JP5409065B2 - 圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、内部に圧縮機構が設置されているハウジングの外周部に、圧縮機設置用の取付け脚が外方に突出されるように一体成形されている圧縮機に関するものである。
車両に搭載されている空調装置用の圧縮機は、一般にアルミダイカスト製のハウジングを備え、その内部に圧縮機構が収容設置されている。ハウジングの外周部には、圧縮機設置用の複数の取付け脚が一体に成形されており、圧縮機は、この複数の取付け脚を介して直接またはブラケットを介在して車両の走行用エンジンの側壁等に設置され、該エンジンから動力を得て駆動されるように構成されている。
圧縮機設置用の取付け脚は、ハウジング外周部の3ないし4箇所に設けられることが多く、特許文献1には、フロントハウジングの前端面側の上下2箇所と、リアハウジングの後端面側の中央部1箇所の合計3箇所に取付け脚を設けたスクロール型圧縮機が示されている。この取付け脚は、一般に車両側の都合により位置、大きさ等が決まることがほとんどである。このため、同一の圧縮機であっても取付け脚のみが異なる設計とされることが往々にしてあり、ハウジングの大きさに対して取付け脚だけが大きくされる場合がある。
特開2007−327437号公報
ところで、取付け脚の大きさが大きくなると、その分だけハウジングの熱容量が大きくなる。一方、圧縮機の停止時からの起動後、ハウジングは圧縮機構から吐出される高温の冷媒ガスにより加温されて徐々に温度上昇し、最終的には外気温と釣り合って温度バランスするが、ハウジングの熱容量が大きくなるほど、内部に設置されている圧縮機構の温度上昇に対して、ハウジング側の温度上昇が遅れる。このため、過渡的に圧縮機構の構成部材が温度上昇により熱膨張するが、ハウジング側がそれほど温度上昇せず熱膨張が小さいままという状態が生じることになる。同様に、冷媒循環量が少なくなっている状態(ガスロー状態)のときに急加速運転されると、圧縮機構側の温度が急上昇するのに対して、ハウジング側の温度上昇が遅れるため、圧縮機構側とハウジング側との間に過渡的に熱膨張差が生じることになる。
これによって、ハウジングに支持されている圧縮機構側において線膨張によるクリアランスの減少が起こり、異常摩耗や焼付きの要因となることがある。また、このような異常摩耗や焼付きを防止すべく、線膨張差を吸収できるだけのクリアランスを設けると、隙間が増大し、その結果、圧縮機構でのガス漏れが大きくなってしまい、圧縮性能が低下するという問題が生じる。更に、取付け脚が大きさなるほど、重量が増大するとともに、材料費が高くなるという問題がある。特に、車両空調装置用の圧縮機にとって、軽量化は重要な課題であり、重量の増大は大きな問題である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、取付け脚によってハウジングの熱容量が大きくなることに起因する不適合を解消し、信頼性および圧縮性能の向上を図るとともに、軽量化、低コスト化を実現できる圧縮機を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明の圧縮機は、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる圧縮機は、内部に圧縮機構が設けられているとともに、圧縮されたガスが吐出される吐出チャンバーが形成されているハウジングの外周部に、圧縮機設置用の取付け脚が外方に向け一体に突出形成されている圧縮機において、前記取付け脚の内部に、前記吐出チャンバーと連通されている空間部が形成され、該空間部の内面側に伝熱用フィンが一体に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、ハウジングの外周部に一体に突出形成されている圧縮機設置用の取付け脚の内部に、吐出チャンバーと連通されている空間部が形成され、該空間部の内面側に伝熱用フィンが一体に設けられているため、圧縮機構から吐出チャンバーに吐出された高温の圧縮ガスを、取付け脚の内部に形成されている空間部に導くことによりハウジングの熱容量の偏りを是正し、圧縮機の停止時からの起動後やガスロー状態での急加速運転時等におけるハウジング側の温度上昇を圧縮機構側の温度上昇に近づけ、両者間に過渡的に生じる熱膨張差を小さくすることができる。従って、ハウジングに支持されている圧縮機構内部での線膨張によるクリアランスの減少、それに伴う異常摩耗や焼付き、あるいは異常摩耗や焼付きを防止すべく相応のクリアランスを確保することに起因するガス漏れの増大による圧縮性能の低下等の不適合をすべて解消し、圧縮機の信頼性および圧縮性能の向上を図ることができる。また、取付け脚の内部を空間部とすることによって、その分だけ重量および材料費を低減することができ、圧縮機の軽量化および低コスト化を図ることができる。さらに、吐出チャンバーの容積を空間部に相当する分だけ大きくできるため、そのマフラ効果によって吐出脈動を低減し、振動を抑制することができる。しかも、空間部の内面側に一体に設けたフィンの伝熱効果により、ハウジング側の温度上昇を促進し、圧縮機構側の温度上昇により近づけ、両者間の過渡的な熱膨張差を可及的に小さくすることができるため、取付け脚によりハウジングの熱容量が大きくなることに起因する上述の不適合を確実に解消し、圧縮機の信頼性および圧縮性能の向上を図ることができる。
さらに、本発明の圧縮機は、上記の圧縮機において、前記伝熱用フィンは、補強用のリブを兼ねていることを特徴とする。
本発明によれば、伝熱用フィンが、補強用のリブを兼ねているため、取付け脚の内部に空間部を形成したことによる取付け脚の強度低下を補強用のリブを兼用するフィンにより抑制することができる。従って、フィンの伝熱効果により起動時やガスロー状態での急加速運転時等におけるハウジング側の温度上昇を促進することができるとともに、リブの機能により取付け脚を補強しその強度を十分に確保することができる。
さらに、本発明の圧縮機は、上述のいずれかの圧縮機において、前記伝熱用フィンは、前記空間部の入り口に設けられ、該空間部に圧縮ガスを導入するガイドを兼ねていることを特徴とする。
本発明によれば、伝熱用フィンが、空間部の入り口に設けられ、該空間部に圧縮ガスを導入するガイドを兼ねているため、圧縮機構から吐出チャンバーに吐出された高温の圧縮ガスをガイド兼用のフィンにより確実に空間部内に導くことができる。従って、ハウジングの温度上昇を促進して圧縮機構との間の過渡的な熱膨張差を可及的に小さくし、取付け脚によりハウジングの熱容量が大きくなることに起因する上述の不適合を確実に解消することができる。
さらに、本発明にかかる圧縮機は、圧縮機の外郭を構成するハウジングと、該ハウジングの内部に設けられているスクロール圧縮機構と、該スクロール圧縮機構の固定スクロールの端板と前記ハウジングの内面との間に形成され、前記スクロール圧縮機構で圧縮された冷媒ガスが吐出される吐出チャンバーと、前記ハウジングの外周部に、外方に向け一体に突出形成されている圧縮機設置用の複数の取付け脚とを備えたスクロール型の圧縮機において、前記複数の取付け脚の中の少なくとも1つで、前記吐出チャンバーが形成されている領域に対応して前記ハウジングの外周に設けられている前記取付け脚の内部に、前記吐出チャンバーと連通されている空間部が設けられ、該空間部の内面側に伝熱用フィンが一体に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、ハウジングの外周部に一体に突出形成されている圧縮機設置用の複数の取付け脚の中の1つで、スクロール圧縮機構で圧縮された冷媒ガスが吐出される吐出チャンバーが形成されている領域に対応してハウジングの外周に設けられている取付け脚の内部に、吐出チャンバーと連通されている空間部が設けられ、該空間部の内面側に伝熱用フィンが一体に設けられているため、スクロール圧縮機構から吐出チャンバーに吐出された高温の冷媒ガスを、取付け脚の内部に設けられている空間部に導くことによりハウジング側の熱容量の偏りを是正し、圧縮機の停止時からの起動後やガスロー状態での急加速運転時等におけるハウジング側の温度上昇を圧縮機構側の温度上昇に近づけ、両者間に過渡的に生じる熱膨張差を小さくすることができる。従って、ハウジングに支持されているスクロール圧縮機構内部での線膨張によるクリアランスの減少、それに伴う異常摩耗や焼付き、あるいは異常摩耗や焼付きを防止すべく相応のクリアランスを確保することに起因するガス漏れの増大による圧縮性能の低下等の不適合をすべて解消し、圧縮機の信頼性および圧縮性能の向上を図ることができる。また、取付け脚の内部を空間部とすることによって、その分だけ重量および材料費を低減することができ、圧縮機の軽量化および低コスト化を図ることができる。さらに、吐出チャンバーの容積を空間部に相当する分だけ大きくできるため、そのマフラ効果によって吐出脈動を低減し、振動を抑制することができる。しかも、空間部の内面側に一体に設けたフィンの伝熱効果により、ハウジング側の温度上昇を促進し、圧縮機構側の温度上昇により近づけ、両者間の過渡的な熱膨張差を可及的に小さくすることができるため、取付け脚によりハウジングの熱容量が大きくなることに起因する上述の不適合を確実に解消し、圧縮機の信頼性および圧縮性能の向上を図ることができる。
本発明によると、圧縮機構から吐出された高温冷媒ガスを、取付け脚の内部に形成されている空間部に導くことにより、ハウジングの熱容量の偏りを是正し、圧縮機の停止時からの起動後やガスロー状態での急加速運転時等におけるハウジング側の温度上昇を圧縮機構側の温度上昇に近づけ、両者間に過渡的に生じる熱膨張差を小さくすることができるため、ハウジングに支持されている圧縮機構内部での線膨張によるクリアランスの減少、それに伴う異常摩耗や焼付き、あるいは異常摩耗や焼付きを防止すべくクリアランスを確保することに起因するガス漏れの増大による圧縮性能の低下等の不適合をすべて解消し、圧縮機の信頼性および圧縮性能の向上を図ることができる。また、取付け脚の内部を空間部とすることによって、その分だけ重量および材料費を低減することができ、圧縮機の軽量化および低コスト化を図ることができる。さらに、吐出チャンバーの容積を空間部に相当する分だけ大きくできるため、そのマフラ効果によって吐出脈動を低減し、振動を抑制することができる。しかも、空間部の内面側に一体に設けたフィンの伝熱効果により、ハウジング側の温度上昇を促進し、圧縮機構側の温度上昇により近づけ、両者間の過渡的な熱膨張差を可及的に小さくすることができるため、取付け脚によりハウジングの熱容量が大きくなることに起因する上述の不適合を確実に解消し、圧縮機の信頼性および圧縮性能の向上を図ることができる。
本発明の第1実施形態に係るスクロール型圧縮機の縦断面図である。 図1に示す圧縮機のリアハウジングを示す右側面図である。 図2に示すリアハウジングの取付け脚部分の拡大縦断面図(A)とそのa−a断面相当図(B)である。 本発明の第実施形態に係るスクロール型圧縮機のリアハウジングの部分縦断面図である。 本発明の第実施形態に係るスクロール型圧縮機のリアハウジングの部分縦断面図である。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1ないし図3を用いて説明する。
本実施形態では、本発明をスクロール型圧縮機(圧縮機)1に適用した例について説明する。スクロール型圧縮機(圧縮機)1は、外殻を構成するハウジング2を有する。ハウジング2は、フロントハウジング3とリアハウジング4とをボルト5により一体的に締め付け固定することによって構成されている。フロントハウジング3およびリアハウジング4には、円周上の複数箇所、例えば4箇所(図2参照)に等間隔で締め付け用のフランジ3A,4Aが一体に形成され、このフランジ3A,4A同士をボルト5で締め付けることによって、フロントハウジング3とリアハウジング4とが一体に結合されている。
フロントハウジング3の内部には、クランク軸(駆動軸)6がメイン軸受7およびサブ軸受8を介してその軸線回りに回転自在に支持されている。クランク軸6の一端側(図1において左側)は小径軸部6Aとされ、この小径軸部6Aはフロントハウジング3を貫通して図1の左側に突出されている。小径軸部6Aの突出部には、公知の如く動力を受ける図示省略の電磁クラッチ、プーリー等が設けられ、エンジン等の駆動源からVベルト等を介して動力が伝達されるようになっている。メイン軸受7とサブ軸受8との間には、メカニカルシール(リップシール)9が設置されており、ハウジング2内と大気との間を気密にシールしている。
クランク軸6の他端側(図1において右側)には、大径軸部6Bが設けられ、この大径軸部6Bには、クランク軸6の軸線より所定寸法だけ偏心した状態でクランクピン6Cが一体に設けられている。クランク軸6は、その大径軸部6Bおよび小径軸部6Aがメイン軸受7およびサブ軸受8で支持されることにより、フロントハウジング3に回転自在に支持されている。クランクピン6Cには、ドライブブッシュ10、フローティングブッシュ11およびドライブ軸受12を介して後述の旋回スクロール15が連結され、クランク軸6が回転されることによって、旋回スクロール15が旋回駆動されるようになっている。
ドライブブッシュ10には、旋回スクロール15が旋回駆動されることにより発生するアンバランス荷重を除去するためのバランスウェイト10Aが一体に形成され、旋回スクロール15の旋回駆動と共に旋回されるようになっている。
ハウジング2内には、スクロール圧縮機構(圧縮機構)13を構成する一対の固定スクロール14と旋回スクロール15が組み込まれている。固定スクロール14は、端板14Aと該端板14Aから立設された渦巻き状ラップ14Bとから構成され、旋回スクロール15は、端板15Aと該端板15Aから立設された渦巻き状ラップ15Bとから構成されている。
本実施形態の固定スクロール14および旋回スクロール15は、それぞれ渦巻き状ラップ14B,15Bの先端面とボトム面の渦巻き方向に沿う所定位置に、それぞれ段部を備えている。この段部を境に、ラップ先端面においては、旋回軸線方向に外周側の先端面が高く、内周側の先端面が低くされている。また、ボトム面においては、旋回軸線方向に外周側のボトム面が低く、内周側のボトム面が高くされている。これによって、渦巻き状ラップ14B,15Bは、その外周側におけるラップ高さが内周側のラップ高さよりも高くされている。
固定スクロール14と旋回スクロール15とは、その中心を旋回半径分だけ離すとともに、渦巻き状ラップ14B,15Bの位相を180度ずらして噛合され、該渦巻き状ラップ14B,15Bの先端面とボトム面との間に常温で僅かなラップ高さ方向のクリアランス(数十〜数百ミクロン)を有するように組み付けられている。これによって、図1に示されるように、両スクロール14,15間には、端板14A,15Aと渦巻き状ラップ14B,15Bとにより限界される一対の圧縮室16がスクロール中心に対して対称に形成されるとともに、旋回スクロール15が固定スクロール14の周りをスムーズに旋回できるように構成されている。
圧縮室16は、旋回軸線方向の高さが渦巻き状ラップ14B,15Bの外周側において内周側の高さよりも高くされることによって、渦巻き状ラップ14B,15Bの周方向およびラップ高さ方向にガスを圧縮できる三次元圧縮が可能なスクロール圧縮機構13を構成している。固定スクロール14および旋回スクロール15の渦巻き状ラップ14B,115Bの先端面には、相手方スクロールのボトム面との間に形成されるチップシール面をシールするためのチップシール17が、それぞれ先端面に設けられた溝に嵌合されて設けられている。
固定スクロール14は、リアハウジング4の内面にボルト18を介して固定設置されている。また、旋回スクロール15は、端板15Aの背面に設けられているボス部15Cに対して、上述のとおり、クランク軸6の一端側に設けられているクランクピン6Cがドライブブッシュ10、フローティングブッシュ11およびドライブ軸受12を介して連結され、旋回駆動されるように構成されている。更に、旋回スクロール15は、フロントハウジング3のスラスト受け面3Bに端板15Aの背面が支持され、該スラスト受け面3Bと端板15Aの背面との間に設けられている自転阻止機構19を介して、自転が阻止されながら固定スクロール14の周りに公転旋回駆動されるように構成されている。
本実施形態の自転阻止機構19は、旋回スクロール15の端板15Aに設けられているリング穴に組み込まれた自転防止リング19Aの内周面に対して、フロントハウジング3に設けられているピン穴に組み込まれた自転防止ピン19Bが摺動自在に嵌合されているピンリング式の自転阻止機構とされている。
固定スクロール14には、端板14Aの中央部位に圧縮された冷媒ガスを吐出する吐出ポート14Cが開口されており、吐出ポート14Cには、端板14Aにリテーナ20を介して取り付けられている吐出リード弁21が設置されている。また、端板14Aの背面側には、リアハウジング4の内面と密接されるようにOリング等のシール材22が介装されており、リアハウジング4の内面との間にハウジング2の内部空間から区画された吐出チャンバー23を形成している。これによって、吐出チャンバー23を除くハウジング2の内部空間が、吸入チャンバー24として機能するように構成されている。
吸入チャンバー24には、フロントハウジング3に設けられている吸入口25を介して冷凍サイクルから戻ってくる冷媒ガスが吸入され、この吸入チャンバー24を経て圧縮室16に冷媒ガスが吸い込まれるようになっている。フロントハウジング3とリアハウジング4との間の接合面には、Oリング等のシール材26が介装され、ハウジング2内に形成される吸入チャンバー24を大気に対して気密にシールしている。
上記のように構成されているスクロール型圧縮機1において、ハウジング2の外周部位には、フロントハウジング3の前端面の上下2箇所と、リアハウジング4の後端面の中央部1箇所の計3箇所に圧縮機設置用の取付け脚27,28がそれぞれハウジングと一体に成形されている。なお、フロントハウジング3の前端面の下部側取付け脚は図示省略されている。取付け脚27,28には、それぞれ取付け用のボルトが貫通されるボルト貫通孔27A,28Aが設けられている。
リアハウジング4に設けられている取付け脚28は、図1に示されるように、後端面の略中央部から後方にオーバーハングされているとともに、後端面側から見たとき、図2に示されるように、横方向に長い長方形状の突出部とされている。該取付け脚28は、搭載される車両によって位置、大きさ、突出長さ等が変更されることがあるが、大きさや突出長さが拡大されても、後述する理由からリアハウジング4の熱容量が可能な限り大きくならないようにすることが望ましい。そこで、図1に示されるように、取付け脚28の内部を空間部29とし、吐出チャンバー23に連通させることによって吐出チャンバー23の一部を構成するようにしている。
さらに、本実施形態においては、図3(A),(B)に示されるように、取付け脚28の内部に形成した空間部29の内面側に、取付け脚28の突出方向に延びるように伝熱用フィン30をリブ状に立設し、その伝熱用フィン30を取付け脚28の補強用リブと兼用できるように構成している。
以上に説明の構成により、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
外部駆動源から図示省略のプーリーおよび電磁クラッチを介して回転駆動力をクランク軸6に伝達し、クランク軸6を回転すると、そのクランクピン6Cにドライブブッシュ10を介して旋回半径が可変に連結されている旋回スクロール14が、ピンリング式の自転阻止機構19により自転を阻止されながら、固定スクロール15の周りに一定の旋回半径で公転旋回駆動される。
この旋回スクロール15の公転旋回駆動によって、半径方向最外方に形成される圧縮室16内に、吸入チャンバー24内の冷媒ガスが吸い込まれる。圧縮室16は、所定の旋回角位置で吸入締め切りされた後、その容積が周方向およびラップ高さ方向に減少されながら中心側へと移動される。この間に冷媒ガスは圧縮され、当該圧縮室16が吐出ポート14Cに連通する位置に達すると、吐出リード弁21を押し開く。その結果、圧縮された高温高圧のガスは、吐出チャンバー23内に吐き出され、該吐出チャンバー23を経て圧縮機1の外部へと送出される。
上記した圧縮動作の開始時、圧縮機1は、周囲温度に馴染んでおり、ハウジング2も外気温度相当となっている。この停止状態からの起動後、スクロール圧縮機構13は、冷媒ガスの圧縮に伴って温度上昇し、一方、ハウジング2(リアハウジング4)もスクロール圧縮機構13から吐出された圧縮ガスにより加温され、徐々に温度上昇される。このときの温度上昇は、スクロール圧縮機構13側の温度上昇の方がハウジング2側の温度上昇よりも早く、最終的には外気温と釣り合ったところで温度バランスする。ここで、ハウジング2(リアハウジング4)の温度上昇は、その熱容量が大きくなるほどスクロール圧縮機構13側の温度上昇に対して遅れることになる。言い換えると、圧縮機設置用の取付け脚28が外方に大きく突出しているほどその熱容量は大きくなるため、ハウジング2の温度上昇は緩やかになり、スクロール圧縮機構13側の温度上昇に対して遅れが生じる。
さらに、例えばアイドリング運転で圧縮機1が低回転で回転され、冷媒循環量が少なくなっている状態(ガスロー状態)から急加速運転されたような場合等においては、冷媒循環量が少なくなっているため、通常冷媒量での運転時に比べスクロール圧縮機構13側の温度が急激に上昇するのに対して、ハウジング2側は高温のガス流れが減少することにより温度上昇が遅れることになり、スクロール圧縮機構13側とハウジング2(リアハウジング4)側との間に過渡的により大きな熱膨張差が生じることになる。
しかるに、本実施形態では、圧縮機設置用の取付け脚28の内部に、吐出チャンバー23と連通されるように空間部29を形成し、スクロール圧縮機構13から吐出チャンバーに吐出された高温の圧縮ガスを、取付け脚28の内部に形成されている空間部29に導くようにしているため、ハウジング2(リアハウジング4)の熱容量の偏りを是正し、圧縮機1の停止時からの起動後や冷媒循環量が少なくなっている状態(ガスロー状態)のときの急加速運転時等におけるハウジング2(リアハウジング4)側の温度上昇をスクロール圧縮機構13側の温度上昇に近づけ、両者間に過渡的に生じる熱膨張差を可及的に小さくすることができる。
これによって、ハウジングハウジング2(リアハウジング4)に支持されているスクロール圧縮機構13内部での線膨張による上述したクリアランスの減少、それに伴う異常摩耗や焼付き、あるいは異常摩耗や焼付きを防止すべく相応のクリアランスを確保することに起因するガス漏れの増大による圧縮性能の低下等の不適合をすべて解消し、圧縮機1の信頼性および圧縮性能の向上を図ることができる。
また、取付け脚28の内部を空間部29としているため、その分だけリアハウジング4の重量および材料費を低減することができ、圧縮機1の軽量化および低コスト化を図ることができる。更に、空間部29を吐出チャンバー23に連通しているため、吐出チャンバー23の容積を空間部29に相当する分だけ大きくすることができ、そのマフラ効果によって吐出脈動を低減し、振動を抑制することができる。
さらに、上記空間部29の内面側に、伝熱用フィン30を一体に形成した構成とすることによって、伝熱用フィン30の伝熱効果により取付け脚28を含むハウジング2(リアハウジング4)側の停止時からの起動後やガスロー状態での急加速運転時等における温度上昇を促進してスクロール圧縮機構13側の温度上昇により近づけ、両者間に過渡的に生じる熱膨張差を可及的に小さくすることができる。このため、取付け脚28によりハウジング2(リアハウジング4)の熱容量が大きくなることに起因する上述の不適合を確実に解消し、圧縮機1の信頼性および圧縮性能の向上を図ることができる。
また、伝熱用フィン30が、補強用のリブを兼ねているため、取付け脚28の内部に空間部29を形成したことによる取付け脚29の強度低下を補強用のリブを兼用する伝熱用フィン30により抑制することができる。従って、伝熱用のフィン30としてハウジング2(リアハウジング4)の温度上昇を促進することができるとともに、補強用のリブとして取付け脚28を補強しその強度を十分に確保することができる。
[第実施形態]
次に、本発明の第実施形態について、図4を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第実施形態に対して、空間部29の内面側に設ける伝熱用フィン30Aの設け方が異なっている。その他の点については、第実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態においては、図4に示されるように、空間部29の内面側に設けられる伝熱用フィン30Aを、スクロール圧縮機構13の吐出ポート14Cから最も離れている空間部29の先端側(最奥側)の面に設けた構成としている。
上記のような構成とすることによって、熱容量が大きいハウジング2(リアハウジング4)に対する伝熱用フィン30Aによる温度上昇促進効果を一段と高めることができ、取付け脚28を含むハウジング2(リアハウジング4)側の停止時からの起動後やガスロー状態での急加速運転時等における温度上昇をスクロール圧縮機構13側の温度上昇により近づけ、両者間に過渡的に生じる熱膨張差を可及的に小さくすることができる。
[第実施形態]
次に、本発明の第実施形態について、図5を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第および第実施形態に対して、空間部29の内面側に設ける伝熱用フィン30Bの設け方が異なっている。その他の点については、第1および実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態においては、図5に示されるように、空間部29の内面側に設けられる伝熱用フィン30Bを、空間部29の入り口部に設け、スクロール圧縮機構13から吐出チャンバー23に吐出された圧縮ガスをそのまま空間部29内に導くことができるような構成としている。
より具体的には、上記伝熱用フィン30Bを、固定スクロール14に設けられているリテーナ20および吐出リード弁21を覆うように形成し、高温の吐出ガスをより直接的に空間部29の先端側(最奥側)に導入できるようにしている。この場合、伝熱用フィン30Bの先端と固定スクロール14の端板14Aとの間には、吐出ガスが空間部29に封止されない程度の軸方向隙間が設けられることは云うまでもない。
このように、伝熱用フィン30Bを空間部29の入り口部に設け、吐出チャンバー23に吐出された圧縮ガスを空間部29に導くガイドと兼用させることによって、スクロール圧縮機構13から吐出チャンバー23に吐出された高温の圧縮ガスを確実に空間部29内に導入し、ハウジング2(リアハウジング4)の温度上昇を促進することができる。このため、スクロール圧縮機構13との間に過渡的に生じる熱膨張差を可及的に小さくし、取付け脚28によりハウジング2(リアハウジング4)の熱容量が大きくなることに起因する上述の不適合を確実に解消することができる。
以上の実施形態に基づき本発明の技術的意義を整理すると、以下の通りである。
リアハウジング4に固定されている圧縮機構13の一部(固定スクロール14)とフロントハウジング3に支持されている圧縮機構13の一部(旋回スクロール15)との間のクリアランス、すなわち圧縮機構内部の隙間は、本発明の採用によって、ハウジング2側の熱容量を可及的に小さくし、圧縮機構13側(特に、固定スクロール14並びに旋回スクロール15)の温度上昇に対するハウジング2側の温度上昇の遅れを減少して熱膨張差を小さくできる結果、当該クリアランスを小さく設定でき、圧縮機構内部の漏れ隙間を小さくすることが可能となる。
つまり、圧縮機構13を構成する固定スクロール14および旋回スクロール15が温度上昇による線膨張で軸方向に延びるのに対して、両スクロール14,15を固定または支持しているハウジング2の壁面も遅れることなく温度上昇し、同様に線膨張により軸方向に追従して延びることとなる。その結果、圧縮機構内部でクリアランスの減少が起こり難くなり、異常摩耗や焼付きを解消できるのみならず、クリアランスの減少を見込んで予め隙間を大きくしておく必要がなくなり、圧縮機構13の漏れ隙間を小さくして圧縮効率を向上できるということである。
なお、本発明は、上記実施形態にかかる発明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。例えば、上記実施形態では、リアハウジング4に設けられている取付け脚28は、後端面の略中央部から後方にオーバーハングされているものを例示しているが、取付け脚28の設置位置については、本質的に高温となる吐出チャンバー23に隣接している位置であれば、本発明の効果は得られるので、図1に示されている実施形態の位置に限定されるものではない。
また、上記実施形態では、リアハウジング4とフロントハウジング3との軸方向の分割面が固定スクロール14の端板14A付近に設置されているが、この分割面の位置については、特に制限はなく、例えば、分割面が旋回スクロール15の端板15Aよりも主軸受7側に設置されていてもよい。同様に、伝熱用フィンの形状や構成も特に制限されるものではなく、例えばディンプル形状のフィンであってもよい。
さらに、上記実施形態では、固定スクロール14および旋回スクロール15に段部を有するスクロール型圧縮機1に適用した例について説明したが、本発明は、このようなスクロール型圧縮機1に限定されるものではなく、段部を持たない通常のスクロール型圧縮機の他、ロータリ型、斜板型、レシプロ型、スクリュー型等々、他の如何なる型式の圧縮機にも同様で適用できることは云うまでもない。
1 スクロール型圧縮機(圧縮機)
2 ハウジング
3 フロントハウジング
4 リアハウジング
13 スクロール圧縮機構(圧縮機構)
14 固定スクロール
14A 端板
23 吐出チャンバー
27,28 取付け脚
29 空間部
30,30A,30B 伝熱用フィン

Claims (4)

  1. 内部に圧縮機構が設けられているとともに、圧縮されたガスが吐出される吐出チャンバーが形成されているハウジングの外周部に、圧縮機設置用の取付け脚が外方に向け一体に突出形成されている圧縮機において、
    前記取付け脚の内部に、前記吐出チャンバーと連通されている空間部が形成され、該空間部の内面側に伝熱用フィンが一体に設けられていることを特徴とする圧縮機。
  2. 前記伝熱用フィンは、補強用のリブを兼ねていることを特徴とする請求項に記載の圧縮機。
  3. 前記伝熱用フィンは、前記空間部の入り口に設けられ、該空間部に圧縮ガスを導入するガイドを兼ねていることを特徴とする請求項1または2に記載の圧縮機。
  4. 圧縮機の外郭を構成するハウジングと、該ハウジングの内部に設けられているスクロール圧縮機構と、該スクロール圧縮機構の固定スクロールの端板と前記ハウジングの内面との間に形成され、前記スクロール圧縮機構で圧縮された冷媒ガスが吐出される吐出チャンバーと、前記ハウジングの外周部に、外方に向け一体に突出形成されている圧縮機設置用の複数の取付け脚とを備えたスクロール型の圧縮機において、
    前記複数の取付け脚の中の少なくとも1つで、前記吐出チャンバーが形成されている領域に対応して前記ハウジングの外周に設けられている前記取付け脚の内部に、前記吐出チャンバーと連通されている空間部が設けられ、該空間部の内面側に伝熱用フィンが一体に設けられていることを特徴とする圧縮機。
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