JP2013004538A - 透明導電膜の製造方法、薄膜太陽電池セルおよびその製造方法、薄膜太陽電池モジュール - Google Patents

透明導電膜の製造方法、薄膜太陽電池セルおよびその製造方法、薄膜太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】生産性および光電変換効率に優れた透明導電膜の製造方法、これを用いた薄膜太陽電池セルおよびその製造方法、薄膜太陽電池モジュールを得ること。
【解決手段】絶縁基板上に透明導電膜を形成する透明導電膜の製造方法であって、絶縁基板上における前記透明導電膜の被形成面に、中心線平均粗さが1nm〜50nmであるとともに、凹凸ピッチが1.5μm以下および最大高低差が200nm以下のうち少なくとも一方の条件を満たす第1凹凸を形成して前記被形成面を粗面化する第1工程と、前記粗面化された前記被形成面に前記透明導電膜を形成する第2工程と、を含む。
【選択図】図1−3

Description

本発明は、薄膜太陽電池などに使用される透明導電膜の製造方法、薄膜太陽電池セルおよびその製造方法、薄膜太陽電池モジュールに関する。
薄膜シリコン太陽電池では、透明絶縁基板上に透明電極層を形成し、その上に発電層となるシリコン(Si)層を順次積層して発電素子を形成する。透明電極層は透明導電膜からなり、透明導電膜に凹凸形状を形成することにより、薄膜シリコン太陽電池内に取り込んだ光を散乱させるテクスチャを形成する。
透明導電膜の透過性をより広波長域かつより高透過率にしてより多くの光を取り込むこと、および透明導電膜の表面のテクスチャと呼ばれる凹凸形状により入射光を散乱させて取り込んだ光を閉じ込めることは、発電層であるSi層の光吸収効率を向上させる。また、透明導電膜の低抵抗化による導電性の向上は、薄膜シリコン太陽電池の電気特性を示す指標の一つである曲線因子を向上させる。
従来、凹凸構造を形成する透明導電膜として、酸化スズ(SnO)透明導電膜がよく知られている。一般的に、酸化スズ(SnO)透明導電膜に形成される凹凸構造は、径が数10〜数100nmの結晶粒を熱CVD法により膜表面に成長させることにより形成される。しかし、酸化スズ(SnO)透明導電膜の表面に良好な凹凸構造を形成するためには、500℃〜600℃程度の高温プロセスが必要であり、また1μm程度の膜厚を要することから、製造コストが増大する要因の1つとなっている。
このため、近年では、プラズマ耐性に優れ、資源の豊富さという観点から酸化スズ(SnO)に変わる材料として酸化亜鉛(ZnO)が普及しつつある。酸化亜鉛(ZnO)の場合は、十分な結晶性を得て表面に良好な凹凸構造を形成するためには、400℃以上の高温成膜を行うこと、または2μm程度の厚膜を形成することを要する。高温成膜を行うには透明絶縁基板の耐熱性を要し、またタクトが遅くなる、という問題がある。成膜膜厚の厚膜化は、光透過率の低下の原因となる。
そこで、酸化亜鉛(ZnO)薄膜を低温で成膜した場合であっても良好な光閉じこめ効果を有する凹凸構造の形成方法として、基板上にスパッタリング法により透明導電膜を形成し、酸によりエッチングすることで表面に凹凸構造を形成する技術が報告されている。この方法により、透明電極層および薄膜シリコン太陽電池のコスト低減が期待されている。
たとえば、非特許文献1では、アルミニウム(Al)ドープのZnO膜をマグネトロンスパッタリング法により成膜した後、0.5%塩酸(HCl)水溶液を用いて該ZnO膜をエッチングする。この際、1秒〜30秒の範囲でエッチング時間を変えることにより、様々な表面ラフネスの透明導電性酸化物(TCO:Transparent Conductive Oxide)を形成している。各波長における入射光子一つ当たりの出力電子数を示す量子効率(QE)において光吸収効率を比較すると、ZnO膜の表面ラフネスが大きくなるほど光が散乱して光干渉が減少し、光吸収効率が向上することを示している。
一方、低抵抗化により透明導電膜の導電性を向上させる方法としては、透明導電膜を高結晶化する方法と、透明導電膜内で電子を輸送する役目を担う不純物濃度やキャリア濃度を高濃度にする方法とがある。
透明導電膜を高結晶化する方法として、たとえば真空下あるいは還元性ガス雰囲気下において、25℃以上300℃以下の温度に維持しながら、アモルファス酸化物透明導電膜にエキシマランプからの紫外線を照射することにより、アモルファス酸化物透明導電膜を結晶化し、低抵抗化を図る方法が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
また、透明導電膜のキャリア濃度を高濃度にする方法として、たとえばフッ素をドープした酸化スズ膜を基板温度150℃以上で非酸化性雰囲気にさらす方法が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。この場合は、酸化スズ膜から酸素原子が一部除去され、酸素不足の状態となって粒界近傍のキャリア濃度が増大し、ホール移動度が増大し、低抵抗化を促進する。また、基板温度100℃〜300℃において酸化スズ膜を水素プラズマ中に曝露することによって、酸化スズの粒界の電荷を水素が中和し、結晶粒界におけるポテンシャルバリアの高さを低下させてホール移動度を増大させるために低抵抗化を促進する。
また、不純物濃度を高濃度にする方法として、たとえば酸化スズを真空蒸着法により生成させる低抵抗透明導電膜の生成方法において、酸化スズに0.5重量%〜10重量%の酸化タンタルを添加することにより、透明導電膜の低抵抗化を図る方法が提案されている(たとえば、特許文献3参照)。
また、不純物濃度を高濃度にする方法として、たとえばインジウム、スズおよび酸素からなる透明導電膜に添加金属元素としてRe、Os、Mo、Wの少なくとも1つを添加することにより、透明導電膜の低抵抗化を図る方法が提案されている(たとえば、特許文献4参照)。
特許第4110752号明細書 特公平7−105166号公報 特公平5−42763号公報 特開平7−278791号公報
しかしながら、透明導電膜を高結晶化するためには、高温で成膜することが一番有効である。ところが、成膜温度を高温にすると、スループットが低下し、また透明絶縁基板と透明導電膜との熱収縮差によるクラックが透明導電膜に発生し易くなり、生産性が低下する、という問題がある。また、前述した透明絶縁基板の耐熱性やタクトの問題もある。
また、透明導電膜の不純物濃度を高濃度にすると、不純物は特に長波長側に光吸収を有するので透明導電膜の光透過性の低下を招き光電変換効率が低下する、という問題がある。このように透明導電膜の導電性と光透過性はトレードオフの関係にあり、それぞれの特性向上を両立させることは困難である。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、生産性および光電変換効率に優れた透明導電膜の製造方法、薄膜太陽電池セルおよびその製造方法、薄膜太陽電池モジュールを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる透明導電膜の製造方法は、絶縁基板上に透明導電膜を形成する透明導電膜の製造方法であって、絶縁基板上における前記透明導電膜の被形成面に、中心線平均粗さが1nm〜50nmであるとともに、凹凸ピッチが1.5μm以下および最大高低差が200nm以下のうち少なくとも一方の条件を満たす第1凹凸を形成して前記被形成面を粗面化する第1工程と、前記粗面化された前記被形成面に前記透明導電膜を形成する第2工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、生産性および光電変換効率に優れた透明導電膜および薄膜シリコン太陽電池を実現することができる、という効果を奏する。
図1−1は、本発明の実施の形態1にかかる薄膜シリコン太陽電池モジュールの概略構成を示す平面図である。 図1−2は、本発明の実施の形態1にかかる薄膜シリコン太陽電池モジュールの断面構造を説明するための要部断面図である。 図1−3は、本発明の実施の形態1にかかる薄膜シリコン太陽電池モジュールにおけるテクスチャ構造を説明するための要部断面図である。 図2−1は、本発明の実施の形態1にかかる薄膜シリコン太陽電池モジュールの製造工程の一例を説明するための断面図である。 図2−2は、本発明の実施の形態1にかかる薄膜シリコン太陽電池モジュールの製造工程の一例を説明するための断面図である。 図2−3は、本発明の実施の形態1にかかる薄膜シリコン太陽電池モジュールの製造工程の一例を説明するための断面図である。 図2−4は、本発明の実施の形態1にかかる薄膜シリコン太陽電池モジュールの製造工程の一例を説明するための断面図である。 図2−5は、本発明の実施の形態1にかかる薄膜シリコン太陽電池モジュールの製造工程の一例を説明するための断面図である。 図2−6は、本発明の実施の形態1にかかる薄膜シリコン太陽電池モジュールの製造工程の一例を説明するための断面図である。 図2−7は、本発明の実施の形態1にかかる薄膜シリコン太陽電池モジュールの製造工程の一例を説明するための断面図である。 図2−8は、本発明の実施の形態1にかかる薄膜シリコン太陽電池モジュールの製造工程の一例を説明するための断面図である。 図2−9は、本発明の実施の形態1にかかる薄膜シリコン太陽電池モジュールの製造工程の一例を説明するための断面図である。 図3は、透光性絶縁基板の表面の凹凸の中心線平均粗さ(Ra)と、透明電極層の抵抗率との関係を示す特性図である。 図4は、透光性絶縁基板の表面の凹凸の二乗平均面粗さ(RMS)と、明電極層の抵抗率との関係を示す特性図である。 図5は、粗面化された透光性絶縁基板上に形成されたZnO膜のX線回折分析のピーク半値幅(FWHM)と、粗面化された透光性絶縁基板の表面の中心線平均粗さ(Ra)との関係を示す特性図である。 図6は、透明導電膜の表面に形成されたテクスチャ凹凸の中心線平均粗さ(Ra)と、粗面化された透光性絶縁基板の表面の凹凸の中心線平均粗さ(Ra)との関係を示す特性図である。 図7は、本実施の形態における粗面化された透光性絶縁基板上に形成した透明電極層におけるテクスチャ凹凸のヘイズ率(H)と、表面を粗面化していない透明絶縁基板上に形成した透明電極層のテクスチャ凹凸のヘイズ率(H)の比(H/H)を示す特性図である。 図8は、本発明を適用した3層タンデム型薄膜太陽電池の一例を示す断面図である。 図9は、本発明を適用したシングル型薄膜太陽電池の一例を示す断面図である。 図10は、実施例の薄膜シリコン太陽電池と比較例の薄膜シリコン太陽電池との光の波長と量子効率との関係を示す特性図である。 図11は、本発明の実施の形態5にかかる薄膜シリコン太陽電池モジュールにおけるテクスチャ構造を説明するための要部断面図である。
以下に、本発明にかかる透明導電膜の製造方法、薄膜太陽電池セルおよびその製造方法、薄膜太陽電池モジュールの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す図面においては、理解の容易のため、各部材の縮尺が実際とは異なる場合がある。各図面間においても同様である。
実施の形態1.
図1−1は、本発明の実施の形態1にかかる薄膜太陽電池である薄膜シリコン太陽電池モジュール(以下、モジュールと呼ぶ)1の概略構成を示す平面図である。図1−2は、モジュール1の断面構造を説明するための図であり、図1−1の線分A−A’方向における要部断面図である。図1−3は、モジュール1におけるテクスチャ構造を説明するための要部断面図である。
図1−1および図1−2に示すように、実施の形態1にかかるモジュール1は、透光性絶縁基板2上に形成された短冊状(矩形状)の薄膜シリコン太陽電池セル(以下、セルと呼ぶ)Cを複数備え、これらのセルCが電気的に直列に接続された構造を有する。セルCは、図1−2に示すように透光性絶縁基板2、第1電極層となる透明電極層(透明導電膜)3、薄膜半導体層である第1光電変換層4、中間層6、薄膜半導体層である第2光電変換層7、第2電極層となる裏面電極層8が順次積層された構造を有する。
透光性絶縁基板2上に形成された透明電極層3には、透光性絶縁基板2の短手方向と略平行な方向に延在するとともに透光性絶縁基板2に達するストライプ状の第1の溝D1が形成されている。この第1の溝D1の部分によって隣接するセルの透明電極層3は互いに分離される。このようにして透明電極層3の一部は隣接するセルCに跨るようにセル毎に分離される。
また、透明電極層3上に形成された第1光電変換層4、中間層6および第2光電変換層7には、第1の溝D1と隣接する箇所(第2の溝(接続溝)D2)において、裏面電極層8が第2光電変換層7および第1光電変換層4の断面側壁部に沿って透明電極層3まで形成されている。このように第2光電変換層7および第1光電変換層4の側壁部に裏面電極層8が形成されることで、裏面電極層8が透明電極層3に接続される。そして、該透明電極層3が隣接するセルCに跨っているため、隣り合う2つのセルCの一方の裏面電極層8と他方の透明電極層3とが電気的に接続されている。
また、第1光電変換層4および第2光電変換層7には、第1の溝D1と隣接する箇所において、透明電極層3に達するストライプ状の第2の溝D2が形成されている。さらに、裏面電極層8、第2光電変換層7および第1光電変換層4は第1の溝D1および第2の溝D2とは異なる箇所で、透明電極層3に達するストライプ状の第3の溝(分離溝)D3が形成されて、各セルCが分離されている。このように、セルCの透明電極層3が、隣接するセルCの裏面電極層8と接続することによって、隣接するセルCが電気的に直列接続している。
透光性絶縁基板2側から光を入射するタイプのモジュール1では、透光性絶縁基板2は、たとえばガラスや樹脂フィルムなどの透光性を有する絶縁基板が用いられる。このような透光性絶縁基板2には、通常は光透過率の高い材質が用いられ、可視から近赤外領域までの吸収が小さいガラス基板などが使用される。透明電極層3の被形成面である透光性絶縁基板2の透明電極層3側の表面は、粗面化されており、中心線平均粗さ(Ra)が1nm〜50nm、二乗平均面粗さ(RMS)が5nm〜60nm、最大高低差(Rmax)200nm以下、凹凸ピッチ1.5μm以下の凹凸2aが形成されている。
透明電極層3は、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウムスズ(ITO:Indium Tin Oxide)、酸化スズ(SnO)および酸化ジルコニウム(ZrO)などの結晶性金属酸化物を主成分とする透明導電性酸化膜や、これらの透明導電性酸化膜にドーパントとしてアルミニウム(Al)を添加した膜などの透光性の膜によって構成される。また、透明電極層3は、ドーパントとしてアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ホウ素(B)、イットリウム(Y)、シリコン(Si)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)から選択した少なくとも1種類以上の元素を用いたZnO膜、ITO膜、SnO膜、またはこれらを積層して形成した透明導電膜であってもよく、光透過性を有している透明導電膜であればよい。透明電極層3は、ZnO、ITO、SnOのうちのいずれか1つに少なくとも1種類の他の金属を0.01at%〜10at%の範囲で含む酸化物により構成されてもよい。他の金属の含有量が0.01at%未満の場合は、透明導電膜の導電率が低下し、表面電極として機能しなくなる。また、他の金属の含有量が10at%よりも大の場合は、キャリアによる光吸収が増大し、発電効率が低下する。したがって、このような材料を透明電極層3に用いることにより、モジュール1に適した良好な導電性を得ることができる。透明電極層3の形成には、たとえばスパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法などの物理的方法や、スプレー法、ディップ法、CVD法などの化学的方法のいずれを用いてもよい。
また、透明電極層3は、図1−3に示すように第1光電変換層4側の表面にテクスチャ凹凸3aが形成された表面テクスチャ構造を有する。このテクスチャ構造は、入射した太陽光を散乱させて、第1光電変換層4に入射光をより効率的に吸収させ、第1光電変換層4での光利用効率を高める機能を有する。詳しくは、透光性絶縁基板2側から入射してきた光は、テクスチャ凹凸3aを有する透明電極層3と第1光電変換層4との界面で散乱された後に第1光電変換層4に入射するので、第1光電変換層4に概ね斜めに入射する。斜めに光が入射することにより、光の実質的な光路が延びて光の吸収が増大するため、太陽電池セルの光電変換特性が向上して出力電流が増加する。
第1光電変換層4と第2光電変換層7は、光入射側から見て透明電極層3の後方に配置され、それぞれ光入射側からp型半導体層、i型半導体層、n型半導体層を順次積層したpin構造を有し、入射する光により発電を行う薄膜半導体層が1層以上積層されて構成される。すなわち、第1光電変換層4は、光入射側からp型半導体層4a、i型半導体層4b、n型半導体層4cを順次積層したpin構造を有する。第2光電変換層7は、光入射側からp型半導体層7a、i型半導体層7b、n型半導体層7cを順次積層したpin構造を有する。
図1−2に示すように、2つの光電変換層が積層された構造の場合は、光の入射側に配置された第1光電変換層4には相対的にバンドギャップの広い材料、たとえばアモルファスシリコン系材料により構成される光電変換ユニットが用いられる。その後方に配置された第2光電変換層7には、第1光電変換層4よりも相対的にバンドギャップの狭い材料、たとえば微結晶シリコン系材料により構成される光電変換ユニットや、アモルファスシリコンゲルマニウムにより構成される光電変換ユニットなどが用いられる。
このような第1光電変換層4としては、たとえば透明電極層3側からp型半導体層4aとしてp型のアモルファス炭化シリコン膜(a−SiC膜)、i型半導体層4bとしてi型のアモルファスシリコン膜(a−Si膜)、n型半導体層4cとしてn型のアモルファスシリコン膜(a−Si膜)が積層された積層膜が形成される。なお、他の第1光電変換層4としては、たとえば透明電極層3側から第1導電型半導体層であるp型の水素化アモルファス炭化シリコン(a−SiC:H)層、第2導電型半導体層であるi型の水素化アモルファスシリコン(a−Si:H)層、第3導電型半導体層であるn型の水素化微結晶シリコン(μc−Si:H)層が積層された積層膜が挙げられる。
また、第2光電変換層7としては、たとえば第1光電変換層4側からp型半導体層7aとしてp型の微結晶シリコン膜(μc−Si膜)、i型半導体層7bとしてi型の微結晶シリコン膜(μc−Si膜)、n型半導体層7cとしてn型の微結晶シリコン膜(μc−Si膜)が積層された積層膜が形成される。
また、上記の二段のpin接合のように複数の薄膜半導体層が積層されて光電変換層が構成される場合には、それぞれのpin接合間に、酸化微結晶シリコン(μc−SiO)やアルミニウム添加酸化亜鉛(ZnO:Al)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズ(SnO)、酸化シリコン(SiO)等の導電性を有した透明な膜からなる中間層6を挿入して、pin接合間の電気的、光学的接続を改善してもよい。以上のような第1光電変換層4および第2光電変換層7は、プラズマCVDなどの公知の手段により薄膜形成される。中間層6は、単層膜でも異なる屈折率を有する膜を複数積層した積層膜でもよい。
裏面電極層8は、透明電極層3と同様に酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズ(SnO)および酸化ジルコニウム(ZrO)などの結晶性金属酸化物を主成分とする透明導電性酸化膜や、これらの透明導電性酸化膜にアルミニウム(Al)を添加した膜などの透光性の膜によって構成される。裏面電極層8は、たとえばスパッタ法、CVD法やスプレー法など公知の手段によって形成される。また裏面電極層8の表面は、ブラスト法やウエットエッチング法、ドライエッチング法などによる粗面化処理によって凹凸が形成された表面テクスチャ構造を適用してもよい。
つぎに、上記のように構成された実施の形態1にかかるモジュール1の製造方法について説明する。図2−1〜図2−9は、実施の形態1にかかるモジュール1の製造工程の一例を説明するための断面図である。
まず、透光性絶縁基板2となる基板を用意する。ここでは、基板として無アルカリガラス基板を用いて以下説明する。基板は、アルカリ洗浄あるいは酸洗浄を行い、基板表面の汚れを充分除去する。もしも基板に汚れが付着したままであると、後の凹凸形成工程での凹凸形成不良を起こす原因となる。
つぎに、透明電極層3の被形成面となるこの基板の表面に連続的に#500以上の番手のアルミナ砥粒を吹き付けてサンドブラスト法により基板表面に凹凸2aを形成し、表面が粗面化された透光性絶縁基板2を形成する(図2−1)。用いるアルミナ砥粒は、粒径が小さい#1000以上のものが好ましい。そして、番手が#3000以上のアルミナ砥粒を用いることより、基板の製造過程で形成されたガラス欠陥起因の大きな突起やへこみが生じにくく、より均質な凹凸2aを形成できる。また、アルミナ砥粒の吹き付け速度が速すぎると、透光性絶縁基板2の表面にフラット面が残ったり、ガラス欠陥起因で生じた大きな凹凸が残ったりする。したがって、吹き付け速度を遅くするか、またはアルミナ砥粒を複数回吹き付けることで、同一箇所の吹きつけ時間がトータル5秒以上になるようにして透光性絶縁基板2の表面にフラット面が残らないようにする。
また、アルミナ砥粒を吹き付けて透光性絶縁基板2の表面に凹凸2aを形成すると、砥粒と別の砥粒が同様の場所に衝突して最大高低差(Rmax)が200nm以上になったり、急峻な凹凸が形成されたりする。そこで、アルミナ砥粒を吹き付けて凹凸2aを形成した後、必要に応じて凹凸2aの形成面に四フッ化メタン(CF)を用いたドライエッチングや研磨加工などを行い、中心線平均粗さ(Ra)が1nm〜50nm、二乗平均面粗さ(RMS)が5nm〜60nm、最大高低差(Rmax)200nm以下、凹凸ピッチ1.5μm以下の凹凸2aを形成する。
なお、基板として安価な青板ガラス基板を用いてもよいが、この場合は、透光性絶縁基板2からのアルカリ成分の拡散を防止するために、凹凸2a形成後にSiO膜を50nm程度形成するのがよい。SiO膜の形成法は、たとえばスパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法などの物理的方法や、スプレー法、ディップ法、CVD法などの化学的方法のいずれを用いてもよい。
つぎに、表面が粗面化された透光性絶縁基板2上に、透明電極層3になる透明導電膜として、アルミニウム(Al)を0.6at%ドーパントとして含む膜厚1μmの酸化亜鉛(ZnO)膜をRFスパッタリング法で、RF周波数:13.56MHz、スパッタリングガス:Ar、圧力:0.3Pa、基板温度:300℃で形成する(図2−2)。基板温度は、常温から450℃まで適用可能であり、高ければ高いほど低ドープ濃度で高導電率の透明導電膜を得ることができる。また、圧力はより低く、周波数は高い方がより高結晶な透明導電膜が得られる。透明導電膜の形成は、RFスパッタだけでなく、DCスパッタによる形成も可能であり、成膜条件については、RFスパッタの場合と同様である。本実施の形態では、基板表面を粗面化したので結晶化が促進され、粗面化しない場合に比べて基板温度を低温としても結晶性が比較的良好な低不純物濃度の透明導電膜を形成できる。
ここで、凹凸2aの形状と、透明電極層3の抵抗率との関係について調べた結果について説明する。図3は、凹凸2aのRaと、透明電極層3である上述した膜厚1μmのZnO膜の抵抗率との関係を示す特性図である。また、図4は、凹凸2aのRMSと、透明電極層3である上述した膜厚1μmのZnO膜の抵抗率との関係を示す特性図である。図3および図4から分かるように、ZnO膜の抵抗率は、粗面化された透光性絶縁基板2の凹凸2aのRaおよびRMSが大きくなると次第に低くなる。そして、Ra値が1nm〜30nmのとき、およびRMSが0.6nm〜30nmのとき、ドーバント濃度が0.01at%〜10at%と一般的に用いられる透明導電膜に添加するドーパント濃度と比較して低濃度な場合に目標とする抵抗率である0.5mΩ/cm以下の透明導電膜が得られた。
図3においては、粗面化された透光性絶縁基板2の凹凸2aのRaが大きくなると次第に抵抗率が低くなり、Raが20nmのときに最も低くなる。これは、粗面化された透光性絶縁基板2の表面に凹凸2aの突起があることで、透明導電膜3を成膜し始めた際に、透明導電膜3の初期層が、粗面化された透光性絶縁基板2の表面の凹凸2aの突起を起点に結晶成長し易くなり、透明導電膜3の結晶性が向上するためである。
ここで、透明電極層3のX線回折分析(X-ray diffraction spectroscopy)のピーク半値幅(FWHM)と、粗面化された透光性絶縁基板2の表面のRaとの関係を調べた結果について説明する。図5は、粗面化された透光性絶縁基板2上にRFスパッタリング法により成膜温度400℃でZnO膜を形成したときのZnO膜のX線回折分析のピーク半値幅(FWHM)と、粗面化された透光性絶縁基板2の表面のRaとの関係を示す特性図である。ここでは、Zn(002)配向ピークを対象としている。ZnO膜の結晶サイズが大きくなるとFWHMは結晶サイズ反比例して小さくなり、ZnO膜の結晶サイズが小さくなるとFWHMは結晶サイズに反比例して大きくなり、ピークはだんだん鈍くなる。
ここで、図5においては、ZnO膜の表面の凹凸2aのRaが増加するにしたがってZn(002)配向ピークのFWHMは小さくなり、ZnOの結晶粒径が大きくなることを示す。そして、Raが1nm〜50nmで最もFWHMは小さくなる。その後、凹凸2aのRaが大きくなるほどFWHMは大きくなり、結晶粒径が小さくなっていることを示す。このことは、凹凸2aのRaが1nm〜30nmでは、他の場合よりも結晶粒径が大きい透明導電膜3が得られることを示している。
本実施の形態において透明電極層3になる透明導電膜としてアルミニウム(Al)ドーパントしたZnO膜を形成した場合は、凹凸2aのRaが20nmのときに最も抵抗率が低かったが、透明導電膜の抵抗率が最も低くなる凹凸2aの最適値は、透明導電膜の膜種、ドーパント濃度、成膜温度によって異なる。低成膜温度での透明導電膜形成を目的とする際は、透明導電膜の目標とする成膜温度に対してドーパント濃度を最適化することにより目的とする透明導電膜の抵抗率を得る。また、高光透過率を得るためにドーパント濃度を低濃度にする際は、目標とするドーパント濃度に対して成膜温度を最適化することにより目的とする透明導電膜の抵抗率を得る。
そして、凹凸2aの形状を適切に制御する、すなわち凹凸2aの形状を、中心線平均粗さ(Ra)が1nm〜50nm、二乗平均面粗さ(RMS)が5nm〜60nm、最大高低差(Rmax)200nm以下、凹凸ピッチ1.5μm以下とすることにより、その上に形成される透明導電膜3の初期層における結晶成長を促し、粒径が大きい結晶が生成されるようにすることができる。これにより、光透過特性には優れるが導電特性に乏しく結晶化しにくい低不純物濃度の透明導電膜の結晶性を向上させ、低抵抗化を図ることが可能になる。
ここで、凹凸2aの形状を、少なくとも中心線平均粗さ(Ra)1nm〜50nm、最大高低差(Rmax)200nm以下とすることにより、上述した効果を得ることができる。最大高低差(Rmax)が200nmよりも大である場合には、最大高低差のある凹凸部で膜を分断するような大きな粒界が透明導電膜内に生じ、透明導電膜の導電性を低下させる。したがって、凹凸2aの中心線平均粗さ(Ra)および最大高低差(Rmax)をこのように制御することにより、透明導電膜3の初期層における結晶成長を十分に促して上述した効果を得ることができる。
最大高低差(Rmax)は、Raに近い値であればあるほど望ましく、凹凸がより均一である方が透明導電膜の膜成長中により均質な結晶成長を促すことができる。また、凹凸ピッチは、10nm未満とすると透明導電膜3の初期層における結晶成長に及ぼす効果が小さくなるので、10nm以上であることが望ましい。
また、凹凸2aの形状を、少なくとも中心線平均粗さ(Ra)1nm〜50nm、凹凸ピッチ1.5μm以下とすることにより、透明導電膜3の初期層における結晶成長を十分に促して上述した効果を得ることができる。凹凸ピッチが1.5μmよりも大である場合には、短波長に対する光散乱効果が低下して、光閉じ込め効果が低下する。したがって、凹凸2aの中心線平均粗さ(Ra)および凹凸ピッチをこのように制御することにより、透明導電膜3の初期層における結晶成長を十分に促して上述した効果を得ることができる。
本実施の形態では透明電極層3になる透明導電膜としてアルミニウム(Al)ドーパントしたZnO膜を形成するが、透明電極層3になる透明導電膜としてはこれに限定されることなく、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズ(SnO)および酸化ジルコニウム(ZrO)などの結晶性金属酸化物を主成分とする透明導電性酸化膜や、これらの透明導電性酸化膜にドーパントとしてアルミニウム(Al)を添加した膜などの透光性の膜によって構成される。また、透明電極層3は、ドーパントとしてアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ホウ素(B)、イットリウム(Y)、シリコン(Si)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)から選択した少なくとも1種類以上の元素を用いたZnO膜、ITO膜、SnO膜、またはこれらを積層して形成した透明導電膜であってもよく、光透過性を有している透明導電膜であればよい。透明電極層3は、ZnO、ITO、SnOのうちのいずれか1つと他の少なくとも1種類の金属を0.01at%〜10at%含む酸化物により構成されてもよい。また、成膜方法として、CVD法などの他の成膜方法を用いてもよい。
透明電極層3としてZnO膜を成膜した後、透光性絶縁基板2をたとえば1%の塩酸(HCl)水溶液中に30秒間浸して透明導電膜3の表面をエッチングして粗面化し、透明導電膜3の表面にテクスチャ凹凸3aを形成する(図2−3)。その後、透光性絶縁基板2に1分間以上の純水洗浄を行い、乾燥する。このエッチング処理により、透明電極層3になるZnO膜の表面にたとえば平均100nm以上の深さのテクスチャ凹凸3aが形成され、平均膜厚は約500nm程度になる。
図6は、テクスチャ凹凸3aのRaと粗面化された透光性絶縁基板2の表面の凹凸2aのRaとの関係を示す特性図である。図6において、Ra(2a)は透光性絶縁基板2の表面の凹凸2aのRaを、Ra(3a)はテクスチャ凹凸3aのRaを示す。図6から分かるように、凹凸2aのRaが〜20nmまでは、凹凸2aのRaが大きくなるにしたがってテクスチャ凹凸3aのRaも大きくなっている。これは、透明導電膜の結晶性が向上したことを示す現象である。透明導電膜に対して上記のようなウエットエッチング処理によりテクスチャ凹凸3aを形成すると、結晶粒界のある部分の方が結晶粒内よりもエッチング速度が速いので、結晶粒の大きさを反映した凹凸深さと凹凸ピッチのテクスチャ凹凸3aが形成される。したがって、結晶粒が大きいほどテクスチャ凹凸3aのRaが大きくなる。
図7は、本実施の形態における粗面化された透光性絶縁基板2上に形成した透明電極層3におけるテクスチャ凹凸3aのヘイズ率(H)と、比較としてフロート法で製造されて表面を粗面化していないRaが0.3nm以下の透明絶縁基板上に形成した透明電極層のテクスチャ凹凸のヘイズ率(H)の比(H/H)を示す特性図である。なお、透明電極層3およびテクスチャ凹凸3aの形成条件は同一である。
本実施の形態の粗面化された透光性絶縁基板2上に形成した透明電極層3におけるテクスチャ凹凸3aは、透光性絶縁基板2上に形成した凹凸2aよりも凹凸深さ、凹凸ピッチ共に大きい。凹凸深さが深いほど、ヘイズ率は高くなる。また、凹凸ピッチが大きくなるほど、長波長の光を散乱する効果がある。図7に示されるように、ヘイズ率(H)はヘイズ率(H)よりも全波長において高ヘイズ率を示しており、特に長波長側になるほどその増大効果は大きい。したがって、本実施の形態の透明電極層3では、良好なヘイズ率が得られる。
次に、透明電極層3の一部を粗面化された透光性絶縁基板2の短手方向と略平行な方向のストライプ状に切断・除去して、透明電極層3を短冊状にパターニングし、複数の透明電極層3に分離する(図2−4)。透明電極層3のパターニングは、レーザスクライブ法により、粗面化された透光性絶縁基板2の短手方向と略平行な方向に延在して粗面化された透光性絶縁基板2に達するストライプ状の第1の溝D1を形成することで行う。なお、このように粗面化された透光性絶縁基板2上に基板面内で互いに分離された複数の透明電極層3を得るには、写真製版などで形成したレジストマスクを用いてエッチングする方法や、メタルマスクを用いた蒸着法などの方法でも可能である。
次に、透明電極層3上に第1光電変換層4をプラズマCVD法により形成する。本実施の形態では、第1光電変換層4として、透明電極層3側からp型半導体層4aとしてのp型のアモルファス炭化シリコン膜(a−SiC膜)、i型半導体層4bとしてのi型のアモルファスシリコン膜(a−Si膜)、n型半導体層4cとしてのn型のアモルファスシリコン膜(a−Si膜)を順次積層形成する(図2−5)。
次に、第1光電変換層4上に第2光電変換層7をプラズマCVD法により形成する。本実施の形態では、第2光電変換層7として、第1光電変換層4側からp型半導体層7aとしてのp型の微結晶シリコン膜(μc−Si膜)、i型半導体層7bとしてのi型の微結晶シリコン膜(μc−Si膜)、n型半導体層7cとしてのn型の微結晶シリコン膜(μc−Si膜)を順次積層形成する(図2−6)。
なお、第1光電変換層4と第2光電変換層7との間に、透明導電膜からなる中間層6を形成してもよい(図2−6)。中間層6は、光透過性および光反射性の双方の特性を有し、かつ導電性を有する膜により構成される。中間層6は第1光電変換層4に入射した光を反射させることができるため、第1光電変換層4の実効膜厚を増大させる効果があり、第1光電変換層4と第2光電変換層7との出力電流密度を調節し、モジュール特性を向上させることができる。このような中間層6としては、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズ(SnO)、一酸化ケイ素(SiO)等の膜を用いることができる。
次に、このようにして積層形成された第1光電変換層4、中間層6、第2光電変換層7に、透明電極層3と同様にレーザスクライブによってパターニングを施す(図2−7)。すなわち、第1光電変換層4、中間層6、第2光電変換層7の一部を透光性絶縁基板2の短手方向と略平行な方向のストライプ状に切断・除去して、第1光電変換層4、中間層6、第2光電変換層7を短冊状にパターニングし、分離する。このパターニングは、レーザスクライブ法により、第1の溝D1と異なる箇所に、透光性絶縁基板2の短手方向と略平行な方向に延在して透明電極層3に達するストライプ状の第2の溝D2を形成することで行う。第2の溝D2の形成後、第2の溝D2内に付着している飛散物を高圧水洗浄、メガソニック洗浄、あるいはブラシ洗浄により除去する。
次に、第2光電変換層7上および第2の溝D2内に、膜厚200nmの銀合金(Ag Alloy)膜からなる裏面電極層8をたとえばスパッタリング法により形成する(図2−8)。また、裏面電極層8の成膜方法として、CVD法やスプレー法などの他の成膜方法を用いてもよい。なお、第2光電変換層7のシリコンへの金属拡散を防止するために、裏面電極層8と第2光電変換層7との間に、たとえば酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズ(SnO)等の透明導電膜を設けてもよい。
裏面電極層8の形成後、裏面電極層8、第2光電変換層7、中間層6および第1光電変換層4の一部を透光性絶縁基板2の短手方向と略平行な方向のストライプ状に切断・除去して第1の溝D1および第2の溝D2とは異なる箇所に透明電極層3に達するストライプ状の第3の溝D3を形成し、短冊状にパターニングして複数のセルCに分離する(図2−9)。
なお、反射率の高い裏面電極層8にレーザを直接吸収させるのは困難なので、半導体層(第1光電変換層4、第2光電変換層7)にレーザ光エネルギーを吸収させて、半導体層とともに裏面電極層8を局所的に吹き飛ばすことによって複数の単位素子(発電領域)、すなわち複数のセルCに対応させて分離される。以上により、図1−1〜図1−3に示すようなセルCを有するモジュール1が完成する。
なお、上記においては、図1−2に示すような第1光電変換層4に非晶質シリコン、第2光電変換層7に微結晶シリコンが使用されている場合について説明したが、第1光電変換層4に非晶質シリコンゲルマニウム、非晶質シリコンカーバイド等の非晶質シリコン系の半導体と、第2光電変換層7にこれらの結晶質シリコン系の半導体を使用して、第1光電変換層4と第2光電変換層7とを有する二層タンデム型の薄膜太陽電池を構成することもできる。これらの半導体を用いたpin構造とすることにより良好な特性が得られる。
また、図8に示すように光入射側の光電変換層を2層の光電変換層で形成して、第1光電変換層4、第2光電変換層5および第3光電変換層17からなる3層の光電変換層を設け、透光性絶縁基板2側から次第に光電変換層のバンドギャップが広くなるように構成する3層タンデム型薄膜太陽電池を構成することもできる。図8は、本発明を適用した3層タンデム型薄膜太陽電池の一例を示す断面図である。この場合は、たとえば第1光電変換層4に非晶質シリコンを、第2光電変換層5に非晶質シリコンゲルマニウムを、第3光電変換層17に結晶質シリコンを使用した3層タンデム型薄膜太陽電池や、第1光電変換層4に非晶質シリコンを、第2光電変換層5に第1光電変換層よりも結晶質な結晶質シリコンを、第3光電変換層17にさらに高結晶性の結晶質シリコンを使用した、結晶性が異なるシリコンで発電層を構成することが可能である。このような構成にすると、さらに広波長域の光を吸収する薄膜太陽電池となり、良好な光電変換効率を得ることができる。
また、上記においては、タンデム型薄膜太陽電池を例に説明したが、本発明は図9に示すように光電変換層21を1層のみ備える場合においても適用可能である。図9は、本発明を適用したシングル型薄膜太陽電池の一例を示す断面図である。
図10は、実施の形態1にかかる薄膜太陽電池の製造方法を適用して作製した実施例の薄膜シリコン太陽電池と、従来の粗面化していない透光性絶縁基板を用いて作製した比較例の薄膜シリコン太陽電池との、光の波長と量子効率との関係を示す特性図である。ここで、実施例の薄膜シリコン太陽電池は、上述した実施の形態1にかかる薄膜シリコン太陽電池の製造方法を適用して粗面化された透光性絶縁基板2上に微結晶シリコン単層からなる光電変換層を作製した。実施例の薄膜シリコン太陽電池と比較例の薄膜シリコン太陽電池とにおいて、透光性絶縁基板の粗面化以外の条件は同じである。
実施例の薄膜シリコン太陽電池と比較例の薄膜シリコン太陽電池について量子効率により太陽電池としての特性を評価すると、図10から分かるように、実施例の方が光電変換層での光吸光が低く、また、光拡散増大による光閉じ込め効果の影響を受けやすい長波長側の量子効率の向上が確認できた。
また、実施例と比較例の薄膜シリコン太陽電池について短絡電流密度および曲線因子を調べた。その結果、実施例の薄膜シリコン太陽電池では、比較例の薄膜シリコン太陽電池と比べて短絡電流密度が1.23mA/cm増加し、曲線因子が2.67%増加した。これは、透明電極層3において、結晶性が向上して電気抵抗が低くなったこと、およびキャリア密度が向上したこと、広波長域で良好な光散乱特性を示すテクスチャ構造が形成できたことに因るといえる。
以上のような実施の形態1によれば、透明電極層3の被形成面である透光性絶縁基板2表面に、中心線平均粗さ(Ra)1nm〜50nm、二乗平均面粗さ(RMS)5nm〜25nm、最大高低差(Rmax)200nm以下、凹凸ピッチ1.5μm以下の微細な凹凸2aを形成する。これにより、透光性絶縁基板2上に形成する透明導電膜の初期層の結晶成長(結晶性の向上)を促し、低不純物濃度、低成膜温度の条件でも、高結晶化された透明導電膜を形成して高導電性の透明電極層3を得ることが可能になる。これにより、低抵抗率および高光透過性を両立した結晶粒の大きい透明導電膜3を得る事ができる。
このようにして形成された透明導電膜3をウエットエッチングすると、結晶粒サイズを反映したエッチングがなされて凹凸が形成される。このため、結晶粒が小さい場合と比べてお椀型のテクスチャ形状の凹凸ピッチが大きい、凹凸ピッチが0.3〜1.5μmであり、深さが0.2μm〜0.8μmのランダムな凹凸が形成されるようになり、短波長から長波長まで広い波長域の光を散乱する特性を有するテクスチャを得ることができる。
そして、このような透明電極層3を用いてモジュールを構成することにより、第1光電変換層4、第2光電変換層7により多くの光を届け、光閉じ込め効果により第1光電変換層4、第2光電変換層7により多くの光を吸収させることを可能にし、良好な光電変換効率を実現することができる。
また、実施の形態1によれば、低温成膜により、高結晶化した導電性の良好な透明導電膜3が得られるため、成膜温度に起因したスループットの低下やクラックの発生が生じない。
また、実施の形態1によれば、低不純物濃度においても高結晶化した導電性の良好な透明導電膜3が得られるため、不純物濃度に起因した光透過性の低下が生じない。
したがって、実施の形態1によれば、生産性および光電変換効率に優れた透明導電膜および薄膜シリコン太陽電池を実現することができる。
実施の形態2.
実施の形態2では、透光性絶縁基板2の他の粗面化方法について説明する。実施の形態2では、透光性絶縁基板2の表面を粗面化する方法としてフッ素系ウエットエッチング処理を採用する。エッチング液は、フッ化水素酸、ケイフッ酸、バッファードフッ酸などを用いる。
たとえばRaが1nm未満のソーダガラスからなる透光性絶縁基板2を、バッファードフッ酸水溶液に30分〜90分浸漬する。このフッ素系ウエットエッチング処理により、Raが1nm〜50nm、RMSが5nm〜60nm、最大高低差(Rmax)が200nm以下、凹凸ピッチ1.5μm以下の本発明に適した凹凸2aを透光性絶縁基板2の表面に形成することができる。
したがって、実施の形態2によれば、実施の形態1の場合と同様に生産性および光電変換効率に優れた透明導電膜および薄膜シリコン太陽電池を実現することができる。
なお、フッ素系ウエットエッチングでは等方的にエッチングが進むので、エッチング時間が長すぎると凹径が大きくなって隣り合う凹部が重なり合うようになり、逆に凹凸が小さくなる。したがって、エッチング液とエッチング時間を最適化して行う必要がある。
実施の形態3.
実施の形態3では、透光性絶縁基板2の他の粗面化方法について説明する。実施の形態3では、透光性絶縁基板2の表面を粗面化する方法として、ドライエッチング法である減圧平行平板型RIE(Reactive on Etching)法を採用する。エッチング条件は、透光性絶縁基板2の製造の際に生じる微小なキズ、欠陥部位を選択的にエッチングしないように、透光性絶縁基板2の表面を全体的に均質にエッチングして粗面化するようなエッチングレートでエッチングできる条件を用いることが好ましい。
このようなエッチング条件は、たとえばSiOをエッチングする条件とされる。このエッチング条件は、ガラス基板に含まれている不純物を含むSiO:Alに対するエッチング効果が低い。このため、透光性絶縁基板2の表面が均質にエッチングする条件を用いても、面内においてエッチングレート差が生じ、凹凸2aが形成される。また、透光性絶縁基板2の欠陥部位とは、たとえばガラス基板の中に含まれるSiO結合が弱く、外部から浸潤してきたイオンなどに対して反応しやすい部位、または物理的ストレスに対する強度が弱い部位である。
本実施の形態では、四フッ化メタン(CF)と酸素(O)とを4対1の割合で混合したガス用いて減圧平行平板型RIE(Reactive on Etching)法により透光性絶縁基板2の表面のエッチングを行う。たとえばRaが1nm未満のソーダガラスからなる透光性絶縁基板2に対して、四フッ化メタン(CF)と酸素(O)を4対1の割合で混合したガス用いてCF供給量70sccm、O供給量15sccm、圧力6.7Pa、供給電力200Wの条件でエッチングを行う。このエッチング処理により、Raが1nm〜50nm、RMSが5nm〜60nm、最大高低差(Rmax)が200nm以下、凹凸ピッチ1.5μm以下の本発明に適した凹凸2aを透光性絶縁基板2の表面に形成することができる。
透光性絶縁基板2のような無機材料をエッチングする場合は、酸素ガスの供給ガス比を調整することにより透光性絶縁基板2のエッチングレートを容易に調整することが可能であり、制御性が良い。エッチングレートを早くするには、四フッ化メタン(CF)と酸素(O)との供給量を増加させるとよい。また、酸素ガス比を増加させる、または圧力を高くすると、エッチングの異方性が増して、透光性絶縁基板2の凹凸2aの形状は、凹凸ピッチが細かくなり、深さが増す。
この際、エッチング時間を確認する方法として、酸素ラジカルの消費割合をプラズマ発光強度変化から検出して求める方法を用いることができる。また、本実施の形態では、エッチングガスとして四フッ化メタン(CF)と酸素(O)との混合ガスを用いたが、トリフルオロメタン(CHF)、六フッ化エタン(C)、八フッ化プロパン(C)、四塩化炭素(CCl)、六フッ化硫黄(SF)など、ハロゲンを含むハロゲン系ガスの単体ガスや、該ハロゲン系ガスと酸素(O)ガスとの混合ガスをエッチングガスとして用いることも可能である。
上述した実施の形態3によれば、実施の形態1の場合と同様に生産性および光電変換効率に優れた透明導電膜および薄膜シリコン太陽電池を実現することができる。
なお、たとえばガラス基板に対するフロスト加工では、ガラス基板のSiO結合が弱い部位で選択的にエッチング反応が進みやすい。また、ガラス基板に対するブラスト加工でも、ガラス基板のSiO結合が弱く物理的ストレスに対する強度が弱い部位から削れやすい。このため、フロスト加工もブラスト加工も最大高低差(Rmax)が大きくなりやすい。本発明では、透光性絶縁基板2の凹凸2aの最大高低差(Rmax)を小さくするようにする必要があるため、これらの手法は不適である。
実施の形態4.
実施の形態4では、透光性絶縁基板2の他の粗面化方法について説明する。実施の形態4では、透光性絶縁基板2の表面を粗面化する方法として常圧プラズマエッチング(Atmospheric Pressure Plasma Etching)法を採用する。常圧プラズマエッチング法はエッチングレートが遅く、分子レベルで反応が進むので、透光性絶縁基板2においてSiOと不純物を含む部分(SiO:Al)との選択比も大きく、細かな凹凸を形成しやすい、という利点がある。エッチング条件は、透光性絶縁基板2の製造の際に生じる微小なキズ、欠陥部位を選択的にエッチングしないように、透光性絶縁基板2の表面を全体的に均質にエッチングして粗面化するようなエッチングレートでエッチングできる条件を用いることが好ましい。
このようなエッチング条件として、本実施の形態では、常圧プラズマ中に四フッ化メタン(CF)を供給して透光性絶縁基板2表面をエッチングする。たとえば、四フッ化メタン(CF)供給量70sccm、圧力2Pa、供給電力200Wの条件でエッチングを行う。このエッチング処理により、Raが1nm〜50nm、RMSが5nm〜60nm、最大高低差(Rmax)が200nm以下、凹凸ピッチ1.5μm以下の本発明に適した凹凸2aを透光性絶縁基板2の表面に形成することができる。
エッチングの際に基板温度を100℃〜200℃にすると、エッチングレートが早くなる。エッチングガスとしては、四フッ化メタン(CF)単体ガスのみだけでなく、酸素(O)との混合ガスを用いてもよく、キャリアガスとして窒素(N)を用いてもよい。また、エッチングガスとしてフッ素(HF)を用いてもよい。
上述した実施の形態4によれば、実施の形態1の場合と同様に生産性および光電変換効率に優れた透明導電膜および薄膜シリコン太陽電池を実現することができる。
なお、実施の形態1〜実施の形態4に示した粗面化方法を適宜組み合わせることも可能である。
実施の形態5.
実施の形態5では、透明電極層3の被形成面を粗面化する方法として透光性絶縁基板2上に膜厚が5nm〜10nmのSiO膜を形成する方法を採用する。図11は、本発明の実施の形態5にかかるモジュールにおけるテクスチャ構造を説明するための要部断面図である。実施の形態5にかかるモジュールは、略平坦な透光性絶縁基板2上に膜厚が5nm〜10nmの酸化シリコン(SiO)膜10が形成され、その上に第1光電変換層4が形成されている。モジュールにおえるその他の構成は、実施の形態1にかかるモジュール1と同じであるため、同じ符号を付すことで詳細な説明は省略する。
SiO膜10は透明電極層3の下地層であり、SiO膜10における透光性絶縁基板2と反対側の面が透明電極層3の被形成面とされている。SiO膜10は、膜厚が5nm〜10nmとされている。SiO膜10における被形成面には、中心線平均粗さ(Ra)が1nm〜50nm、二乗平均面粗さ(RMS)が5nm〜60nm、最大高低差(Rmax)200nm以下、凹凸ピッチ1.5μm以下の表面形状を有する凹凸10aが形成されている。SiO膜10は連続した膜でなくてもよく、透明電極層3上に島状に形成されてもよい。膜厚が5nm未満の場合には、SiO膜の初期層形成が充分になされず、SiO膜表面の凹凸のRaが5nm以下になり、凹凸による透明導電膜の高結晶化効果が低下し、透明導電膜の抵抗率は高くなる。膜厚が10nmより大の場合には、SiO膜の膜厚が厚くなり、初期層の凹凸が埋め尽くされ、膜表面の凹凸のRaが5nm以下になり、凹凸による透明導電膜の高結晶化効果が低下し、透明導電膜の抵抗率が高くなる。
このようなSiO膜10の形成は、たとえばスパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法などの物理的成膜方法や、スプレー法、CVD法などの化学的成膜方法のいずれを用いてもよい。そして、いずれの方法を用いた場合も、成膜初期の段階の膜成長核が透光性絶縁基板2上に形成し始めた段階で成膜を終了させることを特徴とする。これにより、上述した条件の表面形状を有する凹凸10aが得られる。
なお、上記においては、透明電極層3の下地層としてSiO膜単体を用いたが、下地層は最表面(透明電極層3側)に位置する膜が、膜成長核が形成し始めた段階で成膜が終了して形成された膜厚が5nm〜10nmの透明薄膜であれば、積層膜でもあってもよい。また、膜厚が1nm〜30nmの屈折率の異なる透明膜を積層した光学反射防止膜などを用いてもよい。光学反射防止膜は、薄膜の積層で構成されるので、成膜初期層の膜成長核起因の凹凸を反映したRaが10nm以下の微小な凹凸を有する。光学反射防止膜としては、たとえば、TiOとSiO、あるいはNbとSiO、HfOとSiOなどの組み合わせの積層膜などが挙げられる。
上述した実施の形態5では、透明電極層3の被形成面を粗面化する方法として、透光性絶縁基板2の表面を粗面化する代わりに透光性絶縁基板2の表面に成膜初期層の膜成長核起因の凹凸を有する膜厚が5nm〜10nmのSiO膜10を形成する。そして、このSiO膜10上に透明電極層3を形成する。この場合も、実施の形態1と同様に、透明電極層3となる透明導電膜の初期層の結晶成長(結晶性の向上)を促し、低不純物濃度、低成膜温度の条件でも、高結晶化された透明導電膜を形成して高導電性の透明電極層3を得ることが可能になる。これにより、低抵抗率および高光透過性を両立した透明導電膜3を得る事ができる。そして、このような透明電極層3を用いてモジュールを構成することにより、第1光電変換層4、第2光電変換層7により多くの光を届け、光閉じ込め効果により第1光電変換層4、第2光電変換層7により多くの光を吸収させることを可能にし、良好な光電変換効率を実現することができる。
以上のように、本発明にかかる透明導電膜の製造方法は、生産性および光透過特性に優れた透明導電膜の製造に有用である。
1 薄膜シリコン太陽電池モジュール(モジュール)
2 透光性絶縁基板
2a 凹凸
3 透明電極層(透明導電膜)
3a テクスチャ凹凸
4 第1光電変換層
4a p型半導体層
4b i型半導体層
4c n型半導体層
5 第2光電変換層
6 中間層
7 第2光電変換層
7a p型半導体層
7b i型半導体層
7c n型半導体層
8 裏面電極層
10 酸化シリコン(SiO)膜
10a 凹凸
17 第3光電変換層
21 光電変換層
D1 第1の溝
D2 第2の溝(接続溝)
D3 第3の溝(分離溝)

Claims (12)

  1. 絶縁基板上に透明導電膜を形成する透明導電膜の製造方法であって、
    絶縁基板上における前記透明導電膜の被形成面に、中心線平均粗さが1nm〜50nmであるとともに、凹凸ピッチが1.5μm以下および最大高低差が200nm以下のうち少なくとも一方の条件を満たす第1凹凸を形成して前記被形成面を粗面化する第1工程と、
    前記粗面化された前記被形成面に前記透明導電膜を形成する第2工程と、
    を含むことを特徴とする透明導電膜の製造方法。
  2. 前記第1工程では、前記絶縁基板の表面を粗面化し、
    前記第2工程では、前記粗面化された絶縁基板の表面に前記透明導電膜を形成すること、
    を特徴とする請求項1に記載の透明導電膜の製造方法。
  3. 前記絶縁基板の表面をサンドブラスト処理、フッ素系ウエットエッチング処理、減圧プラズマドライエッチング処理および常圧プラズマドライエッチング処理のうちの少なくとも1つにより粗面化すること、
    を特徴とする請求項2に記載の透明導電膜の製造方法。
  4. 前記第1工程では、物理的成膜方法または化学的成膜方法において成膜初期の段階の膜成長核が形成し始めた段階で膜の成膜を終了させることにより、膜厚が5nm〜10nmであり成膜初期の膜成長核に起因した凹凸を表面に有する透明下地層を前記絶縁基板上に形成し、
    前記第2工程では、前記透明下地層上に前記透明導電膜を形成すること、
    を特徴とする請求項1に記載の透明導電膜の製造方法。
  5. 前記透明下地層と前記絶縁基板側との間に他の透明膜を形成すること、
    を特徴とする請求項4に記載の透明導電膜の製造方法。
  6. 前記透明導電膜が、酸化亜鉛、酸化インジウムおよび酸化スズのうちのいずれか1つの酸化物、または酸化インジウム、酸化スズおよび酸化亜鉛のいずれか1つに少なくとも1種類の他の金属を0.01at%〜10at%の範囲で含む酸化物であること、
    を特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の透明導電膜の製造方法。
  7. 前記第2工程の後に、前記透明導電膜の表面をエッチングして前記透明導電膜の表面に前記第1凹凸よりも大きい凹凸形状を有する第2凹凸を形成する第3工程を有すること、
    を特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の透明導電膜の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つに記載の透明導電膜の製造方法により、透光性絶縁基板上に透明導電膜を形成する工程と、
    前記透明導電膜上に、半導体膜からなり光電変換を行う光電変換層を1層以上形成する工程と、
    前記光電変換層上に導電膜からなる裏面電極層を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする薄膜太陽電池セルの製造方法。
  9. 透光性基板上に、透明導電膜、半導体膜からなり光電変換を行う1層以上の光電変換層、導電膜からなる裏面側電極をこの順で含む薄膜太陽電池セルであって、
    前記透明導電膜と前記透光性基板側において接する前記透明導電膜の被形成面に形成された第1凹凸が、中心線平均粗さ(Ra)が1nm〜50nmであるとともに、凹凸ピッチが1.5μm以下および最大高低差が200nm以下のうち少なくとも一方の条件を満たすこと、
    を特徴とする薄膜太陽電池セル。
  10. 前記被形成面が、前記絶縁基板の表面であること、
    を特徴とする請求項9に記載の薄膜太陽電池セル。
  11. 前記被形成面が、前記絶縁基板の表面に形成された、成膜初期の膜成長核に起因した凹凸を有する膜厚が5nm〜10nmである透明膜を最表面に含んだ透明下地層の表面であること、
    を特徴とする請求項9に記載の薄膜太陽電池セル。
  12. 請求項9〜11のいずれか1つに記載の薄膜太陽電池セルの少なくとも2つ以上が電気的に接続されてなること、
    を特徴とする薄膜太陽電池モジュール。
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