JP5403972B2 - 寸法測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被測定物の寸法を測定する寸法測定装置に関し、特に、白色干渉を利用して被測定物の表面高さを測定する寸法測定装置に関する。
従来より、被測定物の表面高さを非接触で精密に測定する方法として、白色干渉の原理を用いた方法が提案されている。そのような方法では、白色光源から出射された光を、被測定物へ向かう測定光束と、参照鏡へ向かう参照光束とに分割し、それらの光束を、それぞれ被測定物の表面または参照鏡で反射させた後、再度一つに合わせて検出する。その際、測定光束の光路長と参照光束の光路長が等しいとき、白色干渉縞の振幅が最大となる。そこで、この方法は、参照鏡を移動して白色干渉縞の振幅が最大となるときの参照鏡の位置を測定して、参照光束の光路長を調べることにより、被測定物の表面高さを測定することができる。
ここで、測定対象となる寸法の測定範囲が広い場合(すなわち、被測定物の表面高さの変化幅が広い場合)、測定範囲内の何れかの位置において測定光束が焦点を結ぶように光学系を調整しても、測定光束が焦点を結ぶ位置から大きく外れたところに被測定物の表面が位置すると、その表面における測定光束のスポットサイズがボケて大きくなる。また、そのスポット内で反射または散乱された光が白色干渉縞の生成に寄与するので、係る測定方法は、スポットサイズが大きくなると、微細な構造に対する表面高さを測定できなくなってしまう。そこで、被測定物の表面上に測定光束が焦点を結ぶように、レーザ光を被測定物に照射し、その戻り光を観測してオートフォーカスすることにより、測定光束中に配置された対物レンズを光軸方向に移動させて測定光束の焦点位置を調節する寸法測定方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2000−146532号公報
特許文献1に記載されたような方法では、対物レンズを移動させるために、機械的な移動機構やピエゾ素子のような電圧印加によって長さが変更される素子が使用される。しかしながら、このような方法では、焦点位置の調節に要する時間が、その機械的な機構またはピエゾ素子の応答速度に依存するため、測定に要する時間を短縮することは困難であった。特に、測定対象となる寸法の範囲が広く、それに伴って測定光束の焦点位置の調整範囲が広い場合、対物レンズの移動距離が長くなるので、測定光束の焦点位置の調整に要する時間が長くなる。また、ピエゾ素子を駆動するために印加される電圧により発生する熱や、機械的な機構の動作に伴う振動がノイズの発生要因となり、測定精度を低下させるおそれがあった。
上記の問題点に鑑み、本発明の目的は、白色干渉を用いた被測定物の表面高さの測定において、短時間で測定光束の焦点位置を調節可能な寸法測定装置を提供することにある。
本発明の一つの実施態様によれば、被測定物の表面高さを測定する寸法測定装置が提供される。係る寸法測定装置は、白色光源と、白色光源から放射された光を、被測定物の表面高さに応じた光路長を有する測定光束と参照光束とに分割する光線分割素子と、光線分割素子から出射された参照光束の光路長を変化させる参照光走査光学系と、測定光束内に配置され、測定光束の光軸方向の機械的な移動を伴わずに焦点距離を変更可能な焦点可変レンズと、測定光束の光路長と参照光束の光路長が略等しい場合に生じる干渉信号を検出し、その干渉信号に対応する信号を出力する検出器と、参照光束の光路長と測定光束の光路長が等しいときに測定光束が反射される位置において測定光束が焦点を結ぶように、焦点可変レンズの焦点距離を調節し、かつ干渉信号の最大値に対応する参照光束の光路長を求めることにより、被測定物の表面高さを求めるコントローラとを有する。
また本発明に係る寸法測定装置において、焦点可変レンズは液体レンズであることが好ましい。
また本発明に係る寸法測定装置において、参照光走査光学系は、回転部材と、回転部材を所定の回転速度で回転させる駆動部と、回転部材の回転軸に対して互いに中心点対称になるように回転部材に配置された第1の反射素子及び第2の反射素子と、第1及び第2の反射素子の何れか一方の反射素子に、参照光束が入射した場合に、その一方の反射素子で反射された参照光束が、第1及び第2の反射素子の他方の反射素子に対して、一方の反射素子に対する参照光束の入射方向と平行かつ逆向きに入射するように、参照光束を導く光線方向変更部材とを有し、回転部材を回転させることにより、参照光束の光路長を変化させることが好ましい。この場合において、コントローラは、第1または第2の反射素子の何れかが所定の位置に達したことを検知し、第1または第2の反射素子の何れかが所定の位置に達したことが検知されてからの経過時間に回転部材の回転速度を乗じて検知された反射素子の位置を特定することにより、参照光束の光路長を測定し、その測定された参照光束の光路長に応じて焦点可変レンズの焦点距離を調節することが好ましい。あるいは本発明に係る寸法測定装置は、回転部材の回転位置を検出するロータリーエンコーダなどの回転位置検出器を有し、コントローラは、その回転位置検出器により検出された回転部材の回転位置から第1または第2の反射素子の位置を特定することにより、参照光束の光路長を測定し、その測定された参照光束の光路長に応じて焦点可変レンズの焦点距離を調節することが好ましい。
さらに本発明に係る寸法測定装置は、測定光束外に配置され、焦点可変レンズへ斜入射するように基準光を照射する第2の光源と、測定光束外に配置され、焦点可変レンズを透過した基準光を受光し、その基準光の受光位置に応じた信号を出力する第2の検出器とを有し、コントローラは、基準光の受光位置と焦点可変レンズの焦点距離の関係を示す参照テーブルを参照することにより、焦点可変レンズの焦点距離を測定し、測定された焦点距離と、設定しようとする焦点可変レンズの焦点距離のずれ量が小さくなるように、焦点可変レンズの焦点距離を調節することが好ましい。
また本発明の他の実施態様によれば、被測定物の表面高さを測定する寸法測定方法が提供される。係る寸法測定方法は、白色光源から放射された光を、光線分割素子により被測定物の表面高さに応じた光路長を有する測定光束と参照光束とに分割するステップと、光線分割素子から出射された参照光束の光路長を変化させるステップと、参照光束の光路長を測定するステップと、測定された参照光束の光路長と測定光束の光路長が等しいときに測定光束が反射される位置において測定光束が焦点を結ぶように、測定光束内に配置され、測定光束の光軸方向の機械的な移動を伴わずに焦点距離を変更可能な焦点可変レンズの焦点距離を調節するステップと、測定光束の光路長と参照光束の光路長が略等しい場合に生じる干渉信号を検出し、その干渉信号に対応する信号を出力するステップと、干渉信号の最大値に対応する参照光束の光路長を求めることにより、被測定物の表面高さを求めるステップとを有する。
本発明によれば、白色干渉を用いた被測定物の表面高さの測定において、短時間で測定光の焦点位置を調節可能な寸法測定装置を提供することが可能となった。
以下、本発明を金型などの被測定物の表面高さを測定する寸法測定装置に適用した実施の形態を、図を参照しつつ説明する。
本発明を適用した寸法測定装置は、白色光源から放射された光を、光カプラによって被測定物に向かう測定光束と参照光束とに分割する。測定光束は、被測定物の表面で反射または散乱された後、再度光カプラで参照光束と一つに合わさって、検出器で検出される。そして寸法測定装置は、それら二つの光束間で生じた白色干渉縞の振幅が最大となるときの参照光束の光路長を測定して、被測定物の表面高さを測定する。この測定装置は、測定光束の光路内に配置された、焦点距離可変なレンズの焦点距離を、参照光束の光路長に応じて変化させることにより、白色干渉縞が観測されるときに測定光束の焦点を被測定物の表面上に結ばせるものである。
図1は、本発明を適用した寸法測定装置1の概略構成を示す図である。寸法測定装置1は、白色光源2、光カプラ3、測定物走査光学系4、参照光走査光学系5、検出器6、コントローラ7及び光ファイバ8〜11を有する。
そして、寸法測定装置1では、白色光源2から放射された白色光は、光ファイバ8を通って光カプラ3に伝送される。そしてその白色光は、光カプラ3により、被測定物12へ向かう測定光束と、参照光走査光学系5へ向かう参照光束に分割される。測定光束は、光ファイバ9を通った後、測定物走査光学系4により、被測定物12の表面の測定点へ結像される。そして、被測定物12の表面の測定点で反射または散乱された測定光束は、再度測定物走査光学系4及び光ファイバ9を通って光カプラ3に入射する。一方、参照光束は、光ファイバ10を通った後、所定の範囲で調整可能な光路長を有する参照光走査光学系5に入射する。そして参照光束は、参照光走査光学系5を経由した後、再度光ファイバ10を通って光カプラ3に入射する。そして、測定光束と参照光束は、光カプラ3で一つに合わさった後、光ファイバ11を通って検出器6へ入射する。検出器6は、測定光束の光路長と参照光束の光路長がほぼ等しい時に生じる白色干渉縞を検出し、白色干渉縞を電気信号に変換してコントローラ7へ送る。コントローラ7は、白色干渉縞の振幅が最大となるときの参照光束の光路長を求める。そしてコントローラ7は、その光路長と予め高さの分かっている基準品の基準面に対する参照光束の光路長との差を計算して、被測定物12の表面の測定点の高さを求める。
以下、寸法測定装置1の各部について、詳細に説明する。
白色光源2は、コヒーレンス長が短く、広帯域な波長の光を放射可能な光源である。白色光源2として、例えば、レーザダイオード、LED、SLD(スーパールミネッセントダイオード)、SOA(Semiconductor Optical Amplifier)光源、ASE(Amplified Spontaneous Emission)光源などを用いることができる。また、白色光源2から出射される光の中心波長は、例えば750nm、1300nm、1550nmなどに設定することができる。本実施形態では、白色光源2として、中心波長1550nmのレーザダイオードを用いた。
光カプラ3は、光ファイバ8を経由して入射した白色光を、光ファイバ9へ出射する測定光束と光ファイバ10へ出射する参照光束に分割する。一方、光ファイバ9を経由して入射した測定光束と、光ファイバ10を経由して入射した参照光束を一つに合わせて、光ファイバ11へ出射する。光カプラ3として、例えば、そのような機能を有する公知の様々な光カプラを用いることができる。
図2に、測定物走査光学系4の概略構成図を示す。図2に示すように、測定物走査光学系4は、焦点可変レンズ41と、レンズドライバ42と、集光レンズ43と、走査鏡44と、アクチュエータ45とを有する。そして測定物走査光学系4は、光ファイバ9から出射された測定光束を、被測定物12の表面上の任意の測定点に結像させる。そして測定物走査光学系4は、その測定点で反射または散乱された測定光束を集光し、再度光ファイバ9へ入射させる。
以下、測定物走査光学系4の各部について説明する。
焦点可変レンズ41は、測定光束の光軸に沿って移動する部品を持たずにその焦点距離を変更可能なレンズであり、光ファイバ9から出射した測定光束の光路上に配置される。そして焦点可変レンズ41は、その焦点距離に応じて測定光束が焦点を結ぶ位置を変化させる。
焦点可変レンズ41として、例えば、屈折率が異なり、互いに混じり合うことのない2種類の液体(例えばオイルと水溶液)を封入した液体レンズを用いることができる。このような液体レンズは、その光軸に直交する方向に各液体の層が形成されており、液体層間の界面が屈折面として機能する。したがって、このような液体レンズでは、各液体の屈折率及びその界面の曲率半径に応じた屈折力が得られる。そして、この液体レンズでは、液体レンズの外周から電圧を印加することにより、印加電圧に応じて界面の曲率半径が変化し、その界面における屈折力が変化する。そこで、印加電圧を調整することによって、液体レンズの焦点距離を調整することができる。
このような液体レンズは、測定光束の光軸に沿ってレンズ全体またはその一部を移動させることなく、焦点距離を調整することができる。そのため、液体レンズの焦点距離を、高速に所望の値に調整することができる。なお、焦点可変レンズ41として、液晶を媒体として用いたレンズのように、レンズ全体またはレンズの一部の構成部品を機械的に移動させることなく、焦点距離を変更可能なレンズを用いてもよい。
レンズドライバ42は、焦点可変レンズ41の焦点距離を調節するためのドライバであり、電源回路から供給された交流電圧または直流電圧を、所定の電圧範囲内に含まれる所望の直流電圧に変換する回路などを有する。また、レンズドライバ42は、コントローラ7と信号線を介して接続され、コントローラ7から受信した焦点距離調整信号にしたがって決定した電圧を焦点可変レンズ41に印加する。
集光レンズ43は、焦点可変レンズ41と走査鏡44との間に配置され、焦点可変レンズ41と協働して測定光束を被測定物12の表面又はその近傍に結像させる。そのため、測定光束が被測定物12上に結ぶスポットの面積が小さくなるので、寸法測定装置1の解像度を高めることができる。また、集光レンズ43は、そのスポットで反射または散乱された測定光束を、走査鏡44を介して集光し、焦点可変レンズ41を経て光ファイバ9へ入射させる。
走査鏡44は、集光レンズ43を透過した測定光束を被測定物の表面の任意の測定点へ向けて反射するように配置される。また、走査鏡44は、被測定物12の表面と略平行な面、及びその面に略直交し、集光レンズ43から出射される測定光束の光軸に平行な面のそれぞれに沿って回転可能に保持され、走査鏡44の反射面の向きが調節可能となっている。そして走査鏡44の反射面の向きを調節することにより、測定光束は被測定物12の表面を2次元的に走査することができる。
アクチュエータ45は、コントローラ7から受信した制御信号に応じて走査鏡44の反射面の向きを調節する。
図3に、参照光走査光学系5の概略構成図を示す。図3に示すように、参照光走査光学系5は、回転テーブル51と、回転テーブル51上に配置された4個のコーナーキューブプリズム53〜56と、回転テーブルの周囲に配置された固定鏡57〜66と、アクチュエータ67を有する。そして参照光走査光学系5は、光ファイバ10から出射された参照光束が所定の光路を通った後、再度光ファイバ10に入射するように構成される。そして参照光走査光学系5は、その光路の光路長を変化させて、測定光束の光路長と参照光束の光路長との光路長差を調節する。
回転テーブル51は、回転軸52を軸として回転可能となっている。そして、回転テーブル51は、アクチュエータ67により駆動されて、測定動作中、一定の回転速度で回転する。例えば、回転テーブル51は、測定動作中、6000rpmで回転する。
4個のコーナーキューブプリズム53〜56は、それぞれ、回転軸52から等距離かつ互いに等間隔になるように、回転テーブル51の上に配置される。具体的には、コーナーキューブプリズム53と55は、回転軸52を中心として、中心点対称となるように配置される。同様に、コーナーキューブプリズム54と56も、回転軸52を中心として、中心点対称となるように配置される。そして、互いに隣接するコーナーキューブプリズムの入射面に平行な面同士がなす角は直角となっている。さらに、各コーナーキューブプリズムの入射面は、回転テーブル51の右側に位置する場合に、光ファイバ10の端面と対向し、その端面から出射した参照光束がコーナーキューブプリズムに入射するように配置される。
また、固定鏡57〜66は、回転テーブル51を囲むように配置されている。各固定鏡57〜66は、コーナーキューブプリズムから出射された参照光束の向きを変える光線方向変更部材として機能する。そして、光ファイバ10から出射した参照光束が何れかのコーナーキューブプリズムに入射する場合、各固定鏡57〜66は、コーナーキューブプリズムから出射された参照光束の向きを変え、隣接するコーナーキューブプリズムに入射させる。そのため、参照光束は、各固定鏡57〜66と各コーナーキューブプリズム53〜56を経由して、再度光ファイバ10に入射する。その際、参照光束は、回転軸52について中心点対称に配置された二つのコーナーキューブプリズムに対して、互いに平行かつ逆向きに入射する。そのため、回転テーブル51の回転軸52の位置がずれると、その二つのコーナーキューブプリズムの一方とそれに対向して配置された固定鏡までの距離は、そのずれ量に応じて長くなる。しかし、他方のコーナーキューブプリズムとそれに対向して配置された固定鏡までの距離は、逆にそのずれ量に応じて短くなる。したがって、回転軸52の位置がずれても、参照光束の光路長そのものは変化しない。
一例として、図3に示すように、コーナーキューブプリズム53が光ファイバ10の端面に対向して位置し、光ファイバ10から出射した参照光束がそのコーナーキューブプリズム53に入射する場合について、参照光束の伝播経路を説明する。
参照光束は、光ファイバ10から出射された後、コーナーキューブプリズム53に入射する。そして参照光束は、コーナーキューブプリズム53で、入射方向と平行かつ反対方向へ向けて反射される。その後、参照光束は、固定鏡57で、入射方向に対して直角となるように反射され、固定鏡58へ向かう。その後、固定鏡58及び59において、参照光束は、入射方向に対して直角となるように順次反射され、進行方向が180度回転してコーナーキューブプリズム54へ向かう。参照光束は、コーナーキューブプリズム54に入射すると、その入射方向と平行かつ反対方向へ向けて反射され、固定鏡60へ向かう。そして参照光束は、固定鏡60〜62でそれぞれ直角に反射され、進行方向が反時計回りに270度回転する。その後、参照光束はコーナーキューブプリズム55へ向かう。参照光束は、コーナーキューブプリズム55で入射方向と逆向きに反射され、固定鏡63へ向かう。そして参照光束は、固定鏡63〜65でそれぞれ直角に反射され、進行方向が反時計回りに270度回転する。その後、参照光束はコーナーキューブプリズム56へ向かう。参照光束は、コーナーキューブプリズム56で入射方向と逆向きに反射され、固定鏡66へ向かう。参照光束は固定鏡66に対して垂直に入射するので、固定鏡66で反射された後、それまで通ってきた経路を逆向きに進行する。そして参照光束は、再度コーナーキューブプリズム53〜56及び固定鏡57〜65を経由した後、参照光走査光学系5から出射され、光ファイバ10へ入射する。
ここで、例えば、回転軸52の位置が光ファイバ10に近づく方向に距離aだけずれたと仮定する。この場合、光ファイバ10の端面からコーナーキューブプリズム53を経由して固定鏡57に至る光路の光路長は2a短くなる。しかし、上記のように、コーナーキューブプリズム55は、回転軸52に対してコーナーキューブプリズム53と中心点対称に配置されている。また、参照光束がコーナーキューブプリズム53へ入射する方向と、コーナーキューブプリズム55へ入射する方向は、平行かつ逆向きとなっている。そのため、固定鏡62からコーナーキューブプリズム55を経由して固定鏡63に至る光路の光路長は、逆に2a長くなる。したがって、回転軸52の位置がずれても、コーナーキューブプリズム53及び55と、それらに対向して配置された固定鏡との間で光路長のずれが互いに相殺されることが分かる。
また、回転軸52の位置が、光ファイバ10から出射する参照光束の進行方向に対して直角をなし、かつ光ファイバ10へ近づく方向へ距離bだけずれたと仮定する。この場合、固定鏡59からコーナーキューブプリズム54を経由して固定鏡60に至る光路の光路長は2b長くなる。しかし、上記のように、コーナーキューブプリズム56は、回転軸52に対してコーナーキューブプリズム54と中心点対称に配置されている。また、参照光がコーナーキューブプリズム54へ入射する方向と、コーナーキューブプリズム56へ入射する方向は、平行かつ逆向きとなっている。そのため、固定鏡65からコーナーキューブプリズム56を経由して固定鏡66に至る光路の光路長は、逆に2b短くなる。したがって、この場合も、回転軸52の位置がずれても、コーナーキューブプリズム54及び56と、それらに対向して配置された固定鏡との間で光路長のずれが互いに相殺されることが分かる。
上記のように、光ファイバ10から出射される参照光束の進行方向に対して平行な方向または垂直な方向の何れに沿って回転軸52の位置がずれても、回転軸52に対して中心点対称に配置された二つのコーナーキューブプリズムとそれらに対向して配置された固定鏡との間で光路長のずれが互いに相殺されるので、参照光束の光路の全体の長さは変化しないことが分かる。
一方、回転テーブル51の回転により、光ファイバ10の端面に対向する位置にあるコーナーキューブプリズムとその端面間の距離が変化すると、他のコーナーキューブプリズムとそれらに対向して配置された固定鏡間の距離も同じだけ変化する。例えば、図3において、回転テーブル51の回転により、コーナーキューブプリズム53と光ファイバ10の端面との距離がcだけ長くなると仮定する。この場合、各コーナーキューブプリズムとそれらに対向して配置された固定鏡(例えば、コーナーキューブプリズム54と固定鏡59、60)間の距離もcだけ長くなるので、参照光束の光路長は全体として8c長くなる。このように、回転テーブル51を回転させることにより、参照光束の光路長をコーナーキューブプリズムの移動距離の8倍と大きく変化させることができる。
アクチュエータ67は、コントローラ7からの制御信号に応じて、回転テーブル51を動作させる。そのため、アクチュエータ67として、公知の様々なモータを使用することができる。ただし、測定動作中、回転テーブル51は一定速度(例えば、6000rpm)で回転することが好ましい。また、用途に応じて回転テーブル51の回転速度を変化させられることが好ましい。そこでアクチュエータ67として、複数の設定回転速度において、速度変動率の小さい(例えば、速度変動率0.01%以下)モータを用いることが好ましい。また、回転テーブル51の回転位置を検出するために、ロータリーエンコーダのような回転位置検出器を用いることもできる。
検出器6は、検出した光量を電気信号として出力するものである。検出器6として、例えば、フォトダイオード、CCDまたはC−MOSなどの半導体検出素子を使用することができる。本実施形態では、検出器6として、CCD素子を2次元アレイ状に並べたものを用いた。また、検出器6は、所定の時間間隔でサンプリングして、各サンプリング時点における検出光量を電気信号に変換する。さらに、検出器6は、コントローラ7と電気的に接続され、その電気信号を逐次コントローラ7へ送信する。
ここで、参照光束と測定光束との間で白色干渉が生じる場合、コーナーキューブプリズムの移動に応じてそれらの光束の光路差が変化するので、その光路差による光量の変化にしたがって対応する電気信号も変動する。また、コーナーキューブプリズムの位置は、回転テーブルの回転に伴って変化するので、その位置は時間的に変化する。したがって、その白色干渉縞は、検出器6から出力される電気信号の時間的な変化において観測される。
光ファイバ8〜11は、それぞれ、光カップラ3と、白色光源2、測定物走査光学系4、参照光走査光学系5及び検出器6の間に配置され、各機器間で光束を伝送する。光ファイバ8〜11として、公知の様々な光ファイバを使用することができる。しかし、光ファイバ8〜11は、白色光源2から放射される光の波長に対して伝送損失が極力小さいことが好ましい。
コントローラ7は、いわゆるPCで構成され、CPUなどの演算装置と、ROM、RAMなどの半導体メモリ、若しくは磁気ディスク、光ディスク及びそれらの読取装置等からなる記憶装置と、RS232C、イーサネット(登録商標)などの通信規格にしたがって構成された電子回路及びデバイスドライバなどのソフトウェアからなる通信装置と、記憶装置に格納され、CPU上で実行されるコンピュータプログラムとを有する。
そしてコントローラ7は、検出器6により検出された光量から参照光束の光路長を測定することにより、被測定物12の表面上の測定点の高さを求める。またコントローラ7は、寸法測定装置1の各部と電気的に接続されており、それらを制御する。特にコントローラ7は、参照光束の光路長を測定し、参照光束の光路長と測定光束の光路長が等しいときに、測定光束が反射される位置において測定光束が焦点を結ぶように、焦点可変レンズ41の焦点距離を調節する。
ここで、コントローラ7は参照光束の光路長を測定するために、検出器6から白色干渉縞の信号を取得した時のコーナーキューブプリズムの位置を求める。参照光走査光学系5の回転テーブル51が回転していると、コーナーキューブプリズムの位置によっては、参照光束が検出器6に到達しない。逆に言えば、光ファイバ10から出射された参照光束が、何れかのコーナーキューブプリズムの入射面へ入射する場合にのみ、参照光束が検出器6に到達する。そして、検出器6において、参照光束を受光したときの光量は、参照光束を受光しないときの光量に比べて非常に大きくなる。したがって、検出器6からコントローラ7へ送信される光量に応じた電気信号も、参照光束を受光している期間中、参照光束を受光していないときの信号と比較して大きくなる。そこで、コントローラ7は、検出器6から受信した、光量に対応する電気信号の時間的な変化を調べることにより、コーナーキューブプリズムの位置を推定して、参照光束の光路長を求める。
そこで先ず、何れかのコーナーキューブプリズムの入射面に参照光束が入射可能な場合における、コーナーキューブプリズムの最も光ファイバ10に近い位置p1を予め測定し、コントローラ7の記憶装置に記憶しておく。
一方、測定動作中、例えば、図3において回転テーブル51が時計回りに一定速度で回転しているとする。この場合において、コントローラ7は、例えば、時間当たりの電気信号の変化量が所定の閾値を超えて大きくなった時刻t1を検出する。なお、白色干渉による信号変化を検出しないように、時刻t1以前の一定期間における電気信号の平均値が所定値よりも低いことを、時刻t1の検出条件に加えてもよい。
コントローラ7は、時刻t1のとき、何れかのコーナーキューブプリズムが位置p1にあると推定する。時刻t1以後の任意の時刻tにおけるコーナーキューブプリズムの位置は、以下のように求められる。時刻tと時刻t1の時間差に、回転テーブル51の回転速度を乗じて、時刻t1から時刻tまでにコーナーキューブプリズムが回転した角度βを求める。そしてコントローラ7は、位置p1から時計回りに角βだけ回転した位置を、時刻tにおけるコーナーキューブプリズムの位置とする。そしてコーナーキューブプリズムの位置が求められると、参照光走査光学系の各固定鏡と各コーナーキューブプリズム間の距離が求まるので、コントローラ7はコーナーキューブプリズムの位置に基づいて参照光束の光路長を求めることができる。また、回転位置検出器により回転テーブル51の回転位置を検出できる場合、コントローラ7は、その回転位置と回転テーブル上の各コーナーキューブプリズムの位置関係から各コーナーキューブプリズムの位置を特定することにより、参照光束の光路長を求めてもよい。
コントローラ7は、求めた参照光束の光路長の変化に追従して測定光束の焦点位置が変化するように、その光路長に応じた焦点距離調整信号をレンズドライバ42へ逐次送信する。
ここで、参照光束の光路長に対応する焦点可変レンズ41の焦点距離は、以下のように決定される。まず、焦点可変レンズ41の焦点距離を様々に変化させ、各焦点距離に対応する測定光束の焦点位置、及び測定光束がその焦点位置で反射されたときの測定光束の光路長を予め測定する。またこのときの測定光束の光路長と参照光束の光路長が等しいものとして、その測定結果に基づいて、焦点可変レンズ41の焦点距離と対応する参照光束の光路長の関係を表した焦点距離−参照光路長対応テーブルを作成する。そして焦点距離−参照光路長対応テーブルを、コントローラ7の記憶装置に予め記憶しておく。コントローラ7は、求めた参照光束の光路長と焦点距離−参照光路長対応テーブルを参照することにより、焦点可変レンズ41の焦点距離を決定することができる。
なお、コントローラ7は、焦点可変レンズ41の焦点距離を、寸法測定装置1の光学系に対する近軸光学的な計算またはシミュレーション結果にしたがって決定してもよい。
さらに、コントローラ7は、参照光束と測定光束の光路差に応じて生じる白色干渉縞から、被測定物の表面高さを求める。
白色光源2から放射される光は、コヒーレンス長が短いため、測定光束と参照光束の光路差がほぼ等しい場合にのみ、検出器6で白色干渉縞を観測することができる。そして、両光束の光路長が一致するとき、その白色干渉縞の振幅が最大となる。そこでコントローラ7は、予め表面高さの分かっている基準品の基準面と、被測定物12の測定点について、それぞれ白色干渉縞の振幅が最大となるときのコーナーキューブプリズムの位置を求める。コントローラ7は、その位置の差に相当する光路差を求め、その光路差を基準面の表面高さに加えることにより、被測定物の測定点の表面高さを決定する。
なお、白色干渉縞の振幅が最大となる時刻を正確に求めるために、コントローラ7は、例えば、検出器6から受信した電気信号に対し、白色干渉縞の周期に相当する高周波成分を除去するようなローパスフィルタリング処理を行って、その電気信号の包絡線を求める。そしてコントローラ7は、その包絡線の振幅が最大となるときの時刻を、白色干渉縞の振幅が最大となる時刻とする。
図4に、被測定物12の表面高さを測定する際の寸法測定装置1の動作フローチャートを示す。なお、寸法測定装置1の動作は、コントローラ7によって制御される。
事前準備として、上記の基準品を寸法測定装置1に設置し、その基準面に測定光束を照射したときの白色干渉縞の振幅の最大値に対応するコーナーキューブプリズムの位置Prを求め、コントローラ7の記憶装置に記憶しておく。
測定動作を開始すると、コントローラ7は、参照光走査光学系5のアクチュエータ67を制御して、回転テーブル51を所定の速度で回転させる(ステップS101)。次に、測定物走査光学系4のアクチュエータ43を制御して、測定光束を被測定物12の任意の測定点にスポットを結ぶように走査鏡44の向きを調節する(ステップS102)。
その後、コントローラ7は、上記のように、受光光量の変化から回転テーブル51上のコーナーキューブプリズムの位置を求めて、参照光束の光路長を逐次測定する(ステップS103)。コントローラ7は、測定された参照光束の光路長の変化と同期させて焦点可変レンズ41の焦点距離を変化させるよう、焦点距離調整信号をレンズドライバ42へ送信する(ステップS104)。そして参照光束の光路長と測定光束の光路長が等しいときに測定光束が反射される位置において測定光束が焦点を結ぶように、焦点可変レンズ41の焦点距離が調節される。
次に、検出器6により、測定光束の光路長と参照光束の光路長の差に応じて生じる白色干渉縞を検出する(ステップS105)。なお、検出器6は、その白色干渉縞に相当する電気信号をコントローラ7へ送信する。
次に、コントローラ7は、検出器6から受信した電気信号と、コーナーキューブプリズムの位置との関係を決定する(ステップS106)。上述したように、コントローラ7は、例えば、その電気信号が急激に変化する時刻を検出し、その時刻と、検出器6で参照光束を受光できるコーナーキューブプリズムの限界位置とを関連付けることにより、電気信号と、コーナーキューブプリズムの位置との関係を決定することができる。そして、コントローラ7は、その電気信号の周期的な振動の振幅が最大となる時刻、すなわち、白色干渉縞の振幅が最大となる時刻tpを測定して、その時刻におけるコーナーキューブプリズムの位置Ppを求める(ステップS107)。その後、コントローラ7は、ステップS105で求めたコーナーキューブプリズムの位置Ppと、基準面に対して同様に求めたコーナーキューブプリズムの位置Prから、その位置の差に対応する参照光束の光路差を求める(ステップS108)。そしてコントローラ7は、その光路差を、基準面の表面高さに加えることにより、測定位置における被測定物12の表面高さを決定する(ステップS109)。
コントローラ7は上記のステップS101〜S109の処理を繰り返して、被測定物12の表面の各点における表面高さを測定することができる。
以上説明してきたように、本発明を適用した寸法測定装置は、測定動作中、参照光束の光路長を常に測定し、測定された参照光束の光路長に追従して測定光束が焦点を結ぶ位置を変化させる。そのため、係る寸法測定装置は、測定光束と参照光束との間で白色干渉縞が得られるときに、測定光束に被測定物の表面上に焦点を結ばせることができる。したがって、係る寸法測定装置は、その表面上の狭い範囲において反射または散乱された光を用いて表面高さを測定できるので、表面高さを、非常に高い解像度で測定することができる。さらに、係る寸法測定装置は、測定光束の焦点位置を調節するために、液体レンズのような、機械的な位置移動を伴わずに焦点距離を変化させることが可能な焦点可変レンズを使用する。そのため、係る寸法測定装置は、参照光束の光路長を高速に変化させても、測定光束の焦点位置をその変化に追従させることができるので、測定に要する時間を短縮することができる。さらに、機械的な移動を伴わずにその焦点距離を変化させることができる焦点可変レンズは、焦点距離の変化に伴う発熱量が少なく、また、焦点距離の調節に伴う振動も発生しない。そのため、測定動作中のノイズ発生を抑制できるので、係る寸法測定装置は高精度で被測定物の表面高さを測定することができる。
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、測定物走査光学系において、被測定物の表面高さの測定中に焦点可変レンズの焦点距離を測定し、コントローラ7は、その測定された焦点距離を用いて焦点可変レンズをフィードバック制御するようにしてもよい。
図5に、焦点可変レンズの焦点距離をフィードバック制御することが可能な測定物走査光学系の他の実施形態の概略構成図を示す。図5に示す測定物走査光学系40は、図2に示す測定物走査光学系4と比較して、焦点可変レンズ41を挟んで対向して配置される焦点距離確認用光源46及び位置検出器47を有する点で相違する。なお、図5において、測定物走査光学系40に含まれる構成要素のうち、図2に示す測定物走査光学系4と同一の機能及び構成を有するものには、測定物走査光学系4の対応する構成要素と同一の参照番号を付した。
以下、測定物走査光学系40のうち、測定物走査光学系4と相違する点について説明する。
焦点距離確認用光源46は、焦点可変レンズ41の焦点距離を測定するために使用される光源であり、例えば、レーザダイオードで構成される。また、焦点距離確認用光源46は、測定光束の外に配置され、焦点距離確認用光源46から照射される光線(以下、基準光線という)が焦点可変レンズ41に対して斜入射するように、その発光面が向けられる。
位置検出器47は、受光した光線の位置を検出可能な検出器であり、例えば、位置検出素子(PSD)、あるいは、複数個の受光素子が1次元または2次元状に配列された受光素子アレイとすることができる。また位置検出器47は焦点可変レンズ41を透過した基準光線を受光するように、焦点可変レンズ41を挟んで焦点距離確認用光源46の反対側に配置される。位置検出器47もまた、測定光束の外に配置される。
ここで、基準光線は、焦点可変レンズ41により屈折され、その屈折角は焦点可変レンズ41の焦点距離に応じて変化する。そこで、焦点可変レンズ41の焦点距離を様々に変化させ、各焦点距離に対応する、位置検出器47上での基準光線の受光位置を測定し、その各焦点距離と対応する受光位置の関係を表した焦点距離−受光位置対応テーブルを予め作成する。そして焦点距離−受光位置対応テーブルを、コントローラ7の記憶装置に予め記憶しておく。なお、焦点可変レンズ41の焦点距離の変化に応じて位置検出器47での受光位置もできるだけ大きく変化するように、基準光線が焦点可変レンズ41の主点から離れた位置に入射するように、焦点距離確認用光源46を配置することが好ましい。
また位置検出器47は、コントローラ7と電気的に接続され、被測定物12の表面高さを測定する際には、位置検出器47は受光位置を示す信号をコントローラ7へ逐次送信する。コントローラ7は、位置検出器47から受け取った受光位置に基づいて、焦点距離−受光位置対応テーブルを参照することにより、焦点可変レンズ41の実際の焦点距離を測定することができる。そこでコントローラ7は、位置検出器47から受け取った受光位置に基づいて、焦点可変レンズ41の実際の焦点距離が設定しようとする焦点距離とずれている場合、そのずれ量が小さくなるように、焦点可変レンズ41に印加する電圧を変化させるフィードバック制御を行うことができる。そのため、コントローラ7は、より正確に測定光束の焦点を被測定物の表面上に結ばせることができる。
また、参照光走査光学系において、コーナーキューブプリズムの代わりに、コーナーキューブミラーあるいは二つの反射面が直角に配置される反射素子、例えば直角プリズム若しくは直角ミラーを使用してもよい。
また、固定鏡57〜66の代わりに、導波路を光線方向変更部材として使用してもよい。そして導波路は、各コーナーキューブプリズムから出射された参照光束が隣接するコーナーキューブプリズムに対して入射するように、参照光束の向きを変更する。ただしこの場合も、導波路を、回転テーブルの回転軸について中心点対称に配置された二つのコーナーキューブプリズムへの参照光束の入射方向が、互いに平行であり、かつ逆向きになるように構成する。
さらに、コーナーキューブプリズムの位置と、検出器で検出した光量に対応する電気信号とを正確に対応付けるために、コーナーキューブが所定位置に到達したことを検知するための機構を、参照光走査光学系5に別途設けてもよい。例えば、回転テーブル51の所定位置において、回転テーブル51を回転軸に沿って貫通する孔を形成する。そして、回転テーブル51を挟んで、LEDなどの光源と、その光源に対向して受光センサを設置して、回転テーブル51に形成された孔が所定位置に達した時に、光源からの光がその孔を通って受光センサに到達するようにその光源及び受光センサを配置する。そして、受光センサが光源からの光を検知すると、コントローラ7へ検知信号を送信する。そしてコントローラ7は、受光センサからの検知信号を受信した時刻と、その時刻における光量に対応する電気信号とを対応付けることにより、コーナーキューブプリズムの位置とその電気信号とを対応付けることができる。
また、回転テーブル51の回転位置を検出するために、ロータリーエンコーダなどの回転位置検出器を回転テーブル51の回転軸52に取り付けた場合、コントローラ7は、その回転検出器により得られた回転テーブルの回転位置から求められたコーナーキューブプリズムの位置を、検出器で検出した光量に対応する電気信号と対応付けてもよい。
さらに、参照光走査光学系を、参照光束を反射する1枚の反射素子が参照光束の光軸に沿って単に前後に移動する系で構成してもよい。
図6に、このような構成を有する参照光走査光学系の他の実施形態の概略構成図を示す。図6に示す参照光走査光学系50では、光ファイバ10から出射された参照光束は、移動鏡71によって垂直反射され、再度光ファイバ10へ入射するように構成される。
この移動鏡71は、支持部材72に取り付けられる。そして、移動鏡71及び支持部材72は、移動範囲が狭いものの、移動鏡71の位置の微調整が可能なピエゾ微動ステージ75の上に設置される。また、移動鏡71及び支持部材72は、ピエゾ微動ステージ75とともに、移動範囲が相対的に大きく、移動鏡71の位置を大まかに決定する粗動ステージ76上に設置される。ピエゾ微動ステージ75及び粗動ステージ76は、それぞれピエゾコントローラ77及びステージコントローラ78と電気的に接続される。そして、ピエゾ微動ステージ75及び粗動ステージ76は、ピエゾコントローラ77及びステージコントローラ78からの駆動信号に基づいて、移動鏡71を参照光束の光軸に沿って移動させる。なお、ピエゾコントローラ77及びステージコントローラ78は、それぞれコントローラ7と電気的に接続され、コントローラ7からの制御信号に従って動作する。
また、支持部材72の背面には、コーナーキューブ73が取り付けられる。さらに、支持部材72よりも後方(すなわち、支持部材72を中心として、光ファイバ10の反対側)には、移動鏡71の位置計測用干渉計74が設置される。そして、位置計測用干渉計74は、コーナーキューブ73へ向けて照射され、コーナーキューブ73で反射されて位置計測用干渉計74に戻ってきたコヒーレント光と、参照光との間で観測される干渉縞の移動本数を計数することにより、移動鏡71の移動量を計測することができる。
コントローラ7は、位置計測用干渉計74により計測された移動鏡71の基準位置からの移動量に基づいて、参照光束の光路長を決定できる。
なお、参照光走査光学系50においても、コーナーキューブプリズム73の代わりに、コーナーキューブミラー、直角プリズムあるいは直角ミラーなどを使用してもよい。
以上のように、本発明の範囲内で、実施される形態に合わせて様々な変更を行うことができる。
本発明の一実施形態に係る寸法測定装置の概略構成図である。 測定物走査光学系の一例の概略構成図である。 参照光走査光学系の一例の概略構成図である。 被測定物の表面の任意の測定点における表面高さを測定する際の寸法測定装置の動作フローチャートである。 測定物走査光学系の他の一例の概略構成図である。 参照光走査光学系の他の一例の概略構成図である。
符号の説明
1 寸法測定装置
2 白色光源
3 光カプラ(光線分割素子)
4 測定物走査光学系
5 参照光走査光学系
6 検出器
7 コントローラ
8〜11 光ファイバ
12 被測定物
41 焦点可変レンズ
42 レンズドライバ
43 集光レンズ
44 走査鏡
45 アクチュエータ
46 焦点距離確認用光源
47 位置検出器
51 回転テーブル(回転部材)
52 回転軸
53〜56 コーナーキューブプリズム
57〜66 固定鏡(光線方向変更部材)
67 アクチュエータ

Claims (5)

  1. 被測定物の表面高さを測定する寸法測定装置であって、
    白色光源と、
    前記白色光源から放射された光を、前記被測定物の表面高さに応じた光路長を有する測定光束と参照光束とに分割する光線分割素子と、
    前記光線分割素子から出射された前記参照光束の光路長を変化させる参照光走査光学系と、
    前記測定光束内に配置され、前記測定光束の光軸方向の機械的な移動を伴わずに焦点距離を変更可能な焦点可変レンズと、
    前記測定光束の光路長と前記参照光束の光路長が略等しい場合に生じる干渉信号を検出し、該干渉信号に対応する信号を出力する検出器と、
    前記参照光束の光路長の変化に追従して、前記参照光束の光路長と前記測定光束の光路長が等しいときに前記測定光束が反射される位置において前記測定光束が焦点を結ぶように、前記焦点可変レンズの焦点距離を調節し、かつ前記干渉信号の最大値に対応する前記参照光束の光路長を求めることにより、前記被測定物の表面高さを求めるコントローラと、
    を有することを特徴とする寸法測定装置。
  2. 前記焦点可変レンズは液体レンズである、請求項1に記載の寸法測定装置。
  3. 前記参照光走査光学系は、
    回転部材と、
    前記回転部材を所定の回転速度で回転させる駆動部と、
    前記回転部材の回転軸に対して互いに中心点対称になるように前記回転部材に配置された第1の反射素子及び第2の反射素子と、
    前記第1及び第2の反射素子の何れか一方の反射素子に、前記参照光束が入射した場合に、該一方の反射素子で反射された参照光束が、前記第1及び第2の反射素子の他方の反射素子に対して、前記一方の反射素子に対する前記参照光束の入射方向と平行かつ逆向きに入射するように、前記参照光束を導く光線方向変更部材とを有し、前記回転部材を回転させることにより、前記参照光束の光路長を変化させ、
    前記コントローラは、前記第1または前記第2の反射素子の何れかが所定の位置に達したことを検知し、前記第1または前記第2の反射素子の何れかが所定の位置に達したことが検知されてからの経過時間に前記回転部材の回転速度を乗じて前記検知された反射素子の位置を特定することにより、あるいは前記コントローラは、回転位置検出器により前記第1または前記第2の反射素子の位置を特定することにより、前記参照光束の光路長を測定し、当該測定された参照光束の光路長に応じて前記焦点可変レンズの焦点距離を調節する、
    請求項1または2に記載の寸法測定装置。
  4. 前記測定光束外に配置され、前記焦点可変レンズへ斜入射するように基準光を照射する第2の光源と、
    前記測定光束外に配置され、前記焦点可変レンズを透過した前記基準光を受光し、該基準光の受光位置に応じた信号を出力する第2の検出器とをさらに有し、
    前記コントローラは、前記受光位置と前記焦点可変レンズの焦点距離の関係を示す参照テーブルを参照することにより、前記焦点可変レンズの焦点距離を測定し、当該測定された焦点距離と、設定しようとする前記焦点可変レンズの焦点距離のずれ量が小さくなるように、前記焦点可変レンズの焦点距離を調節する、請求項1〜3の何れか一項に記載の寸法測定装置。
  5. 被測定物の表面高さを測定する寸法測定方法であって、
    白色光源から放射された光を、光線分割素子により被測定物の表面高さに応じた光路長を有する測定光束と参照光束とに分割するステップと、
    前記光線分割素子から出射された前記参照光束の光路長を変化させるステップと、
    前記参照光束の光路長を測定するステップと、
    前記参照光束の光路長の変化に追従して、前記測定された参照光束の光路長と前記測定光束の光路長が等しいときに前記測定光束が反射される位置において前記測定光束が焦点を結ぶように、測定光束内に配置され、前記測定光束の光軸方向の機械的な移動を伴わずに焦点距離を変更可能な焦点可変レンズの焦点距離を調節するステップと、
    前記測定光束の光路長と前記参照光束の光路長が略等しい場合に生じる干渉信号を検出し、該干渉信号に対応する信号を出力するステップと、
    前記干渉信号の最大値に対応する前記参照光束の光路長を求めることにより、前記被測定物の表面高さを求めるステップと、
    を有することを特徴とする寸法測定方法。
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