。フランスでは、これらの英語表現は、周知であり、一般的にフランス語へ翻訳されない。
「標準的発酵条件」は、それらの名称が示すように、非常に標準的であり、当業者に周知である(それらは「実験室条件」とも呼ばれる)。好ましい「標準的発酵条件」は、本発明の文脈において、以下の通りである:前記株を、0.1 Mソーダ中0.5 mg/mlのヘミン溶液20μl/mlが補充された、市販のM17培地(Difco(商標)M17寒天)または等価の培地において前培養する。続いての培養のために、前記前培養物を使用して、1%で接種を行った。インキュベーション温度は約30℃である。曝気を簡単な撹拌によって確実にする。発酵条件は、当業者の一般的な知識に基づいて、あるいはプロトコルを改良するための実験の後に、当業者によって必要に応じて修飾され得る。しかし、以下の3つの必須の基準を体系的に保存するように注意されなければならない:(i)培養培地は、乳酸菌の株、特にラクトコッカス種の株を培養するに好適な培地である;(ii)ヘムのコアを含有する少なくとも1つの化合物(例えば、ヘミン、カタラーゼまたはクロロフィル誘導体)を、前培養培地および/または培養培地に(好ましくは、前培養培地および培養培地の両方に)添加する;ならびに(iii)前培養および/または培養(好ましくは、前培養のみ)を撹拌下で実施する。
本発明の方法の特定の態様は、以下のようなものである:
− 工程a)において、培養培地に、約5x108 CFU/ml〜約1010 CFU/mlの範囲、より特には約2x109 CFU/ml〜約6x109 CFU/mlの範囲の量の生存細菌細胞を接種する;
− 工程b)において、培地の発酵を、約12時間〜約36時間、優先的には約15時間〜約24時間の範囲の時間の間、標準的条件下で行う;
− 工程b)において、培地の発酵を、約15℃〜約35℃、好ましくは約20℃〜約30℃の範囲の温度で、標準的条件下で行う。
好ましくは、休止細胞培養によって産生されたビタミンK2の量は、工程b)の終わりに、標準的発酵条件下で前記株を培養することによって得られるそれと比べて少なくとも約1.5倍高くなる。この倍率は、より好ましくは、少なくとも約1.7、なおより好ましくは少なくとも約1.8、なおより好ましくは少なくとも約1.9である。この倍率のなおより好ましい値は、約2、約2.2、約2.4、約2.5、約2.7、約2.8、約2.9および約3である。
好ましくは、本発明の手段を使用して、求められるビタミンK2産生レベルは、標準的発酵条件で、発酵乳100 g当たりビタミンK2約30μgである。なおより好ましくは、産生レベルは、発酵乳100 g当たりビタミンK2約40μgに達し得、さらにより好ましくは、それらは、発酵乳100 g当たりビタミンK2約45μgまたは50μgほどであり得るか、またはこれらさえを超え得る。従って、発酵乳100 g当たり約55μg、約60μg、約65μg、約70μg、または約75μg、またはさらにそれ以上のビタミンK2の産生レベルが、特に好ましい。
1つの態様によれば、本発明の方法の文脈において実施される、ビタミンK2を産生する乳酸菌の株は、ラクトコッカス属、ロイコノストック属、エンテロコッカス属およびプロピオニバクテリウム属より選択される。特に、使用される乳酸菌の株は、ラクトコッカス・ラクティス種、ロイコノストック・ラクティス種、ロイコノストック・シュードメセンテロイデス種、ロイコノストック・メセンテロイデス種、ロイコノストック・デキストラニカム種(Leuconostoc dextranicum)、エンテロコッカス・フェシウム種(Enterococcus faecium)、およびプロピオニバクテリウム種より選択される。有利には、乳酸菌の株は、下記の実施例において報告する研究の文脈において本発明者らによって得られたビタミンK2を産生するラクトコッカス・ラクティス亜種・クレモリスの天然変異体より選択される:2006年1月20日にフランスのCollection Nationale de Culture des Microorganismes(CNCM, Pasteur Institute, 25, rue du Docteur Roux, 75724 Paris cedex 15, France)へ提出した変異体I-3557、2006年1月20日にCNCMへ提出した変異体I-3558、および2006年6月19日にCNCMへ提出した変異体I-3626。
本明細書において、用語「変異体」は以下を包含する:
天然変異体、即ち、淘汰圧の影響下で乳酸菌の参照株から自然に得られるもの;従って、天然変異体はいかなる遺伝子操作も受けず、しかし、主として参照株からの突然変異および選択によって得られる;および
参照株へ適用された遺伝子操作によって、即ち定方向突然変異誘発の技術によって、特にベクターを使用しての形質転換によって誘導された1つまたは複数の突然変異をゲノム中に含む突然変異体。
全ての場合において、「変異体」は、本発明の文脈において、ビタミンK2を産生することができる株である。有利には、産生レベルが標準的発酵条件(「実験室条件」とも呼ばれる)下で発酵乳100 g当たり少なくとも約5.5μgのビタミンK2である場合、該変異体は、ビタミンK2を「過剰に産生する」と考えられ得る。
ある国において(特に、ヨーロッパにおいて)、微生物、より特には生存している微生物が混合されているヒトおよび/または動物の食用に意図された製品を開発する際は、食品製造業者により注意事項が守られなければならないことに注意すべきである。実際、遺伝子組み換え生物(この場合、微生物;GMOまたは突然変異体とも呼ばれる)は、消費者に恐れと不安を生じさせ得る。ある国においてはGMOが被るこのマイナスイメージにより、GMOを含有する食物を大衆が排斥する傾向にある。また、消費者へ提供される食品中の含有量レベルやこれらの製品が含有する成分の起源について、より透明性を消費者が要求する状況において、製造業者は、擬似排他的に(quasi-exclusively)、さらに排他的に、GMOフリーである製品を提供するように誘導されうる。本発明の文脈において、従って、工業的に製造されかつ微生物を含有する食品は、天然株または天然株の天然変異体のみを使用することによって製造されることが、有利であり得る。
1つの態様によれば、工程a)において、好適な培養培地は脂肪を含有する。それは、好ましくは、少なくとも約0.5%脂肪、より好ましくは少なくとも約1.5%脂肪、なおより好ましくは少なくとも約3.5%脂肪を含有する。1つのこのような培地は、例えば、生クリーム(dairy cream)または豆乳を含有し得る。それはまた、プレーンミルクまたはその緩衝能が増加されているミルクであり得る。当然、これらの種々の培地の組み合わせもまた考えられ得る。「増加された緩衝能を有するミルク」としては、特に、β-グリセロホスフェートおよび/またはシトレートおよび/または乳タンパク質および/または緩衝能を有する任意の好適な食物成分が補充されたミルクが挙げられる。
例えば、半脱脂粉乳は、典型的に、約1.5%脂肪を含有し;全乳は、一般的に、約3.5%脂肪を含有する。
特に好ましい態様において、本発明の方法は、少なくとも約0.5μg/mlの最終濃度で少なくとも1つのポルフィリンを含有する好適な前培養培地中において、呼吸条件下で前記株を前培養することを含む、少なくとも1つの工程を工程a)の前にさらに含む。なおより好ましいポルフィリン濃度および/または濃度範囲は、少なくとも約1μg/ml、なおより好ましくは少なくとも約5μg/ml、さらにより好ましくは約10μg/mlである。
有利には、前培養物は、約4℃〜約40℃の範囲の温度で、好ましくは約18℃〜約35℃の範囲の温度でインキュベートされ、好ましい温度は約30℃である。
前培養物インキュベーション時間は、株および他の実施条件によって異なり得る。それは、好ましくは少なくとも約8時間、より好ましくは少なくとも約12時間、なおより好ましくは少なくとも約16時間である。
前培養物酸素化は、撹拌または曝気によって行われ得る。
中間工程もまた、本発明の方法の予備的な前培養工程と工程a)との間で実施され得る。この中間工程は、例えば前培養物の遠心分離続いて細菌ペレットの回収によって、前培養の終わりに得られたバイオマスを濃縮することを含む。
食品産業における本発明の目的の適用を考慮して、実施される条件は、同時に、(i)工業規模で適用可能かつ使用可能であり(実行可能性、収率、コスト、設備などの点で)、かつ、(ii)食品に対して適している(最終製品の物性および感覚刺激性(味、香り、質感、外観など)の点で)ものであることが、注意されるべきである。
本発明の第2局面は、前述の方法に従って休止細胞条件下でビタミンK2を産生する乳酸菌の少なくとも1つの株を培養することによって得られ得る強化バイオマスに関する。
本発明の第3局面において、上述のバイオマスは、ビタミンK2強化食品を製造するために使用される。
本発明の第4局面は、少なくとも以下の工程を含む、ビタミンK2を産生する方法に関する:
a)前述の説明に従って、ビタミンK2を産生する乳酸菌の少なくとも1つの株を培養することによって得られるビタミンK2の量を増加させる方法を実施する工程;および
b)このようにして産生されたビタミンK2を回収する工程。
第5局面によれば、本発明は、ビタミンK2強化食品を製造する方法、またはビタミンK2で食品を強化する方法に関する。
第1の態様によれば、1つのこのような方法は、少なくとも以下の工程を含む:
a)本発明の第4局面の方法に従ってビタミンK2を産生する工程;
b)このようにして産生されたビタミンK2を食品または食品の中間調製物へ添加する工程;および、
c)ビタミンK2強化食品を得る工程。
第2の態様によれば、ビタミンK2強化食品を製造する方法は、少なくとも以下の工程を含む:
a)前記株の培養から得られるビタミンK2の量を増加させる方法(本発明の第1局面)に従って休止細胞条件下でビタミンK2を産生する乳酸菌の少なくとも1つの株を培養する工程;
b)工程a)の培養から得られたバイオマスを食品または食品の中間調製物へ添加する工程;および
c)ビタミンK2強化食品を得る工程。
または、上記工程a)およびb)を同時に行うことも考えられ得る:
a)前記株の培養から得られるビタミンK2の量を増加させる方法(本発明の第1局面)に従って休止細胞条件下でビタミンK2を産生する乳酸菌の少なくとも1つの株を、食品または食品の中間調製物中において、培養する工程;および
b)ビタミンK2強化食品を得る工程。
この場合、前記株は、現場で(食品が製造される現場で)前培養された細菌の濃縮物を使用することによって、または、発酵素供給業者によって前培養され、次いで包装され、食品が製造される現場へ発送された細菌を使用することによって、特に実施され得る。供給業者は、新鮮なまたは凍結された状態で細菌を包装し得;または、細菌は、乾燥または凍結乾燥され得る。全ての場合において、細菌は、(任意の他の公知の乳酸発酵素のように)完全に従来の様式で、乳製品マス(dairy mass)へ添加される。ビタミンK2産生に有利な条件下での続いての培養工程のために、本発明の実施条件が適用される。
ビタミンK2で食品を強化する方法のなお別の態様は、少なくとも以下の工程を含む:
a)本発明に従うバイオマスを食品または食品の中間調製物へ添加する工程;および、
b)ビタミンK2強化食品を得る工程。
典型的に、前記バイオマスは、従来の乳酸発酵素と同一の様式で使用される。
本発明の第6局面は、上述されるような方法の実施によって得られ得るビタミンK2強化食品に関する。
または、本発明に従うビタミンK2強化食品は、上述のバイオマスを含有する。
本発明は、ヒトおよび/または動物用の食品に関し、好ましくはヒトの食用に意図される製品である。有利には、このようなビタミンK2強化食品は、それを消費する人の骨の強度を増加させる。好ましくは、この人は小児である。
好ましくは、本発明の文脈における食品は、発酵製品、発酵されたもしくは発酵されていないフレッシュな乳製品、植物起源(果物、野菜、穀物、大豆など)の汁を含有する発酵されたもしくは発酵されていない製品、ならびにそれらの組み合わせより選択される。より好ましくは、本発明の文脈における食品は発酵製品および/またはフレッシュな乳製品である。
本発明の文脈において、「フレッシュな乳製品」は、より特には、ヒトの食用のために用意されたフレッシュな発酵された乳製品、即ち、フレッシュな発酵された乳製食品を示す。本願は、より特には、発酵乳およびヨーグルトに関する。または、前記フレッシュな発酵された乳製食品は、カッテージチーズまたは「プティ・スイス(petits-suisses)」であり得る。
「発酵乳」および「ヨーグルト」は、乳業において使用される標準的な定義を有する;即ち、ヒトの食用に意図され、かつ、乳基質の酸性化乳酸発酵から生じる製品。これらの製品は、第2の成分、例えば、果物、植物、砂糖などを含有し得る。例えば、1988年12月31日にフランス政府の官報において公開された、発酵乳およびヨーグルトに関する1988年12月30日付けのフランス法令番号88-1203を参照のこと。
“Codex Alimentarius”も参照され得る(FAOおよびWHOの後援を受けてCodex Alimentarius Commissionによって作成され、FAOの情報部によって公開され、http://www.codexalimentarius.netでオンラインで入手可能;より特には、Codex Alimentariusの第12巻“Codex standards for milk and milk products”および規格“CODEX STAN A-11(a)-1975”を参照のこと)。
従って、表現「発酵乳」は、低温殺菌と少なくとも等価の処理を受け、各製品の特徴である種に属する微生物が接種されたミルク基質を用いて製造された乳製品について、本願において用いられる。「発酵乳」は、実施されるミルク基質の構成要素を除去するいかなる処理をも受けておらず、特に、凝塊の脱水を受けていない。「発酵乳」の凝固は、使用される微生物の活性に起因するもの以外の手段によって得られてはいけない。
用語「ヨーグルト」は、ラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus bulgaricus)およびストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)という名称の特定の好熱性乳酸菌の発育によって、局所および常時使用に従って、得られる発酵乳について用意され、これらの乳酸菌は、ミルク部分1グラム当たり少なくとも細菌1000万個の濃度で、最終製品中に生存した状態で見られなければならない。
ある国においては、規則によって、ヨーグルトの製造における他の乳酸菌の添加、特に、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)および/またはラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)および/またはラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)の株の追加の使用が認可されている。これらの追加の乳酸菌株は最終製品に対して種々の特性を与えるように、例えば、腸内細菌叢のバランスをサポートするかまたは免疫系を調節するように意図される。
実際には、表現「発酵乳」は、従って一般的にヨーグルト以外の発酵乳を示すために使用されている。国によってそれはまた、例えば「ケフィア(Kefir)」、「クミス(Kumiss)」、「ラッシー(Lassi)」、「ダヒ(Dahi)」、「レーベン(Leben)」、「フィルミョルク(Filmjolk)」、「ヴィリ(Villi)」または「アシドフィルスミルク(Acidophilus milk)」とも呼ばれ得る。
発酵乳の場合、発酵乳基質中に含有される遊離の乳酸の量は、消費者への販売時に、100 g当たり0.6 g未満となるべきではなく、ミルク部分によって提供されるタンパク質含有量は、常乳のそれ未満となるべきではない。
最後に、名称「カッテージチーズ」または「プティ・スイス」は、本願において、精製されておらず、塩が添加されておらず、かつ、乳酸菌のみによる発酵(かつ、乳酸発酵以外の発酵無し)を受けたチーズについて用意される。カッテージの乾物含量は、完全な脱水後、それらの脂肪含有量がカッテージチーズ100 g当たり20 gよりも高いかまたは高くても20 gに等しいかどうかによって、カッテージチーズ100 g当たり15 gまたは10 gへ低下され得る。カッテージチーズ乾物含量は、13%〜20%である。プティ・スイスの乾物含量は、プティ・スイス100 g当たり23 g以上である。それは、一般的に、25%〜30%である。カッテージチーズおよびプティ・スイスは、一般的に、「フレッシュチーズ」と呼ばれ、本発明の技術分野において伝統的に使用される。
本発明が上記の説明にのみ限定されないことは明らかである。本発明の他の態様および利点は、純粋に例示のみに以下に提供される実施例を考慮して生じる。
実施例
パートA:有利な量のビタミンKを産生することができる乳酸菌の天然株の天然変異体の獲得
前置きとして、下記の天然変異体を得るためのプロトコルは、任意のタイプの乳酸菌の出発株(starting strain)に適用可能であることが注意されるべきである。当業者が使用する出発株によっては、主に応用上の理由のために、本発明者らによって開発された実験条件のいくつかを変更することが、望ましい場合がある。いずれにしても、当業者が下記手順に対して行う可能性がある変更は、重要ではなく、進歩性を含まない簡単かつ型通りである操作のみを必要とする。
A-I- バシトラシン耐性の天然変異体の獲得および使用
バシトラシンまたは過酸化物などの薬剤への曝露が、これらの薬剤に対して増加された耐性を有する細菌株の選択を可能にすることが公知であるが、バシトラシンまたは過酸化物に対する耐性と細菌によるビタミンK2産生のレベルとの間の関連は、文献において確立されていなかった。
本発明者らの研究の文脈において、本発明者らは、全く予想外にも、細菌がバシトラシンまたは過酸化物などの特定の薬剤に対する耐性の機構であって、さらにビタミンK2産生の増加を伴うという独自の機構を進化させることができることを発見した。本発明者らは、例えば、ビタミンK2を過剰に産生することができる乳酸菌(特に、ラクトコッカス・ラクティス)の株の天然変異体を選択するための薬剤としてバシトラシンまたは過酸化物を使用することで、この発見を使用することを構想した。
A-I-1- バシトラシン耐性の変異体を得るためのプロトコル
前培養を、5 g/lラクトース(本明細書以下において、M17 Lac)およびヘミン(20 μl/ml;本明細書以下において、M17 Lac+ヘミン)を補充した従来の市販のM17培養培地(M17寒天、Difco(商標))2 mlの存在下でラクトコッカス・ラクティスの天然株の結晶から行った。インキュベーションを30℃で撹拌下において行った。
前記前培養物を使用し、バシトラシン(4μg/ml)を補充したM17 Lac+ヘミン2 mlに接種した。接種率は1%であった。次いで、培養物を30℃で撹拌下において48時間インキュベートした。
次に、この懸濁液100 μlをM17 Lac寒天上に置いた。バシトラシン2.5 mgを含ませたペーパーディスクを皿の中央に置いた。前記寒天を30℃で48時間インキュベートした。ペーパーディスク付近のクローンを、M17 Lac+ヘミン2 ml中のバシトラシン(4μg/ml)の存在下で培養した。インキュベーションを、30℃で撹拌下において24時間続けた。
30℃で48時間インキュベーションした後、細胞をバシトラシン(2μg/ml)の存在下でM17 Lac寒天上において単離した。単離したクローンをM17 Lac+ヘミンにおいて培養し、次いで30℃で撹拌下において24時間インキュベートした。この懸濁液を、凍結ストックを作製するために使用した。
この実験によって、本発明者らは、2006年1月20日にCNCMへ提出した天然変異体ラクトコッカス・ラクティス亜種・クレモリスI-3557を選択することができた。
A-I-2- 「バシトラシン」変異体を含む乳製品の例を製造するためのプロトコル
前培養を、2mlのM17 Lac中の前記株の結晶から行った。
前培養物を使用し、1%で、50 mlのUHT全乳に接種し、これを30℃で24時間インキュベートした。
下記表Iに、バシトラシン耐性変異体および対応の野生株についての、μg当量MK-4/プロダクト100 gで表されるビタミンK2の分析結果を与える。
(表1)
Figure 0005410979
従って、前記バシトラシン耐性変異体は野生出発株と比べて3倍ビタミンKを過剰に産生する。
A-II- 過酸化物耐性の天然変異体の獲得および使用
ラクトコッカス・ラクティスの呼吸がかなり最近実証された(Duwatら、2001年)。L.ラクティスの株(IL1403)のゲノムの配列決定によって、有気呼吸に必要な機能をコードする遺伝子の存在が確認された(Bolotinら、2001年)。L.ラクティスは、実際に、メナキノン合成およびシトクロムD生物発生に必要なタンパク質をコードするmenおよびcytABCDオペロンを有する。この種はまた、ヘム合成の最終工程に関与する3つの遺伝子(鉄をヘムと結合させるためのポルフィリンの酸化に必要とされる、hemH、hemKおよびhemN)を有するが、このプロセスの第1工程に関与する遺伝子を有さない。しかし、L.ラクティスは、プロトポルフィリノーゲンの存在下で酸化的リン酸化を行うことができる。
L.ラクティスの呼吸が、培養培地中の酸素およびヘムの存在下で起こり得ることも示された。この呼吸によって、細胞はより大きなバイオマスに達することが可能となり、観察される最終pHは、通常得られるそれよりも高い。酸素および/またはヘムの存在下での培養は、発酵の最初の約6または7時間の間、同等の増殖曲線を示す。その後、グルコース消費は、酸素およびヘムの存在下での培養の場合、減少し、従って、乳酸産生はより少なくなる。これは、培養の間のやや遅くに起こる代謝のシフトを表している。従って、L.ラクティスの呼吸は、指数増殖期の終わりごろに起こる(Duwatら、2001年)。
L.ラクティスの呼吸の役割はまだ公知ではなく、このタイプの発酵代謝におけるビタミンK2の役割も公知ではない。本発明者らは、さらに、試験された条件(培地中にヘム無し、培地の十分な酸素化を可能にする撹拌無し)下で呼吸が誘発されなかった一方で、ビタミンK2がL.ラクティスの株によって産生されたことに気付いた。
細胞質中において、タンパク質は、細胞外タンパク質と比べてほとんどジスルフィド架橋を有さない。ジスルフィド架橋の数を制限する広範囲の酵素システムが存在する。S-S結合は、酵素、チオレドキシンを介してSH官能基へ還元される。この酵素は、チオレドキシンレダクターゼによって再生される。Vidoら(2005年)は、trxB1と呼ばれるL.ラクティス突然変異体を遺伝子操作によって作製した。trxB1遺伝子は、チオレドキシンレダクターゼをコードする。この突然変異体により合成されたタンパク質の二次元電気泳動による研究によって、突然変異体は、ビタミンK2合成経路の酵素のいくつか、即ち、MenBおよびMenD酵素を過剰に産生することが示された。
このデータを考慮して、ならびに個人的な観察によって本発明者らは、L.ラクティスによるビタミンK2産生を改善するための可能性のある手段の1つが呼吸を誘発することであり得ると考えた。別の手段は、酸化ストレスに応答するようにビタミンK2を動員しようとすることであり得る。
従って、本発明者らは、酸化ストレスに耐性である天然変異体を得ようとした。
A-II-1- 酸化ストレス耐性の変異体を得るためのプロトコル
過酸化物を使用され得る酸化剤の例として選択した。当然ながら、他の酸化剤、例えば、過塩素酸イオン(hyperchloric ion)、鉄イオン、メナジオン、パラクアット、酸素、または任意の他の好適な酸化性化合物も同様の条件下で使用することができた。
M17 Lac培地における前培養後、天然出発株を、増加する濃度の過酸化物(例えば、少なくとも約20 mg/l〜少なくとも約25 mg/l、約27 mg/lおよび約28.5 mg/lの範囲)を含有する同一の培地に再び刺した。培養物を30℃でインキュベートした。24時間後、増殖を示さない濃度範囲の最初の試験管をさらに24時間インキュベートした。次いで、クローンを寒天培地における除去によって単離した。クローンを27 mg/lの過酸化物濃度について選択した。本発明者らは28.5 mg/lの過酸化物濃度を超えては、増殖が存在しなかったことに注目した。
従って、この実験によって、本発明者らは2006年1月20日にCNCMへ提出した天然変異体ラクトコッカス・ラクティス亜種・クレモリスI-3558を選択することができた。
A-II-2- 「過酸化物」変異体を含む乳製品の例を製造するためのプロトコル
選択したクローンを24時間、全乳中において増殖させた。次いで、ビタミンKの後の分析のためにサンプルを採り-80℃で凍結した。
下記表IIは、出発株によって産生された量と比較しての、過酸化物耐性変異体によって産生されたビタミンK2の量を示す(μg当量MK-4/発酵乳100 gで表される量)。
(表2)
Figure 0005410979
上記表IIが示すように、前記変異体は、対応の野生株と比較して約2倍多くのビタミンK2を産生した。
A-III- 芳香族アミノ酸の構造アナログに耐性の天然変異体の獲得および使用
芳香族アミノ酸は、ビタミンKおよび葉酸塩の合成経路に共通の工程のレベルでそれら自体の合成経路に対して負のフィードバックを働かせる。これらのアミノ酸が培地に存在する場合、これらの経路は活性化されない。従って、本発明者らはこの負の調節を高めようとした。
A-III-1 芳香族アミノ酸の構造アナログに耐性の変異体を得るためのプロトコル
L.ラクティスの天然株を、トリプトファン、フェニルアラニンまたはチロシンを含有しない合成寒天培地(Cocaign-Bousquet, M.ら、1995年)上に広げた。用語「合成培地」は、当業者によって明瞭に理解される。それは、複雑な化合物(例えば:酵母抽出物、カゼイン加水分解物など)を含有する半合成培地とは対照的に、単純でありかつ明瞭に規定された化合物(例えば、ビタミンB9、ビタミンB12、アデニン、チロシンなど)のみを含有する培地である。
ブロッティンブペーパーのディスクをペトリ皿の中央に配置し、50 mMの以下の化合物を含有する溶液80 μlを含ませた:m-フルオロフェニルアラニン、p-フルオロフェニルアラニン、m-フルオロチロシンおよびフェニルアラニンアミド。これらの化合物は、芳香族アミノ酸の構造アナログである。前記皿を30℃でインキュベートした。増殖阻害領域がディスク周りに現れた。48時間後、耐性クローンがこの領域中に現れた。これらのクローンを芳香族アミノ酸を含有しない合成培地において増殖させた。この培地に、これらのアミノ酸の構造アナログを含有する溶液を補充した。これらの化合物の各々の最終濃度は1 mMであった。
A-III-2- 「芳香族アミノ酸」クローンを含む乳製品の例を製造するためのプロトコル
上記セクションA-III-1に従って得られた培養物を使用し、ヘミン溶液1 ml(500 mg/l)が補充されたM17 Lac培地50 mlに接種した(1%接種率)。同一の培養物を使用し、ヘミンを含有しないが撹拌下に置いた培地に接種した。最後のタイプの培養物が作製された。M17 Lac培地に接種し、撹拌せずに30℃で置いた。培養物を撹拌(250 rpm)下において30℃で一晩置いた。次いで、これらの培養物を6000 gで5分間遠心分離した。上澄みを除去し、全乳50 mlで置き換えた。24時間後、ビタミンK2の分析(下記セクションB-VIを参照のこと)を待っている間、発酵乳を-80℃に置いた。
ビタミンK2を分析する実験によって、本発明者らは、ビタミンK2を過剰に産生する天然変異体であるとして前記クローンの1つを選択することができた(下記セクションB-VIを参照のこと):それは、2006年6月19日にCNCMへ提出した天然変異体ラクトコッカス・ラクティス亜種・クレモリスI-3626である。
パートB:ビタミンK産生に有利な乳酸菌を実施するための条件の構築
B-I- 培地中の脂肪の影響
種々のプロダクトの分析の間、本発明者らは最も多くのビタミンK2を含有するプロダクトは発酵されたクリームであることに注目した。さらに、ビタミンK2は非常に疎水性である。従って、本発明者らは脂肪の存在、または少なくとも疎水性環境がビタミンK2産生に有利であり得るという仮説を立てた。
従って、発酵を種々の脂肪濃度を含有するミルクにおいて行った。前培養をM17 Lac培地において行った。前記ミルクを1%で接種した。発酵を30℃で24時間維持した。次いで、続いての分析を待っている間、サンプルを凍結した。
L.ラクティス亜種・クレモリスの2つの天然株(株番号1および2)について、結果を図1に示す。
研究した2つの天然株のうちの1つで得られた結果を例として考える場合、脱脂粉乳の代わりに半脱脂粉乳(約1.5%脂肪)を使用することによって、ビタミンK2産生が4倍増加された。半脱脂粉乳から全乳(約3.5%脂肪)へ切り替えることによって産生は2倍増加された。
この傾向は考慮した全ての天然株について同一であった。
しかし、40%脂肪クリームの発酵によって全乳で得られたものよりも高い量のビタミンK2が得られなかったため(データを示さず)、培地の脂肪含有量の増加で産生されたビタミンK2の量の増加は、漸近的であるようである。
B-II- 乳酸菌増殖速度の影響
L.ラクティス亜種・クレモリスの天然株(天然株番号1)のミルク中における増殖の間、本発明者らは、ビタミンK2産生の動態をモニタリングした。
図2に示されるように、ビタミン産生は増殖が減速したときにのみ始まった。増殖速度は、酸性化動態をモニタリングすることによって測定することができた。最大酸性化速度に達したとき、細菌は減速期に入った。
このタイプの挙動は、二次代謝産物の合成の間、比較的標準的である。増殖速度を低下するために、種々のパラメータが研究され得る:準最適な物理化学的条件(pH、温度など)、静菌性化合物(抗生物質)、休止細胞培養。後者の技術(休止細胞の培養)は、従来の発酵の終了時に通常得られる量に少なくとも対応する量の細胞での接種を行う。この場合、細菌増殖は存在せず増殖速度はゼロである。
従って、本発明者らは休止細胞培養と温度効果とを組み合わせようとした。
全乳に10 g/lの濃度で、1011 CFU/gを含有する直接接種発酵素を接種した。次いで、ミルクを種々の温度でインキュベートした。
図3に示されるように、温度の降下は、ビタミンK2産生に対してプラスの効果を有さなかった。他方で、休止細胞状態にある細菌を培養することによって、増殖を伴う標準的な発酵についての10μg/100 gと比較して約2倍:20μg/100 g産生が増加された。
B-III- 呼吸条件における前培養の実施の影響
ビタミンK2は呼吸鎖に関与する。L.ラクティスは呼吸可能であるが、この呼吸は発酵の終了時にのみ、即ち、代謝フラックスが減速する際にのみ介入する。この特性はビタミンK2産生動態において観察される特性と比較され得る。
完全に呼吸条件下で食品を製造することは、工業規模で達成するのが困難であろうことに注意することが重要である。実際に、曝気、撹拌、発泡などの課題は、典型的な装置および製造方法を検討せずに克服することは困難であり、これは、莫大な投資を必要とし、食品産業にとって受け入れ難い追加の製造支出を生じさせる。
他方で、必要があれば、製造業者にあまり多くの困難を生じさせることなく、前培養が呼吸条件下において行われ得る。
従って、本発明者らは、乳酸菌によるビタミンK2産生に対する呼吸条件における前培養の効果を研究した。
この目的のために、0.1 Mソーダ中0.5 mg/mlのヘミン溶液20μl/mlが補充されたM17 Lac培地において、前培養物を作製した。接種を1%で行い、インキュベーション温度は30℃であった。曝気を簡単な撹拌によって確実にした。
先ず、これらの前培養物は1%で全乳に接種でき、これは従来の発酵である。これらの条件下で、ビタミンK2の産生に対するプラスの効果は観察されなかった(データは示さず)。
次いで、これらの前培養物を使用し休止細胞条件において発酵を行った。前培養物を前述のように作製し、一晩維持した。次いで、50 mlサンプルを5分間6000 gで遠心分離した。上澄みを除去し、全乳で置き換えた。次いで、ミルクを30℃で24時間インキュベートした。引き続いての分析のためにサンプルを-80℃で凍結した。
図4に示されるように、観察された挙動は株によって異なった。呼吸条件における前培養は、L.ラクティス亜種・クレモリス天然株番号1によるビタミンK2産生に対して効果を有さなかった。他方で、それは、天然変異体 I-3558によるビタミンK2産生を2倍増加させた。
従って、呼吸条件における前培養を使用するアプローチは、少なくとも特定の株について有利であるようであった。
しかし、実際には、新鮮な前培養物ではなく凍結された発酵素を利用可能にすることが重要である。さらに、休止細胞条件において発酵を行うために、発酵素を濃縮させることが望ましい。
B-IV- ビタミンK2産生に対する呼吸の刺激効果に関する補足的な結果
これらの結果は、上記セクションA-IIIに関して提供される。
上記のパラグラフA-III-2に示したように、芳香族アミノ酸の構造アナログの存在下での選択された天然変異体I-3626の培養物を使用し、ヘミン溶液1 ml(500 mg/l)が補充されたM17 Lac培地50 mlに接種した(1%接種率)。同一の培養物を使用し、ヘミンを含まないが撹拌下に置かれた培地に接種した。最後のタイプの培養物が作製された。M17 Lac培地に接種し、撹拌せずに30℃で置いた。培養物を撹拌(250 rpm)下において30℃で一晩置いた。次いで、これらの培養物を6000 gで5分間遠心分離した。上澄みを除去し、全乳50 mlで置き換えた。24時間後、ビタミンK2の分析を待っている間、発酵乳を-80℃に置いた。
下記の表IIIは、実施条件に従っての天然変異体I-3626によるビタミンK2産生の結果を与える。ビタミンK2の量を発酵乳100 g当たりのμg当量MK-4で表す。
(表3)
Figure 0005410979
これらの結果は、呼吸(撹拌下でのヘミンの存在)がビタミンK2産生に対して非常に大きな効果を有することを示している。これらの条件下で、ビタミン産生は5倍増加される。親株は呼吸無しでの前培養後、21.5μg/100 gを産生した(データを示さず)。前培養を呼吸条件において行った場合、産生は、10.3μg/100 gへ低下した(データを示さず)。従って、親株に関して、呼吸条件における前培養はビタミンK2産生に対して負の効果を有した。
B-V- 接種量、最終細菌個体数、およびミルクpHの影響
呼吸における前培養について前述した休止細胞条件下で、初期細菌個体群は、約1010 CFU/mlへ増加する。
この接種量は工業プロセスの状況で容易に適用可能ではないため、本発明者らは、ミルク発酵期の間のビタミンK2産生に対する細胞の初期量の正確な影響を研究した。
さらに、細胞の量は、従来の前培養よりも呼吸条件における前培養において多いため、本発明者らは、呼吸条件における前培養について観察された産生の増加が、接種量の単純な増加に起因するのか、または呼吸プロセスの特定の寄与に起因するのかを明らかにしようとした。
本発明者らはまた、休止細胞段階の後の最終細菌個体数が、得られるビタミンK2の量において決定的役割を果たすかどうかを明らかにしようとした。他の原因の中でも、発酵の間のpHの低下に起因する一定の細菌死が存在することを考慮して、本発明者らは、ビタミンK2産生のレベルに対する緩衝化ミルクの使用の効果を研究した。
これらの種々の問いに答えるために、従来の前培養物または呼吸における前培養物から、約106 CFU/ml〜約1010 CFU/mlの範囲の接種量で、従来のミルクまたは緩衝化ミルク中で、休止細胞条件において試験を行った。
株I-3558の前培養を30℃でM17 Lac培地において行った。呼吸条件における実験のために、培地に0.5 mg/mlヘミン溶液(0.1 Mソーダ中)を20μl/ml補充し、前培養物を一晩インキュベーションの間撹拌した。次いで、種々の体積のこれらの前培養物(下記表IVを参照のこと)を、10,000 gで10分間遠心分離した。
(表4)
Figure 0005410979
上澄みを除去し、従来の全乳40 mlで置き換えるか(前培養物R+およびR-)、または最終濃度0.075 Mでβ-グリセロホスフェートを補充した(前培養物R+のみ)。次いで、サンプルを30℃で24時間インキュベートした。アリコートを計数のために採り、次いで、続いての分析のためにサンプルを-80℃で凍結した。休止細胞段階の前および後に行った分析および計数の結果を、下記表Vに示す。この表は、従来の前培養物または呼吸における前培養物から、休止細胞段階の前(T0)および後(Tf)に行った計数ならびにビタミンK2の分析の結果を提供する。
(表5)
Figure 0005410979
R-=従来の前培養
R+=呼吸における前培養
TP=β-グリセロホスフェートで緩衝化されたミルク中における発酵
T0=初期細菌個体数(CFU/培養物1 ml)
Tf=最終細菌個体数(CFU/培養物1 ml)
VitK=ビタミンK2の濃度(μg当量MK-4/プロダクト100 g)
得られた結果を図5に示す。さらに例示のために、従来のミルク中における休止細胞段階が付随する、発酵槽中において行われた呼吸条件における前培養で得られた結果も示す(「発酵槽中における呼吸」曲線)。結果は、試験管における前培養で得られたものと同等である(「実験室呼吸」曲線)。
得られた結果(表Vおよび図5)は、以下を示した:
− ビタミンK2含有量は、接種量に依存した;
− 曲線の勾配は、従来の前培養の勾配についてより、呼吸条件における前培養の勾配が大きかった。従って、所定の細菌個体数について、ビタミンK2産生は前培養が呼吸条件において行われた場合により大きかった。従って、呼吸条件において観察された利点は、接種量の単純な増加よりもむしろ呼吸プロセスの特定の寄与に起因するようであり、このためこのアプローチの利点が確認された;
− ビタミンK2産生は、休止細胞段階が緩衝化ミルク中において行われた場合に、より大きかった。これは、同一の初期個体数について、最終個体数が従来のミルクと比べて緩衝化ミルク中において2〜6倍より高かったので(表Vを参照のこと)、この培地中における細菌のより十分な生存に起因し得るか、または、緩衝化ミルク中におけるビタミンK2のより十分な「抽出」に起因し得る。
参考文献
Figure 0005410979
Figure 0005410979
Figure 0005410979

Claims (14)

  1. ビタミンK2を産生する乳酸菌の少なくとも1つの株を培養することによって得られるビタミンK2の量を増加させる方法であって、少なくとも以下の工程:
    a)好適な前培養培地中において前記株を前培養する工程であって、前培養培地が少なくとも0.5μg/mlの最終濃度で少なくとも1つのポルフィリンを含有し、かつ酸素化されている、工程;
    b)108 CFU/ml〜1011 CFU/mlの範囲の量の生存細菌細胞を、少なくとも0.5%の脂肪を含有する好適な培養培地に接種する工程;および
    c)ビタミンK2の量が、工程c)の終わりに、標準的発酵条件下で該株を培養することによって得られるビタミンK2の量より少なくとも1.2倍高くなるように、このように接種された該培地を、4時間〜48時間の範囲の時間の間、4℃〜50℃の範囲の温度で発酵させる工程であって、該細菌細胞は発酵の間、休止細胞の段階にある、工程
    を含み、
    乳酸菌の前記株が、ビタミンK2を産生するラクトコッカス・ラクティス亜種・クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)の天然変異体:
    − 2006年1月20日にCNCM(Pasteur Institute, 25, rue du Docteur Roux, 75724 Paris cedex 15, France)へ提出したI-3558、および
    − 2006年6月19日にCNCM(Pasteur Institute, 25, rue du Docteur Roux, 75724 Paris cedex 15, France)へ提出したI-3626
    より選択されることを特徴とする、方法
  2. ポルフィリンがヘムまたはヘミンであることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 前記好適な培養培地が少なくとも1.5%の脂肪を含有することを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
  4. 前記好適な培養培地が少なくとも3.5%の脂肪を含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
  5. 前記好適な培養培地が、プレーンミルクまたはその緩衝能が増加されているミルクであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記前培養物を4℃〜40℃の範囲の温度でインキュベートすることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
  7. 前記前培養物の酸素化を撹拌または曝気によって行うことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
  8. 前記前培養を少なくとも8時間維持することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項記載の方法。
  9. 標準的発酵条件での培養が以下を含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項記載の方法:
    a)乳酸菌の前記株を、0.1 Mソーダ中0.5 mg/mlのヘミン溶液20μl/mlが補充されたM17寒天培地または等価の培地において前培養する工程;
    b)1%を、乳酸菌の株を培養するのに好適な培養培地に接種する工程;および
    c)このように接種された該培地を、30℃にて、撹拌または曝気下、インキュベートする工程。
  10. 少なくとも以下の工程を含む、ビタミンK2が強化されたバイオマスを産生するための方法:
    a)請求項1〜のいずれか一項記載の方法に従って、ビタミンK2を産生する乳酸菌の少なくとも1つの株を培養する工程;および
    b)工程a)における培養からバイオマスを得る工程。
  11. 少なくとも以下の工程を含む、ビタミンK2を産生するための方法:
    a)請求項1〜のいずれか一項記載の方法を実施する工程;および
    b)このようにして産生されたビタミンK2を回収する工程。
  12. 少なくとも以下の工程を含む、ビタミンK2強化食品を製造するための方法:
    a)請求項11記載の方法に従ってビタミンK2を産生する工程;
    b)このようにして産生されたビタミンK2を食品または食品の中間調製物へ添加する工程;および、
    c)ビタミンK2強化食品を得る工程。
  13. 少なくとも以下の工程を含む、ビタミンK2強化食品を製造するための方法:
    a)請求項1〜のいずれか一項記載の方法に従って、ビタミンK2を産生する乳酸菌の少なくとも1つの株を培養する工程;
    b)工程a)における培養から得られたバイオマスを食品または食品の中間調製物へ添加する工程;および
    c)ビタミンK2強化食品を得る工程。
  14. 少なくとも以下の工程を含む、ビタミンK2で食品を強化するための方法:
    a)請求項10記載の方法に従ってビタミンK2が強化されたバイオマスを産生する工程;
    b)このようにして産生されたバイオマスを食品または食品の中間調製物へ添加する工程;および、
    c)ビタミンK2強化食品を得る工程。
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