JP4867797B2 - 通信装置及びアダプティブアンテナ信号処理方法 - Google Patents

通信装置及びアダプティブアンテナ信号処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、通信装置及びアダプティブアンテナ信号処理方法に関するものである。
アダプティブアンテナ(アダプティブアレイアンテナ)は、伝搬環境に応じて信号の位相や振幅を適応的に制御する技術である。アダプティブアンテナの機能としては、主として、アダプティブビームフォーミング(adaptive beamforming)とアダプティブヌルステアリング(adaptive null steering)とがある。なお、アダプティブアンテナに関しては、非特許文献1等で解説されている。
アダプティブアンテナ信号処理では、指向性を含む空間フィルタリング特性の適応制御が行われ、適応制御のための信号処理技術が重要となる。例えば、ウェイトを適切に推定することが、信号推定の精度向上に重要である。なお、ウェイト推定方法については、例えば、特許文献1に記載されている。
特開2003−174427号公報 菊間信良著、「アダプティブアンテナ技術」、第1版、株式会社オーム社、平成15年10月10日
ここで、本発明者は、アダプティブアレイ信号処理の際に、受信したサブキャリア(パイロットサブキャリア)間における伝達関数の相関を把握することが有用であるという着想を得た。
つまり、送信機から送信されたパイロットサブキャリアは、伝搬路を通ることで、振幅と位相が変化する。ここで、振幅と位相の変化は、伝搬路の伝達関数として表される。
サブキャリアの振幅と位相の変化の仕方は、伝搬環境に依存する。しかも、伝達関数は、各サブキャリアについて同じとは限らず、サブキャリアごとに異なる場合もある。
例えば、基地局が高速で移動する移動局との間で通信を行う移動体通信の場合を考える。この場合、一のサブキャリアについての伝達関数(伝搬環境)と、時間的に異なる他のサブキャリアについての伝達関数(伝搬環境)とでは、移動体の位置が異なるため、伝搬環境が異なることになる。
したがって、時間的に異なる2つのサブキャリア間においては、伝達関数の相互相関は、比較的小さくなる。
逆に、端末局が、低速移動又は移動していない移動局や固定局である場合を考える。時間的に位置の異なるサブキャリアであっても、遅延が少ない環境であれば、各サブキャリアにとって伝搬環境はほぼ同じである。
したがって、時間的に異なる2つのサブキャリア間においては、伝達関数の相互相関は、比較的大きくなる。
上記のように、サブキャリア間の伝達関数の相互相関は、伝搬環境の特性(例えば、移動局が高速であるか低速であるか)を示す情報となっている。
したがって、サブキャリア間の伝達関数の相互相関という、伝搬環境の特性を示す情報を、アダプティブアンテナ信号処理に利用することで、通信装置は、伝搬環境の特性に応じた良好な信号処理を行うことが可能となる。
しかし、サブキャリア間の伝達関数の相互相関を、アダプティブアンテナ信号処理に利用するという発想は、従来存在しなかった。
本発明は、本発明者の上述のような新たな着想に基づいてなされたものであり、サブキャリア間の伝達関数の相互相関に着目した、新たなアダプティブアンテナ信号処理技術を提供することを目的とする。
本発明は、アダプティブアンテナ信号処理を行うフィルタリング処理部を備えた通信装置において、前記フィルタリング処理部は、受信信号に含まれる第1のパイロットサブキャリアの伝達関数と受信信号に含まれる第2のパイロットサブキャリアの伝達関数との相互相関を演算する相関演算部を備え、前記フィルタリング処理部は、前記相関演算部によって求めた前記相互相関を用いて、前記アダプティブアンテナ信号処理を行う。
上記本発明によれば、アダプティブアンテナ信号処理の際に、パイロットサブキャリア間の伝達関数の相互相関を利用できるため、伝搬環境の特性に応じた処理が可能となる。
前記フィルタリング処理部は、前記相関演算部によって求めた前記相互相関を、アダプティブアンテナ信号処理用のウェイトを求めるために用いるのが好ましい。この場合、パイロットサブキャリア間の伝達関数の相互相関から把握できる伝搬環境の特性に応じて、ウェイトを求めることができる。
前記フィルタリング処理部は、受信信号に含まれるパイロットサブキャリアに基づいてウェイト更新の演算を行うウェイト更新部と、ウェイト更新に用いられるパイロット信号の順序を制御する順序制御部と、を備え、前記順序制御部は、前記相関演算部によって求めた前記相互相関に応じて、ウェイト更新に用いられるパイロット信号の順序を制御するのが好ましい。この場合、パイロットサブキャリア間の伝達関数の相互相関から把握できる伝搬環境の特性に応じて、ウェイト更新に用いられるパイロット信号の順序を制御することができる。
前記順序制御部は、前回のウェイトの更新に用いたパイロットサブキャリアとは周波数軸方向に異なる位置にあるパイロットサブキャリアを、ウェイトの更新に用いる周波数軸方向更新制御と、前回のウェイトの更新に用いたパイロットサブキャリアとは時間軸方向に異なる位置にあるパイロットサブキャリアを、ウェイトの更新に用いる時間軸方向更新制御と、が行えるように構成され、さらに、前記順序制御部は、周波数軸方向に異なる位置にあるパイロットサブキャリア間の周波数方向相互相関と、時間軸方向に異なる位置にあるパイロットサブキャリア間の時間軸方向相互相関とを比較して、周波数軸方向及び時間軸方向のうち、相互相関が大きい方向を決定するとともに、周波数軸方向更新制御及び時間軸方向更新制御のうち、相互相関が大きい方向の更新制御を優先して行うのが好ましい。この場合、伝達関数の変動が少ない方向へのウェイト更新が優先して行われ、適切なウェイトを得やすくなる。
前記順序制御部は、周波数軸方向更新制御及び時間軸方向更新制御のうち相互相関が大きい方向の更新制御によるウェイト更新回数の方が、相互相関が小さい方向の更新制御によるウェイト更新回数よりも多くなるように制御するのが好ましい。相互相関が大きい方向のウェイト更新回数を多くすることで、適切なウェイトを得やすくなる。
受信信号に含まれるパイロットサブキャリアに基づいて、ウェイト更新の演算を行うウェイト更新部と、前記ウェイト更新部がウェイト更新の際に用いる更新パラメータを調整する更新パラメータ調整部と、を備え、前記更新パラメータ調整部は、前記相関演算部によって求めた前記相互相関に応じて、前記更新パラメータを調整するよう構成されているのが好ましい。
受信信号に含まれるパイロットサブキャリアに基づいて、ウェイト更新の演算を行ってウェイト推定値を求めるウェイト更新部と、複数回のウェイト更新の演算によって得られたウェイト推定値を平滑化した平滑化推定値を求めるウェイト平滑化部と、前記ウェイト平滑化部が平滑化を行うためのパラメータを調整する平滑化パラメータ調整部を備え、 前記平滑化パラメータ調整部は、前記相関演算部によって求めた前記相互相関に応じて、前記平滑化パラメータを調整するよう構成されているのが好ましい。
この場合、パイロットサブキャリア間の伝達関数の相互相関から把握できる伝搬環境の特性に応じて、適切な平滑化を行うことができる。
前記相関演算部は、受信したパイロットサブキャリアを、パイロットサブキャリアに対応する参照信号で除算してパイロットサブキャリアの伝達関数を算出する除算部を備え、前記除算部によって算出されたパイロットサブキャリアの伝達関数から、前記相互相関を演算するのが好ましい。
前記相関演算部は、伝達関数の遅延時間領域における電力スペクトルを算出する第1電力スペクトル算出部と、伝達関数のドップラー周波数領域における電力スペクトルを算出する第2電力スペクトル算出部と、周波数軸方向の異なる位置にあるパイロットサブキャリア間の周波数間隔と前記第1電力スペクトル算出部によって算出された電力スペクトルとから、周波数軸方向の異なる位置にある前記パイロットサブキャリア間の前記相互相関を算出する第1相関計算部と、時間軸方向の異なる位置にあるパイロットサブキャリア間の時間間隔と前記第2電力スペクトル算出部によって算出された電力スペクトルとから、時間軸方向の異なる位置にある前記相互相関を算出する第2相関計算部と、を備えているのが好ましい。この場合、精度良く、相互相関を求めることができる。
前記相関演算部は、伝達関数の遅延時間領域における電力スペクトルを算出する第1電力スペクトル算出部と、周波数軸方向の異なる位置にあるパイロットサブキャリア間の周波数間隔と前記第1電力スペクトル算出部によって算出された電力スペクトルとから、周波数軸方向の異なる位置にある前記パイロットサブキャリア間の前記相互相関を算出する第1相関計算部と、を備えているのが好ましい。
前記相関演算部は、伝達関数のドップラー周波数領域における電力スペクトルを算出する第2電力スペクトル算出部と、時間軸方向の異なる位置にあるパイロットサブキャリア間の時間間隔と前記第2電力スペクトル算出部によって算出された電力スペクトルとから、時間軸方向の異なる位置にある前記パイロットサブキャリア間の前記相互相関を算出する第2相関計算部と、を備えているのが好ましい。
受信したパイロットサブキャリアを、パイロットサブキャリアに対応する参照信号で除算してパイロットサブキャリアの伝達関数を算出する除算部を備え、前記第1電力スペクトル算出部は、前記除算部によって複数のパイロットサブキャリアについて求めた複数の伝達関数のうち、所定の周波数間隔にある複数のパイロットサブキャリアについての複数の伝達関数に基づいて、離散逆フーリエ変換を行い、遅延時間領域の電力スペクトルを演算するのが好ましい。
また、前記第1電力スペクトル算出部によって求めた電力スペクトルの所定領域にある成分から雑音の大きさを推定し、推定した雑音の大きさによって前記電力スペクトルから雑音の影響を除去する第1ノイズ除去部を備えているのが好ましい。この場合、雑音の影響を低減できる。
また、前記所定の周波数間隔をΔl[Hz]とし、ガードインターバル長をL[sec]としたときに、(N−1)/(NΔl) > L であるのが好ましい。
前記第1電力スペクトル算出部によって求められた遅延時間領域の電力スペクトルにおける電力成分のうち、ガードインターバル長Lよりも大きい遅延時間の電力成分を除去する第1ノイズ除去部を備えているのが好ましい。
前記第1電力スペクトル算出部によって求められた遅延時間領域の電力スペクトルの電力成分のうちガードインターバル長Lよりも大きい遅延時間の領域を前記所定領域とし、当該所定領域の電力成分から雑音電力の推定値を求め、当該雑音電力の推定値を、前記電力スペクトルの各電力成分から引く第1ノイズ除去部を備えているのが好ましい。
前記第1電力スペクトル算出部によって求められた遅延時間領域の電力スペクトルの電力成分を補間する第1電力スペクトル整形部を備えているのが好ましい。この場合、成分数が少なくても適切な電力スペクトルが得られる。
前記第1電力スペクトル算出部は、電力スペクトルを求める複数回の演算により得られた複数の電力スペクトルの重み付き平均を演算するように構成されているのが好ましい。
受信したパイロットサブキャリアを、パイロットサブキャリアに対応する参照信号で除算してパイロットサブキャリアの伝達関数を算出する除算部を備え、前記第2電力スペクトル算出部は、前記除算部によって複数のパイロットサブキャリアについて求めた複数の伝達関数のうち、所定の時間間隔にある複数のパイロットサブキャリアについての複数の伝達関数に基づいて、離散フーリエ変換を行い、ドップラー周波数領域の電力スペクトルを演算するのが好ましい。
前記第2電力スペクトル算出部によって求めた電力スペクトルの所定領域にある成分から雑音の大きさを推定し、推定した雑音の大きさによって前記電力スペクトルから雑音の影響を除去する第2ノイズ除去部を備えているのが好ましい。この場合、雑音を影響を低減できる。
前記所定の時間間隔をΔk[sec]とし、最大ドップラー周波数をF[Hz]としたときに、1/Δk > 2×Fであるのが好ましい。
前記第2電力スペクトル算出部によって求められたドップラー周波数領域の電力スペクトルの電力成分のうち、−FからFの範囲以外のドップラー周波数の電力成分を除去する第2ノイズ除去部を備えているのが好ましい。
前記第2電力スペクトル算出部によって求められたドップラー周波数領域の電力スペクトルの電力成分のうち、−FからFの範囲以外の領域を前記所定領域とし、当該所定領域のドップラー周波数の電力成分から雑音電力の推定値を求め、当該雑音電力の推定値を、前記電力スペクトルの各電力成分から引く第2ノイズ除去部を備えているのが好ましい。
前記第2電力スペクトル算出部によって求められたドップラー周波数領域の電力スペクトルの電力成分を補間する第2電力スペクトル整形部を備えているのが好ましい。この場合、成分数が少なくても適切な電力スペクトルが得られる。
前記第2電力スペクトル算出部は、電力スペクトルを求める複数回の演算により得られた複数の電力スペクトルの重み付き平均を演算するように構成されているのが好ましい。
他の観点からみた本発明は、アダプティブアンテナ信号処理を行うフィルタリング処理部を備えた通信装置におけるアダプティブアンテナ信号処理方法であって、受信信号に含まれる第1のパイロットサブキャリアの伝達関数と受信信号に含まれる第2のパイロットサブキャリアの伝達関数との相互相関を演算する相関演算ステップを含み、前記相関演算ステップにおいて求めた前記相互相関を用いて、前記アダプティブアンテナ信号処理を行う。
本発明によれば、パイロットサブキャリア間の伝達関数の相互相関が示す伝搬路の特性に応じたアダプティブアンテナ信号処理を行うことができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態では、通信方式としてWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access, IEEE802.16)を例として説明する。
図1は、WiMAXにおいて採用されているOFDMのサブキャリア配置を示している。OFDMは、周波数多重方式の一種であり、周波数軸上で直交するように多数配置された搬送波(サブキャリア)にQAM変調をかけ、デジタル情報の伝送を行う通信方式である。
OFDMのサブキャリアには、データサブキャリア(Data Sub−Carrier)、パイロットサブキャリア(Pilot Sub−Carrier)、ヌルサブキャリア(Null Sub−Carrier)の3種類がある。
データサブキャリア(データ信号)は、データや制御用メッセージを送信するためのサブキャリアである。パイロットサブキャリアは、受信側及び送信側で既知の信号(パイロット信号)であり、伝達関数推定に用いられたり、ウェイト更新に用いられたりする。
ヌルサブキャリアは、実際には何も送信されないサブキャリアであり、低周波数域側のガードサブバンド(ガードサブキャリア)、高周波数域側のガードサブバンド(ガードサブキャリア)、及びDCサブキャリア(中心周波数サブキャリア)によって構成されている。
図2は、ヌルサブキャリアを除いたデータサブキャリア及びパイロットサブキャリアの2次元配置を示している。なお、図2は、WiMAX Uplink PUSCのサブキャリア配置図である。図2において、横軸は周波数軸であり、縦軸は時間軸である。
図2の横軸のl(1〜L)はサブキャリア番号を示している。サブキャリア番号は、ヌルサブキャリアを除くサブキャリアについて、周波数の小さい順に番号を付したものである。なお、ヌルサブキャリアを含めた全サブキャリアの数を1024とした場合、データサブキャリア及びパイロットサブキャリアの総数Lは、840となる。
図2の縦軸のkは、シンボル番号を示している。シンボル番号は、到来時間の早い順にシンボルに番号を付したものである。
各サブキャリアは、伝搬路を通ることによって振幅と位相が変化する。振幅と位相の変化の仕方は、各サブキャリアによって異なることが多い。サブキャリア間での振幅と位相の変動の仕方は、伝搬環境に依存する。なお、データサブキャリアの振幅と位相の変化は、値が既知のパイロットサブキャリアを用いて補償(空間等化)される。
図2では、シンボル方向(時間軸方向)に3個×周波数軸方向に4個の計12個のサブキャリアによって1つのタイル構造を構成している。タイルは、WiMAX Uplink PUSCにおいて、ユーザ割当の際の最小単位となるものである。
タイルの四隅には、パイロットサブキャリアが配置され、タイル内の他のサブキャリアはデータサブキャリアとされている。
図2に示すように、上記タイルが時間軸方向及び周波数軸方向に規則的に並んでいる。この結果、パイロットサブキャリアは、複数の周波数軸方向位置に存在するとともに、複数の時間軸方向位置に存在する。換言すると、パイロットサブキャリアは、サブキャリア中に(周波数軸方向及び時間軸方向において)分散して配置されているのである。
なお、本発明のサブキャリア配置は、上記のものに限られない。
図3は、本実施形態に係る通信装置の機能ブロックを示している。この通信装置1としては、主に基地局を想定する。この通信装置1は、複数のアンテナ素子11を有し、フィルタリング処理部14によって、空間フィルタリング特性を適応的に制御するアダプティブアレーアンテナシステムを構成している。
通信装置1は、各アンテナ素子11に対応してRF(Radio Frequency)部12及びFFT部13が設けられている。RF部12は、送信側で付加されたガードインターバルの除去やA/D変換などの処理を行う。FFT部では、直列/並列変換や離散フーリエ変換などの処理を行う。
各FFT部13の出力(マルチアンテナ信号)は、フィルタリング処理部14に与えられる。フィルタリング処理部14では、伝搬環境に応じた空間フィルタリング特性を適応的に求めるアダプティブアンテナ処理を行う。
図3には、通信装置1が通信しようとしている移動局(希望局)2以外に、干渉源となる干渉局(移動局)3,4を示した。希望局及び干渉局3,4の総数はM個とする。
希望局2及び干渉局3,4は、それぞれ、並列/直列変換や逆離散フーリエ変換などの処理を行うIFFT部21,31,41と、ガードインターバルの付加やD/A変換などの処理を行うRF部22,32,42と、アンテナ素子23,33,43を備えている。
送信側通信装置2,3,4と受信側通信装置1との間の伝搬路は、フェージング伝搬路となっている。サブキャリアは、フェージング伝搬路を通過すると、その振幅と位相が変化する。変化量は、サブキャリアの位置(時間軸方向位置と周波数軸方向位置)によって変わる。
受信側通信装置1の前記フィルタリング処理部14は、各アンテナ素子11に対応する各FTT部からの出力信号に対して適当なウェイトをかけて合成し、各サブキャリアにおける所望信号を抽出して、出力信号として出力する。
図4は、図3における所望信号、出力信号、受信信号(厳密には、通信装置1のアンテナ素子11に対応するFFT部13からの信号)の関係を示すフィルタリングモデルを示している。
図4において、kはシンボル番号、lはサブキャリア番号を示す。また、Mは所望信号及び干渉信号の数を示す。
雑音信号Z(k,l)は、各アンテナ素子11における雑音を表す複素N×1ベクトルである。
受信信号X(k,l)は、各アンテナ素子11に対応するFFT部からの出力からなる複素N×1ベクトルである。
伝達関数H(k,l)(m=1〜M)は、各信号の各サブキャリアが、アンテナ素子数Nのフェージング伝搬路で受ける振幅と位相の変化を並べた複素N×1ベクトルである。
ウェイトW(k,l)は、受信信号の各要素に対して掛ける複素数重みの複素共役を並べたN×1ベクトルである。図4において、上付のHは、複素共役転置を表す。また、以下において、上付のTは転置を表す。
図4の各信号の関係は、式(1)(2)のように表される。
Figure 0004867797
Figure 0004867797
本実施形態の前記フィルタリング処理部14は、干渉信号S〜Sの影響を受けている受信信号X(k,l)から所望信号S(k,l)だけを推定するものである。
図5に、本実施形態に係るフィルタリング処理部14の詳細を示している。フィルタリング処理部14は、受信信号X(k,l)を逐次的に保存する第1バッファ(受信信号記憶部;受信パイロット信号記憶部)141を備えている。第1バッファ141に蓄えられたデータサブキャリアX(k,l)は、ウェイト乗算部142に与えられる。ウェイト乗算部142は、データサブキャリアX(k,l)にウェイトW(k,l)を乗じて、合成した出力信号Y(k,l)=W(k,lX(k,l)を出力する。この出力信号Y(k,l)が、所望信号S(k,l)の推定値である。
所望信号の推定値を精度良く求めるには、ウェイトを精度良く推定することが重要である。ウェイトを推定するため、フィルタリング処理部14は、ウェイト更新部143を有している。
前記第1バッファ141の受信信号(パイロットサブキャリア)X(k,l)は、ウェイトW(k,l)の更新にも用いられる。このため、第1バッファ141からウェイト更新部143へパイロットサブキャリアX(k,l)が与えられる。
なお、第1バッファ141に記憶している受信信号は、ウェイト乗算部142、ウェイト更新部143、及び後述の相関演算部170で使われなくなると随時消去される。
第1バッファ141で受信信号を蓄積しておくことで、本実施形態のようにウェイト更新方向を多様化しても容易に対応できる。
ウェイト更新部143では、受信信号に含まれるパイロットサブキャリアを用いた更新処理(ウェイト更新ステップ)により、ウェイトの更新を行い、更新後のウェイトを第2バッファ144へ出力する。なお、更新処理の詳細は後述する。
第2バッファ(更新ウェイト記憶部)144は、パイロットサブキャリアの位置でのウェイトW(k,l)を逐次的に保存する。第2バッファ144の更新ウェイトは、後述のウェイト補間部145において使用されなくなると随時消去される。
ウェイト補間部145は、パイロットサブキャリア位置でのウェイトW(k,l)を用いて、データサブキャリア位置でのウェイトW(k,l)を補間して、そのウェイトW(k,l)をウェイト乗算部142に与える。
図6は、ウェイト補間の一例を示している。図6の例では、タイル単位での線形補間を行う。具体的には、図6(b)に示すタイルのパイロットサブキャリア位置でのウェイトW,W,W,W12に対して、図6(a)に示す演算を行うことにより、データサブキャリア位置でのウェイトW,W,W,W,W,W,W10,W11を算出する。
この演算をすべてのタイルについて行うことで、全データサブキャリア位置でのウェイトを算出することができる。
[ウェイト更新部によるウェイト更新処理(ウェイト更新ステップ)]
本実施形態のウェイト更新部143は、RLSアルゴリズムによってウェイトを更新するように構成されている。ただし、他のアルゴリズム、例えば、LMSアルゴリズムやSMIアルゴリズムを用いても良い。
なお、上述の説明では、パイロットサブキャリア位置を示すためにウェイト等を示す記号においてk及びlをk及びlと表記して、k及びlの位置がパイロットサブキャリア位置であることを明示していたが、以下では、説明の簡略のため、単に、k,lと表記することがある。
前記ウェイト更新部143は、受信信号中のパイロットサブキャリアX(k,l)と、対応する所望信号の参照信号S(k,l)と、ウェイト更新パラメータP,αと、を用いて、現在のウェイトW(kprev,lprev)を新たなウェイトW(k,l)に更新する。
RLSアルゴリズムによるウェイト更新演算式は、下記式(3)(4)のとおりである。なお、ウェイト更新部143では、式(4)で用いられるパラメータPの更新値Pnextも算出する。Pの更新演算式は、下記式(5)のとおりである。
Figure 0004867797
Figure 0004867797
Figure 0004867797
図5に示すように、上記式(3)〜(5)で用いられる値のうち、パイロットサブキャリアX(k,l)は、順序制御部146を介して、第1バッファ141から取得される。また、所望信号の参照信号S(k,l)は、参照信号生成部147によって生成され、ウェイト更新部143に与えられる。ウェイト更新パラメータP(N×N行列)は、第3バッファ(ウェイト更新パラメータ記憶部)148に保存されており、ウェイト更新部143は、当該第3バッファ148からパラメータPを取得する。また、ウェイト更新部143によって更新されたパラメータPnextは、第3バッファ148に更新保存され、次回のウェイト更新時のパラメータPとして用いられる。
なお、前回のウェイト更新に用いられたパイロットサブキャリアがX(kprev,lprev)であるときに、今回のウェイト更新に用いるパイロットサブキャリアとして、どのパイロットサブキャリアX(k,l)を選択するかというウェイト更新順序制御に関しては、後述する。
また、上記式(4)(5)における更新パラメータαは、忘却係数であり、0〜1の間の値をとる。αの値を調整することによって、周波数軸方向、時間軸方向に対する伝達関数の変動への追従特性を調整することができる。なお、パラメータPは、αに依存して値が決定されるため、αの値を調整することで、Pの値も調整できる。
更新パラメータαの値の調整については後述する。
[伝達関数の相互相関の大きさ推定]
ウェイトの更新順序制御及び/又は更新パラメータ調整等に利用するため、本実施形態のフィルタリング処理部14は、任意の2つのパイロットサブキャリア間の伝達関数の相互相関の大きさを推定する相関演算部170を備えている(図5参照)。
図7は、相関演算部170の詳細を示している。相関演算部170は、受信信号除算部171と相関算出部172とを備えている。受信信号除算部171は、受信信号のパイロットサブキャリアX(k,l)を参照信号S(k,l)で除算するものである。本実施形態では、除算部171の出力を伝達関数H(k,l)であるとみなす。なお、参照信号は、参照信号生成部173によって生成される。
厳密には、サブキャリアX(k,l)における伝達関数H(k,l)、送信信号S(k,l)、受信信号X(k,l)、雑音信号Z(k,l)の関係は、図4より、下記式(6)のように表される。なお、伝達関数、送信信号、雑音信号は、互いに無相関とする。
Figure 0004867797
式(6)より、除算部171の出力は、X(k,l)/S(k,l)=H(k,l)+Z(k,l)/S(k,l)であり、雑音信号Z(k,l)成分を含んでいるが、本実施形態では、当該雑音を考慮しないものとする。なお、雑音の影響を低減する手段については、別実施形態において説明する。
前記受信信号除算部171では、任意のパイロットサブキャリアについての伝達関数H(k,l)を求めることができる。例えば、図8において、ある一つのタイル内の左上のパイロットサブキャリアX(kpA,lpA)の伝達関数H(kpA,lpA)=H、同左下のパイロットサブキャリアX(kpB,lpB)の伝達関数H(kpB,lpB)=H、同右上のパイロットサブキャリアX(kpC,lpC)の伝達関数H(kpC,lpC)=H、同右下のパイロットサブキャリアX(kpD,lpD)の伝達関数H(kpD,lpD)=Hを求めることができる。
また、受信信号除算部171は、他の任意のタイル(ユーザ割当の最小単位)について、伝達関数H,H,H,Hを、それぞれ求めることができる。
相関算出部172では、除算部171で求めた各伝達関数から、任意の2つのパイロットサブキャリア間における、伝達関数の相互相関の大きさRを求める。例えば、図8に示すように、相関算出部172は、伝達関数Hと伝達関数Hとの相互相関の大きさ(相関係数)RAB、伝達関数Hと伝達関数Hとの相互相関の大きさ(相関係数)RAC、伝達関数Hと伝達関数Hとの相互相関の大きさ(相関係数)RADを求めることができる。
また、相関算出部172では、一つのタイル(ユーザ割当の最小単位)内での相互相関だけでなく、複数のタイルに跨ってパイロットサブキャリアの伝達関数の相互相関を求めることもできる。
例えば、図8に示すように、相関算出部172は、伝達関数Hと他のタイルのパイロットサブキャリアの伝達関数Hとの相互相関の大きさ(相関係数)RAE、伝達関数Hとさらに他のタイルのパイロットサブキャリアの伝達関数Hとの相互相関の大きさ(相関係数)RAFなどを求めることもできる。
なお、相関算出部172では、図8において図示していない他の任意の2つのパイロットサブキャリア間における、伝達関数の相互相関を求めるのも自在である。
上述の各相互相関を求める演算式は、下記の通りである。
Figure 0004867797
なお、時間軸方向の相互相関RABと周波数軸方向の相互相関RACとは無相関であるため、ある伝達関数Hと当該伝達関数Hに対して時間軸方向及び周波数軸方向に異なるサブキャリア位置の伝達関数Hとの相互相関RADについては、RABにRACを乗じることで得てもよい。
[ウェイト更新順序制御]
前述のように、ウェイト更新部143は、順序制御部146を介して、第1バッファ141から受信信号(パイロットサブキャリア)X(k,l)を取得する。
順序制御部146は、第1バッファ141に保存されている受信信号X(k,l)の中から、パイロットサブキャリアX(k,l)を分離して抽出する。
そして、順序制御部146は、ウェイト更新部143がウェイト更新に用いるパイロットサブキャリアの順序を制御する。具体的には、順序制御部146は、分離したパイロットサブキャリアを、ウェイト更新に用いる順番に並べ替える。そして、順序制御部146は、並び替えたパイロットサブキャリアを、並び替えた順番で、ウェイト更新部143に与える。
図9は、順序制御部146の詳細を示している。順序制御部146は、更新順序決定部146aと、パイロットサブキャリアの並び替えルール(更新順序ルール)を記憶した更新順序ルール記憶部146bとを有している。この記憶部146bには、複数の更新順序ルール(ここでは2つ)が記憶されている。前記更新順序決定部146aは、記憶部146bにある更新順序ルールのうち、どのルールを用いるかを決定する。
図10及び図11は、記憶部146にある更新順序ルールの例を示している。
[第1更新順序ルール]
図10に示す第1の順序ルールでは、まず、図10のD1方向への更新を行う。すなわち、同一シンボル(同一時間k=1)において周波数軸方向に分散された複数のパイロットサブキャリアX(1,1)〜X(1,L)を対象として、周波数の小さいパイロットサブキャリアから順番に用いてウェイト更新を行う。このD1方向(周波数軸方向)の更新制御は、複数回の周波数軸方向更新制御の組合せとなっている。
ここでの周波数軸方向更新制御は、例えば、前回のウェイトの更新に用いたパイロットサブキャリアがX(1,1)であるときに、X(1,1)の次にウェイト更新に用いるパイロットサブキャリアとしてX(1,4)を選択する場合のように、前回のウェイトの更新に用いたパイロットサブキャリアX(1,1)とは時間軸方向では同じ位置であって周波数軸方向に異なる位置にあるパイロットサブキャリアX(1,4)を、ウェイトの更新に用いることをいう。
D1方向の更新制御を行って、最大のサブキャリア番号Lを持つパイロットサブキャリアX(1,L)まできたら、次に、図10のD2方向への更新を行う。すなわち、X(1,L)の位置から時間軸方向へ移動し、時間軸方向にみて次にあるパイロットサブキャリアX(3,L)をウェイト更新に用いる。このD2方向(時間軸方向)の更新制御は、1回の時間軸方向更新制御でよい。
ここでの時間軸方向更新制御は、例えば、前回のウェイトの更新に用いたパイロットサブキャリアがX(1,L)であるときに、X(1,L)の次にウェイト更新に用いるパイロットサブキャリアとしてX(3,L)を選択する場合のように、前回のウェイトの更新に用いたパイロットサブキャリアX(1,L)とは周波数軸方向時では同じ位置であって時間軸方向に異なる位置にあるパイロットサブキャリアX(1,4)を、ウェイトの更新に用いることをいう。
D2方向の更新制御を行った後は、図10のD3方向への更新を行う。すなわち、同一シンボル(同一時間)における周波数の大きいパイロットサブキャリアから順に、ウェイト更新に用いる。換言すると、時間軸方向の負方向に更新制御が行われる。このD3方向の更新制御も、複数回の(負方向)の周波数軸方向更新制御の組合せとなっている。
D3方向の更新制御を行って、最小のサブキャリア番号1を持つパイロットサブキャリアX(3,1)まできたら、図10のD4方向への更新を行う。すなわち、X(3,1)の位置から時間軸方向へ移動し、時間軸方向にみて次にあるパイロットサブキャリアX(4,1)をウェイト更新に用いる。このD4方向の更新制御は、1回の時間軸方向制御でよい。なお、D4方向の更新制御と、D2方向の更新制御とでは、更新に用いられるパイロットサブキャリアの時間間隔が異なる。
D4方向の更新制御後は、再び、D1方向の更新制御を行い、上記処理を繰り返す。
図10の上記第1更新順序ルールでは、周波数軸方向更新制御と時間軸方向更新制御のを組み合わせたものとなっている。ただし、周波数軸方向更新制御によるウェイト更新の方が、時間軸方向更新制御によるウェイト更新よりも回数が多くなっている。
よって、第1更新順序ルールは、周波数軸方向を優先した更新制御ルールである。
したがって、各パイロットサブキャリアの位置における伝達関数の相互相関を考えたときに、周波数軸方向のサブキャリア間での伝達関数の相互相関RACが、時間軸方向での伝達関数の相互相関RABよりも大きい場合には、前記第1更新順序ルールを用いると適切なウェイトを早期に得やすい。
また、上記第1更新順序ルールによれば、パイロットサブキャリアが存在するシンボルについてみると、1シンボルあたりのウェイト更新数が、420回となる。時間軸方向のみのウェイト更新であれば、1シンボル1回しか行われないが、上記ルールでは、飛躍的に更新回数が増加する。この結果、適切なウェイトを高速で得ることができる。
高速で適切なウェイトが得られることは、モバイルWiMAX(IEEE 802.16e)のように、移動体との間で伝送を行う方式において、特に有用である。すなわち、WiMAXでは、1基本フレームは、アップリンクサブフレームとダウンリンクサブフレームを含み、基地局は、アップリンクサブフレームを、5msecごとに受け取る。ところが、移動局の高速移動時には、サブフレーム間で伝搬係数の相互相関が非常に小さくなる。しかも、一つのサブフレームは、15シンボルで構成されている。
したがって、時間軸方向のみでウェイト更新を行うと、1つのサブフレームあたり10回しかウェイト更新が行えない。この結果、移動局の高速移動(例えば、120km/h)時には、更新アルゴリズムによっては、適切なウェイトを形成する前に、サブフレームが切り替わってしまう。
そして、サブフレーム間の相互相関は非常に低いため、サブフレームが切り替わると再度、ウェイト形成が必要となる。この結果、極端な場合には、永久に適切なウェイトが得られない場合が生じる。
これに対し、本実施形態の更新順序ルールによれば、1シンボル当たりの更新回数が多くなるため、高速で適切なウェイトが得られ、一つのサブフレーム内でのウェイト形成が可能となる。なお、この点については、第2更新順序ルールについてもあてはまる。
[第2更新順序ルール]
図11に示す第2の更新順序ルールでは、まず、図11のD11方向への更新を行う。すなわち、同一サブキャリア(同一サブキャリア番号=1)において、時間軸方向に分散して複数存在するパイロットサブキャリアX(1,1)〜X(k,1)を対象として、シンボル番号の小さいパイロットサブキャリアから順番に用いてウェイト更新を行う。このD11方向の更新制御は、複数回の時間軸方向更新制御の組合せとなっている。
D11方向への更新制御を行って、所定のシンボル番号=kのパイロットサブキャリア(k,1)まできたら、次に周波数方向D12への更新を行う。すなわち、X(k,1)の位置から周波数軸方向へ移動し、周波数軸方向にみて次にあるパイロットサブキャリアX(k,4)をウェイト更新に用いる。このD12方向の更新制御は、1回の周波数軸方向更新制御でよい。
D12方向への更新制御の後は、図11のD13方向への更新を行う。すなわち、同一サブキャリア(同一サブキャリア番号=4)において、時間軸方向に複数存在するパイロットサブキャリアX(k,4)〜X(1,4)を対象として、シンボル番号の大きいパイロットサブキャリアから順番に用いてウェイト更新を行う。このD13方向の更新制御も、複数回の(負方向)の時間軸方向更新制御の組合せとなっている。
D13方向の更新制御を行って、最小のシンボル番号1を持つパイロットサブキャリアX(1,4)まできたら、図11のD4方向への更新を行う。すなわち、X(1,4)の位置から時間軸方向へ移動し、周波数軸方向にみて次にあるパイロットサブキャリアX(1,5)をウェイト更新に用いる(第2周波数軸方向更新制御D4)。このD14方向の更新制御は、1回の周波数軸方向更新制御でよい。
D14方向の更新制御後は、D11方向の更新制御を行い、上記処理を繰り返す。なお、D14方向への更新が行えなくなったら、シンボル番号kよりも時間的に後にある次のk個のシンボルを用いて同様に更新を行えばよい。
上記第2更新順序ルールにおいても、周波数軸方向更新制御と時間軸方向更新制御のを組み合わせたものとなっている。ただし、時間軸方向更新制御によるウェイト更新の方が、周波数軸方向更新制御によるウェイト更新よりも回数が多くなっている。
よって、第2更新順序ルールは、時間軸方向を優先した更新制御ルールである。
したがって、各パイロットサブキャリアの位置における伝達関数の相互相関を考えたときに、時間軸方向のサブキャリア間での伝達関数の相互相関RABが、周波数軸方向での伝達関数の相互相関RACよりも大きい場合には、前記第2更新順序ルールを用いると適切なウェイトを早期に得やすい。
なお、周波数軸方向又は時間軸方向のいずれかを優先して更新制御を行う場合、相互相関の大きい方向への更新回数を多くすることに替えて、例えば、相互相関の大きい方向への更新を出来るだけ先に行うようにして相互相関の大きい方向を優先してもよい。
[伝達関数の相互相関と伝搬環境の関係]
パイロットサブキャリア間の伝達関数の相互相関は、周波数軸方向の方が大きい場合(例えば、RAC>RAB)、時間軸方向の方が大きい場合(例えば、RAB>RAC)がある。ここで、伝達関数の相互相関の大きさは、伝搬環境に依存する。
例えば、基地局の通信相手である移動局が高速移動している場合には、時々刻々と伝搬環境が変化するため、時間軸方向に異なる位置にあるパイロットサブキャリア間では、伝達関数の変動が大きくなり、相互相関が低下する。
一方、時間軸方向には同じ位置で周波数軸方向に異なる位置にあるパイロットサブキャリア間では、相対的に伝達関数の相互相関が大きくなる。
また、移動局が低速又は停止している場合には、時間が推移しても伝搬環境にはほとんど変化がないため、時間軸方向に異なる位置にあるパイロットサブキャリア間における伝達関数の相互相関が相対的に大きくなる。
なお、相互相関は、移動局の移動速度の他、伝搬環境の遅延分散によっても影響を受ける。
[伝達関数の相互相関とウェイト更新方向の関係]
移動局が高速移動している場合のように、周波数軸方向に伝達関数の相互相関が大きい場合には、図10に示す第1更新順序ルールのように周波数軸方向の更新制御を優先してする方が、ウェイト計算値が収束し易く、高速で適切なウェイトを算出することができる。
一方、移動局が低速又は停止している場合のように、時間軸方向に伝達関数の相互相関が大きい場合には、図11に示す第2更新順序ルールのように時間軸方向にウェイト更新を行った方が、ウェイト計算値が収束し易く、高速で適切なウェイトを算出することができる。
[更新順序決定部による更新順序決定]
上述の伝達関数の相互相関と伝搬環境の関係を利用し、前記更新順序決定部146aは、相関演算部170によって求められた時間軸方向の相互相関RABと周波数軸方向の相互相関RACとを比較して、どちらの相互相関が大きいか判定する。更新順序決定部146aは、この判定結果に基づき、更新順序ルールを選択する。
例えば、時間軸方向の相互相関RABの方が大きいと判定された場合、時間軸方向を優先した第2更新順序ルールが選択される。また、周波数軸方向の相互相関RACの方が大きいと判定された場合、周波数軸方向を優先した第1更新順序ルールが選択される。
そして、更新順序決定部146aは、選択された更新順序ルールに従って、第1バッファから取得したパイロットサブキャリアX(k,l)を並び替え、並び替えた順で、パイロットサブキャリアをウェイト更新部143へ与える。
なお、更新順序ルールは、上記のものに限らず、時間軸方向更新制御と周波数軸方向更新制御を組み合わせた様々な変形が可能である。また、時間軸方向及び周波数軸方向に同時に移動する斜め方向更新制御を含んでいてもよい。この場合、より自由度が高くなる。
また、1回の更新制御における移動幅(パイロットサブキャリア間の時間間隔又は周波数間隔)も自由に設定できる。
また、更新順序決定部146aは、予め決められた更新順序ルールを選択することで、更新順序を決定するのではなく、伝達関数の相互相関から把握される伝搬環境に応じて適切な更新順序を動的に生成してもよい。
さらに、上記例では、一つのパイロットサブキャリアを1度しか更新に用いていないが、複数回更新に用いても良い。また、更新に用いないパイロットサブキャリアが存在してもよい。
[更新パラメータαの調整(更新パラメータ調整ステップ)]
前述のように、更新パラメータである忘却係数αは、大きければ、サブキャリア(信号)間で生じる伝達関数の変化に対する追従特性は向上するが、伝達関数の変化が小さい場合に、大きい忘却係数を用いると、推定精度が悪化する可能性がある。
つまり、前回のウェイト更新に用いたパイロット信号と、ウェイト更新に用いようとするパイロット信号とで、伝達関数の相互相関が大きい場合には、忘却係数αは小さい方が好ましい。一方、前回のウェイト更新に用いたパイロット信号と、ウェイト更新に用いようとするパイロット信号とで、伝達関数の相互相関が小さい場合には、忘却係数αは大きい方が好ましい。
本実施形態では、図5に示す更新パラメータ調整部180が、ウェイト更新部143によるウェイト更新演算の度に、ウェイトの更新方向に応じて忘却係数αの調整を行う。
具体的には、忘却係数αは、α=f1(R)の演算によって調整される。ここで、Rは、前回のウェイト更新に用いられたパイロットサブキャリアの伝達関数と今回のウェイト更新に用いようとするパイロットサブキャリアの伝達関数との相互相関であり、具体的には、相関演算部170から出力される相互相関RAB,RAC,RAD,RAE,RAFなどが利用される。また、f1は、相互相関から忘却係数を求めるための関数であり、相互相関が大きければ忘却係数αを大きくし、相互相関が小さければ忘却係数αを小さくする関数として構成されている。
上記のように更新方向及び伝搬環境に応じて、更新パラメータαを調整することにより適切なウェイト更新が行え、ウェイト推定精度を向上させることができる。なお、調整対象である更新パラメータは、忘却係数αに限られるものではなく、ウェイト更新アルゴリズムに応じて、適宜選択すればよい。
[第2実施形態:ウェイト推定値の平滑化]
図12は、フィルタリング処理部14の第2実施形態を示している。なお、第2実施形態において特に説明しない点については、図5のフィルタリング処理部14と同様である。
図12のフィルタリング処理部14では、図5のフィルタリング処理部14と比べて、ウェイト平滑化部149が追加されている。また、ウェイト平滑化部149の追加に伴い、第4バッファ150及び平滑化パラメータ調整部151が追加されている。また、第2バッファ(ウェイト推定値記憶部)144の機能が、変更されている。
ここでの第2バッファ(ウェイト推定値記憶部)144は、パイロットサブキャリアの位置でのウェイト推定値を複数個保存する。第2バッファ144のウェイト推定値は、後述のウェイト平滑化部149において使用されなくなると随時消去される。
ウェイト平滑化部149は、第2バッファ144に保存されている複数のウェイト推定値それぞれの平滑化(smoothing)処理を行って、ウェイトの平滑化推定値を算出する(平滑化ステップ)。ウェイト平滑化部149によって算出されたウェイト平滑化推定値は、第4バッファ150へ出力される。なお、平滑化処理の詳細は後述する。
第4バッファ(ウェイト平滑化推定値記憶部)150は、複数の平滑化推定値を保存することができる。第4バッファ150の平滑化推定値は、後述のウェイト補間部145において使用されなくなると随時消去される。なお、ウェイト補間部145は、ウェイトの平滑化推定値を用いて、データサブキャリア位置でのウェイトW(k,l)を補間する。
[ウェイト推定値の平滑化処理(平滑化ステップ)]
さて、図5に関して説明したように、ウェイト更新部143におけるウェイト更新処理の結果得られたウェイト推定値は、所定のウェイト更新回数M分、第2バッファ144に蓄積される。すなわち、第2バッファには、過去M回のウェイト更新で得られたM個のウェイト推定値が保存可能である。
ここでは、更新順序ルールとして図10の第1更新順序ルールを用いたものとして説明する。また、図10のシンボル番号k=1〜6,サブキャリア番号l=1〜Lの範囲を、平滑化の対象領域の一つであるとして説明する。図13は、図10に示す第1更新順序ルールに対応する一つの平滑化領域を示している。
また、図14は、一つの平滑化対象領域における一連のM回のウェイト更新で得られたM個のウェイト推定値W(k,l)を、ウェイト更新に用いたパイロットサブキャリアX(k,l)及びウェイト推定値の平滑化推定値W(k,l)とともに、ウェイト更新順に並べたものを示している。なお、図14中、mは、ウェイト更新回数を示している。
図14からもわかるように、M個のウェイト推定値W(k,l)のうち、最も多くの情報(M個のパイロットサブキャリア)が反映されているのは、最後(m=M番目)のウェイト更新で得られたW(6,1)である。一方、平滑化対象領域における最初のウェイト更新で得られたW(1,1)は、最も少ない情報(1個のパイロットサブキャリア)しか反映されていない。一般には、多くの情報(パイロットサブキャリア)を用いて推定されたウェイトの方が、より精度が高くなる。
そこで、ここでの平滑化処理では、最も多くの情報が反映されているW(k、l)=W(6,1)を、平滑化対象領域における他のウェイトW(k,l)(m=1〜M−1)に反映させる。
具体的には、ここでのウェイト平滑化部149が行う平滑化処理は、図15に示すとおりである。
まず、平滑化部149は、ウェイト推定値W(k、l)を、第2バッファ144から第4バッファ150へ送る(ステップS1)。ウェイト推定値W(k、l)は、最も多くの情報が反映されており、更に平滑化を行う必要がないので、平滑化推定値W(k、l)=ウェイト推定値W(k、l)とする。なお、ステップS1の処理も、必要であれば、後述のステップS5と同様に、平滑化演算処理というものとする。
続いて、ウェイト平滑化部149は、カウンタm=M−1とする(ステップS2)。そして、ウェイト平滑化部149は、第2バッファ144からウェイト推定値W(k,l)を取得するとともに(ステップS3)、第4バッファ150から先に得た平滑化推定値W(km+1、lm+1)を取得する(ステップS4)。なお、ウェイト平滑化部149は、平滑化パラメータβを平滑化パラメータ調整部151から取得する。
そして、ウェイト平滑化部149は、ステップS5の演算式に従った平滑化演算処理を行う。ステップ5の平滑化演算処理ではウェイト更新部143で得られたウェイト推定値W(k,l)と、当該ウェイト推定値W(k,l)を求めた後(直後)のウェイト更新で得られたウェイト推定値W(km+1,lm+1)についての平滑化推定値W(km+1,lm+1)とを合成(パラメータ(重み係数)βによる重み付き合成)し、ウェイト推定値W(k,l)の平滑化推定値W(k,l)を得る。
ここで、ウェイト推定値W(k,l)を「ウェイト先推定値」といい、ウェイト推定値W(km+1,lm+1)を「ウェイト後推定値」というものとする。
ウェイト先推定値W(k,l)とウェイト後推定値W(km+1,lm+1)とを比較すると、ウェイト後推定値W(km+1,lm+1)は、ウェイト先推定値W(k,l)よりも後(直後)のウェイト更新処理によって得られた値であるから、より多くの情報が反映されている(図14参照)。
また、いずれの平滑化推定値も、平滑化領域内での最後のウェイト更新によって得られたウェイト推定値W(k、l)の情報を含んでいる。
したがって、上記合成によって得られた平滑化推定値W(k,l)は、平滑化前のウェイト推定値W(k,l)よりも多くの情報が反映されたものとなり、精度が良いものとなる。
そして、ウェイト平滑化部149は、算出された平滑化推定値W(k,l)を第4バッファ150へと送る(ステップS6)。
その後、ウェイト平滑化部149は、上記平滑化演算の繰り返しの終了判定として、m=1か否かを判定する(ステップS7)。m=1でなければ、mをデクリメントし、再び、ステップS3〜S6の処理を行う。また、m=1であれば、平滑化処理を終了する。
以上の平滑化処理により、平滑化推定値W(k,l)が、m=M,M−1,・・・2,1の順番で得られる。つまり、ウェイト更新と逆の順番で平滑化推定値が得られる。なお、図13には、平滑化処理の順番D1−S,D2−S,D3−S,D4−Sを点線の矢印で示した。
平滑化処理を行うことにより、比較的に初期のウェイト更新で得られるウェイト(未収束のウェイト)についても、多くのパイロット信号の情報を反映させた良好なウェイトを得ることができる。
具体的には、例えば、ウェイト推定値W(1,1)は、1個のパイロット信号に基づいて得られたものであり、通常、収束していない推定値であるが、平滑化推定値W(1,1)には、M個のパイロット信号の情報が反映されている。また、他の平滑化推定値W(k,l)についても同様である。
その結果、それぞれのウェイトの精度が向上するほか、平滑化推定値を用いてウェイト補間が行われるため、信号推定も全体的に良好となる。
なお、上記の例では、ウェイト更新と逆の順番で平滑化演算を行ったが、M個のウェイト推定値をどのような順番で平滑化演算の対象とするかは、上記の例に限られない。例えば、m=M,1,2,・・・,M−2,M−1の順番であってもよい。つまり、後のウェイト更新で得られたウェイト推定値を、前のウェイト更新で得られたウェイト推定値に反映できれば、どのような順番であってもよい。つまり、ウェイト更新順と無関係に平滑化演算の順番を決定してもよい。
なお、平滑化処理は、平滑化対象領域ごとに行われ、他の平滑化対象領域についても同様に行われる。また、時間軸−周波数軸のサブキャリア2次元配置をどのようにして、複数の平滑化対象領域に区切るかは、自由である。
ただし、好ましくは、一つの平滑化対象領域内での伝搬係数の変動ができるだけ少ないように設定するのがよい。例えば、OFDMAにおける複数のアップリンクサブフレームに跨って一つの平滑化対象領域を構成したり、OFDMAにおける複数のダウンリンクサブフレームに跨って一つの平滑化対象領域を構成したりするのは避けた方が好ましい。複数のサブフレーム間には、実際には、時間間隔があるため、伝搬係数の変動が大きくなる可能性があるからである。
また、平滑化対象領域は、好ましくは、ユーザ割当の最小単位とするのが好ましい。より具体的には、OFDMAのアップリンクPUSCの場合、ユーザ割当の最小単位であるタイル一つを一つの平滑化対象領域とし、OFDMAのアップリンクPUSCの場合、ユーザ割当の最小単位であるクラスタ一つを一つの平滑化対象領域とするのが好ましい。
OFDMAのように、一つのサブフレームが複数のユーザに割り当てられる通信方式の場合、一つのサブフレーム内であっても、ユーザが切り替われば、伝搬係数は変化する。したがって、ユーザ割当最小単位を平滑化対象領域としておくことで、伝搬係数の変動が少ない領域で平滑化を行うことができる。
さて、図15のステップ5の演算式から明らかなように、平滑化演算によって、後のウェイト更新によるウェイト後推定値の情報(平滑化推定値W(km+1,lm+1))をどの程度、ウェイト先推定値W(k,l)の平滑化推定値W(k,l)に反映されるかは、平滑化パラメータβの値次第である。前述のウェイト更新パラメータαと同様に、βの値を調整することによって、周波数軸方向、時間軸方向に対する伝達関数の変動への追従特性を調整することができる。
[平滑化パラメータβの調整]
パイロットサブキャリアX(k,l)X(km+1,lm+1)間で、伝達関数の相互相関が大きい場合、ウェイト後推定値の平滑化推定値W(km+1,lm+1)の情報をより多く利用すべきであるから、平滑化パラメータβを大きくした方が、ウェイト先推定値の平滑化推定値の推定精度は向上する。
一方、 パイロットサブキャリアX(k,l)X(km+1,lm+1)間で、伝達関数の相互相関が小さい場合、ウェイト後推定値の平滑化推定値W(km+1,lm+1)の情報をあまり利用しない方が、伝達関数の変動への追従特性が向上する。よって、この場合、平滑化パラメータβを小さくした方が、ウェイト先推定値の平滑化推定値の推定精度は向上する。
そこで、平滑化パラメータ調整部151では、更新パラメータ調整部180と同様に、相関演算部170で求めた伝達関数の相互相関RAB,RAC,RAD,RAE,RAFに応じて、平滑化パラメータβを調整する。
具体的には、平滑化パラメータβは、β=f2(R)の演算によって調整される。Rは、パイロットサブキャリアX(k,l)X(km+1,lm+1)間における伝達関数の相互相関であり、具体的には、相関演算部170から出力される相互相関RAB,RAC,RAD,RAE,RAFなどが利用される。また、f2は、相互相関から平滑化パラメータを求めるための関数であり、相互相関が大きければ平滑化パラメータβを大きくし、相互相関が小さければ平滑化パラメータβを小さくする関数として構成されている。
上記のような平滑化パラメータ調整を行うことで、平滑化方向(図13参照)及び/又は伝搬環境に応じて、適切なウェイト平滑化が行え、ウェイト推定精度を向上させることができる。
[第3実施形態:ウェイト推定値の平滑化]
図16〜図18は、第3実施形態に係るフィルタリング処理部14を示している。なお、第3実施形態において特定に説明しない点については、既述のものと同様である。
第3実施形態のウェイト平滑化部149の機能は、ウェイト更新部143の機能とほぼ同様のウェイト更新機能を有している。ただし、ここでのウェイト平滑化部149は、ウェイト更新143の更新順序とは逆の順序により平滑化のための更新演算を行う(図13の点線矢印参照)。
具体的には、図17に示す手順により平滑化処理が行われる。まず、平滑化部149は、ウェイト推定値W(k、l)を、第2バッファ144から第4バッファ150へ送る(ステップS11)。つまり、ウェイト推定値W(k、l)が、そのまま平滑化推定値W(k、l)となる。
続いて、ウェイト平滑化部149は、カウンタm=M−1とする(ステップS12)。そして、ウェイト平滑化部149は、第1バッファ141からパイロットサブキャリアX(k,l)を取得するとともに(ステップS13)、第4バッファ150から先に得た平滑化推定値W(km+1、lm+1)を取得する(ステップS14)。なお、ウェイト平滑化部149は、参照信号S(k,l)を取得する。また、ウェイト平滑化部149は、ウェイト平滑化部149でのウェイト更新のためのパラメータPを第5バッファ155から、パラメータαを平滑化パラメータ調整部(更新パラメータ調整部)156から取得する。
なお、第5バッファと第3バッファの機能は、それぞれ同じであり、平滑化パラメータ調整部156と更新パラメータ調整部153の機能も同じである。
そして、ウェイト平滑化部149は、下記式に示す平滑化演算式に従った平滑化演算処理(更新演算処理)を行う(ステップS15)。
Figure 0004867797
上記平滑化演算式は、前述のウェイト更新演算式(3)〜(5)と、更新順序を除き、実質的に同じである。
ステップ15の平滑化演算処理では、図18にも示すように、直前に求めた平滑化推定値W(km+1,lm+1)を、パイロットサブキャリアX(k,l)に基づいて、上記式の演算によってウェイト更新することによって得られた推定値を、ウェイト推定値W(k,l)の平滑化推定値W(k,l)として得る。
さて、ここでも、ウェイト推定値W(k,l)を「ウェイト先推定値」といい、ウェイト推定値W(km+1,lm+1)を「ウェイト後推定値」というものとする。
ウェイト先推定値W(k,l)と、ウェイト後推定値W(km+1,lm+1)の平滑化推定値W(km+1,lm+1)とを比較すると、平滑化推定値W(km+1,lm+1)は、パイロットサブキャリア(後パイロット信号)X(km+1,lm+1)に基づいて演算されたウェイト先推定値W(km+1,lm+1)を平滑化したものであるから、多くの情報が反映されたものである(図18参照)。
したがって、上記のように、ウェイト後推定値W(km+1,lm+1)の平滑化推定値W(km+1,lm+1)を、パイロットサブキャリア(先パイロット信号)X(k,l)に基づいて、ウェイト更新することで、元のウェイト推定値W(k,l)よりも精度の良い平滑化推定値W(k,l)が得られる。
そして、ウェイト平滑化部149は、算出された平滑化推定値W(k,l)を第4バッファ150へと送る(ステップS16)。
その後、ウェイト平滑化部149は、上記平滑化演算の繰り返しの終了判定として、m=1か否かを判定する(ステップS17)。m=1でなければ、mをデクリメントし、再び、ステップS13〜S16の処理を行う。また、m=1であれば、平滑化処理を終了する。
以上の平滑化処理により、平滑化推定値W(k,l)が、m=M,M−1,・・・2,1の順番で得られる(図13参照)。
図16の平滑化パラメータ調整部156では、更新パラメータ調整部153と同様に、平滑化パラメータ(忘却係数)αが適宜調整される。平滑化パラメータαは、α=f1(R)によって求められる。なお、ここでのRは、パイロットサブキャリアX(k,l)X(km+1,lm+1)間における伝達関数の相互相関の大きさである。
なお、第3実施形態のウェイト平滑化部149の更新アルゴリズムとしては、ウェイト更新部143と同様に、RLSアルゴリズムが採用されているが、他のアルゴリズム、例えば、LMSアルゴリズムやSMIアルゴリズムを用いても良い。
また、平滑化に用いるパイロット信号の順番も、上記のものに限らず、自由である。
[第4実施形態:ウェイト推定値の平滑化]
図19〜図21は、第4実施形態に係るフィルタリング処理部14を示している。なお、第4実施形態において特定に説明しない点については、既述のものと同様である。
第4実施形態では、主に、ウェイト更新部143及びウェイト平滑化部149が、既述の実施形態のものと異なる。
なお、図19に示す第3バッファ(更新パラメータ記憶部)148は、ウェイト更新部から送られてくるパラメータP(k,l)を保存する。第3バッファ148は、P(k,l)がウェイト更新部143及びウェイト平滑化部149で使用されなくなると消去する。また、図19に示す第5バッファ(平滑化パラメータ記憶部)162は、ウェイト平滑化部149から送られてくるパラメータλを保存する。ここでは、λの初期値は0とする。
第4実施形態のウェイト更新部143は、下記手順によって、ウェイト更新を行う。ウェイト更新部143における更新処理手順は、更新演算式を除き、基本的には、既述の実施形態のものと同様である。
具体的には、更新処理手順は、下記の通りであり、平滑化対象領域内(図13参照)のM個のパイロット信号について、下記手順2〜3をmがMになるまで繰り返す。
手順1:m=1
手順2:更新演算処理
手順3:m=m+1として手順2に戻る
手順2の更新演算処理は、下記式に従って行われる。
Figure 0004867797
手順2の更新演算処理を行う際、ウェイト更新部143は、参照信号S(k,l)を参照信号生成部147から取得し、パイロットサブキャリアX(k,l)を第1バッファ141から取得し、パラメータP(km−1,lm−1)を第3バッファから取得する。
上記式により、ウェイト推定値W(k,l)が求まるほか、更新パラメータP(k,l)が求まる。求められたウェイト推定値W(k,l)は第2バッファ144に送られ、P(k,l)は第3バッファ148に送られ、それぞれのバッファで保存される。
なお、上記Q(k,l)は、パイロットサブキャリアX(k,l)X(km−1,lm−1)の位置関係に応じて、更新パラメータ調整部153によって調整される。
第4実施形態のウェイト平滑化部149は、平滑化アルゴリズムとして、固定区間スムーザ(fixed-interval smoother)を利用する。なお、ここでは、固定区間スムーザとしてFraserのアルゴリズムを用いる。
具体的には、図20に示す手順により平滑化処理が行われる。まず、平滑化部149は、ウェイト推定値W(k、l)を、第2バッファ144から第4バッファ150へ送る(ステップS21)。つまり、ウェイト推定値W(k、l)が、そのまま平滑化推定値W(k、l)となる。
続いて、ウェイト平滑化部149は、カウンタm=M−1とする(ステップS22)。そして、ウェイト平滑化部149は、第1バッファ141からパイロットサブキャリアX(km+1,lm+1)を取得するとともに(ステップS23)、第2バッファ144から平滑化対象のウェイト推定値W(k、l)を取得する(ステップS24)。
なお、ウェイト平滑化部149は、参照信号S(km+1,lm+1)を参照信号生成部160から取得し、ウェイト更新演算の際に求めたパラメータP(k、l)を第3バッファ148から取得し、λm+1を第5バッファ162から取得する。
そして、ウェイト平滑化部149は、下記式に示す平滑化演算式に従った平滑化演算処理を行う(ステップS25)。
Figure 0004867797
ステップ25の平滑化演算処理では、図21にも示すように、ウェイト更新部143にて求めたウェイト推定値W(k,l)を、Fraserのアルゴリズムで平滑化して、平滑化推定値W(k,l)を求めている。
さて、ここでは、ウェイト推定値W(k,l)を「ウェイト先推定値」といい、ウェイト推定値W(km+1,lm+1)を「ウェイト後推定値」というものとする。また、ウェイト先推定値W(k,l)を求めるために用いたパイロット信号X(k,l)を先パイロット信号といい、ウェイト後推定値W(km+1,lm+1)を求めるために用いたパイロット信号X(km+1,lm+1)というものとする。
上記演算式では、後パイロット信号X(km+1,lm+1)の情報が反映されるように、ウェイト先推定値W(k,l)の平滑化を行う。したがって、ウェイト先推定値W(k,l)の平滑化推定値W(k,l)は、後パイロット信号X(km+1,lm+1)の情報が反映されたものとなる(図21参照)。
なお、平滑化を行う際の平滑化パラメータであるQ(km+1,lm+1)は、パイロットサブキャリアX(k,l)X(km+1,lm+1)間の伝達関数の相互相関Rに応じて、更新パラメータ調整部153によって調整される。
そして、ウェイト平滑化部149は、算出された平滑化推定値W(k,l)を第4バッファ150へと送る(ステップS26)。なお、ウェイト平滑化部149は、更新されたλを第5バッファ162へ送り、第5バッファ162は、次の平滑化演算処理に用いるためにλを保存する。
その後、ウェイト平滑化部149は、上記平滑化演算の繰り返しの終了判定として、m=1か否かを判定する(ステップS27)。m=1でなければ、mをデクリメントし、再び、ステップS23〜S26の処理を行う。また、m=1であれば、平滑化処理を終了する。
以上の平滑化処理により、平滑化推定値W(k,l)が、m=M,M−1,・・・2,1の順番で得られる(図13参照)。
[第5実施形態:相関演算部の他の例]
図22は、相関演算部170の他の例を示している(第5実施形態)。なお、第5実施形態において特に説明しない点については、既述のものと同様である。
図22の相関演算部170は、伝搬路における伝達関数の遅延時間領域の電力スペクトルを用いて、周波数軸方向に異なる位置にあるパイロットサブキャリア間における伝達関数の相互相関を求めるとともに、伝搬路における伝達関数のドップラー周波数領域の電力スペクトルを用いて、時間軸方向に異なる位置にあるパイロットサブキャリア間における伝達関数の相互相関を求めるように構成されている。
具体的には、相関演算部170は、受信信号除算部171及び参照信号生成172を備えるほか、遅延時間領域の電力スペクトルを算出する第1電力スペクトル算出部175と、ドップラー周波数領域の電力スペクトルを算出する第2電力スペクトル算出部176とを備えている。
各電力スペクトル算出部175,176は、除算部171において求めた複数の伝達関数H(k,l)を用いて、電力スペクトルの演算を行う。このため、相関演算部170は、除算部171で得た複数の伝達関数H(k,l)を逐次的に保存するための第6バッファ(伝達関数記憶部)174を備えている。なお、電力スペクトル算出部175,176で使用されなくなった伝達関数H(k,l)は第6バッファ174から消去される。
遅延時間領域の電力スペクトルを算出する第1電力スペクトル算出部175は、第2バッファ174から、複数個(N個)の伝達関数H(k,lp1)〜H(k,lpN)を取得する。第1電力スペクトル算出部175が取得する複数の伝達関数H(k,lp1)〜H(k,lpN)は、図23に示すように、同一時刻(同一シンボル)kpにおいて一定の周波数間隔Δl(例えば、4個のサブキャリア間隔分10.9kHz×4=43.6kHz)にあるN個のパイロットサブキャリアそれぞれの伝達関数(N個)である。なお、Nの数は特に限定されない。なお、図23においては、第1電力スペクトル算出部175が伝達関数H(k,lp1)〜H(k,lpN)を取得するパイロットサブキャリアを太丸で示している。
また、第1電力スペクトル算出部175が取得する伝達関数H(k,lp1)〜H(k,lpN)は、伝送フレーム中の任意の位置のパイロットサブキャリアについてのものでよいが、好ましくは、ユーザが割り当てられているバースト内又はその近傍にあるパイロットサブキャリアについての伝達関数が好ましい。
さて、上記Δl[Hz]は、伝送フレームに付加されるガードインターバル(例えば、サイクリックプレフィックス;CP)長をL[sec]としたとき、(N−1)/(NΔl)>Lとなるようにするのが好ましい。このようにすることで、後述の逆離散フーリエ変換の際のエイリアスの影響を減少させることができる。
なお、伝送フレームは、少なくともガードインターバル(CP)とデータ部とを含み、データ部にデータサブキャリア及びパイロットサブキャリアが配置される。
第1電力スペクトル算出部175は、取り出した複数(N個)の伝達関数を下記式のようにおく。
Figure 0004867797
第1電力スペクトル算出部175は、上記式のHに対して、サイズがNの逆離散フーリエ変換を施し、Hの逆離散フーリエ変換値hを算出する。
さらに、第1電力スペクトル算出部175は、h を求め、h の行列対角成分を並べて行列r1を計算する。行列r1の各成分が、時間間隔1/(NΔl)、最大遅延時間(N−1)/(NΔl)の電力スペクトルの各電力成分となっている。
図24は、上記のようにして第1電力スペクトル算出部175で求めた遅延時間領域の電力スペクトルを示している。
第1電力スペクトル算出部175は、上記の演算を定期的(例えば、所定シンボルごと)に行う。第1電力スペクトル175は、電力スペクトルの統計的性質を考慮するために、複数回の演算によって求めた電力スペクトルの重み付き平均をとる。重み付き平均r1aveは、下記式によって求められる。具体的には、いままでに算出した電力スペクトルr1の重みつき平均r1aveを第7バッファ(電力スペクトル記憶部)177に保存しておき、新たにr1を演算した場合には、重み係数γ(0<γ<1)を用いて、下記式に従い、保存されているr1aveを更新する。
Figure 0004867797
ドップラー周波数領域の電力スペクトルを算出する第2電力スペクトル算出部176は、第2バッファ174から、複数個(N個)の伝達関数H(kp1,l)〜H(kpN,l)を取得する。第2電力スペクトル算出部175が取得する複数の伝達関数H(kp1,l)〜H(kpN,l)は、図25に示すように、同一周波数(同一サブキャリア番号)lpにおいて一定の時間間隔Δk(例えば、3個のサブキャリア間隔分102μsec×3=306μsec)にあるN個のパイロットサブキャリアそれぞれの伝達関数(N個)である。なお、Nの数は特に限定されず、Nの数は、第1電力スペクトル算出部176とは異なっていてもよい。
また、第2電力スペクトル算出部176が取得する伝達関数H(kp1,l)〜H(kpN,l)は、伝送フレーム中の任意の位置のパイロットサブキャリアについてのものでよいが、好ましくは、ユーザが割り当てられているバースト内又はその近傍にあるパイロットサブキャリアについての伝達関数が好ましい。
上記Δk[sec]は、最大ドップラー周波数をF[Hz]としたとき、1/Δk>2×Fとなるようにするのが好ましい。ここで、最大ドップラー周波数は、搬送波周波数や伝搬環境における端末局の(想定される)最大移動速度によって決まる。このようにすることで、後述の離散フーリエ変換の際のエイリアスの影響を減少させることができる。
第2電力スペクトル算出部176は、取り出した複数の伝達関数を下記式のようにおく。
Figure 0004867797
第2電力スペクトル算出部176は、上記式のHに対して、サイズがNの離散フーリエ変換を施し、Hの離散フーリエ変換値hを算出する。
さらに、第2電力スペクトル算出部176は、h を求め、h の行列対角成分を並べて行列r2を計算する。行列r2の各成分が、周波数間隔1/(NΔk)、周波数−1/2Δk〜(N/2−1)/NΔkの電力スペクトルの各電力成分となっている。
図26は、上記のようにして第2電力スペクトル算出部176で求めたドップラー周波数領域の電力スペクトルを示している。
なお、図26(a)は、離散フーリエ変換を行って得られる電力スペクトルを示しており、図26(b)は、図26(a)の1/2Δk以上の成分を、1/2Δkほど、負方向へシフトして、周波数範囲−1/2Δk〜(N/2−1)/NΔkの電力スペクトルとしたものである。
第2電力スペクトル算出部176は、上記の演算を定期的に行う。第2電力スペクトル176は、電力スペクトルの統計的性質を考慮するため、複数回の演算によって求めた電力スペクトルの重み付き平均をとる。重み付き平均r2aveは、下記式によって求められる。具体的には、いままでに算出した電力スペクトルr2の重みつき平均r2aveを第8バッファ(電力スペクトル記憶部)178に保存しておき、新たにr2を演算した場合には、重み係数γ(0<γ<1)を用いて、下記式に従い、保存されているr2aveを更新する。
Figure 0004867797
各電力スペクトル計算部175,176から出力された電力スペクトルr1ave,r2aveは、ノイズ除去部179,181によってノイズが除去されるとともに、電力スペクトル整形部182,183によってスペクトル整形が行われる。
第1電力スペクトル計算部175によって求めた遅延時間領域の電力スペクトルr1aveのうち、CP長Lよりも遅延時間の大きい成分は、遅延信号によるものではなく雑音信号の寄与分であると考えられる。そこで、図27に示すように、第1ノイズ除去部179は、CP長Lよりも遅延時間が大きい範囲の成分を除去する(0にする)。
また、第1ノイズ除去部179では、Lから(N−1)/(NΔl)の範囲にある成分から雑音電力の推定値σを求める。このように、第1ノイズ除去部179は、ノイズ推定部ということもできる。雑音の推定値σは、例えば、Lから(N−1)/(NΔl)の範囲にある各成分の平均値を求めることで得られるが、他の方法であってもよく、例えば、Lから(N−1)/(NΔl)の範囲にある各成分のうち、いずれかの成分を推定値σとしてもよい。
そして、第1ノイズ除去部179は、遅延時間領域の電力スペクトルr1aveの各成分(CP長L内の成分)から、雑音電力推定値σ引いて、各成分中の雑音を除去する。ただし、雑音電力推定値σを引いたときに各成分が負となった場合には、0とする。
以上の処理によって、遅延時間領域の電力スペクトルr1aveから雑音信号の影響が低減される。
同様に、第2ノイズ除去部182では、第1ノイズ除去部181と同様に、雑音を除去する。つまり、ドップラー周波数領域の電力スペクトルr2aveの各成分から、雑音電力推定値σ引いて、各成分中の雑音を除去する。
具体的には、第2ノイズ除去部182は、図26(b)に示すドップラー周波数領域の電力スペクトルr2aveの各成分のうち、−FからFの範囲以外のドップラー周波数の電力成分を除去する(0にする)。
また、第2ノイズ除去部182は、ドップラー周波数領域の電力スペクトルr2aveの電力成分のうち、1/(NΔk)からFの範囲及び1/(2Δk)〜1/Δkの範囲以外のドップラー周波数の電力成分から雑音電力の推定値を求め、当該雑音電力の推定値を、前記電力スペクトルの各電力成分から引いて、各成分中の雑音を除去する。ただし、この場合も、雑音電力推定値σを引いたときに各成分が負となった場合には、0とする。この処理により、ドップラー周波数領域の電力スペクトルr2aveから雑音信号の影響が低減される。なお、雑音推定値σは、第1ノイズ除去部179から取得してもよい。
さらに、第1電力スペクトル整形部182は、(雑音信号の影響が低減された)遅延時間領域の電力スペクトルr1aveの整形を行う。第1電力スペクトル算出部176において用いた伝達関数の数Nが少ない場合、図28(a)に示すように、電力スペクトル推定が粗いものになる。そこで、第1電力スペクトル整形部182では、図28(b)に示すように、第1電力スペクトル算出部176で計算できなかった部分を補間して、成分数を増やし、波形整形を行う。波形整形を行うことで、推定精度が向上する。なお、成分の補間は、線形補間のほか、指数関数的に整形することで行ってもよい。
また、第2電力スペクトル整形部183は、(雑音信号の影響が低減された)ドップラー周波数領域の電力スペクトルr2aveに対し、同様の整形を行う。
以上のようにして得られた遅延時間領域の電力スペクトルr1aveを用いて、第1相関計算部184は、同じ時刻で周波数の異なる2つのパイロットサブキャリア間の伝達関数の相互相関Rを求める。
また、第2相関計算部185は、ドッブラー周波数領域の電力スペクトルr2aveを用いて、同じ周波数で時刻の異なる2つのパイロットサブキャリア間の伝達関数の相互相関Rを求める。
第1相関計算部184は、相互相関Rを求める際に、遅延時間領域の電力スペクトルの他、伝達関数の相互相関を求めようとする2つのパイロットサブキャリア間の周波数間隔Δfを用いる。
第1相関計算部184において、伝達関数の相互相関R(Δf)を求めるための演算式は、下記式(11)のとおりである。
Figure 0004867797
以下、式(11)について説明する。
まず、ドップラーシフトが発生しない伝搬路における応答(インパルス応答)を、デルタ関数δを用いて、式(12)のようにh(t)で定義する(図29参照)。なお、実際の到来信号の遅延時間が、式(12)のように(0,t,・・・,(N−1)t)であるとは限らないが、tの値を適宜調整することによって任意の精度で到来信号の遅延時間を近似できる。
Figure 0004867797
また、下記式(13)のように、h(t)の各係数の相互相関をRhhとおく。下記のように、Rhhが対角行列になるのは、各遅延信号における位相回転量が、無相関に変化するためである。
Figure 0004867797
式(11)で定義したインパルス応答h(t)をフーリエ変換すると、下記式(14)に示す伝達関数H(f)が導出できる。
Figure 0004867797
このとき、伝達関数H(f)と伝達関数H(f+Δf)との相互相関は、上記式(13)及び(14)より、下記式(15)のようになる。なお、式(15)と式(11)は同じものである。
Figure 0004867797
以上より、ある任意のパイロットサブキャリア(第1パイロットサブキャリア)の伝達関数H(f)と、当該第1パイロットサブキャリアとの周波数間隔がΔfである他のパイロットサブキャリア(第2パイロットサブキャリア)の伝達関数H(f+Δf)との相互相関Rt(Δf)=E[H(f+Δf)(f)]は、式(15)又は式(11)より求まる。
式(15)又は式(11)より、前記相互相関Rt(Δf)は、遅延時間領域の電力スペクトルとパイロットサブキャリア間の周波数間隔Δfから求めることができることがわかる。式(15)又は式(11)において、遅延時間領域の電力スペクトルは、図29に示すように、式(13)に示すRhhの対角成分(r(n)=r(1),・・・,r(N))とtとから定まるものである。
ここで、図29における電力スペクトルの時間間隔tは、図23に示すΔlを用いて表すと、t=1/(NΔl)である(図24及び図29参照)。なお、図23に示すΔlは、電力スペクトルを求めるための複数の伝達関数に対応する複数のパイロットサブキャリア間の周波数間隔である。
さて、第2相関計算部185は、相互相関Rを求める際に、ドップラー周波数領域の電力スペクトルの他、伝達関数の相互相関を求めようとする2つのパイロットサブキャリア間の時間間隔Δtを用いる。
第2相関計算部185において、伝達関数の相互相関R(Δt)を求めるための演算式は、下記式(16)のとおりである。
Figure 0004867797
以下、式(16)について説明する。
まず、遅延信号の存在しない伝搬路における応答(インパルス応答)を、式(17)のようにH(t)で定義する(図30参照)。ただし、説明の便宜上、以下では、Nは2の倍数であると仮定するが、Nは2の倍数に限られるものではない。
なお、式(17)において、ej2πnfdtは、ドップラー周波数(−N/2)fd〜(N/2−1)fdによるドップラーシフトを示している。また、実際の到来信号のドップラー周波数が、式(16)のように((−N/2)f,(−N/2+1)f,・・・,(N/2−2)f,(N/2−1)f)であるとは限らないが、fの値を適宜調整することによって任意の精度で到来信号のドップラーシフトを近似できる。
Figure 0004867797
また、下記式(18)のように、H(t)の各係数の相互相関をRhhとおく。下記のように、Rhhが対角行列になるのは、各ドップラー信号における位相回転量が、無相関に変化するためである。
Figure 0004867797
このとき、伝達関数H(t)と伝達関数H(t+Δt)との相互相関R(Δt)は、上記式(17)及び(18)より、下記式(19)のようになる。なお、式(19)と式(16)は同じものである。
Figure 0004867797
以上より、ある任意のパイロットサブキャリア(第1パイロットサブキャリア)の伝達関数H(t)と、当該第1パイロットサブキャリアとの時間間隔がΔtである他のパイロットサブキャリア(第2パイロットサブキャリア)の伝達関数の相互相関R(Δt)は、式(19)又は式(16)で表される。
式(19)又は式(16)より、前記相互相関Rは、ドップラー周波数領域の電力スペクトルと周波数間隔Δtから求めることができる。式(19)ないし式(16)において、ドップラー周波数領域の電力スペクトルは、図30に示すように、式(18)に示すRHHの対角成分(r(n)=r(−N/2),・・・,r(N/2−1))とfとから定まるものである。
ここで、図30における電力スペクトルの周波数間隔fは、図25に示すΔkを用いて表すと、f=1/(NΔk)である(図26(b)及び図30参照)。なお、図25に示すΔkは、電力スペクトルを求めるための複数の伝達関数に対応する複数のパイロットサブキャリア間の時間間隔である。
前記第1相関計算部184を用いれば、パイロットサブキャリア間隔Δlを適宜選択することにより、図8に示す相互相関RAC,RAFや、その他周波数軸方向に異なる位置にある任意の2つのパイロットサブキャリア間における伝達関数の相互相関を求めることができる。
なお、パイロットサブキャリア間の周波数間隔Δlは、パイロットサブキャリアの配置、又はウェイト更新順序制御、ウェイト更新パラメータ調整、及び平滑化パラメータ調整等の相互相関の利用目的に応じて、様々な値をとり得る。具体的には、相互相関を求める任意の2つのパイロットサブキャリア間の周波数間隔としては、例えば、サブキャリア1個分の周波数間隔=10.9kHz又はサブキャリア3個分の周波数間隔=32.7kHzなどの値がありえる。
また、前記第2相関計算部185を用いれば、パイロットサブキャリア間隔Δkを適宜選択することにより、図8に示す相互相関RAB,RAEや、その他時間軸方向に異なる位置にある任意の2つのパイロットサブキャリア間における伝達関数の相互相関を求めることができる。
なお、パイロットサブキャリア間の時間間隔Δkも、相互相関の利用目的に応じて、様々な値をとり得る。具体的には、相互相関を求める任意の2つのパイロットサブキャリア間の時間間隔としては、例えば、サブキャリア1個分の時間間隔=102μsec又はサブキャリア2個分の周波数間隔=204μsecなどの値がありえる。
さらに、伝達関数の時間軸方向の変動と周波数軸方向の変動には相関がないので、図8に示す相互相関RADのように、周波数軸方向及び時間軸方向に異なる位置にある2つのパイロットサブキャリア間における伝達関数の相互相関は、RACAB(=R(Δf)R(Δt)として求めることができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の意図を逸脱しないかぎり、様々な変形が可能である。例えば、相互相関を利用する処理は、上記のものに限られず、アダプティブアンテナ信号処理の他の処理、例えば、ウェイト補間にも利用してもよい。
OFDMのサブキャリア構造を示す図である。 サブキャリアの周波数−時間2次元配列である。 通信装置のブロック図である。 簡略化した空間フィルタリングモデルを示す図である。 第1実施形態に係るフィルタリング処理部のブロック図である。 ウェイト補間方法の説明図である。 相関演算部のブロック図である。 パイロットサブキャリアについての伝達関数と相互相関とを示す図である。 順序制御部のブロック図である。 第1更新順序ルールを示す図である。 第2更新順序ルールを示す図である。 第2実施形態に係るフィルタリング処理部のブロック図である。 平滑化順序を示す図である。 第2実施形態におけるパイロット信号、ウェイト推定値、平滑化推定値の関係図である。 第2実施形態における平滑化処理のフローチャートである。 第3実施形態に係るフィルタリング処理部のブロック図である。 第3実施形態における平滑化処理のフローチャートである。 第3実施形態におけるパイロット信号、ウェイト推定値、平滑化推定値の関係図である。 第4実施形態に係るフィルタリング処理部のブロック図である。 第4実施形態における平滑化処理のフローチャートである。 第4実施形態におけるパイロット信号、ウェイト推定値、平滑化推定値の関係図である。 第5実施形態における相関演算部のブロック図である。 第1電力スペクトル算出部が取得する伝達関数算出の基礎となったパイロットサブキャリアの位置を示す図である。 遅延時間領域における電力スペクトルである。 第2電力スペクトル算出部が取得する伝達関数算出の基礎となったパイロットサブキャリアの位置を示す図である。 ドップラー周波数領域における電力スペクトルである。 雑音を除去した遅延時間領域における電力スペクトルである。 遅延時間領域における電力スペクトルの整形(補間)を示す図であり、(a)は整形前、(b)は整形後を示す図である。 遅延時間領域における電力スペクトルである。 ドップラー周波数領域における電力スペクトルである。
符号の説明
1:通信装置(基地局) 2:希望局 3:干渉局 4:干渉局 11:アンテナ素子 12:RF部 13:FFT部 14:フィルタリング処理部 141:第1バッファ(受信信号記憶部) 142:ウェイト乗算部 143:ウェイト更新部 144:第2バッファ(ウェイト推定値記憶部) 145:ウェイト補間部 146:順序制御部 146a:更新順序決定部 146b:更新順序ルール記憶部 147:参照信号生成部 148:第3バッファ(ウェイト更新パラメータ記憶部) 149:ウェイト平滑化部 150:第4バッファ(ウェイト平滑化推定値記憶部) 151:平滑化パラメータ調整部 153:更新パラメータ調整部 154:参照信号生成部 155:第5バッファ(平滑化パラメータ記憶部) 156:平滑化(更新)パラメータ調整部 160:参照信号生成部 161:平滑化パラメータ調整部 162 :5バッファ(λ記憶部) 170:相関演算部 171:受信信号除算部 172:相関算出部 173:参照信号生成部
174:第6バッファ 175:第1電力スペクトル算出部 176:第2電力スペクトル算出部 177:第7バッファ 178:第8バッファ 179:第1ノイズ除去部
180:更新パラメータ調整部 181:第2ノイズ除去部 182:第1電力スペクトル整形部 183:第2電力スペクトル整形部 184:第1相関計算部 185:第2相関計算部

Claims (18)

  1. アダプティブアンテナ信号処理を行うフィルタリング処理部を備えた通信装置において、
    前記フィルタリング処理部は、受信信号に含まれる第1のパイロットサブキャリアの伝達関数と受信信号に含まれる第2のパイロットサブキャリアの伝達関数との相互相関を演算する相関演算部を備え、
    前記フィルタリング処理部は、前記相関演算部によって求めた前記相互相関を用いて、前記アダプティブアンテナ信号処理を行うことを特徴とする通信装置。
  2. 前記フィルタリング処理部は、前記相関演算部によって求めた前記相互相関を、アダプティブアンテナ信号処理用のウェイトを求めるために用いることを特徴とする請求項1記載の通信装置。
  3. 前記フィルタリング処理部は、
    受信信号に含まれるパイロットサブキャリアに基づいてウェイト更新の演算を行うウェイト更新部と、
    ウェイト更新に用いられるパイロット信号の順序を制御する順序制御部と、
    を備え、
    前記順序制御部は、前記相関演算部によって求めた前記相互相関に応じて、ウェイト更新に用いられるパイロット信号の順序を制御することを特徴とする請求項1又は2記載の通信装置。
  4. 前記順序制御部は、
    前回のウェイトの更新に用いたパイロットサブキャリアとは周波数軸方向に異なる位置にあるパイロットサブキャリアを、ウェイトの更新に用いる周波数軸方向更新制御と、
    前回のウェイトの更新に用いたパイロットサブキャリアとは時間軸方向に異なる位置にあるパイロットサブキャリアを、ウェイトの更新に用いる時間軸方向更新制御と、
    が行えるように構成され、
    さらに、前記順序制御部は、周波数軸方向に異なる位置にあるパイロットサブキャリア間の周波数方向相互相関と、時間軸方向に異なる位置にあるパイロットサブキャリア間の時間軸方向相互相関とを比較して、周波数軸方向及び時間軸方向のうち、相互相関が大きい方向を決定するとともに、
    周波数軸方向更新制御及び時間軸方向更新制御のうち、相互相関が大きい方向の更新制御を優先して行うことを特徴とする請求項3記載の通信装置。
  5. 前記順序制御部は、周波数軸方向更新制御及び時間軸方向更新制御のうち相互相関が大きい方向の更新制御によるウェイト更新回数の方が、相互相関が小さい方向の更新制御によるウェイト更新回数よりも多くなるように制御することを特徴とする請求項4記載の通信装置。
  6. 受信信号に含まれるパイロットサブキャリアに基づいて、ウェイト更新の演算を行うウェイト更新部と、
    前記ウェイト更新部がウェイト更新の際に用いる更新パラメータを調整する更新パラメータ調整部と、
    を備え、
    前記更新パラメータ調整部は、前記相関演算部によって求めた前記相互相関に応じて、前記更新パラメータを調整するよう構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の通信装置。
  7. 受信信号に含まれるパイロットサブキャリアに基づいて、ウェイト更新の演算を行ってウェイト推定値を求めるウェイト更新部と、
    複数回のウェイト更新の演算によって得られたウェイト推定値を平滑化した平滑化推定値を求めるウェイト平滑化部と、
    前記ウェイト平滑化部が平滑化を行うためのパラメータを調整する平滑化パラメータ調整部を備え、
    前記平滑化パラメータ調整部は、前記相関演算部によって求めた前記相互相関に応じて、前記平滑化パラメータを調整するよう構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の通信装置。
  8. 前記相関演算部は、受信したパイロットサブキャリアを、パイロットサブキャリアに対応する参照信号で除算してパイロットサブキャリアの伝達関数を算出する除算部を備え、前記除算部によって算出されたパイロットサブキャリアの伝達関数から、前記相互相関を演算することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の通信装置。
  9. 前記相関演算部は、
    伝達関数の遅延時間領域における電力スペクトルを算出する第1電力スペクトル算出部と、
    伝達関数のドップラー周波数領域における電力スペクトルを算出する第2電力スペクトル算出部と、
    周波数軸方向の異なる位置にあるパイロットサブキャリア間の周波数間隔と前記第1電力スペクトル算出部によって算出された電力スペクトルとから、周波数軸方向の異なる位置にある前記パイロットサブキャリア間の前記相互相関を算出する第1相関計算部と、
    時間軸方向の異なる位置にあるパイロットサブキャリア間の時間間隔と前記第2電力スペクトル算出部によって算出された電力スペクトルとから、時間軸方向の異なる位置にある前記相互相関を算出する第2相関計算部と、
    を備えていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の通信装置。
  10. 前記相関演算部は、
    伝達関数の遅延時間領域における電力スペクトルを算出する第1電力スペクトル算出部と、
    周波数軸方向の異なる位置にあるパイロットサブキャリア間の周波数間隔と前記第1電力スペクトル算出部によって算出された電力スペクトルとから、周波数軸方向の異なる位置にある前記パイロットサブキャリア間の前記相互相関を算出する第1相関計算部と、
    を備えていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の通信装置。
  11. 前記相関演算部は、
    伝達関数のドップラー周波数領域における電力スペクトルを算出する第2電力スペクトル算出部と、
    時間軸方向の異なる位置にあるパイロットサブキャリア間の時間間隔と前記第2電力スペクトル算出部によって算出された電力スペクトルとから、時間軸方向の異なる位置にある前記パイロットサブキャリア間の前記相互相関を算出する第2相関計算部と、
    を備えていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の通信装置。
  12. 受信したパイロットサブキャリアを、パイロットサブキャリアに対応する参照信号で除算してパイロットサブキャリアの伝達関数を算出する除算部を備え、
    前記第1電力スペクトル算出部は、前記除算部によって複数のパイロットサブキャリアについて求めた複数の伝達関数のうち、所定の周波数間隔にある複数のパイロットサブキャリアについての複数の伝達関数に基づいて、離散逆フーリエ変換を行い、遅延時間領域の電力スペクトルを演算することを特徴とする請求項9又は10記載の通信装置。
  13. 前記第1電力スペクトル算出部によって求めた電力スペクトルの所定領域にある成分から雑音の大きさを推定し、推定した雑音の大きさによって前記電力スペクトルから雑音の影響を除去する第1ノイズ除去部を備えていることを特徴とする請求項11記載の通信装置。
  14. 前記第1電力スペクトル算出部は、電力スペクトルを求める複数回の演算により得られた複数の電力スペクトルの重み付き平均を演算するように構成されている請求項9,10,12,13のいずれかに記載の通信装置。
  15. 受信したパイロットサブキャリアを、パイロットサブキャリアに対応する参照信号で除算してパイロットサブキャリアの伝達関数を算出する除算部を備え、
    前記第2電力スペクトル算出部は、前記除算部によって複数のパイロットサブキャリアについて求めた複数の伝達関数のうち、所定の時間間隔にある複数のパイロットサブキャリアについての複数の伝達関数に基づいて、離散フーリエ変換を行い、ドップラー周波数領域の電力スペクトルを演算することを特徴とする請求項9又は11記載の通信装置。
  16. 前記第2電力スペクトル算出部によって求めた電力スペクトルの所定領域にある成分から雑音の大きさを推定し、推定した雑音の大きさによって前記電力スペクトルから雑音の影響を除去する第2ノイズ除去部を備えていることを特徴とする請求項15記載の通信装置。
  17. 前記第2電力スペクトル算出部は、電力スペクトルを求める複数回の演算により得られた複数の電力スペクトルの重み付き平均を演算するように構成されている請求項9,11,15,16のいずれかに記載の通信装置。
  18. アダプティブアンテナ信号処理を行うフィルタリング処理部を備えた通信装置におけるアダプティブアンテナ信号処理方法であって、
    受信信号に含まれる第1のパイロットサブキャリアの伝達関数と受信信号に含まれる第2のパイロットサブキャリアの伝達関数との相互相関を演算する相関演算ステップを含み、
    前記相関演算ステップにおいて求めた前記相互相関を用いて、前記アダプティブアンテナ信号処理を行うことを特徴とする信号処理方法。
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