JP5408084B2 - 加工ステップ決定装置、及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、加工ステップ決定装置、及びプログラムに関する。
従来、予め定めた複数種の加工フィーチャ及び固定サイクルを格納するデータベースを備えており、例えば、CADシステムから与えられる被加工物の加工前後の形状データの差に基づいて加工すべき領域を抽出し、抽出された領域をデータベースに格納された加工フィーチャの組み合わせに置き換え、置き換えられた加工フィーチャの夫々にデータベースに格納された固定サイクルを割付けて加工コストに関連する評価関数を適用し、この評価関数を最適化する加工フィーチャの組み合わせ及び固定サイクルの集合を最適工程として選択する工程設計装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、従来、素材及び製品形状データから加工除去領域を抽出する除去領域抽出手段と、加工除去領域を分割して最小除去領域の集合とする最小分割手段と、最小分割領域を結合した加工プリミティブの集合として加工除去領域を再構成して複数種類の加工用再構成除去領域を形成する除去領域再構成手段と、各加工プリミティブに加工順序を決定する加工順序決定手段と、各加工プリミティブに加工フィーチャを割り当てて加工工程候補とする加工フィーチャ認識手段と、各加工工程候補を評価して最適の加工工程を選択する加工工程評価手段と、を備えた工程設計支援システムが知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、従来の技術として、以下の1〜4の手順で加工工程を決定する方法が知られている。
1 過去に加工を実施した穴の形態を基に、予め想定した穴形態(穴情報)の種類に適応する加工工程をすべて登録しておく。ここで、穴形態とは、1組の穴を構成する段数や、径(直径)、長さ、深さ、用途(座ぐり、ねじ、ベアリング穴、油穴等)で表現される穴の情報の集合を識別名などで表現したデータを指す。
2 予め用意する加工工程はテンプレートや、プログラムマクロなどによって全ての加工工程を登録する。
3 穴の用途や寸法などから穴の形態を分類し、上記1で登録した形態と一致する形態を見つける。
4 見つかった穴形態に登録された加工工程を提示する。
また、加工形状特徴の依存性に着目した工程設計に関する研究内容が従来知られている(例えば、非特許文献1参照)
特開2006−119935号公報 特開2005−309713号公報
精密工学会誌 Vol.73 No.4〜5,2007 「加工形状特徴の依存性に着目した工程設計に関する研究(第1報〜第3報)」
ここで、熟練されたオペレータなどは、加工ステップを穴の形態や用途に従って決定(演算)するのではなく、要求された面粗度と加工精度とに適する仕上げ工法から加工ステップ(加工工程)を決定している、という実態がある。
しかしながら、上記特許文献1、上記特許文献2、及び上記非特許文献1には、要求された面粗度と加工精度とに適する仕上げ工法から加工ステップを決定することについては何ら記載されていない。このように、従来の技術では、実態にそぐわずに加工ステップを決定しているので、熟練されたオペレータが考える加工ステップと、上記の従来の技術によって決定された加工ステップとの間で異なる場合があり、熟練されたオペレータによって決定されるような加工ステップが自動的に決定されない場合がある、という問題があった。
また、従来の技術では、加工工程を設計するためには多くの経験を要するが、これらの現場のノウハウを継承することが困難である、という問題があった。
また、従来の技術では、過去に例のない穴形態に関してはその都度、形態に適応した加工工程の登録が必要である、という問題もあった。また、従来の技術では、予め用意する加工工程はテンプレートやプログラムマクロにより直接記述する手法を使用するため、専門的な技術が必要となり、加工工程の修正や穴工程の変化に柔軟に対応できない、という問題もあった。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、熟練されたオペレータによって決定されるような加工ステップを自動的に決定することができる加工ステップ決定装置、及びプログラムを提供することを目的とする。
また、本発明は、現場のノウハウを反映することができる加工ステップ決定装置、及びプログラムを提供することを目的とする。
また、本発明は、新規工具の導入や、新規加工法の導入に対し、対応する記憶手段の記憶内容の一部を変更することで、対応することができる加工ステップ決定装置、及びプログラムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために第1の発明に係る加工ステップ決定装置は、の仕上がり状態を表す情報、面の種別を表す情報、および前記仕上がり状態を表す情報ならびに前記面の種別を表す情報に対応した削り残し量情報、に対応する穴の加工に適した工法区分(工法名)を予め記憶すると共に、該穴の加工に適した工法区分に対応する該穴の加工に適した加工ステップを該工法区分毎に予め記憶した記憶手段と、1段以上で構成され、かつ被加工材料に加工される穴の情報であって、各段毎の面の仕上がり状態を表す穴情報に基づいて、該穴情報が示す穴の加工に適した工法区分を前記記憶手段に記憶された記憶内容から各段毎に決定する工法区分決定手段と、前記工法区分決定手段によって各段毎に決定された工法区分に基づいて、各段の加工に適した加工ステップを前記記憶手段に記憶された記憶内容から各段毎に決定し、決定された各段毎の加工ステップに対して削り代テーブルを適用して事前工程を前記各段の加工ステップの前に追加することが可能な加工ステップ決定手段と、予め定められた統合ルールに基づいて、前記加工ステップ決定手段によって加工ステップが決定された各段の加工の順番を決定することにより、加工ステップの順番を暫定的に決定する暫定加工ステップ決定手段と、予め定められた補正ルールに基づいて、前記暫定加工ステップ決定手段によって暫定的に順番が決定された加工ステップを補正することにより加工ステップを決定する加工ステップ補正手段とを含み、前記面は、被加工材料に加工される穴の側面または底面である
第1の発明の加工ステップ決定装置によれば、工法区分決定手段が、穴情報が示す各段毎の面の仕上がり状態を表す情報に基づいて、穴情報が示す穴の加工に適した工法区分を記憶手段に記憶された記憶内容から各段毎に決定する。加工ステップ決定手段が、各段毎に決定された工法区分に基づいて、各段の加工に適した加工ステップを記憶手段に記憶された記憶内容から各段毎に決定し、決定された各段毎の加工ステップに対して削り代テーブルを適用して事前工程を各段の加工ステップの前に追加することを可能とする。暫定加工ステップ決定手段が、予め定められた統合ルールに基づいて、加工ステップ決定手段によって加工ステップが決定された各段の加工の順番を決定することにより、加工ステップの順番を暫定的に決定する。そして、加工ステップ補正手段が、予め定められた補正ルールに基づいて、暫定加工ステップ決定手段によって暫定的に順番が決定された加工ステップを補正することにより加工ステップを決定する。また、面とは、被加工材料に加工される穴の側面または底面である。
従って、第1の発明の加工ステップ決定装置によれば、熟練されたオペレータなどによる実態に沿った加工ステップが自動的に決定されるので、熟練されたオペレータによって決定されるような加工ステップを自動的に決定することができる。
また、本発明の加工ステップ決定装置によれば、上記記憶手段に記憶(登録)する内容(例えば、工法区分や加工ステップ)の表現を、現場のキーワードとすることで、現場のノウハウを反映することができる。
また、本発明の加工ステップ決定装置によれば、新規工具の導入や、新規加工法の導入に対し、対応する記憶手段の記憶内容の一部を変更することで、対応することができる。
第2の発明に係る加工ステップ決定装置は、の仕上がり状態を表す情報、面の種別を表す情報、および前記仕上がり状態を表す情報ならびに前記面の種別を表す情報に対応した削り残し量情報、に対応する穴の加工に適した加工ステップを前記面の仕上がり状態を表わす情報の組み合わせ毎に予め記憶した記憶手段と、1段以上で構成され、かつ被加工材料に加工される穴の情報であって、各段毎の面の仕上がり状態を表す穴情報に基づいて、該穴情報が示す穴の加工に適した加工ステップを前記記憶手段に記憶された記憶内容から各段毎に決定し、決定された各段毎の加工ステップに対して削り代テーブルを適用して事前工程を前記各段の加工ステップの前に追加することが可能な加工ステップ決定手段と、予め定められた統合ルールに基づいて、前記加工ステップ決定手段によって加工ステップが決定された各段の加工の順番を決定することにより、加工ステップの順番を暫定的に決定する暫定加工ステップ決定手段と、予め定められた補正ルールに基づいて、前記暫定加工ステップ決定手段によって暫定的に順番が決定された加工ステップを補正することにより加工ステップを決定する加工ステップ補正手段とを含み、前記面は、被加工材料に加工される穴の側面または底面である。
第2の発明に係る加工ステップ決定装置によれば、加工ステップ決定手段が、1段以上で構成され、かつ前記被加工材料に加工される穴の情報であって、各段毎の面の仕上がり状態を表す穴情報に基づいて、該穴情報が示す穴の加工に適した加工ステップを記憶手段に記憶された記憶内容から各段毎に決定し、決定された各段毎の加工ステップに対して削り代テーブルを適用して事前工程を各段の加工ステップの前に追加することを可能とする。暫定加工ステップ決定手段が、予め定められた統合ルールに基づいて、加工ステップ決定手段によって加工ステップが決定された各段の加工の順番を決定することにより、加工ステップの順番を暫定的に決定する。加工ステップ補正手段が、予め定められた補正ルールに基づいて、暫定加工ステップ決定手段によって暫定的に順番が決定された加工ステップを補正することにより加工ステップを決定する。また、面とは、被加工材料に加工される穴の側面または底面である。
上記の第2の発明に係る加工ステップ決定装置は、穴を加工するための工具について、該工具の工具種別に応じた該工具の持つ加工能力を示す情報を、工具種別毎に予め記憶した工具能力記憶手段を更に含み、記憶手段は、工具能力記憶手段に記憶された記憶内容から決定された、前記面の仕上がり状態を表わす情報に対応する、穴の加工に適した、工具種別を含む情報で表わされる加工ステップを、該面の仕上がり状態を表わす情報毎に記憶するようにすることができる。これによって、側面の仕上がり状態を表わす情報及び底面の仕上がり状態を表わす情報に対応する加工ステップを自動的に導出することができる。
第3の発明に係る加工ステップ決定装置は、穴を加工するための工具について、該工具の工具種別に応じた該工具の持つ加工能力を示す情報を、工具種別毎に予め記憶した工具能力記憶手段と、1段以上で構成され、かつ被加工材料に加工される穴の情報であって、各段毎の面の仕上がり状態を表す穴情報に基づいて、該穴情報が示す穴の加工に適した、工具種別を含む情報で表わされる加工ステップを前記工具能力記憶手段に記憶された記憶内容から各段毎に決定する加工ステップ決定手段と、予め定められた統合ルールに基づいて、前記加工ステップ決定手段によって加工ステップが決定された各段の加工の順番を決定することにより、加工ステップの順番を暫定的に決定する暫定加工ステップ決定手段と、予め定められた補正ルールに基づいて、前記暫定加工ステップ決定手段によって暫定的に順番が決定された加工ステップを補正することにより加工ステップを決定する加工ステップ補正手段と、を含み、前記加工能力を示す情報は、第1情報または第2情報のいずれかであり、前記第1情報は、前記工具により加工できる面の仕上がり状態を表す情報であり、前記第2情報は、前記工具により加工できる面の仕上がり状態を表す情報および前記工具の素材除去能力を表す情報であり、前記面は、被加工材料に加工される穴の側面または底面である
第3の発明に係る加工ステップ決定装置によれば、加工ステップ決定手段が、1段以上で構成され、かつ前記被加工材料に加工される穴の情報であって、各段毎の面の仕上がり状態を表す穴情報に基づいて、該穴情報が示す穴の加工に適した加工ステップを工具能力記憶手段に記憶された記憶内容から各段毎に決定する。暫定加工ステップ決定手段が、予め定められた統合ルールに基づいて、加工ステップ決定手段によって加工ステップが決定された各段の加工の順番を決定することにより、加工ステップの順番を暫定的に決定する。加工ステップ補正手段が、予め定められた補正ルールに基づいて、暫定加工ステップ決定手段によって暫定的に順番が決定された加工ステップを補正することにより加工ステップを決定する。また、加工能力を示す情報は、第1情報または第2情報のいずれかであり、第1情報は、工具により加工できる面の仕上がり状態を表す情報であり、第2情報は、工具により加工できる面の仕上がり状態を表す情報および工具の素材除去能力を表す情報であり、面は、被加工材料に加工される穴の側面または底面である。
また、前記仕上がり状態を表す情報には、面粗度を表す情報、形状精度を表す情報、及び寸法精度を表す情報の少なくとも1つの情報が含まれるようにしてもよい。
また、前記加工ステップ決定手段が、更に、予め定められた適用可能な工具の有無の情報に基づいて、前記各段毎に決定された加工ステップが実施可能であるか否かを判断し、該決定された加工ステップが実施可能でない場合には、該実施可能でない加工ステップを実施可能な加工ステップに変更するようにしてもよい。
これにより、実施可能でない加工ステップが、実施可能な加工ステップに変更されるようになる。
また、前記統合ルールが、各段毎に、前記加工ステップ決定手段によって決定された加工ステップの中から優先して加工する段の加工ステップの順番を繰り上げるためのルールを含むようにしてもよい。
また、前記補正ルールが、前記暫定加工ステップ決定手段によって暫定的に順番が決定された各加工ステップから、工具種別、工具径、及び加工深さの情報の少なくとも1つに対応して予め定められた優先度に基づいて、優先的に実施すべき加工ステップの順番を繰り上げるためのルール、前記暫定加工ステップ決定手段によって暫定的に順番が決定された各加工ステップから、加工を行わない加工ステップを削除するためのルール、及び前記暫定加工ステップ決定手段によって暫定的に順番が決定された各加工ステップについて事前の工程(加工ステップ)が必要か否かを各加工ステップ毎に判定し、事前の工程が必要と判定された加工ステップについては、該事前の工程に対応する加工ステップを追加するように前記各加工ステップを補正するためのルールの少なくとも1つのルールを含むようにしてもよい。
また、前記加工ステップを、前記被加工材料を加工するための工具種別を含む情報とすることができる。
また、前記工具種別の情報を、前記被加工材料に加工するための工具種別を表す名称の情報、及び記号を表す情報の少なくとも一方の情報とすることができる。
また、上記の目的を達成するために第4の発明に係るプログラムは、コンピュータを、上記加工ステップ決定装置の各手段として機能させるためのプログラムである。
第4の発明に係るプログラムによれば、第1の発明と同様の原理で、熟練されたオペレータによって決定されるような加工ステップを自動的に決定することができる。
また、本発明のプログラムによれば、第1の発明と同様の原理で、上記記憶手段に記憶(登録)する内容(例えば、工法区分や加工ステップ)の表現を、現場のキーワードとすることで、現場のノウハウを反映することができる。
また、本発明のプログラムによれば、第1の発明と同様の原理で、新規工具の導入や、新規加工法の導入に対し、対応する記憶手段の記憶内容の一部を変更することで、対応することができる。
以上説明したように、本発明の加工ステップ決定装置及びプログラムによれば、熟練されたオペレータによって決定されるような加工ステップを自動的に決定することができる、という効果が得られる。
また、本発明の加工ステップ決定装置及びプログラムによれば、記憶手段に記憶(登録)する内容(例えば、工法区分や加工ステップ)の表現を、現場のキーワードとすることで、現場のノウハウを反映することができる、という効果が得られる。
また、本発明の加工ステップ決定装置及びプログラムによれば、新規工具の導入や、新規加工法の導入に対し、対応する記憶手段の記憶内容の一部を変更することで、対応することができる、という効果が得られる。
本実施の形態に係る加工ステップ決定装置の構成を示す図である。 穴情報について説明するための図である。 穴情報について説明するための図である。 工法区分テーブルの模式図である。 加工ステップテーブルの模式図である。 本実施の形態に係る加工ステップ決定装置の機能ブロック図である。 本実施の形態に係る加工ステップ決定部が実行する加工ステップ決定処理のフローチャートの一例を示す図である。 削り代テーブルの模式図である。 加工ステップ決定部が実行する加工ステップ決定処理の一部の処理のフローチャートの一例を示す図である。 暫定加工ステップの一例を示す図である。 工具種別優先順位テーブルの模式図である。 暫定加工ステップ決定部が行う暫定加工ステップ決定処理のフローチャートの一例を示す図である。 加工ステップ補正部が行う加工ステップ補正処理のフローチャートの一例を示す図である。 工程追加要件テーブルの模式図である。 工具能力情報テーブルの一例を示す図である。 加工ステップテーブルの一例を示す図である。 第2の実施の形態に係る加工ステップ決定装置の機能ブロック図である。 テーブル導出部が実行するテーブル導出処理のフローチャートの一例を示す図である。 加工ステップ決定部が実行する加工ステップ決定処理の一部の処理のフローチャートの一例を示す図である。 第3の実施の形態に係る加工ステップ決定装置の機能ブロック図である。 加工ステップ決定部が実行する加工ステップ決定処理の一部の処理のフローチャートの一例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る加工ステップ決定装置10は、CAD(Computer Aided Design)12、及びCAM(Computer Aided Manufacturing)14に接続されている。なお、CAM14には、加工ステップ決定装置10によって決定された加工ステップが入力され、CAM14は、加工ステップ決定装置10によって決定された加工ステップに基づいて、NCデータを生成し、加工機に出力する。ここで、加工ステップとは、被加工材料を加工するための工具種別、加工位置、加工深さなど加工動作決定に必要な情報である。また、この工具種別の情報とは、被加工材料に加工するための工具の種別を表す名称の情報や、被加工材料に加工するための工具の記号を表す情報である。すなわち、工具種別の情報は、被加工材料に加工するための工具の種別を表す名称の情報、及び記号を表す情報の少なくとも一方の情報である。
本実施の形態のCAD12は、加工ステップ決定装置10へ穴情報を出力する。ここで、この「穴情報」について、図2及び図3を参照して説明する。穴情報(工程設計対象穴の情報)は、1段以上で構成され、かつ被加工材料に加工される穴の情報であって、各段毎の側面の仕上がり状態を表す情報及び側面の面の種別を表す情報、並びに各段毎の底面の仕上がり状態を表す情報及び底面の面の種別を表す情報を含む穴の情報である。
ここで、この仕上がり状態を表す情報には、例えば、面粗度を表す情報、形状精度を表す情報、及び寸法精度を表す情報の少なくとも1つの情報が含まれる。
また、この側面の面の種別を表す情報には、例えば、一般円筒面、テーパ面、平行ねじ面、及びテーパねじ面の少なくとも1つの情報が含まれる。
また、この底面の面の種別を表す情報には、例えば、フラット面、工具先端転写面、及び貫通の少なくとも1つの情報が含まれる。
なお、以下の説明では、加工精度として形状精度または寸法精度を用いた場合を例に挙げて説明する。例えば、穴情報は、穴の基準座標、段数を表すヘッダ部と各段の直径、深さ、側面の面粗度と加工精度との組み合わせを示す組み合わせコード、底面の面粗度と加工精度との組み合わせを示す組み合わせコード、及び底面の状態(貫通、フラット面、工具の先端形状転写面)を示す情報である。
なお、図3が示す穴情報の例では、1段目の側面の面粗度と加工精度との組合せに対して対応するコード(図3の例ではA1)を割り当てている。同様に、図3が示す穴情報の例では、1段目の底面の面粗度と加工精度との組合せに対して対応するコード(図3の例ではa1)を割り当てている。同様に、図3が示す穴情報の例では、2段目の底面の面粗度と加工精度との組合せに対して対応するコード(図3の例ではB1)を割り当てている。同様に、図3が示す穴情報の例では、2段目の底面の面粗度と加工精度との組合せに対して対応するコード(図3の例ではb1)を割り当てている。同様に、図3が示す穴情報の例では、3段目の底面の面粗度と加工精度との組合せに対して対応するコード(図3の例ではC2)を割り当てている。同様に、図3が示す穴情報の例では、3段目の底面の面粗度と加工精度との組合せに対して対応するコード(図3の例ではc2)を割り当てている。このように本実施の形態では、面粗度の値と加工精度の値とを組み合わせて1つの記号(コード)に割り当てることで表現している。
また、面粗度の表現方法として、例えば、連続する面粗度範囲を加工法などによる制限などをもとに区分し、「極上」、「上」、「中」、「粗」などのように表現する。なお、各表現が示す粗さの相対的な順番について説明すると、「粗」は最も粗く、「粗」の次に「中」が粗く、「中」の次に「上」が粗く、「上」の次に「極上」が粗い。また、加工精度の表現方法として、同様に、例えば、「極高」、「高」、「並」、「一般」などのように表現する。なお、各表現が示す加工精度の相対的な順番について説明すると、「極高」は最も加工精度が高く、「極高」の次に「高」が加工精度が高く、「高」の次に「並」が加工精度が高い。また、「一般」は製図規格で規定される「一般公差」を示す。また、面粗度の値と加工精度の値とを組み合わせを示す上記コードは、一意に面粗度の値と加工精度の値とを示すものである。
なお、上記の例では、3段で構成された穴の情報である穴情報について説明したが、穴情報が示す穴を構成する段数は3に限られない。
図1に示すように、加工ステップ決定装置10は、ROM(Read Only Memory)10a、RAM(Random Access Memory)10b、CPU(Central Processing Unit)10c、HDD(Hard Disk Drive)10d、及びI/O(入出力)ポート10eを備えている。これらROM10a、RAM10b、CPU10c、HDD10d、及びI/Oポート10eは互いにバス10fを介して接続されている。加工ステップ決定装置10は、コンピュータの機能を有する。
記憶媒体としてのROM10aには、OS等の基本プログラムが記憶されている。また、本実施の形態のROM10aには、工法区分決定処理、加工ステップ決定処理、暫定加工ステップ決定処理、及び加工ステップ補正処理の各処理の処理ルーチンを実行するための各プログラムが記憶されている。
CPU10cは、各プログラムをROM10aから読み出して各処理を実行する。RAM10bには、各種データが一時的に記憶される。I/Oポート10eにはCAD12及びCAM14が接続されている。
記憶手段としてのHDD10dには、図4に示す工法区分テーブル18が記憶されている。工法区分テーブル18には、図4に示すように、被加工材料に加工される穴の側面における面粗度と加工精度との組み合わせコード、及びこの穴の底面の面粗度と加工精度との組み合わせコードとに対応する、指定された穴の側面における面粗度と加工精度及び穴の底面の面粗度と加工精度を満足する工法(工法区分名)の工法区分コードと付属情報とが登録されている。なお、底面については、貫通穴の場合や、工具先端形状のままでよい場合(底面の状態については関知しない)場合もあるので、このような場合については、底面の組み合わせコードを別に設ける。例えば貫通穴の場合には底面貫通として底面の組み合わせコードを別に設ける。
また、工法区分名(工法区分コード)は、指定の面粗度と加工精度とを実現するに適する工法の総称を表す名称を記述するようにしてもよい。例えば、「側面粗−貫通」、「側面粗−止まり」など現場のオペレータが通常使用している用語をもとに記述するようにしてもよい。
なお、面粗度と加工精度とは独立した尺度で個別に表現されるものである。一方、高い加工精度を求める場合、その必然として加工精度に適応した面粗度が必要となり、相互にある程度の相関関係が存在する。これを加工の立場から見た場合、高い加工精度を実現する加工方法を選択した場合、結果として相応の面粗度が得られる。これらのことから側面及び底面の面の状態(面粗度、加工精度)を表す手段として、被加工材料に加工しようとする穴の面粗度と加工精度との組み合わせを何らかの記号に割り当てておくことで、この穴を表現することができる。このとき、ねじのような特定の形態を持つ穴についても「ねじ」と表現する面粗度と加工精度とを持つ穴として記号を割り当てるようにしてもよい。これはあくまでも面粗度と加工精度とを表現しているものであり、穴の機能や、用途、加工方法について表現しているものではない。
更に、工法区分テーブル18には、上述したように、付属情報が登録されている。付属情報として、例えば、直径及び深さの削り残し量がある。この削り残し量は、例えば、ある種の穴状態に対しては、設計値に対して削り残し量を指定したい場合に、工法区分テーブル18に登録される。削り残し量の表現は、「0.1」「−0.2」のような実残り量を指定する場合と、「0.1D」、「−0.2D」のような直径に対する係数、または「0.1L」、「−0.2L」のような深さに対する係数で指定する場合などがある。同様に、ある種の穴状態に対して、何がしかの寸法調整を必要する場合もあり、このような場合には、対応する付属情報を工法区分テーブル18に登録するようにしてもよい。
すなわち、工法区分テーブル18には、被加工材料に加工される穴の側面の仕上がり状態を表す情報及び穴の側面の面の種別を表す情報、並びに穴の底面の仕上がり状態を表す情報及び穴の底面の面の種別を表す情報に対応する穴の加工に適した工法区分が予め登録されている。
また、HDD10dには、図5に示す加工ステップテーブル20が記憶されている。加工ステップテーブル20は、工法区分コードに対応する加工ステップ(加工工程)の候補が定義されたテーブルである。加工ステップは、対象穴を加工する際に使用する工具種別を適用する順番に記述して表現する。加工ステップの候補は加工ステップテーブル20に記述し、1つのステップを1つの工具種別で表現する。加工ステップテーブル20では、1つの工程(1つの工具種別)を1つのステップ(工程)と呼ぶ。ここで、対象となる工法区分コードが示す工法は、対象穴の側面の面粗度と加工精度、及び対象穴の底面の面粗度と加工精度を実現できる工法である。工法は要求される面粗度と加工精度とを実現することができる最終工程(仕上げ工具種別と工具送りの方式)と最終工程に至るまでに必要な従属加工ステップ(工具種別と工具送りの方式)を記述する。要求される面粗度と加工精度とを実現する工程は複数存在するため加工効率などを加味した優先順位に従って工程候補を記述する。
すなわち、加工ステップテーブル20には、穴の加工に適した工法区分に対応する穴の加工に適した加工ステップ(加工ステップ候補)が工法名(工法区分)毎に登録されている。
コンピュータとしての加工ステップ決定装置10を工法区分決定処理、加工ステップ決定処理、暫定加工ステップ決定処理、及び加工ステップ補正処理に従って機能ブロックで表すと、図6に示すように、工法区分決定部16a、加工ステップ決定部16b、暫定加工ステップ決定部16c、及び加工ステップ補正部16dで表すことができる。
工法区分決定部16aは、CAD12から出力された穴情報が示す各段毎の側面の仕上がり状態を表す情報及び面の種別を表す情報、並びに各段毎の底面の仕上がり状態を表す情報及び面の種別を表す情報に基づいて、工程設計対象となる穴の工法区分(すなわち、穴情報が示す穴の加工に適した工法区分)を、HDD10dに記憶された工法区分テーブル18の登録内容(すなわち、HDD10dに記憶された記憶内容)から各段毎に決定する。より具体的には、工法区分決定部16aは、例えば、穴情報が示す側面の面粗度と加工精度との組み合わせコード、及び穴情報が示す底面の面粗度と加工精度との組み合わせコードに対応する工法区分コードを、工法区分テーブル18を検索して取得することにより、工法区分を決定する。工法区分決定部16aは、この工法区分の決定を穴情報が示す段数分繰り返すことにより、段毎に工法区分を決定する。
なお、工法区分決定部16aは、穴情報に含まれている組み合わせコードが、工法区分テーブル18に存在しない(登録されていない)組み合わせコードである場合、工法区分が見つからない旨をエラーコードの形で呼び出し元(本実施の形態では、CAD12)へ回答し、対象穴の工程設計を中断した後、次の穴情報を読み込む。
加工ステップ決定部16bは、工法区分決定部16aによって各段毎に決定された工法区分に基づいて、各段の加工に適した加工ステップを、HDD10dに記憶された加工ステップテーブル20の登録内容(HDD10dの記憶内容)から各段毎に決定する。更に、加工ステップ決定部16bは、事前工程が必要か否かを各段毎の個別の加工工程について判定し、事前工程が必要と判定された工程については、この事前工程に対応する加工ステップを追加する工程追加機能を有する。なお、この工程追加機能は、別途補正部(図示せず)を設けて、その補正部に行わせるようにしてもよい。また、加工ステップ決定部16bは上記の工程追加機能を有さないように構成できる。このとき、上記工程追加を行う補正部を設けないようにしてもよい。
また、加工ステップ決定部16bは、予め定められた適用可能な工具の有無の情報に基づいて、各段毎に決定された加工ステップが実施可能であるか否かを判断し、当該加工ステップが実施可能でない場合には、当該実施可能でない加工ステップを実施可能な加工ステップに変更する。ここで、この「予め定められた適用可能な工具の有無の情報」については、例えば、予め使用可能(適用可能)な工具の情報が登録された(定められた)工具情報テーブル(図7参照)がHDD10dに記憶されているようにして、この工具情報テーブルを検索することで得られる。この場合、工具情報テーブルから得られた情報が示す工具は「適用可能な工具」であり、対応する加工ステップは実施可能であると判断することができる。また、工具情報テーブルにその情報が登録されていない工具は「適用可能でない工具」であり、対応する加工ステップは実施可能でないと判断することができる。
なお、各段毎に加工ステップを決定する際に、加工ステップが実施可能であるか否かを判断し、当該加工ステップが実施可能でない場合には、当該実施可能でない加工ステップを実施可能な加工ステップに変更することにより、各段毎に加工ステップを決定してもよい。
これにより、実施可能でない加工ステップが、実施可能な加工ステップに変更されるようになる。
加工ステップ決定部16bについてより具体的に説明する。加工ステップ決定部16bは、以下の(1)〜(8)の処理(加工ステップ決定処理)を実行することによって、加工ステップを決定することにより、各段の加工に適した加工ステップを決定する。
なお、図7は、加工ステップ決定部16bが実行する加工ステップ決定処理のフローチャートの一例を示す図である。
(1)工法区分コードに指定された加工ステップ(加工工程)候補の登録順に従って、加工ステップテーブル20から検索を開始する。
(2)加工ステップ候補の最終工程に使用する工具の種類と対象穴の直径と加工可能深さを比較する。工具の種類については、予め使用可能な工具の情報が登録された(定められた)工具情報テーブル(図7参照)がHDD10dに記憶されており、この工具情報テーブルを検索することで得られる。
(3)一致する工具が無ければ次の加工ステップ候補を上記と同様に検索する。
(4)工法区分コードに指定された加工ステップ候補に適用可能な工具(使用可能な工具)が存在しない場合は、加工工程が存在しない旨を表すエラーコードを呼び出し側へ回答した後、対象穴の工程設計を中止して、次の穴情報の読み込みへ移る。
(5)最終工程に適用可能な工具が存在する場合、従属工程工具の有無を検査する。なお、工程候補によっては従属工程が存在しない場合もある。
(6)従属工程工具の有無は最終工程で加工する加工径よりも工具径が小さいことを必要条件とする。
(7)従属工程に適用可能な工具が存在しない場合、次の加工ステップ候補を検索する。
(8)上記(1)〜(7)によって選択した各段毎の加工ステップで使用する工具が十全に機能を発揮するために該加工ステップに事前の加工ステップを追加する。なお、このようにして加工ステップを追加する処理については省略可能である。
ここで、(8)の処理について更に詳細な説明をする。例として、対象工具が1回の加工で効率良く素材を除去できる量(切削幅、切削深さなどで表される量)には限界があり、これを超える場合は、事前工程の追加が必要となる。例えば、一定以上の大きさの径を持つドリル加工工程前に下穴ドリル加工工程が必要となる。このような工程追加要件は、例えば、図8に示すような削り代テーブル22を適用して決定する。要件項目として、適用工具径の範囲、深さ、及び工具種別などがある。加工ステップ決定部16bが実行する加工ステップ決定処理の一部である(8)の処理のフローチャートの一例を図9に示す。
なお、(5)〜(8)の処理については、上述したように、別途補正部を設けて、その補正部に実行させるようにしてもよい。このとき、加工ステップ決定部16bは、工法区分決定部16aによって各段毎に決定された工法区分に基づいて、各段の加工に適した加工ステップを、HDD10dに記憶された加工ステップテーブル20の登録内容から各段毎に決定することとなる。
暫定加工ステップ決定部16cは、予め定められた統合ルールに基づいて、加工ステップ決定部16bによって加工ステップが決定された各段の順番を決定することにより、加工ステップの順番を暫定的に決定する。より具体的には、暫定加工ステップ決定部16cは、加工ステップ決定部16bで決定された加工ステップの集まりを、後述する統合ルールに従って並び替え、暫定加工ステップを決定する。図10に暫定加工ステップの一例を示す。暫定加工ステップ決定部16cにより、個別の加工ステップで使用する工具種別、目標加工径、加工深さなどを決定する。
ここで、統合ルールについて説明する。加工効率向上や、加工現場のルールにより、優先的に使用するべき工具種別(工具)や、工程設計ルールが存在する場合が多い。これを統合ルールという。統合ルールの主なものに以下の例がある。1つ目は、対象となる穴が複数段で構成されている場合、穴の径(直径)と加工深さの比(例えば、複数段で構成される穴の段の中で最小となる段の直径と一番下(最下層)の段の素材表面からの深さの比)と、予め設定しておいた比率を比較して、穴入口側の段を優先的に加工するように加工工程を決定する場合と、穴出口側(穴下側)の段を優先的に加工するように加工工程を決定する場合とを選択して加工工程を並び替えることにより、加工工程の順番を決定するルールである。2つ目は、段毎に決定された加工工程において、優先的に使用するべき工具種類の順番(優先度)を、HDD10dに記憶された工具種別優先順位テーブル24(図11参照)に予め定めておき、この工具種別優先順位テーブル24が示す優先度に沿って工具の使用順序を並び替えるルールである。3つ目は、段毎に決定された加工工程において、同一の工具種類の中では工具径の大小によって工具の使用順序を並び替えるルールである。統合ルールは、各段毎に、加工ステップ決定部16bによって決定された加工ステップの中から優先して加工する段の加工ステップの順番を繰り上げるためのルールを含んでいる。暫定加工ステップ決定部16cは、このような統合ルールに基づいて、各段毎に、加工ステップ決定部16bによって決定された加工ステップの中から優先して加工する段の加工ステップの順番を繰り上げる。
ここで、暫定加工ステップ決定部16cが行う暫定加工ステップ決定処理のフローチャートの一例を図12に示す。
また、暫定加工ステップ決定部16cは、2つ目と3つめのルールを適用しないように構成することができる。
加工ステップ補正部16dは、予め定められた補正ルールに基づいて、暫定加工ステップ決定部16cによって暫定的に順番が決定された加工ステップを補正することにより加工ステップを決定する。そして決定された加工ステップをCAM14に出力する。
ここで、補正ルールについて説明する。補正ルールには、以下で詳細を説明する3つのルール(ルール1〜3)が含まれている。
1つ目のルール1は、暫定加工ステップ決定部16cによって暫定的に順番が決定された各加工ステップから、工具種別、工具径、及び加工深さの情報の少なくとも1つに対応して予め定められた優先度に基づいて、優先的に実施すべき加工ステップの順番を繰り上げるためのルールである。加工ステップ補正部16dは、ルール1に基づいて、暫定加工ステップ決定部16cによって暫定的に順番が決定された各加工ステップから、工具種別、工具径、及び加工深さの情報の少なくとも1つに対応して予め定められた優先度に基づいて、優先的に実施すべき加工ステップの順番を繰り上げる。
2つ目のルール2は、暫定加工ステップ決定部16cによって暫定的に順番が決定された各加工ステップから、加工を行わない加工ステップを削除するためのルールである。加工ステップ補正部16dは、ルール2に基づいて、暫定加工ステップ決定部16cによって暫定的に順番が決定された各加工ステップから、加工を行わない加工ステップを削除する。
3つ目のルール3は、暫定加工ステップ決定部16cによって暫定的に順番が決定された各加工ステップについて事前の工程が必要か否かを各加工ステップ毎に判定し、事前の工程が必要と判定された加工ステップについては、この事前の工程に対応する加工ステップを追加するように各加工ステップを補正するためのルールである。加工ステップ補正部16dは、ルール3に基づいて、暫定加工ステップ決定部16cによって暫定的に順番が決定された各加工ステップについて事前の工程が必要か否かを各加工ステップ毎に判定し、事前の工程が必要と判定された加工ステップについては、この事前の工程に対応する加工ステップを追加するように各加工ステップを補正する。
なお、補正ルールには、上記で説明したルール1、ルール2、及びルール3の少なくとも1つが含まれるようにしてもよい。
ここで、加工ステップ補正部16dが行う加工ステップ補正処理のフローチャートの一例を図13に示す。
加工ステップ補正部16dによる処理の一例を説明する。暫定加工ステップ決定部16cで順番が決定された暫定的な加工ステップ(暫定加工ステップ)は、段ごとの加工ステップから決定した工具種別の並びを基準として、選択した加工ステップを並べただけの状態から、以下の処理(a)、(b)、(c)(加工ステップ補正処理)によって、実用に適する工具の並びへ置き換える。このとき、工具在庫の有無や、加工工程上事前に必要な工具の追加を行う。ここで、処理(a)、(b)、及び(c)について説明する。
(a)暫定加工工程に指定された工具列について追加工程の要否を、例えば、図14に示す工程追加要件テーブル26に従って検査する。工程追加要件テーブル26は、対象工具を使用するにあたり事前に必要とされる工程を選択する要件が記述されたテーブルである。要件としては、例えば、標準ドリルの使用前にはドリルのガイドとなるセンタ穴加工を事前に行う要件などがある。要件の項目には、素材の種類、対象工具種別、適用する加工径の範囲などがある。
(b)暫定加工工程に対して追加工程を洗い出した後、工具種別優先順位テーブル24の内容に基づいて工具種別の優先順位と、工具径の大小によって工具の使用順序を並び替える。これにより工具列が決定される。
(c)決定された工具列を使用順序に従って取り出し、切削に寄与するか否かを工具径、加工深さ、工具先端形状、対象工具が使用される時点での加工部位の形状を比較することで判定する。ここで、切削に寄与すると判定した工具を記録することで最終的な穴の加工ステップを決定し、暫定加工工程の補正を終了する。
そして、加工ステップ補正部16dは、決定された最終的な穴の加工ステップをCAM14に出力する。
以上、本実施の形態の加工ステップ決定装置10について説明した。
本実施の形態の加工ステップ決定装置10によれば、工法区分決定部16aが、穴情報が示す各段毎の側面の仕上がり状態を表す情報及び面の種別を表す情報、並びに各段毎の底面の仕上がり状態を表す情報及び面の種別を表す情報に基づいて、穴情報が示す穴の加工に適した工法区分を記憶手段としてのHDD10dに記憶された記憶内容から各段毎に決定する。加工ステップ決定部16bが、各段毎に決定された工法区分に基づいて、各段の加工に適した加工ステップをHDD10dに記憶された記憶内容から各段毎に決定する。暫定加工ステップ決定部16cが、予め定められた統合ルールに基づいて、加工ステップ決定部16bによって加工ステップが決定された各段の加工の順番を決定することにより、加工ステップの順番を暫定的に決定する。そして、加工ステップ補正部16dが、予め定められた補正ルールに基づいて、暫定加工ステップ決定部16cによって暫定的に順番が決定された加工ステップを補正することにより加工ステップを決定する。
従って、本実施の形態の加工ステップ決定装置10によれば、熟練されたオペレータなどによって決定する実態に沿った加工ステップが自動的に決定されるので、熟練されたオペレータによって決定されるような加工ステップを自動的に決定することができる。
また、上記各テーブルに登録する内容の表現を、現場のキーワードとすることで、現場のノウハウを反映することができる。
また、上記のように構成することで、新規工具の導入や、新規加工法の導入に対し、対応するテーブルの一部を変更することで、対応することができる。
また、上記の各処理は、発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜変更あるいは削除、または別な処理の追加をすることができる。
次に、第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成となる部分については、同一符号を付して説明を省略する。
第2の実施の形態では、穴情報に対応する加工ステップを自動的に導出する点と、穴の加工に適した加工ステップを穴情報毎に予め記憶しておく点とが、第1の実施の形態と異なっている。
第2の実施の形態に係る加工ステップ決定装置のROM10aには、テーブルの導出処理、加工ステップ決定処理、暫定加工ステップ決定処理、及び加工ステップ補正処理の各処理の処理ルーチンを実行するための各プログラムが記憶されている。
HDD10dには、図15に示す工具能力情報テーブル218が記憶されている。工具能力情報テーブル218には、図15に示すように、加工ステップ(工具種別)に対応する、工具能力を表わす情報が、工具種別毎に登録されている。ここで、工具能力を表わす情報として、被加工材料に加工される穴の側面における面粗度と加工精度との組み合わせコード(適用側面コード)、及びこの穴の底面の面粗度と加工精度との組み合わせコード(適用底面コード)と、付属情報と、優先順位と、事前加工ステップ(事前工具種別)と、事前加工ステップの優先順位とが、工具能力情報テーブル218に登録されている。
工具能力情報テーブル218に登録される付属情報として、例えば、直径及び深さの削り残し量(側面及び底面の仕上げ代)がある。この削り残し量は、例えば、ある種の穴状態に対しては、設計値に対して削り残し量を指定したい場合に、工法区分テーブル18に登録される。削り残し量の表現は、「0.1」「−0.2」のような実残り量を指定する場合と、「0.1D」、「−0.2D」のような直径に対する係数、または「0.1L」、「−0.2L」のような深さに対する係数で指定する場合などがある。
また、工具能力情報テーブル218に登録される優先順位は、例えば、工具が持つ素材除去能力に応じた、底面及び側面の組み合わせコードを同一とする工具種別の優先順位である。また、工具能力情報テーブル218に登録される事前加工ステップは、注目の加工ステップを使用するにあたり、事前の加工が必要な場合に必要とされる工具種別であり、底面及び側面の組み合わせコードと工具種別とを同一とする、事前工具種別の優先順位が登録される。登録される優先順位は、事前の加工に必要とされる工具が持つ素材除去能力に応じた優先順位である。
また、HDD10dには、図16に示す加工ステップテーブル220が記憶されている。加工ステップテーブル220は、被加工材料に加工される穴の側面における面粗度と加工精度との組み合わせコード(適用側面コード)、及びこの穴の底面の面粗度と加工精度との組み合わせコード(適用底面コード)と、付属情報と、に対応する、加工ステップ(加工工程)の候補が定義されたテーブルである。加工ステップは、対象穴を加工する際に使用する工具種別を適用する順番に記述して表現する。加工ステップの候補は加工ステップテーブル220に記述し、1つのステップを1つの工具種別で表現する。工法は要求される面粗度と加工精度とを実現することができる最終工程(工具種別と加工種別)と最終工程に至るまでに必要な従属工程(工具種別と加工種別)を記述する。要求される面粗度と加工精度とを実現する工程は複数存在するため、素材除去能力を加味した優先順位に従って工程候補を記述する。
コンピュータとしての加工ステップ決定装置210をテーブル導出処理、加工ステップ決定処理、暫定加工ステップ決定処理、及び加工ステップ補正処理に従って機能ブロックで表すと、図17に示すように、テーブル導出部216a、加工ステップ決定部216b、暫定加工ステップ決定部16c、及び加工ステップ補正部16dで表すことができる。また、HDD10dを、工具能力情報記憶部218a、テーブル記憶部220aで表わすことができる。
工具能力情報記憶部218aは、工具能力情報テーブル218を記憶している。テーブル記憶部220aは、加工ステップテーブル220を記憶している。
テーブル導出部216aは、工具能力情報記憶部218aに記憶された工具能力情報テーブル218に基づいて、被加工材料に加工される穴の側面における面粗度と加工精度との組み合わせコード(適用側面コード)、及びこの穴の底面の面粗度と加工精度との組み合わせコード(適用底面コード)と、付属情報と、に対応する、加工ステップを、優先順位に従って配置し、事前の加工ステップが必要な場合には、事前加工ステップの優先順位に従って、事前加工ステップを配置することにより、加工ステップ(加工工程)の候補を導出する。テーブル導出部216aは、導出した、穴の側面における面粗度と加工精度との組み合わせコード(適用側面コード)、及びこの穴の底面の面粗度と加工精度との組み合わせコード(適用底面コード)と、付属情報と、に対応する、加工ステップ(加工工程)の候補を、加工ステップテーブルに格納する。
テーブル導出部216aについてより具体的に説明する。テーブル導出部216aは、以下の(1)〜(6)の処理(テーブルの導出処理)を実行することによって、加工ステップテーブル220を導出し、テーブル記憶部220aに記憶する。
なお、図18は、テーブル導出部216aが実行するテーブル導出処理のフローチャートの一例を示す図である。
(1)予め用意した、穴の側面における面粗度と加工精度との組み合わせコード(適用側面コード)、及びこの穴の底面の面粗度と加工精度との組み合わせコード(適用底面コード)と、付属情報と、の複数の組み合わせから、対象とする組み合わせを、対象の穴情報として決定する。
(2)対象の穴情報に対応する加工ステップ(工具種別)を、工具能力情報テーブルから検索し、優先順位に従って、順に配置する。
(3)工具能力情報テーブルにおいて、検索された加工ステップに、事前加工ステップ(事前加工種別)が登録されている場合には、事前加工ステップを、優先順位に従って、順に配置する。
(4)対象の穴情報に対応する加工ステップ(工具種別)の候補として、配置された順番に従って、加工ステップの候補及び事前加工ステップの候補を、加工ステップテーブルに登録する。
(5)他の穴情報があれば、上記(1)〜(4)の処理と同様に、加工ステップ(工具種別)の候補を検索して登録する。
(6)加工ステップの候補及び事前加工ステップの候補が穴情報毎に登録された加工ステップテーブル220を、テーブル記憶部220aに記憶する。
加工ステップ決定部216bは、CAD12から出力された穴情報が示す各段毎の側面の仕上がり状態を表す情報及び面の種別を表す情報、並びに各段毎の底面の仕上がり状態を表す情報及び面の種別を表す情報に基づいて、テーブル記憶部220aに記憶された加工ステップテーブルから、各段の加工に適した加工ステップを、各段毎に決定する。更に、加工ステップ決定部216bは、事前工程が必要か否かを各段毎の個別の加工工程について判定し、事前工程が必要と判定された工程については、この事前工程に対応する加工ステップを追加する工程追加機能を有する。なお、この工程追加機能は、別途補正部(図示せず)を設けて、その補正部に行わせるようにしてもよい。また、加工ステップ決定部216bは上記の工程追加機能を有さないように構成できる。このとき、上記工程追加を行う補正部を設けないようにしてもよい。
また、加工ステップ決定部216bは、予め定められた適用可能な工具の有無の情報に基づいて、各段毎に決定された加工ステップが実施可能であるか否かを判断し、当該加工ステップが実施可能でない場合には、当該実施可能でない加工ステップを実施可能な加工ステップに変更する。
加工ステップ決定部216bについてより具体的に説明する。加工ステップ決定部216bは、以下の(1)〜(8)の処理(加工ステップ決定処理)を実行することによって、加工ステップを決定することにより、各段の加工に適した加工ステップを決定する。
なお、図19は、加工ステップ決定部216bが実行する加工ステップ決定処理のフローチャートの一例を示す図である。
(1)CAD12から出力された穴情報に基づいて、各段毎に、側面及び底面の組み合わせコードに指定された加工ステップ(加工工程)候補の登録順に従って、加工ステップテーブル220から検索を開始する。
(2)加工ステップ候補の最終工程に使用する工具の種類と対象穴の直径と加工可能深さを比較する。工具の種類については、予め使用可能な工具の情報が登録された(定められた)工具情報テーブル(上記図7参照)がHDD10dに記憶されており、この工具情報テーブルを検索することで得られる。
(3)一致する工具が無ければ次の加工ステップ候補を上記と同様に検索する。
(4)側面及び底面の組み合わせコードに指定された加工ステップ候補に適用可能な工具(使用可能な工具)が存在しない場合は、加工工程が存在しない旨を表すエラーコードを呼び出し側へ回答した後、対象穴の工程設計を中止して、次の穴情報の読み込みへ移る。
(5)最終工程に適用可能な工具が存在する場合、従属工程工具の有無を検査する。なお、工程候補によっては従属工程が存在しない場合もある。
(6)従属工程工具の有無は最終工程で加工する加工径よりも工具径が小さいことを必要条件とする。
(7)従属工程に適用可能な工具が存在しない場合、次の加工ステップ候補を検索する。
(8)上記(1)〜(7)によって選択した各段毎の加工ステップで使用する工具が十全に機能を発揮するために該加工ステップに事前の加工ステップを追加する。なお、このようにして加工ステップを追加する処理については省略可能である。また、上記(8)の処理は、第1の実施の形態と同様である。
なお、加工ステップ決定装置210の他の構成及び作用については、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
このように、第2の実施の形態に係る加工ステップ決定装置によれば、工具能力情報テーブルを用いて、穴情報毎に、穴の加工に適した加工ステップを自動的に導出して加工ステップテーブルとして記憶し、記憶した加工ステップテーブルを用いて、各段の加工ステップを決定することができる。
次に、第3の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成となる部分については、同一符号を付して説明を省略する。
第3の実施の形態では、工具種別に対応する、工具能力を示す情報を工具種別毎に予め記憶しておく点と、加工ステップテーブルを用いずに、各段の加工ステップを決定している点とが、第1の実施の形態と異なっている。
第3の実施の形態に係る加工ステップ決定装置のROM10aには、加工ステップ決定処理、暫定加工ステップ決定処理、及び加工ステップ補正処理の各処理の処理ルーチンを実行するための各プログラムが記憶されている。
HDD10dには、上記図15に示す工具能力情報テーブル218が記憶されている。
コンピュータとしての加工ステップ決定装置310を、加工ステップ決定処理、暫定加工ステップ決定処理、及び加工ステップ補正処理に従って機能ブロックで表すと、図20に示すように、加工ステップ決定部316b、暫定加工ステップ決定部16c、及び加工ステップ補正部16dで表すことができる。また、HDD10dを、工具能力情報記憶部218aで表わすことができる。
加工ステップ決定部316bは、CAD12から出力された穴情報が示す各段毎の側面の仕上がり状態を表す情報及び面の種別を表す情報、並びに各段毎の底面の仕上がり状態を表す情報及び面の種別を表す情報に基づいて、工具能力情報記憶部218aに記憶された工具能力情報テーブル218から、穴情報の組み合わせコード(適用側面コード及び適用底面コード)と、付属情報と、に対応する、加工ステップ(工具種別)を、優先順位に従って各段毎に選択する。
更に、加工ステップ決定部316bは、工具能力情報テーブル218に基づいて、事前工程が必要か否かを各段毎の個別の加工工程について判定し、事前工程が必要と判定された工程については、この事前工程に対応する加工ステップを、優先順位に従って選択して追加する。なお、この工程追加機能は、別途補正部(図示せず)を設けて、その補正部に行わせるようにしてもよい。また、加工ステップ決定部316bは上記の工程追加機能を有さないように構成できる。このとき、上記工程追加を行う補正部を設けないようにしてもよい。
また、加工ステップ決定部316bは、予め定められた適用可能な工具の有無の情報に基づいて、各段毎に決定された加工ステップが実施可能であるか否かを判断し、当該加工ステップが実施可能でない場合には、当該実施可能でない加工ステップを実施可能な加工ステップに変更する。
加工ステップ決定部316bについてより具体的に説明する。加工ステップ決定部316bは、以下の(1)〜(8)の処理(加工ステップ決定処理)を実行することによって、加工ステップを決定することにより、各段の加工に適した加工ステップを決定する。
なお、図21は、加工ステップ決定部316bが実行する加工ステップ決定処理のフローチャートの一例を示す図である。
(1)CAD12から出力された穴情報に基づいて、各段毎に、側面及び底面の組み合わせコードに対応する加工ステップ(工具種別)候補を、優先順位に従って、工具能力情報テーブル218から検索する。
(2)加工ステップ候補の最終工程に使用する工具の種類と対象穴の直径と加工可能深さを比較する。工具の種類については、予め使用可能な工具の情報が登録された(定められた)工具情報テーブル(上記図7参照)がHDD10dに記憶されており、この工具情報テーブルを検索することで得られる。
(3)一致する工具が無ければ、次の優先順位の加工ステップ候補を上記と同様に検索する。
(4)側面及び底面の組み合わせコードに対応する加工ステップ候補に適用可能な工具(使用可能な工具)が存在しない場合は、加工工程が存在しない旨を表すエラーコードを呼び出し側へ回答した後、対象穴の工程設計を中止して、次の穴情報の読み込みへ移る。
(5)最終工程に適用可能な工具が存在する場合、従属工程工具の有無を検査する。なお、工程候補によっては従属工程が存在しない場合もある。
(6)従属工程工具の有無は最終工程で加工する加工径よりも工具径が小さいことを必要条件とする。
(7)従属工程に適用可能な工具が存在しない場合、次の加工ステップ候補を検索する。
(8)上記(1)〜(7)によって選択した各段毎の加工ステップで使用する工具が十全に機能を発揮するために該加工ステップに事前の加工ステップを追加する。なお、このようにして加工ステップを追加する処理については省略可能である。また、上記(8)の処理は、第1の実施の形態と同様である。
なお、加工ステップ決定装置310の他の構成及び作用については、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
このように、第3の実施の形態に係る加工ステップ決定装置によれば、加工ステップテーブルを用いずに、工具能力情報テーブルに基づいて、各段の加工ステップを決定することができる。
10、210、310 加工ステップ決定装置
12 CAD
14 CAM
16a 工法区分決定部
16b、216b、316b 加工ステップ決定部
16c 暫定加工ステップ決定部
16d 加工ステップ補正部
216a テーブル導出部
218a 工具能力情報記憶部
220a テーブル記憶部

Claims (11)

  1. の仕上がり状態を表す情報、面の種別を表す情報、および前記仕上がり状態を表す情報ならびに前記面の種別を表す情報に対応した削り残し量情報、に対応する穴の加工に適した工法区分を予め記憶すると共に、該穴の加工に適した工法区分に対応する該穴の加工に適した加工ステップを該工法区分毎に予め記憶した記憶手段と、
    1段以上で構成され、かつ被加工材料に加工される穴の情報であって、各段毎の面の仕上がり状態を表す穴情報に基づいて、該穴情報が示す穴の加工に適した工法区分を前記記憶手段に記憶された記憶内容から各段毎に決定する工法区分決定手段と、
    前記工法区分決定手段によって各段毎に決定された工法区分に基づいて、各段の加工に適した加工ステップを前記記憶手段に記憶された記憶内容から各段毎に決定し、決定された各段毎の加工ステップに対して削り代テーブルを適用して事前工程を前記各段の加工ステップの前に追加することが可能な加工ステップ決定手段と、
    予め定められた統合ルールに基づいて、前記加工ステップ決定手段によって加工ステップが決定された各段の加工の順番を決定することにより、加工ステップの順番を暫定的に決定する暫定加工ステップ決定手段と、
    予め定められた補正ルールに基づいて、前記暫定加工ステップ決定手段によって暫定的に順番が決定された加工ステップを補正することにより加工ステップを決定する加工ステップ補正手段と、
    を含み、
    前記面は、被加工材料に加工される穴の側面または底面である、
    加工ステップ決定装置。
  2. の仕上がり状態を表す情報、面の種別を表す情報、および前記仕上がり状態を表す情報ならびに前記面の種別を表す情報に対応した削り残し量情報、に対応する穴の加工に適した加工ステップを前記面の仕上がり状態を表わす情報毎に予め記憶した記憶手段と、
    1段以上で構成され、かつ被加工材料に加工される穴の情報であって、各段毎の面の仕上がり状態を表す穴情報に基づいて、該穴情報が示す穴の加工に適した加工ステップを前記記憶手段に記憶された記憶内容から各段毎に決定し、決定された各段毎の加工ステップに対して削り代テーブルを適用して事前工程を前記各段の加工ステップの前に追加することが可能な加工ステップ決定手段と、
    予め定められた統合ルールに基づいて、前記加工ステップ決定手段によって加工ステップが決定された各段の加工の順番を決定することにより、加工ステップの順番を暫定的に決定する暫定加工ステップ決定手段と、
    予め定められた補正ルールに基づいて、前記暫定加工ステップ決定手段によって暫定的に順番が決定された加工ステップを補正することにより加工ステップを決定する加工ステップ補正手段と、
    を含み、
    前記面は、被加工材料に加工される穴の側面または底面である、
    加工ステップ決定装置。
  3. 穴を加工するための工具について、該工具の工具種別に応じた該工具の持つ加工能力を示す情報を、工具種別毎に予め記憶した工具能力記憶手段を更に含み、
    前記記憶手段は、前記工具能力記憶手段に記憶された記憶内容から決定された、前記面の仕上がり状態を表わす情報に対応する、穴の加工に適した、工具種別を含む情報で表わされる加工ステップを、該面の仕上がり状態を表わす情報毎に記憶する請求項2記載の加工ステップ決定装置。
  4. 穴を加工するための工具について、該工具の工具種別に応じた該工具の持つ加工能力を示す情報を、工具種別毎に予め記憶した工具能力記憶手段と、
    1段以上で構成され、かつ被加工材料に加工される穴の情報であって、各段毎の面の仕上がり状態を表す穴情報に基づいて、該穴情報が示す穴の加工に適した、工具種別を含む情報で表わされる加工ステップを前記工具能力記憶手段に記憶された記憶内容から各段毎に決定する加工ステップ決定手段と、
    予め定められた統合ルールに基づいて、前記加工ステップ決定手段によって加工ステップが決定された各段の加工の順番を決定することにより、加工ステップの順番を暫定的に決定する暫定加工ステップ決定手段と、
    予め定められた補正ルールに基づいて、前記暫定加工ステップ決定手段によって暫定的に順番が決定された加工ステップを補正することにより加工ステップを決定する加工ステップ補正手段と、
    を含み、
    前記加工能力を示す情報は、第1情報または第2情報のいずれかであり、
    前記第1情報は、前記工具により加工できる面の仕上がり状態を表す情報であり、
    前記第2情報は、前記工具により加工できる面の仕上がり状態を表す情報および前記工具の素材除去能力を表す情報であり、
    前記面は、被加工材料に加工される穴の側面または底面である、
    加工ステップ決定装置。
  5. 前記仕上がり状態を表す情報には、面粗度を表す情報、形状精度を表す情報、及び寸法精度を表す情報の少なくとも1つの情報が含まれる請求項1〜の何れか1項記載の加工ステップ決定装置。
  6. 前記加工ステップ決定手段は、更に、予め定められた適用可能な工具の有無の情報に基づいて、前記各段毎に決定された加工ステップが実施可能であるか否かを判断し、該決定された加工ステップが実施可能でない場合には、該実施可能でない加工ステップを実施可能な加工ステップに変更する請求項1〜の何れか1項記載の加工ステップ決定装置。
  7. 前記統合ルールは、各段毎に、前記加工ステップ決定手段によって決定された加工ステップの中から優先して加工する段の加工ステップの順番を繰り上げるためのルールを含む請求項1〜の何れか1項記載の加工ステップ決定装置。
  8. 前記補正ルールは、前記暫定加工ステップ決定手段によって暫定的に順番が決定された各加工ステップから、工具種別、工具径、及び加工深さの情報の少なくとも1つに対応して予め定められた優先度に基づいて、優先的に実施すべき加工ステップの順番を繰り上げるためのルール、前記暫定加工ステップ決定手段によって暫定的に順番が決定された各加工ステップから、加工を行わない加工ステップを削除するためのルール、及び前記暫定加工ステップ決定手段によって暫定的に順番が決定された各加工ステップについて事前の工程が必要か否かを各加工ステップ毎に判定し、事前の工程が必要と判定された加工ステップについては、該事前の工程に対応する加工ステップを追加するように前記各加工ステップを補正するためのルールの少なくとも1つのルールを含む請求項1〜の何れか1項記載の加工ステップ決定装置。
  9. 前記加工ステップを、前記被加工材料を加工するための工具種別を含む情報とした請求項1〜の何れか1項記載の加工ステップ決定装置。
  10. 前記工具種別の情報を、前記被加工材料に加工するための工具の種別を表す名称の情報、及び記号を表す情報の少なくとも一方の情報とした請求項記載の加工ステップ決定装置。
  11. コンピュータを、請求項1〜10の何れか1項記載の加工ステップ決定装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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