本発明は、決済システムに関する。更に詳細には、店舗などで発行されるメンバーズカードやギフトカードなどにクレジットカード情報を紐付けることにより、メンバーズカードやギフトカードなどの提示で、当該店舗のみで機能するクレジットカードとして利用することが可能になると共に、事前にチャージされたバリューにより決済可能となる決済システムに関する。
クレジットカードは、現金を用いずに店舗やインターネットなどで決済を行えることから、決済手段の一つとして幅広く使用されている。そのため店舗などではクレジットカードの決済処理が可能なように、POSレジなどのカード決済機能を有する店舗システムを備えておき、購入者がクレジットカード決済を所望した場合に、購入者が提示するクレジットカードを当該決済処理端末に読み取らせることにより、クレジットカード決済を可能としている。
また一方で、店舗は、顧客囲い込みの一手段として、メンバーズカードやポイントカードなどを発行し、その店舗で買い物をするたびにポイントが蓄積されたり、所定のサービスが享受できるようにしていることも多い。そしてメンバーズカードやポイントカードに、クレジットカード機能を付与することによって、メンバーズカードやポイントカードと、クレジットカードとを一枚で対応することが可能となっている。
更に複数の店舗を傘下に有する例えばグループ店舗やチェーン店舗などでは、そのグループ内の店舗やチェーン店舗内のみで使用可能なハウスカードと呼ばれるクレジットカードを発行していたり、クレジットカード会社と提携した提携カードと呼ばれるクレジットカードを発行していることも多い。
このようなハウスカード、提携カードと呼ばれるクレジットカードは、店舗にとって顧客の囲い込みの一手段として有益であり、また顧客の手持ちの現金が少ない場合でも、当該ハウスカードや提携カードに付与されたクレジットカード機能によってクレジットカード決済することも出来るので、売り上げ獲得の機会を逃すこともなく、利便性が高い。
しかし、店舗が新たにハウスカードや提携カードを発行する場合には、すでにその店舗の会員などになっている場合には、既存顧客から発行済みのメンバーズカードやポイントカードを回収し、新たに発行するハウスカードや提携カードに切り替えを行う必要があり、手間を要する。
そこで下記特許文献1、特許文献2に記載のように、すでに発行しているメンバーズカードやポイントカードにクレジットカード番号を対応づけることで、実質的にメンバーズカードやポイントカードをクレジットカードと同様に取り扱うことが可能となるクレジットカードの処理システムが開示されている。
特開2002−8142号公報
特開2005−85122号公報
上記各特許文献などに記載のシステムを用いれば、既存顧客にすでに発行しているメンバーズカードやポイントカードを実質的にその店舗内においてはクレジットカードと同様に取り扱うことが出来る点で上記課題を解決し得る。
しかしメンバーズカードやポイントカードと対応づけられるクレジットカードのクレジットカード番号を店舗側で管理することとなるので、クレジットカード番号が悪用される危険性、情報漏洩の危険性など、不安感の発生が否めない。なぜならば上記各特許文献のシステムでは、クレジットカード決済の処理自体には何らの変更も行っていないため、店舗に設置されたクレジットカードの決済処理端末とクレジットカード会社のサーバとの間の電文処理は従来と全く同一の方法を採る必要があり、メンバーズカードやポイントカードなどにおける識別情報をクレジットカード会社で受け取ってもクレジットカード決済を実行できないためである。
また店舗などでは、プリペイド型の電子マネーサービスが利用可能となっている場合もある。この電子マネーサービスを利用する場合には、事前に電子マネーサービスの会員となり、所定の方法により残高をチャージしておく必要がある。そしてそのチャージにはクレジットカードを用いることが出来る。ところがこのような電子マネーサービスであっても、電子マネーサービス専用のカードを入手する必要がある。そのためすぐに電子マネーサービスを実現することは出来ない。そこでほぼ誰でが所有するクレジットカードさえあれば、その店舗で利用可能なメンバーズカードやポイントカードを用いて電子マネーサービスが提供されることが期待されている。
そこで本発明者は上記課題に鑑み、店舗が発行しているメンバーズカードやポイントカードに対して実質的にクレジットカードの機能を付与するとともに、従来のシステムとは異なり、店舗側で顧客のクレジットカード番号を管理せず、セキュリティ性も保つ決済システムを発明した。
また上述の電子マネーサービスを実現するにあたって、本発明者は上記課題に鑑み、店舗が発行しているメンバーズカードやポイントカードに対してクレジットカード番号と対応づけてバリュー残高のチャージを可能とせしめることにより、容易に電子マネーサービスが実現可能となると共に、店舗側で顧客のクレジットカード番号を管理せず、セキュリティ性も保つ決済システムが可能となる。
第1の発明は、ユーザまたはユーザが利用するIDカードに記憶するIDに対応づけたバリュー残高により決済を行う決済システムであって、前記決済システムは、電文処理サーバと、バリュー管理センターシステムと、クレジットカード紐付処理センターシステムとを有しており、店舗システムまたはフロントサーバにおいて生成された、前記ユーザの商品購入を示す処理の処理種別コードに対応するクレジットカードの処理種別コードと、前記IDと、電文の転送先である前記バリュー管理センターシステムの宛先センター情報と、取引金額とを少なくとも含む電文を、前記電文処理サーバで受け取り、前記電文処理サーバは、前記受け取った電文における宛先センター情報に基づいて前記電文を前記バリュー管理センターシステムに転送し、前記バリュー管理センターシステムは、クレジットカードの処理種別コードと商品購入を示す処理種別コードとの対応テーブルに基づいて、前記受け取った電文におけるクレジットカードの処理種別コードを、前記ユーザの商品購入を示す処理種別コードに読み替え、前記処理種別コードの読替処理によって売上を認識すると、IDとバリュー残高とを対応づけて記憶しているバリュー情報記憶部から、前記電文におけるIDに対応するバリュー残高を抽出して、前記電文における取引金額と比較し、前記バリュー残高が前記取引金額に不足していない場合には、前記バリュー残高から前記取引金額を減算して新たなバリュー残高を前記バリュー情報記憶部に記憶し、前記バリュー残高が前記取引金額に不足している場合には、チャージ処理の要求と前記IDとを前記クレジットカード紐付け処理センターシステムに渡し、前記クレジットカード紐付け処理センターシステムは、前記チャージ処理の要求と前記IDとを受け取ると、前記IDに対応するクレジットカード情報とチャージ額とを、前記IDとクレジットカード情報とチャージ額とを対応づけて記憶しているクレジットカード紐付け情報記憶部から抽出し、前記抽出したクレジットカード情報とチャージ額とを用いてクレジットカード決済処理の電文を生成してクレジットカード会社決済処理システムに渡すことにより、前記チャージ額のクレジットカード決済処理を行わせ、その処理結果を前記バリュー管理センターシステムに渡し、前記バリュー管理センターシステムは、前記チャージ処理の処理結果に基づいて前記バリュー残高に前記チャージ額に相当するバリューを加算してチャージ後のバリュー残高を前記バリュー情報記憶部に記憶し、前記チャージ後のバリュー残高から前記取引金額を減算して決済後の新たなバリュー残高を前記バリュー情報記憶部に記憶する、決済システムである。
また、メンバーズカードなどのIDカードによりクレジットカード処理を実現する場合には、以下のような決済システムを構成する。すなわち、ユーザまたはユーザが利用するIDカードに記憶するIDに対応づけたクレジットカード決済を行う決済システムであって、前記決済システムは、電文処理サーバと、クレジットカード紐付け処理センターシステムと、を有しており、店舗システムまたはフロントサーバにおいて生成された、前記ユーザの商品購入を示す処理の処理種別コードに対応するクレジットカードの処理種別コードと、前記IDと、電文の転送先である前記バリュー管理センターシステムの宛先センター情報と、取引金額とを少なくとも含む電文を、前記電文処理サーバで受け取り、前記電文処理サーバは、前記受け取った電文における宛先センター情報に基づいて前記電文を前記クレジットカード紐付け処理センターシステムに転送し、前記クレジットカード紐付け処理センターシステムは、クレジットカードの処理種別コードと商品購入を示す処理種別コードとの対応テーブルに基づいて、前記受け取った前記電文におけるクレジットカードの処理種別コードを、前記ユーザの商品購入を示す処理の処理種別コードに読み替え、前記処理種別コードの読替処理によって売上を認識すると、前記電文における前記IDに対応するクレジットカード情報を前記クレジットカード紐付け情報記憶部から抽出し、前記抽出したクレジットカード情報と前記電文における取引金額とを用いてクレジットカード決済処理の電文を生成してクレジットカード会社決済処理システムに渡すことにより、前記取引金額のクレジットカード決済処理を行う、決済システムである。
また、以下のようなバリュー管理センターシステムを構成することもできる。すなわち、ユーザまたはユーザが利用するIDカードに記憶するIDに対応づけたバリュー残高により決済を行う決済システムで用いるバリュー管理センターシステムであって、前記バリュー管理センターシステムは、前記IDとバリュー残高とを対応づけて記憶しているバリュー情報記憶部と、店舗システムまたはフロントサーバにおいて生成された、前記ユーザの商品購入を示す処理の処理種別コードに対応するクレジットカードの処理種別コードと、前記IDと、取引金額とを少なくとも含む電文を受け取る処理部と、クレジットカードの処理種別コードと商品購入を示す処理種別コードとの対応テーブルに基づいて、前記受け取った電文におけるクレジットカードの処理種別コードを、前記ユーザの商品購入を示す処理種別コードに読み替える処理部と、前記処理種別コードの読替処理によって売上を認識すると、前記電文におけるIDに対応するバリュー残高を前記バリュー情報記憶部から抽出して、前記電文における取引金額と比較するバリュー残高判定部と、前記比較の結果、前記バリュー残高が取引金額に不足していない場合には、前記バリュー残高から前記取引金額を減算して新たなバリュー残高を前記バリュー情報記憶部に記憶するバリュー決済処理部と、前記比較の結果、前記バリュー残高が取引金額に不足している場合には、前記バリュー残高に新たなバリューを加算するチャージ処理を実行するチャージ処理部と、を有しており、前記チャージ処理部は、チャージ処理の要求と前記IDとをクレジットカード紐付け処理センターシステムに渡すことで、前記クレジットカード紐付け処理センターシステムにおいて前記IDに対応するクレジットカード情報とチャージ額とを用いてクレジットカード決済処理の電文を生成させて、その電文をクレジットカード会社決済処理システムに送らせ、前記チャージ額のクレジットカード決済処理の処理結果を前記クレジットカード紐付け処理センターシステムから受け取り、その処理結果に基づいて、前記バリュー残高に前記チャージ額に相当するバリューを加算して新たなバリュー残高を前記バリュー情報記憶部に記憶する、バリュー管理センターシステムである。
また、以下のようなクレジットカード紐付け処理センターシステムを構成することもできる。すなわち、ユーザまたはユーザが利用するIDカードに記憶するIDに対応づけたクレジットカード決済を行う決済システムで用いるクレジットカード紐付け処理センターシステムであって、前記クレジットカード紐付け処理センターシステムは、前記IDとクレジットカード情報とを対応づけて記憶しているクレジットカード紐付け情報記憶部と、店舗システムまたはフロントサーバにおいて生成された、前記ユーザの商品購入を示す処理の処理種別コードに対応するクレジットカードの処理種別コードと、前記IDと、取引金額とを少なくとも含む電文を受け取る処理部と、クレジットカードの処理種別コードと商品購入を示す処理種別コードとの対応テーブルに基づいて、前記受け取った前記電文におけるクレジットカードの処理種別コードを、前記ユーザの商品購入を示す処理の処理種別コードに読み替える処理部と、前記処理種別コードの読替処理によって売上を認識すると、前記電文における前記IDに対応するクレジットカード情報を前記クレジットカード紐付け情報記憶部から抽出するクレジットカード情報抽出部と、前記抽出したクレジットカード情報と前記電文における取引金額とを用いてクレジットカード決済処理の電文を生成してクレジットカード会社決済処理システムに渡すことにより、前記取引金額のクレジットカード決済処理を行うクレジットカード決済処理部と、を有するクレジットカード紐付け処理センターシステムである。
また上述のバリュー管理センターシステムとクレジットカード紐付け処理センターシステムは、一つのシステムとして実現することもできる。すなわち、ユーザまたはユーザが利用するIDカードに記憶するIDに対応づけてバリュー残高を管理し、前記IDに対応づけたクレジットカード決済を行う決済システムで用いるバリュー管理・クレジットカード紐付け処理システムであって、前記バリュー管理・クレジットカード紐付け処理システムは、前記IDとバリュー残高とを対応づけて記憶しているバリュー情報記憶部と、少なくとも前記IDとクレジットカード情報とを対応づけて記憶しているクレジットカード紐付け情報記憶部と、を少なくとも有しており、前記ユーザの商品購入を示す処理の処理種別コードに対応するクレジットカード処理の処理種別コードと、前記IDと、取引金額とを少なくとも含むクレジットカード電文を電文処理サーバから受け取り、前記受け取った電文における処理種別コードを抽出し、指定された処理種別コードとクレジットカード処理の処理種別コードとを対応づける対応テーブルに基づいて、前記抽出した処理種別コードを、前記商品購入を示す処理の処理種別コードに読み替え、前記バリューを用いた決済の場合には、前記処理種別コードの読替処理によって売上を認識すると、前記電文におけるIDを抽出することで、前記バリュー情報記憶部に記憶する前記IDに対応するバリュー残高を抽出し、前記バリュー残高と前記電文における取引金額とを比較し、前記バリュー残高が前記取引金額に不足していない場合には、前記バリュー残高から前記取引金額を減算して新たなバリュー残高を前記バリュー情報記憶部に記憶させ、前記バリュー残高が前記取引金額に不足している場合には、前記クレジットカード紐付け情報記憶部に記憶する前記IDに対応するクレジットカード情報とチャージ額とに基づいてチャージ処理を行い、前記チャージ処理の処理結果に基づいて前記バリュー残高に前記チャージ額を加算してチャージ後のバリュー残高を前記バリュー情報記憶部に記憶させ、前記チャージ後のバリュー残高から前記取引金額を減算して決済後の新たなバリュー残高を前記バリュー情報記憶部に記憶させる、ことで前記バリューを用いた決済を行い、前記クレジットカード決済の場合には、前記商品購入を示す処理種別コードに読み替えると、前記電文における前記IDに対応するクレジットカード情報を前記クレジットカード紐付け情報記憶部から抽出し、前記抽出したクレジットカード番号と前記電文における取引金額とを用いてクレジットカード決済処理の電文を生成してクレジットカード会社決済処理システムに渡すことにより、前記取引金額のクレジットカード決済処理を行う、バリュー管理・クレジットカード紐付け処理システムである。
これらの各発明のように構成することで、店舗が発行しているメンバーズカードやポイントカードに対して実質的にクレジットカードの機能を付与するとともに、従来のシステムとは異なり、店舗側で顧客のクレジットカード情報を管理せず、セキュリティ性も保つことが可能となる。また店舗が発行しているメンバーズカードやポイントカードに対してクレジットカード情報と対応づけてバリュー残高のチャージを可能とせしめることにより、容易に電子マネーサービスが実現可能となると共に、店舗側で顧客のクレジットカード番号を管理せず、セキュリティ性も保つことが可能となる。
本発明によって、店舗が発行しているメンバーズカードやポイントカードに対して実質的にクレジットカードの機能を付与するとともに、従来のシステムとは異なり、店舗側で顧客のクレジットカード情報を管理せず、セキュリティ性も保つ決済システムが可能となる。
また店舗などで発行しているプラスチック製のギフトカード(従来の紙媒体の商品券・ギフト券の機能を有するカード)について、本発明を用いることにより、繰り返し使用可能なギフトカードとして使用することも可能となる。
本発明の決済システム1の全体の概念図を図1に示す。またシステム構成の概念図の一例を図2に示す。また各システムは一または複数のサーバから構成されていることが好ましい。なお本明細書における各システムや各手段は、その機能が論理的に区別されているのみであって、物理上あるいは事実上は同一の領域あるいは異なる領域を為していても良い。また本発明の各システムについては異なる主体が実行しても良いし、一または複数のシステムを同一の主体が実行しても良い。
各サーバでは、プログラムの演算処理を実行するCPUなどの演算装置20と、情報を記憶するRAMやハードディスクなどの記憶装置21と、演算装置20の処理結果や記憶装置21に記憶する情報を送受信する通信装置24とを少なくとも有している。各サーバで実現する各機能(各手段)は、その処理を実行する手段(プログラムやモジュールなど)が演算装置20に読み込まれることでその処理が実行される。各機能は、記憶装置21に記憶した情報をその処理において使用する場合には、該当する情報を当該記憶装置21から読み出し、読み出した情報を適宜、演算装置20における処理に用いる。当該サーバには、キーボード、マウス、テンキー、ボタンなどの入力装置23、ディスプレイ(画面)などの表示装置22を有していても良い。図3にハードウェア構成の一例を模式的に示す。
本明細書では、顧客がすでに利用しているメンバーズカード、ポイントカードなどにはそれぞれ識別情報(以下、「ID」という)が含まれており、そのIDによって顧客またはメンバーズカード、ポイントカードなどのIDカードが識別される。またメンバーズカード、ポイントカードなど、顧客がすでに利用しているカードを「IDカード」と本明細書では称する。IDカードには、メンバーズカード、ポイントカードのほか、社員証、学生証、入館証、診察券などがあり、IDが記憶されていればよく、当該店舗によって発行されたものでなくても良い。またIDカードには、プラスチック製のギフトカード(従来の紙媒体の商品券・ギフト券の機能を有するカード)も含まれ、当該IDカードにも所定のIDが記憶されている。なおギフトカードの素材は、上述のようにプラスチック製に限定されず、それ以外の素材、例えば金属製、紙製などであっても良い。IDカードには磁気ストライプ、ICチップなどIDを記憶する記憶媒体を備えていることが好ましい。またIDには上述のように記憶媒体のほか、バーコードなどにより、当該IDが具現化されて記憶(表示)されていても良い。
本発明の決済システム1は、複数のコンピュータ端末やサーバにより構成されている。店舗などでは、クレジットカード決済処理を実行する際に必要な店舗システム2が設置されており、店舗システム2から送信されたクレジットカード決済時に用いられる電文が、所定の電文処理サーバ4に送信される。またインターネットなどにおけるネットショップの場合には、商品等の購入の情報をユーザが利用するコンピュータ端末からネットショップのフロントサーバ3が受け取り、そのフロントサーバ3からクレジットカード決済時に用いられる電文が所定の電文処理サーバ4に送信される。
なお店舗システム2は、POSレジなどのカード決済機能を有しておればよく、それが一つの端末あるいは複数の端末から構成されていても良い。
この電文は従来使用されているクレジットカード決済における電文を用いている。
クレジットカード決済の電文は、制御情報とオーソリ関連情報とを含んで構成されている。制御情報は電文自体の制御を行うための情報であって、どのクレジットカード会社のコンピュータシステムに電文を転送するかを示すルーティング情報(宛先センター情報)などが含まれている。またオーソリ関連情報には、クレジットカードの決済処理に必要な情報、例えば会員番号(会員を識別する情報であり、数値には限定されず、文字、記号などを含んだ会員識別情報であればよい)、商品コード、各クレジットカード会社が自由にデータを書き込める領域(自由設定域)などが含まれている。図6に電文の一例を模式的に示す。
なお本明細書で説明する電文については一例であり、ほかの形式による電文であっても、本発明に必要な処理の情報が含まれていれば、同様に処理可能である。
電文処理サーバ4は、クレジットカード決済時に用いられる決済ネットワークにおける電文を処理するサーバであり、店舗システム2またはフロントサーバ3から受信した電文(好ましくは電文の制御情報)における、当該電文を転送する先の識別情報(宛先センター情報)に従って、電文を転送する。この宛先センター情報が後述するクレジットカード紐付け処理センターシステム6を示す情報であれば、当該電文はクレジットカード紐付け処理センターシステム6に転送され、宛先センター情報が後述するバリュー管理センターシステム5を示す情報であれば、当該電文はバリュー管理センターシステム5に転送される。また宛先センター情報が通常のクレジットカード決済時のクレジットカード会社の、クレジットカード会社決済処理システム7を示す情報であれば、当該電文はクレジットカード会社決済処理システム7に転送される(ただしこの場合は通常のクレジットカード処理となる)。
なお上述の宛先センター情報がバリュー管理センターシステム5を示す情報の場合には、店舗システム2で読み取ったIDカードはギフトカードである場合であり、宛先センター情報がクレジットカード紐付け処理センターシステム6を示す情報の場合には、店舗システム2で読み取ったIDカードにより、クレジットカード決済処理を行う場合となる。
バリュー管理センターシステム5は、バリュー情報記憶部51とバリュー残高判定部52とバリュー決済処理部53とチャージ処理部54とを有する。
バリュー情報記憶部51は、ギフトカードであるIDカードのバリューの残高を、当該IDに対応づけて記憶している。図7にバリュー情報記憶部51の一例を模式的に示す。
バリュー残高判定部52は、電文処理サーバ4から電文を受け取ると、その電文(好ましくは電文のオーソリ関連情報)からIDと取引金額を抽出する。そしてそのIDに基づいてバリュー情報記憶部51を参照することにより、当該IDに対応するバリュー残高を抽出する。そしてそのバリュー残高と取引金額とを比較し、バリュー残高が不足しているかを判定する。
バリュー決済処理部53は、バリュー残高判定部52において、バリュー残高が不足していないと判定した場合、バリュー残高から取引金額を減算し、バリュー残高を更新する。そして電文(好ましくは電文のオーソリ関連情報)における処理結果として決済済みを示す情報、利用後残高、などをセットして、電文処理サーバ4を介して、店舗システム2またはフロントサーバ3に当該電文を送信する。なおバリュー決済処理部53は、オートチャージを行った場合には、オートチャージを正常に終了したことを電文(好ましくは電文のオーソリ関連情報)にセットして、電文処理サーバ4を介して、店舗システム2またはフロントサーバ3に当該電文を送信することが良い。
チャージ処理部54は、バリュー残高判定部52において、バリュー残高が不足していると判定した場合、当該IDのバリュー残高に対するオートチャージの処理要求を、後述するクレジットカード紐付け処理センターシステム6に送信する。この際に、どのIDのオートチャージを行うかを示すために、少なくともIDをあわせて送信する。
またチャージ処理部54は、クレジットカード紐付け処理センターシステム6におけるオーソリ処理(クレジットカード決済が可能かを確認する処理であり、例えば与信枠から取引金額分だけ枠を確保する、紛失・盗難の届けがされていないか、などがある)の結果、オーソリOKの結果とチャージ額とをクレジットカード紐付け処理センターシステム6から受け取ると、チャージ額をバリュー残高に加算することにより、新たなバリュー残高を更新する。そしてバリュー残高判定部52に、オートチャージ終了の結果を返すことで、バリュー残高判定部52は、再度、取引金額と新たなバリュー残高(オートチャージ後のバリュー残高)を比較し、バリュー残高が不足しているかを判定する。
クレジットカード紐付け処理センターシステム6は、クレジットカード紐付け情報記憶部61とクレジットカード情報抽出部62とクレジットカード決済処理部63とを有している。
クレジットカード紐付け情報記憶部61は、電文に含まれているIDカードのIDと、それに紐づけられているクレジットカード番号、有効期限、会員名などのクレジットカード決済に必要な情報(以下、「クレジットカード情報」という)と、チャージ額、オートチャージを行う閾値、一回あたりの利用上限金額、一日あたりの利用上限金額などのオートチャージに必要な情報とを記憶している。図8にクレジットカード紐付け情報記憶部61の概念図の一例を模式的に示す。
クレジットカード情報抽出部62は、バリュー管理センターシステム5から、バリュー残高に対するオートチャージの処理要求とIDとを受け取った場合、そのIDに対応するクレジットカード情報を、クレジットカード紐付け情報記憶部61から抽出する。また同様に、電文処理サーバ4から転送された電文を受け取った場合、その電文(好ましくは電文のオーソリ関連情報)からIDを抽出し、そのIDに対応するクレジットカード情報を、クレジットカード紐付け情報記憶部61から抽出する。
クレジットカード決済処理部63は、オーソリ処理とクレジットカード決済処理を実行する。オーソリ処理とは、上述のように、当該クレジットカード情報において取引金額(あるいはチャージ額)の決済が可能かを与信枠に基づいて、クレジットカード会社のクレジットカード会社決済処理システム7に問い合わせる処理であり、クレジットカード決済処理とは、オーソリ処理の結果、オーソリOKの結果を受け取った場合、当該取引金額(あるいはチャージ額)のクレジットカード決済処理の要求を、クレジットカード会社決済処理システム7に送信する処理である。このクレジットカード決済処理の電文の場合には、少なくともクレジットカード情報と取引金額(チャージ額)とが送信される。
バリュー管理センターシステム5からオートチャージの処理要求をIDとともに受け取った場合、クレジットカード決済処理部63は、クレジットカード情報抽出部62がクレジットカード紐付け情報記憶部61から抽出した、当該IDに対応するクレジットカード情報と当該IDのチャージ額とに基づいて、オーソリ処理の電文をクレジットカード会社決済処理システム7に送信する。そして、クレジットカード会社決済処理システム7からオーソリOKの電文を受け取ると、クレジットカード決済処理部63は、当該クレジットカード情報によるチャージ額のクレジットカード決済の要求の電文をクレジットカード会社決済処理システム7に送信することで、クレジットカード決済を実行する。そしてクレジットカード決済が正常に行えた結果の電文を受け取ると、オーソリOKの情報とバリュー残高にチャージするチャージ額の情報とをバリュー管理センターシステム5に送信する。
また電文処理サーバ4から電文を受け取っている場合には、クレジットカード情報抽出部62が、当該電文(好ましくは電文のオーソリ関連情報)からIDを抽出し、当該IDに対応するクレジットカード情報が抽出される。そしてそのクレジットカード情報に基づいて、クレジットカード決済処理部63が、当該電文(好ましくは電文のオーソリ関連情報)における取引金額を抽出し、クレジットカード情報と取引金額とに基づいて、オーソリ処理の電文をクレジットカード会社決済処理システム7に送信する。そして、クレジットカード会社決済処理システム7からオーソリOKの電文を受け取ると、クレジットカード決済処理部63は、当該クレジットカード情報による取引金額のクレジットカード決済の要求の電文をクレジットカード会社決済処理システム7に送信することで、クレジットカード決済を実行する(クレジットカード会社におけるクレジットカード決済が実行されることで、クレジットカード会社の所定の決済タイミングで、指定されている銀行口座から当該金額が引き落とされる)。そしてクレジットカード決済が正常に行えた結果の電文を受け取ると、正常にクレジットカード決済処理が行えたことを示す情報を電文(好ましくは電文のオーソリ関連情報)にセットして、電文処理サーバ4を介して、店舗システム2またはフロントサーバ3に送信する。
なお、バリュー管理センターシステム5、クレジットカード紐付け処理センターシステム6では、電文処理サーバ4から受け取った電文について、当該電文の所定領域のデータについて、まず、予め定められた処理種別に読み替えた上で、対応する処理を実行する。つまり上記電文については、従来のクレジットカード決済と同様の電文の処理種別のコードが含まれている。しかしその処理種別のコードは従来のクレジットカード決済における処理種別を示すコードであるので、そのままでは処理が行えない(誤った処理が実行されてしまう)。そこで、従来のクレジットカード決済における処理種別を示すコードと、本発明における処理種別を示すコードに読み替えてその処理を実行させる。図9に従来のクレジットカード決済における処理種別を示すコードと、本発明で読み替える処理種別を示すコードの一例を模式的に示す。
またバリュー管理センターシステム5、クレジットカード紐付け処理センターシステム6は同一の主体が一つのシステムとして実行しても良いし、同一の主体又は異なる主体が別々のシステムとして実行しても良い。一つのシステムとしてバリューセンター管理システム5、クレジットカード紐付け処理センターシステム6を実施する場合、これらを総称して、バリュー管理・クレジットカード紐付け処理システムと称する
クレジットカード会社決済処理システム7は、クレジットカード会社でクレジットカード決済の処理に使用されるコンピュータシステムであって、オーソリ処理、クレジットカード決済処理、など従来と同様のクレジットカード決済処理が行われる。
店舗システム2は、店舗に設置された端末であって、例えばIDカード読み取り機能を備えるPOS端末や、IDカードのR/W装置(読み書き装置)、またそれらの処理に使用するコンピュータ端末などが該当する。これらには、店舗の担当者が情報の入力が可能なように入力装置23などが備えられており、通常のクレジットカード決済のほか、本発明におけるIDカードを用いたクレジットカード決済や、IDカードがギフトカードである場合のギフトカードのバリュー残高による決済を示す入力が行われると、それに伴った電文をセットして、電文処理サーバ4に送信することとなる。
まず本発明の決済システム1における事前準備を行う場合の処理プロセスを図4のフローチャートと図1及び図2の概念図を用いて説明する。まず本発明の決済システム1を用いた決済を行うことを希望する場合には、IDカードにおけるIDとクレジットカード情報との紐付けの登録処理を行う必要がある。
そこでクレジットカードの会員は、申込書に会員番号(クレジットカードと紐づけるIDカードの会員番号(ID))とクレジットカード番号、有効期限、会員名、チャージ額、オートチャージの閾値、一回あたりの利用上限金額、一日あたりの利用上限金額などのクレジットカード情報としての必要事項を記入し、郵送する(S100)。そうするとそれを受領した担当者がクレジットカード紐付け処理センターシステム6のクレジットカード紐付け情報記憶部61に記憶させる(S110)。
また申込書によるほか、会員自らがインターネットなどを介して所定の申し込み画面から、クレジットカード情報と紐づけるIDカードのIDとクレジットカード番号、有効期限、会員名、チャージ額、オートチャージの閾値、一回あたりの利用上限金額、一日あたりの利用上限金額などの必要事項を入力する(S100)。そうすると会員が利用するコンピュータ端末からデータが送信されることにより、それらの情報がクレジットカード紐付け情報記憶部61に記憶される(S110)。
このようにして事前準備を行っておく。
なおギフトカードとしてIDカードを使用したい場合には、所定の方法によりギフトカードを会員は入手し、そのIDカードに記憶されているIDを用いて、IDとクレジットカード番号、有効期限、会員名、チャージ額、オートチャージの閾値、一回あたりの利用上限金額、一日あたりの利用上限金額などの必要事項を入力すれば良い。
このようにしてIDカードにクレジットカード情報を紐づけることによって、このIDカードをギフトカードとして第三者に譲渡することも可能となる。なおこのようなギフトカードの場合には、IDカードに紐づけられたクレジットカードの与信枠を、実質的に第三者に譲渡可能とせしめることにより、その総利用上限金額を設けてもよく、総利用上限金額を超過した段階で、当該IDカードを使用不能(IDを取り消す、使用不能のフラグを付してクレジットカード紐付け情報記憶部61に記憶させる)とすることが良い。つまり、クレジットカード紐付け情報記憶部61に、チャージ可能な上限額をIDに対応づけて記憶させておき、チャージ時にそのチャージ可能な上限額を参照して、利用額を超過していないかをチェックすることで実現できる(なおチャージ時には、当該IDに対応づけて、チャージされた金額が加算されていき、その金額に新たにチャージした金額を加算し、それがチャージ可能な上限額を超過していないかを判定する)。
次に本発明の決済システム1を用いて決済を行う場合の処理プロセスを図5のフローチャートと図1及び図2の概念図を用いて説明する。まず本実施例では、購入者が店舗においてギフトカードであるIDを用いてバリュー残高による決済を行う場合を説明する。なおIDカードがギフトカードでなくても(例えばIDカードがメンバーズカードであっても)、IDカードを用いたバリュー残高による決済の場合にも同様に適用可能である。
ギフトカードであるIDカードを所持する購入者は購入したい商品を告げ、それとともにギフトカードであるIDカードを店舗の担当者に提示する。そうすると店舗の担当者は、当該商品の購入金額を入力し、ギフトカードであるIDカードをPOS端末やR/W装置に読み取らせる(S200)。そしてギフトカードであるIDカードによる決済であることを示す入力を行う。
そうするとPOS端末やR/W装置などの店舗システム2では、クレジットカード電文のうち、制御情報における宛先センター情報としてバリュー管理センターシステム5の情報をセットし、また制御情報における電文の種別コードとして売上を示す情報がセットされる。なお、この際にセットする電文の種別コードは売上を示す情報ではあるが、その種別コードそのものは存在しないので、図9に示すように、当該種別コードに対応する、従来のクレジットカード処理に用いられる種別コード(従来のクレジットカード決済における「売上」を示す種別コード)が実際にはセットされる。なお図9に示す対応テーブルは店舗システム2や所定のサーバ(この場合には、種別コードをサーバに問い合わせることとなる)などに記憶されている。
また、電文のオーソリ関連情報には、POS端末やR/W装置でIDカードから読み取ったIDをセットし、入力された取引金額をセットする。さらに必要に応じて、商品コードなどの入力を行っても良い。
このようにして生成された電文が、店舗システム2から所定の方法により、電文処理サーバ4に送信される(S210)。
店舗システム2から送信された電文は、電文処理サーバ4で受け取る。電文処理サーバ4は、当該電文の制御情報における宛先センター情報に基づいて、当該電文の振り分けを行う(S220)。つまり当該電文をどのコンピュータシステムに転送するかを処理する。ここでは、宛先センター情報としてバリュー管理センターシステム5の情報がセットされているので、電文処理サーバ4は、バリュー管理センターシステム5に、当該電文を転送する(S230)。
バリュー管理センターシステム5は、電文処理サーバ4から電文を受け取ると、当該電文の制御情報における電文の処理種別コードを抽出する。ただしここで抽出される処理種別コードは、従来のクレジットカード決済における処理の種別コードであることから、この時点で抽出した種別コードは、従来のクレジットカード決済における「売上」を示す種別コードである。そこでバリュー管理センターシステム5では、当該種別コードに対応する種別コードを、図9に示すような対応テーブル(この対応テーブルはバリュー管理センターシステム5で記憶されている)から抽出する。すなわち種別コード「売上」に対応する種別コード「売上(出金)」の処理種別であると読み替えて処理を実行する。
そうすると売上があったことを認識するので、バリュー残高判定部52は、当該電文のオーソリ関連情報からIDと取引金額とを抽出する。そしてそのIDに基づいて、バリュー情報記憶部51を参照し、そのIDに対応するバリュー残高と、取引金額とを比較する(S240)。
この比較の結果、バリュー残高が取引金額以上の場合には、バリュー決済処理部53が、バリュー残高から取引金額を減算し、バリュー情報記憶部51に記憶する、当該IDに対応するバリュー残高を更新する(S250)。そして、電文のオーソリ関連情報における処理結果を示す情報として、正常に決済が行えたことを示す情報、利用後残高、などの情報をセットして、電文処理サーバ4を介して、店舗システム2に当該電文を送信する。
店舗システム2ではこの電文を受け取ると、バリュー管理センターシステム5からの電文なので、電文の種別コードとして、従来のクレジットカード決済の種別コードではなく、図9に示すような対応テーブルに基づく種別コードに読み替えて、決済結果を表示させる。ここでは正常に決済が行えたことを示す情報とその利用後の残高の情報が含まれているので、そのような表示を店舗システム2で行う。それによって、購入者は、当該ギフトカードの残高を知ることが出来る。
なお、S240の比較処理の結果(S240)、バリュー残高が取引金額未満の場合には、バリュー残高のみでは決済を行えない。そこでチャージ処理部54は、当該IDのバリュー残高に対するオートチャージの処理要求とIDとを、クレジットカード紐付け処理センターシステム6に送信する。
バリュー管理センターシステム5からのオートチャージの処理要求とIDとを受け取ったクレジットカード紐付け処理センターシステム6のクレジットカード情報抽出部62は、受け取ったIDに対応するクレジットカード情報をクレジットカード紐付け情報記憶部61から抽出する(S260)。
そして抽出したクレジットカード情報と、クレジットカード紐付け情報記憶部61に記憶する、当該IDのチャージ額とに基づいて、オーソリ処理の電文をクレジットカード会社決済処理システム7に送信する(S270)。そして、クレジットカード会社決済処理システム7からオーソリOKの電文を受け取ると、クレジットカード決済処理部63は、当該クレジットカード情報によるチャージ額のクレジットカード決済の要求の電文をクレジットカード会社決済処理システム7に送信することで、クレジットカード決済を実行する。つまり、オートチャージのクレジットカード決済処理を実行させる。
そしてクレジットカード決済が正常に行えた結果の電文を受け取ると、オーソリOKの情報とバリュー残高にチャージするチャージ額の情報とをバリュー管理センターシステム5に送信する。
このようにしてバリュー管理センターシステム5でクレジットカード紐付け処理センターシステム6からオーソリOKの結果とチャージ額とを受け取ると、チャージ処理部54は、チャージ額をバリュー残高に加算することにより、バリュー情報記憶部51の新たなバリュー残高を更新する(S280)。そしてバリュー残高判定部52は、再度、取引と新たなバリュー残高(オートチャージ後のバリュー残高)を比較し、バリュー残高が不足しているかを判定する。その結果、バリュー残高が取引金額以上であれば、バリュー決済処理部53が、バリュー残高から取引金額を減算し、バリュー情報記憶部51に記憶する、当該IDに対応するバリュー残高を更新する(S290)。そして、電文のオーソリ関連情報における処理結果を示す情報として、正常に決済が行えたことを示す情報、利用後残高、などの情報をセットして、電文処理サーバ4を介して、店舗システム2に当該電文を送信する。
なお一度チャージしてもバリュー残高が不足の場合、再度、S260からS280までのオートチャージの処理を実行しても良い。
また取引金額についてバリュー残高で決済が終了後(S250、S290)、そのバリュー残高とIDとクレジットカード紐付け処理センターシステム6に送信し、クレジットカード紐付け情報記憶部61に記憶するオートチャージの閾値との比較をさせることによって、オートチャージの閾値を下回っている場合には、上述のS260からS280のオートチャージ処理を実行するように構成しても良い。
なお本実施例では、店舗においてIDカードを提示した場合を説明したが、インターネットのネットショップで商品等を購入する場合についても処理は実質的に同じである。
つまり購入者はIDをコンピュータ端末から入力すると、その情報がネットショップのフロントサーバ3に送信される。そしてフロントサーバ3が、上述の店舗システム2と上述と同様の処理を実行する。
次に本実施例では、購入者が店舗においてIDカードに対応づけられたクレジットカードによるクレジットカード決済を行う場合を説明する。
IDカードを所持する購入者は購入したい商品を告げ、それとともにIDカードを店舗の担当者に提示する。そうすると店舗の担当者は、当該商品の購入金額を入力し、IDカードをPOS端末やR/W装置に読み取らせる(S200)。そしてIDカードに紐づけられたクレジットカードによる決済であることを示す入力を行う。
そうするとPOS端末やR/W装置などの店舗システム2では、クレジットカード電文のうち、制御情報における宛先センター情報としてクレジットカード紐付け処理センターシステム6の情報をセットし、また制御情報における電文の種別コードとして売上を示す情報がセットされる。なお、この際にセットする電文の種別コードは売上を示す情報ではあるが、その種別コードそのものは存在しないので、図9に示すように、当該種別コードに対応する、従来のクレジットカード処理に用いられる種別コード(従来のクレジットカード決済における「売上」を示す種別コード)が実際にはセットされる。
また、電文のオーソリ関連情報には、POS端末やR/W装置でIDカードから読み取ったIDをセットし、入力された取引金額をセットする。さらに必要に応じて、商品コードなどの入力を行っても良い。
このようにして生成された電文が、店舗システム2から所定の方法により、電文処理サーバ4に送信される(S210)。
店舗システム2から送信された電文は、電文処理サーバ4で受け取る。電文処理サーバ4は、当該電文の制御情報における宛先センター情報に基づいて、当該電文の振り分けを行う(S220)。つまり当該電文をどのコンピュータシステムに転送するかを処理する。ここでは、宛先センター情報としてクレジットカード紐付け処理センターシステム6の情報がセットされているので、電文処理サーバ4は、クレジットカード紐付け処理センターシステム6に、当該電文を転送する(S230)。
クレジットカード紐付け処理センターシステム6は、電文処理サーバ4から電文を受け取ると、当該電文の制御情報における電文の処理種別コードを抽出する。ただしここで抽出される処理種別コードは、従来のクレジットカード決済における処理の種別コードであることから、この時点で抽出した種別コードは、従来のクレジットカード決済における「売上」を示す種別コードである。そこでバリュー管理センターシステム5では、当該種別コードに対応する種別コードを、図9に示すような対応テーブル(この対応テーブルはクレジットカード紐付け処理センターシステム6で記憶されている)から抽出する。すなわち種別コード「売上」に対応する種別コード「売上(出金)」の処理種別であると読み替えて処理を実行する。
そうすると売上があったことを認識するので、クレジットカード情報抽出部62が、当該電文のオーソリ関連情報からIDを抽出し、当該IDに対応するクレジットカード情報を抽出する(S300)。
そしてそのクレジットカード情報に基づいて、クレジットカード決済処理部63が、当該電文オーソリ関連情報における取引金額を抽出し、クレジットカード情報と取引金額とに基づいて、オーソリ処理の電文をクレジットカード会社決済処理システム7に送信する(S310)。そして、クレジットカード会社決済処理システム7からオーソリOKの電文を受け取ると、クレジットカード決済処理部63は、当該クレジットカード情報による取引金額のクレジットカード決済の要求の電文をクレジットカード会社決済処理システム7に送信することで、クレジットカード決済を実行する(S320)。
このようにしてクレジットカード決済が正常に行えた結果の電文を受け取ると、正常にクレジットカード決済処理が行えたことを示す情報を電文のオーソリ関連情報にセットして、電文処理サーバ4を介して、店舗システム2またはフロントサーバ3に送信する。
以上のような処理を実行することで、IDカードに対応づけられたクレジットカード情報によるクレジットカード決済を行うことが可能となる。
なおこの際に提示されるIDカードは、一般的にはメンバーズカードやポイントカードなど、所定の店舗内でしか使用できないカードである。そのため、これらをほかの店舗で提示したとしても店舗の担当者は、別の店舗のメンバーズカードやポイントカードが提示されていることを認識するので、決済を拒否する可能性が高いと考えられる。そのため、実質的にハウスカードとして当該メンバーズカードやポイントカードを利用可能となる。
上記のように、メンバーズカードやポイントカードをIDカードとしてクレジットカード番号と紐づけた場合、メンバーズカードやポイントカードで使用されているIDが複数の店舗によって重複する可能性がある。
例えばA店のメンバーズカードではIDとして「1111111」をユーザXに割り当てており、B店のメンバーズカードではIDとして「1111111」をユーザYに割り当てていた場合、クレジットカード紐付け情報記憶部61において、IDがユーザXとユーザYとで重複してしまう可能性がある。
そこでクレジットカード紐付け情報記憶部61に記憶するIDとして、IDカードに記憶するIDのほか、会社コード、店舗コードなど、会社や店舗などを一意に識別可能な情報とともに記憶させることが好ましい。この状態のクレジットカード紐付け情報記憶部61の一例を図10に示す。
このようにすることで、A店のID「1111111」のユーザXと、B店のID「1111111」のユーザYとが識別可能となる。
なおこの場合、店舗システム2などから電文を送る際には、IDのほかにも会社コードや店舗コードなどを電文のオーソリ関連情報にセットして送信する。この会社コードや店舗コードなどは店舗システム2やフロントサーバ3などに予め記憶されており、電文セットの際に自動的にセットされる。そしてバリュー管理センターシステム5、クレジットカード紐付け処理センターシステム6の各処理において、IDのみを抽出するのではなく、電文のオーソリ関連情報の会社コード、店舗コードなどをあわせて抽出し、IDと共に処理に用いる。
上述の各実施例では、購入者が商品等を購入する場合を説明したが、商品等を購入する場合以外であっても同様に処理が可能である。例えばバリュー残高のチャージを行いたい場合には、IDカードとともにその旨を店舗の担当者に告げることによって、IDカードをPOS端末やR/W装置に読み取らせる。また、チャージ希望額も入力される。そしてIDカードのバリュー残高に対するチャージ処理であることを示す入力を行う。
そうするとPOS端末やR/W装置などの店舗システム2では、クレジットカード電文のうち、制御情報における宛先センター情報としてバリュー管理センターシステム5の情報をセットし、また制御情報における電文の種別コードとしてチャージを示す情報がセットされる。なお、この際にセットする電文の種別コードはチャージを示す情報ではあるが、その種別コードそのものは存在しないので、図9に示すように、当該種別コードに対応する、従来のクレジットカード処理に用いられる種別コード(従来のクレジットカード決済における「承認後売上」を示す種別コード)が実際にはセットされる。
また、電文のオーソリ関連情報には、POS端末やR/W装置でIDカードから読み取ったIDをセットし、入力されたチャージ希望額が取引金額としてセットさせる。
このようにして生成された電文が、店舗システム2から所定の方法により、電文処理サーバ4に送信される。
店舗システム2から送信された電文は、電文処理サーバ4で受け取る。電文処理サーバ4は、当該電文の制御情報における宛先センター情報に基づいて、当該電文の振り分けを行う。つまり当該電文をどのコンピュータシステムに転送するかを処理する。ここでは、宛先センター情報としてバリュー管理センターシステム5の情報がセットされているので、電文処理サーバ4は、バリュー管理センターシステム5に、当該電文を転送する。
バリュー管理センターシステム5は、電文処理サーバ4から電文を受け取ると、当該電文の制御情報における電文の処理種別コードを抽出する。ただしここで抽出される処理種別コードは、従来のクレジットカード決済における処理の種別コードであることから、この時点で抽出した種別コードは、従来のクレジットカード決済における「承認後売上」を示す種別コードである。そこでバリュー管理センターシステム5では、当該種別コードに対応する種別コードを、図10に示すような対応テーブルから抽出する。すなわち種別コード「承認後売上」に対応する種別コード「チャージ」の処理種別であると読み替えて処理を実行する。
そうするとチャージ要求があったことを認識するので、チャージ処理部54は、当該電文のオーソリ関連情報からIDと取引金額(チャージ希望額)とを抽出する。そしてチャージ処理部54は、当該IDのバリュー残高に対するチャージの処理要求と当該IDと取引金額(チャージ希望額)とを、クレジットカード紐付け処理センターシステム6に送信する。
バリュー管理センターシステム5からのチャージの処理要求とIDと取引金額(チャージ希望額)を受け取ったクレジットカード紐付け処理センターシステム6のクレジットカード情報抽出部62は、受け取ったIDに対応するクレジットカード情報をクレジットカード紐付け情報記憶部61から抽出する。
そして抽出したクレジットカード情報と取引金額(チャージ希望額)とに基づいて、オーソリ処理の電文をクレジットカード会社決済処理システム7に送信する。クレジットカード会社決済処理システム7からオーソリOKの電文を受け取ると、クレジットカード決済処理部63は、当該クレジットカード情報によるチャージ希望額のクレジットカード決済の要求の電文をクレジットカード会社決済処理システム7に送信することで、クレジットカード決済を実行する。つまりチャージに対するクレジットカード決済処理を実行させる。
そしてクレジットカード決済が正常に行えた結果の電文を受け取ると、オーソリOKの情報とバリュー残高にチャージするチャージ額の情報とをバリュー管理センターシステム5に送信する。
このようにしてバリュー管理センターシステム5でクレジットカード紐付け処理センターシステム6からオーソリOKの結果とチャージ額とを受け取ると、チャージ処理部54は、チャージ額をバリュー残高に加算することにより、バリュー情報記憶部51の新たなバリュー残高を更新する。
そしてチャージ処理部54は、電文のオーソリ関連情報における処理結果を示す情報として、正常にチャージ処理が行えたことを示す情報、利用後残高、などの情報をセットして、電文処理サーバ4を介して、店舗システム2に当該電文を送信する。
以上のように、本発明の決済システム1を用いることにより、従来のクレジットカードの電文をそのまま用いて、IDカードによるバリュー残高での決済処理、クレジットカードの決済処理を行うことが出来る。
なおほかにも処理としては、「売上取消」、「残高照会」などがあるが、同様に処理可能である。
すなわち、商品の返品などにより「売上取消」処理を行いたい場合には、IDカードとともにその旨を告げると、IDカードをPOS端末やR/W装置に読み取らせる。そしてIDカードの売上取消処理であることを示す入力を行う。
そうするとPOS端末やR/W装置などの店舗システム2では、クレジットカード電文のうち、制御情報における宛先センター情報としてバリュー管理センターシステム5の情報をセットし、また制御情報における電文の種別コードとして売上取消処理を示す情報がセットされる。なお、この際にセットする電文の種別コードは売上取消を示す情報ではあるが、その種別コードそのものは存在しないので、図9に示すように、当該種別コードに対応する、従来のクレジットカード処理に用いられる種別コード(従来のクレジットカード決済における「売上取消」を示す種別コード)が実際にはセットされる。また電文のオーソリ関連情報に、読み取ったIDがセットされる。
このようにして生成された電文が、店舗システム2から所定の方法により、電文処理サーバ4に送信される。
店舗システム2から送信された電文は、電文処理サーバ4で受け取る。電文処理サーバ4は、当該電文の制御情報における宛先センター情報に基づいて、当該電文の振り分けを行う。つまり当該電文をどのコンピュータシステムに転送するかを処理する。ここでは、宛先センター情報としてバリュー管理センターシステム5の情報がセットされているので、電文処理サーバ4は、バリュー管理センターシステム5に、当該電文を転送する。
バリュー管理センターシステム5は、電文処理サーバ4から電文を受け取ると、当該電文の制御情報における電文の処理種別コードを抽出する。ただしここで抽出される処理種別コードは、従来のクレジットカード決済における処理の種別コードであることから、この時点で抽出した種別コードは、従来のクレジットカード決済における「売上取消」を示す種別コードである。そこでバリュー管理センターシステム5では、当該種別コードに対応する種別コードを、図9に示すような対応テーブルから抽出する。すなわち種別コード「売上取消」に対応する種別コード「売上取消」の処理種別であると読み替えて処理を実行する。
そうすると売上取消要求があったことを認識するので、バリュー管理センターシステム5は、当該IDに対応するクレジットカード決済の売上を取り消す処理を行う。このクレジットカード決済の売上を取り消すには、クレジットカードの売上を取り消す電文をクレジットカード会社決済処理システム7に送信することによって行える。
また同様に、バリュー残高の残高照会を行う場合には以下のように実行する。「残高照会」処理を行いたい場合には、IDカードとともにその旨を告げると、IDカードをPOS端末やR/W装置に読み取らせる。そしてIDカードの残高処理であることを示す入力を行う。
そうするとPOS端末やR/W装置などの店舗システム2では、クレジットカード電文のうち、制御情報における宛先センター情報としてバリュー管理センターシステム5の情報をセットし、また制御情報における電文の種別コードとして残高照会を示す情報がセットされる。なお、この際にセットする電文の種別コードは残高照会を示す情報ではあるが、その種別コードそのものは存在しないので、図9に示すように、当該種別コードに対応する、従来のクレジットカード処理に用いられる種別コード(従来のクレジットカード決済における「承認後売上取消」を示す種別コード)が実際にはセットされる。また電文のオーソリ関連情報に、読み取ったIDがセットされる。
このようにして生成された電文が、店舗システム2から所定の方法により、電文処理サーバ4に送信される。
店舗システム2から送信された電文は、電文処理サーバ4で受け取る。電文処理サーバ4は、当該電文の制御情報における宛先センター情報に基づいて、当該電文の振り分けを行う。つまり当該電文をどのコンピュータシステムに転送するかを処理する。ここでは、宛先センター情報としてバリュー管理センターシステム5の情報がセットされているので、電文処理サーバ4は、バリュー管理センターシステム5に、当該電文を転送する。
バリュー管理センターシステム5は、電文処理サーバ4から電文を受け取ると、当該電文の制御情報における電文の処理種別コードを抽出する。ただしここで抽出される処理種別コードは、従来のクレジットカード決済における処理の種別コードであることから、この時点で抽出した種別コードは、従来のクレジットカード決済における「承認後売上取消」を示す種別コードである。そこでバリュー管理センターシステム5では、当該種別コードに対応する種別コードを、図9に示すような対応テーブルから抽出する。すなわち種別コード「承認後売上取消」に対応する種別コード「残高照会」の処理種別であると読み替えて処理を実行する。
そうすると残高照会要求があったことを認識するので、バリュー管理センターシステム5は、電文のオーソリ関連情報から当該IDを抽出し、そのIDに基づいて、ギフトバリュー管理情報記憶部から当該IDに対応づけられたバリュー残高を抽出する。
そしてバリュー残高を正常に抽出できたら、クレジットカード紐付け処理センターシステム6は、電文のオーソリ関連情報における処理結果を示す情報として、正常に残高照会処理が行えたことを示す情報、現在のバリュー残高、などの情報をセットして、電文処理サーバ4を介して、店舗システム2に当該電文を送信する。
本発明の決済システム1によって、店舗が発行しているメンバーズカードやポイントカードに対して実質的にクレジットカードの機能を付与するとともに、従来のシステムとは異なり、店舗側で顧客のクレジットカード番号を管理せず、セキュリティ性も保つ決済システム1が可能となる。
また店舗などで発行しているプラスチック製のギフトカードについて、本発明を用いることにより、繰り返し使用可能なギフトカードとして使用することも可能となる。
本発明の全体の概念図の一例を模式的に示す図である。
本発明のシステム構成の一例を模式的に示す概念図である。
各サーバやコンピュータシステムのハードウェア構成の一例を模式的に示す概念図である。
IDにクレジットカード情報を紐づける事前処理の処理プロセスの一例を示すフローチャートである。
IDカードに対応づけられたクレジットカード情報による決済、バリュー残高による決済の処理プロセスの一例を示すフローチャートである。
電文の一例を模式的に示す図である。
バリュー情報記憶部の一例を模式的に示す図である。
クレジットカード紐付け情報記憶部の一例を模式的に示す図である。
従来のクレジットカード決済の処理種別を、本発明の処理種別に読み替える対応テーブルの一例を模式的に示す図である。
クレジットカード紐付け情報記憶部のほかの一例を模式的に示す図である。
符号の説明
1:決済システム
2:店舗システム
3:フロントサーバ
4:電文処理サーバ
5:バリュー管理センターシステム
6:クレジットカード紐付け処理センターシステム
7:クレジットカード会社決済処理システム
20:演算装置
21:記憶装置
22:表示装置
23:入力装置
24:通信装置
51:バリュー情報記憶部
52:バリュー残高判定部
53:バリュー決済処理部
54:チャージ処理部
61:クレジットカード紐付け情報記憶部
62:クレジットカード情報抽出部
63:クレジットカード決済処理部