JP5403674B2 - データセンタにおける空調管理方法及び空調管理装置 - Google Patents
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Description
更に、サーバやネットワーク機器の電力消費量が増加する背景には、機器の数の増加に加え、CPUの高性能化や、ブレードサーバに代表されるような高集積化されたサーバの登場などに起因する機器自体の電力消費量の増加もある。
そして、データセンタDC内の空気の分布をセンサ等(図示せず)により監視し、センサから収集した情報を空調機(CRAC)5の出力にフィードバックする。例えば、熱だまり(データセンタ内の一部の空間が、高い温度となる現象)が発生した場合には、当該個所に冷却された空気を供給する空調機(CRAC)5の出力を上げ、さらに、過冷却(データセンタ内の一部の空間が、低い温度となる現象)がある場合には、当該個所に冷却された空気を供給する空調機(CRAC)5の出力を下げる処理が行われる。これにより、空調機5の電力使用量を最適化することができる。
データセンタで多数のノードを稼働させる場合には、空調機を設置し、各ノードの給気面の温度を、動作保障温度以下に保つ必要がある。しかしながら、他のノードや自身から発生した排気の影響により、給気面の温度が、動作保障温度以上となり、ノードに悪影響を与える現象(熱だまり)が生じる場合がある。
前記各ノードを冷却する空調機を記憶し、
前記各ノードの給気面及び排気面の温度を検知し、
前記各ノードの排気が他のノードに給気される割合を算出し、
前記給気面の温度の検知により熱だまりの発生を検出した際に、
前記データセンタ内の空気の流れを考慮することで前記熱だまりの発生原因となるノードを特定し、当該ノードの給気面の温度低下に影響の大きい空調機の出力を大きくすることで熱だまりの除去を行う
ことを特徴としている。
前記各ノードの給気面の温度を検知する温度センサ。
前記各ノードの排気面の温度を検知する温度センサ。
前記各ノードを冷却する空調機,前記各温度センサで定期的に検知した給気温度及び排気温度をノード情報として記憶するノード情報データベース。
前記各ノードの排気が他のノードに給気される割合を算出することで前記データセンタ内の空気の流れを管理する空気管理データベース。
前記ノード情報データベースに登録された温度から熱だまりの発生を検知し、前記空気管理データベースに登録された空気の流れを考慮することで前記熱だまりの発生原因となるノードを特定し、当該ノードの給気面の温度低下に影響の大きい空調機の出力調整を行う管理サーバ。
データセンタDCにおける空調管理装置は、例えば図1に示すような、複数(5台)のノード(A〜E)1と、各ノードを冷却する複数(3台)の空調機(1〜3)5a,5b,5cとが設置されたデータセンタDCにおいて発生する熱だまりに対して、空調機の電力消費量を最小化しつつ取り除くものである。
各ノード1はネットワークを介して接続され、その動作状況は空調機5a,5b,5cとともに管理サーバ10により管理されている。また、空調機5a,5b,5cは管理サーバ10からの指示を受け、空調機5aがノードA及びノードBを、空調機5bがノードC及びノードDを、空調機5cがノードEをそれぞれ冷却するようになっている。
例えば、非特許文献3に記載されているように、各ノードの稼働状況において、温度センサ8及び温度センサ9から排気面及び給気面の温度を検出し、各ノードの稼働状況が異なる時点の温度センサ8および温度センサ9(各センサの値は、稼働状況が異なるため、異なる温度を示す)から、αを求める方程式を作成し、解くことでαを求める。
データセンタDCにおいては、例えば図3に示すように、複数(図3の例においては4台)の縦長のサーバラック3と空調機5が床面4上に設置され、各サーバラック3に1台以上のノード1が多段に収納されている。空調機(CRAC)5により冷却された空気は、床面4の床下を通り、サーバラック3の給気面(多くの場合ラック前面)から給気される。また、ノードの電力消費により発生した熱はサーバラック3の排気面(多くの場合ラック背面)から排気される。排気は、天井付近を通り、空調機(CRAC)5に取り込まれ、取り込まれた空気は空調機(CRAC)5で冷却されて再度サーバラック3側に供給される。
サーバラック3に設置された各ノード1からの排気の一部は、空調機(CRAC)5から供給される冷却された空気と混合するが、その混ざり方は、サーバラック3や冷却された空気を供給する位置、排気が空調機(CRAC)5に取り込まれる経路によりデータセンタDC毎に異なる。
データセンタDC内には、図4に示すように、10個のサーバラックにそれぞれ5つのノード(ノードA〜E)を設置した場合を想定する。ノードからの排気の一部は自身もしくは他のノードに給気され、残りが空調機(CRAC)5に取り込まれることとなる。
まず、運用者は、データセンタDC内に設置される複数ノードのノード情報と、空気の流れαを管理サーバ10に対して入力することで、ノード情報データベース20及び空気管理データベース30に各値を登録しておく。
先ず、図9に示すような状態のデータセンタDCが存在したとする。このデータセンタDCは,5台のノード(A〜E)と、ノードA,Bを冷却する空調機A(5a)と、ノードC,Dを冷却する空調機B(5b)と、ノードEを冷却する空調機C(5c)と有している。このデータセンタDCの構成においては、各ノードに供給される空気は、他のノードで発生した排熱と空調機により冷却された空気の和からなる。
例えば、ノードEの給気側には、ノードAからの排気が給気全体の30%、ノードBからの排気が給気全体の30%、ノードCからの排気が給気全体の2.5%、ノードDからの排気が給気全体の2.5%、自身(ノードE)からの排気が給気全体の5%、空調機からの冷気が給気全体の30%が流入している。すなわち、ノードEは、65%の空気が他のノードから、残りの35%の空気が空調機から供給される空気と自身が発生する排気で動作する。
また、各空調機による冷却された空気の温度が15℃であり、ノードEの動作保障温度は22℃に設定されている。
このようなデータセンタDCにおいて、ノードEの給気面が動作保障温度以上の24.5℃となり、熱だまりが発生したとする。
すなわち、熱だまりを除去するためには、空調機C(5c)について7.2℃出力温度を下げる必要がある。
この例においては、空調機Aのみ出力温度を4.2℃下げることで熱だまりを解消でき(図8)、図10における空調機Cの出力温度を7.2℃下げる場合と同等の効果を得ることができ、空調機の電力消費量を軽減して省エネ化を図ることができる。
図11は空調機(CRAC)の電力効率を示すグラフであるが、空調機(CRAC)の電力消費量は、供給する冷気の温度と冷却する熱量から求まる。図11は実験的に求めたある空調機(CRAC)の、供給する空気の温度とその電力効率(COP, Coefficient of Performance)を示す。図11より、空調機(CRAC)が供給する空気の温度が高ければ高いほど、電力効率が優れていることが分かる。例えば、10kWの熱を冷却し15℃としたい場合、
COP = 2 = 0.0068*15*15+0.0008*15+0.458 であることから、空調機(CRAC)の電力消費量は5kW=10kW/2となる。一方、10kWの熱を冷却し20℃としたい場合、COP=3.338 であることから、空調機(CRAC)の電力消費量は2.996kW (電力消費量が40%削減される)となる。
Claims (4)
- データセンタ内に多数のノードを設置し、前記各ノードがネットワークを介して接続され、データセンタ内に設置された複数の空調機により前記各ノードを冷却するネットワークシステムにおいて、
前記各ノードを冷却する空調機を記憶し、
前記各ノードの給気面及び排気面の温度を検知し、
前記各ノードの排気が他のノードに給気される割合を算出し、
前記給気面の温度の検知により熱だまりの発生を検出した際に、
前記データセンタ内の空気の流れを考慮することで前記熱だまりの発生原因となるノードを特定し、当該ノードの給気面の温度低下に影響の大きい空調機の出力を大きくすることで熱だまりの除去を行う
ことを特徴とするデータセンタにおける空調管理方法。 - 前記データセンタ内の空気の流れは、データセンタの設計段階のシミュレーションで算出する請求項1に記載のデータセンタにおける空調管理方法。
- 前記データセンタ内の空気の流れは、前記各ノードの給気面及び排気面で検出した温度の分布により推定する請求項1に記載のデータセンタにおける空調管理方法。
- データセンタ内に多数のノードを設置し、前記各ノードがネットワークを介して接続され、データセンタ内に設置された複数の空調機により前記各ノードを冷却するネットワークシステムにおいて、
前記各ノードの給気面の温度を検知する温度センサと、
前記各ノードの排気面の温度を検知する温度センサと、
前記各ノードを冷却する空調機,前記各温度センサで定期的に検知した給気温度及び排気温度をノード情報として記憶するノード情報データベースと、
前記各ノードの排気が他のノードに給気される割合を算出することで前記データセンタ内の空気の流れを管理する空気管理データベースと、
前記ノード情報データベースに登録された温度から熱だまりの発生を検知し、前記空気管理データベースに登録された空気の流れを考慮することで前記熱だまりの発生原因となるノードを特定し、当該ノードの給気面の温度低下に影響の大きい空調機の出力調整を行う管理サーバと
を具備することを特徴とするデータセンタにおける空調管理装置。
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