≪ゲームシステムの説明≫
図面を参照して、本発明が適用されるゲームシステム6について説明する。
図1は、ゲームシステム6を説明するための外観図である。以下、据置型ゲーム装置を一例にして、本発明のゲームシステム6について説明する。
図1において、ゲームシステム6は、スピーカ9aおよびディスプレイ9bを備えた家庭用テレビジョン受像機等のモニタ装置9に、接続コードを介して接続される据置型ゲーム装置(以下、単にゲーム装置と記載する)10および当該ゲーム装置10に操作情報を与えるコントローラ7によって構成される。ゲーム装置10には、交換可能な記憶媒体の一例である光ディスク4がセットされるとともに、ゲームのセーブデータ等を不揮発的に記憶する着脱自在のメモリカード5が必要に応じて装着される。ゲーム装置10には、ゲームの主電源である電源ON/OFFスイッチ、光ディスク4の着脱を行うイジェクトスイッチが設けられている。
コントローラ7は、遊戯者によって操作され、その操作内容を示す操作信号をゲーム装置10に対して送信する装置である。ゲーム装置10は、コントローラ7から送信されてくる操作信号に応じてゲームを開始・終了させ、ゲームを進行させる等の制御を行う。コントローラ7とゲーム装置10との通信は、無線で行われる。通信方式としては、たとえばBluetooth(ブルートゥース;登録商標)の方式が用いられる。この通信のための通信ユニットとしては、コントローラ7は通信部75(図4参照)を備え、ゲーム装置10は受信ユニット36a(図2参照)を備えている。なお、1台のゲーム装置10に対して1台〜4台のコントローラ7を無線接続することが可能である。すなわち、ゲーム装置10は、4台までの異なるコントローラ7から送られてくる操作信号をそれぞれ識別して受信する機能を備えている。
なお、モニタ装置9の左右上面には、コントローラ7に対してモニタ装置9の位置を知らせるための発光部8L,Rが取り付けられている。発光部8L,Rは、それぞれ赤外線LEDを内蔵しており、ゲーム装置10の動作中は赤外線で発光する。
次に、図2のブロック図を参照して、ゲーム装置10の機能的構成について説明する。図2において、ゲーム装置10は、各種プログラムを実行する例えばリスク(RISC)CPU(Central Processing Unit)30を備える。CPU30は、図示しないブートROMに記憶された起動プログラムを実行し、メインメモリ33等のメモリの初期化等を行った後、光ディスク4に記憶されているゲームプログラムを実行し、そのゲームプログラムに応じたゲーム処理等を行うものである。CPU30には、メモリコントローラ31を介して、GPU(Graphics Processing Unit)32、メインメモリ33、DSP(Digital Signal Processor)34、およびARAM(Audio RAM)35が接続される。また、メモリコントローラ31には、所定のバス42を介して、コントローラI/F(インターフェース)36、ビデオI/F37、外部メモリI/F38、オーディオI/F39、およびディスクI/F41が接続され、それぞれ受信ユニット36a、モニタ装置9、外部メモリカード5、スピーカ9a、およびディスクドライブ40が接続されている。
GPU32は、CPU30の命令に基づいて画像処理を行うものであり、例えば、3Dグラフィックスの表示に必要な計算処理を行う半導体チップで構成される。GPU32は、図示しない画像処理専用のメモリやメインメモリ33の一部の記憶領域を用いて三次元の仮想空間(ゲーム空間)の各コマの画像(公知の透視投影法による二次元画像)を生成し、この画像にカーソル等の画像を合成する等して生成したゲーム画像をメモリコントローラ31およびビデオI/F37を介してモニタ装置9(ディスプレイ9b)に出力する。
メインメモリ33は、CPU30で使用される記憶領域であって、光ディスク4から読み出されたゲームプログラムや各種データ等を適宜記憶する。
DSP34は、ゲームプログラム実行時にCPU30において生成されるサウンドデータ等を処理するものであり、そのサウンドデータ等を記憶するためのARAM35が接続される。ARAM35は、DSP34が所定の処理(例えば、先読みしておいたゲームプログラムやサウンドデータの記憶)を行う際に用いられる。DSP34は、ARAM35に記憶されたサウンドデータを読み出し、メモリコントローラ31およびオーディオI/F39を介してモニタ装置9に備えるスピーカ9aに出力させる。
メモリコントローラ31は、データ転送を統括的に制御するものであり、上述した各種I/Fが接続される。受信ユニット36aは、コントローラI/F36を介してメモリコントローラ31に接続される。上述したように受信ユニット36aは、コントローラ7からの送信データを受信し、コントローラI/F36およびメモリコントローラ31を介して当該送信データをCPU30へ出力する。ビデオI/F37には、モニタ装置9が接続される。外部メモリI/F38には、外部メモリカード5が接続され、その外部メモリカード5に設けられたバックアップメモリ等とアクセス可能となる。
オーディオI/F39にはモニタ装置9に内蔵されるスピーカ9aが接続され、DSP34がARAM35から読み出したサウンドデータやディスクドライブ40から直接出力されるサウンドデータをスピーカ9aから出力可能に接続される。ディスクI/F41には、ディスクドライブ40が接続される。ディスクドライブ40は、所定の読み出し位置に配置された光ディスク4に記憶されたデータを読み出し、ゲーム装置10のバス42やオーディオI/F39に出力する。
次に、図3を参照して、コントローラ7について説明する。
コントローラ7は、例えばプラスチック成型によって形成されたハウジング71を有している。ハウジング71は、その前後方向を長手方向とした略直方体形状を有しており、全体として大人や子供の片手で把持可能な大きさである。
ハウジング71上面の中央前面側に、十字キー72cが設けられる。この十字キー72cは、十字型の4方向プッシュスイッチであり、矢印で示す4つの方向(前後左右)に対応する操作部分が十字の突出片にそれぞれ90°間隔で配置される。遊戯者によって十字キー72cのいずれかの方向の操作部が押下されると、その方向を示す操作信号が、コントローラ7からゲーム装置10に送信される。遊戯者が十字キー72cを操作することにより、例えば、ゲーム空間に登場するキャラクタの移動方向を指示したり、カーソルの移動方向を指示したりすることができる。
ハウジング71上面の十字キー72cより後側には、多数のボタンスイッチが設けられており、各ボタンがオンされると、対応する操作信号がコントローラ7からゲーム装置10へ送信される。これらのボタンスイッチのうち、最も前方(十字キー72c寄り)に設けられているものが、Aボタン72aである。
一方、ハウジング71下面には、凹部が形成されている。ハウジング71下面の凹部は、遊戯者がハウジング71を把持したとき、この遊戯者の人差し指や中指が位置するような位置に形成される。そして、上記凹部の後面側傾斜面には、ボタンスイッチ72bが設けられる。このボタンスイッチ72bは、Bボタンとして機能する操作部である。
これらAボタン72a、Bボタン72bは、ゲームプログラムにおいて、遊戯者がゲームに対する主要な操作を行うボタンスイッチとして設定される。
なお、ハウジング71上面の十字キー72cより前面側に設けられているボタンスイッチ72hは、遠隔からゲーム装置10本体の電源をオン/オフする電源スイッチである。
また、ハウジング71前面には、コントローラ7前方の画像を撮像するための撮像素子743(図4参照)が設けられている。撮像素子743は、撮像情報演算部74(図4参照)の一部を構成している。撮像素子743は、コントローラ7がモニタ装置9に向けて支持されているとき、モニタ装置9の上面に設けられた発光部8L,Rを撮像する。撮像情報演算部74は、撮像素子743における発光部8L,Rの撮像位置によってコントローラ7の向きを検出する。
次に、図4のブロック図を参照して、コントローラ7の内部構成について説明する。
図4において、コントローラ7は、上述した操作部72および撮像情報演算部74の他に、その内部に通信部75、加速度センサ701およびバイブレータ704を備えている。
撮像情報演算部74は、赤外線フィルタ741、レンズ742、撮像素子743、および画像処理回路744を含んでいる。赤外線フィルタ741は、コアユニット70の前方から入射する光から赤外線のみを通過させる。レンズ742は、赤外線フィルタ741を透過した赤外線を集光して撮像素子743へ出射する。撮像素子743は、例えばCMOSセンサのような固体撮像素子であり、レンズ742が集光した赤外線を撮像する。したがって、撮像素子743は、赤外線フィルタ741を通過した赤外線だけを撮像して画像データを生成する。撮像素子743で生成された画像データは、画像処理回路744で処理される。具体的には、画像処理回路744は、撮像素子743から得られた画像データを処理して高輝度部分、すなわち発光部8L,Rからの光を検出し、それらの位置座標を示す座標データを通信部75へ出力する。
加速度センサ701は、コントローラ7の上下方向、左右方向および前後方向の3軸でそれぞれ加速度を検知する加速度センサである。なお、加速度センサ701は、必要な操作信号の種類によっては、上下方向、左右方向の2軸でそれぞれ加速度を検出する加速度センサが用いられてもかまわない。加速度センサ701が検知した加速度を示すデータは、通信部75へ出力される。なお、加速度センサ701は、典型的には静電容量式の加速度センサが用いられるが、他の方式の加速度センサやジャイロセンサを用いてもかまわない。
通信部75は、マイクロコンピュータ(Micro Computer:マイコン)751、メモリ752、無線モジュール753、およびアンテナ754を含んでいる。マイコン751は、処理の際にメモリ752を記憶領域として用いながら、送信データを無線送信する無線モジュール753を制御する。
操作部72からの操作信号(キーデータ)、加速度センサ701からの加速度信号(加速度データ)、および撮像情報演算部74からの座標データは、マイコン751に出力される。マイコン751は、入力した各データ(キーデータ、加速度データ、座標データ)を受信ユニット36aへ送信する送信データとして一時的にメモリ752に格納する。
ここで、通信部75から受信ユニット36aへの無線送信は、所定の周期毎に行われるが、ゲームの処理は1/60を単位として行われることが一般的であるので、それよりも短い周期で送信を行うことが必要となる。具体的には、ゲームの処理単位は16.7ms(1/60秒)であり、Bluetooth(ブルートゥース;登録商標)で構成される通信部75の送信間隔は5msである。マイコン751は、受信ユニット36aへの送信タイミングが到来すると、メモリ752に格納されている送信データを一連の操作情報として出力し、無線モジュール753へ出力する。そして、無線モジュール753は、例えばBluetooth(ブルートゥース;登録商標)の技術を用いて、所定周波数の搬送波を用いて操作情報をその電波信号としてアンテナ754から放射する。
バイブレータ704は、例えば振動モータ又はソレノイド等が考えられる。バイブレータ704が作動することによってコアユニット70に振動が発生するので、それを把持している遊戯者の手にその振動が伝達され、いわゆる振動対応ゲームが実現できる。
≪ゲームプログラムの説明≫
次にこのゲーム装置で実行されるゲームプログラムについて説明する。このゲームプログラムは、いわゆるハンティングアクションゲームであり、遊戯者が操作するプレイヤキャラクタが村に住みついてハンターとなり、村で依頼を受けたモンスターの討伐・捕獲やアイテムの運搬・採取等の様々なミッション(クエスト)に挑むゲームである。
このゲームでは、通常のアクションゲームと異なり、プレイヤキャラクタが村の住人となって生活し、生活にまつわる種々の活動(食事、釣り等)をしながら、村人から依頼された狩猟等のクエストを行う。クエストをクリアすると、村人から報酬(資源)を受け取ることができる。クエストをクリアするためには薬草やキノコなどのアイテムを入手して体力回復や武器の強化を行うことが必要である。アイテムの中には、クエスト中での採取によってのみ入手可能なものがあるが、村の農場を利用すれば、クエストに向かうことなくこれらのアイテムを増やすことができる。すなわち、プレイヤキャラクタはクエスト中に採取したアイテムを村に持ち帰り、村の農場で栽培(生産)して増やし、収穫することができる。
図5は、ハンティングアクションゲームのゲーム空間を説明する図である。遊戯者が操作するプレイヤキャラクタ1は普段は村11で生活し、農場12にアイテムの栽培を依頼したり、栽培されたアイテムを収穫する。農場12では、ノンプレイヤキャラクタである管理人キャラクタ2と複数の耕作者キャラクタ3a、3b等が活動している。なお、耕作者キャラクタの数は二匹に限定されない。管理人キャラクタ2は、プレイヤキャラクタ1から栽培の依頼を受けると、耕作者キャラクタ3a、3b等に栽培の指示を出し、耕作者キャラクタ3a、3b等は、栽培の依頼内容の通りにアイテムを栽培する。プレイヤキャラクタ1は村11でクエストの依頼を受けると、フィールド(ステージ)13aや13bでモンスターの狩猟等のクエストを行う。プレイヤキャラクタ1は、クエストを実行するためにフィールド13へ出掛けたとき、そのフィールドに存在する各種のアイテムを採取することができる。採取したアイテムはプレイヤキャラクタの所持品リストに加えられ、いつでも使用できるようになる。
図6は、ゲーム空間内に生成された農場12を説明する図であり、図6(A)は、ゲーム開始時の最小規模の農場12の説明図、図6(B)は、ゲームの進行により最大規模に拡張された農場12の説明図である。農場12の管理人キャラクタ2は老人の外観をしており、耕作者キャラクタ3(3a、3b、3c)は猫の外観をしている。プレイヤキャラクタ1は、農場12において、管理人キャラクタ2にアイテムと資源(お金)を渡してアイテムの栽培を依頼する。栽培が完了すると、栽培結果物は栽培1回ごとに、アイテムを溜めておくことができる仮想のゲーム空間上の箱(収穫BOX)に入れられる。その後、プレイヤキャラクタ1は農場12へ行って、その栽培結果物を収穫BOXからプレイヤキャラクタ1の所持品リストに追加する(収穫する)ことができる。
管理人キャラクタ2は、耕作者キャラクタ3にこのアイテムの栽培を行わせる。アイテムの栽培はゲームにおける1昼夜で完了する。1昼夜は、プレイヤキャラクタ1がクエストをクリアするためにフィールドへ出掛け、村に戻ってきたとき、ゲーム空間内で経過している時間である。したがって、プレイヤキャラクタ1が、1つのクエストをクリアして村に戻ってきたとき、農場12におけるアイテムの栽培が終了しており、その栽培結果物を収穫することができる。なお、プレイヤキャラクタ1がクエストを達成することができなかった場合でも、5分以上村の外(フィールド等)へ外出していたときは、ゲーム空間内では1昼夜が経過し、栽培結果物の収穫が可能になる。5分以内の村外への外出を1回として処理しないのは、アイテムの栽培のみが目的で、5分以内の短時間で村へ戻り、回数を稼ぐような行為を排除するためである。
このように、プレイヤキャラクタ1が農場12にアイテムの栽培を依頼したのち1つのクエストをクリアすると、その栽培は完了するが、複数回の栽培を一括して依頼することも可能である。この場合、1回の依頼ののち、プレイヤキャラクタ1は複数回のクエスト(または外出)に出掛けるが、村に戻ってくる毎に毎回栽培結果物を収穫するか、複数回の外出の後でまとめて栽培結果物を収穫するかは自由に選択することができる。連続栽培が可能な回数は、農場施設の規模で異なる。
農場施設は、プレイヤキャラクタ1がフィールド13で農場用のアイテムを採取する、または、ゲーム空間に現れる交易船からアイテムを購入することによってその規模を拡張する(規模レベルを上げる)ことができる。農場施設が拡張されると、同時に栽培できるアイテム数が増加するとともに、連続して栽培できる回数も増加する。最大連続栽培回数は、例えば、最初は3回まで、次は5回まで、さらに10回まで、というように施設の規模レベルが上がるごとに増加する。
図6(A)は、初期設定時の最小規模の農場12であるため、農場施設が畑21とキノコ箱22しかなく、それぞれの施設の規模レベルも低い。畑21のうねの数が少なく、キノコ箱22の大きさも小さい。一方、図6(B)は、全施設の規模レベルが最大であるため、(A)に比べて農場施設にハチミツ箱23と虫箱24が増えており、畑21のうねの数も多く、キノコ箱22の大きさが大きい。このように、施設の規模レベルが上がると、その機能の向上とともにゲーム画面に表される画像も変化する。
耕作者キャラクタ3の数は、プレイヤキャラクタ1がフィールドで所定のアイテムを取得する、および、クエストをクリアしていくことにより増加する。耕作者キャラクタ3(3a、3b、3c)は、同時に1種類のアイテムの栽培しか行うことができない。すなわち、プレイヤキャラクタ1は、1匹の耕作者キャラクタ3に対して同時に複数種類のアイテムの栽培を依頼することができないため、耕作者キャラクタ3の数が少ない場合には、農場12で多種類のアイテムを並行して栽培することができない。そこで、耕作者キャラクタ3の数を増やすことによって、同時に栽培するアイテムの種類を増やすことができる。また、同じアイテムを複数の耕作者キャラクタ3(3a、3b、3c)に並行して栽培させることにより、収穫数を増やすことができる。
図6(A)に示す農場12は、初期設定時の小規模なものであるため、耕作者キャラクタ3は、1匹(3a)である。一方、図6(B)に示す農場12は、ゲームが進行したのちの大規模なものであるため、耕作者キャラクタ3は3匹(3a、3b、3c)存在する。この3匹の耕作者キャラクタ3に複数回の栽培を依頼することにより、多くの収穫数を得ることができるとともに、各耕作者キャラクタ3a、3b、3cに同じアイテムを栽培させたり、それぞれ異なるアイテムを栽培させたりすることにより、さまざまなバリエーションの栽培を行わせることができる。
各耕作者キャラクタ3a、3b、3cには個性があり、それぞれ調子の波や気分の変化を持っている。また、それぞれの栽培の経験に応じて熟練度や疲労度が付与される。これらの複数の要素に応じて、収穫物の数や収穫されたアイテムの質などの栽培の内容が変化する。
さらに、各耕作者キャラクタ3a、3b、3cの近傍(頭の上付近)には小さな吹き出しウィンドウ5a、5b、5cが設けられており、このウィンドウの中には、栽培しているアイテムのアイコンや連続栽培日数等、そのキャラクタの栽培に関する情報が表示される。このウィンドウの表示内容については図12で後述する。この吹き出しウィンドウ5a、5b、5cは農場12のゲーム画面に常に表示されており、遊戯者は農場に来るだけで一見して現在の栽培状況を把握することができる。したがって、遊戯者はわざわざ管理人キャラクタ2に話しかける操作をしなくても、各耕作者キャラクタ3a、3b、3cの栽培状況を知ることができ、操作の手間を省くことができる。
なお、この吹き出しウィンドウは耕作者キャラクタ3ごとに設けられているため、耕作者キャラクタ3の数と同じ数だけ設けられる。図6(A)では耕作者キャラクタが1匹(3a)なのでウィンドウも1つ(5a)設けられており、図6(B)では耕作者キャラクタが3匹(3a、3b、3c)なのでウィンドウも3つ(5a、5b、5c)設けられている。
この吹き出しウィンドウ5a、5b、5cは農場で働く耕作者キャラクタ3a、3b、3cの上に小さく表示するため、ゲーム空間の邪魔にならない。そして、遊戯者が栽培依頼や収穫をする場合、管理人キャラクタ2に話しかける操作をし、ゲーム空間の画像(吹き出しウィンドウ含む)の前に別の大きな独立ウィンドウ(栽培依頼ウィンドウ、収穫BOXウィンドウ等)を表示させ、そのウィンドウを通して操作を行う。したがって、通常のゲーム画面では吹き出しウィンドウ5a、5b、5cのみが表示されており、栽培依頼や収穫の操作を行うことはできないが、栽培依頼や収穫の操作をする場合、専用のウィンドウをゲーム画面に大きく表示するため、操作に支障はない。このように、2種類のウィンドウを使い分けることにより、遊戯者の操作を容易にし、ゲームの進行をスムーズに行うことができる。
また、フィールド13には、薬草やキノコなどのアイテムの栽培時に肥料として使用できるアイテムも存在している。プレイヤキャラクタ1は、フィールド13で肥料になるアイテムを採取し、栽培を依頼するときに管理人キャラクタ2にこのアイテムを肥料として渡すことにより、収穫数を増やすことができる。なお、肥料はゲーム空間内に現れる交易船から購入することもできる。
このようなゲームを実行するゲームプログラムを上述したゲーム装置に読み込ませることにより、図7(A)に示すようなゲームシステムを機能的に実現することができる。ゲームシステムは、操作検出部50、ゲーム進行制御部51、描画処理部58からなっている。ゲーム進行制御部51は、プレイヤキャラクタ制御部52、ノンプレイヤキャラクタ制御部53、ゲーム空間制御部56を含んでいる。また、ノンプレイヤキャラクタ制御部53は、管理人キャラクタ2を制御する管理人キャラクタ制御部54および複数の耕作者キャラクタ3を制御する耕作者キャラクタ制御部55を含んでいる。さらに、ゲーム空間制御部56は、管理人キャラクタ2、耕作者キャラクタ3等が活動する農場を制御する農場制御部57を含んでいる。
操作検出部50は、CPU30、GPU32等のデータ処理部およびコントローラ7を含み、遊戯者の各種操作を検出して、ゲーム進行制御部51に伝達する。ゲーム進行制御部51は、CPU30、GPU32等のデータ処理部を含み、仮想のゲーム空間やキャラクタを生成するとともに、遊戯者の操作や時間の経過等に応じて、上述のゲーム空間を変化させたりキャラクタを活動させたりする等の処理を行ってゲームを進行させる。
プレイヤキャラクタ制御部52は、操作検出部50から入力される操作情報に基づいてプレイヤキャラクタ1を生成するとともに、その活動を制御する。ノンプレイヤキャラクタ制御部53は、生成されたゲーム空間内で活動する管理人キャラクタ2および耕作者キャラクタ3を含むノンプレイヤキャラクタを生成するとともに、その活動を制御する。管理人キャラクタ制御部54、耕作者キャラクタ制御部55は、それぞれ管理人キャラクタ2、耕作者キャラクタ3を生成するとともに、その活動を制御する。ゲーム空間制御部56は、操作検出部50から入力された操作情報に基づいて選択されたゲームエリアのゲーム空間を生成するとともに、そのゲーム空間の天候や昼夜の変更などの環境を制御する。
農場制御部57は、ゲーム空間内の農場エリア12を生成し、その農場エリア12の環境を制御する。すなわち、農場制御部57は、プレイヤキャラクタ1が持ち込むアイテムに応じて畑のうね数やキノコ箱の大きさ等の施設の規模を設定するとともに、プレイヤキャラクタ1の依頼に応じたアイテムの栽培を制御する。このため、農場制御部57は、農場の規模、栽培アイテムの収穫数、最大連続栽培回数等を規定するデータを記憶する記憶部を有している。また、農場制御部57は、ゲームの進行に応じて耕作者キャラクタ3の数を制御しており、各耕作者キャラクタ3の調子や気分等の個性の制御も行っている。描画処理部58は、ゲーム進行制御部51が生成したゲーム空間、キャラクタを二次元のスクリーンに投影したゲーム画像を生成してモニタ9bに出力する。
図7(B)は、プレイヤキャラクタ制御部52に設定されているプレイヤキャラクタ1に関するデータ記憶エリアを示す図である。プレイヤキャラクタ制御部52は、プレイヤキャラクタ1が所持している資源(お金)の額を記憶する資源記憶エリアおよび所有アイテムを記憶する所有アイテム記憶エリアを有している。資源(お金)は、クエストをクリアすることによって報酬として獲得でき、アイテムはクエスト中に採取したり村の店で購入したりして取得できる。そして、農場での栽培依頼により資源(お金)は減少し、収穫によりアイテムは増加する。これらの資源(お金)、アイテムの増減をプレイヤキャラクタ制御部52が制御している。
図8は、農場制御部57に設定される各種データ記憶エリアを示す図である。
図8(A)は、栽培管理テーブルを示す図である。このテーブルは、農場12に存在する耕作者キャラクタ3(3a,3b,3c)ごとに設定され、各耕作者キャラクタ3が依頼されている栽培の内容についてのデータを記憶する。このテーブルには、耕作者キャラクタ3のそれぞれについて、栽培アイテム、使用施設、連続栽培回数、肥料アイテムのデータの記憶エリアが設定されている。栽培アイテムは、プレイヤキャラクタ1によって栽培を依頼されたアイテムの種類であり、使用施設は、そのアイテムを栽培するのに使用する施設である。また、連続栽培回数は、プレイヤキャラクタ1から依頼された連続栽培回数である。1回の栽培が終了するごとにこの連続栽培回数は減算されるため、連続栽培回数のデータは、プレイヤキャラクタ1から依頼された回数のうち残りの回数を示している。肥料アイテムは、プレイヤキャラクタ1が栽培に使用した肥料アイテムの種類である。
農場制御部57には、耕作者キャラクタ3のそれぞれについて栽培管理テーブルとともに収穫BOXも設けられている。収穫BOXは、各耕作者キャラクタ3が栽培したアイテムを保管しておく仮想のゲーム空間上の箱であり、容量が一杯になるまで溜めておくことができる。プレイヤキャラクタ1は、この収穫BOXから、栽培されたアイテムを収穫して、自分の所持品に加えることができる。
なお、耕作者キャラクタ3の全施設での合計栽培回数(後述、図8(C))が多くなるほど、耕作者キャラクタ3のレベルが上がり、レベルアップとともに収穫BOXの容量は大きくなる。例えば、合計栽培回数が10回未満の場合、耕作者キャラクタ3のレベルは1で、収穫BOXの容量はアイテム10個分とする。そして、合計栽培回数が10回以上の場合、耕作者キャラクタ3のレベルは2で、収穫BOXの容量はアイテム30個分とする。さらに、合計栽培回数が20回以上の場合、耕作者キャラクタ3のレベルは3で、収穫BOXの容量はアイテム50個分とする。したがって、合計栽培回数が少ないうちは、すぐに収穫BOXの容量が一杯になり、何度も収穫する必要があるが、合計栽培回数が多くなると、収穫BOXに余裕が生まれ、長時間アイテムを溜めておいて複数回分まとめて収穫することができるようになる。この耕作者キャラクタ3のレベルの変化は、吹き出しウィンドウの内容の変化にも用いられる。
図8(B)は、農場制御部57に設定されている耕作者キャラクタ連続栽培回数テーブルを示す図である。このテーブルは、耕作者キャラクタ3a、3b、3cのそれぞれが現在栽培している施設および、その施設での連続栽培回数を記憶している。耕作者キャラクタ3を同じ施設で働かせ続けると、疲労度が溜まって調子が下がり、疲労度が高いほど栽培結果物の数を低下させる。この制御をするために、このテーブルに1つの施設での連続栽培回数を記憶し、この連続栽培回数に基づいて疲労度を決定する。すなわち、連続栽培回数が多いほど疲労度を高くし、栽培結果物の数を減少させる。例えば、3回以上連続の場合疲労度1、6回以上連続の場合疲労度2とする。疲労度は、後述(図11)の調子曲線の値に影響し、疲労度の値が高いほど、調子値曲線の値が減少する。
キャラクタ3aは、キノコ箱22で3回連続作業をしているため、疲労度が1となり、通常よりも能力が低下する。このように、耕作者キャラクタ3を同じ施設で連続して栽培させ続けると疲労度が高くなって栽培の効率が悪くなるため、耕作者キャラクタ3の配置や連続栽培回数に工夫が必要になり、ゲームの趣向を高めることができる。
図8(C)は、農場制御部57に設定されている耕作者キャラクタ栽培回数テーブルを示す図である。このテーブルは、耕作者キャラクタ3a、3b、3cのそれぞれが各農場施設で栽培を行った回数を記憶している。農場制御部57は、各施設での栽培回数に基づいて、耕作者キャラクタ3の各施設に対する熟練度を決定し、この熟練度が高いほど栽培成功の確率を上げる。栽培回数が0〜3回の場合は熟練度1、栽培回数が4〜10回の場合は熟練度2、栽培回数が11回以上の場合は熟練度3にそれぞれ決定する。この熟練度は成功確率テーブルの選択に影響し、熟練度が高いほど、栽培成功確率の高いテーブルを選択する。
キャラクタ3aは、虫箱24では0回、ハチミツ箱23では1回しか栽培していないため、両施設に対する熟練度は1である。一方、畑21では5回、キノコ箱22では7回栽培しているため、両施設に対する熟練度は2である。このようにキャラクタごとに各施設に対する熟練度を設け、栽培成功確率を変化させることで、遊戯者はキャラクタごとに得意な施設を作り、栽培したいアイテムによってキャラクタを使い分けることができる。
また、図8(C)は、各耕作者キャラクタ3a、3b、3cの全施設での合計栽培回数も記憶しており、これに基づいて各キャラクタのレベルを変化させ、収穫BOXの容量を大きくする。例えば、耕作者キャラクタ3aは、合計栽培回数が13回であるため、キャラクタのレベルは2で、収穫BOXの容量をアイテム30個分とする。
図8(D)は、農場制御部57に設定されている農場管理テーブルを示す図である。このテーブルは、畑21、キノコ箱22、ハチミツ箱23、虫箱24の農場施設の各々について、規模レベル(0〜3)および最大連続栽培回数を記憶している。同図に示す例では、畑21は規模レベル1、キノコ箱22は規模レベル2である。規模レベルは、プレイヤキャラクタ1が施設拡張用のアイテムを管理人キャラクタ2に渡すことにより1ずつ上げることができる。なお、規模レベル0はその施設がないことを意味し、例えば、ハチミツ箱23および虫箱24は、初期設定時は存在しないため、アイテムにより出現させるまで規模レベル0である。施設の規模レベルが上がると、その機能の向上とともにゲーム画面に表される画像(うね数や箱の大きさ等)も変化する。
また、最大連続栽培回数は、1回の依頼で連続して栽培できる回数の上限であり、施設の規模レベルに応じた回数にゲームプログラムにより自動設定される。規模レベルが1のときは3回であり、規模レベルが2のときは5回であり、規模レベルが3のときは10回である。例えば、畑21は規模レベル1で3回、キノコ箱22は規模レベル2で5回である。規模レベル0(施設がない)では、栽培依頼をすることができないため、最大連続栽培回数は0になる。例えば、規模レベル0のハチミツ箱23、虫箱24は0回である。
さらに、農場管理テーブルは、耕作者キャラクタ3の数も記憶している。プレイヤキャラクタが所定のクエストをクリアし、所定のアイテムを取得した旨がプレイヤキャラクタ制御部52から通知されると、これに応じて農場制御部57が耕作者キャラクタ3の数を増加させる。農場制御部57は、耕作者キャラクタ制御部55に耕作者キャラクタ3の数を通知し、その人数(匹数)のキャラクタを農場で活動させる。
図9は、農場制御部57に設定されるゲーム処理用の各種データ記憶エリアを示す図である。この図の各種データは、図8に示した各種データと異なり、ゲームプログラムの一部として予め光ディスク4に記憶されているものであり、ゲームの進行に応じて書き換えられるものではない。
図9(A)は、農場制御部57に設定されている耕作者キャラクタ3のランダム気分テーブルを示す図である。このテーブルは、耕作者キャラクタ3が、いずれかの農場施設で仕事をしたい気分になる確率を記憶したテーブルである。すなわち、耕作者キャラクタ3は、このテーブルに記憶されている確率で、いずれかの農場施設で仕事をしたい気分になり、この施設で仕事をすると栽培の効率が他の施設の場合よりも高くなる。このテーブルでは、耕作者キャラクタ3a、3b、3cのそれぞれについて別々に確率が設定されている。
農場制御部57は、1回の栽培ごとに、このランダム気分テーブルの確率で抽選を行い、各耕作者キャラクタ3の気分を決定する。耕作者キャラクタ3の気分は、後述(図11)の調子値曲線の値に影響し、仕事をしたい施設で仕事(栽培)をした場合には、調子値曲線の値が増加する。
例えば、図9(A)の耕作者キャラクタ3aの場合、仕事したい気分になる施設無しが50%、畑21とハチミツ箱23が15%ずつ、キノコ箱22と虫箱24が10%ずつの確率に設定されている。耕作者キャラクタ3bの場合、仕事したい気分になる施設無しが20%、畑21、キノコ箱22、ハチミツ箱23、虫箱24も20%ずつの確率に設定されている。耕作者キャラクタ3cの場合、仕事したい気分になる施設無しが30%、畑21とキノコ箱22が15%ずつ、ハチミツ箱23と虫箱24が20%ずつの確率に設定されている。このように、各耕作者キャラクタ3ごとに、特定の施設で仕事をしたい気分になる確率が異なっており、キャラクタの個性が栽培に反映される。
この実施形態では、後述する栽培処理(図16(B))の中で、農場制御部57が気分テーブルに基づき次回の栽培での仕事したい気分になる施設を予め決定している。そして、決定した施設の情報は、ゲーム開始時は表示されないが、耕作者キャラクタ3が所定のレベルに達すると、ゲーム画面上の吹き出しウィンドウ内に表示される(図12で詳述)。これにより、遊戯者はゲームが進行すると、どの施設で栽培を行うと効率的かを知ることができるようになり、その仕事したい気分になる施設を優先的に利用して栽培結果物の数を増やすことができる。
図9(B)は、農場制御部57に設定されている栽培結果物数テーブルを示す図である。このテーブルは、1回の栽培で得られる栽培結果物の数を決定するためのテーブルである。1回の栽培ごとに、このテーブルに記憶されている確率の抽選が行われ、栽培結果物の数が1〜4個のいずれかに決定される。
このテーブルには、耕作者キャラクタ3の調子(−1、0(標準)、+1、+2)ごとの確率が記憶されており、後述(図11)の耕作者キャラクタ3の調子によって栽培結果物数が1個、2個、3個または4個になる確率が変化する。すなわち、調子がよいほど栽培結果物数が多くなる確率が高く、調子が悪いほど栽培結果物数が少なくなる確率が高くなるよう設定されている。
例えば、調子値が−1のテーブルの場合、栽培結果物数1の出る確率が標準の2倍であり、調子値が+2のテーブルの場合、栽培結果物数4の出る確率が標準の3倍である。このように、耕作者キャラクタ3の調子を栽培結果物の数の決定に活用し、栽培のバリエーションを増やしている。
図9(C)は、農場制御部57に設定されている成功確率テーブルを示す図である。このテーブルは、栽培によって得られた栽培結果物が栽培を依頼された(目的の)アイテムであるか否か、すなわち栽培に成功したかを決定する確率を記憶したテーブルである。1回の栽培が終了すると、図9(B)の栽培結果物数テーブルを用いた抽選で1〜4個の栽培結果物が得られるが、この栽培結果物が目的のアイテムであるか否かがこのテーブルの確率で決定(抽選)される。
このテーブルでは、価値の高い(レア度の高い)アイテムほど栽培が難しく、成功確率は低くなるよう設定されている。また、耕作者キャラクタ3の熟練度が高くなるほど、栽培の成功確率が高くなるよう設定されている。すなわち、この成功確率テーブルには、耕作者キャラクタの熟練度(1〜3)ごとに、アイテムのレア度(1〜5)別の栽培成功確率が記憶されている。なお、耕作者キャラクタ3の熟練度は、図8(C)の栽培回数テーブルの説明で述べたように、耕作者キャラクタ3が同じ施設で栽培した回数に応じて設定される数値である。
例えば、熟練度1の場合、レア度1のアイテムの栽培成功確率は85%であるが、熟練度2の場合90%、熟練度3の場合95%であり、熟練度が1上がるごとに成功確率が5%ずつ上がるように確率を設定している。他のレア度のアイテムにおいても同様に、熟練度が1上がるごとに成功確率が5〜10%ずつ上がる。こうしてどのレア度のアイテムも熟練度を上げるほど成功確率を高めることができ、遊戯者のプレイ意欲を高めることができる。
図10は、農場制御部57に設定されている各施設のランダムテーブルを示す図である。このテーブルは、栽培によって得られた栽培結果物が目的のアイテムでないと決定された場合、すなわち栽培に失敗した場合にどのようなアイテムを栽培結果物とするかを決定するためのテーブルである。このテーブルは、農場施設ごとに設けられている。このテーブルには、栽培に失敗した場合に得られる(発生する)アイテムとその発生確率および個数が記憶されている。
同図(A)のランダムテーブル(畑)の場合、虫の死骸55%、釣りバッタ15%、釣りミミズ15%、カラの実10%、特産(虹の実)5%の中からその確率に従って1つを選択する。このように、栽培失敗のときに発生させるアイテムの多くは価値の低いアイテム(虫の死骸55%等)であり、栽培に失敗したことを象徴するものであるが、極めて低い確率で価値の高いアイテム(特産虹の実5%)を失敗の結果物として発生させ、ゲームに面白味を加えている。同図(B)〜(D)の場合も同様に、価値の低いアイテムを発生させる確率がほとんどであるが、わずかな確率で価値の高いアイテムを発生させる。なお、価値の低いアイテムは各施設に同じ種類のアイテムが含まれているが、価値の高いアイテムは、各施設ごとに異なっており、その施設の特徴を表したものになっている。
図11は、農場制御部57に設定されている耕作者キャラクタ3a、3b、3cの調子の変化を表す調子値曲線を示す図である。調子値曲線は、各耕作者キャラクタの調子の時間的な変化を表した曲線であり、5日周期で繰り返すものである。この図において、横軸は時間(日付)であり、縦軸が調子である。
なお、この調子値曲線に代えて、乱数によって調子値を決定してもよく、この調子値曲線は周期的な曲線でなくてもよい。
日付の設定は任意であり、ゲームスタート時を第n日としてもよく、栽培依頼時を第n日としてもよい。いずれにしても、その第n日からこの曲線の横軸が進行していく。そして、栽培時の日付の曲線の値(縦軸の値)に基づいて耕作者キャラクタのその日の調子値を−1、0(標準)、+1、+2の4段階から決定する。そして、その調子値に応じた栽培結果物数テーブル(図9(B))を利用することにより、調子の良し悪しに基づいて栽培結果物数1〜4個の出現確率を変化させる。
調子値曲線の波形は耕作者キャラクタごとに大きく異なり、例えば、耕作者キャラクタ3aの場合、−1〜+2まで変化して上下の幅が広く、調子の波が大きいのに対し、耕作者キャラクタ3cの場合、標準〜+1までしか変化せずに上下の幅が狭く、調子の波が小さい。このように、調子の波の大小で、気分屋であるとか、安定志向であるという耕作者キャラクタの様々な性格を表現することができ、それを栽培に用いることで、キャラクタの性格を栽培結果物の数に反映させることができる。
また、この調子値曲線は、耕作者キャラクタ3が仕事したい気分の施設で栽培した場合、所定値分上方向にシフトし、耕作者キャラクタ3の疲労度が溜まっている場合、所定値分下方向にシフトする。これらの要素を調子値に反映することにより、よりリアリティのある栽培を実現することができる。ただし、上記所定値は、栽培結果物数の増減に影響を与えるが、極端に栽培結果物数を変化させ過ぎない任意の値とする。
図12は、耕作者キャラクタ3の上に小さく表示される吹き出しウィンドウ5の内容を説明する図である。この吹き出しウィンドウ5は、合計栽培回数で決まる耕作者キャラクタ3のレベル1〜3に基づいて、図12(A)〜(C)に示す3段階に変化し、レベルが上がるにつれて表示の内容が詳しくなっていく。これにより、耕作者キャラクタ3のレベルが上がるほど、遊戯者はより多くの情報をもとに有利な栽培を実現することができるようになる。
まず、耕作者キャラクタがレベル1の場合(同図(A))、現在栽培しているアイテムのアイコン101、連続栽培日数102、栽培アイテム数103を表示する。現在栽培しているアイテムのアイコン101は、今回耕作者キャラクタが依頼を受けて栽培しているアイテムのアイコンである。連続栽培日数102は、右に遊戯者が栽培依頼で設定した連続栽培の日数を、左に残りの栽培日数を表示する。これにより、遊戯者は一目で残りの栽培日数を把握でき、次の栽培の計画を立てやすくなる。栽培アイテム数103は、右に収穫BOXの容量を、左に収穫BOX内に溜められているアイテム数を表示する。これにより、遊戯者は収穫BOXの空き容量が容易に分かるため、収穫のタイミングを判断できる。
次に、耕作者キャラクタがレベル2の場合(同図(B))、レベル1の表示内容に加え、耕作者キャラクタ3の調子マーク104および、1回の栽培で栽培したアイテムのアイコン105を表示する。耕作者キャラクタ3の調子マーク104は、−1、0(標準)、+1、+2の4段階で決める耕作者キャラクタ3の調子値(図11)を、4色の色の変化で表示するマークである。この調子マーク104で表示する調子値は、日付による調子値(調子値曲線の値)に気分と疲労度に基づく修正を加えたものであり、次回栽培される際に使用される調子値を示すものである。したがって、遊戯者はこの調子マーク104を見ることにより、次回のその耕作者キャラクタ3の調子を知ることができ、少しでも調子のよいキャラクタに栽培させることができる。
また、1回の栽培で栽培したアイテムのアイコン105は、前回依頼した栽培の結果物のアイテムを表示するアイコンである。プレイヤキャラクタ1がクエストから戻り、1昼夜が経過すると、アイテムの栽培が1回行われるため、遊戯者がその栽培の結果物をすぐに知ることができるように、見やすいアイコンにして並べて表示している。1回の栽培で最大7つのアイテムを栽培することができるため、このアイコンも最大7つ表示される。
さらに、耕作者キャラクタがレベル3の場合(同図(C))、レベル1、2の表示内容に加え、その日の調子を示すコメント106、気分を示すコメント107、疲労度を示すコメント108を表示する。これらコメントは、調子マーク104が示す調子値を決めるための具体的な3要素について説明する文章である。また、これらコメントも、調子マーク104と同様に、次回の栽培の際に使用される調子値を決める各要素について説明している。その日の調子は、「調子は不良」、「調子は普通」、「調子は良好」、「調子は絶好調」の4種類がある。気分は、「畑で仕事したいかも」、「キノコ箱で仕事したいかも」、「ハチミツ箱で仕事したいかも」、「虫箱で仕事したいかも」、「どこでもいいかも」の5種類がある。疲労度は、「まだまだ元気〜」、「ちょっとお疲れ〜」、「かなりお疲れ〜」の3種類がある。
調子マーク104のみではなく、その日の調子、気分、疲労度を示すコメントも表示することにより、遊戯者はより具体的に耕作者キャラクタの状態を把握でき、栽培に多様な対策を練ることができる。例えば、そのキャラクタの気分がよくなる施設が分かればその施設で優先的に栽培させることができるし、疲労度が溜まっていると分かれば別のキャラクタに栽培を依頼することもできる。
図13は、ゲーム空間に大きく表示される独立ウィンドウを説明する図である。独立ウィンドウとは、吹き出しウィンドウ以外のウィンドウで、栽培依頼ウィンドウ201等のように、ゲーム空間でのゲームの進行を一時停止して、そのウィンドウに対する入力操作のみ受け付けるようにする独立したウィンドウのことをいう。同図(A)は、栽培依頼を行う場合の栽培依頼ウィンドウ201および栽培状況ウィンドウ202を示している。両ウィンドウは、遊戯者が栽培依頼を行う場合に、農場12で管理人キャラクタ2に話しかける操作を行うと、ゲーム画面を覆うように半透明で大きく表示される。
栽培依頼ウィンドウ201は、遊戯者が耕作者キャラクタ3に依頼する栽培の内容を入力するウィンドウである。遊戯者は、上部のタブによって耕作者キャラクタ1号(3a)、2号(3b)、3号(3c)のいずれかを選択し、栽培アイテム、栽培回数、肥料を選択して入力する。農場制御部57は、栽培アイテムの入力に応じて施設(規模レベル)を表示し、栽培アイテム、栽培回数の入力に応じて必要資源を表示する。遊戯者が下部の栽培依頼のアイコンを押すと、その内容が確定し、栽培依頼が完了する。栽培依頼の詳細については図14で後述する。
栽培状況ウィンドウ202は、栽培依頼ウィンドウ201で選択された耕作者キャラクタ3の現在の栽培状況を示すウィンドウである。栽培依頼ウィンドウ201の上部のタブのキャラクタ選択に伴って、栽培状況ウィンドウ202に表示されるキャラクタが変化する。栽培状況ウィンドウ202は、遊戯者が栽培依頼する際に現在の状況を確認できるように、栽培依頼ウィンドウ201と並べて表示する。このウィンドウには、そのキャラクタについて現在確定している栽培依頼の内容を表示し、栽培施設、栽培アイテム、栽培回数、肥料の各項目を表示する。そのキャラクタが栽培中の場合、「栽培中」のアイコンを表示し、収穫BOXの容量が空になると、「BOX容量0」のアイコンを表示する。このウィンドウの各項目は、栽培依頼ウィンドウ201で新たな栽培内容の入力がされ、その栽培依頼が確定すると、上書きされて新たな内容を表示する。
同図(B)は、耕作者キャラクタ選択ウィンドウ203および収穫BOXウィンドウ204を示している。両ウィンドウは、遊戯者が栽培結果物の収穫を行う場合に、農場12で管理人キャラクタ2に話しかける操作を行うと、ゲーム画面を覆うように半透明で大きく表示される。
耕作者キャラクタ選択ウィンドウ203は、遊戯者がアイテムの収穫を行う耕作者キャラクタを選択するウィンドウである。耕作者キャラクタ3は栽培を終えると栽培結果物を自分の収穫BOXに溜めるので、遊戯者はどのキャラクタの収穫BOXからアイテムを収穫するかを選択する。そして、収穫BOXウィンドウ204は、耕作者キャラクタ選択ウィンドウ203で選択されたキャラクタの収穫BOXを示すウィンドウである。このウィンドウは、そのキャラクタの収穫BOXの容量を示し、そこに溜めてあるアイテムのアイコンを表示する。遊戯者はこのウィンドウを見て収穫BOXの中身を確認し、所望のアイテムを選択して、プレイヤキャラクタ1の所持品リストに追加する。
≪栽培、収穫処理の説明≫
図14は、プレイヤキャラクタ1が農場に来て、管理人キャラクタ2にアイテムの栽培を依頼する場面の農場制御部57の処理を説明するフローチャートである。まず、遊戯者がコントローラ7を操作してプレイヤキャラクタ1をゲーム空間内の農場エリア12に行かせ、管理人キャラクタ2に話しかけさせると、農場制御部57は、モニタ9b内の農場エリア12に重なるようにウィンドウ画面を表示する。このウィンドウ画面に対する遊戯者の操作入力は、プレイヤキャラクタの動作に反映されるのではなく、直接農場制御部57に対するコマンドとして処理される。まず、そのウィンドウ画面で遊戯者の「栽培の依頼」、または、「収穫」のいずれかの選択を受け付ける。(S11)。遊戯者が「収穫」を選択した場合(S11で収穫)、後述する図18の収穫処理を行う。一方、遊戯者が「栽培の依頼」を選択した場合(S11で依頼)、栽培依頼ウィンドウ201を表示し(S12)、耕作を依頼する耕作者キャラクタ3の選択を受け付ける(S13)。なお、耕作者キャラクタ3は、初期設定時には1匹しか存在しないが、プレイヤキャラクタ1が所定のアイテムを採取し、所定のクエストをクリアするという条件を満たすことによって増加し、それに伴って遊戯者が任意の耕作者キャラクタ3a、3b、3c等を選択できるようになる。
そして、耕作者キャラクタ3の選択後、その耕作者キャラクタ3の収穫BOXが一杯か否か判定する(S14)。収穫BOXが一杯である場合(S14でYES)、未収穫のアイテムが存在し、収穫BOXを空にしないと栽培を依頼できない旨の警告が表示される(S15)。この場合、「栽培の依頼」か「収穫」の選択(S11)に戻り、遊戯者(プレイヤキャラクタ1)は、先に収穫して収穫BOXを空にしてから栽培依頼をするか(図18)、別の耕作者キャラクタ3に栽培依頼するか(S13)しなければならない。一方、収穫BOXが一杯でない場合(S14でNO)、栽培依頼が可能であり、そのキャラクタの栽培状況ウィンドウ202を表示する(S16)。遊戯者は、このウィンドウを見て現在の栽培状況を確認することができる。
なお、耕作者キャラクタが現在アイテムの栽培中であっても、新たにアイテムの栽培を依頼することができる。この場合、先に依頼されていたアイテムの栽培はキャンセルされ、この耕作者キャラクタは今回新たに依頼されたアイテムの栽培を行う。
この後、遊戯者による栽培依頼の具体的な内容の入力を受け付ける。まず、遊戯者にプレイヤキャラクタ1が所持しているアイテム(図7(B))の中で栽培可能なアイテムを表示し、遊戯者による栽培希望アイテムの選択入力を受け付ける(S17)。なお、プレイヤキャラクタがフィールドで採取したアイテムの全てが栽培できるわけではなく、一部のアイテムは栽培で増やすことができない。そして、選択入力を受け付けた栽培アイテムを当該耕作者キャラクタ3の栽培管理テーブル(図8(A))に記憶する(S18)。
次に、遊戯者により選択されたアイテムに対応する施設を自動で選択し(S19)、農場管理テーブル(図8(D))の中から当該施設の規模レベル(最大連続栽培回数)を読み出して(S20)、最大連続栽培回数の範囲内で遊戯者に連続栽培回数の選択を許可する(S21)。このゲームでは、1回依頼するだけで複数回連続して栽培可能であり、遊戯者は所望の栽培回数を選択できるが、農場制御部57は、1回の依頼で連続して栽培可能な回数を農場施設の規模レベルによって制限するため、予めゲーム画面上に最大連続栽培回数を表示し、それ以上の回数の入力を不可能にする。そして、遊戯者による連続栽培回数の選択入力を受け付け(S22)、受け付けた連続栽培回数を当該耕作者キャラクタ3の栽培管理テーブル(図8(A))に記憶する(S23)。
遊戯者による栽培アイテムと連続栽培回数の選択入力を受け付け、栽培管理テーブルに記憶した後、それらに応じて必要資源(お金)を算出する(S24)。必要資源は、栽培を依頼するのに必要な対価であり、栽培アイテムの種類と栽培回数によって決定する。プレイヤキャラクタの所持資源はプレイヤキャラクタ制御部52が記憶しており(図7(B))、そのデータを受け取ってゲーム画面の右上に表示する。プレイヤキャラクタの所持資源が必要資源に足りない場合、その内容の栽培依頼を行うことができない。
この後、遊戯者による肥料アイテムの選択入力を受け付ける(S25)。遊戯者は施設の能力を上げて収穫数を増やすために、1匹の耕作者キャラクタ3に対して1つ肥料アイテムを設定することができる。肥料アイテムは施設ごとに種類が異なり、連続栽培が終了するまで効果が持続する。遊戯者はゲーム空間内のフィールドや交易船で肥料アイテムを入手できる。遊戯者による肥料アイテムの選択入力があると(S25でYES)、選択入力を受け付けた肥料アイテムを当該耕作者キャラクタ3の栽培管理テーブル(図8(A))に記憶する(S26)。一方、肥料アイテムの選択入力がなくても(S25でNO)、栽培依頼を行うことができる。
以上の栽培依頼の各内容の入力を受け付けた後、ゲーム画面に最終確認のメッセージを表示し、遊戯者による最終確認の意思の入力を受け付ける(S27)。この確認メッセージに対する遊戯者の肯定の入力を受け付けることにより、選択した栽培依頼の内容が確定し、ゲーム内容に反映され、栽培が開始される。それとともに、栽培依頼された耕作者キャラクタ3に耕作データを設定し(S28)、プレイヤキャラクタ1の所持資源の値から必要資源の値を減算する(S29)。ゲーム画面上では、農場の風景を覆うように大きく表示されていた栽培依頼ウィンドウ201、栽培状況ウィンドウ202を消去し(S30)、栽培依頼された耕作者キャラクタ3は、栽培アイテムに応じた栽培施設に行き、依頼されたアイテムを栽培する活動(畑を耕す等)を開始する。
図15(A)は、描画処理部58が行う農場12の描画処理を説明するフローチャートである。まず、ゲーム空間に各栽培施設等の農場12の風景を配置し(S105)、そこに管理人キャラクタ2を配置する(S106)。さらに、耕作者キャラクタ3を配置し(S107)、各キャラクタの上部に吹き出しウィンドウを配置する(S108)。この吹き出しウィンドウ配置処理については同図(B)で後述する。そして、これらを合成し、描画した後(S109)、プレイヤキャラクタの体力値や所持資源等のインターフェースを描画し(S110)、合成する(S111)。さらに、独立ウィンドウがあるか否かを判定し(S112)、独立ウィンドウがある場合は(S112でYES)、独立ウィンドウを描画し(S113)、ゲーム空間の背景が見えるように半透明にして最前面に合成する(S114)。以上の処理で合成したゲーム画面の映像をモニタ9bに出力する(S115)。
図15(B)は、同図(A)のS108で行う吹き出しウィンドウ配置処理を説明するフローチャートである。この処理は3匹の耕作者キャラクタの吹き出しウィンドウを作成・配置する処理を示している。まず、1匹目の耕作者キャラクタ3について処理を開始し(S120)、その耕作者キャラクタ3のレベルを判定する(S121)。レベル1の場合(S121で1)、現在栽培中のアイテムアイコン101を配置し(S122)、栽培アイテム数の表示103を配置し(S123)、連続栽培日数の表示102を配置し(S124)、それらを吹き出しウィンドウに設定する(S125)。レベル2の場合(S121で2)、今回の栽培結果物のアイテムのアイコン105を配置し(S126)、調子マーク104を配置してから(S127)、S122〜S124の処理をし、同様に吹き出しウィンドウに設定する(S125)。レベル3の場合(S121で3)、調子コメント106を配置し(S128)、気分コメント107を配置し(S129)、疲労度コメント108を配置してから(S130)、S126〜S127、S122〜S124の処理をし、同様に吹き出しウィンドウに設定する(S125)。このように、レベルによって吹き出しウィンドウの内容を変更するため、レベルが上がるにつれて配置内容を増やしていく。そして、吹き出しウィンドウ設定後、そのキャラクタが3匹目(最後)のキャラクタ(i=3)であれば(S131でYES)、処理を終了し、i=3でなければ(S131でNO)、次のキャラクタ(i+1)についてS121〜130の処理を行う。
図16(A)は、プレイヤキャラクタ制御部52が行うゲーム空間での1日経過監視処理を説明するフローチャートである。1日経過監視処理とは、アイテムの栽培はゲーム空間での1日(1昼夜)で完了するため、プレイヤキャラクタ制御部52が1日経過したか否か判定し、農場制御部57にそれを通知する処理をいう。
まず、プレイヤキャラクタ制御部52は、プレイヤキャラクタ1が村の外への外出から戻ったか否か判定し(S31)、戻っていなければ(S31でNO)、何の処理もせず終了するが、戻っている場合(S31でYES)、今回の外出がクエストのための外出であったか否かを判定する(S32)。クエストのための外出であった場合(S32でYES)、プレイヤキャラクタ1がクエストをリタイアせずに成功または失敗でクエストを終えたか否か判定する(S33)。クエストをリタイアした場合(S33でNO)、何の処理もせず終了するが、成功または失敗でクエストを終えた場合(S33でYES)、1日が経過しているとして、農場制御部57の栽培処理に1日経過を通知する(S34)。クエストのための外出ではない場合(S32でNO)、プレイヤキャラクタ1が遊戯者の実時間で5分以上外出していたか否か判定する(S35)。5分以上外出していた場合(S35でYES)、1日が経過しているとして、農場制御部57の栽培処理に1日経過を通知する(S34)。5分以上外出していない場合(S35でNO)、何の処理もせず終了する。以上のように、プレイヤキャラクタ制御部52がプレイヤキャラクタ1の行動に応じて1日の経過を決定することで、栽培処理の時間の制御を行っている。
このゲームでリタイアとは、プレイヤキャラクタ1が遊戯者の操作により、クエストの途中でクリアするのを諦めて村に戻ることをいう。また、クエスト失敗とは、クエスト中にプレイヤキャラクタ1がモンスター等の攻撃を受けて死亡することをいい、失敗するとプレイヤキャラクタ1が村に戻ってきたところからゲームが再開する。いずれの場合もプレイヤキャラクタは村に戻るが、上述のように、リタイアの場合は1日経過させず、クエスト失敗の場合は1日経過させる。
図16(B)は、農場制御部57が行う栽培処理を説明するフローチャートである。まず、同図(A)のプレイヤキャラクタ制御部52からの通知があって、1日が経過したか否か判定する(S36)。1日が経過していなければ(S36でNO)、何の処理もせず終了するが、1日が経過した場合(S36でYES)、現在の耕作者キャラクタ3の数(k)を農場管理テーブル(図8(D))から読み出し(S37)、耕作者キャラクタ制御部55が記憶している耕作者キャラクタ番号1(i)のデータを読み出す(S38)。そのキャラクタの次回仕事したい気分になる施設を今回仕事したい気分になる施設にシフトし(S39)、ランダム気分テーブル(図9(A))に基づき、処理対象の耕作者キャラクタ3が次回仕事したい気分になる施設を決定する(S40)。そして、その耕作者キャラクタに栽培依頼があるか否か判定する(S41)。依頼がなければ(S41でNO)連続栽培は途絶えているため連続栽培回数をクリアする(S49)。栽培の依頼があれば(S41でYES)、アイテムの栽培処理を行う(S42)。このアイテム栽培処理については、図17において詳述する。
アイテム栽培処理後、残りの栽培回数を1減算し(S43)、連続栽培回数(図8(B))、その施設での栽培回数(図8(C))にそれぞれ1加算して(S44)、合計栽培回数(図8(C))に応じて耕作者キャラクタのレベルを上げ(S45)、そのレベルに応じて収穫BOXを拡張する(S46)。それから、今回処理を行った耕作者キャラクタ(i)が最後の番号の耕作者キャラクタか(i=k)否かを判定する(S47)。最後の耕作者キャラクタである場合(S47でYES)、処理を終了する。最後の耕作者キャラクタでない場合(S47でNO)、耕作者キャラクタ番号(i)に1加えた次の耕作者キャラクタについて(S48)、S42〜S46の処理を行い、最後の耕作者キャラクタ(i=k)まで繰り返す。
図17は、農場制御部57が行うアイテム栽培処理(図16のS41)を詳細に説明するフローチャートである。アイテム栽培処理は、1匹の耕作者キャラクタが1回の栽培で収穫することのできるアイテムの内容や数を決定する処理である。この処理は、毎回の栽培において栽培を行っている各耕作者キャラクタについて個別に実行される。
最初に、S81〜S89の動作でプレイ状況等に応じて栽培結果物である栽培結果物の数(栽培結果物数n)を決定する。まず、栽培処理を行う日の日付に基づき、耕作者キャラクタ3の調子値を算出する(S81)。処理対象の耕作者キャラクタの調子値曲線(図11参照)に日付を入力することにより、調子値−1〜+2を決定する。
次に、処理対象の耕作者キャラクタ3が図16のS39で決定した今回仕事をしたい施設で栽培をしているか否か判定し、当該施設で栽培をしている場合、栽培結果物数を決める調子値を所定値分上方向にシフトする(S82)。耕作者キャラクタ3の気分に合う施設であれば、そのキャラクタの調子が上がり、場合によっては栽培結果物数を増加させることになる。これにより、耕作者キャラクタの調子とともに気分によっても栽培結果物数を変化させることができ、耕作者キャラクタの個性を取り入れた栽培を実現できる。
さらに、処理対象の耕作者キャラクタ3の現在の同じ施設での連続栽培中の回数(図8(B))に基づき、そのキャラクタの疲労度を算出する(S83)。その疲労度に応じて、栽培結果物数を決める調子値を所定値分下方向にシフトする(S84)。疲労度1の場合、通常の調子パラメータよりも所定値分調子が下がり、疲労度2の場合、疲労度1の場合よりもさらに所定値分調子が下がるため、場合によっては栽培結果物数を減少させることになる。そこで、疲労度が溜まらないように栽培することが必要になり、遊戯者による栽培に工夫の余地を広げることができる。
上記のように、各耕作者キャラクタ3に予め設定されているその日の調子パラメータの値に、仕事したい施設である場合の気分による修正、疲労度が溜まっている場合の疲労度による修正を加えて、最終的な調子値−1〜+2を決定する。そして、その調子値に基づいて栽培結果物数テーブル(図9(B))を選択し(S85)、その確率で抽選を行って栽培結果物数(基本回数)を1〜4個のいずれかに決定する(S86)。図9(B)に示したように、−1〜+2(標準含む)の調子値に応じて、1〜4の各基本回数の確率を変えた4つのテーブルが設けられており、調子値に合うテーブルを使用して、栽培アイテム内容の抽選の基本回数(栽培結果物数)1〜4が決められる。
次に、肥料の選択の有無を判定し、肥料の選択がある場合、上述の基本回数に加える肥料加算数を1に決定する(S87)。遊戯者が栽培依頼において肥料アイテムを選択していた場合(図14のS25)、肥料の効果として抽選回数(栽培結果物数)を1増加させ、通常より有利な栽培を行う。肥料の選択がない場合、肥料加算数を0に決定し、抽選回数は基本回数のままとする。
さらに、当該施設の規模レベルを判定し、上述の基本回数(または基本回数+1)に加える施設の規模レベル加算数を決定する(S87)。例えば、規模レベル2の場合、規模レベル加算数を1に、規模レベル3の場合、規模レベル加算数を2に決定し、その数だけ抽選回数(栽培結果物数)を増加させる。規模レベル1の場合、初期設定時からレベルが上がっていないため、規模レベル加算数を0に決定し、抽選回数は基本回数のままとする。こうして施設の規模レベルによっても栽培の効率を変化させ、栽培にリアリティを与えている。
こうして基本回数1〜4に、肥料加算数0〜1と、施設の規模レベル加算数0〜2を加え、最終的な栽培結果物数(抽選回数)nを算出する(S89)。例えば、基本回数4で、肥料があり(+1)、施設の規模レベル3の場合(+2)、最大でn=7である。こうして栽培結果物である栽培結果物の数(栽培結果物数n)を決定した後、それに基づいて栽培結果物の内容(アイテムの種類)を決定する。
まず、栽培中の施設での栽培回数に基づき、処理対象の耕作者キャラクタ3のその施設での熟練度を算出する(S90)。上述したように、栽培回数テーブル(図8(C))には、耕作者キャラクタ3の各施設ごとの栽培回数が記憶されており、今回栽培中の施設の栽培回数に応じて熟練度を設定する。例えば、栽培回数が0〜3回の場合は熟練度1、栽培回数が4〜10回の場合は熟練度2、栽培回数が11回以上の場合は熟練度3とする。
そして、算出した熟練度に対応する成功確率テーブル(図9(C))を選択する(S91)。図9(C)で説明したように、成功確率テーブルには、1〜3の熟練度に対応する異なる3つのテーブルがあり、アイテムのレア度に応じた栽培成功確率が設定されている。熟練度が高いほど全てのレア度のアイテムの栽培成功確率が高く、熟練度が低いほど栽培成功確率が低くなっている。したがって、各施設の栽培回数を増やして耕作者キャラクタ3の熟練度を上げるほど、成功確率が上がって希望するアイテムを入手しやすくなるため、遊戯者の栽培意欲を高めさせることができ、また、遊戯者に栽培パターンを考える楽しみを付与することができる。その後、栽培中の施設に応じたランダムテーブル(図10)を選択する(S92)。
この後、S89で求めた抽選回数nまで、1回目から順に抽選を行う(i←1)(S95)。まず、成功確率テーブルの確率に基づいて抽選する(S96)。栽培が成功の場合(S97でYES)、栽培によって得られた目的のアイテムを1つその耕作者キャラクタ3の収穫BOXに入れる(S98)。一方、栽培が失敗の場合(S97でNO)、ランダムテーブルに設定された各アイテムの確率に基づいて抽選を行い、1つ栽培結果物のアイテムを決定する(S99)。そして、その栽培結果物のアイテムを収穫BOXに入れる(S100)。このように、栽培結果物として栽培を依頼されたアイテムが得られる(栽培成功)とは限らず、それ以外のアイテムが得られる場合(栽培失敗)がある。
そして、抽選回数nまで1回ずつ繰り返し抽選(S97)を行い(i←i+1)(S101)、n回の抽選を終え、回数分のアイテムを収穫BOXに入れると(S102でYES)、アイテム栽培処理を終了する。
なお、この実施形態では、耕作者キャラクタの調子、気分、疲労度に基づいて栽培結果物の数(栽培結果物数)を決定し、耕作者キャラクタの熟練度に基づいて栽培結果物の内容(アイテムの種類)を決定しているが、これらの関連付けはこのパターンに限られない。したがって、耕作者キャラクタの熟練度に基づいて栽培結果物数を決定してもよく、調子や気分、疲労度に基づいてアイテムの種類を決定してもよい。
また、この実施形態では、調子や熟練度等の個性が耕作者キャラクタの行動・動作に現れないが、個性を耕作者キャラクタの行動・動作に影響するようにしてもよい。その場合には、調子・熟練度等の個性情報を農場制御部57からノンプレイヤキャラクタ制御部53に通知し、ノンプレイヤキャラクタ制御部53が耕作者キャラクタ3の動作をこの個性情報に応じて制御する。
図18(A)は、クエスト(または5分以上の外出)から戻ってきたプレイヤキャラクタ1が農場12に出向いて栽培結果物を収穫する場面(図14のS11で収穫選択時)の農場制御部57の処理を説明するフローチャートである。耕作者キャラクタの収穫BOXに栽培結果物であるアイテムが入っていると、遊戯者はそのアイテムを収穫することができる。本実施形態では、1回の栽培依頼だけで複数回連続して栽培を行わせることができるが、1回ごとに毎回収穫しても、複数回終了後まとめて収穫してもよく、遊戯者が任意に選択できる。これにより、遊戯者のプレイ状況、アイテム所持状況に応じて自由にアイテムを収穫し、使用することができる。
遊戯者が図14のS11で収穫を選択した場合、耕作者キャラクタ選択ウィンドウ203を表示し(S50)、農場制御部57は、収穫を希望するアイテムを所持している耕作者キャラクタ3の選択入力を受け付け(S51)、その耕作者キャラクタ3の収穫BOXウィンドウ204をゲーム画面に表示する(S52)。そして、遊戯者による、表示された収穫BOXの中で収穫を希望するアイテムの選択入力を受け付け(S53)、選択されたアイテムを収穫BOXから消去し(S54)、選択されたアイテムをプレイヤキャラクタ制御部52に送信する(S55)。その後、終了する場合(S56でYES)は耕作者キャラクタ選択ウィンドウ203、収穫BOXウィンドウ204を消去し(S57)、終了する。終了しない場合(S56でNO)は収穫アイテムの選択入力受け付け(S53)に戻り、遊戯者による別のアイテムの収穫を行う。
図18(B)は、前記収穫処理時のプレイヤキャラクタ制御部52の処理を説明するフローチャートである。同図(A)のS55で、農場制御部57から収穫アイテムの情報を受信し(S58)、プレイヤキャラクタ1の所持品リストに当該アイテムを追加する(S59)。これにより、遊戯者は収穫したアイテムをプレイヤキャラクタの所持品として自由に使用することができるようになる。
上述したように、農場エリア12の施設はプレイヤキャラクタ1の活動によって拡張可能であり、栽培されたアイテムの収穫数は、農場施設の拡張のレベルによって変化する。図19(A)、(B)は、農場施設の拡張処理を説明するフローチャートであり、図19(A)はプレイヤキャラクタ制御部52の行う処理を、図19(B)は農場制御部57の行う処理を説明している。
同図(A)において、プレイヤキャラクタ1は、フィールド13で施設拡張用のアイテムを採取し(S60)、それを村に持ち帰って農場12へ持っていく(S61)。そして、プレイヤキャラクタ1は、施設拡張用のアイテムを、農場12を管理している管理人キャラクタ2に渡す(S62)。なお、農場施設拡張用のアイテムは、フィールド13で採取するのみならず、ゲーム空間に現れる交易船から購入することもできる。
同図(B)において、管理人キャラクタ2がプレイヤキャラクタ1から施設拡張用のアイテムを受け取る(S63)と、そのアイテムがどの施設を拡張するためのアイテムかを判断する(S64)。そして、そのアイテムに対応する新たな農場施設(ハチミツ箱、虫箱等)を設け、または、施設の規模レベルデータを一つ上に更新し、施設のグラフィックを変化させる(S65)。それに伴い、最大連続栽培回数を変更する(S66)。これにより、次回の栽培以降、新たな施設規模レベルに基づく有利な栽培を受けることができる。
なお、施設の拡張条件は所定のアイテムの取得に限定されず、所定のクエストのクリアなどゲームの進行に応じて拡張可能にしてもよい。
図19(C)(D)は、農場12でプレイヤキャラクタに依頼されたアイテムを栽培する耕作者キャラクタ3の数を増やす数制御処理を説明するフローチャートである。初期設定では耕作者キャラクタ3は1匹しか存在しないが、所定の条件を満たすごとに1〜3匹の間で1匹ずつ増えていく。図19(C)はプレイヤキャラクタ制御部52の耕作者キャラクタ数制御処理を示している。まず、プレイヤキャラクタ1がクエストをクリアしたか否か判断する(S70)。
クエストをクリアしていなければ(S70でNO)、数制御処理を行わずに終了し、クエストをクリアしていれば(S70でYES)、そのクエストが耕作者キャラクタ3を増加させる所定のクエストに該当するかを判断する(S71)。耕作者キャラクタ3を増加させる所定のクエストとは、全クエストの中の一部の予め定められた特定のクエストをいい、これらのクエストをクリアしたときのみ耕作者キャラクタ3の数制御処理の対象となる。
数制御処理の所定のクエストでなければ(S71でNO)、数制御処理を行わずに終了し、数制御処理の所定のクエストであれば(S71でYES)、耕作者キャラクタ3を増加させる所定のアイテムをプレイヤキャラクタ1が所持しているか否か判断する(S72)。
プレイヤキャラクタ1が所定のアイテムを所持していない場合(S72でNO)、数制御処理を行わずに終了し、所定のアイテムを所持している場合(S72でYES)、全ての条件を満たすため、農場制御部57に耕作者キャラクタ追加条件充足を通知する(S73)。
図19(D)は農場制御部57の耕作者キャラクタ数制御処理を示している。同図(C)のS73で、プレイヤキャラクタ制御部52から耕作者キャラクタ追加条件充足通知を受信すると(S74)、耕作者キャラクタ3を1匹増やし(S75)、描画処理部58にゲーム画面上に描画させ、耕作者キャラクタ制御部55に活動を制御させる。それに伴い、栽培依頼できる耕作者キャラクタ3のデータを1匹分増やし、対応するデータ領域を確保する(S76)。
なお、耕作者キャラクタ3の数増加条件は、所定のクエストのクリアおよび所定のアイテムの取得に限定されず、所定のクエストのクリアのみでもよく、また所定のアイテムの取得のみでもよい。
以上の処理で耕作者キャラクタ3の数を増やすことにより、新たにもう1匹以上の働き手が増えるため、複数の耕作者キャラクタ3に1種類のアイテムを連続栽培させると、初期設定の1匹のときと比べ、2匹、3匹となるにつれ、栽培を依頼できる回数の総数は2倍、3倍になる。これにより、栽培したアイテムの収穫数も約2倍、3倍となり、1回の依頼でより多くのアイテムを取得することができる。また、1匹の耕作者キャラクタ3は、1種類のアイテムしか栽培できず、複数種類のアイテムの栽培をかけもちすることはできないが、複数の耕作者キャラクタ3が存在すれば、それぞれに異なる種類のアイテムを栽培させ、1回の依頼で複数種類のアイテムを獲得することもできる。
したがって、複数の耕作者キャラクタ3に1種類のアイテムを栽培させてそのアイテムを重点的に増やすか、複数種類のアイテムを栽培させて幅広く多様なアイテムを増やすかを遊戯者が自由に選択することができ、アイテム栽培のバリエーションを広げることができる。
なお、本願発明は、本実施形態のような農場における農作物の栽培に限定されない。アイテム等を生産する場面であれば、本願発明を適用可能である。例えば、工場における工業製品の作成、店舗における商品の作成、飲食店における料理の作成等に適用可能である。
また、この実施形態では、ノンプレイヤキャラクタ(耕作者キャラクタ)の調子や熟練度等の個性によって収穫物(栽培結果物)の数を制御しているが、計数不可なもの(液体等)を生産する場合には、その量が制御される。