JP3505043B2 - ビタミンk補給食品および骨粗鬆症予防・治療用食品 - Google Patents

ビタミンk補給食品および骨粗鬆症予防・治療用食品

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビタミンKを高濃
度に含有する特定の乳酸菌類を含むことを特徴とするビ
タミンK補給食品および当該ビタミンK補給食品からな
る骨粗鬆症予防・治療用食品に関するものである。本発
明は、骨粗鬆症を予防ないしは治療するのに有用なビタ
ミンKを補給できる、嗜好的にも優れた特定の乳酸菌類
を含む発酵食品等からなるビタミンK補給食品を提供す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ビタミンKは1929年にデンマークの
Damにより、ニワトリの抗出血因子として発見され
た。ビタミンKは、共通の基本骨格として、2-methyl-
1,4-naphthoquinone 環を持つが、3位の側鎖の違いに
より幾種類かに分かれる。すなわち、自然界にあるビタ
ミンKは、植物由来のビタミンK1 (フィロキノン、 P
hylloquinone, MW=450.68 )と、一般微生物由来のビタ
ミンK2 (メナキノン, Menaquinone 、側鎖のprenyl基
の数によりMK2〜14がある)がある。また、合成品
のビタミンK3 (メナジオン)がある。
【0003】ビタミンKの作用は、グルタミン酸基質の
γ水素を不安定化させてCO2 の攻撃を受けやすくし、
γ位にカルボキシル基を導入する(Gla化する)こと
にある。具体的には、オステオカルシン(骨マトリック
スベシクルの結晶核になる蛋白質)やオステオネクチ
ン、オステオポンチン等のGla化であり、その他、骨
吸収促進物質(PGE2 、IL−1α、PTH)の産生
抑制、単核細胞の破骨細胞への分化の抑制(内山明好,
CLINICAL CALCIUM, 3,No. 10,p81-86,1993)、等が知
られている。
【0004】人が摂取するビタミンKはフィロキノンが
主で、一方、メナキノンは動物性食品や日本においては
納豆を摂取することで供給される。また、フィロキノン
は体内でメナキノン−4(MK4)に変換されると言わ
れている(Billeter M. & Martius C., Biochemische Z
eitschrift, 333, p430-9, 1960)。
【0005】一方、腸内菌叢の微生物がメナキノン類を
産生する(細胞膜に)ので、これがヒトのビタミンK供
給源になっているとする報告も多い。しかしながら、動
物を用いてこの説を提唱した論文では、動物の糞食の問
題を解決していない場合や、用いた抗生物質がビタミン
K阻害剤であることを看過している場合が多く、未だ確
証は得られていない。また、大腸が胆汁酸もない環境で
相当量の脂溶性物質の取り込みを行うと考えるのも難し
いかもしれない(市橋ら,J. Nutr., 122, p506-12, 19
92)。唯一説得力のある報告は、或るヒトの肝臓のメナ
キノンの90%がMK7〜13であり、これはその人の
腸内菌叢の組成と類似していたとするものである(Conly
J.M., & Stein K., Am. J. Gastroenterol., 87, p311
-6, 1992) 。
【0006】しかしながら、腸内菌叢から或程度のメナ
キノンが供給されるとしても必要量の一部にしか過ぎな
いことは、高フィロキノン含有食品を禁止するとビタミ
ンK欠乏を来すとした Suttie J.W., et al., の報告(A
m. J. Clin. Nutr., 47, p475-80, 1988) からも明らか
である。腸内菌叢からのビタミンKの供給は十分ではな
いと言えよう(Bentley R., & Meganathan R., Microbi
ol. Rev., 46, p241-80, 1982)。
【0007】ビタミンK所要量として、人のプロトロン
ビン濃度を維持するには1.0μg/kgの補給が必要
と言われている。独・アメリカでは所要量が設定されて
おり65〜80μg/日(ほぼ1μg/kg)である。一
方、ロシアでは200〜300μgと高い。因みにアメ
リカでの青年の摂取量は約100μg/日である(Sutt
ie J.W., et al., Am. J. Clin. Nutr., 47, p475-80,
1988) 。
【0008】それではビタミンKは不足していないのか
ということになるが、実際には、骨粗鬆症患者、特に骨
折患者の場合には非骨折患者より血清ビタミンK濃度が
低下しているとの報告が幾つかある(Hart J.P., et a
l., J. Clin. Endocr. Metab., 60, p1268-9, 1985;
白木 正孝,ビタミンK機能セミナー(プロシーディン
グ),5, p97-109, 1990; 金木ら,骨代謝学会雑誌,1
2, No. 2, p242, 1994)。また、腎透析患者の例でも0.8
nmole/L 血清を境に骨折が起きている(新聞記事;ノ
ースカロライナ大学のKohlmeier 助教授, 1995)。
【0009】また、母乳栄養児のビタミンK欠乏症の一
因は、メナキノン合成能のないビフィズス菌が多いこと
や腸内菌由来のメナキノンの肝蓄積が遅いこと、母親の
ビタミンK摂取量が不足して母乳中への移行量が十分で
ないこと等が大きな要因であるとされている。新生児メ
レナを予防するためのビタミンK筋注が小児癌発生の危
険性を増加させるかもしれないので(J.Golding, et a
l., B.M.J., 305, p341-6, 1992)、授乳婦がビタミン
Kを十分摂取して母乳中の含量を増やす方法も推奨され
ている。
【0010】こうしてみると、ビタミンKの著しい不足
は無いとされているのは、従来ビタミンKの充足度は鋭
敏さに欠けているプロトロンビン時間で測定されている
ためであると思われる。未知のものも含め多くの生理機
能を有しているビタミンKの充足度が正当に評価されて
いるかどうかは一層の検討を求められている(最新栄養
学,第6版,p202,建帛社,1991)とするのが
妥当であろう。
【0011】一方、ビタミンKを人に投与して骨形成へ
の効果を調べたものでは、骨粗鬆症の高齢女性にビタミ
ンKを投与して骨量の増加を見ている研究がある(折茂
肇ら,Clin. Eval., 20, p45-100, 1992;45mg/
日以上のMK−4投与で半年後に橈骨の骨量が増加)。
また、Knapenらは閉経後の高Caルーザーの女性
にフィロキノン1mgを2週間投与し、尿中Caの排泄
が減少、尿中ヒドロキシプロリンの増加とオステオカル
シンのGla化を報告している(Knapen M.H.,et al.,
Annals of Intern Med,111, p1001-1005, 1989)。一
方、フィロキノンやメナキノンの大量投与による毒性は
知られていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、ビタミ
ンKは骨粗鬆症を予防ないし治療する重要なビタミンで
あり、これを含む食品としては、ほうれん草、蕪の葉、
ブロッコリーなどの緑色野菜が知られていた。さらに、
ビタミンKを多く含む発酵食品として日本独特の納豆菌
を使った納豆があげられる。納豆は、日本人、とりわけ
納豆を多く摂取する東日本で骨折が少ないことに関係あ
るのではないかと考えられている(東京新聞,細井孝之
東大医局長,平成8年3月7日)。カルシウムを沢山摂
る欧米白人に比べて骨量が10〜20%少ない日本人女
性の骨折が半分と少ない、いわゆるジャパニーズパラド
ックスは、野菜や海藻を多く摂取する伝統的日本食と納
豆に理由があるとも言われている。
【0013】しかしながら、精製加工食品が氾濫する近
代の日本の食生活や、また、ビタミンKの緑色野菜や納
豆などの食品を十分に摂取できない偏食の食習慣等の場
合には、ビタミンK不足になる可能性がある。また、動
物性食品中のビタミンK含量はそんなに多くないので、
肉食に偏るとビタミンK不足に陥る可能性がある(先述
のパラドックス)。実際、高齢者や骨粗鬆症、特に骨折
者、偏食する人や抗生物質服用者、妊産授乳婦などでは
明らかにビタミンKが不足していることは先述したとお
りである。
【0014】以上のような理由により、ビタミンKは多
すぎない程度に補給する必要があるものと思われる。そ
の量は1日当たり10〜数10μgが適当と考えられ
る。しかしながら、ビタミンKを一日10〜数10μg
を摂取するためには、緑色野菜を100g摂取しなけれ
ばならない。
【0015】ビタミンKの供給源を微生物に求めた報告
も多い。しかしながら、その大半は医薬用途のビタミン
2 かK3 の製造を念頭に置いたもので、食用には適さ
ない菌が使われている場合が多い。化学合成品以外の食
品添加物としてメナキノン(抽出物、メナキノン−4を
主成分とする)が既存添加物名簿(平成7年8月10日
厚生省告示第百六十号四百十六)に収載されているが、
それには酢酸菌の一種であるアースロバクター属が利用
されている(特開昭63−230092)。ビタミンK
を精製して用いるにはよいものの、酢酸菌体あるいは発
酵産物ごと利用するには不都合も多い。
【0016】食用微生物としては、乳酸菌や酵母が最も
有望であると思われるものの、前者は、例えばビフィズ
ス菌はビタミンKを生産しないし、Bifidobacterium bi
fidum var.pennsylvanicusの様にメナジオンが成長促進
因子となって、逆に本菌に利用されてしまうものもある
(Glick M.C., et al., J. Bacteriol., 77, p230-6,19
59)。乳酸球菌や桿菌もほとんどがビタミンK生産能力
に乏しく、 Lactobacillus casei subsp. rhamnosus AT
CC7469が菌体蛋白1g当たり60nmole のビタミンK
(乾燥菌体g当たり約6μgに相当)を産生するとした
報告 (Hess A. etal., J. General Microbiol., 115, p
247-52, 1979)以外、ビタミンKの存在が定性的に示さ
れてはいても(Collins M.D. & Jones D., Microbiol. R
ev., 45, p316-54, 1981) 、定量的に乳酸菌のビタミン
K含量が示されたものはない。一方、酵母はほとんどの
場合ユビキノンを生産し、ビタミンK供給源とはならな
い。また、従来、ビタミンKを高濃度に含有する特定の
乳酸菌類をビタミンK補給食品に利用した報告例は見当
たらない。
【0017】
【課題を解決するための手段】このような状況の中で、
本発明者らは、前記従来技術に鑑みて、ビタミンKの新
たな補給源を探るために、食用発酵微生物、特にビフィ
ドバクテリウム属、ラクトバチルス属、ストレプトコッ
カス属、ラクトコッカス属、ロイコノストック属等の乳
酸菌を主体に探索研究を行った。その結果、乳酸菌のあ
る種の群が、従来の知見から予想されるのに反して、ビ
タミンK補給源として可能性のあることを見い出し、本
発明を完成するに至った。
【0018】即ち、本発明者らは、ビタミンKの新たな
補給源として有用な食用発酵微生物、さらには、当該食
用発酵微生物を含むビタミンK補給食品を開発すること
を目標として鋭意研究を積み重ねた結果、乳酸球菌であ
る Lactococcus lactis ssp.cremoris や Lactococcus
lactis ssp. lactis 、Leuconostoc lactis等が、凍結
乾燥菌体1g当たり数十〜二百数十μgのメナキノンを
産生することを見い出した(表1)。本発明者らの研究
したところによれば、この値は、例えば前述のLactobac
illus casei subsp. rhamnosus ATCC7469と比べると3
〜43倍の量に達することから、ビタミンK補給源とし
て十分実用的な範囲の含量であることが判った。
【0019】本発明に基づき、ビタミンK高生産乳酸菌
を培養してその菌体を食に供することもできる。本発明
においては、菌体の形態として生菌体あるいは死菌体い
ずれでもよく、またビタミンK補給食品の種類、および
形態は、特に限定されるものではないが、錠菓や各種粉
末食品、飲料、油脂食品などが好適なものとして例示さ
れる。また、最も経済的でかつ摂取しやすい形態として
は、ビタミンK高生産乳酸菌を使って発酵乳や乳酸菌飲
料を製造することがあげられる。前者の場合、ビタミン
K補給食品は、ビタミンKを高濃度に含有するラクトコ
ッカス属に属する細菌またはロイコノストック属に属す
る細菌を適宜の方法により食品中に含有せしめて製造さ
れる。上記細菌を含有せしめる具体的な方法としては、
特に限定されるものではないが、例えば、凍結乾燥菌
体、噴霧乾燥菌体、湿菌体、あるいはそれらの破砕物や
脂溶性画分等を食品原料中に添加する方法、粉末食品に
混合する方法、などがあげられる。また、後者の場合、
例えば、脱脂粉乳、酵母エキス、L−システイン塩酸
塩、炭酸カルシウム、糖液などの原料に、ラクトコッカ
ス属に属する細菌またはロイコノストック属に属する細
菌をスターターとして使用し、常法に従って発酵させて
発酵乳等が製造される。同様にして発酵産物をシロップ
液で希釈して、発酵菌飲料を製造することができるな
お、従来、ラクトバチルス属に属する乳酸菌を使用し
て、発酵乳等が製造されているが、ビタミンKを高濃
度、例えば、ビタミンKを凍結乾燥菌体1gあたり20
μg以上、に含有するラクトコッカス属に属する細菌ま
たはロイコノストック属に属する細菌を含む食品を製造
した例、または当該細菌をスターターとして使用してビ
タミンKを高濃度に含有する発酵食品を製造した例はこ
れまで全く報告されていない。また、植物抽出物、例え
ば大豆豆乳、アーモンド乳、米乳、果汁などを、本発明
に基づき、ビタミンK高生産乳酸菌で発酵し発酵食品を
製造、摂取することもできる。
【0020】
【作用】本発明によれば、ビタミンKを高濃度に含有す
る Lactococcus属に属する細菌またはLeuconostoc 属に
属する細菌を含むビタミンK補給食品、および当該ビタ
ミンK補給食品からなる骨粗鬆症用予防・治療用食品を
提供することができる。Lactococcus属の生産するメナ
キノンは側鎖が6〜9(MK6〜9)であり、主成分は
MK9であるが(Collins M.D. & Jones D., Microbiol.
Rev., 45, p316-54, 1981) 、生体内ではMK4に変換
されて利用される(加藤正樹ら,第50回日本栄養・食
糧学会講演要旨集,p152, 1996)。補給されたビタミン
Kは血清中のビタミンK濃度を正常化し、骨形成に関連
する疾病の予防、治療効果が期待できる。
【0021】
【実施例】次に、実施例をあげて本発明を説明するが、
本発明は当該実施例に限定されるものではない。 実施例1 ビフィドバクテリウム属、ラクトバチルス属、ストレプ
トコッカス属、ラクトコッカス属、ロイコノストック属
等の乳酸菌を、それぞれの適合液体培地(改変Rogo
sa培地)で培養し、集菌、洗浄して、湿菌体からビタ
ミンKを抽出して、薄層クロマトグラフィーで定性・定
量を行った。その結果を表1に示した。
【0022】
【表1】
【0023】上記表1に示されるように、ラクトコッカ
ス属とロイコノストック属のメナキノン含量が高いこと
が判った。
【0024】実施例2 ラクトコッカス属とロイコノストック属をさらに詳しく
探索した。各種菌体を、それぞれの適合液体培地(改変
Rogosa培地)で培養し、集菌、洗浄して、凍結乾
燥後の菌体からビタミンKを抽出して、薄層クロマトグ
ラフィーで定性・定量を行った。その結果を表2に示し
【0025】ビタミンKの補給は、一日10〜数10μ
gが目安となるので、これをもし通常の発酵乳200mL
で補給しようとすると、表2中に下線を付した菌株が実
用的なビタミンK産生乳酸菌として好ましいことが推測
できる。下記表2に示されるように、とりわけ、Lactoc
occus lactis ssp. lactis YIT2016 (ATCC 13675)、ss
p. cremoris YIT2007 (ATCC 19257) 、ssp. cremoris Y
IT2011 (FERM P-15769)、ssp. cremoris YIT2012 (FERM
P-15770)、Leuconostoc lactis YIT3001 (ATCC 19256)
が好ましいことがわかった。
【0026】
【表2】
【0027】実施例3 脱脂粉乳20gと酵母エキス0.2g、L-システイン塩
酸塩0.06g、炭酸カルシウム0.4gを含む200
mLの溶液を作り、121℃で15分間滅菌後、Lactoc
occus lactis ssp. cremoris YIT2011および YIT2012の
スターター培養液を1%接種した。また、さらに酵母エ
キスを1gに増量した同様の粉乳溶液を作り、121℃
で15分間滅菌後、Leuconostoc lactis YIT3001のスタ
ーター培地を2%接種して、いずれも孵卵器中で乳が凝
固するまで30℃で培養し、発酵乳を製造した。得られ
た発酵乳を凍結乾燥粉末とし、クロロホルム−メタノー
ル混液で脂溶性画分を抽出し、HPLCでメナキノンの
定量を行った。その結果、YIT2011株では発酵乳200m
L換算で10.8μgのメナキノンが、同じくYIT2012で
5.2μg、YIT3001 で13.8μgのメナキノンが得
られた。なお、対照に用いたスターターを接種しなかっ
た培地についても同様に処理、分析を行った結果、メナ
キノンは検出されなかった。
【0028】実施例4 4gの乳糖と炭酸カルシウム0.4gを添加した200
mLの豆乳を115℃で15分オートクレーブ滅菌し、La
ctococcus lactis ssp. cremoris YIT2011スターターを
1%接種し、30℃で2日間培養した。この時の酸度は
5.7でpHは4.92であった。この発酵カードをホ
モゲナイズして、シロップを混合し発酵豆乳を製造し
た。官能的にも良好な液状発酵豆乳であった。ホモゲナ
イズしたカードの一部を凍結乾燥粉末とし、クロロホル
ム−メタノール混液で脂溶性画分を抽出し、HPLCで
メナキノンの定量を行った。その結果、YIT2011 株では
発酵乳200mL換算で12.8μgのメナキノンが検出
された。
【0029】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、ビタミ
ンKを高濃度に含有するラクトコッカス属に属する細菌
またはロイコノストック属に属する細菌を含むことを特
徴とするビタミンK補給食品に係るものであり、本発明
によれば、ビタミンKを高濃度に含有するビタミンK補
給食品を提供することができる。本発明のビタミンK補
給食品は、骨粗鬆症を予防ないし治療する骨粗鬆症予防
・治療用食品として有用である。本発明に基づき、ビタ
ミンK含有発酵乳や乳酸菌飲料を簡便に製造できるた
め、ビタミンK補給食品の選択範囲を従来よりさらに広
がったものとすることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61K 35/74 ABJ A61K 35/74 ABJA (72)発明者 田村 なつ子 東京都港区東新橋1丁目1番19号 株式 会社ヤクルト本社内 (56)参考文献 特開 平8−9916(JP,A) 特開 平8−73396(JP,A) 特開 昭62−3740(JP,A) 特開 昭59−156254(JP,A) 特開 平8−56566(JP,A) 特開 平6−327401(JP,A) 特公 昭38−23090(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01J 1/00 - 27/04 A23C 1/00 - 23/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビタミンKを高濃度に含有する乳酸菌を含
    むビタミンK補給食品であって、該乳酸菌がラクトコッ
    カス属またはロイコノストック属に属する細菌である
    とを特徴とするビタミンK補給食品。
  2. 【請求項2】前記ビタミンKが、ビタミンK2 (メナキ
    ノン)である請求項1記載のビタミンK補給食品。
  3. 【請求項3】前記ラクトコッカス属に属する細菌または
    ロイコノストック属に属する細菌が、ビタミンKを凍結
    乾燥菌体1gあたり20μg以上含有する細菌である、
    請求項1または2記載のビタミンK補給食品。
  4. 【請求項4】前記ラクトコッカス属に属する細菌が、ラ
    クトコッカス・ラクチス・ssp. ラクチスまたはラクト
    コッカス・ラクチス・ssp. クレモリスであるか、また
    は前記ロイコノストック属に属する細菌が、ロイコノス
    トック・ラクチスである、請求項1、2または3記載の
    ビタミンK補給食品。
  5. 【請求項5】前記食品が、発酵乳である、請求項1ない
    し4記載のビタミンK補給食品。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5記載のビタミンK補給食
    品からなる骨粗鬆症予防・治療用食品。
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