JP5404369B2 - 検査装置 - Google Patents
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Description
そのため、伝熱管と管板との溶接部分(以下、「伝熱管シール部」と表記する。)は、2次冷却水側への1次冷却水の漏れ等を防ぐことが求められる。
そこで、SGの製造における最終段階で、SGに対して耐圧試験を行ってリークパスの有無を確認する健全性確認が行われている。しかし、このような試験を行う前に、伝熱管シール部における欠陥を事前に検知できることが望ましい。
また、RTによる検査ではブローホールを検出できるが、ブローホールの深さ(表面からブローホールまでの距離)を特定できないという問題があった。
そのため、欠陥を正確に検出するためには、ECTコイルと伝熱管シール部の表面との間のギャップを一定に保つことが必要となる。言い換えると、伝熱管シール部における表面の凹凸にECTコイルを追従して移動させる必要があるという問題があった。
本発明の検査装置は、渦電流探傷法を用いて管と管板との溶接部における欠陥の有無を検査する検査装置であって、前記管に挿入される円柱部および前記管板に押し当てられる鍔部を有し、前記溶接部に対して回転可能とされた本体と、前記本体の内部に配置されるとともに、前記溶接部に対して接近離間可能とされ、前記溶接部における欠陥を検出する探触子と、前記探触子を前記溶接部に向かって押圧する押圧部と、が設けられ、前記本体には複数の前記探触子が設けられ、複数の前記探触子のそれぞれは、前記溶接部における異なる半径位置に押しあてられることを特徴とする。
本体が両方向に回転可能である場合には、一の回転方向により得られた検査結果と、他の回転方向により得られた検査結果とを比較することにより、検査結果から表面突起などの外乱ノイズを除くことができる。
また、本発明によれば、本体を管に対して一回転させることにより、1個の探触子が設けられている場合と比較して、溶接部におけるより広い範囲について欠陥の有無を検査することができる。具体的には、溶接部における半径方向の外側から内側に複数の探触子を順に並べることにより、溶接部における広い範囲を短時間で検査することができる。
さらに、複数の探触子は、ぞれぞれの探触子による検査範囲が重ならないように配置されてもよいし、一の探触子によって検査される領域の一部が、隣接する他の探触子によって検査される領域と重複する(オーバーラップする)ように配置してもよい。
複数の探触子がオーバーラップするように配置された場合には、1つの欠陥を少なくとも2つの探触子で検出することができ、探触子による検出結果から外乱ノイズを除くことができる。つまり、外乱ノイズは複数の探触子によって同じ位置に発生する確率が低く、多くの場合には、1つの探触子の検出結果に表れる。その一方で、欠陥は複数の探触子によって同じ位置に検出される。そのため、探触子による検出結果から外乱ノイズを容易に除くことができる。
一般的には、探触子を構成するECTコイルの寸法程度の距離を離すことが望ましい。
さらに、調芯部および本体のみが管に挿入される場合と比較して、保持部が他の管に挿入されるため、検査装置は調芯部および保持部により管および管板に固定される。そのため、本体を管に対して回転させても、その反動で検査装置の姿勢が変化したり、移動したりすることがない。つまり、本体および探触子を回転させても、本体における芯ずれの発生を抑制することができる。
図1は、本実施形態に係る検査装置の構成を説明する模式図である。
本実施形態では、本発明の検査装置を蒸気発生器における伝熱管(管)101と管板102との間の溶接部である伝熱管シール部(溶接部)103におけるブローホールなどの欠陥の有無を、渦電流探傷法を用いて検査する検査装置に適用して説明する。
検査装置1には、図1に示すように、筐体2と、回転用モータ3と、プローブ部4と、プローブスタビライザ(調芯部)5と、固定部6と、が主に設けられている。
回転用モータ3は筐体2の内部に配置され、筐体2の外部に配置されたプローブ部4とは、中心軸線まわりに回転可能とされた回転軸31を介して接続されている。
なお、回転用モータ3としては、公知のモータを用いることができ、特に限定するものではない。
プローブ部4は、伝熱管シール部103における欠陥の有無を検出するものである。
プローブ部4には、図2および図3に示すように、プローブ本体(本体)41と、センサ部(探触子)42と、ECTコイル43と、スプリング(押圧部)44と、が主に設けられている。
プローブ本体41には、図2に示すように、円柱部41Aと、鍔部41Bと、が主に設けられている。
プローブ本体41における円柱部41Aと鍔部41Bとの接続部分には、図2に示すように、センサ部42、ECTコイル43およびスプリング44が配置されている。
さらに、本実施形態では、プローブ本体41にセンサ部42、ECTコイル43およびスプリング44の組が3組配置されている。より具体的には、筐体2からプローブ本体41を見た図である図4に示すように、3組のセンサ部42、ECTコイル43およびスプリング44が、それぞれ約120°間隔で配置されている。
また、センサ部42とプローブ本体41との間には隙間が形成され、センサ部42が円筒の径方向、つまりセンサ部42の可動方向に対して垂直な方向に微小に移動可能とされている。
なお、ECTコイル43の形式としては、渦電流探傷法に適用されている公知の形式を用いることができ、特に限定するものではない。
なお、スプリング44としては公知のものを用いることができ、特に限定されるものではない。
プローブスタビライザ5には、軸部51と、接触部52と、ベアリング部53と、が主に設けられている。
軸部51における外周面には、一対のベアリング部53が配置されている。
接触部52における両端部の外周面には、円環状に形成されるとともに径方向外側に突出して形成された凸部52Aが設けられている。凸部52Aにおける径方向外側の端部において、接触部52は伝熱管101と接触する。
本実施形態では、一対のラジアルベアリングであるベアリング部53が中心軸線Lに沿う方向に間隔をあけて配置されている。
固定部6には、図1に示すように、固定軸61と、固定用スタビライザ(保持部)62とが主に設けられている。
固定用スタビライザ62は、固定軸61の先端に配置され、プローブ本体41と伝熱管101との間の芯ずれを防止または抑制するものである。固定用スタビライザ62の具体的な構成は、プローブスタビライザ5の構成と同様であるため、その説明を省略する。
伝熱管シール部103における欠陥の有無を検査する場合には、図1および図2に示すように、検査装置1のプローブ部4およびプローブスタビライザ5を同じ伝熱管101に挿入するとともに、2つの固定部6をそれぞれ対応する伝熱管101に挿入する。
その一方で、プローブスタビライザ5および固定部6の固定用スタビライザ62は伝熱管101の内周面と接触する。具体的にはプローブスタビライザ5および固定用スタビライザ62における接触部52の凸部52Aが伝熱管101の内周面と接触する。このとき、接触部52が弾性変形することにより、凸部52Aが伝熱管101の内周面に押し当てられる。
なお、本実施形態で用いられる渦電流探傷法としては、公知の方法を用いることができ、特に限定するものではない。
これらの切り替えは、欠陥の有無の検査が可能なタイミングであれば、どのようなタイミングであってもよく、特に限定するものではない。
図5は、プローブ部が一の回転方向に回転駆動されたときの検査結果について説明する模式図である。図6は、プローブ部が他の回転方向に回転駆動された時の検査結果について説明する模式図である。
プローブ部4が一の回転方向に回転駆動されると、図5(a)に示すように、ECTコイル43も一の回転方向(図5の右方向)に移動する。その結果、得られた検査結果が図5(b)に示す信号値の変化である。つまり、欠陥Dが存在する角度において信号値が変化する。
つまり、伝熱管シール部103に欠陥Dが存在する場合には、プローブ部4を一の回転方向および他の回転方向に回転駆動しても、ほぼ同様の検査結果が得られる。
図7は、プローブ部が一の回転方向に回転駆動されたときの検査結果について説明する模式図である。図8は、プローブ部が他の回転方向に回転駆動された時の検査結果について説明する模式図である。
ここで凸部52Aは、プローブ部4が一の回転方向に移動する場合には、勾配が大きな斜面を有し、他の回転方向に移動する場合には、勾配が小さな斜面を有するものである。
プローブ部4が一の回転方向に回転駆動されると、図7(a)に示すように、ECTコイル43も一の回転方向(図7の右方向)に移動する。その結果、得られた検査結果が図7(b)に示す信号値の変化である。つまり、ECTコイル43が凸部52Aに到達した時点で信号値が急激に上昇し、その後なだらかに信号値が低下する。
つまり、伝熱管シール部103に欠陥Dが存在せず、凸部NDのみが存在する場合には、プローブ部4を一の回転方向に回転駆動して得られる検査結果と、他の回転方向に回転駆動して得られる検査結果と、は大幅に異なる。
図9は、外側コイルにより検出された信号値の振幅を示すグラフであり、(a)は実部の振幅を示し、(b)は虚部の振幅を示すものである。図10は、中間コイルにより検出された信号値の振幅を示すグラフであり、(a)は実部の振幅を示し、(b)は虚部の振幅を示すものである。図11は、内側コイルにより検出された信号値の振幅を示すグラフであり、(a)は実部の振幅を示し、(b)は虚部の振幅を示すものである。
その一方、縦軸は上述のように、検出された信号における実部または虚部の振幅を示し、縦軸の中央において振幅が0になっている。
このようにすることで、伝熱管シール部103における欠陥の存在位置を容易に把握することができる。
このようにすることで、伝熱管シール部103における欠陥の存在位置を更に容易に把握することができる。
なお、伝熱管101に対するプローブ本体41の回転方向は、両方向に回転可能であってもよいし、一の回転方向および他の回転方向のいずれか一方向のみであってもよく、特に限定するものではない。
さらに、渦電流探傷法による欠陥の有無の検査結果に影響を与える金属製のスプリング44がセンサ部42のECTコイル43から離して配置されているため、伝熱管シール部103における欠陥の有無を正確に検査することができる。
複数のセンサ部42がオーバーラップするように配置された場合には、1つの欠陥を少なくとも2つのセンサ部42で検出することができ、センサ部42による検出結果から外乱ノイズを除くことができる。つまり、外乱ノイズは複数のセンサ部42によって同じ位置に発生する確率が低く、多くの場合には、1つのセンサ部42の検出結果に表れる。その一方で、欠陥は複数のセンサ部42によって同じ位置に検出される。そのため、センサ部42による検出結果から外乱ノイズを容易に除くことができる。
さらに、プローブスタビライザ5およびプローブ本体41のみが伝熱管101に挿入される場合と比較して、固定用スタビライザ62が他の伝熱管101に挿入されるため、検査装置1はプローブスタビライザ5および固定用スタビライザ62により伝熱管101および管板102に固定される。そのため、プローブ本体41を伝熱管101に対して回転させても、その反動で検査装置1の姿勢が変化したり、移動したりすることがない。つまり、プローブ本体41およびセンサ部42を回転させても、プローブ本体41における芯ずれの発生を抑制することができる。
例えば、上記の実施の形態においては、この発明をSGの伝熱管シール部の欠陥検査に用いられる検査装置に適用して説明したが、この発明は非磁性の金属材料における欠陥検査を行う検査装置に適用できるものであり、特に限定するものではない。
5 プローブスタビライザ(調芯部)
41 プローブ本体(本体)
42 センサ部(探触子)
44 スプリング(押圧部)
62 固定用スタビライザ(保持部)
101 伝熱管(管)
102 管板
103 伝熱管シール部(溶接部)
Claims (7)
- 渦電流探傷法を用いて管と管板との溶接部における欠陥の有無を検査する検査装置であって、
前記管に挿入される円柱部および前記管板に押し当てられる鍔部を有し、前記溶接部に対して回転可能とされた本体と、
前記本体の内部に配置されるとともに、前記溶接部に対して接近離間可能とされ、前記溶接部における欠陥を検出する探触子と、
前記探触子を前記溶接部に向かって押圧する押圧部と、が設けられ、
前記本体には複数の前記探触子が設けられ、
複数の前記探触子のそれぞれは、前記溶接部における異なる半径位置に押しあてられる
ことを特徴とする検査装置。 - 前記押圧部は弾性部材であって、
前記押圧部は、前記探触子から所定距離以上に離れて配置されていることを特徴とする請求項1に記載の検査装置。 - 前記本体には複数の前記探触子が設けられ、
複数の前記探触子は、前記本体の周方向に等間隔に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の検査装置。 - 複数の前記探触子は、逐次的に前記溶接部の欠陥の有無を検査することを特徴とする請求項1または請求項3に記載の検査装置。
- 前記探触子における前記溶接部と当接する面は、前記探触子が当接される前記溶接部の形状に合わせて形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の検査装置。
- 前記円柱部の先端には、前記管の内周面に回転可能に接触し、前記本体の中心を前記管の中心に合わせる調芯部が設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の検査装置。
- 前記円柱部が挿入された前記管以外の他の管に挿入され、該他の管の内周面に接触する保持部が設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の検査装置。
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