JP5406151B2 - 3次元撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は視差を有する複数の画像を生成する単眼の3次元撮像技術に関する。
近年、CCDやCMOS等の固体撮像素子(以下、「撮像素子」と称する場合がある。)を用いたデジタルカメラやデジタルムービーの高機能化、高性能化には目を見張るものがある。特に半導体製造技術の進歩により、固体撮像素子における画素構造の微細化が進んでいる。その結果、固体撮像素子の画素および駆動回路の高集積化が図られてきた。このため、僅かの年数で撮像素子の画素数が100万画素程度から1000万画素以上へと著しく増加した。さらに、撮像によって得られる画像の質も飛躍的に向上している。一方、表示装置に関しては、薄型の液晶やプラズマによるディスプレイにより、場所を取らず、高解像度で高コントラストの表示が可能になり、高い性能が実現されている。このような映像の高品質化の流れは、2次元画像から3次元画像へと広がりつつある。昨今では、偏光メガネを必要とするが、高画質の3次元表示装置が開発され始めている。
3次元撮像技術に関して、単純な構成をもつ代表的な技術として、2つのカメラから構成される撮像系を用いて、右目用の画像および左目用の画像をそれぞれ取得するという技術がある。このような、いわゆる2眼撮像方式では、カメラを2つ用いるため、撮像装置が大型になり、コストも高くなり得る。そこで、1つのカメラを用いて視差を有する複数の画像を取得する方式が研究されている。例えば、色フィルタを用いて視差を有する2つの画像を同時に取得する技術が特許文献1に開示されている。図8は、この技術を用いた撮像系を模式的に示す図である。この技術における撮像系は、レンズ3、レンズ絞り19、透過波長域の異なる2つの色フィルタ20a、20bが配置された光束制限板20、感光フィルム21を備える。ここで、色フィルタ20a、20bは、例えば赤系統、青系統の光をそれぞれ透過させるフィルタである。
以上の構成により、入射光は、レンズ3、レンズ絞り19、および光束制限板20を透過し、感光フィルムに結像する。その際、光束制限板20における2つの色フィルタ20a、20bでは、それぞれ赤系統、青系統の光だけが透過する。その結果、感光フィルム上にはこれら2つの色フィルタをそれぞれ透過した光によるマゼンタ系統の色の像が形成される。ここで、色フィルタ20a、20bの位置が異なっているため、感光フィルム上に形成される像には視差が生じる。ここで、感光フィルムから写真を作り、赤色フィルムおよび青色フィルムがそれぞれ右目用および左目用として貼り付けられたメガネを使うと、奥行き感のある画像を見ることができる。このように、特許文献1に開示された技術によれば、2つの色フィルタを使って視差を有する画像を作ることができる。
特許文献1に開示された技術は、感光フィルム上に結像させ、視差を有する複数の画像を作るものであるが、一方で、視差を有する画像を電気信号に変換して取得する技術が特許文献2に開示されている。図9は、この技術における光束制限板を模式的に表す図である。この技術では、撮像光学系の光軸に垂直な平面上に、赤色光を透過するR領域22R、緑色光を透過するG領域22G、青色光を透過するB領域22Bが設けられた光束制限板22が用いられる。これらの領域を透過した光を赤用のR画素、緑用のG画素、青用のB画素を有するカラー撮像素子で受けることにより、各領域を透過した光による画像が取得される。
また、特許文献3にも、図9の構成と同様の構成を用いて視差を有する複数の画像を取得する技術が開示されている。図10は、特許文献3に開示された光束制限板を模式的に示す図である。この技術でも、光束制限板23に設けられたR領域23R、G領域23G、B領域23Bを入射光が透過することにより視差のある画像を作ることができる。
上記の特許文献1〜3に示された技術によれば、光束制限板にR、G、Bの各色フィルタを配置することによって視差を有する画像を生成することができる。しかしながら、光束制限板を用いるため、入射光量が減少する。また、視差の効果を高めるにはR、G、Bの各色フィルタを互いに離れた位置に配置し、それらの面積を小さくする必要があるが、そのようにすると入射光量はさらに減少する。
以上の技術に対して、R、G、Bの各色フィルタが配置された絞りを用いて、視差を有する複数の画像と光量的に問題のない通常画像とを得ることができる技術が特許文献4に開示されている。この技術では、絞りを閉じた状態ではR、G、Bの各色フィルタを透過した光だけが受光され、絞りを開いた状態ではRGBの色フィルタ領域が光路から外されるため、入射光をすべて受けることができる。これにより、絞りを閉じた状態では視差を有する画像を取得し、絞りを開いた状態では光利用率の高い通常画像を取得することができる。
特開平2−171737号公報 特開2002−344999号公報 特開2009−276294号公報 特開2003−134533号公報
"Color Lines: Image Specific Color Representation", Ido Omer and Michael Werman, In Proc. CVPR, vol. 2, 946-953.
従来技術によれば、視差を有する複数の画像を取得することができるが、光束制限板に色フィルタを用いるため、撮像素子の受光量は減少する。入射光量を十分に確保するためには、色フィルタを機械的駆動によって光路から外す機構を用いて光利用率の高い通常画像を取得する方法や、光束制限板に設けられる色フィルタの数を最小の2つにすることで光の減少を抑える方法がある。前者には、装置の大型化および高コスト化を招くという問題がある。後者の場合、2つの色フィルタを透過する光の波長域が異なるため、得られる2つの画像の濃淡が異なることになる。そのため、ブロックマッチングなどの、濃淡値の類似度を利用した対応点探索に基づく視差算出が困難であるという課題がある。
本発明は、機械的駆動を行うことなく、光利用率が高く、かつ視差を有する複数の画像の生成が可能な3次元撮像技術を提供する。
本発明の3次元撮像装置は、透過波長域が互いに異なる第1、第2、および第3の透過領域を有する光透過部と、光感知セルアレイを有し、前記光透過部を透過した光を受けるように配置された固体撮像素子と、前記固体撮像素子の撮像面に像を形成する光学系と、前記固体撮像素子から出力される信号を処理する信号処理部を備えている。前記第1、第2、および第3の透過領域の少なくとも1つは、シアン、黄、マゼンタのいずれかの波長域の光を透過させる部材、または透明部材で形成されている。前記光感知セルアレイは、複数の単位ブロックを有し、各単位ブロックは、赤の波長域の光の量に応じた第1の光電変換信号を出力するR検知セル、緑の波長域の光の量に応じた第2の光電変換信号を出力するG検知セル、および青の波長域の光の量に応じた第3の光電変換信号を出力するB検知セルを含んでいる。前記信号処理部は、前記第1、第2、および第3の光電変換信号を用いた加減算を含む処理に基づいて前記第1、第2、および第3の透過領域の各々に入射する光の量に応じた3つの混色信号を生成することによって視差を有する3つの画像を生成する画像生成部、および前記3つの画像の間の視差を推定する視差推定部を有している。
ある実施形態において、前記信号処理部は、前記視差推定部によって推定した前記視差から被写体の距離を示す情報を生成する距離情報生成部をさらに有する。
ある実施形態において、前記視差推定部は、前記3つの画像の各画素について、視差量の推定値を複数の候補の中から設定し、前記推定値に基づいて前記3つの画像から画像上の位置が互いにずれた同一サイズの3つの画素ブロックをそれぞれ抽出する画素ブロック抽出部と、前記3つの画素ブロックの画素値の集合によって規定される3次元色空間上の点集合の分布が直線からどの程度ずれているかを判定するずれ判定部と、前記ずれ判定部によって判定された直線からのずれの程度が最小となる前記推定値を各画素における視差量として決定する視差量決定部とを含む。
ある実施形態において、前記第1の透過領域は、シアン、黄、およびマゼンタのうちの1つの波長域の光を透過させる部材で形成され、前記第2の透過領域は、シアン、黄、およびマゼンタのうちの他の1つの波長域の光を透過させる部材で形成され、前記第3の透過領域は、透明部材で形成される。
ある実施形態において、前記第1、第2、および第3の透過領域は、それぞれシアン、黄、およびマゼンタの波長域の光を透過させる部材で形成される。
ある実施形態において、前記光透過部は、第4の透過領域を有し、前記第4の透過領域は、赤、緑、および青のいずれかの波長域の光を透過させる部材、または透明部材で形成される。
本発明の信号処理方法は、透過波長域が互いに異なる第1、第2、および第3の透過領域を有する光透過部と、光感知セルアレイを有し前記光透過部を透過した光を受けるように配置された固体撮像素子と、前記固体撮像素子の撮像面に像を形成する光学系とを備える撮像装置から出力される信号を処理する方法である。ここで、前記第1、第2、および第3の透過領域の少なくとも1つは、シアン、黄、マゼンタのいずれかの波長域の光を透過させる部材、または透明部材で形成されている。前記光感知セルアレイは、複数の単位ブロックを有し、各単位ブロックは、赤の波長域の光の量に応じた第1の光電変換信号を出力するR検知セル、緑の波長域の光の量に応じた第2の光電変換信号を出力するG検知セル、および青の波長域の光の量に応じた第3の光電変換信号を出力するB検知セルを含む。本発明の信号処理方法は、前記第1、第2、および第3の光電変換信号を用いた加減算を含む処理に基づいて前記第1、第2、および第3の透過領域の各々に入射する光の量に応じた3つの混色信号を生成することによって視差を有する3つの画像を生成するステップと、前記3つの画像の間の視差を推定するステップとを含む。
本発明の信号処理方法は、推定した前記視差から被写体の距離を示す情報を生成するステップをさらに含んでいてもよい。
ある実施形態において、前記視差を推定するステップは、前記3つの画像の各画素について、視差量の推定値を複数の候補の中から設定し、前記推定値に基づいて前記3つの画像から画像上の位置が互いにずれた同一サイズの3つの画素ブロックをそれぞれ抽出するステップと、前記3つの画素ブロックの画素値の集合によって規定される3次元色空間上の点集合の分布が直線からどの程度ずれているかを判定するステップと、判定された直線からのずれの程度が最小となる前記推定値を各画素における視差量として決定するステップとを含む。
本発明によれば、光利用率が高く、かつ視差を有する複数の画像を生成できる。さらに、有彩色の被写体を撮影した場合であっても視差量を推定できるため、視差量の推定と光利用率の高い画像の取得の両立が可能である。
実施形態1における撮像装置の全体構成を示すブロック図である。 実施形態1における透光板、光学系、および撮像素子の概略構成を示す模式図である。 実施形態1における透光板の透過領域の配置を示す図である。 実施形態1における撮像素子の画素構成を示す図である。 実施形態1における視差量dと距離zとの関係を示す図である。 実施形態1におけるカラー画像、Ci1画像、Ci2画像の例を示す図である。 (a)はR、G、B色空間における直線の例を示す図であり、(b)はCy、Ye、Mg色空間における直線の例を示す図である。 実施形態1における信号処理手順を示すフロー図である。 実施形態1における画素ブロックを示す図である。 (a)は視差推定値が真の視差量に比較的近い場合の3次元色空間における点集合の分布の例を示す図であり、(b)は視差推定値が真の視差量からずれている場合の3次元色空間における点集合の分布の例を示す図である。 実施形態1における視差推定部の構成を示すブロック図である。 実施形態1における視差量推定手順を示すフロー図である。 実施形態2における透光板の透過領域の配置を示す図である。 実施形態3における透光板の透過領域の配置を示す図である。 実施形態3における透光板の他の透過領域の配置を示す図である。 特許文献1における撮像系の模式図である。 特許文献2における光束制限板の模式図である。 特許文献3における光束制限板の模式図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。以下の説明において共通する要素には同一の符号を付している。なお、本明細書において、画像を示す信号または情報を単に「画像」と称する場合がある。
(実施形態1)
図1は、本発明の第1の実施形態における3次元撮像装置(以下、「撮像装置」と呼ぶ。)の全体構成を示すブロック図である。本実施形態の撮像装置は、デジタル式の電子カメラであり、撮像部100と、撮像部100からの信号に基づいて画像を示す信号(画像信号)を生成する信号処理部200とを備えている。本実施形態の撮像装置は静止画のみならず動画を撮影する機能を備えていてもよい。
撮像部100は、撮像面上に配列された複数の光感知セルを備える撮像素子(イメージセンサ)1と、透過波長域が互いに異なる3つの透過領域を有し入射光を透過させる透光板(光透過部)2と、撮像素子1の撮像面上に像を形成するための光学レンズ3と、赤外カットフィルタ4とを備えている。撮像部100は、また、撮像素子1を駆動するための基本信号を発生するとともに撮像素子1からの出力信号を受信して信号処理部200に送出する信号発生/受信部5と、信号発生/受信部5によって発生された基本信号に基づいて撮像素子1を駆動する素子駆動部6とを備えている。撮像素子1は、典型的にはCCDまたはCMOSセンサであり、公知の半導体製造技術によって製造される。信号発生/受信部5および素子駆動部30は、例えばCCDドライバなどのLSIから構成されている。
信号処理部200は、撮像部100から出力された信号を処理して画像信号を生成する画像生成部7と、画像信号の生成に用いられる各種のデータを格納するメモリ30と、生成した画像信号を外部に送出するインターフェース(IF)部8とを備えている。また、信号処理部200は、画像生成部7によって生成した複数の画像の間の視差を推定する視差推定部40と、推定した視差に基づいて被写体の距離情報を生成する距離情報生成部50とを備えている。画像生成部7、視差推定部40、距離情報生成部50は、公知のデジタル信号処理プロセッサ(DSP)などのハードウェアと、後述する画像信号生成処理、視差推定処理、距離情報生成処理を含む画像処理を実行するソフトウェアとの組合せによって好適に実現され得る。メモリ30は、DRAMなどによって構成される。メモリ30は、撮像部100から得られた信号を記録するとともに、画像生成部7によって生成された画像データや、圧縮された画像データを一時的に記録する。これらの画像データは、インターフェース部8を介して不図示の記録媒体や表示部などに送出される。
なお、本実施形態の撮像装置は、電子シャッタ、ビューファインダ、電源(電池)、フラッシュライトなどの公知の構成要素を備え得るが、それらの説明は本発明の理解に特に必要でないため省略する。
次に、図2〜4を参照しながら撮像部100の構成をより詳細に説明する。
図2は、撮像部100における透光板2、レンズ3、および撮像素子1の配置関係を模式的に示す図である。なお、図2では、透光板2、レンズ3、および撮像素子1以外の構成要素は省略されている。透光板2は、透過波長域が互いに異なる3つの透過領域C1、C2、C3を有し、入射光を透過させる。レンズ3は、公知のレンズであり、透光板2を透過した光を集光し、撮像素子1の撮像面1aに結像する。なお、以下の説明において、撮像面1aに平行な平面において、領域C1からC2へ向かう方向をx方向とし、x方向に垂直な方向をy方向とする。
図2に示す各構成要素の配置関係はあくまでも一例であって、本発明はこのような配置関係に限られるものではない。例えば、レンズ3は、撮像面1aに像を形成できれば透光板2よりも撮像素子1から離れて配置されていてもよい。また、レンズ3は、複数のレンズ群から構成されたレンズユニットであり、それらの間に透光板2が配置されていてもよい。また、レンズ3と透光板2とは独立した構成要素である必要はなく、者は一体化された1つの光学素子として構成されていてもよい。さらに、透光板2と撮像素子1の撮像面とは必ずしも平行に配置されている必要はない。例えば、両者の間にミラーやプリズムなどの、光を反射する光学素子を配置することにより、透光板2と撮像素子1の撮像面とが互いに交差する平面上に位置するように構成することも可能である。
図3は、本実施形態における透光板2の正面図である。本実施形態における透光板2の形状は、レンズ3と同様、円形であるが、他の形状であってもよい。領域C1には、シアン(Cy)の波長域(GおよびBの波長域)の光を透過させる色フィルタ(Cyフィルタ)が配置される。領域C2には、黄(Ye)の波長域(RおよびGの波長域)の光を透過させる色フィルタ(Yeフィルタ)が配置される。
なお、本実施形態における領域C1およびC2は、それぞれCyおよびYeの波長域の光を透過し、他の波長域の光を透過しないように構成されていれば、色フィルタに限らず、どのような部材で構成されていてもよい。例えば、一部の波長域の光を透過させ、他の波長域の光を反射するダイクロイックミラーなどの光学素子で構成されていてもよい。ここで、領域C1および領域C2は、x方向に離れて配置される。領域C1と領域C2との間の距離Lは、レンズ3のサイズに応じて、取得される画像が適切な視差を有するように決定される。距離Lは、例えば、数mm〜数cmに設定され得る。また、透光板2における他の領域C3は、白色光(W)に含まれる全波長域の可視光を透過させる透明部材で形成された透明領域である。透明部材は、光を高い透過率で透過させる部材であればどのようなものでもよい。本実施形態では、領域C1および領域C2の面積は等しく、領域C3の面積は領域C1、C2の面積よりも大きく設計されている。
図2に示される撮像素子1の撮像面1aには、2次元状に複数の光感知セルが配列された光感知セルアレイおよび光感知セルアレイに対向して配置された色フィルタアレイが形成されている。光感知セルアレイおよび色フィルタアレイは、複数の単位ブロックを有し、各単位ブロックは、4つの光感知セルおよびそれらに対向する4つの色フィルタを含んでいる。各光感知セルは、典型的にはフォトダイオードであり、光電変換によって各々の受光量に応じた電気信号(以下、「光電変換信号」または「画素信号」と呼ぶ。)を出力する。また、各色フィルタは、公知の顔料などを用いて作製され、特定の波長域の光を選択的に透過させるように設計されている。
図4は、光感知セルアレイおよび色フィルタアレイの一部を模式的に示す図である。撮像面1a上には多数の光感知セル120およびそれらに1対1に対向する色フィルタ110が行列状に配列されている。本実施形態では、近接する4つの光感知セル120が1つの単位ブロックを構成している。各単位ブロックにおいて、1行1列目には赤(R)の波長域の光を透過させる色フィルタ(Rフィルタ)が配置されている。1行2列目および2行1列目には緑(G)の波長域の光を透過させる色フィルタ(Gフィルタ)が配置されている。2行2列目には青の波長域の光を透過させる色フィルタ(Bフィルタ)が配置されている。このように、本実施形態における色フィルタ110の配列は、2行2列を基本とする公知のBayer配列である。なお、光感知セル120および色フィルタ110の配列は、必ずしもBayer配列である必要はなく、公知のどのような配列であってもよい。
以上の構成により、露光中に撮像装置に入射する光は、透光板2、レンズ3、赤外カットフィルタ4、色フィルタ110を通って光感知セル120に入射する。各光感知セル120は、透光板2の領域C1、C2、C3の各々を透過した光のうち、対向する色フィルタを通った光を受け、受けた光の量(強度)に応じた光電変換信号を出力する。各光感知セルによって出力された光電変換信号は、信号発生/受信部5を通して信号処理部200に送出される。信号処理部200における画像生成部7は、撮像部100から送出された信号に基づいて右目用画像、左目用画像、およびカラー画像を生成する。
なお、本実施形態における撮像素子1は上記の色フィルタアレイによって色分離を行うが、本発明においては色フィルタアレイを用いない撮像素子を用いてもよい。例えば、特表2002−513145に開示された三重ウエル構造を有する撮像素子を用いることができる。このように、各単位ブロックが赤の波長域の光を検知するR検知セル、緑の波長域の光を検知するG検知セル、および青の波長域の光を検知するB検知セルを含んでいればどのような撮像素子も利用可能である。
また、本実施形態では、1つの光感知セルが赤、緑、青のいずれかの波長域の光を検知するが、1つの光感知セルが検知する波長域をさらに細分化させてもよい。例えば、赤光の波長域λrを3つの波長域λr1、λr2、λr3に分割し、各々がλr1、λr2、λr3に対応する3つの光感知セルを設けてもよい。この場合、3つの光感知セルの画素信号の合計を赤光に対応する信号であるとして処理することができる。
以下、各光感知セルから出力される光電変換信号を説明する。まず、透光板2の領域C1、C2、C3に入射する光の強度に相当する信号を、それぞれ添え字「i」を付けてCi1、Ci2、Ci3と表すこととする。また、透光板2における透明領域C3、レンズ3、および赤外カットフィルタ4を合わせた分光透過率をTw、Cyフィルタの分光透過率をTcy、Yeフィルタの分光透過率をTyeとする。同様に、R、G、Bの各色フィルタの分光透過率を、それぞれTr、Tg、Tbと表す。ここで、Tw、Tcy、Tye、Tr、Tg、Tbは、入射する光の波長λに依存する関数である。R、G、Bの色フィルタを透過して対向する光感知セルで受光される光の強度を示す信号を、それぞれ添え字「s」を付けてRs、Gs、Bsと表す。また、可視光の波長域における分光透過率の積分演算を記号Σで表すこととする。例えば、波長λについての積分演算∫TwTcyTrdλなどを、ΣTwTcyTrなどと表すこととする。ここで、積分は可視光の全波長域にわたって行われるものとする。すると、Rsは、Ci1ΣTwTcyTr、Ci2ΣTwTyeTr、およびCi3ΣTwTrを合算した結果に比例する。Gsは、Ci1ΣTwTcyTg、Ci2ΣTwTyeTg、およびCi3ΣTwTgを合算した結果に比例する。Bsは、Ci1ΣTwTcyTb、Ci2ΣTwTyeTb、Ci3ΣTwTbを合算した結果に比例する。これらの関係における比例係数を1とすれば、Rs、Gs、Bsは、以下の式1〜3で表すことができる。
(式1)Rs=Ci1ΣTwTcyTr+Ci2ΣTwTyeTr+Ci3ΣTwTr
(式2)Gs=Ci1ΣTwTcyTg+Ci2ΣTwTyeTg+Ci3ΣTwTg
(式3)Bs=Ci1ΣTwTcyTb+Ci2ΣTwTyeTb+Ci3ΣTwTb
式1〜3において、ΣTwTcyTr、ΣTwTyeTr、ΣTwTrを、それぞれMx11、Mx12、Mx13で表し、ΣTwTcyTg、ΣTwTyeTg、ΣTwTgを、それぞれMx21、Mx22、Mx23で表し、ΣTwTcyTb、ΣTwTyeTb、ΣTwTbを、それぞれMx31、Mx32、Mx33で表すこととする。すると、Rs、Gs、BsとCi1、Ci2、Ci3との関係は、行列を用いて以下の式4で表すことができる。
Figure 0005406151
ここで、式4における要素Mx11〜Mx33からなる行列の逆行列の要素を、それぞれiM11〜iM33とすると、式4は次の式5に変形できる。すなわち、領域C1、C2、C3に入射する光の強度を示す信号を、光電変換信号Rs、Gs、Bsを用いて表すことができる。
Figure 0005406151
画像生成部7(図1)は、式5に基づく信号演算を実行し、信号Ci1、Ci2、Ci3を、単位ブロックごとに生成する。このようにして単位ブロックごとに生成された信号Ci1、Ci2、Ci3は、領域C1、C2、C3のそれぞれに入射する光によって形成される3つの画像を表す。特に、信号Ci1、Ci2によって表される画像は、x方向に離れて位置する領域C1、C2からそれぞれ被写体を見たときの画像に相当するため、左目用画像および右目用画像として扱うことができる。すなわち、信号Ci1、Ci2によって表される2つの画像は、領域C1、C2の距離に応じた視差を有する。したがって、これらの画像から被写体の奥行きを示す情報を得ることができる。
以上の処理によって得られる画像信号Ci1、Ci2、Ci3は、光電変換信号Rs、Gs、Bsを用いて表されるが、これらはカラー画像ではなく、濃淡画像(白黒画像)に相当する。濃淡画像ではなくカラー画像を得るには、上記の信号演算処理は行わず、得られた各光電変換信号から通常のBayer配列におけるカラー処理を行えばよい。その際、透光板2に配置されたCyフィルタ、Yeフィルタによって入射光の損失や色温度ずれが発生し得るが、これらの色フィルタの光透過率が高いため、入射光の損失を従来技術の場合よりも小さくできる。また、全体的な色のずれが発生しても白バランスの調整により対処できる。このように、本実施形態の撮像装置によれば、光利用率の高い良好なカラー画像を得ることができる。
なお、カラー画像を得る際に、各光電変換信号から通常のBayer配列におけるカラー処理を行うのではなく、式4におけるCi3の項だけを利用してカラー情報を得てもよい。すなわち、式5に基づいてCi3を求めた後、Mx13×Ci3をRの光量、Mx23×Ci3をGの光量、Mx33×Ci3をBの光量とすることによってもカラー画像を得ることができる。
ここで得られた画像信号Ci1とCi2とを用いて、視差信号を生成し、距離情報の算出を行うことが考えられる。距離情報の算出ができれば、カラー画像における視差信号の生成や、任意視点の画像生成、前景と背景の切り出しなど、様々な応用が可能となる。
一般に、距離情報を算出するためには、画像信号Ci1の各画素と画像信号Ci2の各画素との対応を求める必要がある。画素の対応を求めるとは、画像信号Ci1における特定の画素に写る被写体の3次元中の点pが、画像信号Ci2のどの画素に写っているかを探索することである。画像信号Ci1において座標(x1,y1)で表される画素に写る被写体が画像信号Ci2において座標(x2,y2)で表される画素に写っているとする。このとき、対応する画素間の距離(座標(x1,y1)と座標(x2,y2)との距離であり、ユークリッド距離や市街地距離など)が求められれば、カメラから被写体までの距離を計算することができる。この対応する画素間の距離を本実施形態では「視差量」と呼ぶ。
以下、図5を参照しながら、カメラから被写体までの距離計測の原理を説明する。図5は、透光板2、被写体9、および撮像素子1の配置関係を示す模式図である。なお、図5において、レンズ3(不図示)の中心は透光板2の中心の位置にあるものと仮定している。図5において、レンズ3の焦点距離をf、透光板2から被写体9までの距離をz、カメラが被写体9を撮影したときに生じる視差量をd、領域C1、C2の中心間の距離をLとする。このとき、一般的な二眼ステレオの原理から、距離zは以下の式6によって求められる。
(式6) z=fL/d
焦点距離fと領域C1、C2間の距離Lは事前に求められるので、視差量dがわかれば、距離zが求められる。これにより、被写体までの距離情報を求めることができる。
画像信号Ci1の特徴点と、その特徴点に対応する画像信号Ci2の特徴点との視差量を求めるための既存の方法として、濃淡値の類似度に基づいて対応点の座標を求める方法がある。例えば、画像を複数の小ブロックに分割し、ブロック同士のSAD(絶対誤差)やSSD(二乗誤差)を算出する方法がある。類似するブロックから算出された誤差は小さくなるため、誤差が最小となるブロックの組合せを決定することで信号Ci1と信号Ci2との間の対応点を求めることができる。これにより、視差量dを算出できる。
しかしながら、画像信号Ci1およびCi2は、一般に対応点同士の濃淡値が異なるため、上記の方法で視差量dを求めると誤差が生じる。画像信号Ci1、Ci2、Ci3は、それぞれ被写体から透過領域C1、C2、C3に入射する光の強度を示す信号である。したがって、透過領域C1、C2を透過した光の強度を求めれば、各領域に入射するシアン光(緑光および青光)および黄光(赤光および緑光)の強度を求めることができる。透過領域C1、C2を透過した光の強度を示す信号は、それぞれCi1ΣTwTcyおよびCi2ΣTwTyeで表される。しかしながら、透過領域C1とC2とは透過波長域が異なるため、被写体が有彩色の場合、視差を有する信号Ci1ΣTwTcyおよびCi2ΣTwTyeについても対応点同士の濃淡値は互いに異なる。
図6(a)、(b)、(c)は、それぞれ撮影画像(カラー画像)、Ci1ΣTwTcyで表される画像、Ci2ΣTwTyeで表される画像を示す図である。これらの画像の背景にはカラーチャート(色比較表)が置かれている。図6(a)の矢印は、カラーチャートの一部の区画が何色であるかを示している。例えば、被写体が青い場合、CyフィルタC1を透過する光の強度を示す信号Ci1ΣTwTcyの濃淡値は、YeフィルタC2を透過する光の強度を示す信号Ci2ΣTwTyeの濃淡値よりも大きくなる。したがって、図6(b)における青い区画の部分は、図6(c)における青い区画の部分よりも明るくなる。逆に、図6(b)における黄色い区画の部分は、図6(c)における黄色い区画の部分よりも暗くなる。このように、被写体が有彩色の場合にはCi1ΣTwTcyとCi2ΣTwTyeとで濃淡値が異なる。このため、濃淡値の類似度に基づく既存のマッチング方法を利用することができない。
特許文献3には、絞りにR、G、Bの色フィルタを配置し、各色フィルタを透過した光によって生成される視差を有する3枚の画像を用いて視差量を求める方法が開示されている。この方法では、R、G、Bの各成分の間に視差が生じていない通常の自然画像においては、局所的にR、G、Bの値の分布が(R,G,B)の3次元空間(3次元色空間)で線型になるという性質が利用される。すなわち、R画像、G画像、B画像との間に視差が生じていない場合、(R,G,B)の3次元空間における画素値の分布は直線状になり、視差が生じている場合、分布は直線状にはならない。したがって、視差量を仮にdとし、dの値をある範囲内で変動させたときに、(R,G,B)の分布が直線からどの程度ずれているかを示す量が最小となるdの値を求めることによって視差を推定することができる。このように、色成分によって視差が生じていない自然画像では局所的に3次元色空間上の分布が直線状になるモデルを「線型色モデル(color lines model)」と呼ぶ。線型色モデルについての詳細は、例えば非特許文献1に開示されている。
本実施形態における撮像装置は、上記の特許文献3の方法と同様、線型色モデルを利用して画像間の視差を求める。ただし、本実施形態では、特許文献3とは異なり、各画素信号Rs、Gs、Bsは、特定の透過領域に直接対応しているわけではなく、複数の透過領域C1、C2、C3から入射する光によって生成される信号成分が重畳する。よって、C1、C2、C3に入射する光の強度に応じた3つの信号であり、かつ互いに異なる色成分を表す3つの信号を生成する必要がある。
本実施形態では、透光板2の透過領域における色フィルタとして、CyおよびYeの2種類の補色フィルタが用いられる。そこで、まず、各色成分の間で視差が生じていない場合、補色系においてもR、G、Bを利用する既存の方法と同様、補色(Cy、マゼンタ(Mg)、Ye)の3次元空間上で各画像の画素値(Cy、Mg、Ye)の分布が直線状になることを示す。
原色系で線型な分布となる画素値の集合が、補色系でも線型な分布となるためには、原色と補色とが線型な関係にあればよい。ここで、原色R、G、Bと補色Cy、Mg、Yeとの関係は次の式7で表される。
(式7) (R、G、B)=(bit―Cy、bit−Mg、bit−Ye)
定数bitは1画素の信号の最大値であり、例えば8ビット画像であれば255である。式7より、補色と原色とは線型変換が可能であるため、局所線型性の関係は補色の3次元空間でも成立することがわかる。図7は、原色系における直線が補色系でも直線になる例を示している。図7(a)は、R、G、Bの3次元色空間における直線を示し、図7(b)は、Cy、Mg、Yeの3次元色空間における対応する直線を示している。このように、線型色モデルを利用した視差の推定は補色系においても有効である。
以上の事から、補色系の視差を有する3枚の画像から視差量を推定することができる。以下、Cy領域、Ye領域、および透明領域からなる透光板2を用いた撮像によって得られるRGBの画素信号から、視差を有するCy、Mg、Yeの3つの画像信号を生成する手順を説明する。続いて、これらの画像の間の視差量を推定し、被写体の距離情報を算出する手順を説明する。
図8は、信号処理部200における処理の概略手順を示すフロー図である。撮影が完了すると、画像生成部7は、撮影によって得られた画素信号Rs、Gs、Bsから視差を有する3つの補色画像(視差補色画像)を生成する(S100)。次に、視差推定部40は、3次元色空間における色線型性を利用して3つの視差補色画像間の視差量を推定する(S200)。最後に、距離情報生成部50は、推定された視差量に基づいて、式6により、各画素に写る被写体の距離情報を算出する(S300)。
以下、各処理の詳細を説明する。
まず、Cy領域、Ye領域、透明領域を有する透光板2を用いた撮像によって得られる画素信号Rs、Gs、Bsから、視差を有する3つの補色画像信号Cs、Ys、Msを生成する手順を説明する。画像生成部7は、式1、式2、式3のそれぞれをTwで除算することにより、以下の式8、式9、式10でそれぞれ表される信号Rt、Gt、Btを得る。
(式8)Rt=Rs/Tw=Ci1ΣTcyTr+Ci2ΣTyeTr+Ci3ΣTr
(式9)Gt=Gs/Tw=Ci1ΣTcyTg+Ci2ΣTyeTg+Ci3ΣTg
(式10)Bt=Bs/Tw=Ci1ΣTcyTb+Ci2ΣTyeTb+Ci3ΣTb
Cyは、GおよびBの波長域を有するため、本実施形態では、以下の式11で表されるGt+Bt−RtをCy成分の画像信号Csと定義する。
(式11) Cs=Gt+Bt−Rt
= Ci1(ΣTcyTg+ΣTcyTb−ΣTcyTr)
+Ci2(ΣTyeTg+ΣTyeTb−ΣTyeTr)
+Ci3(ΣTg+ΣTb−ΣTr)
同様に、以下の式12、13で表される信号をそれぞれMg、Ye成分の画像信号Ms、Ysと定義する。
(式12) Ms=Rt+Bt−Gt
= Ci1(ΣTcyTr+ΣTcyTb−ΣTcyTg)
+Ci2(ΣTyeTr+ΣTyeTb−ΣTyeTg)
+Ci3(ΣTr+ΣTb−ΣTg)
(式13) Ys=Rt+Gt−Bt
= Ci1(ΣTcyTr+ΣTcyTg−ΣTcyTb)
+Ci2(ΣTyeTr+ΣTyeTg−ΣTyeTb)
+Ci3(ΣTr+ΣTg−ΣTb)
ここで、Cyフィルタの透過波長域にはRの波長域が殆ど含まれず、Yeフィルタの透過波長域にはBの波長域が殆ど含まれないため、ΣTcyTr≒ΣTyeTb≒0となる。また、Cyフィルタの透過波長域はGの波長域とBの波長域とをほぼ等しく含み、Yeフィルタの透過波長域はGの波長域とRの波長域とをほぼ等しく含むと仮定する。すると、ΣTcyTg≒ΣTcyTb、およびΣTyeTg≒ΣTyeTrが成立する。さらに、撮像素子1の各画素に対向する色フィルタの分光透過率の積算値は全ての色成分について等しいと仮定する。すなわち、ΣTr≒ΣTg≒ΣTgが成立するものとする。以上の仮定により、式11、12、13は、それぞれ以下の式14、15、16に書き替えられる。
(式14) Cs=Gt+Bt―Rt
=Ci1(ΣTcyTg+ΣTcyTb)+Ci3ΣTg
(式15) Ms=Rt+Bt―Gt
=Ci3ΣTr
(式16) Ys=Rt+Gt―Bt
=Ci2(ΣTyeTr+ΣTyeTg)+Ci3ΣTg
式14は、式11からCi2の項が除去されている。式14の第1項はCy領域を透過する光の量を表しており、Ci1のみに依存している。第2項は透明領域Ci3を透過してGフィルタを透過する光の量を表している。ここで、Gの波長域の光(G光)は、Cy領域、Ye領域、透明領域の全ての領域を透過する光である。したがって、第2項は、全ての透過領域を透過するG光の量に、透光板2の面積に対する領域C3の面積の割合を掛けた量を示すため、明るさに関するオフセットと考えることができる。オフセットがある場合でも、補色系の3次元空間の分布が全体的にシフトするだけであるため、線型性の算出には影響しない。
同様に、式15は、式12からCi1およびCi2の成分が除去されている。式16は、式13からCi1の成分が除去されている。このようにして、RGBの画素信号から、式14〜16に示す演算を行うことにより、視差を有する3つの補色画像の濃淡値が得られる。
次に、視差量の推定方法を説明する。
まず、Mg画像に対するCy画像およびYe画像の視差量をd画素とする。すると、Cy画像の値(画素値)をIcy(x―d,y)、Ye画像の値(画素値)をIye(x+d、y)、Mg画像の値(画素値)をImg(x,y)とし、それらが実世界上の同一の点を示していることを、局所領域における補色の線型性を利用して求めればよい。
ある画素(x,y)において局所領域における線型性を利用して視差量dを求めるためには、次のようにすればよい。局所的な画素値の分布が直線状に分布するか否かを判定することによって視差量dが求められる。画素(x,y)の近傍領域の画素値の集合を次の式17で定義する。
(式17) P={Icy(s−d,t),Img(s,t),Iye(s+d,t)|(s,t)は(x,y)周りの近傍画素}
図9は、Cy画像、Mg画像、Ye画像の各々における対応点の近傍領域の画素ブロック60a、60b、60cを示す図である。ここで、Mg画像における対応点の座標を(x、y)としている。視差量がd画素であるため、Cy画像は、Mg画像に比べて水平方向にーd画素だけ対応点がずれる。同様に、Ye画像は、Mg画像に比べて水平方向に+d画素だけ対応点がずれる。したがって、Mg画像における点(x、y)の近傍の画素ブロック60bは、Cy画像では点(x−d、y)の近傍の画素ブロック60aに対応し、Ye画像では点(x+d、y)の近傍の画素ブロック60cに対応する。
式17によって得られる分布に直線を当てはめ、当てはめた直線からの二乗平均を線型色モデルからの誤差Er(x,y,d)とする。直線を求めるためには、補色の3次元空間の分布から、分布の広がり方向である主軸を算出すればよい。そのために、まずPの共分散行列Sを求める。集合Pの主軸は、共分散行列の最大固有値λmaxに対する固有ベクトルである。分布が直線状であるとき、Cy、Ye、Mgの各画像の局所領域内の分散の和とλmaxは等しい値となる。すなわち、誤差Er(x,y,d)は、次の式18で表される。
(式18) Er(x,y,d)=S00+S11+S22―λmax
ここで、S00,S11,S22は、以下の式19、式20、式21で表される値であり、それぞれCy、Mg、Yeの分散である。
(式19)S00=Σ(Icy(s―d,t)−avg(Icy))2/N
(式20)S11=Σ(Img(s,t)−avg(Img))2/N
(式21)S22=Σ(Iye(s+d,t)−avg(Iye))2/N
ここで、Nは集合Pに含まれる画素数、avg(Icy)、avg(Img)、avg(Iye)は各成分の平均値であり、次の式22、式23、式24で表される。
(式22)avg(Icy)=ΣIcy(s―d,t)/N
(式23)avg(Img)=ΣImg(s,t)/N
(式24)avg(Iye)=ΣIye(s+d,t)/N
式18で表される誤差Er(x,y,d)が大きければ、視差量がdであるという仮定が誤りである可能性が高いことを意味する。
図10(a)は、誤差Erが比較的小さい場合の3次元色空間における点集合の分布の例を示している。一方、図10(b)は、誤差Erが比較的大きい場合の3次元色空間における点集合の分布の例を示している。この図の例では、図10(b)に示す分布よりも図10(a)に示す分布の方が直線lに近いため、図10(a)における視差量の推定値dがより正しい視差量であると判定される。
以上のことから、視差量の推定値dを一定の範囲で変化させ(例えば、dを−20から20まで1ずつ変化させ)、Er(x,y,d)が最小となるdを座標(x,y)における視差量とすればよい。以上の処理を各画素について行うことにより、3つの視差補色画像間の視差の算出が可能となる。
以下、視差推定部40の構成および処理の手順を具体的に説明する。
図11は、視差推定部40の構成を示すブロック図である。視差推定部40は、画像生成部7によって生成された3つの視差補色画像から画素ごとに画素ブロックを抽出する画素ブロック抽出部42と、各画素ブロックにおける画素値の集合から直線に対するずれの程度を判定するずれ判定部44と、判定結果に基づいて視差量を決定する視差量決定部46とを含んでいる。視差量決定部46によって画素ごとに決定された視差量dは、距離情報生成部50に出力される。
図12は、視差推定部40による処理の手順を示すフロー図である。画像生成部7によって3つの視差補色画像が生成されると、各画像について画素ごとに以下の手順で視差量を推定する。まずステップS202において、画素ブロック抽出部42は、Cy画像およびYe画像がMg画像から何画素ずれているかを示す視差量の推定値dを複数の候補の中から設定する。次に、ステップS203において、推定した視差量dに応じて3つの画像の各々から画素ブロックを抽出する。続いて、ステップS204において、式17に基づき、3つの画素ブロックの画素値の集合から3次元色空間上の点集合を求める。次に、ステップS205において、ずれ判定部44は、3次元色空間上の点集合の分布が直線からどの程度ずれているかを式18に基づいて判定する。視差量の推定値dの全候補について判定が完了していない場合は、ステップS207において、視差推定値dを他の候補値に変更してステップS203〜S205を繰り返す。視差量の推定値dの全候補について判定が完了した場合は、ステップS208において、視差量決定部46は、式18で示される誤差Er(x,y,d)が最小となるdを座標(x,y)における真の視差量として決定する。視差推定部40は、以上の処理を各画素について実行することにより、3つの視差補色画像間の視差を求める。
以上の処理により、画素ごとの視差量の分布(disparity map)が得られ、距離情報を算出することができる。距離情報生成部50は、視差推定部40によって得られた視差情報から、式6に基づいて被写体の距離を画素ごとに算出する。
以上のように、本実施形態の撮像装置によれば、Cyの波長域の光を透過させるCy領域、Yeの波長域の光を透過させるYe領域、および透明部材で形成される透明領域からなる透光板2を用いて撮像を行う。その結果、視差を有する複数の画像およびカラー画像を生成することができる。さらに、上述した信号処理を行えば、視差を有する3つの補色画像を生成することができる。生成した3つの補色画像から視差情報を求めることにより、被写体の距離情報を得ることができる。
なお、本実施形態の撮像装置は、3つの視差補色画像から視差情報および距離情報を生成するが、撮像装置は視差情報のみを生成するように構成されていてもよい。また、信号演算による画像の生成処理、視差情報生成処理、および距離情報生成処理の少なくとも一部を撮像装置とは独立した他の装置に実行させてもよい。例えば、本実施形態における撮像部100を有する撮像装置によって取得した信号を他の装置に読み込ませ、上記の信号演算処理を規定するプログラムを当該他の装置に実行させることによっても本実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態における画像生成部7は、視差を有する3つの視差補色画像、光利用率の高い白黒画像およびカラー画像を生成することができるが、これらの画像を全て生成することは必須ではない。画像生成部7は、少なくとも視差を有する3つの画像を生成するように構成されていればよい。
以上の説明では、透光板2の透過領域は、Cy領域、Ye領域、透明領域の組み合わせで構成されるが、本発明では、このような組み合わせに限られない。Cy、Yeの組み合わせの代わりにCy、Mgの組合せ、またはMg、Yeの組合せを用いても同様の処理により、画素信号から視差を有する補色系の画像信号に変換することができる。
(実施形態2)
次に、図13を参照しながら、本発明の第2の実施形態を説明する。本実施形態の撮像装置は、透光板2および3つの視差補色画像の生成方法が実施家形態1と異なるだけであり、それ以外は実施形態1と同じである。したがって、以下の説明では、実施形態1と異なる点のみを説明し、重複する点は説明を省略する。
図13は、本実施形態における透光板2の構成を示す正面図である。本実施形態における透光板2は、Cy光を透過するCy領域C1、Ye光を透過するYe領域C2、Mg光を透過するMg領域C3を含んでいる。領域C1、C2、C3は、それぞれCyフィルタ、Yeフィルタ、Mgフィルタで形成される。また、透光板2の領域C1〜C3以外の領域は遮光性部材で形成される。
なお、本実施形態において、透過領域C1、C2、C3の形状、面積、位置関係は、図13に示す例に限らず、任意に設定可能である。
本実施形態でも各フィルタの分光透過率を実施形態1と同様に表現する。Mgフィルタの分光透過率をTmgとすると、式8、式9、式10に対応する信号は、本実施形態では次の式25、式26、式27でそれぞれ表される。
(式25)Rt=Rs/Tw=Ci1ΣTcyTr+Ci2ΣTyeTr+Ci3ΣTmgTr
(式26)Gt=Gs/Tw=Ci1ΣTcyTg+Ci2ΣTyeTg+Ci3ΣTmgTg
(式27)Bt=Bs/Tw=Bt=Ci1ΣTcyTb+Ci2ΣTyeTb+Ci3ΣTmgTb
本実施形態においても、以下の式28で表されるGt+Bt−RtをCy成分の画像信号Csと定義する。
(式28) Cs=Gt+Bt−Rt
= Ci1(ΣTcyTg+ΣTcyTb−ΣTcyTr)
+Ci2(ΣTyeTg+ΣTyeTb−ΣTyeTr)
+Ci3(ΣTmgTg+ΣTmgTb−ΣTmgTr)
同様に、以下の式29、30で表される信号をそれぞれMg、Ye成分の画像信号Ms、Ysと定義する。
(式29) Ms=Rt+Bt−Gt
= Ci1(ΣTcyTr+ΣTcyTb−ΣTcyTg)
+Ci2(ΣTyeTr+ΣTyeTb−ΣTyeTg)
+Ci3(ΣTmgTr+ΣTmgTb−ΣTmgTg)
(式30) Ys=Rt+Gt−Bt
= Ci1(ΣTcyTr+ΣTcyTg−ΣTcyTb)
+Ci2(ΣTyeTr+ΣTyeTg−ΣTyeTb)
+Ci3(ΣTmgTr+ΣTmgTg−ΣTmgTb)
ここで、Cy、Ye、Mgフィルタの透過波長域には、それぞれR、B、Gの波長域が殆ど含まれないため、ΣTcyTr≒ΣTyeTb≒ΣTmgTg≒0となる。また、Cyフィルタの透過波長域はGおよびBの波長域をほぼ等しく含み、Yeフィルタの透過波長域はGおよびRの波長域をほぼ等しく含み、Mgフィルタの透過波長域はRおよびBの波長域をほぼ等しく含むと仮定する。すると、ΣTcyTg≒ΣTcyTb、ΣTyeTg≒ΣTyeTr、ΣTmgTr≒ΣTmgTbが成立する。さらに、撮像素子1の各画素に対向する色フィルタの分光透過率の積算値は全ての色成分について等しいと仮定する。すなわち、ΣTr≒ΣTg≒ΣTgが成立するものとする。以上の仮定により、式28、29、30は、それぞれ以下の式31、32、33に書き替えられる。
(式31) Cs=Gt+Bt―Rt
=Ci1(ΣTcyTg+ΣTcyTb)
(式32) Ms=Rt+Bt―Gt
=Ci3(ΣTmgTr+ΣTcyTb)
(式33) Ys=Rt+Gt―Bt
=Ci2(ΣTyeTr+ΣTyeTg)
以上より、本実施形態では、3つの視差補色画像を示す信号Cs、Ys、Msは、それぞれ領域Ci1、Ci2、Ci3に入射する光に対応する信号となる。各信号に他の領域からの光の成分が混入しないため、本実施形態の構成では、視差量の推定精度が実施形態1における構成よりも向上する。
(実施形態3)
次に、図14を参照しながら、本発明の第3の実施形態を説明する。本実施形態の撮像装置は、透光板2および3つの視差補色画像の生成方法が実施形態1と異なるだけであり、それ以外は実施形態1と同じである。したがって、以下の説明では、実施形態1と異なる点のみを説明し、重複する点は説明を省略する。
図14は、本実施形態における透光板2の構成を示す正面図である。本実施形態における透光板2は、Cy光を透過するCy領域C1、Ye光を透過するYe領域C2、Mg光を透過するMg領域C3、および透明領域C4を含んでいる。領域C1、C2、C3、C4は、それぞれCyフィルタ、Yeフィルタ、Mgフィルタ、透明部材で形成される。
本実施形態では、透光板を4つの領域に分割し、各領域C1、C2、C3、C4を通過した光による信号成分Ci1、Ci2、Ci3、Ci4を利用する。各領域の配置については、例えば、図14に示すように、透光板の上部にC1、左下にC2、右下にC3が配置され、それ以外の領域をC4として構成される。領域C1、C2、C3によって三方向の視差を得ることができる。
以上の構成により、式8、9、10に対応する信号は、本実施形態では以下の式34、35、36でそれぞれ表される。
(式34)Rt=Rs/Tw=Rt=Ci1ΣTcyTr+Ci2ΣTyeTr+Ci3ΣTmgTr+Ci4
(式35)Gt=Gs/Tw=Gt=Ci1ΣTcyTg+Ci2ΣTyeTg+Ci3ΣTmgTg+Ci4
(式36)Bt=Bs/Tw=Bt=Ci1ΣTcyTb+Ci2ΣTyeTb+Ci3ΣTmgTb+Ci4
実施形態1、2と同様にして、式34、35、36を、以下の式37、式38、式39に変換することができる。
(式37)Cs=Gt+Bt−Rt=Ci1(ΣTcyTg+ΣTcyTb)+Ci4
(式38)Ms=Rt+Bt−Gt=Ci3(ΣTmgTr+ΣTcyTb)―Ci4
(式39)Ys=Gt+Rt+Bt=Ci2(ΣTyeTg+ΣTyeTr)+Ci4
以上の処理により、領域C1、C2、C3に入射する光に対応する信号Ci1、Ci2、Ci3に透明領域を通過する信号Ci4を加算または減算した信号を得ることができる。
本実施形態における透光板2によれば、3方向から入射する光による信号を算出できるため、図14に示す横方向および縦方向の両方についての色ずれを考慮して色線型性に基づく視差情報を得ることができる。これにより、直線など、特徴を得にくい形状やテクスチャ領域における視差量推定の精度が向上する。また、透明領域を有する透光板であるため、高感度な二次元のカラー画像も同時に得られるという利点がある。
なお、本実施形態における領域C4には透明部材が設けられるが、領域C4に赤、緑、青のいずれかの色フィルタが配置されていてもよい。一例として、領域C4に緑フィルタが配置された透光板2を図15に示す。このような透光板2を用いても、同様の処理により、視差情報および奥行情報を得ることができる。
以上の実施形態1〜3では、透光板(光透過部)2における透過領域の数は3または4であるが、本発明における光透過部の透過領域の数は5以上であってもよい。これらの透過領域の透過波長域が互いに異なっていれば、同様の処理により視差情報を得ることができる。また、各透過領域の位置関係に応じて視差の得られる方向を様々に変えることができる。撮影シーンのテクスチャや物体形状や色に応じて、最適な配置関係を決定し、視差を推定することにより、視差量推定の精度が向上する。
また、以上の実施形態1〜3では、透光板2の各透過領域には補色フィルタまたは透明部材が配置されるが、各透過領域の一部に原色フィルタが配置されていてもよい。本発明においては、透過領域の少なくとも1つがシアン、黄、マゼンタ、透明のいずれかの透過波長域を有するように構成されていればよい。原色フィルタと補色フィルタとを組合せることにより、フィルタのバリエーションを様々に変えて撮像することができる。
本発明の3次元撮像装置は、固体撮像素子を用いたすべてのカメラに有効である。例えば、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラなどの民生用カメラや、産業用の固体監視カメラなどに利用可能である。
1 固体撮像素子
1a 固体撮像素子の撮像面
2 透光板(光透過部)
3 光学レンズ
4 赤外カットフィルタ
5 信号発生/受信部
6 素子駆動部
7 画像生成部
8 インターフェース部
9 被写体
19 レンズ絞り
20、22、23 光束制限板
20a 赤系統の光を透過させる色フィルタ
20b 青系統の光を透過させる色フィルタ
21 感光フィルム
22R、23R 光束制限板のR光透過領域
22G、23G 光束制限板のG光透過領域
22B、23B 光束制限板のB光透過領域
30 メモリ
40 視差推定部
42 画素ブロック抽出部
44 ずれ判定部
46 視差量決定部
50 距離情報生成部
60a、60b、60c 画素ブロック
100 撮像部
110 色フィルタ
120 光感知セル
200 信号処理部

Claims (9)

  1. 透過波長域が互いに異なる第1、第2、および第3の透過領域を有し、前記第1、第2、および第3の透過領域の少なくとも1つは、シアン、黄、マゼンタのいずれかの波長域の光を透過させる部材、または透明部材で形成されている光透過部と、
    光感知セルアレイを有し、前記光透過部を透過した光を受けるように配置された固体撮像素子であって、前記光感知セルアレイは、複数の単位ブロックを有し、各単位ブロックは、赤の波長域の光の量に応じた第1の光電変換信号を出力するR検知セル、緑の波長域の光の量に応じた第2の光電変換信号を出力するG検知セル、および青の波長域の光の量に応じた第3の光電変換信号を出力するB検知セルを含む固体撮像素子と、
    前記固体撮像素子の撮像面に像を形成する光学系と、
    前記固体撮像素子から出力される信号を処理する信号処理部であって、前記第1、第2、および第3の光電変換信号を用いた加減算を含む処理に基づいて前記第1、第2、および第3の透過領域の各々に入射する光の量に応じた3つの混色信号を生成することによって視差を有する3つの画像を生成する画像生成部、および前記3つの画像の間の視差を推定する視差推定部を有する信号処理部と、
    を備える、3次元撮像装置。
  2. 前記信号処理部は、前記視差推定部によって推定した前記視差から被写体の距離を示す情報を生成する距離情報生成部をさらに有する、請求項1に記載の3次元撮像装置。
  3. 前記視差推定部は、
    前記3つの画像の各画素について、視差量の推定値を複数の候補の中から設定し、前記推定値に基づいて前記3つの画像から画像上の位置が互いにずれた同一サイズの3つの画素ブロックをそれぞれ抽出する画素ブロック抽出部と、
    前記3つの画素ブロックの画素値の集合によって規定される3次元色空間上の点集合の分布が直線からどの程度ずれているかを判定するずれ判定部と、
    前記ずれ判定部によって判定された直線からのずれの程度が最小となる前記推定値を各画素における視差量として決定する視差量決定部と、
    を含む、請求項1または2に記載の3次元撮像装置。
  4. 前記第1の透過領域は、シアン、黄、およびマゼンタのうちの1つの波長域の光を透過させる部材で形成され、前記第2の透過領域は、シアン、黄、およびマゼンタのうちの他の1つの波長域の光を透過させる部材で形成され、前記第3の透過領域は、透明部材で形成されている、請求項1から3のいずれかに記載の3次元撮像装置。
  5. 前記第1、第2、および第3の透過領域は、それぞれシアン、黄、およびマゼンタの波長域の光を透過させる部材で形成されている、請求項1から4のいずれかに記載の3次元撮像装置。
  6. 前記光透過部は、第4の透過領域を有し、前記第4の透過領域は、赤、緑、および青のいずれかの波長域の光を透過させる部材、または透明部材で形成されている、請求項5に記載の3次元撮像装置。
  7. 透過波長域が互いに異なる第1、第2、および第3の透過領域を有し、前記第1、第2、および第3の透過領域の少なくとも1つは、シアン、黄、マゼンタのいずれかの波長域の光を透過させる部材、または透明部材で形成されている光透過部と、
    光感知セルアレイを有し、前記光透過部を透過した光を受けるように配置された固体撮像素子であって、前記光感知セルアレイは、複数の単位ブロックを有し、各単位ブロックは、赤の波長域の光の量に応じた第1の光電変換信号を出力するR検知セル、緑の波長域の光の量に応じた第2の光電変換信号を出力するG検知セル、および青の波長域の光の量に応じた第3の光電変換信号を出力するB検知セルを含む固体撮像素子と、
    前記固体撮像素子の撮像面に像を形成する光学系と、
    を備える撮像装置から出力される信号を処理する信号処理方法であって、
    前記第1、第2、および第3の光電変換信号を用いた加減算を含む処理に基づいて前記第1、第2、および第3の透過領域の各々に入射する光の量に応じた3つの混色信号を生成することによって視差を有する3つの画像を生成するステップと、
    前記3つの画像の間の視差を推定するステップと、
    を含む信号処理方法。
  8. 推定した前記視差から被写体の距離を示す情報を生成するステップをさらに含む、請求項7に記載の信号処理方法。
  9. 前記視差を推定するステップは、
    前記3つの画像の各画素について、視差量の推定値を複数の候補の中から設定し、前記推定値に基づいて前記3つの画像から画像上の位置が互いにずれた同一サイズの3つの画素ブロックをそれぞれ抽出するステップと、
    前記3つの画素ブロックの画素値の集合によって規定される3次元色空間上の点集合の分布が直線からどの程度ずれているかを判定するステップと、
    判定された直線からのずれの程度が最小となる前記推定値を各画素における視差量として決定するステップと、
    を含む、請求項7または8に記載の信号処理方法。
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