JP5409490B2 - 光起電力装置およびその製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、結晶系薄膜半導体層を有する光起電力装置およびその製造方法に関するものである。
ガラス基板上に透明導電膜、光電変換層および反射性導電膜を積層させた薄膜太陽電池では、光入射側の透明導電膜にテクスチャ構造を形成し、入射光を散乱させて光路長を増大させ、入射した太陽光を効率よく利用可能な構造が採られている。また、このような薄膜太陽電池において、光電変換層を、複数の光電変換ユニットを積層させるとともに、光入射側から反対側に向かうほど、より長い波長の光を吸収する光電変換ユニットを配置する構造とすることで、入射される光を効率よく光電変換する積層型薄膜太陽電池も提案されている。積層型薄膜太陽電池の場合には、複数の光電変換ユニットの利用する光の波長を制御し、生成する電流のバランスをとり、変換効率を向上させるために、各光電変換ユニットの間に中間層が設けられている(たとえば、特許文献1参照)。
さらに、積層型薄膜太陽電池において、透明導電膜および中間層を、絶縁体の光散乱体を透明導電性材料からなる媒質に埋め込むことによって、透明導電膜にテクスチャ構造を設けずに、入射した太陽光を散乱させる構造のものが提案されている。このような構造では、微結晶シリコン系薄膜などの結晶系薄膜半導体層によって構成される光電変換ユニットを形成する際に、下地層には凹凸がないために、平坦な光電変換ユニットを形成することが可能となる(たとえば、特許文献2参照)。
特開2003−347572号公報(図1) 特開2006−128478号公報(図5)
ところで、上記特許文献1に記載の技術では、透明導電膜またはガラス基板自体に大きなテクスチャ構造を形成して、効果的な光路長の増大および光閉じ込めを行っている。しかし、凹凸の大きな下地層上に、微結晶シリコン系薄膜などの結晶系薄膜半導体層を含む光電変換ユニットを形成すると、結晶系薄膜半導体層内の欠陥が増大してしまうという問題点があった。
また、このような問題点に対して、結晶系薄膜半導体層内の欠陥を減少させるために平坦な下地層を実現しようとすると、太陽光の入射するガラス基板および透明導電膜から平坦にする必要があり、上記特許文献2に記載の技術のように、透明導電膜中に光散乱体を埋め込んで光を拡散させるしかない。しかし、このような光散乱体を下地層中に埋め込む構造の光散乱効果は、特許文献1に記載の透明導電膜またはガラス基板にテクスチャ構造を形成した場合に比して小さくなってしまうという問題点があった。つまり、このような構造では、テクスチャ構造を有する透明導電膜またはガラス基板のような効果的な光散乱効果を得ることができない。
この発明は、上記に鑑みてなされたもので、結晶系薄膜半導体層を有する光起電力装置において、効果的な光散乱効果を有しながら、光電変換層に含まれる結晶系薄膜半導体層内の欠陥を従来に比して低減することができる光起電力装置およびその製造方法を得ることを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる光起電力装置は、基板上に、テクスチャ構造を有する第1の電極層、光電変換層および第2の電極層が順に積層された光起電力装置において、前記光電変換層は、結晶系薄膜半導体層からなる光電変換ユニットを少なくとも含む複数の光電変換ユニットと、前記複数の光電変換ユニット間に設けられ、入射した光の一部を反射し、残りを透過するとともに、前記複数の光電変換ユニット間を電気的に接続する中間層と、を有し、前記中間層のうち、結晶系薄膜半導体層からなる前記光電変換ユニットよりも前記第1の電極層側に形成される少なくとも1つの中間層は、透明導電性材料からなる微粒子が透明導電性材料からなる中間層媒質に、厚さ方向に互いに接触するように埋め込まれ、前記第2の電極層側の面が略平坦化された構造を有することを特徴とする。
この発明によれば、テクスチャ構造を有する基板または透明導電膜上に形成された光電変換ユニット間に設けられる中間層を、透明導電性材料からなる微粒子を含む透明導電性材料からなる中間層媒質によって構成し、下地層の凹部に導電性微粒子が埋め込まれるように形成したので、結晶系薄膜半導体層の下地層となる中間層の上面は略平坦化する。その結果、テクスチャ構造によって効果的な光散乱効果を実現するとともに、中間層上に形成される結晶系薄膜半導体層内の欠陥を従来に比して低減することができるという効果を有する。
図1は、この発明の実施の形態1による光起電力装置の構造の一例を模式的に示す斜視図である。 図2は、この発明の実施の形態1による光起電力装置の一例を模式的に示す断面図である。 図3は、結晶系薄膜半導体層内に発生する欠陥の量と下地層のテクスチャ構造との間の関係を示す図である。 図4−1は、この発明の実施の形態1による薄膜太陽電池の製造方法の手順の一例を模式的に示す斜視図である(その1)。 図4−2は、この発明の実施の形態1による薄膜太陽電池の製造方法の手順の一例を模式的に示す斜視図である(その2)。 図5は、中間層に用いることができる透明導電性材料とその屈折率を示す図である。
以下に添付図面を参照して、この発明の実施の形態にかかる光起電力装置およびその製造方法を詳細に説明する。なお、これらの実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、以下の実施の形態で用いられる光起電力装置の斜視図や断面図は模式的なものであり、層の厚みと幅との関係や各層の厚みの比率などは現実のものとは異なる。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による光起電力装置の構造の一例を模式的に示す斜視図であり、図2は、この発明の実施の形態1による光起電力装置の一例を模式的に示す断面図である。この光起電力装置としての薄膜太陽電池10は、基板11上に、第1の電極層12、光電変換層13、第2の電極層17が順に積層された構造を有する。なお、ここでは、基板11側から光電変換される光が入射されるものとする。
基板11は、光の入射側に位置するため、透明性を有するガラス、有機フィルム、セラミックスなどの材料によって構成される。また、基板11上に第1の電極層12や光電変換層13、第2の電極層17を形成するため、基板11は、これらの第1の電極層12などの成膜温度よりも高い融点を持つ材料であることが望ましい。
第1の電極層12は、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム錫(Indium Tin Oxide、以下、ITOという)、酸化スズ(SnO2)などの透明導電性酸化膜や、ドーパントとしてアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ホウ素(B)、イットリウム(Y)、シリコン(Si)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、フッ素(F)、窒素(N)などから選択される少なくとも1種類以上の元素を用いたZnO膜、ITO膜、SnO2膜などの透明導電性材料によって構成される。また、この第1の電極層12の上面には、薄膜太陽電池10内に入射した光を効率よく散乱させるとともに閉じ込めるためのテクスチャ構造(凹凸構造)が形成されている。
光電変換層13は、複数の光電変換ユニットと、積層方向に隣接する2つの光電変換ユニット間に形成される中間層と、を含む。この例では、光電変換層13は、第1の光電変換ユニット14と、中間層15と、第2の光電変換ユニット16と、が第1の電極層12上に順に積層された構造を有する。
第1の光電変換ユニット14は、アモルファスのpin構造を有する薄膜半導体層、たとえばアモルファスシリコンやアモルファスシリコンゲルマニウム、アモルファス酸化シリコン、アモルファス炭化シリコンなどによって構成される。第1の光電変換ユニット14は、テクスチャ構造が形成された第1の電極層12上に形成されるので、下地の影響を受け、上面は平坦ではなく、凹凸構造を有している。
中間層15は、基板11側から入射した光を部分的に反射し、かつ部分的に透過する機能を有する透明導電性材料によって構成される。より具体的には、中間層15は、基板11側から入射した光のうち、第1の光電変換ユニット14で吸収可能な波長範囲の光を第1の光電変換ユニット14側に反射させ、その他の波長範囲の光を第2の光電変換ユニット16側に透過させる機能を有することが望ましい。
また、中間層15は、導電性を有する酸化ケイ素からなる中間層媒質151に、導電性を有する結晶酸化ケイ素からなる微粒子152が含まれる構造を有する。具体的には、第1の光電変換ユニット14の上面に形成された凹凸構造の凹部を埋めつつ、第1の光電変換ユニット14の上面と第2の光電変換ユニット16の下面との間を接続するように微粒子152が配置され、微粒子152間を埋めるように中間層媒質151が形成される。ここで、中間層媒質151は、たとえば20〜150nmの厚さに設定することができ、微粒子152は、形成する中間層15の厚さよりも小さい径を有するものとする。このような構造をとることによって、中間層15の上面は、第1の光電変換ユニット14の上面に比して滑らかな(平坦な)構造となるとともに、第1の光電変換ユニット14と第2の光電変換ユニット16との間の電気的な接続が確保される。
第2の光電変換ユニット16は、pin構造を有する結晶系薄膜半導体層、たとえば微結晶シリコン、微結晶シリコンゲルマニウム、微結晶炭化シリコンなどによって構成される。第2の光電変換ユニット16は、第1の光電変換ユニット14の上面のテクスチャ構造の上面に比して平坦な上面を有する中間層15上に形成されるので、結晶系薄膜半導体層の内部に欠陥が生じ難い。その結果、第2の光電変換ユニット16の品質を向上させ、変換効率を向上させることができる。
第2の電極層17は、光電変換層13の直上に形成される透明導電膜171と光反射性導電膜172とが積層された構造を有する。透明導電膜171として、光電変換層13で吸収されずに通過してきた波長範囲の光を吸収しない透明導電性材料によって構成されることが望ましい。このような透明導電膜171の材料として、ZnO,ITO,SnO2などの透明導電性酸化膜や、ドーパントとしてAl,Ga,In,B,Y,Si,Zr,Ti,F,Nなどから選択される少なくとも1種類以上の元素を用いたZnO膜、ITO膜、SnO2膜などの透明導電性材料を例示することができる。
また、光反射性導電膜172は、光電変換された電流を取り出す役割を有するほかに、光電変換層13で吸収されずに通過してきた光を反射させる役割を有する。このような光反射性導電膜172の材料として、銀(Ag)、Ti、Alおよびモリブデン(Mo)などを例示することができる。
図1で、基板11上の一部で光電変換層13と第2の電極層17とが除去され、第1の電極層12が露出した領域は、コンタクト部21である。このコンタクト部21と、第2の電極層17上に図示しない外部取出電極を取り付けることによって、基板11上の光電変換層13で発電された電流が外部に取り出される。
なお、上述した説明では、第1の電極層12にテクスチャ構造を設ける場合を示したが、テクスチャ構造を設けた基板11上に第1の電極層12を形成することによっても、第1の電極層12の上面にテクスチャ構造を設けることができる。
図3は、結晶系薄膜半導体層内に発生する欠陥の量と下地層のテクスチャ構造との間の関係を示す図である。この図は、文献(M. Python et al, “Influence of the substrate geometrical parameters on microcrystalline silicon growth for thin-film solar cells”, Solar Energy Materials & Solar Cells 93(2009), p1714-1720)に掲載されている図である。この図3では、微結晶半導体膜内に発生する欠陥(クラック)の量の基板のテクスチャ構造の曲率半径およびピラミッド構造の角度αに対する依存性を数値計算した結果を示している。図3(a)では、シミュレーションを行うテクスチャ構造の形状を示している。ここで、テクスチャ構造を形成するピラミッド構造の側面を延長した場合に基板面となす角度をαとしている。また、隣接するピラミッド構造の側面間を曲面状の接続面で接続している。そして、角度αと接続面の曲率半径を種々に変化させてシミュレーションを行い、微結晶半導体膜内に発生する欠陥の量を算出している。その結果が、図3(b)に示されている。図3(b)では、横軸にピラミッド構造の側面間を結ぶ接続面の曲率半径を取り、縦軸に微結晶半導体膜内に発生する欠陥の量を取っている。
図3(b)に示されるように、基板に形成されるピラミッド構造の側面の角度αが小さくなり、ピラミッド構造間の接続面の曲率半径が大きくなるにしたがって、その上部に形成される微結晶半導体膜内に発生する欠陥の量が減少していくことが分かる。しかし、このような基板では、基板側から入射した光を散乱し、光路長を増大させる効果が小さい。そのため、このような基板を用いる場合には、基板上に形成される光電変換層の膜厚を増加させなければならない。その結果、内蔵電界の低下および出力電圧の減少を招いてしまう。
これに対して、実施の形態1では、ピラミッド構造の側面の角度αが大きく、ピラミッド構造間の接続面の曲率半径が小さいような基板11(第1の電極層12)上に光電変換層13を形成する場合でも、テクスチャ構造が形成された第1の光電変換ユニット14の凹部を埋めるように導電性の結晶酸化ケイ素からなる微粒子152を形成し、微粒子152間を埋めるように導電性の酸化ケイ素からなる中間層媒質151を形成した。これによって、中間層15の上面を滑らか(平坦)にすることができ、中間層15上に形成される結晶系薄膜半導体層からなる第2の光電変換ユニット16内での欠陥の発生を抑制することが可能となる。つまり、光入射側では、光散乱効果の大きなテクスチャ構造を形成しながら、欠陥の少ない結晶系薄膜半導体層を有する光電変換層13を形成することができる。
ここで、このような構造の薄膜太陽電池10における動作の概略について説明する。基板11側から入射した太陽光などの入射光は、テクスチャ構造を有する第1の電極層12で散乱されることによって、第1および第2の光電変換ユニット14,16内部を基板面に垂直な方向に対して斜めに進行する。つまり、第1の電極層12にテクスチャ構造を形成しない場合に比して、第1および第2の光電変換ユニット14,16中で長い光路長を有することになる。
第1および第2の光電変換ユニット14,16内部に入射した光は、それぞれ第1および第2の光電変換ユニット14,16中のi型半導体層で自由キャリアが生成される。生成された自由キャリアは、第1および第2の光電変換ユニット14,16中のp型半導体層とn型半導体層によって形成される内蔵電界によって光電変換層13中を輸送され、電流が発生する。そして、発生した電流は、第1の電極層12と第2の電極層17から取り出される。
また、光電変換層13に入射したが、ここで光電変換されなかった入射光は、第2の電極層17の透明導電膜171を透過し、光反射性導電膜172で再び光電変換層13側へと反射される。そして、再び光電変換層13に入射した光の一部は、ここで光電変換される。
さらに、光電変換層13で光電変換されなかった光は、第1の電極層12に到達する。第1の電極層12には、テクスチャ構造が形成されており、このテクスチャ構造の凹凸部によって、第1の電極層12に到達した光の一部は再び光電変換層13へと反射される。このような工程を繰り返すことによって、薄膜太陽電池10によって光電変換が行われ、外部に電流(電圧)が取り出される。
つぎに、このような構造の薄膜太陽電池10の製造方法について説明する。図4−1〜図4−2は、この発明の実施の形態1による薄膜太陽電池の製造方法の手順の一例を模式的に示す斜視図である。まず、図4−1(a)に示されるように、基板11上に第1の電極層12を真空蒸着法、スパッタ法またはCVD(Chemical Vapor Deposition)法などの成膜法によって形成する。第1の電極層12として、たとえばZnO膜を用いることができる。また、第1の電極層12の上面には、テクスチャ構造が形成されている。テクスチャ構造は、たとえば第1の電極層12を成膜した後、塩酸水溶液などの酸性溶液や水酸化ナトリウム溶液などのアルカリ性溶液などをエッチング液としてウエットエッチング処理を施すことによって形成することができる。また、基板11に予めテクスチャ構造を形成しておき、テクスチャ構造が形成された基板11上に第1の電極層12を形成することによって、第1の電極層12は下地層に影響されて形成されるので、上面にテクスチャ構造を形成することができる。
ついで、図4−1(b)に示されるように、テクスチャ構造が形成された第1の電極層12上に、プラズマCVD法などの成膜法によって、pin構造を有するアモルファスの薄膜半導体層からなる第1の光電変換ユニット14を形成する。第1の光電変換ユニット14として、たとえばアモルファスシリコン膜を用いることができる。第1の光電変換ユニット14は、テクスチャ構造が形成された下地層(第1の電極層12)上に形成されるので、その上面には下地の凹凸に対応した凹凸構造が形成される。
ついで、図4−1(c)に示されるように、ゾルゲル法によって、第1の光電変換ユニット14上に中間層15を形成する。ここでは、イオン交換水(H2O)およびエチルアルコール(C25OH)を溶媒として用い、原料としてテトラエトキシシラン(Si(C25O)4,TEOS)を用いてゾル溶液を生成し、このゾル溶液に導電性を有する結晶酸化ケイ素からなる微粒子を混入させたものを用いる。このゾル溶液にたとえば第1の光電変換ユニット14を形成した基板11を浸漬し、乾燥させた後に、300℃以下の温度で加熱処理を行って焼結させることによって、中間層15が形成される。この中間層15は、テクスチャ構造の凹部に微粒子152が入り込むとともに、微粒子152間を埋めるように中間層媒質151が形成される。このとき、ゾルゲル法の特徴で、ゾル溶液が基板11(第1の光電変換ユニット14)上に形成されると、材料の流動性によってその表面の平坦性が向上する。その結果、下地層の凹凸に影響されない滑らかな膜からなる中間層15が得られる。
その後、図4−2(a)に示されるように、上面が平坦な中間層15上に、プラズマCVD法などの成膜法によって、pin構造を有する結晶系薄膜半導体層からなる第2の光電変換ユニット16を形成する。第2の光電変換ユニット16として、たとえば微結晶シリコン膜を用いることができる。第2の光電変換ユニット16は、平坦な下地層(中間層15)上に形成されるので、その上面も平坦な構造になるとともに、膜中に発生する欠陥の数は、凹凸を有する下地層上に形成した場合に比して少なくなる。これによって、第1の光電変換ユニット14、中間層15および第2の光電変換ユニット16が積層された光電変換層13が形成される。
ついで、図4−2(b)に示されるように、第2の光電変換ユニット16上に第2の電極層17を形成する。具体的には、第2の光電変換ユニット16上に、透明導電性材料からなる透明導電膜171と、光反射性導電膜172と、を順にスパッタ法などの成膜法によって積層させる。透明導電膜171として、たとえばZnO膜を用いることができ、光反射性導電膜172として、たとえばAg膜を用いることができる。
その後、レーザスクライブ法によって所定の領域の第2の電極層17から光電変換層13を除去して、第1の電極層12を露出させ、図示しないコンタクト部を形成する。そして、コンタクト部と第2の電極層17上に外部に電流を取り出すための外部取出配線と接続するためのコンタクトを形成する。以上によって、図1〜図2に示される薄膜太陽電池10が製造される。
なお、上述した説明では、ゾルゲル法によって中間層15を形成しているが、中間層15の上面を平坦化することができる方法であれば、他の方法によって中間層15を形成してもよい。
ここで、図4−1(c)で、ゾル溶液に導電性の結晶酸化ケイ素からなる微粒子を混入しないでゾルゲル法で中間層15を形成する場合について説明する。薄膜太陽電池10の製造工程は一般的に、基板11(ガラス基板)の耐熱温度と、シリコン系薄膜の最適な堆積温度と、の関係から、100〜300℃の温度範囲内で行われることが望ましい。原料としてテトラエトキシシランを用い、溶媒としてイオン交換水とエチルアルコールとを用いてゾル溶液を形成し、このゾル溶液に、第1の光電変換ユニット14を形成した基板11を浸漬した後、溶媒を200〜300℃で蒸発させる。このとき生成された膜(中間層媒質)のみでも、材料の流動性を利用して平坦性を向上することが可能であるが、十分な導電性、特に第1と第2の光電変換ユニット14,16の間を電気的に接続するための厚さ方向の導電性、を確保するためには、結晶の酸化ケイ素が必要である。そこで、膜に含まれる酸化ケイ素(SiO)を結晶化させるために、乾燥後にさらに600℃以上の温度で熱処理を行わなければならない。この熱処理の結果、基板温度200℃以下で形成した第1の光電変換ユニット14(アモルファスシリコン膜)の特性が劣化してしまう。
このような理由から、アモルファスの薄膜半導体層からなる第1の光電変換ユニット14の特性が劣化しない温度、たとえば300℃以下の温度で、平坦かつ導電性のある中間層15を製造する方法が望まれていた。そこで、この実施の形態1では、上記したように、ゾル溶液に導電性を有する結晶酸化ケイ素の微粒子152を混入し、この微粒子152が中間層媒質151中で厚さ方向に互いに接触して配置されるようにした。これによって、アモルファスの薄膜半導体層の特性が劣化する温度以上に加熱することなく、第1と第2の光電変換ユニット14,16の間の導電性を確保しながら、上面が平坦化した中間層15を形成することができる。
この実施の形態1では、光散乱効果の高いテクスチャ構造を有する第1の電極層12上に、アモルファスの薄膜半導体層からなる第1の光電変換ユニット14を形成し、第1の光電変換ユニット14上に、導電性を有する結晶酸化ケイ素の微粒子152が中間層媒質151内に配置された中間層15を形成した。これによって、中間層15の上面が、下地層に影響されることがなく平坦化し、この上に形成される第2の光電変換ユニット16は、欠陥の少ない結晶系薄膜半導体層となる。その結果、第2の光電変換ユニット16の曲線因子が改善し、変換効率を改善することができるという効果を有する。つまり、効果的な光散乱効果を有するテクスチャ構造を有しながら、欠陥の少ない結晶系薄膜半導体層を含む光電変換層13を備える薄膜太陽電池10を得ることができるという効果を有する。
また、導電性を有する結晶酸化ケイ素の微粒子を有するゾル溶液を用いたゾルゲル法によって中間層15を形成するので、乾燥させるまでの過程で流動化によって基板11(第1の光電変換ユニット14)上に平坦化した膜が得られるという効果を有する。さらに、第1と第2の光電変換ユニット14,16の間を結ぶ導電性を有する結晶酸化ケイ素の微粒子が含まれるので、乾燥によって形成される中間層媒質151を結晶化させるための高温での熱処理を行う必要がない。その結果、アモルファスの薄膜半導体層によって構成される第1の光電変換ユニット14の光電変換特性を劣化させることがないという効果も有する。
実施の形態2.
実施の形態1では、中間層15を構成する中間層媒質151と微粒子152とは、同じ材料によって構成される場合を説明した。実施の形態2では、中間層15を構成する中間層媒質151と微粒子152とが異なる材料によって構成される場合について説明する。なお、実施の形態2でも、光起電力装置の構成は実施の形態1の図1〜図2と同様であるので、その説明を省略する。
図5は、中間層に用いることができる透明導電性材料とその屈折率を示す図である。図5に示されるように、透明導電性材料として、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ケイ素、酸化チタン、フッ化マグネシウムなどを用いることができる。屈折率の値は、それぞれの材料の組成比によって多少変化するが、光電変換層13を構成する半導体材料であるシリコンの屈折率nSi=3.5に比して小さい屈折率を有する材料を、中間層媒質151として選択し、それと異なる屈折率を有する材料を、微粒子152として選択すればよい。このような材料の組み合わせを選択することによって、中間層15においても、入射した光を中間層媒質151と微粒子152との界面で散乱させることができる。なお、図5に示した透明導電性材料は一例であり、微粒子152には、太陽光に対して透明で導電性があり薄膜太陽電池10で利用する太陽光の波長域に対する光吸収量が少ない材料であれば、図5に記載された材料に限定されずに用いることができる。
この実施の形態2では、中間層媒質151として、半導体層(光電変換層13)の屈折率に比して小さい屈折率を有する透明導電性材料を用い、微粒子152として、中間層媒質151とは異なる屈折率を有する透明導電性材料を用いて、中間層15に光散乱効果を付加した。これによって、散乱された光の光電変換層13内での光路長を、実施の形態1の場合に比して増大させることができるとともに、光をロスすることなく反射、透過散乱させることができる。その結果、太陽光の利用効率を改善することができるという効果を、実施の形態1の効果に加えて得ることができる。
上記した実施の形態1,2では、光電変換層13は、2層の光電変換ユニット14,16と、その間に挟まれる1層の中間層15とによって構成される場合を示したが、この発明がこれらの実施の形態に限定されるものではなく、3層以上の複数層の光電変換ユニットと、積層方向に隣接する2つの光電変換ユニットの間に挟まれる中間層と、を有する光電変換層13を備える薄膜太陽電池10に対して適用することができる。この場合には、光電変換ユニットのうち、テクスチャ構造が形成された第1の電極層12側に最も近く配置された結晶系薄膜半導体層からなる光電変換ユニットよりも、第1の電極層12側に配置される少なくとも1層の中間層を、微粒子を配置した中間層媒質で構成すればよい。
以上のように、この発明にかかる光起電力装置は、テクスチャ構造を形成した電極層上に結晶系薄膜半導体層を含む光電変換層を備える薄膜太陽電池に有用である。
10 薄膜太陽電池
11 基板
12 第1の電極層
13 光電変換層
14 第1の光電変換ユニット
15 中間層
16 第2の光電変換ユニット
17 第2の電極層
21 コンタクト部
151 中間層媒質
152 微粒子
171 透明導電膜
172 光反射性導電膜

Claims (7)

  1. 基板上に、テクスチャ構造を有する第1の電極層、光電変換層および第2の電極層が順に積層された光起電力装置において、
    前記光電変換層は、結晶系薄膜半導体層からなる光電変換ユニットを少なくとも含む複数の光電変換ユニットと、前記複数の光電変換ユニット間に設けられ、入射した光の一部を反射し、残りを透過するとともに、前記複数の光電変換ユニット間を電気的に接続する中間層と、を有し、
    前記中間層のうち、結晶系薄膜半導体層からなる前記光電変換ユニットよりも前記第1の電極層側に形成される少なくとも1つの中間層は、透明導電性材料からなる微粒子が透明導電性材料からなる中間層媒質に、厚さ方向に互いに接触するように埋め込まれ、前記第2の電極層側の面が略平坦化された構造を有することを特徴とする光起電力装置。
  2. 前記微粒子と前記中間層媒質は、同じ材料によって構成されることを特徴とする請求項1に記載の光起電力装置。
  3. 前記微粒子と前記中間層媒質は、異なる材料によって構成されることを特徴とする請求項1に記載の光起電力装置。
  4. 前記中間層媒質は、前記光電変換ユニットを構成する材料の屈折率に比して、小さい屈折率を有する材料によって構成されることを特徴とする請求項2または3に記載の光起電力装置。
  5. 前記微粒子は、前記中間層の厚さよりも小さい直径を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の光起電力装置。
  6. 前記微粒子と前記中間層媒質は、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ケイ素、酸化チタンおよびフッ化マグネシウムからなる群から選択される材料によって構成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の光起電力装置。
  7. 基板上に、テクスチャ構造を有する第1の電極層、光電変換層および第2の電極層が順に積層された光起電力装置の製造方法において、
    前記光電変換層を構成し、テクスチャ構造を有する第1の光電変換ユニットの上面を、焼結後に透明導電性材料となる媒質に透明導電性材料からなる微粒子を混入した溶液で被覆する工程と、
    前記微粒子の結晶化温度よりも低い温度で前記溶液を焼結させ、上面が前記第1の光電変換ユニットに比して平坦化された中間層を形成する工程と、
    前記中間層上に、前記光電変換層を構成し、結晶系薄膜半導体層からなる第2の光電変換ユニットを形成する工程と、
    を含むことを特徴とする光起電力装置の製造方法。
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