JP5408224B2 - 通信装置及びウェイト更新方法 - Google Patents

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Description

本発明は、通信装置及びウェイト更新方法に関するものである。
マルチアンテナ技術は、無線通信において、送信・受信を複数のアンテナを用いて行うことにより、通信容量、周波数の利用効率、消費電力等の改善を行う技術である。なお、送信側・受信側いずれかのアンテナ数が1つであっても、他方のアンテナ数に応じて通信品質の改善等を行うことが可能である。
また、マルチアンテナ技術に関する用語として、MIMO(Multiple Input Multiple Output)がある。MIMOとは、通信用語として用いられる場合、送信側及び受信側両方が複数のアンテナを用いる通信方式を指すことが多いが、マルチアンテナ技術全般を指して使われることもある。
マルチアンテナ信号の処理アルゴリズムによって得られる利点としては、次の4つが挙げられる。
(1)空間ダイバーシチ(Spatial Diversity)
(2)合成利得(Coherent Gain)
(3)干渉波除去(Interference Mitigation)
(4)空間多重(Spatial Multiplexing)
前記空間ダイバーシチは、空間的に離れたアンテナを用いることで、マルチパスなどの影響による通信品質の劣化を小さくすることである。
前記合成利得は、受信側・送信側の各アンテナの信号に対して伝搬路の情報(振幅、位相の変化)を利用した重みをかけることで、希望方向からの受信電力と雑音の比を大きくすることである。
前記干渉波除去は、各アンテナからの受信信号に対して、所望信号以外の到来信号(干渉信号)を打ち消すように重みをかけて合成する。受信アンテナ数よりも一つ小さい数の干渉信号を除去することができる。到来信号の伝搬係数が未知であるならば、なんらかの学習アルゴリズムを用いる必要がある。
前記空間多重は、干渉波除去を応用して同時に複数の通信路を確立する方法である。一人のユーザが複数のアンテナから異なる信号を送信して通信容量を増やす方法と、複数のユーザが同時に通信を行って周波数利用効率を高める方法とがある。後者の方法は、SDMA(Space Division Multiple Access)と呼ばれる。
さて、近年注目を浴びているマルチアンテナ技術として、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing;直交周波数分割多重)方式を用いたOFDM−MIMOがある。
OFDM方式は、複数の搬送波(サブキャリア)を周波数軸上に多数配置するとともに、複数の搬送波を一部重ならせて周波数利用効率を上げたものである。OFDMは、地上波デジタル放送、無線LANなどの伝送方式に採用されている。
OFDM−MIMOにおける重要な技術の一つとして、重み(ウェイト)の更新が挙げられる。
例えば、ウェイトは、マルチアンテナ技術において上記(2)の合成利得により、希望波方向からの受信電力と雑音電力の比を大きくして、希望波方向に強い指向性を向ける(ビームフォーミング)場合に用いられる。
なお、ビームフォーミングでは、希望波方向に強い指向性を向けるのに加えて、希望波以外の受信信号による影響を小さくすることもできる。
ウェイトは、参照信号を用いて生成される。例えば、OFDMでは、受信側と送信側で既知の信号(パイロット信号)が挿入されているので、このパイロット信号を参照信号として、ウェイトを更新することができる。
ウェイトの更新アルゴリズムとしては、LMS(Least Mean Square)、RLS(Recursive Least−Squares)があり、これらが適切に動作した場合には誤差エネルギーを最小化し、(1)〜(4)のすべての利点を得ることができる。
OFDMのパイロット信号は、時間軸方向に所定間隔で配置されているため、パイロット信号を受信する度に、逐次、ウェイトを更新することが可能である。
定常状態(伝搬係数に時間的に変化がない場合)においては、ある程度の回数以上のウェイトの更新を行うことで、ウェイトの計算結果が収束し、干渉信号や雑音信号の影響を小さくすることができる。
ウェイトの更新方法については、例えば、特許文献1に記載されている。
図26は、特許文献1の図8の信号配列図を示している。この信号配列図は、OFDM方式による地上デジタルテレビ放送方式の信号配列である。同図では、縦軸をシンボル方向(時間軸方向)iとし、横軸をキャリア方向(周波数軸方向)kとしたキャリア−シンボル空間上のサブキャリア配置を示している。図中の黒丸はスキャッタード・パイロット(Scattered Pilot)SPを示し、白丸はデータ信号(データサブキャリア)を示している。
同図の信号配列の場合、同一のSPキャリア番号kpについては、4シンボル周期でSP信号が繰り返される。
特許文献1では、LMSアルゴリズムを適用してウェイトを更新する方法が説明されている。
同文献によれば、あるキャリア番号kpの時刻iにあるSP信号を用いて更新されたウェイトwb kp(i)があるときに、次のウェイトの更新は、同じキャリア番号kpの4シンボル後に位置するSP信号(キャリア番号kp,時刻i+4)を用いてウェイト更新値wb kp(i+4)を算出する。
特開2003−174427号公報
上記のように特許文献1では、単純に、時間軸方向にウェイト更新を繰り返すだけである。ところが、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access;直交周波数分割多元接続)などの通信方式では、一つフレームを複数のユーザに割り当てることが可能である。
OFDMAでは、基本伝送フレームは、下りサブフレーム及び上りサブフレームを有しており、それぞれの伝送サブフレームは、バーストを含んでいる。
ここで、バーストとは、フレーム内で割り当てられるデータ伝送用のブロックである。
一つのフレームが複数のユーザに割り当てられていると、同じフレーム中のパイロット信号であっても、伝搬環境が異なる。例えば、基地局からみてユーザAの端末との間の伝搬環境とユーザBの端末との間の伝搬環境とは、異なる。
したがって、ユーザAに割り当てられているバースト中のパイロット信号を用いたウェイト更新から、ユーザBに割り当てられているバースト中のパイロット信号を用いたウェイト更新への切り替わり(以下、「バースト切替」という)が生じると、ビームフォーミングの指向性を変えなくてはならないため、そのバースト切替を挟んで連続的にウェイト更新を行うと、ウェイト推定精度が低下する。
また、希望信号では、バースト切替がないときでも、干渉局からの干渉信号では、バースト切り替わりが生じることがありえる。干渉信号においてバースト切替が起こると、ビームフォーミングによって打ち消すべき干渉信号が異なるものになる。したがって、ビームフォーミングの指向性を変える必要があり、やはりウェイト推定精度が低下する。
しかも、希望信号と異なり、干渉信号のバースト切替のタイミングを知ることは困難である。
そこで、本発明は、ウェイト更新の際のバースト切替に伴うウェイト推定精度の低下をできるだけ抑えることを目的とする。
本発明は、ユーザに割り当てられるバースト領域が伝送フレーム中に含まれる通信方式によって通信を行う通信装置において、受信信号に含まれるパイロット信号に基づいて、ウェイトの更新を行って、ウェイト推定値を求めるウェイト更新部と、ウェイトの更新に用いられるパイロット信号の順序を制御する順序制御部と、を備え、前記順序制御部は、一のバースト領域内に存在する複数のパイロット信号のすべてをウェイト更新に用いてから、他のバースト領域内に存在するパイロット信号を用いたウェイト更新を行うように、順序を制御することを特徴とする。
上記本発明によれば、逐次行われるウェイト更新の際に、バースト切替が発生することが少ないため、ウェイト推定精度の低下を抑えることができる。
前記バースト領域は、OFDMA方式におけるバースト領域であるのが好ましい。OFDAMA方式では、ユーザ多重として周波数多重も可能であるため、バースト切替が特に発生しやすいが、本発明によれば、OFDMA方式であってもウェイト推定精度の低下を抑えることができる。
他の観点からみた本発明は、一つの伝送フレームを複数のユーザに割当可能な通信方式によって通信を行う通信装置において、受信信号に含まれるパイロット信号に基づいて、ウェイトの更新を行って、ウェイト推定値を求めるウェイト更新部と、ウェイトの更新に用いられるパイロット信号の順序を制御する順序制御部と、を備え、前記順序制御部は、前記伝送フレームにおけるユーザ割当の最小単位の領域内に存在する複数のパイロット信号のすべてをウェイト更新に用いてから、他のユーザ割当最小単位領域内に存在するパイロット信号を用いたウェイト更新を行うように、順序を制御する。
上記本発明によれば、バースト切替が発生しない領域であるユーザ割当最小単位の領域で多くのウェイト更新が行えるため、ウェイト推定精度の低下を抑えることができる。
前記ユーザ割当最小単位領域は、WiMAX又はモバイルWiMAXのアップリンクPUSC方式におけるタイル領域であるのが好ましい。また、前記ユーザ割当最小単位領域は、WiMAX又はモバイルWiMAXのダウンリンクPUSC方式におけるクラスタ領域であるのが好ましい。WiMAXでは、ユーザ多重として周波数多重も可能であるため、バースト切替が特に発生しやすいが、本発明では、バースト切替が発生しない領域であるユーザ割当最小単位の領域で多くのウェイト更新が行えるため、ウェイト推定精度の低下を抑えることができる。
複数回のウェイト更新の演算によって得られたウェイト推定値を平滑化した平滑化推定値を求めるウェイト平滑化部を備えているのが好ましい。ウェイトを平滑化することで、ウェイト推定精度が向上する。
他の観点からみた本発明は、ユーザに割り当てられるバースト領域が伝送フレーム中に含まれる通信方式によって通信を行う通信装置において、受信信号に含まれるパイロット信号に基づいて、ウェイトの更新を行って、ウェイト推定値を求めるウェイト更新部と、
複数回のウェイト更新の演算によって得られたウェイト推定値を平滑化した平滑化推定値を求めるウェイト平滑化部と、を備え、前記ウェイト平滑化部は、バースト領域単位で、複数のウェイト推定値の平滑化を行う。
上記本発明によれば、ウェイト推定値の平滑化がバースト領域単位で行われるため、バースト切替の影響を受けずに平滑化を行うことができる。
前記バースト領域は、OFDMA方式におけるバースト領域であるのが好ましい。OFDMA方式では、ユーザ多重として周波数多重も可能であるため、バースト切替が特に発生しやすいが、バースト領域単位で平滑化を行うことで、バースト切替が頻繁にあっても、ウェイト推定精度の低下を抑えることができる。
他の観点からみた本発明は、一つの伝送フレームを複数のユーザに割当可能な通信方式によって通信を行う通信装置において、受信信号に含まれるパイロット信号に基づいて、ウェイトの更新を行って、ウェイト推定値を求めるウェイト更新部と、ウェイト更新の演算によって得られた複数のウェイト推定値を平滑化した平滑化推定値を求めるウェイト平滑化部と、を備え、前記ウェイト平滑化部は、前記ユーザ割当最小単位で、複数のウェイト推定値の平滑化を行う。
上記本発明によれば、ウェイト推定値の平滑化がユーザ割当の最小単位で行われるため、干渉信号のバースト切替の影響も受けずに、平滑化を行うことができる。
前記ユーザ割当最小単位領域は、WiMAX又はモバイルWiMAXのアップリンクPUSC方式におけるタイル領域であるのが好ましい。また、前記ユーザ割当最小単位領域は、WiMAX又はモバイルWiMAXのダウンリンクPUSC方式におけるクラスタ領域であるのが好ましい。WiMAXでは、ユーザ多重として周波数多重も可能であるため、バースト切替が特に発生しやすいが、ユーザ割当最小単位で平滑化を行うことで、バースト切替が頻繁にあっても、ウェイト推定精度の低下を抑えることができる。
前記ウェイト平滑化部は、平滑化の対象となっているウェイト推定値を求めたときのウェイト更新よりも後に行われたウェイト更新の際に用いられた後パイロット信号の情報に基づいて、前記平滑化推定値を求めるのが好ましい。この場合、後に行われたウェイト更新に用いられた後パイロット信号の情報を、平滑化推定値に反映させることができる。したがって、平滑化推定値は、ウェイト推定値よりも多くの情報が反映されたものとなる。
前記後パイロット信号の前記情報は、前記後パイロット信号、前記ウェイト更新部が前記後パイロット信号を用いてウェイト更新を行って得たウェイト後推定値、又は前記ウェイト後推定値の平滑化推定値、であるのが好ましい。後パイロット信号以外に、ウェイト後推定値や前記ウェイト後推定値の平滑化推定値にも、後パイロット信号の情報が反映されているので、これらの情報(の1又は複数)を用いて、平滑化を行うことができる。
前記ウェイト平滑化部は、平滑化の対象となっているウェイト先推定値と、前記ウェイト推定値を求めたときのウェイト更新よりも後に行われたウェイト更新によって得られたウェイト後推定値の平滑化推定値と、を重み付け合成することによって、前記ウェイト先推定値の平滑化推定値を求めることが好ましい。この場合、簡易な演算で平滑化推定値を求めることができる。
前記ウェイト平滑化部は、平滑化の対象となっているウェイト推定値を求めたときのウェイト更新の際に用いたパイロット信号によって、当該ウェイト更新よりも後に行われたウェイト更新によって得られたウェイト後推定値のウェイト更新を行うことにより、前記ウェイト推定値の平滑化推定値を求めるのが好ましい。この場合、ウェイト更新のアルゴリズムで平滑化を行うことができる。
前記ウェイト平滑化部は、平滑化の対象となっているウェイト推定値を求めたときのウェイト更新よりも後に行われたウェイト更新の際に用いられた後パイロット信号に基づいて、固定区間スムージングを行うことにより、前記ウェイト推定値の平滑化推定値を求めるのが好ましい。固定区間スムージングを用いることにより、精度良く推定を行うことができる。
前記ウェイト平滑化部が平滑化を行うためのパラメータを調整する平滑化パラメータ調整部を備えているのが好ましい。この場合、平滑化パラメータを調整して、適切な平滑化を行うことができる。
他の観点からみた本発明は、ユーザに割り当てられるバースト領域が伝送フレーム中に含まれる通信方式におけるウェイト更新方法であって、一のバースト領域内に存在する複数のパイロット信号のすべてをウェイト更新に用いてから、他のバースト領域内に存在するパイロット信号を用いたウェイト更新を行う。
さらに他の観点からみた本発明は、一つの伝送フレームを複数のユーザに割当可能な通信方式におけるウェイト更新方法であって、前記伝送フレームにおけるユーザ割当の最小単位の領域内に存在する複数のパイロット信号のすべてをウェイト更新に用いてから、他のユーザ割当最小単位領域内に存在するパイロット信号を用いたウェイト更新を行う。
さらに他の観点からみた本発明は、ユーザに割り当てられるバースト領域が伝送フレーム中に含まれる通信方式におけるウェイト更新方法であって、受信したパイロット信号に基づいて、ウェイト更新の演算を行って、ウェイト推定値を求めるウェイト更新ステップと、ウェイト更新の演算によって得られた複数のウェイト推定値を平滑化した平滑化推定値を求めるウェイト平滑化ステップと、を含み、前記ウェイト平滑化ステップでは、バースト領域単位で、複数のウェイト推定値の平滑化を行う。
さらに他の観点からみた本発明は、一つの伝送フレームを複数のユーザに割当可能な通信方式におけるウェイト更新方法であって、受信信号に含まれるパイロット信号に基づいて、ウェイトの更新を行って、ウェイト推定値を求めるウェイト更新ステップと、ウェイト更新の演算によって得られた複数のウェイト推定値を平滑化した平滑化推定値を求めるウェイト平滑化ステップと、を含み、前記ウェイト平滑化ステップでは、前記ユーザ割当最小単位で、複数のウェイト推定値の平滑化を行う。
さらに開示する他の発明は、前記通信装置において、前記ウェイト平滑化部は、平滑化の対象となっているウェイト先推定値と、前記ウェイト推定値を求めたときのウェイト更新よりも後に行われたウェイト更新によって得られたウェイト後推定値の平滑化推定値と、を重み付け合成することによって、前記ウェイト先推定値の平滑化推定値を求めることを特徴とする。
さらに開示する他の発明は、前記通信装置において、前記ウェイト平滑化部は、平滑化の対象となっているウェイト推定値を求めたときのウェイト更新の際に用いたパイロット信号によって、当該ウェイト更新よりも後に行われたウェイト更新によって得られたウェイト後推定値のウェイト更新を行うことにより、前記ウェイト推定値の平滑化推定値を求めることを特徴とする。
さらに開示する他の発明は、前記通信装置において、前記ウェイト平滑化部は、平滑化の対象となっているウェイト推定値を求めたときのウェイト更新よりも後に行われたウェイト更新の際に用いられた後パイロット信号に基づいて、固定区間スムージングを行うことにより、前記ウェイト推定値の平滑化推定値を求めることを特徴とする。
本発明によれば、ウェイト更新の際のバースト切替に伴うウェイト推定精度の低下を抑えることができる。
OFDMのサブキャリア構造を示す図である。 サブキャリアの周波数−時間2次元配列である。 タイルのサブチャネル−時間スロット2次元配列である。 伝送フレーム構造を示す図である。 クラスタ構造を示す図である。 通信装置のブロック図である。 簡略化した空間フィルタリングモデルを示す図である。 第1実施形態に係るフィルタリング処理部のブロック図である。 ウェイト補間方法の説明図である。 ウェイト更新順序ルールの例を示す図である。 ウェイト更新順序ルールの他の例を示す図である。 各パイロットサブキャリアにおける伝搬係数を示す図である。 伝搬係数の相互相関演算の前提を示す図である。 シミュレーションにおけるウェイト更新パターンを示す図である。 シミュレーション結果を示す図である。 第2実施形態に係るフィルタリング処理部のブロック図である。 ウェイト更新順序と平滑化順序を示す図である。 第2実施形態における平滑化処理のフローチャートである。 第3実施形態に係るフィルタリング処理部のブロック図である。 第3実施形態における平滑化処理のフローチャートである。 第4実施形態に係るフィルタリング処理部のブロック図である。 第4実施形態における平滑化処理のフローチャートである。 タイル単位の平滑化順序を示す図である。 シミュレーションにおけるウェイト更新及び平滑化順序を示す図である。 シミュレーション結果を示す図である。 地上デジタル放送でのサブキャリア配置を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態では、通信方式としてWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access, IEEE802.16)を例として説明する。
図1は、WiMAXにおいて採用されているOFDM方式(WirelessMAN−OFDM)又はOFDMA方式(WirelessMAN−OFDMA)のサブキャリア配置を示している。OFDMは、周波数多重方式の一種であり、周波数軸上で直交するように多数配置された搬送波(サブキャリア)にQAM変調をかけ、デジタル情報の伝送を行う通信方式である。また、OFDMAは、OFDM方式に、各サブキャリアのサブセットで構成する論理サブチャネルの概念を導入し、ユーザデータへの無線リソース割当の柔軟性を拡張した方式である。
OFDMのサブキャリアには、データサブキャリア(Data Sub−Carrier)、パイロットサブキャリア(Pilot Sub−Carrier)、ヌルサブキャリア(Null Sub−Carrier)の3種類がある。
データサブキャリア(データ信号)は、データや制御用メッセージを送信するためのサブキャリアである。パイロットサブキャリアは、受信側及び送信側で既知の信号(パイロット信号)であり、伝搬係数推定に用いられたり、ウェイト更新の参照信号として用いられたりする。
ヌルサブキャリアは、実際には何も送信されないサブキャリアであり、低周波数域側のガードサブバンド(ガードサブキャリア)、高周波数域側のガードサブバンド(ガードサブキャリア)、及びDCサブキャリア(中心周波数サブキャリア)によって構成されている。
図2は、OFDMAの上りPUSC(Partialy Used SubChannelization)について、ヌルサブキャリアを除いたデータサブキャリア(データ信号)及びパイロットサブキャリア(パイロット信号)の2次元配置を示している。図2において、横軸は周波数軸であり、縦軸は時間軸である。
図2の横軸のl(1〜L)はサブキャリア番号を示している。サブキャリア番号は、ヌルサブキャリアを除くサブキャリアについて、周波数の小さい順に番号を付したものである。なお、ヌルサブキャリアを含めた全サブキャリアの数を1024とした場合、データサブキャリア及びパイロットサブキャリアの総数Lは、840となる。
図2の縦軸のkは、シンボル番号を示している。シンボル番号は、到来時間の早い順にシンボルに番号を付したものである。
なお、図2では、シンボル方向(時間軸方向)に3個×周波数軸方向に4個の計12個のサブキャリアが、サブセット化され、1つのタイル構造を構成している。タイルは、ユーザ割当の際の最小単位となるものである。
タイルの四隅には、パイロットサブキャリアが配置され、タイル内の他のサブキャリアはデータサブキャリアとされている。
図2に示すように、上記タイルが時間軸方向及び周波数軸方向に規則的に並んでいる。この結果、パイロットサブキャリアは、複数の周波数軸方向位置に存在するとともに、複数の時間軸方向位置に存在する。
図3は、図2のサブキャリア配置を、サブチャネルと時間スロットで、表したものである。ここで、サブチャネルは、4つ(複数)のサブキャリアをサブセット化したものである。また、時間スロットは、3つ(複数)のシンボル分の時間を1スロットとしたものである。つまり、前述のタイルは、1サブチャネル1スロットである。
OFDMAでは、各ユーザにサブチャネルを割り当てることが可能である。したがって、OFDMAでは、WirelessMAN−OFDMで採用されている時分割多重(TDM)だけでなく、周波数分割多重(FDM)を行う多元接続が可能である。
OFDMA(の上り回線)のユーザ割当は、前記タイル単位(ユーザ割当の最小単位)で行われる。複数のタイル(ユーザ割当の最小単位)が組み合わされた領域がデータ領域(バースト領域)としてユーザに割り当てられる。
図4は、OFDMAの伝送フレーム構造を示している。1伝送フレーム(1基本フレーム)は、下りサブフレーム及び上りサブフレームを有している。下りサブフレームとそれに続く上りサブフレームとの間には、送信/受信切替ギャップTTG(Transmit/Receive Transition Gap)が設けられている。また、上りフレームとそれに続く下りサブフレームとの間には、受信/送信切替ギャップRTG(Receive/Transmit Transition Gap)が設けられている。
下りサブフレームは、最初にプリアンブルを有し、続いて、FCH(フレーム制御ヘッダ)、DL−MAP(下り割当情報)、UL−MAP(上り割当情報)を有する。下りサブフレームは、さらに、下りのユーザデータを伝送する下りバースト#n(例えばn:1〜9)を有する。下りバースト領域は、ユーザに割り当てられる下り回線のデータ領域であり、TDMとFDMを組み合わせたユーザデータの多重化が行われている。
上りフレームは、レジング・サブチャネルの他、上りのユーザデータを伝送する上りバースト#m(例えば、m:1〜3)を有する。上りバースト領域は、ユーザに割り当てられる上り回線のデータ領域であり、1又は複数のタイル領域の組み合わせによって構成されている。
図4では、上りフレームは、サブチャネルによる多重(FDM)だけが行われている。ただし、スロット単位での多重(TDM)も行っても良い。つまり、下り回線と同様の多重も可能である。
なお、図5は、下りPUSCにおけるユーザ割当の最小単位であるクラスタ構造を示している。下りPUSCの場合も、クラスタ構造を最小単位としてクラスタの組み合わせによってバースト領域が構成される。
[第1実施形態]
図6は、第1実施形態に係る通信装置の機能ブロックを示している。この通信装置1としては、主に基地局を想定する。この通信装置1は、複数のアンテナ素子11を有し、フィルタリング処理部14によって、空間フィルタリング特性を適応的に制御するアダプティブアレーアンテナシステムを構成している。
通信装置1は、各アンテナ素子11に対応してRF(Radio Frequency)部12及びFFT部13が設けられている。RF部12は、送信側で付加されたガードインターバルの除去やA/D変換などの処理を行う。FFT部では、直列/並列変換や離散フーリエ変換などの処理を行う。
各FFT部13の出力(マルチアンテナ信号)は、フィルタリング処理部14に与えられる。フィルタリング処理部14では、伝搬環境に応じた空間フィルタリング特性を適応的に求める。
図6には、通信装置1が通信しようとしている移動局(希望局)2以外に、干渉源となる干渉局(移動局)3,4を示した。希望局及び干渉局3,4の総数はM個とする。
希望局2及び干渉局3,4は、それぞれ、並列/直列変換や逆離散フーリエ変換などの処理を行うIFFT部21,31,41と、ガードインターバルの付加やD/A変換などの処理を行うRF部22,32,42と、アンテナ素子23,33,43を備えている。
送信側通信装置2,3,4と受信側通信装置1との間の伝搬路は、フェージング伝搬路となっている。サブキャリアは、フェージング伝搬路を通過すると、その振幅と位相が変化する。変化量は、サブキャリアの位置(時間軸方向位置と周波数軸方向位置)によって変わる。
受信側通信装置1の前記フィルタリング処理部14は、各アンテナ素子11に対応する各FTT部からの出力信号に対して適当なウェイトをかけて合成し、各サブキャリアにおける所望信号を抽出して、出力信号として出力する。
図7は、図6における所望信号、出力信号、受信信号(厳密には、通信装置1のアンテナ素子11に対応するFFT部13からの信号)の関係を示すフィルタリングモデルを示している。
図7において、kはシンボル番号、lはサブキャリア番号を示す。また、Mは所望信号及び干渉信号の数を示す。なお、記号Mは、以下の説明において、他の意味で用いられることもある。
雑音信号Z(k,l)は、各アンテナ素子11における雑音を表す複素N×1ベクトルである。
受信信号X(k,l)は、各アンテナ素子11に対応するFFT部からの出力からなる複素N×1ベクトルである。
伝達関数H(k,l)(m=1〜M)は、各信号の各サブキャリアが、アンテナ素子数Nのフェージング伝搬路で受ける振幅と位相の変化を並べた複素N×1ベクトルである。
ウェイトW(k,l)は、受信信号の各要素に対して掛ける複素数重みの複素共役を並べたN×1ベクトルである。図4において、上付のHは、複素共役転置を表す。また、以下において、上付のTは転置を表す。
図7の各信号の関係は、式(1)(2)のように表される。
Figure 0005408224

Figure 0005408224
前記フィルタリング処理部14の目的は、干渉信号の影響を受けている受信信号X(k,l)から所望信号S(k,l)だけを推定することである。
図8にフィルタリング処理部14の詳細を示している。フィルタリング処理部14は、受信信号X(k,l)を逐次的に保存する第1バッファ(受信信号記憶部;受信パイロット信号記憶部)141を備えている。第1バッファ141に蓄えられた受信信号X(k,l)は、ウェイト乗算部142に与えられる。ウェイト乗算部142は、受信信号(データサブキャリア)X(k,l)にウェイトW(k,l)を乗じて、合成した出力信号Y(k,l)=W(k,l)X(k,l)を出力する。
また、第1バッファ141の受信信号(パイロットサブキャリア)X(k,l)は、ウェイトW(k,l)の更新に用いられるため、ウェイト更新部143に与えられる。第1バッファ141に記憶している受信信号は、ウェイト乗算部142及びウェイト更新部143で使われなくなると随時消去される。
第1バッファ141で受信信号を蓄積しておくことで、本実施形態のようにウェイト更新方向を多様化しても容易に対応できる。また、ウェイト推定値の平滑化にも対応可能である。
ウェイト更新部143では、受信信号に含まれるパイロットサブキャリアを用いた更新処理(ウェイト更新ステップ)により、現在のウェイト推定値の更新を行い、更新後のウェイト推定値を第2バッファ144へ出力する。なお、更新処理の詳細は後述する。
第2バッファ(ウェイト推定値記憶部)144は、パイロットサブキャリアの位置でのウェイト推定値W(k,l)((k,l)=(1,1),(1,4),・・・,(1,L),・・・)を複数個保存する。具体的には、サブキャリアを時間軸−周波数軸の2次元配置でみたときの所定領域内の複数のパイロットサブキャリアを用いたウェイト更新によって得られた、複数のウェイト推定値が保存される。
第2バッファ144のウェイト推定値は、後述のウェイト補間部145において使用されなくなると随時消去される。
ウェイト補間部145は、パイロットサブキャリア位置でのウェイトを用いて、データサブキャリア位置でのウェイトW(k,l)を補間して、そのウェイトW(k,l)をウェイト乗算部142に与える。
図9は、ウェイト補間の一例を示している。図9の例では、タイル単位での線形補間を行う。具体的には、図9(b)に示すタイルのパイロットサブキャリア位置でのウェイトW,W,W,W12に対して、図9(a)に示す演算を行うことにより、データサブキャリア位置でのウェイトW,W,W,W,W,W,W10,W11を算出する。
この演算をすべてのタイルについて行うことで、全データサブキャリア位置でのウェイトを算出することができる。
[ウェイト更新部によるウェイト更新処理(ウェイト更新ステップ)]
本実施形態のウェイト更新部143は、RLSアルゴリズムによってウェイトを更新するように構成されている。ただし、他のアルゴリズム、例えば、LMSアルゴリズムやSMIアルゴリズムを用いても良い。
前記ウェイト更新部143は、受信信号中のパイロットサブキャリアX(k,l)と、対応する所望信号の参照信号(パイロットサブキャリア)S(k,l)と、ウェイト更新パラメータP,αと、を用いて、現在のウェイトW(kprev,lprev)を新たなウェイトW(k,l)に更新する。
RLSアルゴリズムによるウェイト更新演算式は、下記式(3)(4)のとおりである。なお、ウェイト更新部143では、式(4)で用いられるパラメータPの更新値Pnextも算出する。Pの更新演算式は、下記式(5)のとおりである。
Figure 0005408224

Figure 0005408224

Figure 0005408224
図8に示すように、上記式(3)〜(5)で用いられる値のうち、パイロットサブキャリアX(k,l)は、順序制御部146を介して、第1バッファ141から取得される。また、所望信号の参照信号(パイロットサブキャリア)S(k,l)は、参照信号生成部147によって生成され、ウェイト更新部143に与えられる。ウェイト更新パラメータP(N×N行列)は、第3バッファ(ウェイト更新パラメータ記憶部)148に保存されており、ウェイト更新部143は、当該第3バッファ148からパラメータPを取得する。また、ウェイト更新部143によって更新されたパラメータPnextは、第3バッファ148に更新保存され、次回のウェイト更新時のパラメータPとして用いられる。
また、上記式(4)(5)における更新パラメータαは、忘却係数であり、0〜1の間の値をとる。αの値を調整することによって、周波数軸方向、時間軸方向に対する伝達関数の変動への追従特性を調整することができる。なお、パラメータPは、αに依存して値が決定されるため、αの値を調整することで、Pの値も調整できる。
[ウェイト更新順序制御]
前述のように、ウェイト更新部143は、順序制御部146を介して、第1バッファ141から受信信号(パイロットサブキャリア)X(k,l)を取得する。
順序制御部146は、第1バッファ141に保存されている受信信号の中から、パイロットサブキャリアを分離して抽出する。
そして、順序制御部146は、ウェイト更新部143がウェイト更新に用いるパイロットサブキャリアの順序を制御する。具体的には、順序制御部146は、分離したパイロットサブキャリアを、ウェイト更新に用いる順番に並べ替える。そして、順序制御部146は、並び替えたパイロットサブキャリアを、並び替えた順番で、ウェイト更新部143に与える。
順序制御部146は、1つ又は複数のパイロットサブキャリアの並び替えルール(更新順序ルール)を有している。なお、並び替えルール(更新順序)は、伝搬環境に応じて動的に変更することも可能である。
更新順序ルールの一例を図10に示す。ここでの更新順序ルールの基本方針の一つは、一つのバースト領域B1内に存在するすべてのパイロットサブキャリアを用いることである。また、この更新順序ルールでは、一つのバースト領域B1内に存在するすべてのパイロットサブキャリアを用いたウェイト更新が完了するまで、他のバースト領域B2,B3,B4内のパイロットサブキャリアを用いたウェイト更新を行わない。
換言すると、この更新順序ルールでは、一のバースト領域B1内でのウェイト更新が終わって、他のバースト領域B2,B3,B4内でのウェイト更新に切り替わると、その後は、元のバースト領域B1に戻らないのである。
図10の更新順序ルールでは、まず、ある一のバースト領域B1について、図10のD1方向への更新を行う。すなわち、同一シンボル(同一時間k=1)において周波数軸方向にある複数のパイロットサブキャリアX(1,1)〜X(1,l)を対象として、周波数の小さいパイロットサブキャリアから順番に用いてウェイト更新を行う(周波数軸方向更新制御;周波数軸昇順方向更新制御D1)。
前記周波数軸昇順方向更新制御D1を行って、バースト領域B1の最大のサブキャリア番号lを持つパイロットサブキャリアX(1,l)まできたら、次に、図10のD2方向への更新を行う。すなわち、(1,l)の位置から時間軸方向へ移動し、時間軸方向にみて次にあるパイロットサブキャリアX(3,l)をウェイト更新に用いる(第1時間軸方向更新制御D2)。なお、第1時間軸方向更新の移動幅(パイロット間隔)は、2シンボル分である。
第1時間軸方向更新制御D2後は、図10のD3方向への更新を行う。すなわち、同一シンボル(同一時間)における周波数の大きいパイロットサブキャリアから順に、ウェイト更新に用いる(周波数軸方向更新制御;周波数軸降順方向更新制御D3)。換言すると、前記周波数軸昇順方向更新制御D1とは逆方向にウェイト更新を行う。
前記周波数軸降順方向更新制御D3を行って、最小のサブキャリア番号1を持つパイロットサブキャリアX(3,1)まできたら、107のD4方向への更新を行う。すなわち、X(3,1)の位置から時間軸方向へ移動し、時間軸方向にみて次にあるパイロットサブキャリアX(4,1)をウェイト更新に用いる(第2時間軸方向更新制御D4)。なお、第2時間軸方向更新の移動幅(パイロット間隔)は、1シンボル分である。
第2時間軸方向更新制御D4後は、前記周波数軸昇順方向更新D1を行い、上記処理を1つのバースト領域B1が終わるまで繰り返す。なお、一つのバースト領域B1でのウェイト更新が完了すれば、他のバースト領域(例えば、時間的に次のバースト領域B2)において、ウェイト更新を行えばよい。
図10ルールでは、周波数軸昇順方向更新制御D1、第1時間軸方向更新制御D2、周波数軸降順方向更新制御D3、及び第2時間軸方向更新制御D4の4つの更新制御を組み合わせた制御となっている。上記更新制御D1〜D4では、周波数軸方向更新制御D1,D3と、時間軸方向更新制御D2,D4と、を組み合わせたものとなっている。
上記ルールによれば、パイロットサブキャリアが存在するシンボルについてみると、1シンボルあたりのウェイト更新数が、複数回行われている。時間軸方向のみのウェイト更新であれば、1シンボル1回しかウェイト更新が行われないが、上記ルールでは、飛躍的に更新回数が増加する。この結果、シンボル数が少なくても多くの更新を行うことができ、適切なウェイトを得るのが容易となる。
また、図10のルールでは、周波数軸方向へ移動して行われる更新の方が、時間軸方向へ移動して行われる更新よりも多くなされる。したがって、各サブキャリアの位置における伝搬係数の相互相関を考えたときに、周波数軸方向のサブキャリア間での相互相関が時間軸方向での相互相関よりも大きい場合には、適切なウェイトが早期に得られる。
なお、時間軸方向のサブやキャリア間での伝搬係数の相互相関の方が大きい環境であれば、時間軸方向へ移動して行われる更新の方を多くすればよい。
高速で適切なウェイトが得られることは、モバイルWiMAX(IEEE 802.16e)のように、移動体との間で伝送を行う方式において、特に有用である。
また、本実施形態の更新順序ルールでは、複数の方向を組み合わせているので、更新順序の自由度が高い。また、時間軸方向及び周波数軸方向に同時に移動する斜め方向を含んでいる場合には、より自由度が高くなる。
また、バースト領域B1と他のバースト領域B2,3,4とでは、異なるユーザに領域(リソース)が割り当てられる可能性がある。したがって、例えば、バースト領域B1から周波数軸方向にウェイト更新を行って、バースト領域B1を超えてバースト領域B3へ進入してウェイト更新を行うと、バースト領域B3での最初の何回かのウェイト推定値は精度が低下する。そして、バースト領域B3から再びバースト領域B2に戻ると、バースト領域B1に戻ってからの最初の何回かのウェイト推定値も精度が低下する。
このように、バースト切替が生じると、バースト領域B1,B3の境界付近においては全体的にウェイト推定精度が悪化する。
同様に、バースト領域B1とバースト領域B2との間でもバースト切替が生じると、バースト領域B1,B2の境界付近においては全体的にウェイト推定精度が悪化する。
これに対し、図10のルールでは、バースト領域B1内のすべてのパイロット信号をウェイト更新に用いてから他のバースト領域B2,B3,B4へ移動するため、一のバースト領域B1から他のバースト領域B2,B3,B4への移行(バースト切替)は、1度しか起こらず、バースト切替が頻繁に生じないようになっている。
この結果、バースト切替に伴う、ウェイト推定精度悪化を抑えることができる。
なお、バースト切替は、時間軸方向に行われても良く、周波数軸方向に行われても良い。また、一つのバースト領域内においてウェイト更新に用いられるパイロットサブキャリアの順番は適宜設定可能である。
図11は、ウェイト更新順序ルールの他の例を示している。
図11の例では、上りPUSCにおけるユーザ割当の最小単位であるタイルを基準としてウェイト更新を行う。図11の更新順序ルールの基本方針の一つは、一つのタイル領域T1内に存在するすべてのパイロットサブキャリアを用いることである。また、この更新順序ルールでは、一つのタイル領域T1内に存在するすべてのパイロットサブキャリアを用いたウェイト更新が完了するまで、他のタイル領域T2〜T6内のパイロットサブキャリアを用いたウェイト更新を行わない。
換言すると、図11の更新順序ルールでは、一のタイル領域T1内でのウェイト更新が終わって、他のタイル領域T2〜T6内でのウェイト更新に切り替わると、その後は、元のタイル領域T1に戻らないのである。
より具体的には、図11の例では、次のようにウェイト更新を行う。まず、タイル左上のパイロットサブキャリア位置でのウェイトをW1、タイル右上のパイロットサブキャリア位置でのウェイトをW4、タイル左下のパイロットサブキャリア位置でのウェイトをW9、タイル右下のパイロットサブキャリア位置でのウェイトをW12とする。
この場合、図11では、一つのタイルについて、W1、W4、W12、W9の順番でウェイト更新を行い、後続のタイルについても同様の順番でウェイトを更新する。
W1からW4への移動D11は、周波数軸方向更新制御(昇順)であり、W12からW9への移動D13も周波数軸方向更新制御(降順)である。また、W4からW12への移動D12及びW9から次のタイルのW1への移動D14は時間軸方向更新制御である。
上記更新制御D11〜D14でも、周波数軸方向更新制御D11,D13と、時間軸方向更新制御D12,D14と、を組み合わせたものとなっている。
図11のルールにおいても、1シンボル当たりのウェイト更新回数が、時間軸方向のみのウェイト更新に比べて、多くなっている。しかも、1タイルあたりでは、4回のウェイト更新が行えるため、1タイル内でのウェイト更新で、適切なウェイトを得られる可能性が高い。
しかも、タイルは、ユーザ割当の最小単位であるため、一のタイル領域T1と他のタイル領域T2〜T6とでは、異なるユーザに領域が割り当てられる可能性がある。一方、一つのタイルが、複数のユーザに分割して割り当てられることはない。
図11の例も、図10の例の場合と同様に、あるタイルT1から他のタイルT2〜T6へ切り替わってウェイト更新を行うタイル切替がおこる場合がある。しかし、タイル領域T1内のすべてのパイロット信号をウェイト更新に用いてから他のタイル領域T2〜T6へ移動するため、一のタイル領域T1から他のタイル領域T2〜T6への移行(タイル切替)は、1度しか起こらず、タイル切替が頻繁に生じないようになっている。
この結果、タイル切替に伴う、ウェイト推定精度悪化を抑えることができる。
しかも、図11のようにタイル単位で、逐次、ウェイト更新を行う場合には、バースト領域がどのように設定されているかを考慮しなくても、ウェイト推定精度悪化を抑えることができる。
さらに、図11のようにタイル単位で、逐次、ウェイト更新を行う場合、干渉信号のバースト切替によるウェイト推定精度悪化を避けることができる。つまり、干渉信号は、本来の通信相手(希望局)からの信号ではないため、バースト切替がどこで生じるかを通信装置が把握するのは(干渉局と通信しない限り)困難である。しかし、タイル内でバースト切替が起こることはないため、干渉信号のバースト切替がどこで起こっても、図11のようにタイル単位でウェイト更新を行えば、ウェイト推定精度悪化を抑えることができる。
なお、一のタイル領域T1の後に、ウェイト更新に用いるタイル領域として、図11では、時間軸方向にあるタイル領域T2を図示したが、周波数方向にあるタイルT3などを用いても良い。
また、一つのタイル領域内で、ウェイト更新に用いられるパイロットサブキャリアの順番は、適宜設定できる。
さらに、ユーザ割当の最小単位が、図5に示すクラスタ構造であっても、上記のような更新順序ルールを適用できる。つまり、ユーザ割当の最小単位は、タイルに限定されるものではなく、他のユーザ割当最小単位であってもよい。
[伝搬係数の相互相関とウェイト更新との関係について]
以下では、図10及び図11のような更新順序ルールにおいて採用されている時間軸方向更新制御と周波数軸方向更新制御の特質について、説明する。
図12は、上りPUSCのサブキャリアの2次元配列を示している。このサブキャリア配列上の各パイロットサブキャリア位置における伝搬係数h,h,h,h,hの相関係数を下記条件により算出した。
中心周波数:2600MHz
ドップラー周波数:(1)7.2Hz,(2)288Hz
遅延分散:(a)0.37μsec (b)2.2μsec
なお、ドップラー周波数(1)7.2Hzは、移動局の移動速度が3km/hの場合、ドップラー周波数(2)288Hzは、移動局の移動速度が120km/hの場合に相当する。
遅延分散(a)0.37μsecは、ITU−R M.1225 Vehicular ch.Aの値であり平均的な遅延分散を示す。遅延分散(b)2.2μsecは、ITU−R M.1225 Vehicular ch.Bの値であり、建物等が多く遅延分散が大きい場合を示している。
上記(1)と(a)の組み合わせが、想定される平均的な環境であり、上記(2)(b)の組み合わせが想定環境の中で最悪に近い場合である。
また、図13に示す信号点(サブキャリア)n,mの伝搬係数h,hの相関係数ρは、時間変化モデルをJakesモデル、遅延プロファイルを指数減衰遅延プロファイルとした場合、下記式のようにして求まる。
Figure 0005408224
下記表1は、図12の伝搬係数hと他の伝搬係数h,h,h,hとの間の相関係数の計算結果を示している。
Figure 0005408224
表1からわかるように、伝搬係数hと伝搬係数hとの間の相関係数[h:ρ]及び伝搬係数hと伝搬係数hとの間の相関係数[h:ρ]については、移動局の移動速度が低速である場合[(1)(a),(1)(b)]には、相関係数がほぼ1であり大きい。
したがって、このような場合には、時間軸方向更新制御が好ましい。
しかし、遅延分散が平均的で、移動局の移動速度が高速である場合[(2)(a)]には、伝搬係数hと伝搬係数hとの間の相関係数[h:ρ]が、[h:ρ]及び[h:ρ]よりも小さくなる。
したがって、移動局の移動速度が高速である場合には、周波数軸方向更新制御を行うのが好ましい。なお、遅延分散が大きい場合には、時間軸方向への更新を優先的に行うのが望ましい。
[図11の更新順序ルールによるシミュレーション]
上りPUSCのサブキャリア配置において、図14に示すパターンA(比較例)及びパターンB(実施例;図11のルールと同じ)について、シミュレーションを下記条件にて行った。パターンAは時間軸方向更新制御のみ、パターンBは時間軸方向更新制御と周波数軸方向更新制御を組み合わせたものである。
(シミュレーションパラメータ)
中心周波数:2.6[GHz]、サンプリング時間89.2[ns]、サブキャリア間隔10.9[kHz]、アンテナ素子数:2、FFTサイズ:1024,ガードインターバル長:11.4[μs]、使用サブキャリア数:840、フレーム長:5[ms]、Uplinkサブフレーム長:1.5[ms]、変調方式:QPSK、使用アルゴリズム:RLSアルゴリズム(忘却係数0.5)
(シミュレーションにおける伝搬路モデル)
到来信号数:2(所望信号と干渉信号)、伝搬路モデル:等電力2波レイリーフェージングモデル、遅延時間差:8.92×10[ns]、最大ドップラー周波数:288
[Hz](120km/h移動時に相当)、平均受信SNR:20[dB]、平均受信SIR:0[dB]
上記シミュレーション結果を図15に示す。図15は、データ部におけるMER(変調エラーレート)により、図14のウェイト更新パターンに対する干渉信号除去特性の変化(受信シンボルごとの)の比較を行ったものである。なお、MERは、MER=E[|Y(t)−W(t)X(t)|]によって算出した。また、伝搬路パラメータは、ランダムに変更して100回の試行を行い、その平均値を算出した。
図15のP1部分に現れているように、15シンボルごとにMERが大きく落ち込むが、これは、15シンボルの上りフレームの間に下りフレーム区間があり、下りフレーム区間中に伝搬特性が大きく変わるためである。
図15によれば、MERが大きく落ち込んでも、実施例のパターンBの方が、立ち上がりが早く、1タイル内でのウェイト更新で比較的良好なウェイト推定値が得られていることがわかる。これは、1シンボルあたりの更新回数が多い(2倍)ためである(図15のP2参照)。
また、MERが立ち上がった場合も、パターンBの方がパターンAよりも約3dB大きくなっている(図15のP3,P4参照)。なお、受信シンボルごとに復調特性が変化しているのは、パイロット間の伝搬特性の相関の大きさが異なるためである。
[第2実施形態]
図16は、第2実施形態に係る通信装置のフィルタリング処理部14を示している。なお、第2実施形態以降の実施形態において、特に説明しない点については、第1実施形態と同様である。
第2実施形態のフィルタリング処理部14は、図8に示すフィルタリング処理部14にウェイト平滑化部149、第4バッファ150、平滑化パラメータ調整部151を加えたものである。
第2実施形態においても、ウェイト更新部143で演算されたウェイト推定値は、第2バッファ144に蓄積される。第2バッファ144のウェイト推定値は、ウェイト補間部145において使用されなくなると随時消去される。
ウェイト平滑化部149は、第2バッファ144に保存されている複数のウェイト推定値それぞれの平滑化(smoothing)処理を行って、ウェイトの平滑化推定値を算出する(平滑化ステップ)。ウェイト平滑化部149によって算出されたウェイト平滑化推定値は、第4バッファ150へ出力される。なお、平滑化処理の詳細は後述する。
第4バッファ(ウェイト平滑化推定値記憶部)145は、複数の平滑化推定値を保存することができる。第4バッファ145の平滑化推定値は、ウェイト補間部145において使用されなくなると随時消去される。
前記ウェイト補間部145は、パイロットサブキャリア位置でのウェイトの平滑化推定値)を用いて、データサブキャリア位置でのウェイトW(k,l)を補間して、そのウェイトW(k,l)をウェイト乗算部142に与える。
なお、本実施形態では、ウェイトが平滑化されて精度が向上しているので、データサブキャリア位置でのウェイトも精度が良いものとなり、精度良い信号合成が行える。
[ウェイト推定値の平滑化処理(平滑化ステップ)]
ここで、順序制御部146によるウェイト更新順序は、1つのバースト領域B1内のすべてのパイロットサブキャリア(M個のパイロットサブキャリア)を用いる図10の順序であるものとする。
1つのバースト領域B1内で行われた全M回のウェイト更新の結果であるM個(複数個)のウェイト推定値は、第2バッファ144に蓄積される。
ここでは、一つのバースト領域B1を一つの平滑化対象領域とし、ウェイト平滑化部149は、M個のウェイト推定値を平滑化した、平滑化推定値を求める。
図17において点線矢印D1−S〜D4−Sで示すように、ウェイト平滑化部149は、ウェイト更新順序とは逆の順序で、平滑化を行う。
一つのバースト領域B1内でのウェイト更新回数をm(m=1〜M)とした場合、M個のウェイト推定値W(k,l)のうち、最も多くの情報(M個のパイロットサブキャリア)が反映されているのは、バースト領域B1内における最後(m=M番目)のウェイト更新で得られたW(k,l)である。
一方、平滑化対象領域であるバースト領域B1における最初のウェイト更新で得られたW(1,1)は、最も少ない情報(1個のパイロットサブキャリア)しか反映されていない。一般には、多くの情報(パイロットサブキャリア)を用いて推定されたウェイトの方が、より精度が高くなる。
そこで、ここでの平滑化処理では、最も多くの情報が反映されているW(k、l)を、平滑化対象領域における他のウェイトW(k,l)(m=1〜M−1)に反映させる。
具体的には、ここでのウェイト平滑化部149が行う平滑化処理は、図18に示すとおりである。
まず、平滑化部149は、ウェイト推定値W(k、l)を、第2バッファ144から第4バッファ150へ送る(ステップS1)。ウェイト推定値W(k、l)は、最も多くの情報が反映されており、更に平滑化を行う必要がないので、平滑化推定値W(k、l)=ウェイト推定値W(k、l)とする。なお、ステップS1の処理も、必要であれば、後述のステップS5と同様に、平滑化演算処理というものとする。
続いて、ウェイト平滑化部149は、カウンタm=M−1とする(ステップS2)。そして、ウェイト平滑化部149は、第2バッファ144からウェイト推定値W(k,l)を取得するとともに(ステップS3)、第4バッファ150から先に得た平滑化推定値W(km+1、lm+1)を取得する(ステップS4)。なお、ウェイト平滑化部149は、平滑化パラメータβを平滑化パラメータ調整部151から取得する。
そして、ウェイト平滑化部149は、ステップS5の演算式に従った平滑化演算処理を行う。ステップ5の平滑化演算処理ではウェイト更新部143で得られたウェイト推定値W(k,l)と、当該ウェイト推定値W(k,l)を求めた後(直後)のウェイト更新で得られたウェイト推定値W(km+1,lm+1)についての平滑化推定値W(km+1,lm+1)とを合成(パラメータ(重み係数)βによる重み付き合成)し、ウェイト推定値W(k,l)の平滑化推定値W(k,l)を得る。
ここで、ウェイト推定値W(k,l)を「ウェイト先推定値」といい、ウェイト推定値W(km+1,lm+1)を「ウェイト後推定値」というものとする。
ウェイト先推定値W(k,l)とウェイト後推定値W(km+1,lm+1)とを比較すると、ウェイト後推定値W(km+1,lm+1)は、ウェイト先推定値W(k,l)よりも後(直後)のウェイト更新処理によって得られた値であるから、より多くの情報が反映されている。
また、いずれの平滑化推定値も、平滑化領域内での最後のウェイト更新によって得られたウェイト推定値W(k、l)の情報を含んでいる。
したがって、上記合成によって得られた平滑化推定値W(k,l)は、平滑化前のウェイト推定値W(k,l)よりも多くの情報が反映されたものとなり、精度が良いものとなる。
そして、ウェイト平滑化部149は、算出された平滑化推定値W(k,l)を第4バッファ150へと送る(ステップS6)。
その後、ウェイト平滑化部149は、上記平滑化演算の繰り返しの終了判定として、m=1か否かを判定する(ステップS7)。m=1でなければ、mをデクリメントし、再び、ステップS3〜S6の処理を行う。また、m=1であれば、平滑化処理を終了する。
以上の平滑化処理により、平滑化推定値W(k,l)が、m=M,M−1,・・・2,1の順番で得られる。つまり、ウェイト更新と逆の順番で平滑化推定値が得られる。
平滑化処理を行うことにより、比較的に初期のウェイト更新で得られるウェイト(未収束のウェイト)についても、多くのパイロット信号の情報を反映させた良好なウェイトを得ることができる。
具体的には、例えば、ウェイト推定値W(1,1)は、1個のパイロット信号に基づいて得られたものであり、通常、収束していない推定値であるが、平滑化推定値W(1,1)には、M個のパイロット信号の情報が反映されている。また、他の平滑化推定値W(k,l)についても同様である。
その結果、それぞれのウェイトの精度が向上するほか、平滑化推定値を用いてウェイト補間が行われるため、信号推定も全体的に良好となる。
なお、上記の例では、ウェイト更新と逆の順番で平滑化演算を行ったが、M個のウェイト推定値をどのような順番で平滑化演算の対象とするかは、上記の例に限られない。例えば、m=M,1,2,・・・,M−2,M−1の順番であってもよい。つまり、後のウェイト更新で得られたウェイト推定値を、前のウェイト更新で得られたウェイト推定値に反映できれば、どのような順番であってもよい。つまり、ウェイト更新順と無関係に平滑化演算の順番を決定してもよい。
また、上記の例では、ウェイト更新の単位と平滑化の単位がともに、バースト領域であったが、平滑化を行うのであれば、ウェイト更新は、バースト領域単位で行わなくても良い。
ここでの平滑化処理は、平滑化対象領域をバースト領域単位としているため、良好な平滑化が行える。つまり、バースト領域は、ユーザ割当領域であるから、一つのバースト領域は同一ユーザに割り当てられている。このため、バースト領域内であれば、伝搬係数の変動が比較的少ないことから、このバースト領域単位で平滑化処理を行えば、バースト領域全体で良好なウェイトを得ることができる。
なお、他のバースト領域についても同様に平滑化処理が行われる。
[平滑化パラメータβの調整]
さて、図18のステップ5の演算式から明らかなように、平滑化演算によって、後のウェイト更新によるウェイト後推定値の情報(平滑化推定値W(km+1,lm+1))をどの程度、ウェイト先推定値W(k,l)の平滑化推定値W(k,l)に反映されるかは、平滑化パラメータβの値次第である。前述のウェイト更新パラメータαと同様に、βの値を調整することによって、周波数軸方向、時間軸方向に対する伝搬係数の変動への追従特性を調整することができる。
パイロットサブキャリアX(k,l)X(km+1,lm+1)間で、伝搬係数の相互相関が大きい場合、ウェイト後推定値の平滑化推定値W(km+1,lm+1)の情報をより多く利用すべきであるから、平滑化パラメータβを大きくした方が、ウェイト先推定値の平滑化推定値の推定精度は向上する。
一方、 パイロットサブキャリアX(k,l)X(km+1,lm+1)間で、伝搬係数の相互相関が小さい場合、ウェイト後推定値の平滑化推定値W(km+1,lm+1)の情報をあまり利用しない方が、伝搬係数の変動への追従特性が向上する。よって、この場合、平滑化パラメータβを小さくした方が、ウェイト先推定値の平滑化推定値の推定精度は向上する。
そこで、平滑化パラメータ調整部151では、パイロットサブキャリアX(k,l)X(km+1,lm+1)の位置関係(サブキャリア2次元配置における方向(時間軸方向と周波数軸方向)及び/又はサブキャリア間隔)に応じて、伝搬係数の相互相関に応じて、βの調整を行う。
これにより、平滑化方向(図17参照)及び/又は伝搬環境に応じて、適切なウェイト平滑化が行え、ウェイト推定精度を向上させることができる。
[第3実施形態]
図19及び図20は、第3実施形態に係るフィルタリング処理部14を示している。なお、第3実施形態もウェイト平滑化部149を備えたものであり、第3実施形態において特定に説明しない点については、第2実施形態と同様である。
第3実施形態のウェイト平滑化部149の機能は、ウエイト更新部143の機能とほぼ同様のウェイト更新機能を有している。ただし、ここでのウェイト平滑化部149は、ウェイト更新143の更新順序とは逆の順序により平滑化のための更新演算を行う(図17の点線矢印参照)。
具体的には、図20に示す手順により平滑化処理が行われる。まず、平滑化部149は、ウェイト推定値W(k、l)を、第2バッファ144から第4バッファ150へ送る(ステップS11)。つまり、ウェイト推定値W(k、l)が、そのまま平滑化推定値W(k、l)となる。
続いて、ウェイト平滑化部149は、カウンタm=M−1とする(ステップS12)。そして、ウェイト平滑化部149は、第1バッファ141からパイロットサブキャリアX(k,l)を取得するとともに(ステップS13)、第4バッファ150から先に得た平滑化推定値W(km+1、lm+1)を取得する(ステップS14)。なお、ウェイト平滑化部149は、参照信号S(k,l)を取得する。また、ウェイト平滑化部149は、ウェイト平滑化部149でのウェイト更新のためのパラメータPを第5バッファ155から、パラメータαを平滑化パラメータ調整部(更新パラメータ調整部)156から取得する。
なお、本第3実施形態では、ウェイト更新部143での更新パラメータαも、更新パラメータ調整部153によって調整自在となっている。
また、第5バッファと第3バッファの機能は、それぞれ同じであり、平滑化パラメータ調整部156と更新パラメータ調整部153の機能も同じである。
そして、ウェイト平滑化部149は、下記式に示す平滑化演算式に従った平滑化演算処理(更新演算処理)を行う(ステップS15)。
Figure 0005408224
上記平滑化演算式は、前述のウェイト更新演算式(3)〜(5)と、更新順序を除き、実質的に同じである。
ステップ15の平滑化演算処理では、直前に求めた平滑化推定値W(km+1,lm+1)を、パイロットサブキャリアX(k,l)に基づいて、上記式の演算によってウェイト更新することによって得られた推定値を、ウェイト推定値W(k,l)の平滑化推定値W(k,l)として得る。
さて、ここでも、ウェイト推定値W(k,l)を「ウェイト先推定値」といい、ウェイト推定値W(km+1,lm+1)を「ウェイト後推定値」というものとする。
ウェイト先推定値W(k,l)と、ウェイト後推定値W(km+1,lm+1)の平滑化推定値W(km+1,lm+1)とを比較すると、平滑化推定値W(km+1,lm+1)は、パイロットサブキャリア(後パイロット信号)X(km+1,lm+1)に基づいて演算されたウェイト先推定値W(km+1,lm+1)を平滑化したものであるから、多くの情報が反映されたものである。
したがって、上記のように、ウェイト後推定値W(km+1,lm+1)の平滑化推定値W(km+1,lm+1)を、パイロットサブキャリア(先パイロット信号)X(k,l)に基づいて、ウェイト更新することで、元のウェイト推定値W(k,l)よりも精度の良い平滑化推定値W(k,l)が得られる。
そして、ウェイト平滑化部149は、算出された平滑化推定値W(k,l)を第4バッファ150へと送る(ステップS16)。
その後、ウェイト平滑化部149は、上記平滑化演算の繰り返しの終了判定として、m=1か否かを判定する(ステップS17)。m=1でなければ、mをデクリメントし、再び、ステップS13〜S16の処理を行う。また、m=1であれば、平滑化処理を終了する。
以上の平滑化処理により、平滑化推定値W(k,l)が、m=M,M−1,・・・2,1の順番で得られる(図17参照)。
なお、図19の平滑化パラメータ調整部156及び/又は更新パラメータ調整部153では、パラメータ(忘却係数)αが適宜調整される。
具体的には、前回のウェイト更新演算(平滑化演算)に用いたパイロット信号と、ウェイト更新に用いようとするパイロット信号とで、伝搬係数の相互相関が大きい場合には、忘却係数αは小さい方が好ましい。一方、前回のウェイト更新に用いたパイロット信号と、ウェイト更新に用いようとするパイロット信号とで、伝搬係数の相互相関が小さい場合には、忘却係数αは大きい方が好ましい。
したがって、どのような更新方向及び/又はパイロットサブキャリア間隔であっても、更新(平滑化)方向及び/又はパイロットサブキャリア間隔に応じてパラメータαを調整することで、推定精度を向上させることができる。
なお、第3実施形態のウェイト平滑化部149の更新アルゴリズムとしては、ウェイト更新部143と同様に、RLSアルゴリズムが採用されているが、他のアルゴリズム、例えば、LMSアルゴリズムやSMIアルゴリズムを用いても良い。
また、平滑化に用いるパイロット信号の順番も、上記のものに限らず、自由である。
[第4実施形態]
図21〜図22は、第4実施形態に係るフィルタリング処理部14を示している。なお、第4実施形態において特定に説明しない点については、既述のものと同様である。
第4実施形態では、主に、ウェイト更新部143及びウェイト平滑化部149が、第2及び第3実施形態のものと異なる。
なお、図21に示す第3バッファ(更新パラメータ記憶部)148は、ウェイト更新部から送られてくるパラメータP(k,l)を保存する。第3バッファ148は、P(k,l)がウェイト更新部143及びウェイト平滑化部149で使用されなくなると消去する。また、図21に示す第5バッファ(平滑化パラメータ記憶部)162は、ウェイト平滑化部149から送られてくるパラメータλを保存する。ここでは、λの初期値は0とする。
第4実施形態のウェイト更新部143は、下記手順によって、ウェイト更新を行う。ウェイト更新部143における更新処理手順は、更新演算式を除き、基本的には、既述の実施形態のものと同様である。
具体的には、更新処理手順は、下記の通りであり、平滑化対象領域であるバースト領域B1内(図17参照)のM個のパイロット信号について、下記手順2〜3をmがMになるまで繰り返す。
手順1:m=1
手順2:更新演算処理
手順3:m=m+1として手順2に戻る
手順2の更新演算処理は、下記式に従って行われる。
Figure 0005408224
手順2の更新演算処理を行う際、ウェイト更新部143は、参照信号S(k,l)を参照信号生成部147から取得し、パイロットサブキャリアX(k,l)を第1バッファ141から取得し、パラメータP(km−1,lm−1)を第3バッファから取得する。
上記式により、ウェイト推定値W(k,l)が求まるほか、更新パラメータP(k,l)が求まる。求められたウェイト推定値W(k,l)は第2バッファ144に送られ、P(k,l)は第3バッファ148に送られ、それぞれのバッファで保存される。
なお、上記Q(k,l)は、パイロットサブキャリアX(k,l)X(km−1,lm−1)の位置関係に応じて、更新パラメータ調整部153によって調整される。
第4実施形態のウェイト平滑化部149は、平滑化アルゴリズムとして、固定区間スムーザ(fixed-interval smoother)を利用する。なお、ここでは、固定区間スムーザとしてFraserのアルゴリズムを用いる。
具体的には、図22に示す手順により平滑化処理が行われる。まず、平滑化部149は、ウェイト推定値W(k、l)を、第2バッファ144から第4バッファ150へ送る(ステップS21)。つまり、ウェイト推定値W(k、l)が、そのまま平滑化推定値W(k、l)となる。
続いて、ウェイト平滑化部149は、カウンタm=M−1とする(ステップS22)。そして、ウェイト平滑化部149は、第1バッファ141からパイロットサブキャリアX(km+1,lm+1)を取得するとともに(ステップS23)、第2バッファ144から平滑化対象のウェイト推定値W(k、l)を取得する(ステップS24)。
なお、ウェイト平滑化部149は、参照信号S(km+1,lm+1)を参照信号生成部160から取得し、ウェイト更新演算の際に求めたパラメータP(k、l)を第3バッファ148から取得し、λm+1を第5バッファ162から取得する。
そして、ウェイト平滑化部149は、下記式に示す平滑化演算式に従った平滑化演算処理を行う(ステップS25)。
Figure 0005408224
ステップ25の平滑化演算処理では、図17にも示すように、ウェイト更新部143にて求めたウェイト推定値W(k,l)を、Fraserのアルゴリズムで平滑化して、平滑化推定値W(k,l)を求めている。
さて、ここでは、ウェイト推定値W(k,l)を「ウェイト先推定値」といい、ウェイト推定値W(km+1,lm+1)を「ウェイト後推定値」というものとする。また、ウェイト先推定値W(k,l)を求めるために用いたパイロット信号X(k,l)を先パイロット信号といい、ウェイト後推定値W(km+1,lm+1)を求めるために用いたパイロット信号X(km+1,lm+1)というものとする。
上記演算式では、後パイロット信号X(km+1,lm+1)の情報が反映されるように、ウェイト先推定値W(k,l)の平滑化を行う。したがって、ウェイト先推定値W(k,l)の平滑化推定値W(k,l)は、後パイロット信号X(km+1,lm+1)の情報が反映されたものとなる。
そして、ウェイト平滑化部149は、算出された平滑化推定値W(k,l)を第4バッファ150へと送る(ステップS26)。なお、ウェイト平滑化部149は、更新されたλを第5バッファ162へ送り、第5バッファ162は、次の平滑化演算処理に用いるためにλを保存する。
その後、ウェイト平滑化部149は、上記平滑化演算の繰り返しの終了判定として、m=1か否かを判定する(ステップS27)。m=1でなければ、mをデクリメントし、再び、ステップS23〜S26の処理を行う。また、m=1であれば、平滑化処理を終了する。
以上の平滑化処理により、平滑化推定値W(k,l)が、m=M,M−1,・・・2,1の順番で得られる(図17参照)。
図23は、平滑化対象領域の他の例を示している。ここでは、平滑化対象領域を、バースト領域ではなく、ユーザ割当最小単位であるタイル領域T1〜T6としている。また、ウェイト更新順序は、図11に示す順序と同様であり、一つのタイル領域内での平滑化の順序D13−S、D12−S,D11−Sは、ウェイト更新順序の逆となっている。また、平滑化処理は、第2実施形態〜第4実施形態のいずれのものでもよい。タイル領域を平滑化対象領域とする場合、上記平滑化処理におけるMは、「4」となる。
タイル領域は、ユーザ割当最小単位であるから、タイル領域単位で平滑化を行うことにより、バースト切替が起こらない領域内で平滑化を行うことができる。つまり、複数のタイル領域を一つの平滑化領域とすると、複数のユーザが割り当てられている領域で平滑化処理を行う可能性が生じる。一方、同じユーザが割り当てられた領域における複数の信号から各時刻のウェイトを推定することで、ユーザ切替による最適ウェイトの急激な変化の影響を抑えることができる。
また、バースト切替の発生を把握するのが困難な干渉信号についても、タイル領域内でバースト切替が起こることはないので、干渉信号におけるバースト切替の影響も排除できる。
なお、図23の例では、ウェイト更新の単位と平滑化の単位がともに、タイル領域であったが、平滑化を行うのであれば、ウェイト更新は、タイル領域単位で行わなくても良い。例えば、ウェイト更新は、図10のようにバースト領域単位で行って、平滑化をタイル領域単位で行ってもよい。
また、ウェイト更新は、バースト領域やタイル領域と無関係に行って、連続するウェイト更新中にバースト切替が生じるように行って、タイル単位で平滑化してもよい。
[平滑化のシミュレーション]
上りPUSCのサブキャリア配置において、図24に示す平滑化なしの場合(図11の更新順序ルールによるウェイト更新)と、平滑化ありの場合(図23のウェイト更新及び平滑化と同じ)について、第2実施形態の通信装置の構成に基づき、シミュレーションを下記条件にて行った。
(シミュレーションパラメータ)
中心周波数:2.6[GHz]、サンプリング時間89.2[ns]、サブキャリア間隔10.9[kHz]、アンテナ素子数:2、FFTサイズ:1024,ガードインターバル長:11.4[μs]、使用サブキャリア数:840、フレーム長:5[ms]、Uplinkサブフレーム長:1.5[ms]、変調方式:QPSK、ウェイト更新部の使用アルゴリズム:RLSアルゴリズム(忘却係数0.5)、平滑化パラメータβ=0.5
(シミュレーションにおける伝搬路モデル)
到来信号数:2(所望信号と干渉信号)、伝搬路モデル:等電力2波レイリーフェージングモデル、遅延時間差:8.92×10[ns]、最大ドップラー周波数:288
[Hz](120km/h移動時に相当)、平均受信SNR:20[dB]、平均受信SIR:0[dB]
上記シミュレーション結果を図25に示す。図25は、データ部におけるMER(変調エラーレート)により、タイル単位で平滑化を行わない場合と行った場合の、干渉信号除去特性の変化(受信シンボルごと)の比較を行ったものである。なお、MERは、MER=E[|Y(t)−W(t)X(t)|]によって算出した。また、伝搬路パラメータは、ランダムに変更して100回の試行を行い、その平均値を算出した。
図25のP5部分に現れているように、15シンボルごとにMERが大きく落ち込むが、これは、15シンボルの上りフレームの間に下りフレーム区間があり、下りフレーム区間中に伝搬特性が大きく変わるためである。しかし、平滑化を行うと、15シンボルごとの落ち込みが小さく、立ち上がり性能も向上していることがわかる。
また、図25のP6部分からわかるように、平滑化を行うことにより、全体で約1dB特性が改善していることがわかる。また、タイル構造(3シンボル)において時間的に最初のシンボルをk、2番目のシンボルをk+2、3番目のシンボルをk+3とした場合、シンボルk、シンボルk+2、シンボルk+2の順に、ウェイトの改善効果が大きくなっている。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の意図を逸脱しないかぎり、様々な変形が可能である。
1:通信装置(基地局) 2:希望局 3:干渉局 4:干渉局 11:アンテナ素子
12:RF部 13:FFT部 14:フィルタリング処理部 141:第1バッファ(受信信号記憶部) 142:ウェイト乗算部 143:ウェイト更新部 144:第2バッファ(ウェイト推定値記憶部) 145:ウェイト補間部 146:順序制御部 147:参照信号生成部 148:第3バッファ(ウェイト更新パラメータ記憶部) 149:ウェイト平滑化部 150:第4バッファ(ウェイト平滑化推定値記憶部) 151:平滑化パラメータ調整部 153:更新パラメータ調整部 154:参照信号生成部 155:第5バッファ(平滑化パラメータ記憶部) 156:平滑化(更新)パラメータ調整部 160:参照信号生成部 161:平滑化パラメータ調整部 162:第5バッファ(λ記憶部)

Claims (14)

  1. ユーザに割り当てられるバースト領域が伝送フレーム中に含まれる通信方式によって通信を行う通信装置において、
    受信信号に含まれるパイロット信号に基づいて、マルチアンテナのシステムを構成する通信装置における受信ビームのウェイトの更新を行って、ウェイト推定値を求めるウェイト更新部と、
    複数回のウェイト更新の演算によって得られたウェイト推定値を平滑化した平滑化推定値を求めるウェイト平滑化部と、
    を備え、
    前記ウェイト平滑化部は、前記ウェイト更新部が1つのバースト領域について、当該1つのバースト領域に含まれるパイロット信号に対応するウェイト推定値を求めた後、求めたウェイト推定値を用いて、前記パイロット信号に対応する複数の平滑化推定値を求める
    ことを特徴とする通信装置。
  2. ユーザに割り当てられるバースト領域が伝送フレーム中に含まれる通信方式によって通信を行う通信装置において、
    受信信号に含まれるパイロット信号に基づいて、マルチアンテナのシステムを構成する通信装置における受信ビームのウェイトの更新を行って、ウェイト推定値を求めるウェイト更新部と、
    複数回のウェイト更新の演算によって得られたウェイト推定値を平滑化した平滑化推定値を求めるウェイト平滑化部と、
    を備え、
    前記ウェイト平滑化部は、前記ウェイト更新部が一のバースト領域内のパイロット信号を用いて行った複数回のウェイト更新の演算によって得たウェイト推定値を、前記一のバースト領域内だけで平滑化することにより、バースト領域単位で、複数のウェイト推定値の平滑化を行う
    通信装置。
  3. 前記一のバースト領域内のパイロット信号を用いて行った複数回のウェイト更新のうち、前記一のバースト領域内において最後に行われたウェイト更新の演算によって得たウェイト推定値を、そのまま、平滑化されたウェイト推定値とする
    請求項2記載の通信装置。
  4. 前記バースト領域は、OFDMA方式におけるバースト領域であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の通信装置。
  5. 一つの伝送フレームを複数のユーザに割当可能な通信方式によって通信を行う通信装置において、
    受信信号に含まれるパイロット信号に基づいて、マルチアンテナのシステムを構成する通信装置における受信ビームのウェイトの更新を行って、ウェイト推定値を求めるウェイト更新部と、
    ウェイト更新の演算によって得られた複数のウェイト推定値を平滑化した平滑化推定値を求めるウェイト平滑化部と、
    を備え、
    前記ウェイト平滑化部は、前記ウェイト更新部が1つのユーザ割当領域について、当該1つのユーザ割当領域に含まれるパイロット信号に対応するウェイト推定値を求めた後、求めたウェイト推定値を用いて、前記パイロット信号に対応する複数の平滑化推定値を求める
    ことを特徴とする通信装置。
  6. 一つの伝送フレームを複数のユーザに割当可能な通信方式によって通信を行う通信装置において、
    受信信号に含まれるパイロット信号に基づいて、マルチアンテナのシステムを構成する通信装置における受信ビームのウェイトの更新を行って、ウェイト推定値を求めるウェイト更新部と、
    ウェイト更新の演算によって得られた複数のウェイト推定値を平滑化した平滑化推定値を求めるウェイト平滑化部と、
    を備え、
    前記ウェイト平滑化部は、前記ウェイト更新部が一のユーザ割当最小単位領域内のパイロット信号を用いて行った複数回のウェイト更新の演算によって得たウェイト推定値を、前記一のユーザ割当最小単位領域内だけで平滑化することにより、ユーザ割当最小単位で、複数のウェイト推定値の平滑化を行う
    通信装置。
  7. 前記一のユーザ割当最小単位領域内のパイロット信号を用いて行った複数回のウェイト更新のうち、前記一のユーザ割当最小単位領域内において最後に行われたウェイト更新の演算によって得たウェイト推定値を、そのまま、平滑化されたウェイト推定値とする
    請求項6記載の通信装置。
  8. 前記ユーザ割当最小単位領域は、WiMAX又はモバイルWiMAXのアップリンクPUSC方式におけるタイル領域であることを特徴とする請求項6または請求項7のいずれか1項に記載の通信装置。
  9. 前記ユーザ割当最小単位領域は、WiMAX又はモバイルWiMAXのダウンリンクPUSC方式におけるクラスタ領域であることを特徴とする請求項6または請求項7のいずれか1項に記載の通信装置。
  10. 前記ウェイト更新部は、RLSアルゴリズム、LMSアルゴリズム、又はSMIアルゴリズムによってウェイトの更新を行う
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の通信装置。
  11. ユーザに割り当てられるバースト領域が伝送フレーム中に含まれる通信方式におけるウェイト更新方法であって、
    受信したパイロット信号に基づいて、マルチアンテナのシステムにおける受信ビームのウェイトの更新の演算を行って、ウェイト推定値を求めるウェイト更新ステップと、
    ウェイト更新の演算によって得られた複数のウェイト推定値を平滑化した平滑化推定値を求めるウェイト平滑化ステップと、
    を含み、
    前記ウェイト平滑化ステップでは、前記ウェイト更新ステップにおいて1つのバースト領域について、当該1つのバースト領域に含まれるパイロット信号に対応するウェイト推定値を求めた後、求めたウェイト推定値を用いて、前記パイロット信号に対応する複数の平滑化推定値を求める
    ことを特徴とするウェイト更新方法。
  12. 一つの伝送フレームを複数のユーザに割当可能な通信方式におけるウェイト更新方法であって、
    受信信号に含まれるパイロット信号に基づいて、マルチアンテナのシステムにおける受信ビームウェイトの更新を行って、ウェイト推定値を求めるウェイト更新ステップと、
    ウェイト更新の演算によって得られた複数のウェイト推定値を平滑化した平滑化推定値を求めるウェイト平滑化ステップと、
    を含み、
    前記ウェイト平滑化ステップでは、前記ウェイト更新ステップにおいて1つのユーザ割当領域について、当該1つのユーザ割当領域に含まれるパイロット信号に対応するウェイト推定値を求めた後、求めたウェイト推定値を用いて、前記パイロット信号に対応する複数の平滑化推定値を求める
    ことを特徴とするウェイト更新方法。
  13. ユーザに割り当てられるバースト領域が伝送フレーム中に含まれる通信方式におけるウェイト更新方法であって、
    受信したパイロット信号に基づいて、マルチアンテナのシステムにおける受信ビームのウェイトの更新の演算を行って、ウェイト推定値を求めるウェイト更新ステップと、
    ウェイト更新の演算によって得られた複数のウェイト推定値を平滑化した平滑化推定値を求めるウェイト平滑化ステップと、
    を含み、
    前記ウェイト平滑化ステップでは、前記ウェイト更新ステップにおいて一のバースト領域内のパイロット信号を用いて行った複数回のウェイト更新の演算によって得たウェイト推定値を、前記一のバースト領域内だけで平滑化することにより、バースト領域単位で、複数のウェイト推定値の平滑化を行うことを特徴とするウェイト更新方法。
  14. 一つの伝送フレームを複数のユーザに割当可能な通信方式におけるウェイト更新方法であって、
    受信信号に含まれるパイロット信号に基づいて、マルチアンテナのシステムにおける受信ビームウェイトの更新を行って、ウェイト推定値を求めるウェイト更新ステップと、
    ウェイト更新の演算によって得られた複数のウェイト推定値を平滑化した平滑化推定値を求めるウェイト平滑化ステップと、
    を含み、
    前記ウェイト平滑化ステップでは、前記ウェイト更新ステップにおいて一のユーザ割当最小単位領域内のパイロット信号を用いて行った複数回のウェイト更新の演算によって得たウェイト推定値を、前記一のユーザ割当最小単位領域内だけで平滑化することにより、前記ユーザ割当最小単位で、複数のウェイト推定値の平滑化を行うことを特徴とするウェイト更新方法。
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