JP5410247B2 - 内面多分割管およびその製造方法 - Google Patents

内面多分割管およびその製造方法 Download PDF

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本発明は、構造用鋼管、好ましくは機械構造用鋼管として適用され、管内部に複数の空間部が形成される内面分割管に関し、さらに詳しくは、冷間加工に際し圧縮剛性や座屈性能を確保し、外管と内管の接触面で構成するシール面の気密性に優れるとともに、加工回数の削減による製造コストの低減が図れ、同時に簡易な構造で軽量化を達成する内面分割管およびその製造方法に関するものである。
以下の説明で、「内面多分割管」とは、管全長にわたり同一断面を有する円筒状の外管と、その内部に冷間引き抜き加工により内接される内管を備え、その内管の外周面が部分的に外管の内周面と接触し、当該管の内面に複数の独立した空間部が形成された分割管をいう。
近年において、機械構造用として適用される鋼管の中には、自動車業界における地球環境を配慮した自動車用部品の開発要請にともない、特殊な機能を発揮する管部品の開発が進められている。例えば、自動車用エンジンのバルブロッカシャフトで使用される管は、バルブ開閉用の作動油を流通させる機能が要求されるが、燃費の向上や省エネルギーという観点から、バルブ開閉を複雑に制御するニーズが生じ、その管内部に互いに隔離された複数の流体通路を設けることが必要になる。
この場合に、より一層の制御性を確保するため、従来の管内部に互いに独立する2つの流体通路を軸方向に沿って形成する構造に替えて、管内部を少なくとも4個以上に多分割することにより、独立する複数の流体通路を形成することが要求されるようになる。しかも、特殊な機能部品の開発であるにも拘わらず、同時に自動車部品の軽量化および低コスト化も強く要請される。
従来、このような複数の流体通路をもつ管を製造する場合には、例えば、中実丸棒にその軸方向に沿って複数の穴をガンドリル等で開け、これらの穴を流体通路として用いることが行われているが、上記ガンドリルでは可能な穿孔深さに限界があり、長い流体通路を形成することは極めて困難である。また、中実丸棒にその軸方向と平行な方向に正確に穴を穿孔することは容易でない。
図1は、押出し鋼材を内部仕切り材とした内面多分割管の断面図である。同図に示す管は、中実丸棒に替えて外管1と押出し鋼材を内部仕切り材2として用い、内面5分割管を製造した従来例であるが、加工精度を確保できず、押出された内部仕切り材には余分な肉厚部分が残り、管の軽量化が図れないという問題がある。
このような問題を解決するため、特許文献1では、内部管を周方向に組み合わせた状態で外部管の内部に挿入し、冷間引き抜き加工して外部管の内周面を各内部管の外周面に圧接させることにより、管の内部空間に独立した流体通路を形成する管の種々の断面形態を提案している。
図2は、特許文献1で提案された断面形態に基づく、内部空間に独立した5個の流体通路を形成した管の例を示す断面図である。同図に示す断面形態では、各内部管2の断面形状を互いに同形の扇形とし外部管1を円筒状の管とする設計であり、5個の流体通路を形成する場合に、中心角が72°の扇形をなす5本の内部管2を互いに圧接させ、内部仕切り壁を形成している。
そして、上記図2に示す管構造であれば、各内部管2が互いに等しい扇形であることから、管各部に発生する応力も均一化され、局部的に応力が集中する度合が軽減され、簡単な構造でありながら効果的な補強が可能であるとしている。しかし、同図に示す管構造では、製造コストを高騰させるだけでなく、管内部に確保できる流通空間が少なくなるとともに、部品の軽量化が図れないという問題がある。
具体的には、製造コストに関し、上記図2に示す管は、5本の内部管2を外部管1内に挿入し冷間引き抜き加工することにより製造されるが、一般的な冷間加工では、外部管1の冷間引き抜き回数は1回であり、各内部管2の冷間引き抜き回数は2回であり(合計回数は10回)、さらに仕上加工として合わせ引きが1回行われる。
このため、上記図2に示す管を冷間引き抜き加工により製造する場合に、外部管1および各内部管2の冷間引き抜き回数が総合計で10回を超える冷間加工が必要となり(合計回数は12回)、これにともなう製造コストの高騰が顕著になる。
次に、管内部での流通空間の確保に関し、例えば、自動車用エンジンのバルブロッカシャフトで使用される管は小径管が用いられており、外部管の外径が20mm程度で設計される。また、内部管と外部管の密着度、および内部管の管壁強度を確保するため、その肉厚は1.0〜1.2mm程度とする必要がある。このような寸法構成で、内部管同士の重合により内部仕切り壁が形成させると、5個の流体通路を形成するために確保できる空間が少なく、充分な制御性を確保することが困難になる。
さらに、部品の軽量化に関しても、小径の外部管1を用いるのに拘わらず、内部管2同士の重合により内部仕切り壁が形成させる必要から、軽量化を図ることが困難になる。
特開平7−144221号公報
前述のように、前記図1に示す押出し鋼材を内部仕切り材とした内面多分割管では、加工精度を確保できず、管の軽量化が図れないという問題がある。また、前記図2に示す断面形態の内面多分割管では、冷間加工にともなう製造コストの高騰、さらには、内部管同士の重合により内部仕切り壁が形成させる必要から、軽量化を図ることや管内部での流通空間の確保することが困難になるという問題がある。
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、管内部に複数の空間部を形成した管を製造する場合に、内管の内接方式を冷間引き抜き加工で行うに際し圧縮剛性や座屈性能を確保し、外管と内管の接触面で構成するシール面の気密性に優れるとともに、加工回数の削減による製造コストの低減が図れ、同時に簡易な構造で軽量化を達成することができる内面多分割管およびその製造方法を提供することを目的としている。
本発明者らは、前記の課題を解決するため、種々の冷間引き抜き加工による内面多分割管の製造方法について検討した結果、前述した従来の問題を解決するため、1本の内管を外管に内接させて、冷間引き抜き加工を行うことにより、内管の外周面に設けられた複数の頂部を外管の内周面に接触させ、管内面に複数の空間部を形成できることに着目した。
図3は、冷間引き抜き加工により、1本の内管を外管に内接させて管内部に複数の空間部を形成させた内面多分割管の断面図である。外管に内接させた内管は、外周面に設けられた複数の頂部を外管の内周面と接触させ、その頂部両側の外周面を内側に向けて押し潰し加工した形状からなっている。
ところが、図3に示す内面多分割管の断面構成では、1本の内管2で管内部を仕切ることから、製造コストの低減と同時に、軽量化を図ることができるが、外管1と内管2の接触面で構成するシール面での気密性を確保することができない。
このため、さらに検討を加えた結果、外管と内管のシール面での気密性を確保するには、下記の(a)−(c)の構成を具備することが必須であることを知見した。
(a)外管と内管とが接触するシール面では両者の同心円またはそれよりフラットに接触し、接触部長さを長くすることにより、シール面での気密性を上げる(後述する図4に示す2a部)。
(b)内管の内側に向けて押し潰し加工された部位では、内管の内周面が相互に接触する剛性部を形成し、圧縮剛性を向上させることにより、シール面での密着性および気密性を確保する(後述する図4に示す2b部)。
(c)内管の支柱部として、シール面と剛性部とを連結する連結部を外管の径方向に直線状にし、座屈性能を向上させることにより、シール面での密着性および気密性を確保する(後述する図4に示す2c部)。
本発明は、このような知見に基づきなされたものであり、下記(1)の内面多分割管および(2)の内面多分割管の製造方法を要旨とする。
(1)管全長にわたり同一断面を有する円筒状の外管と、その内部に冷間引き抜き加工により内接される1本の内管を備え、前記内管の全長方向と直交する断面は、外周面に設けられた複数の頂部が前記外管と接触し、その頂部両側の外周面が内側に向けて押し潰し加工された形状からなり、
前記内管の外周面に設けられた頂部は、隣り合う頂部と離間して設けられ、外管の内周面にかしめて同心円またはそれよりフラットに接触するシール部を形成し、
前記内管の内側に向けて押し潰し加工された部位では、内管の内周面が略U字状の屈曲部でなり、該屈曲部の両側に連なり相互に接触する剛性部を形成し、前記シール部と前記剛性部とを連結する連結部は、前記外管の内周面と略直交するように、前記外管の径方向に直線状に延びて構成され、前記内管の連続する2箇所の連結部と外管の内周面との間に3以上の流通路となる空間部が形成されることを特徴とする内面多分割管である。
(2)上記(1)の内面多分割管の製造方法であって、少なくとも外管が仕上寸法より大きくなるように予め外管および内管を成形し、さらに当該内管は複数の外周頂部を残し内側に向けて押し潰し加工された断面形状とし、得られた内管を外管内に装着したのち、
管全体を冷間引き抜き加工することにより、前記内管の全長方向と直交する断面の外周面に設けられた複数の頂部が隣り合う頂部と離間して前記外管と接触し、その内周面にかしめて同心円またはそれよりフラットに接触するシール部を形成させるとともに、前記内管の内側に向けて押し潰し加工された部位における内周面が略U字状の屈曲部であり、該屈曲部の両側に連なり相互に接触する剛性部を形成し、前記シール部と前記剛性部とを連結する連結部が前記外管の径方向に直線状に延びて前記外管の内周面と略直交するように構成し、前記内管の連続する2箇所の連結部と外管の内周面との間に流通路として形成される空間部を3以上とすることを特徴とする内面多分割管の製造方法である。
上記(1)、(2)で規定する内面多分割管では、内管の連続する2箇所の連結部と外管の内周面との間に形成される空間部を6まで形成するのが好適である。さらに内面多分割管の軸心に、屈曲部および剛性部によって囲まれた断面星形状の空隙部を形成するのが好ましい
本発明の製造方法において、「少なくとも外管が仕上寸法より大きくなるように予め外管および内管を成形し」と規定しているのは、後述する図5に示すように、内管の装着を容易にするため、外管寸法は仕上げ寸法よりも大きくする必要があるが、内管寸法は仕上寸法と同じであってもよく、または仕上げ寸法よりも大きくしてもよいことを意味している。
本発明の内面分割管は、特にその用途は限定されるものではなく、例えば、前述のバルブロッカシャフト、またはピストンピン、熱交換器など内部に複数の管内通路を必要とする管の他、内部を区画する管壁により管強度を補強する機械構造用鋼管としても適用することができる。
本発明の内面多分割管および製造方法によれば、管内部に複数の独立した空間部を形成した管の製造に際して、外管内への内管の内接方式を冷間引き抜き加工プロセスを適用し、シール面の気密性を改善させ、冷間引き抜き回数の低減が図れるとともに、外管が小径管であっても管内部に空間部を有効に確保でき、例えば、管内部を3〜6個の流体通路に分割することができる。
さらに、1本の内管を内接する方式であることから、部品数を削減した簡単な管構造にすることができ、軽量化を図るとともに管の強度を確保することが可能である。
押出し鋼材を内部仕切り材とした内面多分割管の断面図である。 特許文献1で提案された断面形態に基づく、内部空間に独立した5個の流体通路を形成した管の例を示す断面図である。 冷間引き抜き加工により、1本の内管を外管に内接させて管内部に複数の空間部を形成させた内面多分割管の断面図である。 本発明の内面多分割管の断面構成例を説明する図である。 内管外周面の頂部と外管内周面の接触状況を説明する図であり、(a)は内管外周面の頂部が外管内周面と同心円で接触するシール部を、(b)は内管外周面の頂部が外管内周面にフラットに接触するシール部を示している。 本発明の内面5分割管の製造方法を説明する図であり、(a)は仕上加工前に丸管から異形成形された内管の断面形状を、(b)は仕上加工前の外管の断面形状を、(c)は内管を外管内に装着した状態を示している。 本発明の内面5分割管をロッカシャフトとして使用する場合のシャフト構成を説明する図である。
図4は、本発明の内面多分割管の断面構成例を説明する図である。同図では、管内面に5個の空間部が形成される断面構成例を示しており、以下の説明では、この断面構成例に基づいて本願発明の内容を説明する。
本発明の内面多分割管は、管全長にわたり同一断面を有する円筒状の外管1と、その内部に冷間引き抜き加工により内接される1本の内管2を備え、前記内管の全長方向と直交する断面は、外周面に設けられた5個の頂部が前記外管と接触し、その頂部両側の外周面が内側に向けて押し潰し加工された形状からなり、前記内管の外周面に設けられた頂部は、外管の内周面にかしめて同心円またはそれよりフラットに接触するシール部2aを形成し、前記内管の内側に向けて押し潰し加工された部位では、内管の内周面が相互に接触する剛性部2bを形成し、前記シール部と前記剛性部とを連結する連結部2cは、前記外管の径方向に直線状に延びて構成され、前記内管の連続する2箇所の連結部と外管の内周面との間に5個の空間部が形成されることを特徴としている。
本発明の内面多分割管は、外管1への内管2の内接方式を冷間引き抜き加工にて行う。これにより、外管に縮径加工を加え、内管2の外周面と外管1の内周面とで形成されるシール部2aの密着性を向上させることができる。
本発明の内面多分割管は、内管2として単数(1本)の管が外管1に内接され、当該内管の断面形状は、外周面に設けられた5個の頂部が外管と接触し、その頂部両側の外周面が内側に向けて押し潰し加工されて形成される。本発明の管構造は1本の内管を内接する構造であるから、前記図2に示す管構造に比べ、内管同士の重合部分を減らし、管直径に対する管内面空間の断面積を容易に調整することができる。
したがって、対象とする外管1の外径が20mm程度と小径管であっても、管内面の空間部を流体通路として有効に確保し、管内部を独立した5個の流体通路に分割することができる。しかも、簡単な管構造であるから、管全体の軽量化と同時に管の強度を確保することができる。
本発明の内面多分割管では、内管2外周面に設けられた5個の頂部が外管1内周面と接触しシール部2aを形成するが、内管外周面の頂部は、冷間引き抜き加工での外管縮径にともなう圧下作用により、外管の内周面にかしめられ、外管と同心円またはそれよりフラットに外管1の内周面に接触するようになる。このような接触状態が確保できることから、シール部2aの気密性を向上させることができる。
図5は、前記図4に示すA部の詳細図である。同図は、内管外周面の頂部と外管内周面の接触状況を説明する図であり、(a)は内管外周面の頂部が外管内周面と同心円で接触するシール部を、(b)は内管外周面の頂部が外管内周面にフラットに接触するシール部を示している。図5(a)に示すシール部2aは、冷間引き抜き加工に伴いかしめられ、外管と同心円に形成される。図5(b)に示すシール部2aは、冷間引き抜き加工による圧下作用により、内管外周面の頂部が外管内周面に圧接され、平坦な接触部を形成しフラットに接触する構成となっている。
本発明の内面多分割管では、図5(a)、(b)のいずれの接触状況であっても、冷間引き抜き加工による圧下作用により、内管外周面の頂部が外管内周面にかしめられて接触するので、シール部2aの気密性が充分に確保できる。
通常、本発明者らの検討によれば、外管の外径が20mm程度の管材を対象とし、機械構造用鋼管(例えば、外管:STKM13、内管:STKM11)用いる場合には、図5(a)、(b)に示すシール部形状に拘わらず、かしめ代は0.5mm程度とするのが好適である。
本発明の内面多分割管では、内管2の内側に向けて押し潰し加工された部位において、内管の内周面が相互に接触する剛性部2bを形成する。剛性部2bを形成することにより、冷間引き抜き加工で加わる圧下作用に対する剛性を確保し、上記シール部2aの密着性および気密性を向上させることができる。
本発明の内面多分割管では、内管の内側に向けて押し潰し加工された部位の座屈性能を向上させるため、シール部2aと剛性部2bを連結する連結部2cを外管の径方向に直線状に延びるように構成する。この構成により、冷間引き抜き加工で負荷される外管の径方向の圧縮力に起因する座屈を防止でき、シール部2aの頂部にて密着が図れ、確実にシールすることができ気密性を損なうことがない。
前記図3に示す内面多分割管の断面構成では、連結部が直線状に構成されておらず、曲面状に形成している。このため、冷間引き抜き加工で負荷される圧縮力で内管の外周面に座屈を生じ、突っ張り力の不足に起因し、シール部の頂部で外管内周面と密着が図れず、充分な接触長さを確保できない。
本発明で採用する内管の断面は、形成すべき空間部に応じて星形状で構成される。上記図4に示すように、内管の内周面が相互に接触する剛性部2bは、内管2の内側に向けて押し潰し加工された部位に形成され、剛性部2bから外管に向けて延出される内管の頂部は、径方向外側に向かうにつれて互いの間隔を広げる扇型状または三角形状をなしている。さらに、外管の軸心に近設する内管の部位には、屈曲部2dが形成される。
これらから、内管の断面構成は、外管の軸心に近設する略U字状の屈曲部2dの両側に剛性部2bが連なり、さらに外管の径方向に直線状に延びるように構成される連結部2cを介在させてシール部2aを構成し、星形状となる。
上記図4に示す本発明の内面多分割管の断面構成は、管内面に5個の空間部が形成される構成例を示すが、本発明ではこれに限定されず、3〜6個の空間部が形成させるのが望ましい。
本発明の内面多分割管の製造方法は、少なくとも外管が仕上寸法より大きくなるように予め外管および内管を成形し、さらに当該内管は複数の外周頂部を残し内側に向けて押し潰し加工された断面形状とし、得られた内管を外管内に装着したのち、管全体を冷間引き抜き加工することにより、前記内管の全長方向と直交する断面の外周面に設けられた5個の頂部が前記外管と接触し、その内周面にかしめて同心円またはそれよりフラットに接触するシール部2aを形成させるとともに、前記内管の内側に向けて押し潰し加工された部位における内周面が相互に接触する剛性部2bを形成し、前記シール部2aと前記剛性部2bとを連結する連結部2cが前記外管の径方向に直線状に延びるように構成することを特徴とする。
これにより、外管1の内部に装入された内管2の外周面に設けられた5個の頂部が外管内周面と接触しシール部2aを形成するとともに、内管の内側に向けて押し潰し加工された部位において、内管の内周面が相互に接触する剛性部2bを形成し、シール部と剛性部を連結する連結部2cを外管の径方向に直線状に延びるように構成できる。
したがって、本発明の製造方法によれば、内管外周面に設けられた5個の頂部は、冷間引き抜き加工での外管縮径の圧下にともない、外管の内周面にかしめられ、その同心円よりフラットに外管内周面に接触するようになる。そして、シール部の密着性および気密性を向上させることができる。また、本発明の内面多分割管の断面構成は簡易なものとなり、管の軽量化を図ることができる。
本発明の内面多分割管の製造に際して、仕上寸法より大きな1本の内管2を用いるが、予め内管2は5個の外周頂部を残し、頂部の両側は内側に向けて押し潰し加工された断面形状に異形成形を施す必要がある。このとき、異形成形の方法として、冷間引き抜き加工による成形法を採用する。
本発明の製造方法によれば、冷間引き抜き回数を削減することができる。すなわち、外管の冷間引き抜き回数は1回とし、内管の異形成形には2〜3回の冷間引き抜き回数を要する。内管を外管内に装着したのち、仕上加工として合わせ引きを1回とするので、総合計で4〜5回の冷間加工に留めることができる。したがって、前記図2に示す管構造の場合に比べ、大幅に冷間引き抜き回数を削減でき、大幅な製造効率が図れ、顕著な製造コストの低減が可能になる。
本発明の内面多分割管の製造において、上記の説明では、外管および内管の材質として機械構造用鋼管を例示したが、特にこれらに限定されるものではない。すなわち、冷間引き抜き加工が可能なものであればよく、鉄鋼材料、非鉄金属材料、その他、用途に応じて適宜採用すればよい。また、内管と外管とは必ずしも同材質である必要はなく、内管と外管との特性に応じて異なる材質を適用することができる。
本発明の内面多分割管をロッカシャフトとして使用するため、外管の内部に1本の内管を内接させ、管内部に独立した5個の流体通路を配置した内面5分割管を製造した。ロッカシャフトとして用いられる内面5分割管は、前記図4に示す断面構造を管全長にわたり有している。
図6は、本発明の内面5分割管の製造方法を説明する図であり、(a)は仕上加工前に丸管から異形成形された内管の断面形状を、(b)は仕上加工前の外管の断面形状を、(c)は内管を外管内に装着した状態を示している。
図6(a)に示すように、仕上加工前の内管2は、丸管を出発素管として2〜3回の冷間引抜加工により異形成形した。異形成形された内管2は、途中素管として外径DL寸法を有する。
図6(b)に示すように、仕上加工前の外管1は、仕上寸法より大きく内径DIの円管を準備する。通常、仕上加工前の外管1は、寸法形状を調整するとともに表面性状を整えるために、1回の冷間引き抜き加工により成形される。
その後、図6(c)に示すように、異形成形された内管2が外管1内に装着されるが、このとき外管1と内管2との隙間(DI−DL)を確保し、内管2の装着を容易にする。次に、内管2を外管1に装着した状態で、管全体を仕上用の円形ダイスに通し、合わせ引きで冷間引き抜き加工を施す。
この引き抜き加工にともない、内管2の外周面に設けられた5個の頂部は、外管の内周面にかしめられ、その同心円よりフラットに外管内周面に接触するようになり、内管2の連続する2箇所の連結部と外管1の内周面との間に5個の空間部が形成される。これにより、管内空間を独立した5個の空間に区画した内面5分割管を構成できる。
図7は、本発明の内面5分割管をロッカシャフトとして使用する場合のシャフト構成を説明する図である。ロッカシャフト1は内部に内管2を備え、内部空間が5分割されており、ロッカシャフト1の外側にはカムフォロア(ロッカアーム)を嵌挿する構造であり、内面に設けられた流通路は潤滑用オイルや作動油の通路として活用される。図示するカム3はロッカアーム(図示せず)とカムフォロアを構成し、バルブを駆動する部材として作用する。
前記図6に示す製造方法で得られて内面5分割管を、図7に示すロッカシャフトとして組み立て、5分割された空間部を潤滑用オイルや作動油の流通通路として作動試験を実施したが、前記図5(a)、(b)に示すいずれのシール部であっても、充分なシール性を確保できることが確認できた。
本発明の内面多分割管および製造方法によれば、管内部に複数の独立した空間部を形成した管の製造に際して、外管内への内管の内接方式を冷間引き抜き加工プロセスを適用し、シール面の気密性を改善させ、冷間引き抜き回数の低減が図れるとともに、外管が小径管であっても管内部に空間部を有効に確保でき、例えば、管内部を3〜6個の流体通路に分割することができる。
さらに、1本の内管を内接する方式であることから、部品数を削減した簡単な管構造にすることができ、軽量化を図るとともに管の強度を確保することが可能である。
本発明の内面多分割管は、これらの優れた作用、効果に基づき、管内面空間を3〜6分割した機械構造用鋼管として広く利用することができる。
1:外管、外部管、ロッカシャフト、 2:内管、内部仕切り材、内部管
2a:シール部、 2b:剛性部、 2c:連結部、 2d:屈曲部
3:カム

Claims (6)

  1. 管全長にわたり同一断面を有する円筒状の外管と、その内部に冷間引き抜き加工により内接される1本の内管を備え、
    前記内管の全長方向と直交する断面は、外周面に設けられた複数の頂部が前記外管と接触し、その頂部両側の外周面が内側に向けて押し潰し加工された形状からなり、
    前記内管の外周面に設けられた頂部は、隣り合う頂部と離間して設けられ、外管の内周面にかしめて同心円またはそれよりフラットに接触するシール部を形成し、
    前記内管の内側に向けて押し潰し加工された部位では、内管の内周面が略U字状の屈曲部でなり、該屈曲部の両側に連なり相互に接触する剛性部を形成し、
    前記シール部と前記剛性部とを連結する連結部は、前記外管の内周面と略直交するように、前記外管の径方向に直線状に延びて構成され、
    前記内管の連続する2箇所の連結部と外管の内周面との間に3以上の流通路となる空間部が形成されることを特徴とする内面多分割管。
  2. 前記空間部が6まで形成されることを特徴とする請求項1に記載の内面多分割管。
  3. 前記外管の軸心に、前記屈曲部および前記剛性部によって囲まれて断面星形状の空隙部が形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の内面多分割管。
  4. 請求項1または2に記載の内面多分割管の製造方法であって、
    少なくとも外管が仕上寸法より大きくなるように予め外管および内管を成形し、さらに当該内管は複数の外周頂部を残し内側に向けて押し潰し加工された断面形状とし、得られた内管を外管内に装着したのち、
    管全体を冷間引き抜き加工することにより、前記内管の全長方向と直交する断面の外周面に設けられた複数の頂部が隣り合う頂部と離間して前記外管と接触し、その内周面にかしめて同心円またはそれよりフラットに接触するシール部を形成させるとともに、
    前記内管の内側に向けて押し潰し加工された部位における内周面が略U字状の屈曲部であり、該屈曲部の両側に連なり相互に接触する剛性部を形成し、
    前記シール部と前記剛性部とを連結する連結部が前記外管の径方向に直線状に延びて前記外管の内周面と略直交するように構成し、
    前記内管の連続する2箇所の連結部と外管の内周面との間に流通路として形成される空間部を3以上とすることを特徴とする内面多分割管の製造方法。
  5. 前記内管の連続する2箇所の連結部と外管の内周面との間に形成される空間部を6迄とすることを特徴とする請求項4に記載の内面多分割管の製造方法
  6. 前記外管の軸心に、前記屈曲部および前記剛性部によって囲まれた断面星形状の空隙部を形成することを特徴とする請求項4または5に記載の内面多分割管の製造方法。
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